JP5538779B2 - 感光性樹脂組成物および該組成物を使用した反応現像画像形成方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物および該組成物を使用した反応現像画像形成方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体集積回路、プリント配線基板又は液晶パネル等の製造に用いることのできる感光性樹脂組成物(フォトレジスト)に関する。より詳細には、有機溶媒に可溶であり且つそのアルカリ加水分解物がアルカリ水溶液に可溶であるイミド結合を主鎖に含む縮合型ポリマー、光酸発生剤及びアニオン再生剤を含有する感光性樹脂組成物、および当該組成物を用いて成膜して光照射し、有機溶媒を含まないアルカリ水溶液による現像工程を経てネガ型画像を形成する反応現像画像形成法に関するものである。
フォトレジストは通常、写真乾板加工における関連技術において、印刷板プリント電子回路及びプリント回路基板の製造、又はミクロ電子工学における半導体積層品の製造のために使用され、光造形可能な有機ポリマーが用いられる。
ミクロ電子工学の半導体集積部品の製造において回路構造を作るために、半導体基材はフォトレジストで被覆され、フォトレジスト層の画像形成露光及びこれに続く現像によりフォトレジストレリーフ構造を作り出す。このレリーフ構造は半導体基材上に、金属又は他の半導体又は絶縁基材を用いたエッチング−ドーピング、被覆により実際の回路パターンを作るためのマスクとして使用される。その後、フォトレジストマスクは通常除かれる。複数のかかる加工サイクルを用いてマイクロチップのレリーフ構造が基材に形成される。
ところで、フォトレジストには、異なる2種のフォトレジスト、即ちポジ型フォトレジストとネガ型フォトレジストが知られている。両者の相違は、ポジ型フォトレジストでは、露光域が現像プロセスにより除去され、未露光域が基材上に層として残るのに対し、ネガ型フォトレジストでは、照射域がレリーフ構造として残ることにある。
発明者らは、既に、何ら特殊な反応基を樹脂骨格の側鎖に持たせることなしに、ヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に有する樹脂を用いて、フォトレジストを行うために、「反応現像画像形成法」という新しい手段を開発した(特許文献1)。
この「反応現像画像形成法」は、ポジ型のフォトレジスト技術の一種であり、次の手段によりポジ型微細パターンを形成することができる。即ち、まず、フォトレジスト層をヘテロ原子に結合したカルボニル基を主鎖に含む樹脂と光酸発生剤とから成る混合物により形成し、この層を適宜所望のパターンにマスクした後に、紫外線を照射することにより光酸発生剤は酸を発生させる。これをアルカリ(特に、求核性のアミン)を含む現像液で洗浄すると、このアルカリが生成した酸と反応することにより、塩が生成し、露光域の極性が増大する。その結果、現像液中のアルカリがこの露光域のポリマーの主鎖を構成するヘテロ原子に結合したカルボニル基を攻撃し、この攻撃により該カルボニル基の箇所で主鎖は切断され、ポリマーは低分子化され現像液に溶解する。
また、発明者らは、ヘテロ原子に結合したカルボニル基を主鎖に含む縮合型ポリマーと光酸発生剤とから成る混合物に、更にアニオン再生剤を加えることにより、ネガ型フォトレジストを効率的に製造することが出来る反応現像画像形成法を開発した(特許文献2)。
この「ネガ型反応現像画像形成法」は、次の手段によりネガ型微細パターンを形成することができると考えられる。即ち、まず、フォトレジスト層をヘテロ原子に結合したカルボニル基を主鎖に含む縮合型ポリマーと光酸発生剤、アニオン再生剤とから成る混合物により形成し、この層を適宜所望のパターンにマスクした後に、紫外線を照射する。照射後、低分子アルコールを含んだテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像する。未露光部のアニオン再生剤は現像液中のヒドロキシルアニオンと反応、更に水と反応しヒドロキシルアニオンを再生する。即ち、アニオン再生剤を介してヒドロキシルアニオンが連続的に再生し、膜中へヒドロキシルアニオンが取り込まれていく。再生したヒドロキシルアニオンがポリマーの主鎖を切断し、低分子アルコールを含んだテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド水溶液により溶解していく。露光部でもアニオン再生剤は現像液中のヒドロキシルアニオンと反応する。しかしこの後、水ではなく紫外線照射により光酸発生剤から生じた酸とも反応してしまい、ヒドロキシルアニオンが大量に再生されないため、ポリマー主鎖の切断が抑制されネガ型となる。
しかしながら、ポジ型反応現像画像形成法では、現像液として有機アミン及び有機溶媒を含む現像液を用いる必要があった。また、ネガ型反応現像画像形成法においては、有機アミンを用いる必要はなくなったが、現像液としてアルカリ水溶液と有機溶媒とを併用する必要があり、プロセス上および労働環境上の観点から改良が求められていた。
特開2003−76013号公報 特開2007−328333号公報
斯かる現状において、本発明の課題は、現像液として有機溶媒を使用することなく、アルカリ水溶液のみにより現像可能なポリイミド樹脂含有ネガ型感光性樹脂組成物および該感光性樹脂組成物を使用する反応現像画像形成法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討し、特定のポリイミド樹脂を含有する樹脂組成物が有機溶媒を含まないアルカリ水溶液で現像可能なネガ型フォトレジストを効率的に製造することができることを見出した。
即ち、本発明者らは、そのアルカリ加水分解物がアルカリ水溶液に可溶である、主鎖にイミド基を有するポリマー(ポリイミド樹脂)を用い、これに光酸発生剤としてジアゾナフトキノン化合物及びアニオン再生剤としてN−置換マレイミド化合物を混合して成膜し、紫外線を照射して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)及び水のみから成る現像液を用いて現像したところ、紫外線照射後の露光部と非露光部の現像液に対する溶解性に顕著な差があることを見出し、その差を利用することによりネガ型のフォトレジストを形成することができることを見出し本発明に到達した。
更に、本発明者らは、上記組成物に、アルカリ溶解促進剤として低分子有機酸を加えることにより、上記ポリイミド樹脂のアルカリ加水分解物がアルカリ水溶液への溶解を促進し、微細パターン形成が可能であることを見出した。
即ち、本発明は次の態様にかかるものである。
<1> ポリイミド樹脂、アニオン再生剤及び光酸発生剤を含有するネガ型感光性樹脂組成物であって、
前記ポリイミド樹脂のアルカリ加水分解物がアルカリ水溶液に可溶であり、かつ前記ポリイミド樹脂が、下記式(I)で表される酸二無水物と下記式(II)又は式(III)で表されるジアミン化合物とを反応させたポリイミド樹脂であるネガ型感光性樹脂組成物。

