JP2013535467A - 組換えにより発現されたインスリンポリペプチドおよびその使用 - Google Patents

組換えにより発現されたインスリンポリペプチドおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、N−結合グリカンモチーフを含む組換えにより発現されたインスリンポリペプチドを提供する。前記N−結合グリカンモチーフは野生型インスリンには存在せず、かつ(例えば、酵母細胞において)グリコシル化インスリンポリペプチドの組換え発現を可能とする。合成グリコシル化インスリンコンジュゲートで得られた結果に基づき、本発明者らは、これらの組換えグリコシル化インスリンポリペプチドが哺乳動物に投与された場合に、該グリコシル化インスリンポリペプチドの少なくとも1つの薬物動態学的または薬力学特性が、グルコース(またはアルファ−メチルマンノースのような外因性糖)の血清中濃度に感受性であると予測する。例示的なインスリンポリペプチド、これらのインスリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、グリコシル化インスリンポリペプチド、医薬製剤および徐放製剤が使用および調製の方法に加えて提供される。
【選択図】図1B

Description

先行技術(例えば、酵素的に不安定なカプセルからの薬物放出を記載するSearsによる米国特許第4,145,410号明細書)で知られた「制御−放出」薬物送達システムの大部分は、人体に存在する分子インジケーター(例えば、代謝産物)の量に直接比例する間隔および濃度にて患者に薬物を供給することができない。これらの先行技術システムにおける薬物は、かくして、文字通り「制御」されているのではなく、単に、外部または内部因子から独立した持続性放出様式で供される。インスリン注射剤での真性糖尿病の治療は、インスリンの制御されていない持続性放出が望ましくない、よく知られかつ研究された例である。事実、ホルモンの単純な置き換えは、この病気に関連する病理学的後遺症を予防するのに十分でないことは明らかである。これらの後遺症の開発は、患者によって経験された血中グルコース濃度の変化に比例した外因性インスリンを供する無能力を反映すると信じられている。この問題を解決するために、より多くの生理学的インスリン送達システムを開発するためのいくつかの生物学的およびバイオエンジニアリングアプローチが示唆されている(例えば、Brownlee et al.による米国特許第4,348,387号明細書;Taylor et al.による米国特許第5,830,506号明細書、同第5,902,603号明細書および同第6,410,053号明細書、およびZion et al.による米国特許出願公開第2004−0202719号明細書参照)。
これらのシステムの各々は、多価グルコース結合分子(例えば、レクチンConA)、および該多価グルコース結合分子によって可逆的に結合される糖ベースの成分の組合せに依拠する。あいにく、ConAおよび他の容易に入手可能なレクチンの多くは、リンパ球増殖を刺激する潜在能力を有する。あるタイプのリンパ球の表面の炭水化物受容体に結合することによって、これらのいわゆる「分裂促進性」レクチンは、潜在的に、リンパ球の有糸分裂を誘導することができ、それにより、それらを増殖させる。ConAを含めたほとんどの分裂促進性レクチンは選択的T−細胞有糸分裂促進因子である。少数のレクチンは選択性が低く、かつT―細胞およびB−細胞の双方を刺激する。分裂促進性レクチンへの局所的または全身的インビボ暴露の結果、炎症、細胞傷害性、マクロファージ消化、およびアナフィラキシを含めたアレルギー反応をもたらし得る。加えて、植物レクチンは特に免疫原性であることが知られており、抗−レクチン特異的抗体の高い力価の生成を生じさせる。分裂促進性レクチンは、従って、それらの放出を妨げるのに多大な注意を払うのでなければ、インビボ方法およびデバイスのためにそれらの天然の形態で用いることができないことは認識される。例えば、米国特許第5,830,506号明細書において、TaylorはConAの使用に関連する毒性の危険性を強調しており、およびグルコースおよびインスリン分子がデバイス中におよびデバイスから外へ自由に拡散することも必要とする薬物送達デバイス内にConAを含有する重要性および困難性を強調している。
レクチンのこれらおよび他のインビボ使用に関連する危険性および困難は、レクチンを必要としない代替制御薬物送達システムを提供できれば、かなり減少させることができる。
米国特許第4,348,387号明細書 米国特許第5,830,506号明細書 米国特許第5,902,603号明細書 米国特許第6,410,053号明細書 米国特許出願公開第2004−0202719号明細書
本開示は、N−結合グリカンモチーフを含む組換えにより発現されたインスリンポリペプチドを提供する。該N−結合グリカンモチーフは野生型インスリンには存在せず、および(例えば、酵母細胞において)グリコシル化インスリンポリペプチドの組換え発現を可能とする。合成グリコシル化インスリンコンジュゲートで得られた結果に基づき、本発明者らは、これらの組換えグリコシル化インスリンポリペプチドが哺乳動物に投与されると、グリコシル化インスリンポリペプチドの少なくとも1つの薬物動態学的または薬力学的特性はグルコース(またはアルファ−メチルマンノースのような外因性糖)の血清中濃度に対して感受性になると予測する。例示的なインスリンポリペプチド、これらのインスリンポリペプチドをコードするポリペプチド、グリコシル化インスリンポリペプチド、医薬製剤および徐放性製剤が使用および調製の方法に加えて提供される。
N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N−アセチルノイラミン酸(NANA)、マンノース(Man)、ガラクトース(Gal)、およびグルコース(Glc)を含めた異なる糖の構造である。 N−結合グリカンモチーフに追加することができる代表的なN−グリカン構造である。 ヒトにおける代表的なN−グリコシル化経路である。 複雑なN−グリコシル化に至る酵母における代表的なN−グリコシル化経路。MnTはマンノシルトランスフェラーゼである。 酵母における代表的な修飾されたN−グリコシル化経路である。1,6−マンノシルトランスフェラーゼ、Ochlp遺伝子が欠失された酵母における修飾された経路である。 酵母における代表的な修飾されたN−グリコシル化経路である。1,6−マンノシルトランスフェラーゼ、Ochlp遺伝子および1,3−マンノシルトランスフェラーゼ、ALG3遺伝子が欠失した酵母における修飾された経路。MnSはマンノシダーゼである。 いくつかの例示的な合成インスリンコンジュゲートの化学構造である。 いくつかの例示的な合成インスリンコンジュゲートの化学構造である。 合成インスリンコンジュゲートI−6(B29結合TSAT−C6−AETM−2)の化学構造である。 合成コンジュゲートI−6の長時間作用プロタミン亜鉛(PZI)形成を伴う、時刻0における非―糖尿病雄SDラット(用量当たりn=3)における皮下注射、続いての、240分におけるグルコース(4g/kg)のIP注射に続いての血清中インスリン(◆)および血中グルコース(○)レベルのプロットである。示されるように、低血糖症は初期または後期の時点として観察されない。応答と5U/kg(左側)および15U/kg(右側)用量との比較は、劇的な用量−依存性グルコース応答を示す。 合成コンジュゲートI−6の長期作用PZI形成を伴う、時刻0における非糖尿病性(正常)および糖尿病性(DMの)雄SDラットにおける皮下注射に続いての血中グルコースレベルのプロットである。該コンジュゲートは5、10および20U/kgで投与した。示されたように、非糖尿病性雄SDラットはいずれの低血糖症も示さず、他方、糖尿病性雄SDラットにおけるグルコースレベルは、最高用量において8時間にわたって継続した明瞭な用量比例応答を示した。 合成コンジュゲートI−6の長期作用PZI形成を伴う、時刻0における非糖尿病性(正常)および糖尿病性(DMの)雄SDラットにおける皮下注射に続いての血中グルコースレベルのプロットである。該コンジュゲートは5、10および20U/kgで投与した。示されたように、非糖尿病性雄SDラットはいずれの低血糖症も示さず、他方、糖尿病性雄SDラットにおけるグルコースレベルは、最高用量において8時間にわたって継続した明瞭な用量比例応答を示した。 合成コンジュゲートI−6または組換えヒトインスリン(RHI)の注射に続いての(左側)およびグルコースまたはアルファ−メチルマンノースの有りおよび無しでの合成I−6の注射に続いての(右側)時間の関数としての血清中インスリン濃度のプロットである。 非糖尿病性雄SDラット(n=3)におけるRHI(3.5mU/分)または合成コンジュゲートI−6(15mU/分)の一定の静脈内(i.v.)注入に続いての血清中インスリン(◆)および血中グルコース(○)レベルのプロットである。グルコース(1、2または4g/kg)のIP注射は240分において与えた。 非糖尿病性雄SDラット(n=3)におけるRHI(3.5mU/分)または合成コンジュゲートI−6(15mU/分)の一定の静脈内(i.v.)注入に続いての血清中インスリン(◆)および血中グルコース(○)レベルのプロットである。グルコース(1、2または4g/kg)のIP注射は240分において与えた。 非糖尿病性雄SDラット(n=3)におけるRHI(3.5mU/分)または合成コンジュゲートI−6(15mU/分)の一定の静脈内(i.v.)注入に続いての血清中インスリン(◆)および血中グルコース(○)レベルのプロットである。グルコース(1、2または4g/kg)のIP注射は240分において与えた。 緩衝化(BMMY)および非緩衝化(MMY)条件下で成長させたGSI15株クローンからの精製されていない培養上清収量である。ELISA分析(ISO−インスリンELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)を用いる種々のクローン(「クローン番号」とは、異なるゲネチシンプレート抵抗レベルから得られたクローンをいう)からのmg/Lで表したインスリンポリペプチド収量である。 緩衝化(BMMY)および非緩衝化(MMY)条件下で成長させたGSI15株クローンからの精製されていない培養上清収量である。生産されたインスリンポリペプチドの分子量を示すクローンのSDS−PAGE。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、収量比較目的での250mg/Lにおける、頂部右側ゲルのレーン14において、および底部右側ゲルのレーン2において示される。 緩衝化条件下で成長させたKM71株クローンからの精製されていない培養上清収量である。ELISA分析(ISO−インスリンELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)を用いる種々のクローン(「クローン番号」とは、異なるゲネチシンプレート抵抗レベルから得られたクローンをいう)からのmg/Lで表したインスリンポリペプチド収量である。 緩衝化条件下で成長させたKM71株クローンからの精製されていない培養上清収量である。生産されたインスリンポリペプチドの分子量を示すクローンのSDS−PAGE。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、収量比較目的で、頂部右側ゲル(60から500mg/L)のレーン15から18において、および底部右側ゲル(30から500mg/L)のレーン5から9において示される。 非緩衝化条件下で成長させたKM71株クローンからの精製されていない培養上清収量である。ELISA分析(ISO−インスリンELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)を用いる種々のクローン(「クローン番号」とは、異なるゲネチシンプレート抵抗レベルから得られたクローンをいう)からのmg/Lで表したインスリンポリペプチド収量である。 非緩衝化条件下で成長させたKM71株クローンからの精製されていない培養上清収量である。生産されたインスリンポリペプチドの分子量を示すクローンのSDS−PAGE。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、収量比較目的で、頂部右側ゲル(250および100mg/L)のレーン8および9において、および底部右側ゲル(250mg/L)のレーン18に示される。 ALP消化の前および後におけるKM71 RHI−1 A−Eブロスのウェスタンブロットである。「−」は酵素無しを示し「+」は酵素消化を伴うことを示す。レーン:1蛋白質ラダー、2ペプチドラダー、3RHI−、4RHI+、5RHI−1 A−、6RHI−1 A+、7RHI−1 B−、8RHI−1 B+、9RHI−1 C−、10RHI−1 C+、11RHI−1 D−、12RHI−1 D+、13RHI−1 E−、14RHI−1 E+。 ALP消化の前および後におけるGS115 RHI−1 A−Eブロスのウェスタンブロットである。「−」は酵素無しを示し「+」は酵素消化を伴うことを示す。レーン:1蛋白質ラダー、2ペプチドラダー、3RHI−、4RHI+、5RHI−1 A−、6RHI−1 A+、7RHI−1 B−、8RHI−1 B+、9RHI−1 C−、10RHI−1 C+、11RHI−1 D−、12RHI−1 D+、13RHI−1 E−、14RHI−1 E+。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 他の例示的な合成インスリンコンジュゲートI−1からI−5およびI−7からI−18の化学構造である。これらの例示的な合成インスリンコンジュゲートのいくつかで得られた実験結果を図16以降に示す。 TSAT−C6−AEM−2コンジュゲートI−1(3.5U/kg)での時刻0における非糖尿病性雄SDラット(n=3)における皮下注射に続いての血清中インスリン(左側)および血中グルコース(右側)レベルのプロットである。 TSAT−C6−AEBM−2I−3コンジュゲート(5U/kg)での時刻0における非糖尿病性雄SDラット(n=3)における皮下注射に続いての血清中インスリン(左側)および血中グルコース(右側)レベルのプロットである。 TSAT−C6−AEBM−1 AETM−1コンジュゲートI−4(5U/kg)での時刻0における非糖尿病性雄SDラット(n=3)における皮下注射に続いての血清中インスリン(左側)および血中グルコース(右側)レベルのプロットである。 TSAT−C6−AETM−2コンジュゲートI−2(5U/kg)での時刻0における非糖尿病性雄SDラット(n=3)における皮下注射に続いての血清中インスリン(左側)および血中グルコース(右側)レベルのプロットである。 グルコース、アルファ−メチルマンノースまたは生理食塩水注入の間における非糖尿病性ミニブタにおけるβ−相消失半減期の結果である。 デュアル血管アクセスポート(実験当たりn=3)を備えた非糖尿病性雄ユカタン(Yucatan)ミニブタへの0.1U/kg静脈内(I.V)注射に続いての組換えヒトインスリン(RHI)コンジュゲートI−11の血清中濃度のプロットである。各実験において、動物には(◆)i.v.アルファメチルマンノース(a−MM)溶液(80ml/時間の一定速度で注入された25%w/v)を注入するか、または(▲)溶液を注入しなかった。データは、2−コンパートメント2重指数モデルに由来する曲線との平均値フィットとしてプロットした。 デュアル血管アクセスポート(実験当たりn=3)を備えた非糖尿病性雄ユカタン(Yucatan)ミニブタへの0.1U/kg静脈内(I.V)注射に続いてのDi−Sub−AETM−2インスリンコンジュゲートI−11の血清中濃度のプロットである。各実験において、動物には(◆)i.v.アルファメチルマンノース(a−MM)溶液(80ml/時間の一定速度で注入された25%w/v)を注入するか、または(▲)溶液を注入しなかった。データは、2−コンパートメント2重指数モデルに由来する曲線との平均値フィットとしてプロットした。 i.v.糖注入無しの条件下での0.1U/kgにおけるコンジュゲートのi.v.注射に続いての、デュアル血管アクセスポート(実験当たりn=3)を備えた非糖尿病性雄ユカタンミニブタでの血中グルコース低下曲線である。(■)RHI、(◆)I−6、(○)I−7、(▲)I−15,および(●)I−11。 i.v.アルファメチルマンノース(a−MM)注入(80ml/時間の一定速度で注入された25%w/v)の条件下での0.1U/kgにおけるコンジュゲートのi.v.注射に続いての、デュアル血管アクセスポート(実験当たりn=3)を備えた非糖尿病性雄ユカタンミニブタでの血中グルコース低下曲線である。(■)RHI、(◆)I−6、(○)I−7、(▲)I−15,および(●)I−11。 0.25、0.50、および1.00U/kgの用量の可溶性Di−Sub−AETM−2インスリンコンジュゲートI−11での時刻0におけるsub−Q注射後の絶食条件下での(a、―、塗り潰した記号)アロキサン−糖尿病性ユカタンミニブタ(用量当たりn=3)および(b、‐‐‐‐、塗り潰していない記号)非糖尿病性ユカタンミニブタ(用量当たりn=3)における血中グルコースレベルである。データは、平均値+1標準偏差としてプロットする。 0.25、0.50、および1.00U/kgの用量の可溶性Di−Sub−AETM−2インスリンコンジュゲートI−11での時刻0におけるsub−Q注射後の絶食条件下での(a、―、塗り潰した記号)アロキサン−糖尿病性ユカタンミニブタ(用量当たりn=3)および(b、‐‐‐‐、塗り潰していない記号)非糖尿病性ユカタンミニブタ(用量当たりn=3)における血中グルコースレベルである。データは、平均値+1標準偏差としてプロットする。スケールは明瞭性のために拡大されている。 (▲、△)0.063および(■、□)0.125U/kgの用量の可溶性組換えヒトインスリン(RHI)での時刻0におけるsub−Q注射後の絶食条件下での、(a、―塗り潰した記号)アロキサン糖尿病性ユカタンミニブタ(用量当たりn=3)および(b、‐‐‐‐、塗り潰していない記号)非糖尿病性ユカタンミニブタ(用量当たりn=3)における血中グルコースレベルである。データは平均値+1標準偏差としてプロットされる。 (▲、△)0.063および(■、□)0.125U/kgの用量の可溶性組換えヒトインスリン(RHI)での時刻0におけるsub−Q注射後の絶食条件下での、(a、―塗り潰した記号)アロキサン糖尿病性ユカタンミニブタ(用量当たりn=3)および(b、‐‐‐‐、塗り潰していない記号)非糖尿病性ユカタンミニブタ(用量当たりn=3)における血中グルコースレベルである。データは平均値+1標準偏差としてプロットされる。スケールは明瞭性のために拡大されている。 さらなるインスリンコンジュゲートについてのミニブタにおけるi.v.半減期結果のまとめである。 糖尿病性および正常ミニブタにおける0.25、0.5および1U/kgインスリンコンジュゲートI−11の単一皮下注射後における血清中インスリンレベルのプロットである。 TSPE−AEM−3コンジュゲートI−14での時刻0における非糖尿病性雄SDラット(n=3)における皮下注射、続いての、15分後のアルファ−メチルマンノース(左側)または生理食塩水(右側)のIP注射に続いての、血清中インスリンおよび血中グルコースレベルのプロットである。アルファ−メチルマンノースは、ConAのようなレクチンへの結合に対してAEMと競合することができる非常に高い親和性の糖である。示されたように、アルファ−メチルマンノースの注射に由来するPK/PDプロフィールの変化は有意である(p<0.05)。 TSPE−AETM−3コンジュゲートI−15での時刻0における非糖尿病性雄SDラット(n=3)における皮下注射、続いての15分後におけるアルファ−メチルマンノース(左側)または生理食塩水(右側)のIP注射に続いての、血清中インスリンおよび血中グルコースレベルのプロットである。アルファ−メチルマンノースは、ConAなどのレクチンへの結合に対してAEMと競合することができる非常に高い親和性の糖である。示されるように、アルファ−メチルマンノースの注射に由来するPK/PDプロフィールの変化は有意である(p<0.05)。 長時間作用型コンジュゲート処方での時刻0における非糖尿病性雄SDラット(用量当たりn=3)における皮下注射、続いての240分におけるグルコース(4g/kg)のIP注射に続いての、血清中インスリン(◆)および血中グルコース(○)レベルのプロットである。コンジュゲートはTSPE−AEM−3(I−14)およびTSPE−AETM−3(I−15)である。
本出願は、特許および非特許文献を含めた多数の文献に言及する。これらの文献の各々の全体をここに引用して援用する。
一態様において、該開示は、グルコースなどの糖の全身濃度に対して応答性である様式で、組換えにより発現されたインスリンポリペプチドの薬物動態学的(PK)および/または薬力学的(PD)プロフィールを制御する方法を提供する。本明細書中で議論するように、これらの方法は、部分的には、高親和性糖リガンドを含むある種の合成インスリン−コンジュゲート(例えば、図5および6におけるもの参照)が、ConAのような外因性多価糖−結合分子の不存在下においてさえ、糖濃度変化に応答するPK/PDプロフィールを呈するという発見に基づいている。この知見は予期せぬことであり、単純なレクチン−遊離糖−応答性薬物システムを生じさせる先例のない機会を提供した。
I−6として知られたそのような合成インスリン−コンジュゲートの1つの例を図6に示す。コンジュゲートI−6は、2つのアミノエチルトリマンノース(AETM)糖部位を持つ個別的な低分子量合成フレームワーク(トリススクシンイミジル(6−アミノカプロイル)アミノトリアセテートまたはTSAT−C6)を含む。該フレームワークは、B29イプシロン−アミノ基を介してインスリンに共有結合している(野生型ヒトインスリンは、位置B29においてリシン残基を有する)。実施例において議論するように、コンジュゲートI−6はグルコース−応答性薬物動態学を呈する。その結果、コンジュゲートI−6の利用性および、従って、生物活性は内因性グルコースレベルに応答して変化する。本発明者らは、低血糖症を誘導することなく、要求に応じての基礎およびボーラスインスリン「送達」の双方を提供するプロタミンおよび亜鉛(PZI処方)を用いてコンジュゲートI−6の徐放性製剤を調製した。対照的に、慣用的なインスリンは迅速−作用性(例えば、RHI)または遅延−作用性(例えば、ランタス(Lantus))のいずれかであり、グルコースレベルの変化に応答してプロフィールを変化させることができない。糖尿病性および正常ラットにおける慣用的なインスリンと比較すると、コンジュゲートI−6は治療用量の4倍の低血糖症の最小危険性を伴って、実質的に改良された治療ウィンドウを示す。
重要なことには、本発明者らの研究は、コンジュゲートI−6によって使用されたTSAT−C6フレームワークはグルコース−応答性活性で必要とされないことを示した。事実、本発明者らは、図15に描かれたもののような他のインスリン−結合フレームワークが同様な結果を提供できることを見出した(例えば、実施例13から17参照)。本発明者らの研究は、結合された糖のタイプおよび数および、ある状況においては、インスリン分子上への結合の点はインビボグルコース−応答を変調するにおいて、より重要な役割を演じていることも示唆する。
いかなる特定の理論に拘束されるつもりはないが、I−6のようなコンジュゲートによって呈されるグルコース−応答性は内因性レクチンへの結合によって媒介されると考えられる。かくして、本発明者らは、身体中のグルコースレベルが低いと、内因性レクチンは合成インスリン−コンジュゲートによる結合で利用可能なグルコース結合部位を有し、コンジュゲートのインスリン様活性を実質的に不活化すると理論付ける。逆に、身体中のグルコースレベルが高いと、レクチン上の結合部位は内因性グルコースによって満足され、かくして、合成インスリン−コンジュゲートを循環させ、その効果を発揮させる。図5は、4種の糖の相対的なレクチン結合親和性を示し:AETMは示された4種の糖の最高親和性で持ってレクチンに結合する。本発明者らは、特定の糖のレクチン結合親和性は、少なくとも、部分的には、本発明者らの合成インスリン−コンジュゲートのインビボグルコース−応答性の変調を担うと理論付ける。
I−6のようなコンジュゲートは化学合成によって生産される。実施例1から3に記載されているように、合成プロセスは複雑であって、フレームワークがまず1以上の糖リガンドにコンジュゲートし、次いで、組換えインスリンにコンジュゲートする一連の工程を含む。加えて、コンジュゲーションプロセスは純粋なコンジュゲートを生じさせない。従って、生成物は、コンジュゲートしたおよびコンジュゲートしていない物質を分離するための適当な固相を用いるサイズ排除によって精製される。次いで、コンジュゲートをさらに精製して、分取用逆相HPLCを用いて所望の生成物を得る。一旦収集すれば、溶液を回転蒸発させて、有機溶媒を除去し、および凍結乾燥する。そのような合成プロセスは大規模な生産のための課題を示す。本開示は、部分的には、生合性経路を介してインスリンコンジュゲートを生産する代替法がこれらの合成方法よりも優れた有意な利点を提供するという認識に由来する。
組換えインスリンポリペプチド
一態様において、本開示は、N−結合グリカンの共有結合を可能とするモチーフを含めるように作成された組換えにより発現されたインスリンポリペプチドを提供する。これはこれらのモチーフの1以上を持つインスリンポリペプチドを含むと認識される。当該分野で知られているように、これらの「N−結合グリカンモチーフ」の配列はAsn−Xaa’[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProではない(例えば、Marshall,Annu.Rev.Biochem.41:673−702,1972)。N−結合グリカンは、Asn残基のようなデルタ−アミノ基を介してモチーフに共有結合することができる。
インスリン
ヒトインスリンの野生型配列は以下に示され、N−結合グリカンモチーフを含まない。
Figure 2013535467
当該分野でよく知られているように、ヒトにおける膵臓島のβ−細胞はプロインスリンとして知られたインスリンの一本鎖前駆体を分泌する。ヒトにおいて、プロインスリンは配列:[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド]を有し、ここにおいて、C−ペプチドは配列番号:22:Arg−Arg−Glu−Ala−Glu−Asp−Leu−Gln−Val−Gly−Gln−Val−Glu−Leu−Gly−Gly−Gly−Pro−Gly−Ala−Gly−Ser−Leu−Gln−Pro−Leu−Ala−Leu−Glu−Gly−Ser−Leu−Gln−Lys−Argの配列との連結ペプチドである。
ヒトにおいては、膵臓島のβ−細胞による生物活性インスリンポリペプチドの分泌に先立って、2つの二塩基部位、Arg−ArgおよびLys−Argにおける開裂によってC−ペプチドはプロインスリンから除去される。先に示されたように、該開裂は生物活性インスリンポリペプチドを、A−ペプチド内に1つのジスルフィド結合を持ち、2つのジスルフィド結合によって連結された別々のA−およびB−ペプチドとして放出する。
全ての生物がヒトプロインスリン配列を認識し、かつ正しく処理するのではない。例えば、ある実施形態において、酵母は代替プロインスリン配列:[リーダーペプチド]−[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド]を利用することができる。
酵母のプロインスリン配列において、リーダーペプチドは、酵母におけるインスリンポリペプチドの適切な開裂を促進すると考えられており、例えば、配列:Glu−Glu−Ala−Glu−Ala−Glu−Ala−Glu−Pro−Lys(配列番号:23)またはAsp−Asp−Gly−Asp−Pro−Arg(配列番号:24)を含むことができる。いくつかの実施形態において、リーダーペプチドはXaa’’−Pro−[Lys/Arg]の配列を有し、ここにXaa’’は:
・長さが少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、または少なくとも25アミノ酸であり、または
・長さが5以下、10以下、15以下、20以下、25以下、50以下のアミノ酸であり;および
・少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約5%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%のを酸性アミノ酸(例えば、Aspおよび/またはGlu)を含む。
いくつかの実施形態において、リーダーペプチドはそのC−末端にアミノ酸Pro−Lysを含有する。いくつかの実施形態において、リーダーペプチドはそのC−末端にアミノ酸Pro−Argを含有する。
加えて、ヒトプロインスリンで見出された長いC−ペプチド連結セグメントの代わりに、人工的に作り出した酵母プロインスリン配列はかなり短いC−ペプチド配列、例えば、Ala−Ala−Lys(配列番号:16)、Asp−Glu−Arg(配列番号:17)またはThr−Ala−Ala−Lys(配列番号:25)を有することができる。いくつかの実施形態において、C−ペプチドはXaa’’’−[Lys/Arg]の配列を有し、ここにおいて、Xaa’’’は:
・欠落しており、または長さが少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20アミノ酸であり;
・長さが2以下、3以下、4以下、5以下、6以下、7以下、9以下、10以下、15以下、20以下、または25以下のアミノ酸であり;または
・長さが正確に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25アミノ酸である。
いくつかの実施形態において、C−ペプチドはヒトプロインスリンで見出されるのと異なるアミノ酸配列を有する。一般に、C−ペプチドとは、インスリンA−鎖およびB−鎖の間で見出されるプロインスリン中のいずれかのアミノ酸配列をいう。いくつかの実施形態において、C−ペプチドとは、インスリンA−鎖およびB−鎖の間に見出され、かつ酵素により開裂されて、生物活性インスリン分子を生じるプロインスリン中のいずれかのアミノ酸配列をいう。
いかなる特定の理論にも拘束されるつもりはないが、これらのリーダー配列およびC−ペプチドリーダー配列の組合せは、酵母からの機能的インスリンの生産を可能とすると考えられる。
後により詳細に記載されるように、いくつかの実施形態において、プロインスリンは、少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフ(例えば、1、2、3以上のN−結合グリカンモチーフ)を含む。いくつかの実施形態において、生物活性インスリンポリペプチド(すなわち、A−ペプチド内の1つのジスルフィド結合を持ち、2つのジスルフィド結合によって連結された別々のA−およびB−ペプチド)は、少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフ(例えば、1、2、3またはそれ以上のN−結合グリカンモチーフ)を含む。いくつかの実施形態において、プロインスリンは少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフを含み、酵素開裂の後に、生物活性インスリンポリペプチドは、プロインスリン配列に存在した全N−結合グリカンモチーフを依然として含む。いくつかの実施形態において、プロインスリンは、少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフを含み、酵素開裂の後に、生物活性インスリンポリペプチドは全N−結合グリカンモチーフをもはや含まない。いくつかの実施形態において、プロインスリンは、少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフを含み、酵素開裂の後に、生物活性インスリンポリペプチドは全N−結合グリカンモチーフをもはや含まないが、N−結合グリカンが共有結合されていてもよいAsn残基を依然として含む。これは、例えば、少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフ内でプロインスリンの開裂が発生すれば起こり得る。例えば、N−結合グリカンモチーフにおけるXaa’がLysであって、開裂がLys残基のC−末端側で起これば、生物活性インスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフからのAsn−Lys残基を含むに過ぎない。同様に、N−結合グリカンモチーフ中のXaa’がArgであって、開裂がArg残基のC−末端側で起こるならば、生物活性インスリンポリペプチドは、N−結合グリカンモチーフからのAsn−Arg残基を含むに過ぎない。
本開示は、少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフを含むヒト・インスリン・ポリペプチド(すなわち、ヒトプロインスリンまたは生物活性ヒト・インスリン・ポリペプチド)に限定されない。一般に、本開示は、本開示に従って修飾されており、かつインスリン様生物活性を保有する(すなわち、適当な用量でインビボにて適当な種に投与した場合にグルコースにおいて検出可能な還元を引き起こすことができる)いずれかのヒトまたは非ヒトインスリンを含む。例えば、以下に議論するように、本開示は、少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフを含む修飾されたブタインスリン、ウシインスリン、ウサギインスリン、ヒツジインスリン等も含む。
