JP5110507B2 - 反応現像画像形成法 - Google Patents
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Description
ミクロ電子工学の半導体集積部品の製造において回路構造を作るために半導体基材はフォトレジストで被覆されるフォトレジスト層の画像形成露光及びこれに続く現像はフォトレジストレリーフ構造を作り出す。このレリーフ構造は半導体基材上に、金属又は他の半導体又は絶縁基材を用いたエッチング−ドーピング、被覆により実際の回路パターンを作るためのマスクとして使用される。その後、フォトレジストマスクは通常除かれる。複数のかかる加工サイクルを用いてマイクロチップのレリーフ構造は基材に形成される。
異なる2種のフォトレジスト、即ちポジ型レジストとネガ型レジストが知られている。2種の違うところはポジ型フォトレジストの露光域は現像プロセスにより除去され、未露光域が基材上に層として残る。一方、ネガ型作用フォトレジストの照射域はレリーフ構造として残ることにある。
この「反応現像画像形成法」は、ポジ型のフォトレジスト技術の一種であり、まず、フォトレジスト層をヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に含む樹脂と光酸発生剤とから成る混合物により形成した後に、この層を適宜所望のパターンにマスクした後に、紫外線を照射する。この紫外線照射により光酸発生剤は酸を発生させる。これをアルカリ(特に、求核性のアミン)を含む現像液で洗浄すると、このアルカリ(特に、求核性のアミン)が生成した酸と反応することにより、塩が生成し、露光域の極性が増大する。その結果、現像液中のアルカリ(特に、求核性のアミン)がこの露光域のポリマーの主鎖を構成するヘテロ原子に結合したカルボニル基を攻撃する。この攻撃により該カルボニル基の箇所で主鎖は切断される。この主鎖の切断により、ポリマーは低分子化され、現像液に溶解する。
R2−CONHR1
又は
R2−COCH(R1)2
(式中、R2は、それぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基を表し、R1は上記と同様に定義される。)で表される化合物、下式
CH(R4)2C(R1)2OCO−N(R1)2
(式中、R4の少なくとも一方は電子求引基を表し、その他は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。R1は上記と同様に定義される。)で表される化合物であり、該現像液がテトラ置換アンモニウムヒドロキシド、低分子アルコール及び水を含む溶媒から成る反応現像画像形成法である。
ポリマー、アニオン再生剤及び光酸発生剤を含む成膜した樹脂に所望のパターンのマスクを施し、紫外線を照射する。照射後、テトラ置換アンモニウムヒドロキシド、低分子アルコール及び水を含む溶媒から成る現像液で現像する。なお、現像液中で、TMAHの一部はヒドロキシルアニオン(HO−)として存在する。
樹脂に含まれるN−フェニルマレイミド(PMI)は、現像液中のTMAH由来のヒドロキシルアニオン(HO−)と反応して、下式(1)で示すアニオンを形成し、このアニオンは水と反応して下式(2)で示す化合物を生成するとともに、ヒドロキシルアニオン(HO−)を生成する。このヒドロキシルアニオンは再びN−フェニルマレイミド(PMI)と反応し、化合物(2)の生成とヒドロキシルアニオンの再生を繰り返す。
一方、生成した化合物(2)は、ヒドロキシルアニオン(HO−)との反応により下式(3)で示す化合物を経て下式(4)で示すアニオンを形成するが、このアニオンは水と反応してヒドロキシルアニオンを生成する。このヒドロキシルアニオンも再びN−フェニルマレイミドと反応する。即ち、N−フェニルマレイミドを介して、ヒドロキシルアニオンが連続的に再生されることになる。
このようにして再生したヒドロキシルアニオンは、ポリマー(PEI)のイミド基を攻撃し、下式(5)で示すポリアミック酸の生成及びそれにつづく低分子化により、ポリマーはNMPに溶解し除去されるものと考えられる。
一方、樹脂に含まれるN−フェニルマレイミド(PMI)は、未露光部の場合と同様に、TMAH由来のヒドロキシルアニオン(HO−)と反応して、一旦下式(8)及び(9)で示すアニオンを形成するが、これらのアニオンはインデンカルボン酸(6)と反応して、反応性の低いインデンカルボン酸アニオン(10)を生成する。即ち、露光部においては、未露光部のように、ヒドロキシルアニオン(HO−)が大量に再生されない。
従って、ポリマー(PEI)はTMAH由来のヒドロキシルアニオン(HO−)によりイミド基が攻撃されるが、その程度は未露光部よりも低いと考えられる。さらに、生成するインデンカルボン酸の塩(7)は非常に親水性であるため、有機溶媒であるNMPが樹脂に浸透するのを妨げるため、ポリマー成分がNMPに溶解する程度も未露光部に比べると低い。その結果、ポリマーは溶解せず残るものと考えられる。
本発明の対象となるポリマーとして、例えば、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6-ナフタレート、ポリアリレート、ポリウレタン等、及びこれらに関連するコポリマー等が挙げられる。
本発明の反応現像画像形成法が好ましく適用できるポリマーは、特にその側鎖などに、塩基と反応可能な官能基(例えばカルボキシル基やフェノール性水酸基など)や、酸や塩基により反応してカルボキシル基やフェノール性水酸基を発生できるような反応性基(保護基と結合したエステルあるいはフェノール型エーテルなど)、あるいは光照射時に架橋反応を行う基(アクリロイル基やメタクリロイル基など)などを有する必要が無い。
このアニオン再生剤は、現像時に現像液中のヒドロキシルアニオンにより、マイケル付加、水素引き抜き、または求核攻撃を受けアニオン性化合物(例えば、上記の式[化5]の(1)や(4))を生成し、さらにプリベーク時に揮発せず膜中に残存することが好ましい。