(式中、Aは下式(Ia)で表される置換基を表す。)




(式中、R5は、それぞれ独立して、水素原子又は−(CH2)mCH3又は−O(CH2)mCH3を表し、Qは、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。また、nは1〜4の数字を、mは0〜4の数字を、pは1〜4の数字をそれぞれ表す。)

(式中、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表し、また、二つのRaが相互に結合して環状構造を形成し、全体として一つのアルキル基(脂環式 炭化水素基)又はフルオレニル基等のアリール基となっていてもよい。Rbは、水素原子、アルキル基、アリール基又はフッ素原子を表す。)
<2> さらに、アルカリ溶解促進剤を含有する前記<1>記載のネガ型感光性樹脂組成物。
<3> 前記アニオン再生剤が、下記(A)〜(D)の群から選ばれた少なくとも1つの化合物である前記<1>または<2>記載のネガ型感光性樹脂組成物。

(A)下記式(1)で表される構造を有する化合物
(式中、Xは下式(1a)で表される置換基を表し、式(1a)中、Yは、−NR1 2、−OR1(但し、−OHを除く。)、−CR1 3、−SR1(但し、−SHを除く。)又は芳香族基を表し、また、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)

(B)下記式(2)又は下記式(3)で表される構造を有する化合物
(式中、R2は、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
(式中、R2は、脂肪族基又は芳香族基を表し、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)

(C)下記式(4)で表される構造を有する化合物
(式中、R3は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、Zは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表す。)

(D)下記式(5)で表される構造を有する化合物
(式中、R4は、電子求引基を表し、R1はそれぞれ独立して、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
<4> 前記アニオン再生剤が下記式(1b)で表されるN−置換マレイミド化合物である前記<3>記載のネガ型感光性樹脂組成物。

(式中、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
<5> 前記光酸発生剤が、ジアゾナフトキノン化合物である前記<1>から<4>のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。
<6> 前記アルカリ溶解促進剤が、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルカルボン酸及びアリールカルボン酸の群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物である前記<2>記載のネガ型感光性樹脂組成物。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を溶剤に混合または溶解して得られてなるフォトレジスト溶液。
<8> 基板上に、前記<1>から<6>のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を含むフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、及び該フォトレジスト層をアルカリ水溶液で処理する現像段階からなる反応現像画像形成方法。
<9> 前記アルカリ水溶液が、KOH、NaOH、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドの群から選ばれる少なくとも1種類以上のアルカリと水とからなる前記<8>記載の反応現像画像形成方法。
本発明により、現像液に有機溶媒を含まないアルカリ水溶液で現像可能なネガ型感光性ポリイミド樹脂組成物が提供される。
実施例1のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例2のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例3のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例5のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例6のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例7のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例8のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例9のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例10のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例11のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例12のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例13のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例14のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例15のフォトレジストを示すSEM写真である。 流速20mL/minの窒素下、昇温温度5℃/minで測定したPI6DD50のDSC曲線である。 空気下、昇温速度5℃/minで測定したPI6DD50のTGA曲線である。 実施例18のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例19のフォトレジストを示すSEM写真である。 実施例20のフォトレジストを示すSEM写真である。
本発明は、ポリイミド樹脂、アニオン再生剤及び光酸発生剤を含む感光性樹脂組成物であって、前記ポリイミド樹脂のアルカリ加水分解物がアルカリ水溶液に可溶である感光性樹脂組成物(以下、「本発明の感光性樹脂組成物」と呼ぶ場合がある。)に係るものである。
本発明におけるポリイミド樹脂とは、イミド結合を主鎖に持つ縮合ポリマーであり、例えば、酸二無水物とジアミンの重合により得られるポリイミドの前駆体であるポリアミック酸(ポリアミド酸)を脱水・環化反応することにより得られる。
本発明では、酸二無水物としては芳香族酸二無水物が好適に用いられ、また、ジアミンとしては芳香族ジアミンが好適に用いられる。
上記ポリイミド樹脂は、イミド化率(ポリアミック酸のイミド環化割合をいう。)が、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。また、上記ポリイミド樹脂は、そのアルカリ加水分解物がアルカリ水溶液に可溶であるポリイミド樹脂であることが必要である。なお、上記ポリイミド樹脂としては有機溶媒に可能なものを用いる。
ここで、本発明において、「(前記ポリイミド樹脂の)アルカリ加水分解物がアルカリ水溶液に可溶である」とは、25wt%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液5mLに対して、ポリイミド樹脂を1mg仕込み、25℃で24時間攪拌した際に、その液が濁らず透明であることが目視で確認されることを意味する。なお、アルカリ加水分解物とは、ポリイミドの加水分解物であり、前駆体であるポリアミック酸を主体とする。
また、ポリイミド樹脂が有機溶媒に可溶とは、製膜溶媒であるNMP(N-メチルピロリドン)に60℃で17wt%以上溶解可能であるかどうかで判断することができる。
次に、上記ポリイミド樹脂としては、電子求引性かつ疎水性官能基を有するポリイミド樹脂と、電子求引性かつ親水性である官能基を有するポリイミド樹脂とを混合したポリイミド樹脂組成物、もしくは前記両官能基を分子内に有するポリイミド樹脂が好適に使用される。官能基としての電子求引性基は、ポリイミド樹脂のアルカリによる分解容易性に寄与し、一方、疎水性基や親水性基は、有機溶媒への溶解性や現像液であるアルカリ水溶液の浸透性に寄与する。
上記、ポリイミド樹脂の代表的例としては、下式(I)で表される酸二無水物と下式(II)又は式(III)で表されるジアミン化合物を原料に合成したポリアミック酸から得られたポリイミド樹脂が挙げられる。

