JP2017036231A - 組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、アクリル酸誘導体の精製を容易にし、かつその効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】[A]式(I):
[式中、
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体、及び
[B]120℃の温度で液体であるイオン液体
を含有する組成物。
【選択図】なし
【解決手段】[A]式(I):
[式中、
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体、及び
[B]120℃の温度で液体であるイオン液体
を含有する組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は組成物(特に、アクリル酸誘導体を含有する組成物)に関する。
アクリル酸誘導体は、医薬(例えば、抗生物質)の合成中間体、光学繊維のさや材料用の合成中間体、塗料用材料の合成中間体、半導体レジスト材料の合成中間体、及び機能性高分子の単量体等として有用である。
このようなアクリル酸誘導体の製造方法は公知であり、具体的には、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載の方法等が知られている。
このようなアクリル酸誘導体の製造方法は公知であり、具体的には、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載の方法等が知られている。
アクリル酸誘導体は、比較的低い沸点を有するので、蒸留により、蒸留留分として回収することで、精製できる。
しかし、アクリル酸誘導体の製造において、しばしば、副生成物として、固形物が生じる場合がある。
このような固形物は、蒸留における撹拌の妨げになり、蒸留によるアクリル酸誘導体の精製の効率を低下させる。
また、溶媒を用いた場合は溶媒との分離が度々困難となる。
従って、本発明は、アクリル酸誘導体の精製を容易にし、かつその効率を向上させることを目的とする。
しかし、アクリル酸誘導体の製造において、しばしば、副生成物として、固形物が生じる場合がある。
このような固形物は、蒸留における撹拌の妨げになり、蒸留によるアクリル酸誘導体の精製の効率を低下させる。
また、溶媒を用いた場合は溶媒との分離が度々困難となる。
従って、本発明は、アクリル酸誘導体の精製を容易にし、かつその効率を向上させることを目的とする。
本発明者らは、検討の結果、
[A]式(I):
[式中、
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体(本明細書中、アクリル酸誘導体[A]と称する場合がある。)、及び
[B]120℃の温度で液体であるイオン液体(本明細書中、イオン液体[B]と称する場合がある。)
を含有する組成物
により、前記課題が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
[A]式(I):
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体(本明細書中、アクリル酸誘導体[A]と称する場合がある。)、及び
[B]120℃の温度で液体であるイオン液体(本明細書中、イオン液体[B]と称する場合がある。)
を含有する組成物
により、前記課題が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の態様を包含する。
項1.
[A]式(I):
[式中、
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体、及び
[B]120℃の温度で液体であるイオン液体
を含有する組成物。
項2.
R2が、ハロゲン原子である項1に記載の組成物。
項3.
前記イオン液体[B]が、アミン、及びイミダゾール化合物からなる群より選択される1種以上の有機塩基と、臭化水素、及び塩化水素からなる群より選択される1種以上の酸との塩である項1又は2に記載の組成物。
項4.
前記イオン液体[B]が、トリ−n−ブチルアミン臭化水素酸塩である項3に記載の組成物。
[A]式(I):
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体、及び
[B]120℃の温度で液体であるイオン液体
を含有する組成物。
項2.
R2が、ハロゲン原子である項1に記載の組成物。
項3.
前記イオン液体[B]が、アミン、及びイミダゾール化合物からなる群より選択される1種以上の有機塩基と、臭化水素、及び塩化水素からなる群より選択される1種以上の酸との塩である項1又は2に記載の組成物。
項4.
前記イオン液体[B]が、トリ−n−ブチルアミン臭化水素酸塩である項3に記載の組成物。
本発明によれば、アクリル酸誘導体の精製を容易にすることができ、かつ生産性を向上させることができる。
用語
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に解される。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に解される。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
本明細書中、室温は、10〜40℃の範囲内の温度を意味する。
本明細書中の工程、処理、又は操作は、特に限定されない限り、室温で実施され得る。
本明細書中の工程、処理、又は操作は、特に限定されない限り、室温で実施され得る。
本明細書中、「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。「フルオロアルキル基」は、パーフルオロアルキル基を包含する。「パーフルオロアルキル基」は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。「フルオロアルキル基」は、パーフルオロアルキル基を包含する。「パーフルオロアルキル基」は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
組成物
本発明の組成物は、アクリル酸誘導体[A]、及びイオン液体[B]を含有する。
