JP2014015507A - 樹脂組成物、パターン化樹脂膜の製造方法、重合体および半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、パターン化樹脂膜の製造方法、重合体および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ易溶の塗膜を形成することが可能であり、しかもこの塗膜の加熱処理後には線膨張率が低いイミド化膜を形成することが可能な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)式(1)で表される構造単位を有する重合体と、(B)溶剤とを含有する樹脂組成物。
Figure 2014015507

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド酸エステルを含有する樹脂組成物、この樹脂組成物を用いたパターン化樹脂膜の製造方法、ポリアミド酸エステルおよび半導体装置に関する。
電子部品中の半導体素子の中でも、サイリスタ、SOI(silicon on insulator)素子、パワーMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)、整流ダイオード等のパワー半導体素子に用いられる絶縁膜には、半導体素子に適用される温度が非常に高いことから、高い耐熱性が求められている。
また、半導体素子に適用される温度が非常に高い場合、線膨張率が低い半導体素子の基板(例:SiC、GaN)と線膨張率が比較的高い絶縁膜との線膨張率の差が大きくなり、半導体素子の基板に反りが生じることがある。また、一般的な半導体素子用絶縁膜でも、300mmウエハや更に今後450mmウエハ等の大型基板の適用に伴い、反りの影響が顕著になると予想される。このため、パワー半導体素子や大型基板に用いられる絶縁膜には、低線膨張率が求められている。
従来、電子部品中の半導体素子に用いられる絶縁膜を形成する材料として、様々な樹脂組成物が提案されている。例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物と加熱環化によりベンゾオキサゾール構造を形成しうるジアミンとから得られるポリアミド酸は、加熱環化により剛直かつ平坦な構造を有するポリイミドとなる。したがって、前記ポリアミド酸を含有する樹脂組成物から得られる硬化膜は、線膨張率が低く、高い耐熱性を有することが知られている。
特許文献1には、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを反応させることにより得られる下記反復単位を有するポリアミド酸、このポリアミド酸を熱的・化学的に脱水閉環させることにより得られる下記反復単位を有するポリイミドが開示されている。この文献には、前記ポリイミドは、優れた機械的強度、高い弾性率、低い線膨張係数、および低い吸水性を有すると記載されている。
Figure 2014015507
Ar1は4価の芳香族炭化水素基であり、Ar2は2価の芳香族炭化水素基である。
また、特許文献2には、ポリアミド酸溶液と、特定構造を内部に有するジアミンとを含有するポリアミド酸ワニス組成物、この組成物をイミド化して得られるポリイミド樹脂が開示されている。この文献には、前記ポリイミド樹脂の線膨張率が金属箔の線膨張率と同等になると記載されている。
しかしながら、このようなポリアミド酸を用いて塗膜を形成する場合、主に溶剤を除去する目的でなされるプレベークの段階で、イミド化,環化(ベンゾオキサゾール環化)の一方または双方が進行する。このため、アルカリ溶解性に寄与する、ポリアミド酸のフェノール性水酸基、およびテトラカルボン酸二無水物由来のカルボキシル基が減少することにより、塗膜がアルカリ易溶からアルカリ難溶になる可能性があり、現像処理等による高解像度のパターン化樹脂膜の形成が困難になるという問題がある。
特開平07−179605号公報 特開2009−299009号公報
本発明の課題は、アルカリ易溶の塗膜を形成することが可能であり、しかもこの塗膜の加熱処理後には線膨張率が低いイミド化膜を形成することが可能な樹脂組成物;この樹脂組成物を用いたパターン化樹脂膜の製造方法およびパターン化樹脂膜:この樹脂組成物の含有成分として好適に用いられるポリアミド酸系重合体;ならびに半導体装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する樹脂組成物またはポリアミド酸系重合体を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の一態様は、(A)式(1)で表される構造単位を有する重合体と、 (B)溶剤とを含有する樹脂組成物である。
Figure 2014015507
[式(1)中、R1は、当該R1に結合した−OHおよび−CONH−と共にベンゾオキサゾール構造を形成しうる4価の基であり;R2は、それぞれ独立にアリーレン基であり;R3は、芳香環を有する4価の基であり;R4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。ただし、重合体(A)中の全R4のうち1つ以上のR4は、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。]
本発明の樹脂組成物は、(C)感光性化合物をさらに含有することが好ましく;また、当該樹脂組成物は、(D)カチオン反応性架橋剤をさらに含有し、前記感光性化合物(C)が光感応性酸発生剤であることが好ましい。
本発明の一態様は、上記樹脂組成物を用いてパターン化樹脂膜を形成する工程を有する、パターン化樹脂膜の製造方法である。
本発明の一態様は、上記樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程、前記塗膜上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光してパターンの潜像を形成する工程、露光後の前記レジスト膜を現像してパターン化レジスト膜を形成し、現像と同時にまたは現像後に、前記パターン化レジスト膜をマスクとして前記塗膜を選択的に除去してパターン化膜を形成する工程、ならびに前記パターン化レジスト膜を除去する工程を有し、このパターン化レジスト膜の除去の前または後に、前記パターン化膜を加熱して硬化させる工程を有する、パターン化樹脂膜の製造方法である。
本発明の一態様は、(C)感光性化合物をさらに含有する上記樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程、前記塗膜を露光してパターンの潜像を形成する工程、露光後の前記塗膜を現像してパターン化膜を形成する工程、および前記パターン化膜を加熱して硬化させる工程を有する、パターン化樹脂膜の製造方法である。
本発明の一態様は、上記製造方法により得られるパターン化樹脂膜である。
本発明の一態様は、式(K)で表される構造単位を有するパターン化樹脂膜である。
Figure 2014015507
[式(K)中、R1は、当該R1に結合した−N=C−O−と共にベンゾオキサゾール構造を形成している4価の基であり;R2は、それぞれ独立にアリーレン基であり;R3は、芳香環を有する4価の基である。]
本発明の一態様は、上記式(1)で表される構造単位を有する重合体である。
本発明の一態様は、上記パターン化樹脂膜を有する半導体装置である。
本発明によれば、アルカリ易溶の塗膜を形成することが可能であり、しかもこの塗膜の加熱処理後には線膨張率が低いイミド化膜を形成することが可能な樹脂組成物;この樹脂組成物を用いたパターン化樹脂膜の製造方法およびパターン化樹脂膜:この樹脂組成物の含有成分として好適に用いられるポリアミド酸系重合体;ならびに半導体装置を提供することができる。
以下、本発明の樹脂組成物、パターン化樹脂膜の製造方法およびパターン化樹脂膜、この樹脂組成物の含有成分として好適なポリアミド酸系重合体ならびに半導体装置について、詳細に説明する。まず、本発明のポリアミド酸系重合体である、ポリアミド酸エステルについて説明する。
〔ポリアミド酸エステル〕
本発明のポリアミド酸エステルは、式(1)で表される構造単位(以下「構造単位(1)」ともいう。)を有する重合体である。本発明のポリアミド酸エステルは、他の構造単位を有してもよい。
〈構造単位(1)〉
本発明のポリアミド酸エステルは、構造単位(1)を有する。
Figure 2014015507
式(1)中、R1は、当該R1に結合した−OHおよび−CONH−と共にベンゾオキサゾール構造を形成しうる4価の基であり;R2は、それぞれ独立にアリーレン基であり;R3は、芳香環を有する4価の基であり;R4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。ただし、重合体(A)中の全R4のうち1つ以上のR4は、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。
