JPH10511849A - ヒト・インスリンの生成 - Google Patents

ヒト・インスリンの生成

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Abstract

(57)【要約】 プロインスリンハイブリッドポリペプチドの折り畳みによる、組み換えヒト・インスリンの製造のための改良された効率的な方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト・インスリンの生成 本件出願は、1993年12月29日に出願された米国特許出願第08/175,298号の一 部継続出願である。 〔発明の背景〕 この明細書の全体を通して、種々の刊行物が括弧内のアラビア数字によって引 用される。これら参照文献の完全な書誌的引用は、請求の範囲の直前の明細書末 尾に掲載されている。これら刊行物の開示は、本発明が属する技術の状態をより 完全に記載するために、その全体が、本明細書の一部をなす参照として本明細書 に組み込まれる。 インスリンは、グルコース代謝を制御するために不可欠なポリペプチドホルモ ンであり、糖尿病、即ち、インシュリンの不十分な供給を特徴とする代謝障害の 患者に対して毎日投与される。 イン・ビボにおいて、このホルモンは最初は長い前駆体分子として合成され、 続いて、A鎖およびB鎖からなるその生物学的に活性な形に加工される。より詳 細には、プレプロインスリンの遺伝子が膵臓内分泌腺のベータ細胞内でmRNA 前駆体に転写され、次いで、これがスプライスされて成熟mRNAを生成する。 このmRNAはプレプロインスリン(NH2−プレ領域−B鎖−Cペプチド−A 鎖−COOH)に翻訳され、これはプロインスリンを経て最終的にはインスリン へと逐次プロセッシングされる。このプロセッシングの第一工程は、蛋白分解に よるプレ領域の除去であるが、この領域は、粗面小胞体のミクロソーム膜を通し て発生期の鎖を移行させるための疎水性シグナル配列として働くものである。ヒ ト・プレプロインスリンにおいて、プレ領域の長さは24アミノ酸である。 プロインスリンにおいては、成熟インスリンになるポリペプチド鎖の二つの領 域、即ち、B鎖およびA鎖がCペプチド(またはC鎖)によって相互に結合され 、これはN末端およびC末端に2対の塩基性アミノ酸を含んでいる。殆どのCペ プチドにおいて、これらの対はArg−ArgおよびLys−Argである。2 対 の隣接する塩基性アミノ酸を含むこのヒトCペプチドは、35アミノ酸を含んで いる。このCペプチドは、B切片とA切片との間での適切なジスルフィド結合の 形成を補助するために、ポリペプチドの二つの部分を結合する。従って、Cペプ チドの役割は、その構造に大きく依存することはない。事実、より短い合成ブリ ッジでこれを置換しても、プロインスリン分子の適正な折り畳みは可能である( 1,2)。 プロインスリンは、二つの中間鎖ジスルフィド結合およびA鎖内の一つのジス ルフィド結合の同時酸化を伴って折り畳まれる。成熟化の最終工程では、塩基性 アミノ酸でのタンパク分解酵素による開裂によってCペプチドが放出され、成熟 インスリンが形成される(3)。ヒト・インスリンにおいて、A鎖の長さは21 アミノ酸であり、B鎖の長さは30アミノ酸である。 インスリンの世界的な需要は年間数トンを越え、深刻な供給不足の状態にある 。従来、インスリンは制限動物供給源、主にウシおよびブタの膵臓調製物から製 造されており、これらはヒト・インスリンとは異なるので、不利な免疫反応を誘 発する可能性がある。 1960年代に行われた研究によって、インスリンのイン・ビトロでの製造が実証 された。インスリン合成は、A鎖およびB鎖をそのS−スルホネート形で結合す ることによって(4)、または還元されたプロインスリンの自然再酸化(5)に よって達成された。後者の方法は、酸化混合物におけるタンパク濃度が非常に低 いために、大規模のインスリン製造には実際的ではなかった。続いて、インスリ ンは、トリプシン処理およびカルボキシペプチダーゼB処理の後に回収すること ができた。 最近になって、半合成および生合成(組み替え)のヒト・インスリンが入手可 能になっている。半合成のヒト・インスリンは、B鎖の位置30におけるアラニ ン(ブタインスリンとヒト・インスリンの間の唯一の相違)をトリプシン触媒に よりスレオニンで交換することによって、ブタ・インスリンから製造される。大 腸菌(E.coli)または酵母において製造された組み替えヒト・インスリン は、最終的には他の全ての製造経路を置き換えてしまうことになるであろう。 生合成的な組み替えヒト・インスリンは、現在のところ、二つの経路の何れか によって製造されている。一つは、A鎖およびB鎖を大腸菌の中で別々に製造し 、その後にこれらを結合することであり(7,8)、他の一つは、大腸菌(1, 8)または酵母(2,9)の何れかにおいて発現されたプロインスリン様ポリペ プチドの酵素的変換によるものである。 殆どの場合、プロインスリンは、細胞間の沈積タンパクとして蓄積するハイブ リッドタンパクとして産生される。このハイブリッドは、通常は精製され、CN Brにより開裂されて、プロインスリンポリペプチドが放出される。後者は更に 、酸化的亜硫酸分解によって、プロインスリンS−スルホン酸塩に修飾される。 このプロインスリンS−スルホン酸塩は、次いで精製され、還元性条件下でプロ インスリンに折り畳まれる(8)。プロインスリンのインスリンへの変換は、ト リプシンおよびカルボキシペプチダーゼBの組み合わされた作用によって達成さ れる(6)。 ノボノルディスクA/Sに譲渡された特許EP 195691 B1には、B−Lys −Arg−Aの式で表されるプロインスリンと、酵母の中でインスリンを製造す るためのその使用が記載されている。 カイロンコーポレーションに譲渡された特許EP 195691 B1には、酵母によ って産生されたhSOD−プロインスリンタンパクが記載されている。このhS OD−プロインスリンタンパクは、折り畳みに先立って、臭化シアノーゲン開裂 および亜硫酸分解を受ける。 ヘキストはEPO公報第37916号において、「インスリン前駆体の不正確な組 み換え体」(即ち、間違ったまたは部分的に間違った分子間ジスルフィド架橋を 有する組み換えインスリン生成物)が、有機還元系の存在下で、その不正確な組 み換え体を水性媒質中の過剰なメルカプタンと反応させることによって、亜硫酸 分解を用いずに、「正しい」インスリン生成物に変換できることを記載している 。オリジナルの亜硫酸分解工程は、融合ポリペプチドからアミノ酸またはペプチ ド基が解列(化学的または酵素的に)された後に行われ(これは宿主細胞の溶解 の後に起きる)、それからインスリン前駆体の6つのシステインがそのS−スル ホン酸塩に変換される。その後のタンパクの復元工程において、三つの正しいジ スフフィド架橋の形成によって、このプロインスリンS−スルホン酸塩から天然 の プロインスリンが製造される。 ヘキストは更に、PCT国際公開公報WO91/03550号において、所望のタン パク(例えばプロインスリン)および「バラスト成分」を含む融合タンパクの製 造方法を開示している。亜硫酸分解は折り畳まれる前に行われるのに対して、「 バラスト成分」は、折り畳みの後に、プロインスリンのC鎖と同時に開裂される 。 加えて、ヘキストはEP 347781 B1において、「ミニプロインスリン」(B −Arg−A)、並びにモノ−Argインスリンおよびインスリンの製造のため のその使用を記載している。更に、B−Arg−Aおよび「バラスト成分」を含 む融合タンパクを記載している。この「バラスト成分」は臭化シアノーゲンによ って開裂され、亜硫酸分解はポリペプチドの折り畳みの前に行われる。 本発明は、改善された効率的なプロセスによる組み換えヒト・インスリンの製 造を開示する。リーダー配列を含む組み換えプロインスリンハイブリッドポリペ プチドは、大腸菌の中で合成される。部分的な精製の後、これは正しい折り畳み を許容する条件下で、リーダーペプチドが付着されたまま折り畳まれる。次いで 、トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBを組み合わせた処理によって、生 物学的に活性なヒト・インスリンが製造されるが、ここでは、これらの酵素がリ ーダーペプチドおよびC鎖を同時に開裂する。こうして製造された精製ヒト・イ ンスリンは、天然に存在するヒト・インスリンと同一である。 ハイブリッドポリペプチドのCNBr開裂および豊富に存在するSH基の保護 に用いられる亜硫酸分解に含まれる危険で且つ面倒な手法は、この新規な方法か ら排除される。何故なら、リーダーペプチドおよび保護されていないシステイン 残基が存在していても、全体のプロインシュリンハイブリッドポリペプチドを天 然の構造へと効率よく折り畳むことができるからである。活性な組み換えヒト・ インスリンは酵素的開裂によって放出され、その後に精製される。 〔図面の簡単な説明〕 図3〜図5に示されている三つのプラスミドの制限酵素地図は、これらプラス ミドに存在する全ての制限酵素部位を同定してはいない。しかし、本発明の理解 に必要な制限酵素部位は示されている。 