以下でより詳細に議論するように、N−結合グリカンモチーフは、(付加が挿入を含む場合)1以上のアミノ酸の置換、欠失および/または付加によって野生型インスリン配列内の種々の部位に導入することができる。本開示のインスリンポリペプチドは、N−結合グリカンモチーフを導入するように作成された突然変異に加えて、修飾を含んでもよいのは理解されるべきである。種々の修飾されたインスリンが、当該分野で公知である(例えば、Crotty and Reynolds,Pediatr.Emerg.Care.23:903−905,2007およびGerich,Am.J.Med.113:308−16,2002およびそこに引用された文献参照)。インスリンの修飾された形態は(例えば、以下に記載されるようなPEG基または脂肪アシル鎖のような化学的部位の付加によって)化学的に修飾されおよび/または(すなわち、N−グリカン結合モチーフを導入するように突然変異されているもの以外のアミノ酸の付加、欠失または置換によって)突然変異されていてもよい。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは1から10(例えば、1から9、1から8、1から7、1から6、1から5、1から4、1から3、1から2、2から9、2から8、2から7、2から6、2から5、2から4、2から3、3から9、3から8、3から7、3から6、3から5、3から4、4から9、4から8、4から7、4から6、4から5、5から9、5から8、5から7、5から6、6から9、6から8、6から7、7から9、7から8、8から9、9、8、7、6、5、4、3、2または1)のアミノ酸の置換、付加および/または欠失だけ野生型インスリンから異なる。ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはアミノ酸置換のみによって、野生型インスリンから異なる。ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはアミノ酸付加のみによって野生型インスリンから異なる。ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、アミノ酸の置換および付加の双方によって野生型インスリンから異なる。ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、アミノ酸の置換および欠失の双方によって野生型インスリンから異なる。
ある実施形態において、アミノ酸置換は、関連する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および/または両性の性質における同様性に基づいてなすことができる。ある実施形態において、置換は保存的とすることができ、すなわち、1つのアミノ酸が同様な形状および電荷のものと置換される。保存的置換は当該分野でよく知られており、典型的には、以下の群グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リシン、アロゲニン;およびチロシン、フェニルアラニン内の置換を含む。ある実施形態において、アミノ酸の疎水性指標が適当な突然変異を選択するにおいて考慮してもよい。ポリペプチドに相互作用生物学的機能を付与するにおける疎水性アミノ酸指標の重要性は、当該分野において一般的に理解されている。別法として、同様なアミノ酸の置換は親水性に基づいて効果的になすことができる。ポリペプチドの相互作用生物学的機能を付与するにおける親水性の重要性は当該分野において一般的に理解されている。ポリペプチドの設計における疎水性指標または親水性の使用は、さらに、米国特許第5,691,198号明細書において議論されている。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは式Iにおいて以下に示された配列番号:26のアミノ酸配列(A−ペプチド)および配列番号:27のアミノ酸配列(B−ペプチド)を含む。
Figure 2013535467
[ここにおいて、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、コード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落しており;位置A8、A9、A10、A15、A18、A20およびA21の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸である;位置B1、B2、B3、B4、B26、B27、B28、B29、およびB30の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸であるか、または欠落しており;および位置B5、B9、B10、B11、B12、B13およびB21の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸であり、但し、配列番号:26および/または配列番号:27はモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’はProではない。本明細書中で用いるように、「Xaa’がProでないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]」を含むアミノ酸配列への言及は、1以上のモチーフを持つアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、アミノ酸配列は単一の「Xaa’がProでないAsn−Xaa’−[Ser/Thr]」モチーフを含む。いくつかの実施形態において、配列番号:26はモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’はProでない。いくつかの実施形態において、配列番号:27はモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’はProではない。
本明細書中で用いるように、「コード化可能なアミノ酸」は、標準的な遺伝子暗号によってポリペプチド合成のために直接的にコードされた20アミノ酸のうちのいずれか1つである。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から50のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から25のコード化可能なアミノ酸の配列であるかまたは欠落している。
ある実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から10のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から9のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から8のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から7のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から6のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から5のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から4のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2から3のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸、2のコード化可能なアミノ酸の配列であるか、または欠落している。
以下により詳細に議論されるように、A−およびB−ペプチドは(a)(プロインスリンにおけるように)単一の連続アミノ酸配列内に含まれ得るか、または(b)(生物活性インスリンにおけるように)1以上のジスルフィド架橋を介して連結されている不連続ペプチドであってよいと理解される。種々の実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、野生型インスリンに見出される3つのジスルフィド架橋を含む(すなわち、A−ペプチドの位置7およびB−ペプチドの位置7の間の1つ、A−ペプチドの位置20およびB−ペプチドの位置19の間の第二のもの、およびA−ペプチドの位置6および11の間の第三のもの)。
かくして、本開示は、具体的には、配列番号:1および配列番号:2の不連続A−ペプチドおよびB−ペプチド配列を有する式Iのインスリンポリペプチド、および式I’に示されたような3つのジスルフィド架橋も含む。
Figure 2013535467
本開示は、A−およびB−ペプチドが単一の連続アミノ酸配列内に含まれる式Iのインスリンポリペプチドも含む。例えば、ある実施形態において、A−およびB−ペプチドは以下のように「C−ペプチド」によって分離されていてよい:[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド](ここにおいて、C−ペプチドはB−ペプチドのC−末端をA−ペプチドのN−末端と連結させる)。ある実施形態において、A−およびB−ペプチドは「C−ペプチド」によって分離されていてよく、かつ以下のようにリーダーペプチド配列を含んでよい:[リーダーペプチド]−[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド]。ここにおいて、リーダーペプチドは配列番号:23のリーダーペプチド、配列番号:24のリーダーペプチドまたはXaa’’−Pro−[Lys/Arg]の配列を有するリーダーペプチドであってよく、ここにおいて、Xaa’’は:
・長さが少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20、または少なくとも25のアミノ酸であり、または
・長さが5以下、10以下、15以下、20以下、25以下、50以下のアミノ酸;
・少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約5%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%の酸性アミノ酸(例えば、Aspおよび/またはGlu)を含む。
いくつかの実施形態において、C−ペプチドは配列番号:3のヒトプロインスリンC−ペプチドであってよい。Saccharomyces cerevisiaeのようなある微生物においては、ヒトプロインスリンの発現は開裂された生物活性インスリンポリペプチド生産をもたらさない。その代わり、Saccharomyces cerevisiaeにおいて発現されたプロインスリン前駆体は、A−およびB−ペプチドの間のジスルフィド結合形成前に迅速な酵素開裂を受ける。これらの場合において、非ジスルフィド結合ポリペプチドは不活性であって、従って、非機能性インスリン分子である。
生物活性インスリンポリペプチドの生産において酵母を利用するために、プロテアーゼによって容易に消化されない代替プロインスリン配列が同定されており、従って、それを用いて機能的インスリンポリペプチドを生じさせることができる。これらの代替プロインスリン配列はC−ペプチドをより短いペプチド配列で、リシン、および/またはアルギニンいずれかの2つほどのアミノ酸で置き換える。かくして、いくつかの実施形態において、C−ペプチドは配列番号:16、配列番号:17、または配列番号:25のC−ペプチドであってよい。これらのプロインスリンポリペプチドはより安定であって、インビトロで処理して、生物活性インスリンポリペプチドを得ることができる(Thim et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:6766−67770,1986)。これらおよび他の修飾されたプロインスリンポリペプチドは米国特許第5,962,267号明細書、同第6,521,738号明細書、同第6,558,924号明細書、同第6,610,649号明細書、同第6,777,207号明細書、同第7,105,314号明細書、同第7,087,408号明細書において、また、国際公開第95/16708号パンフレット、欧州特許第0055945号明細書、同第163529号明細書、同第0347845号明細書および同第0741188号明細書において詳細に記載されている。本開示は、これらの代替C−ペプチド配列のうちの1つを含むいずれの[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド]インスリンポリペプチドも含むと理解されるべきである。
いくつかの実施形態において、C−ペプチドはヒトプロインスリンに見出されるのと異なるアミノ酸配列を有する。一般に、C−ペプチドとは、インスリンA−鎖およびB−鎖の間に見出されるプロインスリンにおけるいずれのアミノ酸配列もいう。いくつかの実施形態において、C−ペプチドとは、インスリンA−鎖およびB−鎖の間に見出されているプロインスリンにおけるいずれのアミノ酸配列もいい、これは開裂され、および最終のインスリン生成物から除去される。いくつかの実施形態において、C−ペプチドはXaa’’’−[Lys/Arg]の配列を有するC−ペプチドであり、ここにおいて、Xaa’’’は:
・欠落しているか、または長さが少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20アミノ酸であり;
・長さが2以下、3以下、4以下、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、10以下、15以下、20以下、または25以下のアミノ酸であり;または
・長さが、正確には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25アミノ酸である。
いくつかの実施形態において、C−ペプチド配列は酵母細胞中の組換えインスリンポリペプチドから開裂される。いくつかの実施形態において、C−ペプチド開裂部位は2つの隣接する塩基性アミノ酸残基(Lysおよび/またはArg)。いくつかの実施形態において、C−ペプチドはインビトロで開裂される。C−ペプチドのインビトロ開裂は当該分野で知られたいずれかの開裂部位、例えば、臭化シアンによって開裂可能なMet;トリプシンまたはトリプシン様プロテアーゼ、Acromobactor lyticusプロテアーゼによってまたはカルボキシペプチダーゼプロテアーゼによって開裂可能な単一の塩基性アミノ酸残基または塩基性アミノ酸残基(LysまたはArg)の対を用いて達成することができる。ある実施形態において、C−ペプチド切断部位は単一の塩基性アミノ酸残基LysまたはArg、好ましくはLysである。
ある実施形態において、式IまたはI’におけるA−およびB−ペプチドの位置の1以上におけるXaaは以下の表1および2に記載された選択肢から選択される。
Figure 2013535467
Figure 2013535467
ある実施形態において、式Iのインスリンポリペプチドは、式IIにおいて以下に示されたように、配列番号:28のアミノ酸配列(A−ペプチド)および配列番号:29のアミノ酸配列(B−ペプチド)のアミノ酸配列を含む。
Figure 2013535467
本開示は、式II’において示されたように、不連続A−およびB−ペプチド配列を有する式IIのインスリンポリペプチド、および3つのジスルフィド架橋も具体的に含む。
Figure 2013535467
いくつかの実施形態において、式I、I’、IIまたはII’のインスリンポリペプチドは以下の表3に示されたものから選択された位置A8、A9、A10およびB30におけるアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、式I、I’、IIまたはII’のインスリンポリペプチドは単一の種についての以下の表3に示されたものから(例えば、ヒト配列またはA8におけるThr、A9におけるSer、A10におけるIleおよびB30におけるThrから)選択される位置A8、A9、A10、およびB30におけるアミノ酸を含む。
Figure 2013535467
種々の実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはB−ペプチド配列のB28および/またはB29位置において突然変異している。例えば、インスリンリスプロ(HUMALOG(登録商標))は迅速に作用するインスリン突然変異体であり、そこでは、B−ペプチドのC−末端の最後から二番目のリシンおよびプロリン残基は逆にされている(LysB28ProB29−ヒトインスリン)。この修飾はインスリンマルチマーの形成をブロックする。インスリンアスパルト(NOVOLOG(登録商標))はもう1つの迅速に作用するインスリン突然変異体であり、そこでは、位置B28におけるプロリンはアスパラギン酸で置換されている(AspB28−ヒトインスリン)。この突然変異体はマルチマーの形成も妨げる。いくつかの実施形態において、位置B28および/またはB29における突然変異はインスリンポリペプチド中の他の個所での1以上の突然変異によって達成される。例えば、インスリングルリシン(APIDRA(登録商標))はなおもう1つの迅速に作用するインスリン突然変異体である。そこでは、位置B3におけるアスパラギン酸はリシン残基によって置き換えられており、および位置B29におけるリシンはグルタミン酸残基で置き換えられている(LysB3GluB29−ヒトインスリン)。
種々の実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、ヒトインスリンに対してシフトされている等電点を有する。いくつかの実施形態において、等電点におけるシフトは、1以上のアルギニン残基をインスリンA−ペプチドのN−末端および/またはインスリンB−ペプチドのC−末端に付加することによって達成される。そのようなインスリンポリペプチドの例はArgA−ヒトインスリン、ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、ArgA0ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、およびArgA0GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリンを含む。さらなる例として、インスリングラルギン(LANTUS(登録商標))は例示的な長時間作用インスリン突然変異体であり、そこでは、AspA21はグリシンによって置き換えられており、および2つのアルギニン残基はB−ペプチドのC−末端に付加されている。これらの変化の効果は等電点をシフトさせて、pH4において完全に可溶性である溶液を生じさせることである。かくして、いくつかの実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、A21がGlyであるA−ペプチド配列、およびB31がArg−ArgであるB−ペプチド配列を含む。本開示はこれらの突然変異の全ての単一および複数組合せ、および本明細書中に記載されているいずれの他の突然変異(例えば、GlyA21−ヒトインスリン、GlyA21ArgB31−ヒトインスリン、ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、ArgB31−ヒトインスリン)も含むと理解されるべきである。
種々の実施形態において、本開示のインスリン分子は欠失を含んでよい。例えば、ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドのB−ペプチド配列はB1、B2、B3、B26、B27、B28、B29および/またはB30を欠落している。
種々の実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは切形されていてもよい。例えば、B−ペプチド配列は残基B(1−2)、B(1−3)、B(29−30)、B(28−30)、B(27−30)、および/またはB(26−30)を欠落していてもよい。いくつかの実施形態において、これらの欠失および/または切形は前記したインスリンポリペプチド(例えば、ΔB30インスリンリスプロ、ΔB30インスリンアスパルト、ΔB30インスリングルリシン、ΔB30インスリングラルギンなどを生じさえるのに限定されない。)。
いくつかの実施形態において、インスリンポリペプチドはAまたはB−ペプチド配列のN−またはC−末端にさらなるアミノ酸残基を含有する。いくつかの実施形態において、1以上のアミノ酸残は位置A0、A22、B0、および/またはB31に位置する。いくつかの実施形態において、1以上のアミノ酸残基は位置A0に位置する。いくつかの実施形態において、1以上のアミノ酸残基は位置A22に位置する。いくつかの実施形態において、1以上のアミノ酸残基は位置B0に位置する。いくつかの実施形態において、1以上のアミノ酸残基は位置B31に位置する。ある実施形態において、インスリンポリペプチドは位置A0、A22、B0、またはB31においていずれかのさらなるアミノ酸残基を含まない。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、1以上のアミド化アミノ酸が酸性形態で置き換えられた突然変異を有してもよい。例えば、アスパラギンはアスパラギン酸またはグルタミン酸で置き換えられていてもよい。同様に、グルタミンはアスパラギン酸またはグルタミン酸で置き換えられていてもよい。特に、AsnA18、AsnA21、またはAsnB3、またはそれらの残基のいずれの組合せもアスパラギン酸またはグルタミン酸によって置き換えられていてもよい。GlnA15またはGlnB4、または双方はアスパラギン酸またはグルタミン酸によって置き換えられていてもよい。いくつかの実施形態において、インスリンポリペプチドは位置A21においてアスパラギン酸または位置B3においてアスパラギン酸、または双方を有する。
当業者であれば、生物学的活性を保持しつつ、インスリンポリペプチドにおいてなお他のアミノ酸を突然変異させるのは可能である。例えば、限定されるものではないが、以下の修飾も当該分野で広く受け入られている:位置B10のヒスチジン残基のアスパラギン酸での置き換え(HisB10→AspB10);位置B1におけるフェニルアラニン残基のアスパラギン酸での置き換え(PheB1→AspB1);位置B30におけるスレオニン残基のアラニンでの置き換え(ThrB30→AlaB30);位置B26におけるチロシン残基のアラニンでの置き換え(TyrB26→AlaB26);および位置B9におけるセリン残基のアスパラギン酸での置き換え(SerB9→AspB9)。
いくつかの実施形態において、インスリンポリペプチドは修飾されおよび/または突然変異されて、インスリン受容体に対するその親和性を低下させる。特定の理論に拘束されるつもりはないが、修飾(例えば、アシル化)または突然変異を介してインスリンポリペプチドの受容体親和性を減衰させるのは、インスリンポリペプチドが血清から排除される速度を減少させることができる。いくつかの実施形態において、減少したインスリン受容体親和性はインスリンコンジュゲートに対する優れたインビボ活性にインビトロにて移動する。他の実施形態において、インスリン分子が位置A3、A4、A5、A8、A9またはB30において突然変異させて、インスリン受容体に対するその親和性を低下させる(例えば、LysA4、LysA5、LysA8、LysA9、またはLysB30)。
種々の実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは作用の長引いたプロフィールを有する。かくして、ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは脂肪酸でアシル化されていてもよい。すなわち、アミド結合がインスリンポリペプチド上のアミノ基と脂肪酸のカルボン酸基との間で形成される。アミノ基は、インスリンポリペプチドのN−末端アミノ酸のアルファ−アミノ基であってよく、またはインスリンポリペプチドのリシン残基のイプシロン−アミノ基であってよい。本開示のインスリンポリペプチドは、野生型インスリンに存在する3つのアミノ基の1以上においてアシル化されていてよく、または、野生型配列に導入されているリシン残基上にアシル化されていてもよい。ある実施形態において、インスリンポリペプチドは位置B1にアシル化されていてよい。ある実施形態において、インスリンポリペプチドは位置B29においてアシル化されていてよい。ある実施形態において、脂肪酸はミリスチン酸(C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(C16)、ヘプタデシル酸(C17)およびステアリン酸(C18)から選択される。例えば、インスリンデテミル(LEVEMIR(登録商標))は、ThrB30が欠失されており、かつC14脂肪酸鎖(ミリスチン酸)がLysB29に結合されている長時間作用インスリン突然変異体である。
いくつかの実施形態において、本発明開示のインスリンポリペプチドにおける、A−ペプチドのN−末端、B−ペプチドのN−末端、位置B29におけるLysのイプシロン−アミノ基、またはいずれかの他の利用可能なアミノ基は一般式:
Figure 2013535467
[式中、Xはインスリンポリペプチドのアミノ基であって、RはHまたはC1−30アルキル基である。]
の部位に共有結合している。いくつかの実施形態において、RはC1−20アルキル基、C3−19アルキル基、C5−18アルキル基、C6−17アルキル基、C8−16アルキル基、C10−15アルキル基、C12−14アルキル基等である。ある実施形態において、インスリンポリペプチドはA1位置において該部位にコンジュゲートしている。ある実施形態において、インスリンポリペプチドはB1位置において該部位にコンジュゲートしている。ある実施形態において、インスリンポリペプチドは位置B29のLysのイプシロン−アミノ基において該部位にコンジュゲートしている。ある実施形態において、インスリンポリペプチドの位置B28はLysであって、LysB28のイプシロン−アミノ基は脂肪酸部位にコンジュゲートしている。ある実施形態において、インスリンポリペプチドの位置B3はLysであって、LysB3のイプシロン−アミノ基は脂肪酸部位にコンジュゲートしている。いくつかの実施形態において、脂肪酸鎖は8から20炭素の長さである。いくつかの実施形態において、脂肪酸はオクタン酸(C8)、ノナン酸(C9)、デカン酸(C10)、ウンデカン酸(C11)、ドデカン酸(C12)、またはトリデカン酸(C13)である。ある実施形態において、脂肪酸はミリスチン酸(C14)、ペンタドデカン酸(C15)、パルミチン酸(C16)、ヘプタデカン酸(C17)、ステアリン酸(C18)、ノナデカン酸(C19)、またはアラキジン酸(C20)である。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、N−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:LysB28ProB29−ヒトインスリン(インスリンリスプロ)、AspB28−ヒトインスリン(インスリンアスパルト)、LysB3GluB29−ヒトインスリン(インスリングルリシン)、ArgB31ArgB32−ヒトインスリン(インスリングラルギン)、NεB29−ミリストイル−デス(B30)−ヒトインスリン(インスリンデテミル)、AlaB26−ヒトインスリン、AspB1−ヒトインスリン、ArgA0−ヒトインスリン、AspB1GluB13−ヒトインスリン、GlyA21−ヒトインスリン、GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、ArgA0ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、ArgA0GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、デス(B30)−ヒトインスリン、デス(B27)−ヒトインスリン、デス(B28−B30)−ヒトインスリン、デス(B1)−ヒトインスリン、デス(B1−B3)−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−パルミトイル−ヒトインスリン、NεB29−ミリソチル−ヒトインスリン、NεB28−パルミトイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−パルミトイル−デス(B30)―ヒトインスリン、NεB30−ミリストイル−ThrB29LysB30−ヒトインスリン、NεB30−パルミトイル−ThrB29LysB30−ヒトインスリン、NεB29−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29オクタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−GlyA21ArgB31ArgB31−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−GlyA21GlnB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−ArgA0GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ArgA0GlyA21GlnB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−ArgA0GlyA21AspB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−ArgA0ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−GlyA21GlnB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgA0GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgA0GlyA21GlnB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgB0GlyA21AspB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgA0ArgB31ArgB32−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−ミリストイル−GlyA21LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−GlyA21GlnB3LysB28ProB30ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−ArgA0GlyA21LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−ArgA0GlyA21GlnB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−ArgA0GlyA21AspB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−ArgA0LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−GlyA21LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフおよび以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−オクタノイル−GlyA21GlnB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−ArgA0GlyA21LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−ArgA0GlyA21GlnB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−ArgA0GlyA21AspB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−ArgA0LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−トリデカノイル−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−デス(B30)―ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−GlyA21−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−GlyA21GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21−GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21−GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21−GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlnB3−デス(B30)−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−トリデカノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−トリデカノイル−GlyA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21GlnB3−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−トリデカノイル−GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlnB3−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−トリデカノイル−GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GluB30−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−トリデカノイル−GlyA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21GluB30−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−トリデカノイル−GlyA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−トリデカノイル−GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlnB3GluB30−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−ホルミル−ヒトインスリン、NαB1−ホルミル−ヒトインスリン、NαA1−ホルミル−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαB1−ホルミル−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαA1−ホルミル−ヒトインスリン、NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−アセチル−ヒトインスリン、NαB1−アセチル−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−NαB1−アセチル−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−NαA1−アセチル−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−プロピオニル−ヒトインスリン、NαB1−プロピオニル−ヒトインスリン、NαA1−プロピオニル−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−NαB1−プロピオニル−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−ヒトインスリン、NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−ブチリル−ヒトインスリン、NαB1−ブチリル−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαB1−ブチリル−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαA1−ブチリル−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−ペンタノイル−ヒトインスリン、NαB1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NαA1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ペンタノイル−NαA1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NαA1−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ペンタノイル−NαA1−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NαB1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NαA1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘキサノイル−NαA1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NαA1−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘキサノイル−NαA1−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NαB1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘプタノイル−NαA1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘプタノイル−NαA1−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NαB1−オクタノイル−ヒトインスリン、NαA1−オクタノイル−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαA1−オクタノイル−ヒトインスリン、NαA1−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαA1−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−ノナノイル−ヒトインスリン、NαB1−ノナノイル−ヒトインスリン、NαA1−ノナノイル−ヒトインスリン、NεB29−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−ヒトインスリン、NεB29−ノナノイル−NαA1−ノナノイル−ヒトインスリン、NαA1−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−ヒトインスリン、NεB29−ノナノイル−NαA1−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−デカノイル−ヒトインスリン、NαB1−デカノイル−ヒトインスリン、NαA1−デカノイル−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−NαB1−デカノイル−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−NαA1−デカノイル−ヒトインスリン、NαA1−デカノイル−NαB1−デカノイル−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−NαA1−デカノイル−NαB1−デカノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ホルミル−NαB1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ホルミル−NαA1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ホルミル−NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−アセチル−NαB1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−アセチル−NαA1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−アセチル−NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ブチリル−NαB1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ブチリル−NαA1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ブチリル−NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ペンタノイル−NαA1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ペンタノイル−NαA1−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘキサノイル−NαA1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘキサノイル−NαA1−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘプタノイル−NαA1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘプタノイル−NαA1−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−NαA1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−NαA1−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ノナノイル−NαA1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ノナノイル−NαA1−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB28−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−デカノイル−NαB1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−デカノイル−NαA1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−デカノイル−NαB1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−デカノイル−NαA1−デカノイル−NαB1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフ、および以下のインスリンポリペプチドのうちの1つの突然変異および/または化学的修飾を含む:NεB29−ペンタノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NαB1−ヘキサノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−デス(B26)−ヒトインスリン、NαB1−アセチル−AspB28−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−AspB1AspB3AspB21−ヒトインスリン、NεB29−ペンタノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NαB1−ヘキサノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−GlyA21−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−デス(B30)−ヒトインスリン、NαB1−ブチリル−デス(B30)−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαB1−ブチリル−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαA1−ブチリル−デス(B30)−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−デス(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−デス(B30)−ヒトインスリン。
本開示は、N−結合グリカンモチーフ、および前記した突然変異および/または化学的修飾のうちのいずれか1つを含む非ヒトインスリン(例えば、ブタインスリン、ウシインスリン、ウサギインスリン、ヒツジインスリン等)の修飾された形態も含む。
これらおよび他の修飾されたインスリンポリペプチドは米国特許第6,906,028号明細書;同第6,551,992号明細書;同第6,465,426号明細書;同第6,444,641号明細書;同第6,335,316号明細書;同第6,268,335号明細書;同第6,051,551号明細書;同第6,034,054号明細書;同第5,952,297号明細書;同第5,922,675号明細書;同第5,747,642号明細書;同第5,693,609号明細書;同第5,650,486号明細書;同第5,547,929号明細書;同第5,504,188号明細書;同第5,474,978号明細書;同第5,461,031号明細書;および同第4,421,685号明細書;および米国特許第7,387,996号明細書;同第6,869,930号明細書;同第6,174,856号明細書;同第6,011,007号明細書;同第5,866,538号明細書;および同第5,750,497号明細書に詳細に記載されている。
N−結合グリカンモチーフ
ある実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、Xaa’がProではない配列Asn−Xaa’−[Ser/Thr]によって特徴付けられる1以上のN−結合グリカンモチーフを含む。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフはインスリンポリペプチドの末端に結合している。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフはインスリンポリペプチドの配列内に取り込まれている。いくつかの実施形態において、インスリンポリペプチドは単一のN−結合グリカンモチーフを含む。いくつかの実施形態において、単一のN−結合グリカンモチーフはA−ペプチドに存在する。いくつかの実施形態において、単一のN−結合グリカンモチーフはB−ペプチドに存在する。いくつかの実施形態において、インスリンポリペプチドは1を超えるN−結合グリカンモチーフ(例えば、2、3、または4のモチーフ)を含む。
本明細書中で議論されるN−結合グリカンモチーフの実施形態のいずれか1つが式I、I’、IIまたはII’のインスリンポリペプチドのいずれか1つ内に含むことができるのは理解されるべきである。
いくつかの実施形態において、酵素プロセッシングの間にインスリンポリペプチドからN−結合グリカンモチーフのAsn残基を開裂させる酵素開裂を回避するために、N−結合グリカンモチーフ内のXaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフ内のXaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフ内のXaa’はProまたはArgではない。以下に議論するように、これらのモチーフは、例えば、A−および/またはB−ペプチドのN−末端に向けて位置する場合に有用であり得る(例えば、位置A0またはB0におけるXaa内に含まれるN−結合グリカンモチーフ、またはA8、A10、B0、B1、B2、B3、B9、B10、またはB11位置において開始するN−結合グリカンモチーフ)。
いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフは配列Asn−[Lys/Arg]−[Ser/Thr]によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、これは該モチーフのC−末端側にあるSerまたはThr残基およびいずれかのアミノ酸残基をプロセッシングの間に酵素により開裂させる。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフは配列Asn−Lys−[Ser/Thr]によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフは配列Asn−Lys−Serによって特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフは配列Asn−Lys−Thrによって特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフは配列Asn−Arg−[Ser/Thr]によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフは配列Asn−Arg−Serによって特徴付けることができる。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフは配列Asn−Arg−Thrによって特徴付けることができる。以下に議論するように、これらのモチーフは、例えば、A−および/またはB−ペプチドのC−末端に向けて位置する場合に有用であろう(例えば、位置A22またはB31におけるXaa内に含まれるN−結合グリカンモチーフ、またはA18、A20、A21、A22、B26、B27、B28、B29、B30またはB31位置で開始するN−結合グリカンモチーフ)。以下でより詳細に議論するように、本開示は、酵素開裂の結果としての、N−結合グリカンモチーフの部分(例えば、Asn−[Lys/Arg])を含むインスリンポリペプチドを含む。そのようなインスリンポリペプチドは依然としてグリコシル化されていてもよい。というのは、いずれのN−結合グリカンもAsn残基を介してインスリンポリペプチドに共有結合するからである。
i.A−ペプチド
ある実施形態において、A−ペプチド配列はN−結合グリカンモチーフを含む。例えば、いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフはA−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22において開始してよい。
いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−[Ser/Thr]である。
いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Serである。
いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Thrである。
いくつかの実施形態において、A−ペプチドの位置A18、A20、A21またはA22で開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−[Arg/Lys]−[Ser/Thr](例えば、Asn−Lys−[Ser/Thr]、Asn−Lys−Ser、Asn−Lys−Thr、Asn−Arg−[Ser/Thr]、Asn−Arg−SerまたはAsn−Arg−Thr)である。
先に述べたように、いくつかの実施形態において、(さらなるアミノ酸を持ってもよい)N−結合グリカンモチーフは位置A0またはA22におけるXaa内に含まれる。いくつかの実施形態において、位置A0またはA22におけるXaaはN−結合グリカンモチーフおよびインスリンポリペプチドの残りの間に(例えば、N−結合グリカンモチーフおよびA1の間、またはA21およびN−結合グリカンモチーフの間)にスペーサーアミノ酸を含んでよい。いくつかの実施形態において、位置A0またはA22におけるXaaは1、1から2、1から3、1から4、または1から5のスペーサーアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置A0またはA22におけるXaaはスペーサーアミノ酸として単一のGly残基を含む。
いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。これらの実施形態のいくつかにおいて、位置A0におけるXaaはN−結合グリカンモチーフに対応する(すなわち、いずれかのさらなるアミノ酸を含まない)。これらの実施形態のいくつかにおいて、単一のGly残基は:Xaa’がProではなく(かつ、Lysおよび/またはArgでなくてもよい)Asn−Xaa’−[Ser/Thr]−Glyにおけるようにスペーサーアミノ酸として含まれる。
いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれるN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれるN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれるN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれるN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれるN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Serである。
いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Thrである。
いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。これらの実施形態のいくつかにおいて、位置A22おけるXaaはN−結合グリカンモチーフに対応する(すなわち、いずれのさらなるアミノ酸も含まない)。これらの実施形態のいくつかにおいて、単一のGly残基が:Xaa’がProではなく(かつ、Lysおよび/またはArgでなくてもよい)Gly−Asn−Xaa’−[Ser/Thr]におけるようにスペーサーアミノ酸として含まれる。
いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Serである。
いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Thrである。
いくつかの実施形態において、位置A22におけるXaaはAsn−[Arg/Lys]−[Ser/Thr](例えば、Asn−Lys−[Ser/Thr]、Asn−Lys−Ser、Asn−Lys−Thr、Asn−Arg−[Ser/Thr]、Asn−Arg−SerまたはAsn−Arg−Thr)である。いくつかの実施形態において、さらなるGly残基は:Gly−Asn−[Lys/Arg]−[Ser/Thr](配列番号:30)におけるようにスペーサーアミノ酸として含まれる。
当業者であれば、これらは例示的な変形であって、本開示は他のA0またはA22アミノ酸配列を含むことを認識する。
ii.B−ペプチド
ある実施形態において、B−ペプチド配列はN−結合グリカンモチーフを含む。例えば、いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフはB−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31で開始してよい。
いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−[Ser/Thr]である。
いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Serである。
いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Thrである。
いくつかの実施形態において、B−ペプチドの位置B26、B27、B28、B29、B30またはB31において開始するN−結合グリカンモチーフはAsn−[Arg/Lys]−[Ser/Thr](例えば、Asn−Lys−[Ser/Thr]、Asn−Lys−Ser、Asn−Lys−Thr、Asn−Arg−[Ser/Thr]、Asn−Arg−SerまたはAsn−Arg−Thr)である。
先に述べたように、いくつかの実施形態において、(さらなるアミノ酸を持ってもよい)N−結合グリカンモチーフは位置B0またはB31におけるXaa内に含まれる。いくつかの実施形態において、位置B0またはB31におけるXaaはN−結合グリカンモチーフおよびインスリンポリペプチドの残りの間に(例えば、N−結合グリカンモチーフおよびB1の間に、またはB30およびN−結合グリカンモチーフの間に)スペーサーアミノ酸を含んでよい。いくつかの実施形態において、位置B0またはB31におけるXaaは1、1から2、1から3、1から4、または1から5のスペーサーアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、位置B0またはB31におけるXaaはスペーサーアミノ酸として単一のGly残基を含む。
いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。これらの実施形態のいくつかにおいて、位置B0におけるXaaはN−結合グリカンモチーフに対応する(すなわち、いずれのさらなるアミノ酸も含まない)。これらの実施形態のいくつかにおいて、単一のGly残基は:Xaa’がProではなく(かつ、Lysおよび/またはArgでなくてもよい)Asn−Xaa’−[Ser/Thr]−Glyにおけるようにスペーサーアミノ酸として含まれる。
いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Serである。
いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B0におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Thrである。
いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−[Ser/Thr]であり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。これらの実施形態のいくつかにおいて、位置B31におけるXaaはN−結合グリカンモチーフに対応する(すなわち、いずれのさらなるアミノ酸も含まない)。これらの実施形態のいくつかにおいて、単一のGly残基は:Xaa’がProではなく(かつ、Lysおよび/またはArgではなくてもよい)Gly−Asn−Xaa’−[Ser/Thr]におけるようにスペーサーアミノ酸として含まれる。
いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Serであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Serである。
いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはLysではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はProまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Xaa’−Thrであり、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaa内に含まれたN−結合グリカンモチーフはAsn−Thr−Thrである。
いくつかの実施形態において、位置B31におけるXaaはAsn−[Arg/Lys]−[Ser/Thr](例えば、Asn−Lys−[Ser/Thr]、Asn−Lys−Ser、Asn−Lys−Thr、Asn−Arg−[Ser/Thr]、Asn−Arg−SerまたはAsn−Arg−Thr)である。いくつかの実施形態において、さらなるGly残基は:Gly−Asn−[Lys/Arg]−[Ser/Thr](配列番号:30)におけるようにスペーサーアミノ酸として含まれる。
iii.単一および複数N−結合グリカンモチーフ
いくつかの実施形態において、インスリンポリペプチドは単一のN−結合グリカンモチーフを含む。いくつかの実施形態において、単一のN−結合グリカンモチーフはA−ペプチドに存在する(例えば、A0またはA22位置におけるXaa内に含まれ、またはA8、A10、A18、A20、A21またはA22位置で開始する)。いくつかの実施形態において、単一のN−結合グリカンモチーフはB−ペプチドに存在し、(例えば、B0またはB31位置におけるXaa内に含まれ、またはB0、B1、B2、B3、B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31位置で開始する)。
いくつかの実施形態において、インスリンポリペプチドは1を超えるN−結合グリカンモチーフ(例えば、2、3、または4モチーフ)を含む。いくつかの実施形態において、2以上のN−結合グリカンモチーフはインスリンポリペプチドのA−ペプチドに存在する(例えば、限定されるものではないが、A0位置のXaa内に含まれた第一のモチーフ、およびA22位置のXaa内に含まれた第二のモチーフ、またはA18、A20、A21またはA22位置で開始)。いくつかの実施形態において、2以上のN−結合グリカンモチーフはインスリンポリペプチドのB−ペプチドに存在する(例えば、限定されるものではないが、B0位置のXaa内に含まれた、またはB0、B1、B2、B3、B9、B10、またはB11位置で開始する第一のモチーフ、およびB31位置のXaa内に含まれた、またはB26、B27、B28、B29、B30またはB31位置で開始する第二のモチーフ)。いくつかの実施形態において、2以上のN−結合グリカンモチーフはインスリンポリペプチドのA−ペプチドおよび/またはB−ペプチドに存在する。いくつかの実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドはA−ペプチド上のN−結合グリカンモチーフおよびB−ペプチド上のN−結合グリカンモチーフを含む(例えば、限定されるものではないが、A0位置のXaa内に含まれた第一のモチーフおよびB31位置のXaa内に含まれた、またはB26、B27、B28、B29、B30またはB31位置で出発する第二のモチーフ;B0位置のXaa内に含まれた、またはB0、B1、B2、B3、B9、B10、またはB11位置で出発する第一のモチーフ、およびA22位置のXaa内に含まれた、またはA18、A20、A21またはA22位置で出発する第二のモチーフ;A0位置のXaa内に含まれた第一のモチーフ、およびB0位置のXaa内に含まれた、またはB0、B1、B2、B3、B9、B10、またはB11位置で出発する第二のモチーフ;またはA22位置のXaa内に含まれた、またはA18、A20、A21またはA22位置で開始する第一のモチーフ、およびB31位置のXaa内に含まれた、またはB26、B27、B28、B29、B30またはB31位置で開始する第二のモチーフ)。例えば、本発明者らが種々の合成インスリン−コンジュゲートで行った実験は、1を超えるインスリンアミノ酸位置において(例えば、位置A1およびB29において)コンジュゲートされた糖リガンドを有することが、ある種の状況において有利であり得ることを示した。
iv.末端に位置したN−結合グリカンモチーフ
ある実施形態において、本開示の組換えインスリンポリペプチドは、A−および/またはB−ペプチドの1以上の末端に位置するN−結合グリカンモチーフを含む。
ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフにおけるAsnはA−ペプチドのN−末端に(例えば、位置A0におけるXaa内に)位置する。
ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフにおけるAsnはB−ペプチドのN−末端に(例えば、位置B0における、位置B0における、B0が欠落している場合には位置B1における、B(0−1)が欠落している場合には位置B2における、またはB(0−2)が欠落している場合には位置B3におけるXaa内に)位置する。
ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフは(例えば、位置A20、A21またはA22で開始する、または位置A22におけるXaa内に含まれた)A−ペプチドのC−末端に位置する。ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフの一部のみがA−ペプチドのC−末端に位置する(例えば、Xaa’がProでない場合にはAsnまたはAsn−Xaa’)。本明細書中で議論するように、プロインスリンに存在したN−結合グリカンモチーフが酵素プロセッシングの間に開裂される場合、これが起こり得、例えば、N−結合グリカンモチーフにおけるXaa’がLysまたはArgである場合、A−ペプチドのC−末端はAsn−[Lys/Arg]で終了してもよい。
ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフは(例えば、B(29−31)が欠落している場合には位置B26で開始し、B(30−31)が欠落している場合には位置B27で開始し、B31が欠落している場合には位置B28で開始し、位置B29で開始し、位置B30で開始し、位置B31で開始し、または位置B31におけるXaa内に含まれた)B−ペプチドのC−末端に位置する。ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフの一部のみがB−ペプチドのC−末端に位置する(例えば、AsnまたはAsn−Xaa’、ここにおいて、Xaa’はProではない)。本明細書中で議論するように、プロインスリンに存在したN−結合グリカンモチーフが酵素プロセッシングの間に開裂される場合にこれは起こり得、例えば、N−結合グリカンモチーフにおけるXaa’がLysまたはArgである場合、B−ペプチドのC−末端はAsn−[Lys/Arg]で終わることができる。
以下の実施形態において、N−結合グリカンモチーフの「一部」はAsnまたはAsn−Xaa’を意味し、ここにおいて、Xaa’はProではない。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンモチーフの「一部」はAsn−[Lys/Arg]を意味する。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフはA−ペプチドのN−末端に位置し、(例えば、位置A0におけるXaa内)および第二のN−結合グリカンモチーフ(またはその部分)は(例えば、位置A20、A21またはA22で開始し、または位置A22におけるXaa内に含まれる)A−ペプチドのC−末端に位置する。
ある実施形態において、第一のN−末端グリカンモチーフは(例えば、位置B0における、位置B0における、B0が欠落している場合には位置B1における、B(0−1)が欠落している場合には位置B2における、またはB(0−2)が欠落している場合には位置B3におけるXaa内の)B−ペプチドのN−末端に位置し、および第二のN−結合グリカンモチーフ(またはその部分)は、(例えば、B(29−31)が欠落している場合には位置B26で開始し、B(30−31)が欠落している場合には位置B27で開始し、B31が欠落している場合には位置B28で開始し、位置B29で開始し、位置B30で開始し、位置B31で開始し、または位置B31におけるXaa内に含まれた)B−ペプチドのC−末端に位置する。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフは(例えば、位置A0におけるXaa内の)A−ペプチドのN−末端に位置し、および第二のN−結合グリカンモチーフは(例えば、位置B0におけるXaa内の、位置B0における、B0が欠落している場合には位置B1において、B(0−1)が欠落している場合には位置B2において、またはB(0−2)が欠落している場合には位置B3における)B−ペプチドのN−末端に位置する。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフは(例えば、位置A0におけるXaa内の)A−ペプチドのN−末端に位置し、および第二のN−結合グリカンモチーフ(またはその部分)は(例えば、B(29−31)が欠落している場合には位置B26で開始し、B(30−31)が欠落している場合には位置B27で開始し、B31が欠落している場合には位置B28で開始し、位置B29において開始し、位置B30において開始し、位置B31において開始し、または位置B31におけるXaa内に含まれた)B−ペプチドのC−末端に位置する。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフ(またはその部分)は(例えば、位置A20、A21またはA22で開始し、または位置A22におけるXaa内に含まれた)A−ペプチドのC−末端に位置し、および第二のN−結合グリカンモチーフ(またはその部分)は(例えば、B(29−31)が欠落している場合には位置B26で開始し、B(30−31)が欠落している場合には位置B27で開始し、B31が欠落している場合には位置B28で開始し、位置B29で開始し、位置B30で開始し、位置B31で開始し、または位置B31におけるXaa内に含まれた)B−ペプチドのC−末端に位置する。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフ(またはその部分)は(例えば、位置A20、A21またはA22で開始し、または位置A22におけるXaa内に含まれた)A−ペプチドのC−末端に位置し、および第二のN−結合グリカンモチーフは(例えば、位置B0におけるXaa内の、位置B0における、B0が欠落している場合には位置B1における、B(0−1)が欠落している場合には位置B2において、またはB(0−2)が欠落している場合には位置B3における)B−ペプチドのN−末端に位置する。
