(発明の詳細な説明)
本発明は、式(I)の化合物を提供する:
(式中、
R
1は、H、又はC
1-4アルキル、ハロ、ハロC
1-4アルキル、CN、C
1-4アルコキシ、ハロC
1-4アルコキシであり;
R
2は、H、C
1-4アルキル、C
3-4スピロカルボシクリ、ハロC
1-4アルキル、又はハロであり;
R
3は、H、C
1-4アルキル、ハロC
1-4アルキル、ハロであり;
R
13は、H、C
1-4アルキル、ハロC
1-4アルキル、ハロであり;
Aは、少なくとも1個のO原子を有する5員又は6員の飽和又は不飽和の複素環であり;該複素環は、フェニルと共に考えられる場合、シクロプロピル基と任意に縮合して三環を形成し;
Xは、C又はNであり;
Yは、C又はNであり;
R
4は、C
1-4アルキルであり;
R
5は、H、重水素、C
1-4アルキルであり;
或いは、R
4とR
5とは縮合して、C
3-4スピロカルボシクリを形成することができ;
式中、R
2及びR
3は、同じ又は異なる環原子に結合することができ;かつR
2は、縮合した環原子に結合してよい)。
好適には、R1は、H又はメチルである。本発明の一実施態様において、R1はHである。本発明の第2の実施態様において、R1はC1-4アルキルであり、特に、R1はメチルである。
好適には、R2は、H、F、メチル、エチル、イソプロピル、又はC3スピロ基である。本発明の一実施態様において、R2はHである。本発明の第2の実施態様において、R2はC1-4アルキルであり、この実施態様の特別な例において、R2はメチルであり、この実施態様のさらなる例において、R2はエチルであり、この実施態様の別な例において、R2はプロピル(例えば、イソプロピル)である。本発明の第3の実施態様において、R2はC3スピロ基である。本発明の第4の実施態様において、R2はC4スピロ基である。本発明の第5の実施態様において、R2はハロであり、特にフルオロである。
好適には、R3は、H、F、メチル、又はエチルである。本発明の一実施態様において、R3はHである。本発明の第2の実施態様において、R3はC1-4アルキルであり、この実施態様の特別な例において、R3はメチルであり、この実施態様のさらなる例において、R3はエチルである。本発明の第3の実施態様において、R3はハロであり、特にフルオロである。当業者は、環Aの大きさ、ヘテロ原子の存在、及び不飽和の程度によって、R3が無いこともあることを認識するだろう。したがって、本発明の別の実施態様において、R3は無い。
好適には、R3は、H、F、メチル、又はエチルでよく、R2は、H、F、メチル、エチル、イソプロピル、又はC3-4スピロカルボシクリでよい。特に、R3は、H、F、メチル、又はエチルでよく、R2は、H、F、メチル、エチル、イソプロピル、又はC3スピロカルボシクリでよい。特定の実施態様において、R3はHであり、R2は、H、メチル、エチル、イソプロピル、又はC3-4スピロカルボシクリである。他の実施態様において、R3は、メチル又はエチルであり、R2は、メチル又はエチルであり、この実施態様の一例において、R3とR2とは両方ともメチルであり(同じ環炭素原子に結合しているなど)、この実施態様の第2の例において、R3とR2とは両方ともエチルである(同じ環炭素原子に結合しているなど)。さらなる実施態様において、R3とR2とは両方ともフルオロである(同じ環炭素原子に結合しているなど)。
好適には、R13は、H、F、又はメチルでよい。本発明の一実施態様において、R13はHである。本発明の第2の実施態様において、R13はC1-4アルキルであり、この実施態様の特別な例において、R13はメチルである。本発明の第3の実施態様において、R13はハロであり、特にフルオロである。当業者は、環Aの大きさ、ヘテロ原子の存在、及び不飽和の程度によって、R13が無いこともあることを認識するだろう。したがって、本発明の別の実施態様において、R13は無い。
本発明の一実施態様において、Aは、少なくとも1個のO原子を有する5員の飽和又は不飽和の複素環であり、該複素環は、フェニルと共に考えられる場合、シクロプロピル基と任意に縮合して三環を形成する。本発明の第2の実施態様において、Aは、少なくとも1個のO原子を有する6員の飽和又は不飽和の複素環であり、該複素環は、フェニルと共に考えられる場合、シクロプロピル基と任意に縮合して三環を形成する。
特定の実施態様において、環Aは1個のヘテロ原子を含む。他の実施態様において、環Aは2個のヘテロ原子を含む(例えば、2個の酸素原子、或いは1個の酸素原子及び1個の窒素原子)。
好適には、Aは、シクロプロピル基と縮合したジヒドロフラン、イソキサゾール、ジヒドロピラン、1,3-ジオキソラン、1,3-オキサジン、又はジヒドロピランである。本発明の一実施態様において、Aはジヒドロフランである。本発明の第2の実施態様において、Aはジヒドロピランである。本発明の第3の実施態様において、Aは、シクロプロピル基と縮合したジヒドロフランである。本発明の第4の実施態様において、Aは、シクロプロピル基と縮合したジヒドロピランである。本発明の第5の実施態様において、Aは、ジヒドロフラン、イソキサゾール、又はジヒドロピランである。本発明の第6の実施態様において、Aは、シクロプロピル基と縮合したジヒドロフラン、イソキサゾール、又はジヒドロピランである。本発明の第7の実施態様において、Aは1,3-オキサジンである。本発明の第8の実施態様において、Aは1,3-ジオキソランである。
Aが1個のヘテロ原子を含む5員の複素環を含む場合、好適には、酸素原子は、フェニル環に対してメタ位に位置する。
Aが1個のヘテロ原子を含む5員の複素環を含む場合、好適には、該複素環はジヒドロフランである。
Aが1個のヘテロ原子を含む6員の複素環を含む場合、好適には、酸素原子は、フェニル環に対してメタ位に位置する。
Aが1個のヘテロ原子を含む6員の複素環を含む場合、好適には、該複素環はジヒドロピランである。
Aが5員環である場合、本発明の特別な実施態様において、R2、R3、及びR13の1つはHであり、その他は両方ともメチルであり、例えば、R2、R3、及びR13の1つはHであり、その他は両方とも、同じ環炭素に結合したメチルである。或いは、Aが5員環である場合、R2はC3スピロ基であり、R3及びR13は両方ともHである。
Aがシクロプロピル基と縮合した5員環である場合、好適には、R2、R3、及びR13は全てHである。
Aが6員環である場合、本発明の特別な実施態様において、R2、R3、及びR13の1つはメチルであり、その他は両方ともHである。或いは、Aが6員環である場合、R2はC3スピロ基であり、R3及びR13は両方ともHである。
Aがシクロプロピル基と縮合した5員環である場合、好適には、R2、R3、及びR13は全てHである。
Aがシクロプロピル基と縮合した6員環である場合、好適には、R2、R3、及びR13は全てHである。
発明の一実施態様において、XはCであり、かつYはCである。本発明の第2の実施態様において、XはNであり、かつYはCである。本発明の第3の実施態様において、XはNであり、かつYはNである。
好適には、R4は、メチル、エチル、イソプロピル、又はt-ブチルである。本発明の一実施態様において、R4はメチルである。本発明の別の実施態様において、R4はエチルである。本発明のさらなる実施態様において、R4は、イソプロピルなどのプロピルである。本発明のなおさらなる実施態様において、R4は、t-ブチルなどのブチルである。
好適には、R5は、H又はメチルである。本発明の一実施態様において、R5はHである。本発明の第2の実施態様において、R5はC1-4アルキルであり、特に、R5はメチルである。
本発明の一実施態様において、R
4とR
5とは共にC
3スピロ炭素環を形成する。本発明の第2の実施態様において、R
4とR
5とは共にC
4スピロ炭素環を形成する。本発明のさらなる実施態様において、R
4はメチルであり、かつR
5はメチルである。特に興味のある一実施態様において、R
4はエチルであり、R
5はメチルである。
好適には、R
4及びR
5は、下記の立体化学的配置を有する:
。
本発明の一実施態様において、R5はHであり、かつR4置換基はS配置である。
本発明の一実施態様において、R4はメチルであり、R5はメチルであり、XはNであり、かつYはCであり、例えば、Aがジヒドロフランである場合、特にAがジヒドロフランであり、かつR1がHである場合、特にAがジヒドロフランであり、R1がHであり、かつR2がC3スピロ基である場合などである。
式(I)の化合物又は式(Ib)の化合物及び式(Ic)の化合物を含むそれらの任意のサブセットは、任意に、医薬として許容し得る塩及び/又は溶媒和物の形態で提供できる。本発明の一実施態様において、式(I)の化合物は、医薬として許容し得る塩の形態で提供される。本発明の第2の実施態様において、式(I)の化合物は、医薬として許容し得る溶媒和物の形態で提供される。本発明の第3の実施態様において、式(I)の化合物は、塩又は溶媒和物の形態ではない。
さらなる態様において、本発明は式(Ib)の化合物又はその医薬として許容し得る塩を提供する;
(式中、
R
1は、H、又はC
1-4アルキル、ハロ、ハロC
1-4アルキル、CN、C
1-4アルコキシ、ハロC
1-4アルコキシであり;
R
2は、H、C
1-4アルキル、C
3-4スピロカルボシクリ、ハロC
1-4アルキル、又はハロであり;
R
3は、H、C
1-4アルキル、ハロC
1-4アルキル、ハロであり;
Aは、少なくとも1個のO原子を有する5員又は6員の飽和又は不飽和の複素環であり、該複素環は、フェニルと共に考えられる場合、シクロプロピル基と任意に縮合して三環を形成し;
Xは、C又はNであり;
Yは、C又はNであり;
R
4は、C
1-4アルキルであり;
R
5は、H、重水素、C
1-4アルキルであり;
或いは、R
4とR
5とは縮合してC
3-4スピロカルボシクリを形成することができ;
式中、R
2及びR
3は、同じ又は異なる環原子に結合してよく;かつR
2は縮合した環原子に結合してよい)。
式(Ic)の化合物又はその医薬として許容し得る塩も提供される:
(式中、
R
1は、H、又はC
1-4アルキルであり;
R
2は、H、C
1-4アルキル、C
3-4スピロカルボシクリ、ハロC
1-4アルキル、又はハロであり;
R
3は、H、C
1-4アルキル、ハロC
1-4アルキル、ハロであり;
Aは、少なくとも1個のO原子を含む5員又は6員の飽和又は不飽和の複素環であり、該複素環は、フェニルと共に考えられる場合、シクロプロピル基と任意に縮合して三環を形成し;
Xは、C又はNであり;
Yは、C又はNであり;
R
4は、C
1-4アルキルであり;
R
5は、H、重水素、C
1-4アルキルであり;
或いは、R
4とR
5とは縮合して、C
3-4スピロカルボシクリを形成することができ;
式中、R
2及びR
3は、同じ又は異なる環原子に結合してよく;かつ
R
2は縮合した環原子に結合してよい)。
式(Ib)及び(Ic)の化合物に関して:
本発明の一実施態様において、R1はHである。
本発明の一実施態様において、R1はC1-4アルキルである。本発明の別の実施態様において、R1はメチルである。
本発明の一実施態様において、R2はHである。
本発明の一実施態様において、R2はC1-4アルキルである。別の実施態様において、R2はメチルである。さらなる実施態様において、R2はエチルである。なおさらなる実施態様において、R2はプロピルである。
本発明の一実施態様において、R2はC3スピロ基である。
本発明の一実施態様において、R3はHである。
本発明の一実施態様において、R3はC1-4アルキルである。本発明の別の実施態様において、R3はメチルである。
本発明の一実施態様において、Aは、テトラヒドロフラン、イソキサゾール、又はテトラヒドロピランである。
本発明の一実施態様において、Aは、シクロプロピル基と縮合したテトラヒドロフラン、イソキサゾール、又はテトラヒドロピランである。
本発明の一実施態様において、XはCであり、かつYはCである。
本発明の一実施態様において、XはNであり、かつYはCである。
本発明の一実施態様において、XはNであり、かつYはNである。
本発明の一実施態様において、R4はメチルである。本発明の別の実施態様において、R4はエチルである。本発明のさらなる実施態様において、R4はプロピルである。本発明のなおさらなる実施態様において、R4はブチルである。
本発明の一実施態様において、R5はHである。
本発明の一実施態様において、R5はC1-4アルキルである。本発明の別の実施態様において、R5はメチルである。
本発明の一実施態様において、R4とR5とは共にC3スピロ炭素環を形成する。
本発明の一実施態様において、R4とR5とは共にC4スピロ炭素環を形成する。
本発明の一実施態様において、R5はHであり、かつR4置換基はS配置である。
本発明の一実施態様において、R4はメチルであり、かつR5はメチルである。
本発明の一実施態様において、R4はメチルであり、R5はメチルであり、XはNであり、かつYはCである。
本発明の一実施態様において、R4はメチルであり、R5はメチルであり、XはNであり、YはCであり、かつAはテトラヒドロフランである。
本発明の一実施態様において、R4はメチルであり、R5はメチルであり、XはNであり、YはCであり、Aはテトラヒドロフランであり、かつR1はHである。
本発明の一実施態様において、R4はメチルであり、R5はメチルであり、XはNであり、YはCであり、Aはテトラヒドロフランであり、R1はHであり、かつR2はC3スピロ基である。
本発明の一実施態様において、該化合物は、下記からなる群又はその医薬として許容し得る塩から選択される:
(5R)-3-[4-(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イルオキシ)フェニル]-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-メチル-3-{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{4-[(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
5,5-ジメチル-3-{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-エチル-3-(6-{[3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル]オキシ}-3-ピリジニル)-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{4-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5-エチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5-エチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
7-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6,8-ジオン;
6-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-4,6-ジアザスピロ[2.4]ヘプタン-5,7-ジオン;
3-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5-(1,1-ジメチルエチル)-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-エチル-3-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン;
5,5-ジメチル-3-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-エチル-3-(6-{[(3S/R)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル]オキシ}-3-ピリジニル)-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体混合物);
(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体1及び2);
(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体(distereoisomeric)混合物);
(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体1及び2);
5,5-ジメチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ラセミ体混合物);
5,5-ジメチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(エナンチオマー1及びエナンチオマー2);
5,5-ジメチル-3-{6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン;
5,5-ジメチル-3-{6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(エナンチオマー1及びエナンチオマー2);
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン;
3-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5-(1-メチルエチル)-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{6-[(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5-エチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
5,5-ジメチル-3-[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-[2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ピリミジニル]-5-エチル-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
5,5-ジメチル-3-{6-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ラセミ体混合物、エナンチオマー1、エナンチオマー2);
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体混合物、ジアステレオ異性体1、ジアステレオ異性体2);
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-(1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体混合物、ジアステレオ異性体1、ジアステレオ異性体2);
3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン(ラセミ体混合物、エナンチオマー1、エナンチオマー2)。
本発明の別の実施態様において、該化合物は、下記からなる群又はその医薬として許容し得る塩から選択される:
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-[2-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン(ジアステレオ異性体混合物、ジアステレオ異性体1、ジアステレオ異性体2);
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-3-[2-(3,3-ジメチルイソクロマン-5-イル)オキシピリミジン-5-イル]-5-エチル-5-メチル-イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-[2-(7-メチルスピロ[1H-イソベンゾフラン-3,1'-シクロブタン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-{2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{2-[(2,2-ジフルオロ-7-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5-エチル-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-3-{2-[(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5-エチル-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-{2-[(2,4,4-トリメチル-4H-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン;
5,5-ジメチル-3-[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン;
3-[2-(3,3-ジメチルイソクロマン-5-イル)オキシピリミジン-5-イル]-5,5-ジメチル-イミダゾリジン-2,4-ジオン;
5,5-ジメチル-3-[2-(7-メチルスピロ[1H-イソベンゾフラン-3,1'-シクロブタン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-5-エチル-3-[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-5-エチル-3-[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-5-エチル-3-{6-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-エチル-3-{2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン;
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-3-[6-(3,3-ジメチルイソクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]-5-エチル-5-メチル-イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-3-[6-[(3,3-ジエチル-1H-イソベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジル]-5-エチル-5-メチル-イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-[(2,4,4-トリメチル-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ]-3-ピリジル]イミダゾリジン-2,4-ジオン;
(5R)-3-{6-[(3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5-エチル-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン;
5,5-ジメチル-3-[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]イミダゾリジン-2,4-ジオン。
疑義を避けるため、本発明の化合物のいずれか1個の特徴の実施態様は、本発明の化合物の他の特徴の任意の実施態様と組み合わされて、さらなる実施態様を作り得る。
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、本明細書では、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。ハロの特別な例は、フッ素及び塩素であり、特にフッ素である。
化合物が、C1-4アルキル基を含む場合、それが単独でも、より大きい基、例えばC1-4アルコキシの一部を形成していても、アルキル基は、直鎖でも、分岐鎖でも、環式でも、これらの組み合わせでもよい。C1-4アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、及びシクロブチルである。例示的なC1-4アルキル基の特別な群は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルである。C1-4アルコキシの例はメトキシである。
本明細書での「ハロC1-4アルキル」という用語は、1個以上のハロ原子に置換された1〜4個の炭素原子を含む直鎖、分岐鎖、又は環式のアルキル基を含み、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、及びトリフルオロメチルがある。例示的なハロC1-4アルキルの特別な群には、1〜3個のハロ原子、特に1〜3個のフルオロ原子により置換されたメチル及びエチル基がある。
本明細書での「ハロC1-4アルコキシ」という用語は、1個以上のハロ原子に置換された1〜4個の炭素原子を含む直鎖、分岐鎖、又は環式のアルコキシ基を含み、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及びトリフルオロメトキシがある。例示的なハロC1-4アルキルの特別な群には、1〜3個のハロ原子、特に1〜3個のフルオロ原子により置換されたメトキシ及びエトキシ基がある。
「少なくとも1個のO原子を有する5員又は6員の飽和又は不飽和の複素環」という用語は、例えば、フラン、オキサゾール、イソクスゾール(isoxzole)、オキサジアゾール、テラヒドロフラン(terahydrofuran)、ピラン、テトラヒドロピラン、ジオキソラン、ジオキサン、モルホリン、及びオキサゾリンを含む。
医薬で使用するために、式(I)の化合物の塩は、医薬として許容し得るものでなくてはならないことが認識されるだろう。好適な医薬として許容し得る塩は当業者には明らかだろう。医薬として許容し得る塩には、Berge, Bighley及びMonkhouseの文献、J.Pharm.Sci (1977) 66, pp 1-19により記載されるものがある。そのような医薬として許容し得る塩には、無機酸、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、又はリン酸などと形成される酸付加塩、及び有機酸、例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、又はナフタレンスルホン酸と形成される酸付加塩がある。他の塩、例えば、シュウ酸塩又はギ酸塩も、例えば、式(I)の化合物の単離において使用することができ、本発明の範囲に含まれる。
式(I)の化合物のいくつかは、1当量以上の酸と酸付加塩を形成し得る。本発明は、その範囲内に、可能性のある化学量論的形態及び非化学量論的形態の全てを含む。
式(I)の化合物は、結晶性形態又は非晶性形態で調製でき、結晶性の場合、例えば、水和物として、任意に溶媒和されていてよい。本発明は、その範囲内に、化学量論的溶媒和物(例えば、水和物)、並びに、可変量の溶媒(例えば、水)を含む化合物を含む。
本発明が式(I)の化合物の医薬として許容し得る誘導体を含み、これらが本発明の範囲に含まれることが理解されるだろう。
本明細書では、「医薬として許容し得る誘導体」は、受容者に投与されると式(I)の化合物又はその活性代謝物若しくは残基を(直接的又は間接的に)提供できる式(I)の化合物の任意の医薬として許容し得るエステル又はそのようなエステルの塩を含む。
本発明が、式(I)の異性体及びそれらの医薬として許容し得る誘導体の全てを、それらの幾何異性、互変異性、及び光学異性形態、及びその混合物(例えば、ラセミ混合物)の全てを含めて包含することが理解されよう。追加のキラル中心が式(I)の化合物に存在する場合、本発明は、その範囲内に、可能性のある全てのジアステレオ異性体を、その混合物も含めて含む。異なる異性体形態は、従来の方法により互いに区別して分離又は分割でき、或いは、ある異性体を、従来の合成方法により、又は立体特異的合成若しくは不斉合成により得ることができる。
主題発明は、1つ以上の原子が、天然に最も普通に存在する原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子により置換されている事実以外、式(I)に詳述されたものと同一である同位体標識された化合物も含む。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、3H、11C、14C、18F、123I、又は125Iなど、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ヨウ素、及び塩素がある。他の興味ある同位体は13Cである。
上述の同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含む、本発明の化合物及び前記化合物の医薬として許容し得る塩は、本発明の範囲内である。同位体標識された本発明の化合物、例えば、3H又は14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものは、薬物及び/又は基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム標識、すなわち3H、及び炭素-14、すなわち14C同位体は、その製造の容易さ及び検出性のために特に好ましい。11C及び18F同位体は、PET(陽電子放出断層撮影)に特に有用である。
式(I)の化合物は医薬組成物において使用されることを意図されているので、それらがそれぞれ実質的に純粋な形態で、例えば、少なくとも純度60%、より好適には少なくとも純度75%、好ましくは少なくとも純度85%、特に少なくとも純度98%で(%は、重量対重量の基準である)提供されることが好ましいことは容易に理解されるだろう。化合物の純粋でない調合物は、医薬組成物に使用される、より純度の高い形態を製造するのに使用できる。
本発明のさらなる態様によると、式(I)の化合物及びその誘導体を製造する方法が提供される。下記のスキームは、本発明の化合物へのいくつかの合成経路を詳述する。下記のスキームにおいて、確立された技術により、反応性の基を保護基により保護し、かつ脱保護できる。
一般的に、式(I)の化合物は、当業者に公知である有機合成技術により、並びに以下に述べられる代表的な方法、実施例に述べられているもの及びその改良により製造できる。
式(I)の化合物並びにその塩及び溶媒和物は、下記に概説される一般法により製造できる。下記の説明において、基A、R1、R2、X、Y、R3、R4及びR5は、特記されない限り、式(I)の化合物に関して先に定義された意味を有する。
スキーム 1a
工程(ii):式(I)の化合物は、溶媒、例えばジクロロメタン中の式(II)の化合物の、優先的に同じ溶媒に事前希釈されており第2の時間に0℃で、塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で加えられるカルボニル化剤、例えばトリホスゲンによる環化により製造できる。いくつかの場合において、酢酸エチルを溶媒として使用できる。任意に、触媒量のDMAPを加えることができる。
工程(i):式(II)の化合物は、およそ0℃又は室温の溶媒、例えばジクロロメタン中の、酸性条件、例えばTFA中でのBOC保護基の除去により、式(III)の化合物から製造できる。
スキーム 1b
X=Y=N又は(X=C、Y=N)又は(X=N、Y=C)であり、R
4及びR
5がHでない式(I)の化合物は、求核芳香族置換により製造できる。この反応において、典型的にはZ=Clである式(VII)のハロ-ピリジル又はハロ-ピリミジル誘導体と、式(IX)のフェノールは、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、好適な溶媒、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトニトリル中で、従来の加熱又はマイクロ波加熱により反応する。
スキーム 1c
工程(iii):R
4及びR
5がHでない式(I)の化合物は、0℃から60℃の範囲の温度のメタノールなどの溶媒中での、先に示された工程(ii)により製造される種類の尿素とナトリウムメトキシドなどの塩基との反応により製造できる。
工程(ii):先に示された工程(ii)の尿素生成物は、好適な溶媒、例えば、ジクロロメタン又は酢酸エチル中で、優先的には同じ溶媒に事前希釈されているカルボニル化剤、例えばトリホスゲンにより、塩基、例えばトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下で、0〜60℃の範囲の温度での、任意に触媒量又は化学量論(stechiometric)量DMAPを加えた、式(IV)のアニリンと式(XII)のアミノエステル(塩酸塩)との反応により製造できる。
工程(i):式(XII)のアミノエステル(塩酸塩)(市販されていない場合)は、式(XIII)の市販のアミノ酸(塩酸塩)から、室温から還流の範囲の温度で、触媒量又は化学量論量の塩化チオニルの存在下でのメタノールとの反応により製造できる。
スキーム 2a
工程(i):式(II)の化合物は、式(IV)のアニリン及び式(VI)のアミノ酸(遊離塩基又は塩酸塩として)から、酢酸エチル、アセトニトリル、又はこれらの混合物などの溶媒中で、カップリング剤、例えば、T3P存在下でのアミドカップリングにより製造できる。
スキーム 2b
工程(ii):式(III)の化合物は、式(IV)のアニリン及び式(V)のN-保護アミノ酸から、塩基、例えばDIPEA及びカップリング剤、例えばHATU、TBTUの存在下で、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中のアミドカップリングにより製造できる。
工程(i):式(V)のN-Boc保護アミノ酸のいくつかは市販されており、例えば、例えばAldrich社から市販されているN-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン、例えばAldrich社から市販されているN-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-アラニン、例えばBachem UK社から市販されている(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸、例えばNagase & Co社から市販されているN-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-イソバリンがある。
式(V)のN-保護アミノ酸は、式(VI)の化合物から、例えば、THF、メタノール、ジオキサンなどの溶媒中で、塩基、例えばNaHCO
3水溶液、水酸化ナトリウム水溶液の存在下でBoc無水物によって製造することもできる。多くの記載が、文献中に利用できる(例えば、Tetrahedron, 2006, 62(42), 9966-9972)。
スキーム 3
式(IV)のアニリンはニトロ化合物(VII)から製造できる。(VII)を(IV)に変換する好適な反応条件は、例えば、下記のとおりである:
-例えば室温での、THF/水混合物などの溶媒中での、鉄粉末及び塩化アンモニウムの存在下での還元
-加熱を伴う、例えば還流状態のエタノールなどの溶媒中での、塩化スズ水和物による還元。
スキーム 4
R
2が、H、C
1-4アルキル、C
3-C
4スピロカルボシクリであり、R
3が、H、C
1-4アルキルであり、かつ(X,Y)が(N,N)でない式(IVa)のアニリンは、ニトロ化合物(VIIa)から、スキーム3で記載された条件又は以下の条件で製造できる:
-例えば還流状態での加熱を伴う、エタノールなどの溶媒中での、ヒドラジン水和物及び触媒量のPd/Cによる還元。
スキーム 5
X=Y=C又は(X=C、Y=N)又は(X=N、Y=C)である式(VIIb)の化合物は、求核芳香族置換により製造できる。この反応において、Z=F(通常[X=C、Y=C]の場合)又はZ=Cl(通常[X=N、Y=C]又は[X=C、Y=N]の場合)の式(VIIIb)のニトロ誘導体及び式(IX)のフェノールは、通常の加熱又はマイクロ波加熱と共に、溶媒、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトニトリル中で、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で使用される。
X=Y=Nである式(VIIc)の化合物は、求核芳香族置換により、フェノール(IX)及び通常Z=Clであるニトロ化合物(VIIIc)から、室温で、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、炭酸カリウムなどの塩基を使用して製造できる。さらなる好適な溶媒はアセトニトリルである。
スキーム 6
工程(iii):R
1がHでありAがスキーム6に図示された複素環である式(IX)の化合物に対応する式(IXa)のフェノールは、式(X)の化合物から、室温でアセトニトリル中触媒量のAuCl
3の存在下で、又は、加熱しながらアセトン中の触媒量のPtCl
2の存在下で分子内反応により製造できる(Journal of the American Chemical Society 2003, 125, 5757-5766中のものに関して記載されているとおり)。
工程(ii):式(X)の化合物は、式(XI)の化合物から、Journal of the American Chemical Society 2003, 125, 5757-5766に記載されている方法に類似の方法で、求核置換により、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、溶媒、例えばDMF中で、第2の時間に、求電子試薬、例えば、3-ブロモ-1-プロピンを加えて製造できる。
スキーム 7
工程(ii):R
1がHでありAがスキーム7に図示された複素環(R
6はMe又はEtである)である式(IX)の化合物に対応する式(IXb)のフェノールは、式(XII)の対応する化合物を使用して、メタノールなどの溶媒中のHCl水溶液などの酸性条件の存在下で製造できる。
工程(i):式(XII)の化合物は、式(XIII)の化合物の環化により、例えば、0℃のTHFなどの溶媒中でnBuLiなどの塩基を使用し、第2の時間に、例えば0℃の4-メチルベンゼンスルホニルクロリドを加え、次いで、例えば、0℃から室温のnBuLiなどの第2の当量の塩基を加え、HClなどの希プロトン性酸により反応を停止することにより製造できる。
任意に、2つの工程(i)及び(ii)を、ワンポット式に実施できる。
スキーム 8a
工程(i):R
6がMetである式(XIIIa)の化合物は、式(XV)の化合物から
-室温から60℃で、TMEDAの存在下、ヘキサンなどの溶媒中で、例えばnBuLiを使用するリチウム化
-第2の時間に、例えば-78℃のアセトアルデヒドを加え、該反応混合物を、例えば、室温まで温めることにより
直接製造できる。
工程(iii):R
6がEtである式(XIIIb)の化合物は、保護された化合物(XIV)から
-室温で、ヘキサンなどの溶媒中、例えばnBuLiを使用するリチウム化
-第2の時間に、例えば0℃のプロパナールを加え、該反応混合物を、例えば室温まで温めることにより
製造できる。
工程(ii):式(XIV)の化合物は、式(XV)の化合物から、例えば、室温のジクロロメタンなどの溶媒中で、クロロ(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシラン、1Hイミダゾールを使用するシリル化により製造できる。
スキーム 8b
工程(iii):先に示された工程(iii)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(ii)により製造される種類のアルコールから、酢酸エチル、メタノール、又はエタノールなどの好適な溶媒中での、H
2SO
4又はp-トリルソルホン酸(tolylsolphonic acid)などの好適な酸による処理の後で得ることができる。
工程(ii):先に示された工程(ii)の生成物は、先に示された工程(ii)により製造される種類の保護された化合物から
-室温のヘキサンなどの溶媒中、例えばnBuLiを使用するリチウム化(アルゴン又は水素雰囲気下で、室温の乾燥THF中で事前に撹拌されたCeCl
3を任意に加える)
-第2の段階で、例えば0℃のシクロブタノンを加え、該反応混合物を、例えば室温まで温めることにより
製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)の生成物は、出発アルコールから、例えば、室温のジクロロメタンなどの溶媒中で、クロロ(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシラン、1Hイミダゾールを使用するシリル化により製造できる。
スキーム 9a
工程(ii):式(XV)の化合物は、式(XVI)のエステルから、0℃などの温度のテトラヒドロフランなどの溶媒中、好適な還元剤、典型的にはLiAlH
4を使用して製造できる。
工程(i):式(XVI)の化合物は、式(XVII)のフェノールから、例えば0℃から室温のジクロロメタンなどの溶媒中で、クロロ(メチルオキシ)メタン、DIPEAなどの塩基を使用して製造できる。
スキーム 9b
工程(ii):先に示された工程(ii)の生成物は、先に示された工程(i)により製造される種類のエステルから、0℃又は室温などの温度のテトラヒドロフランなどの溶媒中、好適な還元剤、典型的にはLiAlH
4を使用して製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)の生成物は、出発フェノールから、例えば、0℃から室温のDMF又はTHFなどの溶媒中、クロロ(メチルオキシ)メタン、NaHなどの塩基を使用して製造できる。
任意に、2つの工程(i)及び(ii)をワンポット式に実施できる。
スキーム 10
工程(iii):Aがスキーム10に図示された複素環であり、R
1が、H又はメチルであり、R
7が、メチル、エチル、又はイソプロピルである式(IX)の化合物に対応する式(IXc)のフェノールは、化合物(XVIII)から、ピリジンなどの過剰の塩基の存在下、例えば還流状態での加熱による環化により製造できる。
工程(ii):式(XVIII)の化合物は、式(XIX)の化合物から、例えば、室温の無水酢酸によるアシル化により製造できる。
工程(i):式(XIX)の化合物は、式(XX)の化合物から、エタノール/水混合物などの溶媒中で、例えば還流状態で加熱しながら酢酸ナトリウムなどの塩基を使用して、又は溶媒及び塩基としてのピリジンを使用して、ヒドロキシルアミン塩酸塩により製造できる。
スキーム 11
式(XX)のケトンのうち、1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)エタノンは、例えばAldrich社から市販されている。R
7がMeである式(XX)のケトンに対応する式(XXa)のケトンは、式(XXI)の化合物から製造できる。式(XXI)の化合物は、
-最初に、溶媒、例えばジクロロメタン中、塩基、例えばトリエチルアミンの存在下での、例えば無水酢酸を使用するビス-アシル化、
-次いで、例えば90℃での加熱を伴う、クロロベンゼンなどの溶媒中、AlCl
3などのルイス酸の存在下での分子内アシル転移(tranfert)によるフリーデルクラフツアシル化
を受ける。
スキーム 12
工程(iii):R
7がEt又はiPrであり、R
1がHである式(XX)のケトンに対応する式(XXb)のケトンは、式(XXII)の化合物から、HCl水溶液などの酸性条件下で、例えば還流状態で加熱しながら、メタノールなどの溶媒中で、2つの保護基を除去して製造できる。
工程(ii):式(XXII)の化合物は、式(XXIII)の化合物から、-例えば室温のテトラヒドロフランなどの溶媒中、例えばBuLiによるリチウム化
-第2の時間に、例えば-78℃の好適な無水物又はアシルクロリドを添加すること
により製造できる。
工程(i):式(XXIII)の化合物は、R
1がHである式(XXI)の化合物に対応する式(XXIa)の化合物から、例えば0℃のDMFなどの溶媒中で、水素化ナトリウムなどの塩基を使用し、第2の時間に、例えば0℃から室温のクロロ(メチルオキシ)メタンを加えて製造できる。
スキーム 13a
工程(iii):R
1がHであり、Aがスキーム13aに図示された複素環である式(IX)の化合物に対応する式(IXd)のフェノールは、O-メトキシ前駆体(XXIV)から、0℃のジクロロメタンなどの溶媒中、例えばBBr
3を使用する脱メチル化の反応を利用して製造できる。
工程(ii):式(XXIV)の化合物は、環化により、式(XXV)の化合物から、例えば還流状態のトルエンなどの溶媒中で、例えばトリブチルスタンナン及びAIBNを使用して製造できる。
工程(i):式(XXV)の化合物は、式(XXVI)の化合物から、DMFなどの溶媒中で、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で、第2の時間に、例えば室温で、ZがCl又はBrである式(XXVII)の化合物を加えて製造できる。
スキーム 13b
工程(iv):先に示された工程(iv)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(iii)により製造される種類のTiPS保護化合物から、室温のTHFなどの好適な溶媒中、テトラブチルアンモニウムフルオリドなどのフッ化物源の存在下で、保護基を除去して製造できる。
工程(iii):先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物は、-78℃から室温の範囲の温度のTHF又はEt
2O又はn-ヘキサンなどの好適な溶媒中、ブチルリチウム又はsec-ブチルリチウム又はtert-ブチルリチウムを使用する金属-ハロゲン交換、及び第2の段階で、-78℃〜室温の範囲の温度のヨードメタンなどのメチル化剤を加えて製造できる。
工程(ii):先に示された工程(ii)により製造される種類の化合物は、先に示された工程(i)により製造される種類の保護されたフェノールから、室温のDMF又はアセトニトリル又はTHFなどの好適な溶媒中、NBSなどの臭素化剤を使用して製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類の化合物は、出発フェノールから、シリル化により、0℃〜室温の範囲の温度のTHFなどの溶媒中、ブチルリチウムなどの塩基の存在下で、例えばクロロトリイソプロピルシランを使用して製造できる。
スキーム 14
工程(iii):式(XXVI)の化合物は、式(XXVII)の化合物から、ジクロロメタンなどの溶媒中、例えばHClガスを使用する酸性条件下で保護基を除去して製造できる。
工程(ii):式(XXVII)の化合物は、式(XXVIII)の化合物から、-例えば-78℃のテトラヒドロフランなどの溶媒中、例えばBuLiによるリチウム化
-第2の時間に、例えば-70℃のヨウ素の溶液を加え、該反応物を室温で放置することにより製造できる。
工程(i):式(XXVIII)の化合物は、式(XXIX)の化合物から、溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で、塩基、例えば水素化ナトリウムを使用し、第2の時間に、例えば室温のブロモメチルメチルエーテルを加えるフェノールの保護により製造できる。
スキーム 15
工程(iv):或いは、R
1がHであり、Aがスキーム15に図示された複素環である式(IX)の化合物に対応する式(IXd)のフェノールは、式(XXX)の化合物から、例えば室温のメタノールなどの溶媒中で、水酸化物塩基、例えば水酸化ナトリウムを使用して製造できる。
工程(iii):式(XXX)の化合物は、式(XXXI)の化合物から、スキーム13a工程(ii)で示された条件で環化により製造できる。
工程(ii):式(XXXI)の化合物は、式(XXXII)の化合物から、例えば室温のアセトニトリルなどの溶媒中で炭酸カリウムなどの塩基及び3-ブロモ-2-メチル-1-プロペンなどの求電子試薬を使用して製造できる。
工程(i):式(XXXII)の化合物は、式(XXXIII)の化合物から、溶媒、例えば室温の例えばジクロロメタン中で、例えば、無水酢酸、塩基、例えばトリエチルアミンを使用するアセチル化により製造できる。
スキーム 16
工程(vi):R
1がH又はメチルであり、Aがスキーム16に図示された複素環である式(IX)の化合物に対応する式(IXe)のフェノールは、式(XXXIV)の化合物から、例えば50℃で加熱しながら、メタノールなどの溶媒中で、例えばHCl水溶液を使用する酸性条件下で、MOM保護基の除去により製造できる。
工程(v):式(XXXIV)の化合物は、式(XXXV)の化合物から、テトラヒドロフランなどの溶媒中でトリフェニルホスフィンを使用し、室温のジイソプロピルアゾジカルボキシラートを加える ミトソノブ(Mitsonobu)反応により製造できる。
工程(iv):式(XXXV)の化合物は、式(XXXVI)の化合物から、連続的に、
-エタノール中の水中の2N HClなどの酸性条件での脱保護
-溶媒の蒸発及び0℃のTHFなどの溶媒中でのNaHなどの強塩基の使用
-0℃のMOMClの添加
-0℃の水素化アルミニウムリチウムによる還元
により製造できる。
工程(iii):式(XXXVI)の化合物は、式(XXXVII)の化合物から、室温で実施されるコーリー・チャイコフスキーシクロプロパン化反応を利用して製造できる。ジメチルオキソスルホニウムメチリドを事前形成するために、トリメチルスルホキソニウムヨージドを、DMSOなどの溶媒中で、NaHなどの塩基の存在下で使用でき、式(XXXVII)の化合物(DMSOに事前希釈)を第2の時間に加える。
工程(ii):式(XXXVII)の化合物は、式(XXXVIII)の化合物から、ウィッティヒ反応を利用して製造できる。イリドを事前形成するために、メチルトリフェニルホスホニウムブロミドなどのホスホニウム塩及びKHMDSなどの強塩基を、0℃から室温のTHFなどの溶媒中で使用できる。THFなどの溶媒に事前希釈した式(XXXVIII)の化合物を、第2の時間に、0℃で加えることができる。
工程(i):式(XXXVIII)の化合物は、化合物(XXIII)から、室温のヘキサンなどの溶媒中でBuLiを使用するリチウム化、及び、この溶液を、第2の時間に、fn-78℃で、求電子試薬、例えばエチルクロロ(オキソ)アセタート(例えば、THFに事前希釈)に加えることにより製造できる。
式(XXIII)の化合物は、スキーム12(工程i)に記載されたのに類似の方法で製造できる。
スキーム 17a
工程(vii):R
1がHであり、Aがスキーム17aに図示された複素環である式(IX)の化合物に対応する式(IXf)のフェノールは、式(XXXIX)の化合物から、例えば60℃に加熱しながらメタノールなどの溶媒中で、例えばHCl水溶液を使用する酸性条件下でのMOM保護基の除去により製造できる。
工程(vi):式(XXXIX)の化合物は、例えば0℃のTHFなどの溶媒中で、トリエチルアミンなどの塩基を使用し、第2の時間にメタンスルホニルクロリドを加え、第3の時間に、カリウム2-メチル-2-プロパノラートなどの強塩基を加える、式(XL)の化合物の環化により製造できる。
工程(v):式(XL)の化合物は、室温で、Pd/Cなどの触媒の存在下で、式(XLI)及び(XL)の化合物の混合物の水素化により製造できる。
工程(iv):式(XLI)及び(XL)の化合物の混合物は、式(XLII)の化合物から、0℃のTHFなどの溶媒中で、水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤との反応により製造できる。
工程(iii):式(XLII)の化合物は、式(XLIII)のフェノールから、例えば、0℃から室温のDMFなどの溶媒中で、NaHなどの塩基及びクロロ(メチルオキシ)メタンを使用して製造できる。或いは、使用される溶媒はDCMでよく、DIPEA又はTEAなどの塩基を使用してよい。
工程(ii):式(XLIII)のフェノールは、式(XLIV)の化合物から、0℃から室温のジクロロメタンなどの溶媒中で、例えば三臭化ホウ素を使用する脱メチル化により製造できる。
工程(i):式(XLIV)の化合物は、式(XLV)の化合物から、DMFなどの溶媒中で、例えば70℃に加熱しながら炭酸カリウムなどの塩基の存在下での無水プロパン酸との反応、それに続いて、水の添加及び例えば120℃での加熱により製造できる。
スキーム 17b
工程(vii):R
1がHであり、Aがスキーム17bに図示された複素環である、先に示された工程(vii)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(vi)により製造される種類の化合物から、例えば60℃で加熱しながら、メタノールなどの溶媒中で、例えばHCl水溶液を使用する酸性条件下でのMOM保護基の除去により製造できる。
工程(vi):先に示された工程(vi)により製造される種類の化合物は、例えば0℃のTHFなどの溶媒中でトリエチルアミンなどの塩基を使用し、第2の時間に、メタンスルホニルクロリドを加え、第3の時間にカリウム2-メチル-2-プロパノラートなどの強塩基を加える、先に示された工程(v)により製造される種類の化合物の環化により製造できる。
或いは、光延条件を利用できる。
工程(v):先に示された工程(v)により製造される種類の化合物は、室温でPd/Cなどの触媒の存在下で、先に示された工程(iv)により製造される種類の化合物の混合物の水素化により製造できる。
工程(iv):先に示された工程(iv)により製造される種類の化合物の混合物は、先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物から、0℃のTHFなどの溶媒中で水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤との反応により製造できる。
工程(iii):先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物は、先に示された工程(ii)により製造される種類のフェノールから、例えば、0℃から室温のDMF又はTHFなどの溶媒中で、NaHなどの塩基及びクロロ(メチルオキシ)メタンを使用して製造できる。
工程(ii):先に示された工程(ii)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(i)により製造される種類の化合物から、0℃から還流のジクロロメタンなどの溶媒中で、例えば三臭化ホウ素を使用する脱メチル化により製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類の化合物は、出発アルコールから、DMFなどの溶媒中で、例えば70℃で加熱しながら、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で無水酢酸との反応、それに続く水の添加、及び、例えば120℃での加熱により製造できる。
スキーム 18a
工程(iv):R
1がHであり、Aがスキーム18aに図示された複素環である式(IX)の化合物に対応する式(IXg)のフェノールは、化合物(XLVI)から、スキーム16(工程vi)で先に記載されたとおりMOM保護基の除去により製造できる。
工程(iii):式(XLVI)の化合物は、式(XLVII)の化合物から、テトラヒドロフランなどの溶媒中のトリフェニルホシン(triphenylphosine)を使用し、室温のビス(1-メチルエチル)(E)-1,2-ジアゼンジカルボキシラートを加えるミトソノブ反応により製造できる。
工程(ii):式(XLVII)の化合物は、式(XLVIII)の化合物から、0℃のTHFなどの溶媒中で水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤との反応により製造できる。
工程(i):式(XLVIII)の化合物は、式(XLII)の化合物から、スキーム16(工程(iii))で先に記載されたとおり、室温で実施されるコーリー・チャイコフスキーシクロプロパン化反応により製造できる。
スキーム 18b
工程(iv):先に示された工程(iv)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物から、スキーム16(工程vi)で先に記載されたとおりMOM保護基の除去により製造できる。
工程(iii):先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物は、先に示された工程(ii)により製造される種類の化合物から、テトラヒドロフランなどの溶媒中でトリフェニルホシンを使用し、室温のビス(1-メチルエチル)(E)-1,2-ジアゼンジカルボキシラートを加えるミトソノブ反応により製造できる。
工程(ii):先に示された工程(ii)により製造される種類の化合物は、先に示された工程(i)により製造される種類の化合物から、0℃のTHFなどの溶媒中で水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤との反応により製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類の化合物は、出発化合物から、スキーム16(工程(iii))で先に記載されたとおり、室温で実施されるコーリー・チャイコフスキーシクロプロパン化反応により製造できる。
スキーム 19a
工程(vi):R
1がHであり、Aがスキーム19aに図示された複素環である式(IX)の化合物に対応する式(IXh)のフェノールは、化合物(XLIX)から、スキーム16(工程vi)で先に記載されたとおりMOM保護基の除去により製造できる。
工程(v):式(XLIX)の化合物は、例えば0℃のヘキサンなどの溶媒中でBuLiなどの塩基を使用し、第2の時間に、例えば0℃の4-メチルベンゼンスルホニルクロリドを加え、次いで第3の時間に、例えば0℃のnBuLiなどの第2の当量の塩基を加える、式(L)の化合物の環化により製造できる。
工程(iv):式(L)の化合物は、式(LII)の化合物から、連続的に
-例えば0℃のTHFなどの溶媒中での、水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤の添加
-後処理及び溶媒蒸発の後での、THFなどの溶媒中でのTBAFなどの脱シリル化剤の添加
により製造できる。
工程(iii):式(LI)の化合物は、式(LII)の化合物から、スキーム16(工程(iii))で先に記載されたとおり室温で実施されるコーリー・チャイコフスキーシクロプロパン化反応により製造できる。
工程(ii):式(LII)の化合物は、式(LIII)の化合物から、トルエンなどの溶媒中、例えば90℃で加熱しながら、例えば、トルエンなどの溶媒中のジメチルチタノセンの溶液(例えば9% w/w)によるオレフィン化により製造できる。ジメチルチタノセンのトルエン溶液は、二塩化チタノセンと、例えば-10℃のメチルリチウムの溶液との反応により製造できる。
工程(i):式(LIII)の化合物は、化合物(XIV)から、室温のヘキサンなどの溶媒中のBuLiを使用するリチウム化、及び、この溶液を、第2の時間に、-78℃で、求電子試薬、例えばエチルクロロ(オキソ)アセタート(例えば、THFに事前希釈されている)に加えることにより製造できる。
スキーム 19b
工程(iv):先に示された工程(iv)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(iii)により製造される種類のアルコールから、酢酸エチル、アセトニトリル、メタノール、又はエタノールなどの好適な溶媒中でのH
2SO
4又はp-トリルソルホン酸などの好適な酸による処理の後に製造できる。
工程(iii):先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物は、先に示された工程(ii)により製造される種類の化合物から、-78℃から室温の範囲の温度のTHFなどの好適な溶媒中で2〜10当量のエチルマグネシウムブロミドと反応させて製造できる。
工程(ii):先に示された工程(ii)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(i)により製造される種類の化合物から、0℃から室温の範囲の温度のDCMなどの好適な溶媒中でTFAを使用する、MOM保護基の除去により製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類の化合物は、出発化合物から、室温のヘキサンなどの溶媒中でのBuLiを使用するリチウム化、及びこの溶液を、第2の時間に-78℃で、求電子試薬、例えばエチルクロロホルマート(例えば、THFに事前希釈されている)に加えることにより製造できる。
スキーム 20
工程(iv):先に示された工程(iv)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物から、スキーム16(工程vi)で先に記載されたとおりMOM保護基の除去により製造できる。
工程(iii):先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物は、-40℃から室温の範囲の温度のジクロロメタンなどの溶媒中でジエチル亜鉛及びジヨードメタン(任意に2,4,6-トリクロロフェノールが加えられる)を使用する、先に示された工程(ii)により製造される種類の不飽和化合物のシクロプロパン化(シモンズ・スミス条件)により製造できる。
工程(ii):先に示された工程(ii)により製造される種類の化合物は、スキーム16(工程ii)に記載されたとおりウィッティヒタイプの反応を利用して製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類の化合物は、出発フェノールから、例えば0℃から室温のDMF又はTHFなどの溶媒中でNaHなどの塩基及びクロロ(メチルオキシ)メタンを使用して製造できる。
スキーム 21
工程(ii):先に示された工程(ii)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(i)により製造される種類のラクトンから、-78℃から室温の範囲の温度のTHF又はジエチルエーテルなどの好適な溶媒中でメチルマグネシウムブロミドを使用して製造できる。得られた化合物を、酢酸エチル、又はアセトニトリル、又はメタノール、又はエタノールなどの好適な溶媒中でH
2SO
4又はTsOHなどの好適な酸により処理できる。
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類のラクトンは、0℃のTHFなどの溶媒中での市販の出発無水物と、K-selectrideなどの還元剤との反応、それに続いて、例えば0℃から室温のDCMなどの溶媒中でのDIPEAなどの塩基及びクロロ(メチルオキシ)メタンを使用するMOM保護により製造できる。
スキーム 22
工程(iii):先に示された工程(iii)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(ii)により製造される種類のボロン酸から、室温のTHF又は水/THFなどの溶媒の組み合わせなどの好適な溶媒中でH
2O
2及びNaOHを使用して製造できる。
工程(ii):先に示された工程(ii)により製造される種類のボロン酸は、先に示された工程(i)により製造される種類のボロン酸から、-78℃から室温の範囲の温度のTHFなどの溶媒中でsec-BuLiを使用するリチウム化、それに続いて、第2の時間に、-78℃から室温の範囲の温度のヨードメタンなどのメチル化剤の添加により製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類のボロン酸は、市販の2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソールから、-78℃から室温の範囲の温度のTHFなどの溶媒中でsec-BuLiを使用するリチウム化、それに続いて、第2の時間に、トリメチルボラートの添加により製造できる。
スキーム 23
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類のフェノールは、市販の2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソールから、-78℃から室温の範囲の温度のTHFなどの溶媒中でsec-BuLiを使用するリチウム化、それに続いて、第2の時間に、-78℃から室温の範囲の温度のトリメチルボラートの添加、それに続いて、第3の時間に、室温のH
2O
2及びNaOHの添加により製造できる。
スキーム 24
工程(iv):先に示された工程(iv)により製造される種類のフェノールは、先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物から、室温から還流の範囲の温度のジクロロメタン又はジクロロエタンなどの好適な溶媒中でBBr