図 1: プラスミドpBAST−Rの発現により生成した、折り畳まれ且つ ジスルフィド結合したプロインスリンハイブリッドポリペプチドの酵素的開裂に よる、ヒト・インスリンの生成。SODリーダー配列の一部のみが示されている 。 図 2: プラスミドpDBAST−LATまたはプラスミドpλBAST− LATの発現により生成した、折り畳まれ且つジスルフィド結合したプロインス リンハイブリッドポリペプチドの酵素的開裂による、ヒト・インスリンの生成。 SODリーダー配列の一部のみが示されている。 図 3: プラスミドpBAST−R、即ち、ATCC受付番号第69362号の 下にATCCに寄託されたSOD−プロインスリンハイブリッドポリペプチドを コードする発現プラスミドの構造。 図 4: pDBAST−LAT、即ち、ATCC受付番号第69361号の下に ATCCに寄託されたSOD−プロインスリンハイブリッドポリペプチドをコー ドする発現プラスミドの構造。 図 5: pλBAST−LAT、即ち、ATCC受付番号第69363号の下に ATCCに寄託されたSOD−プロインスリンハイブリッドポリペプチドをコー ドする発現プラスミドの構造。 図 6: プラスミドpBAST−Rによって発現されたSOD−プロインス リンハイブリッドポリペプチドのアミノ酸配列および対応するDNAヌクレオチ ド配列。 図 7: プラスミドpDBAST−RおよびpλBAST−LATによって 発現されたSOD−プロインスリンハイブリッドポリペプチドのアミノ酸配列お よび対応するDNAヌクレオチド配列。 図 8: 折り畳み混合物のpHの関数としての、プラスミドpBAST−L ATによって発現されたプロインスリンハイブリッドポリペプチド からのヒト・インスリンの製造 4℃の100mMグリシン緩衝液中において示される種々のpHで約16時間 、1mg/mLまたは0.5mg/mLのハイブリッドポリペプチドを用いて、プ ロインスリンハイブリッドポリペプチド(実施例2に記載したようにして製造さ れたもの)の折り畳みが行われた。この折り畳まれた物質を、37℃およびpH9 で 30分間、トリプシン(1:500w/w)(シグマ社)およびカルボキシペプチダーゼ B(CPC,シグマ社、1:200w/w)で処理し、125Iインスリン(アマーシャ ム社)およびヒト組み換えインスリン(カルビオケム(Calbiochem)社)を標準 として利用した放射免疫試験により、免疫反応性(IR)インスリンについて試 験した。 図 9: プラスミドpDBAST−LATにより発現されたプロインスリン ハイブリッドポリペプチドからの、ヒト・インスリンの製造 プロインスリンハイブリッドポリペプチド(実施例2に記載したようにして 製造したもの)を、約30mg/mLの濃度で8M尿素、5mM・HCl中に溶 解し、100mMグリシン−NaOH、pH11.0中に1mg/mLまで希釈した 。22℃(室温)において20時間、折り畳みを行った。次いで、HClを用い て溶液をpH8.8に調節した。カルボキシペプチダーゼB(1:1000w/w、シグマ 社)およびトリプシン(1:2000w/w、シグマ社)を添加し、この反応混合物を3 7℃で60分間インキュベートした。消化混合物をpH3にまで酸性化し、次いで 10mM・HClで希釈した。150μLのアリコートを、31.5%(v/v)のア セトニトリルを含有する50mMテトラエチルアンモニウムホスフェート、162m M・NaCl4、pH3で平衡化した250×4mm、5μリクロスフェア(Lichro sphere)(メルク社)上での逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC )によって分析した。このカラムを、75分間、1mL/分の流速で、31.5〜40.5 %のアセトニトリル線形勾配を用いて展開した。吸光度を220nmでモニターし た。 A: 5μgの標準インスリン(ベーリンガーマンハイム社) B: 酵素処理に従って製造された組み換えヒト・インスリン C: 折り畳まれたSOD−プロインスリンハイブリッドポリペプチド 図10: 折り畳み混合物におけるpHの関数としての、プラスミドpDBA ST−LATによって発現されたプロインスリンハイブリッドポリ ペプチドからのヒト・インスリンの製造 プロインスリンハイブリッドポリペプチド(実施例2に記載したようにして 製造したもの)を、指示したpH値を有する100mMグリシン−NaOH緩衝液 中に1mg/mLまで希釈し、22℃で16時間の折り畳みを行った。図9で説明し たようにして、酵素処理およびRP−HPLC分析を行った。このハイブリッド ポリペプチドから製造された組み換えヒト・インスリンの量を、標準インスリン と同じ保持時間を有するピークの面積に従って計算した。 図11: 折り畳み混合物におけるアスコルビン酸濃度の関数としての、プラ スミドpDBAST−LATによって発現されたプロインスリンハ イブリッドポリペプチドからのヒト・インスリンの製造 指示されている濃度のアスコルビン酸の存在下において、22℃、pH11.2の 100mMグリシン−NaOH中の1mg/mLで、SOD−プロインスリンハイ ブリッドポリペプチド(実施例2に記載したようにして製造したもの)の折り畳 みを行った。サンプルを、5時間および25時間の折り畳み時間の後に、トリプシ ンおよびカルボキシペプチダーゼBで処理した(図9)。組み換えヒト・インス リン製造を、RP−HPLC上で分析した(図9)。 図12: プラスミドpDBAST−LATにより発現されたプロインスリン ハイブリッドポリペプチドから製造された、ヒト・インスリンの真 正性 SOD−プロインスリンハイブリッドポリペプチド(実施例2に記載したよう にして製造したもの)の折り畳みを、100mMグリシン−NaOH、pH11.2お よび1.2mMアスコルビン酸中の1mg/mLにおいて、22℃で16時間行った。 酵素処理に続いて(図9に示した通り)、当該混合物を、20mM・Tris−HC l、pH8中で平衡化されたDEAE−セファロースカラム上でクロマトグラフ ィーにかけた。0〜0.4mM・Tris−HCl、pH8の線形勾配で、組み換えヒ ト・インスリンを溶出した。ピーク画分をプールして、HClでpH3に酸性化 した。RP−HPLCによって、組み換えヒト・インスリンをインスリン様分子 から更に精製した。主ピークを回収し、0.25M酢酸中のセファデックスG−25 カラム上で脱塩し、凍結乾燥した。サンプル(5μgの組み換えヒト・インスリ ン)を10mM・HCl中で調製し、同じ条件下でRP−HPLCによって分析し た。 A: 標準インスリン B: HPLC精製された組み換えヒト・インスリン C: HPLC精製された組み換えヒト・インスリンおよび標準イン スリンを組み合わせたサンプル 図13: プラスミドpDBAST−LATにより発現されたプロインスリン ハイブリッドポリペプチドからの、折り畳み混合物中のタンパク濃 度の関数としてのヒト・インスリンの製造 SOD−プロインスリンハイブリッドポリペプチド(実施例2に記載された ようにして製造されたもの)を、指示したように0.5mg/mL〜10mg/mL の最終タンパク濃度で、100mM・グリシン−NaOH中において折り畳みを行 った。夫々の折り畳み混合物に、SH基1モル当たり2.5モルのアスコルビン酸 を補充した。折り畳みは、24℃(室温)で16時間行われた。酵素処理およびRP −HPLC分析は、図9に記載したようにして行った。 図14: プラスミドpDBAST−LATにより発現されたプロインスリン ハイブリッドポリペプチドからの、折り畳み時間の関数としてのヒ・インスリンの製造 細胞内沈積物を、20mMグリシン−NaOH、33μM・EDTA、pH11.2 の中に約2.6A280/mLの濃度で溶解した。10N水酸化ナトリウムを用いて、p Hを12に調節した。この溶液を10分間攪拌した。濃塩酸を用いてpHを11.2に 滴定した。活性炭(酸洗浄したもの、シグマ社)を0.1%w/vの最終濃度にまで添 加し、この混合物を30分間撹拌した。この懸濁液を20℃で遠心した(20分12000 rpm)。清澄化された上清は約2.15のA280を有していた。アスコルビン酸を 、3mMの最終濃度にまで添加した。室温(22〜23℃)で激しく攪拌しながら、 指示したようにして、プロインスリンハイブリッドポリペプチドの折り畳みを行 った。実験に沿った種々の時点(溶解から出発して)で、10mLのアリコートを 抜き取り、pH8.8に滴定し、50μM・ZnCl2の存在下において、カルボキ シペプチダーゼB(1:1000w/w)およびトリプシン(1:2000w/w)を用い て37℃で1時間消化した。酸性化によって消化を停止させた。夫々の消化された サンプル中のインスリン濃度を、RP−HPLC分析によって図9に示すように して決定した。折り畳み反応の進行は、インスリンの増大(消化後)および遊離 チオール基レベルの減少によって示され、後者はエルマン反応によって試 験される(16)。 