v.C−末端に向けて位置するN−結合グリカンモチーフ
ある実施形態において、本開示の組換えインスリンポリペプチドは、A−および/またはB−ペプチドの1以上の末端に向けて位置するN−結合グリカンモチーフを含む。
ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフにおけるAsnは(例えば、1、2または3アミノ酸内の)A−ペプチドのN−末端の1から3のアミノ酸内に位置する。
ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフにおけるAsnはB−ペプチドのN−末端の1から3アミノ酸内に(例えば、1、2または3アミノ酸内に)位置する。
ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフにおける[Ser/Thr]は1から3以下のアミノ酸(例えば、1、2または3のアミノ酸)だけA−ペプチドのC−末端から分離されている。ある実施形態において、A−ペプチドのC−末端は配列Asn−Xaa’−[Ser/Thr]−[Arg/Lys]で終了し、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。
ある実施形態において、N−結合グリカンモチーフにおける[Ser/Thr]は1から3以下のアミノ酸(例えば、1、2または3のアミノ酸)だけB−ペプチドのC−末端から分離されている。ある実施形態において、B−ペプチドのC−末端は配列Asn−Xaa’[Ser/Thr]−[Arg/Lys]で終了し、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフにおけるAsnはA−ペプチドのN−末端の1から3アミノ酸内に(例えば、1、2または3アミノ酸内に)位置しており、および第二のN−結合グリカンモチーフにおける[Ser/Thr]は1から3以下のアミノ酸(例えば、1、2または3以下のアミノ酸だけ)だけA−ペプチドのC−末端から分離されている。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフにおけるAsnはB−ペプチドのN−末端の1から3アミノ酸内に(例えば、1、2または3のアミノ酸内に)位置し、および第二のN−結合グリカンモチーフにおける[Ser/Thr]は1から3以下のアミノ酸(例えば、1、2または3以下のアミノ酸だけ)だけB−ペプチドのC−末端から分離している。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフにおけるAsnはA−ペプチドのN−末端の1から3アミノ酸内に(例えば、1、2または3のアミノ酸内に)位置しており、および第二のN−結合グリカンモチーフにおけるAsnはB−ペプチドのN−末端の1から3アミノ酸内に(例えば、1、2または3のアミノ酸内に)位置する。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフにおけるAsnはA−ペプチドのN−末端の1から3アミノ酸内に(例えば、1、2または3のアミノ酸内に)位置し、および第二のN−結合グリカンモチーフにおける[Ser/Thr]は1から3以下のアミノ酸(例えば、1、2または3以下のアミノ酸だけ)だけB−ペプチドのC−末端から分離している。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフにおける[Ser/Thr]は1から3以下のアミノ酸(例えば、1、2または3のアミノ酸)だけA−ペプチドのC−末端から分離しており、および第二のN−結合グリカンモチーフにおける[Ser/Thr]は1から3以下のアミノ酸(例えば、1、2または3以下のアミノ酸だけ)だけB−ペプチドのC−末端から分離している。
ある実施形態において、第一のN−結合グリカンモチーフにおける[Ser/Thr]は1から3以下のアミノ酸(例えば、1、2または3以下のアミノ酸だけ)だけA−ペプチドのC−末端から分離しており、および第二のN−結合グリカンモチーフにおけるAsnはB−ペプチドのN−末端の1から3のアミノ酸内に(例えば、1、2または3のアミノ酸内に)位置する。
これらの実施形態のいずれか1つにおいて、A−および/またはB−ペプチドのC−末端は配列Asn−Xaa’−[Ser/Thr]−[Arg/Lys]で終了してよく、ここにおいて、Xaa’はPro、LysまたはArgではない。
vi.末端に、および末端に向けて位置したN−結合グリカンモチーフ
ある実施形態において、本開示の組換えインスリンポリペプチドは、A−および/またはB−ペプチドの2以上の末端に、または末端に向けて位置する2以上のN−結合グリカンモチーフを含む。本開示は先に提示した個々の実施形態の全ての組合せおよび順列(例えば、A−ペプチドのN−末端の、およびB−ペプチドのC−末端に向けられたモチーフ、A−ペプチドのN−末端に向けられ、およびB−ペプチドのC−末端にあるモチーフ等)を含むと理解されるべきである。
先のセクションで議論したように、ある実施形態において、野生型インスリンまたはプロインスリン配列へ1以上のN−結合グリカンモチーフを導入するのに必要であった突然変異は、インスリンポリペプチドおよび/または化学的修飾におけるいずれか他の個所の1以上の突然変異が伴い得ると理解されるべきである。いくつかの実施形態において、インスリンポリペプチドにおける他の個所における突然変異は表1から3に記載された選択肢から選択される。いくつかの実施形態において、野生型インスリンまたはプロインスリン配列へ1以上のN−結合グリカンモチーフを導入するのに必要とされた突然変異は、インスリンポリペプチドにおける唯一の突然変異である。
いくつかの実施形態において、プロ−リーダーペプチド配列もまた本開示のインスリンポリペプチドの配列内に(例えば、式IまたはIIにおけるB0におけるXaaの定義内で)含まれ得る。プロ−リーダーポリペプチドは小胞体からのポリペプチド配列をゴルジ体に向け、さらに、培養基への分泌のために分泌小胞に向ける(すなわち、細胞壁を横切っての、または少なくとも細胞膜を通ってのポリペプチドの酵母細胞のペリプラズム空間への輸送)。プロ−リーダーポリペプチドは、米国特許第4,546,082号明細書および同第4,870,008号明細書に開示されているように、酵母α−因子プロ−リーダーペプチドであってよい。別法として、プロ−リーダーペプチドは合成プロ−リーダーペプチドであってよく、これは、天然に見出されないプロ−リーダーペプチドと言われる。適当な合成プロ−リーダーペプチドは、米国特許第5,395,922号明細書;同第5,795,746号明細書;同第5,162,498号明細書および国際公開第98/32867号パンフレットに開示されている。いくつかの実施形態において、プロ−リーダーペプチドは、Lys−Arg配列またはいずれかのその機能的アナログのような、C−末端においてエンドペプチダーゼプロセッシング部位を含む。実施例で用いられた例示的なプロ−リーダーペプチドは配列:Ala−Pro−Val−Asn−Thr−Thr−Thr−Glu−Asp−Glu−Thr−Ala−Gln−Ile−Pro−Ala−Glu−Ala−Val−Ile−Gly−Tyr−Ser−Asp−Leu−Glu−Gly−Asp−Phe−Asp−Val−Ala−Val−Leu−Pro−Phe−Ser−Asn−Ser−Thr−Asn−Asn−Gly−Leu−Leu−Phe−Ile−Asn−Thr−Thr−Ile−Ala−Ser−Ile−Ala−Ala−Lys−Glu−Glu−Gly−Val−Ser−Met−Ala−Lys−Arg(配列番号:8)を有する。
組換えインスリンポリヌクレオチド
一態様において、本開示のインスリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供される。ポリヌクレオチドは、その天然の状態において、または当業者によく知られた方法によって操作された場合に、それが転写および/または翻訳されて、ポリペプチドについてのmRNAおよび/またはポリペプチドを生産することができるならば、ポリペプチドを「コードする」と言われる。アンチセンスストランドはそのような核酸の相補体であって、コーディング配列はそれから推測することができる。
ポリヌクレオチドはいずれかの方法によって調製することができる。例えば、ある実施形態において、ポリヌクレオチドは確立された標準的な方法、例えば、Beaucage et al.,Tetrahedron Letters 22:1859−1869,1981によって記載されたホスホアミダイト方法、またはMatthes et al.,EMBO Journal 3:801−805,1984によって記載された方法によって合成により調製することができる。ホスホアミダイト方法によると、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成器において合成され、精製され、二本鎖とされ、および連結されて、合成ポリヌクレオチド構築体を形成する。DNA構築体を調製する現在好ましい方法はポリメラーゼ鎖反応(PCR)によるものである。
本発明のポリヌクレオチド配列はcDNA起源のものであってよい。例えば、リーダーペプチドをコードするcDNA配列を野生型A−およびB−ペプチドをコードするcDNA配列に連結させることができ、その後、DNA配列を、よく知られた手法に従って相同組換えのために所望のアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドを挿入し、または好ましくは、適当なオリゴヌクレオチドを用いてPCRによって所望の配列を生じさせることによって部位において修飾することができる。
本開示は、本開示のインスリンポリペプチドをコードする1以上のポリヌクレオチド配列を運ぶ細胞(例えば、酵母細胞)において複製することができる組換えベクターも提供する。組換えベクターは自律複製ベクター、すなわち、その複製が染色体複製から独立している染色体外の実体として存在するベクター、例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、または人工染色体であってよい。ベクターは自己−複製を確実とするためのいずれの手段を含有してもよい。別法として、ベクターは宿主細胞に導入した場合に、ゲノムに組み込まれ、およびそれが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであり得る。さらに、単一のベクターまたはプラスミド、または一緒に宿主細胞のゲノムに導入されるべき全DNAを含有する2以上のベクターまたはプラスミド、またはトランスポゾンを用いてもよい。ベクターは線状または閉じた環状プラスミドであってよく、好ましくは、宿主細胞のゲノムへのベクターの安定な組込み、またはゲノムから独立した細胞におけるベクターの自律複製を可能とするエレメントを含有する。好ましい実施形態において、組換えベクターは酵母において複製することができる。
本開示のベクターは、形質転換された細胞の容易な選択を可能とする1以上の選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーは、その産物が殺生物またはウイルス抵抗性、重金属に対する抵抗性、栄養要求株に対する原栄養性等を提供する遺伝子である。酵母宿主細胞についての適当なマーカーはADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、およびURA3である。酵母についての好ましい選択マーカーはSchizosaccharomyces pombe TPI遺伝子である(Russell,Gene 40:125−130,1985参照)。
ベクターにおいて、ポリヌクレオチド配列は適当なプロモーター配列に操作可能に連結されている。プロモーターは、突然変異体、切形されたおよびハイブリッドプロモーターを含めた、選択される宿主細胞において転写活性を示すいずれの核酸配列であってもよく、宿主細胞にとって同種または異種いずれかの細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。酵母宿主において転写を指令するための適当なプロモーターの例はMal、TPI、ADHまたはPGKプロモーターである。いくつかの実施形態において、酵母細胞において遺伝子の転写を指令するのに用いられるプロモーター配列は外部酵母刺激および/または発酵条件によって調節される。いくつかの実施形態において、プロモーター配列はメタノールのメチロトローフ酵母(例えば、P.pastoris等)への投与によって調節される。いくつかの実施形態において、外部酵母刺激に対するプロモーター応答および/または発酵条件の使用の結果、所望のインスリンポリペプチドの増大した収率がもたらされる。
該開示のポリヌクレオチドベクターは適当なターミネーターに操作可能にやはり連結され得る。酵母において、適当なターミネーターはTPIターミネーター(Alber et al.,J.Mol.Appl.Genet.1:419−434,1982参照)。
該開示のポリヌクレオチド、プロモーターおよびターミネーターを連結し、およびそれらを、酵母複製に必要な情報を含む適当な酵母ベクターに挿入するのに用いられる手法は当業者によく知られている。ベクターは、まず、本開示のプロインスリンをコードする全DNA配列を含有するDNA構築体を調製し、引き続いて、この配列を適当な発現ベクターに挿入することによって、または遺伝情報を含むDNA断片を順次挿入し、続いて、連結することによって構築することができると理解される。
N−結合グリカン
N−結合グリカンは、(酸素を介してポリペプチドに共有結合により連結されたO−結合グリカンとは異なり)窒素を介してポリペプチドに共有結合により連結された分岐した糖の重要なクラスである。ヒトにおいては、N−結合グリカンは、保存されたコア五糖GlcNAcMan構造を共有し、糖残基の分岐および置換の変形を伴う(図1参照)。ポリペプチドグリコシル化は、ポリペプチド折り畳み、ポリペプチド安定性、オリゴマー化およびトラフィッキングを含めた鍵となる生物学的プロセスを調節する際に重要である。
N−結合グリカンは小胞体およびゴルジ体において一連の酵素を介してポリペプチド標的に共有結合される(図2参照)。典型的には、ヒトにおいて、グリカンは小胞体のルーメンにおいてポリペプチドに付加される。グリカンは、Xaa’がProを除いたいずれのアミノ酸であってもよいN−結合グリカンモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]内に含有されたアスパラギン残基の側鎖上のアミノ基に付加される。最初のグリカン鎖は、通常、小胞体における特異的なグリコシダーゼ酵素によってトリミングされ、その結果、2つのN−アセチルグルコサミンおよび3つのマンノース残基よりなる短い分岐したGlcNAcManコアがもたらされる。小胞体における最初のプロセッシングの後に、次いで、グリコシル化ポリペプチドがゴルジまで移送され、そこで、さらなるプロセッシングが起こり得る。トリミングされたN−結合グリカン部位は、いくつかのマンノース残基の付加によって修飾することができ、その結果、「高−マンノース」N−結合グリカンを得る。加えて、または別法として、N−アセチルグルコサミンの1以上の単糖ユニットをコアマンノースサブユニットに付加して、「複雑な」N−結合グリカンを形成することができる。ガラクトースをN−アセチルグルコサミンサブユニットに付加することができ、およびシアル酸サブユニットをガラクトースサブユニットに付加することができ、その結果、シアル酸、ガラクトースまたはN−アセチルグルコサミン残基のいずれかで終了する鎖がもたらされる(図2参照)。加えて、フコース残基をグルカンコアのN−アセチルグルコサミン残基に付加させることができる。これらの付加の各々は特異的なグリコシルトランスフェラーゼによって触媒される。
一態様において、本開示はN−結合グリカンモチーフ、Xaa’がProではないAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含む組換えインスリンポリペプチドを提供し、ここにおいて、モチーフ中のAsnのデルタ−アミノ基はグリカンに共有結合している。
一般に、N−結合グリカンは少なくとも1つのβ−結合N−アセチルグルコサミンを含む。いくつかの実施形態において、N−結合グリカンはGlcNAc構造を含み、そこでは、GlcNAcはβ−結合N−アセチルグルコサミンである。
いくつかの実施形態において、N−結合グリカンは少なくとも1つのマンノース残基を含む。いくつかの実施形態において、グリカンはBマンノース、トリマンノース、またはより高次のコンジュゲートされたマンノースを含む。いくつかの実施形態において、トリマンノースは線状トリマンノースである。いくつかの実施形態において、トリマンノースは分岐したトリマンノースである。
いくつかの実施形態において、N−結合グリカンは一般式:GlcNAcManの構造を含み、ここにおいて、Manはマンノース残基の整数である。いくつかの実施形態において、Manのnは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはそれ以上である。いくつかの実施形態において、nは3、4、5、6、7、8、または9である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、nは5である。いくつかの実施形態において、nは8である。いくつかの実施形態において、nは9である。いくつかの実施形態において、一般式GlcNAcManからのマンノース残基は線状アレイに共有結合により連結されている。いくつかの実施形態において、マンノース残基は分岐したアレイに共有結合により連結されている。いくつかの実施形態において、糖残基の連結はβ1−N−GlcNAc、β1−4−GlcNAc、β1−2−GlcNAc、β1−4−Man、α1−6−Man、α1−2−Man、および/またはα1−3−Manである。
これらのマンノシル化N−グリカンは、I−6のような合成インスリン−コンジュゲートでの本発明者らの経験に基づいた特別な興味のものである。注目すべきことには、これらのN−グリカンは(例えば、酵母においてグリコシル化ヒト治療蛋白質を再生させることを試みる場合に)酵母において生じさせることが他の者が試みた伝統的な「ヒト化」N−グリカンとは異なる。
いくつかの実施形態において、N−結合グリカンは一般式GlcNAcManGlcの基を含み、ここにおいて、Glcはグルコースである。再度、N−グリカン内に末端グルコース残基を含ませるのは、合成インスリン−コンジュゲートでの本発明者らの実験に基づいて特に興味がある。しかしながら、本開示は、N−グリカンがGlcNAcManGlcNac、GlcNAcManGlcNac、またはGlcNAcManGlcNAcである状況も含む。いくつかの実施形態において、グリカンはGlcNAcManGlcNAcGalであり、ここにおいて、Galはガラクトースである。いくつかの実施形態において、グリカンはGlcNAcManGlcNAcGalNANAであり、ここにおいて、Galはガラクトースであって、NANAはα−2,3−結合および/またはα−2,6−結合N−アセチルノイラミン酸である。いくつかの実施形態において、糖残基は線状アレイに共有結合により連結されている。いくつかの実施形態において、糖残基は分岐したアレイに共有結合により連結されている。いくつかの実施形態において、糖残基の連結はβ1,N−GlcNAc、β1,4−GlcNAc、β1,2−GlcNAc、β1,4−Man、α1,6−Man、α1,2−Man、α1,3−Man、β1,4−Gal、α2,3−NANAおよび/またはα2−6−NANAである。いくつかの実施形態において、本発明のN−グリカンは異なるタイプの連結を含むことができる(例えば、α1,6−Manおよびα1,3−Man等)。
いくつかの実施形態において、本発明はグリコシル化インスリンポリペプチドの均一な集団を含む組成物(すなわち、同一のN−結合グリカンを持つかなり割合のグリコシル化インスリンポリペプチドを含む組成物)を提供する。いくつかの実施形態において、本発明はインスリンポリペプチドの集団を含む組成物を提供し、ここにおいて、インスリンポリペプチドの少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%は同一のN−結合グリカン(例えば、単一のN−結合グリカンモチーフが存在する場合は同一の単一のN−結合グリカン、または2以上のN−結合グリカンモチーフがインスリンポリペプチドに存在する場合は同一の2以上のN−結合グリカン)を含む。
組換えインスリンポリペプチドの酵母生産
酵母は、高収率発酵系において酵母を成長させる能力のため、(組換えインスリンの生産を含めた)ポリペプチド生産のための産業で用いられる。発酵−ベースのプロセスは(a)高濃度のポリペプチドの迅速な生産;(b)滅菌されたよく制御された生産条件を用いる能力;(c)単純な化学的に規定された(およびポリペプチド−フリーの)成長培地を用いる能力;(d)遺伝的操作の容易性;(e)ウイルスのような汚染性ヒトまたは動物病原体の不存在;(f)毒性等による細胞培養において発現が芳しくなかったものを含めた、広く種々のポリペプチドを発現する能力;および(g)(例えば、培地への分泌を介する)ポリペプチド回収の容易性を供する。加えて、酵母のための発酵施設は一般に細胞培養施設よりも構築するのがかなり低コストである。
高収率の組換えポリペプチドを有効に生じさせるための酵母の重要な利点にも拘わらず、酵母は、それがグリコシル化ポリペプチドの生産に関して不利点を1つ有する。酵母はヒトにおけるグリコシル化経路と比較してかなり異なるグリコシル化経路を有する(例えば、図2および3を比較されたし)。歴史的には、グリコシル化経路の差は、さもなければ哺乳動物発現系よりも顕著な利点にも拘わらず、組換えヒトグリコシル化ポリペプチドの生産のための宿主としての酵母の使用を妨げてきた。
酵母およびヒトはそれらのグリコシル化経路においていくつかの鍵となる差を有するが、該経路における最初の工程のいくつかは共有されている。例えば、最初の工程であるコアオリゴ糖構造の新生のポリペプチドへの移動は、酵母、真菌、植物およびヒトを含めた全ての真核生物において高度に保存されている(図2および3参照)。しかしながら、コアオリゴ糖の引き続いてのプロセッシングは酵母およびヒトの間でかなり異なる。酵母においては、オリゴ糖は進行して、マンノース糖の付加によって修飾される。マンノース糖のコアオリゴ糖への付加はゴルジに存在するマンノシルトランスフェラーゼによって触媒される(例えば、OCH1、MNT1、MNN1等)。S.cerevisiaeにおいて、OCHIは、マンノースをグリカン構造GlcNAcManに付加させて、GlcNAcManを得る1,6−マンノシルトランスフェラーゼをコードする。3つの1,6−マンノース残基を含有するGlcNAcMan構造はさらなるインビボでの1,2−、1,6−、および1,3−マンノシルトランスフェラーゼのための基質であり、S.cerevisiaeに特徴的であって、かつ典型的にはN−グリカン当たり30から40マンノース残基を有することができる過剰マンノシル化グリコシル化ポリペプチドに至る(図3参照)。
ヒト様グリコシル化パターンを持つグリコシル化ポリペプチドを提供する遺伝的修飾を持つ代替酵母株の開発においてかなりの進歩がなされてきた。これらの酵母株の開発は、機能的ヒトグリコシル化ポリペプチド治療剤の生成のための重要な進歩であった。
酵母遺伝的修飾のいくつかは、Pichia pastorisにおけるOCHIホモログの欠失を含み、これは、国際公開第02/00856号パンフレットおよび日本国特許出願公開第8−336387号に開示されている。加えて、マンノシルトランスフェラーゼ活性が欠乏するS.cerevisiaeの突然変異体(例えば、OCH1またはMNN9突然変異体)は非致死的であり、および酵母グリコシル化ポリペプチドのオリゴ糖におけるマンノース含有量の低下を呈することが示されている(図4参照)。酵母におけるグリコシル化経路のさらなる修飾については、米国特許第5,135,854号明細書、同第5,834,251号明細書、同第7,388,081号明細書、同第7,326,681号明細書、および米国特許出願公開第2006/0177898号明細書、同第2007/0178551号明細書、同第2007/0184063号、および同第2008/0274498号明細書を参照のこと。
一態様において、酵母細胞を用いて、本開示のインスリンポリペプチドを発現させる方法が提供される。酵母細胞は、本開示のインスリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列で形質転換される。いくつかの実施形態において、酵母細胞はPichia pastoris、Hansenula polymorpha、Saccharomyces cerevislae、および/またはKluyveromyces lactis種から選択される。いくつかの実施形態において、酵母細胞はPichia pastoris細胞である。
いくつかの実施形態において、酵母細胞は野生型酵母細胞である。いくつかの実施形態において、酵母細胞は遺伝子工学的に作成された酵母細胞である。いくつかの実施形態において、酵母細胞は、1以上の遺伝子の付加、欠失または突然変異によって遺伝子的に修飾される。いくつかの実施形態において、酵母は遺伝子的に修飾されて、1以上の新しい遺伝子を取り込む。遺伝子的修飾は、当該分野で知られ、かつ前記した方法によって達成することができる。
いくつかの実施形態において、酵母細胞は正常なグリコシル化経路を有する。いくつかの実施形態において、酵母細胞は前記したような遺伝子的に修飾されたグリコシル化経路を有する。いくつかの実施形態において、酵母細胞は、それが、伝統的な酵母グリコシル化経路によって生産されるN−グリカン構造とは異なるN−グリカン構造を持つポリペプチド末端産物を生じさせるように、正常な酵母グリコシル化経路において1以上の修飾を有する。例えば、いくつかの実施形態において、さらなるマンノース残基のグリカンコアへの移動はマンノシルトランスフェラーゼの突然変異および/または欠失によって妨げることができる。いくつかの実施形態において、酵母細胞は、それがα−1,2−マンノシルトランスフェラーゼ、α−1,3−マンノシルトランスフェラーゼおよび/またはα−1,6−マンノシルトランスフェラーゼを発現しないように、遺伝子工学的に作成されている。いくつかの実施形態において、酵母細胞は、マンノシルトランスフェラーゼを非機能的とする、α−1,2−マンノシルトランスフェラーゼ、α−1,3−マンノシルトランスフェラーゼおよび/またはα−1,6−マンノシルトランスフェラーゼにおいて挿入、欠失および/または突然変異を保有する。
ポリペプチドの発現について酵母株を形質転換する方法は当該分野でよく知られている(例えば、欧州特許公開欧州特許第0088632号明細書、同第0116201号明細書、同第0123294号明細書、同第0123544号明細書、同第0163529号明細書、同第0123289号明細書、同第0100561号明細書、同第0189998号明細書および同第0195986号明細書、PCT特許公開国際公開第95/01421号パンフレット、同第95/02059および国際公開第90/10075号パンフレット、および米国特許第4,546,082号明細書および同第6,358,705号明細書参照)。
形質転換された酵母細胞を培養するのに用いられる培地は、酵母生物を成長させるのに適したいずれの慣用的な培地であってよい。いくつかの実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは酵母細胞から直接的に回収される。いくつかの実施形態において、酵母細胞は溶解させ、および標的インスリンポリペプチドは当該分野で知られた方法を用いて単離され、および精製される。
いくつかの実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは酵母細胞から培地に分泌される。これらのポリペプチドは、遠心または濾過による培地からの酵母細胞の分離、塩、例えば、硫酸アンモニウムによる上清または濾液のポリペプチド成分の沈澱、続いての、種々のクロマトグラフィー手法、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等による精製を含めた慣用的な手法によって培地から回収することができる。
いくつかの実施形態において、培養基からの本開示のインスリンポリペプチドの回収の後、インスリンポリペプチドを種々のインビトロ手法に付して、可能なリーダーペプチドおよび/またはC−ペプチドを除去して、所望のインスリンポリペプチドを得ることができる。そのような方法はL−スレオニンエステルの存在下でのトリプシンまたはAchromobacter lyticusポリメラプロテアーゼによる酵素変換、続いての、米国特許第4,343,898号明細書または同第4,916,212号明細書に記載された塩基性または酸性加水分解によるスレオニンエステルの変換を含む。
いくつかの実施形態において、(例えば、図1Bに示された)少なくとも1つのN−結合グリカンを含むインスリンポリペプチドはエキソグリコシダーゼを用いてトリミングすることができる。いくつかの実施形態において、エキソグリコシダーゼはα−1,2−マンノシダーゼ、α−1,3−マンノシダーゼ、α−1,6−マンノシダーゼ、α−(1−2,3)−マンノシダーゼおよび/またはα−(1−2,3,6)−マンノシダーゼである。いくつかの実施形態においてエキソグリコシダーゼは酵母細胞によって発現され、およびトリミングはインビボで起こる。いくつかの実施形態において、酵母細胞からの精製の後、本開示のインスリンポリペプチドはインビトロにてエキソグリコシダーゼで処理される。いくつかの実施形態において、(例えば、図1Bに示されるように)少なくとも1つのN−結合グリカンを含む本発明のインスリンポリペプチドはそのまま用いられ、およびエキソグリコシダーゼを用いてトリミングされない。
徐放製剤
実施例において議論したように、ある実施形態においては、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドを維持様式で(すなわち、可溶性組換えヒトインスリンよりも維持される吸収プロフィールを呈する形態で)投与するのが有利である。これは、それが典型的なグルコース変動タイムスケール(すなわち、分よりもむしろ時間)により密接に関連するタイムスケールにてグルコースにおける変動に応答することができる維持されたレベルのグリコシル化インスリンポリペプチドを提供する。ある実施形態において、徐放製剤は、非高血糖症条件(すなわち、絶食させた条件)下で哺乳動物に投与した場合に、グリコシル化インスリンポリペプチドのゼロ次放出を呈することができる。
維持された吸収プロフィールを提供するいずれの製剤も用いることができるのは認識される。そのような実施形態において、これは、グリコシル化インスリンポリペプチドを、全身循環へのその放出特性を遅らせる他の成分と組み合わせることによって達成することができる。
例えば、PZI(プロタミン亜鉛インスリン)製剤をこの目的で用いることができる。実施例において記載したように、本発明者らは、ある実施形態において、本発明者らの合成インスリン−コンジュゲートで調製されたPZI製剤の吸収プロフィールおよび安定性は製剤に含まれたプロタミンおよび亜鉛の絶対的および相対的量に対して感受性であることを見出した。例えば、市販のPZIおよびNPHインスリン処方は約0.05から約0.2mgプロタミン/mgインスリンを必要とし、いくつかのPZI−コンジュゲート製剤は、吸収プロフィールを効果的に維持するために約1から約5mgプロタミン/mgコンジュゲートを必要とした。さらに、商業的なプロタミンインスリン製剤は約0.006mg亜鉛/mgインスリンを含有するが、本発明者らは、プロタミン濃度と共に亜鉛濃度を上昇させると、ある実施形態において、合成インスリン−コンジュゲートのより安定した容易に分散可能な製剤に導くことを見出した。いくつかの場合において、亜鉛含有量は約0.05から約0.5mg亜鉛/mgコンジュゲートの範囲であった。
かくして、外挿によって、ある実施形態においては、本開示のPZI処方は約0.05から約10mgプロタミン/mgグリコシル化インスリンポリペプチドを含むことができる。例えば、約0.2から約10mgプロタミン/mgグリコシル化インスリンポリペプチド、例えば、約1から約5mgプロタミン/mgグリコシル化インスリンポリペプチド。ある実施形態において、本開示のPZI製剤は約0.006から約0.5mg亜鉛/mgグリコシル化インスリンポリペプチドを含むことができる。例えば、約0.05から約0.5mg亜鉛/mgグリコシル化インスリンポリペプチド、例えば、約0.1から約0.25mg亜鉛/mgグリコシル化インスリンポリペプチド。
ある実施形態において、本開示のPZI製剤は約100:1から約5:1の範囲の比率(w/w)でプロタミンおよび亜鉛を含んでよい。例えば、約50:1から約5:1、例えば、約40:1から約10:1。
該実施例はPZI製剤に以下の成分の1以上を含む利点も記載する:抗微生物保存剤、等張剤、および非グリコシル化インスリンポリペプチド。