本発明のポリアミド酸エステルでは、ポリアミド酸のR3に結合したカルボキシル基の一部または全部がエステル化されている。このような構造の重合体を用いることで、プレベーク時の反応が抑制でき、形成される塗膜のアルカリ溶解性を安定して確保することができ、よって現像処理等により高解像度のパターン化樹脂膜を得ることができる。
《4価の基R 1
1は、当該R1に結合した−OHおよび−CONH−と共にベンゾオキサゾール構造を形成しうる4価の基である。R1は、耐熱性および低線膨張係数の観点から、式(R1−1)、式(R1−2)および式(R1−3)から選択される少なくとも1種の式で表される4価の基であることが好ましく;式(R1−1)および式(R1−2)から選択される少なくとも1種の式で表される4価の基であることがより好ましい。
Figure 2014015507
式(R1−1)中、aは0以上の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0〜1の整数である。式(R1−2)中、bは0以上の整数であり、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。式(R1−3)中、Xは、−O−、−S−、炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和のアルキレン基、−SO2−、−C(CF32−またはフェニレン基である。これらの式中、*は結合手を示す(本明細書において、*を同様の意味で用いる)。
式(R1−1)で表される基としては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2014015507
式(R1−2)で表される基としては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 2014015507
1は、特に好ましくは下記式で表される4価の基である。
Figure 2014015507
《アリーレン基R 2
2は、それぞれ独立にアリーレン基であり、好ましくは炭素数6〜30のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリーレン基である。例えば、式(R2−1)で表される2価の基、式(R2−2)で表される2価の基、式(R2−3)で表される2価の基、式(R2−4)で表される2価の基、式(R2−5)で表される2価の基が挙げられる。R2は、耐熱性および低線膨張係数の観点から、式(R2−1)および式(R2−2)から選択される少なくとも1種の式で表される2価の基であることが好ましい。
Figure 2014015507
式(R2−1)中、cは0以上の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0〜1の整数である。式(R2−2)中、dは0以上の整数であり、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
Figure 2014015507
式(R2−3)中、Y1は、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−または−C(CF32−である。
Figure 2014015507
Figure 2014015507
式(R2−5)中、Y2は、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−C(CF32−または−CO−である。
式(R2−1)〜(R2−5)中の各芳香環は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、−SO2H、−OPh、−SCH3および−SPh(Phはフェニル基である。)から選択される1または2以上の置換基を有してもよい。
《4価の基R 3
3は、芳香環を有する4価の基であり、好ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の基であり、より好ましくは炭素数6〜18の芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の基である。ポリアミド酸エステルがこのような基を有することで、最終的に得られるポリイミドの線膨張係数が小さくなるという点で有利である。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、
1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
4,4’−オキシジフタル酸無水物、
2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、
特開2010―097188号公報に記載の芳香族テトラカルボン酸二無水物
が挙げられる。
3は、これらの中でも、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、および4,4’−オキシジフタル酸無水物から選択される少なくとも1種に由来する4価の基であることが特に好ましい。
《R 4
4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。ただし、本発明のポリアミド酸エステル中の全R4のうち1つ以上のR4は、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。
アルキル基は、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
アルキルシリル基は、炭素数3〜9のアルキルシリル基が好ましく、炭素数3〜6のアルキルシリル基がより好ましく、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基が挙げられる。
本発明のポリアミド酸エステルにおいて、−COOR4で表される基のエステル化率は、通常1モル%以上、好ましくは5〜100モル%、より好ましくは10〜100モル%である。エステル化率が前記範囲にあると、形成される塗膜のアルカリ溶解性を維持することができ、したがって現像処理等により高解像度のパターン化樹脂膜を得ることができる。
エステル化率は、〔ポリアミド酸エステル中の−COOR4(R4=上記アルキル基または上記アルキルシリル基)の全モル数〕/〔ポリアミド酸エステル中の−COOR4の全モル数〕×100(%)で定義される。エステル化率は、赤外分光法(FT−IR)でポリアミド酸のエステル化後に生じる1650〜1780cm-1のC=O伸縮ピークにて測定される。
〈他の構造単位〉
本発明のポリアミド酸エステルは、構造単位(1)以外の他の構造単位を有してもよい。他の構造単位としては、例えば、シリコーンジアミンに由来する構造単位、具体的には式(2)で表される構造単位(以下「構造単位(2)」ともいう。)が挙げられる。
Figure 2014015507
式(2)中、複数あるR5は、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基またはアルケニルオキシ基であり、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基であり;複数あるR6は、それぞれ独立にメチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基またはフェニレン基であり、好ましくはプロピレン基であり;nは1〜100の整数であり;R3およびR4は、それぞれ式(1)中の同一記号と同義である。
5として列挙される基について説明する。アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基が挙げられる。シクロアルキルオキシ基としては、炭素数4〜10のシクロアルキルオキシ基が好ましく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基が挙げられる。アルケニルオキシ基としては、炭素数2〜6のアルケニルオキシ基が好ましく、例えば、アリルオキシ基が挙げられる。
6として列挙される炭素数2〜10のアルキレン基としては、例えば、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。
シリコーンジアミンの数平均分子量は、耐熱性および耐水性に優れたポリアミド酸エステルおよびポリイミドを得る観点から、好ましくは500〜10,000、より好ましくは1,000〜9,000、さらに好ましくは3,000〜8,000である。この数平均分子量は、アミン価により計算される。
〈ポリアミド酸エステルの構成〉
本発明のポリアミド酸エステルにおいて、構造単位(1)の含有率は、通常30〜100質量%、好ましくは40〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%である。含有率が前記範囲にあると、アルカリ易溶の塗膜を形成することが可能であり、しかもこの塗膜の加熱処理後には線膨張率が低いイミド化膜を形成することから好ましい。
