JP2011040431A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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浩一 橋本
Kazukiro Adachi
和広 安達
Kotaro Tanaka
康太郎 田中
Chiaki Kudo
千秋 工藤
Masao Uchida
正雄 内田
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Abstract

【課題】終端構造の耐圧を向上させることにより、高耐圧なSiC半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置は、炭化珪素を含む第1エピタキシャル成長層20と、第1エピタキシャル成長層20の表層部に設けられた終端構造30と、終端構造30の上に設けられ、炭化珪素を含む第2エピタキシャル成長層40と、第2エピタキシャル成長層40の上に設けられた絶縁層50とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は半導体装置に関する。特に炭化珪素を用いた高耐圧縦型半導体素子に関する。
炭化珪素(シリコンカーバイド:SiC)は、珪素(Si)に比べてバンドギャップの大きな高硬度の半導体材料であり、パワー素子、耐環境素子、高温動作素子、高周波素子等の種々の半導体装置に応用されている。なかでも、スイッチング素子や整流素子などのパワー素子への応用が注目されている。SiCを用いたパワー素子は、Siパワー素子よりも電力損失を大幅に低減できるなどの利点がある。また、SiCパワー素子は、そのような特性を活かして、Siパワー素子と比較して、より高耐圧、低損失で小型の半導体装置を実現することができる(例えば特許文献1参照)。
炭化珪素を用いた半導体装置では、オフ状態での耐圧を確保するための終端構造が重要である。一般的に、終端構造は、半導体素子が設けられるチップの外周部に設けられている。終端構造としては、FLR(Field Limited Ring)構造、JTE(Junction Termination Extention)構造、またはメサ構造等が広く用いられている。FLR構造およびJTE構造は、チップの外周部に設けられた不純物のイオン注入領域を有している。一方、メサ構造は、チップの外周領域に設けられた段差から構成されている。メサ構造においても段差付近に不純物のイオン注入領域が設けられる場合がある。
特許3385938号公報
終端構造を形成するためにイオン注入やドライエッチングを行う場合、これらの工程において半導体層の結晶性が劣化してしまう。SiCでは、Siと比較して結晶性の劣化が起こりやすく、一度劣化した結晶性を回復させにくい。
本願発明者は、イオン注入やドライエッチングを原因とする半導体層の結晶性の劣化は、その半導体層の内部の耐圧の低下を引き起こすことを見出した。さらに、半導体層を酸化することによって絶縁膜を形成する場合には、その絶縁膜の内部や、半導体層と絶縁膜との界面における耐圧も低下することがわかった。したがって、従来の終端構造を有するSiCデバイスでは、SiCが本来有する高耐圧特性が得られていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、終端構造の耐圧を向上させることにより、高耐圧なSiC半導体装置を提供することにある。
本発明の半導体装置は、炭化珪素を含む第1エピタキシャル成長層と、前記第1エピタキシャル成長層の表層部に設けられた終端構造と、前記終端構造の上に設けられ、炭化珪素を含む第2エピタキシャル成長層と、前記第2エピタキシャル成長層の上に設けられた絶縁層とを備える。
ある実施形態において、前記第2エピタキシャル成長層は、少なくとも1層の第1不純物層と、前記第1不純物層よりも高い濃度の不純物を含む少なくとも1層の第2不純物層とを含む多層構造であって、前記絶縁層は、前記第2エピタキシャル成長層のうち前記第1不純物層に接する。
ある実施形態において、前記終端構造は、前記第1エピタキシャル成長層の表層部に設けられたイオン注入層を含み、前記第2エピタキシャル成長層は前記イオン注入層を覆っている。
ある実施形態において、前記終端構造はFLR(Field Limiting Ring)構造である。
ある実施形態において、前記終端構造はJTE(Junction Termination Extension)構造である。
ある実施形態において、前記終端構造は、前記第1エピタキシャル成長層の側面に形成された段差を含むメサ構造である。
ある実施形態において、MISFET(Metal Insulater Semiconductor Field Effect Transistor)をさらに備え、前記第1エピタキシャル成長層には、前記MISFETの少なくとも一部の構造が設けられ、前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は前記MISFETの一部の構造を囲んでいる。
ある実施形態において、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)をさらに備え、前記第1エピタキシャル成長層には前記IGBTの少なくとも一部の構造が設けられ、前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は前記IGBTの一部の構造を囲んでいる。