本発明の組成物は、アクリル酸誘導体[A]、及びイオン液体[B]を含有する。
アクリル酸誘導体[A]
アクリル酸誘導体[A]は、式(I):
[式中、
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体である。
アクリル酸誘導体[A]は、式(I):
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体である。
R1は、好ましくは、メチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、又は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基である。
R1は、より好ましくは、メチル基である。
R1は、より好ましくは、メチル基である。
R2は、好ましくは、塩素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基である。
R2は、より好ましくは、塩素原子、フッ素原子、又はメチル基である。
R2は、更に好ましくは、フッ素原子である。
R2は、より好ましくは、塩素原子、フッ素原子、又はメチル基である。
R2は、更に好ましくは、フッ素原子である。
本発明の好適な一態様においては、
R1は、メチル基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基(好ましくはメチル基)であり、且つ
R2は、メチル基、又はフッ素原子(好ましくはフッ素原子)である。
R1は、メチル基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基(好ましくはメチル基)であり、且つ
R2は、メチル基、又はフッ素原子(好ましくはフッ素原子)である。
本発明の組成物は、アクリル酸誘導体[A]を、好ましくは、5〜90重量%、より好ましくは、10〜70重量%、及び更に好ましくは、15〜50重量%含有する。
イオン液体[B]
イオン液体[B]は、120℃の温度で液体であるイオン液体である。
イオン液体[B]は、好ましくは、アミン、及びイミダゾール化合物からなる群より選択される1種以上の有機塩基と、臭化水素、及び塩化水素からなる群より選択される1種以上の酸との塩である。
当該アミンの例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジメチル(3−ブロモプロピル)アミン、ジエチル(3−ブロモプロピル)アミン、(2−ブロモエチル)ジブチルアミン、ジエチル(6−ブロモヘキシル)アミン、ジエチル(7−ブロモヘプチル)アミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、及びN−メチルモルホリンを包含する。
当該アミンの好適な例は、トリ(n−ブチル)アミン、ジメチル(3−ブロモプロピル)アミン、ジエチル(3−ブロモプロピル)アミン、(2−ブロモエチル)ジブチルアミン、ジエチル(6−ブロモヘキシル)アミン、ジエチル(7−ブロモヘプチル)アミン、及びN,N−ジメチルアニリンを包含する。
イオン液体[B]は、120℃の温度で液体であるイオン液体である。
イオン液体[B]は、好ましくは、アミン、及びイミダゾール化合物からなる群より選択される1種以上の有機塩基と、臭化水素、及び塩化水素からなる群より選択される1種以上の酸との塩である。
当該アミンの例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジメチル(3−ブロモプロピル)アミン、ジエチル(3−ブロモプロピル)アミン、(2−ブロモエチル)ジブチルアミン、ジエチル(6−ブロモヘキシル)アミン、ジエチル(7−ブロモヘプチル)アミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、及びN−メチルモルホリンを包含する。
当該アミンの好適な例は、トリ(n−ブチル)アミン、ジメチル(3−ブロモプロピル)アミン、ジエチル(3−ブロモプロピル)アミン、(2−ブロモエチル)ジブチルアミン、ジエチル(6−ブロモヘキシル)アミン、ジエチル(7−ブロモヘプチル)アミン、及びN,N−ジメチルアニリンを包含する。
当該イミダゾール化合物の例は、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール及び1−(2−ブロモエチル)イミダゾールを包含する。
当該イミダゾール化合物の好適な例は、1−メチルイミダゾール及び1−(2−ブロモエチル)イミダゾールを包含する。
当該イミダゾール化合物の好適な例は、1−メチルイミダゾール及び1−(2−ブロモエチル)イミダゾールを包含する。
当該塩は、1種単独、又は2種以上の組み合わせであることができる。
イオン液体[B]は、120℃の温度で液体である。
イオン液体[B]は、好ましくは、110℃の温度、より好ましくは、100℃の温度、更に好ましくは、80℃の温度、及びより更に好ましくは、75℃の温度で液体である。
イオン液体[B]がこのような温度で液体であることにより、本発明の組成物は、精製されるとき、又は使用されるときに、高い流動性を有することができる。
特に、本発明の組成物が、蒸留により精製されるときに、高い流動性を有することができる観点からは、イオン液体[B]は、前記アクリル酸誘導体[A]の沸点で液体であることが好ましい。
イオン液体[B]は、好ましくは、110℃の温度、より好ましくは、100℃の温度、更に好ましくは、80℃の温度、及びより更に好ましくは、75℃の温度で液体である。
イオン液体[B]がこのような温度で液体であることにより、本発明の組成物は、精製されるとき、又は使用されるときに、高い流動性を有することができる。
特に、本発明の組成物が、蒸留により精製されるときに、高い流動性を有することができる観点からは、イオン液体[B]は、前記アクリル酸誘導体[A]の沸点で液体であることが好ましい。
本発明の組成物は、イオン液体[B]を、好ましくは、10〜95重量%、より好ましくは、30〜90重量%、及び更に好ましくは、50〜85重量%含有する。
本発明の組成物は、アクリル酸誘導体[A]の100重量部に対して、イオン液体[B]を、好ましくは、50〜1000重量部の範囲内、より好ましくは、100〜500重量部の範囲内、及び更に好ましくは、150〜300重量部の範囲内の量で、含有する。