本発明のポリアミド酸エステルにおいて、構造単位(2)の含有率は、好ましくは0〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。含有率が前記範囲にあると、パターン化樹脂膜を形成したときの基板の反りを低減できる点で好ましい。
本発明のポリアミド酸エステルのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、通常5,000〜200,000、好ましくは8,000〜150,000、より好ましくは10,000〜100,000である。また、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)(多分散度)は、通常1.3〜10、好ましくは1.4〜8、より好ましくは1.5〜5である。Mwおよび多分散度が前記範囲にあると、塗膜形成の点や、最終的に得られるパターン化樹脂膜の強度の点で有利である。
〔ポリアミド酸エステルの製造方法〕
本発明のポリアミド酸エステルは、例えば、以下の方法により製造することができる。
本発明のポリアミド酸エステルの製造方法は、少なくとも式(11)で表される化合物と式(21)で表される化合物とを反応(重合)させて、式(31)で表される構造単位を有するポリアミド酸を得る工程1;得られたポリアミド酸のカルボキシル基の一部または全部を、エステル化剤を用いてエステル化して、式(1)で表される構造単位を有するポリアミド酸エステルを得る工程2を有する。
Figure 2014015507
各式中、R1〜R4は、それぞれ式(1)中の同一記号と同義である。
〈工程(1)〉
工程1では、式(11)で表される化合物を含むジアミン成分を有機溶剤に溶解させた後、得られた溶液を撹拌しながら、式(21)で表される化合物を含む酸二無水物成分を固体のまま、あるいは有機溶剤に溶解させて添加し、これらジアミン成分と酸二無水物成分とを反応させることが好ましい。
式(11)で表される化合物は、従来公知の化合物であり、その製造方法は、例えば特開平07−179605号公報または特開2009−299009号公報に記載されている。式(11)で表される化合物としては、具体的には、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイルアミノ)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイルアミノ)−3,3’−ジヒドロキシフェニルヘキサフロロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイルアミノ)−3,3’−ジヒドロキシフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイルアミノ)−3,3’−ジヒドロキシフェニルエーテルが挙げられる。
ジアミン成分としては、式(11)で表される化合物のほか、1種または2種以上のシリコーンジアミンをさらに用いてもよい。シリコーンジアミンとしては、式(12)で表されるシリコーンジアミンが好ましい。
Figure 2014015507
式(12)中、R5、R6およびn、それぞれ式(2)中の同一記号と同義である。
シリコーンジアミンの市販品としては、例えば、両末端アミノ変性メチルフェニルシリコーン(信越化学工業(株)製X−22−1660B、X−22−9409)、両末端アミノ変性ジメチルシリコーン(信越化学工業(株)製X−22−161A、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製BY16−835U)が挙げられる。
式(21)で表される化合物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられ、好ましくは炭素数6〜18の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。その具体例は、〔ポリアミド酸エステル〕の《4価の基R3》の欄に記載したとおりである。
有機溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤;3−メトキシ−N、N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ペンチル−2−ピロリドン、N−(メトキシプロピル)−2−ピロリドン、N−(t−ブチル)−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等のピロリドン溶剤;フェノール、o−,m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール溶剤;ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等の他の有機溶剤が挙げられる。また、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類も用いることができる。有機溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。
ジアミン成分と酸二無水物成分との反応において、反応温度は、通常0〜120℃、好ましくは10〜100℃であり;反応時間は、通常0.5〜72時間、好ましくは1〜24時間である。
式(21)で表される化合物を含む酸二無水物成分の添加量は、式(11)で表される化合物を含むジアミン成分1モルに対して、好ましくは0.1〜1.2モル、より好ましくは0.3〜1.1モルである。また、シリコーンジアミンを用いる場合、全ジアミン成分に対するシリコーンジアミンの使用割合は、好ましくは0.1〜20モル%、より好ましくは0.2〜10モル%である。
得られるポリアミド酸の末端構造は、原料化合物であるジアミン成分と酸二無水物成分との仕込み比によって、アミン構造または酸無水物構造となる。末端構造がアミン構造の場合、カルボン酸無水物を用いて末端封止してもよく、末端構造が酸無水物構造の場合、モノアミンを用いて末端封止してもよい。
得られるポリアミド酸の溶液において、ポリアミド酸の含有量は、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%である。ポリアミド酸の含有量が前記範囲となるように、原料化合物および有機溶剤の使用量を設定することが好ましい。
〈工程(2)〉
工程2では、ポリアミド酸のカルボキシル基とエステル化剤とを反応させて、このカルボキシル基の少なくとも一部をエステル基(−COOR4;R4=炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基)に変換する。
エステル化剤としては、例えば、オルトギ酸エステル化合物が挙げられる。オルトギ酸エステル化合物としては、例えば、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリ−n−プロピル、オルトギ酸トリ−iso−プロピル、オルトギ酸トリ−n−ブチル、オルトギ酸トリ−sec−ブチル、オルトギ酸トリ−tert−ブチル等のオルトギ酸トリアルキル(アルキル基の炭素数は1〜12である。);ジメチルホルムアミドジエチルアセタール;トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシランが挙げられる。エステル化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エステル化剤の使用量は、目的とするエステル化率に応じて適宜選択することができる。例えば、エステル化剤は、ポリアミド酸中のカルボキシル基1モルに対して、好ましくは0.1〜5モル、より好ましくは0.3〜3モル用いることができる。
ポリアミド酸のエステル化反応において、反応温度は、通常10〜120℃、好ましくは20〜100℃であり;反応時間は、通常0.5〜12時間、好ましくは1〜6時間である。
このようにして、−COOR4で表される基のエステル化率が、通常1モル%以上、好ましくは5〜100モル%、より好ましくは10〜100モル%であるポリアミド酸エステルを得ることができる。
上記製造方法において、ポリアミド酸エステルを含む反応溶液は、樹脂組成物の製造にそのまま用いてもよく、ポリアミド酸エステルを単離してもよい。反応溶液からの単離は、例えば蒸留により、反応溶液中に含まれる溶剤、残存するエステル化剤やその分解物を取り除くことができる。続いて残渣を、生成物が難溶である溶剤中にて再沈殿することで精製することが出来る。
〔樹脂組成物〕
本発明の樹脂組成物は、(A)式(1)で表される構造単位を有する重合体(上述した本発明のポリアミド酸エステル;以下「重合体(A)」または「ポリアミド酸エステル(A)」ともいう。)と、(B)溶剤とを含有する。
また、本発明の樹脂組成物は、感光性を付与する目的で、感光性化合物(C)を含有してもよい。また、本発明の樹脂組成物は、カチオン反応性架橋剤(D)を含有してもよい。さらに、樹脂組成物や樹脂膜に影響を与えない範囲で、密着助剤、脱水剤、イミド化触媒および界面活性剤から選択される少なくとも1種を用いてもよい。