このアニオン再生剤は、下記のいずれかの化合物である。
(1)下式で表される構造を有する化合物:
これらの式中、R1は、それぞれ独立して、水素原子、脂肪族基又は芳香族基、好ましくは芳香族基、より好ましくはフェニル基を表す。脂肪族基としては、メチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基が挙げられる。
R2−CONHR1
又は
R2−COCH(R1)2
式中、R2は、それぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基を表す。脂肪族基としては、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基などのアルキル基が挙げられ、芳香族基としては、フェニル基、フェニレン基などが挙げられる。
R1は上記と同様に定義される。
Zは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表す。
CH(R4)2C(R1)2OCO−N(R1)2
式中、R4の少なくとも一方は電子求引基を表し、その他は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。脂肪族基としてはアルキル基、芳香族基としては、フェニル基、フェニレン基などが挙げられる。電子求引基としては、フルオレニル基、有機スルホキシド基、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルボニル基、アミド基、ピリジル基、好ましくは、フルオレニル基が挙げられる。芳香族基としては、フェニル基、フェニレン基などが挙げられる。
R1は上記と同様に定義される。
光酸発生剤はフォトレジスト中に全固形含量に対して5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜30重量%用いられる。
本発明のフォトレジストはそれ自身公知の方法により成分を溶剤又は溶剤混合物中に混合又は溶解することにより配合される。一旦成分は溶液中に溶解され、得られたフォトレジスト溶液は0.1〜1μmの細孔を有するろ過膜を用いて、ろ過してもよい。
基板上への被覆は通常、浸漬、噴霧、ロール塗り又はスピンコーティングによって行われる。生じた層の厚さはフォトレジスト溶液の粘度、固形分含量及びスピンコーティング速度に依存する。本発明のフォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を持つ層及びレリーフ構造を作ることができる。多層回路における薄層は一時の間に合わせのフォトレジストとして又は絶縁層として1〜50μmにすることができる。
フォトレジストを基材に塗布した後、これに普通50〜120℃の温度範囲で予備乾燥させる。オーブン又は加熱プレートを使用できる。オーブン中での乾燥時間は5〜60分である。
普通、輻射は紫外線ランプを用いて行われる。市販で入手できる輻射装置、例えば接触又は非接触露光機、走査投光型露光装置又はウエハステッパーを使用することが好ましい。
本発明で用いる現像液は、テトラ置換アンモニウムヒドロキシド、低分子アルコール及び水を含む溶媒から成る。
このテトラ置換アンモニウムヒドロキシドは、現像液中のアルコール成分をアルコキシドにさせる。
このテトラ置換アンモニウムヒドロキシドは、下式で表される。
NR’4OH
式中、R’は、それぞれ同じであっても異なってもよく、炭化水素基、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数が1〜3のアルキル基を表す。
好ましいテトラ置換アンモニウムヒドロキシドとしては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
現像後、適当な溶媒で洗浄してもよい。
本発明のネガ型フォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を有するポリマー被膜及び鋭い輪郭丸みを付けられたれレリーフ構造をとることができる。
現像液中に、上記照射後の塗布膜を浸漬又は超音波処理した後、純水で洗浄し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。いくつかの実施例においては、形成したフォトレジストをSEM(日立製作所製、走査型電子顕微鏡:S-2600N、加速電圧:15-20kV)により観察した。
露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH、10%メタノール溶液、東京化成工業(株)製)を用いて調製した、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/1.0/1.6/3.6(重量比)からなる現像液100gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は9分27秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで10μmであった。このフォトレジストのSEM写真を図1に示す。
露光済みのPEI被塗膜に、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/1.0/1.6/3.6(重量比)からなる現像液100gを用いて、超音波処理下、40℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は2分21秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで15μmであった。このフォトレジストのSEM写真を図2に示す
露光済みのPEI被塗膜に、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/1.0/1.0/3.6(重量比)からなる現像液100gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は6分であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであった。
