JP4923656B2 - ネガ型感光性樹脂組成物、パターンの製造方法及び電子部品 - Google Patents
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Description
また本発明は、前記ネガ型感光性樹脂組成物の使用により、アルカリ水溶液で現像可能であり、耐熱性、機械特性に優れる良好な形状のパターンが得られるパターンの製造方法を提供するものである。さらに本発明は、良好な形状と特性のパターンを有することにより、信頼性の高い電子部品を提供することを目的とする。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物にあっては、後述のように、前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内のカルボキシル基又はエステルを含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内の1級又は2級アルコール、エポキシ基、ビニルエーテル、イソシアネートから選ばれる1種を含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内のアミノ基を含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内のエポキシ基を含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内のイソシアナートを含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内の1級又は2級アルコール、フェノール、カルボキシル基から選ばれる1種を含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内のオレフィンを含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内のオレフィンを含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内の三重結合を含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内の三重結合を含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内の芳香環を含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内のメチロール、アルコキシアルキル基、3級アルコール又はビニルエーテルから選ばれる1種を含むことが、好ましい。
また、本発明のパターンの製造方法によれば、前記ネガ型感光性樹脂組成物の使用により、感度、解像度及び耐熱性に優れ、良好な形状のパターンが得られる。
さらに、本発明の電子部品は、良好な形状と特性のパターンを有することにより、信頼性が高いという効果を奏する。
まず、本発明によるネガ型感光性樹脂組成物について説明する。
本発明によるネガ型感光性樹脂組成物は、(a)アルカリ水溶液可溶性のポリマー(以下、単に「(a)成分」とする)と、(b)活性光線照射により酸を発生する化合物(以下、単に「(b)成分」とする)と、及び(c)酸の作用により前記(a)成分の少なくとも末端基と架橋あるいは重合し得る化合物(以下、単に「(c)成分」とする)とを含有してなる。以下、各成分について説明する。
本発明における(a)成分は、アルカリ水溶液可溶性のポリマーであり、酸の存在下で(c)成分と橋架け反応しうる末端基を持つものであれば、特に構造上の制限はない。ここで言う橋架け反応には加熱を伴うものも含まれる。
なお、アルカリ水溶液とは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の溶液である。一般には、濃度が2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が用いられるので、(a)成分は、この水溶液に対して可溶性であることが好ましい。
〔A群〕 1級又は2級アルコール、カルボキシル基、アミノ基、チオール、芳香環。
〔B群〕 メチロール、アルコキシアルキル基、3級アルコール、シクロアルキル基、オレフィン、三重結合、ハロゲン化アルキル、エポキシ基などの環状エーテル、エステル結合、カーボネート、イソシアナート。
ロキシ基を含有するアミドユニットは、最終的には硬化時の脱水閉環により、耐熱性、機械特性、電気特性に優れるオキサゾール体に変換される。
即ち、次式(II)
(式中、Uは4価の有機基を示し、VとWは2価の有機基を示す。jとkは、モル分率を示し、jとkの和は100モル%であり、jが60〜100モル%、kが40〜0モル%である。)
で表されるポリヒドロキシアミドであることが好ましい。ここで、式中のjとkのモル分率は、j=80〜100モル%、k=20〜0モル%であることがより好ましい。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、前記(a)成分として用いるアルカリ水溶液可溶性のポリマーとともに、前記(b)成分として活性光線照射により酸を発生する化合物(以下、酸発生剤という)を用いる。この酸発生剤の含有量は、感光時の感度、解像度を良好とするために、(a)成分100重量部に対して、0.01〜50重量部とすることが好ましく、0.01〜20重量部とすることがより好ましく、0.5〜20重量部とすることがさらに好ましい。
本発明に使用する(c)成分、すなわち酸の作用により架橋あるいは重合し得る化合物であって前記(a)成分の少なくとも末端基と架橋し得る化合物は、前述した条件を満たすものであれば特に制限はないが、分子内に少なくとも一つ好ましくは2つ以上の反応性官能基を有する化合物であることが好ましい。(c)成分の架橋しうる温度としては、感光性樹脂組成物が塗布、乾燥、露光、現像の各工程で架橋が進行しないように、150℃以上であることが好ましい。(c)成分は(a)成分の末端基と架橋するが、これと併せて分子間で重合するような化合物でも良い。
(式中、Xは単結合又は1〜4価の有機基を示し、Zは(a)成分と反応する官能基を示し、R1は水素原子、水酸基又は一価の有機基を示し、nは1〜4の整数であり、p、qは各々独立に0〜4の整数である。)
(式中、個々のX'は、各々独立に、単結合、アルキレン基(例えば炭素原子数が1〜10のもの)、アルキリデン基(例えば炭素数が2〜10のもの)、それらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基、スルホン基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合等から選択されるものであり、R3は水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基又はハロアルキル基であり、複数存在する場合は互いに同一でも異なっていてもよく、mは1〜10である。)
で示される2価の有機基が好ましいものとして挙げられる。さらに、下記一般式(VI)に挙げられるものは感度、解像度にも優れるため、特に好ましいものとして挙げられる。
(式中、2つのYは各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基であり酸素原子又はフッ素原子を含んでいても良く、R4〜R5は各々独立に水素原子又は一価の有機基を示し、p、q、r及びsは各々独立に0〜4の整数である。)