ある実施形態において、PNダイオードをさらに備え、前記第1エピタキシャル成長層には前記PNダイオードの少なくとも一部の構造が設けられ、前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は、前記PNダイオードの一部の構造を囲んでいる。
ある実施形態において、ショットキーダイオードをさらに備え、前記第1エピタキシャル成長層または前記第2エピタキシャル成長層には前記ショットキーダイオードの少なくとも一部の構造が設けられ、前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は、前記ショットキーダイオードの一部の構造を囲んでいる。
ある実施形態において、JFET(Junction Field Effect Transistor)をさらに備え、前記第1エピタキシャル成長層には前記JFETの少なくとも一部の構造が設けられ、前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は、前記JFETの一部の構造を囲んでいる。
本発明の半導体装置の製造方法は、炭化珪素を含む第1エピタキシャル成長層に、イオン注入または前記第1エピタキシャル成長層のエッチングにより形成された領域を含む終端構造を形成する工程(a)と、前記終端構造の上に、炭化珪素を含む第2エピタキシャル成長層を形成する工程(b)と、前記第2エピタキシャル成長層の上に絶縁層を形成する工程(c)とを包含する。
ある実施形態において、前記工程(c)は、前記第2エピタキシャル成長層の上部を熱酸化することにより、前記絶縁層を形成する。
ある実施形態において、前記工程(c)は、前記第2エピタキシャル成長層の上に前記絶縁層を堆積する。
本発明によると、第1エピタキシャル成長層の表層部に設けられた終端構造が、結晶性の高い第2エピタキシャル成長層によって覆われている。これにより、第2エピタキシャル成長層の内部や第2エピタキシャル成長層の上に形成された絶縁膜の内部、第2エピタキシャル成長層と絶縁膜との界面における耐圧の低下を防止することができる。
典型的な炭化珪素半導体素子の終端構造を示す断面図である。 (a)〜(j)は、図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。 (a)は、本発明による半導体装置の第1の実施形態を模式的に示す断面図である。(b)は、図3(a)に示す終端構造の平面的な配置を示す図であり、(c)は、チップ全体における終端構造の平面的な配置を示す図である。 (a)〜(l)は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための工程断面図である。 TCADデバイスシミュレーションにおいて電界分布の計算を行った部分を説明するための図である。 TCADデバイスシミュレーションによって電界分布を計算した結果を示すグラフである。 TCADデバイスシミュレーションによって電界分布を計算した結果を示すグラフである。 TCADデバイスシミュレーションによって耐圧を計算した結果を示すグラフである。 (a)は、第1の実施形態および従来の構造の半導体装置においてリーク電流を実験によって測定した結果をまとめたヒストグラムであり、(b)は、第1の実施形態および従来の構造の半導体装置において耐圧を実験によって測定した結果をまとめたヒストグラムである。 耐圧の計算値とエピタキシャル成長層40の不純物濃度の関係を示すグラフである。 (a)、(b)は、第2の実施形態の半導体装置を模式的に示す断面図および平面図である。 (a)、(b)は、第3の実施形態の半導体装置を模式的に示す断面図および平面図である。
まず、本発明による実施形態の内容を説明する前に、図面を参照しながら、本願発明者が検討した内容について説明する。
図1は、典型的な炭化珪素半導体装置の終端構造を示す断面図である。典型的な炭化珪素半導体装置は、素子領域Reと終端領域Rtとを有している。終端領域Rtは、基板の表面に垂直な方向からみて、素子領域Reを囲む領域に配置されている。
典型的な炭化珪素半導体装置は、n+基板(SiC基板)110と、n+基板(SiC基板)110の上に配置されたn-層120とを有する。n-層120の表層部には、p型不純物を含むp型層130が設けられている。p型層130は、FLR構造と呼ばれる終端構造を構成している。n-層120の表面に垂直な方向から見て、p型層130は、互いに離間した複数のリング形状を有し、半導体素子が形成される素子領域Reを囲んでいる。
素子領域Reにおけるp型層130の上部には、p型コンタクト層135が形成されている。p型層130およびp型コンタクト層135はともにAl(アルミ)あるいはB(ボロン)のイオン注入によって形成されている。
p型コンタクト層135の上にはp型コンタクト電極170が、n+基板(SiC基板)110の裏面には裏面電極180が形成されている。
-層120の上部には、n-層120を熱酸化することにより形成された酸化膜150および層間絶縁膜160が形成されている。p型コンタクト電極170の上にはAlからなる配線190が形成され、層間絶縁膜160および配線190の上にはパッシベーション膜200が形成されている。
次に、図2(a)から(j)を参照しながら図1に示す半導体装置の製造方法を説明する。
まず、図2(a)に示すように、低抵抗のn型4H−SiCオフカット基板110を準備する。次に図2(b)に示すように、基板110の上に、高抵抗のn型4H−SiCのn-層120をエピタキシャル成長させる。