露光済みのPEI被塗膜に、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/1.0/1.6/3.6(重量比)からなる現像液100gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は10分30秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで15μmであった。
PMIの代わりに上記で得たN-フェニルクロトンアミドを用い、実施例1と同様の操作を行い、フォトレジスト配合物を調製した。このフォトレジスト配合物を用いて、実施例1と同様の操作を行い、感光性被塗膜を得た。露光後、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/1.0/1.0/3.6(重量比)からなる現像液100gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は1分44秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで30μmであった。
露光済みのPEI被塗膜に、TMAH/ポリエチレングリコール(純正化学(株)製、数平均分子量:400)/イオン交換水/エタノール=0.4/1.0/1.6/3.6(重量比)からなる現像液100gを用いて、浸漬法により、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は6分45秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで10μmであった。このフォトレジストのSEM写真を図4に示す。
PMIの代わりに上記で得たPVAを用い、実施例1と同様の操作を行い、フォトレジスト配合物を調製した。このフォトレジスト配合物を用いて、実施例1と同様の操作を行い、感光性被塗膜を得た。PET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は2000mJ/cm2であった。露光後、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/1.0/1.0/3.6(重量比)からなる現像液100gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は2分であった。解像度はラインアンドスペースパターンで30μmであった。
PMIの代わりに上記で得たN-(9-フルオレニルメチルカルボニル)-2-メトキシエチルアミンを用い、実施例4と同様の操作を行い、フォトレジスト配合物を調製した。このフォトレジスト配合物を用いて、実施例1と同様の操作を行い、感光性被塗膜を得た。PET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は100mJ/cm2であった。露光後、TMAH/NMP/イオン交換水/メタノール=0.4/1.0/1.0/3.6(重量比)からなる現像液100gを用いて、超音波処理下、50℃で現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した。その結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は4分36秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで40μmであった。
Claims (6)
- 基板上に、ヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に含む縮合型ポリマー、アニオン再生剤及び光酸発生剤を含むフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、及び該フォトレジスト層を現像液で処理する現像段階から成り、該アニオン再生剤が下式
R2−CONHR1
又は
R2−COCH(R1)2
(式中、R2は、それぞれ独立して、脂肪族基又は芳香族基を表し、R1は上記と同様に定義される。)で表される化合物、下式
CH(R4)2C(R1)2OCO−N(R1)2
(式中、R4の少なくとも一方は電子求引基を表し、その他は水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。R1は上記と同様に定義される。)で表される化合物であり、該現像液がテトラ置換アンモニウムヒドロキシド、低分子アルコール及び水を含む溶媒から成る反応現像画像形成法。 - 前記光酸発生剤が1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸-p-クレゾールエステルであり、前記アニオン再生剤が下式
- 基板上に請求項1又は2に記載の方法によって形成されたフォトレジスト層を有し、該フォトレジスト層の膜厚が0.1〜500μmであるネガ型フォトレジスト構造物。
- 前記フォトレジスト層が所望のパターンのレリーフ構造が形成された請求項3に記載のフォトレジスト構造物。
- 膜厚が0.1〜500μmであるフォトレジスト層を有する基板であって、該フォトレジスト層が、ヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に含む縮合型ポリマー、アニオン再生剤及び光酸発生剤から成り、該アニオン再生剤がN−フェニルマレイミドである基板。
- 前記光酸発生剤が1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸-p-クレゾールエステルである請求項5に記載の基板。
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