JP2014019844A - 蛍光体分散液及びled装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、長期間に亘り、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が劣化しない蛍光体分散液、及びこれを用いたLED装置の製造方法を提供することにある。
【解決手段】アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子と、脂肪族アルコールを含む溶媒とを含み、前記溶媒が含む1価の2級脂肪族アルコール及び1価の3級脂肪族アルコールの総量は、脂肪族アルコールの総量に対して、15質量%以下である、蛍光体分散液とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子を含む蛍光体分散液及びLED装置の製造方法に関する。
近年、白色LED装置は、従来の蛍光灯や白熱電灯の代替品として、実用化されている。白色LED装置の一例に、YAG等の黄色蛍光体粒子を窒化ガリウム(GaN)系の青色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)素子の近傍に配置したものがある。この装置では、青色LED素子が出射する青色光と、青色光を受けて蛍光体が発する黄色光粒子とを混色して白色光を得る。
通常、蛍光体粒子は、透明樹脂に分散されて、LED素子近傍に配置される(特許文献1〜3等)。しかし、蛍光体粒子を透明樹脂に分散させた場合には、LED素子からの光や熱等によって透明樹脂が劣化しやすい、という問題があった。
そこで、蛍光体粒子を透光性セラミックに分散させることが提案されている(例えば特許文献4)。特許文献4の技術では、1)蛍光体粒子を溶媒に分散させた蛍光体分散液をLED素子上に塗布する。2)得られた蛍光体層上に、さらに透光性セラミック前駆体を塗布し、透光性セラミックで蛍光体層を結着する。蛍光体分散液の溶媒には、蛍光体分散液の粘度等の観点から、通常脂肪族アルコールが含まれる。
近年、白色LED装置の輝度を高めることが求められており、前述のYAG以外の蛍光体を使用することが検討されている。実用化が検討されている蛍光体の1つに、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体がある。アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体には、青色光を照射すると、既存のYAGと同等以上の高い輝度で、黄色もしくはオレンジ色の光を発するものがある(特許文献5)。
特開2002−314142号公報 特開2002−185046号公報 特開2004−153109号公報 国際公開第2012/023425号 特開2006−111830号公報
しかし、本発明者の検討によって、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体は脂肪族アルコール系溶媒に分散させると劣化しやすい、との知見が得られた。つまり、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体を脂肪族アルコール系の溶媒に分散させた蛍光体分散液でLED装置の波長変換部を形成すると、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が十分に発光しないおそれがある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、長期間に亘り、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が劣化しない蛍光体分散液、及びこれを用いたLED装置の製造方法を提供する。
本発明者は、(1)アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が1価の2級脂肪族アルコール及び1価の3級脂肪族アルコールによって劣化しやすいこと、(2)アルカリ土類ケイ酸塩がその他の脂肪族アルコールには安定であること、を見出した。そこで、本発明の蛍光体分散液では、脂肪族アルコールの総量に対する、1価の2級脂肪族アルコールまたは1価の3級脂肪族アルコールの総量の比率を、所定値以下とする。
すなわち、本発明の第1は、以下の蛍光体分散液に関する。
[1]アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子と、脂肪族アルコールを含む溶媒とを含み、前記溶媒が含む1価の2級脂肪族アルコール及び1価の3級脂肪族アルコールの総量は、脂肪族アルコールの総量に対して、15質量%以下である、蛍光体分散液。
[2]前記溶媒が、1価の1級脂肪族アルコールを含む、[1]に記載の蛍光体分散液。
[3]前記1価の1級脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールからなる群から選択される[2]に記載の蛍光体分散液。
[4]粘土鉱物粒子をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の蛍光体分散液。
[5]無機微粒子をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の蛍光体分散液。
[6]透光性セラミック前駆体をさらに含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の蛍光体分散液。
本発明の第2は、以下のLED装置の製造方法に関する。
[7]特定波長の光を出射するLED素子と、前記LED素子上に形成され、LED素子からの光を他の特定波長の光に変換する波長変換部とを有するLED装置の製造方法であって、LED素子を準備する工程と、前記LED素子上に、[1]〜[5]のいずれかに記載の蛍光体分散液を塗布し、蛍光体層を形成する工程と、透光性セラミック前駆体を含む透光性セラミック前駆体含有液を前記蛍光体層上に塗布し、前記蛍光体層を透光性セラミックで結着した波長変換部を形成する工程とを有する、LED装置の製造方法。
[8]特定波長の光を出射するLED素子と、前記LED素子上に形成され、LED素子からの光を他の特定波長の光に変換する波長変換部とを有するLED装置の製造方法であって、LED素子を準備する工程と、前記LED素子上に、[6]に記載の蛍光体分散液を塗布し、前記アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子を透光性セラミックで結着した波長変換部を形成する工程とを有する、LED装置の製造方法。
本発明の蛍光体分散液では、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が長期間に亘り劣化し難い。したがって、本発明の蛍光体分散液を塗布して形成したLED装置の波長変換部は、十分に蛍光を発する。
本発明の製造方法で製造するLED装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の製造方法で製造するLED装置の他の例を示す概略断面図である。
1.蛍光体分散液
本発明の蛍光体分散液には、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子、及び脂肪族アルコールを含む溶媒が含まれ、必要に応じて粘土鉱物粒子、無機微粒子、透光性セラミック前駆体等が含まれる。
前述のように、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子は、1価の2級脂肪族アルコールまたは1価の3級脂肪族アルコールによって劣化しやすい。一方で、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子は、1価の1級脂肪族アルコールや、多価脂肪族アルコールに対して安定である。そこで、本発明の蛍光体分散液では、溶媒中に含まれる脂肪族アルコールの総量に対する、1価の2級脂肪族アルコールまたは1価の3級脂肪族アルコールの総量の比率を所定値以下とし、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の劣化を抑制する。
・アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子
アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体とは、アルカリ土類金属を含むケイ酸塩化合物を母体とする蛍光体である。アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子は、LED素子から出射する特定波長(励起波長)の光を受けて、励起波長と異なる波長の蛍光を発する。アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の発する光の色は特に制限されないが、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が緑色から黄色、もしくはオレンジ色の光を発することが好ましく、特に黄色やオレンジ色を発することが好ましい。
アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体の例には、CaSiO:(Eu,Ce,Pb,Ti,Mn)、(Be,Mg,Zn,Ba,Sr)SiO:(Mn,P,As,Ti,Li,Eu)、BaSi(Eu,Pb)、CaMgSi:Eu、CaMgSi、(Ca,Sr,Ba)MgSi:(Eu,Mn)、BaMgSi:Eu、(Sr,Ba,Mg)SiO:Eu、BaSrMgSi:Eu、BaLiSi:(Sn,Mn)、MgSrBaSi:Eu、MgSrSi:(Eu,Mn)、SrMgSi:Eu、CaSiO10:Eu、CaAlSi12:Eu、LiCeBaSi14:Mn、CaSiO:Eu、LiSrSiO:Eu、(Sr、Ba)SiO:(Eu,Yb)、SrBaMgSiOCl0.12:Eu(x+y+z=2)等が含まれる。
本明細書では、構造の一部のみが異なる蛍光体を、適宜省略して示す。例えば、「BaLiSi:(Sn,Mn)」との記載には、「BaLiSi:Sn」、「BaLiSi:Mn」及び「BaLiSi:(Sn,Mn)」等が含まれる。省略箇所はカンマ(,)で区切って示す。
アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体は、LED素子からの青色光(波長420nm〜485nm程度の光)を受けて、既存のYAG:Ce蛍光体と同等以上の高い輝度で、黄色やオレンジ色に発光するものが特に好ましい。具体的には、SrSiO:Eu、(Sr、Ba)SiO:Eu、(Sr、Ba、Ca)SiO:Euで表されるストロンチウムシリケート蛍光体であることが好ましい。
アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の粒径は、大きければ大きいほど、発光効率(波長変換効率)が高くなる反面、蛍光体分散液の塗布膜において、蛍光体粒子と他の成分との間に隙間が生じやすくなる。つまり、得られる層の強度が低下しやすくなる。そこで、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の平均粒径は、1μm以上50μm以下であることが好ましい。アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の平均粒径は、例えばコールターカウンター法やレーザー回折・散乱式粒径測定装置によって測定することができる。
蛍光体分散液に含まれるアルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の量は、蛍光体分散液全量に対して、10〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜60質量%である。蛍光体粒子の量が10質量%未満であると、相対的に溶媒の量が増え、蛍光体分散液の塗布膜の乾燥に時間がかかる場合がある。一方、蛍光体粒子の量が70質量%を超えると、蛍光体分散液の粘度が高くなり、蛍光体分散液を塗布し難くなる場合がある。
アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子は、例えば以下の方法で得られる。1)所定の組成を有する混合原料に、フラックスを適量混合して、これを坩堝に詰める。2)混合物を、窒素/水素の還元性雰囲気中、1000〜1600℃で3〜7時間焼成する。3)得られた焼成物を粉砕し、粉砕物を再度坩堝に詰める。4)これを再度、窒素/水素の還元性雰囲気中、1000〜1600℃で2〜6時間焼成する。
所定の組成を有する混合原料は、構成元素の酸化物粉末(例えば酸化ケイ素、酸化ユーロピウム、酸化マグネシウム等)、または高温で容易に酸化物となる化合物(例えば炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸マンガン等)を、化学両論比で十分に混合して得られる。
・溶媒
溶媒には、脂肪族アルコールが含まれる。溶媒に含まれる脂肪族アルコールの量は、溶媒全質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
一方、脂肪族アルコールの沸点は、60℃以上250℃以下であることが好ましい。溶媒の沸点が250℃を超えると、蛍光体分散液の塗布膜が乾燥し難くなる。一方、溶媒の沸点が60℃未満であると、蛍光体分散液の塗布作業中に、蛍光体分散液が乾燥・固化してしまうおそれがある。
脂肪族アルコールの分子量は、100以下であることが好ましい。脂肪族アルコールの分子量が100を超えると、蛍光体分散液の粘度が高くなり過ぎる場合がある。
脂肪族アルコールの主鎖は、直鎖状、分岐鎖状、環状であってもよいが、直鎖状または分岐鎖状であることが、より好ましい。また、脂肪族アルコールは、1価のアルコール、2価以上の多価アルコールのいずれであってもよい。溶媒には、脂肪族アルコールが1種のみ含まれてもよく、2種以上含まれてもよい。溶媒に、1価のアルコール及び2価のアルコールが含まれると、蛍光体分散液の粘度が高まりやすく、さらに溶媒の乾燥性も高まるため好ましい。
ただし、前述のように、脂肪族アルコールの総量に対して、1価の2級脂肪族アルコールまたは1価の3級脂肪族アルコールが15質量%より多く含まれると、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が劣化しやすくなる。そこで、溶媒に含まれる1価の2級脂肪族アルコール及び1価の3級脂肪族アルコールの総量は、脂肪族アルコールの総量に対して、15質量%以下であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。溶媒に、1価の2級脂肪族アルコール及び1価の3級脂肪族アルコールが含まれないことが特に好ましい。
一方、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子は、1価の1級脂肪族アルコールに対して安定である。溶媒中に1価の1級脂肪族アルコールが含まれると、蛍光体分散液の乾燥性が高まりやすい。1価の1級脂肪族アルコールは、炭素数が5以下の低級アルコールであることが好ましく、特にメタノール、エタノール、1−プロパノール、または1−ブタノールであることが好ましい。1価の1級脂肪族アルコールの量は、蛍光体分散液全量に対して、10〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。
また、2価以上の多価脂肪族アルコールに対しても、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子は安定である。溶媒中に多価脂肪族アルコールが含まれると、蛍光体分散液の粘度が高まりやすく、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の沈降が抑制されやすい。
多価脂肪族アルコールは、炭素数が5以下であることが好ましい。多価脂肪族アルコールは、1級水酸基、2級水酸基、3級水酸基のいずれの水酸基を有していてもよい。1級水酸基のみ有する多価脂肪族アルコールの例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等がある。また、1級水酸基及び2級水酸基を有する多価脂肪族アルコールの例には、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール等が含まれる。得られる蛍光体分散液の粘度の観点から、多価脂肪族アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールであることが好ましい。多価脂肪族アルコールの量は、蛍光体分散液全量に対して、10〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。