(式中、Aは下式(Ia)で表される置換基を表す。)
(式中、R5は、それぞれ独立して、水素原子又は−(CH2)mCH3又は−O(CH2)mCH3を表し、Qは、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。また、nは1〜4の数字を、mは0〜4の数字を、pは1〜4の数字をそれぞれ表す。)
(式中、Raは、アルキル基、アリール基、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表し、また、二つのRaが相互に結合して環状構造を形成し、全体として一つのアルキル基(脂環式 炭化水素基)又はフルオレニル基等のアリール基となっていてもよい。Rbは、アルキル基、アリール基又はフッ素原子を表す。)
上記一般式(I)で表される化合物としては、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(以下、「DSDA」という。)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(フタル酸無水物)(以下、「6FDA」という。)などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、一般式(II)で表される化合物としては、1,4-ジアミノ-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、1,4-ジアミノ-2,3,5-トリメチルベンゼン、1,4-ジアミノ-2, 5-ジメチルベンゼン、1,4-ジアミノ-2,6-ジメチルベンゼン、2,5-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノトルエン((以下、「DAT」という。)、1,3-ジアミノ-4,5-ジメチルベンゼン、1,3-ジアミノ-4,6-ジメチルベンゼン、1,3-ジアミノ-4,5,6-トリメチルベンゼン、1,3-ジアミノ-2,4,5,6-テトラメチルベンゼン、2-エチル-1,4-ベンゼンジアミン、2,5-ジエチル-1,4-ベンゼンジアミン、2,6-ジエチル-1,4-ベンゼンジアミン、4-エチル-1,3-ベンゼンジアミン、2-プロピル-1,4-ベンゼンジアミン、4-プロピル-1,3-ベンゼンジアミン、2-メトキシ-1,4-ベンゼンジアミン、2,5-ジメトキシ-1,4-ベンゼンジアミン、4-メトキシ-1,3-ベンゼンジアミン、4-エトキシ-1,3-ベンゼンジアミン、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-5,8-ジアミン、2-フルオロ-1,4-ベンゼンジアミン、2,6-ジフルオロ-1,4-ベンゼンジアミン、2,3,5,6-テトラフルオロ-1,4-ベンゼンジアミン、2-フルオロ-1,4-ベンゼンジアミン、2,4,5,6-テトラフルオロ-1,3-ベンゼンジアミン、2-トリフルオロメチル-1,4-ベンゼンジアミン、2,5-ビス(トリフルオロメチル)-1,4-ベンゼンジアミン、4-トリフルオロメチル-1,3-ベンゼンジアミンなどが挙げられる。
また、一般式(III)で表される化合物としては、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-メチル-4-アミノフェニル)フルオレン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
また、上記一般式(II)及び(III)で表されるジアミン化合物以外にも、炭素数1〜10程度の脂肪族ジアミン及び/又は置換基を有してもよいベンジジン(4,4'-ジアミノビフェニル)化合物を使用してもよい。脂肪族ジアミンの例としては、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパンなどが挙げられる。また、ベンジジン(4,4'-ジアミノビフェニル)化合物としては、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、オクタフルオロベンジジン、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジンなどが上げられる。
なお、上述のジアミン化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記ポリイミド樹脂に加え、アニオン再生剤と光酸発生剤を含有する。
このアニオン再生剤は、現像時に現像液中のヒドロキシルアニオンにより、マイケル付加、水素引き抜き、または求核攻撃を受けアニオン性化合物を生成し、さらにプリベーク時に揮発せず膜中に残存することが好ましい。
このアニオン再生剤としては、下記のいずれかの化合物が好適に使用され、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(A)下式(1)で表される構造を有する化合物:
式(1)中、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基、好ましくは芳香族基、より好ましくはフェニル基を表す。脂肪族基としては、メチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基が挙げられる。
また、式(1)中、Xは下式(1a)で表される置換基を表す。
式(1a)中、Yは、−NR1 2、−OR1(但し、−OHを除く。)、−CR1 3、−SR1(但し、−SHを除く。)又は芳香族基を表し、好ましくは−NR1 2又は−CR1 3である。Y中、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。
このような化合物としては、N-置換マレイミド、N-置換シトラコンイミド、N-置換クロトンアミド、N,N’-置換フマルアミド、4-置換-3-ブテン-2-オンなどが挙げられ、具体例としては、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-(n-プロピル)マレイミド、N-(n-ヘキシル)マレイミド、N-(n-オクチル)マレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルシトラコンイミド、N-フェニルクロトンアミド、4-フェニル-3-ブテン-2-オン、1,2-ジベンゾイルエチレンなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記式(1)で表される構造を有する化合物の中でも本発明のアニオン再生剤としては、下式(1b)で表されるN−置換マレイミド化合物がより好ましい。

