JP2000225953A - チルト・テレスコ式ステアリング装置 - Google Patents

チルト・テレスコ式ステアリング装置

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JP2000225953A
JP2000225953A JP2877899A JP2877899A JP2000225953A JP 2000225953 A JP2000225953 A JP 2000225953A JP 2877899 A JP2877899 A JP 2877899A JP 2877899 A JP2877899 A JP 2877899A JP 2000225953 A JP2000225953 A JP 2000225953A
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groove
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Kiyoshi Sadakata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者の離席または着席の際に簡易な操作に
よりステアリングコラムを跳ね上げるようにして運転者
の乗降性を向上すると共に、車両の二次衝突時における
ステアリングコラムの衝撃エネルギー吸収できるように
すること。 【解決手段】 チルトブラケット3の側壁に、チルト溝
4を延在して跳ね上げ用溝20を形成すると共に、ステ
アリングコラム2を跳ね上げて、締付ボルト10をチル
ト溝4から跳ね上げ用溝20に挿入したとき、この締付
ボルト10の係合頭部10aに係合してロックするため
のロック部材24を設け、さらに、チルトブラケット3
の跳ね上げ用溝20の近傍に、車両の衝突時に締付レバ
ー11の側面を摺接させて衝撃エネルギーを吸収するた
めの凸状部22,23を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のステアリン
グホイールの傾斜角度および高さを調整できるチルト・
テレスコ式ステアリング装置に関し、詳しくは、運転者
の離席または着席の際に簡易な操作によりステアリング
コラムを跳ね上げるようにして運転者の乗降性を向上す
ると共に、車両の二次衝突時におけるステアリングコラ
ムの衝撃エネルギー吸収できるようにしたチルト・テレ
スコ式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】運転者の体格や運転姿勢等に応じて、ス
テアリングシャフトを傾動することにより、ステアリン
グホイールの傾斜角度を調整すると共に、ステアリング
コラムを軸方向に伸縮することにより、ステアリングホ
イールの高さをも調整できるようにしたチルト・テレス
コ式ステアリング装置が知られている。また、キャブオ
ーバー型自動車においては、ステアリングシャフトは、
例えば58〜75°の傾斜角度で直立して設けられてい
ることが多い。
【0003】このキャブオーバー型自動車に、チルト・
テレスコ式ステアリング装置を装着した構造が実開平4
−110672号公報に開示されている。この公報で
は、車体側に固定されたチルトブラケットに対してステ
アリングコラムが揺動自在に構成され、このステアリン
グコラムには、チルトブラケットに押圧されるディスタ
ンスブラケットが設けられ、さらに、車体側のチルトブ
ラケットには、チルト溝が形成され、コラム側のディス
タンスブラケットには、テレスコ溝が形成されて、締付
レバーにより回動される締付ボルトがこれらチルト溝と
テレスコ溝との両方に通挿されている。
【0004】ステアリングホイールの傾斜角度および高
さを調整するため、運転者の操作により締付レバーを回
動すると、締付ボルトが回動してアジャストナットが軸
方向に移動し、車体側のチルトブラケットとコラム側の
ディスタンスブラケットとの摩擦摺動を解除することが
でき、これにより、締付ボルトをチルト溝またはテレス
コ溝に沿って移動させることにより、ステアリングコラ
ムを自由に傾動でき、または伸縮することができ、ステ
アリングホイールの傾斜角度および高さを所望に調整す
ることができる。