溶媒には、脂肪族アルコール以外の常温で液体の化合物が含まれてもよい。例えば水が含まれてもよい。溶媒に水が含まれると、粘土鉱物粒子の層間に水が入り込んで粘土鉱物粒子が膨潤し、蛍光体分散液の粘度がより高まる。
蛍光体分散液に含まれる水の量は、蛍光体分散液全量に対して、0.1〜4質量%であることが好ましく、0.5〜2質量%であることがより好ましい。水の量が少ないと、粘土鉱物粒子を十分に膨潤させることができない場合がある。一方、蛍光体分散液おける水の量が多すぎると、蛍光体分散液の濡れ性が低下する。そのため、蛍光体分散液を塗布した際に、均一な塗布膜が形成され難くなる。
蛍光体分散液に含まれる溶媒の総量は、蛍光体分散液の粘度が所定の範囲となるように調整されることが好ましい。通常、蛍光体分散液全量に対して30〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。溶媒の量が90質量%を超えると、蛍光体分散液の塗布膜の乾燥に時間がかかるおそれがある。一方、溶媒の量が30質量%未満であると、蛍光体分散液の粘度が高くなり、蛍光体分散液を塗布し難くなるおそれがある。
・粘土鉱物粒子
蛍光体分散液には、粘土鉱物粒子がさらに含まれてもよい。粘土鉱物粒子が含まれると、蛍光体分散液の粘度が高まり、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が沈降し難くなる。
粘土鉱物粒子の例には、層状ケイ酸塩鉱物、イモゴライト、アロフェン等が含まれる。層状ケイ酸塩鉱物は、雲母構造、カオリナイト構造、スメクタイト構造などの構造を有する膨潤性粘土鉱物であることが好ましく、膨潤性に富むスメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物がより好ましい。層状ケイ酸塩鉱物粒子は、蛍光体分散液中で、カードハウス構造を形成する。そのため、層状ケイ酸塩鉱物粒子が少量含まれるだけで、蛍光体分散液の粘度が大幅に高まる。また、層状ケイ酸塩鉱物は平板状を呈するため、蛍光体分散液を塗布して得られる層の膜強度も高まる。
粘土鉱物粒子である、層状ケイ酸塩鉱物の例には、天然または合成の、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ハイデライト、モンモリロナイト、ノントライト、ベントナイト等のスメクタイト族粘土鉱物や、Na型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母族粘土鉱物およびバーミキュラライトやカオリナイト、またはこれらの混合物が含まれる。
粘土鉱物粒子の市販品の例には、ラポナイトXLG(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、ラポナイトRD(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、サーマビス(独国、ヘンケル社製合成ヘクトライト類似物質)、スメクトンSA−1(クニミネ工業(株)製サポナイト類似物質)、ベンゲル(ホージュン(株)販売の天然ベントナイト)、クニピアF(クニミネ工業(株)販売の天然モンモリロナイト)、ビーガム(米国、バンダービルト社製の天然ヘクトライト)、ダイモナイト(トピー工業(株)製の合成膨潤性雲母)、ソマシフ(コープケミカル(株)製の合成膨潤性雲母)、SWN(コープケミカル(株)製の合成スメクタイト)、SWF(コープケミカル(株)製の合成スメクタイト)等が含まれる。
粘土鉱物粒子の表面は、アンモニウム塩等で修飾(表面処理)されていてもよい。粘土鉱物粒子が、表面処理されていると、蛍光体分散液中での粘土鉱物粒子の分散性が高まる。
蛍光体分散液に含まれる粘土鉱物粒子の量は、蛍光体分散液の全質量に対して0.1〜7質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜5質量%である。粘土鉱物粒子の含有量が0.1質量%未満であると、蛍光体分散液の粘度が高まらず、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が沈降しやすくなる。一方、粘土鉱物粒子の量が過剰であると、蛍光体分散液を塗布して得られる層がもろくなり、亀裂が生じやすくなったりする。
・無機微粒子
蛍光体分散液には、無機微粒子がさらに含まれてもよい。蛍光体分散液に無機微粒子が含まれると、蛍光体分散液の粘度が高まり、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が沈降し難くなる。また、蛍光体分散液から形成される層において、蛍光体粒子同士の隙間が無機微粒子によって埋まり、層の強度が高まる。
無機微粒子の例には、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの酸化物微粒子、フッ化マグネシウムなどのフッ化物微粒子等が含まれる。蛍光体分散液に、無機微粒子は1種のみ含まれてもよく、2種以上含まれていてもよい。
無機微粒子の表面は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理されていてもよい。無機微粒子の表面が処理されていると、蛍光体分散液において、無機微粒子が均一に分散されやすくなる。
無機微粒子の平均粒径は、0.001μm〜50μmであることが好ましい。無機微粒子の平均粒径が50μmを超えると、前述の蛍光体分散液の増粘効果や、層の強度向上効果が得られ難い。無機微粒子の平均粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定する。
蛍光体分散液中に含まれる無機微粒子の量は、蛍光体分散液の全質量に対して、1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜5質量%である。無機微粒子の量が40質量%を超えると、相対的にアルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の量が少なくなる。そのため、蛍光体分散液から形成される層において、十分な蛍光が得られないおそれがある。一方、無機微粒子の量が1質量%未満であると、前述の蛍光体分散液の増粘効果や、層の強度向上効果が十分に得られないおそれがある。
・透光性セラミック前駆体
蛍光体分散液には、さらに透光性セラミック前駆体が含まれていてもよい。蛍光体分散液に透光性セラミック前駆体が含まれる場合、蛍光体分散液の塗布膜を硬化させることで、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が、透明セラミックで結着された層が得られる。
透光性セラミック前駆体は、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート等でありうる。蛍光体分散液には、複数種類の金属化合物が含まれてもよい。これらの中でも、透光性セラミック前駆体は、透光性セラミックが得られやすいとの観点から、金属アルコキシドであることが好ましい。
金属アルコキシド等に含まれる金属の種類は、特に制限されないが、得られる透光性セラミックの安定性や製造の容易性の観点から、ケイ素が含まれることが好ましい。
ケイ素が含まれる金属アルコキシド等は、テトラエトキシシランのような単分子であってもよく、金属アルコキシドが鎖状または環状に連なったポリシロキサンであってもよい。透光性セラミック前駆体がポリシロキサンであると、蛍光体分散液の粘度が高まり、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が沈降し難くなる。
ポリシロキサンの質量平均分子量は、好ましくは1000〜3000であり、より好ましくは1200〜2700であり、さらに好ましくは1500〜2000である。ポリシロキサンの質量平均分子量が1000未満であると、蛍光体分散液の粘度が低くなり、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が沈降する場合がある。一方、質量平均分子量が3000を超えると、蛍光体分散液の粘度が高くなり、蛍光体分散液の塗布が困難となる場合がある。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値(ポリスチレン換算)である。ポリシロキサンの調製方法は、後述する。