〔発明の概要〕 本発明は、ヒト・インスリンの製造方法であって、プロインスリンを含有する ハイブリッドポリペプチドを、正しいジスルフィド結合の形成を可能にする条件 下で折り畳むことと、この折り畳まれたジスルフィド結合したハイブリッドポリ ペプチドを酵素的に開裂させて活性なヒト・インスリンを生成させることと、こ の活性なヒト・インスリンを精製することとを具備した方法を提供する。 本発明は更に、プロインスリンと、該プロインスリンのN末端に結合したリー ダーペプチドとを含有するポリペプチドであって、該ポリペプチドが折り畳まれ ており、且つ正しいジスルフィド結合を含んでいるポリペプチドを提供する。 〔発明の詳細な説明〕 プラスミドpBAST−R、pDBAST−LATおよびpλBAST−LA Tは、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定に 従い、これを満たすように、1993年7月26日に、夫々ATCC受付番号第69362 号、第69361号および第69363号として、郵便番号20852メリーランド州ロックビ ル、パークローンドライブ12301のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクシ ョン(ATCC)に寄託された。 ここで用いるハイブリッドポリペプチドは、所望のポリペプチドに共有結合さ れたリーダーペプチドを含んでいる。この本発明のハイブリッドポリペプチドは 、プロインスリンと、リーダーペプチドとして好ましくはSODとを含んでいる 。 ここで用いる折り畳みには、折り畳み前のCNBr開裂を伴わず、且つ折り畳 み前のSH基を保護するための亜硫酸分解を伴わない、プロインスリンを含有す るハイブリッドポリペプチドの折り畳みが含まれ、この折り畳みはハイブリッド ポリペプチドにおける正しいジスルフィド結合形成を可能にする。 ここで用いるハイブリッドポリペプチドの正しいジスルフィド結合形成には、 インスリンのCysB7−CysA7、CysB19−CysA20、およびCysA6−C ysA11の間の三つのジスルフィド結合の形成が含まれる(Cys残基の番号 付けは、成熟インスリンにおけるそれらの番号付けに従っている)。 ここで用いるプロインスリンは、N末端からC末端に向かう順序で、インスリ ンのB鎖、C鎖およびA鎖を含んでいる。 ここで用いるインスリンのC鎖ペプチドは、トリプシンおよびカルボキシペプ チダーゼBによって開裂除去することができる、天然に存在するCペプチドおよ び他の何れかのオリゴペプチド、ジペプチドまたは単一アミノ酸を含んでいる。 ここで用いるリーダーペプチドは、折り畳みおよびジスルフィド結合形成を可 能にし、且つトリプシンによって開裂され得る、インスリンのB鎖に共有結合し た何らかのペプチドまたはポリペプチドんでいる。このリーダーペプチドは、好 ましくはSODである。 ここで用いるSODには、CuZnSODまたはMnSODのアミノ酸配列の 実質的な部分を含んでおり、また該部分は必ずしもSODの生物学的活性を有し ておらず、また天然に存在するSODのアミノ酸配列と比較したときにこのよう な部分と同一のアミノ酸配を有していない。SODをコードするDNAは、当業 者に公知の方法(例えば、Bauer et al.(1985),Gene 37:73-81)によって突然変 異させてもよい。 リーダーペプチドは、SODの代わりに、他の何れかのペプチド、ポリペプチ ドもしくはタンパク、またはこのようなペプチド、ポリペプチドもしくはタンパ クのアミノ酸配列の何れかの実質的部分を含んでいてもよい。このような部分は 、必ずしも前記ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパクの生物学的活性を有し ておらず、またまた天然に存在するペプチド、ポリペプチドもしくはタンパクの アミノ酸配列と比較したときにこのような部分と同一のアミノ酸配を有していな い。しかし、このリーダーペプチドは、ハイブリッドポリペプチドの折り畳みお よび正しいジスルフィド結合形成を許容しなければならない。 ここで用いるインスリンは、天然に存在するインスリンの相同体を含み得る。 本発明の方法により製造されるインスリンポリペプチドに関連してここで用い る「相同体」の用語は、インスリンと実質的に同じアミノ酸配列を有し、且つ実 質的に同じ生物学的活性を有するポリペプチドを意味する。従って、相同体は、 それがインスリンの生物学的活性を保持することを前提として、本発明の方法に よって製造されたインスリンポリペプチドとは、1以上の不可欠でないアミノ酸 残基の付加、欠失または置換によって異なり得る。当業者は、確立された周知の 方法を用いて、何れのアミノ酸残基が付加、欠失または置換(どのアミノ酸で置 換すべきかをも含む)され得るかを容易に決定することができ、このような方法 には、例えば主題のポリペプチドに関するポリペプチド相同体のバクテリア発現 をコードするDNAの設計および製造、部位特異的突然変異誘発技術によるcD NA配列およびゲノム配列の修飾、組み換えタンパクおよび発現ベクターの構築 、当該ポリペプチドのバクテリア発現、および従来の生物化学的試験を用いた当 該ポリペプチドの生物化学的活性の測定のための従来の方法が含まれる。 インスリン相同体に関する上記の定義は、プロインスリンの相同体に対しても 同様に適用される。 本発明の方法によって製造されたインスリン相同体の例は、天然に存在するイ ンスリンの全ての残基よりも少ない残基を含む欠失相同体、特定された1以上の 残基が他の残基で置換された置換相同体、特定された1以上のアミノ酸残基がイ ンスリンポリペプチドの末端または中間部分に付加された付加相同体であり、こ れらは全てインスリンの生物学的活性を共有する。 相同体の例は、EPO特許出願EP384472号に開示されたインスリン類縁体、 並びに「シェアホルダー1992へのイーライリリー・アンド・カンパニー報告」に 開示されたイーライリリーのインスリン類縁体「ヒューマローグ(Humalog)」で ある。 実質的に同じアミノ酸は、ここでは、アミノ酸配列中にアミノ酸の置換および /または欠失および/または付加を包含するものとして定義されており、また例 えば文献(Albert L.Lehninger,Biochemistry,second edition,Worth Publishers Inc.(1975),Chapter4;Creighton,protein Structure,a Pra ctical Approach,IRL Press at Oxford University Press,Oxford,En gland(1989);and Margaret O.Dayhoff,Atlas of Protein Sequence and Structure,Volume 5,The National Biomedical Research Foundation(19 72),Chapter 9)に記載された相同性または等価な基に従って、10までの残基を 包含し得る。このような置換は当業者に周知である。 インスリンポリペプチドをコードするDNAは、当業者に周知の方法(例えば 、Bauer et al.(1985),Gene 37:73-81)によって突然変異させてもよい。次い で、この突然変異された配列は、ここに記載したような適切な発現ベクター中に 挿入し、該ベクターを細胞中に導入し、次いで突然変異DNAがポリペプチド相 同体の発現を指令するように処理すればよい。 プロインスリンを含有するハイブリッドポリペプチドをコードする配列を含ん だ本発明のプラスミドは、バクテリア、酵母、真菌または哺乳類細胞内でのクロ ーン化された遺伝子の発現に必要な調節要素が、当該ハイブリッドポリペプチド をコードする核酸に対して位置するように含まれている、バクテリア、酵母、真 菌、或いはCHO、ニワトリ胚、繊維芽細胞または他の公知の細胞系のような哺 乳動物細胞での発現に適用すればよい。発現に必要な調節要素には、RNAポリ メラーゼに結合するプロモータ配列およびリボゾームに結合するためのリボソー ム結合部位が含まれる。 本発明のプラスミドは、プロインスリンを含有するハイブリッドポリペプチド を発現する。 当業者は、この出願に関連して寄託されたプラスミドを、公知の技術(例えば 部位特異的突然変異誘発、またはリンカー類の挿入)によって、相同性ポリペプ チドの発現をコードするように容易に改変し得ることを理解するであろう。 このような技術は、文献(例えば、Ssmbrook,J.,Fritsch,E.F.and Mani atis,T.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2ndedition,Col d Spring Harbor Laboratory Press)に記載されている。 適切な調節要素は、プロインスリンを含有したハイブリッドポリペプチドをコ ードするDNAに対して、当該ハイブリッドポリペプチドを適切なホスト細胞中 で発現させるように、プラスミド内に位置付けられる。本発明の好ましい態様に おいて、この調節要素は、当該ハイブリッドポリペプチドをコードするDNAの 上流に近接して位置付けられる。 