次に、図2(c)に示すように、n-層120の上に形成されたマスク(図示せず)を用いて例えばAlまたはBイオンを選択的にイオン注入することにより、p型層130を形成する。続いて、NまたはPイオンを選択的にイオン注入することにより、素子領域Reに、ソース領域(図示せず)を形成する。次に、図2(d)に示すように、p型層130の上に、マスク(図示せず)を用いて例えばAlまたはBイオンを選択的にイオン注入することにより、素子領域Reにおけるp型層130の内部にp型コンタクト層135を形成する。イオン注入後に、マスクを除去して活性化アニールを行う。
次に、図2(e)に示すように、熱酸化を行うことによって、n-層120の表面に熱酸化膜150を形成する。その後、熱酸化膜150の表面に、リンを7×1020cm-3程度ドーピングした多結晶シリコン薄膜(図示せず)を堆積し、マスク(図示せず)を用いて、多結晶シリコン薄膜をドライエッチングによって除去することにより、所望の領域にゲート電極(図示せず)を形成する。続いて、ゲート電極(図示せず)の表面およびn-層120の表面を覆うように、例えば厚さ1.5μmのSiO2からなる層間絶縁膜160をCVD法によって堆積する。
次に、図2(f)に示すように、マスク(図示せず)を用いてドライエッチングを行うことにより、層間絶縁膜160のうちコンタクト電極170(図1に示す)を形成する部分を除去して、開口を形成する。その後、図2(g)に示すように、例えば厚さ50nm程度のニッケル薄膜を層間絶縁膜160上に形成された開口内に形成する。次いで、不活性雰囲気内で例えば950℃、5分間の熱処理を行うことによって、ニッケルを、開口内に露出する炭化珪素と反応させる。その後、未反応のニッケル薄膜を除去することにより、ニッケルシリサイドからなるp型コンタクト電極170を形成する。このとき同時に、素子領域Reにソースコンタクト電極(図示せず)も形成しておく。さらに、図2(h)に示すように、基板110の裏面全体にもニッケルを堆積しておき、上述の熱処理によって基板110の炭化珪素と反応させる。これにより、裏面電極180を形成する。
続いて、図2(i)に示すように、層間絶縁膜160の上に、厚さ4μm程度のアルミニウム膜190'を堆積する。次に、図2(j)に示すように、アルミニウム膜190'を所望のパターンにエッチングすると、ソース配線190が得られる。このとき、チップ端にゲート電極と接触するゲート配線(図示せず)も形成しておく。その後、例えば厚さ1μm程度のSiNを堆積し、エッチングによって所望のパターンにすることにより、パッシベーション膜200を形成する。このようにして、図1に示す半導体装置が得られる。
本願発明者の検討によると、典型的な半導体装置では、イオン注入によりp型層130を形成する際に、p型層130の結晶性が低下する。また、終端構造として例えばメサ構造を形成する場合には、メサ構造の段差を形成する際のドライエッチングによって、n-層120の結晶性が低下する。p型層130やn-層120の結晶性が低下している場合には、これらの層を熱酸化することによって形成する酸化膜150の品質も低下する。その結果、p型層130、n-層120および酸化膜150それぞれの内部や、n-層120と酸化膜150との界面の耐圧が低下してしまう。
本願発明者は、イオン注入やドライエッチングにより結晶性が劣化したn-層120によって耐圧が低下するのを防止することができる構造を鋭意検討し、本発明に至った。以下、図面を参照しながら、本発明による半導体装置の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
(第1の実施形態)
図3(a)は、本発明による半導体装置の第1の実施形態を模式的に示す断面図である。図3(b)は、図3(a)に示す終端構造の平面的な配置を示す図であり、図3(c)は、チップ全体における終端構造の平面的な配置を示す図である。
図3(a)から(c)に示すように、本実施形態の半導体装置には、素子領域Reおよび終端領域Rtが配置されている。終端領域Rtは、基板の表面に垂直な方向から見て、素子領域Reを囲む領域に配置されている。本実施形態では、終端構造として、FLR構造が設けられ、素子領域Reには、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が設けられている。本実施形態では、素子領域Reに、MISFETの他に、PNダイオード、IGBT、ショットキーダイオード、JFETなどの半導体素子を設けることができる。
+基板(SiC基板)10の上には、n-層(SiC層)20がエピタキシャル成長によって設けられている。n-層20の表層部のうち終端領域Rtにはp型層30が、素子領域Reにはpウェル領域30aが形成されている。p型層30およびpウェル領域30aは同工程のイオン注入によって形成された層であるため、同様の不純物濃度および深さを有する。
-層20の主面に垂直な方向から見て、p型層30は、互いに離間した複数のリング形状を有しており、この複数のリングは、FLR構造を構成している。それぞれのリングは四隅が円弧状に丸まった四角形の平面形状を有している。リングの四隅が円弧状に丸まっていることにより、四隅に電界が集中することが防止される。
素子領域Reにおけるpウェル領域30aの内部には、p型層30よりも高いp型不純物濃度(例えば濃度2×1020cm-3)を有するp型コンタクト層35が形成されている。p型層30、pウェル領域30aおよびp型コンタクト層35は、Al(アルミ)あるいはB(ボロン)をn-層20に対してイオン注入することによって形成されている。p型コンタクト層35は、ニッケルシリサイドからなるp型コンタクト電極70によって覆われている。
pウェル領域30a内には、n型不純物濃度が5×1019cm-3のソース領域31が設けられている。図示は省略するが、n-層20の主面に垂直な方向から見て、ソース領域31はp型コンタクト層35の周囲を囲むように配置されている。