一方、透光性セラミック前駆体の好ましい例には、ポリシラザンオリゴマーも含まれる。ポリシラザンオリゴマーは、一般式(I):(RSiNRで表される。一般式(I)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、ビニル基、またはシクロアルキル基を表すが、R、R、Rのうち少なくとも1つは水素原子であり、好ましくはすべてが水素原子である。nは1〜60の整数を表す。ポリシラザンオリゴマーの分子形状はいかなる形状であってもよく、例えば、直鎖状または環状であってもよい。
透光性セラミック前駆体は、蛍光体分散液の固形分全質量に対して、10〜50質量%含まれていることが好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。透光性セラミック前駆体の量が10質量%未満であると、蛍光体分散液から形成される層において、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が透光性セラミックで十分に結着されないおそれがある。一方、透光性セラミック前駆体の量が、50質量%を超えると、相対的にアルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の量が少なくなる。そのため、蛍光体分散液から形成される層において、十分な蛍光が得られない可能性がある。
蛍光体分散液には、透光性セラミック前駆体(特にポリシラザンオリゴマー)と共に、反応促進剤が含まれてもよい。反応促進剤の例には、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸やニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属カルボン酸塩等が含まれる。反応促進剤は、金属カルボン酸塩であることが反応性等の観点から特に好ましい。蛍光体分散液における反応促進剤の好ましい含有量は、ポリシラザンオリゴマーの量に対して、0.01〜5mol%である。
(ポリシロキサンの調製方法)
透光性セラミック前駆体でありうる、ポリシロキサンは、例えば以下の一般式(II)で表されるアルコキシシランまたはアリールオキシシランを重合して得られる。
Si(OR)4−n (II)
一般式(II)中、nはアルコキシ基またはアリールオキシ基(OR)の数を表し、2以上4以下の整数である。また、Rは、それぞれ独立にアルキル基またはフェニル基を表し、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基を表す。
上記一般式(II)式中、Yは、水素原子、または1価の有機基を表す。Yで表される1価の有機基の具体例には、炭素数が1〜1000、好ましくは500以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは6以下の脂肪族基、脂環族基、芳香族基、脂環芳香族基が含まれる。これらの1価の有機基は、連結基を介して、肪族基、脂環族基、芳香族基、または脂環芳香族基同士が結合した基であってもよい。連結基は、O、N、S等の原子またはこれらを含む原子団であってもよい。また、Yで表される1価の有機基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、例えば、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アシル基、アルコキシ基、イミノ基、フェニル基等の有機官能基等が含まれる。
上記一般式(II)で表されるアルコキシシランは、例えば以下の4官能のシラン化合物、3官能のシラン化合物、2官能のシラン化合物等でありうる。
4官能のシラン化合物の例には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラペンチルオキシシラン、テトラフェニルオキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリエトキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシトリブトキシシラン、モノメトキシトリペンチルオキシシラン、モノメトキシトリフェニルオキシシラン、ジメトキシジプロポキシシラン、トリプロポキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノブトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン、トリエトキシモノプロポキシシラン、ジエトキシジプロポキシシラン、トリブトキシモノプロポキシシラン、ジメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノプロポキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジブトキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジブトキシモノエトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシモノエトキシモノプロポキシモノブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン等が含まれる。これらの中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
3官能のシラン化合物の例には、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリペンチルオキシシラン、トリフェニルオキシシラン、ジメトキシモノエトキシシラン、ジエトキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシルモノメトキシシラン、ジペンチルオキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシモノプロポキシシラン、ジフェニルオキシルモノメトキシシラン、ジフェニルオキシモノエトキシシラン、ジフェニルオキシモノプロポキシシラン、メトキシエトキシプロポキシシラン、モノプロポキシジメトキシシラン、モノプロポキシジエトキシシラン、モノブトキシジメトキシシラン、モノペンチルオキシジエトキシシラン、モノフェニルオキシジエトキシシラン等のモノヒドロシラン化合物;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジエトキシシラン、メチルモノメトキシジプロポキシシラン、メチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、メチルメトキシエトキシプロポキシシラン、メチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノメチルシラン化合物;エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシジエトキシシラン、エチルモノメトキシジプロポキシシラン、エチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、エチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノエチルシラン化合物;プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリペンチルオキシシラン、プロピルトリフェニルオキシシラン、プロピルモノメトキシジエトキシシラン、プロピルモノメトキシジプロポキシシラン、プロピルモノメトキシジペンチルオキシシラン、プロピルモノメトキシジフェニルオキシシラン、プロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、プロピルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノプロピルシラン化合物;ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリペンチルオキシシラン、ブチルトリフェニルオキシシラン、ブチルモノメトキシジエトキシシラン、ブチルモノメトキシジプロポキシシラン、ブチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、ブチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、ブチルメトキシエトキシプロポキシシラン、ブチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノブチルシラン化合物が含まれる。これらの中でも、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランがより好ましく、メチルトリメトキシシランがさらに好ましい。
