JP2010027833A - 炭化珪素半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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昌平 吉田
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成久 三浦
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景子 酒井
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Abstract

【課題】炭化珪素縦型MOSFETにおいて、キャリアの電界効果移動度が固定電荷の影響により低下する場合があった。
【解決手段】この発明に係る炭化珪素半導体装置は、第1導電型の炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板の主面上に設けられた第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層の表層部に所定の幅だけ離間して設けられた第2導電型の不純物を含有する第2導電型のウェル領域と、前記ウェル領域の表層部の所定領域に設けられた第1導電型のソース領域と、前記ソース領域の間を結ぶように前記一対のウェル領域および前記ドリフト層に設けられた第1導電型の高濃度領域と、前記高濃度領域の表層部に設けられた低濃度領域とを備え、ウェル領域と高濃度領域の間に自己完結的に空乏層が形成されるように構成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、炭化珪素半導体装置である炭化珪素縦型電界効果型トランジスタに関し、より詳しくは、オン抵抗を低下させた大電力用の炭化珪素縦型電界効果型トランジスタおよびその製造方法に係るものである。
炭化珪素半導体装置の一種である炭化珪素縦型金属−酸化膜−半導体電界効果型トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)において、大電力の高速スイッチング用途のためにオン抵抗を低減させることが有効である。炭化珪素縦型MOSFETのオン抵抗を低減させるためには電界効果移動度を大きくすればよいが、炭化珪素層と酸化珪素ゲート絶縁膜との界面に発生する固定電荷の影響により電界効果移動度が低下することが知られている。そのため、これまで、炭化珪素層とゲート絶縁膜との界面に発生する固定電荷の影響を低減する方法がいくつか提案されていた。
例えば、炭化珪素層とゲート絶縁膜との間に蓄積型の炭化珪素チャネル層を形成する蓄積型MOSFETでは、ゲート絶縁膜から離れた位置を流れる電流の割合を増加させることにより、炭化珪素チャネル層とゲート絶縁膜との間に発生する固定電荷の影響を受け難くし、電界効果移動度を増大させることができる。その具体例としては、チャネル深部に高濃度不純物層を設けることにより、チャネル層における電流の重心を深さ方向に深くして深部に流れる電流の割合を大きくすることによってノーマリオフの状態で電界効果移動度を増加させる方法が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、チャネル深部に不純物がδドープされた層を設け、ゲート電極に印加される電圧が約0Vであるときにゲート電極側から延びる空乏層がその下部に形成される空乏層と接触することにより安定して動作する半導体装置が得られることが示されている。
国際公開第2003/028110号パンフレット
しかしながら、特許文献1のような従来の炭化珪素半導体装置においては、チャネルの深さ方向にp型領域とn型領域とを隣接して設けていないため、pn接合を局所的に形成しにくく特にδドープされた層の固定電荷の影響が残存しその影響により電界効果移動度の低下が発生する場合があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、固定電荷による電界効果移動度の低下を大幅に抑制し、キャリアの電界効果移動度が高い炭化珪素半導体装置を得ることを目的とする。