3などの脱メチル化剤による処理により製造できる。
工程(iii):先に示された工程(iii)により製造される種類の化合物は、先に示された工程(ii)により製造される種類の化合物から、110℃などの好適な温度のニートのポリリン酸などの好適な酸による処理により製造できる。
工程(ii):先に示された工程(ii)により製造される種類の化合物は、先に示された工程(i)により製造される種類のアミノアルコールから、好適な温度、例えば0℃のジクロロメタンなどの好適な溶媒中で、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、アセトヒル(acethyl)クロリドなどのアシル化剤による処理により製造できる。
工程(i):先に示された工程(i)により製造される種類のアルコールは、市販の出発ケトンから、0℃から室温の範囲の温度のTHF又はジエチルエーテルなどの好適な溶媒中でメチルマグネシウムブロミドによる処理により製造できる。
スキーム 25
工程(ii):スキーム2b(工程ii)で記載された経路に替わり、式(III)の化合物は、トルエンなどの溶媒中で、例えば150℃に加熱しながら、アニリン(IV)と前駆体(LIV)とのカップリングにより得ることができる。
工程(i):式(LIV)の化合物は、THFなどの溶媒中で、室温のトリフェニルホスフィンの存在下で、N-保護アミノ酸(V)及び2,2'-ジチオジピリジン(LV)から製造できる。
スキーム 26
工程(iii):式(VIII)の化合物は、0℃〜60℃の範囲の温度のメタノールなどの溶媒中での、式(XI)の尿素とナトリウムメトキシドなどの塩基との反応により製造できる。
工程(ii):式(XI)の化合物は、溶媒、例えばジクロロメタン又は酢酸エチル中で、0℃〜60℃の範囲の温度で、塩基、例えばトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下で、任意に触媒量又は化学量論量のDMAPを加えて、ZがClである市販の式(IVa)のアニリン及び式(XII)のアミノエステル(塩酸塩)を、カルボニル化剤、例えば、優先的には同じ溶媒に事前希釈されているトリホスゲンと反応させて製造できる。
工程(i):式(XII)のアミノエステル(塩酸塩)は、市販の式(XIII)のアミノ酸(塩酸塩)から、室温から還流の範囲の温度で触媒量又は化学量論量のチオニルクロリドの存在下でのメタノールとの反応により製造できる。
本発明は、療法に使用するための式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩を提供する。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、Kv3.1若しくはKv3.2又はKv3.1及びKv3.2チャネルの調節物質が要求される疾病又は疾患の治療又は予防に有益であり得る。本明細書では、Kv3.1若しくはKv3.2又はKv3.1及びKv3.2の調節物質は、これらのチャネルの性質を正又は負のいずれかに変える化合物である。該チャネルの変更された性質は、観察される応答の規模又は該チャネルの一時的な挙動になり得る。
本発明の化合物を生物学的実施例1のアッセイで試験し、その調節性を決定できる。
Kv3.1及び/又はKv3.2チャネルの調節により媒介され得る疾病又は病態は、下記のリストから選択され得る。下記に列記される疾病の後のかっこ内の番号は、アメリカ精神医学会により出版された「精神失調の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」、第4版(DSM-IV)及び/又は国際疾病分類、第10版(ICD-10)の分類コードを意味する。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合型エピソード、及び軽躁病エピソードを含むうつ病及び気分障害;大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、特定不能のうつ病性障害(311)を含むうつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害(軽躁病エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)、及び特定不能の双極性障害(296.80)を含む双極性障害;うつ病性の特徴を伴うサブタイプ、大うつ病様エピソードを伴うサブタイプ、躁病性の特徴を伴うサブタイプ、及び混合性の特徴を伴うサブタイプを含む一般身体疾患による気分障害(293.83)、物質誘発性気分障害(うつ病性の特徴を伴うサブタイプ、躁病性の特徴を伴うサブタイプ、及び混合性の特徴を伴うサブタイプを含む)、及び特定不能の気分障害(296.90)を含む他の気分障害;季節性情動障害の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、鑑別不能型(295.90)、及び残遺型(295.60)のサブタイプを含む統合失調症;統合失調症様障害(295.40);双極型及びうつ病型のサブタイプを含む統合失調感情障害(295.70);色情型、誇大型、嫉妬型、被害型、身体型、混合型、及び特定不能型のサブタイプを含む妄想性障害(297.1);短期精神病性障害(298.8);共有精神病性障害(297.3);妄想を伴うサブタイプ及び幻覚を伴うサブタイプを含む一般身体疾患による精神病性障害;妄想を伴うサブタイプ(293.81)及び幻覚を伴うサブタイプ(293.82)を含む物質誘発性精神病性障害;及び特定不能の精神病性障害(298.9)の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、パニック発作を含む不安障害;広場恐怖を伴わないパニック障害(300.01)及び広場恐怖を伴うパニック障害(300.21)を含むパニック障害;広場恐怖;パニック障害の既往歴のない広場恐怖(300.22)、動物型、自然環境型、血液・注射・外傷型、状況型、及びその他の型のサブタイプを含む特定の恐怖症(300.29、以前は単一恐怖症)、社交恐怖(社交不安障害、300.23)、強迫性障害(300.3)、心的外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、一般身体疾患による不安障害(293.84)、物質誘発性不安障害、分離不安障害(309.21)、不安を伴う適応障害(309.24)、及び特定不能の不安障害(300.00)の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、物質依存、物質渇望、及び物質乱用などの物質使用障害を含む物質関連障害;物質中毒、物質離脱、物質誘発性せん妄、物質誘発性持続性認知症、物質誘発性持続性健忘障害、物質誘発性精神病性障害、物質誘発性気分障害、物質誘発性不安障害、物質誘発性性機能不全、物質誘発性睡眠障害、及び幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)などの物質誘発性障害;アルコール依存(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘発性持続性認知症、アルコール誘発性持続性健忘障害、アルコール誘発性精神病性障害、アルコール誘発性気分障害、アルコール誘発性不安障害、アルコール誘発性性機能不全、アルコール誘発性睡眠障害、及び特定不能のアルコール関連障害(291.9)などのアルコール関連障害;アンフェタミン依存(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘発性精神病性障害、アンフェタミン誘発性気分障害、アンフェタミン誘発性不安障害、アンフェタミン誘発性性機能不全、アンフェタミン誘発性睡眠障害、及び特定不能のアンフェタミン関連障害(292.9)などのアンフェタミン(又はアンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘発性不安障害、カフェイン誘発性睡眠障害、及び特定不能のカフェイン関連障害(292.9)などのカフェイン関連障害;大麻依存(304.30)、大麻乱用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘発性精神病性障害、大麻誘発性不安障害、及び特定不能の大麻関連障害(292.9)などの大麻関連障害;コカイン依存(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘発性精神病性障害、コカイン誘発性気分障害、コカイン誘発性不安障害、コカイン誘発性性機能不全、コカイン誘発性睡眠障害、及び特定不能のコカイン関連障害(292.9)などのコカイン関連障害;幻覚剤依存(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘発性精神病性障害、幻覚剤誘発性気分障害、幻覚剤誘発性不安障害、及び特定不能の幻覚剤関連障害(292.9)などの幻覚剤関連障害;吸入剤依存(304.60)、吸入剤乱用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤誘発性持続性認知症、吸入剤誘発性精神病性障害、吸入剤誘発性気分障害、吸入剤誘発性不安障害、及び特定不能の吸入剤関連障害(292.9)などの吸入剤関連障害;ニコチン依存(305.1)、ニコチン離脱(292.0)、及び特定不能のニコチン関連障害(292.9)などのニコチン関連障害;アヘン類依存(304.00)、アヘン類乱用(305.50)、アヘン類中毒(292.89)、アヘン類離脱(292.0)、アヘン類中毒せん妄、アヘン類誘発性精神病性障害、アヘン類誘発性気分障害、アヘン類誘発性性機能不全、アヘン類誘発性睡眠障害、及び特定不能のアヘン類関連障害(292.9)などのアヘン類関連障害;フェンシクリジン依存(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘発性精神病性障害、フェンシクリジン誘発性気分障害、フェンシクリジン誘発性不安障害、及び特定不能のフェンシクリジン関連障害(292.9)などのフェンシクリジン(又はフェンシクリジン様)関連障害;鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬依存(304.10)、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬乱用(305.40)、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬中毒(292.89)、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬離脱(292.0)、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬中毒せん妄、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬離脱せん妄、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬持続性認知症、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬持続性健忘障害、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬誘発性精神病性障害、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬誘発性気分障害、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬誘発性不安障害、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬誘発性性機能不全、鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬誘発性睡眠障害、及び特定不能の鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬関連障害(292.9)などの鎮静薬、睡眠薬、又は抗不安薬関連障害;多物質依存(304.80)などの多物質関連障害;蛋白同化ステロイド、硝酸塩吸入剤、及び亜酸化窒素などの他の(又は不明の)物質関連障害の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、統合失調症、双極性障害、うつ病、例えばアルツハイマー病などの認知機能障害に関連する他の精神疾患及び精神病性病態などの他の疾病における認知機能障害の治療を含む認知の向上に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、原発性不眠(307.42)、原発性睡眠過剰(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)、及び特定不能の睡眠異常(307.47)などの睡眠異常などの原発性睡眠障害を含む睡眠障害;悪夢障害(307.47)、睡眠驚愕障害(307.46)、睡眠時遊行症(307.46)、及び特定不能の睡眠時随伴症(307.47)などの睡眠時随伴症などの原発性睡眠障害;他の精神疾患に関連した不眠(307.42)及び他の精神疾患に関連した睡眠過剰(307.44)などの他の精神疾患に関連した睡眠障害;一般身体疾患による睡眠障害、特に、神経疾患、神経因性疼痛、レストレスレッグ症候群、心臓及び肺の疾病などの疾病に関連した睡眠障害;及び不眠型、睡眠過剰型、睡眠時随伴症型、及び混合型のサブタイプを含む物質誘発性睡眠障害;睡眠時無呼吸及び時差ぼけ症候群の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、制限型及びむちゃ食い/排出型のサブタイプを含む神経性無食欲症(307.1)などの摂食障害;排出型及び非排出型のサブタイプを含む神経性大食症(307.51);肥満;強迫性摂食障害;むちゃ食い障害;及び特定不能の摂食障害(307.50)の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、自閉性障害(299.00)、アスペルガー障害(299.80)、レット障害(299.80)、小児期崩壊性障害(299.10)、及び特定不能の広汎性障害(Pervasive Disorder Not Otherwise Specified)(299.80、非定型自閉症を含む)を含む自閉症スペクトラム障害の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、注意欠如・多動性障害、混合型(314.01)、注意欠如・多動性障害、不注意優勢型(314.00)、注意欠如・多動性障害、多動性-衝動性優勢型(314.01)、及び特定不能の注意欠如・多動性障害(314.9)のサブタイプを含む注意欠如・多動性障害;多動性障害;小児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)、及び発症年齢特定不能(312.89)、反抗挑戦型障害(313.81)、及び特定不能の破壊型行動障害のサブタイプを含む素行障害などの破壊的行動障害;及びトウレット障害(307.23)などのチック障害の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、妄想性パーソナリティ障害(301.0)、スキゾイドパーソナリティ障害(301.20)、統合失調型パーソナリティ障害(301.22)、反社会性パーソナリティ障害(301.7)、境界型パーソナリティ障害(301.83)、演技性パーソナリティ障害(301.50)、自己愛型パーソナリティ障害(301.81)、回避性パーソナリティ障害(301.82)、依存性パーソナリティ障害(301.6)、強迫性パーソナリティ障害(301.4)、及び特定不能のパーソナリティ障害(301.9)のサブタイプを含むパーソナリティ障害の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、性的欲求低下障害(302.71)及び性嫌悪障害(302.79)などの性的欲求の障害を含む性機能不全;女性の性的興奮の障害(302.72)及び男性の勃起障害(302.72)などの性的興奮の障害;女性オルガズム障害(302.73)、男性オルガズム障害(302.74)、及び早漏(302.75)などのオルガズム障害;性交疼痛症(302.76)及び膣けいれん(306.51)などの性交疼痛障害;特定不能の性機能不全(302.70);露出症(302.4)、フェティシズム(302.81)、窃触症(302.89)、小児性愛(302.2)、性的マゾヒズム(302.83)、性的サディズム(302.84)、服装倒錯的フェティシズム(302.3)、窃視症(302.82)、及び特定不能のパラフィリア(302.9)などのパラフィリア;小児の性同一性障害(302.6)及び青年又は成人の性同一性障害(302.85)などの性同一性障害;及び特定不能の性障害(302.9)の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、間欠性爆発性障害(312.34)、窃盗癖(312.32)、病的賭博(312.31)、放火癖(312.33)、抜毛癖(312.39)、特定不能の衝動制御の障害(312.3)、気晴らし食い、買い物依存、強迫性性行為、及び強迫性貯蔵症を含む衝動制御の障害の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、聴覚神経障害、聴覚処理障害、突発性難聴を含む難聴、騒音性難聴、物質誘発性難聴、及び60歳を超える成人の難聴(老人性難聴)、及び耳鳴りを含む聴覚障害の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、メニエール病、平衡障害、及び内耳の障害の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、脆弱X症候群及び自閉症を含む聴覚過敏及び音量感覚障害(disturbances of loudness perception)の治療又は予防に有益になり得る。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、てんかん(局在関連性てんかん、全般てんかん、全般発作と局所発作の両方を伴うてんかんなどを含むが、これらに限定されない)、レノックス・ガストー症候群に関連する発作、疾病又は病態の合併症としての発作(脳症、フェニルケトン尿症、若年性ゴーシェ病、ルントボルグの進行性ミオクローヌスてんかん、脳卒中、頭部外傷、ストレス、ホルモンの変化、薬物の使用又は離脱、アルコールの使用又は離脱、睡眠遮断、発熱、感染などに関連する発作など)、本態性振戦、レストレスレッグ症候群、部分発作及び全般発作(強直発作、関代発作、強直間代発作、脱力発作、ミオクローヌス発作、欠神発作を含む)、続発性全般発作、側頭葉てんかん、欠神てんかん(小児、若年、ミオクローヌス、光誘発性、及び模様誘発性を含む)、重症てんかん性脳症(低酸素症関連及びラスムッセン症候群を含む)、熱性痙攣、持続性部分てんかん、進行性ミオクローヌスてんかん(ウンフェルリヒト・ルントボルク病及びラフォラ病を含む)、頭部外傷に関連するものを含む外傷後発作/てんかん、単純反射性てんかん(光過敏性、体性感覚、及び固有感覚、聴原性、及び前庭性を含む)、ピリドキシン依存性てんかんなどのてんかんに通常関連する代謝異常、メンケス縮れ毛病、クラッベ病、アルコール及び薬物(例えば、コカイン)の乱用によるてんかん、てんかんと関連する皮質形成異常(例えば、二重皮質症候群又は皮質下帯状異所性灰白質)、部分的モノソミー(15Q)/アンジェルマン症候群などの、発作又はてんかんと関連する染色体異常などの治療又は予防に有益になり得る。
本発明の一実施態様において、うつ病及び気分障害、聴覚障害、統合失調症(schizopherenea)、物質乱用障害、睡眠障害、又はてんかんの治療又は予防のための式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩が提供される。
本発明の一実施態様において、双極性障害又は躁病の治療又は予防のための式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩が提供される。
本明細書での「治療」又は「治療すること」という用語は、病態又はその症状の制御、緩和、低減、又は調節を含む。
「予防」という用語は、対象の疾病若しくは疾患の症状を予防すること又は罹患している対象の疾病若しくは疾患の症状の再発を予防することを意味するように本明細書において使用され、病気の完全な予防に限定されない。
本発明は、Kv3の調節物質が要求される疾病又は疾患、例えば本明細書において上記に言及された疾病及び疾患を治療又は予防する方法であって、その必要のある対象に有効量の式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩を投与することを含む方法も提供する。
本発明は、Kv3の調節物質が要求される疾病又は疾患、例えば本明細書において上記に言及された疾病及び疾患の治療又は予防に使用するための式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩も提供する。
本発明は、Kv3の調節物質が要求される疾病又は疾患、例えば本明細書において上記に言及された疾病及び疾患の治療又は予防のための医薬の製造における、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩の使用も提供する。
本発明は、うつ病及び気分障害、統合失調症、物質乱用障害、睡眠障害、又はてんかん、例えば本明細書において上記に言及された適応症を治療する方法であって、その必要のある対象に有効量のKv3調節物質又はその医薬として許容し得る塩を投与することを含む方法も提供する。
療法における使用のために、本発明の化合物は通常医薬組成物として投与される。本発明は、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩及び医薬として許容し得る担体を含む医薬組成物も提供する。
式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、任意の簡便な方法により、例えば、経口、非経口、頬側、舌下、鼻腔内、直腸、又は経皮投与により投与でき、医薬組成物はそれに従って適合される。
経口投与された場合活性のある式(I)の化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩は、液体又は固体として、例えば、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、カプセル剤、又はロゼンジ剤として製剤できる。
液体製剤は、一般的に、好適な液体担体(複数可)、例えば、水、エタノール、若しくはグリセリンなどの水性溶媒、又はポリエチレングリコール若しくは油などの非水性溶媒中の有効成分の懸濁液又は溶液からなるだろう。製剤は、懸濁剤、保存剤、着香剤、及び/又は着色剤も含んでよい。
錠剤の形態の組成物は、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、ラクトース、スクロース、及びセルロースなどの、固体製剤の製造にルーチン的に使用される任意の好適な医薬担体(複数可)を利用して製造できる。
カプセルの形態の組成物は、ルーチンのカプセル化手順を利用して製造でき、例えば、有効成分を含むペレットを標準的な担体を利用して製造でき、次いで硬質ゼラチンカプセルに充填できる。或いは、分散液又は懸濁液を、任意の好適な医薬担体(複数可)、例えば水性ゴム、セルロース、シリケート、又は油を利用して製造でき、次いで該分散液又は懸濁液を軟質ゼラチンカプセルに充填できる。
典型的な非経口組成物は、滅菌水性担体又は非経口的に許容し得る油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油、又はゴマ油中の有効成分の溶液又は懸濁液からなる。或いは、溶液を凍結乾燥して、次いで投与の直前に好適な溶媒により再構成することができる。
鼻腔内投与用の組成物は、簡便には、エアゾール剤、ドロップ剤、ゲル剤、及び散剤として製剤できる。エアゾール製剤は、典型的には、医薬として許容し得る水性又は非水性溶媒中の有効成分の溶液又は微細懸濁液を含み、通常、噴霧装置と共に使用するためのカートリッジ又はレフィルの形態をとり得る密閉容器中の滅菌形態の一回量又は多用量で呈される。或いは、密閉容器は、一回量鼻腔内吸入器又は計量バルブを備えたエアゾールディスペンサーなどの使い捨て分注装置であってもよい。剤形がエアゾールディスペンサーを含む場合、それは、圧縮ガス、例えば空気、又はフルオロクロロ炭化水素又はヒドロフルオロカーボンなどの有機噴射剤でよい噴射剤を含むだろう。エアゾール剤形は、ポンプアトマイザーの形態もとり得る。
頬側又は舌下投与に好適な組成物には、錠剤、ロゼンジ剤、及び香錠があり、有効成分は、糖及びアラビアゴム、トラガカント、又はゼラチン及びグリセリンなどの担体と共に製剤される。
直腸投与用の組成物は、簡便には、ココアバターなどの従来の坐剤基剤を含む坐剤の形態である。
経皮投与に好適な組成物には、軟膏剤、ゲル剤、及びパッチ剤がある。
一実施態様において、該組成物は、錠剤、カプセル剤、又はアンプル剤などの投薬単位形態である。
該組成物は、投与の方法によって、重量で0.1%〜100%、例えば重量で10〜60%の活性物質を含むことがある。該組成物は、投与の方法によって、重量で0%〜99%、例えば重量で40%〜90%の担体を含むことがある。該組成物は、投与の方法によって、0.05mg〜1000mg、例えば1.0mg〜500mgの活性物質を含むことがある。該組成物は、投与の方法によって、50mg〜1000mg、例えば100mg〜400mgの担体を含むことがある。上述の障害の治療に利用される化合物の投与量は、障害の重篤度、患者の体重、及び他の類似因子により通常変わるであろう。しかし、一般的な基準として、好適な投薬単位は、0.05〜1000mg、より好適には1.0〜500mgでよく、そのような投薬単位は、1日2回以上、例えば、1日2回又は3回投与され得る。そのような療法は、数週間又は数ヶ月継続し得る。
本発明は、さらなる態様において、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る誘導体とさらなる治療剤又は複数の治療剤との組み合わせを提供する。
本発明は、さらなる治療剤又は複数の治療剤と組み合わせて使用するための式(I)の化合物を提供する。
化合物が他の治療剤と組み合わせて使用される場合、該化合物は、任意の簡便な経路により、連続的又は同時のいずれかで投与できる。
上記で言及された組み合わせは、簡便には、医薬製剤の形態における使用のために呈されることがあり、そのため、上記で定義された組み合わせを医薬として許容し得る担体又は賦形剤と共に含む医薬製剤は、本発明のさらなる態様を構成する。そのような組み合わせの個々の成分は、別々又は組み合わせた医薬製剤で、連続的又は同時のいずれかで投与できる。組み合わせの個々の成分は、同じ又は異なる経路により、別々に投与することができる。
式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る誘導体が、同じ病態に対して活性のある第2の治療剤と組み合わせて使用される場合、各化合物の投与量は、その化合物が単独で使用される場合とは異なることがある。適切な投与量は、当業者により容易に認識されるだろう。
本発明の医薬組成物は、好適には周囲温度及び大気圧で混合により製造され得るが、通常、経口、非経口、又は直腸投与用に適合し、したがって、錠剤、カプセル剤、経口液体調合物、散剤、顆粒剤、ロゼンジ剤、再構成用散剤、注射若しくは注入用の液剤若しくは懸濁剤、又は坐剤の形態になり得る。経口投与用組成物が一般的に好ましい。
本発明は、うつ病及び気分障害、聴覚障害、統合失調症、物質乱用障害、睡眠障害、又はてんかんの治療又は予防に使用するための、Kv3調節物質又はそれらの医薬として許容し得る塩も提供する。
特に、Kv3調節物質又はそれらの医薬として許容し得る塩は、大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合型エピソード、及び軽躁病エピソードを含むうつ病及び気分障害;大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、特定不能のうつ病性障害(311)を含むうつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害(軽躁病エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)、及び特定不能の双極性障害(296.80)を含む双極性障害;うつ病性の特徴を伴うサブタイプ、大うつ病様エピソードを伴うサブタイプ、躁病性の特徴を伴うサブタイプ、及び混合性の特徴を伴うサブタイプを含む一般身体疾患による気分障害(293.83)、物質誘発性気分障害(うつ病性の特徴を伴うサブタイプ、躁病性の特徴を伴うサブタイプ、及び混合性の特徴を伴うサブタイプを含む)、及び特定不能の気分障害(296.90)を含む他の気分障害、季節性情動障害の治療又は予防に特に有用になり得る。
本発明は、例えば上記で言及された障害を含む、うつ病及び気分障害、聴覚障害、統合失調症、物質乱用障害、睡眠障害、又はてんかんを治療する方法であって、その必要のある対象に有効量のKv3調節物質又はその医薬として許容し得る塩を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、例えば上記で言及された障害を含む、うつ病及び気分障害、聴覚障害、統合失調症、物質乱用障害、睡眠障害、又はてんかんの治療又は予防に使用するためのKv3調節物質又はその医薬として許容し得る塩も提供する。
本発明は、例えば上記で言及された障害を含む、うつ病及び気分障害、聴覚障害、統合失調症、物質乱用障害、睡眠障害、又はてんかんの治療又は予防のための医薬の製造における、Kv3調節物質又はその医薬として許容し得る塩の使用も提供する。
療法に使用するために、Kv3調節物質は、通常医薬組成物として、例えば、Kv3調節物質又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体を含む組成物として投与される。式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩を含むそのような組成物及びその投与の方法の例は、上記に記載されている。そのような組成物及び投与の方法は、例えば上記で言及された障害を含む、うつ病及び気分障害、聴覚障害、統合失調症、物質乱用障害、睡眠障害、又はてんかんの治療において、他のKv3調節物質又はその医薬として許容し得る塩のためにも使用できる。
さらに、本発明は、式Iの化合物を製造する方法、式Iの化合物の製造に有用な新規中間体、及びそのような中間体の製造に関する。
興味深い特定の中間体には:
3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(中間体50)
スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体85)
7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体156)
3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(中間体184)
がある。
興味深い他の中間体は式(IV)のアニリドである:
。
特に興味深いものは下記のアニリドである:
(式中、
Xは、C又はNであり;
Yは、C又はNであり;かつ
W基は、下記から選択される:
)。
本明細書に引用された、特許及び特許出願を含むがこれらに限定されない刊行物の全ては、各個別の刊行物が、あたかも完全に述べられているように引用により本明細書に組み込まれると具体的かつ個別に示されるように、引用により本明細書に組み込まれる。
(実験)
本発明は下記に記載される化合物により説明される。下記の実施例は、本発明の具体的な化合物の実験室の合成を説明し、化合物又はプロセスに関してどのようにも本発明の範囲を限定しないものとする。具体的な試薬、溶媒、温度、及び期間が利用されるが、類似の結果を生み出すのに利用できる多くの可能な等価な代替物があることが理解される。本発明は、そのような等価物を含むものとする。
(分析装置)
出発物質、試薬、及び溶媒は製造業者から入手し、特記されない限りさらに精製することなく使用した。特記されない限り、キラル中心のある化合物は全てラセミ体である。反応が、より完全に記載される先の反応に類似の方法で実施されたと記載される場合、利用される全般的な反応条件は基本的に同じであった。利用された後処理条件は、当分野において標準的な種類のものであったが、反応によっては改変されたこともある。出発物質は、必ずしも言及されたバッチから製造されたのではないことがある。合成された化合物は、例えば85%〜98%の範囲の様々な純度を有し得る。いくつかの場合において、モル数及び収率の計算をこれに対して調整する。
プロトン磁気共鳴(NMR)スペクトルは、300、400、500、若しくは600MHzでVarian装置により、又は400MHzでBruker装置により記録した。ケミカルシフトは、残留溶媒の線を内部標準として使用してppm(δ)で報告する。分裂パターンは、s(シングレット)、br.s(ブロードシングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、dd(ダブレットのダブレット)、dt(トリプレットのダブレット)、及びm(マルチプレット)を表す。NMRスペクトルは、25〜30℃の温度で記録した。
HPLC(ウォークアップ):rt=x分と示されているHPLC分析は、Luna 3u C18(2) 100Aカラム(50×2.0 mm、3μm粒径)を使用するAgilent 1100シリーズ装置で実施した[移動相、溶媒A:(水+0.05% TFA)、溶媒B:(アセトニトリル+0.05% TFA)、勾配:8分で100%の(A)から95%の(B)。カラムT=40℃。流速=1 ml/分。UV検出波長=220 nm]。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「HPLC」により示す。
直接注入質量スペクトル(MS)は、ES(+)及びES(-)イオン化モードで運転する、Agilent 1100シリーズLC/MSD質量分析計で実施した[ES(+):質量範囲:100-1000amu。注入溶媒:水+0.1% HCO2H/CH3CN 50/50。ES(-):質量範囲:100-1000amu。注入溶媒:水+0.05% NH4OH/CH3CN 50/50]。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「MS_1(ESI)」により示す。
或いは、質量スペクトル(MS)は、HPLC装置Agilent 1100シリーズに接続した、ES(+)及びES(-)イオン化モードで運転する質量分析計で実施した[LC/MS-ESI(+)分析は、Supelcosil ABZ+Plus(33×4.6mm、3μm)で行なった(移動相:2.2分で、10%[CH3CN+0.05%TFA]から90%[CH3CN+0.05% TFA]及び10%[水]へ、これらの条件下で2.8分間。T=45℃、流量=0.9mL/分)]。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「MS_2(ESI)」により示す。
HPLC-質量スペクトル(HPLC-MS)は、ポジティブ又はネガティブエレクトロスプレーイオン化モードで酸性及び塩基性の両方の勾配条件において運転する、HPLC装置Agilent 1100シリーズに接続したAgilent 1100シリーズLC/MSD質量分析計により測定した。(酸性勾配):LC/MS-ES(+又は-)分析は、Supelcosil ABZ+Plusカラム(33×4.6mm、3μm)で実施した。移動相:A:(水+0.1% HCO2H)/B:CH3CN。勾配(標準法):t=0分0%(B)、5分で0%(B)から95%(B)へ、1.5分継続、0.1分で95%(B)から0%(B)へ、停止時間8.5分。カラムT=室温。流速=1ml/分。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「LC-MS_A」により示す。(塩基性勾配):LC/MS-ES(+又は-)分析は、XTerra MS C18カラム(30×4.6 mm、2.5μm)で実施した。移動相:A:(5 mM NH4HCO3水溶液+アンモニア(pH 10))/B:CH3CN。勾配:t=0分0%(B)、0.4分で0%(B)から50%(B)へ、3.6分で50%(B)から95%(B)へ、1分継続、0.1分で95%(B)から0%(B)へ、停止時間5.8分。カラムT=室温。流速=1.5mL/分]。質量範囲ES(+又は-):100-1000 amu。UV検出範囲:220-350 nm。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「LC-MS_B」により示す。
(品質管理):酸性条件下でのLC/MS-ES+は、Zorbax SB C18カラム(1.8 μm 3×50 mm)で実施した。移動相:A:(H2O+0.05体積% TFA)/B:(CH3CN+0.05体積% TFA)。勾配:t=0分0%(B)、2.5分で0から95%(B)、0.2分間95%(B)、0.2分で95から100%(B)、0.4分間100%(B)、0.1分で100%から0%(B)。停止時間4分。カラムT=60℃。流速:1.5 ml/分。質量範囲ES+:(100-1000 amu、F=60)。UV検出波長:DAD 1A=220.8、DAD 1B=254.8。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「LC/MS:QC_3_MIN」により示す。
(酸性勾配による超高速液体クロマトグラフィー)
全イオン電流(TIC)及びDAD UVクロマトグラフィートレースは、ピークに関連するMS及びUVスペクトルと共に、2996 PDA検出器を備え、ポジティブ又はネガティブエレクトロスプレーイオン化モードで運転するWaters Micromass ZQ(商標)質量分析計に接続したUPLC/MS Acquity(商標)システムで測定した[LC/MS-ES(+又は-):分析は、Acquity(商標)UPLC BEH C18カラム(50×2.1mm、1.7μm粒径)を使用して実施した。(全般的方法):移動相:A:(水+0.1% HCO2H)/B:(CH3CN+0.06% HCO2H)。勾配:t=0分3%(B)、t=0.05分6%(B)、t=0.57分70%(B)、t=1.06分99%(B)、0.389分継続、t=1.45分3%(B)、停止時間1.5分。カラムT=40℃。流速=1.0mL/分。質量範囲:ES(+):100-1000 amu。ES(-):100-800 amu。UV検出範囲:210-350 nm。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「UPLC」により示す。(第1フォーカス法):移動相:A:(水+0.1% HCO2H)/B:(CH3CN+0.1% HCO2H)。勾配:t=0分3%(B)、t=1.06分99%(B)、t=1.45分99%(B)、t=1.46分3%(B)、停止時間1.5分。カラムT=40℃。流速=1.0 mL/分。質量範囲:ES(+):100-1000 amu。ES(-):100-800 amu。UV検出範囲:210-350 nm。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「UPLC_s」により示す。(第2フォーカス法):移動相:A:(水+0.1% HCO2H)/B:(CH3CN+0.1% HCO2H)。勾配:t=0分3%(B)、t=1.5分100%(B)、t=1.9分100%(B)、t=2分3%(B)、停止時間2分。カラムT=40℃。流速=1.0 mL/分。質量範囲:ES(+):100-1000 amu。ES(-):100-800 amu。UV検出範囲:210-350 nm。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「UPLC_ipqc」により示す。
(塩基性勾配による超高速液体クロマトグラフィー)
全イオン電流(TIC)及びDAD UVクロマトグラフィートレースはピークに関連するMS及びUVスペクトルと共に、PDA検出器を備え、ポジティブ及びネガティブ交互エレクトロスプレーイオン化モードで運転するWaters SQD質量分析計に接続したUPLC/MS Acquity(商標)システムで測定した[LC/MS-ES+/-:分析は、Acquity(商標)UPLC BEH C18カラムを利用して実施した(50×2.1mm、1.7μm粒径)。移動相:A:(10mM NH4HCO3水溶液(アンモニアによりpH 10に調整))/B:CH3CN。勾配:t=0分3%(B)、t=1.06分99%(B)、0.39分継続、t=1.46分3%(B)、停止時間1.5分。カラムT=40℃。流速=1.0 mL/分。質量範囲:ES(+):100-1000 amu。ES(-):100-1000 amu。UV検出範囲:220-350 nm。記載される化合物の分析キャラクタリゼーションにおいて、この方法の利用を「UPLC_B」により示す。
マイクロ波照射を含む反応に関しては、Personal Chemistry Emrys(商標)Optimizer又はBiotage Initiatorを使用した。
いくつかの調製物において、Biotageマニュアルフラッシュクロマトグラフィー(Flash+)、Biotage自動フラッシュクロマトグラフィー(Horizon、SP1及びSP4)、Companion CombiFlash (ISCO)自動フラッシュクロマトグラフィー、Flash Master Personal又はVac Masterシステムズを使用して精製を行った。
フラッシュクロマトグラフィーは、230-400メッシュのシリカゲル(Merck AG社、ダルムシュタット、ドイツにより供給)又は300-400メッシュのシリカゲル(Sinopharm Chemical Reagent社により供給)、Varian Mega Be-Si充填済みカートリッジ、充填済みBiotageシリカカートリッジ(例えば、Biotage SNAPカートリッジ)、KP-NH充填済みフラッシュカートリッジ、ISOLUTE NH2充填済みカートリッジ、又はISCO RediSepシリカカートリッジで実施した。
SPE-SCXカートリッジは、Varian社により供給されるイオン交換固相抽出カラムである。SPE-SCXカートリッジと共に使用された溶離液は、DCM及びMeOH又はMeOHのみ、それに続いてMeOH中のアンモニア溶液である。回収したフラクションは、特記されない限り、MeOH中のアンモニア溶液により溶離されたものである。
SPE-Siカートリッジは、Varian社により供給されるシリカ固相抽出カラムである。
いくつかの調製物において、Waters 2996 PDA検出器を備え、ポジティブ及びネガティブエレクトロスプレーイオン化モードES+、ES-(質量範囲100-1000又は100-900)で運転するZQ(商標)質量分析計(Waters)に接続したMass-Directed Autopurification(MDAP)システムFractionlynx(商標)で精製を実施した。
一組の半分取勾配を利用した。
(方法A:クロマトグラフィー塩基性条件)
カラム:室温でのXTerra Prep MS C18 OBD(150mm×30mm 10μm粒径)
移動相:A:(水+10mM重炭酸アンモニウム水溶液(アンモニアによりpH 10に調整)、B:アセトニトリル
流速:40 ml/分
勾配:0.5分間10%(B)、12.5分で10%(B)から95%(B)へ、3分で95%(B)から100%(B)へ。
(方法B:クロマトグラフィー塩基性条件)
カラム:室温でのXTerra Prep MS C18 OBD(150mm×30mm 10μm粒径)
移動相:A:水+10mM重炭酸アンモニウム水溶液(アンモニアによりpH 10に調整)、B:アセトニトリル
流速:40 ml/分
勾配:1分で20%から25%(B)へ、12分で25%(B)から65%(B)へ、0.5分で65%(B)から100%(B)へ。
(方法C:クロマトグラフィー塩基性条件)
カラム:室温でのWaters Xbridge C18 OBD(50mm×19mm 5μm粒径)
移動相:A:水+10mM重炭酸アンモニウム水溶液(アンモニアによりpH 10に調整)、B:アセトニトリル
流速:17 ml/分
勾配:1分で20%(B)から25%(B)へ、9分で25%(B)から55%(B)へ、2分で55%(B)から100%(B)へ、0.1分で20%(B)に戻る。
(方法D:クロマトグラフィー酸性条件)
カラム:室温でのWaters Xbridge C18 OBD(50mm×19mm 5μm粒径)
移動相:A:(水+水中0.1%ギ酸);B:アセトニトリル
流速:17 ml/分
勾配:1分で20%(B)から25%Bへ、9分で25%(B)から55%(B)へ、2分で55%(B)から100%(B)へ、0.1分で20%(B)に戻る。
(方法E:クロマトグラフィー塩基性条件)
カラム:室温でのWaters Xbridge C18 OBD(50mm×19mm 5μm粒径)
移動相:A:(水+10mM重炭酸アンモニウム水溶液(アンモニアによりpH 10に調整))、B:アセトニトリル
流速:17 ml/分
勾配:1分で10%(B)から15%(B)へ、7分で15%(B)から70%(B)へ、1分で70%(B)から100%(B)へ、2分間100%(B)、0.1分で10%(B)に戻る。
(方法F:クロマトグラフィー塩基性条件)
カラム:Phenomenex Gemini AXIA C18(50×21.2mm 5μm粒径)
移動相:A:水+10mM重炭酸アンモニウム水溶液(アンモニアによりpH 10に調整))、B:アセトニトリル
流速:17 ml/分
勾配:1分で10%(B)から15%(B)へ、8分で15%(B)から65%(B)へ、1分で65%(B)から100%(B)へ、1分で10%(B)に戻る。
(方法G:クロマトグラフィー塩基性条件)
カラム:Phenomenex Gemini AXIA C18(50×21.2mm 5μm粒径)
移動相:A:水+10mM重炭酸アンモニウム水溶液(アンモニアによりpH 10に調整))、B:アセトニトリル
流速:17 ml/分
勾配:1分で10%(B)から15%(B)へ、7分で15%(B)から70%(B)へ、1分で70%(B)から100%(B)へ、2分間100%(B)、0.1分で10%(B)に戻る。
(略語)
CDCl3 重水素化クロロホルム
cHex シクロヘキサン
CV カラム体積
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO-d6 重水素化ジメチルスルホキシド
EDC.HCl N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩
Et2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
H2 気体状水素
HATU (O-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)
HBTU O-ベンゾトリアゾール-1-イル-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCO2H ギ酸
HCl 塩化水素
HNO3 硝酸
HOBt.H2O 1-ヒドロキシベンジルトリアゾール水和物
H2SO4 硫酸
K2CO3 炭酸カリウム
KHDMS カリウムヘキサメチルジシラジド
KOH 水酸化カリウム
MeCN/CH3CN アセトニトリル
MeOH メタノール
MeOD 重水素化メタノール
MDAP 質量分析計直結(mass-directed)自動精製
MOM メトキシメチル
N2 気体状窒素
NaBH(OAc)3 ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド
NaHCO3 炭酸水素ナトリウム
NaNO2 亜硝酸ナトリウム
Na2CO3 炭酸ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NH4OH 水酸化アンモニウム
NH4HCO3H 重炭酸アンモニウム
NMR 核磁気共鳴
Pd/C パラジウムカーボン
PE 石油エーテル
r.t. 室温
SCRC Sinopharm Chemical Reagent社
T3P プロピルホスホン酸無水物
tBuOK カリウムtert-ブトキシド
TBTU o-ベンゾトリアゾール-1-イル-n,n,n',n'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TsOH*H2O 4-メチルベンゼンスルホン酸水和物、p-トルエンスルホン酸水和物
(中間体1)
(2-[(2-プロピン-1-イルオキシ)メチル]フラン)
アルゴン下0℃で撹拌されている水素化ナトリウム(1.570 g、39.2 mmol)のDMF(46 ml)中の懸濁液に、2-フラニルメタノール(3.5 g、35.7 mmol)のDMF(4 ml)溶液を20分で滴加した。該反応混合物を0℃で15分間攪拌した。トルエン中の80%の3-ブロモ-1-プロピン(4.24 g、35.7 mmol)を、0℃で10分間滴加し、次いで混合物を室温で一晩撹拌したままにした。水を加え、次いで、該混合物をエチルエーテルで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチルの95/5から85/15の勾配により溶離する、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1装置)により精製した。蒸発させると標記化合物(1.63 g)を与えた。
(中間体2〜3)
(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール及び1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-オール)
アルゴン下室温で撹拌されている[2-[(2-プロピン-1-イルオキシ)メチル]フラン](中間体1、1.63 g)のアセトニトリル(60 ml)溶液に、ニートの三塩化金(0.182 g、0.599 mmol)を加えた。該反応混合物を、室温で一晩撹拌した。次いで、三塩化金を加え(120 mg)、2時間後、さらに三塩化金を加えた(226 mg)。1時間後、該混合物を濃縮し、粗製物を、90/10のシクロヘキサン/酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1)により精製した。2つのフラクションを蒸発させると、それぞれ標記化合物を与えた:1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール(100mg)及び1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-オール(356mg)。
(中間体2:1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール)
(中間体3:1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-オール)
(中間体4)
(4-[(4-ニトロフェニル)オキシ]-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン)
炭酸カリウム(670 mg、4.85 mmol)、1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール(中間体2、110 mg)、及び1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(114 mg、0.808 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(5 ml)中の懸濁液を、マイクロ波照射下で、100℃で3×30分加熱した。該混合物を濃縮した。2 mlの水を加え、次いでジクロロメタンを加えた。相を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮すると、標記化合物を与え、それを次の工程に直接使用した。
(中間体5)
(4-(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イルオキシ)アニリン)
4-[(4-ニトロフェニル)オキシ]-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン(中間体4、208 mg)、ヒドラジン水和物(0.051 ml、1.618 mmol)、及びPd/C(172 mg、0.162 mmol)のエタノール(6 ml)溶液を、アルゴン下90℃で撹拌した。1.5時間後、該混合物を室温に冷却し、次いでセライトで濾過した。セライトをメタノールにより洗浄した。有機相を濃縮すると、標記化合物(136 mg)を与えた。
(中間体6)
(1,1-ジメチルエチル((1R)-2-{[4-(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イルオキシ)フェニル]アミノ}-1-メチル-2-オキソエチル)カルバマート)
N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-アラニン(97 mg、0.515 mmol)、DIPEA(0.138 ml、0.792 mmol)、及びTBTU(191 mg、0.594 mmol)の1,2-ジクロロエタン(3 ml)中の懸濁液を、アルゴン下室温で45分間攪拌した。4-(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イルオキシ)アニリン(中間体5、90 mg)を加え、該混合物を室温で一晩撹拌したままにした。ブラインを加え、該混合物を分離管(separator tube)中で分離した。水相をジクロロメタンで2回抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、100:0から85:15の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として利用するクロマトグラフィー(Biotage SP1)により精製すると、標記化合物(109 mg)を与えた。
(中間体7)
(N
1-[4-(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イルオキシ)フェニル]-D-アラニンアミド)
1,1-ジメチルエチル((1R)-2-{[4-(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イルオキシ)フェニル]アミノ}-1-メチル-2-オキソエチル)カルバマート(中間体6、108 mg)及びTFA(1 ml)のジクロロメタン(4 ml)溶液を、アルゴン下室温で撹拌した。該反応混合物を室温で1時間攪拌した。該混合物を濃縮し、残渣をSCXにより精製すると、標記化合物(81 mg)を与えた。
(中間体8)
(1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)エタノンオキシム)
ヒドロキシルアミン塩酸塩(756 mg、10.9 mmol)及び酢酸ナトリウム三水和物(1.71 g、12.6 mmol)を23 mlのEtOH/H
2O(7/3)の混合物に溶かした溶液を、2',6'-ジヒドロキシアセトフェノン(1.5 g、9.9 mmol)の12 mlの7/3 EtOH/H
2O混合物中の溶液に加えた。N
2下で2時間還流及び撹拌をした後、7 mlの水に溶かした追加のヒドロキシルアミン塩酸塩(340 mg、4.9 mmol)及び酢酸ナトリウム三水和物(570 mg、4.19 mmol)を加え、さらに30分間還流を続けた。室温まで冷却した後、揮発物を除去した。次いで、水を加え、得られた固体を濾過し、水で洗浄して、乾燥させた。これにより1.3 gの標記化合物を与えた。
(中間体9)
(1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)エタノンO-アセチルオキシム)
1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)エタノンオキシム(中間体8、588 mg)に、無水酢酸(1.97 ml、20.8 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。揮発物を除去した後、水を加え、得られた固体を濾過し、高真空下で乾燥させると、437 mgの標記化合物を与えた。
(中間体10)
(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オール)
1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)エタノンO-アセチルオキシム(中間体9、437 mg)に、ピリジン(4.0 ml)を加え、該反応混合物を還流状態で2時間攪拌した。HCl(4.0 mlの5M水溶液)を加えた後、該混合物をEt
2Oで3回抽出し、集めた有機層をHCl(1M、水溶液)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。蒸発させると標記化合物(137 mg)を与えた。
(中間体11)
(3-メチル-4-[(4-ニトロフェニル)オキシ]-1,2-ベンゾイソキサゾール)
3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オール(中間体10、137 mg)を、DMF(3.0 ml)中の1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(130 mg、0.92 mmol)と共に、炭酸カリウム(381 mg、2.8 mmol)と共に撹拌した。該反応混合物を、マイクロ波照射下で110℃で1時間加熱した。揮発物を除去した後、残渣を、CyHex/EtOAc(100%/0%から0%/100%)により溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(100 mg)を与えた。
(中間体12)
(4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]アニリン)
3-メチル-4-[(4-ニトロフェニル)オキシ]-1,2-ベンゾイソキサゾール(中間体11、100 mg)を、窒素雰囲気下で5.0 mlのEtOHに溶解させた。塩化スズ(II)二水和物(417 mg、1.85 mmol)を加えた。次いで、該反応混合物を90℃で5時間攪拌した。揮発物を除去した後、水を加え、該反応混合物を酢酸エチルで2回抽出した。集めた有機層を5%NaHCO
3水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた粗製物をNHカラムにより精製し、DCM/MeOH(100/0、次いで、100/0から90/10への勾配、次いで90/10)で溶離すると、30 mgの標記化合物を与えた。
UPLC-MS: 0.63分、241 [M+H]+。
(中間体13)
(1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-メチル-2-({4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミノ)-2-オキソエチル]カルバマート)
{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミン(中間体12、982 mg)を、12.0 mlのDMFに溶解させた。DIPEA(1.07 ml、6.1 mmol)及びHATU(1865 mg、4.9 mmol)を加えた。15分間攪拌した後、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-アラニン(928 mg、4.9 mmol)を加え、該反応混合物を60℃で2時間撹拌した。揮発物を除去した後、残渣を、100/0%から0/100%の勾配CyHex/EtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。これにより、標記化合物(587 mg)を与えた。
UPLC-MS_B: 0.89分、412 [M+H]+。
(中間体14)
(N
1-{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-D-アラニンアミド)
1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-メチル-2-({4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミノ)-2-オキソエチル]カルバマート(中間体13、587 mg)を10.0 mlのDCMに溶解させ、次いでTFA(5.0 ml)を加えた。該反応混合物を室温で1時間攪拌した。揮発物を除去した後、残渣をSCXカートリッジにより精製し、DCM/MeOH/NH
3(2.0M MeOH溶液)により溶離した。蒸発させると、337 mgの標記化合物を与えた。
UPLC-MS_B: 0.71分、312 [M+H]+。
(中間体15)
(5-メチルベンゼン-1,3-ジイルジアセタート)
5-メチル-1,3-ベンゼンジオール(2.0 g、16.11 mmol)を20.0 mlのジクロロメタンに溶解させ、TEA(11.23 ml、81.0 mmol)を加えた。次いで、0℃で、無水酢酸(4.56 ml、48.30 mmol)を加えて、該反応混合物を室温で50時間撹拌した。水(20.0 ml)を加えた後、該反応混合物を3時間撹拌した。次いで、相を分離して、水相をジクロロメタンで抽出した(2回)。集めた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(3.33 g)を与えた。
(中間体16)
(1-(2,6-ジヒドロキシ-4-メチルフェニル)エタノン)
5-メチルベンゼン-1,3-ジイルジアセタート(中間体15、3.33 g)のクロロベンゼン(5.0 ml)溶液を、AlCl
3(6.40 g、48.0 mmol)のクロロベンゼン(15.0 ml)中の懸濁液に滴加した。該反応混合物を90℃で1時間撹拌し、次いで室温に冷却して、氷と2M HCl水溶液(16 ml)との混合物の上にピペットで移した。酢酸エチルを加え、2相を分離した。有機相をブラインで2回洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた残渣を、100/0から70/30の勾配Cy-Hex/EtOAc、次いで70/30の均一濃度、さらに70/30から50/50の別な勾配、さらに50/50の均一濃度により溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。これにより、標記化合物(940 mg)を与えた。
(中間体17)
(1-(2,6-ジヒドロキシ-4-メチルフェニル)エタノンオキシム)
ヒドロキシルアミン塩酸塩(470 mg、6.76 mmol)及び酢酸ナトリウム三水和物(590 mg、4.34 mmol)を20 mlのEtOH/H
2O(7/3)の混合物に溶かした溶液を、1-(2,6-ジヒドロキシ-4-メチルフェニル)エタノン(中間体16、940 mg)の15 mlのEtOH/H
2O(7/3)混合物中の溶液に加えた。N
2下で2時間還流及び撹拌をした後、5 mlの水に溶かした追加のヒドロキシルアミン塩酸塩(159 mg、2.29 mmol)及び酢酸ナトリウム三水和物(199 mg)を加えた。該反応混合物を一晩還流加熱した。室温に冷却した後、揮発物を除去した。水を加え、生じた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させると、829 mgの標記化合物を与えた。
(中間体18)
(1-(2,6-ジヒドロキシ-4-メチルフェニル)エタノンO-アセチルオキシム)
1-(2,6-ジヒドロキシ-4-メチルフェニル)エタノンオキシム(中間体17、829 mg)に、無水酢酸(2.6 ml、27.5 mmol)を加え、該反応混合物を室温で1時間攪拌した。揮発物を除去した後、残渣を水で洗浄し、濾過し、乾燥させた。これにより1.0 gの標記化合物を与えた。
(中間体19)
(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オール)