本発明の組成物は、アクリル酸誘導体、及びイオン液体を、合計量で、好ましくは、60重量%以上、より好ましくは、75重量%以上、更に好ましくは、85重量%以上、より更に好ましくは、90重量%以上、特に好ましくは、95重量%以上、及びより特に好ましくは、97重量%以上の量で、含有する。
その他の成分
本発明の組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、アクリル酸誘導体[A]、及びイオン液体[B]以外の成分(以下、「前記その他の成分」と称する場合がある。)を含有していてもよい。
本発明の組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、アクリル酸誘導体[A]、及びイオン液体[B]以外の成分(以下、「前記その他の成分」と称する場合がある。)を含有していてもよい。
アクリル酸誘導体[A]の精製のし易さ(すなわち、アクリル酸誘導体[A]の精製の効率の高さ)の観点からは、本発明の組成物における、アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点を有する成分の含有量は、より小さいことが好ましい。
本発明の組成物におけるこのような成分の含有量は、好ましくは、40重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下、より更に好ましくは、10重量%以下、特に好ましくは、5重量%以下、及びより特に好ましくは、3重量%以下である。
特に好ましくは、本発明の組成物は、このような成分を実質的に、又は完全に含有しない。
アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点とは、具体的には、例えば、「アクリル酸誘導体[A]の沸点±40℃」の範囲内の温度である沸点である。
本発明の組成物におけるこのような成分の含有量は、好ましくは、40重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下、より更に好ましくは、10重量%以下、特に好ましくは、5重量%以下、及びより特に好ましくは、3重量%以下である。
特に好ましくは、本発明の組成物は、このような成分を実質的に、又は完全に含有しない。
アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点とは、具体的には、例えば、「アクリル酸誘導体[A]の沸点±40℃」の範囲内の温度である沸点である。
このような成分は、例えば、分子性溶媒であることができる。
分子性溶媒としては、例えば、有機溶媒(例、メタノール)等が挙げられる。
分子性溶媒としては、例えば、有機溶媒(例、メタノール)等が挙げられる。
本発明の組成物における分子性溶媒(特に、アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点を有するもの)の含有量は、好ましくは、40重量%以下、より好ましくは、25重量%以下、更に好ましくは、15重量%以下、より更に好ましくは、10重量%以下、特に好ましくは、5重量%以下、及びより特に好ましくは、3重量%以下である。
特に好ましくは、本発明の組成物は、分子性溶媒(特に、アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点を有するもの)を実質的に、又は完全に含有しない。
特に好ましくは、本発明の組成物は、分子性溶媒(特に、アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点を有するもの)を実質的に、又は完全に含有しない。
本発明の組成物における有機溶媒(例、メタノール)(特に、アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点を有するもの)の含有量は、好ましくは、40重量%以下、より好ましくは、25重量%以下、及び更に好ましくは、15重量%以下である。
特に好ましくは、本発明の組成物は、有機溶媒(例、メタノール)(特に、アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点を有するもの)を実質的に、又は完全に含有しない。
特に好ましくは、本発明の組成物は、有機溶媒(例、メタノール)(特に、アクリル酸誘導体[A]の沸点と近い沸点を有するもの)を実質的に、又は完全に含有しない。
本発明の組成物は、結晶性塩を含有していてもよいが、好ましくは、結晶性塩を実質的に、又は完全に含有しない。
組成物の精製
本発明の組成物は、イオン液体[B]により流動性が付与されているので、容易に、且つ効率的に精製可能である。
当該精製において精製される目的物は、前記アクリル酸誘導体[A]である。
当該精製において除去される除去対象物は、前記イオン液体[B]である。
当該精製において、少なくとも、前記イオン液体[B]の一部が除去される。当該精製においては、より多くの前記イオン液体[B]が除去されることが好ましい。
当該精製においては、当該イオン液体[B]に加えて、他の不要な物質が除去されてもよい。
本発明の組成物は、例えば、蒸留により精製できる。
当該蒸留の方法は、特に限定されず、例えば、単蒸留、減圧蒸留、加圧蒸留、精留、又は薄膜蒸留、或いはこれらの組み合わせを採用することができる。
当該蒸留による精製において、アクリル酸誘導体[A]は、蒸留留分として回収することができる。当該蒸留による精製において、イオン液体[B]は、蒸留残分として、蒸留装置に残ることができる。従って、アクリル酸誘導体[A]とイオン液体[B]とは、容易に分離でき、及び、アクリル酸誘導体[A]は高い回収率で得られる。すなわち、本発明の組成物からのアクリル酸誘導体[A]の精製は高い効率で行える。
本発明の組成物からのアクリル酸誘導体[A]の回収率は、好ましくは、80%以上、及びより好ましくは、85%以上であることができる。
本発明の組成物は、イオン液体[B]により流動性が付与されているので、容易に、且つ効率的に精製可能である。
当該精製において精製される目的物は、前記アクリル酸誘導体[A]である。
当該精製において除去される除去対象物は、前記イオン液体[B]である。
当該精製において、少なくとも、前記イオン液体[B]の一部が除去される。当該精製においては、より多くの前記イオン液体[B]が除去されることが好ましい。