〈溶剤(B)〉
本発明の樹脂組成物は、溶剤(B)を含有する。溶剤(B)を用いることで、樹脂組成物の取扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節したりすることができる。溶剤(B)は、ポリアミド酸エステル(A)の調製時に使用した有機溶剤をそのまま用いてもよく、すなわちポリアミド酸エステル(A)の溶液を樹脂組成物の調製にそのまま用いてもよい。
溶剤(B)としては、例えば、
本発明のポリアミド酸エステル(A)製造時に使用可能な有機溶剤(例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤;3−メトキシ−N、N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ペンチル−2−ピロリドン、N−(メトキシプロピル)−2−ピロリドン、N−(t−ブチル)−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等のピロリドン溶剤;フェノール、o−,m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール溶剤;ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等の他の有機溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類)の他;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;
ブチルカルビトール等のカルビトール類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
が挙げられる。
溶剤(B)は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物において、溶剤(B)は、組成物中の溶剤(B)以外の成分の合計量が、通常1〜40質量%、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%となる割合で用いることができる。
〈感光性化合物(C)〉
本発明の樹脂組成物に感光性化合物(C)を配合して、ポジ型またはネガ型の感光性組成物とすることができる。樹脂組成物が感光性化合物(C)を含有する場合、樹脂組成物を「感光性組成物」ともいう。
感光性化合物(C)は、ポジ型の感光性組成物またはネガ型の感光性組成物に応じて、適宜選択することができる。なお、後述するパターン化樹脂膜の第1の製造方法ではポジ型レジスト膜を用いることが好ましいことから、第1の製造方法において感光性組成物を用いる場合は、ポジ型の感光性組成物が好ましい。
感光性化合物(C)としては、ポジ型の場合はキノンジアジド基を有する化合物(以下「キノンジアジド化合物(C1)」ともいう。)等が挙げられ、ネガ型の場合は光感応性酸発生剤(以下「酸発生剤(C2)」ともいう。)等が挙げられる。
《キノンジアジド化合物(C1)》
キノンジアジド化合物(C1)は、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物である。
キノンジアジド化合物(C1)を含有する感光性組成物から得られる塗膜は、アルカリ性現像液に対して難溶な塗膜である。キノンジアジド化合物(C1)は、光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じる化合物である。したがって、光照射により前記塗膜がアルカリ難溶の状態からアルカリ易溶の状態になることを利用することにより、しかも本発明では重合体(A)を用いていることからプレベークおよび光照射後のアルカリ易溶の状態をより一層確保できることから、現像処理等によりポジ型のパターンが形成される。
フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物としては、例えば、下記式(C1−1)〜(C1−5)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2014015507
式(C1−1)中、X1〜X10はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または水酸基である。X1〜X5の少なくとも1つは水酸基である。Aは直接結合、−O−、−S−、−CH2−、−C(CH32−、−C(CF32−、カルボニル基(−C(=O)−)またはスルホニル基(−S(=O)2−)である。
Figure 2014015507
式(C1−2)中、X11〜X24はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または水酸基である。X11〜X15の少なくとも1つは水酸基である。Y1〜Y4はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
Figure 2014015507
式(C1−3)中、X25〜X39はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または水酸基である。X25〜X29の少なくとも1つは水酸基であり、X30〜X34の少なくとも1つは水酸基である。Y5は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
Figure 2014015507
式(C1−4)中、X40〜X58はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または水酸基である。X40〜X44の少なくとも1つは水酸基であり、X45〜X49の少なくとも1つは水酸基であり、X50〜X54の少なくとも1つは水酸基である。Y6〜Y8はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
Figure 2014015507
式(C1−5)中、X59〜X72はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または水酸基である。X59〜X62の少なくとも1つは水酸基であり、X63〜X67の少なくとも1つは水酸基である。
キノンジアジド化合物(C1)としては、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2',4'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタンなどと、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物が挙げられる。
化合物(C1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性組成物において、感光性化合物(C)としてキノンジアジド化合物(C1)を用いる場合、キノンジアジド化合物(C1)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは3〜40質量部、さらに好ましくは5〜35質量部である。キノンジアジド化合物(C1)の含有量が前記下限値以上であると、未露光部の残膜率が向上し、パターンマスクに忠実な像が得られやすい。キノンジアジド化合物(C1)の含有量が前記上限値以下であると、パターン形状に優れた硬化膜が得られやすく、硬化時の発泡も防止することができる。
《酸発生剤(C2)》
酸発生剤(C2)は、光照射により酸を形成する化合物である。酸発生剤(C2)を用いる場合は、カチオン反応性架橋剤(D)を通常は用いる。この酸がカチオン反応性架橋剤(D)のカチオン反応性基等に作用することにより、架橋構造を形成する。酸発生剤(C2)を含有する感光性組成物から得られる塗膜が、架橋構造の形成によってアルカリ易溶の状態からアルカリ難溶の状態に変化することを利用することにより、しかも本発明では重合体(A)を用いていることからプレベークおよび光照射後でも非照射部のアルカリ易溶の状態を確保できることから、現像処理等によりネガ型のパターンが形成される。
酸発生剤(C2)としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物が挙げられる。これらの中では、伸び物性に優れた硬化膜を形成することができることから、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物が好ましい。