【0005】その後、運転者の操作により締付レバーを
逆方向に回動すると、締付ボルトが逆方向に回動してア
ジャストナットが軸方向を逆方向に移動し、車体側のチ
ルトブラケットとコラム側のディスタンスブラケットと
を摩擦摺動させることができ、これにより、ステアリン
グコラムを調整後の状態で傾動および伸縮しないように
固定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ステアリン
グコラムが直立して設けられたキャブオーバー型自動車
に、チルト・テレスコ式ステアリング装置が装着されて
いる場合、運転者がシートから立ち上がろうとする際、
ステアリングコラムをチルトの傾動範囲(例えば58〜
75°)を越えて略垂直状態に跳ね上げるように構成
し、これにより、運転者の離席または着席の際の乗降性
を向上したいといった要望がある。このステアリングコ
ラムの跳ね上げのための構造としては、一般的に、チル
ト溝を延在して、跳ね上げ時にチルトボルトを案内する
ための跳ね上げ用溝が形成されている。
【0007】また、車両の二次衝突時にステアリングコ
ラムに加わる衝撃エネルギーをチルト・テレスコ式ステ
アリング装置の箇所で吸収したいといった要望もある。
【0008】上記実開平4−110672号公報では、
この二次衝突時の衝撃エネルギーを吸収するため、コラ
ム側のディスタンスブラケットに、衝撃により屈曲して
衝撃を吸収するカール部が形成されている。しかしなが
ら、二次衝突時、締付ボルトがチルト溝をチルト上位置
(ステアリングコラムを傾動できる最上位置)まで移動
した後、このカール部が屈曲して衝撃を吸収するように
なっている。そのため、チルト溝を延在して、ステアリ
ングコラムを跳ね上げるための跳ね上げ用溝を形成する
構造を採用することができず、二次衝突時の衝撃吸収
と、上記のステアリングコラムの跳ね上げとを併設でき
ないといったことがある。
【0009】また、特開平9−6344号公報では、二
次衝突時の衝撃エネルギーを吸収するため、チルト溝を
延在して、衝撃吸収のための細い溝が形成されている。
したがって、この場合にも、チルト溝を延在して、ステ
アリングコラムの跳ね上げ用溝を形成する構造を採用で
きないことから、二次衝突時の衝撃吸収と、上記のステ
アリングコラムの跳ね上げとを併設できないといったこ
とがある。
【0010】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、運転者の離席または着席の際に簡
易な操作によりステアリングコラムを跳ね上げるように
して運転者の乗降性を向上すると共に、車両の二次衝突
時におけるステアリングコラムの衝撃エネルギー吸収で
きるようにしたチルト・テレスコ式ステアリング装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るチルト・テレスコ式ステアリング装置
は、締付レバーを一方向に回動して、車体側のチルトブ
ラケットとステアリングコラム側のディスタンスブラケ
ットとの摩擦摺動を解除し、前記チルトブラケットに形
成したチルト溝または前記ディスタンスブラケットに形
成したテレスコ溝に沿って締付ボルトを移動しながら前
記ステアリングコラムを傾動または伸縮する一方、締付
レバーを逆方向に回動して、前記チルトブラケットと前
記ディスタンスブラケットとを摩擦摺動させ、前記ステ
アリングコラムをチルト・テレスコ調整後の状態で傾動
および伸縮しないように固定するチルト・テレスコ式ス
テアリング装置において、前記チルトブラケットに、前
記チルト溝を延在して跳ね上げ用溝を形成し、前記ステ
アリングコラムを跳ね上げて、前記締付ボルトを前記チ
ルト溝から前記跳ね上げ用溝に挿入したとき、この締付
ボルトの係合頭部に係合してロックするためのロック部
材を設け、前記チルトブラケットの跳ね上げ用溝の近傍
に、車両の衝突時に前記締付レバーの側面を摺接させて
衝撃エネルギーを吸収するための凸状部を設けたことを
特徴とする。
【0012】このように、本発明によれば、チルト溝を
延在して跳ね上げ用溝が形成されていると共に、締付ボ
ルトの係合頭部に係合してロックするためのロック部材
が設けられている。そのため、締付レバーを半解除し
