JP4600644B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、半導体装置及び表示素子、並びに半導体装置及び表示素子の製造方法 - Google Patents
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一方、ポリイミド樹脂自身に感光性を付与する技術があり、例えば下記式(2)に示される感光性ポリイミド樹脂が挙げられる。
[1] アルカリ可溶性樹脂(A)、ジアゾナフトキノン化合物(B)、フェノール性水酸基を含まず−CH2OH基を含む化合物(C)を含んでなることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物、
[2] アルカリ可溶性樹脂(A)が、一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂である[1]記載のポジ型感光性樹脂組成物、
[4] ポジ型感光性樹脂組成物を酸素濃度10ppm以下、320℃、60分で硬化した5μm膜厚のフィルムの波長500nmの透過率が40%以上である[1]〜[3]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物、
[5] 一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のXが、下記の群より選ばれてなる[2]〜[4]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物、
[8] [1]〜[7]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して組成物層を形成する工程と、概組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成する工程と、概組成物を加熱する工程を有することを特徴とするパターン状樹脂膜の製造方法、
[9] [1]〜[7]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする半導体装置、
[10] [1]〜[7]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする表示素子、
[11] [1]〜[7]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜50μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法、
[12] [1]〜[7]のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜50μmになるように表示素子用基板上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、酸素濃度10ppm以下、320℃、60分で硬化した5μm膜厚のフィルムの波長500nmの透過率が40%以上であることが好ましい。該透過率が40%未満であると、透明性が十分でなく好ましくない。
《実施例1》
テレフタル酸0.9モルとイソフタル酸0.1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体360.4g(0.9モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.3g(1モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3000gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
合成したポリアミド樹脂(PA−1)100g、下記構造のジアゾナフトキノン化合物(S−1)20g、下記構造のフェノール性水酸基を含まず−CH2OH基を含む化合物(M−1)10gをγ―ブチロラクトンに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し感光性樹脂組成物を得た。
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分乾燥し、膜厚約5μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製i線ステッパーNSR4425iを用いて、露光量100mJ/cm2から20mJ/cm2づつ増やして露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に30秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。その結果、露光量260mJ/cm2でパターンが形成されていることが確認でき、解像度は5μmであった。更に、クリーンオーブンで150℃/30分、320℃/60分、酸素濃度雰囲気が10ppm以下で硬化を行った。次に得られた硬化膜を3%のフッ化水素水に漬浸し、膜をシリコンウエハーから剥離を行った。得られた膜を純水で充分に洗浄した後、60℃/5時間かけてオーブンで乾燥した。得られたフィルムの透過率を分光光度計で測定を行ったところ、膜厚5μm換算当たり、62%と高透明であった。更に得られた膜を50℃で24時間乾燥した後、23℃に保った純水に乾燥後の膜を浸漬しする方法(JIS−K7209準拠)で吸水率を測定したところ、吸水率は0.28%と低かった。
実施例1におけるフェノール性水酸基を含まず−CH2OH基を含む化合物M−1に替えて、M−2を15g用いた以外は、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を得て、実施例1と同様の評価を行った。
実施例1におけるジアゾナフトキノン化合物(S−1)に替えて、S−2を25g用いた以外は、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を得て、実施例1と同様の評価を行った。
実施例1におけるポリアミド樹脂の合成において、テレフタル酸0.9モルとイソフタル酸0.1モルの代わりに、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルを用い、一般式(1)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−3で、a=100、b=0からなるポリアミド樹脂(PA−2)を合成した。その他は、実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を得て、実施例1と同様の評価を行った。
4,4’―オキシジフタル酸無水物17.1g(0.055モル)と2−メチル−2−プロパノール13.0g(0.110モル)とピリジン10.9g(0.138モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gを加えて溶解させた。この反応溶液に1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール14.9g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン30gと共に滴下した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド22.7g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン50gと共に滴下し、室温で一晩反応させた。
