JP2014061634A - 多層延伸フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】非対称な層構成であるにも拘わらずカール現象が小さく、ピロー包装の他、印刷、ラミネート、製袋などが問題なく加工でき、食品包装分野を始め、医療、工業製品包装分野などの広い分野への包装フィルムとして使用できる多層延伸フィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステル系樹脂(A)層、接着性樹脂(B)層、ガスバリア樹脂(C)層、接着性樹脂(B)層、ヒートシール樹脂(D)層を順次に積層して成り、ポリエステル系樹脂(A)層は、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリエステル樹脂で構成され、ガスバリア樹脂(C)は、脂肪族ポリアミド樹脂またはエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂で構成され、ポリエステル樹脂とヒートシール樹脂との融点差が80〜170℃であり、延伸倍率がMD及びTDともに1.5倍以上である多層延伸フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、多層延伸フィルムに関し、詳しくは、包装袋、ピロー包装の他、印刷したポリエステルフィルムや延伸ポリプロピレンフィルム等とラミネートして蓋材用として、包装分野に広く使用出来る、透明性、機械的強度、ガスバリア性、カールが無いことにより、取り扱い性などに優れた多層延伸フィルムに関するものである。
従来より、包装材として各種のフィルムが提案されている。
例えば、最外層にポリアミド樹脂層を使用した多層延伸フィルが提案されている(特許文献1)。また、最外層にはポリエステル樹脂層を使用しているが内層に芳香族ポリアミド樹脂層を有する多層延伸フィルムが提案されている(特許文献2)。しかしながら、最外層にポリアミド樹脂層を使用した場合は、冷凍輸送時など低温での耐ピンホール性に劣り、湿度の高い時など使用環境によってはカールや伸びやすさが変わるため機械適性がよくない。また、芳香族ポリアミド樹脂層は硬く耐ピンホール性を低下させ、また、シーラント層を貼り合わせる条件によってはカールの具合が変化する。
結晶性ポリエステル層/変性ポリエステルエラストマー層/脂肪族ポリアミド層/変性ポリエステルエラストマー層/結晶性ポリエステル層の少なくとも5層を有するポリアミド系多層積層体であって、各層の厚さを所定範囲に規定した多層延伸フィルムが提案されている(特許文献3)。この延伸フィルムは、層構成が対称になっているが、やはり、前記と同様にシーラント層を貼り合わせるとカールする。
結晶性ポリエステルを含有するポリエステル層(A層)/変性ポリエステル系エラストマーを含有する接着層(B層)/脂肪族ポリアミドを含有するポリアミド層(C層)の3層を有する多層積層体を2軸延伸することにより得られるポリアミド系多層延伸フィルムであって、2軸延伸後にポリアミド層(C)層上にシール層がラミネート法により積層されるように構成されてなる、ポリアミド系多層延伸フィルムが提案されている(特許文献4)。
しかしながら、上記のフィルムの場合、2軸延伸後にシール層をラミネートするため、更に工程が増えるためコストアップとなる。また、寸法安定性を確保するために210℃で熱処理されているが、ポリエチレンが同時に積層されたフィルムを210℃で熱処理されるとポリエチレンの融点は高いものでも130℃程度のため融解してしまう。そのため、後でラミネートせざるを得えない。
未延伸積層フイルムをヒートシールバーによって製袋化して成る食品包装袋であって、上記の積層フイルムは、少なくとも、ポリエチレンナフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とのブレンド樹脂層またはポリブチレンテレフタレート樹脂層(A)、ガスバリヤ性樹脂層(B)、ヒートシール性樹脂層(C)を順次に積層した多層構造を有し、かつ、上記の(A)層は、最外層に配置され、上記の(C)層は、最内層に配置されている食品包装袋が提案されている(特許文献5)。この積層フイルムは、非対象にも拘わらずカールを抑制できているが、未延伸フィルムのため、引裂き性が悪く開封性に難がある。また、ピロー包装や深絞りの蓋材用としては機械適性が不十分で使用することが出来ない。
また、ポリオレフィン樹脂層(A)又はポリアミド樹脂層(B)を最外層、ヒートシール樹脂層(C)を最内層とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層(D)及び変性ポリオレフィン接着用樹脂層(E)を含む多層延伸フィルムにおいて、ヒートシール樹脂層(C)として、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体または、エチレン−エチルアクリレート共重合体または、エチレン−メチルアクリレート共重合体を使用した多層延伸フィルムが提案されている(特許文献6)。しかしながら、外層がポリオレフィンの場合には融点が低いためヒートシール性は満足できない。また、外層がポリアミドの場合は上述した通り、冷凍輸送時など低温での耐ピンホール性に劣る。