素子領域Reにおけるpウェル領域30aおよびソース領域31の上と、終端領域Rtにおけるp型層30とには、高品質なSiC層からなるエピタキシャル成長層40が形成されている。
エピタキシャル成長層40はn型不純物を含み、例えば70nmの厚さを有する。図示は省略するが、エピタキシャル成長層40は、低濃度不純物層と高濃度不純物層との積層構造を有する。低濃度不純物層の不純物濃度は例えば1×1015cm-3であり、厚さは60nmである。高濃度不純物層の不純物濃度は例えば1×1018cm-3であり、厚さは10nmである。エピタキシャル成長層40のうちの最上部、すなわち絶縁膜50に接する部分は低不純物濃度層であることが好ましい。不純物濃度が低いほうが、エピタキシャル成長層40の一部を熱酸化することによって形成する酸化膜50の品質が高まるためである。
ただし、エピタキシャル成長層40には、不純物が一様な濃度で含まれていてもよい。この場合、エピタキシャル成長層40は例えば70nmの厚さを有し、1.4×1017cm-3の一様な不純物濃度を有する。
素子領域Reにおけるエピタキシャル成長層40はチャネル領域として機能する。チャネル領域はデルタドープ層であってもよく、この場合、エピタキシャル成長層40には複数の低濃度不純物層と複数の高濃度不純物層とが交互に積層されている。
本実施形態では、エピタキシャル成長層40が素子領域Reおよび終端領域Rtに設けられているが、エピタキシャル成長層40が終端領域Rtのみに設けられていてもよい。
素子領域Reおよび終端領域Rtにおいて、エピタキシャル成長層40の上には、エピタキシャル成長層40を熱酸化することにより形成された酸化膜50が配置されている。酸化膜50は、例えば70nmの厚さを有する。素子領域Reにおける酸化膜50は、ゲート絶縁膜として機能する。素子領域Reにおける酸化膜50の上には、例えばポリシリコンからなるゲート電極82が設けられている。
酸化膜50およびゲート電極82の上は、例えばSiO2からなる層間絶縁膜60によって覆われている。素子領域Reにおける層間絶縁膜60には、p型コンタクト電極70に到達するスルーホールが設けられている。スルーホールの内部にはAlからなるソース配線90が設けられている。ソース配線90は、層間絶縁膜60の上まで引き出されている。
一方、n+基板(SiC基板)10の裏面には、裏面電極80が形成されている。層間絶縁膜60およびソース配線90の上にはパッシベーション膜100が形成されている。
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法を、図4(a)から(l)を参照しながら説明する。図4(a)から(l)では、素子領域Reの主要部の図示を省略し、終端領域Rtの周辺のみを示している。
図4(a)に示すように、低抵抗のn型4H−SiCオフカット基板10を準備する。次に図4(b)に示すように、基板10の上に、高抵抗のn型4H−SiCのn-層20をエピタキシャル成長させる。
次に、図4(c)に示すように、n-層20の上に、マスク(図示せず)を用いて例えばAlまたはBイオンを選択的にイオン注入することによりp型層30およびpウェル領域30aを形成する。続いて、NまたはPイオンを選択的にイオン注入することにより、ソース領域31(図3に示す)を形成する。
次に、図4(d)に示すように、p型層30の上に、マスク(図示せず)を用いて例えばAlまたはBイオンを選択的にイオン注入することにより、素子領域Reにおけるpウェル領域30aの内部に、p型コンタクト層35を形成する。イオン注入後に、マスクを除去して例えば温度1700度で活性化アニールを行う。
次に、図4(e)に示すように、p型層30、pウェル領域30aおよびp型コンタクト層35を含むn-層20の表面全体に、炭化珪素からなるエピタキシャル成長層40を成長させる。エピタキシャル成長層40に低不純物濃度層および高不純物濃度層を形成するため、結晶成長時に供給する不純物の濃度を変化させる。例えば、低不純物濃度層を形成するときには、高不純物濃度層を形成するときに供給した量よりも少ない量の不純物を供給しながら結晶成長を行う。次いで、図4(f)に示すように、ドライエッチングを行うことにより、エピタキシャル成長層40のうちp型コンタクト層35の上に位置する部分を除去する。このとき、p型層30の上のエピタキシャル成長層40は除去せずに残す。
次に、図4(g)に示すように、例えば1200℃の温度で熱酸化を行うことによって、エピタキシャル成長層40の表面に熱酸化膜50を形成する。その後、熱酸化膜50の表面に、リンを7×1020cm-3程度ドーピングした多結晶シリコン薄膜(図示せず)を堆積し、マスク(図示せず)を用いて、多結晶シリコン薄膜をドライエッチングによって除去することにより、所望の領域にゲート電極82(図3に示す)を形成する。続いて、ゲート電極82の表面およびn-層20の表面を覆うように、例えば厚さ1.5μmのSiO2からなる層間絶縁膜60をCVD法によって堆積する。
次に、図4(h)に示すように、マスク(図示せず)を用いてドライエッチングを行うことにより、層間絶縁膜60のうちコンタクト電極70(図4(i)に示す)を形成する部分を除去して、開口を形成する。その後、図4(i)に示すように、例えば厚さ50nm程度のニッケル薄膜を層間絶縁膜60に形成された開口内に形成する。次いで、不活性雰囲気内で例えば950℃、5分間の熱処理を行うことによって、ニッケルを、開口内に露出する炭化珪素と反応させる。その後、未反応のニッケル薄膜を除去することにより、ニッケルシリサイドからなるp型コンタクト電極70を形成する。このとき、同時にソースコンタクト電極(図示せず)も形成しておく。図4(j)に示すように、基板10の裏面全体にもニッケルを堆積しておき、上述の熱処理によって炭化珪素と反応させる。これにより、裏面電極80を形成する。
