JP3716628B2 - チルト・テレスコ式ステアリング装置 - Google Patents

チルト・テレスコ式ステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のステアリングホイールの傾斜角度および高さを調整できるチルト・テレスコ式ステアリング装置に関し、詳しくは、運転者の離席または着席の際、ステアリングシャフトを簡易な操作により跳ね上げるようにして、運転者の乗降性を向上したチルト・テレスコ式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
運転者の体格や運転姿勢等に応じて、ステアリングシャフトを傾動することにより、ステアリングホイールの傾斜角度を調整すると共に、ステアリングシャフトを軸方向に伸縮することにより、ステアリングホイールの高さをも調整できるようにしたチルト・テレスコ式ステアリング装置が知られている。また、キャブオーバー型自動車においては、ステアリングシャフトを例えば58〜75°の傾斜角度で比較的直立して設けていることが多い。
【0003】
このようなキャブオーバー型自動車に、チルト・テレスコ式ステアリング装置を装着した構造が実開平4−110672号公報に開示されている。この公報では、車体側に固定されたチルトブラケットに対してステアリングコラムが揺動自在に構成され、このステアリングコラムには、チルトブラケットに押圧されるディスタンスブラケットが設けられ、さらに、車体側のチルトブラケットには、チルト溝が形成され、コラム側のディスタンスブラケットには、テレスコ溝が形成されて、締付レバーにより回動される締付ボルトがこれらチルト溝とテレスコ溝との両方に通挿されている。
【0004】
ステアリングホイールの傾斜角度および高さを調整するため、運転者の操作により締付レバーを回動すると、締付ボルトが回動してアジャストナットが軸方向に移動し、車体側のチルトブラケットとコラム側のディスタンスブラケットとの摩擦保持を解除することができ、これにより、締付ボルトをチルト溝またはテレスコ溝に沿って移動させることにより、ステアリングコラムを自由に傾動でき、または伸縮することができ、ステアリングホイールの傾斜角度および高さを所望に調整することができる。
【0005】
その後、運転者の操作により締付レバーを逆方向に回動すると、締付ボルトが逆方向に回動してアジャストナットが軸方向を逆方向に移動し、車体側のチルトブラケットとコラム側のディスタンスブラケットとを摩擦保持させることができ、これにより、ステアリングコラムを調整後の状態で傾動および伸縮しないように固定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ステアリングシャフトが比較的直立して設けられたキャブオーバー型自動車に、チルト・テレスコ式ステアリング装置が装着されている場合、運転者のシートからの離席または着席を容易にするため、運転者がシートから立ち上がろうとする際、ステアリングシャフトをチルトの傾動範囲例えば58〜75°を越えて回動して、ステアリングシャフトを略垂直状態に立ち上げるようにし、これにより、運転者は、ステアリングホイールが邪魔にならずに、スムーズに離席または着席することができる。
【0007】
しかしながら、上記公報に開示されたチルト・テレスコ式ステアリング装置にあっては、運転者の離席または着席の都度、上述した締付レバーを回動操作して、締付レバーの解除および締付を行わなければならず、このような締付レバーの操作が煩雑であるといったことがある。
【0008】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、運転者の離席または着席の際、ステアリングシャフトを簡易な操作により跳ね上げるようにして、運転者の乗降性を向上したチルト・テレスコ式ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るチルト・テレスコ式ステアリング装置は、締付レバーを回動して、車体側のチルトブラケットとステアリングコラム側のディスタンスブラケットとの摩擦保持を解除し、前記チルトブラケットに形成したチルト溝または前記ディスタンスブラケットに形成したテレスコ溝に沿って締付ボルトを移動しながら前記ステアリングコラムを傾動または伸縮する一方、締付レバーを逆方向に回動して、前記チルトブラケットと前記ディスタンスブラケットとを摩擦保持させ、前記ステアリングコラムをチルト・テレスコ調整後の状態で傾動および伸縮しないように締付け固定するチルト・テレスコ式ステアリング装置において、