特開平5−162254号公報 特開2010−42586号公報 特開2008−74008号公報 国際公開第2010/047354号パンフレット 特許第3224213号号公報 特許第2714438号号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、非対称な層構成であるにも拘わらずカール現象が小さく、ピロー包装の他、印刷、ラミネート、製袋などが問題なく加工でき、食品包装分野を始め、医療、工業製品包装分野などの広い分野への包装フィルムとして使用できる多層延伸フィルムを提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも、ポリエステル系樹脂(A)層、接着性樹脂(B)層、ガスバリア樹脂(C)層、接着性樹脂(B)層、ヒートシール樹脂(D)層を順次に積層して成り、ポリエステル系樹脂(A)層は最外層に配置され、ヒートシール樹脂(D)層は最内層に配置されている多層延伸フィルムであって、ポリエステル系樹脂(A)層は、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリエステル樹脂であって、多価アルコール成分として、1、4−ブタンジオール、および必要により、1、4−ブタンジオール以外の多価アルコールを、多価カルボン酸成分として、テレフタル酸、またはそのエステル形成性誘導体、さらには必要により、テレフタル酸以外の多価カルボン酸、またはそのエステル形成性誘導体を使用して得られるポリエステル樹脂にて構成され、ガスバリア樹脂(C)は、脂肪族ポリアミド樹脂またはエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂で構成され、ポリエステル樹脂とヒートシール樹脂との融点差が80〜170℃であり、延伸倍率がMD及びTDともに1.5倍以上であることを特徴とする多層延伸フィルムに存する。
本発明によれば、前記の課題が達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層延伸フィルムは、少なくとも、ポリエステル系樹脂(A)層、接着性樹脂(B)層、ガスバリア樹脂(C)層、接着性樹脂(B)層、ヒートシール樹脂(D)層を順次に積層して成り、ポリエステル系樹脂(A)層は最外層に配置され、ヒートシール樹脂(D)層は最内層に配置されている層構成を有する。
ポリエステル系樹脂(A)層に使用されるポリエステル系樹脂としては、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリエステル樹脂であって、多価アルコール成分として、1、4−ブタンジオール、および必要により、1、4−ブタンジオール以外の多価アルコールを、多価カルボン酸成分として、テレフタル酸、またはそのエステル形成性誘導体、さらには必要により、テレフタル酸以外の多価カルボン酸、またはそのエステル形成性誘導体を使用して得られるポリエステル樹脂が使用される。
繰り返し単位を主成分とは、ブチレンテレフタレート単位が、全多価カルボン酸−多価アルコール単位中の50モル%以上であることを意味する。上記範囲で好ましいのは60モル%以上であり、更に好ましい範囲は70モル%以上であり、特に好ましい範囲は80モル%以上である。
ポリエステル系樹脂の製造に使用されるテレフタル酸以外の多価カルボン酸成分としては、芳香族多価カルボン酸、脂肪族多価カルボン酸、脂環族多価カルボン酸、または上記多価カルボン酸のエステル形成性誘導体などが挙げられる。芳香族多価カルボン酸としては、2、6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、トリメシン酸、トリメリット酸などが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などが挙げられ、脂環族多価カルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、上記多価カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸ジメチル等の低級アルキルエステル類などが挙げられる。これらの多価カルボン酸成分は、単独でも2種類以上を混合した混合物であってもよい。
一方、1、4−ブタンジオール以外の多価アルコール成分としては、脂肪酸多価アルコール、脂環族多価アルコール、芳香族多価アルコール、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。脂肪酸多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、脂環族多価アルコールとしては、1、4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、芳香族多価アルコールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等が挙げられ、ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール等が挙げられる。これらの多価アルコール成分は、単独でも2種類以上を混合した混合物であってもよい。