これらの架橋剤は単独で使用しても良く、また2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明によるネガ型感光性樹脂組成物は、前記(a)成分〜(c)成分の他に、(1)酸発生化合物、(2)密着性付与在、(3)界面活性剤あるいはレベリング剤、(4)溶剤等を含有しても良い。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等の(2)接着性付与剤を含むことができる。
有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
これらの(2)密着性付与剤を用いる場合は、(a)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部含有させるのが好ましく、0.5〜10重量部含有させるのがより好ましい。
また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させるために、適当な界面活性剤あるいはレベリング剤を添加することができる。このような界面活性剤あるいはレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等があり、市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社製商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製商品名)等が挙げられる。
本発明においてはこれらの成分を(4)溶剤に溶解し、一般にワニス状にして使用する。溶剤としては、N‐メチル‐2‐ピロリドン、γ‐ブチロラクトン、N,N‐ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、2‐メトキシエタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル‐1,3‐ブチレングリコールアセテート、1,3‐ブチレングリコールアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフランなどがあり、単独でも混合して用いても良い。
次に、本発明によるパターンの製造方法について説明する。本発明によるパターンの製造方法は、上述したネガ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記塗布、乾燥工程により得られた感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像する工程と、及び前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程とを経て、所望の耐熱性高分子のパターンを製造することができる。以下、各工程について説明する。
ネガ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板上に、上述した感光性樹脂組成物を、スピンナーなどを用いて回転塗布する。その後、ホットプレート、オーブンなどを用いて乾燥することにより、支持基板上にネガ型感光性樹脂組成物の被膜である感光性樹脂膜を形成する。
次に、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性樹脂組成物(感光性樹脂膜)に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線を照射する。なお、所望により露光後の感光性樹脂膜を加熱する工程をさらに含んでも良い。
続いて、現像工程では、未露光部を現像液で除去することによりパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とすることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
次いで、加熱処理工程では、例えば種々の熱拡散炉、加熱炉や硬化炉を使用して、得られたパターンに好ましくは150〜450℃の加熱処理を施すことにより、耐熱性高分子のパターンになる。本発明においては、加熱処理を280℃以下、好ましくは150〜280℃で行っても十分な膜特性を得ることができる。
また、加熱処理には、熱拡散炉等に限らず、マイクロ波を用いることもできる。マイクロ波を、周波数を変化させながらパルス状に照射した場合は定在波を防ぐことができ、基板面を均一に加熱することができる点で好ましい。さらに、基板として電子部品のように金属配線を含む場合は、周波数を変化させながらマイクロ波をパルス状に照射すると、金属からの放電等の発生を防ぐことができ、電子部品を破壊から守ることができる点で好ましい。
照射するマイクロ波の周波数は連続的に変化させることが望ましいが、実際は周波数を階段状に変化させて照射する。その際、単一周波数のマイクロ波を照射する時間はできるだけ短い方が定在波や金属からの放電等が生じにくく、その時間は1ミリ秒以下が好ましく、100マイクロ秒以下が特に好ましい。
次に、本発明によるネガ型感光性樹脂組成物を用いたパターンの製造方法の一例として、半導体装置(電子部品)の製造工程の一例を図面に基づいて説明する。図1〜図5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。これらの図1〜図5において、回路素子(図示しない)を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。この半導体基板1上に、スピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミド樹脂等の層間絶縁膜層4が形成される(図1、工程(a))。
次に、本発明による電子部品について説明する。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。本発明の半導体装置は、前記ネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。本発明による電子部品は、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いて上記パターンの製造方法によって形成されるパターンを含む。また、電子部品としては、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。
(実施例1〜12、参考例1〜6)
実施例、参考例及び後述する比較例において、合成したポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC、装置は(株)日立製作所製、カラムは日立化成工業(株)製ゲルパック)を用いて、標準ポリスチレン換算により求めた。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g(60 mmol)、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル23.9g(120 mmol)を滴下し、30分間反応させて、4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.5gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.30g(50 mmol)を攪拌溶解した後、ピリジン9.48g(120 mmol)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してカルボキシル基末端のポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は17,600、分散度は1.6であった。