当該精製においては、当該イオン液体[B]に加えて、他の不要な物質が除去されてもよい。
本発明の組成物は、例えば、蒸留により精製できる。
当該蒸留の方法は、特に限定されず、例えば、単蒸留、減圧蒸留、加圧蒸留、精留、又は薄膜蒸留、或いはこれらの組み合わせを採用することができる。
当該蒸留による精製において、アクリル酸誘導体[A]は、蒸留留分として回収することができる。当該蒸留による精製において、イオン液体[B]は、蒸留残分として、蒸留装置に残ることができる。従って、アクリル酸誘導体[A]とイオン液体[B]とは、容易に分離でき、及び、アクリル酸誘導体[A]は高い回収率で得られる。すなわち、本発明の組成物からのアクリル酸誘導体[A]の精製は高い効率で行える。
本発明の組成物からのアクリル酸誘導体[A]の回収率は、好ましくは、80%以上、及びより好ましくは、85%以上であることができる。
アクリル酸誘導体[A]の製造方法
本発明は、前記した本発明の組成物の精製の段階を含有する、アクリル酸誘導体[A]の製造方法もまた提供する。
本発明は、前記した本発明の組成物の精製の段階を含有する、アクリル酸誘導体[A]の製造方法もまた提供する。
組成物の製造方法
本発明の組成物は、例えば、
(製造方法1)前記アクリル酸誘導体[A]、及び前記イオン液体[B]を混合すること;
(製造方法2)前記アクリル酸誘導体[A]の存在下で、前記イオン液体[B]を生じさせること、
(製造方法3)前記イオン液体[B]の存在下で、前記アクリル酸誘導体[A]を生じさせること、又は、
(製造方法4)前記アクリル酸誘導体[A]、及び前記イオン液体[B]を、単一の系内で生じさせること
によって製造することができる。
本発明の組成物は、例えば、以下の製造方法、又はこれに準じる方法によって製造できる。
本発明の組成物は、例えば、
(製造方法1)前記アクリル酸誘導体[A]、及び前記イオン液体[B]を混合すること;
(製造方法2)前記アクリル酸誘導体[A]の存在下で、前記イオン液体[B]を生じさせること、
(製造方法3)前記イオン液体[B]の存在下で、前記アクリル酸誘導体[A]を生じさせること、又は、
(製造方法4)前記アクリル酸誘導体[A]、及び前記イオン液体[B]を、単一の系内で生じさせること
によって製造することができる。
本発明の組成物は、例えば、以下の製造方法、又はこれに準じる方法によって製造できる。
本発明の組成物の製造方法I(製造方法3の一態様)
本発明の組成物は、例えば、前記イオン液体[B]の存在下で、米国特許第3262968号公報に記載の方法等の公知の方法により、前記アクリル酸誘導体[A]を合成することによって、製造できる。
本発明の組成物は、例えば、前記イオン液体[B]の存在下で、米国特許第3262968号公報に記載の方法等の公知の方法により、前記アクリル酸誘導体[A]を合成することによって、製造できる。
本発明の組成物の製造方法II(製造方法4の一態様)
本発明の組成物は、例えば、
式(II):
[式中、X1は、ハロゲン原子を表し、及びR2は、前記式(I)における意義と同意義を表す。]
で表される化合物(本明細書中、化合物(II)と称する場合がある。)を、アミン、及びイミダゾール化合物からなる群より選択される1種以上の有機塩基(本明細書中、有機塩基(c)と称する場合がある。)の存在下で、式(III):
[式中、R1は、前記式(I)における意義と同意義を表す。]
で表されるアルコール(本明細書中、アルコール(III)と称する場合がある。)と反応させて、前記アクリル酸誘導体[A]、及び前記イオン液体[B]を得る
る工程Aを含む製造方法によって製造できる。
当業者は、当該反応を公知のエステル合成反応に準じて実施すればよく、その反応条件等を、技術常識に従って、適宜、決定できる。
当該反応で用いられる有機塩基(c)の一部、又は全部は、化合物(II)に由来する式:HX1[式中の記号は、前記式(II)における意義と同意義を表す。]で表される酸の一部、又は全部とともに、イオン液体[B]を形成する。
本発明の組成物は、例えば、
式(II):
[式中、X1は、ハロゲン原子を表し、及びR2は、前記式(I)における意義と同意義を表す。]
で表される化合物(本明細書中、化合物(II)と称する場合がある。)を、アミン、及びイミダゾール化合物からなる群より選択される1種以上の有機塩基(本明細書中、有機塩基(c)と称する場合がある。)の存在下で、式(III):
で表されるアルコール(本明細書中、アルコール(III)と称する場合がある。)と反応させて、前記アクリル酸誘導体[A]、及び前記イオン液体[B]を得る
る工程Aを含む製造方法によって製造できる。
当業者は、当該反応を公知のエステル合成反応に準じて実施すればよく、その反応条件等を、技術常識に従って、適宜、決定できる。
当該反応で用いられる有機塩基(c)の一部、又は全部は、化合物(II)に由来する式:HX1[式中の記号は、前記式(II)における意義と同意義を表す。]で表される酸の一部、又は全部とともに、イオン液体[B]を形成する。
当該製造方法では、このようにイオン液体[B]が生じえるので、イオン液体[B]の添加が不要であるか、又はその添加量を減じることができる点で好ましい。
R1は、好ましくは、メチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、又は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
前記アルコール(III)は、好ましくは、メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、又は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールであり、特に好ましくは、メタノールである。
前記アルコール(III)は、工程Aの反応の反応溶媒としても機能し得る。
工程Aの反応が進行するに従って、前記アルコール(III)は減少するので、前記アルコール(III)を反応溶媒として機能させるためには、基質としての必要量よりも多い量のアルコール(III)が必要とされる。この場合、工程Aの反応後に大量の余剰のアルコール(III)が残り、その除去が必要となることがある。