(式中、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
このような化合物の具体例としては、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ヘキシルマレイミド、N-オクチルマレイミドが挙げられる。
(B)下記式(2)又は下記式(3)で表される構造を有する化合物
(式中、R2は、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
(式中、R2は、脂肪族基又は芳香族基を表し、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
このような化合物としては、N-置換ベンズアミド、N-置換イソバレロアミド、α−置換アセトフェノン、ポリアミドイミドなどが挙げられ、具体例としてはアセト酢酸エチル、N-フェニルイソバレロアミド、N-フェニルベンズアミド、ポリアミドイミド、1,4-ジフェニル-1,4-ブタンジオンなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(C)下記式(4)で表される構造を有する化合物
(式中、R3は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、Zは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表す。)
式(4)で表される化合物の具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルが挙げられる。
(D)下記式(5)で表される構造を有する化合物
(式中、R4は、電子求引基を表し、R1はそれぞれ独立して、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
式(5)中のR4における電子求引基としては、ニトロ基、フルオレニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基などが挙げられる。
式(5)で表される化合物としては、N-フルオレニルメチルオキシカルボニル保護アミンが挙げられ、具体例としてはN-(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−2−メトキシエチルアミンが挙げられる。
また上記で定義の構造が適宜ポリマーと化学的に結合したものでもよい。このようなポリマーとしては、側鎖としてマレイミド構造を有するポリイミド、両末端マレイミド型ポリイミド(化学式の例を下式(6)に示す)などが挙げられる。