続いて、図4(k)に示すように、層間絶縁膜60の上に、厚さ4μm程度のアルミニウム膜90'を堆積する。次に、図4(k)に示すように、アルミニウム膜90'を所望のパターンにエッチングすることにより配線90を形成する。この工程で、チップ端にゲート電極と接触するゲート配線(図示せず)も形成しておく。その後、例えば厚さ1μm程度のSiNを堆積し、エッチングによって所望のパターンにすることにより、パッシベーション膜100が得られる。以上の工程により、図3に示す半導体装置が得られる。
本実施形態によると、終端構造のp型層30をイオン注入によって形成した後に、p型層30を、結晶性の高いエピタキシャル成長層40によって覆う。これにより、半導体層の表面部の結晶性を高めることができる。
また、エピタキシャル成長層40の一部を熱酸化することによって酸化膜50を形成することにより、イオン注入によって結晶性の低下した層を熱酸化していた従来と比較して、酸化膜50の品質を高めることができる。特に、本実施形態では、エピタキシャル成長層40の最上部を低濃度不純物層としているため、酸化膜の品質をさらに高めることができる。このように本実施形態では、結晶性の高いエピタキシャル成長層40を設け、それを熱酸化することにより、エピタキシャル成長層40および酸化膜50それぞれの内部や、酸化膜50とエピタキシャル成長層40との界面における耐圧の低下を防止することができる。
次に、TCAD(Technology Computer Aided Design)デバイスシミュレーションにより、耐圧および電界分布の計算を行った結果を説明する。TCADデバイスシミュレーションでは、p型コンタクト電極70と裏面電極80との間に電圧を印加して、ポアソンの式および電子・正孔電流連続の式を解くと、電荷および電界分布が得られる。また、半導体材料は耐圧を決定する衝突電離係数のパラメタを有しており、ここではSiC中での衝突電離係数の値は場所によらず一様、つまり、半導体材料はイオン注入による結晶性劣化の影響を受けないと仮定している。上記の電界分布および衝突電離係数から電子・正孔対の生成率の分布が得られる。電子・正孔対の生成によってなだれ破壊が起こることにより、半導体装置の耐圧が決定される。
図5Aは、TCADデバイスシミュレーションにおいて電界分布の計算を行った部分を説明するための図であり、図5B、図5Cは、TCADデバイスシミュレーションによって電界分布を計算した結果を示すグラフである。図5B、図5Cは、図5AのA−A'線の断面、すなわちp型領域30の下端における横方向電界分布を示している。なお、図5Aに示す層300は、本実施形態の構造の場合はエピタキシャル成長層40に相当し、従来の構造の場合は絶縁層150に相当する。従来の構造としては図1に示す半導体装置を用い、本実施形態の構造としては図3に示す半導体装置を用いてシミュレーションを行った。シミュレーションでは、n-層20の不純物濃度を5×1015cm-3、エピタキシャル成長層40の厚みを70nm、n型不純物濃度を1.5×1017cm-3とした。
図5Bに示す本実施形態の半導体装置のシミュレーション結果と、図5Cに示す従来の半導体装置のシミュレーション結果において、最も高い電界は共に2.15MV/cm程度であり、ほぼ同等の値となっている。
図6は、TCADデバイスシミュレーションによって耐圧を計算した結果を示すグラフである。従来の構造としては図1に示す半導体装置を用い、本実施形態の構造としては図3に示す半導体装置を用いてシミュレーションを行った。図6に示すように、計算から得られた耐圧は、本実施形態では1231V、従来では1237Vであり、ほぼ同等である。
図5B、図5Cおよび図6に示す結果から、半導体材料がイオン注入による結晶性劣化の影響を受けないと仮定してシミュレーションを行った場合には、本実施形態および従来で、同等の耐圧が得られることがわかる。
実際には、終端構造の結晶性の劣化によって、従来の半導体装置の耐圧は本実施形態の耐圧よりも低い値になると考えられる。次に、シミュレーションではなく実際に測定を行った結果について説明する。
図7(a)は、本実施形態および従来の構造の半導体装置においてリーク電流を実験によって測定した結果をまとめたヒストグラムである。この測定に用いる半導体素子としては、MOSFETを形成した。リーク電流の値は、規格値が1となるよう規格化を行っている。リーク電流の測定は、ドレイン・ソース間に規定の電圧をかけて行った。リーク電流の中央値は、従来の構造では規格値の3.6×10-3倍であるのに対し、本実施形態では規格値の1.2×10-3倍である。このように、本実施形態では、リーク電流を従来の3分の1に低減できた。図7(b)は、本実施形態および従来の構造の半導体装置において耐圧を測定した結果をまとめたヒストグラムである。耐圧の値も、規格値が1となるように規格化を行なっている。耐圧の中央値は、従来の構造では規格値の95.5%であるのに対し、本実施形態では規格値の115%である。このように、本実施形態では、耐圧の値が従来よりも約20%向上した。
TCADデバイスシミュレーションでは、本実施形態と従来における電界分布はほとんど変わらず、ほぼ同等の耐圧が得られた。しかしながら、実験結果では、本実施形態の方が従来の構造よりもリーク電流が小さく、耐圧も高い。この結果から、従来の構造を用いた実験結果では、イオン注入による結晶性劣化あるいは何らかの要因により、衝突電離係数が増大、つまり耐圧が劣化していると推定できる。本実施形態によると、このような結晶性劣化を抑制することができるため、リーク電流の低減および耐圧の向上を実現することができる。