2官能のシラン化合物の具体例には、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジプロポキシシラン、ジペンチルオキシシラン、ジフェニルオキシシラン、メトキシエトキシシラン、メトキシプロポキシシラン、メトキシペンチルオキシシラン、メトキシフェニルオキシシラン、エトキシプロポキシシラン、エトキシペンチルオキシシラン、エトキシフェニルオキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルメトキシエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルメトキシプロポキシシラン、メチルメトキシペンチルオキシシラン、メチルメトキシフェニルオキシシラン、エチルジプロポキシシラン、エチルメトキシプロポキシシラン、エチルジペンチルオキシシラン、エチルジフェニルオキシシラン、プロピルジメトキシシラン、プロピルメトキシエトキシシラン、プロピルエトキシプロポキシシラン、プロピルジエトキシシラン、プロピルジペンチルオキシシラン、プロピルジフェニルオキシシラン、ブチルジメトキシシラン、ブチルメトキシエトキシシラン、ブチルジエトキシシラン、ブチルエトキシプロポキシシシラン、ブチルジプロポキシシラン、ブチルメチルジペンチルオキシシラン、ブチルメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジペンチルオキシシラン、ジメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルエトキシプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルメトキシプロポキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルエトキシプロポキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジペンチルオキシシラン、ジプロピルジフェニルオキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルメトキシペンチルオキシシラン、ジブチルメトキシフェニルオキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、メチルエチルジペンチルオキシシラン、メチルエチルジフェニルオキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルブチルジメトキシシラン、メチルブチルジエトキシシラン、メチルブチルジプロポキシシラン、メチルエチルエトキシプロポキシシラン、エチルプロピルジメトキシシラン、エチルプロピルメトキシエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルメトキシエトキシシラン、プロピルブチルジメトキシシラン、プロピルブチルジエトキシシラン、ジブチルメトキシエトキシシラン、ジブチルメトキシプロポキシシラン、ジブチルエトキシプロポキシシラン等が含まれる。中でもジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましい。
ポリシロキサンは、上記アルコキシシランまたはアリールオキシシランを、酸触媒、水、有機溶媒の存在下で加水分解し、縮合反応させる方法で調製できる。ポリシロキサンの質量平均分子量は、反応条件(特に反応時間)等で、調整可能である。
この際、4官能シラン化合物と、3官能シラン化合物や2官能シラン化合物とを所望のモル比率で予め混合し、ランダムに重合させてもよい。また3官能シラン化合物または2官能シラン化合物を単独である程度重合させてオリゴマーとした後、このオリゴマーに4官能シラン化合物のみを重合させる等して、ブロック共重合体としてもよい。
ポリシロキサンの調製用の酸触媒は、下記一般式(III)で表わされる有機スルホン酸であることが特に好ましい。
−SOH …(III)
上記一般式(III)において、Rで表される炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状の飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20の炭化水素基である。環状の炭化水素基の例には、フェニル基、ナフチル基、またはアントリル基等の芳香族炭化水素基が含まれ、好ましくはフェニル基である。また、一般式(III)においてRで表される炭化水素基は、置換基を有してもよい。置換基の例には、直鎖状、分岐鎖状、または環状の、炭素数1〜20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基;フッ素原子等のハロゲン原子;スルホン酸基;カルボキシル基;水酸基;アミノ基;シアノ基等が含まれる。
上記一般式(III)で表わされる有機スルホン酸は、特にノナフルオロブタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、またはドデシルベンゼンスルホン酸であることが好ましい。
ポリシロキサンの調製時に添加する酸触媒の量は、ポリシロキサン調製液全量に対して1〜1000質量ppmであることが好ましく、より好ましくは5〜800質量ppmである。
ポリシロキサンの調製時に添加する水の量によって、ポリシロキサンを焼成した後の膜の性質が変化する。したがって、目的とする膜の性質に応じて、ポリシロキサン調製時の水添加率を調整することが好ましい。水添加率とは、ポリシロキサンの調製液に含まれるシラン化合物のアルコキシ基またはアリールオキシ基のモル数に対する、添加する水分子のモル数の割合(%)である。水添加率は、50〜200%であることが好ましく、より好ましくは75〜180%である。水添加率を、50%以上とすることで、ポリシロキサンの焼成後に均一な膜が得られやすい。また水添加率を200%以下とすることで、ポリシロキサンが含まれる蛍光体分散液の保存安定性が良好となる。
ポリシロキサンの調製時に添加する溶媒の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール等の一価アルコール;メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のアルキルカルボン酸エステル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類、あるいはこれらのモノアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等のケトン類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等の多価アルコールの水酸基をすべてアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;等が含まれる。これらは1種単独で添加してもよく、また2種以上を添加してもよい。
・蛍光体分散液の粘度
本発明の蛍光体分散液は、25℃における粘度が、80〜1000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは150〜300mPa・sである。蛍光体分散液の粘度が低すぎると、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が沈降しやすくなる。一方、蛍光体分散液の粘度が高すぎると、蛍光体分散液を塗布し難くなり、塗布膜に厚みムラが生じたりする。蛍光体の粘度は、振動式粘度計(例えばCBC社製VM−10A−L等)により、振動子を浸漬してから1分後に測定した値である。粘度は、溶媒の量や、粘土鉱物粒子の量、無機微粒子の量等で調整する。
・蛍光体分散液の調製方法
本発明の蛍光体分散液は、溶媒に、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子や、粘土鉱物粒子、無機微粒子、透光性セラミックバインダ等を混合し、撹拌することで製造する。