合成例1の4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンのモル量60 mmol:50 mmolを50 mmol:60 mmolとし、他の試薬の量もそれぞれのモル量に比例して変更した以外は、合成例1と同様にして合成を行った。その結果得られたアミノ基末端のポリヒドロキシアミドを以下、ポリマーIIとする。ポリマーIIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は16,200、分散度は1.8であった。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g(60 mmol)、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル23.9g(120 mmol)を滴下し、30分間反応させて、4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.5gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.30g(50 mmol)とm−アミノアニソール2.46g(20 mmol)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン9.48g(120 mmol)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。この溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してメトキシ置換ベンゼン末端のポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIIIとする)。ポリマーIIIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は19,100、分散度は1.6であった。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸12.90g(50 mmol)、N−メチルピロリドン75gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル19.9g(100 mmol)を滴下し、30分間反応させて、4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン105gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン22.0g(60 mmol)と5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物3.28 g(20 mmol)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン7.9g(100 mmol)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。得られた溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥して二重結合を末端に持つポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIVとする)。ポリマーIVのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は22,800、分散度は1.8であった。
攪拌機及び温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)10g(32 mmol)とイソプロピルアルコール3.87g(65 mmol)とをN−メチルピロリドン45gに溶解し、1,8−ジアザビシクロウンデセンを触媒量添加の後に、60℃にて2時間加熱を行い、続いて室温下(25℃)で15時間攪拌し、エステル化を行った。その後、氷冷下で塩化チオニルを7.61g(64 mmol)加え、室温に戻し2時間反応を行い酸クロリドの溶液を得た。この溶液を酸クロ溶液Iと呼ぶ。
合成例5の(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンのモル量を36 mmolとし、酸クロ溶液I以外の他の試薬の量もそれぞれのモル量に比例して変更した以外は、合成例5と同様にして合成を行った。その結果得られたアミノ基末端のポリアミド酸エステルを以下、ポリマーVIとする。ポリマーVIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は23,200、分散度は2.0であった。
合成例5のビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンのN−メチルピロリドン溶液にm−アミノアニソール0.99g(8 mmol)を添加した以外は、合成例5と同様にして合成を行った。その結果得られたメトキシ置換ベンゼン末端のポリアミド酸エステルを以下、ポリマーVIIとする。ポリマーVIIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は20,000、分散度は1.6であった
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン40gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.17g(36 mmol) と5-ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物1.31g(8 mmol)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン7.62g(64 mmol)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、先に調製した酸クロ溶液Iを30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物を濾別して集め、減圧乾燥することによって二重結合を末端に持つポリアミド酸エステルを得た。(以下、ポリマーVIIIとする)。ポリマーVIIIの重量平均分子量は21,100、分散度は2.1であった。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン11.71g(32 mmol)と無水マレイン酸0.39g(4 mmol)を添加し、攪拌溶解した。ここに室温下(25℃)で、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物8.68g(28 mmol)を30分間で加え、12時間攪拌を続けた。この反応液に対して、m−キシレンを20g加え、150℃で2時間加熱還流を行った。