て、ステアリングコラムを跳ね上げ、締付ボルトを跳ね
上げ用溝に沿って移動し、その後、ロック部材により締
付ボルトの係合頭部をロックして、ステアリングコラム
を略垂直に跳ね上げた状態で維持することができる。ま
た、このステアリングコラムの跳ね上げ状態を解除する
場合には、締付レバーを解除方向に回動することによ
り、締付ボルトの係合頭部をロック部材から解除するこ
とができ、ステアリングコラムを通常時の状態に戻すこ
とができる。したがって、上記のように、運転者の離席
または着席の際、簡易な操作によりステアリングコラム
を跳ね上げるように構成することにより、運転者の乗降
性を向上することができる。
【0013】また、チルトブラケットの跳ね上げ用溝の
近傍に、車両の衝突時に締付レバーの側面を摺接させて
衝撃エネルギーを吸収するための凸状部が設けられてい
るため、車両の衝突時等に、締付レバーの側面が凸状部
に摺接することにより、二次衝突時の衝撃エネルギーを
吸収することができ、同時に、簡易な衝撃吸収構造であ
るため、製造コストの低減をも図ることができる。な
お、この凸状部の突出形状を変更することにより、吸収
する衝撃エネルギーの大きさに応じて、締付レバーと凸
状部の摺接力を調整することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
チルト・テレスコ式ステアリング装置を図面を参照しつ
つ説明する。
【0015】図1は、本発明の第1実施の形態に係るチ
ルト・テレスコ式ステアリング装置の側面図であり、チ
ルトが最下位置であり、テレスコも最下位置である状態
を示し、図2は、図1に示したチルト・テレスコ式ステ
アリング装置の側面図であり、チルトが最下位置であ
り、テレスコが最上位置である状態を示し、図3は、図
1に示したチルト・テレスコ式ステアリング装置の横断
面図である。
【0016】図1に示すように、ステアリングシャフト
1がステアリングコラム2内に回動自在に収納され、車
体側に固定されたチルトブラケット3には、チルト溝4
が湾曲して形成され、ステアリングコラム2に取り付け
られたディスタンスブラケット5には、テレスコ溝6が
直状に形成されている。ステアリングコラム2の下部に
設けられた包持部7には、支持板8が設けられ、この支
持板8に、長孔9が直状に形成されている。
【0017】チルト溝4およびテレスコ溝6には、締付
レバー11が取り付けられた締付ボルト10が通挿さ
れ、支持板8の長孔9には、支点として作用するガイド
ピン12が通挿されている。また、図3に示すように、
締付ボルト10には、アジャストナット13が螺合さ
れ、このアジャストナット13は、回転阻止部材14に
より非回転に保持されている。これにより、締付レバー
11を回動して解除すると、図3に示すように、締付ボ
ルト10が回動し、アジャストナット13が軸方向に移
動し、図1および図2に示すように、締付ボルト10を
チルト溝4に沿って移動しながら、ガイドピン12を支
点としてステアリングコラム2を回動することができる
と共に、締付ボルト10をテレスコ溝6に沿って、同時
にガイドピン12を長孔9に沿って移動しながら、ステ
アリングコラム2を上下動することができる。
【0018】なお、図示は省略したが、ボルト10とア
ジャストナットに代えて、周知のカム機構を用い、チル
トブラケット3に対しディスタンスブラケット5を摩擦
摺動可能にし、ステアリングコラムのチルトおよび/ま
たはテレスコ調節を行うようにしても良い。
【0019】さらに、本実施の形態では、チルト溝4を
延在して連続するように、跳ね上げ用溝20が形成され
ている。これにより、図1および図2に示すように、チ
ルト溝4では、「チルト上」と「チルト下」との間で締
付ボルト10が移動され、跳ね上げ用溝20では、「チ
ルト上」と「はね上げ」との間で締付ボルト10が移動
されるようになっている。
【0020】さらに、跳ね上げ用溝20の上方には、締
付レバー11の先端部11aが摺接する摺接壁(リブ)
21が形成されている。これにより、後述するように、
跳ね上げ時には、締付レバー11の先端部11aを摺接
壁21に摺接させて、この先端部11aを案内すると共
に、跳ね上げ時には、締付レバー11の先端部11aを