しかし、工程Aでは、その反応が進行するに従って、イオン液体[B]が生じる。当該イオン液体[B]は、溶媒として機能できるので、溶媒としてのアルコール(III)の減少を補うことができる。
このことから、当該製造方法では、残存したアルコール(III)の除去が不要になるようにアルコール(III)の使用量を設定することが可能である。
この場合、当該製造方法によって製造される本発明の組成物は、除去すべきアルコール(III)の含有量が小さいか、又は除去すべきアルコール(III)を実質的に、若しくは完全に含有しないので、容易に精製できる。
工程Aにおいて用いられる前記アルコール(III)の量は、具体的には、前記化合物(II)の1モルに対して、通常、1〜5モルの範囲内、好ましくは、1〜3モルの範囲内、より好ましくは、1〜2.5モルの範囲内である。
前記アルコール(III)は、工程Aの反応の反応溶媒としても機能し得る。
工程Aの反応が進行するに従って、前記アルコール(III)は減少するので、前記アルコール(III)を反応溶媒として機能させるためには、基質としての必要量よりも多い量のアルコール(III)が必要とされる。この場合、工程Aの反応後に大量の余剰のアルコール(III)が残り、その除去が必要となることがある。
しかし、工程Aでは、その反応が進行するに従って、イオン液体[B]が生じる。当該イオン液体[B]は、溶媒として機能できるので、溶媒としてのアルコール(III)の減少を補うことができる。
このことから、当該製造方法では、残存したアルコール(III)の除去が不要になるようにアルコール(III)の使用量を設定することが可能である。
この場合、当該製造方法によって製造される本発明の組成物は、除去すべきアルコール(III)の含有量が小さいか、又は除去すべきアルコール(III)を実質的に、若しくは完全に含有しないので、容易に精製できる。
工程Aにおいて用いられる前記アルコール(III)の量は、具体的には、前記化合物(II)の1モルに対して、通常、1〜5モルの範囲内、好ましくは、1〜3モルの範囲内、より好ましくは、1〜2.5モルの範囲内である。
有機塩基(c)
工程Aで用いられる有機塩基(c)は、前記で、本発明の組成物について、イオン液体[B]を構成する有機塩基として説明した通りである。
工程Aで用いられる有機塩基(c)は、前記で、本発明の組成物について、イオン液体[B]を構成する有機塩基として説明した通りである。
当該有機塩基(c)の量は、前記化合物(II)の1モルに対して、通常、0.2〜5モルの範囲内、好ましくは、約0.5〜3モルの範囲内である。
ここで、当該有機塩基(c)として用いられるアミンは、工程Aの反応の反応溶媒としても機能し得る。
工程Aの反応が進行するに従って、前記アミンは減少するので、前記アミンを反応溶媒として機能させるためには、基質としての必要量よりも多い量のアミンが必要とされる。この場合、工程Aの反応後に大量の余剰のアミンが残り、その除去が必要となることがある。
しかし、工程Aでは、その反応が進行するに従って、イオン液体[B]が生じる。当該イオン液体[B]は、溶媒として機能できるので、溶媒としてのアミンの減少を補うことができる。
このことから、当該製造方法では、残存したアミンの除去が不要になるようにアミンの使用量を設定することが可能である。
この場合、当該製造方法によって製造される本発明の組成物は、除去すべきアミンの含有量が小さいか、又は除去すべきアミンを実質的に、若しくは完全に含有しないので、容易に精製できる。
工程Aにおいて用いられる前記アミンの量は、具体的には、前記化合物(II)の1モルに対して、通常、1〜3モルの範囲内、好ましくは、1〜2モルの範囲内、より好ましくは、1〜1.5モルの範囲内である。
工程Aの反応が進行するに従って、前記アミンは減少するので、前記アミンを反応溶媒として機能させるためには、基質としての必要量よりも多い量のアミンが必要とされる。この場合、工程Aの反応後に大量の余剰のアミンが残り、その除去が必要となることがある。
しかし、工程Aでは、その反応が進行するに従って、イオン液体[B]が生じる。当該イオン液体[B]は、溶媒として機能できるので、溶媒としてのアミンの減少を補うことができる。
このことから、当該製造方法では、残存したアミンの除去が不要になるようにアミンの使用量を設定することが可能である。
この場合、当該製造方法によって製造される本発明の組成物は、除去すべきアミンの含有量が小さいか、又は除去すべきアミンを実質的に、若しくは完全に含有しないので、容易に精製できる。
工程Aにおいて用いられる前記アミンの量は、具体的には、前記化合物(II)の1モルに対して、通常、1〜3モルの範囲内、好ましくは、1〜2モルの範囲内、より好ましくは、1〜1.5モルの範囲内である。
温度
工程Aは、通常、−20〜120℃、好ましくは、10〜100℃、より好ましくは、20〜80℃の範囲内の温度で実施される。
工程Aは、通常、−20〜120℃、好ましくは、10〜100℃、より好ましくは、20〜80℃の範囲内の温度で実施される。
当該温度が低すぎる場合、原料転化率、及び収率が低くなる傾向がある。
一方、当該温度が高すぎる場合、後記の分析方法による分析において、工程Aの反応後の混合物中に、原料である前記アクリル酸誘導体[A]、及び副生成物又は分解物の存在が推測される場合がある。
[分析方法]
反応終了後、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼンを加え、重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施する。または、内部標準物質としてドデカンを加え、ガスクロマトグラフィーによる定量を実施する。
一方、当該温度が高すぎる場合、後記の分析方法による分析において、工程Aの反応後の混合物中に、原料である前記アクリル酸誘導体[A]、及び副生成物又は分解物の存在が推測される場合がある。
[分析方法]
反応終了後、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼンを加え、重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施する。または、内部標準物質としてドデカンを加え、ガスクロマトグラフィーによる定量を実施する。
反応時間
当該反応の反応時間は、例えば、所望する原料転化率、及び収率を基づいて設定すればよく、具体的には通常0.5〜24時間であり、好ましくは、6〜18時間である。