その後、この反応溶液にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)27.1g(0.055モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン44.8g(0.122モル)をN−メチル−2−ピロリドン70gと共に添加し、室温で2時間攪拌した。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた他は実施例1と同様に反応し、一般式(1)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−3及びY−4の混合物で、a=100、b=0のポリアミド樹脂(PA―3)を合成した。その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を得て、実施例1と同様の評価を行った。
ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.0g(0.06モル)をN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた後、N−メチル−2−ピロリドン80gに溶解させたトリメリット酸クロライド25.3g(0.12モル)を5℃以下に冷却しながら加える。更にピリジン11.4g(0.144モル)を加えて、20℃以下で3時間攪拌する。次に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル12.0g(0.06モル)を加えた後、室温で5時間反応させる。次に内温を85℃に昇温し、3時間攪拌する。反応終了後、濾過した濾液を、水/メタノール=5/1(容積比)に投入して沈殿を得た。それを濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(1)で示され、Xが下記式X−1及びX―2、Yが下記式Y−5からなる混合物で、a=100、b=0からなる目的のポリアミド樹脂(PA−4)を得た。その他は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を得て、実施例1と同様の評価を行った。
実施例1のポジ型感光性樹脂組成物の作製においてフェノール性水酸基を含まず−CH2OH基を含む化合物(M−1)10gを加えないで感光性樹脂組成物を作成し、実施例1と同様の評価を行った。
実施例1のポジ型感光性樹脂組成物の作製においてフェノール性水酸基を含まず−CH2OH基を含む化合物(M−1)の代わりに下記構造の化合物(M−3)10gを用いて感光性樹脂組成物を作成し、実施例1と同様の評価を行った。
<実施例7>
実施例1で得られた感光性樹脂組成物を、実施例1のアルミ腐食試験で使用したウエハー上に塗布し、実施例1と同様の加工条件で、配線のボンディングパッド部分に孔が形成された厚さ約5μmの樹脂層を、アルミ配線上に形成した。このシリコンウェハーをダイシングソーで裁断し、リードフレーム(42−アロイ)上にマウントし、リードフレームとシリコンウェハー上のボンディングパッド部を金線にて接続した後、エポキシ樹脂封止材(住友ベークライト社製EME−6300H)で封止することにより、26ピンSOJ型のICパッケージを形成した。得られたICパッケージを、温度40℃、相対湿度90%の条件下に96時間放置したのち、IRリフロー炉内で230℃90秒加熱したが、何ら変化は観測されなかった。さらに、加熱後のパッケージ内部を超音波探傷装置にて観察し
たが、パッケージ内各層間で剥離は観察されなかった。
<実施例8>
ガラス基板上にITO膜を蒸着形成した後、フォトレジストを使用した通常のフォトリソグラフィー法によってこのITO膜をストライプ状に分割した。この上に、実施例1で得られたポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、厚さ約2μmの樹脂層を形成した。次に平行露光機(光源:高圧水銀灯)を使用して露光強度25mW/cm2で10秒間ガラスマスクを介し露光を行った。その後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に樹脂層を20秒間浸漬現像することにより、各ストライプ上のITOの縁以外の部分を露出し、ITOの縁部とITOの除去された部分の上にのみ樹脂層が形成されるよう加工を行った。その後、樹脂層全体に露光時に用いた平行露光機を使用して、露光強度25mW/cm2で40秒間、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中230℃で1時間加熱硬化を行った。
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 バッファコート膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 ハンダバンプ
Claims (11)
- 一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂(A)、ジアゾナフトキノン化合物(B)および芳香環を少なくとも1つ有し、フェノール性水酸基を含まず、−CH2OH基を2つ以上有し、且つ、−CH 2 OH基がいずれかの芳香環に直接結合している化合物(C)を含んでなることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記芳香環を少なくとも1つ有し、フェノール性水酸基を含まず、−CH2OH基を2つ以上有し、且つ、−CH 2 OH基がいずれかの芳香環に直接結合している化合物(C)が、化学式(3)または(4)で示されるいずれかの化合物である請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- ポジ型感光性樹脂組成物を酸素濃度10ppm以下、320℃、60分で硬化した5μm膜厚のフィルムの波長500nmの透過率が40%以上である請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のXが、下記の群より選ばれてなる請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のYが、下記の群より選ばれてなる請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂が、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む化合物によって末端封止されてなるものである請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して組成物層を形成する工程と、該組成物層に活性エネルギー線を照射して現像液と接触させてパターンを形成する工程と、該組成物を加熱する工程を有することを特徴とするパターン状樹脂膜の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて製作されてなることを特徴とする表示素子。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜50μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜50μmになるように表示素子用基板上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする表示素子の製造方法。
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