この発明に係る炭化珪素半導体装置は、第1導電型の炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板の主面上に設けられた第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層の表層部に所定の幅だけ離間して設けられた一対の第2導電型のウェル領域と、前記ウェル領域の表層部の所定領域に設けられた第1導電型のソース領域と、前記ソース領域の表層部に隣接して前記ウェル領域の表層部に設けられた低濃度領域と、前記低濃度領域に深さ方向に隣接して前記低濃度領域の前記炭化珪素基板側に設けられた第1導電型の高濃度領域と、前記低濃度領域の表面上に設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の表面上に設けられたゲート電極と、前記ソース領域の表面上に設けられたソース電極と、前記炭化珪素基板の主面と反対側の面に接して設けられたドレイン電極とを備えたものである。
また、この発明に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は、第1導電型の炭化珪素基板の主面上に第1導電型のドリフト層と第1導電型の高濃度領域と低濃度領域とを順にエピタキシャル成長する工程と、前記ドリフト層の表層部に所定の幅だけ離間して第2導電型のイオンを注入し第2導電型のウェル領域を形成する工程と、前記高濃度領域、前記低濃度領域および前記ドリフト層に所定の幅だけ離間して第1導電型のイオンを注入しソース領域を形成する工程と、前記低濃度領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記ソース領域上に第1導電型のソース電極を形成する工程と、前記炭化珪素基板の主面と反対側の面に接してドレイン電極を形成する工程とを備えたものである。
この発明によれば、固定電荷の影響を大幅に抑制することにより電界効果移動度を高め、オン抵抗を低くした炭化珪素半導体装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における、炭化珪素半導体装置である縦型MOSFETの断面模式図である。本実施の形態においては、第1導電型をn型、第2導電型をp型として説明する。
図1において、n型の炭化珪素基板10の第一の主面上にn型のドリフト層20が形成されている。ドリフト層20の表面側の所定の幅だけ離間した部位には、p型不純物を含有するp型のウェル領域30が形成されている。ウェル領域30およびドリフト層20の表面側には、n型の高濃度領域50とn型の低濃度領域60とが順に積層して形成されている。ドリフト層20上に高濃度領域50と低濃度領域60とが順に積層されたものの表面側で、それぞれのウェル領域30の断面方向の内側にあたる箇所には、n型のソース領域40がウェル領域30の深さより浅く形成されている。ここで、ドリフト層20、ウェル領域30、ソース領域40、高濃度領域50、低濃度領域60はいずれも炭化珪素で構成されており、高濃度領域50の不純物濃度はドリフト層20の不純物濃度より高く、低濃度領域60の不純物濃度は高濃度領域50の不純物濃度より低い。
また、ソース領域40の表面を含む低濃度領域60の表面側には、ソース領域40の表面側の一部を除き酸化珪素で構成されるゲート絶縁膜70が形成されている。さらに、ゲート絶縁膜70上の低濃度領域60に対向する位置には、ゲート電極80が形成されている。ゲート電極80は、一対のソース領域40と例えば10nm〜5μmの幅でオーバーラップするように、一対のウェル領域30およびソース領域40が両端に位置し、ウェル領域30間に露出した低濃度領域60が中央に位置するような断面横方法位置に形成される。
また、ゲート絶縁膜70が形成されていないソース領域40の表面にはソース電極90が、また、炭化珪素基板10の第一の主面と反対側の第二の主面、すなわち、裏面側にはドレイン電極100がそれぞれ形成されている。
つづいて、図1に示した縦型MOSFETの製造方法を、図2〜図6を用いて順に説明する。