当該反応時間は、より高い反応温度を採用することにより、より短くすることができる。
当該反応の反応時間は、例えば、所望する原料転化率、及び収率を基づいて設定すればよく、具体的には通常0.5〜24時間であり、好ましくは、6〜18時間である。
当該反応時間は、より高い反応温度を採用することにより、より短くすることができる。
転化率、選択率、及び収率
当該製造方法によれば、原料である化合物(II)の転化率は好ましくは、70%以上、より好ましくは、80%以上であり、更に好ましくは、90%以上であることができる。
当該製造方法によれば、原料である化合物(II)の転化率は好ましくは、70%以上、より好ましくは、80%以上であり、更に好ましくは、90%以上であることができる。
当該製造方法によれば、アクリル酸誘導体[A]の選択率は好ましくは、90%以上であり、より好ましくは、95%以上であることができる。
当該製造方法によれば、アクリル酸誘導体[A]の収率は好ましくは、85%以上であり、より好ましくは、90%以上であることができる。
本発明の組成物の製造方法III(製造方法4の一態様)
本発明の組成物は、例えば、
式(II−b):
[式中、
X2は、ハロゲン原子を表し、
R2は、前記式(I)における意義と同意義を表す。]
で表される化合物(本明細書中、化合物(II−b)と称する場合がある。)を、遷移金属触媒の存在下、且つ溶媒の不存在下で、
(a)式(III−b):
[式中、R1は、前記式(I)における意義と同意義を表す。]
で表されるアルコール(本明細書中、アルコール(III−b)と称する場合がある。)、
(b)一酸化炭素、及び
(c)有機塩基(c)
と反応させて、
前記アクリル酸誘導体[A]、及び前記イオン液体[B]を得る
る工程A−bを含む製造方法によって製造できる。
本発明の組成物は、例えば、
式(II−b):
X2は、ハロゲン原子を表し、
R2は、前記式(I)における意義と同意義を表す。]
で表される化合物(本明細書中、化合物(II−b)と称する場合がある。)を、遷移金属触媒の存在下、且つ溶媒の不存在下で、
(a)式(III−b):
で表されるアルコール(本明細書中、アルコール(III−b)と称する場合がある。)、
(b)一酸化炭素、及び
(c)有機塩基(c)
と反応させて、
前記アクリル酸誘導体[A]、及び前記イオン液体[B]を得る
る工程A−bを含む製造方法によって製造できる。
X2は、好ましくは、臭素原子である。
工程A−bの反応は、溶媒の不存在下で実施される。ここで、「溶媒の不存在下」なる語句は、工程A−bの反応系が、当該溶媒を含有しないこと、及び当該溶媒を実質的に含有しないことを包含することを意図して用いられる。従って、例えば、工程A−bの反応に、反応溶媒として実質的に機能できない程度の量で、工程A−bの反応系が溶媒を含有する場合は、「溶媒の不存在下」に該当する。
当該「溶媒」からは、工程A−bの反応基質、及び生成物は除外される。従って、アルコール(III−b)、及びイオン液体[B]は溶媒として機能し得るが、工程A−bの反応系がこれらを含有する場合も、「溶媒の不存在下」に該当する。
工程A−bの反応は、溶媒の不存在下でも、好適に進行することができる。
工程A−bの反応が溶媒の不存在下で実施されることにより、当該態様の製造方法で得られる組成物は、このような溶媒を除去する必要が無く、精製が容易である。
当該「溶媒」からは、工程A−bの反応基質、及び生成物は除外される。従って、アルコール(III−b)、及びイオン液体[B]は溶媒として機能し得るが、工程A−bの反応系がこれらを含有する場合も、「溶媒の不存在下」に該当する。
工程A−bの反応は、溶媒の不存在下でも、好適に進行することができる。
工程A−bの反応が溶媒の不存在下で実施されることにより、当該態様の製造方法で得られる組成物は、このような溶媒を除去する必要が無く、精製が容易である。
工程A−bで用いられる有機塩基(c)は、化合物(II−b)、アルコール(III−b)、及び一酸化炭素との反応において、塩基として作用する。
有機塩基(c)の一部、又は全部は、化合物(II−b)に由来する式:HX2[式中の記号は、前記式(II−b)における意義と同意義を表す。]で表される酸の一部、又は全部とともに、イオン液体[B]を形成する。
有機塩基(c)の一部、又は全部は、化合物(II−b)に由来する式:HX2[式中の記号は、前記式(II−b)における意義と同意義を表す。]で表される酸の一部、又は全部とともに、イオン液体[B]を形成する。
当該製造方法では、このようにイオン液体[B]が生じえるので、イオン液体[B]の添加が不要であるか、又はその添加量を減じることができる点で好ましい。
R1は、好ましくは、メチル基、又はエチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。
製造方法IIIで用いられるアルコール(III−b)は、前記製造方法IIで用いられるアルコール(III)と同様であることができ、及び同様に用いられ得る。
遷移金属触媒
工程A−bは、遷移金属触媒の存在下で実施される。工程A−bにおいては、当該遷移金属触媒として、前記特許文献3に記載されている遷移金属触媒を、これに記載されているのと同様の方法で用いることができる。
工程A−bは、遷移金属触媒の存在下で実施される。工程A−bにおいては、当該遷移金属触媒として、前記特許文献3に記載されている遷移金属触媒を、これに記載されているのと同様の方法で用いることができる。
有機塩基(c)
工程A−bで用いられる有機塩基(c)は、前記製造方法IIで用いられる有機塩基(c)と同様であることができ、及び同様に用いられ得る。
工程A−bで用いられる有機塩基(c)は、前記製造方法IIで用いられる有機塩基(c)と同様であることができ、及び同様に用いられ得る。
有機塩基(c)以外の塩基
工程A−bでは、有機塩基(c)と組み合わせて、有機塩基(c)以外の塩基を用いてもよい。
当該有機塩基(c)以外の塩基としては、例えば、無機塩基、及び有機金属塩基が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等が挙げられる。
有機金属塩基としては、例えば、
ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、エチルナトリウム等の有機アルカリ金属化合物;