1-(2,6-ジヒドロキシ-4-メチルフェニル)エタノンO-アセチルオキシム(中間体18、1.0 g)に、ピリジン(10 ml)を加え、該反応混合物を、N
2下、還流状態で2時間攪拌した。HCl(10.0 mlの5M水溶液)を加えた後、該混合物をEt
2Oで3回抽出し、集めた有機相をHCl(1M)で洗浄した。次いで、分離した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、345 mgの標記化合物を与えた。
(中間体20)
(3,6-ジメチル-4-[(4-ニトロフェニル)オキシ]-1,2-ベンゾイソキサゾール)
3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オール(中間体19、345 mg)をアセトニトリル(10.0 ml)に溶解させ、次いで1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(298 mg、2.11 mmol)及び炭酸カリウム(877 mg、6.34 mmol)を加えた。該反応混合物を一晩撹拌及び還流加熱した。揮発物を除去した後、残渣を、100/0から50/50の勾配cHex/EtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(208 mg)を与えた。
(中間体21)
({4-[(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミン)
3,6-ジメチル-4-[(4-ニトロフェニル)オキシ]-1,2-ベンゾイソキサゾール(中間体20、208 mg)をエタノール(10.0 ml)に溶解させ、塩化スズ二水和物(991 mg、4.39 mmol)を加えた。次いで、該反応混合物を4時間攪拌及び還流加熱した。揮発物を除去した後、水を加え、該反応混合物を酢酸エチルで2回抽出した。次いで、集めた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、260 mgの標記化合物を与えた。
UPLC-MS: 0.60分、255 [M+H]+。
(中間体22)
(1,1-ジメチルエチル[(1R)-2-({4-[(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミノ)-1-メチル-2-オキソエチル]カルバマート))
{4-[(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミン(中間体21、260 mg)を、8.0 mlのDMFに溶解させた。DIPEA(0.188 ml、1.074 mmol)及びHATU(327 mg、0.86 mmol)を加えた。15分間攪拌した後、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-アラニン(163 mg、0.86 mmol)を加え、該反応混合物を60℃で2時間撹拌した。揮発物を除去した後、残渣を、100/0から0/100の勾配cHex/EtOAcで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(74 mg)を与えた。
UPLC-MS_B: 0.93分、426 [M+H]+。
(中間体23)
(N
1-{4-[(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-D-アラニンアミド)
1,1-ジメチルエチル[(1R)-2-({4-[(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミノ)-1-メチル-2-オキソエチル]カルバマート)(中間体22、74 mg)を3.0 mlのジクロロメタンに溶解させた。TFA(1.5 ml)を加えて、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を除去した後、残渣をSCXカートリッジにより精製し、DCM/MeOH/NH
3(2.0M MeOH溶液)により溶離した。揮発物を蒸発させると、54 mgの標記化合物を与えた。
UPLC-MS_B: 0.76分、326 [M+H]+。
(中間体24)
(1,1-ジメチルエチル[1,1-ジメチル-2-({4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミノ)-2-オキソエチル]カルバマート)
{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミン(中間体23、30 mg)を、5.0 mlのDMFに溶解させた。DIPEA(0.033 ml、0.19 mmol)及びHATU(57 mg、0.15 mmol)を加えた。15分間攪拌した後、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(30.5 mg、0.15 mmol)を加え、該反応混合物を60℃で2時間撹拌した。揮発物を除去した後、残渣を、勾配cHex/EtOAc(100/0から0/100)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(34 mg)を与えた。
UPLC-MS_B: 0.91分、426 [M+H]+。
(中間体25)
(2-メチル-N
1-{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アラニンアミド)
1,1-ジメチルエチル[1,1-ジメチル-2-({4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アミノ)-2-オキソエチル]カルバマート(中間体24、34 mg)を4.0 mlのジクロロメタンに溶解させ、次いでTFA(1.0 ml)を加えた。該反応混合物を室温で1時間攪拌した。揮発物を除去した後、残渣をSCXカートリッジに入れ、ジクロロメタン、MeOH、NH
3(2.0M MeOH溶液)で連続的に溶離した。蒸発させると、18 mgの標記化合物を与えた。
(中間体26)
(1,3-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン)
レゾルシノール(3.0 g、27.2 mmol)をDMF(50.0 ml)に溶解させ、0℃でNaH(4.36 g、109 mmol、60重量%)を加えた。その温度で30分間攪拌した後、クロロメチルメチルエーテル(8.28 ml、109 mmol)を加え、該反応物を放置して室温にし、一晩撹拌した。該混合物をNaHCO
3飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。次いで、集めた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルカラムに入れ、シクロヘキサン/EtOAc(100/0から50/50)により溶離すると、標記化合物(4.94 g)を与えた。
(中間体27)
(1-(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-1-プロパノン)
1,3-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン(中間体26、2.02 g)を、窒素下でTHF(7.0 mL)に溶解させ、BuLiの溶液(1.6Mのヘキサン溶液7.64 ml、12.2 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌し、-78℃に冷却した後、無水プロパン酸(5.23 ml、40.8 mmol)を加え、該混合物をその温度で15分間攪拌した。水でクエンチした後、該混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。次いで、得られた粗製物をシリカゲルカラムに入れ、シクロヘキサン/EtOAc(10/0から9/1、次いで9/1、次いで9/1から8/2、次いで8/2)により溶離すると、標記化合物(1.706 g)を与えた。
(中間体28)
(1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-1-プロパノン)
1-(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-1-プロパノン(中間体27、1.7 g)をメタノール(50.0 ml)に溶解させ、HClの水溶液(2M水溶液26.7 ml、53.5 mmol)を加えた。次いで、該反応混合物を2時間還流した。水でクエンチした後、該反応混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(1.11g)を与えた。
(中間体29)
(1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-1-プロパノンオキシム)
ヒドロキシルアミン塩酸塩(510 mg、7.3 mmol)及び酢酸ナトリウム三水和物(629 mg、4.6 mmol)を20 mlのEtOH/H
2O(7/3)の混合物に溶かした溶液を、1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-1-プロパノン(中間体28、1.0 g)の15 mlのEtOH/H
2O(7/3)混合物中の溶液に加えた。N
2下で一晩還流及び撹拌をした後、4.5 mlの水に溶かした追加のヒドロキシルアミン塩酸塩(510 mg、7.3 mmol)及び酢酸ナトリウム三水和物(629 mg、4.6 mmol)を加えた。次いで、該反応混合物をさらに3時間還流加熱した。室温に冷却した後、揮発物を除去した。次いで、水を加え、該反応混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(1.05g)を与えた。
UPLC: 0.41分、182 [M+H]+; 0.47分、182 [M+H]+。
(中間体30)
(1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-1-プロパノンO-アセチルオキシム)
1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-1-プロパノンオキシム(中間体29、716 mg)を、室温の無水酢酸(2.24 ml、23.7 mmol)中で1時間撹拌した。揮発物を除去した後、残渣を水で洗浄し、濾過し、乾燥させた。粗製化合物をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、シクロヘキサン/EtOAc(100/0から全て0/100)により溶離すると、標記化合物(269 mg)を与えた。
(中間体31)
(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オール及び2-エチル-1,3-ベンゾオキサゾール-4-オール)
1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-1-プロパノンO-アセチルオキシム(中間体30、269 mg)をピリジン(10.0 ml)に溶解させ、還流状態で2日間攪拌した。HClの水溶液(5M)を加えた後、該反応混合物を酢酸エチルで3回抽出し、集めた有機層を、HClの水溶液(1M)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、シクロヘキサン/EtOAc(1/0から1/1、次いで1/1、次いで1/1から0/1)により溶離すると、標記化合物を、3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オールと2-エチル-1,3-ベンゾオキサゾール-4-オールの混合物(38 mg)として与えた。
UPLC: 0.59分、164 [M+H]+; 0.61分、164 [M+H]+。
(中間体32)
(3-エチル-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]-1,2-ベンゾイソキサゾール)
3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オールと2-エチル-1,3-ベンゾオキサゾール-4-オールの混合物(中間体31、38 mg)をDMF(3.0 mL)に溶解させ、2-クロロ-5-ニトロピリジン(36.9 mg、0.23 mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(97 mg、0.70 mmol)を加えた。該反応混合物を、マイクロ波照射下で、110℃で1時間加熱した。揮発物を除去した後、粗製物をシリカゲルカラムに入れ、シクロヘキサン/EtOAc(1/0から1/1)により溶離すると、標記化合物(9.5 mg)を与えた。
(中間体33)
(6-[(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン)
3-エチル-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]-1,2-ベンゾイソキサゾール(中間体32、9 mg)を3.0 mlのエタノールに溶解させた。次いで、塩化スズ(II)二水和物(21.4 mg、0.095 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で3時間撹拌した。水でクエンチし酢酸エチルで抽出した後、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物を与えた。
UPLC: 0.62分、256 [M+H]+。
(中間体34)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
6-[(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体33)をDMF(0.5 mL)に溶解させ、1 mlのDMF中の(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(7.7 mg、0.038 mmol)、DIPEA(0.008 mL、0.047 mmol)、及びHATU(14.4 mg、0.038 mmol)の混合物に加えた。次いで、該反応混合物を50℃で2時間攪拌した。DMFを除去した後、水を加え、該混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。次いで、残渣をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、Cyhexane/EtOAc(全て10/0から7/3、次いで7/3)により溶離すると、標記化合物(4.4 mg)を与えた。
(中間体35)
((2R)-2-アミノ-N-{6-[(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド)
1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(中間体34、4.4 mg)をジクロロメタン(1.0 ml)に溶解させ、0℃でTFA(0.100 ml、1.3 mmol)を加えた。該反応混合物をその温度で2時間攪拌した。揮発物を除去した後、残渣をSCXカートリッジに入れ、DCM/MeOH/NH
3(MeOH中2.0M)により溶離すると、標記化合物を与えた。
UPLC: 0.53分、341 [M+H]+。
(中間体36)
(1-(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-2-メチル-1-プロパノン)
1,3-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン(中間体35、2.2 g)を、窒素下でTHF(8.0 mL)に溶解させ、BuLiの溶液(1.6Mのヘキサン溶液8.32 ml、13.3 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌し-78℃に冷却した後、2-メチルプロパノイルクロリド(4.65 ml、44.4 mmol)を加え、該反応混合物をその温度で1時間撹拌した。水でクエンチした後、該反応混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。次いで、得られた残渣をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、シクロヘキサン/EtOAc(全て10/0から9/1、次いで9/1、次いで9/1から8/2、次いで8/2)により溶離すると、標記化合物(825 mg)を与えた。
該標記化合物を、また下記の代替法により製造した。1,3-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン(中間体35、1.099 g)を、窒素下でTHF(5.0 mL)に溶解させ、BuLiの溶液(1.6 Mのヘキサン溶液4.16 ml、6.65 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌し、-78℃に冷却した後、無水イソ酪酸(3.68 ml、22.2 mmol)を加え、該反応混合物をその温度で15分間攪拌した。水でクエンチした後、該混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。次いで、得られた残渣をシリカゲルカラムに入れ、Cyhexane/酢酸エチル(全て10/0から9/1、次いで9/1)により溶離すると、759 mgの標記化合物を与えた。
(中間体37)
(1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-2-メチル-1-プロパノン)
1-(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-2-メチル-1-プロパノン(中間体36、1.58 g、5.89 mmol)をメタノール(40.0 ml)に溶解させ、HClの水溶液(2M水溶液23.6 ml、47.1 mmol)を加えた。次いで、該反応混合物を1時間還流した。水でクエンチした後、該反応混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(916 mg)を与えた。
(中間体38)
(1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-2-メチル-1-プロパノンオキシム)
1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-2-メチル-1-プロパノン(中間体37、416 mg)をピリジン(2.0 ml)に溶解させ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(209 mg、3.0 mmol)を加えた。次いで、該反応混合物を、室温で一晩撹拌した。夜の後、追加のヒドロキシルアミン塩酸塩(64 mg、0.92 mmol)を加え、該混合物を100℃で3時間加熱した。揮発物を除去した後、粗製物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(370 mg)を与えた。
UPLC: 0.47分、196 [M+H]+; 0.50分、196 [M+H]+。
(中間体39)
(1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-2-メチル-1-プロパノンO-アセチルオキシム)
1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-2-メチル-1-プロパノンオキシム(中間体38、320 mg)を、室温の無水酢酸(0.928 ml、9.84 mmol)中で1時間撹拌した。揮発物を除去した後、粗製物を水で洗浄し、濾過し、乾燥させた。得られた残渣をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、Cyhexane/酢酸エチル(100/0から0/100)により溶離すると、標記化合物(127 mg)を与えた。
(中間体40)
(3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オール及び2-(1-メチルエチル)-1,3-ベンゾオキサゾール-4-オール)
1-(2,6-ジヒドロキシフェニル)-2-メチル-1-プロパノンO-アセチルオキシム(中間体39、100 mg)をピリジン(4.0 ml)に溶解させ、還流状態で5日間攪拌した。HClの水溶液(5M)を加えた後、該反応混合物を酢酸エチルで3回抽出し、集めた有機層を、HClの水溶液(1M)で洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、Cyhexane/EtOAc(1/0から1/1、次いで1/1、次いで1/1から0/1)により溶離すると、13 mgの標記化合物の混合物3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オール及び2-(1-メチルエチル)-1,3-ベンゾオキサゾール-4-オールを与えた。
UPLC: 0.64分、178 [M+H]+; 0.65分、178 [M+H]+。
(中間体41)
(3-(1-メチルエチル)-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]-1,2-ベンゾイソキサゾール)
3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-オールと2-(1-メチルエチル)-1,3-ベンゾオキサゾール-4-オール(中間体40、13 mg)の混合物をDMF(2.0 mL)に溶解させ、2-クロロ-5-ニトロピリジン(11.6 mg、0.073 mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(30 mg、0.22 mmol)を加えた。該反応混合物を、マイクロ波照射下で、110℃で1時間加熱した。揮発物を除去した後、得られた残渣をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、Cyhexane/EtOAc(10/0から9/1、次いで9/1、次いで9/1から8/2)により溶離すると、標記化合物(8.7 mg)を与えた。
(中間体42)
(6-{[3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル]オキシ}-3-ピリジンアミン)
3-(1-メチルエチル)-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]-1,2-ベンゾイソキサゾール(中間体41、8.7 mg)を3.0 mlのエタノールに溶解させた。塩化スズ(II)二水和物(19.7 mg、0.087 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で3時間撹拌した。水でクエンチし酢酸エチルで抽出した後、集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物を与えた。
UPLC: 0.67分、270 [M+H]+。
(中間体43)
(1,1-ジメチルエチル((1R)-1-{[(6-{[3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル]オキシ}-3-ピリジニル)アミノ]カルボニル}プロピル)カルバマート)
6-{[3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル]オキシ}-3-ピリジンアミン(中間体42)をDMF(0.5 mL)に溶解させ、1 mlのDMF中の(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(7.09 mg、0.035 mmol)、DIPEA(7.6 μL、0.044 mmol)、及びHATU(13.26 mg、0.035 mmol)の混合物に加えた。次いで、該反応混合物を50℃で1時間攪拌した。DMFを除去した後、水を加え、該混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、Cyhexane/EtOAc(10/0から7/3、次いで7/3)により溶離すると、標記化合物(2 mg)を与えた。
UPLC: 0.81分、455 [M+H]+。
(中間体44)
((2R)-2-アミノ-N-(6-{[3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル]オキシ}-3-ピリジニル)ブタンアミド)
1,1-ジメチルエチル((1R)-1-{[(6-{[3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル]オキシ}-3-ピリジニル)アミノ]カルボニル}プロピル)カルバマート(中間体43、2.0 mg)をジクロロメタン(1.0 mL)に溶解させ、0℃でTFA(0.05 mL、0.65 mmol)を加えた。該反応混合物をその温度で2時間攪拌した。揮発物を除去した後、得られた残渣をSCXカートリッジに入れ、DCM/MeOH/NH
3(MeOH中2.0M)により溶離すると、標記化合物を与えた。 UPLC: 0.56分、355 [M+H]+。
(中間体45)
(1-(メチルオキシ)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン)
3-(メチルオキシ)フェノール(10.38 g、84 mmol)のテトラヒドロフラン(100 ml、SCRC社製)溶液に、氷冷下で、NaH(60重量%、1.824 g、76 mmol、Aldrich社製)を少量ずつ加えた。該反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、ブロモメチルメチルエーテル(9.5 g、76 mmol、SCRC社製)を加えた。生じた混合物を室温で2時間撹拌し、水(50 ml)を加えた。該反応混合物を酢酸エチル(2回、50 ml、SCRC社製)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:PE=1:100)により精製すると、標記化合物(10.2 g)を無色の液体として与えた。
(中間体46)
(2-ヨード-1-(メチルオキシ)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン)
-78℃に事前冷却した1-(メチルオキシ)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン(中間体45、10 g、59.5 mmol)のテトラヒドロフラン(100 ml、SCRC社製)溶液に、内部温度を-70℃より低く保ちながら、BuLi(THF中2.5 M、28.5 ml、71.3 mmol、SCRC社製)を滴加した。添加が完了した後、混合物を-70℃で2時間撹拌し、ヨウ素(15.09 g、59.5 mmol、SCRC社製)のTHF(50 ml、SCRC社製)溶液を滴加した。生じた混合物を室温で2時間撹拌し、塩化アンモニウム飽和水溶液(100 ml)でクエンチした。該混合物を酢酸エチル(3回、300 ml、SCRC社製)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、溶離液としてEtOAc:PE(1:100)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(16.2 g)を黄色の液体として与えた。
(中間体47)
(2-ヨード-3-(メチルオキシ)フェノール)
2-ヨード-1-(メチルオキシ)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン(中間体46、16.2 g、55.1 mmol)のジクロロメタン(100 ml、SCRC社製)溶液に、HCl(g)を30分間バブリングした。TLCにより、反応が完了したことが示された。該反応混合物を、NaHCO
3の飽和水溶液(200 ml)に注ぎ、ジクロロメタン(3×200 ml、SCRC社製)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:PE=1:50)により精製すると、標記化合物を黄色の液体として与えた(10.3 g)。
(中間体48)
(2-ヨード-1-(メチルオキシ)-3-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)オキシ]ベンゼン)
2-ヨード-3-(メチルオキシ)フェノール(中間体47、10.3 g)のDMF(100 ml、SCRC社製)溶液に、NaH(60重量%、1.977 g、49.4 mmol)を少量ずつ加えた。該反応混合物を室温で1時間攪拌し、3-クロロ-2-メチル-1-プロペン(3.73 g、41.2 mmol、Aldrich社製)を加えた。生じた混合物を室温で2時間撹拌し、水(50 ml)を加えた。該反応混合物を酢酸エチル(3回、200 ml、SCRC社製)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、溶離液としてEtOAc/PE(1/30)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物を黄色の液体(11.6g)として与えた。
(中間体49)
(3,3-ジメチル-4-(メチルオキシ)-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン)
2-ヨード-1-(メチルオキシ)-3-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)オキシ]ベンゼン(中間体48、6.08 g)のトルエン(50 ml、SCRC社製)溶液に、AIBN(3.61 g、21.99 mmol、SCRC社製)及びトリブチルスタンナン(11.60 g、40.0 mmol、Aldrich社製)を加えた。該反応混合物を3時間還流加熱し、次いで室温に冷却した。水(100 ml)を加え、該混合物を酢酸エチル(3回、200 ml、SCRC社製)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、溶離液としてEtOAc/PE(1/50)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物を黄色の液体(2.7g)として与えた。
(中間体50)
(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール)
3,3-ジメチル-4-(メチルオキシ)-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン(中間体49、4.0 g)のジクロロメタン(100 ml、SCRC社製)溶液に、氷冷下でBBr
3(6.37 ml、67.3 mmol、SCRC社製)を滴加した。添加が完了した後、該反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水(20 ml)を加えた。生じた混合物を酢酸エチル(3回、100 ml、SCRC社製)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、溶離液としてEtOAc/PE(1/20)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(2.8 g)を与えた。
(中間体51)
(2-ブロモ-3-ヒドロキシフェニルアセタート)
2-ブロモ-1,3-ベンゼンジオール(3.028 g、16.02 mmol)のジクロロメタン(70 ml)溶液に、TEA(3.35 ml、24.03 mmol)及び無水酢酸(1.512 ml、16.02 mmol)を撹拌しながら加えた。該反応混合物を、室温で一晩撹拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和溶液(100 ml)でクエンチし、酢酸エチル(3回、70 ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物を黒色の油として与え、これを次の工程に直接使用した(3.028g)。
UPLC_B: 0.41分、229 [M-H]-。
(中間体52)
(2-ブロモ-3-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)オキシ]フェニルアセタート)
2-ブロモ-3-ヒドロキシフェニルアセタート(中間体51、3028 mg)のアセトニトリル(60 ml)溶液に、炭酸カリウム(3623 mg、26.2 mmol)及び3-ブロモ-2-メチル-1-プロペン(2123 mg、15.73 mmol)を加えた。該反応混合物を、室温で一晩撹拌した。該混合物を水で洗浄した(3回、60 ml)。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。100g-SNAPカラム及び溶離液として100/0から80/20のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、残渣を精製すると、標記化合物を無色の油(2.324 g)として与えた。
(中間体53)
(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イルアセタート)
2-ブロモ-3-[(2-メチル-2-プロペン-1-イル)オキシ]フェニルアセタート(中間体52、2.324 g)のトルエン(20 ml)溶液に、AIBN(1.606 g、9.78 mmol)及びトリブチルスタンナン(4.73 g、16.30 mmol)を加えた。該反応混合物を100℃で2時間加熱撹拌し、次いで室温に4時間放置した。該反応物を水(60 ml)でクエンチし、酢酸エチル(3回、50 ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。100g-SNAPカラム及び溶離液として100/0から70/30のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、残渣を精製すると、標記化合物を無色の油(1.290 g)として与えた。
(中間体50)
(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール)
これは、中間体50に関して先に記載された経路の代替合成経路である。
3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イルアセタート(中間体53、1.290 g)のメタノール(50 ml)溶液に、水酸化ナトリウム(0.375 g、9.38 mmol)の水(25.00 ml)溶液を加えた。該反応混合物を室温で30分間攪拌した。次いで、該混合物を5% HClでpHが5になるまで酸性化し、酢酸エチル(3回、50 ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。25g-SNAPカラム及び溶離液として100/0から80/20のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、残渣を精製すると、標記化合物を白色固体(855 mg)として与えた。
UPLC-MS: 0.65分、165 [M+H]+。
(中間体54)
(3,3-ジメチル-4-[(4-ニトロフェニル)オキシ]-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン)
3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(中間体50、652 mg)及び1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(532 mg、3.77 mmol)のアセトニトリル(30 ml、SCRC社製)溶液に、炭酸カリウム(552 mg、4 mmol、SCRC社製)を加えた。次いで、該混合物を3時間還流加熱した。冷却後、該反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させると、標記化合物を黄色の液体として与え(0.95 g)、それを次の工程に直接使用した。
(中間体55)
(4-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]アニリン)
3,3-ジメチル-4-[(4-ニトロフェニル)オキシ]-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン(中間体54、0.9 g)のテトラヒドロフラン(20 ml、SCRC社製)及び水(10 ml)中の溶液に、塩化アンモニウム(1.687 g、31.5 mmol、SCRC社製)及び亜鉛粉末(1.031 g、15.77 mmol、SCRC社製)を加えた。該混合物を40℃で2時間加熱し、次いでセライトのパッドに通して濾過した。濾液を、水(20 ml)と酢酸エチル(50 ml、SCRC社製)により分配した。有機層を乾燥させ、蒸発させ、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/50から1/30)により精製すると、標記化合物を黄色の液体(0.625 g、76%)として与えた。
MS_2 (ESI): 256 [M+H]+。
(中間体56)
(1,1-ジメチルエチル[(1R)-2-({4-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]フェニル}アミノ)-1-メチル-2-オキソエチル]カルバマート)
4-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]アニリン(中間体55、255 mg)及びN-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-アラニン(227 mg、1.199 mmol、SCRC社製)のDMF(10 ml、SCRC社製)溶液に、HATU(570 mg、1.498 mmol、SCRC社製)及びDIPEA(0.523 ml、3.00 mmol、SCRC社製)を加えた。該混合物を、マイクロ波中で100℃で1時間加熱した。水(20 ml)を該混合物に加え、それを酢酸エチル(3回、50 ml、SCRC社製)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/50から1/20)により精製すると、標記化合物を黄色の固体(328 mg)として与えた。
MS_2 (ESI): 371 [M-55]+。
(中間体57)
(N
1-{4-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]フェニル}-D-アラニンアミド)
1,1-ジメチルエチル[(1R)-2-({4-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]フェニル}アミノ)-1-メチル-2-オキソエチル]カルバマート(中間体56、325 mg)の酢酸エチル(20 ml、SCRC社製)溶液に、HCl(気体)を0.5時間バブリングした。該反応混合物を、炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpH7に中和し、酢酸エチル(3回、100 ml、SCRC社製)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させると、標記化合物を黄色の液体として与えた(215 mg)。
MS_2 (ESI): 327 [M-H]+。
(中間体58)
(2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン)
大型のマイクロ波バイアル中で、2-クロロ-5-ニトロピリジン(386 mg、2.436 mmol)を、4 mlのジメチルホルムアミドに溶解させた。3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(中間体57、400 mg)及び炭酸カリウム(2.02 g、14.62 mmol)を加えた。該反応混合物を、マイクロ波照射下で、30分間110℃で加熱した(Biotage Initiator)。該反応混合物を濾過した。濾過された固体をジクロロメタン(30 ml)で洗浄した。揮発物を真空下で蒸発させた。シクロヘキサンを溶離液として使用するシリカゲルクロマトグラフィー(Companion instrument、120 gカートリッジ)により残渣を精製すると、標記化合物(470 mg)を与えた。
(中間体59)
(6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン)
2-{[3-(1-メチルエチル)フェニル]オキシ}-5-ニトロピリジン(中間体58、465 mg)をエタノール(8 ml)に溶解させた。ヒドラジン一水和物(156 mg、3.25 mmol、2当量)及びパラジウムカーボン(121 mg、0.114 mmol)を加えた。該反応混合物をアルゴン下で3時間還流加熱した。該反応物を冷却し、次いでセライトで濾過した。有機相を真空下で蒸発させた。蒸発により、標記化合物を黄色の油として与えた(300 mg)。
(中間体60)
(1,1-ジメチルエチル[(1R)-2-({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-1-メチル-2-オキソエチル]カルバマート)
N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-アラニン(35.4 mg、0.156 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(3 ml)溶液に、DIPEA(0.041 ml、0.264 mmol)を加え、次いでHATU(71 mg、0.187 mmol)を加え、該反応混合物を、アルゴン下室温で15分間攪拌した。次いで、6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体59、40 mg)を加え、該反応混合物をアルゴン下60℃で3時間撹拌した。該反応混合物を蒸発させた。得られた残渣を、100/0から70/30へのシクロヘキサン/酢酸エチルの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、2×12g=24gカートリッジ)により精製した。これにより、標記化合物(43 mg)を与えた。
(中間体61)
(N
1-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-D-アラニンアミド)
1,1-ジメチルエチル[(1R)-2-({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-1-メチル-2-オキソエチル]カルバマート(中間体60、35 mg)の乾燥ジクロロメタン(3 ml)溶液に、TFA(0.189 ml、2.456 mmol)を0℃でゆっくりと加え、該反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒及び過剰のTFAを蒸発させ、残渣をSCXカートリッジにより精製した。該カートリッジを3CVのメタノールで洗浄し、次いで化合物をカートリッジに吸着させ、5CVのメタノールで洗浄し、2CVのメタノール中のアンモニア(1N)で脱着させた。これにより、標記化合物(32 mg)を与えた。
(中間体62)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
標記化合物は、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-アラニンを(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(66.6 mg)に替えて、中間体60の製造に類似の方法で製造した。これにより78 mgの標記化合物を与えた。
(中間体63)
((2R)-2-アミノ-N-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド)
標記化合物は、1,1-ジメチルエチル[(1R)-2-({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-1-メチル-2-オキソエチル]カルバマートを1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(中間体62、74 mg)に替えて、中間体61の製造に類似の方法で製造した。これにより60 mgの標記化合物を与えた。
(中間体64)
(2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリミジン)
3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(中間体50、724 mg)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(40 mL)溶液に、炭酸カリウム及び2-クロロ-5-ニトロピリミジン(774 mg、4.85 mmol)を加えた。該反応混合物を、室温で一晩撹拌した。該反応物を水(40 ml)でクエンチし、酢酸エチル(3×40 ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50 ml)で洗浄し、分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。カラムSNAP 50g及び溶離液として100/0から70/30のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、残渣を精製すると、標記化合物(1.257 g)を黄色の油として与えた。
(中間体65)
(2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン)
2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリミジン(中間体64、1.257 g)のテトラヒドロフラン/水(30 ml/15.00 ml)の混合物中の溶液に、鉄(1.222 g、21.88 mmol)及び塩化アンモニウム(1.170 g、21.88 mmol)を加えた。該反応混合物を室温で48時間攪拌した。触媒を濾去し、濾液を酢酸エチル(3×50 ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルから再結晶すると、標記化合物(768 mg)を白色の固体として与えた。
(中間体66)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(20.14 mg、0.099 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.5 mL)溶液に、DIPEA(0.029 mL、0.165 mmol)及びTBTU(33.9 mg、0.106 mmol)を加えた。該反応混合物を室温で15分間攪拌し、次いで2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン(中間体65、17 mg)を加えた。該反応混合物を、室温で48時間撹拌した。該混合物を酢酸エチル(5 ml)で希釈し、ブライン(3×5 ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。10g-SNAPカラム及び溶離液として100/0から40/60のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、残渣を精製すると、標記化合物を白色固体(4.4 mg)として与えた。
(中間体67)
((2R)-2-アミノ-N-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}ブタンアミド)
1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(中間体66、4.4 mg)の0℃に冷却したジクロロメタン(1 ml)溶液に、TFA(0.019 ml、0.249 mmol)を滴加した。該反応混合物を0℃で1.5時間攪拌した。溶媒及びTFAを蒸発させた。該混合物をジクロロメタン(5 ml)で希釈し、NaHCO
3の飽和水溶液(5 ml)で中和した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(3mg)を与え、それを次の工程に直接使用した。
UPLC-MS: 0.98 分、343 [M+H]+。
(中間体68)
(1-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロブタンカルボン酸)
1-アミノシクロブタンカルボン酸(626 mg、5.44 mmol)の5.6 mlの1M水酸化ナトリウム水溶液と4 mlのメタノール中の溶液に、Boc無水物(1.425 g、6.53 mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温め、12時間撹拌した。メタノールのほとんどを蒸発させた後、溶液を1M HClでpH 2に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄した。溶媒を蒸発させると、標記化合物(1.09 g)を与えた。
(中間体69)
(1,1-ジメチルエチル{1-[({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]シクロブチル}カルバマート)
1-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロブタンカルボン酸(中間体68、20.16 mg)の乾燥N,Nジメチルホルムアミド(3 ml)溶液に、DIPEA(20.44 μl、0.117 mmol)を加え、次いでHATU(35.6 mg、0.094 mmol)を加え、該反応混合物を、アルゴン下室温で15分間攪拌した。次いで、6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体59、20 mg)を加え、該反応混合物をアルゴン下60℃で12時間撹拌した。該反応混合物を冷却し、事前撹拌した(15 分)1 mLの乾燥DMF中のHATU(1当量)、1-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロブタンカルボン酸(1当量)及びDIPEA(1当量)の溶液を加えた。該反応混合物を、アルゴン下60℃でさらに12時間加熱した。該反応混合物を蒸発させた。得られた残渣を、100/0から70/30のシクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として使用するシリカゲル(Companion instrument)により精製した。これにより、標記化合物(14 mg)を与えた。
(中間体70)
(1-アミノ-N-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}シクロブタンカルボキサミド)
1,1-ジメチルエチル{1-[({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]シクロブチル}カルバマート(中間体69、23.5 mg)の乾燥ジクロロメタン(3.5 ml)溶液に、TFA(159μl、2.07 mmol)を0℃でゆっくりと加え、該反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒及び過剰のTFAを蒸発させ、残渣をSCXカートリッジにより精製した。該カートリッジを3CVのメタノールで洗浄し、次いで化合物をカートリッジに吸着させ、5CVのメタノールで洗浄し、2CVのメタノール中のアンモニア(1N)で脱着させた。これにより、標記化合物(18 mg)を与えた。
(中間体71)
(1-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロプロパンカルボン酸)
標記化合物(998 mg)を、1-アミノシクロブタンカルボン酸を1-アミノシクロプロパンカルボン酸(550 mg)に替えて、中間体68の製造に類似の方法で製造した。
(中間体72)
(1,1-ジメチルエチル{1-[({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}カルバマート)
標記化合物(14 mg)は、1-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロブタンカルボン酸を1-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)シクロプロパンカルボン酸(中間体71、18.84 mg、0.094 mmol)に替えて、中間体69の製造に類似の方法で製造した。
(中間体73)
(1-アミノ-N-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}シクロプロパンカルボキサミド)
標記化合物(10 mg)は、1,1-ジメチルエチル{1-[({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]シクロブチル}カルバマートを1,1-ジメチルエチル{1-[({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]シクロプロピル}カルバマート(中間体72、13 mg)に替えて、中間体70の製造に類似の方法で製造した。
(中間体74)
(1,1-ジメチルエチル[2-({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソエチル]カルバマート)
N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(39.0 mg、0.192 mmol)の乾燥N,Nジメチルホルムアミド(3 mL)溶液に、DIPEA(0.042 mL、0.240 mmol)を加え、次いでHATU(73.0 mg、0.192 mmol)を加え、該反応混合物を、アルゴン下室温で15分間攪拌した。次いで、6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体59、41 mg)を加え、該反応混合物をアルゴン下60℃で撹拌した。該反応を4時間加熱したままとし、完了前に停止した。該反応混合物を蒸発させた。得られた残渣を、100/0から70/30の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲル(Companion instrument)により精製した。これにより、標記化合物(13 mg)を与えた。
(中間体75)
(N
1-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2-メチルアラニンアミド)
1,1-ジメチルエチル[2-({6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソエチル]カルバマート(中間体74、11 mg)の乾燥ジクロロメタン(2 ml)溶液に、TFA(0.077 ml、0.997 mmol)を0℃でゆっくりと加え、該反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒及び過剰のTFAを蒸発させ、残渣をSCXカートリッジにより精製した。該カートリッジを3CVのメタノールで洗浄し、次いで化合物をカートリッジに吸着させ、5CVのメタノールで洗浄し、2CVのメタノール中のアンモニア(1N)で脱着させた。これにより、標記化合物(8.5 mg)を与えた。
(中間体76)
(N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-3-メチル-D-バリン)
3-メチル-D-バリン(900 mg、6.86 mmol)の7 mlの1M水酸化ナトリウム水溶液と7 mlのメタノール中の溶液に、Boc無水物(1.797 g、8.23 mmol)を0℃で加えた。該反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。メタノールのほとんどを蒸発させた後、該溶液を、HCl水溶液(1M)によりpH 2に酸性化し、酢酸エチルで3回(3×20 ml)抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄した(2×5ml)。溶媒を蒸発させると、標記化合物(1.36 g)を白色固体として与えた。
(中間体77)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバマート)
N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-3-メチル-D-バリン(中間体76、53.9 mg)の乾燥N,Nジメチルホルムアミド(1 ml)溶液に、DIPEA(50.9 μl、0.292 mmol)を加え、次いでHATU(102 mg、0.268 mmol)を加え、該反応混合物を、アルゴン下室温で15分間攪拌した。次いで、2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン(中間体65、30 mg)を加え、該反応混合物をアルゴン下60℃で12時間撹拌した。該反応物をブライン(1ml)でクエンチし、水(2ml)で希釈し、酢酸エチル(2×5ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。得られた残渣を、100/0から70/30の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲル(Companion instrument)により精製した。これにより、標記化合物(17mg)を与えた。
(中間体78)
(N
1-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-3-メチル-D-バリンアミド)
1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]-2,2-ジメチルプロピル}カルバマート(中間体77、13 mg)の0℃に冷却した乾燥ジクロロメタン(0.5 ml)溶液に、TFA(85 μl、1.105 mmol)を滴加し、該溶液をその温度で3時間撹拌した。揮発物を蒸発させた。残渣をジクロロメタン(2 ml)に溶解させ、NaHCO
3の飽和水溶液(4 ml)を加えた。層を分離し、水層をジクロロメタンで2回抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させると、標記化合物(10.9 mg)を与えた。
(中間体79)
(1,3-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン)
0℃の1,3-ベンゼンジオール(1.5 g、13.62 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(13.62 ml)溶液に、水素化ナトリウム(0.981 g、40.9 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。MOM-Cl(3.10 ml、40.9 mmol)を手早く加え、温度が室温に達するようにしながら、該反応混合物を1時間撹拌した。該反応物をブライン(20ml)でクエンチし、酢酸エチル(3×50 ml)で抽出した。有機層をブライン(2×30ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、50g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(1.59 g、8.02 mmol)を無色の油として与えた。
(中間体80)
(エチル(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)(オキソ)アセタート)
室温の1,3-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゼン(中間体79、2.19 g)の乾燥テトラヒドロフラン(10 ml)溶液に、ヘキサン中1.6MのBuLi(8.29 ml、13.26 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。該混合物を-78℃に冷却し、それを(挿管により)、-78℃のエチルクロロ(オキソ)アセタート(2.263 g、16.57 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(10 ml)溶液に加えた。該反応混合物を-78℃で30分間攪拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和水溶液(10ml)でクエンチし、酢酸エチル(2×30 ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を薄黄色の油として与えた(1.75 g)。
(中間体81)
エチル(2-(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-2-プロペノアート)
0℃のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(3.13 g、8.75 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(30 ml)懸濁液に、KHMDS(1.745 g、8.75 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を、0℃で15分間、室温で45分間撹拌した。該反応混合物を0℃に冷却し、エチル(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)(オキソ)アセタート(中間体80、1.74 g)の乾燥テトラヒドロフラン(10 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を0℃で2時間撹拌した。該反応物を、塩化アンモニウムの飽和水溶液(10ml)でクエンチし、水(20ml)で希釈し、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を無色の油として与えた(1.37 g)。
(中間体82)
(エチル1-(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)シクロプロパンカルボキシラート)
トリメチルスルホキソニウムヨージド(1.805 g、8.20 mmol)の乾燥ジメチルスルホキシド(20 mL)溶液に、鉱油中の水素化ナトリウム60%分散液(0.310 g、7.75 mmol)を加え、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。エチル2-(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-2-プロペノアート(中間体81、1.35 g)の乾燥ジメチルスルホキシド(10 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和水溶液(10ml)でクエンチし、水(20ml)で希釈し、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。有機層を水(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。50g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(title)を無色の油として与えた(1.14 g)。
(中間体83)
(2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノール)
エチル1-(2,6-ビス{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)シクロプロパンカルボキシラート(中間体82、490 mg)のエタノール(10ml)溶液に、水中2NのHCl(0.789 mL、1.579 mmol)を加え、該反応混合物を50℃で一晩撹拌した。トルエン(20 mL)を加え、合わせた溶媒を減圧下で除去した。残渣をトルエン(20 ml)に再懸濁させ、溶媒を蒸発させた。得られた残渣を乾燥テトラヒドロフラン(20 ml)に溶解させ、該混合物を0℃に冷却し、鉱油中NaH 60%分散液(126 mg、3.16 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。次いで、MOM-Cl(0.120 mL、1.579 mmol)を加え、該反応混合物を0℃で2時間撹拌した。LiAlH
