JP2014051456A - 2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は上記した問題点を解決するため、副生物の生成を抑制し、高収率に2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
オキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと二酸化炭素を反応して2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、触媒および分子状酸素含有ガスの存在下、110℃以下の温度で無溶媒にて反応を行うことに特徴を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料や精密化学品の原料として有用な2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
オキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと二酸化炭素を反応し、2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法としては、触媒としてヨウ化アルカリとポリオール、エーテルおよびポリエーテルからなる群より選択される1つの化合物の組み合わせと温度40〜180℃、1〜10barの圧力下で反応する方法(特許文献1)、触媒として4級アンモニウム化合物やホスファンなど、助触媒としてアルカリ金属やアルカリ土類金属のハロゲン化物などを用い、温度100〜150℃、常圧下にて二酸化炭素と反応させる方法(特許文献2)、4級アンモニウム塩およびN−オキシル化合物の存在下に反応を行う方法(特許文献3)等が知られている。
しかしながら、従来の方法では転化率や選択率ともに工業的に満足なものではなく改良の余地があった。オキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとして、(メタ)アクリル酸グリシジルのような重合性の高い(メタ)アクリル酸エステルを基質に用いる反応においては、従来の製造方法を適用すると、(メタ)アクリル酸エステルの重合体が副生することがわかった。このような副生物の生成は収率が悪くなるばかりか、煩雑な精製工程が必要になるなど工業的な製造方法として問題であった。
特許第2561654号公報 特許第2565875号公報 特開2011−219394号公報
本発明は上記した問題点を解決するため、副生物の生成を抑制し、高収率に2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の製造方法は、オキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと二酸化炭素を反応して2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、一次酸化防止剤、触媒および分子状酸素含有ガスの存在下、110℃以下の温度で無溶媒にて反応を行うことに特徴を有する。
本発明によれば、反応による副生物の生成を抑えることができ、精製が容易でかつ高純度の2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明は、オキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと二酸化炭素を反応して2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、圧力反応器中の分子状酸素の分圧が200Pa以上であり110℃以下の温度で無溶媒にて反応を行うことを特徴とする2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法である。このような製造方法により重合体の副生を抑制することができる。
ここでオキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、1分子中にオキシラン構造と(メタ)アクリル酸残基とを含んでいれば良く、たとえば(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−(グリシジルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸4−(グリシジルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸6−(グリシジルオキシ)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−(グリシジルオキシ)エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(グリシジルオキシ)エトキシエトキシエチル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテルアクリレートメタクリレート、1,3−ジグリシジルオキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシプロパン、1,2−ジグリシジルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパン、1−グリシジルオキシ−2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、2−グリシジルオキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ビスフェノールAグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールSグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル等が挙げられる。
本発明の2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、1分子中に2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造と(メタ)アクリル酸残基とを含んでいれば良く、たとえば(メタ)アクリル酸(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル、(メタ)アクリル酸2−((2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸4−((2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸6−((2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−((2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−((2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)エトキシエトキシエチル、ポリエチレングリコール(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパンビス(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン((2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)エーテルアクリレートメタクリレート、1,3−ビス(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−2−(メタ)アクリロイルオキシプロパン、1,2−ビス(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメトキシ)−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパン、1−(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ−2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、2−(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ビスフェノールA(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル)エーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールS(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル)エーテル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸(2−オキソヘキサヒドロベンゾ[d][1,3]ジオキソラ−5−ニル)メチル等が挙げられる。
本発明に用いる触媒は、たとえばフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化ベリリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ルビジウム、臭化セシウム、臭化ベリリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウム、よう化リチウム、よう化ナトリウム、よう化カリウム、よう化ルビジウム、よう化セシウム、よう化ベリリウム、よう化マグネシウム、よう化カルシウム、よう化ストロンチウム、よう化バリウム等のアルカリ(土類)金属ハロゲン化物、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ヘキシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化ヘキシルトリメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、よう化テトラメチルアンモニウム、よう化テトラエチルアンモニウム、よう化テトラプロピルアンモニウム、よう化テトラブチルアンモニウム、よう化ヘキシルトリメチルアンモニウム、よう化ベンジルトリメチルアンモニウム、よう化セチルトリメチルアンモニウム、硫酸水素テトラメチルアンモニウム、硫酸水素テトラエチルアンモニウム、硫酸水素テトラプロピルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、硫酸水素ヘキシルトリメチルアンモニウム、硫酸水素ベンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素セチルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、塩化テトラメチルホスホニウム、塩化テトラエチルホスホニウム、塩化テトラプロピルホスホニウム、塩化テトラブチルホスホニウム、塩化ヘキシルトリメチルホスホニウム、塩化ベンジルトリメチルホスホニウム、塩化セチルトリメチルホスホニウム、臭化テトラメチルホスホニウム、臭化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラプロピルホスホニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化ヘキシルトリメチルホスホニウム、臭化ベンジルトリメチルホスホニウム、臭化セチルトリメチルホスホニウム、よう化テトラメチルホスホニウム、よう化テトラエチルホスホニウム、よう化テトラプロピルホスホニウム、よう化テトラブチルホスホニウム、よう化ヘキシルトリメチルホスホニウム、よう化ベンジルトリメチルホスホニウム、よう化セチルトリメチルホスホニウム、硫酸水素テトラメチルホスホニウム、硫酸水素テトラエチルホスホニウム、硫酸水素テトラプロピルホスホニウム、硫酸水素テトラブチルホスホニウム、硫酸水素ヘキシルトリメチルホスホニウム、硫酸水素ベンジルトリメチルホスホニウム、硫酸水素セチルトリメチルホスホニウム等の4級ホスホニウム塩、塩化テトラメチルアルソニウム、塩化テトラエチルアルソニウム、塩化テトラプロピルアルソニウム、塩化テトラブチルアルソニウム、塩化ヘキシルトリメチルアルソニウム、塩化ベンジルトリメチルアルソニウム、塩化セチルトリメチルアルソニウム、臭化テトラメチルアルソニウム、臭化テトラエチルアルソニウム、臭化テトラプロピルアルソニウム、臭化テトラブチルアルソニウム、臭化ヘキシルトリメチルアルソニウム、臭化ベンジルトリメチルアルソニウム、臭化セチルトリメチルアルソニウム、よう化テトラメチルアルソニウム、よう化テトラエチルアルソニウム、よう化テトラプロピルアルソニウム、よう化テトラブチルアルソニウム、よう化ヘキシルトリメチルアルソニウム、よう化ベンジルトリメチルアルソニウム、よう化セチルトリメチルアルソニウム、硫酸水素テトラメチルアルソニウム、硫酸水素テトラエチルアルソニウム、硫酸水素テトラプロピルアルソニウム、硫酸水素テトラブチルアルソニウム、硫酸水素ヘキシルトリメチルアルソニウム、硫酸水素ベンジルトリメチルアルソニウム、硫酸水素セチルトリメチルアルソニウム等の4級アルソニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリフェニルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、トリセチルアミン、イソプロピルジメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、ピラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のアミン類、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ゼオライト等の金属酸化物など、当該反応に使用される一般的に公知である触媒が利用可能である。好ましくはハロゲン化金属塩である。水溶性の高い触媒を用いると、2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルが水への溶解性が比較的低いため、触媒を水相へ抽出することが可能となり、該化合物を高収率で得ることができる。中でもよう化カリウムが反応性および水への溶解性において最も好ましい。
触媒の使用量は、基質となるオキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルに対して0.1〜20質量%である。より好ましくは0.5〜10質量%である。
本発明で用いることのできる二酸化炭素は単独で使用することもできるし、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスとの混合ガスを使用することができる。濃度、圧力については、特に限定はされないが、いずれも高い方が反応が進行し易い。但し、圧力については高すぎるとその圧力に耐えうる堅牢で高価な反応装置が必要となるため、たとえば二酸化炭素の臨界圧である7.4MPaよりも低い方が好ましい。また、反応で消費される二酸化炭素を逐次投入し、圧力を維持させることも可能である。二酸化炭素は、オキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの0.1〜1000当量、好ましくは1〜100当量使用する。
本発明で用いる分子状酸素は、純粋なガスでも混合ガスでも良い。混合ガスの場合、分子状酸素以外の成分は本発明の効果を阻害しない物質であれば任意の成分で良く、例えば窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム等との混合物でもよい。好適には空気が分子状酸素源として用いられる。分子状酸素は、前記した二酸化炭素を含むガスと混合することができる。ここで混合されたガス中の分子状酸素の分圧としては、200Pa以上であることが好ましく、より好ましくは500Pa以上、更に好ましくは1kPa以上、もっとも好ましくは2kPa以上である。分子状酸素濃度が200Pa未満であると一次酸化防止剤の効果が十分に発揮されず、副生物が生成しやすくなる。分子状酸素濃度が高すぎる場合は反応基質である二酸化炭素分圧が低くなり反応性が低下する。同時に気相部が爆発範囲に入る恐れがある為、酸素分圧の上限は50kPa以下が好ましい。より好ましくは45kPa以下であり、さらに好ましくは40kPa以下である。本発明において、分子状酸素は反応器の気相部を分子状酸素を含むガスにてパージし、その後二酸化炭素を導入することにより分子状酸素分圧を調整する。
本発明で用いる一次酸化防止剤は、一般にラジカル連鎖禁止剤として定義されるものであり(例えば、猿渡など著「酸化防止剤ハンドブック」(大成社発行)参照)、その代表例としてはフェノール系酸化防止剤を挙げることができる。その代表例を列挙すると次のとおりである。ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチル)フェノール、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4−メトキシ−1−ナフトール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルカテコール、トリエチレングリコールビス−[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)および3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル。好ましくは、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンである。
一次酸化防止剤の使用量は、基質となるオキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルに対して0.0001〜10質量%である。より好ましくは0.001〜5質量%であり、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。
本発明は更に二次酸化防止剤を添加して実施することが可能である。ここで言う二次酸化防止剤とは一般的に使用される亜リン酸エステルもしくはチオエーテルであり、具体的には、亜リン酸エステルとしてはトリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、サイクリックネオペンタテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリオレイルホスファイト等が挙げられる。チオエーテルとしては3,3´−チオジプロピオン酸ジラウリル、3,3´−チオジプロピオン酸ジステアリル、3,3´−チオジプロピオン酸ジドデシル、3,3´−チオジプロピオン酸ジオクタデシル、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリルチオプロピオン酸)が挙げられる。
二次酸化防止剤の使用量は、基質となるオキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルに対して0.0001〜10質量%である。より好ましくは0.001〜5質量%であり、さらに好ましくは0.01〜1質量%である。
本発明の反応温度は、110℃以下で行うのが好ましい。より好ましくは40〜100℃であり、さらに好ましくは60〜90℃である。本発明でいう反応温度は、設定温度を示す。反応中の反応液の温度は、反応熱により設定温度以上にあがることがある。反応温度が120℃以上の場合分子内の重合性基に基づく重合反応が進行し、却って収率の低下を招くことになるので好ましくない。
本発明の反応は、常圧または加圧下で実施できる。具体的には0〜5MPaG(ゲージ圧)であることが好ましい。より好ましくは0.1〜1MPaGである。また、反応中に圧力を変更することも可能である。反応時間は、1〜20時間であり、好ましくは2〜10時間である。
精製方法は、蒸留、ろ過、抽出、晶析、再沈殿など、従来公知の方法であれば特に制限はない。好ましくは、水性溶媒を使用しての抽出である。蒸留による精製では高温での加熱が必要となり、熱ラジカル重合を起こしやすく収率低下の原因となる。2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルは水への溶解性が比較的低いため、水溶性の高い触媒を用いることで触媒を水相へ抽出することが可能となり、該化合物を高収率で得ることができる。その後、減圧または加熱により脱水し目的とする精製物を得ることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
<実施例1>
撹拌器、温度計、圧力計、二酸化炭素導入管を備えた300mLのオートクレーブに、グリシジルアクリレート150.0g(1.17mol)、よう化カリウム5.8g(0.35mol)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.015g、トリフェニルホスファイト0.015gを仕込み、乾燥空気にて気相部を十分に置換した。この時の容器内の酸素分圧は21kPaであった。その後、二酸化炭素を0.3MPaGまで導入し、撹拌しながら加温を開始した。90℃に設定し、内温は87〜92℃の範囲となるようにした。また内圧は0.25〜0.3MPaGとなるよう二酸化炭素を逐次投入しながら2時間撹拌した。その後、二酸化炭素により内圧を徐々に上げていき、最終的に0.9MPaGまで内圧を上昇させ、6時間加熱撹拌を行った。反応液中のアクリル酸(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルを液体クロマトグラフィーにて定量分析した結果、転化率は99.9%、選択率は96.7%であった。また、重合由来の不純物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、ポリスチレン換算での数平均分子量400以上である重合由来の不純物量を面積パーセント(GPC面積(%))として求めた結果、0.4%であった。