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩が挙げられる。好ましいオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムトリフリオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフリオロメタンスルホネート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートが挙げられる。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物が挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、1,10−ジブロモ−n−デカン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のs−トリアジン誘導体が挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物およびこれらの化合物のα−ジアゾ化合物が挙げられる。好ましいスルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタンが挙げられる。
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類が挙げられる。好ましいスルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートが挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミドが挙げられる。
ジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンが挙げられる。
酸発生剤(C2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性組成物において、感光性化合物(C)として酸発生剤(C2)を用いる場合、酸発生剤(C2)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部、さらに好ましくは1〜10質量部である。酸発生剤(C2)の含有量が前記下限値以上であると、露光部の硬化が充分となり、耐熱性が向上しやすい。酸発生剤(C2)の含有量が前記上限値を超えると、露光光に対する透明性が低下し、解像度が低下するおそれがある。
〈カチオン反応性架橋剤(D)〉
本発明の樹脂組成物には、酸発生剤(C2)を用いる場合、カチオン反応性架橋剤(D)(以下「架橋剤(D)」ともいう。)をさらに含有させることが好ましい。架橋剤(D)は、架橋成分(硬化成分)として作用する。
架橋剤(D)としては、例えば、アルキルエーテル化されたアミノ基を2つ以上有する化合物(以下「アミノ基含有化合物」ともいう。)、オキシラン環含有化合物、オキセタン環含有化合物、イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む。)、アルデヒド基含有フェノール化合物、メチロール基含有フェノール化合物が挙げられる。ただし、オキシラン環含有化合物からは、エポキシ基を有するシランカップリング剤は除外され、イソシアネート基含有化合物からは、イソシアネート基を有するシランカップリング剤は除外される。
アルキルエーテル化されたアミノ基としては、例えば、
Figure 2014015507
(式中、R11はメチレン基またはアルキレン基を示し、R12はアルキル基を示す。)
で表される基が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、例えば、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレア等の窒素化合物中の活性メチロール基(CH2OH基)の一部または全部(少なくとも2個)がアルキルエーテル化された化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルを構成するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基が挙げられ、これらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、アルキルエーテル化されていないメチロール基は、一分子内で自己縮合していてもよく、二分子間で縮合して、その結果、オリゴマー成分が形成されていてもよい。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル等を用いることができる。
オキシラン環含有化合物としては、分子内にオキシラン環が含有されていればよく、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ナフトール型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。
オキシラン環含有化合物の具体例としては、例えば、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレン/ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン/ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが挙げられる。
オキセタン環含有化合物としては、分子内にオキセタン環が含有されていればよく、特に限定されないが、例えば、式(d−1)〜(d−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014015507
式(d−1)〜(d−3)中、Aは、直接結合、またはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基を示し;Rは、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基を示し;R1は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基を示し;R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、キシリル基等のアリール基、下記式で表される基(式中、RおよびR1は、それぞれ式(d−1)〜(d−3)中のRおよびR1と同義である。)、
Figure 2014015507
下記式(i)で表されるジメチルシロキサン残基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基、下記式(ii)〜(vi)で表される基を示し;iはR2の価数に等しく、1〜4の整数である。なお、下記式(i)〜(vi)における「*」は、結合部位を示す。
Figure 2014015507
式(i)および(ii)中、xおよびyは、それぞれ独立に0〜50の整数である。式(iii)中、Zは、直接結合、または−O−、−CH2−、−C(CH32−、−C(CF32−、−CO−もしくは−SO2−で表される2価の基である。
式(d−1)〜(d−3)で表される化合物の具体例としては、例えば、1,4−ビス{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}ベンゼン(商品名「OXT−121」、東亞合成社製)、3−エチル−3−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(商品名「OXT−221」、東亞合成社製)、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル(宇部興産製、商品名「ETERNACOLL OXBP」)、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕エーテル、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕プロパン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕スルホン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕ケトン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕ヘキサフロロプロパン、トリ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、テトラ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、下記式(d−a)〜(d−d)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014015507
また、これらの化合物以外に、高分子量の多価オキセタン環を有する化合物を用いることができる。例えば、オキセタンオリゴマー(商品名「Oligo−OXT」、東亞合成社製)、式(d−e)〜(d−g)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014015507