ポリエステル系樹脂は、溶融重合法など従来より知られている方法によって製造することが出来、エステル化反応および/または重縮合化反応において、触媒と反応助剤を使用することが出来る。
触媒としては、通常、チタン化合物が使用され、例えば、チタンアルコラート、チタンフェノラート、無機チタン化合物などが挙げられる。チタンアルコラートとしては、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等が挙げられ、チタンフェノラートとしては、テトラフェニルチタネート等が挙げられ、無機チタン化合物としては、酸化チタン、四塩化チタン等が挙げられる。反応助剤としては、スズ化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、コバルト化合物、リン酸化合物、ナトリウム化合物などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で、末端カルボキシル基濃度、融点、触媒量などの異なる他のポリエステル系樹脂を混合した混合物であってもよい。他のポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリナフタレンテレフタレート(PEN)、ポリ(1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCT)、液晶性ポリエステル、ポリピバロラクトン、ポリ(ε−カプロラクトン)、これらの共重合体、およびこれらの主要構成成分のモノマーの一部をイソフタル酸、ダイマー酸、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ビスフェノール等の異種モノマーによって置換し、共重合させたもの等が挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂の固有粘度は、通常0.7〜2.0dl/gの範囲である。固有粘度が0.7dl/g未満であると、積層フィルムの機械強度が低下し、2.0dl/gを超えると、ダイからの押出し量が減少し引き取り速度が低下する。上記固有粘度のり好ましい範囲は、0.8〜1.8dl/gであり、更に好ましい範囲は1.0〜1.6dl/gである。
なお、本発明において固有粘度とは、フェノールと1、1、2、2−テトラクロロエタンとの混合溶媒(重量比1:1、温度30℃)を用いて測定した溶液粘度から算出される値である。
また、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、(A)層に公知の無機または有機添加剤などを適宜配合することが出来る。無機または有機添加剤としては、アンチブロッキング剤、核剤、撥水剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、染料などを適宜配合することが出来る。
ガスバリア樹脂(C)層を構成する樹脂としては、脂肪族ポリアミド樹脂またはエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂が使用される。
脂肪族ポリアミドとしては、脂肪族ナイロン及びその共重合体が挙げられる。具体的には、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2、6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4、6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6、6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6、10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6、12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8、6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10、8)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6、6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6、6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2、6/6、6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6、6/6、10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6、6/6、10)等を例示でき、これらのうち、2種以上の脂肪族ポリアミドを混合してもよい。