前記チルトブラケットのチルト溝の上方に、前記締付レバーの先端部が摺接するチルト・テレスコ用湾曲摺接壁を形成すると共に、前記チルト溝を延在して跳ね上げ用溝を形成し、この跳ね上げ用溝の上方に、前記チルト・テレスコ用湾曲摺接壁に連続して、前記締付レバーの先端部が摺接する跳ね上げ用湾曲摺接壁を形成し、前記ステアリングコラムを跳ね上げて、前記締付ボルトを前記チルト溝から前記跳ね上げ用溝に挿入したとき、前記跳ね上げ用湾曲摺接壁の存在により前記締付レバーの締付け固定位置への回動を阻止し、
前記ステアリングコラムを跳ね上げて、前記締付ボルトを前記チルト溝から前記跳ね上げ用溝に挿入したとき、この締付ボルトの係合頭部に係合してロックするためのロック部材を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明は好ましくは前記チルト溝または前記跳ね上げ用溝の下方に、エネルギー吸収溝を形成することができる。
【0011】
このように、本発明によれば、チルト溝の上方に、締付レバーの先端部が摺接するチルト・テレスコ用湾曲摺接壁が形成されているため、チルト・テレスコ固定時には、締付レバーの先端部を摺接するチルト・テレスコ用湾曲摺接壁しながら締付レバーを固定することができる。
【0012】
また、チルト溝を延在した跳ね上げ用溝の上方に跳ね上げ用湾曲摺接壁が形成され、締付ボルトの係合頭部に係合してロックするためのロック部材が設けられている。そのため、締付レバーを半解除し、ステアリングコラムを跳ね上げて、締付ボルトをチルト溝から跳ね上げ用溝に挿入したときには、締付レバーの先端部が跳ね上げ用湾曲摺接壁に沿って摺接しながら案内されるため、締付レバーを半解除の状態で保持しながら、締付ボルトを跳ね上げ用溝に沿って移動することができ、その後、ロック部材により締付ボルトの係合頭部をロックして、ステアリングコラムを略垂直に跳ね上げた状態で維持することができる。
【0013】
このステアリングコラムの跳ね上げ状態を解除する際には、締付レバーを解除方向に回動することにより、締付ボルトの係合頭部をロック部材から解除することができ、ステアリングコラムを通常時の状態に戻すことができる。
【0014】
したがって、上記のように、運転者の離席または着席の際、ステアリングシャフトを簡易な操作により跳ね上げるように構成することにより、運転者の乗降性を向上することができる。
【0015】
また、チルト溝または跳ね上げ用溝の下方に、エネルギー吸収溝が形成されているため、車両の衝突時等に、このエネルギー吸収溝が変形することにより、2次衝突時の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るチルト・テレスコ式ステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施の形態に係るチルト・テレスコ式ステアリング装置の側面図であり、チルトが最下位置であり、テレスコも最下位置である状態を示し、図2は、図1に示したチルト・テレスコ式ステアリング装置の側面図であり、チルトが最下位置であり、テレスコが最上位置である状態を示し、図3は、図1に示したチルト・テレスコ式ステアリング装置の横断面図である。
【0018】
図1に示すように、ステアリングシャフト1がステアリングコラム2内に回動自在に収納され、車体側に固定されたチルトブラケット3には、チルト溝4が湾曲して形成され、ステアリングコラム2に取り付けられたディスタンスブラケット5には、テレスコ溝6が直状に形成されている。ステアリングコラム2の下部に設けられた包持部7には、支持板8が設けられ、この支持板8に、長孔9が直状に形成されている。
【0019】