式(d−e)〜(d−g)中、p、qおよびsは、それぞれ独立に0〜10000の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。式(d−f)中、Yはエチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、または−CH2−Ph−CH2−で表される基(式中、Phはフェニレン基を示す。)である。
架橋剤(D)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物において、架橋剤(D)を用いる場合のその含有量は、重合体(A)100質量部に対して、通常1〜50質量部、好ましくは2〜40質量部、さらに好ましくは3〜35質量部である。架橋剤(D)の含有量が前記範囲にあると、硬化反応が充分に進行し、形成される硬化膜は高解像度で良好なパターン形状を有し、耐熱性および電気絶縁性に優れたものとなる。
〈密着助剤〉
本発明の樹脂組成物には、基板との密着性を向上させるため、密着助剤をさらに含有させることができる。密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられ、具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。また、ポリジメチルシロキサン系界面活性剤を用いることもできる。
本発明の樹脂組成物において、密着助剤を用いる場合のその含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。密着助剤の含有量が前記範囲にあると、本発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の、基板への密着性がより向上する。
〈樹脂組成物の調製方法〉
本発明の樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより調製できる。また、ゴミを取り除くために、各成分を均一に混合した後、得られた混合物をフィルター等で濾過してもよい。
〔パターン化樹脂膜の製造方法およびパターン化樹脂膜〕
本発明の樹脂組成物を用いることにより、パターン化樹脂膜を製造することができる。
本発明のパターン化樹脂膜の第1の製造方法は、
〈1〉本発明の樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程、
〈2〉前記塗膜上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程、
〈3〉前記レジスト膜を露光してパターンの潜像を形成する工程、
〈4〉露光後の前記レジスト膜を現像してパターン化レジスト膜を形成し、現像と同時にまたは現像後に、前記パターン化レジスト膜をマスクとして前記塗膜を選択的に除去してパターン化膜を形成する工程、ならびに
〈5〉前記パターン化レジスト膜を除去する工程
を有し、この工程〈5〉の前または後に
〈6〉前記パターン化膜を加熱して硬化させる工程
を有する。
第1の製造方法では、感光性を有しない樹脂組成物を用いることができるので、感光性化合物を含まないパターン化樹脂膜を形成することができる。このため、得られるパターン化樹脂膜は、アウトガスの発生が少なく、また線膨張係数が小さいという点で有利である。
また、本発明の樹脂組成物が感光性化合物(C)を含有する場合(すなわち、感光性組成物である場合)、以下の方法によってパターン化樹脂膜を製造することができる。
本発明のパターン化樹脂膜の第2の製造方法は、
[1]本発明の感光性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程、
[2]前記塗膜を露光してパターンの潜像を形成する工程、
[3]露光後の前記塗膜を現像してパターン化膜を形成する工程、および
[4]前記パターン化膜を加熱して硬化させる工程
を有する。
第2の製造方法では、直接パターニングが可能であり、生産性の点で有利である。
〈1〉[1]塗膜形成工程
塗膜形成工程では、本発明の樹脂組成物(第1の製造方法)または感光性組成物(第2の製造方法)を基板上に塗布する。次いで、オーブンやホットプレート等を用いて、溶剤を除去する(プレベーク)。例えば、温度:50〜140℃、時間:10〜360秒で乾燥して溶剤を除去する。本発明では、ポリアミド酸エステル(A)がエステル化されているため、この溶剤除去の段階ではイミド化が大きく進行することはないと推定される。
このようにして基板上に塗膜(以下「ポリイミド前駆体層」ともいう。)を形成する。ここでの膜厚は、最終的に得られる硬化膜(パターン化樹脂膜)の膜厚が、例えば0.1〜100μmとなるように設定される。
基板としては、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、金属薄膜付きウエハ、ガラス基板、石英基板、セラミックス基板、アルミ基板、およびこれらの支持体の表面に半導体チップを有する基板が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法が挙げられる。
〈2〉レジスト膜形成工程
第1の製造方法において、レジスト膜形成工程では、ポリイミド前駆体層上にレジスト膜形成用塗布液を塗布するか、あるいはドライフィルムレジスト等のフィルム状レジスト膜をポリイミド前駆体層上に転写する。
本発明では、ポジ型またはネガ型のいずれのレジスト膜を形成してもよいが、通常はポジ型レジスト膜を形成することが多い。ポジ型レジスト膜は、露光によって、露光部の現像液に対する溶解性が、不溶性または難溶性から可溶性または易溶性に、溶解性が変化する材料である。
レジスト膜形成用塗布液またはフィルム状レジスト膜は、特に限定されない。前記塗布液としては、下層となるポリイミド前駆体層が溶解しないような溶剤を選択すればよい。
塗布法としては、塗膜形成工程で例示した方法・条件を採用することができる。また、フィルム状レジスト膜を転写する場合、例えば、ロールプレス、面プレス等の公知のラミネート方法を採用することができる。
レジスト膜の厚さは、通常0.5〜100μmである。
〈3〉[2]露光工程
露光工程では、所望のパターンマスクを介して、例えばコンタクトアライナー、ステッパーまたはスキャナーを用いて、レジスト膜(第1の製造方法)またはポリイミド前駆体層(第2の製造方法)を露光し、パターンの潜像を形成する。また、パターンマスクを用いずに、レーザーなどで直接描画する方法を用いてもよい。
露光光としては、例えば、紫外線、可視光線が挙げられ、通常、波長200〜500nmの光を用いる。活性光線の照射量は、レジスト組成物または感光性組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚さなどによって異なるが、露光光として波長350nmの紫外線を使用する場合、露光量は、通常10〜1500mJ/cm2である。光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、レーザーが挙げられる。
また、露光後に加熱処理(以下「PEB処理」ともいう。)を行うこともできる。PEB条件は、レジスト組成物または感光性組成物中の各成分の含有量および膜厚等によって異なるが、通常70〜150℃、好ましくは80〜120℃で、1〜60分程度である。
〈4〉[3]現像工程
現像工程では、現像液によりレジスト膜(第1の製造方法)またはポリイミド前駆体層(第2の製造方法)を現像して、露光部(ポジ型の場合)または非露光部(ネガ型の場合)を溶解・除去する。これにより、第1の製造方法では、所望のパターン化レジスト膜が、第2の製造方法では、所望のパターン化ポリイミド前駆体層が、それぞれ形成される。
本発明では、ポリイミド前駆体層のアルカリ溶解性が確保されており、この現像工程によって、精細なパターン形成を行うことができる。
現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等が挙げられる。現像条件は、例えば20〜40℃で1〜10分程度である。
現像液としては、アルカリ性現像液を用いることができる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、コリン等のアルカリ性化合物を、1〜10質量%濃度となるように水に溶解させたアルカリ性水溶液が挙げられる。前記アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤および界面活性剤を適量添加することもできる。なお、アルカリ性現像液でレジスト膜またはポリイミド前駆体層を現像した後は、水で洗浄し、乾燥してもよい。
第1の製造方法において、レジスト膜の下層のポリイミド前駆体層はアルカリ性現像液に可溶であるため、レジスト膜とポリイミド前駆体層とを同時に選択的に除去してパターン化することが可能であり、プロセスを削減できる。
第1の製造方法において、レジスト膜の現像時におけるポリイミド前駆体層の現像が不充分である場合、レジスト膜の現像後に、得られたパターン化レジスト膜が溶解せず、ポリイミド前駆体層が溶解するようなエッチング液を用いてポリイミド前駆体層のパターン形成を行う。エッチング液としては、上記現像液と同様のものを用いることもできる。