4(THF中1M、1.579 ml、1.579 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で1時間さらに撹拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和水溶液(10ml)でクエンチし、水(10ml)で希釈し、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、25g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を無色の油として与えた(191mg)。
(中間体84)
(4-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン])
2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノール(中間体83、190 mg)の乾燥テトラヒドロフラン(10 ml)溶液に、トリフェニルホスフィン(333 mg、1.271 mmol)を加え、該反応混合物を、PPh
3の完全な溶解まで撹拌した。次いで、DIAD(0.198 ml、1.017 mmol)を滴加し、該反応混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。25g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル9:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を薄黄色の油として与えた(120mg)。
(中間体85)
(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール)
4-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン](中間体84、118 mg)のメタノール(5 ml)溶液に、水中2NのHCl(0.286 mL、0.572 mmol)を加え、該反応混合物を50℃で一晩撹拌した。合わせた溶媒を減圧下で除去し、残渣をトルエン(10ml)に再溶解させ、溶媒を除去した。10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を白色の固体として与えた(70 mg)。
(中間体86)
(5-ニトロ-2-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)ピリジン)
スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体85、70 mg)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(2 ml)溶液に、炭酸カリウム(89 mg、0.647 mmol)を加え、次いで2-クロロ-5-ニトロピリジン(75 mg、0.475 mmol)を加え、該反応混合物を100℃で3時間撹拌した。該反応物をブライン(1ml)でクエンチし、水(2ml)で希釈し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル9:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を白色の固体として与えた(100 mg)。
(中間体87)
(6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジンアミン)
5-ニトロ-2-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)ピリジン(中間体86、99 mg)のテトラヒドロフラン(5 ml)/水(2.5 ml)中の溶液に、鉄(97 mg、1.741 mmol)を加え、次いで塩化アンモニウム(93 mg、1.741 mmol)を加え、該反応混合物を室温で4時間撹拌した。触媒を濾去し、残渣をNaHCO
3飽和水溶液(5ml)で希釈し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を薄黄色の固体として与えた(85 mg)。
(中間体88)
(1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-({[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート)
(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(94 mg、0.462 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)溶液に、DIPEA(0.115 mL、0.661 mmol)を加え、次いでTBTU(159 mg、0.496 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジンアミン(中間体87、84 mg)を加え、該反応混合物を同じ温度で6時間撹拌した。該反応物をブライン(2ml)でクエンチし、水(5ml)で希釈し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機層を氷冷ブライン(2×5ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を無色の油として与えた(130 mg)。
(中間体89)
((2R)-2-アミノ-N-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]ブタンアミド)
0℃の1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-({[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート(中間体88、128 mg)の乾燥ジクロロメタン(3 ml)溶液に、TFA(0.9 mL、11.68 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。該反応物をジクロロメタン(10ml)で希釈し、pHを約8に到達させながらNaHCO
3飽和水溶液を加えた。2相を分離し、水層をジクロロメタン(10ml)で再抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物を無色の油として与えた(92 mg)。
(中間体90)
(1,1-ジメチルエチル(1,1-ジメチル-2-オキソ-2-{[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]アミノ}エチル)カルバマート)
N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(80 mg、0.393 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(1.5 mL)溶液に、DIPEA(0.096 mL、0.551 mmol)を加え、次いでHATU(150 mg、0.393 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。この溶液を、6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジンアミン(中間体89、40 mg)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(0.5 ml)溶液に加え、該反応混合物を室温で一晩撹拌した。該反応物を水(2ml)でクエンチし、ブライン(10ml)で希釈し、酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。有機層をシウムスルフクテ(sium sulphqte)で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を白色の固体として与えた(52 mg)。
(中間体91)
(2-メチル-N
1-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]アラニンアミド)
0℃の1,1-ジメチルエチル(1,1-ジメチル-2-オキソ-2-{[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]アミノ}エチル)カルバマート(中間体90、50 mg)の乾燥ジクロロメタン(4 mL)溶液に、TFA(1 ml、12.98 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。該反応物をジクロロメタン(10ml)で希釈し、pHを約8に到達させながらNaHCO
3飽和水溶液を加えた。2相を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(35 mg)を無色の油として与えた。
(中間体92)
(1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-メチル-1-({[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート)
6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジンアミン(中間体91、127 mg)、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-イソバリン(Nagase & Co社製、109 mg、0.499 mmol)、DIPEA(0.131 mL、0.749 mmol)、及びHATU(247 mg、0.649 mmol)を、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(3 ml)に溶解させ、得られた混合物を室温で2日間攪拌した。次いで、NaHCO
3飽和水溶液を加え、該混合物をジエチルエーテルで2回抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮すると、300mgの粗製物を与えた。これを、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage KP-Sil 25g SNAPカラム、溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル12CVで90/10から20/80)により精製すると、106 mgの標記化合物を茶色の固体として与えた。
(中間体93)
(N
1-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]-D-イソバリンアミド)
0℃の1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-メチル-1-({[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート(中間体92、106 mg)の乾燥ジクロロメタン(2 ml)溶液に、TFA(0.360 mL、4.67 mmol)を加えた。該混合物をこの温度で5分間攪拌し、次いで放置して室温まで温めた。2時間後、UPLC/MSにより、出発物質が存在せず、望まれる化合物が存在することが示された。トルエン(5ml)を加え、該混合物を真空下で濃縮した。残渣をSCXカートリッジ(1g)に入れ、メタノール及びメタノール中1MのNH
3溶液により溶離した。塩基性の溶離液を真空下で濃縮すると、標記化合物を茶色の油として与え(68 mg)、それをさらに精製することなく以下の実験に使用した。
(中間体94)
(メチル3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゾアート)
500 ml丸底フラスコ中で、アルゴンを流しながら、メチル3-ヒドロキシベンゾアート(5 g、32.9 mmol)をジクロロメタン(100 ml)に溶解させると、白色の懸濁液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。その温度でクロロ(メチルオキシ)メタン(2.75 ml、36.1 mmol)及びDIPEA(6.89 ml、39.4 mmol)を加えた。該反応混合物を一晩撹拌した。その時間の間、反応温度をそのまま室温に達するようにした。次いで、該反応混合物を真空下で蒸発させると、粗生成物を黄色の油として与え、それを、溶離液としてシクロヘキサン/EtOAc(10CVで10/0から3/1;次いで5 CVの間3/1)を使用するシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage SP1システム、50g SNAPカラム)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物(5.088 g)を与えた。
(中間体95)
((3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メタノール)
250 ml丸底フラスコ中で、アルゴンを流しながら、メチル3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}ベンゾアート(中間体94、5.0875 g)をテトラヒドロフラン(20 ml)に溶解させると無色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。これらの条件において、LiAlH
4の(1M)溶液(25.9 ml、25.9 mmol)を滴加し、該反応混合物を0℃で撹拌した。45分後、該反応混合物を2M塩化水素溶液でpH約2までクエンチし、100 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、標記化合物(4.348 g)を与えた。
(中間体96)
(1-(2-(ヒドロキシメチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)エタノール)
アルゴンを流しながら、還流冷却器を備えた二ツ口100 ml丸底フラスコ(真空下で5分間、次いで3サイクルのAr/真空で炎に当てた)中で、(3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メタノール(中間体95、1 g)をヘキサン(20 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。N,N,N',N'-テトラメチル-1,2-エタンジアミン(1.872 mL、12.49 mmol)を加えた。得られた反応混合物に、BuLiの溶液(1.6M/ヘキサン)(7.80 ml、12.49 mmol)を滴加した。次いで、該反応混合物を60℃で加熱し、これらの状態で撹拌した。これらの状態で5時間撹拌した後、6mlの乾燥ヘキサン中のアセトアルデヒド(1.090 ml、19.30 mmol)を-78℃で滴加した。該反応混合物をその温度で1時間撹拌し、次いで室温に温めた。その温度で一晩撹拌した後、該反応物を2M塩化水素水溶液でクエンチし、100 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、粗生成物を与え、それを、シクロヘキサン/EtOAcを溶離液として使用する(15 CVで5/1から1/1;次いで5 CVの間1/1)シリカゲルクロマトグラフィー(Biotage SP1システム、25g-SNAPシリカカラム)により精製した。集めたフラクションにより、(3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メタノール(532.4 mg、回収された中間体95)及び標記化合物(184.7 mg)を与えた。
(中間体97)
(1-メチル-7-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン)
アルゴンを流しながら、8 mlのバイアル中で、1-(2-(ヒドロキシメチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)エタノール(中間体96、50.3 mg)をテトラヒドロフラン(1 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。その状態で、BuLiの溶液(1.6M/ヘキサン)(0.148 ml、0.237 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で撹拌した。30分後、4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(45.2 mg、0.237 mmol)を0℃で加えた。該反応物をその温度で撹拌した。1時間後、追加量のBuLi溶液(1.6M/ヘキサン)(0.148 ml、0.237 mmol)を0℃で加えた。該反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温で30分間攪拌した。次いで、該反応混合物を2 mlの2M塩化水素でクエンチし、5 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、粗生成物を与え、それを、シクロヘキサン/EtOAcを溶離液として使用する(10 CVで1/0から3/1;次いで、5 CVの間3/1;次いで5CVで3/1から1/1;次いで5 CVの間1/1)シリカゲルクロマトグラフィー(Biotage SP1システム、10g-SNAPシリカカラム)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物(25.2 mg)を与えた。
対応する脱保護されたフェノール(中間体98、11.1 mg)も。
(中間体98)
(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール)
8 mlのバイアル中で、1-メチル-7-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン(中間体97、25.2 mg)をメタノール(1 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。HClの溶液(2M/H
2O)(0.259 ml、0.519 mmol)を加えた。該反応混合物を80℃で振盪した。30分後、該反応混合物を10 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を、前に得られたフラクションと混合して、真空下で蒸発させると残渣を与え、それを、シクロヘキサン/EtOAcを溶離液として使用する(10 CVで100/0から3/1;次いで、5 CVの間3/1;次いで5CVで3/1から1:1;次いで5 CVの間1:1)シリカゲルクロマトグラフィー(Biotage SP1システム、10g-SNAPシリカカラム)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物(24 mg)を与えた。
(中間体99)
(2-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン)
マイクロ波バイアル中で、3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール(中間体98、24 mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.5 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。2-クロロ-5-ニトロピリジン(24.07 mg、0.152 mmol)及び炭酸カリウム(62.9 mg、0.455 mmol)を加えた。反応容器を密封し、マイクロ波Biotage Initiator中で110℃で1時間加熱した。冷却後、該反応混合物を5 mlの水でクエンチし、25 mlのEt
2Oで希釈した。有機相を水(3×10 mL)で洗浄し、相を分離した。有機相を相分離カートリッジに通し、真空下で蒸発させると、標記化合物(38.3 mg)を与えた。
(中間体100)
(6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン)
50 ml丸底フラスコ中で、2-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン(中間体99、38.3 mg)をエタノール(10 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。Pd/C(14.22 mg、0.013 mmol)及びヒドラジン水和物(0.026 ml、0.267 mmol)を加えた。該反応混合物を90℃で撹拌した。45分後、該反応混合物を濾過し、有機相を真空下で蒸発させると、標記化合物(32 mg)を与えた。
(中間体101)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
8 mlバイアル中で、(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(32.2 mg、0.158 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.5 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。DIPEA(0.035 ml、0.198 mmol)及びHATU(60.3 mg、0.158 mmol)を加えた。該反応混合物を室温で30分間攪拌した。6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体100、32 mg)を1.5 mlのDMFに溶解させ、得られた溶液を該反応混合物に加えた。それを60℃で振盪した。2時間後、反応は全く起こらなかった。さらに0.5 mlの溶液[0.5 mlのDMFに、(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(32.2 mg、0.158 mmol)、DIPEA(0.035 mL、0.198 mmol)、及びHATU(60.3 mg、0.158 mmol)を溶解させて得られる]を、該反応混合物に加えた。それを、60℃で週末の間振盪した。その時間の後、ごくわずかの標記化合物が中間体100と共に検出された。該反応混合物を、Vaportec V10を使用して真空下で蒸発させると、粗生成物を与え、それを、シクロヘキサン/EtOAcを溶離液として使用する(10 CVで3/1から1/1;次いで10 CVの間1/1)シリカゲルクロマトグラフィー(Biotage SP1システム、10g-SNAPシリカカラム)により精製した。集めたフラクションにより、アミノ酸と混合した標記化合物4.9 mg及び出発物質(中間体100)とアミノ酸の混合物61mgを与えた。
これを10 mlのジクロロメタンに溶解させ、10 mlの重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、64 mgの同じ混合物を与えた。この後者を1.0 mlのDMFに溶解させ、(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(61.4 mg、0.302 mmol)、DIPEA(0.066 mL、0.378 mmol)、及びTBTU(97 mg、0.302 mmol)の撹拌されているDMF溶液(0.5 ml)に加えた。得られた混合物を60℃に温めて、振盪した。1時間30分後、該反応混合物を、Vaportec V10を使用して真空下で蒸発させると、粗生成物を黄色の油として与え、それを10 mlのEtOAcに溶解させ、10 mlの重炭酸ナトリウム飽和水溶液でクエンチした。水相をEtOAc(3×10 ml)で抽出した。集めた有機相を、疎水性フリットを使用して乾燥させ、先に得られた標記化合物と混合し、シクロヘキサン/EtOAcを溶離液(10 CVで3/1から1/1;次いで10 CVの間1:1)として使用するシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage SP1システム、10g-SNAPシリカカラム)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物を、ジアステレオ異性体の1:1混合物として与えた(62.3 mg)。
(中間体102)
((2R)-2-アミノ-N-{6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド)
25 ml丸底フラスコ中で、1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(中間体101、62.3 mg)を、ジクロロメタン(3 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。その温度で、TFA(0.5 ml、6.49 mmol)を該反応混合物に滴加した。該反応混合物を0℃で撹拌した。1時間後、該反応混合物を真空下で蒸発させると粗生成物を与え、それを2g SCXカートリッジに入れた。次いで、それに50 mlのMeOHを流し、次いで2MのアンモニアのMeOH溶液25 mlを流した。アンモニア溶離液を真空下で蒸発させると、34.4mgの黄色の油を与えたが、それは標記化合物と脱保護されたアミノ酸の混合物であった。この混合物を20 mlのEt
2Oに溶解させ、NaHCO
3の飽和水溶液(3×10ml)で洗浄した。相分離カートリッジを使用して、有機相を乾燥させ、真空下で蒸発させると、標記化合物をジアステレオ異性体の1:1混合物として与えた(24.4 mg)。
(中間体103)
((1,1-ジメチルエチル)(ジメチル){[(3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メチル]オキシ}シラン)
100 mlの丸底フラスコ中で、(3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メタノール(中間体95、3.5 g)をジクロロメタン(20 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。1H-イミダゾール(1.700 g、24.97 mmol)及びクロロ(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシラン(3.64 g、24.14 mmol)を加えた。該反応混合物はすぐに白色懸濁液になり、それを室温で撹拌した。一晩の撹拌の後、反応は完了した。次いで、該反応混合物を10 mlの水でクエンチし、10 mlのジクロロメタンで希釈した。分液漏斗により、相を分離した。疎水性フリットを使用して有機相を乾燥させ、真空下で蒸発させると、6.0082 gの粗生成物を無色の油として与え、それを、Biotage SP1(溶離液として10 CVで1:0から5:1;次いで5 CVの間5:1;次いで5 CVで5:1から1:1のシクロヘキサン/EtOAc及び100g SNAPシリカカラム使用)により精製した。標記化合物の2つのフラクションを集めた:1.70 gの無色の油(純度:93%)及び3.70 gの無色の油(純度:98%)。
(中間体104)
(1-(2-({[(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-1-プロパノール)
アルゴンを流しながら、還流冷却器を備えた二ツ口100 ml丸底フラスコ(真空下で5分間、次いで3サイクルのAr/真空で炎に当てた)中で、(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル){[(3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メチル]オキシ}シラン(中間体103、0.2 g)をヘキサン(2 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。BuLiの1.6M/ヘキサン溶液(0.487 ml、0.779 mmol)を滴加した。該反応混合物を、室温で撹拌した。これらの状態で2時間撹拌した後、薄黄色の反応混合物に、プロパナール(0.061 mL、0.850 mmol)を0℃で加えた。1時間30分後、該反応物を2M塩化水素によりpH約2までクエンチし、25 mlのジクロロメタンにより希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると粗生成物を緑/灰色の油として与え、それを、Biotage SP1(溶離液として5 CVで1:0から5:1;次いで5 CVの間5:1;次いで5 CVで5:1から3:1;次いで5 CVの間3:1のシクロヘキサン/EtOAc;10g SNAP シリカカラム使用)により精製した。これにより、標記化合物を薄黄色の油として与えた(132.1 mg)。
(中間体105)
(1-(2-(ヒドロキシメチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-1-プロパノール)
50 ml丸底フラスコの中で、1-(2-({[(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-1-プロパノール(中間体104、132.1 mg)をテトラヒドロフラン(2 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。TBAFの1M/THF溶液(0.388 ml、0.388 mmol)を加えた。該反応混合物を室温で撹拌した。一晩の撹拌の後、反応は完了した。該反応混合物を真空下で蒸発させると粗生成物を薄黄色の油として与え、それを、Biotage SP1(溶離液として10 CVで3:1から2:1;次いで5 CVの間2:1;次いで5 CVで2:1から2:1;次いで5 CVの間1:1のシクロヘキサン/EtOAc;25g SNAPシリカカラム使用)により精製した。集めたフラクションにより残渣を与え、それを同じ条件で再び精製すると、標記化合物を薄黄色の油として与えた。
(中間体106)
(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール)
アルゴンを流しながら、8 mlのバイアル中で、1-(2-(ヒドロキシメチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-1-プロパノール(中間体105、99 mg)をテトラヒドロフラン(2 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。これらの状態で、BuLiのヘキサン溶液(1.6M、0.246 ml、0.394 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で撹拌した。30分後、4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(75 mg、0.394 mmol)を0℃で加えた。該反応物をその温度で撹拌した。1時間後、追加のBuLiのヘキサン溶液(1.6M、0.246 ml、0.394 mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温で30分間攪拌した。その時間の後、該反応混合物を2 mlの2M塩化水素でクエンチし、5 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、粗生成物を薄黄色の油として与え、それをメタノール(3.00 ml)に溶解させた。HCl(0.788 ml、1.575 mmol)をそれに加えた。得られた反応混合物を80℃に温めて、振盪した。30分後、反応は完了した。該反応混合物を5 mlの水でクエンチし、25 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると粗生成物を薄黄色の油として与え、それを、Biotage SP1(溶離液として10CVで1:0から3:1;次いで5 CVの間3:1;次いで5 CVで3:1から1:1;次いで5 CVの間1:1のシクロヘキサン/EtOAc;10g SNAPシリカカラム使用)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物を無色の油として与えた(49.7 mg)。
(中間体107)
(2-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン)
0.5〜2.0mlマイクロ波バイアル中で、3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール(中間体106、49.7 mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.5 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。2-クロロ-5-ニトロピリジン(48.0 mg、0.303 mmol)及び炭酸カリウム(125 mg、0.908 mmol)を加えた。反応容器を密封し、マイクロ波Biotage Initiator中で110℃で1時間加熱した。冷却後、反応は完了した。次いで、該反応混合物を5 mlの水でクエンチし、25 mlのEt
2Oで希釈した。水相を3×10 mlのEt
2Oで抽出した。集めた有機相を相分離カートリッジに通し、真空下で蒸発させると、標記化合物(97.6 mg)を薄黄色の油として与えた。
(中間体108)
(6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン)
50 ml丸底フラスコ中で、2-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン(中間体107、97.6 mg)をエタノール(10 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。Pd/C(26.1 mg、0.245 mmol)及びヒドラジン水和物(12.29mg、0.245 mmol)を加えた。該反応混合物を90℃で撹拌した。45分後、反応は完了した。該反応混合物を濾過し、有機相を真空下で蒸発させると粗生成物を与え、それを2g SCXカートリッジに入れた。次いで、それに15 mlのメタノールを流し、次いで2Mのアンモニアのメタノール溶液15 mlを流した。アンモニア溶離液を真空下で蒸発させると、何も与えなかった。次いで、メタノール溶離液を真空下で蒸発させると、標記化合物を無色の油として与えた。
(中間体109)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
8 mlのバイアル中で、6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体108、10 mg)を、N,N-ジメチルホルムアミド(1 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。DIPEA(10.22 μl、0.059 mmol)、(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(9.52 mg、0.047 mmol)、及び、最後にTBTU(15.03 mg、0.047 mmol)を加えた。該反応混合物を60℃で振盪した。一晩の撹拌の後、反応は完了した。該反応混合物を真空下で蒸発させると、粗生成物を黄色の油として与え、それをBiotage SP1(溶離液として、10 CVで2:1から1:1;次いで5 CVの間2:1のシクロヘキサン/EtOAc;10g SNAPシリカカラムを使用)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物を無色の油として与えた(12.7 mg)。
(中間体110)
((2R)-2-アミノ-N-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド)
50 ml丸底フラスコ中で、1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(中間体109、12.7 mg)を、ジクロロメタン(3 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。TFA(1.5 ml、19.47 mmol)をその温度で加えた。該反応混合物を0℃で撹拌した。1時間後、反応は完了した。該反応混合物を真空下で蒸発させると粗生成物を与え、それを2g SCXカートリッジに入れた。次いで、それに15 mlのMeOHを流し、次いでアンモニアのMeOH溶液(2M)15 mlを流した。アンモニア溶離液を真空下で蒸発させると、標記化合物を無色の油(9.0mg)として与えた。
(中間体111)
(3-メチル-5-(メチルオキシ)-2H-クロメン-2-オン)
2-ヒドロキシ-6-(メチルオキシ)ベンズアルデヒド(3 g、19.72 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(30 ml)溶液に、無水プロパン酸(12.98 ml、101 mmol)及びK
2CO
3(3.00 g、21.69 mmol)を加え、該反応混合物を70℃に温めた。この温度で水(0.036 ml、1.972 mmol)を加え、該反応混合物を120℃に温め、窒素下で一晩撹拌した。次いで、該反応物を60 mlの水でクエンチした。沈殿物が形成し、粗製物質を濾過し、固体をDCM/水に溶解させ、相分離カートリッジに通して2相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、標記化合物を白色固体として与えた(3.25 g、収率85%)。
(中間体112)
(5-ヒドロキシ-3-メチル-2H-クロメン-2-オン)
3-メチル-5-(メチルオキシ)-2H-クロメン-2-オン(中間体111、2.5 g)の0℃に冷却した乾燥ジクロロメタン(45 ml)溶液に、BBr
3(39.4 ml、39.4 mmol)を加えた。該反応混合物を室温に温め、窒素下室温で一晩撹拌した。次いで、該反応物を0℃に冷却し、氷でクエンチした。得られた混合物をジエチルエーテルで希釈し、得られた2相を、分液漏斗により分離した。水相をジエチルエーテルで逆抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させると、標記化合物を薄茶色の固体として与えた(2.225 g)。
(中間体113)
(3-メチル-5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-2H-クロメン-2-オン)
5-ヒドロキシ-3-メチル-2H-クロメン-2-オン(中間体112、2.225 g)の0℃に冷却した乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(60 ml)溶液に、水素化ナトリウム(60%、0.532 g、13.89 mmol)を加え、それに続いてクロロ(メチルオキシ)メタン(1.919 ml、25.3 mmol)を加えた。該反応混合物を室温に温め、窒素下で30分間撹拌した。次いで、それをNH
4Clの飽和溶液の添加によりクエンチし、生成物をジエチルエーテルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage system、純粋なシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル5/1への勾配による)により精製すると、標記化合物を白色固体として与えた(2.15 g)。
(中間体114)
(2-[3-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロペン-1-イル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノールと2-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノールの3:1混合物)
50 ml丸底フラスコ中で、3-メチル-5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-2H-クロメン-2-オン(中間体113、461.1 mg)をテトラヒドロフラン(3 ml)に溶解させると無色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。次いで、LiAlH
4の溶液(1M/THF、4.19 ml、4.19 mmol)を滴加した。該反応混合物を0℃で撹拌した。30分後、該反応混合物を、5 mlの塩化水素(2M)でクエンチし、10 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、2-[3-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロペン-1-イル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノールと2-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノールの3:1混合物(548mg)を薄黄色の油として与えた。
(中間体115)
(2-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノール)
100 mlの丸底フラスコの中で、2-[3-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロペン-1-イル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノールと2-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノールの3:1混合物(中間体114、548 mg)をメタノール(10 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。3サイクルの真空/N
2を実施し、次いで、Pd/C(129 mg、0.122 mmol)を該反応混合物に加えた。3サイクルの真空/H
2の前に、再び3サイクルの真空/N
2を実施した。最後に、該反応混合物を、H
2雰囲気中で(加圧なし)室温で撹拌したままにした。該反応混合物を室温で撹拌した。1時間30分後、反応は完了した。該反応混合物を、セライトのパッドで濾過した。濾液を真空下で蒸発させると粗生成物を与え、それを、Biotage SP1システムで、溶離液として10 CVで1:0から5:1;次いで5 CVの間5:1;次いで5 CVで5:1から3:1;次いで5 CVの間3:1;次いで5 CVで3:1から1:1;次いで5 CVの間1:1のシクロヘキサン/EtOAc(25g SNAPシリカカラム)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物を無色の油として与えた。
(中間体116)
(3-メチル-5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン)
アルゴン下の50 ml丸底フラスコの中で、2-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノール(中間体115、377.9 mg)をテトラヒドロフラン(5 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。TEA(0.409 ml、2.93 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。その温度で、メタンスルホニルクロリド(0.124 ml、1.591 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で撹拌した。45分後、追加のメタンスルホニルクロリド(0.124 ml、1.591 mmol)を加えた。さらに45分後、カリウム2-メチル-2-プロパノラート(422 mg、3.76 mmol)を加えた。この後の添加からさらに15分後、追加のカリウム2-メチル-2-プロパノラート(422 mg、3.76 mmol)を加えた。15分後、反応は完了した。次いで、該反応物を10 mlのNH
4Cl飽和水溶液でクエンチし、2M塩化水素によりpH約2まで酸性化し、25 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、標記化合物を与えた。
(中間体117)
(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-オール)
8 mlのバイアル中で、3-メチル-5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン(中間体116、103.6 mg)をメタノール(3 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。HClの2M水溶液(0.224 ml、0.448 mmol)を加えた。該反応混合物を60℃で振盪した。2時間30分後、該反応混合物を10 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると粗生成物を与え、それを、Biotage SP1(溶離液として10 CVで1:0から5:1;次いで5 CVの間5:1;次いで5 CVで5:1から3:1のシクロヘキサン/EtOAc;10g SNAPシリカカラム使用)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物を白色の固体として与えた(53.0 mg)。
(中間体118)
(2-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン)
マイクロ波バイアル中で、3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-オール(中間体117、53 mg)、炭酸カリウム(134 mg、0.968 mmol)、及び2-クロロ-5-ニトロピリジン(51.2 mg、0.323 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2 ml)に溶解させると、薄茶色の溶液を与えた。該反応容器を密封して、Biotage Initiator中で、110℃で1時間加熱した。冷却後、該反応混合物を5 mlの水でクエンチし、10 mlのEt
2Oで希釈した。分液漏斗により、相を分離した。水相を3×10 mlのEt
2Oで抽出した。集めた有機相を、疎水性フリットを使用して乾燥させ、真空下で蒸発させると、標記化合物を茶色の油として与えた(181 mg)。
(中間体119)
(6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン)
50 ml丸底フラスコ中で、2-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン(中間体118、181 mg)をエタノール(10 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。Pd/C(33.0 mg、0.031 mmol)及びヒドラジン水和物(0.030 ml、0.310 mmol)を加えた。該反応混合物を90℃で撹拌した。1時間後、該反応混合物を濾過し、真空下で蒸発させると、標記化合物(131.4 mg)を与えた。
(中間体120)
(1,1-ジメチルエチル[1,1-ジメチル-2-({6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-2-オキソエチル]カルバマート)
8 mlのバイアル中で、6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体119、131.4 mg)を、N,N-ジメチルホルムアミド(2 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。DIPEA(0.215 ml、1.230 mmol)、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(188 mg、0.923 mmol)、及びHATU(351 mg、0.923 mmol)を加えた。該反応混合物を60℃で振盪した。3時間後、該反応混合物を真空下で蒸発させると粗生成物を与え、それを、Biotage SP1(溶離液として、15 CVで3:1から1:2;次いで5 CVの間1:2のシクロヘキサン/EtOAc;25g SNAPシリカカラムによる)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物を白色の固体として与えた(104.0 mg)。
(中間体121)
(2-メチル-N1-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アラニンアミド)
50 ml丸底フラスコ中で、1,1-ジメチルエチル[1,1-ジメチル-2-({6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-2-オキソエチル]カルバマート(中間体120、104.0 mg)をジクロロメタン(6 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却し、TFA(2 ml、26.0 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で撹拌した。2時間30分後、該混合物を真空下で蒸発させると粗生成物を与え、それを5g SCXカートリッジに入れた。次いで、それに40 mlのメタノールを流し、次いで2Mのアンモニアのメタノール溶液40 mlを流した。アンモニア溶離液を真空下で蒸発させると、標記化合物を無色の油(72.6 mg)として与えた。
(中間体122)
(1a-メチル-7-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1a,7b-ジヒドロシクロプロパ[c]クロメン-2(1H)-オン)
窒素下室温で撹拌されているトリメチルスルホキソニウムヨージド(4.52 g、20.55 mmol)の乾燥ジメチルスルホキシド(50 ml)溶液に、ニートの水素化ナトリウム(60%、0.822 g、20.55 mmol)を加えた。15mlのDMSOに溶かした3-メチル-5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-2H-クロメン-2-オン(中間体113、1.81 g)を加える前に、該反応混合物を室温で1時間攪拌した。該反応混合物は黄色くなり、それを加熱し、100℃で4時間撹拌した。次いで、該反応物をNH
4Clの飽和溶液の添加により後処理し、ジエチルエーテルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage system、純粋なシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル5/1への勾配による)により精製すると、標記化合物を白色固体として与えた(360 mg)。
(中間体123)
(2-[2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルシクロプロピル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノール)
窒素下0℃で撹拌されている1a-メチル-7-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1a,7b-ジヒドロシクロプロパ[c]クロメン-2(1H)-オン(中間体122、360 mg)の乾燥テトラヒドロフラン(15 ml)溶液に、水素化アルミニウムリチウム(THF中1.0M、1.537 ml、1.537 mmol)の溶液を加え、該反応混合物をその温度で20分間攪拌した。次いで、該反応物をTHF(20ml)で希釈し、Na
2SO
4.10H
2O(10当量)の添加によりクエンチし、該混合物を30分間撹拌したままにした。該反応物を酢酸エチルで希釈し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、シクロヘキサン/酢酸エチル5/1からシクロヘキサン/酢酸エチル1/1への勾配による)により精製すると、標記化合物を白色固体として与えた(307 mg)。
(中間体124)
(1a-メチル-7-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン)
2-[2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルシクロプロピル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェノール(中間体123、307 mg)の乾燥テトラヒドロフラン(10 ml)溶液に、トリフェニルホスフィン(338 mg、1.288 mmol)及びビス(1-メチルエチル)(E)-1,2-ジアゼンジカルボキシラート(261 mg、1.288 mmol)を加えた。該反応物は黄色くなり、それを、窒素下室温で20分間攪拌した。次いで、溶媒を真空下で蒸発させると、粗生成物を薄黄色の油として与えた。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、純粋なシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル10/1への勾配による)により精製すると、標記化合物を白色固体として与えた(280 mg)。
(中間体125)
(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-オール)
1a-メチル-7-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン(中間体124、280 mg)のメタノール(16 ml)溶液に、HClの2.0M水溶液(1.271 ml、2.54 mmol)を加えた。該反応混合物を50℃で2時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌したが、その時点で、該反応物はいくらかの未反応の出発物質をまだ示したので、さらに2.0M HClを加え(2当量)、撹拌を50℃で2時間続けた。次いで、該反応混合物を水でクエンチし、希釈し、ジクロロメタンで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、純粋なシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル5/1への勾配による)により精製すると、標記化合物を白色固体として与えた(192 mg)。
(中間体126)
(2-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン)
1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-オール(中間体125、190 mg)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(10 ml)溶液に、K
2CO
3(447 mg、3.23 mmol)及び2-クロロ-5-ニトロピリジン(171 mg、1.078 mmol)を加えると、薄茶色の溶液を与えた。該反応物を110℃で1時間加熱し、次いで水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、純粋なシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル5/1への勾配による)により精製すると、標記化合物を薄茶色の固体として与えた(250 mg)。
(中間体127)
(6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン)
2-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン(中間体126、250 mg)のテトラヒドロフラン(6 ml)/水(3 ml)中の溶液に、鉄(234 mg、4.19 mmol)及び塩化アンモニウム(224 mg、4.19 mmol)を加えた。該反応混合物を室温で一晩撹拌すると、その時点で、UPLCはいくらかのヒドロキシルアミン中間体とともに目的化合物の部分的な形成を示し、そのため追加の3当量の塩化アンモニウム及び鉄を加え、該反応物をさらに5時間撹拌したままにした。次いで、鉄をセライトのパッドで濾去し、溶液をNaHCO
3の飽和水溶液(100ml)及び酢酸エチル(200ml)で希釈した。2相を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、シクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1への勾配による)により精製すると、標記化合物を薄茶色の固体として与えた(150 mg)。
(中間体128)
(1,1-ジメチルエチル[1,1-ジメチル-2-({6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-2-オキソエチル]カルバマート)
6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体127、150 mg)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(10 ml)溶液に、DIPEA(0.352 ml、2.013 mmol)、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(307 mg、1.509 mmol)、及びHATU(574 mg、1.509 mmol)を加えた。該反応混合物を60℃で2.5時間加熱した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、ジエチルエーテルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、シクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1への勾配による)により精製すると、標記化合物を白色固体として与えた(135 mg)。
(中間体129)
(2-メチル-N
1-{6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アラニンアミド)
0℃の1,1-ジメチルエチル[1,1-ジメチル-2-({6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-2-オキソエチル]カルバマート(中間体128、135 mg、0.298 mmol)の乾燥ジクロロメタン(10 ml)溶液に、TFA(5 ml、64.9 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。溶媒及び過剰なTFAを蒸発させ、残渣をジクロロメタンに溶解させ、pHを8に到達させながら、NaHCO
3の飽和溶液をゆっくりと加えた。2相を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物を無色の油として与え、それをさらに精製することなく使用した(105 mg)。
(中間体130)
(エチル(2-({[(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)(オキソ)アセタート)
(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル){[(3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メチル]オキシ}シラン(中間体103、3 g)の乾燥n-ヘキサン(30 mL)溶液に、BuLiのヘキサン溶液(1.6M、7.63 mL、12.21 mmol)を加え、該反応混合物を室温で2時間撹拌した。該反応混合物を-78℃に冷却し、それを(挿管により)、-78℃のエチルクロロ(オキソ)アセタート(1.780 mL、15.93 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(20 mL)溶液に加えた。該反応物を水(20ml)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(2×30ml)。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物を薄黄色の油として与えた(2.67 g)。
(中間体131)
(ジメチルチタノセン)
-10℃のジクロロチタノセン(8.3 g、33.3 mmol)の乾燥トルエン(100 mL)中の懸濁液に、メチルリチウムのEt
2O溶液(1.6M、47.3 mL、76 mmol)をゆっくりと加え(20分)、該反応混合物を同じ温度で45分間攪拌した。該反応混合物を(挿管により)、-10℃に冷却した塩化アンモニウム(1.2g)の水(24ml)溶液に加えた。2相を分離し、有機層を冷水(3×20ml)及びブライン(1×20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、トルエン中9%w/wのジメチルチタノセン(5.04 g、24 mmol)を含む60mlにした。
(中間体132)
(エチル2-(2-({[(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-2-プロペノアート)
エチル(2-({[(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)(オキソ)アセタート(中間体130、1.4 g)の乾燥トルエン(8 ml)溶液に、トルエン中9% w/wのジメチルチタノセン(中間体131、30 ml)を加え、該反応混合物を90℃で1.5時間撹拌した。冷却後、該反応物を水(20ml)及び酢酸エチル(30ml)に希釈した。2相を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル9:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物を薄黄色の油として与えた(865 mg)。
(中間体133)
(エチル1-(2-({[(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)シクロプロパンカルボキシラート)
トリメチルスルホキソニウムヨージド(816 mg、3.71 mmol)の乾燥ジメチルスルホキシド(10 mL)溶液に、鉱油中NaH 60%分散液(140 mg、3.49 mmol)を加え、該反応混合物を室温で30分間攪拌した。エチル2-(2-({[(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)-2-プロペノアート(中間体132、830 mg)の乾燥ジメチルスルホキシド(5 mL)溶液を加え、該反応混合物を室温で30分間攪拌した。該反応物を氷でクエンチし、ブライン(10ml)及び水(10ml)で希釈し、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。有機層を水(3×15ml)及びブライン(1×20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、50g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物を無色の油として与えた(780 mg)。
(中間体134)
((2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メタノール)
0℃のエチル1-(2-({[(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-6-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)シクロプロパンカルボキシラート(中間体133、780 mg)の乾燥テトラヒドロフラン(20 ml)溶液に、LiAlH
