JP2014054908A - スピードスプレーヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 フロントデファレンシャルギア部の回転をナックル部に伝達するギア数の増加又はギアサイズの大径化を招く不具合を回避しつつ、十分な車高下げ効果を得る。
【解決手段】 運転席3の背凭れ部3bを水平面Fhに対して70〔゜〕以下に傾斜させ、かつ背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、フロントデファレンシャルギア部5の少なくとも一部5xを位置させるとともに、当該フロントデファレンシャルギア部5と前輪6p,6qを支持するナックル部7p,7qをそれぞれ左右一対の伝達ギア部8p,8qにより接続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両ボディの前部における左右方向中央位置に運転席を配してなるスピードスプレーヤに関する。
一般に、果樹園等の圃場で農薬散布を行うスピードスプレーヤ、特に、車両ボディの前部にキャビン部を有するとともに、このキャビン部の後方に薬液タンクを搭載したいわゆるキャビンタイプのスピードスプレーヤは知られている。通常、この種のスピードスプレーヤは、車両ボディの前部における左右方向中央位置に運転席が配されるとともに、圃場内の不整地面上を走行するため、四輪駆動方式が採用される場合も多く、運転席の下方には、前輪を回転駆動する前輪駆動系におけるフロントデファレンシャルギア部(フロントアクスル)を有する。なお、フロントデファレンシャルギア部にはトランスミッションの前輪駆動用出力軸から出力する回転駆動力が入力する。一方、スピードスプレーヤは、車高が高いとキャビン部のルーフ等が果樹の枝葉に当たってしまうため、車高(全高)はできるだけ低く抑える必要があるが、フロントデファレンシャルギア部が存在するため、運転席、更には車高全体を低くするには限界がある。
従来、このような課題に対処したスピードスプレーヤも特許文献1で知られている。同文献1に開示される自走式作業車(スピードスプレーヤ)は、全高を低く抑えつつ、所定のロードクリアランス及び旋回(小回り)性等の走行性能を確保することを目的としたものであり、具体的には、車体の前部に座席部分を有し、フロントホイールがデファレンシャル装置及びフロントアクスルを介して回転駆動せしめられる自走式作業車であって、フロントホイールセンタに対してデファレンシャルギヤセンタが側面視で車体の後方に配在されたものである。
特開2000−229523号公報
しかし、上述した従来の自走式作業車(スピードスプレーヤ)は、次のような問題点があった。
第一に、基本的な構成は、デファレンシャルギヤセンタをフロントホイールセンタに対して後方に配在するに留まるため、必ずしも十分な車高下げ効果を得れるとは言い難い。即ち、車高を十分に下げるためには、デファレンシャルギヤセンタを運転席に対してその後方位置までオフセットする必要があるが、この場合、オフセットするためのギア数の増加又はギアサイズの大径化が避けられない。換言すれば、オフセットのためのギア数の増加又はギアサイズの大径化を回避しようとすれば、十分な車高下げ効果を得れないとともに、他方、十分な車高下げ効果を得るには、オフセットのためのギア数の増加又はギアサイズの大径化を招くという相反する問題を生じる。
第二に、運転席を下方位置に移した場合、運転席の着座面の高さと床面の高さの差(段差)が小さくなるため、運転者は、膝を高くした姿勢で着座せざるを得ないとともに、運転席の両側にはタイヤのサイズで決まるタイヤハウスが存在するため、運転性(操縦性)及び乗降性の低下を招く要因となる。結局、この場合も、運転席を下げれば、車高は下げることができるも、運転性及び乗降性を低下させてしまうとともに、他方、運転性及び乗降性を確保するためには、車高を下げるにも限界があるという相反する問題を生じる。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したスピードスプレーヤの提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、車両ボディ2の前部における左右方向中央位置に運転席3を配し、かつこの運転席3の前方にステアリング機構4を配するとともに、少なくともフロントデファレンシャルギア部5を介して前輪6p,6qを駆動する前輪駆動系Dfを備えるスピードスプレーヤ1を構成するに際して、運転席3の背凭れ部3bを水平面Fhに対して70〔゜〕以下に傾斜させ、かつ背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、フロントデファレンシャルギア部5の少なくとも一部5xを位置させるとともに、当該フロントデファレンシャルギア部5と前輪6p,6qを支持するナックル部7p,7qをそれぞれ左右一対の伝達ギア部8p,8qにより接続してなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、フロントデファレンシャルギア部5は、前輪6p,6qの車軸(中心)に対して斜め後下方にオフセットさせることができる。