まず、図2に示すように、第一の主面の面方位が(0001)面であり4Hのポリタイプを有するn型で低抵抗の炭化珪素基板10の第一の主面上に、n型のドリフト層20、n型の高濃度領域50、n型の低濃度領域60を順次エピタキシャル成長する。ここで、エピタキシャル成長はSiHガスとCガスを用いた化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により行なう。ドリフト層20には1×1016〜1×1018cm−3の窒素(N)がn型不純物として添加されており、その厚さは5〜50μmである。また、高濃度領域50のn型不純物濃度(電子濃度)は1×1018cm−3であり、その厚さは30nmである。さらに、低濃度領域60のn型不純物濃度(電子濃度)は1×1016cm−3であり、その厚さは50nmである。高濃度領域50および低濃度領域60に添加されているn型不純物もNである。
つづいて、低濃度領域60の表面にイオン注入マスクを形成した後、図3に示すように、ドリフト層20の表面側のある幅だけ離間した部位にp型不純物となるアルミニウム(Al)イオンを1×1018cm−3の濃度になるようにイオン注入する。Alイオンがイオン注入され後述の活性化アニール後にp型になる箇所が、ウェル領域30となる。イオン注入後、イオン注入マスクを除去する。
つづいて、低濃度領域60の表面にイオン注入用マスクを形成した後、図4に示すように、低濃度領域60、高濃度領域50を含むウェル領域30の表面側で、ウェル領域30の間隔より大きな幅だけ離間した一対の部位に、n型不純物となるNイオンを1×1019〜1×1021cm−3の濃度になるようにイオン注入する。Nイオンがイオン注入され後述の活性化アニール後にn型になる箇所が、ソース領域40になる。ソース領域40の深さはウェル領域30より浅いものとする。ここでも、イオン注入後にイオン注入マスクを除去する。
次に、熱処理装置によって1300〜1900℃の活性化アニールを行なった後に、図5に示すように、ソース領域40を含む低濃度領域60の表面側に炭化珪素を熱酸化してできた酸化珪素で構成されるゲート絶縁膜70を形成する。つづいて、ゲート絶縁膜70上の低濃度領域60に対向する位置に、低抵抗多結晶珪素材料のゲート電極80を形成した後、図6に示すように、ゲート絶縁膜70の内ソース領域40の表面側の一部をドライエッチング法により除去する。さらに、ゲート絶縁膜70が形成されていないソース領域40の表面にソース電極90を、また、炭化珪素基板10の第一の主面と反対側の第二の主面、すなわち、裏面側にドレイン電極100をそれぞれ形成することにより、図1に示した縦型炭化珪素MOSFETが製造できる。
次に、本実施の形態における炭化珪素半導体装置である縦型MOSFETの動作を、一般的な縦型MOSFETと比較して図7のエネルギーバンド図と図1とを用いて簡単に説明する。図7において、
(1)は本発明の本実施の形態の縦型MOSFETのゲート電極80に電圧を印加しない場合のチャネル部分の深さ方向のエネルギーバンド図、
(2)は本発明の本実施の形態の縦型MOSFETのゲート電極80に正電圧を印加した場合のチャネル部分の深さ方向のエネルギーバンド図、
(3)は一般的な縦型MOSFETのゲート電極80に電圧を印加しない場合のチャネル部分の深さ方向のエネルギーバンド図、
(4)は一般的な縦型MOSFETのゲート電極80に正電圧を印加した場合のチャネル部分の深さ方向のエネルギーバンド図
である。ここで、チャネル部分とは、ゲート電極80の電圧の値に応じて導電性が変動する半導体領域のことを指し、図7の210は伝導帯、220は価電子帯をあらわす。
図1において、ソース電極90に対してゲート電極80に0Vを印加すると、ソース電極90からドリフト層20、炭化珪素基板10を経由してドレイン電極100に至る電流経路の内、低濃度領域60の電子濃度が図7(1)に示すように低く低濃度領域60が高抵抗であるため、ソース電極90とドレイン電極100の間に電流はほとんど流れない(オフ時)。一方、ソース電極90に対してゲート電極80に正の電圧を印加すると、ソース電極90からドリフト層20、炭化珪素基板10を経由してドレイン電極100に至る電流経路の内、低濃度領域60のキャリア濃度、すなわち、電子200の濃度が図7(2)に示すように増加することにより、低濃度領域60が低抵抗になりソース電極90とドレイン電極100の間に電流が流れる(オン時)。
本実施の形態における炭化珪素半導体装置である縦型MOSFETは、図7の(3),(4)にそのエネルギーバンド図を示す低濃度領域60と高濃度領域50を有さない一般的な縦型MOSFETと比較して、p型のウェル領域30とn型の高濃度領域50との間に自己完結的にできる空乏層の効果により以下のように固定電荷の影響を低減できる。