メチルマグネシウムブロミド、ジメチルマグネシウム、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルカルシウムブロミド、ビス(ジシクロペンタジエン)カルシウム等の有機アルカリ土類金属化合物;及び
ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシド等のアルコキサイド
等が挙げられる。
工程A−bでは、有機塩基(c)と組み合わせて、有機塩基(c)以外の塩基を用いてもよい。
当該有機塩基(c)以外の塩基としては、例えば、無機塩基、及び有機金属塩基が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等が挙げられる。
有機金属塩基としては、例えば、
ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、エチルナトリウム等の有機アルカリ金属化合物;
メチルマグネシウムブロミド、ジメチルマグネシウム、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルカルシウムブロミド、ビス(ジシクロペンタジエン)カルシウム等の有機アルカリ土類金属化合物;及び
ナトリウムメトキシド、ナトリウムt−ブトキシド等のアルコキサイド
等が挙げられる。
当該アミン以外の塩基は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。
当該アミン以外の塩基の好ましい例としては、水酸化リチウム、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムが挙げられる。当該アミン以外の塩基の好ましい例としては、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムが挙げられる。
当該アミン以外の塩基の好ましい例としては、水酸化リチウム、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムが挙げられる。当該アミン以外の塩基の好ましい例としては、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムが挙げられる。
有機塩基(c)に組み合わせて、その他の塩基を用いる場合、有機塩基(c)の量を減じることができ、有機塩基(c)を含む塩基の総量は、前記化合物(II−b)の1モルに対して、通常0.2〜5モル、好ましくは、約0.5〜3モルである。
温度
工程A−bは、通常、10〜150℃、好ましくは、50〜120℃、より好ましくは、60〜110℃、更に好ましくは、60〜100℃の範囲内の温度で実施される。
工程A−bは、通常、10〜150℃、好ましくは、50〜120℃、より好ましくは、60〜110℃、更に好ましくは、60〜100℃の範囲内の温度で実施される。
当該温度が低すぎる場合、原料転化率、及び収率が低くなる傾向がある。
一方、当該温度が高すぎる場合、後記の分析方法による分析において、工程A−bの反応後の混合物中に、原料である前記アクリル酸誘導体[A]、及び副生成物又は分解物の存在が推測される場合がある。
[分析方法]
反応終了後、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼンを加え、重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施する。
一方、当該温度が高すぎる場合、後記の分析方法による分析において、工程A−bの反応後の混合物中に、原料である前記アクリル酸誘導体[A]、及び副生成物又は分解物の存在が推測される場合がある。
[分析方法]
反応終了後、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼンを加え、重クロロホルムで希釈し、19F−NMR積分値による定量を実施する。
反応時間
当該反応の反応時間は、例えば、所望する原料転化率、及び収率を基づいて設定すればよく、具体的には通常1〜24時間であり、好ましくは、6〜18時間である。
当該反応時間は、より高い反応温度を採用することにより、より短くすることができる。
当該反応の反応時間は、例えば、所望する原料転化率、及び収率を基づいて設定すればよく、具体的には通常1〜24時間であり、好ましくは、6〜18時間である。
当該反応時間は、より高い反応温度を採用することにより、より短くすることができる。
転化率、選択率、及び収率
当該製造方法によれば、原料である化合物(II−b)の転化率は好ましくは、70%以上、より好ましくは、80%以上であり、更に好ましくは、90%以上であることができる。
当該製造方法によれば、原料である化合物(II−b)の転化率は好ましくは、70%以上、より好ましくは、80%以上であり、更に好ましくは、90%以上であることができる。
当該製造方法によれば、アクリル酸誘導体[A]の選択率は好ましくは、90%以上であり、より好ましくは、95%以上であることができる。
当該製造方法によれば、アクリル酸誘導体[A]の収率は好ましくは、85%以上であり、より好ましくは、90%以上であることができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、定量分析は、19F−NMR(内部標準物質:ヘキサフルオロベンゼン)、またはガスクロマトグラフィー(内部標準物質:ドデカン)を用いて実施した。
製造例1
ガラス反応容器に2,2,2−トリフルオロエタノール15.0g、1−メチルイミダゾール9.8gを仕込み、メタクリル酸クロライド10.5gを室温で滴下し4時間撹拌した。反応終了後の生成液は33.9gであり、この反応生成液を分析した結果、当該反応生成液はメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチルエステルを15.8g、イオン液体として1−メチルイミダゾール塩酸塩を11.1g含んでいた。
以下、定量分析は、19F−NMR(内部標準物質:ヘキサフルオロベンゼン)、またはガスクロマトグラフィー(内部標準物質:ドデカン)を用いて実施した。
製造例1