また、フロントデファレンシャルギア部5を配するに際しては、背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、フロントデファレンシャルギア部5の中心Pcを位置させることが最適である。さらに、伝達ギア部8q…は、中間位置に備える中間ギアGm…の中心を貫通する固定ボルト9…によりナックル部7p,7qに固定することができる。一方、背凭れ部3bの後方であって、前輪6p,6qの車軸に対する後方かつ上方のスペースSsには、前輪操舵用油圧シリンダ10を配設することができる。なお、車両ボディ2は、前部にキャビン部2cを有し、このキャビン部2c内に運転席3を設けることができる。他方、ステアリング機構4は、ステアリングコラム部4cを上下方向へ回動自在に支持するコラム支持機構部11と、操舵ハンドル4hが使用時のセット位置Xs又はこのセット位置Xsよりも上方となるリリース位置Xrで停止するようにステアリングコラム部4cの回動時の変位を規制する規制機構部12s,12rと、操舵ハンドル4hがリリース位置Xr側へ変位するようにステアリングコラム部4cを付勢するスプリング部材13と、少なくともステアリングコラム部4cをセット位置Xsへ変位させた際に当該セット位置Xsにロックするロック機構部14と、操作することによりロック機構部14のロックを解除可能な操作機構部15とを設けて構成できる。なお、操作機構部15には、手動操作によりロック機構部14のロックを解除可能な操作レバー15xを設けることができる。
このような構成を有する本発明に係るスピードスプレーヤ1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 運転席3の背凭れ部3bを水平面Fhに対して70〔゜〕以下に傾斜させ、かつ背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、フロントデファレンシャルギア部5の少なくとも一部5xを位置させるとともに、当該フロントデファレンシャルギア部5と前輪6p,6qを支持するナックル部7p,7qをそれぞれ左右一対の伝達ギア部8p,8qにより接続してなるため、フロントデファレンシャルギア部5の回転をナックル部7p,7qに伝達するギア数の増加又はギアサイズの大径化を招く不具合を回避しつつ、十分な車高下げ効果を得ることができる。
(2) 好適な態様により、フロントデファレンシャルギア部5を、前輪6p,6qの車軸(中心)に対して斜め後下方にオフセットさせれば、後方のみならず下方への偏心度合を大きくできるため、前輪6p,6qの車軸端における偏心部分へのねじりモーメント量を僅かな量に抑えることができる。即ち、後方への偏心量のみが大きい場合に比較して、偏心部分へのねじりモーメント量をより小さい量に抑えることができ、機械的強度、更には耐久性をより高めることができる。
(3) 好適な態様により、フロントデファレンシャルギア部5を配するに際し、背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、当該フロントデファレンシャルギア部5の中心Pcを位置させるようにすれば、デッドスペースを低減し、スペース効率を高めることにより、合理的なレイアウトを実現する観点から最も望ましい形態として構築することができる。
(4) 好適な態様により、伝達ギア部8q…を、中間位置に備える中間ギアGm…の中心を貫通する固定ボルト9…によりナックル部7p,7qに固定するようにすれば、固定ボルト9…の追加による簡易な構成で、ナックル部7qと伝達ギア部8q間の結合強度及び剛性を大きく高めることができる。
(5) 好適な態様により、背凭れ部3bの後方であって、前輪6p,6qの車軸に対する後方かつ上方のスペースSsに、前輪操舵用油圧シリンダ10を配設するようにすれば、背凭れ部3bの後方に生じる側面視三角状のスペースSsをより有効利用できるため、更なるデッドスペースの低減とスペース効率の向上に寄与できる。
(6) 好適な態様により、車両ボディ2の前部に有するキャビン部2c内に運転席3を設ければ、キャビン部2cの高さを可及的に下げることができるため、キャビン部2cの小型化,軽量化(省エネルギ化)及び低コスト化に寄与できる。