ある実施形態において、本開示のPZI製剤は抗微生物保存剤(例えば、m−クレゾール、フェノール、メチルパラベンまたはプロピルパラベン)を含む。ある実施形態において、抗−微生物保存剤はm−クレゾールである。例えば、ある実施形態において、PZI製剤は約0.1から約1.0%v/vのm−クレゾールを含むことができる。例えば、約0.1から約0.5%v/vのm−クレゾール、例えば、約0.15から約0.35%v/vのm−クレゾール。
ある実施形態において、本開示のPZI製剤はポリオールを等張剤(例えば、マンニトール、プロピレングリコールまたはグリセロール)として含む。ある実施形態において、等張剤はグリセロールである。ある実施形態において、等張剤は塩、例えば、NaClである。例えば、PZI製剤は約0.05から約0.5M NaCl、例えば、約0.05から約0.25M NaCl、または約0.1から約0.2M NaClを含むことができる。
ある実施形態において本開示のPZI製剤は一定量の非グリコシル化インスリンポリペプチドを含む。ある実施形態において、PZI製剤は、約100:1から1:1、例えば、約50:1から2:1または約25:1から2:1の範囲の非グリコシル化インスリンポリペプチドに対するグリコシル化インスリンポリペプチドのモル比率を含む。
本開示は、小分子製剤の当該分野でよく知られた標準的な徐放(延長されたとも言われる)製剤の使用も含む(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,19th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1995参照)。本開示は、徐々にグリコシル化インスリンポリペプチドを送達するための束縛拡散に依拠するデバイスの使用も含む。ある実施形態において、長時間作用製剤は(加えて、または別法として)、グリコシル化インスリンポリペプチドにおけるある種の突然変異および/または化学的修飾を含めることによって提供することができる。例えば、インスリングラルギン(LANTUS(登録商標))またはインスリンデテミル(LEVEMIR(登録商標))の突然変異を含めることができよう。先に述べたように、インスリングラルギンは例示的な長時間作用インスリンアナログであり、そこでは、Asp−A21がグリシンによって置き換えられており、および2つのアルギニン残基がB−ペプチドのC−末端に加えられている。これらの変化の効果は、等電点をシフトされることであり、pH4において完全に溶解する溶液を生じる。インスリンデテミルはもう1つの長時間作用インスリンアナログであり、そこでは、Thr−B30が欠失されており、およびC14脂肪酸鎖がLys−B29に結合されている。
インスリンポリペプチドの使用
別の態様において、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドを用いる方法が提供される。一般に、グリコシル化インスリンポリペプチドを用いて、糖(例えば、グルコース、または本明細書中に記載られた、マンノース、アルファ−メチルマンノース、L−フコース等のような外因性糖)に対して応答するインスリンを制御可能に提供することができる。該開示は、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドを投与することによる病気または疾患の治療を含む。グリコシル化インスリンポリペプチドを用いて、いずれの患者(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、マウス等)も治療することができるが、それらは最も好ましくはヒトの治療で用いられる。本明細書中で用いるように、用語「治療する」(または「治療している」、「治療された」「治療」等)とは、疾患(例えば、糖尿病)、疾患の兆候または複数兆候(例えば、制御されていないグルコースレベル)、または疾患に向かう素因を軽減し、救済し、変化させ、緩和し、改良し、影響する目的で、それを必要とする対象への本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドの投与をいう。
グリコシル化インスリンポリペプチドはいずれかの経路によって患者に投与することができる。一般に、投与の最も適切な経路は、治療すべき病気または疾患の性質、患者の状態等を含めた種々の因子に依存する。一般に、本開示は経口、静脈内、筋肉内、動脈内、皮下、心室内、肺、経皮、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏または点剤による)、頬によって、または経口または鼻スプレーまたはエアロゾルとしての投与を含む。これらの異なる経路についての医薬製剤の調製における一般的な考慮は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,19th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1995に見出すことができる。種々の実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドは、例えば、注射によって皮下投与してもよい。グリコシル化インスリンポリペプチドは送達の容易性のために担体に溶解させることができる。例えば、担体は、限定されるものではないが、滅菌水、生理食塩水または緩衝化生理食塩水を含めた水性溶液であり得る。
一般に、治療上有効量のグリコシル化インスリンポリペプチドが投与される。グリコシル化インスリンポリペプチドの「治療上有効量」とは、グリコシル化インスリンポリペプチドの効力および毒性のバランスを含む、合理的な利点/危険性の比率において病気または疾患を治療するのに十分な量が意味される。一般に、治療効力および毒性は、例えば、ED50(処置された対照の50%において治療上有効な用量)およびLD50(処置された対照の50%において致死的な用量)を計算することによって、細胞培養における標準的な薬理学的手法によって、または実験動物を使用して、決定することができる。ED50/LD50はグリコシル化インスリンポリペプチドの治療指標を表す。ヒトへの投与のための用量の適切な範囲の最終的な選択は臨床試験の間に決定される。
種々の実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの平均日用量は10から200U、例えば、25から100Uの範囲である(ここにおいて、非グリコシル化インスリンの1ユニットは約0.04mgであって、単純な上向き調整はさらなるN−結合グリカンのモラー質量に基づいて適用することができる)。ある実施形態において、これらの用量でのグリコシル化インスリンポリペプチドの量は毎日投与される。ある実施形態において、5から10回のこれらの用量でのグリコシル化インスリンポリペプチドの量は毎週投与される。ある実施形態において、これらの用量の10から20倍でのグリコシル化インスリンポリペプチドの量は毎二週間投与される。ある実施形態において、これらの用量の20から40倍でのグリコシル化インスリンポリペプチドの量は毎月投与される。
ある実施形態において、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドを用いて、患者(例えば、哺乳動物患者)において高血糖症を治療することができる。ある実施形態において、患者は糖尿病である。しかしながら、本方法は糖尿病患者を治療することに限定されない。例えば、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドを用いて、損なわれた血糖制御に関連する感染を持つ患者において高血糖症を治療することができる。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドを用いて、糖尿病を治療することができる。
ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチド、または本開示の製剤を患者(例えば、哺乳動物患者)に投与される場合、それはインスリンポリペプチドの非グリコシル化バージョンよりも低血糖症を誘導しない。ある実施形態において、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドまたは製剤もまた、問題とする種についての正常な範囲内のHbA1c値も誘導する。ある実施形態において、製剤は、例えば、約4から約6%範囲の、7%未満のHbA1c値に導く。
種々の実施形態において、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドは、少なくとも1つのさらなる療法を受けている患者に投与してもよい。種々の実施形態において、少なくとも1つのさらなる療法は、投与されたグリコシル化インスリンポリペプチドと同一の病気または障害を治療することが意図される。種々の実施形態において、少なくとも1つのさらなる療法は、グリコシル化インスリンポリペプチドの副作用を治療することが意図される。2以上の療法は、患者が双方の療法から利益を受けている場合の期間がある限り、同一の、重複するまたは非重複するタイムフレーム内で投与することができる。2以上の療法は、患者が双方の療法から利益を受けている場合の期間がある限り、同一または異なるスケジュールで投与することができる。2以上の療法は、患者が双方の療法から利益を受けている期間がある限り、同一から異なる製剤内で投与することができる。ある実施形態において、薬物は本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドと混合してもよい(例えば、医薬製剤におけるグリコシル化インスリンポリペプチドと単純に組み合わせた薬物)。例えば、ある実施形態において、これらのアプローチのいずれかを用いて、1を超える抗−糖尿病薬を対照に投与することができる。このアプローチについて特定の例示的な実施形態は以下により詳細に記載される。
インスリン増感剤(例えば、メトフォルミン、グリタゾンのようなビグアニド)は、所与の量のインスリンに対する患者の応答を増大させることによって作用する。インスリン増感剤を受けている患者は、従って、他の同一の患者が必要とするよりもより低い用量の本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドを必要とする。かくして、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドは、インスリン増感剤でやはり治療されている患者に投与することができる。種々の実施形態において、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドは、インスリン増感剤の不存在下で要求される正常な用量の75%までで投与することができる。種々の実施形態において、正常な用量の50、40、30または20%までを投与することができる。
インスリン抵抗性は、正常な量のインスリンが正常なインスリン応答を生じさせるのに不適切であるという障害である。例えば、インスリン−抵抗性患者は、それらの抵抗性を克服し、および十分はグルコース−降下効果を供するためには、高い用量のインスリンを必要とし得る。これらの場合において、インスリンは抵抗性が低い患者において低血糖症を通常誘導するインスリン用量は、高度に抵抗性の患者においてグルコース−降下効果を発揮さえしない。同様に、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドは、それらが適当なタイムフレームにて高いレベルの生物活性インスリンを提供する場合に患者のこのサブクラスに対して効果的であるに過ぎない。ある実施形態において、患者のこのサブクラスの治療は2つのアプローチを組み合わせることによって促進することができる。かくして、ある実施形態において、伝統的なインスリン−ベースの療法を用いて、ベースラインレベルのインスリンを提供し、および本発明のグリコシル化インスリンポリペプチドは投与されて、患者によって必要とされる場合に生物活性インスリンの制御された補充を供する。かくして、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドは、インスリンでやはり治療されている患者に投与することができる。種々の実施形態において、インスリンは、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドの不存在下で必要とされる正常な用量の75%までを投与することができる。種々の実施形態において、正常な用量の50、40、30または20%までを投与することができる。本組合せアプローチは、インスリン分泌促進物質(例えば、スルホニル尿素、GLP−1、エキセンジン−4等)および/またはインスリン増感剤(例えば、メトフォルミン、グリタゾンのようなビグアニド)を受けているインスリン抵抗性患者で用いてもよいことが認識される。
PKおよびPD特性
種々の実施形態において、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドの薬物動態学的および/または薬力学挙動は、糖の血清中濃度の変動によって修飾することができる。
例えば、薬物動態学的(PK)見込みから、血清中濃度曲線は、糖(例えば、グルコース)の血清中濃度が増加する場合、または糖の血清中濃度が閾値と交差する場合(例えば、正常なグルコースレベルよりもより高い)、上方にシフトすることができる。
ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの血清中濃度曲線は、絶食かつ高血糖症条件下で哺乳動物に投与した場合に実質的に異なる。本明細書中で用いるように、用語「実質的に異なる」は、2つの曲線がスチューデントのt−検定(p<0.05)によって決定して統計学的に異なることを意味する。本明細書中で用いるように、用語「絶食された状態」は、血清中濃度曲線が、5人以上の絶食された非糖尿病性個体のデータを組み合わせることによって得られたことを意味する。ある実施形態において、絶食された非糖尿病性個体は、血液を採った時点において糖尿病兆候がなく、かつ血液を採る時間から12時間以内に食べていないランダムに選択された18から30歳である。本明細書中で用いるように、用語「高血糖症状態」は、血清中濃度曲線が、高血糖症状態(絶食状態下で観察される平均グルコース濃度を超えた少なくとも100mg/dLのグルコースCmax)がグリコシル化インスリンポリペプチドおよびグルコースの同時投与によって誘導された、5人以上の絶食した非糖尿病性個体からのデータを組み合わせることによって得られたことを意味する。グリコシル化インスリンポリペプチドおよびグルコースの同時投与は、単に、グリコシル化インスリンポリペプチドが血清中にて検出可能なレベルで存在する場合の期間の間にグルコースCmaxが起こることを必要とする。例えば、グルコース注射(または摂取)は、グリコシル化インスリンポリペプチドが投与される少し前に、それと同時に、またはその後少したって起こるようなタイミングとすることができる。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドおよびグルコースは異なる経路によって、または異なる位置において投与される。例えば、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドは、グルコースが経口または静脈内投与されるのに対し、皮下投与される。
ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの血清中Cmaxは絶食した状態と比較して高血糖症状態下でより高い。加えて、または別法として、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの曲線下血清面積(AUC)は、絶食した状態と比較して、高血糖症状態下でより高い。種々の実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの血清中排除速度は、絶食された状態と比較して、高血糖症状態下でより低い。実施例において議論したように、本発明者らは、ある実施形態において、合成インスリン−コンジュゲートの血清中濃度曲線は、1つの短いおよび1つの長い半減期を持つ2−コンパートメント双指数関数モデルを用いてフィットさせることができる。長い半減期は、グルコース濃度に特に感受性であるように見える。かくして、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの長い半減期は絶食された状態と比較して高血糖症状態下でより長い。ある実施形態において、絶食された状態は100mg/dL未満(例えば、80mg/dL、70mg/dL、60mg/dL、50mg/dL等)のグルコースCmaxを含む。ある実施形態において、高血糖症状態は200mg/dLを超える(例えば、300mg/dL、400mg/dL、500mg/dL、600mg/dL等)グルコースCmaxを含む。平均血清中滞留時間(MRT)、平均血清中吸収時間(MAT)のような他のPKパラメーターの、前記したパラメーターのいずれかに変えて、またはいずれかと組み合わせて用いることができることが認識される。
ヒト、イヌ、ネコ、およびラットにおけるグルコース濃度の正常な範囲は60から200mg/dLである。当業者であれば、異なる正常な範囲を持つ種について以下の値を外挿することができよう(例えば、ミニブタにおけるグルコース濃度の正常な範囲は40から150mg/dLである)。60mg/dL未満のグルコース濃度は低血糖症であると考えられる。200mg/dLを超えるグルコース濃度は高血糖症であると考えられる。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドのPK特性は、グルコースクランプ方法(実施例参照)を用いてテストすることができ、およびグリコシル化インスリンポリペプチドの血清中濃度曲線は、50および200mg/dL、50および300mg/dL、50および400mg/dL、50および500mg/dL、50および600mg/dL、100および200mg/dL、100および300mg/dL、100および400mg/dL、100および500mg/dL、100および600mg/dL、200および300mg/dL、200および400mg/dL、200および500mg/dL、200および600mg/dL等のグルコース濃度で投与した場合に実質的に異なり得る。加えて、または別法として、血清中Tmax、血清中Cmax、平均血清中滞留時間(MRT)、平均血清中吸収時間(MAT)および/または血清中半減期は、2つのグルコース濃度において実質的に異なり得る。以下に議論するように、ある実施形態において、100mg/dLおよび300mg/dLは比較グルコース濃度として使用することができる。しかしながら、本開示は、限定されるものではないが、以下の対50および200mg/dL、50および300mg/dL、50および400mg/dL、50および500mg/dL、50および600mg/dL、100および200mg/dL、100および400mg/dL、100および500mg/dL、100および600mg/dL、200および300mg/dL、200および400mg/dL、200および500mg/dL、200および600mg/dL等のいずれか1つを含めた比較グルコース濃度の代替の対を持つこれらの実施形態の各々を含むことは理解されるべきである。
かくして、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドのCmaxは、2つのグルコース濃度(例えば、300 vs.100mg/dLグルコース)のうちのより高い濃度で哺乳動物に投与した場合により高い。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドのCmaxは、2つのグルコース濃度(例えば、300 vs.100mg/dLグルコース)のうちのより高い濃度にて哺乳動物に投与した場合に少なくとも50%(例えば、少なくとも100%、少なくとも200%または少なくとも400%)高い。
ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドAUCは、2つのグルコース濃度(例えば、300 vs.100mg/dLグルコース)のうちのより高い濃度で哺乳動物に投与した場合により高い。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドのAUCは、2つのグルコース濃度(例えば、300 vs.100mg/dLグルコース)のうちのより高い濃度にて哺乳動物に投与した場合に、少なくとも50%(例えば、少なくとも、例えば、少なくとも100%、少なくとも200%または少なくとも400%)より高い。
ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの血清排除速度は、2つのグルコース濃度(例えば、300 vs.100mg/dLグルコース)のうちのより高い濃度において哺乳動物に投与した場合に、より遅い。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの血清排除速度は、2つのグルコース濃度(例えば、100 vs.300mg/dLグルコース)のうちのより低い濃度にて哺乳動物に投与した場合に、少なくとも25%(例えば、少なくとも50%または少なくとも100%)より速い。
実施例で議論されているように、本発明者らは、ある実施形態において、合成インスリン−コンジュゲートの血清中濃度曲線が1つの短いおよび1つの長い半減期を持つ2−コンパートメント双指数関数モデルを用いてフィットさせることができることを見出した。長い半減期は、グルコース濃度に対して特に感受性であるように見える。かくして、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの長い半減期は、2つのグルコース濃度(例えば、300vs.100mg/dLグルコース)のうちのより高い濃度において哺乳動物に投与した場合に、より長い。ある実施形態において、長い半減期は、2つのグルコース濃度(例えば、300 vs.100mg/dLグルコース)のより高い濃度において哺乳動物に投与した場合に、少なくとも50%(例えば、少なくとも100%、少なくとも200%または少なくとも400%)より長い。
ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの血清中濃度曲線は、高血糖症状態下で哺乳動物に投与した場合に、インスリンポリペプチドの非グリコシル化バージョンの血清中濃度曲線と実質的に同一である。本明細書中で用いるように、用語「実質的に同一」は、スチューデントt−検定(p>0.05)によって決定して2つの曲線の間に統計学的な差はないことを意味する。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの血清中濃度曲線は、絶食させた条件下で投与した場合に、インスリンポリペプチドの非グリコシル化バージョンの血清中濃度曲線とは実質的に異なる。ある実施形態において、コンジュゲートの血清中濃度曲線は、高血糖症条件下で投与した場合、インスリンポリペプチドの非グリコシル化バージョンの血清中濃度曲線と実質的に同一であり、および絶食させた条件下で投与した場合には、実質的に異なる。ある実施形態において、高血糖症条件は200mg/dLを超える(例えば、300mg/dL、400mg/dL、500mg/dL、600mg/dL等)グルコースCmaxを含む。ある実施形態において、絶食させた条件は100mg/dL未満の(例えば、80mg/dL、70mg/dL、60mg/dL、50mg/dL等の)グルコースCmaxを含む。血清中Tmax、血清中Cmax、AUC、平均血清中滞留時間(MRT)、平均血清中吸収時間(MAT)および/または血清中半減期のような前記したPKパラメーターのいずれも比較することができることが認識される。
薬物動態学的(PD)見通しから、グリコシル化インスリンポリペプチドの生物活性は、グルコース濃度が増加する場合、またはグルコース濃度が閾値と交差し、例えば、通常のグルコースレベルよりも高い場合に、増加し得る。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの生物活性は、高血糖症条件と比較して絶食させた条件下で投与した場合により低い。ある実施形態において、絶食させた条件は100mg/dL未満の(例えば、80mg/dL、70mg/dL、60mg/dL、50mg/dL等の)グルコースCmaxを含む。ある実施形態において、高血糖症条件は200mg/dLを超える(例えば、300mg/dL、400mg/dL、500mg/dL、600mg/dL等の)グルコースCmaxを含む。
ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドのPD特性は、定常的なグルコース濃度を維持するのに必要なグルコース注入速度(GIR)を測定することによってテストすることができる。そのような実施形態によると、グリコシル化インスリンポリペプチドの生物活性は、50および200mg/dL、50および300mg/dL、50および400mg/dL、50および500mg/dL、50および600mg/dL、100および200mg/dL、100および300mg/dL、100および400mg/dL、100および500mg/dL、100および600mg/dL、200および300mg/dL、200および400mg/dL、200および500mg/dL、200および600mg/dL等のグルコース濃度で投与した場合に実質的に異なり得る。かくして、ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの生物活性は、2つのグルコース濃度(例えば、300 vs.100mg/dLグルコース)のうちのより高い濃度で哺乳動物に投与した場合により高い。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドの生物活性は、2つのグルコース濃度(例えば、300 vs.100mg/dLグルコース)のうちのより高い濃度で哺乳動物に投与した場合に、少なくとも25%(例えば、少なくとも50%または少なくとも100%)より高い。ある実施形態において、PD挙動は、最小血中グルコース濃度(T最低点)に到達する時間、その間に血中グルコースレベルが最初の値のあるパーセンテージ(例えば、最初の値の70%、またはT70%BGL)等未満にとどまる持続を比較することによって観察することができる。
一般に、本セクションで議論されたPKおよびPD特徴のいずれも、種々の公開された薬物動態学的および薬力学的方法のいずれかに従って決定することができる(例えば、皮下送達に適した方法についてはBaudys et al.,Bioconjugate Chem.9:176−183,1998参照)。
また、これまでのは、グルコース−応答性グリコシル化インスリンポリペプチドとの関係で記載したが、同一の特性およびアッセイは、外因性糖、例えば、マンノース、L−フコース、N−アセチルグルコサミン、アルファ−メチルマンノース等を含めた他の糖に対して応答性であるグリコシル化インスリンポリペプチドに適用されることが認識されるであろう。前記にておよび実施例においてより詳細に議論されるように、絶食された、および高血糖症条件下でPKおよび/またはPD特性を比較する代わりに、PKおよび/またはPD特性は、外因性糖の投与の有りおよび無しにて、絶食させた条件下で比較することができる。所与の外因性糖の異なるCmax値に応答するグリコシル化インスリンポリペプチドを設計することができることが認識される。
外因性トリガー
先に述べたように、本明細書中に記載された方法、グリコシル化インスリンポリペプチドおよび組成物は、グルコース応答性グリコシル化インスリンポリペプチドに制限されない。実施例で実証されるように、いくつかの例示的な合成グルコース−応答性コンジュゲートも、アルファ−メチルマンノースのような外因性糖に対して応答性であった。従って、ある実施形態においては、グリコシル化インスリンポリペプチドは、アルファ−メチルマンノースまたはL−フコースのようなグルコース以外の糖、またはグリコシル化インスリンポリペプチドのPKまたはPD特性を改変することができるいずれかの他の糖の外因性投与によってトリガーすることができると認識される。本明細書中で用いるように、「外因性」糖は、患者に投与するのでなければ、患者において有意なレベルで存在しないものである。ある実施形態において、患者は哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ラット等である。本明細書中で用いるように、糖は、患者のそのタイプについての正常な血清が0.1mM未満の糖を含むならば、患者において有意なレベルで存在しない。ある実施形態において、患者についての正常な血清は0.08mM未満、0.06mM未満、または0.04mM未満の糖を含むことができる。
一旦グリコシル化インスリンポリペプチドが(例えば、徐放製剤として)前記したように投与されたならば、それは適当な外因性糖の投与によってトリガーすることができる。ある実施形態において、トリガーリング量の外因性糖が投与される。本明細書中で用いるように、外因性糖の「トリガーリング量」は、グリコシル化インスリンポリペプチドの少なくとも1つのPKおよび/またはPD特性(例えば、先に議論したようなCmax、AUC、半減期等)の変化を引き起こすのに十分な量である。グリコシル化インスリンポリペプチドについての投与の前記した方法のいずれも外因性糖に等しく適用されるのは理解されるべきである。また、グリコシル化インスリンポリペプチドおよび外因性糖についての投与の方法は同一または異なってもよいのも理解されるべきである。種々の実施形態において、投与の方法は異なる(例えば、説明の目的で、グリコシル化インスリンポリペプチドは毎週皮下注射によって投与することができ、他方、外因性糖は毎日経口投与される)。外因性糖の経口投与は特に価値があるものである。というのは、それは患者のコンプライアンスを促進するからである。例えば、グリコシル化インスリンポリペプチドのPKおよびPD特性は外因性糖のPKプロフィールに関連することは認識される。かくして、グリコシル化インスリンポリペプチドPKおよびPD特性は、外因性糖のPKプロフィールを制御することによって調整することができる。当該分野でよく知られているように、外因性糖のPKプロフィールは用いる用量、経路、頻度および製剤に基づいて調整することができる。例えば、グリコシル化インスリンポリペプチドの短くかつ強い活性化が望まれるならば、経口即時放出製剤を用いることができよう。対照的に、グリコシル化インスリンポリペプチドのより長くより弱い活性化が望まれるならば、経口延長放出製剤を代わりに用いることができよう。即時および延長放出製剤の処方および製造における一般的な考慮は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,19th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1995に見出すことができる。
また、本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドおよび外因性糖の投与の相対的頻度は同一または異なってもよいことも認識される。ある実施形態において、外因性糖はグリコシル化インスリンポリペプチドよりもより頻繁に投与される。いくつかの実施形態において、本発明のグリコシル化インスリンポリペプチドは毎日2回、または3回、またはそれ以上の回数投与することができる。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドは毎日投与することができ、他方、外因性糖は1日につき1回を超えて投与される。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドは毎週2回、毎週、毎二週または毎月投与することができ、他方、外因性糖は毎日投与される。ある実施形態において、グリコシル化インスリンポリペプチドは毎月投与され、および外因性糖は毎週2回、毎週、または毎二週投与される。これらのスキームについての他の変形は当業者によって認識され、用いるグリコシル化インスリンポリペプチドおよび処方の性質に依存して変化する。
実施例1から3は例示的な合成インスリン−コンジュゲートI−6を調製するのに用いるプロセスを記載する(コンジュゲートの構造については図6を参照のこと)。実施例4から7は、この例示的な合成インスリン−コンジュゲートのPKおよびPD特性がどのようにして糖濃度(例えば、内因性グルコースレベル)に対して感受性であるかを示すために行った実験も記載する。実施例8および9は、どのようにしてこれらの実験が本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドで行われるかを記載する。実施例10は、2つの異なる酵母株にN−結合グリカンモチーフを含めるように作成されていない例示的なインスリンポリペプチドの小規模および大規模生産、精製、およびインビトロ酵素プロセッシングを記載する。実施例11は、2つの異なる酵母株にN−結合グリカンモチーフを含めるように作成された例示的なインスリンポリペプチドの小規模および大規模生産、精製、およびインビトロ酵素プロセッシングを記載する。実施例12は、N−結合グリカンモチーフを含めるように作成されたいくつかの例示的なインスリンポリペプチドの配列を記載する。実施例13から17は、図15の例示的な合成コンジュゲートのいくつかで行った実験を記載する。
実施例1−有機溶媒中での多価活性化エステルとのアミン−機能性化薬物のコンジュゲーション
N−末端活性化エステルを含有するフレームワークを1mlの無水DMSO中に60mMで溶解させ、続いて、400μl(過剰)のトリエチルアミン(TEA)を添加する。溶液を室温で迅速に10分間攪拌する。並行して、リガンドの122mM溶液を適当な容量の無水DMSO中で調製する。一旦溶解すれば、十分なリガンド溶液を10分間にわたって滴下して、正確に、フレームワーク上の活性化エステル基の数Nから1を引いたものと同等な多数の反応性同等物を供する。例えば、フレームワーク上にN−3活性化エステル基があれば、(1×(3−1)×60mM/122mM)=0.98mlのリガンド溶液を加える。フレームワーク上にN=4の活性化エステル基があれば、(1×(4−1)×60mM/122mM)=1.5mlのリガンド溶液を加え、等々する。リガンド溶液を加えた後、溶液を室温にて2時間攪拌する。