チルト溝4およびテレスコ溝6には、締付レバー11が取り付けられた締付ボルト10が通挿され、支持板8の長孔9には、支点として作用するガイドピン12が通挿されている。また、図3に示すように、締付ボルト10には、アジャストナット13が螺合され、このアジャストナット13は、回転阻止部材14により非回転に保持されている。これにより、締付レバー11を回動して解除すると、図3に示すように、締付ボルト10が回動し、アジャストナット13が軸方向に移動し、図1および図2に示すように、締付ボルト10をチルト溝4に沿って移動しながら、ガイドピン12を支点としてステアリングコラム2を回動することができると共に、締付ボルト10テレスコ溝6に沿って、同時にガイドピン12を長孔9に沿って移動しながら、ステアリングコラム2を上下動することができる。
【0020】
さらに、本実施の形態では、チルト溝4を延長して連続するように、跳ね上げ用溝20が形成されている。図1および図2に示すように、チルト溝4では、「チルト上」と「チルト下」との間で締付ボルト10が移動され、跳ね上げ用溝20では、「チルト上」と「はね上げ」との間で締付ボルト10が移動されるように構成されている。
【0021】
さらに、チルト溝4の上方に、締付レバー11の先端部11aが摺接するチルト・テレスコ用湾曲摺接壁21が形成され、このチルト・テレスコ用湾曲摺接溝21に連続して、変化部22が形成されている。さらに、この変化部22に連続して、跳ね上げ用溝20の上方に、締付レバー11の先端部11aが摺接する跳ね上げ用湾曲摺接壁23が形成されている。図4に示すように、チルト・テレスコ用湾曲摺接溝21の曲率R1と、はね上げ用湾曲摺接壁23の曲率R2とは、同じにされている。
【0022】
さらに、ステアリングコラム2を跳ね上げて、締付ボルト10をチルト溝4から跳ね上げ用溝20に挿入したとき、この締付ボルト10の係合頭部10aに切欠き部24aにて係合してロックするためのロック部材24が設けられている。このロック部材24は、図示しないバネ等の付勢手段により図1において反時計廻り方向に付勢されている。
【0023】
さらに、チルト溝4または跳ね上げ用溝20の下方に、エネルギー吸収溝25が形成されている。これにより、後述するように、車両の衝突時等に、チルト溝4または跳ね上げ用溝20とエネルギー吸収溝25との間のブリッジ部分が変形することにより、2次衝突時の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0024】
次に、図4ないし図8を参照して、ステアリングコラム2を略垂直状態に跳ね上げる場合を説明する。図4は、図1に示したチルトブラケットの側面図であり、締付レバーがチルト最下位置に位置する場合を示し、図5は、図1に示したチルトブラケットの側面図であり、締付レバーがチルト最上位置に位置する場合を示し、図6は、図1に示したチルトブラケットの側面図であり、ステアリングコラムの跳ね上げを開始した場合を示し、図7は、図1に示したチルトブラケットの側面図であり、ステアリングコラムを跳ね上げてロックした場合を示し、図8は、図1に示したチルトブラケットの側面図であり、跳ね上げのロックを解除した場合を示す。
【0025】
図4に示すように、締付レバー11は、チルト最下位置に位置する場合、実線で示すように、チルト・テレスコ締付状態では、その先端部11aをチルト・テレスコ用湾曲摺接壁21に摺接しながら締付固定されている。一方、チルト・テレスコ解除状態では、締付レバー11は、図4に仮想線で示すように、約90°回動されている。
【0026】
図5に示すように、締付レバー11は、チルト最上位置に位置する場合にも、実線で示すように、チルト・テレスコ締付状態では、その先端部11aをチルト・テレスコ用湾曲摺接壁21に摺接しながら締付固定されている。
【0027】
なお、チルト調整時、「チルト上」位置より上方位置で、締付ボルト10がチルト溝4から跳ね上げ用溝20に入り込んだ場合、締付レバー11を締め付けようとすると、締付レバー11の先端部11aが、チルト・テレスコ用湾曲摺接壁21に摺接せず、変化部22または跳ね上げ用湾曲摺接壁23に摺接する。そのため、締付レバー11を締め付けるように回動しようとしても、締付レバー11を締付状態に回動できず、ブラケット3、5の摩擦保持による十分な保持力が得られない。したがって、チルト調整時には、「チルト上」位置より上方位置では、ステアリングコラム2を固定できないようになっている。
【0028】