(7) 好適な態様により、ステアリング機構4を、ステアリングコラム部4cを上下方向へ回動自在に支持するコラム支持機構部11と、操舵ハンドル4hが使用時のセット位置Xs又はこのセット位置Xsよりも上方となるリリース位置Xrで停止するようにステアリングコラム部4cの回動時の変位を規制する規制機構部12s,12rと、操舵ハンドル4hがリリース位置Xr側へ変位するようにステアリングコラム部4cを付勢するスプリング部材13と、少なくともステアリングコラム部4cをセット位置Xsへ変位させた際に当該セット位置Xsにロックするロック機構部14と、操作することによりロック機構部14のロックを解除可能な操作機構部15とを設けて構成すれば、運転者の乗降時には操舵ハンドル4hをリリース位置Xrに変位させることができる。したがって、リリース位置Xrでは、運転席と操舵ハンドル4h間の空間(間隔)を広くできるため、運転者は容易に乗降できるとともに、セット位置Xsでは、運転者に対する乗降性を考慮する必要がなく、運転性のみを確保できれば足りるため、キャビン部3の高さをより低い位置、いわば限界位置まで低く設定できる。この場合、運転者の乗降性を確保できることに加え、乗降性に対してもより余裕を持たせることができる。したがって、例えば、ドア部を十分に開くことができない場所で停車したような場合であっても、本来の乗降性が確保されなかったり乗降自体ができなくなる不具合を回避できるなど、乗降性に余裕を付加したことにより様々な場面での乗降性を確保することができる。
(8) 好適な態様により、操作機構部15に、手動操作によりロック機構部14のロックを解除可能な操作レバー15xを設ければ、運転者による手動操作タイプとして構築できるため、特に、構造の簡易化,小型化及び低コスト化に寄与できるとともに、使い勝手における柔軟性を高めることができる。
本発明の好適実施形態に係るスピードスプレーヤの要部を構成する部位を抽出して示す側面概要図、 同スピードスプレーヤの要部となる前輪駆動系の外観概要斜視図、 同スピードスプレーヤの要部となる前輪駆動系の正面概要図、 同スピードスプレーヤにおける要部の原理説明図、 同スピードスプレーヤの要部を構成する前輪駆動系の伝達ギア部及びその周辺機構の正面断面図、 同スピードスプレーヤの要部を構成する前輪駆動系の伝達ギア部におけるギアの分解斜視図、 同スピードスプレーヤのステアリング機構のリリース位置における側面構成図、 同スピードスプレーヤのキャビン部の平面図、 同スピードスプレーヤのキャビン部の内部概要図、 同スピードスプレーヤの外観を示す全体斜視図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るスピードスプレーヤ1全体の基本構成について、図8〜図10を参照して説明する。
図10にスピードスプレーヤ1の全体の外観構成を示す。スピードスプレーヤ1は、図に現れないシャーシの前側に、左右一対の前輪6p,6qを、後側に、左右一対の後輪21p…をそれぞれ備える。前輪6p,6q…及び後輪21p…は、シャーシに搭載されるエンジンにより四輪駆動される。一方、シャーシ上には車両ボディ2を搭載し、車両ボディ2の前部をキャビン部2cとして構成するとともに、後部を薬液タンク23及びエンジンルーム24として構成する。さらに、エンジンルーム24の後方には、多数の噴霧ノズルを配した噴霧機構25及び送風ファンを配した送風機構26をそれぞれ搭載する。その他、スピードスプレーヤ1において、16はフロントウィンドウガラス、27p,27qはバックミラー、28p,28qはヘッドライト、29は手動散布用ホースを巻取るためのホースリール、30は開閉式の薬液噴霧遮断プレートをそれぞれ示している。
また、キャビン部2cは、プラスチック材R、望ましくは強化プラスチック(FRP)材を用いたキャビンパネル2cpにより全体を一体構成し、このキャビンパネル2cpは、左右に位置するサイドパネル部,上端に位置するルーフパネル部,前側に位置するフロントパネル部,背面に位置するリアパネル部及び底面に位置するフロアパネル部を有する。一方、右に位置するサイドパネル部には、乗降用の出入口部32を有し、この出入口部32には、当該出入口部32を開閉するドア部33を付設する。この場合、ドア部33は、前端辺部を、ヒンジ部を介して出入口部32の前端辺に取付ける。これにより、ドア部33は、当該ヒンジ部を支点として回動変位し、出入口部32を開閉できる。このドア部33も、キャビンパネル2cpと同様に、プラスチック材R、望ましくは強化プラスチック(FRP)材を用いて一体形成したドアパネル33pを備える。
さらに、図8に示すように、ドアパネル33pの上端辺部及び後端辺部には、キャビン部2cの室内側へ延出させることにより、キャビン部2cにおけるルーフパネル部の一部及びリアパネル部の一部となる張出パネル部34u及び34rを一体に形成する。したがって、張出パネル部34u,34rは、ドアパネル33pの本体面に対してほぼ直角となり、張出パネル部34uの先端は、ルーフパネル部の面上に位置するとともに、張出パネル部34rの先端は、リアパネル部の面上に位置する。その他、図9に示すように、室内2ciには、ダッシュボード35、クラッチペダル36、ブレーキペダル37等を備えている。
次に、本実施形態に係るスピードスプレーヤ1の要部の構成について、図1〜図9を参照して具体的に説明する。
まず、キャビン部2cの内部は、図1に示すように、室内2ciとして構成するため、図3に示すように、室内2ciにおける左右方向中央位置に運転席3を設置するとともに、この運転席3の前方には、図1に示すように、ステアリング機構4を配設する。