摺接壁21に干渉させて、締付レバー11を締付保持状
態にできないようにし、「チルト上」位置より上方位置
では、ステアリングコラム2を固定できないようにして
いる。
【0021】さらに、跳ね上げ用溝20の上下近傍に
は、図3にも示すように、車両の衝突時に締付レバー1
1の側面を摺接させて衝撃エネルギーを吸収するための
凸状部22,23が設けられている。これにより、後述
するように、車両の衝突時等に、締付レバー11の側面
が凸状部222,23に摺接することにより、二次衝突
時の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0022】また、凸状部22,23の突出形状を変更
することにより、吸収する衝撃エネルギーの大きさに応
じて、締付レバー11の側面と凸状部22,23の摺接
力を調整することができる。例えば、図10(b)に示
すように、車両の前方側にいくほど、凸状部22,23
の突出量が徐々に大きくなるように形成し、これによ
り、摺接力を大きくすることができ、衝撃エネルギーの
吸収荷重を増大することができる。
【0023】さらに、ステアリングコラム2を跳ね上げ
て、締付ボルト10をチルト溝4から跳ね上げ用溝20
に挿入したとき、この締付ボルト10の係合頭部10a
に切欠き部24aにて係合してロックするためのロック
部材24が設けられている。このロック部材24は、図
示しないバネ等の付勢手段により図1において反時計廻
り方向に付勢されている。なお、このロック部材24の
ロック状態を解除するため、図8にも示すように、締付
レバー11には、ロック部材24を時計廻り方向に回動
するためのピン11bが設けられている。但し、このピ
ン11bは、ロック部材24を時計廻り方向に回動して
ロック状態を解除すればよく、ピンに代えて、直状の突
出部であってもよく、また、湾曲した突出部であっても
よく、さらに、締付レバー11の端部を切欠いて曲げ起
して形成したものであってもよい。
【0024】次に、図4ないし図8を参照して、ステア
リングコラム2を略垂直状態に跳ね上げる場合を説明す
る。図4は、図1に示したチルトブラケットの側面図で
あり、締付レバーがチルト最下位置に位置する場合を示
し、図5は、図1に示したチルトブラケットの側面図で
あり、締付レバーがチルト最上位置に位置する場合を示
し、図6は、図1に示したチルトブラケットの側面図で
あり、ステアリングコラムの跳ね上げを開始した場合を
示し、図7は、図1に示したチルトブラケットの側面図
であり、ステアリングコラムを跳ね上げてロックした場
合を示し、図8は、図1に示したチルトブラケットの側
面図であり、跳ね上げのロックを解除した場合を示す。
【0025】図4に示すように、締付レバー11は、チ
ルト最下位置に位置する場合、チルト・テレスコ締付状
態では、実線で示すように、締付固定されている。一
方、チルト・テレスコ解除状態では、締付レバー11
は、図4に仮想線で示すように、約90°回動されてい
る。
【0026】図5に示すように、締付レバー11は、チ
ルト最上位置に位置する場合、チルト・テレスコ締付状
態では、実線で示すように、締付固定されている。な
お、チルト調整時、「チルト上」位置より上方位置で、
締付ボルト10がチルト溝4から跳ね上げ用溝20に入
り込んだ場合、締付レバー11を締め付けるように回動
しようとしても、締付レバー11の先端部11aが摺接
壁21に干渉し、締付レバー11を締付状態に回動でき
ず、ブラケット3,5の摩擦摺動による十分な保持力を
得られないようにし、これにより、チルト調整時には、
「チルト上」位置より上方位置では、ステアリングコラ
ム2を固定できないように構成している。
【0027】図6に示すように、ステアリングコラム2
を略垂直状態に跳ね上げる場合には、締付レバー11を
半解除の状態、即ち、締付位置と解除位置との間で略4
5°回動した状態にすると、ステアリングコラム2は、
チルトもテレスコも拘束されない状態になる。そのた
め、ステアリングコラム2を略垂直状態に跳ね上げて、
締付ボルト10をチルト溝4から跳ね上げ用溝20に挿
入する。これにより、締付レバー11の先端部11aを
摺接壁21に沿って摺接しながら案内できるため、締付