本実施の形態における縦型MOSFETによれば、ウェル領域30と高濃度領域50との接続部に形成されるビルトインポテンシャルと呼ばれるポテンシャル差により、オン時の低濃度領域60の伝導帯210のエネルギーバンドの曲がりを緩やかにできる。したがって、オン時に電流が流れる深さ方向の主な経路を、低濃度領域60とゲート絶縁膜70との界面に発生する界面準位、すなわち、固定電荷から遠ざけることができる。また、このように伝導帯210のエネルギーバンドの曲がりを緩やかにできるため、オン時の電流経路の内部でキャリア同士が相互散乱することを抑制でき、電界効果移動度を高くする効果もある。
また、本実施形態における縦型MOSFETによれば、オン時に電流が流れる経路から、ウェル領域30と高濃度領域50とに存在するドナーやアクセプタなどの固定電荷を遠ざけ、電流経路を固定電荷の密度の少ない低濃度領域60に限定することができる。このことも、電界効果移動度を高くする効果がある。
なお、本実施の形態における縦型MOSFETは、チャネル深部にδドープした縦型MOSFETと比較して、pn接合を局所的に形成しているため、δドープされた層による固定電荷の影響を低減でき、より電界効果移動度を高くできる。
また、本実施の形態における縦型MOSFETの製造方法によると、オン電流が流れる低濃度領域60を、イオンが注入されて結晶性が劣化している領域の上にエピタキシャル成長していないため結晶性を悪化させることなくエピタキシャル成長することができ、キャリアの電界効果移動度を高くすることができる。
なお、本実施の形態においては低濃度領域60がn型である例を示したが、低濃度領域60はp型であってもイントリンシックであってもよい。p型の低濃度領域60はAlなどを添加したエピタキシャル成長により形成され、その不純物濃度は1×1016cm−3程度であればよい。このように、低濃度領域60の不純物の極性や濃度を調整することにより、MOSFETの閾値電圧を制御することができる。このようにして閾値電圧を制御することによってパワー素子として好ましい特性であるノーマリオフのMOSFETとすることができる。
また、高濃度領域50の厚さは、p型のウェル領域30とn型の高濃度領域50との間のpn接合間に自己完結的にできる空乏層により空乏化できる厚さ以下に設定している。本実施の形態の場合、ウェル領域30の実効キャリア密度が1×1016cm−3、高濃度領域50の実効キャリア密度が1×1018cm−3であるので、高濃度領域50側に広がる空乏層の幅は50nm程度となる。したがって、高濃度領域50の厚さは、50nm以下の30nmとしているが、その厚さは、1モノレイヤー以上50nm未満であればよい。
高濃度領域50の実効キャリア密度がさらに高いと、ゲート電圧が0Vの状態でも高濃度領域50が完全に空乏化しないため、ノーマリオン動作をしてしまうことになる。例えば高濃度領域50の実効キャリア密度が1×1019cm−3である場合、空乏層は5nm程度しか広がらないため、ノーマリオフを実現するためには高濃度領域50をさらに薄く設定する必要がある。
なお、本実施の形態においては、ドリフト層20、高濃度領域50、低濃度領域60を連続してエピタキシャル成長した例を示したが、このように連続エピタキシャル成長をすることにより、プロセス時間を短縮できる効果もある。しかしながら、これら3層は別々にエピタキシャル成長してもよい。また、ドリフト層20をエピタキシャル成長した後にウェル領域30を形成するためのイオン注入を行なってからその上に高濃度領域50、低濃度領域60を連続してエピタキシャル成長してもよい。この場合、エピタキシャル層に覆われた部分へのコンタクトを取るため別途イオン注入する工程またはエピタキシャル層をエッチングにより開口する工程が必要になる。
また、本実施の形態においては、低濃度領域60の厚さを50nmとしたが、低濃度領域60の厚さは10nm以上100nm未満であればよい。さらに、本実施の形態においては、n型の不純物としてNの例を、p型の不純物としてAlの例を示したが、n型の不純物は燐(P)など、p型の不純物は硼素(B)などであってもよい。また、1×1016〜1×1018cm−3の窒素(N)がn型不純物として添加された厚さが5〜50μmのドリフト層20としたことにより、耐圧を数百Vから3000V程度にすることができる。