ガラス反応容器に2,2,2−トリフルオロエタノール15.0g、1−メチルイミダゾール9.8gを仕込み、メタクリル酸クロライド10.5gを室温で滴下し4時間撹拌した。反応終了後の生成液は33.9gであり、この反応生成液を分析した結果、当該反応生成液はメタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチルエステルを15.8g、イオン液体として1−メチルイミダゾール塩酸塩を11.1g含んでいた。
製造例2
オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン20.0g、トリブチルアミン32.6g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.56g、炭酸リチウム1.2g、及びメタノール15.4gを仕込み、一酸化炭素1.0MPaGを導入し90℃で6時間撹拌した。未反応のガスをパージし、オートクレーブ内の反応生成液を全て取り出した。その量は、71.8gであった。この反応生成液を分析した結果、当該反応生成液は、2−フルオロアクリル酸メチルエステルを15.5g、イオン液体としてトリブチルアミン臭化水素酸塩を41.8g含んでいた。
製造例3
製造例2と同様にして、但し、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)に変えて、塩化パラジウム(II)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを用いて、2−フルオロアクリル酸メチルエステル15.8g、及びイオン液体としてトリブチルアミン臭化水素酸塩42.1gを含む反応生成液72.5gを得た。
オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン20.0g、トリブチルアミン32.6g、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.56g、炭酸リチウム1.2g、及びメタノール15.4gを仕込み、一酸化炭素1.0MPaGを導入し90℃で6時間撹拌した。未反応のガスをパージし、オートクレーブ内の反応生成液を全て取り出した。その量は、71.8gであった。この反応生成液を分析した結果、当該反応生成液は、2−フルオロアクリル酸メチルエステルを15.5g、イオン液体としてトリブチルアミン臭化水素酸塩を41.8g含んでいた。
製造例3
製造例2と同様にして、但し、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)に変えて、塩化パラジウム(II)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを用いて、2−フルオロアクリル酸メチルエステル15.8g、及びイオン液体としてトリブチルアミン臭化水素酸塩42.1gを含む反応生成液72.5gを得た。
実施例1
前記製造例2により得られた、結晶性塩を含まない反応生成液71.8gを、真空度30〜1.0kPa、蒸留釜内温40〜80℃の範囲で1時間蒸留することで、2−フルオロアクリル酸メチルエステルを含む留分を26.3g回収した。留分回収後の蒸留残渣は撹拌可能な液体であった。当該留分における、2−フルオロアクリル酸メチルエステルの純度は56.3%であり、及びその回収率は95.5%であった。
前記製造例2により得られた、結晶性塩を含まない反応生成液71.8gを、真空度30〜1.0kPa、蒸留釜内温40〜80℃の範囲で1時間蒸留することで、2−フルオロアクリル酸メチルエステルを含む留分を26.3g回収した。留分回収後の蒸留残渣は撹拌可能な液体であった。当該留分における、2−フルオロアクリル酸メチルエステルの純度は56.3%であり、及びその回収率は95.5%であった。
比較例1
製造例2と同様にして、但し、トリブチルアミンに換えて、トリエチルアミンを用いて、2−フルオロアクリル酸メチルエステル14.7g、及び結晶性塩としてトリエチルアミン臭化水素酸塩27.5gを含む、イオン性液体を含まない反応生成液57.1gを得た。当該反応生成物57.1gを、真空度30〜1.0kPa、蒸留釜内温40〜80℃の範囲で2時間蒸留することで、2−フルオロアクリル酸メチルエステルを含む留分を19.1g回収した。留分回収後の蒸留残渣は撹拌不能な固体が主成分であった。当該留分における、2−フルオロアクリル酸メチルエステルの純度は54.0%であり、及びその回収率は70.2%であった。
製造例2と同様にして、但し、トリブチルアミンに換えて、トリエチルアミンを用いて、2−フルオロアクリル酸メチルエステル14.7g、及び結晶性塩としてトリエチルアミン臭化水素酸塩27.5gを含む、イオン性液体を含まない反応生成液57.1gを得た。当該反応生成物57.1gを、真空度30〜1.0kPa、蒸留釜内温40〜80℃の範囲で2時間蒸留することで、2−フルオロアクリル酸メチルエステルを含む留分を19.1g回収した。留分回収後の蒸留残渣は撹拌不能な固体が主成分であった。当該留分における、2−フルオロアクリル酸メチルエステルの純度は54.0%であり、及びその回収率は70.2%であった。
Claims (4)
- [A]式(I):
R1は、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、及び
R2は、ハロゲン原子、メチル基、フルオロアルキル基、又は水素原子を表す。]
で表されるアクリル酸誘導体、及び
[B]120℃の温度で液体であるイオン液体
を含有する組成物。 - R2が、ハロゲン原子である請求項1に記載の組成物。
- 前記イオン液体[B]が、アミン、及びイミダゾール化合物からなる群より選択される1種以上の有機塩基と、臭化水素、及び塩化水素からなる群より選択される1種以上の酸との塩である請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記イオン液体[B]が、トリ−n−ブチルアミン臭化水素酸塩である請求項3に記載の組成物。
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WO2022039241A1 (ja) * | 2020-08-19 | 2022-02-24 | ダイキン工業株式会社 | アクリル酸エステル化合物の精製方法 |
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