プロインスリンを含有するハイブリッドポリペプチドをコードするDNAから 転写されたmRNAをホスト細胞内のリボゾームに結合できるようにするための 、deoRBSのような種々のリボソーム結合部位(RBS’s)もまた、本発 明 の中に含まれる。 本発明のプラスミドはまた、ATG開始コドンをも含んでいる。プロインスリ ンを含んだ当該ハイブリッドポリペプチドをコードするDNAは、このATG開 始コドンと同じフェーズにある。 本発明のプラスミドはまた、宿主細胞中で自立的に複製できるバクテリアプラ スミド由来の複製起源を有するDNA配列をも含んでいる。適切な複製起源は、 プラスミドpBR322(ATCC受付番号37017)由来のように、多くの起源 から得ることができる。 本発明のプラスミドはまた、薬剤耐性遺伝子(例えばアンピシリン、クロラム フェニコールまたはテトラサイクリンに対する耐性)のように、当該プラスミド がホスト細胞内に存在するときに現れる、選別可能または同定可能な発現型的特 徴に関連した遺伝子を含有したDNA配列をも含んでいる。 当該ハイブリッドポリペプチド(プロインスリンを含有したもの)をコードす る核酸を発現させるために用い得るベクターの例は、バクテリアウイルス(例え ばラムダファージのようなバクテリオファージ)のようなウイルス、コスミド、 プラスミド、およびその他のベクターである。プロインスリンを含有するハイブ リッドポリペプチドをコードする遺伝子は、当該技術で周知の方法によって適切 なベクターの中に挿入される。例えば、従来の制限エンドヌクレアーゼ酵素部位 を用いて挿入物DNAおよびベクターDNAを開裂し、夫々の塩基対が相互に相 補的である相補的末端を作製することができ、次いで、両者をDNAリガーゼを 用いて連結することができる。 或いは、ベクターDNAにおける制限部位に対して相補的な塩基配列を有する 合成リンカーを、挿入物DNAに連結し、次いで、これを当該部位で切断する制 限酵素で消化することができる。他の手段もまた利用可能である。 好ましいバクテリアホスト細胞は大腸菌(E.coli)細胞である。適切な大腸 菌細胞の例は、Sφ733株(cytRstrA)または4300株であり、他 の大腸菌株および他のバクテリアもまた、当該プラスミドのためのホストとして 用いることができる。 ホストとして用いられるバクテリアは、栄養要求性株(例えばA1645)、 無機栄養要求性株(例えばA4255)および溶解性株;F+株およびF-株;λ プロファージのc1857リプレッサ配列を含む株(例えばA1645およびA 4255)並びにdeoリプレッサおよび/またはdeo遺伝子を欠失した株( ヨーロッパ特許出願公報第0303972号参照)を含む如何なる株であっても よい。大腸菌株Sφ733および大腸菌株4300は、夫々、ATCC受付番号 第69361号および第69363号の下に寄託されている。 上記の全ての大腸菌ホスト株は、当該技術において周知の方法、例えば臭化エ チジウム法(R.P.Novick in Bacteriol.Rewiew 33,210(1969))によって、 それらに含まれているプラスミドを取り出すことができる。 本発明は、インスリンを製造する方法であって、プロインスリンを含有するハ イブリッドポリペプチドを、正しいジスルフィド結合の形成を許容する条件下で 折り畳むことと、この折り畳まれ且つジスルフィド結合したハイブリッドポリペ プチドを酵素的に開裂させて、インスリンを生成させることと、このインスリン を精製することとを具備した方法を提供する。このインスリンは商業的に入手可 能なヒト・インスリンの活性および特性を有している。 好ましい態様において、この折り畳みは、当該ハイブリッドポリペプチドを、 約8.5〜12.0のpHにおいて、約4〜37℃で約1〜30時間インキュベートするこ とを具備している。 他の好ましい態様において、この折り畳みは、当該ハイブリッドポリペプチド を、アスコルビン酸の存在下に、約8.5〜12.0のpHにおいて、約4〜37℃で約 1〜30時間インキュベートすることを具備している。 特に好ましい態様において、折り畳みの際のpHは11.0〜11.25である。 他の特に好ましい態様において、アスコルビン酸の濃度は、折り畳み混合物中 に存在するSH基1モル当たり約2モルである。 更に別の態様において、インキュベーション時間は約5時間である。 他の態様において、酵素的に開裂させる工程は、pHを約8.8〜9.0に調節する ことと、前記ハイブリッドポリペプチドを、16〜37℃で約30分〜約16時間だけ、 トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBで開裂することとを具備している。 他の態様において、前記の精製工程は、DEAE−セファロースクロマトグラ フィーおよびRP−HPLCを含んでいる。 更に別の態様において、前記の精製工程は、更に、限外濾過およびCM−セフ ァロースクロマトグラフィーを具備する。 特に好ましい態様において、前記の精製工程は、更に、DEAE−セファロー スクロマトグラフィーおよびフェニル−セファロースクロマトグラフィーを具備 する。 特に好ましい態様において、前記ハイブリッドポリペプチドは、ATCC受付 番号第69361号の下に寄託されたプラスミドpDBAST−LATによって 発現される。 他の好ましい態様において、前記ハイブリッドポリペプチドは、ATCC受付 番号第69363号の下に寄託されたプラスミドpλBAST−LATによって 発現される。 他の態様において、前記ハイブリッドポリペプチドは、ATCC受付番号第6 9362号の下に寄託されたプラスミドpBAST−Rによって発現される。 好ましい態様において、前記ハイブリッドポリペプチドは、該ハイブリッドポ リペプチドをコードするDNAを含むバクテリア細胞を、該DNAがその発現を 指令するように処理することと、前記細胞から当該ハイブリッドポリペプチドを 回収することとによって得られる。 前記の処理には、グルコース、グリセロールまたはガラクトースの存在下での 発酵が含まれることが想定される。 更に、前記細胞からの前記ハイブリッドポリペプチドの回収は、前記バクテリ ア細胞の細胞壁またはその断片をを破壊して細胞溶解物を製造することと、該溶 解物から遠心によって細胞内沈殿物を単離することと、この沈殿物を可溶化する ことと、必要に応じ、クロマトグラフィーまたは限外濾過によって当該ハイブリ ッドポリペプチドを精製することとを具備することが想定される。 本発明は更に、プロインスリンおよび該プロインスリンのN末端に結合したリ ーダーペプチドとを含有するポリペプチドであって、該ポリペプチドは折り畳ま れ、且つ正しいジスルフィド結合を含んでいるポリペプチドを提供する。 好ましい態様において、前記リーダーペプチドは、CuZnSODのN末端か ら誘導される。 特に好ましい態様において、前記リーダーペプチドは62アミノ酸を含んでお り、その前にはアミノ酸Metが先行し、その後にはArg残基が続いている。 好ましい態様において、前記プロインスリンは、単一のArg残基によってイ ンスリンA鎖に結合されたインスリンB鎖を含んでいる。 他の態様において、前記プロインスリンは、ジペプチドLys−Argによっ てインスリンA鎖に結合されたインスリンB鎖を含んでいる。 上記二つのプロインスリン分子は、ハイブリッドタンパクとして製造されなけ ればならず、そうでなければ発現レベルは極端に低く、商業的重要性はない。 全ての好ましい態様において、リーダーペプチドのシステイン残基はセリン残 基で置換されている。 〔実施例〕 以下の実施例は、本発明の理解を補助するために挙げられるものであり、如何 なる意味においてもその範囲を限定しようとするものではなく、そのように解釈 されてはならない。下記の実施例には、ベクター類の構築、ポリペプチドをコー ドする遺伝子のかかるベクターへの挿入、または得られたプラスミドのホストへ の導入に用いられる従来の方法の詳細な説明は含まれていない。また、これらの 例には、このようなホスト・ベクター系によって製造されたポリペプチドを試験 するために用いられる従来の方法の詳細な説明は含まれていない。このような方 法は当業者に周知であり、例えば下記のものを含む多くの刊行物中に記載されて いる。 Sambrook,J.,Fritsch,E.F.and Maniatis,T.(1989) Molecular Cloning:A laboratory Manual,2ndedition,Cold Spring Harbor Laboratory Press.実施例1 SODプロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドを発現する産生プラスミド pBAST−R、pDBAST−LATおよびpλBAST−LATの構築 deo P1P2又はλPLプロモーターの何れかの制御下で大腸菌中でハイブリ ッド蛋白を過剰生産するバクテリア性発現ベクターを構築した。インシュリンB 鎖−Lys−Arg−インシュリンA鎖をコードする発現ベクターを宿すバクテ リアは検出可能なポリペプチドを産生しないことがわかっていたので、プロイン シュリンは、ハイブリッド蛋白として産生された。