この場合、運転席3は、運転者Mが着座する着座部3sと運転者Mの背凭れとなる背凭れ部3bを備えており、図4に示すように、背凭れ部3bは、本発明に従って、水平面Fhに対して、Rs〔゜〕以下に傾斜させて設置する。このRs〔゜〕は70〔゜〕に設定可能であり、実施形態は概ね60〔゜〕傾斜させた場合を例示する。したがって、このような背凭れ部3bの傾斜により、着座部3sの傾斜も通常よりもやや前上がりとなる。
また、スピードスプレーヤ1は四輪駆動方式であり、前輪6p,6qを回転駆動する前輪駆動系Dfを備える。この前輪駆動系Dfは、前述したエンジンルーム24に備えるエンジンに接続されたトランスミッションの前輪駆動用出力軸の回転駆動力が入力するフロントデファレンシャルギア部5を備える。そして、このフロントデファレンシャルギア部5を配するに際しては、次の条件、即ち、図4に示すように、運転席3における背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、フロントデファレンシャルギア部5の少なくとも一部5xを位置させるようにし、より望ましくは、側面から見て、運転席3における背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、フロントデファレンシャルギア部5の中央に備えるデファレンシャルセンタ41の中心Pcを位置させる。
このデファレンシャルセンタ41は、図2に示すように、後方に突出し、かつ上述したトランスミッションからの回転駆動力が入力する入力軸5iを有するとともに、デファレンシャルセンタ41から左右に配した一対のデファレンシャルシャフト部42p,42qを備える。各デファレンシャルシャフト部42p,42qは、内部に配したデファレンシャルシャフト本体43p(図1),43q(図5)及びこのデファレンシャルシャフト本体を覆うシャフトケース44p,44qを有する。そして、各デファレンシャルシャフト部42p,42qは、それぞれ左右の伝達ギア部8p,8qを介して左右のナックル部7p,7qに接続する。これにより、フロントデファレンシャルギア部5は、図1に示すように、前輪6p,6qの車軸(中心)に対して斜め後下方にオフセットする位置関係となる。このように、フロントデファレンシャルギア部5を、前輪6p,6qの車軸に対して斜め後下方にオフセットさせれば、後方のみならず下方への偏心度合を大きくできるため、前輪6p,6qの車軸端における偏心部分へのねじりモーメント量を僅かな量に抑えることができる。即ち、後方への偏心量のみが大きい場合に比較して、偏心部分へのねじりモーメント量をより小さい量に抑えることができ、機械的強度、更には耐久性をより高めることができる利点がある。
一方、図5には、一方のナックル部7q(ナックルケース)に接続した一方の伝達ギア部8qを示す。この伝達ギア部8qは、ギアケース51を備え、このギアケース51の内部に、図6に示す三つのギア、即ち、入力ギアGi,中間ギアGm,出力ギアGeをシリーズに接続した状態で内蔵する。入力ギアGiは、中心位置にデファレンシャルシャフト本体43qの端部を固定し、入力ギアGiの両側に位置するデファレンシャルシャフト本体43qの部位は、一対のベアリング55,56により回動自在に支持される。また、出力ギアGeは、中心位置にアッパシャフト57の一端部を固定し、出力ギアGeの両側に位置するアッパシャフト57の部位は、一対のベアリング58,59により回動自在に支持されるとともに、アッパシャフト57の他端部は、ナックル部7q側(デファレンシャルシャフト本体43qに対して反対側)に突出させることにより、ナックル部7q内の被伝達ギア(不図示)に接続する。さらに、中間ギアGmは、中間シャフト61により回動自在に支持する。この場合、ギアケース51と中間シャフト61に固定ボルト9を貫通させ、この固定ボルト9の先端側を、ナックル部7q(ナックルケース)に螺着する。このように、伝達ギア部8qを、中間位置に備える中間ギアGmの中心を貫通する固定ボルト9によりナックル部7qに固定するようにすれば、固定ボルト9の追加による簡易な構成でナックル部7qと伝達ギア部8q間の結合強度及び剛性を大きく高めることができる利点がある。
以上、一方の伝達ギア部8q及びその周辺の構成について説明したが、他方の伝達ギア部8p側の構成も、レイアウトが左右対称となる点を除いて伝達ギア部8q側と同一に構成できる。なお、各ナックル部7p,7q自体及びフロントデファレンシャルギア部5自体は公知のナックル部及びフロントデファレンシャルギア部と同様に構成できるとともに、同様に機能させることができる。したがって、各ナックル部7p,7qとフロントデファレンシャルギア部5間を接続する一対の伝達ギア部8p,8qが本発明による追加要素となる。なお、各ナックル部7p,7qの外側位置にはそれぞれ前輪6p,6qを固定するための車輪取付部64p,64qを備えている。