このようにして、パターン化レジスト膜とパターン化ポリイミド前駆体膜を形成する。
〈5〉パターン化レジスト膜除去工程
第1の製造方法では、現像後にパターン化レジスト膜を除去する。この工程では、通常、レジスト膜の溶解性が高く、パターン化膜の溶解性が低い溶剤を用いて、レジスト膜を剥離する。溶剤としては、ノボラック樹脂を含有するレジスト組成物等を用いる場合、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラハイドロフラン、イソプロピルアルコール、アセトンおよび乳酸エチル等が挙げられる。剥離方法としては、例えば、レジスト膜−パターン化膜−基板からなる積層体を前記溶剤に浸漬させる方法や、前記溶剤をスピンコート法でレジスト膜上に塗布する方法などがある。
〈6〉[4]加熱処理工程
現像工程後、ポリイミド前駆体層中のポリアミド酸エステル(A)のイミド化およびベンゾオキサゾール環化や硬化反応等を充分に進行させ、絶縁膜としての特性を発現させるため、加熱処理により上記パターンを充分に硬化させる。加熱処理条件は特に限定されないが、通常150〜450℃、好ましくは200〜400℃の温度で、通常1分〜10時間、好ましくは30分〜2時間程度加熱することが挙げられる。
熱処理によって、ベンゼン環に結合した−CONH−基とオルト位にあるOH基との脱水縮合反応によりベンゾオキサゾール環が形成されるとともに、−CONH−基と−COOR4基との脱水縮合反応によりイミド環が形成される。
イミド化等を充分に進行させたり、パターン形状の変形を防止したりするため、二段階で加熱することもでき、例えば、第一段階では、50〜200℃の温度で10分〜2時間程度加熱し、第二段階では、さらに100℃超400℃以下の温度で20分〜8時間程度加熱することが挙げられる。このような硬化条件であれば、加熱設備として一般的なオーブンおよび赤外線炉等を用いることができる。
第1の製造方法では、加熱処理工程は、パターン化レジスト膜除去工程の前に行ってもよく、あるいはパターン化レジスト膜除去工程の後に行ってもよく、特に限定されない。
以上の方法により、パターン化樹脂膜が得られる。このパターン化樹脂膜は、ポリイミド前駆体層中のポリアミド酸エステル(A)のイミド化およびベンゾオキサゾール環化による、式(K)で表される構造単位を有するポリイミドを含有する。すなわち、このパターン化樹脂膜は、式(K)で表される構造単位を有する。
Figure 2014015507
式(K)中、R1は、当該R1に結合した−N=C−O−と共にベンゾオキサゾール構造を形成している4価の基であり;R2は、それぞれ独立にアリーレン基であり;R3は、芳香環を有する4価の基である。これらの詳細は、式(1)中の説明で記載したとおりである。
本発明のパターン化樹脂膜は、耐熱性が高く、パターンの解像性が高く、また線膨張率が低い。したがって、サイリスタ、SOI(silicon on insulator)素子、パワーMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)、整流ダイオード等のパワー半導体素子に用いられる絶縁膜として、好適である。
例えば本発明のパターン化樹脂膜は、−50〜200℃の範囲の線膨張を測定して得られる線膨張率が通常20ppm/℃以下、好ましくは15ppm/℃以下、より好ましくは10ppm/℃以下である。パターン化樹脂膜が形成される半導体素子の基板(例:SiC、GaN)は、線膨張率が低いことが多いが、本発明のパターン化樹脂膜は前記範囲の線膨張率を有するため、基板とパターン化樹脂膜との線膨張率の差を小さくすることができ、よって半導体素子の基板の反りを低減することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
1.物性の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による重量平均分子量の測定条件は以下のとおりであり、重合体1.0mgに対して溶剤[DMFの1%リン酸溶液]1mLの溶液を用いて測定した。
測定装置:HLC−8020(東ソー社製)
カラム:TSKguardcolumα(東ソー社製)、TSKgelα−M(東ソー社製)、およびTSKgelα−2500(東ソー社製)の順に装着
溶離液:DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
LiBr(0.03mol/L)、H3PO4(0.06mol/L)
流速:1.0mL/min
検出器:UV270nm
2.重合体の合成
[実施例A1]
攪拌機および温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中で、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイルアミノ)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(セイカ(株)製BABB)23.68g(52.1mmol)と、X−22−1660B−3(信越化学工業(株)製)4.68g(1.06mmol)とを、N−メチル−2−ピロリドン128gとシクロヘキサノン32gとの混合溶剤に溶解し、50℃にて1時間、窒素バブリングと共に加熱攪拌を行った。その後、ピロメリット酸二無水物((株)ダイセル製)11.64g(53.38mmol)を50℃にて加え、さらに50℃で4時間反応を行った。次いで、オルトギ酸トリメチル12.46g(117.43mmol)を添加し、溶液が均一となった後、温度を80℃に昇温させ、2時間攪拌を続け、赤外分光法によりエステル化の進行を確認した。この反応液を冷却し、ポリアミド酸エステル(A1)を20質量%含む溶液(I)を得た。ポリアミド酸エステル(A1)の重量平均分子量は33000、多分散度は4.0であった。
[実施例A2]
攪拌機および温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中で、4,4’−ビス(4−アミノベンゾイルアミノ)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(セイカ(株)製BABB)23.12g(50.87mmol)と、X−22−1660B−3(信越化学工業(株)製)4.57g(1.04mmol)とを、N−メチル−2−ピロリドン128gとシクロヘキサノン32gとの混合溶剤に溶解し、50℃にて1時間、窒素バブリングと共に加熱攪拌を行った。その後、ピロメリット酸二無水物((株)ダイセル製)9.09g(41.69mmol)と4,4’−オキシジフタル酸無水物(マナック(株)製)3.22g(10.38mmol)とを50℃にて加え、さらに50℃で4時間反応を行った。次いで、オルトギ酸トリメチル9.60g(90.46mmol)を添加し、溶液が均一となった後、温度を80℃に昇温させ、2時間攪拌を続け、赤外分光法によりエステル化の進行を確認した。この反応液を冷却し、ポリアミド酸エステル(A2)を20質量%含む溶液(II)を得た。ポリアミド酸エステル(A2)の重量平均分子量は30500、多分散度は4.6であった。
3.樹脂組成物の調製
[実施例B1]
実施例A1の溶液(I)500部と、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸との縮合物(モル比=1.0:2.0)20部と、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2部と、シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名「SH−28PA」)0.1部と、N−メチル−2−ピロリドン300部とを混合することにより、樹脂組成物を調製した。
[実施例B2〜B4]
実施例B1において、表1に示すとおりに配合成分の種類・量を変更したこと以外は実施例B1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
〔線膨張率の測定〕
剥離層を有するシリコンウエハ上に、実施例B1〜B4の樹脂組成物をスピンコートし、120℃で5分間加熱することにより、厚さ15μmの塗膜を形成した。その後、窒素雰囲気下対流式オーブンを用いて、150℃で30分間加熱し、次いで、350℃まで40分間で昇温した後、350℃で1時間加熱した。加熱後の塗膜を剥離してフィルムとし、線膨張率測定装置(型番「SS6100」、セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、−50〜200℃の範囲の線膨張を測定し、線膨張率(ppm/℃)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2014015507
B1:N−メチル−2−ピロリドン
C1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸との縮合物(モル比=1.0:2.0)
