JP5110144B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、パターン形成方法及び電子部品 - Google Patents
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Description
近年、ポリイミド樹脂自身に感光特性を付与した感光性ポリイミドが用いられてきているが、これを用いるとパターン作成工程が簡略化でき、煩雑な製造工程の短縮が行えるという特徴を有する(例えば、特許文献1〜3参照)。
まず、本発明によるポジ型感光性樹脂組成物について説明する。
本発明によるポジ型感光性樹脂組成物は、(a)アルカリ水溶液可溶性のポリアミドと、(b)一般式(I)に示すフェノール性水酸基を有する化合物と、(c)o−キノンジアジド化合物と、及び(d)溶剤とを含み、さらに後述の(e)加熱により酸を発生する熱潜在酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂組成物である。
(a)アルカリ水溶液可溶性のポリアミドは、アルカリ水溶液可溶性のフェノール性水酸基含有ポリアミドであり、これは一般にポリオキサゾール、好ましくはポリベンゾオキサゾールの前駆体として機能する。具体的には、一般式(VII)で表される化合物である。
即ち、次式(VIII)で表されるポリアミドであることが好ましい。
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸誘導体にハロゲン化剤を作用させて合成することができる。ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸塩素化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
ここで、一般式(VII)において、Uで表される4価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成するジヒドロキシジアミン由来の残基であり、4価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の4価の芳香族基がより好ましい。4価の芳香族基としては、4個の結合部位がいずれも芳香環上に存在し、2個のヒドロキシ基がそれぞれアミンのオルト位に位置した構造を有するジアミンの残基が好ましい。
また、前記ポリアミドの一般式(VIII)において、Wで表される2価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成する、ジアミン由来(但し前記Uを形成するジヒドロキシジアミン以外)の残基であり、2価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数としては4〜40のものが好ましく、炭素原子数4〜40の2価の芳香族基がより好ましい。
また一般式(VII)において、Vで表される2価の有機基とは、ジアミンと反応してポリアミド構造を形成する、ジカルボン酸由来の残基であり、2価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の2価の芳香族基がより好ましい。2価の芳香族基としては、2個の結合部位がいずれも芳香環上に存在するものが好ましい。
次に、本発明で使用される(b)成分であるフェノール性水酸基を有する化合物について説明する。このフェノール性水酸基を有する化合物は、この化合物を加えることによりアルカリ水溶液で現像する際に露光部の溶解速度が増加して感度が上がり、また、パターン形成後の膜の硬化時に、ポリアミドと反応、すなわち橋架けする。これによって、比較的低い温度、例えば200℃以下の硬化温度で、懸念される膜の脆さや膜の溶融を防ぐことができる。そのようなフェノール性水酸基を有する化合物は、下記一般式(I)で表すことができる。
次に、本発明で使用される(c)成分であるo−キノンジアジド化合物について説明する。このo−キノンジアジド化合物は、感光剤であり、光の照射によりカルボン酸を発生し、光の照射部のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有するものである。そのようなo−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できる。
次に、本発明で使用される(d)成分である溶剤について説明する。この溶剤としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
これらの溶剤は単独で又は2種以上併用して用いることができる。また(d)溶剤の配合量は特に制限はないが、一般に感光性樹脂組成物中の溶剤の割合が20〜90重量%となるように調整するのが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物において、(a)〜(d)成分に加えて、(e)加熱により酸を発生する熱潜在酸発生剤を配合する。このような、熱潜在酸発生剤から発生する酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸が望ましい。これらの酸は、ポリベンゾオキサゾール前駆体のフェノール性水酸基含有ポリアミド構造が脱水反応を起こして環化する際の、及び、フェノール性水酸基を有する化合物とフェノール性水酸基含有ポリアミドの反応の触媒として効率的に働き、硬化温度を下げても環化率の低下を防ぐことができる。これに対して、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸や硝酸が出るような酸発生剤では、発生した酸の酸性度が弱く、さらに加熱で揮発し易いこともあって、ポリベンゾオキサゾール前駆体の環化脱水反応には関与しないので、効果が得られない。
また、以下のように、=N−O−SO2−Rの構造を持つ化合物を用いることもできる。
本発明においては、上述した(a)成分〜(e)成分の他に、(1)溶解阻害剤、(2)カップリング剤及び(3)界面活性剤などを配合しても良い。まず、(1)溶解阻害剤は、(a)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、感光性樹脂組成物に含有させることができる。
これらは、残膜厚や現像時間をコントロールするのに役立つ。上記成分の配合量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(a)成分100重量部に対して、0.01〜15重量部が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましく、0.05〜3重量部がさらに好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等のカップリング剤である密着性付与剤を含むことができる。有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルシフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させるために、適当な界面活性剤あるいはレベリング剤を添加することができる。このような界面活性剤あるいはレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等があり、市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社製商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製商品名)等が挙げられる。