他方、図1に示すように、背凭れ部3bの後方であって、前輪6p,6qの車軸に対する後方かつ上方のスペースSsには、前輪操舵用油圧シリンダ10を配設する。前輪操舵用油圧シリンダ10をこのように配設すれば、背凭れ部3bの後方に生じる側面視三角状のスペースSsをより有効利用でき、更なるデッドスペースの低減とスペース効率の向上に寄与できる利点がある。さらに、スピードスプレーヤ1はリーフスプリング懸架方式を採用しており、65pは一方の前輪6p(前車軸)を支持するリーフスプリングを示す。なお、他方の前輪6q(前車軸)もリーフスプリング65pと同様のリーフスプリングにより支持されている。このようなリーフスプリング懸架方式を採用すれば、フロントデファレンシャルギア部5付近には懸架部品が存在しなくなるため、運転席3を設置する際の設計上の自由度を高めることができるとともに、路面からの衝撃緩和効果も高めることができる。
次に、ステアリング機構4について説明する。図7に示すように、ステアリング機構4は、大別して、操舵ハンドル(ステアリングホイール)4h、ステアリングコラム部4c、コラム支持機構部11、規制機構部12s,12r、スプリング部材13、ロック機構部14及び操作機構部15を備えて構成する。この場合、操舵ハンドル4h及びステアリングコラム部4cは一般的なステアリング機構として構成できる。即ち、例示の操舵ハンドル4hは一般的なリング状に形成するとともに、ステアリングコラム部4cは丸棒状に形成する。ステアリングコラム部4cは周方向への回動が規制されたコラムカバー71を有し、内部に図に現れない伝達シャフトを回動自在に挿通する。そして、この伝達シャフトの上端(一端)に操舵ハンドル4hの中心位置を結合するとともに、下端(他端)はパワーステアリングユニット72に接続する。これにより、ステアリングコラム部4cは操舵ハンドル4hの中心位置から軸方向かつ斜め下方に配される。
一方、コラム支持機構部11は、全体をコの字形に折曲形成し、左右に離間した支持プレート部74p…を有する支持部材74を備える。この支持部材74はキャビン部2c側に取付けることにより位置は固定する。また、第一被支持プレート75と第二被支持プレート76を備え、この第一被支持プレート75と第二被支持プレート76は重ね合わせることにより、各支持プレート75,76の中間位置を支軸部77により一方(右側)の支持プレート部74pの内面に回動自在に取付ける。したがって、第二被支持プレート76が第一被支持プレート75と支持プレート部74p間に挟まれる位置関係となる。そして、第一被支持プレート75の一端側(操舵ハンドル4hに対して反対側)をコラムカバー71に固定し、第一被支持プレート75とステアリングコラム部4cを一体化する。これにより、ステアリングコラム部4cはコラム支持機構部11により上下方向へ回動自在に支持されることになる。
また、第一被支持プレート75の他端側(操舵ハンドル4h側)と第二被支持プレート76の他端側(操舵ハンドル4h側)は、チルトレバー78を介して結合することにより、チルト調整機構17を構成する。即ち、ステアリングコラム部4cに、このステアリングコラム部4cの角度を調整可能なチルト調整機構17を付設した構成を備えている。この場合、第一被支持プレート75と第二被支持プレート76の一方又は双方に長孔部79…を形成し、チルトレバー78の一端側に設けたボルトナット部80により締緩可能に構成するとともに、チルトレバー78の他端側は運転席3側に突出させる。これにより、運転席3に着座した運転者Mが、チルトレバー78を手で反時計方向へ回動変位させれば、ボルトナット部80が緩み、支軸部77を支点として第一被支持プレート75と第二被支持プレート76の相対角度を変更、即ち、ステアリングコラム部4cの角度を調整できる。そして、調整後、チルトレバー78を時計方向へ回動変位させれば、ボルトナット部80を締付け、第一被支持プレート75と第二被支持プレート76を固定できる。
このように、ステアリングコラム部4cの角度を調整可能なチルト調整機構17を付設した場合であっても、ステアリングコラム部4c自体に追加や変更等を行うことなく、ステアリング機構4を構築できる。したがって、チルト調整機構17の機能には何ら悪影響を与えることなく実施でき、チルト調整機構17による調整機能、及び後述するリリース位置Xrとセット位置Xsへの変位機能を有効に併存させることができる。また、実施形態の規制機構部12sは、チルト調整機構17によるステアリングコラム部4cの調整角度を相殺してリリース位置Xrにおける操舵ハンドル4hの位置を一定にする第二被支持プレート76を用いた相殺機構18を備えている。したがって、チルト調整機構17の調整角度に拘わらず、リリース位置Xrにおける操舵ハンドル4hと運転席3の間隔を常に一定にできるとともに、操舵ハンドル4hとフロントウィンドウガラス16の干渉を防止できる利点がある。
さらに、各支持プレート75,76を取付けた支持プレート部74pの外面の所定位置には、支軸部82を介してレバープレート部材81の他端側を回動自在に取付ける。このレバープレート部材81の一端側には、操舵ハンドル4hを上方のリリース位置Xrに変位させるための操作レバー15xを一体形成し、この操作レバー15xは、運転者Mが操作できるように運転席3側に突出させる。また、第二被支持プレート76に一体形成した掛止部76sとレバープレート部材81に一体形成した掛止部81s間にはコイルスプリングを用いたスプリング部材13の両端をそれぞれ掛け渡す。このスプリング部材13により、操作レバー15xは下方に付勢されるとともに、第二被支持プレート76、即ち、ステアリングコラム部4cは上方へ付勢される。なお、支軸部82を配する位置、即ち、支軸部82と掛止部81s間の距離等を選定することにより、操作レバー15xの操作力や操作フィーリングを任意に設定できる。