4のTHF溶液(1M、2.076 mL、2.076 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。該反応物を水(10ml)及びブライン(10ml)でクエンチし、酢酸エチル(30ml)で希釈した。固体を濾去し、2相を分離した。水層を酢酸エチル(30ml)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、アルコール中間体を無色の油として与えた。それを乾燥テトラヒドロフラン(20.00 mL)に溶解させ、TBAFの1M THF溶液(2.076 mL、2.076 mmol)を0℃でゆっくりと加えた。該反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。該反応物を水(10ml)及びブライン(10ml)でクエンチし、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。有機層をスフェートナトリウム(sodium suphate)で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、50g SNAPカラム及び溶離液として7:3から3:7のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物(450 mg)を白色の結晶性固体として与えた。
(中間体135)
(5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン])
0℃の(2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メタノール(中間体134、450 mg)の乾燥テトラヒドロフラン(10 ml)溶液に、BuLiのヘキサン溶液(1.6M、1.180 mL、1.889 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。トシルクロリド(360 mg、1.889 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5 ml)の溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を0℃で15分間攪拌した。第2の当量のBuLiのヘキサン溶液(1.6M、1.180 mL、1.889 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。該反応物をNaHCO
3飽和水溶液(10ml)でクエンチし、水(10ml)で希釈し、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、25g SNAPカラム及び溶離液として100:0から8:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]を無色の油として与えた(385 mg)。
(中間体136)
(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-オール)
5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン](中間体135、380 mg)のメタノール(10 mL)溶液に、HCl 10%水溶液(1.048 mL、3.45 mmol)を加え、該反応混合物を一晩50℃で撹拌した。合わせた溶媒を蒸発させ、25g SNAPカラム及び溶離液として100:0から8:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物を白色の固体として与えた(260 mg)。
(中間体137)
(5-ニトロ-2-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)ピリジン)
1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-オール(中間体136、150 mg)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(4 ml)溶液に、炭酸カリウム(176 mg、1.277 mmol)を加え、次いで2-クロロ-5-ニトロピリジン(148 mg、0.936 mmol)を加え、該反応混合物を110℃で1時間攪拌した。冷却後、該反応物をブライン(1ml)でクエンチし、水(5ml)で希釈し、酢酸エチル(3×15ml)で抽出した。有機層を氷冷ブライン(2×10ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、25g SNAPカラム及び溶離液として100:0から7:3のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物を無色のゴムとして与えた(240 mg)。
(中間体138)
(6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジンアミン)
5-ニトロ-2-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)ピリジン(中間体137、238 mg)のテトラヒドロフラン(10 mL)/水(5 ml)中の溶液に、鉄(223 mg、3.99 mmol)を加え、次いで塩化アンモニウム(213 mg、3.99 mmol)を加え、該反応混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾去し、該溶液をNaHCO
3飽和水溶液で希釈し、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、25g SNAPカラム及び溶離液として7:3から3:7のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物(180 mg)を薄黄色の固体として与えた。
(中間体139)
(S-2-ピリジニル(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-2-メチルブタンチオアート)
N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-イソバリン(100 mg、0.460 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(THF)(10 ml)溶液に、2,2'-ジチオジピリジン(254 mg、1.151 mmol)及びトリフェニルホスフィン(302 mg、1.151 mmol)を加えた。該混合物を室温で3時間攪拌した。THFを真空下で蒸発させた。残渣を、25gを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固体としての標記化合物(78 mg、0.251 mmol)。
(中間体140)
(1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-メチル-1-({[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート)
6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジンアミン(中間体138、mg、0.242 mmol)の乾燥トルエン(4 mL)溶液に、S-2-ピリジニル(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-2-メチルブタンチオアート(中間体139、75 mg、0.242 mmol)を加え、該反応混合物を150℃で3時間撹拌した。冷却後、溶媒を減圧下で除去し、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル9:1からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物を白色固体として与えた(64 mg)。
(中間体141)
(N
1-[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]-D-イソバリンアミド)
0℃の1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-メチル-1-({[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]アミノ}カルボニル)プロピル]カルバマート(中間体140、62 mg)の乾燥ジクロロメタン(6 mL)溶液に、TFA(2 ml、26.0 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。該反応混合物をジクロロメタン(15ml)で希釈し、pHを約8に到達させながらNaHCO
3飽和水溶液を加えた。2相を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液として99:1から95:5のジクロロメタン/メタノールを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物を白色の固体として与えた(42 mg、収率86%)。
(中間体142)
(1,1-ジメチルエチル[2-({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソエチル]カルバマート)
N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(59.2 mg、0.292 mmol)の溶液に、DIPEA(0.068 mL、0.389 mmol)を加え、次いでHATU(111 mg、0.292 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。次いで、2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン(中間体65、50 mg、0.194 mmol)を加え、該反応混合物を50℃で18時間撹拌した。該反応物をブライン(1ml)でクエンチし、水(2ml)で希釈し、酢酸エチル(2×5ml)で抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、カラムSNAP25g及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(31mg)を白色の固体として与えた。
UPLC: 0.75分、443 [M+H]+。
(中間体143)
(N1-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-2-メチルアラニンアミド)
0℃の1,1-ジメチルエチル[2-({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソエチル]カルバマート(中間体142、30 mg、0.068mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(1.6 mL)溶液に、TFA(0.4 ml、5.19 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。溶媒及び過剰なTFAを蒸発させ、残渣をDCM(5ml)に溶解させ、pHを8〜9に到達させながらNaHCO
3の飽和水溶液を加えた。2相を分離し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、標記化合物(20 mg)を白色の固体として与えた。
UPLC: 0.51分、343 [M+H]+。
(中間体144)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]-2-メチルプロピル}カルバマート)
Boc-D-バリン(63.3 mg、0.292 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)溶液に、DIPEA(0.068 mL、0.389 mmol)を加え、次いでHATU(111 mg、0.292 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。次いで、2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン(中間体65、50 mg、0.194 mmol)を加え、該反応混合物を50℃で5時間撹拌した。該反応物をブライン(1ml)でクエンチし、水(2ml)で希釈し、酢酸エチル(2×5ml)で抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、カラムSNAP 25g及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]-2-エチルプロピル}カルバマート(55 mg、0.120 mmol、収率62.0 %)を白色固体として与えた。
(中間体145)
((2R)-2-アミノ-N-[2-[(3,3-ジメチル-2H-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]ピリミジン-5-イル]-3-メチル-ブタンアミド)
0℃の1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]-2-メチルプロピル}カルバマート(中間体144、52 mg、0.114 mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(2 mL)溶液に、TFA(0.5 ml、6.49 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。溶媒及び過剰なTFAを蒸発させ、残渣をDCM(5ml)に溶解させ、pHを8〜9に到達させながらNaHCO
3の飽和水溶液を加えた。2相を分離し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、標記化合物(40 mg)を白色の固体として与えた。
UPLC: 0.53分、357 [M+H]+。
(中間体146)
(tert-ブチルN-[(1R)-1-メチル-1-[[6-(3-メチルクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]カルバモイル]プロピル]カルバマート)
8 mL中で、6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体119、82.4 mg、0.0305 mmol)、(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-ブタン酸(59.7 mg、0.275 mmol)、及びDIPEA(0.080 mL、0.458 mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(2 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。HATU(151 mg、0.397 mmol)を加えた。該反応混合物を、室温で週末の間撹拌した。該反応混合物を真空中で蒸発させ、カラムSNAP 25g及び溶離液として3:1から1:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(55.8 mg)を白色の固体として与えた。
(中間体147)
((2R)-2-アミノ-2-メチル-N-[6-(3-メチルクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]ブタンアミド)
50 mL丸底フラスコの中で、tert-ブチルN-[(1R)-1-メチル-1-[[6-(3-メチルクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]カルバモイル]プロピル]カルバマート(中間体146、55.8 mg、0.104 mmol)をジクロロメタン(3 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却し、TFA(2 ml、26.0 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で2時間撹拌した。該反応混合物を真空中で蒸発させると、粗生成物を黄色の油として与えた。試料を2g SCXカートリッジに入れた。次いで、それに36 mLのMeOHを流し、次いで2MのアンモニアのMeOH溶液25 mLを流した。アンモニア溶離液を真空中で蒸発させると、標記化合物(32.9 mg)を薄黄色の油として与えた。
(中間体148)
(1,1-ジメチルエチル[2-({6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソエチル]カルバマート)
8 mLのバイアル中で、6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体108、55 mg、0.215mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)に溶解させると、無色の溶液を与えた。DIPEA(0.056 mL、0.322 mmol)、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(52.3 mg、0.258 mmol)、及びTBTU(83 mg、0.258 mmol)を加えた。該反応混合物を60℃で一晩振盪した。追加のDIPEA(0.1 mL)、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(105 mg)、及びTBTU(170mg)を加えた。該反応混合物を60℃でさらに10時間振盪した。該反応混合物を真空中で蒸発させ、カラムSNAP 25g及び溶離液として2:1から1:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(36.5 mg)を無色の油固体として与えた。
(中間体149)
(N1-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2-メチルアラニンアミド)
50 mL丸底フラスコの中で、1,1-ジメチルエチル[2-({6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)-1,1-ジメチル-2-オキソエチル]カルバマート(中間体148、36.5 mg、0.066 mmol)をジクロロメタン(3 mL)に溶解させると、無色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却し、TFA(1.5 mL、19.47 mmol)をその温度で加えた。該反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。該反応混合物を真空中で蒸発させると残渣を与え、残渣を2g SCXカートリッジに入れた。次いで、それに15 mLのMeOHを流し、次いで2MのアンモニアのMeOH溶液15 mLを流した。アンモニア溶離液を真空中で蒸発させると、標記化合物(17.2mg)を無色の油として与えた。
(中間体150)
(2,4-ビス(メトキシメトキシ)-1-メチル-ベンゼン)
0℃の4-メチルベンゼン-1,3-ジオール(4 g、32.26 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(30 ml)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(3.87 g、96.78 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。MOM-Cl(7.35 ml、96.78 mmol)を手早く加え、温度が室温に達するようにしながら、該反応混合物を1時間撹拌した。該反応物をブライン(40ml)でクエンチし、酢酸エチル(3×80 ml)で抽出した。有機層を氷冷ブライン(2×50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(6.1 g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.811分; 213 [M+H]+。
(中間体151)
(エチル2-[2,6-ビス(メトキシメトキシ)-3-メチル-フェニル]-2-オキソ-アセタート)
室温の2,4-ビス(メトキシメトキシ)-1-メチル-ベンゼン(中間体150、5.5 g、25.94 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(50 ml)溶液に、ヘキサン中1.6MのBuLi(19.45 ml、31.13 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。該混合物を-78℃に冷却し、それを(挿管により)、-78℃のエチルクロロオキソアセタート(4.35ml、38.9 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(30 ml)溶液に加えた。該反応混合物を-78℃で30分間攪拌した。該反応物を水(20ml)でクエンチし、ブライン(50ml)で希釈し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(4.65g)を薄黄色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.865分。
(中間体152)
(エチル2-[2,6-ビス(メトキシメトキシ)-3-メチル-フェニル]プロプ-2-エノアート)
0℃のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(8.78 g、24.6 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(50 ml)溶液に、KHMDS 0.5Mトルエン溶液(44.22ml、22.11 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を、0℃で15分間、室温で45分間撹拌した。該反応混合物を0℃に冷却し、それを0℃のエチル2-[2,6-ビス(メトキシメトキシ)-3-メチル-フェニル]-2-オキソ-アセタート(中間体151、4.6g、14.74 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(25 mL)溶液にゆっくりと加え、該反応混合物を0℃で2時間撹拌した。該反応物を水(50ml)でクエンチし、ブライン(50ml)で希釈し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(3.8 g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.930分。
(中間体153)
(エチル1-[2,6-ビス(メトキシメトキシ)-3-メチル-フェニル]シクロプロパンカルボキシラート)
トリメチルスルホキソニウムヨージド(4.4 g、20 mmol)の乾燥ジメチルスルホキシド(30 mL)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散液)(0.720 g、18 mmol)を加え、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。エチル2-[2,6-ビス(メトキシメトキシ)-3-メチル-フェニル]プロプ-2-エノアート(中間体152、3.5 g、11.29 mmol)の乾燥ジメチルスルホキシド(15 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和水溶液(10ml)でクエンチし、水(40ml)で希釈し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機層を水(2×50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(3.1g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.028分。
(中間体154)
(2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-3-(メトキシメトキシ)-6-メチル-フェノール)
エチル1-[2,6-ビス(メトキシメトキシ)-3-メチル-フェニル]シクロプロパンカルボキシラート(中間体153、300 mg、0.93 mmol)のエタノール(10ml)溶液に、水中6NのHCl(0.4 mL、2.4 mmol)を加え、該反応混合物を50℃で一晩撹拌した。合わせた溶媒を減圧下で除去した。残渣を乾燥トルエン(10 mL)に懸濁させ、溶媒を蒸発させた。得られた残渣を乾燥テトラヒドロフラン(10 ml)に溶解させ、該混合物を0℃に冷却し、NaH(鉱油中60%分散液)(80 mg、2 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。次いで、MOM-Cl(0.083 mL、1.1 mmol)を加え、該反応混合物を0℃で1時間撹拌した。LiAlH
4(THF中1M、1.2 ml、1.2 mmol)を加え、該反応混合物を同じ温度で1時間さらに撹拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和水溶液(10ml)でクエンチし、水(20ml)で希釈し、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、25g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(70mg)を白色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.690分; 239 [M+H]+。
(中間体155)
(4-(メトキシメトキシ)-7-メチル-スピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン])
2-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-3-(メトキシメトキシ)-6-メチル-フェノール(中間体154、65 mg、0.27 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5 ml)溶液に、トリフェニルホスフィン(84 mg、0.32 mmol)を加え、該反応混合物を、PPh
3の完全な溶解まで撹拌した。次いで、DIAD(0.056 ml、0.285 mmol)を滴加し、該反応混合物を室温で30分撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(40mg)を薄黄色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.024分; 221 [M+H]+。
(中間体156)
(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール)
4-(メトキシメトキシ)-7-メチル-スピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン](中間体155、38 mg、0.17 mmol)のエタノール(5 ml)溶液に、水中6NのHCl(0.1 mL、0.6 mmol)を加え、該反応混合物を室温で4日間攪拌した。合わせた溶媒を減圧下で除去し、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(24mg)を薄橙色の固体として与えた。
(中間体157)
(2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリジン)
7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体156、176 mg、1 mmol)の乾燥DMF(4ml)溶液に、炭酸カリウム(207 mg、1.5 mmol)を加え、次いで2-クロロ-5-ニトロピリジン(158 mg、1 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で2時間攪拌した。冷却後、該反応混合物を水(2ml)でクエンチし、ブライン(10ml)で希釈し、酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(270mg)を橙色の固体として与え、それをさらに精製することなく粗製物質として次の工程で使用した。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.138分; 299 [M+H]+。
(中間体158)
(6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリジン-3-アミン)
2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリジン(中間体157、265 mg)のテトラヒドロフラン(5 ml)/水(2.5 ml)中の溶液に、鉄(245 mg、4.45 mmol)を加え、次いで塩化アンモニウム(238 mg、4.45 mmol)を加え、該反応混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾去し、残渣をNaHCO
3飽和水溶液(5ml)で希釈し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(203mg)を薄黄色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.740分; 269 [M+H]+。
(中間体159)
(tert-ブチルN-[(1R)-1-[[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]カルバモイル]プロピル]カルバマート)
(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(36 mg、0.18mmol)の乾燥DMF(1 ml)溶液に、DIPEA(52μl、0.3mmol)を加え、次いでHATU(65mg、0.17mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。次いで、6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリジン-3-アミン(中間体158、40mg、0.15 mmol)を加え、該反応混合物を室温で4時間撹拌した。該反応物を水(2ml)でクエンチし、ブライン(5ml)で希釈し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル90:10からシクロヘキサン/酢酸エチル60:40を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(57mg)を白色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.190分; 454 [M+H]+。
(中間体160)
((2R)-2-アミノ-N-[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]ブタンアミド)
0℃のtert-ブチルN-[(1R)-1-[[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]カルバモイル]プロピル]カルバマート(中間体159、55mg)の乾燥DCM(3ml)溶液に、TFA(1ml)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。溶媒及び過剰なTFAを減圧下で除去し、残渣をDCM(10ml)で希釈し、pHを約8に到達させながらNaHCO
3の飽和水溶液を加えた。2相を分離し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、標記化合物(41mg)を白色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.792分; 354 [M+H]+。
(中間体161)
(2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリミジン)
7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体156、176 mg、1 mmol)の乾燥アセトニトリル(4ml)溶液に、炭酸カリウム(207 mg、1.5 mmol)を加え、次いで2-クロロ-5-ニトロピリミジン(159 mg、1 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で24時間攪拌した。冷却後、該反応混合物を水(2ml)でクエンチし、ブライン(10ml)で希釈し、酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(258mg)を橙色の固体として与え、それをさらに精製することなく粗製物質として次の工程で使用した。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.007分; 300 [M+H]+。
(中間体162)
(2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-アミン)
2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリミジン(中間体161、255 mg)のテトラヒドロフラン(5 ml)/水(2.5 ml)中の溶液に、鉄(234 mg、4.25 mmol)を加え、次いで塩化アンモニウム(227 mg、4.25 mmol)を加え、該反応混合物を室温で48時間撹拌した。触媒を濾去し、残渣をNaHCO
3飽和水溶液(5ml)で希釈し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル4:6を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(52 mg)を薄橙色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.746分; 270 [M+H]+。
(中間体163)
(tert-ブチルN-[(1R)-1-[[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]カルバモイル]プロピル]カルバマート)
(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(45 mg、0.222mmol)の乾燥DMF(1 ml)溶液に、DIPEA(87μl、0.5mmol)を加え、次いでHATU(80mg、0.21mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。次いで、2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-アミン(中間体162、50mg、0.185 mmol)を加え、該反応混合物を室温で6時間撹拌した。該反応物を水(2ml)でクエンチし、ブライン(5ml)で希釈し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル90:10からシクロヘキサン/酢酸エチル60:40を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(45mg)を白色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.109分; 455 [M+H]+。
(中間体164)
((2R)-2-アミノ-N-[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]ブタンアミド)
0℃のtert-ブチルN-[(1R)-1-[[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]カルバモイル]プロピル]カルバマート(中間体163、42mg)の乾燥DCM(3ml)溶液に、TFA(1ml)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。溶媒及び過剰なTFAを減圧下で除去し、残渣をDCM(10ml)で希釈し、pHを約8に到達させながらNaHCO
3の飽和水溶液を加えた。2相を分離し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、標記化合物(25mg)を薄黄色のゴムとして与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.688分; 355 [M+H]+。
(中間体165)
((5R)-3-(2-クロロピリミジン-5-イル)-5-エチル-5-メチル-イミダゾリジン-2,4-ジオン)
0℃のトリホスゲン(1.38 g、4.65mmol)の酢酸エチル(20 ml)溶液に、2-クロロ-5-アミノピリミジン(1 g、7.75 mmol)/DIPEA(8 ml、4.65 mmol)の酢酸エチル(40 ml)溶液をゆっくりと加え(20分)、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。該反応混合物を0℃に保ちながら、過剰なホスゲンを除去するために真空を適用した(10分)。DMAP(0.945g、7.75mmol)の酢酸エチル/ジクロロメタン1:1(8 ml)中の溶液を加え、該反応混合物を同じ温度で5分間攪拌した。メチル(R)-2-アミノ-2-メチル-ブチラート塩酸塩(2.59 g、15.5 mmol)の酢酸エチル(30 ml)溶液を0℃でゆっくりと加え(15分)、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。pHを約5〜6に到達させながら該反応物を緩衝剤水溶液(pH3)によりクエンチし、2相を分離した。有機層を緩衝剤水溶液(pH3)(2×20 ml)で、次いでブライン(20 ml)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、尿素中間体を橙色の泡として与えた。
該尿素をMeOH(20 ml)に溶解させ、NaOMe(0.41 g、7.75 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。該混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(25 ml)でクエンチし、酢酸エチル(50 ml)で希釈した。2相を分離し、有機層をブライン(2×20 ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。残渣をEt2O(10 ml)でトリチュレートし、集めた固体により標記化合物(1.22 g)を薄茶色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.341分; 255 [M+H]+。
(中間体166)
(3-(2-クロロピリミジン-5-イル)-5,5-ジメチル-イミダゾリジン-2,4-ジオン)
0℃のトリホスゲン(1.38 g、4.65mmol)の酢酸エチル(20 ml)溶液に、2-クロロ-5-アミノピリミジン(1 g、7.75 mmol)/DIPEA(8 ml、4.65 mmol)の酢酸エチル(40 ml)溶液をゆっくりと加え(20分)、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。該反応混合物を0℃に保ちながら、過剰なホスゲンを除去するために真空を適用した(10分)。DMAP(0.945g、7.75mmol)の酢酸エチル/ジクロロメタン1:1(8 ml)溶液を加え、該反応混合物を同じ温度で5分間攪拌した。2,2-ジメチルグリシンメチルエステル塩酸塩(2.37 g、15.5 mmol)の酢酸エチル(30 ml)溶液を0℃でゆっくりと加え(15分)、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。pHを約5〜6に到達させながら該反応物を緩衝剤水溶液(pH3)によりクエンチし、2相を分離した。有機層を緩衝剤水溶液(pH3)(2×20 ml)で、次いでブライン(20 ml)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、尿素中間体を橙色の泡として与えた。
該尿素をMeOH(20 ml)に溶解させ、NaOMe(0.41 g、7.75 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。該混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(25 ml)でクエンチし、酢酸エチル(50 ml)で希釈した。2相を分離し、有機層をブライン(2×20 ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。残渣をEt2O(10 ml)でトリチュレートし、集めた固体により標記化合物(1.08 g)を橙色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.062分; 241 [M+H]+。
(中間体167)
(メチル3-(2-メチルアリルオキシ)ベンゾアート)
メチル3-ヒドロキシベンゾアート(1 g、6.57 mmol)をDMF(10 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。該溶液に、炭酸カリウム(1.089 g、7.88 mmol)及び3-ブロモ-2-メチルプロペン(0.729 ml、7.23 mmol)を加えた。該反応混合物を90℃に加熱し、1時間撹拌した。冷却後、該反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で蒸発させると、標記化合物(1.180 mg)を与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.073分; 207 [M+H]+。
(中間体168)
(メチル3-ヒドロキシ-2-(2-メチルアリル)ベンゾアート)
メチル3-(2-メチルアリルオキシ)ベンゾアート(中間体167、1.100 g、5.3 mmol)を、1-メチル-2-ピロリジノン(12 ml)に溶解させ、200℃に加熱した。該溶液を同じ温度で30時間撹拌した。冷却後、該混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で蒸発させると粗生成物を与え、それを、シクロヘキサン/EtOAcを溶離液とする(12 CVの間10/0から7/3、50g SNAPシリカカラム)Biotage SP1により精製した。フラクションを集め、蒸発させると、標記化合物(507 mg)を与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.772分; 207 [M+H]+。
(中間体169)
(3-(ヒドロキシメチル)-2-(2-メチルアリル)フェノール)
メチル3-ヒドロキシ-2-(2-メチルアリル)ベンゾアート(中間体168、410 mg、1.99 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃で冷却した。LiAlH
4の2M THF溶液(1.09 ml、2.19 mmol)を滴加し、該反応混合物を0℃で30分間攪拌した。この時間の後、該反応混合物を氷に注ぎ、60 mlの酢酸エチルで希釈した。相を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で蒸発させると、標記化合物(360 mg)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.192分。
(中間体170)
(3,3-ジメチルイソクロマン-5-オール)
3-(ヒドロキシメチル)-2-(2-メチルアリル)フェノール(中間体169、360 mg、2 mmol)を酢酸エチル(20 ml)に溶解させ、2滴の硫酸を該溶液に加え、それを室温で4時間撹拌した。この時間の後、該反応物を水(40 ml)及び酢酸エチル(40 ml)で希釈した。相を分離し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で蒸発させると、無色の油を与えた。該油をシクロヘキサンによりトリチュレートすると白色の固体が得られ、それを濾過し、シクロヘキサン(20 ml)で洗浄し、真空中で乾燥させると、標記化合物(130 mg)を与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.441分。
(中間体171)
(2-(3,3-ジメチルイソクロマン-5-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリジン)
3,3-ジメチルイソクロマン-5-オール(中間体170、65 mg、0.36 mmol)の乾燥DMF(3 ml)溶液に、炭酸カリウム(207 mg、1.5 mmol)を加え、次いで2-クロロ-5-ニトロピリジン(50.8 mg、0.32 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で2時間攪拌した。冷却後、該反応混合物を水(2ml)でクエンチし、ブライン(10ml)で希釈し、酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(80 mg)を橙色の固体として与え、それをさらに精製することなく粗製物として次の工程で使用した。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.027分; 301 [M+H]+。
(中間体172)
(6-(3,3-ジメチルイソクロマン-5-イル)オキシピリジン-3-アミン)
2-(3,3-ジメチルイソクロマン-5-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリジン(中間体171、80 mg)のテトラヒドロフラン(5 ml)/水(2.5 ml)中の溶液に、鉄(70mg、1.3 mmol)を加え、次いで塩化アンモニウム(70 mg、1.3 mmol)を加え、該反応混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾去し、残渣をNaHCO
3飽和水溶液(5ml)で希釈し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル4:6を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(25 mg)を白色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.586分; 271 [M+H]+。
(中間体173)
([5-(メトキシメトキシ)-2-メチル-フェニル]メタノール)
5-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸(2 g、13.3 mmol)をテトラヒドロフラン(40 ml)に溶解させた。該反応混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(1.8 g、39.5 mmol)を少量ずつ加えた。クロロ(メチルオキシ)メタン(4 ml、52 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で30分間攪拌した。該混合物を氷に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、2相を分離し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で蒸発させると、粗生成物を黄色の油として与えた。THF(20 ml)に溶解させ、0℃に冷却したこの物質に、THF中1MのLiAlH
4(15 ml、15 mmol)を滴加し、該反応混合物を0℃で30分間攪拌した。この時間の後、該反応混合物を氷に注ぎ、60 mlの酢酸エチルで希釈した。相を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で蒸発させると無色の油を与え、それを、100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル75:25を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により精製すると、標記化合物(1.9 g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.351分。
(中間体174)
(tert-ブチル-[[5-(メトキシメトキシ)-2-メチル-フェニル]メトキシ]-ジメチル-シラン)
[5-(メトキシメトキシ)-2-メチル-フェニル]メタノール(中間体173、1.9g、10mmol)をジクロロメタン(10 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。1H-イミダゾール(1.137 g、16.7 mmol)及びクロロ(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシラン(2.095 g、13.9 mmol)を加えた。該反応混合物はすぐに白色懸濁液になり、それを室温で30分間撹拌した。該反応混合物を10 mlの水でクエンチし、10 mlのジクロロメタンで希釈した。分液漏斗により、2相を分離した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で蒸発させ、残渣を、100g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル50:50を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により精製すると、標記化合物(2.9g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.437分。
(中間体175)
(1-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-6-(メトキシメトキシ)-3-メチル-フェニル]シクロブタノール)
tert-ブチル-[[5-(メトキシメトキシ)-2-メチル-フェニル]メトキシ]-ジメチル-シラン(中間体174、0.3 g、1 mmol)のヘキサン(5 ml)溶液に、BuLi(ヘキサン中1.6M、0.9 ml、1.4mmol)を室温で加えた。該反応混合物を2時間撹拌し、次いで、-30℃で、事前に室温で一晩撹拌させたCeCl
3(0.37g、1.5 mmol)の乾燥THF(5 ml)中の懸濁液に滴加した。-30℃で45分後、THF(1ml)に溶解させたシクロブタノン(0.07g、1mmol)を加えた。該反応物を同じ温度で撹拌し、次いで塩化アンモニウム(20 ml)でクエンチし、酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で蒸発させると無色の油を与え、それを、25g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル75:25を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により精製すると、標記化合物(0.05 g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.437分。
(中間体176)
(7-メチルスピロ[1H-イソベンゾフラン-3,1'-シクロブタン]-4-オール)
1-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-6-(メトキシメトキシ)-3-メチル-フェニル]シクロブタノール(中間体175、0.05g、0.136 mmol)の酢酸エチル(5 ml)溶液に、硫酸(96%、2滴)を室温で加え、該反応混合物を2時間撹拌した。酢酸エチル(20ml)を加え、有機相をブライン(2×50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(0.02 g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.720分。
(中間体177)
(エチル2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-6-(メトキシメトキシ)ベンゾアート)
窒素を流しながら、還流冷却器を備えた二ツ口100 ml丸底フラスコ(真空下で5分間、次いで3サイクルのN
2/真空で炎に当てた)中で、(1,1-ジメチルエチル)(ジメチル){[(3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}フェニル)メチル]オキシ}シラン(中間体103、1.5 g、5.31 mmol)をヘキサン(20 ml)に溶解させると、無色の溶液を与えた。ヘキサン中1.6Nのブチルリチウム(4.31 ml、6.9 mmol)を滴加し、該反応混合物を室温で撹拌した。これらの状態で2時間撹拌した後、薄黄色の反応混合物を、エチルクロロホルマート(1.015 ml、10.62 mmol)の-78℃のテトラヒドロフラン溶液に加えた。30分後、pHを約2に到達させながら該反応物を塩化水素の2M水溶液によりクエンチし、10 mlの酢酸エチルで希釈した。2相を分離し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で蒸発させると、粗生成物を帯黄色の油として与え、それを、溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル8:2を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により精製すると、標記化合物(1.396 g)を薄黄色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.413分; 355 [M+H]+。
(中間体178)
(エチル2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-6-ヒドロキシ-ベンゾアート)
エチル2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-6-(メトキシメトキシ)ベンゾアート(中間体177、950 mg、2.68 mmol)をジクロロメタン(30 ml)に溶解させ、該溶液を0℃に冷却して、トリフルオロ酢酸(2 ml)を加えた。0℃で3時間撹拌した後、水(20 ml)を0℃で加え、2相を分離した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で蒸発させると無色の油を与え、それを、溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により精製すると、標記化合物(0.345 g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=2.463分; 311 [M+H]+。
(中間体179)
(3,3-ジエチル-1H-イソベンゾフラン-4-オール)
0℃の乾燥THF(5 ml)中のエチルマグネシウムブロミド(10 ml、5 mmol)の1M THF溶液に、エチル2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-6-ヒドロキシ-ベンゾアート(中間体178、0.31g、1 mmol)のEt
2O(10ml)溶液を15分で加えた。該反応混合物を同じ温度で1.5時間撹拌し、次いで温度を室温に達するようにしながらさらに2時間撹拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和水溶液(40ml)でクエンチし、酢酸エチル(3×80 ml)で抽出した。有機層をブライン(2×50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をTHF(5 ml)に溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中1M、1.5ml、1.5mmol)を加え、該反応混合物を15分間攪拌した。酢酸エチル(50 ml)を加え、合わせた有機層を塩化アンモニウム(2×50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。得られた黄色の固体を酢酸エチル及びペンタン(1:1、5ml)でトリチュレートすると、白色の固体を与えた。
該固体を酢酸エチル(5 ml)に溶解させ、硫酸(96%、4滴)を室温で加えた。該反応物を2時間攪拌し、次いで、酢酸エチル(20ml)を加え、有機相をブライン(2×50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル7:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(0.05 g)を無色の油として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt=1.683分。
(中間体180)
(6-[(3,3-ジエチル-1H-イソベンゾフラン-4-イル)オキシ]ピリジン-3-アミン)
3,3-ジエチル-1H-イソベンゾフラン-4-オール(中間体179、0.03g、0.15mmol)の乾燥DMF(3ml)溶液に、炭酸カリウム(0.08g、0.6 mmol)を加え、次いで2-クロロ-5-ニトロピリジン(0.026g、0.17 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で2時間攪拌した。冷却後、該反応混合物を水(1ml)でクエンチし、ブライン(5ml)で希釈し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をテトラヒドロフラン(5 ml)/水(2.5 ml)に溶解させ、鉄(0.04 g、0.75 mmol)を加え、次いで塩化アンモニウム(0.4 g、0.75 mmol)を加え、該反応混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾去し、残渣をNaHCO
3飽和水溶液(5ml)で希釈し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(0.025 g)を薄黄色の固体として与えた。
LC/MS: QC_3_MIN: Rt 1.735分、285 [M+H]+。
(中間体181)
([(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ][トリス(1-メチルエチル)]シラン)
3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(中間体50、3.6g、21.91mmol)を無水THF(20.0 mL)に溶解させ、その無色の溶液を窒素下で撹拌しながら0℃に冷却した。2Mのn-BuLiのシクロヘキサン溶液(13.2mL、26.4 mmol)を滴加して、生じた黄色の溶液を0℃で10分間攪拌した。トリイソプロピルシスリル(Triisopropylsislyl)トリフラート(7.7mL、28.5 mmol)を滴加すると、溶液はほとんど完全に退色した。これを放置して室温まで温め、一晩撹拌した。水(1.0 mL)を加え、揮発物を減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解させ、ブラインで3回洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、黄色の油を与え、それをTBMEに再溶解させ、水で2回洗浄した。該有機溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物(7.4g)を黄色の油として与えた。
(中間体182)
([(7-ブロモ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ][トリス(1-メチルエチル)]シラン)
[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ][トリス(1-メチルエチル)]シラン(中間体181、7.4g、23.19 mmol)をTHF(70.0 mL)に溶解させた。N-ブロモスクシンイミド(4.2g、23.88 mmol)を加え、数分で溶解させた。この混合物を室温で3時間攪拌した。さらにNBS(0.64g、3.48 mmol)を加え、該反応混合物を室温でさらに1時間撹拌した。CCl
4(50mL)を該反応混合物に加え、該溶液を蒸発乾固させた。残渣をCCl
4に再懸濁させ、室温で15分間攪拌した。白色の固体を濾過により除き、ウェットケークをさらなるCCl
4で洗浄した。CCl
4を酢酸エチルと取り替え、該有機溶液を2.5% w/wNaHCO
3水溶液で3回洗浄し、最後に水で洗浄した。有機溶液を無水Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物(8.6g)を茶色の油として与えた。
(中間体183)
(トリス(1-メチルエチル)[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]シラン)
[(7-ブロモ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ][トリス(1-メチルエチル)]シラン(中間体182、7.1g、17.72mmol)を無水THF(72mL)に溶解させ、0℃に冷却した。テトラメチルエチレンジアミン(8.0mL、53.16 mmol)を加え、黄色の溶液を0℃で10分間攪拌した。1.6 Mブチルリチウムのヘキサン溶液(22.5mL、35.4 mmol)を10分かけて滴加し、次いで0℃で15分間攪拌した。ヨウ化メチル(11 mL、177.2 mmol)を6分かけて滴加した。白色の固体を濾過により除き、ウェットケークをTHFで洗浄した。合わせた有機層を蒸発乾固させた。残渣を酢酸エチルに溶解させ、NaHCO
3水溶液で2回洗浄し、水で1回洗浄した。有機溶液を無水Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると茶色の油を与えた。溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(3.6 g)を茶色の油として与えた。
(中間体184)
(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール)
トリス(1-メチルエチル)[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]シラン(中間体183、3.6g、10.84mmol)をTHF(36mL)に溶解させると、暗黄色の溶液を得た。TBAF(8.5g、32.5 mmol)を加え、該反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、HCl水溶液で、次いでNaHCO
3水溶液で、最後にブラインで洗浄した。該有機溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させ、溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル95:5を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(1.69 g)を無色の油として与えた。
(中間体185)
(5-ニトロ-2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]ピリジン)
3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(中間体184、0.9g、5.0mmol)を、2-クロロ-5-ニトロピリジン(790 mg、5.0 mmol)及びK
2CO
3(1.72 g、12.5mmol)の存在下でCH