図6に示すように、ステアリングコラム2を略垂直状態に跳ね上げる場合には、締付レバー11を半解除の状態、即ち、締付位置と解除位置との間で45°回動した状態にすると、ステアリングコラム2は、チルトもテレスコも拘束されない状態になる。そのため、ステアリングコラム2を略垂直状態に跳ね上げて、締付ボルト10をチルト溝4から跳ね上げ用溝20に挿入する。これにより、締付レバー11の先端部11aは、跳ね上げ用湾曲摺接壁に沿って摺接しながら案内されるため、締付レバー11を半解除の状態で保持しながら、締付ボルト10を跳ね上げ用溝20に沿って移動することができる。
【0029】
図7に示すように、ステアリングコラム2を略垂直状態まで跳ね上げて、締付ボルト10を跳ね上げ用溝20の終端まで挿入すると、締付ボルト10の係合頭部10aがロック部材24の切欠き部24aに嵌合する。これにより、図示しないバネ等により付勢されたロック部材24が、締付ボルト10をロック状態で保持し、ステアリングコラム2は、図1および図2に仮想線で示すように、略垂直に跳ね上げた状態で維持される。そのため、運転者は、ステアリングホイールが邪魔にならずに、スムーズに離席または着席することができる。
【0030】
図8に示すように、このステアリングコラムの跳ね上げ状態を解除する際には、締付レバー11を解除方向に回動する。これにより、ロック部材24は、この締付レバー11の先端部11aにより付勢力に抗して時計廻り方向に回動され、締付ボルト10の係合頭部10aのロック状態を解除することができ、ステアリングコラム2を通常時の状態に戻すことができ、適宜、チルトまたはテレスコ調整されればよい。
【0031】
次に、上記のように、ステアリングコラム2が略垂直状態に跳ね上げられているときには、締付レバー11は半解除の状態にあるため、チルト・テレスコ共に締付固定されていない状態になっている。そのため、例えば、運転者がステアリングホイールにぶら下がったりすると、ステアリングホイールは、テレスコの最下位置まで押し下げられてしまう。そのため、このステアリングコラム2が略跳ね上げられているときにも、テレスコ固定する必要がある。この時のテレスコ固定を図9に示す。図9(a)(b)(c)は、それぞれ、ステアリングコラムの跳ね上げ時におけるテレスコ固定の工程を示し、図9(d)は、テレスコ用ロック部材の拡大側面図である。
【0032】
図3にも示すように、テレスコ溝に通挿された締付ボルト10に、テレスコ用ロック部材30が図示しないバネ等の付勢手段により図9において時計廻り方向に付勢されながら回動自在に設けられている。このテレスコ用ロック部材30の先端爪が係合する多数のロック用孔31がディスタンスブラケット5に設けられている。さらに、テレスコ用ロック部材30には、切欠き溝30aが形成され、締付ボルト10には、この切欠き溝30aに係合してテレスコ用ロック部材30を解除するための突起30bが形成されている。
【0033】
したがって、図9(a)に示すように、締付ボルト10の突起30bが上方位置に位置するように、締付ボルト10が回動されている場合には、テレスコ用ロック部材30は、バネ等により図9において時計廻り方向に付勢されているが、テレスコ用ロック部材30の先端爪がロック用孔31に係合する高さに位置していないため、ロックされていない状態となっている。
【0034】
図9(b)に示すように、締付ボルト10の突起30bが横位置に位置するように、締付ボルト10が回動されている場合には、この締付ボルト10の突起部30bが切欠き溝30aに係合して、テレスコ用ロック部材30を付勢力に抗して解除する方向に回動しているため、ロック解除の状態となっている。
【0035】
図9(c)に示すように、締付ボルト10の突起30bが上方位置に位置するように、締付ボルト10が回動されている場合には、テレスコ用ロック部材30は、バネ等により図9において時計廻り方向に付勢され、テレスコ用ロック部材30の先端爪がロック用孔31に係合され、ロックされた状態となっている。
【0036】
したがって、ステアリングコラム2が略垂直状態に跳ね上げられているとき、図9(c)に示すように、締付ボルト10の突起30bが上方位置に位置するように締付ボルト10が回動され、テレスコ用ロック部材30の先端爪がロック用孔31に係合されてロックされていれば、例え運転者がステアリングホイールにぶら下がったりしたとしても、上記のようにロックされているため、ステアリングコラム2がテレスコの最下位置まで押し下げられてしまうといったことを有効に防止することができる。