次いで、アミノ担持薬物を、8.1mMの濃度にて7.5mlの無水DMSOに別々に溶解させる。一旦溶解されれば、全薬物溶液を1分間にわたってフレームワーク/DMSO/リガンド/TEA溶液に加え、続いて、さらに2時間室温で混合して、完全な反応を確実とする。
次いで、得られた溶液を、0.150M NaClを含有する20mM pH 5.0 HEPES緩衝化生理食塩水に10倍だけ高希釈し、続いて、希塩酸で8.0の最終pHにpH調整する。水溶液を、まず、コンジュゲートした、およびコンジュゲートしていない物質の所望の分離のために適切な固相を用いるサイズ排除によって精製する。次いで、カラムのボイド容量を通過した溶液を、適切なサイズとされた限外濾過膜を用いてほぼ10mlまで濃縮する。この溶液を、さらに精製して、Waters SymmetryPrep C18、7μmカラム、19×150mm上の分取用逆相HPLCを用いて所望の生成物を得る。緩衝液Aは0.1%TFAを含有する脱イオン水であって、緩衝液Bは0.1%TFAを含有するアセトニトリルである。精製の前に、カラムを、Waters DeltraPrep 600システムを用いて80%A/20%B移動相で15ml/分にて平衡化する。ほぼ5mlの粗製溶液を、15ml/分の流速にて2分間にわたってカラムに注射し、その後、次の5分間にわたる80%A/20%Bから75%A/25%Bの線形グラジエントを使用し、続いて、次の22分間にわたる75%A/25%Bから62%A/38%Bのより遅い線形グラジエントを使用する。所望のピークの保持時間は用いる薬物、フレームワークおよびリガンドに依存して変化する。一旦収集されると、溶液は回転蒸発させて、アセトニトリルを除去し、および凍結乾燥して純粋なコンジュゲートが得られ、その同一性はLC−MSによって立証することができる(HT Laboratories、San Diego、CA)。
実施例2−保護されていないインスリンからの有機溶媒中で生産された多価糖とのB29−インスリンコンジュゲート
本実施例は、保護されていないインスリンの場合には、Lys−B29イプシロン−アミノ部位が最も反応性のアミンであり、続いて、A1であり、次いで、B1アルファ−アミノ部位であるという事実を利用する。従って、保護されていないインスリンがアミン−含有薬物として用いられる場合、得られたコンジュゲートは大部分Lys−B29位置に置換されるべきである。実施例1に記載された方法およびアミン−含有薬物としての組換えヒトインスリン(MW=5808 Da、Sigma Aldrich、St.Louis、MO)を用い、Molecular Biosciences(Boulder、CO)から購入したTSAT−C6活性化エステルフレームワーク、およびリガンドしてのAETMを用いて合成インスリン−コンジュゲートI−6を調製した。適切なサイズとされたサイズ排除培地はBiogel P2(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA)であって、適切なサイズとされた限外濾過膜分子量カットオフは3kDaであった。
N−末端配列決定に従って、AETM−含有フレームワークのほぼ87%はLys−B29(85%純度、MW(LC−MS)7378)を介してインスリンにコンジュゲートされた。
実施例3―水性溶媒中での多価活性化エステルとのアミン−機能性化薬物のコンジュゲーション
本実施例は、反応を有機溶媒の代わりに水性溶媒中で行う、実施例1に記載された方法に対する代替法を記載する。
N末端活性化エステルを含有するフレームワークを6.25mlの無水DMSOに60mMで溶解させ、続いて、2ml(過剰)のトリエチルアミン(TEA)を添加する。溶液を室温で10分間迅速に攪拌する。並行して、リガンドの448mM溶液を適切な容量の無水DMSO中で調製する。一旦溶解すれば、十分なリガンド溶液を10分間にわたって滴下して、フレームワーク上の活性化エステル基の数Nから1を引いたものの1.5倍と等しい多数の反応性当量を供する。例えば、フレームワーク上にN=3の活性化エステル基があれば、(1.5×(3−1)×60mM/448mM)×6.25ml=2.5mlのリガンド溶液を加える。フレームワーク上にN=4の活性化されたエステル基があれば、(1.5×(4−1)×60mM/448mM)×6.25ml=3.8mlのリガンド溶液を加え、等々する。リガンド溶液が加えられた後、溶液を室温にて1時間攪拌する。
次いで、アミン担持薬物を2.67mlの0.1M、pH11の炭酸ナトリウム緩衝液に17.2mMで別々に溶解させ、およびpHを1.0N水酸化ナトリウムで10.8に調整する。一旦溶解すれば、全フレームワーク/DMSO/リガンド/TEA溶液を75分間にわたって薬物/炭酸緩衝液に滴下する。滴下の間、得られた混合物のpHを、希薄なHClまたはNaOHを用いて、必要ならば、5分毎に10.8に調整する。完全な反応を確実とするための滴下の後に、溶液をさらに15分間攪拌する。
次いで、得られた溶液を、0.150M NaClを含有する20mM pH 5.0 HEPES緩衝化生理食塩水に10倍だけ高希釈し、続いて、希薄なHClで8.0の最終pHにpHを調整する。水溶液を、まず、コンジュゲートされた、およびコンジュゲートされていない物質の所望の分離のために適切な固相を用いるサイズ排除によって精製する。次いで、カラムのボイド容量を通過した溶液を、適切なサイズとされた限外濾過膜を用いてほぼ40mlまで濃縮する。この溶液をさらに精製して、Waters SymmetryPrep C18、7μm、19×150mmカラム上の分取用逆相HPLCを用いて所望の生成物を得る。緩衝液Aは0.1%TFAを含有する脱イオン水であって、緩衝液Bは0.1%TFAを含有するアセトニトリルである。精製前に、カラムを、Waters DeltraPrep 600システムを用いて80%A/20%B移動相で15ml/分にて平衡化する。ほぼ5mlの粗製溶液を、15ml/分の流速で2分間にわたってカラムに注射し、その後、次の5分間にわたる80%A/20%Bから75%A/25%Bの線形グラジエントを使用し、続いて、次の22分間にわたる75%A/25%Bから62%A/38%Bのより遅い線形グラジエントを使用する。所望のピークの保持時間は、用いる薬物、フレームワーク、およびリガンドに依存して変化する。一旦収集されれば、溶液を回転蒸発させて、アセトニトリルを除去し、および凍結乾燥して、純粋なコンジュゲートが得られ、その同一性はLC−MS(HT Laboratories、San Diego、CA)によって実証することができる。
実施例4―長時間作用インスリンコンジュゲート−用量応答効果
長時間作用コンジュゲートを生じさせるために、実施例3に記載された方法に従って調製された合成インスリン−コンジュゲートI−6の溶液からPZI(プロタミン亜鉛インスリン)製剤を調製した。該製剤で用いた賦形剤はプロタミン、亜鉛、m−クレゾールおよび塩を含み、その全てはSigma−Aldrich(St.Louis、MO)から商業的に得た。
Figure 2013535467
表4に記載された順序で成分を加えた後に、一旦製剤が調製されれば、それをインビボのテストに先立って30分間穏やかに混合した。
徐放プロフィールならびにグルコース−応答性PKプロフィールをテストするために、以下の実験を行った。該製剤は、絶食させた正常な非糖尿病性ラット(雄Sprague−Dawley、400−500gm、n=3)の首の背後に5または15U/kg(グラムで表した体重/1.87=注射容量のマイクロリットル)で注射した。240分の遅延後、グルコース容量(4g/kg)をIP注射した。血液試料を、0分にて、および最初のコンジュゲート注射から30、60、90、120、150、180、210、240、および300分後に尾静脈出血を介して収集した。血中グルコース値は、商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定した。加えて、各時点からの血液を4℃で遠心して、血清を集めた。血清中インスリン濃度は、引き続いて、商業的に入手可能なELISAキット(Iso−Insulin ELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)で測定した。
図7に示すように、合成インスリン−コンジュゲートは、グルコースが注射されるまで、平坦なPKプロフィールを呈した。グルコースの応答は劇的で、容量−依存性であった(合成インスリン−コンジュゲートの5U/kg(左側)および15U/kg(右側)容量で得られたデータを比較されたし)。低血糖症は初期または後期の時点で観察されなかった。
実施例5−糖尿病および非糖尿病における長時間作用性コンジュゲート
長時間作用性合成インスリン−コンジュゲート製剤のインビボ利用性を確認するために、本発明者らはそれ(5、10および20U/kg)を正常なおよびSTZ−誘導糖尿病ラット(雄Sprague−Dawley、400から500gm、n=6)に投与した。該製剤は表5における手法を用いて調製した。
Figure 2013535467
コンジュゲートの生物活性をトリガーするのにグルコースの外部IP注射は用いなかった。その後、本発明者らは、コンジュゲート製剤のPKおよびPDプロフィールを制御するのにラットにおけるグルコースの内因性レベルに依拠した。最初のコンジュゲート注射の後の種々の時点において、血液試料を、尾静脈出血を介して収集した。血中グルコース値は、商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定した。図8に示されたように、低血糖症は正常なまたは糖尿病ラットについて初期または後期の時点に観察しなかった。糖尿病ラットで観察されたグルコースプロフィールは劇的であって、コンジュゲートはより高いグルコース濃度によって活性化され、および長時間にわたって(最高容量にて8時間にわたって)容量比例的にそれらのグルコース−降下効果を発揮したことを示す。
実施例6−インビボ半減期/排出速度比較
コンジュゲートI−6がグルコースまたはアルファ−メチルマンノース(a−MM)のような阻害性糖の存在下または不存在下でインビボにて血清から除去される速度を決定するために、以下の実験を行った。各場合において、コンジュゲートI−6(または対照としてのRHI)を0.4mgコンジュゲート/kg体重にて2つの頚静脈にカニューレを挿入した雄Spargue−Dawleyラット(Taconic、JV/JV、350から400g、n=3)に投与した。
上昇したグルコースレベルの存在下で排出速度を決定するために、実験の開始から1時間前に、1つのラットカニューレを、滅菌された50%w/vグルコース溶液を含有するシリンジ注入ポンプに連結させた。ポンプ注入速度は実験によって調整して、動物における血中グルコースレベルが実験の間の全ての時点において300mg/dLを超えたままであることを確実とした。血中グルコースは商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定した。典型的な実験において、動物を300mg/dLを超えて維持するのに必要な注入ポンプ速度は、典型的には、85μL/分よりも大きいことが判明した。血液試料はt=0分において採取し、その後、滅菌コンジュゲート溶液または対照インスリンを第二のラットカニューレを介して静脈内注射し、直ちに続いて、ヘパリン−生理食塩水の追加溶液を注射して、コンジュゲート容量の全てが動物に投与されたことを確実とした。ヘパリン−生理食塩水でのカニューレラインの追加のフラッシュの後、第二のカニューレを用いて、t=1、2、4、8、15、30、60、90、120、および180分のポスト−用量において血液試料を収集した。
a−MMの存在下で排出速度を決定するために、実験の開始から1時間前に1つのラットカニューレを、滅菌された25%w/v a−MM溶液を含有するシリンジポンプに連結した。ポンプに注入速度は実験によって調製したが、典型的には、85μL/分に設定された。血液試料をt=0分に採取し、その後、滅菌コンジュゲート溶液または対照インスリンを第二のラットカニューレを介して静脈内注射し、その後直ちに、ヘパリン−生理食塩水の追加溶液を注射して、コンジュゲート用量の全てが動物に投与されたことを確実とした。ヘパリン−生理食塩水でのカニューレラインの追加のフラッシュ後に、第二のカニューレを用いて、t=1、2、4、8、15、30、60、90、120、および180分ポスト−用量において血液試料を収集した。
実験を通じて、血中グルコースは商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定した。各時点からの血液を4℃にて遠心して、血清を収集し、および血清インスリンまたは血清コンジュゲートの濃度を、引き続いて、商業的に入手可能なELISAキット(Iso−Insulin ELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)で測定した。インスリンまたはコンジュゲート血清中濃度 vs.時間データは、2−コンパートメントモデルに従って、2つの独立した崩壊指数関数(C(t)=a exp(−kt)+b exp(−kt))の和と最良にフィットし、ここにおいて、t1/2(a)=(ln2)/kおよびt1/2(b)=(ln2)/kである。結果を図9に示す。左側パネルはa−MMまたはグルコースの不存在下におけるコンジュゲートI−6−対−RHIについての有意により高い(>5×)排出速度を示す。右側パネルは、排出速度がグルコース(G400注入)の存在下において幾分(約50%)減少し、およびa−MMおよびa−MM(a−MM注入)の存在下においてかなり実質的に(約400%)減少したことを示す。
実施例7−コンジュゲートI−6静脈内(i.v.)注入についてのグルコース−応答性PK
この実施例において、実施例6に記載されたi.v.排出速度実験は、0.4mgコンジュゲート/kg体重の単一のi.v.ボーラスから連続的i.v.注入へ修飾された。実験の目標は、4時間の時点に投与されたグルコースの腹腔内(i.p.)注射での6時間のコンジュゲート(または対照としてのRHI)の一定の入力速度を維持して、血清中コンジュゲート(またはRHI)濃度に対する得られた効果を決定することであった。2つの頚静脈にカニューレが挿入された雄Sprague−Dawleyラット(Taconic JV/JV、350−400g、n=3)を、1つの頚静脈ラインをコンジュゲートまたはRHI注入のために用い、および他の頚静脈ラインを血液収集のために用いるように各実験で用いた。
RHIでは、50mU/mlの溶液を0.2μm濾過膜を通して滅菌濾過し、および0.07ml/分で注入して、全6時間の実験のために3.5mU/分の一定の入力速度を供した。血液試料は、t=0分に採取し、その度一定のi.v.注入を開始した。第二のカニューレを用いて、t=30、60、120、180および240分において血液試料を収集した。t=240分において、4g/kg用量のグルコースをi.p.注射を介して投与し、続いて、t=255、270,300、330および360分において血液試料を収集した。
コンジュゲートI−6では、150mU/ml溶液を、0.2μm濾過膜を通して滅菌濾過し、および0.10ml/分で注入して、全6時間実験のための15mU/分の一定入力速度を供した。血液試料をt=0分に採取し、その後、一定のi.v.注入を開始した。第二のカニューレを用いて、t=30、60、120、180、および240分において血液試料を収集した。t=240分において、1、2または4g/kg用量のグルコースをi.v.注入を介して投与し、続いて、t=255、270、300、330および360分において血液を収集した。
実験を通じて、血中グルコースは、商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定した。各時点からの血液を4℃において遠心して、血清を収集し、および血清中インスリンまたは血清中コンジュゲート濃度を、引き続いて、商業的に入手可能なELISAキット(Iso−Insulin ELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)で測定した。
図10の最初の2つのパネルは、4g/kg i.p.グルコース注射の前および後における、RHIの3.5mU/分注入およびコンジュゲートI−6の15mU/分注入についての血中グルコースおよび血清中インスリン/コンジュゲート濃度プロフィールを比較する。RHI注入は、I−6注入と比較して、グルコース注射に先立って有意な低血糖症を引き起こす。血中グルコース濃度が減少するにつれて、血中グルコース濃度は増加し、続いてベースラインレベルに迅速に復帰するので、i.p.グルコース注射に続いて、コンジュゲートI−6血清中濃度は300%を超えて直ちに増加する。他方、i.p.グルコース注射後に血清中RHI濃度に有意な変化はない。図10の次の3つのパネルは、i.p.グルコース注射の間に血清中コンジュゲート濃度が増加する程度は、投与されたグルコースの用量および得られた血中グルコースレベルに直接的に関連することを示す。例えば、血清中コンジュゲート濃度のベースライン変化に対して50%ピークのみが1g/kgグルコース注射で観察され、他方、ベースライン変化に対する300%ピークは4g/kg用量について観察される。
実施例8−インビボ半減期/排出速度比較
本開示のグリコシル化インスリンポリペプチドが、グルコースまたはアルファ−メチルマンノース(a−MM)のような阻害性糖の存在下または不存在下においてインビボにて血清から除去される速度を決定するために以下の実験を行う。各場合において、グリコシル化インスリンポリペプチド(または対照としてのRHI)は、0.4mg/kg体重にて、2つの頚静脈にカニューレを挿入した雄Sprague−Dawleyラット(Taconic、JV/JV、350−400g、n=3)に投与する。
上昇したグルコースレベルの存在下で排出速度を決定するために、実験の開始から1時間前に、1つのラットカニューレを、滅菌された50%w/vグルコース溶液を含有するシリンジ注入ポンプに連結させる。ポンプ注入速度は実験によって調整して、動物における血中グルコースレベルが実験の間の全ての時点において300mg/dLを超えたままとすることを確実とする。血中グルコースは、商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定する。血液試料はt=0分に採取し、その後、滅菌グリコシル化インスリンポリペプチド溶液または対照RHI溶液を、第二のラットカニューレを介して静脈内に注射し、続いて直ちに、ヘパリン−生理食塩水の追加液を注射し、グリコシル化インスリンポリペプチドの用量の全てが動物に投与されたことを確実とする。ヘパリン−生理食塩水でのカニューレラインの追加のフラッシュ後に、第二のカニューレを用いて、t=1、2、4、8、15、30、60、90、120、および180分ポスト−用量において血液試料を収集する。
a−MMの存在下で排出速度を決定するために、実験の開始から1時間前に、1つのラットカニューレを、滅菌された25%w/v a−MM溶液を含有するシリンジ注入ポンプに連結する。ポンプ注入速度は実験者によって調整される。血液試料はt=0分に採取し、その後、滅菌されたコンジュゲート溶液または対照インスリンを第二のラットカニューレを介して静脈内に注射し、続いて直ちにヘパリン−生理食塩水の追加液を注射して、コンジュゲート用量の全てが動物に投与されたことを確実とする。ヘパリン−生理食塩水でのカニューレラインの追加のフラッシュ後に、第二のカニューレを用いて、t=1、2、4、8、15、30、60、90、120、および180分ポスト−用量において血液試料を収集する。
実験を通じて、血中グルコースは商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定する。各時点からの血液を4℃で遠心して、血清を収集し、および血清中インスリンまたは血清中コンジュゲートの濃度を、引き続いて、商業的に入手可能なELISAキット(Iso−Insulin ELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)で測定する。RHIまたはグリコシル化インスリンポリペプチド血清中濃度−対−時間データは、2−コンパートメントモデルに従った2つの独立した崩壊指数関数(C(t)=a exp(−kt)+b exp(−kt))の和と最良にフィットし、ここにおいて、t1/2(a)=(ln2)/kおよびt1/2(b)=(ln2)/kである。a−MMまたはグルコースの不存在下におけるグリコシル化インスリンポリペプチド−対−RHIについてのより高い排出速度が予測される。高濃度のグルコースまたはa−MMの添加は、グリコシル化インスリンポリペプチドの排出速度を遅らせると予測される。
実施例9−グリコシル化インスリンポリペプチド i.v.注入についてのグルコース−応答性PK
本実施例において、実施例8に記載されたi.v.排出速度実験は、0.4mg/kg体重の単一のi.vボーラス.から連続的なi.v.注入に修飾される。実験の目標は、4時間の時点において投与されたグルコースのi.p.注射と共に6時間のグリコシル化インスリンポリペプチド(または対照としてのRHI)の一定の入力速度を維持して、血清中グリコシル化インスリンポリペプチド(またはRHI)濃度に対する得られた効果を決定することである。2つの頚静脈カニューレが挿入された雄Sprague−Dawleyラット(Taconic、JV/JV、350−400g、n=3)を、1つの頚静脈ラインはグリコシル化インスリンポリペプチドまたはRHI注入のために用いられ、他の頚静脈ラインは血液収集のために用いられるように、各実験で使用される。
RHIについては、50mU/ml溶液は0.2μm濾過膜を通して濾過し、および0.07ml/分で注入して、全6時間の実験のために3.5mU/分の一定入力速度を供する。血液試料はt=0分に採取し、その後、一定のi.v.注入を開始する。第二のカニューレを用いてt=30、60、120、180および240分において血液試料を収集する。t=240分において、4g/kg用量のグルコースはi.p.注射によって投与され、続いて、t=255、270、300、330および360分において血液を収集する。
グリコシル化インスリンポリペプチドについては、150mU/ml溶液を、0.2μm濾過膜を通じて滅菌濾過し、および0.10ml/分に注入して、全6時間実験のために15mU/分の一定入力速度を供する。血液試料t=0分に採取し、その後、一定i.v.注入が開始される。第二のカニューレを用いて、t=30、60、120、180および240分において血液試料を収集する。t=240分において、1、2、または4g/kg用量のグルコースをi.p.注射を介して投与し、続いて、t=255、270、300、330および360分において血液を収集する。
実験を通じて、血中グルコースは商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定する。各時点からの血液を4℃で遠心して、血清を収集し、および血清中RHIまたは血清中グリコシル化インスリンポリペプチドの濃度を、引き続いて、商業的に入手可能なELISAキット(Iso−Insulin ELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)で測定する。
RHI注入は、グリコシル化インスリンポリペプチド注入と比較して、グルコース注射に先立って有意な低血糖症を引き起こすと予測される。グルコース濃度が減少するにつれて、血中グルコース濃度は増加し、続いて、ベースラインレベルに迅速に戻るので、i.p.グルコース注射に続いて、グリコシル化インスリンポリペプチドの血清中濃度は増加すると予測される。i.p.グルコース注射後の血清中RHI濃度の有意な変化は予測されない。血清中コンジュゲート濃度がi.p.グルコース注射の間に増加する程度は、投与されたグルコースの用量および得られた血中グルコースレベルに直接的に関連すると予測される。
実施例10−組換えインスリンポリペプチド:酵母での生産、蛋白質精製およびインビトロ酵素プロセッシング
本実施例は、小規模および大規模の双方での、2つの異なる酵母株(KM71およびGS115)における数種の例示的なインスリンポリペプチドの組換え生産を示す。これらのインスリンポリペプチドはN−結合グリカンモチーフを含むように作成されなかった。組換えにより生産されたインスリンポリペプチドは予測された分子量を有し、および抗−インスリン抗体によって認識された。本実施例に記載された実験は、酵母において製造されたインスリンポリペプチドが商業的規模の収率を生じたことを示す。本実施例は、(C−ペプチドおよびリーダーペプチドを除去するための)組換えにより生産されたインスリンポリペプチドのインビトロ酵素プロセッシングで用いた手法も記載する。
材料および方法
エレクトロコンピテントP.pastorisの株調製
KM71(Invitrogen、Carlsbad、CA)をYPDブロス中で30℃にて培養した(リットル当たり:10g酵母エキス、20gヘプトン、および20gグルコース、pH6.5)。株の再生に成功後、エレクトロコンピテントKM71を、WuおよびLetchworth(Biotechniques 36:152−4)によって記載されているように調製した。エレクトロコンピテントKM71は−80℃のフリーザーに保存した。エレクトロコンピテントP.pastoris GS115(Invitrogen、Carlsbad、CA)は同一の手法によって調製した。
遺伝子構築体を発現するインスリンポリペプチドの調製
インスリンポリペプチド構築体の遺伝子合成は、GeneArt(Regensburg、ドイツ国)で行った。簡単に述べると、インスリンポリペプチドの発現をコードする注目する遺伝子を表6にリストする。該遺伝子はGeneArtで合成し、次いで、BamI(5’部位)およびEcoR1(3’部位)酵素で切断し、次いで、pPIC3.5Kベクター(Invitrogen、Carlsbad、CA)における同一の部位に挿入した。次いで、得られたプラスミドを培養フラスコ中のE.coliにおいて増幅させ、次いで、抽出し、精製し、TE緩衝液中のプラスミドDNAの約1mg/mL溶液を得た。
Figure 2013535467
Figure 2013535467
P.pastoris形質転換のためのDNA調製
4種の遺伝子構築体をGS115およびKM71を形質転換するために最初に用いた。エレクトロポレーションによる形質転換に先立って、各構築体をSalIによって線状化した。各構築体の完全な線状化はアガロースゲル電気泳動によって確認した。次いで、QiaQuick PCR精製スピンカラム(Qiagen)を用いてSalIおよび塩を線状化プラスミドから除去した。線状化されたプラスミドを、オートクレーブ処理した脱イオン水を用いてスピンカラムから溶出させた。
一旦DNAが酵母株に形質転換されたならば、得られた遺伝子構築体は表7に示されたアミノ酸配列につきコードする。プロ−リーダーペプチド配列は培地への蛋白質分泌に先立って酵母内のKex−2エンドプロテアーゼによって開裂されるように設計する(Kjeldsen et al.,1999、Biotechnol.Appl.Biochem.29:79−86)。かくして、培地に分泌された得られたインスリンポリペプチドは[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド]配列に結合したリーダーペプチド配列のみを含む。
Figure 2013535467
Figure 2013535467
P.pastoris形質転換
線状化プラスミドを、WuおよびLetchworthによって報告された手法(Biotechniques 36:152−4)に従ってエレクトロコンピテントP.pastoris GS115およびKM71(双方はHis株)に個々に形質転換した。エレクトロポレーションに付された細胞を1mLの氷冷、1Mソルビトールに再懸濁させ、および最小デキストロース−ソルビトール寒天(アンモニアおよびアミノ酸を含まない1.34%酵母窒素ベース、4×10−5%ビオチン、2%デキストロース、1Mソルビトール、および2%寒天)プレート上で平板培養した。寒天プレートを30℃にて4から7日間インキュベートした。GS115およびKM71ゲノムに組み込まれた発現プラスミドはHis表現型を形質転換体とし、形質転換体がヒスチジン補足無しの最小デキストロース−ソルビトール寒天で成長するのを可能とする。
高−コピー数の発現カセットでのクローンについてのP.pastoris形質転換体のためのスクリーニング
前記工程において4の発現プラスミドでのP.pastorisの2株において導かれたクローンを、高−コピー数の遺伝子構築体の組込みについて個々にスクリーニングした。全ての形質転換体は、ヒスチジン補足なくして最小デキストロース−ソルビトール寒天で選択した。各形質転換は500を超えるHis形質転換体を生じさせた。これらの形質転換体のいくつかは、発現プラスミドの多数コピーを含有すると予測される。というのは、多数の組込み事象はP.pastorisにおいて天然で起こるからである。これらの高−コピー数の形質転換体は、より高いレベルのインスリンポリペプチドを生じさせることができた。従って、全ての形質転換体はゲネチシンに対するそれらの抵抗性に基づいてスクリーニングして、最高コピー数を持つものについて選択した。というのは、発現プラスミドの全てはpPIC3.5K−誘導体であって、ゲネチシン−抵抗性マーカーを含有するからである(すなわち、より高いコピーのクローンはゲネチシン抵抗性のより高い取込みにつながるはずである)。
His形質転換体は最小デキストロース−ソルビトール寒天で成長させ、一緒にプールし、およびゲネチシンを含有するYPD寒天(1%酵母エキス、2%ペプトン、2%デキストロースおよび2%寒天)上で以下の手法に従って平板培養した:
・1から2mlの滅菌水を、各最小デキストロース−ソルビトールプレート上の(各発現プラスミド−株組合せからの)His形質転換体上にピペットで注いだ。
・His+形質転換体は、滅菌スプレッダーを用い、およびそれを寒天の頂部を横切って泳動させることによって水に再懸濁させた。
・細胞懸濁液を移動させ、および滅菌した50ml円錐遠心管に移動させ、およびプールし、および軽く渦巻かせた。
細胞懸濁液の細胞密度は分光光度計(1OD600ユニット≒5×10細胞/ml)を用いて決定した。
・10の細胞を、0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、3.0、および4.0mg/mlの最終濃度にてゲネチシンを含有するYPDプレート上で平板培養した。
・プレートを30℃でインキュベートし、および毎日チェックした。ゲネチシン−抵抗性コロニーは出現するのに3から5日を要した。
YPD−ゲネチシンプレート上で成長したコロニーを、同一濃度のゲネチシンを含有するYPD寒天上で純度のために画線培養して単離されたコロニーが高濃度のゲネチシンに対して抵抗性であることを確実とした。種々のゲネチシン濃度レベルにおける数種のコロニーを、次いで、振盪フラスコ中でのインスリンポリペプチド発現実験のために選択した。
振盪−フラスコ実験
振盪フラスコ実験を、合計80の振盪培養フラスコについて、2つの緩衝液条件(緩衝化−対−非緩衝化培地)にて40のゲネチシン−抵抗性クローン(4発現プラスミド×2株×5形質転換体)で行った。
形質転換体の半分はKM71誘導体であり、これはMut表現型を有する。前記で調製した画線培養プレートからの単離されたKM71形質転換体コロニーを用いて、100mLの非緩衝化MGYブロス(1%酵母エキス、2%ペプトン、1.34%酵母窒素ベース、4×10−5%ビオチン、および1%グリセロール)または100mL BMGYブロス(100mMリン酸カリウムpH6を含むのを除いてMGYと同一)を接種した。これらの種子培養を、250rpmで16時間、またはOD600値が2から6に到達するまで、軌道振盪にて30℃でインキュベートした。次いで、各MGY培養の小さなアリコットを用いて、グリセロールストックを調製した。次いで、残りのMGY培養を4000×gでの5分間の遠心によって回収した。培養上清を捨て、各細胞ペレットを20mL MMYブロス(グリセロールを0.5%メタノールで置き換えた以外はMGYと同一)に再懸濁させた。同様に、BMGY種子培養は4000×gでの5分間の遠心によって回収した。培養上清を捨て、各細胞ペレットを20mLのBMMYブロス(グリセロールを0.5%メタノールによって置き換えた以外はBMGYと同一)で再懸濁させた。
MMYおよびBMMYブロス中のメタノールは蛋白質の発現を誘導する。MMYおよびBMMY培養は250rpmでの96時間の軌道振盪にて30℃でインキュベートした。24時間毎にメタノールを各培養に0.5%の最終濃度まで加えた。培養の0.5−mLのアリコットも、誘導の開始後24時間毎に各振盪フラスコからやはり除去した。これらの試料については、ミクロ遠心によって培養上清から細胞を分離し、双方の画分を−80℃で貯蔵した。
形質転換体の第二の半分はGS115誘導体であり、これはMutであると予測された。先に記載されたように調製された画線培養されたプレートからの単離されたGS115形質転換体コロニーを用いて、25mLのMGYブロスおよび25mLのBMGYブロスを接種した。これらの種子培養を、250rpmにおいて16時間、またはOD600値が2から6に到達するまで、軌道振盪にて30℃でインキュベートした。次いで、各MGY培養の小さなアリコットを用いて、グリセロールストックを調製した。残りの細胞のもう1つのアリコットを、出発OD600値が約1であるように、20mLのMMYブロスを接種するために遠心によって回収した。同様に、BMGY種子培養を用いて、出発OD600値が約1であるように、20mLのBMMYブロスを接種した。MMYおよびBMMY培養を、250rpmで96時間、軌道振盪にて30℃においてインキュベートした。24時間毎に、メタノールを0.5%の最終濃度となるように各培養に加えた。培養の0.5−mLのアリコットを、誘導の開始後24時間毎に各振盪フラスコから除去した。細胞を、ミクロ−遠心によって培養上清から分離し、および双方の画分を−80℃で貯蔵した。
誘導の96時間後、全ての培養を遠心によって回収した。細胞ペレットを捨てた。誘導の間に種々の時点において収集された最終の培養上清み+培養上清みを、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE、BioRad、Hercules、CA;Standard Ladder:SeeBlue@Plus2 Prestain Standard(1×);Stain:SimplyBlue SafeStain;Precast gels:Criterion Precast Gel 16.5%Tris−Tricine/Peptide;Running buffer:1× Tris/Tricine/SDS Buffer;Loading Buffer:Tricine Sample Buffer)または酵素−酵素結合免疫吸着剤検定法(ELISA,Mercodia Iso−Insulin ELISA,Uppsala,スウェーデン国)によってインスリンポリペプチド発現の収率について分析した。