この際、イミド環の環化により生じた水は共沸により系外へと除きながら還流を行った。その後、室温まで冷却した後、この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物を濾別して集め、減圧乾燥することによって二重結合を末端に持つポリイミドを得た(以下、ポリマーIXとする)。ポリマーIXの重量平均分子量は18,700、分散度は1.7であった。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8.78g(24 mmol)を添加し、攪拌溶解した。ここに室温下(25℃)で、無水ピロメリット酸3.49g(16 mmol)を30分間で加え、12時間攪拌を続けた。この反応液に対して、m−キシレンを15g加え、150℃で2時間加熱還流を行った。この際、イミド環の環化により生じた水は共沸により系外へと除きながら還流を行った。これをイミド溶液と呼ぶ。これとは別の攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸2.32g(9 mmol)、N−メチルピロリドン15gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル2.14g(18 mmol)を滴下し、30分間反応させて、4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液を得た。この溶液を酸クロ溶液IIと呼ぶ。先に調製したイミド溶液にピリジン1.42g(18 mmol)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、酸クロリド溶液IIを30分間かけて滴下して加え、その後30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してカルボキシル基を末端に持つポリアミドイミドを得た(以下、ポリマーXとする)。ポリマーXの重量平均分子量は24,300、分散度は2.8であった。
(a)成分としての前記ポリマーI〜X各々100重量部に対し、(b)成分、(c)成分を表1に示した所定量にて配合した。また有機溶媒としては、γ−ブチロラクトン(BLO)あるいはN−メチルピロリドン(NMP)を表1に示す重量部用いた。
その後、前記塗膜をイナートガスオーブン中、窒素雰囲気下、150℃で30分加熱した後、さらに320℃で1時間加熱して硬化膜を得た。次に、得られた膜をシリコン基板ごとフッ酸水溶液に浸漬し、基板から硬化膜を剥離し、水洗、乾燥した後、ガラス転移点(Tg)、破断伸び(引っ張り試験機で測定)を測定した。これらの結果を表3に示した。
(a)成分としてポリマーI、ポリマーVを使用し、これらのポリマー100重量部に対し、(b)成分、(c)成分を表4に示した所定量にて配合し、以下実施例と同様にして評価を行った。
以上より末端基と(c)成分の架橋反応が感光特性の向上に寄与していると分かった。
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光樹脂層
6A、6B、6C、6D 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層
Claims (4)
- (a)アルカリ水溶液可溶性のポリマーと、(b)活性光線照射により酸を発生する化合物と、及び(c)酸の作用により前記(a)成分の少なくとも末端基と架橋あるいは重合し得る化合物とを含有してなり、前記(a)成分が、末端に、カルボキシル基、エステル、アミノ基、イソシアナート、オレフィン、三重結合、及び芳香環からなる群から選択される官能基又は結合を含み、かつ前記(c)成分が、末端に、1級又は2級アルコール、エポキシ基、ビニルエーテル、イソシアナート、フェノール、カルボキシル基、オレフィン、三重結合、メチロール、アルコキシアルキル基、3級アルコールからなる群から選択される官能基又は結合を含むネガ型感光性樹脂組成物であって、
前記(a)成分が、ポリイミド、ポリオキサゾール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミド及びこれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の耐熱性高分子化合物であり、
前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内のカルボキシル基又はエステルを含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内の1級又は2級アルコール、エポキシ基、ビニルエーテル、イソシアネートから選ばれる1種を含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内のアミノ基を含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内のエポキシ基を含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内のイソシアナートを含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内の1級又は2級アルコール、フェノール、カルボキシル基から選ばれる1種を含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内のオレフィンを含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内のオレフィンを含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内の三重結合を含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内の三重結合を含み;前記(a)成分が末端に前記官能基又は結合の内の芳香環を含む場合には、前記(c)成分は末端に前記官能基又は結合の内のメチロール、アルコキシアルキル基、3級アルコール又はビニルエーテルから選ばれる1種を含むことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。 - 前記(a)成分100重量部に対して、前記(b)成分0.01〜50重量部、及び前記(c)成分0.1〜50重量部を含有することを特徴とする請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載のネガ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記塗布、乾燥工程により得られた感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像する工程と、及び前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程とを含むことを特徴とするパターンの製造方法。
- 請求項3に記載のパターンの製造方法により得られるパターンの層を有してなる電子デバイスを有する電子部品であって、前記電子デバイス中に前記パターンの層が層間絶縁膜層又は表面保護膜層として設けられていることを特徴とする電子部品。
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