【0037】
次に、図10を参照して、車両衝突時等の衝撃エネルギーを吸収する構造について説明する。図10は、図1に示したチルトブラケットの側面図であり、衝撃エネルギー吸収構造を説明するための図である。
【0038】
上記のように、チルト溝4または跳ね上げ用溝20の下方に、エネルギー吸収溝25が形成されている。そのため、チルト・テレスコ固定された状態で、車両の衝突等が生起され、2次衝突が生じると、締付ボルト10は、締付レバー11の先端部11aの符号P1で示す部分を支点として円弧運動し、符号P2で示す位置から符号P3で示す位置に変位する。その結果、チルト溝4または跳ね上げ用溝20とエネルギー吸収溝25との間のブリッジ部分が変形することにより、2次衝突時の衝撃エネルギーを吸収することができる。なお、このブリッジ部分の変形でも衝撃エネルギーを十分に吸収することができるが、本実施の形態では、上記のように、締付ボルト10が符号P1で示す部分を支点として円弧運動するが、この円弧運動により、締付ボルト10は、チルトブラケット3とディスタンスブラケット5との摺動摩擦力をより強くする方向に移動しているため、摺動摩擦力をより大きくすることができ、ひいては、衝撃エネルギーの吸収荷重を増加することができる。
【0039】
次に、本発明の第2実施の形態を説明する。図11は、本発明の第2実施の形態に係るチルト・テレスコ式ステアリング装置の側面図であり、図12は、図11に示したチルト・テレスコ式ステアリング装置の横断面図である。
【0040】
本第2の実施の形態では、ステアリングコラム2の跳ね上げ構造については、上述した第1実施の形態のものと全く同一であり、その説明を省略する。
【0041】
本第2実施の形態では、車両の衝突時等の2次衝突時の衝撃エネルギーを吸収するため、ディスタンスブラケット5に、種々の切欠き40…が設けられている。
【0042】
したがって、チルト・テレスコ固定された状態で、車両の衝突等が生起され、2次衝突が生じると、上述した種々の切欠き40…が変形し、衝撃エネルギーを吸収することができる。そのため、本実施の形態では、ディスタンスブラケット5は、衝撃吸収板としても作用する。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、運転者の離席または着席の際、ステアリングシャフトを簡易な操作により跳ね上げるように構成することにより、運転者の乗降性を向上することができる。また、チルト溝または跳ね上げ用溝の下方に、エネルギー吸収溝が形成されているため、車両の衝突時等に、このエネルギー吸収溝が変形することにより、2次衝突時の衝撃エネルギーを吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るチルト・テレスコ式ステアリング装置の側面図であり、チルトが最下位置であり、テレスコも最下位置である状態を示す。
【図2】図1に示したチルト・テレスコ式ステアリング装置の側面図であり、チルトが最下位置であり、テレスコが最上位置である状態を示す。
【図3】図1に示したチルト・テレスコ式ステアリング装置の横断面図である。
【図4】図1に示したチルトブラケットの側面図であり、締付レバーがチルト最下位置に位置する場合を示す。
【図5】図1に示したチルトブラケットの側面図であり、締付レバーがチルト最上位置に位置する場合を示す。
【図6】図1に示したチルトブラケットの側面図であり、ステアリングコラムの跳ね上げを開始した場合を示す。
【図7】図1に示したチルトブラケットの側面図であり、ステアリングコラムを跳ね上げてロックした場合を示す。
【図8】図1に示したチルトブラケットの側面図であり、跳ね上げのロックを解除した場合を示す。
【図9】(a)(b)(c)は、それぞれ、ステアリングコラムの跳ね上げ時におけるテレスコ固定の工程を示し、(d)は、テレスコ用ロック部材の拡大側面図である。
【図10】図1に示したチルトブラケットの側面図であり、衝撃エネルギー吸収構造を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施の形態に係るチルト・テレスコ式ステアリング装置の側面図である。
【図12】図11に示したチルト・テレスコ式ステアリング装置の横断面図である。