次に、本発明によるパターン形成方法について説明する。本発明のパターン形成方法は、上述したポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布して乾燥する工程と、前記乾燥工程により得られた感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像する工程と、及び前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程とを含む。以下、各工程について説明する。
まず、ポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板上に、上述したポジ型感光性樹脂組成物を、スピンナーなどを用いて回転塗布した後、この支持基板をホットプレート、オーブンなどを用いて乾燥する。これにより、支持基板上にポジ型感光性樹脂組成物の被膜が形成される。
次に、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性樹脂組成物に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線を照射する。
なお、露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行ってから、現像工程に進むこともできる。露光後加熱の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1分〜5分が好ましい。
現像工程では、活性光線が露光した感光性樹脂組成物の露光部を、現像液で除去することによりパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,ケイ酸ナトリウム,アンモニア,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン,トリエタノールアミン,テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とすることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
次いで、加熱処理工程では、現像後得られたパターンを加熱処理することにより、オキサゾール環や他の官能基を有する耐熱性のポリオキサゾールのパターンを形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、望ましくは、200℃以下であり、より望ましくは、140〜200℃の範囲である。
パターン形成方法の加熱処理工程における加熱処理としては、上述した硬化炉等を用いる以外に、マイクロ波硬化装置や周波数可変マイクロ波硬化装置を用いることもできる。これらを用いることにより、基板やデバイスの温度を例えば200℃以下に保ったままで、感光性樹脂組成物膜のみを効果的に加熱することが可能である。
次に、本発明によるパターン形成方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。図1−1〜図1−5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。これらの図1−1〜図1−5において、回路素子(図示しない)を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。半導体基板1上にスピンコート法等でポリイミド樹脂等の層間絶縁膜4が成膜される(図1−1)。
次に、本発明による電子部品について説明する。本発明による電子部品は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて上記パターン形成方法によって形成されるパターンを有する。ここで、電子部品としては、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。また、上記パターンは、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。本発明による電子部品は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸(30mol%)15.48g、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル12.64gを滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.5gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン18.30gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン8.53gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマーA1とする)。ポリマーA1のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は14580、分散度は1.6であった。
上記合成例1で使用した4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸の30mol%をシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸に置き換えた以外は、合成例1と同様の条件にて合成を行った。得られたポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーA2とする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は18580、分散度は1.5であった。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル12.64gを滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.5gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン18.30g及び4−アミノ−3−メチルフェノール2.46gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン8.53gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーA3とする)。ポリマーA3のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は16200、分散度は1.7であった。
配合
ポリアミド[(a)成分]100重量部に対し、(b)フェノール性水酸基を有する化合物、(c)o−キノンジアジト化合物、(d)溶剤、(e)熱潜在酸発生剤を、表1に示した所定量にて配合し、さらに接着助剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液5重量部を配合した。この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧ろ過して、感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M7)を得た。