上記の中では、ナイロン−6、ナイロン−6、6、ナイロン−6/6、6(ナイロン6とナイロン6、6の共重合体)が好ましく、ナイロン−6、ナイロン−6/6、6が更に好ましく、ナイロン−6が特に好ましい。2種以上の脂肪族ポリアミドとしてはナイロン−6とナイロン−6/6、6の組み合わせ(重量比で50:50〜95:5程度)が好ましい。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化によって得られるものである。エチレン−ビニルアルコール系共重合体のエチレン含有量は、通常20〜70モル%、好ましくは25〜50モル%である。エチレン含有量が20モル%を下回ると熱安定性が悪く成形性が悪くなり、押出溶融成形においてゲル等の異物が発生しやすくなったり、延伸成形においてフィルムが破れやすくなる。エチレン含有量が70モル%を上回ると十分なバリア性を得られなくなる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体において、ガスバリア性が著しく低下しないような公知の他の成分が共重合されていたり、ブレンドされていてもよい。また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体は、組成が異なるエチレン−ビニルアルコール系共重合体をブレンドしているものであってもよい。エチレン−ビニルアルコール系共重合体の市販品としては、「エバール」((株)クラレ製)、「ソアノール」(日本合成化学工業(株)製)等が挙げられる。
ヒートシール樹脂(D)層に使用される樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、アイオノマー樹脂、変性ポリオレフィン樹脂(APO)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、その他異樹脂のブレンドによりイージーピール機能を発現した樹脂などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、通常0.01〜250g/10分の範囲である。なお、本発明においてメルトフローレイト(MFR)とは、JIS K6922に準拠して測定した値である。
前述のポリエステル系樹脂とヒートシール樹脂とは、両者の融点差が80〜170℃となるように選択される。融点差が上記の範囲においては良好なヒートシール性が得られる。
前記の各樹脂層間に配置される接着性樹脂(B)の構成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、これら及び異なるα−オレフィンとの共重合体、または、エチレン−酢酸ビニル共重合体などに、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸や、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸などの二塩基性不飽和脂肪酸の無水物すなわち無水マレイン酸などを化学的に結合させて得られる酸変性オレフィン系樹脂が使用される。
ポリエステル系樹脂(A)層の厚さは、通常1〜50μm、好ましくは2〜20μm、ガスバリア樹脂(C)層の厚さは、通常1〜40μm、好ましくは2〜20μm、ヒートシール樹脂(D)層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは15〜70μmとされる。各層間に配置される接着性樹脂(B)層の厚さは、通常1〜30μm、好ましくは2〜15μmとされる。
本発明の多層フィルムは次のようにして製造される。複数の押出機による共押出方法にて積層された後、サーキュラーダイによってチューブ状に押出すか、または、Tダイによってフラット状に押出す。次いで、このチューブ状またはフラット状のフィルムを45〜110℃の範囲内の延伸温度に再加熱して既知のチューブラー方式またはテンター方式の延伸方法で縦横同時二軸延伸または逐次二軸延伸を行う。この様な方法によって得られた多層二軸延伸フィルムは熱収縮性を有する熱収縮性多層二軸延伸フィルムとなる。一方、延伸の後、続けて、110〜230℃の範囲内の温度でヒートセットを行うことにより非熱収縮性多層二軸延伸フィルムとすることが出来る。
上記の延伸倍率は、MD及びTDとも、1.5倍以上、好ましくは2.0〜4.0倍、更に好ましくは2.5〜3.5倍であり、順次に延伸時の状態が一層安定する。延伸倍率が1.5倍未満の場合は、包装用フィルムとして使用した場合、引裂き性が悪く開封性に難がある。また、ピロー包装や深絞りの蓋材用としては機械適性が不十分で使用することが出来ない。
本発明の多層フィルムは、その優れた特性を活かし、以下に説明するように、特に、チルドポーク及びチルドビーフなどの生肉の真空包装用フィルムとして好適に使用される。
すなわち、生肉用包装材は、一般的に、ポリエチレン単層フィルム(包装生肉の消費期限約10日)から、酸素透過度が低い多層フィルム(包装生肉の消費期限20日)に変わりつつある。ところが、多層フィルムはコストが高いため、薄肉化が求められ、現在、ラミネートフィルム(延伸ナイロン15μm/接着層/ポリエチレン40μm)の欠点を克服し、主に使用されつつある未延伸ナイロン系系多層フィルムの厚さは40〜60μmである。
本発明の多層延伸フィルムは、上記の薄肉化の要求に十分に応え、20〜30μmの薄肉化が出来、また、耐ピンホール性も未延伸フィルム(40〜60μm)に比べて優れている。よって、本発明の多層延伸フィルムは、生肉用の包装フィルムとしては画期的なフィルムと言える。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、使用した樹脂材料および評価方法は以下の通りである。