他方、第二被支持プレート76の他端側(チルトレバー78に対して反対側)には、図7に示すように、ロック機構部14を設ける。この場合、第二被支持プレート76の他端側に、係止凹部84を有する開口ガイド部83を形成するとともに、レバープレート部材81に、第一係合ピン85の一端を固定する。そして、第一係合ピン85の他端側は、支持プレート部74pに形成した長孔規制部74phを通して開口ガイド部83内に係合させる。なお、係止凹部84は、開口ガイド部83の内方に突出する係止爪部84sにより形成される。一方、第一被支持プレート75には、係止凹部87を有する切欠ガイド部86を形成するとともに、レバープレート部材81に、第二係合ピン88の一端を固定する。そして、第二係合ピン88の他端側を支持プレート部74pに形成した長孔規制部74piを通して切欠ガイド部86に係合させる。
これにより、係止凹部84及びこの係止凹部84に係止する第一係合ピン85は、ロック機構部14を構成するとともに、操舵ハンドル4hが使用時のセット位置Xsで停止するように、ステアリングコラム部4cの回動時の変位を規制する一方の規制機構部12sを構成(兼用)する。さらに、係止凹部87及びこの係止凹部87に係止する第二係合ピン88は、操舵ハンドル4hがセット位置Xsよりも上方に位置するリリース位置Xrで停止するように、ステアリングコラム部4cの回動時の変位を規制する他方の規制機構部12rを構成する。この場合、リリース位置Xrは、操舵ハンドル4hとフロントウィンドウ11の内面間の距離が100〔mm〕以内となる位置を選定することが望ましい。このようなリリース位置Xrを選定すれば、運転席3を含むタイヤハウスと操舵ハンドル4h間の空間Sを可及的に広げることができるため、操舵ハンドル4hをリリース位置Xrに変位させることに基づく有効かつ最大の効果を得れる利点がある。
したがって、以上の構成により、操作レバー15xは、手動操作によりロック機構部14のロックを解除可能な操作機構部15を構成する。操作機構部15に、このような操作レバー15xを用いれば、運転者による手動操作タイプとして構築できるため、特に、構造の簡易化,小型化及び低コスト化に寄与できるとともに、使い勝手における柔軟性を高めることができる利点がある。
次に、本実施形態に係るスピードスプレーヤ1における要部の動作(機能)について、図1〜図9を参照して説明する。
まず、前輪駆動系Dfの動作は次のようになる。エンジンに接続されたトランスミッションからの回転駆動力は、フロントデファレンシャルギア部5の入力軸5iに入力する。入力軸5iの回転駆動力は、デファレンシャルセンタ41,デファレンシャルシャフト本体43p,43qを介して伝達ギア部8p,8qに伝達される。伝達ギア部8q(伝達ギア8p側も同じ)に伝達された回転駆動力は、入力ギアGi,中間ギアGm,出力ギアGeを介してアッパシャフト57に伝達され、さらに、ナックル部7qを介して前輪6qを回転させる。
この場合、運転席3の背凭れ部3bは、水平面Fhに対して70〔゜〕以下に傾斜するとともに、伝達ギア部8p,8qを付加(接続)したことにより、フロントデファレンシャルギア部5は、運転席3における背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、その一部5xが位置する。したがって、フロントデファレンシャルギア部5の回転をナックル部7p,7qに伝達するギア数の増加又はギアサイズの大径化を招く不具合を回避しつつ、車高を十分に下げることができる。特に、背凭れ部3bを傾斜させることにより、背凭れ部3bの後方に生じるスペースSsに前輪操舵用油圧シリンダ10を配設することができ、背凭れ部3bの後方に生じる側面視三角状のスペースSsをより有効利用できる。
一方、フロントデファレンシャルギア部5は、前輪6p,6qの車軸に対して斜め後下方にオフセットさせ、後方のみならず下方への偏心度合を大きくしたため、前輪6p,6qの車軸端における偏心部分へのねじりモーメント量を僅かな量に抑えることができる。この結果、機械的強度、更には耐久性が高められる。また、フロントデファレンシャルギア部5を配するに際し、実施形態のように、側面から見て、運転席3における背凭れ部3bの後方であって、運転席3の後端3rに接する垂直面Fvよりも前方かつ当該運転席3の下端3dに接する水平面Fhよりも上方に、フロントデファレンシャルギア部5の中央に備えるデファレンシャルセンタ41の中心Pcを位置させるようにすれば、デッドスペースを低減し、スペース効率を高めることにより、合理的なレイアウトを実現する観点から最も望ましい形態として構築できる。