混合液の撹拌は、例えば、撹拌ミル、ブレード混練撹拌装置、薄膜旋回型分散機などで行うことができる。撹拌条件を調整することで、蛍光体分散液における蛍光体粒子の粘度を調整できる。
蛍光体分散溶液を製造するための撹拌装置は、公知のものでありうる。例えば、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKオートホモミクサー(プライミクス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミクス社製)、TKフィルミックス(プライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)のようなメディアレス撹拌機;ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DCPスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(井上製作所社製)、スパイクミル(井上製作所社製)、マイティーミル(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)などのメディア攪拌機;アルティマイザー(スギノマシン社製)、ナノマイザー(吉田機械社製)、NANO3000(美粒社製)などの高圧衝撃式分散装置が挙げられる。また、攪拌装置の例には、スターラーやスリーワンモーター、超音波分散装置等も含まれる。
蛍光体粒子は、非常に硬い粒子であるため、攪拌装置と蛍光体分散液とが接する部分の摩耗、及びこれに伴う摩耗粉の混入を避けることが好ましい。具体的には、攪拌装置と蛍光体分散液とが接する部分の材質を、チタニア、ジルコニア、アルミナ等のセラミックや、シリコーンカーバイドとすることが挙げられる。また、接液部分を、チタン系酸化物、クロム系窒化物、ダイアモンド・ライク・カーボンでコートすることも好ましい。
2.LED装置について
前述の蛍光体分散液は、LED装置の波長変換部の形成に用いられる。
図1及び図2は、蛍光体分散液を用いて製造されるLED装置100の一例を示す断面図である。LED装置100は、LEDチップ3を有するLED素子と、LEDチップ3を覆う波長変換部6とを有する。
(1)LED素子
図1に示すLED素子100は、パッケージ(LED基板)1と、メタル部2と、LEDチップ3と、メタル部2及びLEDチップ3を接続する配線4とを有する。
パッケージ1は、例えば液晶ポリマーやセラミックでありうるが、絶縁性と耐熱性を有していれば、その材質は特に限定されない。またその形状も特に制限はなく、例えば図1に示されるように凹状であってもよく、図2に示されるように平板状であってもよい。
LEDチップ3の発光波長は特に制限されない。LEDチップ3は、例えば青色光(420nm〜485nm程度の光)を発するものであってもよく、紫外光を発するものであってもよい。
LEDチップ3の構成は特に制限されない。LEDチップ3の発光色が青色である場合、LEDチップ3は、n−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、InGaN系化合物半導体層(発光層)と、p−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、透明電極層との積層体でありうる。LEDチップ3は、例えば200〜300μm×200〜30μmの発光面を有するものでありうる。LEDチップ3の高さは、通常50〜200μm程度である。
メタル部2は、銀等の金属からなる配線でありうる。LED装置100において、メタル部2が、LEDチップ3からの出射光等を反射する反射板として機能してもよい。メタル部2及びLEDチップ3は、図1に示すように配線4を介して接続されてもよく、図2に示すように突起電極5を介して接続されてもよい。メタル部2及びLEDチップ3が配線4を介して接続される態様をワイヤボンディング型といい、突起電極5を介して接続される態様をフリップチップ型という。
図1及び図2に示すLED装置100には、パッケージ1に、1つのLEDチップ3のみが配置されているが;パッケージ1に、複数のLEDチップ3が配置されていてもよい。
(2)波長変換部
波長変換部6は、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が、透光性セラミックで結着された層であり、前述の蛍光体分散液等を用いて形成される。
波長変換部6は、LEDチップ3が出射する特定波長の光(励起光)を受けて、他の特定波長の光(蛍光)を発する。励起光と蛍光とが混ざることで、LED装置100からの光が所望の光となる。例えば、LEDチップ3が出射する光が青色であり、波長変換部6に含まれるアルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が発する蛍光が黄色やオレンジ色であると、LED装置100からの光が白色となる。
波長変換部6は、LEDチップ3の発光面を被覆していればよく、パッケージ1やメタル部2、配線4等を完全に被覆していなくてもよい。波長変換部6の厚みは、特に制限されないが、通常15〜300μmであることが好ましく、より好ましくは30〜200μmである。波長変換部6の厚みが厚すぎると、波長変換部6にクラックが生じるおそれがある。一方で、波長変換部6の厚みが薄すぎると、波長変換部6内に、十分にアルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が含まれず、十分な蛍光が得られない可能性がある。波長変換部6の厚みとは、LEDチップ3の発光面上に形成された波長変換部6の最大厚みを意味する。波長変換部6の厚みは、レーザホロゲージで測定される。
(3)その他の部材
LED装置100は、必要に応じて、波長変換部6上に、シリコーン樹脂等からなる保護層を有してもよい。LED装置100には、さらに他の光学部品(レンズなど)が設けられて各種光学部材とされてもよい。
3.LED装置の製造方法
前述のLED装置の製造方法には、波長変換部の形成方法によって、以下の2つの態様がある。
(1)透光性セラミック前駆体を含まない前述の蛍光体分散液を塗布して、蛍光体層を形成し、透光性セラミック前駆体含有液を蛍光体層上に塗布して、波長変換部を形成する態様
(2)透光性セラミック前駆体を含む前述の蛍光体分散液を塗布し、波長変換部を形成する態様
いずれの態様においても、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が、透光性セラミックバインダで結着された波長変換部が得られる。
3−1.第一の態様
第一の態様のLED装置の製造方法には、以下の3つの工程が含まれる。
1)LED素子を準備する工程
2)LED素子上に、透光性セラミック前駆体を含まない蛍光体分散液を塗布し、蛍光体層を形成する工程
3)透光性セラミック前駆体を含む透光性セラミック前駆体含有液を蛍光体層上に塗布し、蛍光体層を透光性セラミックで結着した波長変換部を形成する工程
第一の態様では、2種類の液;すなわち、蛍光体分散液及び透光性セラミック前駆体含有液を、それぞれ塗布・硬化させることで波長変化部を得る。
1)LED素子準備工程
LED素子準備工程では、前述のLED素子を準備する。例えば、メタル部2(配線)が配設されたパッケージ1に、LEDチップ3を実装する工程等でありうる。
2)蛍光体分散液塗布工程
蛍光体分散液塗布工程では、前述の蛍光体分散液をLED素子のLEDチップの発光面を被覆するように塗布する。蛍光体分散液には、透光性セラミック前駆体が含まれない。
蛍光体分散液を塗布する手段は、特に制限されない。例えば、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディスペンス法、ジェットディスペンス法等、従来公知の方法でありうる。特に、スプレーコート法によれば、薄い蛍光体層を形成可能である。
蛍光体分散液の塗布後、蛍光体分散液に含まれる溶媒を乾燥させることが好ましい。溶媒を乾燥させる際の温度は、20〜200℃程度であることが好ましく、より好ましくは25〜150℃である。20℃未満であると、溶媒が十分に揮発しないおそれがある。一方、乾燥温度が200℃を超えると、LEDチップに悪影響を及ぼす可能性がある。溶媒の乾燥時間は、製造効率の面から、通常0.1〜30分であり、好ましくは0.1〜15分である。
3)透光性セラミック前駆体含有液塗布工程