レバー11を半解除の状態で保持しながら、締付ボルト
10を跳ね上げ用溝20に沿って移動することができ
る。
【0028】図7に示すように、ステアリングコラム2
を略垂直状態まで跳ね上げて、締付ボルト10を跳ね上
げ用溝20の終端まで挿入すると、締付ボルト10の係
合頭部10aがロック部材24の切欠き部24aに嵌合
する。これにより、図示しないバネ等により付勢された
ロック部材24が締付ボルト10をロック状態で保持
し、ステアリングコラム2は、図1および図2に仮想線
で示すように、略垂直に跳ね上げた状態で維持され、運
転者は、ステアリングホイールを邪魔にすることなく、
スムーズに離席または着席することができる。
【0029】図8に示すように、このステアリングコラ
ムの跳ね上げ状態を解除する際には、締付レバー11を
解除方向に回動する。これにより、ロック部材24は、
この締付レバー11のピン11bにより付勢力に抗して
時計廻り方向に回動し、締付ボルト10の係合頭部10
aのロック状態を解除することができ、ステアリングコ
ラム2を通常時の状態に戻すことができ、適宜、チルト
またはテレスコ調整すれればよい。
【0030】次に、上記のように、ステアリングコラム
2が略垂直状態に跳ね上げられているときには、締付レ
バー11は半解除の状態にあるため、チルト・テレスコ
共に締付固定されていない状態になっている。そのた
め、例えば、運転者がステアリングホイールにぶら下が
ったりすると、ステアリングホイールは、テレスコの最
下位置まで押し下げられてしまう。そのため、このステ
アリングコラム2が跳ね上げられているときにも、テレ
スコ固定する必要がある。この時のテレスコ固定を図9
に示す。図9(a)(b)(c)は、それぞれ、ステア
リングコラムの跳ね上げ時におけるテレスコ固定の工程
を示し、図9(d)は、テレスコ用ロック部材の拡大側
面図である。
【0031】図3にも示すように、テレスコ溝6に通挿
された締付ボルト10に、テレスコ用ロック部材30が
図示しないバネ等の付勢手段により図9において時計廻
り方向に付勢されながら回動自在に設けられている。こ
のテレスコ用ロック部材30の先端爪が係合する多数の
ロック用孔31がディスタンスブラケット5に設けられ
ている。さらに、テレスコ用ロック部材30には、切欠
き溝30aが形成され、締付ボルト10には、この切欠
き溝30aに係合してテレスコ用ロック部材30を解除
するための突起30bが形成されている。
【0032】したがって、図9(a)に示すように、締
付ボルト10の突起30bが上方位置に位置するよう
に、締付ボルト10が回動されている場合には、テレス
コ用ロック部材30は、バネ等により図9において時計
廻り方向に付勢されているが、テレスコ用ロック部材3
0の先端爪がロック用孔31に係合する高さに位置して
いないため、ロックされていない状態となっている。
【0033】図9(b)に示すように、締付ボルト10
の突起30bが横位置に位置するように、締付ボルト1
0が回動されている場合には、この締付ボルト10の突
起部30bが切欠き溝30aに係合して、テレスコ用ロ
ック部材30を付勢力に抗して解除する方向に回動して
いるため、ロック解除の状態となっている。
【0034】図9(c)に示すように、締付ボルト10
の突起30bが上方位置に位置するように、締付ボルト
10が回動されている場合には、テレスコ用ロック部材
30は、バネ等により図9において時計廻り方向に付勢
され、テレスコ用ロック部材30の先端爪がロック用孔
31に係合され、ロックされた状態となっている。
【0035】したがって、ステアリングコラム2が略垂
直状態に跳ね上げられているとき、図9(c)に示すよ
うに、締付ボルト10の突起30bが上方位置に位置す
るように締付ボルト10が回動され、テレスコ用ロック
部材30の先端爪がロック用孔31に係合されてロック
されていれば、例え運転者がステアリングホイールにぶ
ら下がったりしたとしても、上記のようにロックされて
いるため、ステアリングコラム2がテレスコの最下位置
まで押し下げられてしまうといったことを有効に防止す
ることができる。
【0036】次に、図10を参照して、車両衝突時等の
衝撃エネルギーを吸収する構造について説明する。図1