次に、エピタキシャル成長層40の好ましい不純物濃度について考察する。図6に示すシミュレーション結果では、本実施形態の耐圧が1237Vであった。一方、実際に耐圧を測定した場合には、図7(b)に示すように、従来の耐圧が本実施形態の耐圧よりも20%程度低い値を示した。したがって、本実施形態の耐圧が1237Vである場合、従来の半導体装置における耐圧の実測値は、1237Vよりも20%程度低い1000V程度であると考えられる。そのため、本実施形態の半導体装置の耐圧が1000V以上であれば、従来よりも耐圧が向上しているといえる。
図8は耐圧の計算値とエピタキシャル成長層40の不純物濃度の関係を示すグラフである。図8から、耐圧が1000Vのときの不純物濃度は5×1017cm-3である。そのため、本実施形態のエピタキシャル成長層40の不純物濃度は5×1017cm-3以下であることが好ましい。すなわち、エピタキシャル成長層40の不純物濃度は5×1017cm-3以下であれば、従来よりも耐圧を向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、図9(a)、(b)を参照しながら、本発明による半導体装置の第2の実施形態を説明する。図9(a)、(b)は、第2の実施形態の半導体装置を模式的に示す断面図および平面図である。
図9(a)、(b)に示すように、本実施形態の半導体装置には、素子領域Reおよび終端領域Rtが配置されている。終端領域Rtは、基板の表面に垂直な方向から見て、素子領域Reを囲む領域に配置されている。本実施形態では、終端構造としてJTE構造が設けられ、素子領域Reにはショットキーダイオードが設けられている。本実施形態では、素子領域Reに、ショットキーダイオードの他に、MISFET、IGBT、PNダイオード、JFETなどの半導体素子を設けることができる。
図9に示す半導体装置は、n+基板(SiC基板)10の上に、エピタキシャル成長されたn-層20が設けられた構造を有している。終端領域Rtにおいて、n-層20の表層部には、例えば不純物濃度1×1017cm-3、深さ1μmのp-層37が形成されている。p-層37はJTE構造を構成している。
素子形成領域Reにおけるn-層20の表層部の周辺部には、例えば不純物濃度1×1018cm-3のp型層30が形成されている。p型層30の上部には、例えば不純物濃度2×1020cm-3のp型コンタクト層35が形成されている。p型層30、p-層37およびp型コンタクト層35は、ともにAl(アルミ)あるいはB(ボロン)をn-層20に対してイオン注入することにより形成されている。また、p型層30に取り囲まれるように、n-層20と電極70のショットキー接合が形成されている。
-層37の不純物濃度はp型層30の不純物濃度よりも低い。n-層20の主面に垂直な方向から見て、p-層37はp型層30の周囲を取り囲んでいる。
-層37は、複数の異なる不純物濃度を有していてもよい。その場合、p型層30から離れるにつれ、不純物濃度を小さくすることが好ましい。例えば、p-層37のうちp型層30に接する部分の不純物濃度を2×1017cm-3とし、p-層37のうちp型層30と反対側の端部の不純物濃度は5×1016cm-3とすればよい。
p型コンタクト層35の上にはp型層30またはp型コンタクト層35とオーミック接触し、n-層20の少なくとも一部とショットキー接合する電極70が、n+基板(SiC基板)10の裏面には、裏面電極80が形成されている。
終端領域Rtにおけるn-層20の上には、高品質なエピタキシャル成長層40が形成されている。エピタキシャル成長層40は、例えば70nmの厚さを有する。エピタキシャル成長層40の上には、エピタキシャル成長層40を熱酸化することにより形成された酸化膜50が配置されている。酸化膜50の上はSiO2からなる層間絶縁膜60によって覆われている。
なお、図9には、終端領域Rtにのみエピタキシャル成長層40を形成しているが、エピタキシャル成長層40は、素子領域Reにも形成されていてもよい。この場合、素子領域Reにおけるエピタキシャル成長層40にはp型の不純物が注入されている。また、終端領域Rtにおいて、酸化膜50は必ずしも形成されていなくてもよい。この場合、エピタキシャル成長層40の上に、層間絶縁膜60が直接設けられていてもよい。
図示は省略するが、エピタキシャル成長層40は低不純物濃度層と高不純物濃度層との積層構造を有していてもよいし、一様な不純物濃度を有していてもよい。エピタキシャル成長層40が低不純物濃度層と高不純物濃度層との積層構造を有している場合、エピタキシャル成長層40のうち酸化膜50に接する部分は低不純物濃度層であることが好ましい。不純物濃度が低いほうが、エピタキシャル成長層40の一部を熱酸化することによって形成する酸化膜50の品質が高まるためである。酸化膜50を形成しない場合には、エピタキシャル成長層40の最上部は高不純物濃度層および低不純物濃度層のいずれであってもよい。また、終端領域Rtにおけるエピタキシャル成長層40は、必ずしも不純物を含んでいなくてもよい。
p型コンタクト電極70の上にはAlからなる配線90が、層間絶縁膜60および配線90の上にはパッシベーション膜100が形成されている。
本実施形態によると、終端構造のp-層37をイオン注入によって形成した後に、p-層37を、結晶性の高いエピタキシャル成長層40によって覆う。これにより、半導体層の表面部の結晶性を高めることができる。