図4は、以上の条件を満たした状態を示している。したがって、このような条件を満たさない場合、運転席3は、少なくとも高さ方向において、仮想線で示す運転席3eの高さに設置せざるを得ないが、かかる条件を満たすことにより、運転席3は、当該運転席3eよりも高さHrだけ低い実線で示す運転席3の高さに設置できる。即ち、この低下分だけキャビン部2cの高さHcを低く設定できる。なお、本実施形態に係るスピードスプレーヤ1は、キャビン部を有しないスピードスプレーヤにも適用可能であるが、本実施形態に係るスピードスプレーヤ1のように、車両ボディ2の前部に有するキャビン部2c内に運転席3を設ければ、キャビン部2cの高さを可及的に下げることができるため、キャビン部2cの小型化,軽量化(省エネルギ化)及び低コスト化に寄与できる利点がある。
他方、ステアリング機構4の機能は次のようになる。今、ステアリング機構4における操舵ハンドル4hが使用時のセット位置Xsにある場合を想定する。図7に示す仮想線4hsがセット位置Xsにある操舵ハンドル4hを示す。セット位置Xsでは、レバープレート部材81はスプリング部材13により付勢されるため、第一係合ピン85は係止凹部84に進入して係止し、ステアリングコラム部4cの位置はロックされる。したがって、操舵ハンドル4hは、図1に示す仮想線の位置となり、運転者Mは、操舵ハンドル4hを握って通常の運転を行うことができる。
一方、運転を終了して運転者が降車する場合を想定する。この場合、運転者は操作レバー15xを引き上げ操作、即ち、スプリング部材13の弾性に抗して引き上げ操作すればよい。これにより、第一係合ピン85が係止凹部84から抜け出るため、ロック機構部14によるロックが解除される。また、第二被支持プレート76はスプリング部材13により支軸部77を支点に時計方向に付勢されているため、ロック機構部14によるロックが解除されることにより、第二被支持プレート76は開口ガイド部83の空間分だけ回動変位する。これにより、第一係合ピン85は開口ガイド部83内を相対変位し、開口ガイド部83の上端開口縁に係止する。
この際、第二被支持プレート76は、第一被支持プレート75及びステアリングコラム部4cと一体のため、第二被支持プレート76の回動変位により、操舵ハンドル4hの位置も、図7に示すリリース位置Xrに変位する。なお、変位時には、第二係合ピン88が長孔規制部74piに規制され、操舵ハンドル4hの位置もリリース位置Xrに規制されるため、位置が固定(ロック)される。
これにより、操舵ハンドル4hと運転席3間の空間Sが広がり、運転者Mは容易に降車することができる。この場合、操舵ハンドル4hはリリース位置Xrに維持されるため、この後、運転者Mが乗車する際は、そのまま乗車することができる。そして、運転席3に着座後、運転者Mが操作レバー15xを引き上げ操作し、操舵ハンドル4hを手で押し下げればセット位置Xsにセットすることができる。セット位置Xsへ変位する際は、第一係合ピン85が開口ガイド部83内の縦方向の開口縁にガイドされるとともに、係止爪部84sを乗り超え、係止凹部84に至る経路で相対変位する。また、第一係合ピン85が係止凹部84に至れば、第一係合ピン85はスプリング部材13により支軸部82を支点に反時計方向に付勢されているため、第一係合ピン85はいわば自動的に係止凹部84に進入することによりロックされる。
したがって、このようなステアリング機構4によれば、図7に示すように、操舵ハンドル4hを使用時のセット位置Xs又はこのセット位置Xsよりも上方となるリリース位置Xrに選択的に変位可能になるため、運転者Mの乗降時には操舵ハンドル4hをリリース位置Xrに変位させることにより、運転席3を含むタイヤハウスと操舵ハンドル4h間の空間(間隔)を、間隔Lsから間隔Lrまでの、最大範囲をカバーできる略二倍程度広くできるため、運転者Mは容易に乗降できるとともに、セット位置Xsでは、運転者Mに対する乗降性を考慮する必要がなく、運転性のみを確保できれば足りるため、キャビン部2cの高さをより低い位置、いわば限界位置まで低く設定できる。
このように、前述した前輪駆動系Dfの設置条件よる運転席3の低位置設置効果に加え、ステアリング機構4による操舵ハンドル4hのリリース効果の相乗的効果により、キャビン部2cの高さHcをより低く設定することができる。なお、このようなステアリング機構4を採用すれば、運転者Mの乗降性を確保できることに加え、乗降性に対してより余裕を持たせることができる。したがって、例えば、ドア部33を十分に開くことができない場所で停車したような場合であっても、本来の乗降性が確保されなかったり乗降自体ができなくなる不具合を回避できるなど、乗降性に余裕を付加したことにより様々な場面での乗降性を確保できる利点がある。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、伝達ギア部8q…は、中間位置に備える中間ギアGm…の中心を貫通する固定ボルト9…によりナックル部7p,7qに固定する場合を示したが、他の固定手段により固定する場合を排除するものではない。また、背凭れ部3bの後方であって、前輪6p,6qの車軸に対する後方かつ上方のスペースSsには、前輪操舵用油圧シリンダ10を配設する場合を示したが、必ずしも必須の構成要素となるものではない。