(式中、R'は2価の結合基を表し、ここにR’の代表例としては1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基、メチレンジ-p-フェニレン基が挙げられる。nは自然数を表し、好ましくは、n = 1〜300、より好ましくはn = 1〜50である。)
なお、上記アニオン再生剤(A)〜(D)のうち、アニオン再生剤(A)が好適である。
また、上述のようにアニオン再生剤(A)の中でも、(1b)で表されるN−置換マレイミド化合物がより好ましく使用される。
次に、本発明で用いる光酸発生剤は、光照射により酸を発生するものであればよい。この光酸発生剤として、キノンジアジド化合物、オニウム塩、スルホン酸エステル類、有機ハロゲン化合物等が挙げられる。キノンジアジド化合物としては1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸と低分子芳香族ヒドロキノン化合物、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンや2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン及びトリヒドロキシベンゼン、例えば1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、又はクレゾールとのエステル生成化合物が挙げられる。オニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。これらは安息香酸t−ブチルなどのエステルと一緒に使用される。これらの中で、特に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−p−クレゾールエステルが好ましい。
本発明で用いるアルカリ溶解促進剤は、未露光部の溶解を加速させる為に用いられる。アルカリ溶解促進剤とは、ポリイミド樹脂がアルカリ水溶性現像液に溶解するのを促進する役目を果たすものである。このアルカリ溶解促進剤として、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸が挙げられ、その中から少なくとも1種類以上の化合物が用いられる。
ここで、アルキルスルホン酸の具体例としては、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸が挙げられる。
アリールスルホン酸の具体例としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸が挙げられる。
アルキルカルボン酸の具体例としては、酪酸、吉草酸、ステアリン酸があげられ、また、アリールカルボン酸の具体例としては、アリールカルボン酸:安息香酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸が挙げられる。
これらの中で、アリールスルホン酸、アリールカルボン酸が好ましく、アリールスルホン酸としては、ヒドロキシベンゼンスルホン酸が、またアリールカルボン酸としては、上記アリールカルボン酸:安息香酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸が好適に使用される。この中でも、ヒドロキシベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂、アニオン再生剤、及び、光酸発生剤を含むが、それらの成分の割合は通常次の通りである。
ポリイミド樹脂は、感光性樹脂組成物(ポリイミド樹脂、アニオン再生剤、及び、光酸発生剤)中の全固形含量を100重量%としたとき、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは60〜90重量%で用いられる。
また、アニオン再生剤は、ポリイミド樹脂を100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは10〜30重量部用いられる。1重量部未満では、未露光部へのアルカリ液の浸透が抑制されポリイミドの溶解が難しく、40重量部を超えると露光部へのアルカリの過剰浸透を引き起こすおそれがある。
また、光酸発生剤は、ポリイミド樹脂を100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは3〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部用いられる。光酸発生剤は、少ないと露光部の溶解抑制効果が少なく、露光部の過剰溶解を引き起こし、50重量部を超えると未露光部のアルカリの浸透を阻害するおそれがある。
また、感光性樹脂組成物が、更にアルカリ溶解促進剤を含有する組成物の場合には、アルカリ溶解促進剤は、ポリイミド樹脂を100重量部に対して、通常1〜40重量部、好ましくは3〜20重量部である。アルカリ溶解促進剤は、少なすぎるとアルカリ水溶性現像液へのポリイミド樹脂の溶解促進効果が無く、多すぎると過剰溶解を引き起こすおそれがある。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、上記樹脂や化合物以外に、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、カップリング剤、可塑剤、別の膜形成樹脂、界面活性剤、安定剤などの添加剤を含んでもよい。これらの添加剤の量は全て合わせても感光性樹脂組成物の固形分全含有量に対して25重量%を超えないことが望ましい。
本発明の感光性樹脂組成物はそれ自身公知の方法により溶剤(溶剤混合物含む。)に混合又は溶解することにより用途に応じフォトレジスト溶液として使用される。一旦成分は溶液中に溶解され、得られたフォトレジスト溶液は0.05〜3μmの細孔を有するろ過膜を用いて、ろ過してもよい。
フォトレジスト溶液の製造に適する溶剤は原則としてフォトレジストの不揮発成分、例えばポリマー及び光酸発生剤及びその他の添加剤が十分に可溶であり、かつこれらの成分と不可逆的に反応しない全ての溶剤である。適する溶媒は、例えば、非プロトン性極性溶媒、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」という。)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」という。)、ブチロラクトン、シクロヘキサノン、ジアセトキシエチレングリコール、スルホラン、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジグライム、フェノール、クレゾール、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン等である。このなかでも、NMP又はPGMEAが好適に使用される。
本発明の感光性樹脂組成物を上記溶剤に溶解したフォトレジスト溶液中の感光性樹脂組成物の濃度は、塗布するフォトレジスト膜厚その他の要因に応じ適宜決定されるが、通常10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%である。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を使用した反応現像画像形成法について説明する。
先ず、上記のように本発明の感光性樹脂組成物を溶剤に溶解したフォトレジスト溶液を用いて、基板上にフォトレジスト層を形成する。この基板としては、樹脂等有機物、無機物、金属などいずれを用いてもよいが、銅基板やシリコン基板が好適に使用される。
基板上への被覆は通常、浸漬、噴霧、ロール塗り又はスピンコーティングによって行われる。生じた層の厚さはフォトレジスト溶液の粘度、固形分含量及びスピンコーティング速度に依存する。本発明のフォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を持つ層及びレリーフ構造を作ることができる。多層回路における薄層は一時の間に合わせのフォトレジストとして又は絶縁層として1〜50μmにすることができる。
フォトレジストを基材に塗布した後、これに普通50〜120℃の温度範囲で予備乾燥させる。オーブン又は加熱プレートを使用できる。オーブン中での乾燥時間は5〜60分であり、加熱プレートでの乾燥時間は1〜10分である。
その後、所望のパターンでマスクされた上で、フォトレジスト層は紫外線等の電磁波の照射を受ける。紫外線とはその中心波長が250〜450nm、狭義には300〜400nmにある電磁波をいう。通常、化学線の光が使用されるが、また高エネルギー放射線、例えばX線又は電子ビーム線を使用することができる。直接照射又は露光マスクを介して行うことができる。また、輻射線ビームをフォトレジスト層の表面に当てることもできる。
普通、輻射は紫外線ランプを用いて行われる。市販で入手できる輻射装置、例えば接触又は非接触露光機、走査投光型露光装置又はウエハステッパーを使用することが好ましい。
露光の後、フォトレジスト層を現像液で現像処理を行う。本発明で用いる現像液は有機溶媒を含まず、アルカリ成分を主成分としている。好ましい現像液は、アルカリ成分と水のみからなるものである。
アルカリ成分としてはKOH,NaOH、テトラ置換アンモニウムヒドロキシドが挙げられる。このテトラ置換アンモニウムヒドロキシドは、下式(7)で表される。
(式中、R’’は、それぞれ同じであっても異なってもよく、脂肪族炭化水素基、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数が1〜3のアルキル基を表す。)
好ましいアルカリ成分はテトラ置換アンモニウムヒドロキシドであり、特に好ましいものとしては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドやテトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
アルカリ成分濃度は、1〜25重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜5重量%である。
現像は、ポリマーやその他の成分の種類、現像液の種類、露光エネルギー、現像の形式、予備乾燥温度、現像温度、現像時間を考慮して行われる。
本発明のネガ型フォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を有するポリマー被膜及び鋭い輪郭を有するレリーフ構造をとることができる。
なお、本発明の反応現像画像形成の反応機構については、本願発明者の先願にかかる前記特許文献2に詳述するところである。
以下、実施例にて本発明を例証するが、本発明を限定することを意図するものではない。
本実施例において、ポリイミド樹脂の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwは、以下の方法で測定した。
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社、デュアルポンプDP-8020、紫外可視検出器UV-8020(測定波長270nm)、カラムTSKgel GMHHR-M(2本)、ガードカラムTSKguardcolumn HHR-H(1本))を用い、室温でポリイミドの分子量を測定した。N,N'-ジメチルホルムアミドDMF(流速0.8mL/min、DMF 1Lに対してLiBr 30mmol H3PO4 60mmolを含む。)を溶離液として用い、ポリスチレン換算で数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwをそれぞれ決定した。
本実施例においては、以下の方法でフォトレジストを形成させて観察した。
フォトレジストは、各実施例のフォトレジスト配合物を、3μm細孔径のろ過膜でろ過して製造した。このフォトレジスト配合物を、表面処理を行った直径10cmの銅箔の表面上に、スピンコート法で塗布した。次いで、赤外線熱風乾燥機中で乾燥した。このフォトレジスト配合物塗布膜上に、ネガ型フォトマスク用のテストパターン(10-200μmのラインアンドスペースパターン)を置き、2kW超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP-2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
現像液中に、上記照射後の塗布膜を浸漬した後、純水で洗浄し、赤外線ランプで乾燥後、解像度及び残膜率を評価した。解像度は、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK-8510)で現像後のラインアンドスペースパターンを観察することで行った。残膜率は、接触式膜厚計(ニコン デジマイクロMF-501)で露光前の膜と現像後の露光部の膜厚を測定し、その比より算出した。
いくつかの実施例においては、形成したフォトレジストをSEM(日本電子、走査型電子顕微鏡:JSM-6390LV、加速電圧:1.2kV)により観察した。またフォトレジスト調製に用いたポリイミドのガラス転移温度をDSC(島津製作所、DSC-60)により評価した。試料をクリンプセルにつめ、窒素下、昇温速度5℃/minで測定した。また、耐熱性をTG-DTA(島津製作所、DTG-60)により評価した。試料を白金セルにつめ、空気下、昇温速度5℃/minで測定した。
以下の実施例1〜9において用いたポリイミド樹脂PI6DD50は、既報(T. Fukushima, T. Oyama, T. Iijima, M. Tomoi, and H. Itatani, J.Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 39, 3451 (2001).)を参考に合成したポリイミドである。すなわち、テフロン(登録商標)板付きガラス製撹拌棒および水分分離トラップを備えた玉付き冷却管(Dean-Stark trap)を取り付けた四つ口フラスコに、6FDA 4.44g (10 mmol), DSDA 3.58g (10 mmol), 1,4-ジアミノ-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン3.28g (20 mmol), NMP 90gを仕込み、γ-バレロラクトン0.2g (2.0 mmol)、ピリジン 0.32g (4.0 mmol)、トルエン 15gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃ / 180rpmで6時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で6時間減圧乾燥させポリイミド樹脂PI6DD50を得た。得られたポリイミド樹脂PI6DD50は、数平均分子量Mn23,000、重量平均分子量Mw56,000、多分散度Mw/Mn=2.4であった。このポリイミド樹脂PI6DD50を25wt%TMAH水溶液5mLに対して、1mg仕込み、25℃で24時間攪拌した際に、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
式(8)に樹脂PI6DD50の化学式を示す。