透光性セラミック前駆体含有液塗布工程では、透光性セラミック前駆体を含む透光性セラミック前駆体含有液を、前述の蛍光体層上に塗布する。透光性セラミック前駆体を硬化させることで、蛍光体層中に含まれるアルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が、透光性セラミックで結着される。
透光性セラミック前駆体含有液には、前述の透光性セラミック前駆体及び有機溶媒が含まれ、必要に応じて水も含まれる。有機溶媒の種類は、特に制限されず、透光性セラミック前駆体の種類に応じて適宜選択される。有機溶媒とともに水が含まれる場合には、有機溶媒が水との相溶性に優れることが好ましい。水との相溶性に優れる有機溶媒の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類が含まれる。
透光性セラミック前駆体含有液に含まれる透光性セラミック前駆体の量は、透光性セラミック前駆体含有液全量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは8〜40質量%である。透光性セラミック前駆体の量が、5質量%未満であると、透光性セラミック前駆体の粘度が低く、透光性セラミック前駆体溶液を塗布し難い場合がある。一方、透光性セラミック前駆体の量が50質量%を超えると、透光性セラミック前駆体の硬化反応が必要以上に速く進む。そのため、透光性セラミック前駆体が蛍光体層中に入り込む前に硬化してしまい、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子を十分に結着できないおそれがある。
透光性セラミック前駆体溶液の塗布方法は特に制限されない。例えば、ブレードコート法、スピンコート法、ディスペンス法、スプレーコート法等でありうる。特に、スプレーコート法によれば、透光性セラミック前駆体溶液を薄く塗布できる。
透光性セラミック前駆体溶液の塗布後、塗膜を加熱し、透光性セラミック前駆体を硬化させる。前述の透光性セラミック前駆体が、ポリシロキサンである場合、加熱温度は100℃以上であることが好ましく、より好ましくは150〜300℃である。加熱温度が100℃未満であると、ポリシロキサンの脱水縮合時に生じる水分を十分に除去できず、波長変換部の耐光性等が低下する可能性がある。
一方、透光性セラミック前駆体がポリシラザンオリゴマーである場合には、170〜230nmの範囲の波長成分を含むVUV放射線(例えばエキシマ光)を塗膜に照射して硬化させた後、さらに加熱硬化を行うことが好ましい。波長変換部が緻密な膜となり、LED装置の耐湿性が高まりやすい。
3−2.第二の態様
第二の態様のLED装置の製造方法には、以下の2つの工程が含まれる。
1)LED素子を準備する工程
2)LED素子上に、透光性セラミック前駆体を含む蛍光体分散液を塗布し、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が透光性セラミックで結着された波長変換部を形成する工程
第二の態様では、蛍光体分散液に透光性セラミック前駆体が含まれるため、蛍光体分散液を塗布し、硬化させることで波長変換部を得る。
1)LED素子準備工程
第二の態様における、1)LED素子準備工程は、第一の態様と同様に、メタル部2(配線)が配設されたパッケージ1に、LEDチップ3を実装する工程等でありうる。
2)蛍光体分散液塗布工程
蛍光体分散液塗布工程では、蛍光体分散液を前述のLED素子のLEDチップの発光面を被覆するように塗布する。第二の態様で塗布する蛍光体分散液には、透光性セラミック前駆体が含まれる。
蛍光体分散液を塗布する手段は、特に制限されない。例えば、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディスペンス法、ジェットディスペンス法等、従来公知の方法でありうる。特に、スプレーコート法が、薄い波長変換部を形成可能であるため好ましい。
蛍光体分散液の塗布後、塗膜を加熱し、蛍光体分散液に含まれる透光性セラミック前駆体を硬化させる。前述の透光性セラミック前駆体が、ポリシロキサンである場合、加熱温度は100℃以上であることが好ましく、より好ましくは150〜300℃である。加熱温度が100℃未満であると、ポリシロキサンの脱水縮合時に生じる水分を十分に除去できず、波長変換部の耐光性等が低下する可能性がある。
一方、蛍光体分散液に含まれる透光性セラミック前駆体がポリシラザンオリゴマーである場合には、170〜230nmの範囲の波長成分を含むVUV放射線(例えばエキシマ光)を塗膜に照射して硬化させた後、さらに加熱硬化を行うことが好ましい。波長変換部が緻密な膜となり、LED装置の耐湿性が高まりやすい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれによって何ら制限を受けない。
実施例及び比較例の蛍光体分散液の調製には、以下の材料を用いた。
・アルカリケイ酸塩蛍光体粒子
Y4453:INTEMATIX社製Sr1.6Ba0.35Mg0.05Eu0.06Si1.034Cl0.12
Y3957:INTEMATIX社製(Sr,Ba,Mg)2SiO:Eu
SSE:ルミテック社製SrSiO:Eu
ASK−24:根本特殊化学社製SrSiO:Eu,Yb
・1価脂肪族アルコール
1−BuOH(1−ブタノール)
iso−BuOH(イソブタノール)
2−メチル−2−PrOH(2−プロパノール)
iso−PrOH(イソプロパノール)
1−PrOH(1−プロパノール)
EtOH(エタノール)
MeOH(メタノール)
・多価脂肪族アルコール
グリセリン
1,3−BD(1,3−ブタンジオール)
PG(プロピレングリコール)
EG(エチレングリコール)
・粘土鉱物粒子
SA(サポナイト、スメクトンSA:クニミネ社製)
SPN(スメクタイト、ルーセンタイトSPN:コープケミカル社製)
ME−100(合成雲母、ソマシフME−100:コープケミカル社製)
・無機微粒子
RX300(シリカ、AEROSIL RX300:日本アエロジル社製)
サイリシア470(シリカ、サイリシア470:富士シリシア社製)
・透光性セラミック前駆体
KBM04(テトラメトキシシラン、KBM04:信越化学工業社製)
KBM13(メチルトリメトキシシラン、KBM13:信越化学工業社製)
[実施例1〜15、及び比較例1〜7]
表1に示す組成で、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子、1価脂肪族アルコール、多価脂肪族アルコール、粘土鉱物、及び無機微粒子を混合し、超音波分散装置により15分間分散した。
得られた蛍光体分散液を、直ちにスプレー塗布装置に供給した。LEDチップ(発光ピーク波長450nm:直方体状;200μm×300μm×100μm)が実装された基板を準備し、このLEDチップ上に蛍光体分散液をスプレー塗布した。この基板を150℃で1時間加熱し、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子をLEDチップ上に固着させた。そして、各LEDチップに20mAの電流を流し、色度の測定を行った。色度測定は、コニカミノルタセンシング社製、分光放射輝度計CS−1000Aで行った。得られた色度の値に基づき、色度のx値が0.33となるよう、スプレー塗布装置の塗布条件を再設定した。
続いて、8行×8列で計64個のLEDチップ(発光ピーク波長450nm:直方体状;200μm×300μm×100μm)が実装された基板(LEDチップ実装パッケージ)を準備した。この基板の各LEDチップ上に、前述の蛍光体分散液をスプレー塗布した。この基板を150℃で1時間加熱し、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子をLEDチップ上に固着させて蛍光体層を得た。
次に、テトラメトキシシラン(KBM04:信越化学工業社製)15質量部と、メチルトリメトキシシラン(KBM13:信越化学工業社製)5質量部と、1−プロパノール40質量部と、エタノール40質量部と、塩酸2質量部とを混合し、透光性セラミック前駆体含有液を得た。64個のLEDチップ上に形成した蛍光体層の上から、透光性セラミック前駆体含有液をスプレー装置で塗布した。このとき、スプレー圧は0.1MPa、ノズルの移動速度は100mm/sとした。その後、透光性セラミック前駆体含有液を150℃で1時間加熱し、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が透光性セラミックで結着された波長変換部を得た。得られた波長変換部の厚みは、30μmであった。