このハイブリッド蛋白は、C uZnSOD(11)のN末端から誘導されたリーダーペプチド(62アミノ酸 長)を含んでおり、その該N末端においてMet残基が先行しており、そのC末 端には、それをインシュリンB鎖につなげているArg残基が続いている。イン シュリンB鎖は、Lys−Arg又はArgからなる短C鎖ペプチドによってイ ンシュリンA鎖に連結されている。SOD部分に元々存在する二つのシステイン は、セリン残基によって置換された。A. プラスミドpBAST−R 一連のプラスミドが構築され、最終的にpBAST−Rを得た。pBAST− Rは、適切な大腸菌ホスト細胞の形質転換に際して、ヒトインシュリン生産に有 用なプロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドの有効な発現を指令すること ができた。 SODインシュリンB鎖−Lys−Arg−インシュリンA鎖ハイブリッド・ ポリペプチドをコードするプラスミドpBAST−Rの構造を図3に示す。該ハ イブリッド・ポリペプチドのDNA配列および対応アミノ酸配列は、図6に示さ れる。 プラスミドpBAST−Rは、約4380bp長で、下記要素からなる(反時 計周りの方向で)。 1.テトラサイクリン耐性遺伝子を含むpBR322上のAat II-Msc I部位 にわたる1521bp長のDNA断片。 2.一部を切り取ったアンピシリン耐性遺伝子およびDNA複製起源を含むp BR322上のScaI−HaeII部位にわたる1497bp長のDNA断片 。 3.deo P1P2 プロモーターおよびリボソーム結合部位((PBS)(13) を含む大腸菌DNA上のAvaII−NdeI部位にわたる930bp長のDN A断片。 4.ヒトCuZnSOD cDNAのNdeI−PpuMI部位にわたる18 8bp長のDNA断片。成熟SODの6位、57位のシスチンは、セリン残基と オリゴヌクレオチドの部位指向性変異誘発(12)によって置換された。 5.PpuMIおよびBamHI末端を持つ172bp長の合成DNA断片。 この領域は、ArgインシュリンB鎖Lys−ArgインシュリンA鎖をコード する。 6.BamHIおよびHindIII末端を持つ合成36bpマルチクローニ ング部位ポリリンカー。 7.HindIIIおよびAatII末端(10)を持つTrpA転写ターミ ネーターを含む合成44bpオリゴヌクレオチド。 テトラサイクリン耐性を与え、SODインシュリンB鎖―Lys−Arg―イ ンシュリンA鎖ハイブリッドポリペプチドをコードするプラスミドpBAST− Rは、大腸菌株Sφ733(cytRstrA)に導入され、かつ1993年7 月26日にATCC寄託番号69362でATCCに寄託された。B.プラスミドpDBAST−LAT 他の一連のプラスミドが構築され、最終的にpDBAST−LATを得た。 pDABSTは、適切な大腸菌ホスト細胞を形質転換したときに、ヒト・インシ ュリン生産に有用なプロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドの効率的な高 レベルの発現を指令することができた。 SODインシュリンB鎖―Arg−インシュリンA鎖ハイブリッド・ポリペプ チドをコードするプラスミドpDBAST―LATの構造を図4に示す。該ハイ ブリッド・ポリペプチドのDNA配列および対応アミノ酸配列は、図7に示され る プラスミドpDBAST−LATは、約4377bp長で、下記要素からな る(反時計周りの方向で)。 1.テトラサイクリン耐性遺伝子を含むpBR322上のAat II-Msc I部位 にわたる1521bp長のDNA断片。 2.一部を切り取ったアンピシリン耐性遺伝子およびDNA複製起源を含むp BR322上のScaI−HaeII部位にわたる1497bp長のDNA断片 。 3.deo P1P2プロモーターおよびリボソーム結合部位(PBS)(13)を含 む大腸菌DNA上のAvaII−NdeI部位にわたる930bp長のDNA断 片。 4.ヒトCuZnSOD cDNAのNdeI−PpuMI部位にわたる18 8bp長のDNA断片。 成熟SODの6位、57位のシスチンは、セリン残基 と置換されこの断片のGC配合率は、オリゴヌクレオチドの部位指向性変異誘発 (12)によって38%まで削減された。 5.PpuMIおよびBamHI末端を持つ169bp長の合成DNA断片。 この領域は、ArgインシュリンB鎖−Arg―インシュリンA鎖をコードする 。 6.BamHIおよびHindIII末端を持つ合成36bpマルチクローニ ング部位ポリリンカー。 7.HindIIIおよびAatII末端(10)を持つTrpA転写ターミ ネーターを含む合成44bpオリゴヌクレオチド。 テトラサイクリン耐性を与え、SODインシュリンB鎖−Arg−インシュリ ンA鎖ハイブリッドポリペプチドをコードするプラスミドpDBAST−LAT は、大腸菌株Sφ733(cytRstrA)に導入され、かつ1993年7月 26日にATCC寄託番号69361でATCCに寄託された。C.プラスミド pλBAST−LAT また別の一連のプラスミドが構築され、プラスミドpλBAST−LATを 得た。これは、遺伝子加工された大腸菌ホスト細胞(cI857リプレサーを宿 す)の形質転換に際して、ヒトインシュリン生産に有用なプロインシュリン・ハ イブリッド・ポリペプチドの効率的な発現を指令することができた。 SODインシュリンB鎖−Arg−インシュリンA鎖ハイブリッド・ポリペプ チドをコードするプラスミドpλBAST―LATの構造を図5に示す。該ハイ ブリッド・ポリペプチドのDNA配列および対応アミノ酸配列は、図7に示され る。プラスミドpλBAST−LATは、約3777bp長で、下記要素からな る(反時計周りの方向で)。 1.テトラサイクリン耐性遺伝子を含むpBR322上のAat II-Msc I部位 にわたる1521bp長のDNA断片。 2.一部を切り取ったアンピシリン耐性遺伝子およびDNA複製起源を含むp BR322上のScaI−HaeII部位にわたる1497bp長のDNA断片 。 3.λPLプロモーターおよびAvrII−NdeI30bp長のdeoリボソー ム結合部位を含むプラスミドpSODα13(14)上のBamHI−EcoR I部位にわたる330bp長のDNA断片。 4.ヒトCuZnSOD cDNAのNdeI−PpuMI部位にわたる188 bp長のDNA断片。成熟SODの6位、57位のシスチンは、セリン残基と置 換され、およびこの断片のGC配合率は、オリゴヌクレオチドの部位指向性変異 誘発(12)によって38%まで削減された。 5.PpuMIおよびBamHI末端を持つ169bp長の合成DNA断片。 この領域は、Arg―インシュリンB鎖−ArgインシュリンA鎖をコードする 。 6.BamHIおよびHindIII末端を持つ合成36bpマルチクローニ ング部位ポリリンカー。 7.HindIIIおよびAatII末端(10)を持つTrpA転写ターミ ネーターを含む合成44bpオリゴヌクレオチド。 テトラサイクリン耐性を与え、λPLプロモータの制御下にあるSODインシ ュリンB鎖―Arg―インシュリンA鎖ハイブリッドポリペプチドをコードする プラスミドpλBAST−LATは、大腸菌株4300(F−、bio、cI8 57)に導入され、かつ1993年7月26日にATCC寄託番号69363で ATCCに寄託された。 バクテリア性細胞は、30℃で増殖された。42℃に温度を移すと、ハイブリ ッドポリペプチドの産生が誘導された。実施例2 発酵、育成条件、SODプロインシュリン・ハイブリッド・ポリペプチドの精製 I. 保存培養 プラスミドpDBAST−LAT(又は、pBAST−R)を宿す大腸菌菌株 Sφ733の保存培養を、テトラサイクリン(10mg/L)を補給したカゼイ ン培地(20g/Lカゼイン加水分解物、10g/L酵母抽出物および5g/L NaCl)上にて生育させた。該培養物を凍結培地で2倍に希釈し、-80℃で 保存した。 凍結培地: 500ml当たり K2HPO4 6.3g KH2PO4 1.8g クエン酸ソーダ 0.45g MgSO4・7H2O 0.09g (NH4)2SO4 0.9g グリセロール 44g II. 接種物 接種物を、製造培地(下記参照)で増殖した。振盪フラスコ中の滅菌培地は、 保存培産物から接種され、15時間、振盪機上で37℃および約200rpmで インキュベートされた。必要な時は、接種物増殖の次のステージを撹拌エアレー ション発酵機中で実施した。2−10%フラスコ培地が滅菌培地に播種され、1 5時間37℃、pH7±0.5で、約20%の空気飽和を上回る溶存酸素レベル を維持するように撹拌・エアレーションしながらインキュベートした。 製造培地: K2HPO4 8g/l KH2PO4 2g/l クエン酸ソーダ 2g/l NH4Cl 3g/l K2SO4 0.6g/l FeSO4・7H2O 0.04g/l MgSO4・7H2O 0.4g/l CaCl2・2H2O 0.02g/l 微量成分溶液 3ml/l テトラサイクリン 0.01/l グルコース 2g/l グリセロール 1ml/l 微量成分溶液 MnSO4・H2O 1g/l ZnSO4・7H2O 2.78g/l CoCl2・7H2O 2g/l Na2MoO4・2H2O 2g/l CaCl2・2H2O 3g/l CuSO4・5H2O 1.85g/l H3BO3 0.5g/l HCL (32%) 100ml/l 製造培地に0.5-10%の接種培地を接種し、37℃でインキュベートした。