(式中、mおよびnは、「m:n=1:1(仕込みベースのモル比)」の関係を満たす数字をそれぞれ表す。)
実施例1
NMP(N-メチルピロリドン)4.8gにポリイミド樹脂PI6DD501.0gを添加して溶解させた後、光酸発生剤としてジアゾナフトキノン系感光剤PC-5(登録商標)(東洋合成製、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸-p-クレゾールエステル)0.1g、アニオン再生剤としてPMI(N-フェニルマレイミド)0.2g、アルカリ溶解促進剤としてPHA(p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸)0.07gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、PHA 7重量部)。この溶液を35μmの電解銅箔上(マット面)にスピンコート法(700rpm/10sec +1000rpm/30sec)にて塗布し、遠赤外線熱風循環式乾燥機でプリベーク(75℃/10min)後、膜厚約10μmの感光性PI被塗膜を得た。
これにPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機(オーク社製)によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は300mJ/cm2であった。
露光後、5重量% TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液10gを用いて、室温下、浸漬により現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は34分19秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで25μmであり、残膜率は77%であった。このフォトレジストのSEM写真を図1に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例2
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI6DD50 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、PHA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、PHA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は28分42秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで65μmであり、残膜率は54%であった。このフォトレジストのSEM写真を図2に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例3
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI6DD50 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、PHA 0.05gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、PHA 5重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は32分40秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで75μmであり、残膜率は76%であった。このフォトレジストのSEM写真を図3に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例4
実施例3と同様の操作により得た感光性ポリイミド被塗膜にPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は100mJ/cm2であった。実施例3と同様の操作により現像を行った。このときの現像時間は38分11秒であり、残膜率は82%であったが、ラインアンドスペースのパターンは全て剥離し、像を得ることはできなかった。これは露光量が実施例3の1/3であり、露光量が少なすぎたためと考えられる。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例5
実施例3と同様の操作により得た感光性ポリイミド被塗膜にPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は500mJ/cm2であった。実施例3と同様の操作により現像を行った。このときの現像時間は35分30秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで65μmであり、残膜率は86%であった。このフォトレジストのSEM写真を図4に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例6
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI6DD50 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、1,5NSA(1,5-ナフタレンジスルホン酸四水和物) 0.07gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、1,5NSA 7重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光を行った後、10重量% TMAH水溶液10gを用いて浸漬により現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は12分30秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで60μmであり、残膜率は55%であった。このフォトレジストのSEM写真を図5に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例7
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI6DD50 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、2NSA(2-ナフタレンスルホン酸一水和物)0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標)10重量部、PMI20重量部、2NSA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は29分02秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで60μmであり、残膜率は68%であった。このフォトレジストのSEM写真を図6に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例8
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI6DD50 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、p-TSA(p-トルエンスルホン酸一水和物) 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、p-TSA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は27分49秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで60μmであり、残膜率は57%であった。このフォトレジストのSEM写真を図7に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例9
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI6DD50 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、安息香酸0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、安息香酸 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光を行った後、10重量% TMAH水溶液10gを用いて室温下、浸漬により現像を行い、イオン交換水100gで1分間洗浄した結果、ネガ型の像を得た。このときの現像時間は45分10秒であったが、パターンの間に溶け残りが見られた。このフォトレジストのSEM写真を図8に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
以下の実施例10及び11において用いたポリイミド樹脂PI4copは、既報(T. Fukushima, T. Oyama, T. Iijima, M. Tomoi, and H. Itatani, J.Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 39, 3451 (2001).)を参考に合成したポリイミドである。すなわち、テフロン板付きガラス製撹拌棒および水分分離トラップを備えた玉付き冷却管(Dean-Stark trap)を取り付けた四つ口フラスコに、6FDA 4.44g (10 mmol), DSDA 3.58g (10 mmol), DAT 1.22g (10 mmol), 1,4-ジアミノ-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン1.64g (10 mmol), NMP 90gを仕込み、γ-バレロラクトン0.2g (2.0 mmol)、ピリジン 0.32g (4.0 mmol)、トルエン 15gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃ / 180rpmで5時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で6時間減圧乾燥させポリイミド樹脂PI4copを得た。得られたポリイミド樹脂PI4copは、数平均分子量11,000、重量平均分子量Mw34,000、多分散度Mw/Mn=3.1であった。このポリイミド樹脂PI4copを25wt%TMAH水溶液5mLに対して、1mg仕込み、25℃で24時間攪拌した際に、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
式(9)に樹脂PI4copの化学式を示す。

(式中、k、l、m及びnは、「k:l:m:n=1:1:1:1(仕込みベースのモル比)」の関係を満たす数字を表す。)
実施例10
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI4cop1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、2NSA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、2NSA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は16分11秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで30μmであり、残膜率は40%であった。このフォトレジストのSEM写真を図9に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例11
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI4cop 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、1,5NSA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、1,5NSA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は14分35秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであり、残膜率は39%であった。このフォトレジストのSEM写真を図10に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
以下の実施例12及び13において用いたポリイミド樹脂PI(6FDA-DAT)は、既報(T. Fukushima, T. Oyama, T. Iijima, M. Tomoi, and H. Itatani, J.Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 39, 3451 (2001).)を参考に合成したポリイミドである。すなわち、テフロン板付きガラス製撹拌棒および水分分離トラップを備えた玉付き冷却管(Dean-Stark trap)を取り付けた四つ口フラスコに、6FDA 8.88g (20 mmol), DAT 2.44g (20 mmol), NMP 45gを仕込み、γ-バレロラクトン0.2g (2.0 mmol)、ピリジン 0.32g (4.0 mmol)、トルエン 10gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃ / 180rpmで6時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で6時間減圧乾燥させポリイミド樹脂PI(6FDA-DAT)を得た。得られたポリイミド樹脂PI(6FDA-DAT)は、数平均分子量20,000、重量平均分子量Mw103,000、多分散度Mw/Mn=5.2であった。このポリイミド樹脂PI(6FDA-DAT)を25wt%TMAH水溶液5mLに対して、1mg仕込み、25℃で24時間攪拌した際に、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
式(10)に樹脂PI(6FDA-DAT)の化学式を示す。