また、ゲート絶縁膜70は、炭化珪素を酸化して形成した酸化珪素膜である例を示したが、ゲート絶縁膜70はCVD法、蒸着法、スパッタ法、イオンクラスタービーム法、分子線エピタキシー法などで形成した堆積膜であってもよく、またその材料も酸化珪素に限らず、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜などであってもよい。さらに、ゲート電極80の材料は、低抵抗多結晶珪素の例を示したが、その導電型はn型でもよくp型でもよい。また、n型またはp型の低抵抗多結晶炭化珪素であってもよい。さらに、ゲート電極80の材料はAlやチタニウム(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)やそれらの窒化物でもよい。ソース電極90とドレイン電極100の材料についてもゲート電極80の材料と同様である。また、電極形成後1000℃程度でアニールしてもよい。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2における炭化珪素半導体装置である縦型MOSFETの断面模式図である。図8において、高濃度領域50がウェル領域30と低濃度領域60との間にのみ設けられていることの他は、実施の形態1の図1と同様であるので詳しい説明を省略する。
次に、図9〜図12を用いて本実施の形態の縦型MOSFETの製造方法を順を追って説明する。
まず、実施の形態1の場合と同様に炭化珪素基板10上にドリフト層20を形成した後、図9に示すように、CVD法によりn型の低濃度領域60をエピタキシャル成長する。つづいて、低濃度領域60の表面にイオン注入マスクを形成して、図10に示すように、ドリフト層20の所定の間隔だけ隔離した領域にp型不純物であるAlをイオン注入する。また、同じイオン注入マスクを用いて、図11に示すように、ドリフト層20の所定の間隔だけ隔離した領域に、n型不純物であるNをイオン注入する。p型不純物をイオン注入し後述の活性化アニール後にp型になる領域がウェル領域30となり、n型不純物をイオン注入し後述の活性化アニール後にn型になる領域が高濃度領域50となる。次に、イオン注入マスクの除去につづいて別のイオン注入マスクを設け、図12に示すように、低濃度領域60、高濃度領域50を含むウェル領域30の表面側で、ウェル領域30の間隔より大きな幅だけ離間した部位に、n型不純物となるNイオンをイオン注入する。以降の工程や詳細な条件は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
このような本実施の形態の縦型MOSFETにおいても、実施の形態1の縦型MOSFETと同様に、ウェル領域30と高濃度領域50とが接する箇所に自己完結的にpn接合による空乏層が形成される。この空乏層によるビルトインポテンシャルにより、ゲート電極80に正の電圧を印加した時に低濃度領域60のエネルギーバンドの曲がりを緩やかにすることができ、また、低濃度領域60に形成される第一導電型のキャリアが流れる経路の主要部分から、低濃度領域60とゲート絶縁膜70との界面の固定電荷と、高濃度領域50やウェル領域30の固定電荷とを遠ざけ、固定電荷の影響を小さくすることができる。したがって、キャリアの電界効果移動度を高くすることができる。
また、ウェル領域30が設けられていないゲート電極80直下のドリフト層20に高濃度領域50を設けないことにより、ゲート電極80に0Vの電圧を印加するオフ動作時にソース電極90からソース領域40、ドリフト層20、炭化珪素基板10を経由してドレイン電極100に流れるリーク電流の増加を抑制することができる。
なお、本実施の形態においては低濃度領域60をエピタキシャル成長法により形成した例を示したが、低濃度領域60および高濃度領域50をともにイオン注入法により形成してもよい。また、低濃度領域60および高濃度領域50をともにイオン注入法により形成し、図13のように、低濃度領域60および高濃度領域50をソース領域40が形成されていないウェル領域30の表面側のみに設けてもよい。図13のような構造の縦型MOSFETにおいても、図8の構造と同様の効果を奏し、キャリアの電界効果移動度を高くすることができる。
実施の形態3.