C2:スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
D1:ヘキサメトキシメチルメラミン
E1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
E2:シリコーン系界面活性剤
(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名「SH−28PA」)
〔解像性の評価〕
[実施例C1]
シリコンウエハ上に、実施例B1の樹脂組成物(ポジ型の感光性組成物)をスピンコートし、110℃で3分間加熱することにより、厚さ7μmの塗膜を形成した。その後、パターンマスクを介して、アライナーを用いて露光(高圧水銀灯からの波長350nmにおける露光量が350mJ/cm2)した。次いで、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液で現像し、純水で洗浄した。次いで、現像後の塗膜を110℃で10分間加熱した。加熱後の塗膜を電子顕微鏡で観察したところ、φ25μmのホールパターン(高さ=6μm)を有するパターン化樹脂膜が形成されていることを確認した。
[実施例C2]
シリコンウエハ上に、実施例B2の樹脂組成物(ネガ型の感光性組成物)をスピンコートし、110℃で3分間加熱することにより、厚さ7μmの塗膜を形成した。その後、パターンマスクを介して、アライナーを用いて露光(高圧水銀灯からの波長350nmにおける露光量が1000mJ/cm2)した。次いで、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液で現像し、純水で洗浄した。次いで、現像後の塗膜を110℃で10分間加熱した。加熱後の塗膜を電子顕微鏡で観察したところ、φ25μmのホールパターン(高さ=7μm)を有するパターン化樹脂膜が形成されていることを確認した。
[実施例C3]
シリコンウエハ上に、実施例B3の樹脂組成物をスピンコートし、120℃で5分間加熱することにより、厚さ45μmの塗膜(下層塗膜)を形成した。次いで、下層塗膜上にi線レジスト組成物(商品名「JSR IX510」、JSR(株)製)をスピンコートし、110℃で1分間加熱することにより、下層塗膜上に厚さ1μmの塗膜(上層塗膜)を形成した。その後、パターンマスクを介して、アライナーを用いて露光(高圧水銀灯からの波長350nmにおける露光量が50mJ/cm2)した。次いで、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液で現像し、純水で洗浄した。次いで、乳酸エチルで上層塗膜から形成したレジスト膜を除去した後、110℃で10分間加熱した。加熱後の塗膜を電子顕微鏡で観察したところ、φ100μmのホールパターン(高さ=45μm、テーパー状)を有するパターン化樹脂膜が形成されていることを確認した。
[実施例C4]
シリコンウエハ上に、実施例B4の樹脂組成物をスピンコートし、120℃で5分間加熱することにより、厚さ45μmの塗膜(下層塗膜)を形成した。次いで、下層塗膜上にi線レジスト組成物(商品名「JSR IX510」、JSR(株)製)をスピンコートし、110℃で1分間加熱することにより、下層塗膜上に厚さ1μmの塗膜(上層塗膜)を形成した。その後、パターンマスクを介して、アライナーを用いて露光(高圧水銀灯からの波長350nmにおける露光量が50mJ/cm2)した。次いで、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液で現像し、純水で洗浄した。次いで、乳酸エチルで上層塗膜から形成したレジスト膜を除去した後、110℃で10分間加熱した。加熱後の塗膜を電子顕微鏡で観察したところ、φ100μmのホールパターン(高さ=45μm、テーパー状)を有するパターン化樹脂膜が形成されていることを確認した。

Claims (12)

  1. (A)式(1)で表される構造単位を有する重合体と、
    (B)溶剤と
    を含有する樹脂組成物。
    Figure 2014015507
    [式(1)中、R1は、当該R1に結合した−OHおよび−CONH−と共にベンゾオキサゾール構造を形成しうる4価の基であり;R2は、それぞれ独立にアリーレン基であり;R3は、芳香環を有する4価の基であり;R4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。ただし、重合体(A)中の全R4のうち1つ以上のR4は、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。]
  2. 式(1)中のR1が、式(R1−1)、式(R1−2)および式(R1−3)から選択される少なくとも1種の式で表される4価の基である、請求項1の樹脂組成物。
    Figure 2014015507
    [式(R1−1)中、aは0以上の整数であり;式(R1−2)中、bは0以上の整数であり;式(R1−3)中、Xは、−O−、−S−、炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和のアルキレン基、−SO2−、−C(CF32−またはフェニレン基であり;*は結合手を示す。]
  3. 式(1)中のR2が、式(R2−1)および式(R2−2)から選択される少なくとも1種の式で表される2価の基である、請求項1または2の樹脂組成物。
    Figure 2014015507
    [式(R2−1)中、cは0以上の整数であり;式(R2−2)中、dは0以上の整数であり;*は結合手を示す。]
  4. (C)感光性化合物
    をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項の樹脂組成物。
  5. (D)カチオン反応性架橋剤
    をさらに含有し、
    前記感光性化合物(C)が光感応性酸発生剤である、
    請求項4の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項の樹脂組成物を用いてパターン化樹脂膜を形成する工程
    を有する、パターン化樹脂膜の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項の樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程、
    前記塗膜上にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程、
    前記レジスト膜を露光してパターンの潜像を形成する工程、
    露光後の前記レジスト膜を現像してパターン化レジスト膜を形成し、現像と同時にまたは現像後に、前記パターン化レジスト膜をマスクとして前記塗膜を選択的に除去してパターン化膜を形成する工程、ならびに
    前記パターン化レジスト膜を除去する工程
    を有し、このパターン化レジスト膜の除去の前または後に、
    前記パターン化膜を加熱して硬化させる工程
    を有する、パターン化樹脂膜の製造方法。
  8. 請求項4または5の樹脂組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程、
    前記塗膜を露光してパターンの潜像を形成する工程、
    露光後の前記塗膜を現像してパターン化膜を形成する工程、および
    前記パターン化膜を加熱して硬化させる工程
    を有する、パターン化樹脂膜の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項の製造方法により得られるパターン化樹脂膜。
  10. 式(K)で表される構造単位を有するパターン化樹脂膜。
    Figure 2014015507
    [式(K)中、R1は、当該R1に結合した−N=C−O−と共にベンゾオキサゾール構造を形成している4価の基であり;R2は、それぞれ独立にアリーレン基であり;R3は、芳香環を有する4価の基である。]
  11. 式(1)で表される構造単位を有する重合体。
    Figure 2014015507
    [式(1)中、R1は、当該R1に結合した−OHおよび−CONH−と共にベンゾオキサゾール構造を形成しうる4価の基であり;R2は、それぞれ独立にアリーレン基であり;R3は、芳香環を有する4価の基であり;R4は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。ただし、重合体(A)中の全R4のうち1つ以上のR4は、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数3〜9のアルキルシリル基である。]
  12. 請求項9または10のパターン化樹脂膜を有する半導体装置。
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