(式中、nは自然数を表す。)
実施例12
NMP 4.0gにポリイミド樹脂PI(6FDA-DAT)1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、PHA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、PHA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は24分08秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであり、残膜率は82%であった。このフォトレジストのSEM写真を図11に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例13
実施例12と同様の操作により得た感光性ポリイミド被塗膜にPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は500mJ/cm2であった。実施例12と同様の操作により現像を行った。このときの現像時間は29分48秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで15μmであり、残膜率は82%であった。このフォトレジストのSEM写真を図12に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
以下の実施例14及び15において用いたポリイミド樹脂PI6DDAT50(既報(T. Fukushima, T. Oyama, T. Iijima, M. Tomoi, and H. Itatani, J.Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 39, 3451 (2001).)を参考に合成したポリイミドである。すなわち、テフロン板付きガラス製撹拌棒および水分分離トラップを備えた玉付き冷却管(Dean-Stark trap)を取り付けた四つ口フラスコに、6FDA 4.44g (10 mmol), DSDA 3.58g (10 mmol), DAT 2.44g (20 mmol),m-Cresol 40gを仕込み、γ-バレロラクトン0.2g (2.0 mmol)、ピリジン 0.32g (4.0 mmol)、トルエン 10gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃ / 180rpmで6時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で6時間減圧乾燥させポリイミド樹脂PI6DDAT50を得た。なお、実施例14では数平均分子量Mn13,000、重量平均分子量Mw34,000、多分散度Mw/Mn=2.6、実施例15では数平均分子量17,000、重量平均分子量Mw109,000、多分散度Mw/Mn=6.2のポリマーを使用した。これらのポリイミド樹脂PI6DDAT50を25wt%TMAH水溶液5mLに対して、1mg仕込み、25℃で24時間攪拌した際に、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
式(11)に樹脂PI6DDAT50の化学式を示す。

(式中、mおよびnは、「m:n=1:1(仕込みベースのモル比)」の関係を満たす数字をそれぞれ表す。)
実施例14
NMP 4.0gにポリイミド樹脂PI6DDAT50(数平均分子量13,000)1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、PHA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、PHA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は16分23秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであり、残膜率は67%であった。このフォトレジストのSEM写真を図13に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例15
NMP 4.8gにポリイミド樹脂PI6DDAT50(数平均分子量17,000)1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、PHA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、PHA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は14分46秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで25μmであり、残膜率は63%であった。このフォトレジストのSEM写真を図14に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例16
実施例1〜9で使用したポリイミド樹脂PI6DD50(数平均分子量23,000)のガラス転移温度をDSCにより測定した。先ず、PI6DD50を200℃で1時間減圧乾燥して溶媒を完全に除いた後、一度室温まで冷ましてからクリンプセルにつめ、再度350℃まで流速20mL/minの窒素下で加熱した。得られた結果を図15に示す。350℃まで加熱してもガラス転移温度のピークは観測されなかった。
実施例17
実施例1〜9で使用したポリイミド樹脂PI6DD50(数平均分子量23,000)の耐熱性をTGAにより測定した。先ず、PI6DD50を白金セルにつめ、200℃まで昇温速度10℃/minで加熱し、30分間200℃で保った後、一度室温まで冷却してから、再度空気下で800℃まで加熱した。得られた結果を図16に示す。PI6DD50の重量減少開始温度は399℃であり、5%重量減少温度は421℃であった。
以下の実施例18で使用において用いたポリイミド樹脂PI6DD50は、実施例1〜9で使用したポリイミド樹脂PI6DD50と同様な方法で作製したポリイミド樹脂であり、その数平均分子量21,000、重量平均分子量Mw63,000、多分散度Mw/Mn=3.0であった。このポリイミド樹脂PI6DD50を25wt%TMAH水溶液5mLに対して、1mg仕込み、25℃で24時間攪拌した際に、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
実施例18
NMP 5.3gにPI6DD50 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は40分27秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで20μmであり、残膜率は58%であった。このフォトレジストのSEM写真を図17に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
以下の実施例19及び20において用いたポリイミド樹脂PI6DDAT50-Fluorenyl10は、既報(T. Fukushima, T. Oyama, T. Iijima, M. Tomoi, and H. Itatani, J.Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 39, 3451 (2001).を参考に合成したポリイミドである。すなわち、テフロン板付きガラス製撹拌棒および水分分離トラップを備えた玉付き冷却管(Dean-Stark trap)を取り付けた四つ口フラスコに、6FDA 4.44g (10 mmol), DSDA 3.58g (10 mmol), DAT 2.20g (18 mmol), 9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン(BAF)0.70g (2.0 mmol), NMP 40gを仕込み、γ-バレロラクトン0.2g (2.0 mmol)、ピリジン 0.32g (4.0 mmol)、トルエン 10gを加え、窒素雰囲気下バス温180℃ / 180rpmで6時間反応させ、約20倍量のメタノールに再沈殿させた。得られた固体を70℃で6時間減圧乾燥させポリイミド樹脂PI6DDAT50-Fluorenyl10得た。得られたポリイミド樹脂PI6DDAT50-Fluorenyl10の数平均分子量20,000、重量平均分子量Mw80,000、多分散度Mw/Mn=4.0であった。このポリイミド樹脂PI6DDAT50-Fluorenyl10を25wt%TMAH水溶液5mLに対して、1mg仕込み、25℃で24時間攪拌した際に、その液が濁らず透明であることが目視で確認された。
式(12)に樹脂PI6DDAT50-Fluorenyl10の化学式を示す。