攪拌 エアレーション速度を20%の空気飽和率を超えた溶存酸素レベルが維持される ように設定した。pHをアンモニアによって7±0.2 に維持した。 50%グルコースおよび30%グリセロールの滅菌溶液がエネルギーおよび炭 素源を供給するために注入された。細胞濃度がOD660値25に達したら、10 %のグルコースおよび30%のグリセロールの滅菌溶液が注入され、約5時間、 細胞濃度が約OD660の値に達するまで生育が続けられた。次に、該培養物を 冷却し、細胞を遠心分離によって回収した。グルコース、グリセロール、ガラク トースあるいはその組み合せの何れがの炭素源存在下で大腸菌の発酵をさせると 、SODプロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドの発現が促進された。 IV 精製 プラスミドpBAST―RおよびpDBAST−LATによって発現されたS OD-プロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドは、細胞内沈殿物中に蓄積 した。該沈殿物は、下記手段によって単離された。1g(湿重量)のバクテリア ケーキを、50mM Tris-HCl,pH8,10mM EDTAを含む緩衝液(10ml)中に懸 濁し、ライソザイム(メルク(Merck)、2500μ/ml)で37℃、2時間 で処理した。該混合物は、次に超音波処理され、ノニデット−(Nonidet)-P-40( シグマ)又はトリトン(Triton)X100を最終濃度2%まで加え、2時間室温で 撹拌された。該沈殿物は遠心分離でペレット状とされ、水で洗浄された。 ハイブリッドポリペプチドは、アニオン交換クロマトグラフィーで、下記のよ うにほぼ等質になるまで精製された。沈殿物は、8Mの尿素、20mM Tris-HCl ,200mM βメルカプトエタノール、pH8.2中に溶解された。該溶液は、遠心 分離によって浄化され、8Mの尿素、20mM Tris-HCl,200mM βメルカプトエ タノール、pH8.2で予め平衡化されたDEAEセファロース・ファストフロ ー(Fast-Flow)カラム(ファルマシア、LKB)でクロマトグラフ処理された。 通過物を収集し、ハイブリッド蛋白を(NH42SO4の40%飽和で沈殿させ るが、或いは10K膜上で限外濾過によって濃縮され、その後100mMグリシ ンHCl、pH3.1で透過濾過された。 別法として、プラスミドpBAST―Rにより発現されたSOD-プロインシ ュリン・ハイブリッドポリペプチドが、8Mの尿素、20mMジチオスレイトール ,50mM酢酸ナトリウム、pH5の中にに溶解され、一連の100kDおよび50 kD膜(フィルトロン)を通して限外濾過を行なうことによって、ほぼ等質にな るまで精製された。ハイブリッドポリペプチドを10kD膜上で濃縮して、(N H42SO4の40%飽和で沈殿させた。実施例3 SOD-プロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドの折り畳みおよび酵素的 開裂 (NH42SO4沈殿又は限外濾過(実施例2)によって得られたプロインシ ュリン・ハイブリッドポリペプチドを、8Mの尿素、5mM HCl中に溶解し、100m Mグリシン緩衝液、pH8.5-12中に,最終濃度1mg/mlで希釈した。 A. プラスミドpBAST―Rによって発現されるSOD-プロインシュリ ン・ハイブリッドポリペプチドは、正常なジスルフィド結合が可能となるように 、約4〜37℃において、1〜24時間かけて折りたたまれた。 折り畳まれたジスルフィド結合ハイブリッドポリペプチドを含む溶液の pHは、HClで約8.8〜9.0に調節され、該蛋白は、トリプシンおよびカルボキ シペプチダーゼBで、16〜37℃で、30〜120分かけて処理された。 多くの実験を行なった後、至適条件が以下の通りである事が分かった。プ ラスミドpBAST―Rによって発現されるハイブリッドポリペプチドを8M尿 素、5mM HCl中に溶解し、100mM グリシン緩衝液、pH11.0(図8)中に最終濃 度約1mg/mlで、希釈した。その後、25℃6−16時間かけてハイブリッドポ リペプチドの折り畳みが起こった。折り畳まれた後、ジスルフィド結合ハイブリ ッドポリペプチドは、トリプシン(1:500w/w)およびカルボキシペプチダーゼ B(1:200w/w)で、37℃で30−60分かけて開裂された。 プラスミドpBAST−Rによって発現される折り畳まれたジスルフィ ド結合プロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドが酵素によって開裂され、 インシュリンを生成することが図1に図解されている。 B. プラスミドpDBAST−LATによって発現されたSODプロインシ ュリン・ハイブリッドポリペプチドは、正常なジスルフィド結合が可能となるよ うに約7〜31℃約5〜30時間かけて、折り畳まれた。 折り畳まれたジスルフィド結合ハイブリッドポリペプチドを含む溶液の pHは、HClによって約8.8-9.0に調節された。該蛋白は22-37℃で30分から1 6時間かけて、トリプシンおよびカルボキシペプチダーセBで処理された。 多くの実験を行った後、至適条件が以下の通りである事がわかった。プラ スミドpBAST―Rによって発現されるハイブリッドポリペプチドは8M尿素 、5mM HCl中に溶解され、100mMグリシン緩衝液、pH11.0-11.25(図8)中に最終 濃度約1mg/mlで希釈された。その後、25℃で5時かけてハイブリッドポリペ プチドの折り畳みが起こった。折りたたまれた後、ジスルフィド結合ハイブリッ ドポリペプチドは、トリプシン(1:15,000w/w)およびカルボキシペプチダー ゼB(1:10.000w/w)で、25℃で16時で開裂された。 プラスミドpDBAST−LATによって発現される折り畳まれたジス ルフィド結合プロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドを酵素によって開裂 してインシュリンを生成することが、図2に図解されている。 上記AおよびB両者に特異的な条件の例が、図8〜14の説明に詳述されて いる。実施例4 プラスミドpBAST―Rによって発現されるSODプロインシュリン・ハイブ リッドポリペプチドがらのヒトインシュリンの蛋白分析および精製 プラスミドpBAST―Rによって発現されるSODプロインシュリン・ハイ ブリッドポリペプチドからヒトインシュリンが発生することは、商業的に入手可 能なヒトインシュリン(Calbiochem)を標準として使用して、ラジオイムノアッ セイおよびRP−HPLCによって確認された。組み替えヒトインシュリンの理 論的生産量は、プロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドのアミノ酸配列によ って計算したところ、45.6%であった。図8からも明らかなように、至適な折り 畳みは、pH11で起こる。このpH値におけるインシュリン生産量は、理論的生 産量の約80%となる(投入されたハイブリッドポリペプチドの約40%に匹敵 する)。プラスミドpBAST−Rによって発現されるプロインシュリンハイブ リッドポリペプチド起源のヒトインシュリンは、PR−HPLCによって検出さ れる。バイダック(Vydac)218TP54,250x4.6mm I.D.(分離グループ)、5μm、 300オングストロームの粒子サイズのカラムを室温にて流速1 ml/分で使用した。水中0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)は、溶出液A、およびア セトニトリル中0.08%TFAを溶出液Bとして使用した。カラムを平衡化緩衝液(2 5%溶出液B)で5分間洗浄し、その後、25―50%の溶出液Bの直線勾配を37. 5分間行なった。吸光度を220nm又は280nmで調べた。折り畳まれたジスルフィ ド結合ハイブリッド・ポリペプチドの酵素消化後ヒトインシュリンを、逆層高圧 液体クロマトグラフを使用して分析すると、標準ヒトインシュリンと同様の保持 時間を持つ主要ピークが表われた。 26mgおよび13mgのヒトインシュリンを夫々産生する二つの小規模バッ チを調整した。ヒトインシュリンは、3K又は5K膜(フィルトロン)上で限外 濾過され、続いてCMセファロース・クロマトグラフィー(クエン酸緩衝液、pH3 )によって、酵素処理された溶液(pH9)から精製された。ピーク分画は脱塩 され、凍結乾燥され、N末端配列分析およびアミノ酸分析に供された。組み替え ヒトインシュリンの両バッチのアミノ酸組成は、天然のヒトインシュリン(表1 参照、調整物1)と本質的に同一であった。該インシュリン調整物のアミノ末端 における5つのアミノ酸の配列を、エドマン分解で決定した。ヒトインシュリン のA鎖B鎖の両方のアミノ末端と同一であることが分かり、インビトロ産物の信 憑性が確認された。 