他方、ステアリング機構4として、ステアリングコラム部4cを上下方向へ回動自在に支持するコラム支持機構部11と、操舵ハンドル4hが使用時のセット位置Xs又はこのセット位置Xsよりも上方となるリリース位置Xrで停止するようにステアリングコラム部4cの回動時の変位を規制する規制機構部12s,12rと、操舵ハンドル4hがリリース位置Xr側へ変位するようにステアリングコラム部4cを付勢するスプリング部材13と、ステアリングコラム部4cをセット位置Xsへ変位させた際に当該セット位置Xsにロックするロック機構部14と、操作することによりロック機構部14のロックを解除可能な操作機構部15とを設けた場合を示したが、このようなステアリング機構4の構成も必ずしも必須の構成要素とするものではない。なお、左右方向中央位置に運転席3を配するとは中央の正確な位置に配する意味ではなくいわば左右の端部以外の位置を示す広義の概念である。
本発明に係るスピードスプレーヤは、車両ボディの前部における左右方向中央位置に運転席を配してなる各種のスピードスプレーヤに利用できる。なお、スピードスプレーヤは類似構造を有する各種作業自動車を含む概念である。
1:スピードスプレーヤ,2:車両ボディ,2c:キャビン部,3:運転席,3r:運転席の後端,3b:背凭れ部,3d:運転席の下端,4:ステアリング機構,4c:ステアリングコラム部,4h:操舵ハンドル,5:フロントデファレンシャルギア部,5x:フロントデファレンシャルギア部の少なくとも一部,6p:前輪,6q:前輪,7p:ナックル部,7q:ナックル部,8p:伝達ギア部,8q:伝達ギア部,9…:固定ボルト,10:前輪操舵用油圧シリンダ,11:コラム支持機構部,12s:規制機構部,12r:規制機構部,13:スプリング部材,14:ロック機構部,15:操作機構部,15x:操作レバー,Ss:スペース,Df:前輪駆動系,Fh:水平面,Fv:垂直面,Pc:フロントデファレンシャルギア部の中心,Gm…:中間ギア,Xs:セット位置,Xr:リリース位置

Claims (8)

  1. 車両ボディの前部における左右方向中央位置に運転席を配し、かつこの運転席の前方にステアリング機構を配するとともに、少なくともフロントデファレンシャルギア部を介して前輪を駆動する前輪駆動系を備えるスピードスプレーヤにおいて、前記運転席の背凭れ部を水平面に対して70〔゜〕以下に傾斜させ、かつ前記背凭れ部の後方であって、前記運転席の後端に接する垂直面よりも前方かつ当該運転席の下端に接する水平面よりも上方に、前記フロントデファレンシャルギア部の少なくとも一部を位置させるとともに、当該フロントデファレンシャルギア部と前記前輪を支持するナックル部をそれぞれ左右一対の伝達ギア部により接続してなることを特徴とするスピードスプレーヤ。
  2. 前記フロントデファレンシャルギア部は、前記前輪の車軸(中心)に対して斜め後下方にオフセットすることを特徴とする請求項1記載のスピードスプレーヤ。
  3. 前記フロントデファレンシャルギア部は、前記背凭れ部の後方であって、前記運転席の後端に接する垂直面よりも前方かつ当該運転席の下端に接する水平面よりも上方に、前記フロントデファレンシャルギア部の中心を位置させることを特徴とする請求項1又は2記載のスピードスプレーヤ。
  4. 前記伝達ギア部は、中間位置に備える中間ギアの中心を貫通する固定ボルトにより前記ナックル部に固定してなることを特徴とする請求項1,2又は3記載のスピードスプレーヤ。
  5. 前記背凭れ部の後方であって、前記前輪の車軸に対する後方かつ上方のスペースには、前輪操舵用油圧シリンダを配設することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスピードスプレーヤ。
  6. 前記車両ボディは、前部にキャビン部を有し、このキャビン部内に前記運転席を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスピードスプレーヤ。
  7. 前記ステアリング機構は、ステアリングコラム部を上下方向へ回動自在に支持するコラム支持機構部と、操舵ハンドルが使用時のセット位置又はこのセット位置よりも上方となるリリース位置で停止するように前記ステアリングコラム部の回動時の変位を規制する規制機構部と、前記操舵ハンドルが前記リリース位置側へ変位するように前記ステアリングコラム部を付勢するスプリング部材と、少なくとも前記ステアリングコラム部を前記セット位置へ変位させた際に当該セット位置にロックするロック機構部と、操作することにより前記ロック機構部のロックを解除可能な操作機構部とを備えてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスピードスプレーヤ。
  8. 前記操作機構部は、手動操作により前記ロック機構部のロックを解除可能な操作レバーを備えることを特徴とする請求項7記載のスピードスプレーヤ。
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