また、エピタキシャル成長層40の一部を熱酸化することによって酸化膜50を形成することにより、イオン注入によって結晶性の低下した層を熱酸化していた従来と比較して、酸化膜50の品質を高めることができる。特に、本実施形態では、エピタキシャル成長層40の最上部を低濃度不純物層としているため、酸化膜の品質をさらに高めることができる。このように本実施形態では、結晶性の高いエピタキシャル成長層40を設け、それを熱酸化することにより、エピタキシャル成長層40および酸化膜50それぞれの内部や、酸化膜50とエピタキシャル成長層40との界面における耐圧の低下を防止することができる。
(第3の実施形態)
以下、図10(a)、(b)を参照しながら、本発明による半導体装置の第3の実施形態を説明する。図10(a)、(b)は、第3の実施形態の半導体装置を模式的に示す断面図および平面図である。
図10(a)、(b)に示すように、本実施形態の半導体装置には、素子領域Reおよび終端領域Rtが配置されている。終端領域Rtは、基板の表面に垂直な方向から見て、素子領域Reを囲む領域に配置されている。本実施形態では、終端構造としてメサ構造が設けられ、素子領域ReにはPNダイオードが設けられている。本実施形態では、素子領域Reに、PNダイオードの他に、MISFET、IGBT、ショットキーダイオード、JFETなどの半導体素子を設けることができる。
図10に示す半導体装置は、n+基板(SiC基板)10の上に、エピタキシャル成長されたn-層20が設けられた構造を有している。終端領域Rtにおいて、n-層20はドライエッチング等によって除去されている。これにより、素子領域Reと終端領域Rtとの境界には、n-層20の側面からなる段差21が配置されている。この段差21が「メサ構造」を構成している。
素子形成領域Reにおけるn-層20の表層部には、例えば不純物濃度1×1018cm-3のp型層30が形成されている。p型層30の上には、例えば不純物濃度2×1020cm-3のp型コンタクト層35が形成されている。p型層30およびp型コンタクト層35はともにAl(アルミ)あるいはB(ボロン)をn-層20に対してイオン注入することにより形成されている。ただし、p型層30は、AlあるいはBを供給しながらn-層20を結晶成長させることによって形成してもよい。
p型コンタクト層35の上には、p型層30またはp型コンタクト層35とオーミック接触するp型コンタクト電極70aが設けられている。本実施形態では、p型コンタクト層35が設けられていることにより、p型コンタクト層35とp型コンタクト電極70aとの間のオーミック抵抗が低減される。しかしながら、p型コンタクト層35は必ずしも設けられていなくてもよい。一方、n+基板(SiC基板)10の裏面には、裏面電極80が形成されている。
終端領域Rtにおけるn-層20の上には、高品質なエピタキシャル成長層40が形成されている。エピタキシャル成長層40は、例えば70mの厚さを有する。エピタキシャル成長層40の上には、エピタキシャル成長層40を熱酸化することにより形成された酸化膜50が配置されている。酸化膜50の上はSiO2からなる層間絶縁膜60によって覆われている。
なお、図10には、終端領域Rtにのみエピタキシャル成長層40を形成しているが、エピタキシャル成長層40は、素子領域Reにも形成されていてもよい。また、終端領域Rtにおいて、酸化膜50は必ずしも形成されていなくてもよい。この場合、エピタキシャル成長層40の上に、層間絶縁膜60が直接設けられていてもよい。
図示は省略するが、エピタキシャル成長層40は低不純物濃度層と高不純物濃度層との積層構造を有していてもよいし、一様な不純物濃度を有していてもよい。エピタキシャル成長層40が低不純物濃度層と高不純物濃度層との積層構造を有している場合、エピタキシャル成長層40のうち酸化膜50に接する部分は低不純物濃度層であることが好ましい。不純物濃度が低いほうが、エピタキシャル成長層40の一部を熱酸化することによって形成する酸化膜50の品質が高まるためである。酸化膜50を形成しない場合には、エピタキシャル成長層40の最上部は高不純物濃度層および低不純物濃度層のいずれであってもよい。また、終端領域Rtにおけるエピタキシャル成長層40は、必ずしも不純物を含んでいなくてもよい。
素子領域Reにおいて、ショットキー電極70aの上には、Alからなる配線90が、層間絶縁膜60および配線90の上にはパッシベーション膜100が形成されている。
本実施形態によると、終端構造を構成する段差21をドライエッチングによって形成した後に、段差21を有するn-層2を結晶性の高いエピタキシャル成長層40によって覆う。これにより、半導体層の表面部の結晶性を高めることができる。
また、エピタキシャル成長層40の一部を熱酸化することによって酸化膜50を形成することにより、イオン注入によって結晶性の低下した層を熱酸化していた従来と比較して、酸化膜50の品質を高めることができる。特に、本実施形態では、エピタキシャル成長層40の最上部を低濃度不純物層としているため、酸化膜の品質をさらに高めることができる。このように本実施形態では、結晶性の高いエピタキシャル成長層40を設け、それを熱酸化することにより、エピタキシャル成長層40および酸化膜50それぞれの内部や、酸化膜50とエピタキシャル成長層40との界面における耐圧の低下を防止することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、SiC基板10の導電型はn+としたが、IGBTにおいてはp+となる。
本発明によれば、終端構造の耐圧を向上させることにより、高耐圧なSiC半導体装置を提供することができる。
10 炭化珪素半導体基板
20 n-
21 段差