しかしながら、配列分析の結果、該分子の約25%において1位に余分なArg 残基が存在している事がわかった。この結果は、lysとArgの間、つまり、内部リ ンカー配列Lys-Argトリプシン開裂に対応し、これによって該A鎖のアミノ末端 上に余分なArg残基が残る。 pH11で反応を行なうことにり、ArgのC末端にトリプシンによる特異的 な加水分解が起こることが可能であることがわかった。この高pHでは、lys の殆どのεアミノグループは帯電されない(pK=10.3)ので、これによって選 択的開裂が可能となる。pH11でトリプシン工程(表1参照、調整物2)を行 ない、続いてpH8.5でカルボキシルペプチダーゼB消化を行う事によって、精 製されたインシュリン1mgおよび6.5mgを産生する2バッチが得られた。N末端 シークエンスによって、余分のArgを含むインシュリンの量が約5%にまで削 減されたことがわかった。 調製物1および2には、プラスミドpBAST−Rによって発現されるプロイ ンシュリン・ハイブリッドポリペプチド起源の組替えヒトインシュリンのアミノ 酸組成を示す。トリプシン開裂はpH9(調製物1)又はpH11(調製物2) の何れかで行なわれた。 アミノ酸分析は、精製されたインシュリン調製物の過ギ酸酸化および気相加水 分解の後に行われた。実施例5 プラスモドpBAST−Rによって発現されるSODプロインシュリン・ハイブ リッド・ポリペプチドから産生された精製ヒトインシュリンのペプチド分析 上記実施例に記載したようにして産生された精製ヒトインシュリンは、グルタ ミル残基のカルボキシル側にあるペプチド結合を加水分解するエンドプロテアー ゼGlu−C(Sigma)を使用したペプチド分析に供された。 より詳細には、プラスミドpBAST−Rによって発現された、折り畳まれた ジスルフィド結合プロインシュリン・ハイブリッド・ポリペプチドの開裂によっ て産生されたインシュリンサンプル(100μg)は、100μlの0.1M Tris-HCl、 pH7.8中で5μgGlu−Cで6時間37℃で消化された。HPLC分析を次 のように行なった。 商業的に入手可能な(コントロール)インシュリンおよび折 り畳まれたジスルフィド結合プロインシュリン・ハイブリッド・ポリペプチドの 開裂によって産生されたインシュリンサンプルは、pH約3にまで酸性化され、 RP−HPLCによって分離された。バイダック(Vydac)218TP54 、250x4.6mm ID,5μm,300 オングストロームの粒子サイズのカラムを使用 した、このカラムは、31.5%(v/v)アセトニトリルを含む50mMのリン酸テトラ エチルアンモニウム、162mM NaClO4、pH3、で平衡化され、35〜4 5%のアセトニトリルの直線勾配で、75分間、流速1ml/分で展開された。 吸光度を、220nmで調べた。 すべての予想されるペプチドは、たとえ断片のうち一つに対応したピーク小さ な肩ピークが続き、これがdes-Thr(B30)インシュリン様分子(15)に多分に関 係していたとしても、コントロール反応と同じ様に発生された。 プラスミドpBAST―Rによって発現される組替えポリペプチドは、天然 のヒトインシュリンの配列を含む事が実施例4および5から分かる。組替え蛋白 の小部分では、Arg(AO),デスアミドインシュリン様分子またはデススレ オニン(B30)インシュリン様分子のような構成型を産生した。 これらの不要な副産物は、上記に述べたようなRP−HPLCといったクロマ トグラフィーを用いて排除できる。実施例6 プラスミドpDBAST−LATによって発現されるプロインシュリン・ハイブ リッドポリペプチドから産生されるヒトインシュリンのタンパク分析および精製 Arg(Ao)インシュリン副産物の生成を回避(実施例4および5)するた めに、プラスミドpBAST−Rによって発現されるプロインシュリン・ハイブ リッドポリペプチドのA鎖およびB鎖の間にLys−Arg残基のみをコードす るDNAとは全く異なり、プロインスリン・ハイブリッド・ポリペプチドのA鎖 およびB鎖の間にArg残基のみをコードしているDNAを含むように、発現プ ラスミドpBAST−Rを変更した。この結果、発現pDBAST−LAT(実 施例1B)およびpλBAST−LAT(実施例1C)が得られた。 新発現プラスミドpDBAST−LATによって発現された折り畳まれたジス ルフィド結合プロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドのトリプシンおよび CPBによる酵素処理の後、インシュリンは効率的に産生された。インシュリン 様汚染物の存在は低かった(図9)。 折り畳みは、pH11.25(図10)で至適に行 なわれ、反応混合物中、SH基一モルあたり約2モルのアスコルビン酸の存在下 で、著しく増大した(図11)。 プロインシュリン・ハイブリッド・ポリペプチドから産生されるインシュリン 産生における蛋白濃度の影響が、別の至適折り畳み条件下における一連の反応で 確認された。蛋白濃度が1.5mg/mlを超過しない場合に、至適産生が得られた(図 13)。 インシュリンを、DEAEセファロースクロマトグラフィー、続いてRP―H PLCによって(図9に記載のように)精製された。図12から明らかなように、 産生された組替えヒトインシュリンは、標準(商業的に入手可能な)ヒトインシュ リンと同じ保持時間を持っていた。精製された組替えヒトインシュリン調製物の アミノ酸組成は、標準インシュリン(表2、組替えインシュリン)と同一であっ た。 表2は、プラスミドpDBAST−LATによって発現されるプロインシュリ ンハイブリッドポリペプチドから産生されるインシュリンは、実施例4に記載さ れたように、インシュリンA鎖に付着した余分のArg残基(Arg(AO)イ ンシュリン)をもっていなかった事を示している。このように、インシュリン産生 に好適なプラスミドは、プラスミドpDBAST−LATであり、プロインシュリ ンハイブリッドポリペプチドの好適な配列は、図7に示されたものである。 標準ヒトインシュリンおよびプラスミドpDBAST―LATによって発現され るプロインシュリンハイブリッドポリペプチドから生産される組替えヒトインシ ュリンのアミノ酸組成を示す。 精製インシュリン調製物の過ギ酸酸化およびガス層加水分解後、アミノ酸分析 が行なわれた。実施例7 粗製細胞内沈殿物から、プラスミドpDBAST―LATにより発現されたプロ インシュリン・ハイブリッド・ポリペプチドからのヒトインシュリンの製造 プロインシュリン・ハイブリッドポリペプチドを折り畳み、酵素変換してイ ンシュリンとする改良方法が、粗製細胞内沈殿物を使用することによって、実施 例2のパートIVに記載されたような初期精製工程を必要とせずに実施された。 折り畳まれたジスルフィド結合プロインシュリン・ハイブリッド・ポリペプチド をトリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBによって酵素的に切断した後に、 インシュリンは有効に産生された(図14、および表3)。 インシュリン産生は、 pH12における沈殿物溶解工程(図14)で測定されたように、初期蛋白濃度 (A280)に対するパーセンテージとして計算された。粗細胞内沈殿物起源のS ODプロインシュリン・ハイブリッド・ポリペプチドの折り畳みが、実験開始後 約4.5時間で至適になっていることがわかった(図14)。 表3には、OD660値45の1リットル発酵培養から調製された粗製細胞内沈 殿物からの、プラスミドpBAST−LATによって発現されたプロインシュリ ン・ハイブリッド・ポリペプチドからのインシュリンの部分的精製物についてま とめてある。溶解および折り畳みが、図14において記載されたように実施され た。溶解から4.5時間目に、折り畳まれ且つジスルフィド結合したプロインシュ リン・ハイブリッド・ポリペプチドを含む折り畳みバルク溶液が、pH8.8ま で、濃縮塩酸で滴定された。ZnCl2(50μM最終濃度まで)、カルボキシペ プチダーゼB(1:4000w/w)およびトリプリン(1:6000w/w) が加えられた。消化を3時間37℃で行ない、フッ化フェニルメチルスルフォニ ル(PMSF)の添加によって終わらせて、最終濃度を0.5mMとした。図9に記 載されたようなHPLCによる分析では、169mgのインシュリン産生が示さ れた。インシュリンは、一連のアニオン交換および疎水性クロマトグラフィー工 程によって精製された、消化された折り畳み混合物を、1ミリリットル樹脂あた り約50A280ユニットで20mM Tris-HCl,10mM NaCl pH8 緩衝液中で前平衡化さ れたDEAEセファロース・ファスト・フローカラム(ファルマシア)に入れた 。結合した物質を20mM Tris -HCl、100mM Nacl,pH8緩衝液で洗 浄し、同緩衝液中で250mM NaClでインシュリンが抽出された。インシュリ ンを含むプール分画は、投入された蛋白の20%に相当し、純度は37.1%であ った。硫酸アンモニウムをDEAE溶出貯蔵物中に濃度が410mMとなるまで添 加し、20mM Tris HCl,540mM 硫酸アンモニウム中で、樹脂1ミリリットルに付 き12A280ユニットで前平衡化されたフェニルセファロース・ファスト・フロ ーカラム中に入れた。