(液体クロマトグラフィーの分析条件)
使用カラム:CAPCELLPAK MG(資生堂製)、4.6mm×250mm、5μm、2本
流量:1mL/min
インジェクション量:5μL
溶離液:水/アセトニトリル=50/50⇒0/100(V/V) グラジエント
内部標準:メトキシベンゼン
検出:UV 254nm

(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分析条件)
使用カラム:TSKgel SuperH2000(東ソー製)、6mm×150mm、2本
流量:1mL/min
インジェクション量:10μL
溶離液:テトラヒドロフラン
検出:UV 254nm
<実施例2〜9及び比較例1〜3>
表1に示したように、基質、触媒、設定温度、パージガス、初期酸素分圧を変えた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
表1より、本実施例の製造方法により、高い選択率でアクリル酸(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルを製造できることが示された。また、重合由来の不純物量を低減することができた。
<実施例10>
実施例1で得られた反応液に対し、40質量%である純水を加え良く振盪し、よう化カリウムを水相に抽出した。抽出は計3回行った。抽出後90℃、10hPaにて減圧脱水した。アクリル酸(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルの収率は88%であった。

Figure 2014051456

Claims (2)

  1. オキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルと二酸化炭素を触媒の存在下に反応して2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、圧力反応器中の分子状酸素の分圧が200Pa以上であり110℃以下の温度で無溶媒にて反応を行うことを特徴とする2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  2. さらに一次酸化防止剤の存在下に反応することを特徴とする請求項1記載の2−オキソ−1,3−ジオキソラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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