【符号の説明】
1 ステアリングシャフト
2 ステアリングコラム
3 チルトブラケット
4 チルト溝
5 ディスタンスブラケット
6 テレスコ溝
7 包持部
8 支持板
9 長孔
10 締付ボルト
10a 係合頭部
11 締付レバー
11a 先端部
12 ガイドピン
13 アジャストナット
14 回転阻止部材
20 跳ね上げ用溝
21 チルト・テレスコ用湾曲摺接壁
22 変化部
23 跳ね上げ用湾曲摺接壁
24 ロック部材
24a 切欠き部
25 エネルギー吸収溝
30 テレスコ用ロック部材
30a 切欠き溝
30b 突起
31 ロック用孔
40 切欠き

Claims (4)

  1. 車体側に設けられたチルトブラケットと、
    ステアリングコラムを支持し、該チルトブラケットに摩擦保持されるディスタンスブラケットと、
    該ディスタンスブラケットを保持し、前記チルトブラケットに形成されたチルト溝と前記ディスタンスブラケットに形成されたテレスコ溝とに挿通された締付ボルトと、該締付ボルトに回動可能に取付けられた締付レバーとを含み、該締付レバーの回動により前記ディスタンスブラケットを前記チルトブラケットにより締付けてステアリングコラムを摩擦保持しまたは該締付レバーの逆方向の回動により締付けを解除して前記締付ボルトの前記チルト溝に沿ってのチルト移動および前記締付ボルトに対する前記テレスコ溝の移動を許す締付け機構とを備えたチルト・テレスコ式ステアリング装置において、
    前記チルトブラケットのチルト溝の上方に、前記締付レバーの先端部が摺接するチルト・テレスコ用湾曲摺接壁を形成すると共に、前記チルト溝を延在して跳ね上げ用溝を形成し、この跳ね上げ用溝の上方に、前記チルト・テレスコ用湾曲摺接壁に連続して、前記締付レバーの先端部が摺接する跳ね上げ用湾曲摺接壁を形成し、前記ステアリングコラムを跳ね上げて、前記締付ボルトを前記チルト溝から前記跳ね上げ用溝に挿入したとき、前記跳ね上げ用湾曲摺接壁の存在により前記締付レバーの締付け固定位置への回動を阻止し、
    前記ステアリングコラムを跳ね上げて、前記締付ボルトを前記チルト溝から前記跳ね上げ用溝に挿入したとき、この締付ボルトの係合頭部に係合してロックするためのロック部材を設けたことを特徴とするチルト・テレスコ式ステアリング装置。
  2. 車体側に設けられたチルトブラケットと、
    ステアリングコラムを支持し、該チルトブラケットに摩擦保持されるディスタンスブラケットと、
    該ディスタンスブラケットを保持し、前記チルトブラケットに形成されたチルト溝に挿通された締付ボルトと、締付レバーと、該締付レバーの回動により前記ディスタンスブラケットを前記チルトブラケットにより締付けてステアリングコラムを摩擦保持しまたは該締付レバーの逆方向の回動により締付けを解除して前記締付ボルトの前記チルト溝に沿ってのチルト移動を許す締付け機構とを備えたステアリング装置において、
    前記チルトブラケットのチルト溝を延長して跳ね上げ用の溝を設け、
    締付ボルトが跳ね上げ用の溝に挿入した時締付レバーの先端に摺接してステアリングコラムを摩擦保持する方向への締付レバーの回動を阻止する跳ね上げ用摺接壁を前記跳ね上げ用溝の上方に形成して成り、かつ
    前記ステアリングコラムを跳ね上げて、前記締付ボルトを前記チルト溝から前記跳ね上げ用溝に挿入したとき、この締付ボルトに係合してロックするためのロック部材を設けた、
    ことを特徴とするステアリング装置。
  3. 前記ディスタンスブラケットには前記締付ボルトを挿通しステアリングコラムのテレスコ調整を可能にするテレスコ溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記チルト溝から前記チルト用湾曲摺接壁への距離は前記前記跳ね上げ用溝から前記跳ね上げ用湾曲摺接壁への距離より大きく、二次衝突時に前記締付レバーの先端が前記跳ね上げ用湾曲摺接壁のチルト上端を支点として円弧運動し、この円弧運動によって前記締付ボルトが、前記チルトブラケットと前記ディスタンスブラケットとの摺動摩擦力をより強くする方向に移動することを特徴とする請求項2または3に記載のステアリング装置。
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