3CN(5mL)に溶解させ、生じた懸濁液を1.5時間60℃に加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、水及び酢酸エチルで希釈した。2相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させた。残渣を、溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル90:10を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(0.92 g)を帯黄色の固体として与えた。
(中間体186)
(6-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン)
5-ニトロ-2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]ピリジン(中間体185、920 mg、3.0mmol)をEtOH(13.5mL)に溶解させ、水素雰囲気下(2バール)で、Pd/C10% w/w(46 mg、5% w/w)の存在下で、室温で30分間攪拌した。触媒を濾去し、THFで洗浄し、生じた溶液を蒸発乾固させると、橙色の固体を与えた。該粗生成物を、MeOHから薄茶色の固体として標記化合物(565 mg)に結晶化した。
(中間体187)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
6-{[3,3,7-トリメチル-6-(トリフルオロメトキシ)-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル]オキシ}ピリジン-3-アミン(中間体186、405 mg、1.27 mmol)を、酢酸エチル(4 mL)に懸濁させた。トリエチルアミン(0.44ml、3.175 mmol)を加え、それに続いて(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(258 mg、1.27 mmol)を加えた。生じた懸濁液を0℃に冷却し、T3P 50 % w/wの酢酸エチル溶液(1.4 mmol)を滴加した。該反応混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで室温まで温め、さらに1時間攪拌した。Na
2CO
3の飽和水溶液を加え、該混合物を10分間攪拌した。2相を分離し、有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させた。溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル80:20からシクロヘキサン/酢酸エチル70:30を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(0.50 g)を白色の泡として与えた。
(中間体188)
((2R)-2-アミノ-N-{6-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド)
1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(中間体187、480 mg、1.05 mmol)を、酢酸イソプロピル(5 mL)に溶解させ、イソプロパノール中の5-6NのHCl(1ml、5.25 mmol)を加えた。該溶液を室温で1時間撹拌し、次いで、完全な転化まで約50〜55℃に加熱した。該混合物を室温に冷却し、NaHCO
3飽和水溶液で処理した。2相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させた。溶離液としてジクロロメタン/メタノール95:5を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(0.31 g)を帯黄色の泡として与えた。
(中間体189)
(5-ニトロ-2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]ピリミジン)
3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(中間体184、178 mg、1.0 mmol)及び2-クロロ-5-ニトロピリミジン(191.5 mg、1.2 mmol)をCH
3CN(3.0 mL)に溶解させ、K
2CO
3(345.5 mg、2.5 mmol)を加えた。生じた懸濁液を40℃に加熱し、1時間撹拌した。次いで、該反応混合物を水(50 mL)及び酢酸エチル(50 mL)で希釈した。有機相を集め、ブライン(50 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル97:3を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(243 mg)を与えた。
(中間体190)
(2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン)
5-ニトロ-2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]ピリミジン(中間体189、243 mg、0.81 mmol)をTHF(4 mL)に溶解させ、パラジウムカーボン(5 mol%、85mg)を加えた。該反応混合物を、水素雰囲気下(3バール)室温で1時間撹拌した。触媒をセライトのパッドで濾過し、THFで洗浄し、生じた溶液を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル及び水で希釈し、有機相を回収し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させると、標記化合物(220 mg)を無色の油として与えた。該粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に使用した。
MS_2 (ESI): 272 [M+H]+。
(中間体191)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン(中間体190、220 mg、0.81 mmol)を酢酸エチル(10 mL)に溶解させ、(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(181.1 mg、0.89 mmol)を加え、次いでEt
3N(0.35 mL、2.02 mmol)を加えた。生じた溶液を5℃に冷却し、T3Pの50% w/w酢酸エチル溶液(0.53 mL、0.89 mmol)を15分で滴加した。該反応混合物を5℃で30分間撹拌した。該反応物を水(50 mL)及び酢酸エチル(50 mL)でクエンチし、2相を分離し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル60:40を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(213 mg)を与えた。
MS_2 (ESI):457 [M+H]+。
(中間体192)
(7-(メトキシメトキシ)-3H-イソベンゾフラン-1-オン)
4-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,3-ジオン(685mg、4 mmol)を、-78℃の乾燥THF(30mL)に溶解させた。K-Selectrideの1MのTHF溶液(13 mL、13 mmol)を20分で滴加し、次いで該混合物を3時間かけて-78℃から-30℃に温めた。最終混合物を、酢酸エチル(100mL)、ブライン(25mL)及び3Mの塩化水素溶液(25mL)に注いだ。有機層を集め、ブラインで洗浄し、蒸発乾固させた。生じた化合物をMeOH(20mL)に溶解させ、撹拌しながら3M塩化水素溶液(10mL)で処理した。次いで、該混合物を酢酸エチル(100mL)及びブライン(25mL)で希釈し、有機層を集め、真空下で蒸発させた。溶離液としてジクロロメタンを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、フェノール中間体(430 mg)を与えた。
該フェノール中間体(430 mg、2.9 mmol)を0℃の乾燥ジクロロメタン(20mL)に溶解させ、DIPEA(5mL、5.5 mmol)を加え、それに続いてクロロメチルメチルエーテル(0.44 mL、5.7 mmol)を10分かけて滴加した。生じた溶液を、0℃で30分間、次いで室温で15分間攪拌した。ジクロロメタンを部分的に蒸発させ、得られた懸濁液を酢酸エチル(20mL)に溶解させ、水とブラインの50/50混合物(2×10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させると、標記化合物(549 mg)を薄黄色の固体として与えた。
(中間体193)
(3,3-ジメチル-1H-イソベンゾフラン-4-オール)
7-(メトキシメトキシ)-3H-イソベンゾフラン-1-オン(中間体192、550mg、2.8 mmol)を-70℃で乾燥THF(150 mL)に溶解させた。メチルマグネシウムブロミドの3Mジエチルエーテル溶液(5.6mL、16.8 mmol)を30分で滴加し、得られた混合物を-70℃で30分間攪拌し、次いで室温で30分間攪拌した。該反応混合物を、0℃の酢酸エチル(100mL)及び塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)に注いだ。有機層を集め、塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、蒸発させると黄色の油を与え、それをアセトニトリル(15mL)に溶解させ、硫酸(0.15 mL)で処理した。アセトニトリルをメチルアルコール(15mL)に取り替え、生じた溶液をp-トルエンスルホン酸(100 mg)で処理した。該溶液を60℃に加熱し、2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(30mL)に溶解させ、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)で2回洗浄し、次いで塩化水素の希水溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させた。溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル90:10を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(210 mg)を白色の固体として与えた。
(中間体194)
((5R)-3-(6-クロロ-3-ピリジニル)-5-エチル-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
6-クロロピリジン-3-アミン(3.0 g、23.3 mmol)を、CH
3CN/酢酸エチルの3:1 v/v混合物(20 mL)に溶解させ、(2R)-2-アミノ-2-メチルブタン酸塩酸塩(3.97 g、25.63 mmol)を加え、それに続いてT3Pの50% w/w酢酸エチル溶液(15.3 mL、25.63)を加えた。該混合物を60℃に2時間加熱し、次いでpHを約10にしながら3NのNaOHでクエンチし、次いで酢酸エチル(100 mL)で希釈した。有機相を集め、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で約15 mLの最終体積に濃縮した。該溶液を0〜5℃に冷却し、Et
3N(11.4 ml、81.9 mmol)を加えた。トリホスゲン(2.76 g、6.96 mmol)の10 mLの酢酸エチル中の溶液を、内部温度を5℃未満に保ちながら、15分で滴加した。該混合物を5℃で30分間攪拌し、次いで水(100 mL)でクエンチし、最後に追加の酢酸エチル(100 mL)で希釈した。2相を分離し、有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。該粗生成物を15 mLの酢酸エチルに懸濁させ、それに続いて65 mLのn-ヘプタンを滴加した。生じた懸濁液を室温で2時間撹拌し、濾過し、40℃で18時間乾燥させる前に、ケークを酢酸エチル/n-ヘプタンの2:8 v/v混合物(2×10 mL)で洗浄すると、標記化合物(3.5 g)を白色の固体として与えた。
(中間体195)
((2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)ボロン酸)
2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール(960 mg、6.1 mmol)をTHF(8 mL)及びシクロヘキサン(4 mL)に溶解させ、生じた溶液を-78℃に冷却した。sec-BuLiの1.4Mシクロヘキサン溶液(4.3 mL、6.1 mmol)を滴加し、該反応混合物を-78℃で1.5時間撹拌した。トリメチルボラート(694 mg、6.75 mmol)を加え、該混合物を放置してゆっくりと-30℃まで温めた。該反応混合物をHClの2N溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。2相を分離し、有機層をブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物を黄色の油として与え、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
(中間体196)
((2,2-ジフルオロ-7-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)ボロン酸)
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)ボロン酸(中間体195、粗製物)をTHF(20 mL)に溶解させ、生じた溶液を-78℃に冷却した。sec-BuLiの1.4Mシクロヘキサン溶液(17.4 ml、24.36 mmol)を滴加し、該反応混合物を-78℃で1.5時間撹拌した。次いで、ヨウ化メチル(4.6 ml、73 mmol)を加え、温度を室温に達するようにしながら該反応混合物を2時間撹拌した。該反応物を、HClの2N水溶液の添加によりクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を集め、次いでブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させた。n-ヘプタンからの結晶化により、標記化合物(150 mg)を白色の固体として与えた。
(中間体197)
(2,2-ジフルオロ-7-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-オール)
(2,2-ジフルオロ-7-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)ボロン酸(中間体196、150mg、1.28 mmol)をTHF(1.5 mL)に溶解させ、H
2O
2の30% w/w水溶液(2.56 mmol)及びNaOH(51 mg、1.28 mmol)を加え、該反応混合物を室温で2日間攪拌した。該反応物をHClの2N水溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。2相を分離し、該有機層をブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物(140 mg)を黄色の油として与えた。
(中間体198)
(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-4-オール)
2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール(320 mg、2.05 mmol)をTHF(2.5 mL)及びシクロヘキサン(1.2 mL)に溶解させ、生じた溶液を-78℃に冷却した。sec-BuLiの2Mシクロヘキサン溶液(1.025 ml、2.05 mmol)を滴加し、該反応混合物を-78℃で2時間撹拌した。トリメチルボラート(230mg、2.25 mmol)を加え、該混合物を放置してゆっくりと室温まで温めた。H
2O
2の30% w/w水溶液(4.1 mmol)及びNaOH(82 mg、2.05 mmol)を加え、該反応混合物を室温で18時間撹拌した。該反応物をHClの2N水溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。2相を分離し、有機層をブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物(340 mg)を与えた。
(中間体199)
(2-[2-アミノ-6-(メチルオキシ)フェニル]-2-プロパノール)
1-(2-アミノ-6-メトキシフェニル)エタノン(500 mg、3.03 mmol)をTHF(7.5 mL)に溶解させ、0℃に冷却した。温度を10℃未満に保ちながら、メチルマグネシウムブロミドの3MのEt
2O溶液(2.12 ml、6.36 mmol)を滴加した。温度を15℃未満に保ちながら、該反応物をNH
4Clの飽和水溶液(7.5 mL)でクエンチした。該混合物を水及び酢酸エチルで希釈し、2相を分離し、有機層をブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物(500 mg)を薄橙色の固体として与えた。
(中間体200)
(N-[2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-3-(メチルオキシ)フェニル]アセトアミド)
2-(2-アミノ-6-メトキシフェニル)プロパン-2-オール(中間体199、500 mg、2.76 mmol)をDCM(10 mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.770 ml、5.52 mmol)を加えた。該溶液を0℃に冷却し、滴下の方式でアセチルクロリド(0.2 ml、2.76 mmol)で処理した。添加の最後に、完全な転化に達した。該混合物をNH
4Clの飽和水溶液で処理し、2相を分離し、有機層をNaHCO
3の飽和水溶液及びブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させた。粗製物を、tert-ブチルメチルエーテルへの再スラリー化により精製すると、490 mgの標記化合物を白色固体として単離した。
(中間体201)
(2,4,4-トリメチル-5-(メチルオキシ)-4H-3,1-ベンゾオキサジン)
N-[2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-3-メトキシフェニル]アセトアミド(中間体200、470 mg、2.10 mmol)を熱ポリリン酸に加え、110℃で1時間加熱した。該混合物を室温に冷却し、水でクエンチした。pHを約8〜9に到達させながら、固体のNa
2CO
3を加えた。水及びDCMを加え、2相を分離した。合わせた有機層をブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物(342 mg)を油として得て、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
(中間体202)
(2,4,4-トリメチル-4H-3,1-ベンゾオキサジン-5-オール)
5-メトキシ-2,4,4-トリメチル-4H-3,1-ベンゾオキサジン(中間体201、342 mg、1.67 mmol)をDCM(7 mL)に溶解させ、BBr
3の1MのDCM溶液(1.67ml、1.67 mmol)を加えた。室温で1.5時間後、該混合物を還流加熱し、還流状態で6時間後、いくらかのBBr
3の1MのDCM溶液(1.67 ml、1.67 mmol)を加えて、該混合物を一晩還流状態のままにした。pHを塩基性にしながら、該反応混合物をNaHCO
3の飽和水溶液によりクエンチした。2相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物(330 mg)を泡として得た。
(中間体203)
(2,4,4-トリメチル-5-[(5-ニトロ-2-ピリジル)オキシ]-3,1-ベンゾオキサジン)
2,4,4-トリメチル-4H-3,1-ベンゾオキサジン-5-オール(中間体202、500 mg、2.61 mmol)及び2-クロロ-5-ニトロピリジン(410 mg、2.58 mmol)の乾燥DMF(4 mL)中の懸濁液に、炭酸カリウム(400 mg、2.89 mmol)を加え、生じた混合物をMW装置中で70℃で40分間加熱した。該混合物を水及び酢酸エチルで希釈し、相を分離し、水相を酢酸エチル(2×20 mL)で逆抽出した。合わせた有機層をブライン(2×20 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、溶離液として70:30から50:50のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(225 mg)を黄色の泡として与えた。
(中間体204)
(6-[(2,4,4-トリメチル-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ]ピリジン-3-アミン)
2,4,4-トリメチル-5-[(5-ニトロ-2-ピリジル)オキシ]-3,1-ベンゾオキサジン(中間体203、220 mg、0.70 mmol)のEtOH(3 mL)溶液に、パラジウムカーボン10% w/w(25 mg)を加え、生じた混合物を、水素雰囲気下(2バール)室温で40分間攪拌した。触媒を濾去し、EtOH(3×10 mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、帯緑色の固体としての標記化合物(185 mg)にした。
(中間体205)
((2R)-2-アミノ-2-メチル-N-[6-[(2,4,4-トリメチル-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ]-3-ピリジル]ブタンアミド)
6-[(2,4,4-トリメチル-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ]ピリジン-3-アミン(中間体204、185 mg、0.65 mmol)及び(R)-2-アミノ-2-メチル-ブタン酸塩酸塩(100 mg、0.67 mmol)の酢酸エチル/MeCN(2 mL、1:3 v/v混合物)中の懸濁液に、T3Pの50% w/w酢酸エチル溶液(0.43 mL)を0℃で滴加した。次いで、該混合物を60℃で3時間加熱し、80℃で4.5時間加熱した。該混合物を室温に冷却し、水(5 mL)及び酢酸エチル(10 mL)で希釈し、2相を分離し、水相をNaHCO
3飽和溶液(pH=8)で処理し、酢酸エチル(2×10 mL)で逆抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル20:80を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(143 mg)を黄色の泡として与えた。
(中間体206)
(2-[(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン)
マイクロ波バイアル中で、2-クロロ-5-ニトロピリジン(97 mg、0.609 mmol)を、3 mlのジメチルホルムアミドに溶解させた。2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-オール(100 mg、0.609 mmol)及び炭酸カリウム(253 mg、1.827 mmol)を加えた。該反応混合物を、マイクロ波照射下で、1時間110℃で加熱した。該反応混合物を濾過した。濾過された固体をジクロロメタン(5 ml)で洗浄した。揮発物を真空下で蒸発させた。粗製化合物をジクロロメタン(8 ml)に溶解させ、ブラインを加えた(8 ml)。該化合物をジクロロメタンで2回(2×8 ml)、酢酸エチルで2回(2×8 ml)抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。100:0から80:20のシクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として使用するシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、12g Siカートリッジ)により残渣を精製すると、標記化合物(120 mg)を与えた。
UPLC_ipqc: 1.20分、287 [M+H]+。
(中間体207)
(6-[(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン)
鉄粉(112 mg、2.009 mmol)を、2-[(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ニトロピリジン(中間体206、115 mg 0.402 mmol)のTHF/水混合物(9 ml/3 ml)中の溶液に加え、それに続いて塩化アンモニウム(107 mg 2.009 mmol)を加えた。該反応混合物を、室温で一晩撹拌した。触媒を濾去し、溶液をNaHCO
3飽和水溶液(10 ml)及び酢酸エチル(15ml)で希釈した。2相を分離し、水層を酢酸エチルで2回(2×15ml)抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。80:20から50:50のシクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として使用するフラッシュクロマトグラフィー(Companion system、12gシリカゲルカートリッジ)により残渣を精製すると、標記化合物(95 mg)を与えた。
UPLC_ipqc: 0.87分、257 [M+H]+。
(中間体208)
(tert-ブチル N-[(1R)-1-[[6-[(2,2-ジメチル-3H-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジル]カルバモイル]プロピル]カルバマート)
(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(17.84 mg、0.088 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(1 mL)溶液に、DIPEA(25.6 μL、0.146 mmol)を加え、次いでHATU(37.8 mg、0.099 mmol)を加え、該反応混合物をアルゴン下室温で15分間攪拌した。次いで、6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジンアミン(中間体207、15 mg、0.059mmol)を加え、該反応混合物をアルゴン下35℃で一晩撹拌したままにした。該反応混合物を蒸発させた。ブライン(4 ml)を加え、それを酢酸エチル(3×5 ml)で3回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、溶離液として100:0から70:30のシクロヘキサン/酢酸エチルによるフラッシュクロマトグラフィー(Companion system、12gシリカカートリッジ)により残渣を精製すると、標記化合物(18 mg)を与えた。
UPLC_ipqc: 1.21分、442 [M+H]+。
(中間体209)
(((2R)-2-アミノ-N-{6-[(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド))
0℃のtert-ブチルN-[(1R)-1-[[6-[(2,2-ジメチル-3H-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジル]カルバモイル]プロピル]カルバマート(中間体208、14mg、0.032 mmol)の乾燥ジクロロメタン(1 ml)溶液に、TFA(98 μl、1.268 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で4時間撹拌した。いくらかのジクロロメタン(4 ml)を、該反応混合物に加えた。次いで、pHを約8に到達させながら、NaHCO
3飽和水溶液を加えた。2相を分離して、水相をさらにDCMで抽出した(3×3ml)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(10mg)を与えた。
UPLC_ipqc: 0.73分、342 [M+H]+。
(中間体210)
(5-(メトキシメトキシ)-4-メチル-クロマン)
50 mL丸底フラスコの中で、2-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)-3-(メトキシメトキシ)フェノール(56.3 mg、0.249 mmol)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させると、無色の溶液を与えた。トリフェニルホスフィン(59.4 mg、0.226 mmol)を加え、該反応混合物を、トリフェニルホスフィンの完全な可溶化まで撹拌した。DIAD(45.8 mg、0.226 mmol)を加え、該反応混合物を撹拌した。追加のトリフェニルホスフィン(59.4 mg、0.226 mmol)及びDIAD(45.8 mg、0.226 mmol)を加えた。該反応混合物を真空中で蒸発させ、残渣を、カラムとして10g SNAPシリカカートリッジ及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル10:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1)により精製すると、標記化合物(50.3 mg)を無色の油として与えた。
(中間体211)
(4-メチルクロマン-5-オール)
50 mL丸底フラスコ中で、5-(メトキメトキシ)-4-メチル-クロマン(中間体210、50.3 mg、0.229 mmol)をメタノール(4 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。HCl 2M水溶液(0.100 mL、0.200 mmol)を加えた。該反応混合物を50℃で撹拌した。2MのHCl水溶液(0.100 mL、0.200 mmol)を、反応の完了まで連続的に添加した。該反応混合物を10 mlの水でクエンチし、25 mLのDCMで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機層を真空中で蒸発させると、標記化合物(38.7 mg)を橙色の油として与えた。
(中間体212)
(2-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリジン)
0.5〜2mlマイクロ波バイアル中で、4-メチルクロマン-5-オール(中間体211、38.7 mg、0.212 mmol)、K
2CO
3(88 mg、0.636 mmol)、及び2-クロロ-5-ニトロピリジン(33.6 mg、0.212 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(2 mL)に溶解させると、薄茶色の溶液を与えた。反応容器を密封し、マイクロ波照射下で、110℃で1時間加熱した。冷却後、該反応物を5 mLの水でクエンチし、10 mLの酢酸エチルで希釈した。分液漏斗により、相を分離した。水相を3×10 mLの酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を、疎水性フリットを使用して乾燥させ、真空中で蒸発させると、標記化合物(22.9 mg)を無色の油として与えた。
UPLC_B: 0.94分、287 [M+H]+。
(中間体213)
(6-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシピリジン-3-アミン)
50 mL丸底フラスコの中で、2-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリジン(中間体212、22.9 mg、0.08 mmol)をエタノール(10 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。Pd/C(17.88 mg、0.017 mmol)及びヒドラジン水和物(0.4 mL、4.15 mmol)を加えた。該反応混合物を90℃で撹拌した。該反応混合物を濾過し、真空中で蒸発させると、標記化合物(22.9 mg)を薄黄色の油として与えた。
UPLC_B: 0.65分、257 [M+H]+。
(中間体214)
(tert-ブチルN-[1,1-ジメチル-2-[[6-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]アミノ]-2-オキソ-エチル]カルバマート)
8 mLバイアル中で、6-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシピリジン-3-アミン(中間体213、22.9 mg、0.089 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。DIPEA(0.069 mL、0.394 mmol)、N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-2-メチルアラニン(60.0 mg、0.295 mmol)、及びHATU(112 mg、0.295 mmol)を加えた。該反応混合物を60℃で1時間振盪した。該反応混合物を真空中で蒸発させ、カラムSNAP 25g及び溶離液として3:1から1:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(63.3 mg)を無色の油として与えた。
UPLC_B: 0.91分、442 [M+H]+。
(中間体215)
(2-アミノ-2-メチル-N-[6-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]プロパンアミド)
50 mL丸底フラスコの中で、tert-ブチルN-[1,1-ジメチル-2-[[6-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]アミノ]-2-オキソ-エチル]カルバマート(中間体214、63.3 mg、0.093 mmol)をジクロロメタン(DCM)(3 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却し、TFA(3 mL、38.9 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で2時間撹拌した。該反応混合物を真空中で蒸発させると、粗生成物を薄黄色の油として与えた。残渣を2g SCXカートリッジに入れた。次いで、それに40 mLのMeOHを流し、次いで2MのアンモニアのMeOH溶液40 mLを流した。アンモニア溶離液を真空中で蒸発させると、標記化合物(22.9 mg)を無色の油として与えた。
UPLC_B: 0.77分、342 [M+H]+。
(中間体216)
(2-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシ-5-ニトロ-ピリミジン)
4-メチル-3,4-ジヒドロ-2Hクロメン-5-オール(中間体211、111 mg、0.676 mmol)を5.0 mLのDMFに溶解させた。K
2CO
3(140 mg、1.01 mmol)及び2-クロロ-5-ニトロピリミジン(162 mg、1.01 mmol)を加え、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、DMFを高真空下で蒸発させ、溶離液として1:0から7:3のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(192 mg)を与えた。
(中間体217)
(2-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン)
2-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2Hクロメン-5-イル)オキシ]-5-ニトロピリミジン(中間体216、192 mg、0.668 mmol)を9.0 mLの2/1 THF/水溶液に溶解させた。鉄(187 mg、3.34 mmol)及び塩化アンモニウム(179 mg、3.34 mmol)を加え、該反応混合物を室温で24時間撹拌した。AcOEtで希釈し、セライトパッドで濾過した(AcOEtで洗浄した)後、有機相をNaHCO
3の飽和水溶液で(2回)洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、溶離液として1:0から0:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(144 mg)を与えた。
(中間体218)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-メチル-1-[({2-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
2-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-5-ピリミジンアミン(中間体217、144 mg、0.56 mmol)をトルエン(8.0 mL)に溶解させ、S-2-ピリジニル(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-2-メチルブタンチオアート(中間体139、86 mg、0.28 mmol)を加えた。該反応混合物を140℃で20分間攪拌した。追加のS-2-ピリジニル(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-2-メチルブタンチオアート(中間体139、134 mg、0.43 mmol)を加え、該混合物を140℃で15分間攪拌した。追加のS-2-ピリジニル(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-2-メチルブタンチオアート(中間体139、100 mg、0.32 mmol)を加え、該反応混合物を、50℃で一晩、80℃で4時間攪拌した。追加のS-2-ピリジニル(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-2-メチルブタンチオアート(中間体139、100 mg、0.32 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で20時間攪拌した。追加のS-2-ピリジニル(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-2-メチルブタンチオアート(中間体139、50 mg、0.16 mmol)を加え、該反応混合物を80℃でさらに30時間撹拌した。冷却後、揮発物を除去し、カラムとして10g SNAPシリカカートリッジ及び溶離液として10:0から1:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1)により残渣を精製すると、標記化合物(100 mg)を与えた。
UPLC_B: 1.13分、457 [M+H]+。
(中間体219)
(N1-{2-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-D-イソバリンアミド)
1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-メチル-1-[({2-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(中間体218、100 mg、0.219 mmol)の0℃に冷却した乾燥ジクロロメタン(5 mL)溶液に、TFA(1 mL、12.98 mmol)を滴加した。該反応混合物をその温度で3時間撹拌し、次いで放置して室温にして、その温度で2時間撹拌した。揮発物を蒸発させ、残渣をDCM(10 mL)で希釈し、NaHCO
3の飽和水溶液(10 mL)で洗浄した。有機層を分離して、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、標記化合物(78 mg)を白色の固体として与え、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
UPLC_B: 0.68分、357 [M+H]+。
(中間体220)
(5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン])
-40℃の2,4,6-トリクロロフェノール(307 mg、1.557 mmol)の12.0 mLのDCM中の溶液に、ジエチル亜鉛の1Mヘキサン溶液(1.557 mL、1.557 mmol)を加えた。その温度で15分間攪拌した後、CH
2I
2(0.126 mL、1.557 mmol)を加えた。さらに15分間攪拌した後、3.0 mLのDCMに溶解させた4-メチリデン-5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン(169 mg、0.819 mmol)を加えた。冷浴を外し、該混合物を室温で2時間撹拌した。該混合物をDCMで希釈し、HClの10%水溶液で2回、次いでNaHCO
3の飽和水溶液で2回、Na
2SO
3の飽和水溶液で2回、及びブラインで(2回)洗浄した。次いで、有機層をNa
2OS
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、100:0から95:5のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1)により、残渣を精製した。集めた残渣をDCMに溶解させ、KOH(30%水溶液)で(2回)洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(145 mg)を与えた。
(中間体221)
(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-オール)
5-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン](中間体220、145 mg、0.658 mmol)をMeOH(6.0 mL)に溶解させ、HClの2N水溶液(0.494 mL、0.99 mmol)を加え、該反応混合物を50℃で一晩撹拌した。水の添加の後、MeOHを真空下で除去し、水相を酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル9:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(64 mg)を与えた。
UPLC_B: 0.93分、177 [M+H]+。
(中間体222)
(2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ニトロピリミジン)
2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-オール(中間体221、63 mg、0.358 mmol)のDMF(3 ml)溶液に、K
2CO
3(74.1 mg、0.536 mmol)及び2-クロロ-5-ニトロピリミジン(86.0 mg、0.536 mmol)を加え、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、DMFを高真空下で蒸発させ、水を加え、該反応混合物をAcOEtで抽出した(3回)。集めた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル9:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(91mg)を与えた。
UPLC_B: 1.10分、300 [M+H]+。
(中間体223)
(2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ピリミジンアミン)
2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ニトロピリミジン(中間体222、91 mg、0.304 mmol)を9.0 mLの2/1 THF/水溶液に溶解させた。次いで、鉄(85 mg、1.52 mmol)及び塩化アンモニウム(81 mg、1.52 mmol)を加え、該反応混合物を室温で10時間撹拌した。AcOEtで希釈し、セライトパッドで濾過した(AcOEtで洗浄した)後、有機相をNaHCO
3の飽和水溶液で(2回)洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(52mg)を与えた。
UPLC_B: 0.82分、270 [M+H]+。
(中間体224)
(1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-({[2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ピリミジニル]アミノ}カルボニル)-1-メチルプロピル]カルバマート)
(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-ブタン酸(105 mg、0.483 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)溶液に、DIPEA(0.101 mL、0.579 mmol)及びHATU(184 mg、0.483 mmol)を加えた。該反応混合物を室温で15分間攪拌し、次いでそれを2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ピリミジンアミン(中間体223、52 mg、0.193 mmol)の乾燥DMF(0.5 mL)溶液に加えた。該混合物を40℃で一晩加熱し、次いで60℃に温め、その温度で4時間撹拌した。冷却後、該反応物を水(5 mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×5 mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×5 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させた。カラムSNAP 25g及び溶離液としてトルエンからトルエン/酢酸エチル60:40を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(10 mg)を白色の固体として与えた。
UPLC_B: 1.15分、469 [M+H]+。
(中間体225)
(N1-[2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ピリミジニル]-D-イソバリンアミド)
0℃に冷却した1,1-ジメチルエチル[(1R)-1-({[2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ピリミジニル]アミノ}カルボニル)-1-メチルプロピル]カルバマート(中間体224、5 mg、10.67 μmol)の乾燥ジクロロメタン(1 mL)溶液に、TFA(0.822 μL、10.67 μmol)を滴加した。該反応混合物を、同じ温度で2時間撹拌した。該反応物を放置して室温に達するようにし、次いで揮発物を蒸発させた。残渣をDCM(2 mL)で希釈し、NaHCO
3飽和溶液で洗浄した(7 mL)。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、標記化合物(4 mg)を黄色の油として与え、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
UPLC_B: 0.71分、369 [M+H]+。
(中間体226)
(6-(1,1a,2,7bテトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)-3-ピリジンアミン)
8 mLのバイアル中で、5-ニトロ-2-(1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)ピリジン(94.6 mg、0.300 mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(3 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。鉄(84 mg、1.498 mmol)及び塩化アンモニウム(80 mg、1.498 mmol)を加え、それに続いて水(1.500 mL)を加えた。該反応混合物を、室温で一晩撹拌した。追加の鉄(44 mg、0.75 mmol)及び塩化アンモニウム(40 mg、0.75 mmol)を加え、該反応混合物を室温で6時間撹拌した。該反応混合物を、10 mLの重炭酸ナトリウム飽和水溶液でクエンチし、25 mLのEtOAcで希釈した。該反応混合物を、セライトのパッドで濾過した。分液漏斗により、相を分離した。水相をDCM(3×10 mL)で抽出した。合わせた有機層を蒸発させ、カラムSNAP 25g及び溶離液として3:1から1:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(82.9 mg)を無色の油として与えた。
(中間体227)
(tert-ブチルN-[(1R)-1-[[6-(1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)-3-ピリジル]カルバモイル]-1-メチル-プロピル]カルバマート)
8 mLのバイアルチューブ中で、6-(1,1a,2,7bテトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)-3-ピリジンアミン(中間体226、84 mg、0.0305 mmol)、(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-ブタン酸(59.7 mg、0.275 mmol)、及びDIPEA(0.080 mL、0.458 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(2 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。HATU(151 mg、0.397 mmol)を加えた。該反応混合物を、室温で週末の間撹拌した。該反応混合物を真空中で蒸発させ、カラムSNAP 25g及び溶離液として3:1から1:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(74 mg)を白色の固体として与えた。
(中間体228)
((2R)-N-[6-(1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)-3-ピリジル]-2-アミノ-2-メチル-ブタンアミド)
50 mL丸底フラスコの中で、tert-ブチルN-[(1R)-1-[[6-(1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)-3-ピリジル]カルバモイル]-1-メチル-プロピル]カルバマート(中間体227、74 mg、0.139 mmol)をジクロロメタン(3 mL)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却し、TFA(2 mL、26.0 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃で2時間撹拌した。該反応混合物を真空中で蒸発させると、粗生成物を黄色の油として与えた。試料を2g SCXカートリッジに入れた。次いで、それに36 mLのMeOHを流し、次いで2MのアンモニアのMeOH溶液25 mLを流した。アンモニア溶離液を真空中で蒸発させると、標記化合物(46.2 mg)を薄黄色の油として与えた。
(実施例1)
((5R)-3-[4-(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イルオキシ)フェニル]-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
N1-[4-(1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イルオキシ)フェニル]-D-アラニンアミド(中間体7、80 mg)及びTEA(0.187 ml、1.341 mmol)のジクロロメタン(10 ml)溶液をアルゴン下0℃で撹拌した。ジクロロメタン(4 ml)中のトリホスゲン(39.8 mg、0.134 mmol)を加え、該混合物を、0℃で45分間攪拌したままにした。次いで、NaHCO
3飽和水溶液を加えた。相を分離し、水相をジクロロメタンで3回抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離液として100:0から40:60の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィー(FlashMasterPersonal)により、粗製物を精製した。これにより、標記化合物を白色の固体として与えた(58.5 mg)。
(実施例2)
((5R)-5-メチル-3-{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-2,4-イミダゾリジンジオン)
N
1-{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-D-アラニンアミド(中間体14、337 mg)を8.0 mlの酢酸エチルに溶解させた。トリエチルアミン(0.33 ml、2.38 mmol)を加え、それに続いてトリホスゲン(161 mg、0.54 mmol)の2.0 mlの酢酸エチル中の溶液を加えた。5分撹拌した後、DMAP(66 mg、0.54 mmol)を加え、該反応混合物を室温で10分間攪拌した。NaHCO
3の飽和水溶液でクエンチした後、該反応混合物を酢酸エチルで2回抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、Cy-Hex/EtOAcの100/0%から0/100%の勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。これにより、標記化合物(160 mg)を与えた。
(実施例3)
((5R)-3-{4-[(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
N
1-{4-[(3,6-ジメチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-D-アラニンアミド(中間体23、54 mg)を7.0 mlの酢酸エチルに溶解させた。次いで、トリエチルアミン(0.051 ml、0.37 mmol)を加え、それに続いてトリホスゲン(24.6 mg、0.083 mmol)の2.0 mlの酢酸エチル中の溶液を加えた。5分間撹拌した後、DMAP(10.1 mg、0.083 mmol)を加え、該反応混合物を室温で10分間攪拌した。NaHCO
3の水溶液でクエンチした後、該混合物を酢酸エチルで2回抽出し、集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、c-Hex/EtOAcの100/0から0/100の勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(11 mg)を与えた。
(実施例4)
(5,5-ジメチル-3-{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}-2,4-イミダゾリジンジオン)
2-メチル-N
1-{4-[(3-メチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]フェニル}アラニンアミド(中間体25、18 mg)を4 mlの酢酸エチルに溶解させた。次いで、トリエチルアミン(0.017 ml、0.12 mmol)を加え、それに続いてトリホスゲン(8.21 mg、0.028 mmol)の1.0 mlの酢酸エチル中の溶液を加えた。5分間撹拌した後、DMAP(3.4 mg、0.028 mmol)を加え、該反応混合物を室温で10分間攪拌した。NaHCO
3の飽和水溶液でクエンチした後、該混合物を酢酸エチルで2回抽出し、集めた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた粗製物をシリカゲルカラムに入れ、溶離液としてc-Hex/EtOAc(全て100:0から0:100)により溶離した。これにより10 mgの標記化合物を与えた。
(実施例5)
((5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン)
(2R)-2-アミノ-N-{6-[(3-エチル-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド(中間体35)をジクロロメタン(1.0 ml)に溶解させ、TEA(0.004 ml、0.03 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃に冷却し、0.1 mlのジクロロメタンに溶解させたトリホスゲン(1.3 mg、4.49 μmol)を加えた。該反応混合物をその温度で30分間攪拌した。該混合物を0.5 mlの水でクエンチし、硫酸ナトリウムを加えて水を除去した。有機相をピペットで移して除き、蒸発させ、得られた粗製物をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、Cyhexane/EtOAv(1/0から7/3、次いで7/3、次いで7/3から1/1、1/1、次いで1/1から0/1)により溶離すると、標記化合物(1.3 mg)を与えた。
(実施例6)
((5R)-5-エチル-3-(6-{[3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル]オキシ}-3-ピリジニル)-2,4-イミダゾリジンジオン)
(2R)-2-アミノ-N-(6-{[3-(1-メチルエチル)-1,2-ベンゾイソキサゾール-4-イル]オキシ}-3-ピリジニル)ブタンアミド(中間体44)をジクロロメタン(1.0 ml)に溶解させ、TEA(3 μL、0.022 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃に冷却し、トリホスゲン(0.6 mg、1.98 μmol)を加え、該混合物をその温度で30分間攪拌した。該反応混合物を水でクエンチし、硫酸ナトリウムを加えて水を除去した。有機相をピペットで移して除き、蒸発させ、得られた残渣をシリカゲルカラム(Biotage SP1システム)に入れ、Cyhexane/EtOAc(全て1/0から7/3、次いで7/3、次いで7/3から1/1、次いで1/1、次いで0/1)により溶離すると、標記化合物(1mg)を与えた。
(実施例7)
((5R)-3-{4-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]フェニル}-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
N
1-{4-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]フェニル}-D-アラニンアミド(中間体57、66 mg)のジクロロメタン(20 ml、SCRC社製)溶液に、トリエチルアミン(0.085 ml、0.607 mmol、SCRC社製)を加えた。トリホスゲン(24.00 mg、0.081 mmol、SCRC社製)を0℃で滴加し、該反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。該混合物を水(20 ml)でクエンチし、それをジクロロメタン(3回、50 ml、SCRC社製)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、蒸発させ、溶離液としてEtAc/PE(1/30)を使用するシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物を白色の固体(40 mg)として与えた。
(実施例8)
((5R)-3-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
N
1-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-D-アラニンアミド(中間体61、28 mg)を乾燥ジクロロメタン(3 ml)に溶解させた。該反応混合物を氷浴中で冷却した。トリエチルアミン(71.5 μl、0.513 mmol)を加えた。次いで、トリホスゲンの乾燥ジクロロメタン溶液(11.42 mg、1 mlのジクロロメタンに溶解した0.038 mmol)を滴加した。
該反応混合物をアルゴン下0℃で15分間攪拌した。NaHCO
3の飽和水溶液を加え(4 ml)、水層をジクロロメタンで4回抽出した(4×5 ml)。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣を、100/0から50/50の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルによるシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、2×4gシリカカートリッジ)により精製した。これにより、標記化合物を膜として与えた(17.5 mg)。
(実施例9)
((5R)-3-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5-エチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
標記化合物は、N
1-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-D-アラニンアミド(中間体61)を(2R)-2-アミノ-N-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド(中間体63、57 mg)に替えて、実施例8の製造に類似の方法で製造した。これにより、標記化合物を白色の固体として与えた(40 mg)。
(実施例10)
((5R)-3-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5-エチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
(2R)-2-アミノ-N-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}ブタンアミド(中間体67、3 mg)の乾燥ジクロロメタン(0.5 ml)溶液に、TEA(6.11 μL、0.044 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。次いで、トリホスゲン(1.170 mg、3.94 μmol)の乾燥ジクロロメタン(0.125 ml)溶液を滴加し、該反応混合物を0℃で30分間攪拌した。該反応物を水(3 ml)でクエンチし、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。カラムIsolute(1 g)及び溶離液として99.5:0.5から9:10のジクロロメタン/メタノールを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(0.7 mg)を白色固体として与えた。
(実施例11)
(7-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6,8-ジオン)
1-アミノ-N-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}シクロブタンカルボキサミド(中間体70、17mg)を乾燥ジクロロメタン(1.8 ml)に溶解させた。該反応混合物を氷浴中で冷却した。トリエチルアミン(39.48 μl、0.283 mmol)を0℃で加えた。次いで、0.89 mlのトリホスゲンの乾燥ジクロロメタン溶液を滴加した(0.0135 mg、4.00mg)。該反応混合物を、アルゴン下0℃で10分間、次いで室温で30分間攪拌した。次いで、追加の0.25当量のジクロロメタン中のトリホスゲン(0.26 M溶液)を0℃で加え、該反応混合物をアルゴン下室温でさらに30分間攪拌した。溶媒を真空下で除去した。得られた残渣を、溶離液として100/0から55/45のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Companion system、4gシリカカートリッジ)により精製した。これにより、標記化合物(12 mg)を与えた。