(式中、k、l、m及びnは、「k:l:m:n=1:9:1:9(仕込みベースのモル比)」の関係を満たす数字を表す。)
実施例19
NMP 4.8gに1.0gのポリイミド樹脂PI6DDAT50-Fluorenyl10を添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.1g、PMI 0.2g、PHA 0.1gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 10重量部、PMI 20重量部、PHA 10重量部)。実施例1と同様の操作で、プリベーク、露光及び現像を行った。このときの現像時間は19分09秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで35μmであり、残膜率は69%であった。このフォトレジストのSEM写真を図18に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
実施例20
実施例19と同様の操作により得た感光性PI被塗膜にPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は500mJ/cm2であった。実施例19と同様の操作により現像を行った。このときの現像時間は20分10秒であった。解像度はラインアンドスペースパターンで25μmであり、残膜率は72%であった。このフォトレジストのSEM写真を図19に示す。また、作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
比較例1
NMP 4.8gに下記式(13)の構造を有するポリエーテルイミド樹脂(PEI, Sabicイノベーティブプラスチック社製、数平均分子量21,000)1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.15g、PMI 0.01gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 15重量部、PMI 1重量部)。この溶液を35μmの電解銅箔上(マット面)にスピンコート法(700rpm/10sec +1000rpm/30sec)にて塗布し、遠赤外線熱風循環式乾燥機でプリベーク(90℃/10min)後、膜厚約10μmの感光性PEI被塗膜を得た。
これにPET製のフォトマスクを介して、紫外線露光機(オーク社製)によりi線からg線帯域の光を照射した。i線帯域用の照度計で測定した露光量は100mJ/cm2であった。
露光後、26wt% TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液10gを用いて、50℃、超音波処理下で14分間現像を行ったのち、イオン交換水100gで1分間洗浄した結果、現像液が浸透していかず、パターンも全く確認できなかった。
なお、ポリエーテルイミド樹脂PEIを25wt%TMAH水溶液5mLに対して、1mg仕込み、25℃で24時間攪拌したが、PEIが溶解せず濁ったままであることが目視で確認された。作製条件及び結果を表1にまとめて示す。

(式中、nは自然数を表す。)
比較例2
NMP 4.8gにPEI 1.0gを添加して溶解させた後、PC-5(登録商標) 0.15g、PMI 0.01gを添加して室温で約1時間、スターラーで撹拌してフォトレジスト配合物を調製した(樹脂100重量部に対してPC-5(登録商標) 15重量部、PMI 1重量部)。比較例1と同様の操作で、プリベーク及び露光を行った。露光後、10wt% TEAH(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液10gを用いて、50℃、超音波処理下で15分58秒間現像を行ったのち、イオン交換水100gで1分間洗浄した結果、現像液が浸透していかず、パターンも全く確認できなかった。作製条件及び結果を表1にまとめて示す。
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性エンプラであるポリイミド樹脂を含み、ネガ型反応現像画像形成方法でアルカリ水溶液による現像を可能とするものであり、半導体集積回路、プリント配線基板、液晶パネル等への広範囲な利用が期待される。

Claims (9)

  1. ポリイミド樹脂、アニオン再生剤及び光酸発生剤を含有するネガ型感光性樹脂組成物であって、
    前記ポリイミド樹脂のアルカリ加水分解物がアルカリ水溶液に可溶であり、かつ前記ポリイミド樹脂が、下記式(I)で表される酸二無水物と下記式(II)又は式(III)で表されるジアミン化合物とを反応させたポリイミド樹脂であることを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。

    (式中、Aは下式(Ia)で表される置換基を表す。)




    (式中、R5は、それぞれ独立して、水素原子又は−(CH2)mCH3又は−O(CH2)mCH3を表し、Qは、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。また、nは1〜4の数字を、mは0〜4の数字を、pは1〜4の数字をそれぞれ表す。)

    (式中、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表し、また、二つのRaが相互に結合して環状構造を形成し、全体として一つのアルキル基(脂環式 炭化水素基)又はフルオレニル基等のアリール基となっていてもよい。Rbは、水素原子、アルキル基、アリール基又はフッ素原子を表す。)
  2. さらに、アルカリ溶解促進剤を含有することを特徴とする請求項1記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記アニオン再生剤が、下記(A)〜(D)の群から選ばれた少なくとも1つの化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。

    (A)下記式(1)で表される構造を有する化合物
    (式中、Xは下式(1a)で表される置換基を表し、式(1a)中、Yは、−NR1 2、−OR1(但し、−OHを除く。)、−CR1 3、−SR1(但し、−SHを除く。)又は芳香族基を表し、また、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
    (B)下記式(2)又は下記式(3)で表される構造を有する化合物
    (式中、R2は、脂肪族基又は芳香族基を表す。)

    (式中、R2は、脂肪族基又は芳香族基を表し、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)

    (C)下記式(4)で表される構造を有する化合物
    (式中、R3は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表し、Zは酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表す。)

    (D)下記式(5)で表される構造を有する化合物
    (式中、R4は、電子求引基を表し、R1はそれぞれ独立して、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
  4. 前記アニオン再生剤が下記式(1b)で表されるN−置換マレイミド化合物であることを特徴とする請求項3記載のネガ型感光性樹脂組成物。

    (式中、R1は、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。)
  5. 前記光酸発生剤が、ジアゾナフトキノン化合物であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ溶解促進剤が、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルカルボン酸及びアリールカルボン酸の群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を溶剤に混合または溶解して得られてなることを特徴とするフォトレジスト溶液。
  8. 基板上に、請求項1からのいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を含むフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、及び該フォトレジスト層をアルカリ水溶液で処理する現像段階からなることを特徴とする反応現像画像形成方法。
  9. 前記アルカリ水溶液が、KOH、NaOH、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドの群から選ばれる少なくとも1種類以上のアルカリと水とからなることを特徴とする請求項に記載の反応現像画像形成方法。
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