0(a)は、図1に示したチルトブラケットの側面図で
あり、衝撃エネルギー吸収構造を説明するための図であ
り、図10(b)は、図10(a)の符号bで示す矢印
方向からの凸状部の断面図である。
【0037】上記のように、跳ね上げ用溝20の上下近
傍には、車両の衝突時に締付レバー11の側面を摺接さ
せて衝撃エネルギーを吸収するための凸状部22,23
が設けられている。
【0038】したがって、チルト・テレスコ固定された
状態で、車両の衝突等が生起され、二次衝突が生じる
と、締付レバー11の側面が凸状部22,23に摺接
し、この摺接力により、二次衝突時の衝撃エネルギーを
吸収することができる。
【0039】また、凸状部22,23の突出形状を種々
に変更することにより、吸収する衝撃エネルギーの大き
さに応じて、締付レバー11の側面と凸状部22,23
の摺接力を調整することができる。図10(b)に示す
ように、車両の前方側にいくほど、凸状部22,23の
突出量が徐々に大きくなるように形成すれば、摺接力を
大きくすることができ、ひいては、衝撃エネルギーの吸
収荷重を増大することができる。
【0040】なお、図10(a)に仮想線で示すよう
に、衝突時、締付レバー11が「チルト上」位置を越え
て、車両前方にスライドして行くと、この締付レバー1
1の先端部11aが摺接壁21の端部に干渉することが
ある。この場合にも、衝撃エネルギーの吸収荷重を増大
することができる。
【0041】次に、本発明の第2実施の形態を説明す
る。図11は、本発明の第2実施の形態に係るチルト・
テレスコ式ステアリング装置の側面図であり、図12
は、図11に示したチルト・テレスコ式ステアリング装
置の横断面図である。
【0042】本第2の実施の形態では、ステアリングコ
ラム2の跳ね上げ構造については、上述した第1実施の
形態のものと全く同一であり、その説明を省略する。
【0043】本第2実施の形態では、車両の衝突時等の
二次衝突時の衝撃エネルギーを吸収するため、ディスタ
ンスブラケット5に、種々の切欠き40…が設けられて
いる。
【0044】したがって、チルト・テレスコ固定された
状態で、車両の衝突等が生起され、二次衝突が生じる
と、上述した種々の切欠き40…が変形し、衝撃エネル
ギーを吸収することができる。そのため、本実施の形態
では、ディスタンスブラケット5は、衝撃吸収板として
も作用する。
【0045】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、種々変形可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チルト溝を延在して跳ね上げ用溝が形成されていると共
に、締付ボルトの係合頭部に係合してロックするための
ロック部材が設けられている。そのため、締付レバーを
半解除して、ステアリングコラムを跳ね上げ、締付ボル
トを跳ね上げ用溝に沿って移動し、その後、ロック部材
により締付ボルトの係合頭部をロックして、ステアリン
グコラムを略垂直に跳ね上げた状態で維持することがで
きる。また、このステアリングコラムの跳ね上げ状態を
解除する場合には、締付レバーを解除方向に回動するこ
とにより、締付ボルトの係合頭部をロック部材から解除
することができ、ステアリングコラムを通常時の状態に
戻すことができる。したがって、上記のように、運転者
の離席または着席の際、簡易な操作によりステアリング
コラムを跳ね上げるように構成することにより、運転者
の乗降性を向上することができる。
【0047】また、チルトブラケットの跳ね上げ用溝の
近傍に、車両の衝突時に締付レバーの側面を摺接させて
衝撃エネルギーを吸収するための凸状部が設けられてい
るため、車両の衝突時等に、締付レバーが凸状部に摺接
することにより、二次衝突時の衝撃エネルギーを吸収す
ることができ、同時に、簡易な衝撃吸収構造であるた
め、製造コストの低減をも図ることができる。なお、こ
の凸状部の突出形状を変更することにより、吸収する衝
撃エネルギーの大きさに応じて、締付レバーと凸状部の
摺接力を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るチルト・テレス
コ式ステアリング装置の側面図であり、チルトが最下位