(実施例12)
(6-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-4,6-ジアザスピロ[2.4]ヘプタン-5,7-ジオン)
標記化合物(5 mg、収率49%)は、1-アミノ-N-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}シクロブタンカルボキサミド(中間体70)を1-アミノ-N-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}シクロプロパンカルボキサミド(中間体73、9 mg)に替えて、実施例11の製造に類似の方法で製造した。
(実施例13)
(3-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
N1-{6-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2-メチルアラニンアミド(中間体75、7.5 mg)を乾燥ジクロロメタン(1 ml)に溶解させた。該反応混合物を氷浴中で冷却した。トリエチルアミン(18.37 μl、0.132 mmol)を0℃で加えた。次いで、0.5 mlのトリホスゲンの乾燥ジクロロメタン溶液(0.012 mmol)を滴加した。該溶液を、1 mlのジクロロメタンに溶解させた7.18 mgのトリホスゲンで製造した。該反応混合物を、アルゴン下0℃で10分間、次いで室温で30分間攪拌した。NaHCO
3の飽和水溶液を加え、水層をジクロロメタンで4回抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。
得られた残渣を、100/0から55/45の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルによるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Companion system、4gシリカカートリッジ)により精製した。これにより、標記化合物(4.5 mg)を与えた。
(実施例14)
((5R)-3-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5-(1,1-ジメチルエチル)-2,4-イミダゾリジンジオン)
N1-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-3-メチル-D-バリンアミド(中間体78、9.9 mg)を乾燥ジクロロメタン(1 ml)に溶解させた。該反応混合物を氷浴中で冷却した。トリエチルアミン(22.35 μl、0.160 mmol)を加えた。該反応混合物を0℃に冷却した。次いで、0.5 mlのトリホスゲンの乾燥ジクロロメタン溶液(0.015 mmol)を滴加した。該反応混合物をアルゴン下0℃で20分間攪拌した。いくらかの水(2 ml)を加え、水層をジクロロメタンで4回抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣を、溶離液として100/0から60/40のシクロヘキサン/酢酸エチルによるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Companion system、4gシリカカートリッジ)により精製した。これにより、標記化合物(7.7 mg)を与えた。
(実施例15)
((5R)-5-エチル-3-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン)
(2R)-2-アミノ-N-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]ブタンアミド(中間体89、90 mg)の乾燥ジクロロメタン(15 ml)溶液に、TEA(0.185 ml、1.326 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(35.4 mg、0.119 mmol)の乾燥ジクロロメタン(5 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。該反応物を水(10ml)でクエンチし、2相を分離した。有機層をスフェートナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(65 mg、0.178 mmol)を白色の固体として与えた。
(実施例16)
(5,5-ジメチル-3-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン)
2-メチル-N1-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]アラニンアミド(中間体91、34mg)の乾燥ジクロロメタン(6mL)溶液に、TEA(0.070 mL、0.501 mmol)を加え、該混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(13.38 mg、0.045 mmol)の乾燥ジクロロメタン(2 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。該反応物を水(3ml)でクエンチし、2相を分離した。有機層を硫酸ソイウム(soium sulphate)で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。10g SNAPカラムSNAP及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル7:3からシクロヘキサン/酢酸エチル3:7を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(title)を白色の固体として与えた(23 mg)。
(実施例17)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン)
0℃のN1-[6-(スピロ[1-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イルオキシ)-3-ピリジニル]-D-イソバリンアミド(中間体93、68 mg)及びTEA(0.134 mL、0.962 mmol)の乾燥ジクロロメタン(11 ml)溶液に、トリホスゲン(25.7 mg、0.087 mmol)の乾燥ジクロロメタン(3.14 m)溶液を滴加し、そのように得られた混合物を同じ温度で撹拌した。1時間後、トリホスゲン(25.7 mg、0.087 mmol)の乾燥ジクロロメタン(3.14 ml)溶液を加えた。3時間後、UPLC/MSにより、出発物質が存在せず、望まれる化合物が存在することが示された。次いで、水を加え、有機相を分離し、水相を再びジクロロメタンで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ソイウムで乾燥させ、真空下で濃縮すると、87mgの粗製物を与えた。これを、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage KP-Sil 10g SNAPカラム、溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル10CVで88/12から0/100)により精製すると、47mgの標記化合物を白色の泡として与えた。
(実施例18)
((5R)-5-エチル-3-(6-{[(3S/R)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル]オキシ}-3-ピリジニル)-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体混合物))
50 ml丸底フラスコの中で、(2R)-2-アミノ-N-{6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド(中間体102、24.4 mg)をジクロロメタン(3 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与え、それを0℃に冷却した。TEA(0.049 ml、0.354 mmol)を加えた。トリホスゲン(9.46 mg、0.032 mmol)の0.7mlのジクロロメタン中の溶液を、該反応混合物に0℃で滴加した。20分後、該反応混合物を5 mlの水でクエンチし、5 mlのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空下で蒸発させると、粗生成物を与え、それを、シクロヘキサン/EtOAcを溶離液として使用する(15 CVで2/1から1/2;次いで10 CVの間1/2)シリカゲルクロマトグラフィー(Biotage SP1システム、10g SNAPシリカカラム)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物を、ジアステレオ異性体の1:1混合物として与えた(20.2 mg)。
(実施例19及び実施例20)
((5R)-5-エチル-3-{6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体1及び2))
実施例18の両ジアステレオ異性体を分取キラルクロマトグラフィーにより分離した。
キラル分取HPLC条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpak AS-H(25×2 cm)、5μ;移動相:n-ヘキサン/エタノール70:30% v/v;流速:15 ml/分;UV:220 nm;試料調製:1 mlのヘキサン/エタノール 1:1 v/vに20mgを溶解;試料濃度:20 mg/ml;注入体積:1000 μL。
キラル分析クロマトグラフィー条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpak AS-H(25×0.46 cm);移動相:n-ヘキサン/エタノール 70:30% v/v;流速:0.8 ml/分;DAD:210-340 nm;CD:240 nm。
このキラル分取HPLCにより下記が得られた。
・(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンのジアステレオ異性体1であった実施例19(7.1 mg)。
・(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-メチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンのジアステレオ異性体2であった実施例20(8.0 mg)。
(実施例21)
((5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体混合物))
50 ml丸底フラスコの中で、(2R)-2-アミノ-N-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド(中間体110、9 mg)をジクロロメタン(2 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与え、それを0℃に冷却した。TEA(0.017 ml、0.119 mmol)を加えた。0.5 mlのトリホスゲンの溶液(2mlのジクロロメタン中14mg)を、該反応混合物に0℃で滴加した。該反応混合物を0℃で撹拌した。20分後、該反応は完了した。該反応混合物を真空下で蒸発させると、粗生成物を薄黄色の油として与え、それをBiotage SP1(溶離液として、15 CVで2:1から1:2;次いで10 CVの間1:2のシクロヘキサン/EtOAc;10g SNAPシリカカラムを使用)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(6.9 mg)を白色の固体として与えた。
(実施例22及び実施例23)
((5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体1及び2))
実施例21の両ジアステレオ異性体を分取キラルクロマトグラフィーにより分離すると、2つのフラクションを与えた。
キラル分取HPLC条件は以下のとおりであった。カラムChiralpak AD-H(25×2cm)5μm;移動相n-ヘキサン/2-プロパノール 85:15 % v/v;流速(ml/分)15;UV検出220 nm;試料調製 2 mlのメタノール/エタノール50:50 % v/vに4 mgを溶解;試料濃度2 mg/ml;注入体積2000 μl(4 mgに等しい)。
キラル分析クロマトグラフィー条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpak AD-H(25×0.46 cm);移動相:n-ヘキサン/2-プロパノール85:15% v/v;流速:0.8 ml/分;DAD:210-340 nm; CD:-。
このキラル分取HPLCにより下記が得られた。
・(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンのジアステレオ異性体1であった実施例22(2.3 mg)。
・(5R)-5-エチル-3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンのジアステレオ異性体2であった実施例23(2.6 mg)。
(実施例24)
(5,5-ジメチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ラセミ混合物))
50 ml丸底フラスコの中で、2-メチル-N1-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アラニンアミド(中間体121、72.6 mg)をジクロロメタン(5 ml)に溶解させると、薄黄色の溶液を与えた。TEA(0.142 ml、1.021 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(27.3 mg、0.092 mmol)の1mlのジクロロメタン中の溶液を該反応混合物に加え、それを0℃で撹拌した。15分後、トリホスゲン(27.3 mg、0.092 mmol)の1mlのジクロロメタン中の追加溶液を該反応混合物に加えた。15分後、該反応混合物を真空下で蒸発させると粗生成物を与え、それを、Biotage SP1(溶離液として、10 CVで3:1から1:2;次いで5 CVの間1:2のシクロヘキサン/EtOAc;10g SNAPシリカカラムを使用)により精製した。集めたフラクションにより、標記化合物5,5-ジメチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンを無色の油として与えた(41.6 mg)。
(実施例25及び実施例26)
(5,5-ジメチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(エナンチオマー1及びエナンチオマー2))
実施例24の両エナンチオマーを分取キラルクロマトグラフィーにより分離した。
キラル分取HPLC条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpak AD-H(25×2 cm)、5μ;移動相:n-ヘキサン/エタノール40/60 v/v;流速:15 ml/分;UV:220 nm;試料調製:2 mlのエタノールに50 mgを溶解し、1 mlのn-ヘキサンを加える;試料濃度:16.7 mg/ml;注入体積:1000 μL。
キラル分析クロマトグラフィー条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpak AD-H(25×0.46 cm);移動相:n-ヘキサン/エタノール40:60 % v/v;流速:0.8 ml/分;DAD:210-340 nm。
この分取キラルクロマトグラフィーは下記を与えた。
・5,5-ジメチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンのエナンチオマー1であった実施例25(16.6 mg)。
・5,5-ジメチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンのエナンチオマー2であった実施例26(17.0 mg)。
(実施例27)
(5,5-ジメチル-3-{6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ラセミ混合物))
2-メチル-N1-{6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}アラニンアミド(中間体129、100 mg)の乾燥ジクロロメタン(10 ml)溶液に、TEA(0.177 ml、1.273 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。この時点で、トリホスゲン(37.8 mg、0.127 mmol)の乾燥ジクロロメタン(2.5 ml)溶液をゆっくりと(30分かけて)加え、該反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。次いで、該反応物を水でクエンチし、2相を分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Companion system、シクロヘキサン/酢酸エチル8:2からシクロヘキサン/酢酸エチル1:1への勾配による)により精製すると、標記化合物を白色の固体として与えた(40 mg、0.103 mmol)。
(実施例28及び実施例29)
(5,5-ジメチル-3-{6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(エナンチオマー1及びエナンチオマー2))
実施例27の両エナンチオマーを半分取キラルSFCクロマトグラフィーにより分離した。キラルSFC条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpak IC(25×2.1 cm);移動相:エタノール+0.1%I-プロピルアミン20%;流速:45 ml/分;圧力:120 バール;UV:220 nm。
30mgの実施例27に対する、この半分取キラルSFCクロマトグラフィーは下記を与えた。
・5,5-ジメチル-3-{6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンのエナンチオマー1であった実施例28(12mg)。
・及び5,5-ジメチル-3-{6-[(1a-メチル-1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオンのエナンチオマー2であった実施例29(14mg)。
(実施例30)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン)
N1-[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]-D-イソバリンアミド(中間体141、40 mg)の乾燥ジクロロメタン(8 mL)溶液に、TEA(0.076 mL、0.544 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(14.54 mg、0.049 mmol)の乾燥ジクロロメタン(4 ml)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。該反応物を水(10ml)でクエンチし、2相を分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液として7:3から3:7のシクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製した。これにより、標記化合物(25 mg)を白色の固体として与えた。
(実施例31)
(3-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
N1-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-2-メチルアラニンアミド(中間体143、18 mg、0.053 mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(3 mL)溶液に、TEA(0.037 ml、0.263 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(7.02 mg、0.024 mmol)の乾燥ジクロロメタン(1 mL)溶液をゆっくりと加え、温度が室温に達するようにしながら該反応混合物を2時間撹拌した。該反応物を水(3ml)でクエンチし、2相を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、カラムSNAP 10g及び溶離液として8:2から1:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(13 mg)を白色の固体として与えた。
(実施例32)
((5R)-3-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-5-(1-メチルエチル)-2,4-イミダゾリジンジオン)
N1-{2-[(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-D-バリンアミド(中間体145、38 mg、0.107 mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(5 mL)溶液に、TEA(0.074 mL、0.533 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(14.24 mg、0.048 mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(1 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。該反応物を水(3ml)でクエンチし、2相を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、カラムSNAP 25g及び溶離液として8:2から1:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(15 mg)を白色の固体として与えた。
(実施例33)
((5R)-3-{6-[(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5-エチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
((2R)-2-アミノ-N-{6-[(2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド)(中間体209、10 mg、0.029 mmol)を乾燥ジクロロメタン(1 ml)に溶解させた。該反応混合物を氷浴中で冷却した。トリエチルアミン(0.024 ml、0.176 mmol)を0℃で加えた。次いで、0.5 mlのトリホスゲンの乾燥ジクロロメタン溶液(4.78 mg、0.5 ml中に0.016 mmol)を滴加した。該反応混合物をアルゴン下0℃で20分間攪拌した。NaHCO
3の飽和水溶液を加えた(3 ml)。水層をジクロロメタンで4回抽出した(4×4 mL)。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。4gシリカカートリッジ及び溶離液として100:0から60:40のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Companion system)により残渣を精製すると、標記化合物(7mg)を与えた。
(実施例34)
(5,5-ジメチル-3-[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン)
2-メチル-N1-[6-(1H-スピロ[2-ベンゾピラン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-3-ピリジニル]アラニンアミド(34 mg、0.096 mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(5 mL)溶液に、TEA (0.067 mL、0.481 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(12.85 mg、0.043 mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(2 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。該反応物を水(5ml)でクエンチし、2相を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、カラムSNAP 10g及び溶離液としてジクロロメタン/メタノール99:1からジクロロメタン/メタノール95:5を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(35 mg)を白色の固体として与えた。
(実施例35)
((5R)-3-[2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ピリミジニル]-5-エチル-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
N1-[2-(2,3-ジヒドロスピロ[クロメン-4,1'-シクロプロパン]-5-イルオキシ)-5-ピリミジニル]-D-イソバリンアミド(中間体225、4 mg、10.86 μmol)の乾燥ジクロロメタン(1 mL)溶液に、TEA(3.78 μL、0.027 mmol)を加えた。該反応物を氷浴中で冷却し、次いで、トリホスゲン(1.450 mg、4.89 μmol)の乾燥ジクロロメタン(0.250 mL)溶液を1度加え、次いで10分の間隔をおいてさらに2回加えた。該反応物を0℃で40分間攪拌し、次いで、該反応物を氷浴中に保ちながら水(5 mL)でクエンチした。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させた。カラムisolute 2g及び溶離液としてシクロヘキサンからシクロヘキサン/酢酸エチル1:1を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(3 mg)を白色の固体として与えた。
(実施例36、実施例37、及び実施例38)
(5,5-ジメチル-3-{6-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ラセミ体混合物、エナンチオマー1、エナンチオマー2))
50 mL丸底フラスコの中で、2-アミノ-2-メチル-N-[6-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]プロパンアミド(中間体215、22.9 mg、0.064 mmol)をジクロロメタン(3 mL)に溶解させると、無色の溶液を与えた。TEA(0.051 mL、0.369 mmol)を加え、得られた混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(21.87 mg、0.074 mmol)を1mlのDCMに溶解させ、得られた溶液を該反応混合物に加えた。該反応混合物を0℃で15分間撹拌した。1mlのDCMに溶解させた追加のTEA(0.051 mL、0.369 mmol)及びトリホスゲン(21.87 mg、0.074 mmol)を0℃で該反応混合物に加え、該反応混合物を15分間攪拌した。該反応混合物を5 mLの重炭酸ナトリウムの飽和溶液でクエンチし、10 mLのDCMで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機相を真空中で蒸発させ、カラムSNAP 10g及び溶離液として2:1から1:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物実施例36(19.1 mg)を無色の油として与えた。
実施例36の両エナンチオマーを分取キラルクロマトグラフィーにより分離した。
キラル分取HPLC条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralcel OD-H(25×2 cm)、5μ;移動相:n-ヘキサン/2-プロパノール85:15 % v/v;流速:18 ml/分;UV:220 nm;試料調製:1.2 mlのエタノールに18 mgを溶解。試料濃度15 mg/ml;注入体積:600 μL。
この分取キラルクロマトグラフィーは下記を与えた。
実施例37:7.1 mgの白色固体(エナンチオマー1);Rt(キラル分取HPLC)=21.018分。
実施例38:6.9 mgの白色固体(エナンチオマー2);Rt(キラル分取HPLC)=25.752 分。
(実施例39、実施例40、及び実施例41)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-{6-[(3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体混合物、ジアステレオ異性体1、ジアステレオ異性体2))
25 mL丸底フラスコの中で、(2R)-2-アミノ-2-メチル-N-[6-(3-メチルクロマン-5-イル)オキシ-3-ピリジル]ブタンアミド(中間体147、33 mg、0.088 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解させると、無色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。TEA(0.061 mL、0.441 mmol)及びトリホスゲン(26.2 mg、0.088 mmol)を加え、該反応混合物を0℃で15分間攪拌した。該反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(5 mL)でクエンチし、10 mLのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機層を真空中で蒸発させ、カラムSNAP 10g及び溶離液として3:1から1:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物実施例39(26.8 mg)を薄黄色の油として与えた。
実施例39の両ジアステレオ異性体を半分取キラルSFCにより分離した。
半分取キラルSFC条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpack AD-H(25×3 cm)、5μm;モディファイア(メタノール+0.1%イソプロピルアミン)20%;流速50 ml/分;圧力120バール;温度38℃;UV検出220 nm;ループ750 μL;注入13 mg(メタノール中)。
この分取キラルクロマトグラフィーは下記を与えた。
実施例40:5.9mg(ジアステレオ異性体1);Rt(半分取キラルSFC)=13.48分。
実施例41:6.6 mg(ジアステレオ異性体1);Rt(半分取キラルSFC)=15.23分。
(実施例42、実施例43、及び実施例44)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-(1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)-3-ピリジニル]-2,4-イミダゾリジンジオン(ジアステレオ異性体混合物、ジアステレオ異性体1、ジアステレオ異性体2))
25 mL丸底フラスコの中で、(2R)-N-[6-(1,1a,2,7b-テトラヒドロシクロプロパ[c]クロメン-7-イルオキシ)-3-ピリジル]-2-アミノ-2-メチル-ブタンアミド(中間体228、33 mg、0.088 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解させると、無色の溶液を与えた。該反応混合物を0℃に冷却した。TEA(0.091 mL、0.66 mmol)及びトリホスゲン(39 mg、0.131 mmol)を加え、該反応混合物を0℃で15分間攪拌した。該反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(5 mL)でクエンチし、10 mLのジクロロメタンで希釈した。相分離カートリッジにより相を分離した。有機層を真空中で蒸発させ、カラムSNAP 10g及び溶離液として3:1から1:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物実施例42(42.6 mg)を薄黄色の油として与えた。
実施例42の両ジアステレオ異性体を分取キラルクロマトグラフィーにより分離した。
分取HPLCキラルクロマトグラフィー条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpack AD-H(25×3 cm)、5μm;移動相:n-ヘキサン/2-プロパノール90:10% v/v;流速:40 ml/分;UV:220 nm;試料調製:4 mlのエタノールに41 mgを溶解。試料濃度:10.3 mg/ml;注入体積:2000 μL。
この分取キラルクロマトグラフィーは下記を与えた。
実施例43:白色固体として14.1mg(ジアステレオ異性体1);Rt(キラル分取HPLC)=17.95分。
実施例44:白色固体として15 mg(ジアステレオ異性体2);Rt(キラル分取HPLC)=21.99分。
(実施例45、実施例46、及び実施例47)
(3-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン(ラセミ体混合物、エナンチオマー1、エナンチオマー2))
50 mL丸底フラスコの中で、N1-{6-[(3-エチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2-メチルアラニンアミド(中間体149、17.2 mg、0.050 mmol)をジクロロメタン(3 mL)に溶解させると薄黄色の溶液を与え、それを0℃に冷却した。TEA(0.035 mL、0.252 mmol)を加え、それに続いてトリホスゲン(6.43mg、0.023 mmol)のジクロロメタン(0.5 ml)溶液を滴加し、該反応混合物を0℃で20分間攪拌した。該反応混合物を真空中で蒸発させ、カラムSNAP 10g及び溶離液として2:1から1:2のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物実施例45(15.3 mg)を白色の固体として与えた。
実施例45の両エナンチオマーを分取キラルクロマトグラフィーにより分離した。
キラル分取HPLC条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpack AD-H(25×2 cm)、5μ;移動相:n-ヘキサン/2-プロパノール85:15 % v/v;流速:18 ml/分;UV:220 nm;試料調製:1.0 mlのエタノールに15 mgを溶解(完全な可溶化のために、試料には数滴のメタノールが必要である)。試料濃度15 mg/ml;注入体積:1000 μL。
この分取キラルクロマトグラフィーは下記を与えた。
実施例46:5.6 mg(エナンチオマー1);Rt(キラル分取HPLC)=9.877分。
実施例47:5.5 mg(エナンチオマー2);Rt(キラル分取HPLC)=13.203分。
(実施例48、実施例49、及び実施例50)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-[2-(4-メチルクロマン-5-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン(ジアステレオ異性体混合物、ジアステレオ異性体1、ジアステレオ異性体2))
N1-{2-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-5-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-Dイソバリンアミド(中間体219、78 mg、0.219 mmol)の乾燥ジクロロメタン(4 mL)溶液に、TEA(0.076 mL、0.547 mmol)を加えた。該混合物を0℃に冷却し、次いで、トリホスゲン(29.2 mg、0.098 mmol)の乾燥ジクロロメタン(1.0 mL)溶液を滴加した。該反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで氷浴中に保ち、水(10 mL)でクエンチした。有機層を集め、水相をDCMで抽出した(2×5 mL)。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させた。カラムSNAP 25g及び溶離液として8:2から1:1のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(66 mg)を白色の固体として与えた。
UPLC_IPQC: 0.99分、383 [M+H]+。
実施例48の両ジアステレオ異性体を半分取キラルSFCにより分離した。
半分取キラルSFC条件は以下のとおりであった。カラム:Chiralpack AD-H(25×0.46cm)、5μm;モディファイア(エタノール+0.1%イソプロピルアミン)20%;流速2.5 ml/分;圧力120バール;温度38℃;UV検出210-340 nm。
この分取キラルクロマトグラフィーは下記を与えた。
実施例49:白色固体として24 mg(ジアステレオ異性体1);Rt(キラル分取SFC)=7.583分。
実施例50:白色固体として25 mg(ジアステレオ異性体2);Rt(キラル分取SFC)=10.156分。
(実施例51)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン)
7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体156、18 mg、0.1 mmol)の乾燥DMF(1ml)溶液に、炭酸カリウム(27.6 mg、0.2 mmol)を加え、次いで(5R)-3-(2-クロロピリミジン-5-イル)-5-エチル-5-メチル-イミダゾリジン-2,4-ジオン(中間体165、20 mg、0.08 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で2時間攪拌した。冷却後、該反応混合物を水(1ml)でクエンチし、ブライン(5ml)で希釈し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル7:3からシクロヘキサン/酢酸エチル3:7を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(21mg)を白色の固体として与えた。
下記の化合物は、7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体152)を適切なフェノールに替えて、上記の方法を利用して製造した。最終生成物を、フラッシュ-クロマトグラフィー(シリカカートリッジ;シクロヘキサン/EtOAc、又は他の適切な溶媒系)により精製した。
(実施例58)
(5,5-ジメチル-3-[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン)
7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体156、18 mg、0.1 mmol)の乾燥DMF(1ml)溶液に、炭酸カリウム(27.6 mg、0.2 mmol)を加え、次いで3-(2-クロロピリミジン-5-イル)-5,5-ジメチル-イミダゾリジン-2,4-ジオン(中間体166、20 mg、0.083 mmol)を加え、該反応混合物を80℃で2時間攪拌した。冷却後、該反応混合物を水(1ml)でクエンチし、ブライン(5ml)で希釈し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル7:3からシクロヘキサン/酢酸エチル3:7を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(18mg)を薄茶色の固体として与えた。
下記の化合物は、7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-オール(中間体152)を適切なフェノールに替えて、上記の方法を利用して製造した。最終生成物を、フラッシュ-クロマトグラフィー(シリカカートリッジ;シクロヘキサン/EtOAc、又は他の適切な溶媒系)により精製した。
(実施例61)
((5R)-5-エチル-3-[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]イミダゾリジン-2,4-ジオン)
(2R)-2-アミノ-N-[2-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリミジン-5-イル]ブタンアミド(中間体164、24mg、0.068mmol)の乾燥DCM(3ml)溶液に、TEA(0.028ml、0.2mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(15mg、0.05mmol)の乾燥DCM(1.5ml)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。該反応物を水(10ml)でクエンチし、2相を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル75:25からシクロヘキサン/酢酸エチル25:75を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(11mg)を白色の固体として与えた。
(実施例62)
((5R)-5-エチル-3-[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]イミダゾリジン-2,4-ジオン)
(2R)-2-アミノ-N-[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]ブタンアミド(中間体160、40mg、0.11mmol)の乾燥DCM(5ml)溶液に、TEA(0.042ml、0.3mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(23.7mg、0.08mmol)の乾燥DCM(3ml)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。該反応物を水(10ml)でクエンチし、2相を分離した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル75:25からシクロヘキサン/酢酸エチル25:75を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(22mg)を白色の固体として与えた。
(実施例63)
((5R)-5-エチル-3-{6-[(3,3,7-トリエチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン)
(2R)-2-アミノ-N-{6-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド(中間体188、300 mg、0.84 mmol)を酢酸エチル(6 mL)に溶解させた。トリエチルアミン(0.47 ml、3.36 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(100mg、0.34 mmol)の酢酸エチル(6 mL)溶液をゆっくりと加えた。添加の最後に、該混合物をNaHCO
3の飽和水溶液で処理し、2相を分離した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固させると、蝋状の固体を得た。溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル70:30からシクロヘキサン/酢酸エチル50:50を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(166mg)を白色の泡として与えた。
(実施例64)
((5R)-5-エチル-3-{2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}-2,4-イミダゾリジンジオン)
1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({2-[(3,3,7-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-5-ピリミジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(中間体191、213 mg、0.47 mmol)を、イソプロパノール中5〜6NのHCl(1 mL)に溶解させ、生じた溶液を35℃で30分間加熱した。次いで、該反応混合物を真空下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(50 mL)及びK
2CO
3の5%水溶液(30 mL)で希釈した。2相を分離し、有機層を塩化アンモニウムの飽和水溶液(30 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。生じた粗製物を酢酸エチル(10 mL)に溶解させ、トリエチルアミンを加えた(0.23 mL、1.64 mmol)。該反応混合物を0〜5℃に冷却し、トリホスゲン(55 mg、0.185 mmol)の酢酸エチル(5 mL)溶液を10分で滴加した。該反応物を水(50 mL)でクエンチし、酢酸エチル(50 mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル50:50を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(161mg)を白色の固体として与えた。
(実施例65)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]イミダゾリジン-2,4-ジオン)
0℃のトリホスゲン(30 mg、0.1mmol)の乾燥DCM(1ml)溶液に、窒素雰囲気下で、DIPEA(0.175 ml、1.0 mmol)を加え、それに続いて6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリジン-3-アミン(中間体158、27 mg、0.1 mmol)の乾燥DCM(2ml)溶液を加え(ゆっくりと加え)、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。その後、メチル(R)-2-アミノ-2-メチル-ブチラート塩酸塩(33mg、0.2mmol)の乾燥DCM(2ml)溶液を加え、該反応混合物を0℃で30分間攪拌した。該反応物をHClの1M水溶液(5ml)でクエンチし、DCM(10ml)で希釈し、2相を分離した。有機層をブライン(10 ml)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、尿素中間体を黄色の泡として与えた。
該尿素をMeOH(5ml)に溶解させ、NaOMe(10mg)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和水溶液(20ml)でクエンチし、酢酸エチル(40ml)で希釈した。2相を分離し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル75:25からシクロヘキサン/酢酸エチル25:75を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(29mg)を白色の固体として与えた。
下記の化合物は、6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4イル)オキシピリジン-3-アミン(中間体154)を適切なアニリンに替えて、上記の方法を利用して製造した。最終生成物を、フラッシュ-クロマトグラフィー(シリカカートリッジ;シクロヘキサン/EtOAc、又は他の適切な溶媒系)により精製した。
(実施例68)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-[6-[(2,4,4-トリメチル-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ]-3-ピリジル]イミダゾリジン-2,4-ジオン)
0℃の(2R)-2-アミノ-2-メチル-N-[6-[(2,4,4-トリメチル-3,1-ベンゾオキサジン-5-イル)オキシ]-3-ピリジル]ブタンアミド(中間体205、143 mg、0.37 mmol)及びTEA(0.21 mL)の酢酸エチル(2.5 mL)の溶液に、酢酸エチル(2.5 mL)に溶解させたトリホスゲン(44 mg、0.15 mmol)を10分で滴加した。該反応混合物を0℃で40分間撹拌した。該反応混合物を水(5 mL)及び酢酸エチル(10 mL)で希釈した。相を分離し、水相を酢酸エチル(2×10 mL)で逆抽出した。合わせた有機層をブライン(15 mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、溶離液として酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(115mg)を白色の固体として与えた。
(実施例69)
((5R)-3-{6-[(3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-イル)オキシ]-3-ピリジニル}-5-エチル-5-メチル-2,4-イミダゾリジンジオン)
3,3-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-4-オール(中間体193、68 mg、0.4 mmol)及び(5R)-3-(6-クロロピリジン-3-イル)-5-エチル-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(中間体194、126 mg、0.48 mmol)をDMF(1.0 mL)に溶解させ、K
2CO
3(143 mg、1.03 mmol)を加えた。生じた懸濁液を、マイクロ波照射下で40分間130℃に加熱した。該反応混合物を水(25 mL)及び酢酸エチル(25 mL)で希釈し、次いで2相を分離した。有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル50:50を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(70mg)を白色の固体として与えた。
(実施例70)
(5,5-ジメチル-3-[6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシ-3-ピリジル]イミダゾリジン-2,4-ジオン)
0℃のトリホスゲン(30 mg、0.1mmol)の乾燥DCM(1ml)溶液に、窒素雰囲気下で、DIPEA(0.175 ml、1.0 mmol)を加え、それに続いて6-(7-メチルスピロ[2H-ベンゾフラン-3,1'-シクロプロパン]-4-イル)オキシピリジン-3-アミン(中間体158、27 mg、0.1 mmol)の乾燥DCM(2ml)溶液を加え(ゆっくりと加え)、該反応混合物を同じ温度で15分間攪拌した。その後、メチル2-アミノ-2-メチルプロパノアート塩酸塩(30mg、0.2mmol)の乾燥DCM(2ml)溶液を加え、該反応混合物を0℃で30分間攪拌した。該反応物をHClの1M水溶液(5ml)でクエンチし、DCM(10ml)で希釈し、2相を分離した。有機層をブライン(10 ml)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、尿素中間体を黄色の泡として与えた。
該尿素をMeOH(5ml)に溶解させ、NaOMe(10mg、0.19 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。該反応物を塩化アンモニウム飽和水溶液(20ml)でクエンチし、酢酸エチル(40ml)で希釈した。2相を分離し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、10g SNAPカラム及び溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エチル75:25からシクロヘキサン/酢酸エチル25:75を使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により残渣を精製すると、標記化合物(23mg)を白色の固体として与えた。
下記の参考中間体及び実施例は、アッセイに使用される化合物の製造を説明する。
(参考中間体R1)
(4-メチル-3-(メチルオキシ)アニリン)
1-メチル-2-(メチルオキシ)-4-ニトロベンゼン(2.5 g、14.96 mmol)のメタノール(50 mL)溶液に、ラネーニッケル(約2 g)を加え、該反応混合物を、H
2雰囲気下(1気圧)室温で一晩撹拌した。触媒を濾去し、残渣をSCXカートリッジ(50 g)により精製すると、標記化合物(1.86 g)を無色の油として与えた。
(参考中間体R2)
(4-メチル-3-(メチルオキシ)フェノール)
0℃の4-メチル-3-(メチルオキシ)アニリン(参考中間体R1、1.86 g)の水(100 mL)/H
2SO
4(30 mL、563 mmol)中の懸濁液に、亜硝酸ナトリウム(1.029 g、14.91 mmol)の水(10 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を0℃で30分間攪拌した。該反応混合物を、H
2SO
4 98%(20 mL)の90℃に予備加熱した水(80 mL)溶液にゆっくりと加え、この温度で1時間撹拌した。冷却後、該混合物をEt
2O(2×200mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物(1.86 g)を赤/茶色の油として与えた。
(参考中間体R3)
(2-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-5-ニトロピリジン)
4-メチル-3-(メチルオキシ)フェノール(参考中間体R2、400 mg)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(15 mL)溶液に、炭酸カリウム(1200 mg、8.69 mmol)を加え、次いで2-クロロ-5-ニトロピリジン(551 mg、3.47 mmol)を加え、該反応混合物を115℃で2時間撹拌した。該反応物を水(10 mL)でクエンチし、ブライン(20 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3回、30 mL)。有機層を氷冷ブライン(2回、30ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を、10/0から8/2の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルによるシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage system、100 g SNAPカラム)により精製した。蒸発により、標記化合物を薄黄色の油として与えた(570 mg)。
(参考中間体R4)
(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジンアミン)
2-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-5-ニトロピリジン(参考中間体R3、568 mg)のテトラヒドロフラン(25 mL)/水(12.50 mL)中の溶液に、鉄(609 mg、10.91 mmol)を加え、次いで塩化アンモニウム(584 mg、10.91 mmol)を加え、該反応混合物を室温で8時間撹拌した。触媒を濾去し、該溶液をNa
2CO
3飽和水溶液(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2回、40ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、8/2から1/1の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として使用するシリカゲルクロマトグラフィー(50g SNAPカラムによるBiotage system)により残渣を精製した。蒸発により、標記化合物を薄黄色の油として与えた(465 mg)。
(参考中間体R5)
(1,1-ジメチルエチル((1R)-1-{[(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)アミノ]カルボニル}プロピル)カルバマート)
(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(106 mg、0.521 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)溶液に、DIPEA(0.152 mL、0.869 mmol)を加え、次いでTBTU(181 mg、0.565 mmol)を加え、該反応混合物を室温で15分間攪拌した。次いで、6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジンアミン(参考中間体R4、100 mg)を加え、該反応混合物を同じ温度で一晩撹拌した。該反応物を水(1mL)でクエンチし、ブライン(1mL)で希釈し、酢酸エチル(3回、5ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、100/0から70/30の勾配シクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として使用するシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage system、10g SNAPカラム)により残渣を精製すると、標記化合物を白色の固体として与えた(180mg)。
(参考中間体R6)
((2R)-2-アミノ-N-(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)ブタンアミド)
1,1-ジメチルエチル((1R)-1-{[(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)アミノ]カルボニル}プロピル)カルバマート(参考中間体R5、175 mg)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(6 mL)溶液に、TFA(2 mL、26.0 mmol)をゆっくりと加え、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒及び過剰のTFAを蒸発させ、残渣をSCXカートリッジ(5 g)により精製すると、標記化合物を無色の固体として与えた(122 mg)。
(参考中間体R7)
(1,1-ジメチルエチル((1R)-1-メチル-1-{[(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)アミノ]カルボニル}プロピル)カルバマート)
N-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-D-イソバリン(94 mg、0.434 mmol)の乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)溶液に、DIPEA(0.114 mL、0.651 mmol)及びHATU(165 mg、0.434 mmol)を加えた。該反応物を室温で15分間攪拌した。次いで、6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジンアミン(参考中間体R4、50 mg)を加えた。室温で1時間撹拌した後、該混合物を50℃で加熱し、その温度で4時間撹拌し、次いでそれを室温に冷却し、その温度で一晩撹拌した。該混合物をブライン(2 mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×2 mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。10g SNAPカラム及び溶離液として100/0から60/40のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、残渣を精製すると、標記化合物を白色固体(65 mg)として与えた。
(参考中間体R8)
(N
1-(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)-D-イソバリンアミド)
0℃に冷却した1,1-ジメチルエチル((1R)-1-メチル-1-{[(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)アミノ]カルボニル}プロピル)カルバマート(参考中間体R7、65 mg)の乾燥ジクロロメタン(3 mL)溶液に、TFA(0.700 mL、9.08 mmol)を滴加した。該反応物をその温度で2時間攪拌した。該反応物を、0℃で加えたNaHCO
3の飽和水溶液(20 mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×7 mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、標記化合物を白色の固体として与えた(44 mg)。
(参考中間体R9)
(3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)
2-(1,1-ジメチルエチル)フェノール(10 g、66.67 mmol)を40 mLのMeOHに溶解させ、40 mLの水に溶解させたNaOH(40 g、1 mol)を滴加した。次いで、40 mLのCHCl
3を60℃で(1時間の間に)加えた。該反応混合物をその温度で3時間撹拌した。室温に冷却した後、該混合物を0℃に冷却し、溶液がpH5〜6に達するまで4M HClを加えた。該混合物をDCMで抽出し(3回)、集めた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製物をシリカゲルカラムに入れ、シクロヘキサン/EtOAc(100:0から80:20のシクロヘキサン/EtOAc、次いで80:20で一定)により溶離すると、766 mgの標記化合物を与えた。
(参考中間体R10)
(3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゾニトリル)
3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(参考中間体R9、550 mg)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(322 mg、4.63 mmol)を、還流状態の8.0 mLの酢酸中で1時間撹拌した。0℃に冷却した後、該混合物をEt
2Oに注ぎ、水で1度、NaOH(5%水溶液)で1度洗浄した。集めた水相をEt
2Oで抽出し(2回)、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、ペンタンでトリチュレートすると、540 mgの標記化合物を与えた。
(参考中間体R11)
(4-ヒドロキシ-2-ヨードベンゾニトリル)