得られたLED装置64個について色度を測定した。64個のLED装置の中から、x値が0.330±0.005の範囲にあるものを10個選択し、これらのx値の平均値Lを求めた。
一方、前述の蛍光体分散液を、サンプル瓶に入れて密封し、室温で2週間保存した。保存後、再度超音波分散を5分間行った。この蛍光体分散液を用いた以外は、前記と同様の方法で、64個のLED装置を作製し、前記と同様の方法でx値の平均値Lを求めた。LとLの値から、全光束低下率((L−L)×100/L)を算出し、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子の劣化度合いを評価した。結果を表1に示す。全光束低下率が2.0%未満であると、実用上好ましい。
Figure 2014019844
[評価結果]
表1に示されるように、蛍光体分散液に、1価の2級脂肪族アルコール(2−メチル−2−プロパノール及びイソプロパノール)が、脂肪族アルコールの総量に対して15質量%より多く含まれる場合(比較例1〜7)、全光束低下率が2%以上であった。蛍光体分散液を2週間室温で保存している間に、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が劣化したと推察される。
これに対し、蛍光体分散液に、1価の1級脂肪族アルコール及び多価脂肪族アルコールのみが含まれる場合(実施例1〜3、6〜12、及び15)には、蛍光体分散液を2週間保存しても、全光束が低下しなかった。1価の1級脂肪族アルコール及び多価脂肪族アルコールに対しては、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が安定であり、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が劣化しなかったと推察される。また、1価の2級脂肪族アルコール(2−メチル−2−プロパノール及びイソプロパノール)が含まれても、これらの含有量が、脂肪族アルコールの総量に対して15質量%以下である場合(実施例4、13及び14)には、全光束の低下率が2%未満であり、実用上問題がなかった。
[実施例16〜20、及び比較例8、9]
表2に示す組成で、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子、1価脂肪族アルコール、多価脂肪族アルコール、粘土鉱物、無機微粒子、及び透光性セラミック前駆体を混合し、超音波分散装置により15分間分散した。
得られた蛍光体分散液を、直ちにスプレー塗布装置に供給した。LEDチップ(発光ピーク波長450nm:直方体状;200μm×300μm×100μm)が実装された基板(LEDチップ実装パッケージ)を準備した。この基板のLEDチップ上に蛍光体分散液をスプレー塗布した。この基板を150℃で1時間加熱し、蛍光体分散液を焼成した。各LEDチップに20mAの電流を流し、色度の測定を行った。色度測定は、コニカミノルタセンシング社製、分光放射輝度計CS−1000Aで行った。得られた色度の値に基づき、色度のx値が0.33となるよう、スプレー塗布装置の塗布条件を再設定した。
続いて、8行×8列で計64個のLEDチップ(発光ピーク波長450nm:直方体状;200μm×300μm×100μm)が実装された基板(LEDチップ実装パッケージ)を準備した。この基板の各LEDチップ上に、前述の蛍光体分散液をスプレー塗布した。この基板を150℃で1時間焼成し、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子が透光性セラミックで結着された波長変換部を有するLED装置を得た。
得られたLED装置64個について色度を測定した。64個のLED装置の中から、x値が0.330±0.005の範囲にあるものを10個選択し、これらのx値の平均値Lを求めた。
一方、前述の蛍光体分散液を、サンプル瓶に入れて密封し、室温で2週間保存した。保存後、再度超音波分散を5分間行った。この蛍光体分散液を用いた以外は、前記と同様の方法で、64個のLED装置を作製し、前記と同様の方法でx値の平均値Lを求めた。LとLの値から、全光束低下率((L−L)×100/L)を算出し、蛍光体の劣化度合いを評価した。結果を表2に示す。
Figure 2014019844
[評価結果]
表2に示されるように、蛍光体分散液に、1価の2級脂肪族アルコール(イソブタノール及びイソプロパノール)が、脂肪族アルコールの総量に対して15質量%より多く含まれる場合(比較例8及び9)、全光束の低下率が2%以上であった。蛍光体分散液を2週間室温で保存している間に、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が劣化したと推察される。
これに対し、蛍光体分散液に、1価の1級脂肪族アルコール及び多価脂肪族アルコールのみが含まれる場合(実施例16、17、19、及び20)には、全光束が低下しなかった。1価の1級脂肪族アルコール及び多価脂肪族アルコールに対しては、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が安定であり、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体が劣化しなかったと推察される。また、1価の2級脂肪族アルコール(イソプロパノール)が含まれても、その含有量が、脂肪族アルコールの総量に対して15質量%以下である場合(実施例18)には、全光束の低下率が2%未満であり、実用上問題がなかった。
本発明の蛍光体分散液を塗布して形成したLED装置の波長変換部は、十分に蛍光を発する。したがって、得られるLED装置は、各種照明装置に適用可能である。
1 基板
2 メタル部
3 LEDチップ
4 配線
5 突起電極
6 波長変換部
100 LED装置

Claims (8)

  1. アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子と、脂肪族アルコールを含む溶媒とを含み、
    前記溶媒が含む1価の2級脂肪族アルコール及び1価の3級脂肪族アルコールの総量は、脂肪族アルコールの総量に対して、15質量%以下である、蛍光体分散液。
  2. 前記溶媒が、1価の1級脂肪族アルコールを含む、請求項1に記載の蛍光体分散液。
  3. 前記1価の1級脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールからなる群から選択される請求項2に記載の蛍光体分散液。
  4. 粘土鉱物粒子をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体分散液。
  5. 無機微粒子をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体分散液。
  6. 透光性セラミック前駆体をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍光体分散液。
  7. 特定波長の光を出射するLED素子と、前記LED素子上に形成され、LED素子からの光を他の特定波長の光に変換する波長変換部とを有するLED装置の製造方法であって、
    LED素子を準備する工程と、
    前記LED素子上に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍光体分散液を塗布し、蛍光体層を形成する工程と、
    透光性セラミック前駆体を含む透光性セラミック前駆体含有液を前記蛍光体層上に塗布し、前記蛍光体層を透光性セラミックで結着した波長変換部を形成する工程と
    を有する、LED装置の製造方法。
  8. 特定波長の光を出射するLED素子と、前記LED素子上に形成され、LED素子からの光を他の特定波長の光に変換する波長変換部とを有するLED装置の製造方法であって、
    LED素子を準備する工程と、
    前記LED素子上に、請求項6に記載の蛍光体分散液を塗布し、前記アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体粒子を透光性セラミックで結着した波長変換部を形成する工程と
    を有する、LED装置の製造方法。
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