酵母における大規模なインスリンポリペプチド発現のための培地
BM Y=BM Y Base Medium(Teknova,カタログ番号B8001)
BMGY=BM Y+0.1%グリセロール(v/v)
BMMY=BM Y+メタノール
酵母における大規模なインスリンポリペプチド発現のためのMDS寒天プレートの調製
319gのソルビトールおよび35gの寒天を1.4Lのジ−HOに溶解させた。混合物を30分間オートクレーブ処理した。温度を60℃まで降下させ、その後、処置を行った。次に、脱イオン水中の硫酸アンモニウムを含有する175mLの滅菌13.4%(w/v)の酵母−窒素ベース(YNB)を加えた。この混合物に、脱イオン水中の175mLの滅菌20%グルコースおよび脱イオン水中の3.5mLの滅菌0.02%ビオチン溶液の一部を加えた。溶液を均質になるまで混合し、次いで、プレートに注いだ。
酵母におけるインスリンポリペプチドの大規模な発現および培養
滅菌ループを用い、凍結された細胞のアリコットをMDSプレートに移し、および画線培養して、単一のコロニーを得た。プレートを30℃にて2から4日間インキュベートして酵母のコロニーを解明した。1つのコロニーを滅菌ループでランダムに拾い、それを用いて、25mLのBMGY培地(24.17mLのBM Y+0.83mLの30%グリセロール)を接種した。この培地を30℃のインキュベータ−/シェーカー(約150rpm)で24時間インキュベートした。
この時点の後、75mLのBMGY(72.5mLのBM Y+2.5mLの30%グリセロール)を培養に加えて、約100mLの最終容量を得た。インキュベーションは同一条件下でさらに24時間継続した。翌日、光学密度(OD)をアッセイして、どれくらい多くプレ培養が1000ODアリコットを得るのに必要かを決定した(例えば、OD=15であれば、1000OD/15OD*mL−1=>66.7mLのプレ培養が1000ODを得るのに必要であった)。
次いで、プレ培養の計算された容量を遠心し(4000rpm、10分間の4℃)、および上清をデカントした。ペレットを990mLのBM Y培地に再懸濁させた。ODを再度チェックし(それは1.0程度であるはずである)、および培養容量を、必要であれば、それに従って調製した。次いで、10mLの生化学グレードのメタノール(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO#494437)をフラスコに加え、およびフラスコを約150rpmのインキュベータ/シェーカー中で30℃にて24時間インキュベートした。メタノールを、蛋白質発現の所望のレベルに依存して、24時間毎に2から6日間加えた。
酵母成長の所望のレベルが達成された後、培養を遠心し(10,000rpm、30分間の4℃)、上清をデカントし、および清浄な容器中に保ち、および必要となるまで−80℃で凍結させた。
インスリンポリペプチドの大規模な精製
培養フラスコからの細胞を4000×gの遠心機を介して4℃にて10分間回転沈降させた。得られた上清を清浄なフラスコにデカントした。1N HClまたは1N NaOHを用いて上清のpHを約3.3に調製し、続いて、上清を等用量の脱イオン水(Milli−Q、Millipore、Billerica、MA)で希釈した。
得られた培養上清を0.2ミクロンの低結合フィルターユニット(Millipore、Billerica、MA)を通した濾過を介して清澄化させた。別途、イオン−交換カラム(1.42cm×1.42cm×5.0cm)は、25mMクエン酸緩衝液、pH3.3(洗浄緩衝液)中で調製した、調製されたSP Sepharose速流動培地(GE Healthcare)であった。一旦カラムが適切に充填されれば、カラムを蠕動ポンプに連結して、培養上清のイオン交換カラムへの負荷を可能とした(約10mL/分)。一旦培養上清の全てがカラムに負荷されたならば、ほぼ10のカラム容量(CV)の洗浄緩衝液を、蠕動ポンプを用いてカラムに通した。これを行った後、精製されたインスリンポリペプチドを、ほぼ2から5のCVの溶出緩衝液(50mM、pH7.6および200mM NaCl)を用いてカラムから溶出させた。
得られた精製されたインスリンポリペプチド溶液を濃縮し、およびMasterFlexモデル7523−80ポンプ(ColePalmer、Vernon Hills、イリノイ州)に連結された透析濾過設定(88cmおよび0.11mのカセットホルダー、5kDa MWCO Pellicon3 0.11mカセットフィルター、Millipore、Billerica、MA)を用いて脱塩した。溶液をまず濃縮し、またほぼ250mLの容量まで希釈し、次いで、ほぼ8から10の透析容量のためのMilli−Q脱イオン水に対して透析濾過した。
次いで、脱塩された精製されたインスリンポリペプチド溶液を凍結乾燥するか、または引き続いての酵素処理工程で直接的に用いた。
インビトロ酵素処理
Achromobacter lyticusプロテアーゼ(ALP)を、1mLのMilli−Q HO中の2Uの酵素を溶解させることによって調製した。作動溶液は、酵素ストック溶液を0.2U/mLの濃度のためにMilli−Q HOでさらに1:9希釈することによって調製した。
全ての10 RHI−1突然変異体からのブロスを用いた(GS115 RHI−1 A−EおよびKM71 RHI−1 A−E)。各ブロス試料の2つの200μLのアリコットを調製し、40μLの2M Trisの添加によってpH約10に調整した。約540μmLのヒトRHIの2つのアリコットを同様な方法で調製して、対照として作用させた。2.4μLの作動酵素溶液をアリコットの各対の1つに加えた。2.4μLのMilli−Q HOを他方に加えて、対照として供した。試料をロッカー上で室温にて4.5時間インキュベートし、次いで、分析まで−80℃で凍結させた。
試料を、20μLのTricine試料緩衝液(Bio−rad)を10μLの調製されたブロスに加え、および5分間沸騰させることによって、SDS−PAGEおよびウエスタンブロッティングのために調製した。ペプチドおよび蛋白質ラダーと共に試料を、室温にて1.75時間の間125Vで泳動させた16.5%Tris−Tricineゲル上で分解した。次いで、蛋白質を、iBlot乾燥移動システム(Invitrogen)、プログラムP3を用いるニトロセスロース膜に5.5分間で移動させた。膜をPBS中の0.25%グルタルアルデヒドで15分間固定し、次いで、TBSで3×5分洗浄した。ブロッキングは、室温のロッカー上で、PBS+0.05%Tween−20(PBST)中の5%粉乳中で1時間行った。次いで、ブロットを、シェーカーで、PBST中の1%粉乳に1:1000希釈したマウス抗−ヒトプロインスリン/インスリン抗体(Abcam)中で4℃にて一晩インキュベートした。ブロットをPBSTで2×10分洗浄し、PBST中の1%乳に1:3000希釈したHRPコンジュゲーテッドヤギ抗−マウスIgG中で室温にて2時間インキュベートした。ブロットをPBST中で2×10分洗浄し、続いて、dHO中で2分間洗浄した。TMB基質(Pierce)中で室温にて2時間インキュベートし、続いて、dHOで強く洗浄することによって、バンドを発色させた。
結果
酵母中でのインスリンポリペプチドの生産
本実施例は酵母におけるインスリンポリペプチドの生産を示す。特に、本実施例は、2つの異なる酵母株におけるインスリンポリペプチド(具体的にはRHI−1、RHI−2、RHI−3、およびRAT−1の生産)の生産を明示的に示す。本開示は、これらの手法が、(実施例11にさらに詳しく記載された)少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフを含有するように突然変異されたインスリンポリペプチドのような、いずれかの他の組換えインスリンポリペプチドを発現し、およびそれを精製するのに有用であり得るという認識を含む。本開示nは、酵母の他の株がインスリンポリペプチドの発現で適当であるという認識も含む。
図11は、緩衝化(BMMY)および非緩衝化(MMY)条件下で成長させたGS115株クローンからの未精製培養上清収率を表す。図11の左側パネルは、ELISA分析(ISO−インスリンELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)を用いる種々のクローン(「クローン#」とは、異なるゲネチシンプレート抵抗性レベルから得られたクローンを言う)からのmg/Lで表したインスリンポリペプチド収率を表す。図11の右側パネルは、クローンのSDS−PAGEを表し、生産されたインスリンポリペプチドの分子量を示す。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、収率比較目的で、250mg/Lにおける、頂部右側ゲルのレーン14において、および底部右側ゲルのレーン2において示される。予測されるように、インスリンポリペプチドは、リーダーペプチドおよび連結ペプチド(「C−ペプチド」)により、インスリンポリペプチドはRHI標準のそれよりも高いMWを有する。
図12は、緩衝化条件下で成長させたKM71株クローンからの未精製培養上澄収率を表す。図12の左側パネルは、ELISA分析(ISO−インスリンELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)を用いる種々のクローン(「クローン#」とは、異なるゲネチシンプレート抵抗性レベルから得られたクローンを言う)からのmg/Lで表したインスリンポリペプチド収率を表す。図12の右側パネルはクローンのSDS−PAGEを表し、生産されたインスリンポリペプチドの分子量を示す。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、収率比較目的で、頂部右側ゲルのレーン15から18(60から500mg/L)において、および底部右側ゲルのレーン5から9(30から500mg/L)において示される。予測されるように、インスリンポリペプチドは、リーダーペプチドおよび連結ペプチド(「C−ペプチド」)のため、RHI標準のそれよりも高いMWを有する。
図13は、非緩衝化条件下で成長させたKM71株クローンからの未精製培養上清収率を表す。図13の左側パネルは、ELISA分析(ISO−インスリンELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)を用いる種々のクローン(「クローン#」とは、異なるゲネチシンプレート抵抗性レベルから得られたクローンを言う)からのmg/Lで表したインスリンポリペプチド収率を表す。図13の右側パネルはクローンのSDS−PAGEを表し、生産されたインスリンポリペプチドの分子量を示す。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、収率比較目的で、頂部右側ゲルのレーン8および9(250および100mg/L)において、および底部右側ゲルのレーン18(250mg/L)において示される。予測されるように、インスリンポリペプチドは、リーダーペプチドおよび連結ペプチド(「C−ペプチド」)のため、RHI標準のそれよりも高いMWを有する。
図11から13に表された結果は、種々のプラスミド構築体によって生産されたインスリンポリペプチドが正しいMWのものであったことを示す。加えて、これらのデータは、インスリンポリペプチドがインスリン様であることを示す。というのは、それらは、ヒトインスリンに対して特異的な抗体を用いる商業的インスリンELISAキットによって測定可能であり、かつ検出可能であるからである。これらのデータは、さらに、インスリンポリペプチドが商業的に有用なレベル(例えば、>25mg/L)において酵母で発現できることを示す。最後に、これらのデータは、粗製培養上清からの、ELISA−測定収率およびSDS−PAGE−測定収率の間に良好な相関を示した。換言すれば、SDS−PAGEバンドの強度が増加すると、ELISA測定もまた増加する傾向がある。この相関は、さらに、SDS−PAGEゲル上での適当な分子量における注目するバンドが、事実、インスリンポリペプチドであったことを示す。
精製されたインスリンポリペプチドのインビトロ酵素処理
本実施例は、(C−ペプチドおよびリーダーペプチドを除去するための)組換えにより生産されたインスリンポリペプチドのインビトロ酵素処理で用いた手法も記載する。本開示は、これらの手法が、例えば、粗製細胞培養ブロスからの、清澄化上清からの、精製されたインスリンポリペプチド産物からの、等の、生産プロセスのいずれかの工程でインスリンポリペプチドの精製で利用することができるという認識を含む。
遺伝子RHI−1を含有するメタノール誘導突然変異体からのブロスをAchromobacter lyticusプロテアーゼ(ALP)で消化した。ALPはC−末端リシンプロテアーゼであり、それ自体が、インスリンポリペプチドのA−およびB−ペプチドの間のペプチドリンカー、ならびにB−ペプチドのN−末端に連結されたリーダーペプチド配列を開裂させると予測される。乾燥された膜をスキャンし、およびそれを図14に表す。2つのバンドが、ブロスを含有するほとんどのレーンに存在し、および双方のバンドを、対照と比較して酵素消化後により低い分子量にシフトした。各消化された対におけるより低いMWバンドは、RHI対象とほぼ同一の位置にある。RHI対照は消化に続いてMWを変化させなかった。これらの結果は、適当なサイズのインスリンポリペプチドが酵素処理後に生じたことを示す。インスリンポリペプチドのALPでの消化は、表8に表された生成物を生産すると予測される(ここにおいて、該生成物中のA−およびB−ペプチドは式I’およびII’’に示された3つのジスルフィド架を介して連結されている)。
Figure 2013535467
実施例11−N−結合グリカンモチーフを含有する組換えインスリン:酵母における生産、蛋白質精製、およびインビトロ酵素処理
本実施例は、小規模および大規模双方の、2つの異なる酵母株(KM71およびGS115)において少なくとも1つのN−結合グリカンモチーフを含む例示的なインスリンポリペプチドの組換え生産を記載する。ある実施形態において、これらのインスリンポリペプチドはグリコシル化されている。本実施例は、(C−ペプチドおよびリーダーペプチドを除去するために)組換えにより生産されたインスリンポリペプチドのインビトロ酵素処理で用いられる手法も記載する。
材料および方法
インスリンポリペプチド構築体の遺伝子合成は、実質的に実施例10に記載されたように行われる。簡単に述べれば、インスリンポリペプチドの発現をコードする注目する遺伝子は表9にリストされている。
Figure 2013535467
Figure 2013535467
P.pastoris形質転換のためのDNA調製は、実質的に実施例10に記載されたように行われる。一旦DNAが酵母株に形質転換されたならば、得られた遺伝子構築体は表10に示されたアミノ酸配列をコードする。プロ−リーダーペプチドは、培地への蛋白質分泌に先立って酵母内のKex−2エンドプロテアーゼによって開裂されるように設計されている(Kjeldsen et al.,1999、Biotechnol.Appl.Biochem.29:79−86)。かくして、培地に分泌された得られたインスリンポリペプチドは、[B−ペプチド]−「C−ペプチド」−[A−ペプチド]配列に結合されたリーダーペプチド配列のみを含む。
Figure 2013535467
エレクトロコンピテントP.pastoris株は実質的に実施例10に記載されたように生産される。インスリンポリペプチド構築体でのP.pastoris形質転換は、実質的に実施例10に記載されたように行われる。高−コピー数の発現カセットでのクローンについてのP.pastoris形質転換体についてのスクリーニングは実施例10に実質的に記載されたように行われる。振盪−フラスコ実験は、実質的に実施例10に記載されたように行われる。
大規模なインスリンポリペプチドに発現は、実質的に実施例10に記載されたように行われる。グリコシル化インスリンポリペプチドの精製は、実質的に実施例10に記載されたように行われる。インビトロ酵素処理は、実質的に実施例10に記載されたように行われる。
結果
酵母におけるインスリンポリペプチドの生産
本実施例は、1以上のN−結合グリカンモチーフを含有するインスリンポリペプチドの2つの異なる酵母株からの生産を記載する。本実施例は、インスリンポリペプチドの数種の代表的な例を提供するが、本発明は、これらの手法が、いずれかの他の組換えインスリンポリペプチド(例えば、他のまたは追加のN−結合グリカンモチーフをもたらす異なるアミノ酸配列を持つインスリンポリペプチド)を発現させ、および精製するのに有用であり得るという認識を含む。
これらの手法からの結果は、種々のプラスミド構築体によって生産されたインスリンポリペプチドが正しいMWのものであることを示すと予測される。加えて、これらの手法からの結果は、インスリンポリペプチドがインスリン様である(すなわち、ヒトインスリンに対して特異的な抗体を用いる商業的インスリンELISAキットによって測定可能であって検出可能である)ことを示すと予測される。これらのデータは、さらに、インスリンポリペプチドが商業的に興味深いレベル(例えば、>25mg/L)において酵母において発現できることを示すと予測される。最後に、これらのデータは、ELISA−測定収率、および粗製培養上清からのSDS−PAGE−測定収率の間の良好な相間を示すと予測される。換言すれば、SDS−PAGEバンド強度が増加すると、ELISA測定もまた増加する傾向がある。
精製されたインスリンポリペプチドのインビトロ酵素処理
本実施例は、(C−ペプチドおよびリーダーペプチドを除去するために)組換えにより生産されたインスリンポリペプチドのインビトロ酵素処理で用いられる手法を記載する。本開示は、これらの手法が、例えば、粗製細胞培養ブロスからの、清澄化上清からの、精製されたインスリンポリペプチド生成物からの、等の、生産プロセスのいずれかの工程においてインスリンポリペプチドの精製で利用することができるという認識を含む。インスリンポリペプチドのALPでの消化は、N−結合グリカンモチーフが下線を施して示される表11に表された生成物を生じさせると予測される。RHI−5G構築体において、N−結合グリカンモチーフAsn−Lys−Thrは、B−およびC−ペプチドにわたり位置する(従って、プロインスリンが生物活性インスリンに変換され、B−ペプチドのC−末端にAsn−Lysを残す場合に開裂される)。
Figure 2013535467
本開示は、表11のA−およびB−ペプチドが、以下のように対応するC−ペプチドによって分離された(プロインスリンにおけるような)単一の連続アミノ酸配列に含まれるインスリンポリペプチドを含むと理解されるべきである:[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド](ここにおいて、C−ペプチドはB−ペプチドのC−末端をA−ペプチドのN−末端と連結させる)。また、本開示は、表11のA−およびB−ペプチドが対応するC−ペプチドによって分離され、および以下のようにリーダーペプチド配列を含むインスリンポリペプチドを含むと理解される:[リーダーペプチド]−[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド](ここにおいて、リーダーペプチドは本明細書中に記載されたリーダーペプチド配列のいずれか1つであってよい)。また、本開示は、表11のA−およびB−ペプチドが(生物活性インスリンにおけるように)1以上のジスルフィド架橋を介して連結された不連続ペプチドであるインスリンポリペプチドを含むのも理解されるべきである。種々の実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは、(式I’およびII’に示されるように)野生型インスリンで見出される3つのジスルフィド架橋を含む。
実施例12−N−結合グリカンモチーフを持つ例示的なインスリンポリペプチドの配列
本実施例は、N−結合グリカンモチーフを持ついくつかの例示的なインスリンポリペプチドの配列を記載する。個々の構築体のB−、C−およびA−ペプチド配列は表12に表され、そこでは、N−結合グリカンモチーフに下線が施されて示される。RHI−5Gシリーズにおいて、N−結合グリカンモチーフはB−およびC−ペプチドにわたり位置し、従って、プロインスリンが生物活性インスリンに変換されると開裂される。本開示は、表12のA−およびB−ペプチドが以下のように対応するC−ペプチドによって分離された(プロインスリンにけるように)単一の連続アミノ酸配列内に含まれるインスリンポリペプチドを含むと理解されるべきである。[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド](ここにおいて、C−ペプチドはB−ペプチドのC−末端をA−ペプチドのN−末端と連結させる)。また、本開示は、表12のA−およびB−ペプチドが対応するC−ペプチドによって分離され、および以下のようにリーダーペプチド配列を含むインスリンポリペプチドを含むと理解されるべきである:[リーダーペプチド]−[B−ペプチド]−[C−ペプチド]−[A−ペプチド](ここにおいて、リーダーペプチドは本明細書中に記載されたリーダーペプチド配列のいずれか1つであってよい)。また、本開示は、表12のA−およびB−ペプチドが、(生物活性インスリンにおけるように)1以上のジスルフィド架橋を介して連結された不連続ペプチドであるインスリンポリペプチドを含むと理解されるべきである。種々の実施形態において、本開示のインスリンポリペプチドは(式I’およびII’に示されるように)野生型インスリンに見出される3つのジスルフィド架橋を含む。
Figure 2013535467
Figure 2013535467
ある実施形態において、位置A8、A9、A10、A15、A18、A20およびA21の各々におけるXは独立してコード化可能アミノ酸であり;位置B1、B2、B3、B4、B26、B27、B28、B29およびB30の各々におけるXは独立して、コード化可能なアミノ酸であるか、または欠落しており;位置B5、B9、B10、B11、B12、B13およびB21の各々におけるXは、独立して、コード化可能アミノ酸である。ある実施形態において、位置A8、A9、A10、A15、A18、A20、A21の各々におけるXは表1および/または3に記載された選択肢から選択される。ある実施形態において、位置B1、B2、B2、B4、B5、B9、B10、B11、B12、B13、B21、B26、B27、B28、B29およびB30の各々におけるXは、表2および/または3に記載された選択肢から選択される。このナンバリングのスキームは、ある構築体においては、N−結合グリカンモチーフが(例えば、RHI−8およびRHI−10シリーズの場合においては)位置A0内に、および/または(例えば、RHI−7およびRHI−9シリーズの場合には)位置B0内に含まれるという事実を考慮していると理解されるべきである。
実施例13から17は、図15の例示的な合成コンジュゲートのいくつかで行われた実験を記載する。
実施例13−生物活性に対するリガンドの効果
本実施例は、一連の皮下投与された例示的コンジュゲートについて得られた血中グルコースプロフィールを比較する。リガンド粗製はコンジュゲートにわたって変化して、一定範囲の親和性をカバーする:AEM−2、AEBM−2、AETM−1−AEBM−1およびAETM−2(最低から最大親和性)。インスリンコンジュゲートは図15において、I−1、I−2、I−3、およびI−4として示される。各場合において、コンジュゲートは、絶食された正常な非糖尿病性ラット(雄Sprague−Dawley、400から500gm、n=6)の首の背後に5U/kg(AEM−2については3.5U/kg)にて注射した。血液試料は、0分において、および注射から30、60、90、120、150、180、210、240、および300分後に尾静脈出血を介して収集した。血中グルコース値は、商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定した。加えて、各時点からの血液を4Cで遠心して、血清を収集した。血清中インスリン濃度を、引き続いて、商業的に入手可能なELISAキット(Human Insulin ELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)で測定した。
図16から19は、テストした4つのコンジュゲートの各々についての血清中インスリンレベルと共に血中グルコースレベルを示す。これらの結果は、より高い親和性リガンドとのコンジュゲートに対する低下したグルコース応答はコンジュゲートの低下したPKプロフィールに由来することをかなり明瞭に示す(AEM−2についての図16とAETM−2についての図19を比較されたし)。
実施例14−ミニチュアブタにおけるメカニズムの実証およびグルコース−応答性性能
本実施例は、本明細書中においては「ミニブタ」とも言われるヒト−代表的な非糖尿病性雄ミニチュアブタ(Yucatan株)におけるある種の例示的なコンジュゲートの糖依存性インビボ排出速度を調べる。図1にまとめたインスリン−コンジュゲートのサブセットをテストして、糖−依存性排出速度に対する糖親和性および多価の効果を最初に決定した。コンジュゲートは図6および15においてI−6、I−7およびI−11として示される。
各実験において、インスリン−コンジュゲートは0.1U/kgにおいて非糖尿病性ヂュアル−血管アクセスポートを形成したミニブタにi.v.投与し、および血液を注射後に頻繁な時間間隔で収集した。グルコースの存在下における血清中排出速度を決定するために、滅菌50%w/vグルコース溶液を、インスリン−コンジュゲートを投与するのに1時間先立って、シリンジポンプを用いて、1つのポートにi.v.注入し、および速度は全実験を通じて調整して、動物における血中グルコースレベルが400mg/dlにおいて、またはその近くで(典型的には、80から150ml/h)とどまることを確実とした。a−MMの存在下での血清排出速度を決定するために、グルコース溶液を滅菌25%w/v a−MM溶液で置き換え、およびポンプ注入速度を、80mL/hの実験を通じて一定に保持した。各場合において、得られたインスリン−コンジュゲート濃度−対−時間データは、2−コンパートメントモデルに従って、2つの独立した崩壊指数関数の和(C(t)=αexp(−kαt)+βexp(−kβt))とフィットした。
400mg/dlにおいて、高レベルの内因性グルコース−誘導ブタインスリンは、本発明者らのインスリン−コンジュゲートイムノアッセイと交差反応した。それ自体、グルコース注入実験からのPK結果は、特にデータの「ノイズがある」組に導くブタインスリン−のみのアッセイから得られた値を差し引くことを必要とする。a−MMは内因性ブタインスリン分泌を誘導しないので、a−MM注入実験からのデータをインスリン−コンジュゲート半減期における糖−応答性変化の本発明者らの一次インジケーターとして用いた。興味深いことには、ブタにおいてAETM−2インスリン−コンジュゲート(I−6)は、ラットにおける4.0×増加(データは示さず)と比較して、a−MMの存在下においてt1/2における中程度の1.7×増加を示したに過ぎない。しかしながら、ブタにおいては、A1,B29−ジ−置換AETM−2インスリン−コンジュゲート(I−11)は、a−MMの存在下においてt1/2のほとんど10倍の増加を示した(図20および21)。他のコンジュゲートの表の結果は図25に示される。
a−MMの存在下におけるジ−置換AETM−2インスリン−コンジュゲート(I−11)のi.v.用量についてのグルコース降下曲線上の面積は、糖の不存在下においてほぼ2.6×より高かった。(図22)
コンジュゲートI−11は、非糖尿病性、正常血糖およびアロキサン−糖尿病性高血糖症ミニブタにおいて0.25、0.50および1.00U/kgの用量にて可溶性溶液としてサブ−Q注射して、非糖尿病性動物において低血糖症を引き起こすことなく、糖尿病におけるグルコースを降下させるその能力を決定した。インスリン−コンジュゲートは、非糖尿病におけるグルコース−降下の絶対的低血糖症または兆候がない、糖尿病における血中グルコースレベルの有意な用量依存性低下を示す(図23)。比較として、0.063および0.125U/kgで注射したRHIは、認識可能な低血糖症を持つ糖尿病性動物において有意なグルコース−降下、および非糖尿病性動物において有意なグルコース−降下および低血糖症を引き起こした(図24)。これらの予備的な結果に基づき、ほぼ0.5U/kgの可溶性インスリン−コンジュゲートI−11の単一の注射は、糖尿病性ミニブタにおいて6から8時間の低血糖症−フリーグルコース制御を提供した。サブ−Q注射I−11の血清排出速度は、糖尿病性および正常なミニブタにおいて決定した(図26)。同様なPKプロフィールが、全ての用量について糖尿病および正常の間で観察された。
一緒にすると、これらの結果は、内因性レクチン−ベースのメカニズムが、糖親和性および多価性の選択を通じて開発することができるミニブタに存在することを示す。より高い親和性および多価性を持つインスリン−コンジュゲートは、ラットと比較して、ミニブタにおいて改良された低血糖症−フリー血糖症制御を提供するようである。
実施例15−コンジュゲートI−14およびI−15のPKおよび生物活性に対するa−MMの効果
本実施例において、本発明者らは、コンジュゲートI−14およびI−15の薬物動態学的および薬力学的挙動を決定することに着手した(コンジュゲートの構造については図15を参照のこと)。各場合において、コンジュゲートの同一用量(5U/kg)を絶食させた正常な非糖尿病性ラット(雄Sprague−Dawley、400から500gm、n=3)の首の背後に注射した。15分の遅れの後、4g/kg用量のa−MMがIP注射された。血液試料を、0分において、および最初のコンジュゲート注射後30、60、90、120、150、180、210、240および300分において尾静脈出血を介して収集した。血中グルコース値は、商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定した。加えて、各時点からの血液を4Cにて遠心して、血清を収集した。血清中のインスリン濃度は、引き続いて、商業的に入手可能なELISAキット(ISO Insulin ELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)で測定した。対照は、15分後にa−MMの代わりに生理食塩水を注射することによって行った。
図27は、I−14のサブ−Q注射から15分後にIP注射することによってa−MMを投与した場合に得られた結果を示す。示されるように、a−MMの注射から得られたPK/PDプロフィールの増加は、生理食塩水注射対照群と比較した場合に、I−14について非常に有意であった(p<0.05)。
図28は、I−15のサブ−Q注射から15分後にa−MMをIP注射によって投与した場合に得られた結果を示す。示されるように、a−MMの注射から得られたPK/PDプロフィールの増加は、生理食塩水注射対照群と比較した場合にI−15について非常に有意であった(p<0.05)。
実施例16−インビボ半減期/排出速度の比較
実施例15で得られた結果は、競合糖の存在によって破壊され得るレクチン依存性メカニズムを介して身体から排出される例示的なコンジュゲートと合致する。より詳細にこのメカニズムを探求するために、本発明者らは、例示的なコンジュゲートについて以下の実験を行って、それらが血清インビボ−対−非コンジュゲーテッドインスリンから除去される速度を決定した。
各場合において、可溶性コンジュゲートは0.4mgコンジュゲート/kg体重にて、2つの頚静脈にカニューレを挿入した雄Sprague−Dawleyラット(Taconic、JV/JV、350から400g、n=3)に投与した。滅菌コンジュゲート溶液または対照インスリンを1つのJVカニューレを介して静脈内注射し、続いて直ちに、ヘパリン−生理食塩水の追加液を静脈内注射して、コンジュゲート用量の全てが動物に投与されることを確実とした。第二のカニューレを用いて、t=0において(プレ用量)、および1、2、4、8、15、30、60、90、120、および180分ポスト−用量において血液試料を収集した。
血中グルコース値は、商業的に入手可能なテスト片(Precision Xtra、Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を用いて測定した。加えて、各時点からの血液を4Cにおいて遠心して、血清を収集した。血清中インスリンまたは血清中コンジュゲート濃度は、引き続いて、商業的に入手可能なELISAキット(Iso−Insulin ELISA、Mercodia、Uppsala、スウェーデン国)で測定した。
RHIまたはコンジュゲートいずれかの血清中濃度を、静脈内に注射に続いての時間の関数としてプロットした。データは、以下の一般式:C(t)=AEXP(−at)+BEXP(−bt)での2−コンパートメント双指数関数モデルを用いてフィットさせ、ここにおいて、tは時間であり、C(t)は時間の関数としての血清中の濃度であり、Aは第一のコンパートメント濃度定数であり、aは第一のコンパートメント指数関数時定数であり、Bは第二のコンパートメント濃度定数であり、およびbは第二のコンパートメント指数関数時定数である。
以下の表はテストされたRHIおよびコンジュゲートについてのt1/2パラメーターをまとめる。
Figure 2013535467
このデータは、コンジュゲートされていないインスリンよりも例示的なコンジュゲートが血清からより迅速に排出され、その程度は、内因性レクチンについては特定のコンジュゲートの親和性、およびコンジュゲート当たり置換されたリガンドの数によって支配されるという仮定に合致する。さらに、実施例15で示されたPK/PDプロフィールにおけるa−MM誘導増加は、テストしたコンジュゲートの各々についての相b半減期の低下とよく相関する。
実施例17−変化するリガンドの親和性および多価性を持つコンジュゲートから調製された長時間作用性コンジュゲートの性能
本実施例においては、本発明者らは、コンジュゲートI−14およびI−15の長時間作用性製剤の時間作用およびグルコース−応答性PKプロフィールを決定することを開始した(コンジュゲートの構造については図15を参照のこと)。以下の長時間作用性製剤を各コンジュゲートで用いた。
Figure 2013535467