2-フルオロ-4-ヨードベンゾニトリル(5.0 g、20.24 mmol)の乾燥アセトニトリル(100 mL)溶液に、カリウムトリメチルシラノラート(1.18 g)を加え、該反応混合物を50℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(100 mL)に溶解させ、pH 3緩衝剤水溶液をpH約5まで加えた。2相を分離し、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させると、標記化合物(4.90 g)を茶色の固体として与えた。
(参考中間体R12)
(4-ヒドロキシ-2-[(トリフルオロメチル)オキシ]ベンゾニトリル)
並行して2つの反応(A及びB)を実施し、次いで2つの反応混合物を合わせて後処理及び精製を実施した。
反応A:4-メトキシ-2-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(50 mg、0.23 mmol)の1,2-ジクロロエタン(1 mL)溶液に、1M BBr
3のDCM溶液(0.69 mL、0.69 mmol)を滴加した。生じた反応混合物を、各回さらに1M BBr
3のDCM溶液(1 mL)を加えながら、5回のマイクロ波照射下で撹拌した(設定パラメーター:T=100℃、t=1時間)。使用した1M BBr
3のDCM溶液の総量は4.69 mLであった。
反応B:バイアル中に、4-メトキシ-2-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(750 mg、3.45 mmol)、1,2-ジクロロエタン(5 mL)を加え、次いで1M BBr3のDCM溶液(10.36 mL、10.36 mmol)を滴加した。生じた反応混合物を、マイクロ波照射下で1時間撹拌した(設定T=100℃)。該反応混合物に、さらに1M BBr3のDCM溶液(1 mL)を加え、生じた反応混合物を、各回さらに1M BBr3のDCM溶液(0.8 mL)を加えながらさらに3回マイクロ波照射下で撹拌した(設定パラメーター:T=100℃、t=1.5時間)。使用した1M BBr3のDCM溶液の総量は13.76 mLであった。
2つの反応混合物A及びBを、NaHCO
3飽和水溶液に滴加し、固体のNaHCO
3の添加によりpHを7に調整した。2相を分離し、水相をDCM(1×)及びEtOAC(2×)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ、蒸発乾固させると、標記化合物を未反応の出発物質と混合して黒色の油として与えた(1.48 g)。この混合物を、さらに精製することなく次の工程に使用した。
(参考中間体R13)
(4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル)
2-クロロ-5-ニトロピリジン(70 mg、0.44 mmol)、4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(91 mg、0.49 mmol)、K
2CO
3(92 mg、0.66 mmol)のDMF(2 mL)中の混合物を50℃で一晩撹拌した。水(4 mL)を加えると沈殿物が形成した。固体を濾去して、MeOHでトリチュレートすると、標記化合物(85 mg)を茶色がかった固体として与えた。
下記の化合物は、2-クロロ-5-ニトロピリジン、2-クロロ-5-ニトロピリミジン、1-フルオロ-4-ニトロベンゼンなどの適切なハロニトロアリールを、適切に置換されたフェノールと、好適な温度で、任意にマイクロ波照射下で反応させて、上記の方法を利用して製造した。いくつかの最終生成物を、フラッシュ-クロマトグラフィー(シリカ;シクロヘキサン/EtOAc、又は他の適切な溶媒系)により精製した。
(参考中間体R18)
(2-シクロプロピル-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンゾニトリル)
有機金属溶液の製造:0.5M ZnCl
2のTHF(9 mL)溶液に、0.5MシクロプロピルマグネシウムブロミドのTHF(9 mL)溶液をゆっくりと室温で加え、該反応混合物を室温で20分間攪拌した。
2-ヨード-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンゾニトリル(参考中間体R16、550 mg)及びPd(tBu
3P)
2(76 mg、0.15 mmol)の60℃に温めた溶液に、6 mLの事前に形成した有機金属溶液を加え、該反応混合物を60℃で1時間撹拌した。さらに6 mLの有機金属溶液を加え、該反応混合物を60℃でさらに1時間撹拌した。さらに6 mLの有機金属溶液を加え、該反応混合物を60℃でさらに1時間撹拌した。冷却後、該反応物を水(1 mL)でクエンチし、塩化アンモニウムの飽和水溶液(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層をブライン(2×20 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、100:0から80:20のn-ヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲル(SNAP 50g)のフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(400 mg)を白色の固体として与えた。
下記の化合物を、シクロプロピルマグネシウムブロミドを適切なグリニャール試薬に替えて有機亜鉛試薬を形成して、上記の方法を利用して製造した。
(参考中間体R20)
(3-シクロプロピル-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンゾニトリル)
バイアル中で、3-ブロモ-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンゾニトリル(参考中間体R14、800 mg)を、16.0 mLのトルエンに溶解させた。シクロプロピルボロン酸(1073.8 mg、12.5 mmol)を加え、それに続いてPd(OAc)
2(56.1 mg、0.25 mmol)及び(Cy)
3P(70.0 mg 0.25 mmol)を加えた。次いで、K
3PO
4(1855.0 mg、8.75 mmol)の水(8.0 mLの水)溶液を加えた。該反応混合物を80℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、該混合物をブラインとEtOAcとの間で分配し、分離した水相をEtOAcで抽出した(3回)。集めた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた粗製物をシリカゲルカラムに入れ、シクロヘキサン/EtOAc(100:0から80:20のシクロヘキサン/EtOAc)により溶離すると、634 mgの標記化合物を与えた。
(参考中間体R21)
(2-(1-メチルエテニル)-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンゾニトリル)
2-ヨード-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンゾニトリル(参考中間体R16、5.0 g)のDMF(50 mL)溶液に、K
3PO
4(5.77 g、27.24 mmol)、Pd(tBu
3)
2(696 mg、1.36 mmol)、及び4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-メチルエテニル)-1,3,2-ジオキサボロラン(3.84 mL、20.43 mmol)を加え、該反応混合物を110℃で4時間撹拌した。冷却後、該反応物を水(100 mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機層を氷冷ブライン(3×50 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、100:0から80:20のシクロヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲル(SNAP 100g)のフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(1.8 g)を白色の固体として与えた。
(参考中間体R22)
(2-[(1-メチルエチル)オキシ]-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンゾニトリル)
バイアル中で、2,4-ジヒドロキシベンゾニトリル(300 mg、2.2 mmol)、2-クロロ-5-ニトロピリジン(351.96 mg、2.22 mmol)、及びK
2CO
3(920 mg、6.62 mmol)をDMF(5 mL)に溶解させた。該反応物を、マイクロ波照射下で、1時間加熱した(設定温度:110℃)。該反応混合物をEt
2O及び水で希釈し、1N HCl水溶液でpH 2まで酸性化し、相を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させた。該固体を濾過し、溶媒を除去すると、粗製2-ヒドロキシ-4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]ベンゾニトリル(664 mg)を茶色の固体として与えた。この粗製物の乾燥DMF(5 mL)溶液に、炭酸カリウム(460 mg、3.33 mmol)及びイソプロピルブロミド(313 μL、3.33 mmol)を加え、該反応混合物を50℃3fで一晩撹拌した。該反応物をブライン(10 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、100:0から75:25のシクロヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲル(SNAP 25g)のフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(260 mg)を白色の固体として与えた。
(参考中間体R23)
(4-[(5-アミノ-2-ピリジニル)オキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル)
4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(参考中間体R13、83 mg)のTHF(3 mL)/水(1.5 mL)中の溶液に、室温で、鉄(75 mg、1.34 mmol)及びNH
4Cl(72 mg、1.34 mmol)を加え、生じた反応混合物を一晩撹拌した。該混合物をセライトの小さなパッドに通して濾過し、EtOAc及び水で洗浄した。濾過した混合物に、NaHCO
3飽和水溶液を加え、2相を分離した。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、蒸発乾固させた。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(Companion system、2×12g Siカートリッジ、100:0から70:30のシクロヘキサン/EtOAc)により精製すると、標記化合物(72 mg)を与えた。
下記の化合物は、4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)オキシ]-3-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(参考中間体R13)を適切なニトロ誘導体に替えて、上記の方法を利用して製造した。いくつかの最終生成物を、フラッシュ-クロマトグラフィー(シリカ又はNHカートリッジ;シクロヘキサン/EtOAc、又は他の適切な溶媒系)により精製した。いくつかの場合において、SCXによる精製(MeOH、次いで2MアンモニアのMeOH溶液)を、通常のフラッシュ-クロマトグラフィーの前に実施した。
(参考中間体R30)
(1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(4-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート)
(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(121.4 mg、0.60 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)に溶解させた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.126 mL、0.72 mmol)及びO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(227.2 mg、0.60 mmol)を加えた。該反応混合物を室温で30分間撹拌した。4-[(5-アミノ-2-ピリジニル)オキシ]-3-シクロプロピルベンゾニトリル(参考中間体R24、100 mg)を1.0 mLのDMFに溶解させ、得られた溶液を該反応混合物に加えた。該反応混合物を60℃で2時間撹拌及び加熱した。室温に冷却後、該反応混合物を真空下で蒸発させ、得られた粗製物をシリカゲルカラムに入れ、シクロヘキサン/EtOAc(100:0から50:50のシクロヘキサン/EtOAc、次いで50:50で一定)により溶離すると、133 mgの標記化合物を与えた。
下記の化合物は、(2R)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸を適切なアミノ酸に替え、かつ4-[(5-アミノ-2-ピリジニル)オキシ]-3-シクロプロピルベンゾニトリル(中間体165)を適切なアニリンに替えて、上記の方法を利用して製造した。該反応を、室温から高温の範囲の好適な温度で実施した。最終生成物を、フラッシュ-クロマトグラフィー(シリカ;シクロヘキサン/EtOAc、又は他の適切な溶媒系)により精製した。
(参考中間体R36)
(1,1-ジメチルエチル((1R)-1-{[(6-{[4-シアノ-3-(1-メチルエチル)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)アミノ]カルボニル}プロピル)カルバマート)
1,1-ジメチルエチル((1R)-1-{[(6-{[4-シアノ-3-(1-メチルエテニル)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)アミノ]カルボニル}プロピル)カルバマート(参考中間体R32、73 mg)のMeOH(10 mL)溶液に、活性炭上のPd 10% w/w(14 mg)を加え、該反応混合物をH
2雰囲気下(P=1気圧)で30分間撹拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下で除去した。75:25から40:60のシクロヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲル(SNAP 10g)のフラッシュクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(62 mg)を白色の固体として与えた。
(参考中間体R37)
((2R)-2-アミノ-N-{6-[(4-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキシ]-3-ピリジニル}ブタンアミド)
1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(4-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(参考中間体R30、133 mg)をDCM(6 mL)に溶解させ、0℃でTFA(3.0 mL)をゆっくりと加えた。該反応混合物をその温度で2時間撹拌した。揮発物の除去後、得られた粗製物をSCXカートリッジに入れ、MeOH、次いで2M NH
3のMeOH溶液により溶離すると、102 mgの標記化合物を与えた。
下記の化合物は、1,1-ジメチルエチル{(1R)-1-[({6-[(4-シアノ-2-シクロプロピルフェニル)オキシ]-3-ピリジニル}アミノ)カルボニル]プロピル}カルバマート(参考中間体R30)を適切なN-BOC保護アミンに替えて、上記の方法を利用して製造した。最終生成物をSCX(MeOH、次いで2M アンモニアのMeOH溶液)により精製し、アンモニアにより溶離した生成物を含むフラクションを濃縮すると、遊離塩基を与えた。或いは、揮発物を除去した後に、適切な有機溶媒により吸収された粗製物に、NaHCO
3飽和水溶液を加え、2相を分離し、有機層を乾燥させ、濾過し、蒸発させると、最終化合物を遊離塩基として与えた。
(参考実施例RE1)
((5R)-5-エチル-3-(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)-2,4-イミダゾリジンジオン)
(方法A)
(2R)-2-アミノ-N-(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)ブタンアミド(参考中間体R6、120 mg)の乾燥ジクロロメタン(8 mL)溶液に、TEA(0.265 mL、1.903 mmol)を加え、該反応混合物を0℃に冷却した。トリホスゲン(50.8 mg、0.171 mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(2 mL)溶液をゆっくりと加え、該反応混合物を同じ温度で30分間攪拌した。該反応物を水(2mL)でクエンチし、2相を分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、溶離液としての勾配シクロヘキサン/酢酸エチル80/20からシクロヘキサン/酢酸エチル50/50によるシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage system、10g SNAPカラム)により残渣を精製すると、標記化合物を白色の固体として与えた(108 mg)。
(参考RE2)
((5R)-5-エチル-5-メチル-3-(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)-2,4-イミダゾリジンジオン)
N1-(6-{[4-メチル-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-3-ピリジニル)-D-イソバリンアミド(参考中間体R8 42 mg)の乾燥ジクロロメタン(6 mL)溶液に、TEA(0.089 mL、0.638 mmol)を加えた。該混合物を0℃に冷却し、トリホスゲン(17.03 mg、0.057 mmol)の乾燥ジクロロメタン(1.500 mL)溶液を滴加した。該混合物をその温度で1時間撹拌し、次いで、トリホスゲン(17.03 mg、0.057 mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)(1.500 mL)溶液を再び滴加した。該反応物を30分間撹拌し、次いで氷浴中に保ち、水(10 mL)でクエンチした。該混合物を放置して室温に達するようにし、次いでジクロロメタン(3×7 mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。10g SNAPカラム及び溶離液として80/20から50/50のシクロヘキサン/酢酸エチルを使用するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により、得られた残渣を精製した。これにより、標記化合物を白色の固体として与えた(24 mg)。
(参考実施例RE3からRE8の方法)
(4-{[4-(4,4-ジメチル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニル)フェニル]オキシ}-2-(メチルオキシ)ベンゾニトリル)
N
1-(4-{[4-シアノ-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}フェニル)-2-メチルアラニンアミド(77.0 mg)をDCM(10 mL)に溶解させた。トリエチルアミン(0.218 mL、1.57 mmol)を加え、得られた混合物を0℃に冷却した。炭酸ビス(トリクロロメチル)(68.1 mg、0.22 mmol)を5mLのDCMに溶解させ、得られた溶液を該反応混合物に滴加した。該反応混合物を0℃で撹拌した。15分後、該反応混合物を真空中で蒸発させると粗生成物を得たが、それをシリカゲルクロマトグラフィー(10 CVで100:0から50:50のシクロヘキサン/EtOAc;次いで10 CVの間50:50のシクロヘキサン/EtOAc)により精製すると、65.1 mgの標記化合物を白色固体として得た。
下記の化合物は、N
1-(4-{[4-シアノ-3-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}フェニル)-2-メチルアラニンアミドを適切なアミンに替えて、上記の方法を利用して製造した。最終生成物を、フラッシュ-クロマトグラフィー(シリカカートリッジ;シクロヘキサン/EtOAc、又は他の適切な溶媒系)により精製した。
(生物学的実施例1)
本発明の化合物の電位開口型カリウムチャネルサブタイプKv3.2/3.1を調節する能力を、以下のアッセイを利用して決定できる。
(細胞生物学)
ヒトKv3.2チャネル(hKv3.2)に対する化合物の効果を評価するために、hKv3.2を発現している安定な細胞系を、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)-K1細胞をpCIH5-hKv3.2ベクターにより形質移入して作成した。細胞は、10%ウシ胎児血清、1×非必須アミノ酸(Invitrogen社製)、及び500μg/mlのハイグロマイシン-B(Invitrogen社製)を補ったDMEM/F12培地に培養した。空気中5%のCO2を含む加湿環境中37℃で、細胞を増殖及び維持した。
ヒトKv3.1チャネル(hKv3.1)に対する化合物の影響を評価するために、CHO/Gam/E1A-クローン22別名CGE22細胞を、hKv3.1 BacMam試薬を使用して形質導入した。この細胞系は、野生型CHO-K1に比べてリコンビナントタンパク質発現を増大させるために改善されたCHO-K1-系宿主であるように設計された。該細胞系を、アデノウイルス-Gam1タンパク質を発現するBacMamウイルスによるCHO-K1細胞の形質導入及びジェネティシン-G418による選択の後に生成させ、安定な細胞系、CHO/Gam-A3が生じた。CHO/Gam-A3細胞を、pCDNA3-E1A-Hygroにより形質移入し、それに続いてハイグロマイシン-B選択、及びFACSソーティングして、単細胞クローンを得た。次いで、BacMam-Luciferase及びBacMam-GFPウイルスを一過性形質導入試験に使用して、最高のBacMam形質導入及びリコンビナントタンパク質発現に基づいてクローンを選択した。300μg/mlのハイグロマイシン-B及び300μg/mlのG418を添加した、hKv3.2 CHO-K1安定細胞系に使用したのと同じ培地に、CGE22細胞を培養した。他の条件は全てhKv3.2 CHO-K1細胞のものと同じであった。実験の前日、1,000万のCGE22細胞をT175培養フラスコに蒔き、hKv3.1 BacMam試薬(pFBM/ヒトKv3.1)を加えた(MOI50)。形質導入された細胞を24時間後に使用した。
(IonWorks Quattro(商標)実験のための細胞調製)
実験の日に、細胞をインキュベーターから除き、培地を除いた。細胞を、カルシウム及びマグネシウムを含まない5 mlのDulbeccoのPBS(DPBS)により洗浄して、3 mlのVersene(Invitrogen社製、イタリア)の添加により脱着し、それに続いて37℃で5分間短時間のインキュベートをした。フラスコを軽くたたいて細胞を除去し、カルシウム及びマグネシウムを含む10 mlのDPBSを加えて、細胞懸濁液を調製した。次いで、細胞懸濁液を15 mlの遠心分離管に入れ、1200 rpmで2分間遠心分離した。遠心分離の後、上清を除き、細胞のペレットを5mlのピペットを使用してカルシウム及びマグネシウムを含む4 mlのDPBSに再懸濁させ、ペレットを粉砕した。次いで、細胞懸濁液体積を補正して、アッセイのためにmlあたりおよそ300万の細胞の細胞濃度を与えた。
細胞に加えた溶液は全て、事前に37℃に温めた。
(電気生理学)
実験は、室温で、PatchPlate(商標)PPCを用いたIonWorks Quattro(商標)平面アレイ電気生理学技術(Molecular Devices Corp.社製)を使用して実施した。刺激プロトコル及びデータ取得は、マイクロコンピューター(Dell Pentium 4)を使用して実施した。平面電極ホール抵抗(planar electrode hole resistances)(Rp)は、各ウエルの間に10mVの電圧ステップを印加して決定した。これらの測定は、細胞添加前に実施した。細胞添加及びシール形成の後、-80 mVから-70 mVの電圧ステップを160 ms印加することにより、シール試験を実施した。この後、アムホテリシン-B溶液を、電極の細胞内面に加えて、細胞内へのアクセスを得た。細胞を-70mVに維持した。50 msの過分極(10 mV)プレパルスを印加してリーク電流を誘発し、それに続いて試験パルスの前に保持電位での20 msの期間をおくことにより、リーク減算を全ての実験において実施した。-70 mVの保持電位から、-15 mVへの第1の試験パルスを100 ms印加し、さらに-70 mVでさらに100 msの後、40 mVへの第2のパルスを50 ms印加した。次いで、細胞を-100 mVでさらに100 ms維持し、次いで、-100 mVから40 mVへの電圧ランプを200 msにわたり印加した。全実験において、試験パルスプロコトルは、被験化合物の非存在下(先読み)及び存在下(後読み)で実施した。先読みと後読みとは、化合物の添加とそれに続く3分のインキュベーションにより分けた。
(溶液及び薬物)
細胞内液は下記を含んでいた(mM):グルコン酸カリウム100、KCl 54、MgCl2 3.2、HEPES 5、KOHによりpH 7.3に調整。アムホテリシン-B溶液を、50 mg/mlのDMSO中のストック溶液として調製し、細胞内液で0.1 mg/mlの最終使用濃度に希釈した。外液は、Dulbeccoのリン酸緩衝食塩水(DPBS)であり、下記を含んでいた(mM):CaCl2 0.90、KCl 2.67、KH2PO4 1.47、MgCl.6H2O 0.493、NaCl 136.9、Na3PO4 8.06、pHは7.4。
本発明の化合物(又はN-シクロヘキシル-N-[(7,8-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-キノリニル)メチル]-N'-フェニルウレアなどの参考化合物)を、10 mMのストック濃度でジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた。これらの溶液を、Biomek FX (Beckman Coulter社製)を使用し384化合物プレート中でさらにDMSOで希釈した。各希釈液(1 μL)を他の化合物プレートに移し、0.05%プルロン酸(66 μL)を含む外液を加えた。本発明の化合物を含む各プレートからの3.5 μLを加え、IonWorks Quattro(商標)実験の間、細胞と共にインキュベートした。最終アッセイ希釈は200であり、最終化合物濃度は50μM〜50 nMの範囲であった。
(データ分析)
記録を、化合物の非存在下でのシール抵抗(>20MΩ)とピーク電流振幅(>500pA、40 mVの電圧ステップで)の両方を使用して分析及びフィルター処理し、不適切な細胞をさらなる分析から除いた。Kv3チャネルにより媒介される外向き電流を、-15mV電圧パルスの最後の10msにわたる電流の平均強度から、-15mVステップの直前の10ms期間にわたる-70mVでの平均ベースライン電流を引いて決定して測定した。次いで、被験化合物を加えた後のこのKv3チャネル電流を、化合物を加える前に記録した電流と比較した。データは、参考化合物(50マイクロMのN-シクロヘキシル-N-[(7,8-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-キノリニル)メチル]-N'-フェニルウレア)の最大効果及びビヒクル対照(0.5% DMSO)の効果に対して標準化した。標準化したデータを、ActivityBase又はExcelソフトウェアを使って分析した。参考化合物により生み出される最大増加の50%電流を増やすのに要する化合物の濃度(pEC50)は、4パラメータロジスティック関数を利用して濃度-反応データのフィッティングにより決定した。
N-シクロヘキシル-N-[(7,8-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-キノリニル)メチル]-N'-フェニルウレアは、ASINEX社から入手した(登録番号:552311-06-5)。
実施例の化合物の全てを上記のアッセイで試験すると、50マイクロMのN-シクロヘキシル-N-[(7,8-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3-キノリニル)メチル]-N'-フェニルウレアで見られるものの平均で少なくとも20%のKv3.1若しくはKv3.2又はKv3.1及びKv3.2(本明細書において以下「Kv3.1及び/又はKv3.2」と称す)全細胞電流の増強を示した。そのため、生物学的実施例1のリコンビナント細胞アッセイにおいて、全実施例化合物が正の調節物質として作用した。本明細書では、Kv3.1及び/又はKv3.2の正の調節物質は、生物学的実施例1(生物学的アッセイ)に記載されるアッセイを利用して決定されるとおり、哺乳動物細胞において組換発現されるヒトKv3.1及び/又はヒトKv3.2チャネルにより媒介される全細胞電流の少なくとも20%の増強を生みだすと示された化合物である。
生物学的実施例1に記載されるアッセイからのデータの二次分析は、脱分極電圧パルスの開始からの電流の立ち上がり速度に対する化合物の効果を調査する。化合物の効果の大きさは、-15mVの脱分極電圧パルスの開始後のKv3.1又はKv3.2電流の立ち上がりの、以下に示す式を利用する非線形フィットから得られる時定数(Tauact)から決定できる。
Y=(Y0-Ymax)*exp(-K*X)+Ymax
式中、
Y0は、脱分極電圧パルスの開始時の電流値であり;
Ymaxはプラトー電流であり;
Kは速度定数であり、かつTauactは、活性化時定数であり、Kの逆数である。
同様に、-15mV脱分極電圧パルスの終了時のチャネルの閉口時にKv3.1及びKv3.2電流が減衰するのにかかる時間に対する化合物の効果も調査できる。この後者の場合、チャネル閉口に対する化合物の効果の大きさは、脱分極電圧パルスの終了直後、電流の減衰(「テール電流」)の非線形フィットの時定数(Taudeact)から決定できる。
活性化の時定数(Tauact)を、実施例の化合物のいくつかについて決定した。図1は、本発明の2つの化合物のデータを示す。表1は、このように分析した実施例の全てのTauactデータを与える。
図1aは、生物学的実施例1に記載されたアッセイを利用して記録したhKv3.2電流を示す。示されたデータは、化合物(参考実施例RE1)の2つの濃度で4つの異なる細胞から記録された-15mVへの脱分極電圧ステップの期間にわたる個々の電流である。データを、Prismバージョン5(Graphpad Software社製)におけるフィッティング手順を利用して単一指数曲線(実線)にフィッティングする。
図1bは、生物学的実施例1に記載されたアッセイを利用して記録したhKv3.2電流を示す。示されたデータは、参考実施例RE3の化合物の2つの濃度で2つの異なる細胞から記録された-15mVへの脱分極電圧ステップの期間にわたる個々の電流である。データを、Prismバージョン5(Graphpad Software社製)におけるフィッティング手順を利用して単一指数曲線(実線)にフィッティングする。
表1:活性化時間(Tau
act)の分析から得たhKv3.2データの概要。化合物間の比較を可能にするために、選択された化合物濃度は、最大電流が0.1nA未満であるビヒクルを除き、電圧パルスの最後で類似の電流(約0.3nA)を生じるものであった。
表1からわかるとおり、化合物がなくビヒクルが存在すると、Tauactは7.1±1.7 msecであった。被験化合物それぞれを、Kv3.2電流を類似のレベル(約0.3nA)に増加させる濃度で試験すると、被験化合物の存在下で、ある範囲のTauact値(7.3〜50.1 msec)が観察された。
Kv3.1及びKv3.2チャネルは、ニューロンが高周波数で活動電位を発火することができるように、非常に速やかに活性化及び不活性化しなければならない(Rudy及びMcBainの文献、2001, Trends in Neurosciences 24, 517-526)。活性化の緩徐化は、活動電位再分極の始まりを遅らせそうである。不活性化の緩徐化は、ニューロンの興奮性を低下させニューロンがさらなる活動電位を発火できるまでの時間を遅らせる過分極電流を生みだした可能性がある。チャネル活性化及び不活性化に対するこれらの緩徐化の効果を合わせると、高周波数で発火するニューロンの能力の促進よりはむしろ低下をもたらすようである。そのため、Kv3.1及び/又はKv3.2チャネルに対するこの緩徐化効果を有する化合物は、ニューロン発火を遅くし得る。本発明の化合物、特にTauactを50.1±7.5msecに著しく増加させる(表1)実施例15によるニューロン発火のこの緩徐化は、インビトロで電気生理学的技術を利用する、ラットの脳の皮質における「高速発火」介在ニューロンから作られる記録から観察できる。図2において観察できるように、実施例15の添加は、300Hzの脱分極パルスのトレインに反応してニューロンが発火する能力を低下させる。
図2は、マウスの体性感覚皮質における同定された「高速発火」介在ニューロンから作られる記録を示す。ニューロンは、100、200、及び300Hzでの高周波数脱分極電流パルスのトレインにより、高周波数で発火するように誘導される。各パルスでニューロンが活動電位を発火する能力を決定する。グラフのy軸のスパイク確率1は、活動電位が、脱分極電流パルスのそれぞれでニューロンにより生成されることを表す。薬物の非存在下で(黒丸、n=9)、ニューロンは300Hzまでスパイク確率1を維持した。しかし、実施例15の存在下で(1マイクロM;白丸、n=6)、ニューロンは、最高の周波数でトレインに追随することができなかった。*p<0.05、反復測定のためのANOVA。
したがって、本明細書に特定される全実施例が生物学的実施例1のリコンビナント細胞アッセイにおいて正の調節物質として作用するが、実施例15などのTauactの値を著しく増加させる化合物は、ネイティブ組織のニューロンが高周波数で発火する能力を低減し得る。
本発明の一態様において、統合失調症、双極性障害、聴覚障害、睡眠障害、物質関連障害、及びてんかんを含む、Kv3.1及び/又はKv3.2チャネル機能の正の調節が有益である疾患の治療に使用するための、ビヒクル(DMSO 0.5%)の存在下で得られる平均値より2標準偏差大きいもの以下である平均タウ値に関連する、Kv3増強化合物が提供される。
本発明の一態様において、聴覚過敏、脆弱X症候群、及び自閉症を含む、Kv3.1及び/又はKv3.2チャネル機能の阻害が有益である疾患の治療に使用するための、ビヒクル(DMSO 0.5%)の存在下で得られる平均値より2標準偏差大きいものを超える平均タウ値に関連する、Kv3増強化合物が提供される。
(前臨床実験)
インビボ試験は全て、欧州指令86/609/EECを承認するイタリア国の法律(1992年1月27日、立法令第116号第7条)に従って得たプロジェクトライセンス、並びに実験動物の管理と使用に関するGlaxoSmithKline会社方針及び関連する行動基準に従って実施した。
以下の試験において、化合物48は参考実施例RE1の化合物である。
(生物学的実施例2)
(インビトロの、マウスの体性感覚皮質中の介在ニューロンの発火に対する化合物の効果の評価)
(動物)
遺伝子導入マウス[CB6-Tg(Gad1-EGFP) G42Zjh/J]をJackson Laboratory社(アメリカ合衆国、メイン州)から購入した。これらのマウスは、バスケット介在ニューロンのカルシウム結合タンパクパルブアルブミン(Pv)発現サブクラスにおいて高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)を選択的に発現する。EGFP発現は、ソマトスタチン(SOM)、コレシストキニン(CCK)、カルレチニン(CR)、及びVIPに対して陽性である他の介在ニューロンクラスにおいて報告されていない。したがって、これらのマウスは、Kv3.1及びKv3.2チャネルを発現し高周波数で発火できるGABA作動性ニューロンのPv発現サブセットの特定に有用である。
(切片調製)
実験は、体性感覚皮質を含む厚さ250μmの脳の切片で実施した。簡単に言うと、深麻酔(イソフルオラン)された25〜35日齢のGad1-EGFPマウスから脳を取り除いた。切片は、下記の溶液(mM)中でDTK 1000マイクロスライサー(DSK社、日本)を使用して切り出した:KCl(2.5)、CaCl2(0.1)、NaH2PO4(1.2)、MgCl2(5)、NaHCO3(26)、スクロース(189)、及びグルコース(10)、2〜6℃に保ち、95% O2-5% CO2で通気されている。切り出しの後、切片を、下記を含む(mM)人工髄液(ACSF)中で少なくとも1時間リカバリーチャンバー(recovery chamber)中で平衡化させた:NaCl (120)、KCl (2.5)、CaCl2 (2)、NaH2PO4 (2.5)、MgCl2 (1.5)、NaHCO3 (26)、及びグルコース(10)、室温で95% O2-5% CO2により飽和。
(電気生理学的記録)
電気生理学的記録のため、切片を正立顕微鏡(Axioskop, Carl Zeiss社製, 独国)のステージに載せた浸漬チャンバー(submersion chamber)に移し、酸素を供給したACSFで灌流した。切片中のニューロンの可視化は、赤外微分干渉(IR-DIC)ビデオ顕微鏡(Hamamatsu C5985、日本、浜松市)を利用し、40倍の対物レンズにより達成した。パルブアルブミン陽性介在ニューロンは、GFPフィルターをつけた蛍光ランプにより標本を照らし、蛍光とIR-DICビデオ顕微鏡法とを切り替えることにより特定した。GFP陽性ニューロンのみを記録した。全細胞記録は、Sutter P-97電極プラーを使用してひかれ、mMでグルコン酸カリウム(125)、EGTA(10)、HEPES(10)、MgCl2(1)、KCl(10)、及びMgATP(2)を含み、KOHによりpH 7.3に調整されている内液が充填されているホウケイ酸ガラスパッチピペットを利用して実施した。この内液が充填されている場合、パッチ電極は尖端抵抗が4-7 MΩであった。記録は、室温で(20-22℃)、Multiclamp 700B増幅器(Axon Instruments社製、フォスターシティ、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)を使用して行った。電流コマンドプロトコル(以下に示す)及びデータ取得は、pClamp 10.0ソフトウェア及びDigidata 1320Aインターフェース(Axon Instruments社製、フォスターシティ、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)を使用して行った。容量性過渡電流(Capacitive transients)を打ち消し、直列抵抗を実験の間絶えずモニターした。それが20%を超えて変化した場合、細胞を廃棄した。データに3 kHzでフィルターをかけ、10 kHzでサンプリングした。
(薬物)
本発明の化合物をDMSO(100%)に溶解させ、テトラエチルアンモニウム(TEA)及びテトロドトキシン(TTX)(両方ともイタリア国Sigma社から購入)を蒸留水に溶解させ、使用まで-20℃で保存した。実験当日に薬物を最終濃度に希釈した。使用したDMSOの最高最終濃度は0.1%であった。
(実験手順)
記録された介在ニューロンの発火活性は、異なる強度で長い電流ステップを印加することにより評価した。そのため、ギガシールの形成後、増幅器を電流クランプモードに切り替え、ニューロンがその静止膜電位に達するようにした。次いで、-80mVに近い静止電位を得るために、負の電流を細胞に注入した。この状態から、ステップ電流注入(50 pA増分、600 ms)を印加して、活動電位を惹起した。このプロトコルを各細胞に対して少なくとも2回繰り返した。
オンラインブリッジバランス補償を実施し、Rm値を実験の間絶えずモニターした。
(薬物適用)
ビヒクル(0.1% DMSO)、TEA(0.5mM)+0.1% DMSO、又はTEA(0.5mM)+参考実施例RE1(1又は10マイクロM)のいずれかの存在下で、リカバリーチャンバー中で少なくとも1時間切片をインキュベートした。切片を記録チャンバーに移した後、循環するACSF中の適切な薬物の潅流により、同じ薬物状態を維持した。
(データ取得及び分析)
Clampex 10.0(Molecular Devices社製、アメリカ合衆国)を使用して、生データを取得した。Clampfit 10.0ソフトウェア(Molecular Devices社製、アメリカ合衆国)を使用してデータを分析した。ステップ電流注入に反応する活動電位発火の周波数(Hzで表示)を、600msステップ電流にわたり検出された活動電位の数から計算した。同じ実験条件で同じ細胞で各電流ステップに対して得られる周波数の値を平均化した。活動電位を誘発する閾値は細胞によって異なるため、電流ステップ強度は、絶対値ではなく、活動電位発生の電流閾値からのpAで表した。
Clampfitを使用して各活動電位に対して活動電位半値幅を計算した。非飽和電流ステップ(non-saturating current step)(典型的には閾値から100-150 pA)により誘発される2番目〜5番目又は最後の10の活動電位の値を、分析される各細胞のそれぞれの実験条件に対して平均化した。
(統計分析)
活動発火周波数に対する治療の効果の間の統計的な差を、反復測定の二元配置ANOVA及び、必要な場合、事後先験的比較(post hoc planned comparisons)(p<0.05の場合に差が有意であると考えられる)を利用して評価した。活動電位半値幅及び一次導関数振幅(first derivative amplitude)に対する薬物治療の効果を、ANOVAを利用して評価した。統計分析は全てStatistica Software(StatSoftバージョン8)を利用して実施した。適切な場合、結果を平均±SEMとして報告した。
(データ算入/除外の基準)
算入又は分析からの細胞の除外に利用した基準は、正確な電流クランプ条件及び実験全体にわたる記録の安定性に基づいていた。オンライン評価により、Rs及び/又はRm値が20%を超えて変化する場合、細胞を除外することを可能とした。
(結果)
0.5mM TEAと共にインキュベートした切片から記録された介在ニューロンは、対照切片から記録されたニューロンに比べて、ステップ電流に反応してより低い最大周波数で発火した(図3)。この効果は、TEA(0.5mM)と1μM又は10μMの参考実施例RE1と共にインキュベートした切片において、有意に逆転した(反復測定の一元配置ANOVA、*TEAのみに関してp<0.05)。
(図3)
ビヒクル(0.1% DMSO;黒丸、n=6)、TEA(0.5mM)+0.1% DMSO(白丸、n=7)、TEA(0.5mM)+参考実施例RE1(1μM;黒三角、n=9)、又はTEA(0.5mM)+参考実施例RE1(10μM;白三角、n=5)のいずれかと共に少なくとも1時間後の、脱分極電流ステップ(600msの持続時間及び50pAのΔ増分)により誘発された、マウスの体性感覚皮質中のパルブアルブミン陽性介在ニューロンから記録された活動電位の周波数。*p<0.05;反復測定の一元配置ANOVA。
さらに、活動電位半値幅は、対照切片(0.1% DMSO)に比べて、TEA(0.5mM)と共にインキュベートした切片から記録される細胞において、有意に増加した(図4)。TEA(0.5mM)のみとインキュベートした切片に比べて、TEA(0.5mM)と1μM又は10μMの参考実施例RE1と共にインキュベートした切片では、平均活動電位半値幅は、それぞれ24%及び36%有意に減少した(ANOVA及びダネット検定、それぞれ*p<0.05、n=9;**p<0.01、n=5)。
(図4)
マウスの体性感覚皮質におけるパルブアルブミン陽性介在ニューロンから出た、誘発された活動電位の半値幅。記録の前に、切片を、ビヒクル(対照;0.1% DMSO、n=6)、TEA(0.5mM)+0.1% DMSO(n=7)、TEA(0.5mM)+参考実施例RE1(1μM;n=9)、又はTEA(0.5mM)+参考実施例RE1(10μM;n=5)のいずれかと共に少なくとも1時間インキュベートした。*p<0.05;**p<0.01、***p<0.001、ANOVAと、それに続くダネット検定。
これらの結果は、生物学的実施例1のアッセイにおいて活性を有する化合物が、Kv3.1及び/又はKv3.2チャネルの正の調節に一致して、マウスの脳の高速発火介在ニューロンの挙動を調節する能力を示している。皮質脳領域におけるKv3機能を高める能力は、これらの化合物が、統合失調症、双極性障害、及びてんかんを含むある範囲の中枢神経系疾患を治療する可能性とも一致する。
(生物学的実施例3)
(インビトロの、マウスの台形体内側核中のニューロンから記録されたカリウム電流に対する化合物の効果の評価)
(動物)
雄のCBA/Caマウス(12〜16日齢)を、(1986年の英国動物科学的処置法に従って)これらの実験で使用した。台形体内側核(MNTB)を含む脳の切片を、既報のとおりに調製した(Brew及びForsytheの文献、2005)。
(薬物)
化学薬品及び試薬は、特記されない限りSigma社(プール、英国)から購入した。参考実施例RE1をDMSOに溶解させ、要求される濃度までACSFで希釈した。
(電気生理学的記録)
特定されたMNTBニューロンからの記録は、既報のとおり実施した(Brew及びForsytheの文献、2005)。切片を、倒立顕微鏡ステージ上の灌流チャンバー中に置き、室温で1分あたり1mlの速度で、通気した(95% O2-5% CO2)ACSFにより連続的に灌流した。全細胞記録は、Axopatch 700B増幅器(Molecular Devices社製、ユニオンシティ、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)を使用して視覚的に特定したMNTBニューロンから実施した。パッチ液は、(mMで)グルコン酸カリウム(97.5)、KCl(32.5)、Hepes(40)、EGTA(5)、MgCl2(1)、Na2ホスホクレアチン(5)を含んでおり、KOHによりpH 7.2にされていた。ピペットの抵抗は3〜5 MΩであり、直列抵抗は6〜10MΩであった(70%補償、10μsのラグ)。アクセス抵抗を頻繁にモニターし、増加が2MΩを超えた場合は記録を破棄した。
全細胞構成が得られると、下記のとおり電圧プロトコルの適用前に細胞を-60mVに保った:細胞を、保持電位から700msの間-90へステッピングし、25msの間-40mVにステッピングし、次いで保持電位に戻す前に、-100〜+40mV(10mV増分)の電圧範囲への電圧パルスを220msの間加えた。このプロトコルの完了後、TEA(1mM)を灌流媒体に加えた。5分後、同じ電圧プロトコルを利用する第2組の記録を実施した。これの後、参考実施例RE1(10マイクロM)を、TEA(1mM)は存在したままでACSFに加え、さらに5分後、前記電圧プロトコルによる最終組の記録を実施した。
(統計分析)
+40mVへの電圧ステップにより誘発された電流を、独立t検定を利用して、各細胞に対して薬物治療にわたって比較した。
(結果)
TEA(1mM)は、+40mVへの電圧ステップにより誘発される外向きの高電圧活性化カリウム電流の強度を著しく低減した(図5)。この効果は、その後の参考実施例RE1(10マイクロM)の使用により逆転した。
(図5)
インビトロの、視覚的に特定したマウスのMNTBニューロンから記録された高電圧活性化カリウム電流。示されているデータは、異なる薬物条件下での、+40mVへの電圧ステップにより誘発された電流振幅の平均(±標準偏差)である。TEA(1mM)、TEA(1mM)+参考実施例RE1(10マイクロM)。統計分析は、独立t検定を利用して実施した。
これらのデータは、生物学的実施例1のアッセイにおいて活性を有する化合物が、聴覚情報を処理する脳幹領域であるMNTBのニューロンにおいて高電圧活性化カリウム電流(Kv3.1チャネルにより媒介されると仮定;Brew及びForsytheの文献、2005)を調節できることを示している。この結果は、聴覚障害の治療のための、本発明の化合物の有用性を支持する。
(生物学的実施例4)
(ラットの電気ショック発作モデル)
(実験準備)
雄のCDラット(85〜130g)は、イタリアのCharles River社により供給された。動物を、12時間明暗周期(6時に照明をつける)で、飼料(標準的な齧歯類の飼料)及び水を自由に食べさせて群飼育した。全ての場合で、GSKに到着してから試験まで少なくとも5日間が認められた。
(実験プロトコル)
動物に、適切な投与量、経路、及び前治療時間(pre-treatment time)で被験化合物を投与し、ホームケージに戻した。試験は、住居に使用しているのとは別な部屋で行った。試験は、1〜300mAで十分に調整可能な、50Hzの正弦波形の0.3秒持続する一定の電流をもたらすHugo Sachs Electronik刺激装置を利用して強直性後肢伸筋発作の閾値を決定することを含む。刺激は、角膜電極により伝えた(Stean TO, Atkins AR, Heidbreder CA, Quinn LP, Trail BK, Upton N.の文献 (2005) Br J Pharmacol.144(5):628-35)。発作閾値は、Kimballらの「アップ・アンド・ダウン」法を利用して決定した(1957)(Kimball AW, Burnett WT Jr, Doherty DG.の文献 (1957) Radiat Res. 7(1):1-12)。各群において最初に試験される動物を、発作の誘発の閾値に近いと予測される電流により刺激した。強直性発作が誘発されない場合、その群の次の動物は5 mA高い刺激を受け取った。強直性発作が誘発されると、次の動物は5 mA低い刺激を受け取った。これを、対照(ビヒクル)群内の全ての動物に繰り返す。被験化合物により治療される群の場合、5〜10 mAのステップを利用した。試験の最後に、このコンパートメント(n=4/群)における薬物濃度の分析のために、血液試料を採取した。
(薬物及び物質)
全ての投与量は塩基として計算した。バルプロ酸ナトリウムをMethocell 1% (w/v)に懸濁させ、経口(p.o.)経路で5 mL/kgで試験の1時間前に投薬した。参考実施例RE1をDMSOに溶解させ、次いでMethocell 1% (w/v)に懸濁させ、最終DMSO濃度を5% (v/v)にした。次いで、参考実施例RE1を試験の2時間前に5mL/kgで経口投薬した。
(データ分析)
発作の誘発は、各動物に対して有り(+)又は無し(0)のいずれかとして採点されるオールオアナッシング効果として測定する。各治療群のデータを、利用された各電流レベルでの+及び0の数として記録し、次いで、この情報を利用して、Kimballら(1957)の方法に従って、CC50値(50%の動物が発作挙動を示すのに要する電流)+平均の標準誤差を計算した。薬物の効果は、CC50の変化の%として計算した。薬物治療動物と適切なビヒクル処理群との間の有意な差は、Litchfield及びWilcoxon(1949)の方法に従って評価した。
(結果)
参考実施例RE1による前治療は、試験された投与量の両方で発作閾値の有意な増加に関連した。経口的な30mg/kgの投与量では、参考実施例RE1は発作閾値の91%増加をもたらし、その一方で経口的な60mg/kgの投与量では、発作閾値の増加は+218%であった。参考実施例RE1のより高い投与量によりもたらされた増加は、経口的な300mg/kgでの陽性対照であるバルプロ酸ナトリウムによりもたらされた増加に類似した(+258%)。
投薬2時間後にサテライト動物で測定された参考実施例RE1の血中濃度は、それぞれ経口で30及び60mg/kgの投与後に5.3及び9.1μg/mLであった。これらの濃度は、それぞれ1.3及び2.2μMの血中非結合濃度に等しく、そのため、先に記載したインビトロのリコンビナントヒトKv3電気生理学的アッセイで観察されたKv3媒介電流の有意な増加をもたらす参考実施例RE1の濃度に一致する。
(結論)
これらの結果は、参考実施例RE1が抗痙攣効力を有し、この効果はKv3カリウムチャネルの正の調節により媒介される可能性があることを示唆している。したがって、生物学的実施例1のアッセイにおいて活性を有する化合物は、抗痙攣性効力を有し得る。
(生物学的実施例5)
(マウスの精神刺激薬誘発性多動性)
(実験準備)
雄のCD-1マウス(25〜35g)は、イタリアのCharles River社により供給された。動物を、12時間明暗周期(6時に照明をつける)で、飼料(標準的な齧歯類の飼料)及び水を自由に食べさせて群飼育した。全ての場合で、GSKに到着してから試験まで少なくとも5日間が認められた。
(実験プロトコル)
動物に、適切な投与量、経路、及び前治療時間で被験化合物を投与し、ホームケージに戻した。試験は、住居に使用しているのとは別な部屋で行った。マウスを経口で(p.o.)被験化合物により処理し、穴の開いた蓋で覆ったPerspexボックス(長さ20.5 cm、幅20.5 cm、高さ34 cm)に個別に置いた。外回りの壁の周囲に、赤外線モニタリングセンサーを配置した(水平センサー)。2つの追加のセンサーを、床から2.5cm上で対向する面に配置した(垂直センサー)。VersaMax System (Accuscan Instruments社製、オハイオ州、コロンバス)を利用して、データを収集・分析し、前記システムは情報をコンピューターに送った。30分の馴化後、マウスに、10mL/kgで、2mg/kgでアンフェタミンを腹腔内(i.p.)投与して処理し、その後の試験場内の自発運動量をさらに60分にわたり評価した。自発運動量を、60分間の試験期間にわたり試験場内で各マウスが移動した総距離(cm)として決定した。
(薬物及び物質)
全ての投与量は塩基として計算した。クロザピンを蒸留水に溶解させ、10mL/kgで腹腔内(i.p.)に3mg/kgで投薬した。参考実施例RE1(10、30、又は60mg/kg)又はビヒクル(水中HPMC 0.5% w/v、Tween80 0.1% v/v)を、10mL/kgで経口投与した。クロザピン及び参考実施例RE1の両方を、動物を試験場に入れる直前に投薬した(アンフェタミン投与の30分前)。
(結果)
アンフェタミン単独では、総移動距離が大きく有意に増加した。参考実施例RE1の30mg/kgでの経口投与は、アンフェタミンにより生じた総移動距離の増加を有意に低減した。参考実施例RE1の60mg/kgのより高い経口投与量は、陽性対照であるクロザピン(3mg/kg 腹腔内)に類似して、アンフェタミンにより誘発された自発運動量の増加をさらに低減した。データを表1にまとめる。
表1:マウスのアンフェタミン誘発性自発運動量亢進に対する参考実施例RE1の効果。参考実施例RE1を、アンフェタミン(2mg/kg 腹腔内)の30分前に経口投与した。クロザピンを、アンフェタミンの(2mg/kg 腹腔内)30分前に腹腔内投与した。アンフェタミン投与の直後に開始して60分間にわたり総距離を評価した。データを平均±semとして表す。データを、一元分散分析(ANOVA)で処理し、それに続いてダネットの検定で処理した(**=p<0.01アンフェタミン処理のみに対して)。
(結論)
これらの結果は、参考実施例RE1が抗痙攣効力を示す投与量に類似の投与量で、精神刺激薬アンフェタミンにより誘発される多動性を予防できることを示す。そのため、参考実施例RE1並びにKv3.1及び/又はKv3.2チャネルを正に調節する他の化合物は、生物学的実施例1に記載されたアッセイから観察できるとおり、双極性躁病などの多動性、又は薬物依存、注意欠乏多動性障害(ADHD)、若しくは統合失調症に起こりうるドーパミン系の混乱に関連する疾患の治療において有用になり得る。
(生物学的実施例6)
(コモンマーモセットの薬理脳波検査(phEEG))
(動物及び手術)
2歳を過ぎ、体重が250〜500gである実験室育ちの雄(精管切除済み)及び雌のコモンマーモセット(カリスリックス・ジャッカス(Callithrix jacchus))をこの試験に使用した。25±1℃、湿度60%、12時間の明暗周期(6時に照明がつき、30分は夜明け及び黄昏を模す)に維持された居住部屋に、動物をつがいで飼った。動物には、標準的な食餌及び飲料水を適宜与えた。各組の一方の動物のみを試験に含め、動物がホームケージにいる状態で行った。
本発明の化合物の効果は、皮質EEG(ECoG)の遠隔操作記録により評価した。マルチチャネル遠隔操作送信器(DSI社製、TL11M2-F40-EET型)を、標準的な外科技術を利用して、麻酔をかけたマーモセットの腹腔内に埋め込んだ。記録電極を、前頭頭頂領域にあけた2つの穴を通して、硬膜に直接接触する頭蓋骨に歯科用セメントにより永久固定した。手術後、動物を、ホームケージ中で、つがいで飼育し(一方は埋め込み、他方は手術をしていないパートナー)、食餌及び水を適宜与えた。動物は、手術からの回復直後に、通常の行動レパートリーを示した。しかし、少なくとも3週間経てからphEEGを評価した。インビボ試験は全てイタリア国の法律に従って実施し、GlaxoSmithkline倫理基準に準拠した。
(実験手順)
動物をホームケージの巣箱に入れ、EEGトレースを、各時点で5分間Dataquest ARTソフトウェアを利用して記録し、Spike2ソフトウェア(CED社製、英国)を利用して分析した。各周波数帯におけるスペクトルパワーは、前治療期間の間の各2秒エポックで決定し、平均化した。同様に、各帯のスペクトルパワーは、ビヒクル又は薬物治療後の5分間の記録の期間のそれぞれの連続する2秒エポックで決定した。異なる帯(デルタ、シータ、アルファ、及びベータ)のそれぞれに対して、絶対的なスペクトルパワーの変化を、オフラインで計算した。
薬物治療は、完全クロスオーバー法に従って割り付けた。全ての治療を、別々な実験セッションにおいて、動物間で無作為に配置し、各動物に、適切な休薬期間の後にビヒクル及び各投与量の薬物を与えた。
6匹の動物を、0.3、1、及び3 mg/kg(1ml/kg)の投与量で参考実施例RE2により経口治療し、EEGトレースを、治療後+15、30、60、90、120、及び180分に記録した。参考実施例RE2を、0.1% (w/v)Tween80及び0.5 % (w/v)HPMCを含む12.5% (w/v)カプチゾル水溶液に懸濁させた。
(データ分析)
4つの異なる周波数帯を検討した:デルタ(1.50-6.00 Hz)、シータ(6.00-8.00 Hz)、アルファ(8.00-12.00 Hz)、及びベータ(12.00-30.00 Hz)。各時点での各帯のスペクトルパワーの値は、最初に対数変換し、次いで、時間を固定効果として、ベースラインレベルを共変量として、動物を無作為項として混合効果モデルにより分析した。データを、ベースラインからの変化のパーセントの平均及び標準誤差としてまとめる。
(結果)
これらの試験で観察された薬理-EEG変化は、ビヒクルに比べて、最高投与量(3 mg/kg)での参考実施例RE2が、30〜120分でデルタ帯において絶対パワーの統計的に有意な増加(p<0.05)を、60分でシータ帯パワーに統計的に有意な増加(p<0.05)を誘発したことを示す。中程度の投与量(1 mg/kg)では、参考実施例RE2は、30分でデルタ帯において絶対パワーの有意傾向の(p<0.10)増加及びベータ帯で付随する有意な低減(p<0.05)を誘発した。参考実施例RE2のどの投与量でも、アルファ帯には有意な効果は全く観察されなかった。
これらの結果は、生物学的実施例1のアッセイにおいて活性を有する化合物が、覚醒霊長類のEEGを変更できることを示唆する。デルタ帯EEG活性の増加は、以前に、ヒトにおいて抗精神病化合物により観察された。
(生物学的実施例7)
(マウスの視交差上核におけるKv3.1及びKv3.2チャネルの発現の概日パターン)
(物質及び方法)
30匹の成体の雄C57BL/6Jマウス(年齢:到着時4〜5週齢;Charles River フランス)を、6つの異なるケージに収容し(ケージあたり5匹のマウス)、12時間明-12時間暗条件で(概日時間[CT]6と呼ばれる6時に照明が点灯し、CT18と呼ばれる18:00に照明が消される)専用の部屋で4週間維持した。室温を21±2℃に保ち、飼料及び水を適宜食べさせた。
この期間の後、24時間の期間にわたる異なる時点で、1時点あたり5匹ずつ、頸椎脱臼によりマウスを屠殺した。動物を収容室から手術室に移し、次いで直ちに屠殺した。暗相の間、これらの行動全てを薄暗い赤色光の下で実施した。
頭蓋骨から脳を除去し、直ちにおよそ-30℃に保ったイソペンタンに浸し、次いでインサイチュハイブリダイゼーション分析の前に-70℃で保存した。
脳は全てクライオスタットにより切除し、いくつかの14μm-厚さの頭頂の切片を、視交差上核が存在するレベルで、ブレグマからおよそ-0.22 mmから-0.82 mmの間で集めた(Paxinos及びFranklinの文献「定位座標におけるマウスの脳(The mouse brain in stereotaxic coordinates)」)。次いで、使用まで、切片を-80℃で保存した。各時点(CT12、16、20、24、4、及び8)で、5匹のマウスを集め、各マウスの2つの非連続切片を選択し、室温で乾燥させ、次いで、先の実験に記載したとおり、直ちにインサイチュハイブリダイゼーションプロトコルに付した。
(結果)
一元ANOVAは、マウスの視交差上核内のKv3.1 mRNA発現に対する時間の有意な効果を全く見いださなかった(図6a)。対照的に、一元ANOVAは、マウスの視交差上核内のKv3.2 mRNA発現に対する時間の高度に有意な効果があることを示し(p<0.001)、ZT10で著しい発現のピークがあったが、この時点は明相から暗相への切り替えの2時間前に対応し、これはマウスの活動相である(図6b)。
図6:(a)24時間明暗周期にわたる異なる概日時間の間に屠殺されたマウスの視交差上核内のKv3.1 mRNAの発現。Kv3.b1 mRNA発現は、1時点あたりn=5マウスから、nCi/g で、平均±S.E.M.で表される。(b) 視交差上核内のKv3.2 mRNAの発現。Kv3.2 mRNA発現は、1時点あたりn=5マウスから、平均±S.E.M.で表される。***p< 0.001: CT16でのKv3.2 mRNA発現は、他の全時点と有意に異なる。*p<0.05:CT20でのKv3.2 mRNA発現は、CT24及び4で測定された発現と有意に異なる。
これらの結果は、視交差上核内のKv3.2チャネル発現が、24時間概日周期にわたって変動することを示す。そのため、哺乳動物において概日時計を設定する際の視交差上核の中心的な役割を仮定すると、Kv3.2チャネルは、この時計の機能にとって重要なようである。したがって、Kv3.2チャネルを調節する化合物は、睡眠障害及び双極性障害を含む概日機能不全に関連する疾患の治療において潜在能力を有し得る。
(生物学的実施例9)
(ラットにおける生理的睡眠の評価)
(方法)
成体の雄のCDラット(C. River、イタリア)に遠隔測定プローブを埋め込み、制御された条件下で (温度18〜20℃;相対湿度45〜50%;12時間明暗周期、概日時間(CT)0と呼ばれる午後3時に照明を点灯)、飼料及び水を自由に食べさせ、個別に収容した。
参考実施例RE1をtween(0.1% v/v)及びHPMC(0.5% v/v)中に製剤化し、CT18(照明点灯6時間前)に10、30、及び60 mg/kg (体積2ml/kg)の投与量で経口投与した。脳波図(EEG)及び筋電図(EMG)を、遠隔測定装置(DSI dataquest(登録商標)A.R.T.システム)を使用して、投与直後に始めて連続的に記録した。EEG及びEMG記録物を分析して、sleepSign(登録商標)(Kissei Comtec社製)を使用して睡眠パターンを評価した。統計分析(一元Anova、それに続くダネット検定)を、Statistica-8ソフトウェアを利用して実施した。
(結果)
60mg/kgの参考実施例RE1は、全睡眠時間を有意に増加させ(p<0.05、n=8)、投薬直後の5時間にわたってノンレム睡眠に使われた時間を有意に増加させたが(p<0.05、n=8)、レム睡眠に使われた時間には影響を与えなかった。
これらの結果は、本発明の化合物が、動物の生理的睡眠を増加できることを示唆し、それらがヒトの睡眠障害の治療に有用になり得ることを示唆する。