置であり、テレスコも最下位置である状態を示す。
【図2】図1に示したチルト・テレスコ式ステアリング
装置の側面図であり、チルトが最下位置であり、テレス
コが最上位置である状態を示す。
【図3】図1に示したチルト・テレスコ式ステアリング
装置の横断面図。
【図4】図1に示したチルトブラケットの側面図であ
り、締付レバーがチルト最下位置に位置する場合を示
す。
【図5】図1に示したチルトブラケットの側面図であ
り、締付レバーがチルト最上位置に位置する場合を示
す。
【図6】図1に示したチルトブラケットの側面図であ
り、ステアリングコラムの跳ね上げを開始した場合を示
す。
【図7】図1に示したチルトブラケットの側面図であ
り、ステアリングコラムを跳ね上げてロックした場合を
示す。
【図8】図1に示したチルトブラケットの側面図であ
り、跳ね上げのロックを解除した場合を示す。
【図9】(a)(b)(c)は、それぞれ、ステアリン
グコラムの跳ね上げ時におけるテレスコ固定の工程を示
し、(d)は、テレスコ用ロック部材の拡大側面図。
【図10】(a)は、図1に示したチルトブラケットの
側面図であり、衝撃エネルギー吸収構造を説明するため
の図であり、(b)は、図10(a)の符号bで示す矢
印方向からの凸状部の断面図。
【図11】本発明の第2実施の形態に係るチルト・テレ
スコ式ステアリング装置の側面図。
【図12】図11に示したチルト・テレスコ式ステアリ
ング装置の横断面図。
【符号の説明】
1 ステアリングシャフト 2 ステアリングコラム 3 チルトブラケット 4 チルト溝 5 ディスタンスブラケット 6 テレスコ溝 7 包持部 8 支持板 9 長孔 10 締付ボルト 10a 係合頭部 11 締付レバー 11a 先端部 12 ガイドピン 13 アジャストナット 14 回転阻止部材 20 跳ね上げ用溝 21 摺接壁 22 凸状部 23 凸状部 24 ロック部材 24a 切欠き部 30 テレスコ用ロック部材 30a 切欠き溝 30b 突起 31 ロック用孔 40 切欠き

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締付レバーを一方向に回動して、車体側
    のチルトブラケットとステアリングコラム側のディスタ
    ンスブラケットとの摩擦摺動を解除し、前記チルトブラ
    ケットに形成したチルト溝または前記ディスタンスブラ
    ケットに形成したテレスコ溝に沿って締付ボルトを移動
    しながら前記ステアリングコラムを傾動または伸縮する
    一方、締付レバーを逆方向に回動して、前記チルトブラ
    ケットと前記ディスタンスブラケットとを摩擦摺動さ
    せ、前記ステアリングコラムをチルト・テレスコ調整後
    の状態で傾動および伸縮しないように固定するチルト・
    テレスコ式ステアリング装置において、 前記チルトブラケットに、前記チルト溝を延在して跳ね
    上げ用溝を形成し、 前記ステアリングコラムを跳ね上げて、前記締付ボルト
    を前記チルト溝から前記跳ね上げ用溝に挿入したとき、
    この締付ボルトの係合頭部に係合してロックするための
    ロック部材を設け、 前記チルトブラケットの跳ね上げ用溝の近傍に、車両の
    衝突時に前記締付レバーの側面を摺接させて衝撃エネル
    ギーを吸収するための凸状部を設けたことを特徴とする
    チルト・テレスコ式ステアリング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6688644B2 (en) 2001-03-29 2004-02-10 Koyo Seiko Co., Ltd. Steering apparatus
EP1693280A1 (en) * 2005-02-21 2006-08-23 Mazda Motor Corporation Steering device safety structure
JP2014054908A (ja) * 2012-09-12 2014-03-27 Shoshin:Kk スピードスプレーヤ

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