Figure 2014061634
(1)落下試験の評価:
ソーセージ(1kg)をそれぞれのフィルムに真空包装した後に12時間以上冷凍保存し、5段2列で梱包し、高さ1.5mより5回落下させる。ピンホールが発生した個数を%で表記した(n=3)。
(2)耐屈曲性の評価:
ゲルボフレックステスターを用いて行った。その方法は、折り径150mm、長さ300mmの筒状に製袋した多層延伸フィルムをゲルボフレックステスターに装着し、捻り角度440°で62.5cmの直線水平運動を常温(23℃)条件下で1000回繰り返した後、浸透液を用いてピンホールの数を調べる方法である。なお、ピンホール数の測定は、捻り屈曲を行ったサンプル中央部分の300cmの箇所で行った。3枚のサンプルについてピンホールの数を測定し、その平均値を結果として示す。
(3)包装機適性の評価:
ピロー包装機にて加工テストを実施した際に、カールによってヒートシール不良が発生しなければ○、ヒートシール不良が発生した場合には×とする。
(4)印刷加工適性の評価:
3色グラビア印刷にて印刷テストを実施した際に、カールやフィルムの伸びによって柄ズレや両サイドの折れ込みによる不良が発生しなければ○、ヒートシール不良が発生した場合には×とする。
実施例1:
共押出方式により、ポリエステル樹脂/接着性樹脂/ポリアミド樹脂/エチレン−ビニルアルコール系共重合体/ポリアミド樹脂/接着性樹脂/ポリエチレンの層構成のフィルム(総厚さ270μm)を製造した。各層の厚さ比率は、上記層構成の順に5/5/20/5/20/5/40(%)であった。得られた原反フィルムをチューブラー延伸方式で100℃の延伸温度で延伸倍率を縦×横=3×3で延伸を行い、180℃の熱処理を行い、総厚さ30μmの多層延伸フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例2:
実施例1において、各層の厚さ比率を10/5/20/5/20/5/30(%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、多層延伸フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例3:
共押出方式により、ポリエステル樹脂/接着性樹脂/ポリアミド樹脂/接着性樹脂/ポリエチレンの層構成のフィルム(総厚さ300μm)を製造した。得られた原反フィルムを使用し、各層の厚さ比率を10/5/45/5/30(%)とし、実施例1と同様にして、多層延伸フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
比較例1:
共押出方式により、ポリアミド樹脂/接着性樹脂/ポリアミド樹脂/エチレン−ビニルアルコール系共重合体/ポリアミド樹脂/接着性樹脂/ポリエチレンの層構成のフィルム(総厚さ300μm)を製造した。各層の厚さ比率を測定したところ、上記層構成の順に10/5/20/5/20/5/30(%)であった。評価結果を表2に示す。
比較例2:
共押出方式により、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂/接着性樹脂/ポリアミド樹脂/エエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂/ポリアミド樹脂/接着性樹脂/ポリエチレンの層構成のフィルム(総厚さ300μm)を製造した。各層の厚さ比率を測定したところ、上記層構成の順に10/5/20/5/20/5/30(%)であった。評価結果を表2に示す。
Figure 2014061634
比較例のフィルムは、何れも、落下衝撃強度が弱く、カールや伸びもある。これに対し、実施例のフィルムは問題なく使用できた。

Claims (3)

  1. 少なくとも、ポリエステル系樹脂(A)層、接着性樹脂(B)層、ガスバリア樹脂(C)層、接着性樹脂(B)層、ヒートシール樹脂(D)層を順次に積層して成り、ポリエステル系樹脂(A)層は最外層に配置され、ヒートシール樹脂(D)層は最内層に配置されている多層延伸フィルムであって、ポリエステル系樹脂(A)層は、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリエステル樹脂であって、多価アルコール成分として、1、4−ブタンジオール、および必要により、1、4−ブタンジオール以外の多価アルコールを、多価カルボン酸成分として、テレフタル酸、またはそのエステル形成性誘導体、さらには必要により、テレフタル酸以外の多価カルボン酸、またはそのエステル形成性誘導体を使用して得られるポリエステル樹脂にて構成され、ガスバリア樹脂(C)は、脂肪族ポリアミド樹脂またはエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂で構成され、ポリエステル樹脂とヒートシール樹脂との融点差が80〜170℃であり、延伸倍率がMD及びTDともに1.5倍以上であることを特徴とする多層延伸フィルム。
  2. チューブラー延伸法によって製膜された請求項1に記載の多層延伸フィルム。
  3. 生肉の真空包装用フィルムである請求項1又は2に記載の多層延伸フィルム。
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