30 p型層
30a pウェル領域
31 ソース領域
35 p+コンタクト層
37 p-
40 エピタキシャル成長層
50 熱酸化膜
60 層間絶縁膜
70 p型コンタクト電極
70a p型コンタクト電極
80 裏面電極
82 ゲート電極
90 配線
100 パッシベーション膜

Claims (14)

  1. 炭化珪素を含む第1エピタキシャル成長層と、
    前記第1エピタキシャル成長層の表層部に設けられた終端構造と、
    前記終端構造の上に設けられ、炭化珪素を含む第2エピタキシャル成長層と、
    前記第2エピタキシャル成長層の上に設けられた絶縁層とを備える、半導体装置。
  2. 前記第2エピタキシャル成長層は、少なくとも1層の第1不純物層と、前記第1不純物層よりも高い濃度の不純物を含む少なくとも1層の第2不純物層とを含む多層構造であって、
    前記絶縁層は、前記第2エピタキシャル成長層のうち前記第1不純物層に接する、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記終端構造は、前記第1エピタキシャル成長層の表層部に設けられたイオン注入層を含み、前記第2エピタキシャル成長層は前記イオン注入層を覆っている、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記終端構造はFLR(Field Limiting Ring)構造である、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記終端構造はJTE(Junction Termination Extension)構造である、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 前記終端構造は、前記第1エピタキシャル成長層の側面に形成された段差を含むメサ構造である、請求項1から5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. MISFET(Metal Insulater Semiconductor Field Effect Transistor)をさらに備え、
    前記第1エピタキシャル成長層には、前記MISFETの少なくとも一部の構造が設けられ、
    前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は前記MISFETの一部の構造を囲んでいる、請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置。
  8. IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)をさらに備え、
    前記第1エピタキシャル成長層には前記IGBTの少なくとも一部の構造が設けられ、
    前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は前記IGBTの一部の構造を囲んでいる、請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置。
  9. PNダイオードをさらに備え、
    前記第1エピタキシャル成長層には前記PNダイオードの少なくとも一部の構造が設けられ、
    前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は、前記PNダイオードの一部の構造を囲んでいる、請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置。
  10. ショットキーダイオードをさらに備え、
    前記第1エピタキシャル成長層または前記第2エピタキシャル成長層には前記ショットキーダイオードの少なくとも一部の構造が設けられ、
    前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は、前記ショットキーダイオードの一部の構造を囲んでいる、請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置。
  11. JFET(Junction Field Effect Transistor)をさらに備え、
    前記第1エピタキシャル成長層には前記JFETの少なくとも一部の構造が設けられ、
    前記第1エピタキシャル成長層において、前記終端構造は、前記JFETの一部の構造を囲んでいる、請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置。
  12. 炭化珪素を含む第1エピタキシャル成長層に、イオン注入または前記第1エピタキシャル成長層のエッチングにより形成された領域を含む終端構造を形成する工程(a)と、
    前記終端構造の上に、炭化珪素を含む第2エピタキシャル成長層を形成する工程(b)と、
    前記第2エピタキシャル成長層の上に絶縁層を形成する工程(c)とを包含する半導体装置の製造方法。
  13. 前記工程(c)は、前記第2エピタキシャル成長層の上部を熱酸化することにより、前記絶縁層を形成する、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記工程(c)は、前記第2エピタキシャル成長層の上に前記絶縁層を堆積する、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
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