4時間のIPグルコース注射(4g/kg)実験は、前記したコンジュゲートの各々の15U/kg(グラムで表した体重/1.87=注射容量のマイクロリットル)を投与することによって行った。図29に示されるように、双方のコンジュゲートは、4時間のグルコース注射に続いての測定された血清中インスリン濃度の増加のいくつかのエレメントを持つ延長された吸収プロフィールを呈した。長時間作用性TSPE−AETM−3コンジュゲートI−15の注射から最初の4時間後においていくらかの有意なコンジュゲート吸収があったように見える。TSPE−AEM−3コンジュゲートI−14は平坦な吸収プロフィールを呈した。これらの結果は、これらのコンジュゲートの半減期は、全て、実施例16に記載された修飾されていないインスリンよりも短く、およびそれらの各々は実施例15に記載されたようなPK/PDプロフィールのa−MM−誘導増加を示すという事実によく相関する。
他の実施形態
本発明の他の実施形態は、明細書の考慮、または本明細書中に開示された発明の実施から当業者に明らかである。明細書および実施例は例示的のみとして考慮されることが意図され、発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって指示される。

Claims (167)

  1. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含む組換えにより発現されたインスリンポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドが式I:
    Figure 2013535467
    [式中:
    位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能アミノ酸、コード化可能アミノ酸の配列であるか、または欠落しており;
    位置A8、A9、A10、A15、A18、A20およびA21の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能アミノ酸であり;
    位置B1、B2、B3、B4、B26、B27、B28、B29およびB30の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸であるか、または欠落しており;および
    位置B5、B9、B10、B11、B12、B13およびB21の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能なアミノ酸であり、但し、配列番号:26および/または配列番号:27はXaa’がProでないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含むものとする。]
    に示される、配列番号:26のアミノ酸配列(A−ペプチド)および配列番号:27のアミノ酸配列(B−ペプチド)を含む請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチドが、配列番号:1(A−ペプチド)および配列番号:2(B−ペプチド)の不連続アミノ酸配列、および式I’:
    Figure 2013535467
    に示された3つのジスルフィド架橋を含む請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 位置A8におけるXaaがThrであり、A9がSerであり、A10がIleであり、およびB30がSerであり;
    位置A8におけるXaaがThrであり、A9がSerであり、A10がIleであり、およびB30がAlaであり;
    位置A8におけるXaaがAlaであり、A9がSerであり、A10がValであり、およびB30がAlaであり;または
    位置A8におけるXaaがAlaであり、A9がGlyであり、A10がValであり、およびB30がAlaである;
    請求項3に記載のポリペプチド。
  5. 位置A8におけるXaaがThrであり、A9がSerであり、A10がIleであり、およびB30がThrである請求項3に記載のポリペプチド。
  6. 位置B28におけるXaaがLysであり、およびB29がProである請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  7. 位置B28におけるXaaがAspである請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  8. 位置B3におけるXaaがLysであり、およびB29がGluである請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  9. 位置A21におけるXaaがGlyであり、およびB31がArg−Argである請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  10. 位置B30におけるXaaが欠失されており、および位置B29におけるLysのイプシロン−アミノ基がミリスチン酸に共有結合している請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  11. 位置A8におけるXaaがThrまたはAlaである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  12. 位置A9におけるXaaがSerまたはGlyである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  13. 位置A10におけるXaaがIleまたはValである請求項2または3のいずれかに記載のポリペプチド。
  14. 位置A15におけるXaaがGln、AspまたはGluである請求項2または3のいずれかに記載のポリペプチド。
  15. 位置A18におけるXaaがAsn、AspまたはGluである請求項2または3のいずれかに記載のポリペプチド。
  16. 位置A20におけるXaaがCysである請求項2に記載のポリペプチド。
  17. 位置A21におけるXaaがAsn、Asp、Glu、GlyまたはAlaである請求項2または3のいずれかに記載のポリペプチド。
  18. 位置B1におけるXaaがPheまたはAspである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  19. 位置B2におけるXaaがValである請求項2または3のいずれかに記載のポリペプチド。
  20. 位置B3におけるXaaがAsn、Lys、AspまたはGluである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  21. 位置B4におけるXaaがGln、Asp、またはGluである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  22. 位置B5におけるXaaがHisである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  23. 位置B9におけるXaaがSerまたはAspである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  24. 位置B10におけるXaaがHisまたはAspである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  25. 位置B11におけるXaaがLeuである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  26. 位置B12におけるXaaがValである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  27. 位置B13におけるXaaがGluまたはThrである請求項2または3のいずれかに記載のポリペプチド。
  28. 位置B21におけるXaaがGluまたはAspである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  29. 位置B26におけるXaaがTyrまたはAlaである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  30. 位置B27におけるXaaがThrである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  31. 位置B28におけるXaaがPro、Ala、Lys、Leu、Val、またはAspである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  32. 位置B29におけるXaaがLys、ProまたはGluである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  33. 位置B30におけるXaaがThr、Ala、Lys、Glu、Thr、Ser、またはArgである請求項2または3に記載のポリペプチド。
  34. 位置または複数の位置B1、B2、B3、B(1−2)、B(1−3)、B26、B27、B30、B(29−30)、B(28−30)、B(27−30)またはB(26−30)におけるXaaが欠落している請求項2または3に記載のポリペプチド。
  35. 位置A0、A22、B0またはB31におけるXaaが欠落している請求項2または3に記載のポリペプチド。
  36. 位置A0、A22、B0およびB31におけるXaaが欠落している請求項2または3に記載のポリペプチド。
  37. A−ペプチドおよびB−ペプチドが連続するアミノ酸配列内に含まれる請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  38. B31がコード化可能アミノ酸配列であり、および、ここにおいて、B31のC−末端がペプチド結合を介してA0のN−末端に連結されている請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  39. B31がアミノ酸配列:Ala−Ala−Lys(配列番号:16)、Asp−Glu−Arg(配列番号:17)、またはThr−Ala−Ala−Lys(配列番号:25)を含む請求項38に記載のポリペプチド。
  40. 位置A0におけるXaaがモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’はProではない請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  41. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]が位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始する請求項2または3に記載のポリペプチド。
  42. 位置A22におけるXaaがモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’がProではない請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  43. 位置B0におけるXaaがモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’がProではない請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  44. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]が位置B0、B1、B2またはB3で開始する請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  45. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]が位置B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29またはB31で開始する請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  46. Xaa’がProではないAsn−Xaa’−[Ser/Thr]が位置B30で開始する請求項2から3に記載のポリペプチド。
  47. 位置B31におけるXaaがモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’がProではない請求項2から5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  48. 前記ポリペプチドが位置A6およびA11、A7およびB7、および/またはA20およびB19におけるシステイン残基の間にジスルフィド架橋を含む請求項2に記載のポリペプチド。
  49. 前記ポリペプチドが、位置A6および11、A7およびB7、およびA20およびB19におけるシステイン残基の間にジスルフィド架橋を含む請求項2に記載のポリペプチド。
  50. 前記A−ペプチドおよびB−ペプチドが不連続アミノ酸配列である請求項48または49に記載のポリペプチド。
  51. A−ペプチドのN−末端、B−ペプチドのN−末端、位置B29におけるLysのイプシロン−アミノ基またはいずれかの他の利用可能なアミノ基が一般式:
    Figure 2013535467
    [式中:
    Xはポリペプチドのアミノ基であり、および
    RはHまたはC1−20アルキル基である。]
    の部位に共有結合した請求項1から51のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  52. 前記ポリペプチドがA1位置における部位にコンジュゲートされている請求項51に記載のポリペプチド。
  53. 前記ポリペプチドがB1位置における部位にコンジュゲートされた請求項51に記載のポリペプチド。
  54. 前記ポリペプチドが位置B29におけるLysのイプシロン−アミノ基における部位にコンジュゲートされた請求項51に記載のポリペプチド。
  55. 位置B28におけるXaaがLysであり、および前記ポリペプチドが位置B28のLysのイプシロン−アミノ基における部位にコンジュゲートされた請求項51に記載のポリペプチド。
  56. 位置B3におけるXaaがLysであって、前記ポリペプチドが位置B3におけるLysのイプシロン−アミノ基における部位にコンジュゲートされた請求項51に記載のポリペプチド。
  57. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]におけるAsnのデルタ−アミノ基がN−結合グリカンにコンジュゲートされている請求項1から56のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  58. 前記N−結合グリカンがβ−結合N−アセチルグルコサミンを含む請求項57に記載のポリペプチド。
  59. 前記N−結合グリカンが少なくとも1つのマンノースを含む請求項58に記載のポリペプチド。
  60. 前記N−結合グリカンがビマンノースを含む請求項58に記載のポリペプチド。
  61. 前記N−結合グリカンがトリマンノースを含む請求項58に記載のポリペプチド。
  62. 前記N−結合グリカンが線状トリマンノースを含む請求項58に記載のポリペプチド。
  63. 前記N−結合グリカンが分岐したトリマンノースを含む請求項58に記載のポリペプチド。
  64. 前記N−結合グリカンが一般式:GlcNAcManの基を含み、ここにおいて、GlcNAcはβ−結合N−アセチルグルコサミンであり;Manはマンノースであり;およびnは1から100の整数である請求項58に記載のポリペプチド。
  65. nが3から9の整数である請求項64に記載のポリペプチド。
  66. nが3である請求項64に記載のポリペプチド。
  67. nが5である請求項64に記載のポリペプチド。
  68. nが8である請求項64に記載のポリペプチド。
  69. nが9である請求項64に記載のポリペプチド。
  70. nが9から100の整数である請求項64に記載のポリペプチド。
  71. 前記N−結合グリカンがGlcNAcManGlcであり、ここにおいて、Glcがグルコースである請求項64に記載のポリペプチド。
  72. 前記N−結合グリカンがGlcNAcManGlcNAcである請求項64に記載のポリペプチド。
  73. 前記N−結合グリカンがGlcNAcManGlcNAcである請求項64に記載のポリペプチド。
  74. 前記N−結合グリカンがGlcNAcManGlcNAcである請求項64に記載のポリペプチド。
  75. 前記N−結合グリカンがGlcNAcManGlcNAcGalであり、ここにおいて、Galはガラクトースである請求項64に記載のポリペプチド。
  76. 前記N−結合グリカンがGlcNAcManGlcNAcGalNANAであり、ここにおいて、Galはガラクトースであり、およびNANAはα−2,3−結合および/またはα−2,6−結合N−アセチルノイラミン酸である請求項64に記載のポリペプチド。
  77. 前記ポリペプチドが、Xaa’はProである少なくとも2つのモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、少なくとも2つのモチーフにおけるAsnのデルタ−アミノ基は、各々、独立して、N−結合グリカンにコンジュゲートされている請求項57に記載のポリペプチド。
  78. 前記ポリペプチドが酵母細胞において発現される請求項1から77のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  79. 前記酵母細胞がPichia pastoris種からのものである請求項78に記載のポリペプチド。
  80. 前記酵母細胞がHansenula polymorpha種からのものである請求項78に記載のポリペプチド。
  81. 前記酵母細胞がSaccharomyces cerevisiae種からのものである請求項78に記載のポリペプチド。
  82. 前記酵母細胞がKluyveromyces lactis種からのものである請求項78に記載のポリペプチド。
  83. 前記酵母細胞が、α−1,6−マンノシルトランスフェラーゼを発現しないか、またはα−1,6−マンノシルトランスフェラーゼの発現を破壊する突然変異を有する請求項78に記載のポリペプチド。
  84. 前記酵母細胞がα−1,3−マンノシルトランスフェラーゼを発現しないか、またはα−1,3−マンノシルトランスフェラーゼの発現を破壊する突然変異を有する請求項78に記載のポリペプチド。
  85. 前記酵母細胞がα−1,2−マンノシルトランスフェラーゼを発現しないか、またはα−1,2−マンノシルトランスフェラーゼの発現を破壊する突然変異を有する請求項78に記載のポリペプチド。
  86. 請求項1から77のいずれか一項に記載のインスリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  87. 請求項86に記載のポリヌクレオチドを含むベクターであって、該ベクターは酵母細胞において発現することができるベクター。
  88. 請求項87に記載のベクターを含むように遺伝子的に作成された酵母細胞。
  89. 前記酵母細胞がPichia pastoris種からのものである請求項88に記載の酵母細胞。
  90. 前記酵母細胞がHansenula polymorpha種からのものである請求項88に記載の酵母細胞。
  91. 前記酵母細胞がSaccharomyces cerevisiae種からのものである請求項88に記載の酵母細胞。
  92. 前記酵母細胞がKluyveromyces lactis種からのものである請求項88に記載の酵母細胞。
  93. 前記酵母細胞がα−1,6−マンノシルトランスフェラーゼを発現しないか、またはα−1,6−マンノシルトランスフェラーゼの発現を破壊する突然変異を有する請求項88に記載の酵母細胞。
  94. 前記酵母細胞がα−1,3−マンノシルトランスフェラーゼを発現しないか、またはα−1,3−マンノシルトランスフェラーゼの発現を破壊する突然変異を有する請求項88に記載の酵母細胞。
  95. 前記酵母細胞がα−1,2−マンノシルトランスフェラーゼを発現しないか、またはα−1,2−マンノシルトランスフェラーゼの発現を破壊する突然変異を有する請求項88に記載の酵母細胞。
  96. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含むインスリンポリペプチドの生産に導く条件下で、請求項88から95のいずれか一項に記載の酵母細胞を培養することを含む方法。
  97. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]におけるAsnのデルタ−アミノ基がN−結合グリカンにコンジュゲートされている請求項96に記載の方法。
  98. インスリンポリペプチドをエキソグリコシダーゼと接触させることをさらに含む請求項97に記載の方法。
  99. 前記エキソグリコシダーゼがα−1,2−マンノシダーゼである請求項98に記載の方法。
  100. 前記エキソグリコシダーゼがα−1,3―マンノシダーゼである請求項98に記載の方法。
  101. 前記エキソグリコシダーゼがα−1,6−マンノシダーゼでさる請求項98に記載の方法。
  102. 前記エキソグリコシダーゼがα−(1−2,3)−マンノシダーゼである請求項98に記載の方法。
  103. 前記エキソグリコシダーゼがα−(1−2,3,6)−マンノシダーゼである請求項98に記載の方法。
  104. 前記エキソグリコシダーゼが酵母細胞によって発現される請求項98に記載の方法。
  105. 酵母細胞からのインスリンポリペプチドを単離し、次いで、単離されたインスリンポリペプチドをエキソグリコシダーゼと接触させることをさらに含む請求項97に記載の方法。
  106. 請求項57から77のいずれか一項に記載のインスリンポリペプチド、および医薬上許容される担体を含む医薬製剤。
  107. 治療上有効量の請求項106に記載の医薬製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む、血中糖レベルを制御する方法。
  108. 治療上有効量の請求項106に記載の医薬製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む、糖尿病を治療する方法。
  109. 請求項57から77のいずれか一項に記載のインスリンポリペプチドを含む徐放製剤。
  110. 前記製剤が、絶食条件下で哺乳動物に投与される場合にコンジュゲートのゼロ次放出を呈する請求項109に記載の製剤。
  111. 前記製剤が、絶食条件下で哺乳動物に皮下投与される場合にコンジュゲートのゼロ次放出を呈する請求項109に記載の製剤。
  112. 製剤がプロタミンおよび亜鉛を含む請求項109に記載の製剤。
  113. 治療上有効量の請求項109から112のいずれか一項に記載の製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む、血中糖レベルを制御する方法。
  114. 治療上有効量の請求項109から112のいずれか一項に記載の製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む、糖尿病を治療する方法。
  115. 請求項57から85のいずれか一項に記載のインスリンポリペプチドの集団を含む組成物であって、該インスリンポリペプチドの少なくとも30%が同一のN−結合グリカンを含む組成物。
  116. 前記インスリンポリペプチドの少なくとも40%が同一のN−結合グリカンを含む請求項115に記載の組成物。
  117. 前記インスリンポリペプチドの少なくとも50%が同一のN−結合グリカンを含む請求項115に記載の組成物。
  118. 前記インスリンポリペプチドの少なくとも60%が同一のN−結合グリカンを含む請求項115に記載の組成物。
  119. 前記インスリンポリペプチドの少なくとも70%が同一のN−結合グリカンを含む請求項115に記載の組成物。
  120. 前記インスリンポリペプチドの少なくとも80%が同一のN−結合グリカンを含む請求項115に記載の組成物。
  121. 前記インスリンポリペプチドの少なくとも90%が同一のN−結合グリカンを含む請求項115に記載の組成物。
  122. 前記インスリンポリペプチドの少なくとも95%が同一のN−結合グリカンを含む請求項115に記載の組成物。
  123. 式I’:
    Figure 2013535467
    [式中:
    位置A0、A22、B0およびB31の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能アミノ酸、コード化可能アミノ酸配列であるか、または欠落しており;
    位置A8、A9、A10、A15、A18、A20およびA21の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能アミノ酸であり;
    位置B1、B2、B3、B4、B26、B27、B28、B29およびB30の各々におけるXaaは独立してコード化可能アミノ酸であるか、または欠落しており;および
    位置B5、B9、B10、B11、B12、B13およびB21の各々におけるXaaは、独立して、コード化可能アミノ酸であり、但し、配列番号:1および/または配列番号:2のC−末端はモチーフAsn−[Arg/Lys]で終了するものとする。]
    に示されるように、配列番号:1(A−ペプチド)および配列番号:2(B−ペプチド)のアミノ酸配列、および3つのジスルフィド架橋を含む組換えにより発現されたインスリンポリペプチド。
  124. 位置A8におけるXaaがThrであり、A9がSerであり、A10がIleであり、およびB30がSerであり;
    位置A8におけるXaaがThrであり、A9がSerであり、A10がIleであり、およびB30がAlaであり;
    位置A8におけるXaaがAlaであり、A9がSerであり、A10がVal、およびB30がAlaであり;または
    位置A8におけるXaaがAla、A9がGlyであり、A10がValであり、およびB30がAlaである;
    請求項123に記載のポリペプチド。
  125. 位置A8におけるXaaがThrであり、A9がSerであり、A10がIleであり、およびB30がThrである請求項123に記載のポリペプチド。
  126. 位置A8におけるXaaがThrまたはAlaである請求項123に記載のポリペプチド。
  127. 位置A9におけるXaaがSerまたはGlyである請求項123に記載のポリペプチド。
  128. 位置A10におけるXaaがIleまたはValである請求項123に記載のポリペプチド。
  129. 位置A15におけるXaaがGln、AspまたはGluである請求項123に記載のポリペプチド。
  130. 位置A18におけるXaaがAsn、AspまたはGluである請求項123に記載のポリペプチド。
  131. 位置A21におけるXaaがAsn、Asp、Glu、GlyまたはAlaである請求項123に記載のポリペプチド。
  132. 位置B1におけるXaaがPheまたはAspである請求項123に記載のポリペプチド。
  133. 位置B2におけるXaaがValである請求項123に記載のポリペプチド。
  134. 位置B3におけるXaaがAsn、Lys、AspまたはGluである請求項123に記載のポリペプチド。
  135. 位置B4におけるXaaがGln、AspまたはGluである請求項123に記載のポリペプチド。
  136. 位置B5におけるXaaがHisである請求項123に記載のポリペプチド。
  137. 位置B9におけるXaaがSerまたはAspである請求項123に記載のポリペプチド。
  138. 位置B10におけるXaaがHisまたはAspである請求項123に記載のポリペプチド。
  139. 位置B11におけるXaaがLeuである請求項123に記載のポリペプチド。
  140. 位置B12におけるXaaがValである請求項123に記載のポリペプチド。
  141. 位置B13におけるXaaがGluまたはThrである請求項123に記載のポリペプチド。
  142. 位置B21におけるXaaがGluまたはAspである請求項123に記載のポリペプチド。
  143. 位置B26におけるXaaがTyrまたはAlaである請求項123に記載のポリペプチド。
  144. 位置B27におけるXaaがThrである請求項123に記載のポリペプチド。
  145. 位置B28におけるXaaがPro、Ala、Lys、Leu、ValまたはAspである請求項123に記載のポリペプチド。
  146. 位置B29におけるXaaがLys、ProまたはGluである請求項123に記載のポリペプチド。
  147. 位置B30におけるXaaがThr、Ala、Lys、Glu、Thr、Ser、またはArgである請求項123に記載のポリペプチド。
  148. 位置または複数位置B1、B2、B3、B(1−2)、B(1−3)、B26、B27、B30、B(29−30)、B(28−30)、B(27−30)またはB(26−30)の各々におけるXaaが欠落している請求項123に記載のポリペプチド。
  149. 位置A0、A22、B0またはB31におけるXaaが欠落している請求項123に記載のポリペプチド。
  150. 位置A0、A22、B0およびB31におけるXaaが欠落している請求項123に記載のポリペプチド。
  151. 位置A0におけるXaaがモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにXaa’がProではない請求項123から157のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  152. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]が位置A8、A10、A18、A20、A21またはA22で開始する請求項123から157のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  153. 位置A22におけるXaaがモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’がProではない請求項123から157のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  154. 位置B0におけるXaaがモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにおいて、Xaa’がProではない請求項123から157のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  155. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]が位置B0、B1、B2またはB3において開始する請求項123から157のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  156. Xaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]が位置B9、B10、B11、B26、B27、B28、B29、B30またはB31で開始する請求項123から157のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  157. 位置B31におけるXaaがモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]を含み、ここにXaa’がProではない請求項123から157のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  158. 配列番号:1のC−末端がモチーフAsn−[Arg/Lys]で終了する請求項123から164のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  159. 配列番号:2のC−末端がモチーフAsn−[Arg/Lys]で終了する請求項123から164のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  160. A−ペプチドのN−末端、B−ペプチドのN−末端、位置B29におけるLysのイプシロン−アミノ基、またはいずれかの他の利用可能なアミノ基が一般式:
    Figure 2013535467
    [式中:
    Xはポリペプチドのアミノ基であり、および
    RはHまたはC1−30アルキル基である。]
    の部位に共有結合されている請求項123から166のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  161. 前記ポリペプチドがA1位置における部位にコンジュゲートしている請求項167に記載のポリペプチド。
  162. 前記ポリペプチドがB1位置における部位にコンジュゲートされている請求項167に記載のポリペプチド。
  163. 前記ポリペプチドが位置B29におけるLysのイプシロン−アミノ基における部位にコンジュゲートされている請求項167に記載のポリペプチド。
  164. 位置B28におけるXaaがLysであり、および前記ポリペプチドは位置B28におけるLysのイプシロン−アミノ基における部位にコンジュゲートされている請求項167に記載のポリペプチド。
  165. 位置B3におけるXaaがLysであり、および前記ポリペプチドは位置B3におけるLysのイプシロン−アミノ基における部位にコンジュゲートされている請求項167に記載のポリペプチド。
  166. モチーフAsn−[Arg/Lys]における、およびXaa’がProではないモチーフAsn−Xaa’−[Ser/Thr]におけるAsnのデルタ−アミノ基がN−結合グリカンにコンジュゲートされている請求項123から172のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  167. 前記N−結合グリカンが請求項58から85のいずれか一項において定義された請求項173に記載のポリペプチド。
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