図14は、この発明の実施の形態3における炭化珪素半導体装置である縦型MOSFETの断面模式図である。図14において、炭化珪素基板10の第一の主面上にn型のドリフト層20、p型のウェル領域30、n型のソース領域40が、順に積層して形成されている。ウェル領域30、ソース領域40を貫通してドリフト層20に達するトレンチの内部に、順に、高濃度領域50と低濃度領域60が形成されている。ここで、ドリフト層20、ウェル領域30、ソース領域40、高濃度領域50、低濃度領域60はいずれも炭化珪素で構成されている。低濃度領域60およびソース領域40の表面側には、ソース領域40の表面側の一部を除き酸化珪素で構成されるゲート絶縁膜70が形成されている。さらに、ゲート絶縁膜70上の、ソース領域40になっていない低濃度領域60に対向する位置にはゲート電極80が形成されている。また、ゲート絶縁膜70が形成されていないソース領域40の表面にはソース電極90が、また、炭化珪素基板10の第一の主面と反対側の第二の主面、すなわち、裏面側にはドレイン電極100がそれぞれ形成されている。本実施の形態の縦型MOSFETは、構造がトレンチ構造であることの他は、実施の形態1と同様であるので詳細な条件の説明は省略する。
本実施の形態のトレンチ構造の縦型MOSFETにおいても、実施の形態2に示した縦型MOSFETの構造の場合と同様に、高濃度領域50とウェル領域30とが接する箇所に自己完結的に空乏層が形成される。このpn接合の空乏層によるビルトインポテンシャルにより、ゲート電極80に正の電圧を印加した時に低濃度領域60のエネルギーバンドの曲がりを緩やかにすることができる。また、低濃度領域60に形成される第一導電型のキャリアが流れる経路の主要部分から、低濃度領域60とゲート絶縁膜70との界面の固定電荷や高濃度領域50の固定電荷を遠ざけることができることから、キャリアの電界効果移動度を高くすることができる。
また、炭化珪素IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)においても、本実施の形態の場合と同様に高濃度領域50および低濃度領域60を形成することによっても同様の効果を奏することができる。
なお、上記実施の形態1〜3において、第1導電型がn型、第2導電型がp型であり、電子をキャリアとするn型MOSFETの例を示したが、第1導電型がp型、第2導電型がn型であり、キャリアが正孔のp型MOSFETであってもよい。
この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の断面模式図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の動作を説明するエネルギーバンド図である。 この発明の実施の形態2における炭化珪素半導体装置の断面模式図である。 この発明の実施の形態2における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態2における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態2における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態2における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態2における炭化珪素半導体装置の一形態の断面模式図である。 この発明の実施の形態3における炭化珪素半導体装置の断面模式図である。
符号の説明
10 炭化珪素基板、20 ドリフト層、30 ウェル領域、40 ソース領域、50 高濃度領域、60 低濃度領域、70 ゲート絶縁膜、80 ゲート電極、90 ソース電極、100 ドレイン電極、200 電子、210 伝導帯、220 価電子帯。

Claims (4)

  1. 第1導電型の炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板の主面上に設けられた第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層の表層部に所定の幅だけ離間して設けられた一対の第2導電型のウェル領域と、前記ウェル領域の表層部の所定領域に設けられた第1導電型のソース領域と、前記ソース領域の表層部に隣接して前記ウェル領域の表層部に設けられた低濃度領域と、前記低濃度領域に深さ方向に隣接して前記低濃度領域の前記炭化珪素基板側に設けられた第1導電型の高濃度領域と、前記低濃度領域の表面上に設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の表面上に設けられたゲート電極と、前記ソース領域の表面上に設けられたソース電極と、前記炭化珪素基板の主面と反対側の面に接して設けられたドレイン電極とを備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  2. 高濃度領域の厚さと、前記高濃度領域の第1導電型のキャリア密度と、ウェル領域の第2導電型のキャリア密度とは、前記高濃度領域と前記ウェル領域との間に形成されるpn接合のビルトインポテンシャルにより前記高濃度領域の厚さ方向全体が空乏化する関係にあることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 低濃度領域は、第2導電型またはイントリンシックであることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 第1導電型の炭化珪素基板の主面上に第1導電型のドリフト層と第1導電型の高濃度領域と低濃度領域とを順にエピタキシャル成長する工程と、前記ドリフト層の表層部に所定の幅だけ離間して第2導電型のイオンを注入し第2導電型のウェル領域を形成する工程と、前記高濃度領域、前記低濃度領域および前記ドリフト層に所定の幅だけ離間して第1導電型のイオンを注入しソース領域を形成する工程と、前記低濃度領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、前記ソース領域上に第1導電型のソース電極を形成する工程と、前記炭化珪素基板の主面と反対側の面に接してドレイン電極を形成する工程とを備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
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