上記感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M7)をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚11〜13μmの塗膜を形成した。その後、i線ステッパー(キャノン製FPA−3000iW)を用いマスクを介してi線(365nm)での縮小投影露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液にて現像を行い、残膜厚が初期膜厚の70〜90%程度となるように現像を行った。その後、水でリンスしパターン形成に必要な最小露光量と解像度を求めた。結果を表2に記す。
さらに、上記感光性樹脂組成物の溶液(M1〜M7)をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約15μmの塗膜を形成した。その後、プロキシミティ露光機(キャノン製PLA−600FA)を用いマスクを介してi線(365nm)で露光を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液にて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、前記塗膜を以下の方法で加熱処理(硬化)した。
硬化は以下の各方法で行い、膜厚約10μmのポリオキサゾール膜を得た。
(i)縦型拡散炉(光洋サーモシステム製μ−TF)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1.5時間)で1時間、塗膜を加熱処理した。
(ii)縦型拡散炉(光洋サーモシステム製μ−TF)を用い、窒素中、温度180℃(昇温時間1.5時間)で1時間、塗膜を加熱処理した。
(iii)周波数可変型マイクロ波硬化炉(ラムダテクノロジー社製Microcure2100)を用い、マイクロ波出力450W、マイクロ波周波数5.9〜7.0GHz、温度175℃(昇温時間5分間)で、2時間加熱処理した。
上記の方法で硬化した膜厚約10μmのポリオキサゾール膜をシリコン基板から剥離し、剥離膜のガラス転移温度(Tg)をセイコーインスツルメンツ社製TMA/SS600で測定した。なお、試料の幅は2mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は10mmとする。また、荷重は10gで、昇温速度は5℃/分である。また、剥離膜の平均破断伸度(El)を島津製作所製オートグラフAGS−H100Nによって測定した。なお、試料の幅は10mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は20mmとする。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は室温(20℃〜25℃)程度とする。ここでは、同一条件で得た硬化膜について5本以上の測定値の平均を「平均破断伸度(El)」とする。硬化条件、Tg、及び、Elを表3に示す。
上記合成例のポリアミド[(a)成分]100重量部に対し、フェノール性水酸基を有する化合物(b)としてβ1及びβ2、o−キノンジアジト化合物(c)、溶剤(d)、熱潜在酸発生剤(e)を配合し、さらに接着助剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液5重量部を配合した。この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧ろ過して、感光性樹脂組成物の溶液(M8〜M9)を得た。配合量を表1に併記した。
実施例1及び4でそれぞれ調製した感光性樹脂組成物M1及びM4を、図2に示すように、シリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、導体層9が形成された半導体基板1上にスピンコートした後に、乾燥して膜厚13μmの塗膜を形成した。その後、プロキシミティ露光機(キャノン製PLA−600FA)を用いてマスクを介してi線(365nm)で露光(露光量250mJ/cm2)を行った。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液にて現像を行い、100μm角の窓6Dを形成した。この半導体基板1をイナートガスオーブン(光洋サーモシステム製)を用い、窒素中、温度200℃(昇温時間1.5時間)で1時間加熱処理し、表面保護膜層8を形成し、図2のようなテスト部品(電子部品)を作成した。
比較例2の感光性樹脂組成物M9を、実施例8及び9と同様の方法で、図2に示すテスト部品(電子部品)を作成した。このテスト部品を実施例8及び9と同様に温度サイクル試験し、剥がれやクラック等の不良の有無を観察した。その結果を表4に示す。
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光樹脂層
6A、6B、6C、6D 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層
9 導体層
Claims (11)
- (a)アルカリ水溶液可溶性のポリアミドと、(b)一般式(I)に示すフェノール性水酸基を有する化合物と、(c)o−キノンジアジド化合物と、(d)溶剤と、及び(e)加熱により酸を発生する熱潜在酸発生剤であって、加熱によりアリールスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸のいずれかの酸を発生する酸発生剤とを含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(a)成分100重量部に対して、前記(b)成分1〜30重量部、及び前記(c)成分5〜100重量部を配合してなることを特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(a)成分100重量部に対して、前記(b)成分1〜30重量部、前記(c)成分5〜100重量部、及び前記(e)成分0.1〜30重量部を配合してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1から請求項6のうち、いずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布して乾燥する工程と、前記乾燥工程により得られた感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像する工程と、及び前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
- 前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程において、前記加熱処理が、周波数を変化させながらマイクロ波をパルス状に照射する処理であることを特徴とする請求項7に記載のパターン形成方法。
- 現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程において、加熱温度が200℃以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載のパターン形成方法。
- 請求項7から請求項9のうち、いずれか1項に記載のパターン形成方法により得られるパターンの層を、層間絶縁膜層又は表面保護膜層として有することを特徴とする電子部品。
- 前記電子部品は、MRAMであることを特徴とする請求項10に記載の電子部品。
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