結合物を平衡緩衝液で洗浄し、インシュリンを20mM tri s HCl、220mM硫酸アンモニウム、pH8緩衝液で溶出させた。インシュリ ンを含む分画は、投入された蛋白の42.3%にあたり、純度は74.1%であった。こ の部分精製工程の結果、標準のインシュリンと同一の120mgのインシュリンが産 生され、これは、5.16%のインシュリン産生に匹敵する。インシュリンは、例え ばゲル濾過、RP−HPLCおよび結晶化等の公知の方法を使用して更に精製が 行われた(17)。 280は、夫々の精製工程における280nmでの全吸収を表す。インスリン の存在は、図9について説明したようにして、標準インスリンの主インスリンピ ークに対応して、HPLC分析により標準インスリンと比較して決定された。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年10月3日 【補正内容】 同緩衝液中で250mMNaClでインシュリンが抽出された。インシュリンを含 む貯蔵分画は、投入された蛋白の20%にあたり、純度は37.1%であった。硫 酸アンモニウムをDEAE溶出貯蔵物中に濃度が410mMとなるまで添加し、2 0mM Tris HCl,540mM上硫酸アンモニウム中で、樹脂1ミリリットルに付き12 A280ユニットで前平衡化されたフェニルセファロース・ファスト・フローカラ ム中に入れた。結合物を平衡緩衝液で洗浄し、インシュリンを20mM Tris HCl 、220mM硫酸アンモニウム、pH8緩衝液で溶出させた。インシュリンを含 む分画は、投入された蛋白の42.3%にあたり、純度は74.1%であった。この部分 精製工程の結果、標準のインシュリンと同一の120mgのインシュリンが産生され 、これは、5.16%のインシュリン産生に匹敵する。インシュリンは、例えばゲル 濾過、RP−HPLCおよび結晶化等の公知の方法を使用して更に精製が行われ た(17)。 280は、夫々の精製工程における280nmでの全吸収を表す。インスリン の存在は、図9について説明したようにして、標準インスリンの主インスリンピ ークに対応して、HPLC分析により標準インスリンと比較して決定された。 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1997年2月14日 【補正内容】 請求の範囲 1.インスリンを製造する方法であって: (a)プロインスリンを含有するハイブリッドポリペプチドを、最初に 該ハイブリッドポリペプチドに対して亜硫酸分解を施すことなく、 正しいジスル フィド結合の形成を許容する条件下で折り畳むことと; (b)上記の結果得られたこの折り畳まれ且つジスルフィド結合したハ イブリッドポリペプチドを酵素的に開裂させて、インスリンを生成させることと ; (c)こうして生成されたインスリンを精製することと を具備した方法。 2.請求項1に記載の方法であって、前記の工程(a)が更に、当該ハイブリ ッドポリペプチドを、約8.5〜12.0のpHにおいて、約4〜37℃で約1〜30時間 インキュベートすることを具備する方法。 3.請求項2に記載の方法であって、前記インキュベーションがアスコルビン 酸の存在下で行われる方法。 4.請求項2に記載の方法であって、前記pHが11.0〜11.25である方法。 5.請求項3に記載の方法であって、前記pHが11.0〜11.25である方法。 6.請求項3に記載の方法であって、前記アスコルビン酸の濃度が、折り畳み 混合物中に存在するSH基1モル当たり約2モルである方法。 7.請求項2に記載の方法であって、前記インキュベーションの時間が約5時 間である方法。 8 請求項3に記載の方法であって、前記インキュベーションの時間が約5時 間である方法。 9.請求項1に記載の方法であって:前記工程(b)は更に、 (i) pHを約8.8〜9.0に調節することと; (ii)前記ハイブリッドポリペプチドを、16〜37℃で約30分〜約16時 間だけ、トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBで開裂することと; を具備する方法 10.請求項1に記載の方法であって、前記工程(c)は更に、DEAE−セ ファロースクロマトグラフィーおよびRP−HPLCによる精製を具備している 方法。 11.請求項1に記載の方法であって、前記工程(c)は更に、限外濾過およ びCM−セファロースクロマトグラフィーを具備している方法。 12.請求項1に記載の方法であって、前記工程(c)は更に、DEAE−セ ファロースクロマトグラフィーおよびフェニル−セファロースクロマトグラフィ ーによる精製を具備する方法。 13.請求項1に記載の方法であって、前記プロインスリンハイブリッドポリ ペプチドは、ATCC受付番号第69361号の下に寄託されたプラスミドpD BAST−LATによって発現される方法。 14.請求項1に記載の方法であって、前記プロインスリンハイブリッドポリ ペプチドは、ATCC受付番号第69363号の下に寄託されたプラスミドpλ BAST−LATによって発現される方法。 15.請求項1に記載の方法であって、前記プロインスリンハイブリッドポリ ペプチドは、ATCC受付番号第69362号の下に寄託されたプラスミドpB AST−Rによって発現される方法。 16.請求項1に記載の方法であって、工程(a)の前記ハイブリッドポリペ プチドは、該ハイブリッドポリペプチドをコードするDNAを含むバクテリア細 胞を、該DNAがその発現を指令するように処理することと、このハイブリッド ポリペプチドを単離すること によって得られる方法。 17.請求項16に記載の方法であって、前記ハイブリッドポリペプチドが前 記細胞から回収される方法。 18.請求項16に記載の方法であって、前記の処理には、グルコース、グリ セロールまたはガラクトースの存在下での発酵が含まれる方法。 19.請求項17に記載の方法であって、前記の回収工程は、 (i) 前記バクテリア細胞の細胞壁またはその断片をを破壊して細胞 溶解物を製造することと、 (ii)該溶解物から速心によって細胞内沈殿物を単離することと、 (iii)この沈殿物を可溶化することと、 を具備する方法。 20.プロインスリンおよび該プロインスリンのN末端に結合したリーダーペ プチドとを含有するポリペプチドであって、該ポリペプチドは折り畳まれ、且つ 正しいジスルフィド結合を含んでいるポリペプチド。 21.請求項20に記載のポリペプチドであって、前記リーダーペプチドが、 CuZnSODのN末端がら誘導されるポリペプチド。 22.請求項21に記載のポリペプチドであって、前記のリーダーペプチドは 62アミノ酸を含んでおり、その前にはアミノ酸Metが先行しており、その後 にはArg残基が続いているポリペプチド。 23.請求項20に記載のポリペプチドであって、前記プロインスリンは、単 一のArg残基によってインスリンA鎖に共有結合されたインスリンB鎖を含ん でいるポリペプチド。 24.請求項20に記載のポリペプチドであって、前記プロインスリンは、ジ ペプチドLys−ArgによってインスリンA鎖に共有結合されたインスリンB 鎖を含んでいろポリペプチド。 25.請求項20に記載のポリペプチドであって、前記リーダーペプチドのシ ステイン残基がセリン残基で置換されているポリペプチド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 38/28 A61K 37/26 (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,F I,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LT,LV,MD,MG,MN,NO,NZ, PL,RO,RU,SI,SK,TJ,TT,UA,U Z,VN (72)発明者 ゴレッキー、マリアン イスラエル国、76300 レホボット、ハナ ッシ・ハリスホン 5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.インスリンを製造する方法であって: (a)プロインスリンを含有するハイブリッドポリペプチドを、正しい ジスルフィド結合の形成を許容する条件下で折り畳むことと; (b)この折り畳まれ且つジスルフィド結合したハイブリッドポリペプ チドを酵素的に開裂させて、インスリンを生成させることと; (c)このインスリンを精製することと を具備した方法。 2.請求項1に記載の方法であって、前記の工程(a)が更に、当該ハイブリ ッドポリペプチドを、約8.5〜12.0のpHにおいて、約4〜37℃で約1〜30時間 インキュベートすることを具備する方法。 3.請求項2に記載の方法であって、前記インキュベーションがアスコルビン 酸の存在下で行われる方法。 4.請求項2に記載の方法であって、前記pHが11.0〜11.25である方法。 5.請求項3に記載の方法であって、前記pHが11.0〜11.25である方法。 6.請求項3に記載の方法であって、前記アスコルビン酸の濃度が、折り畳み 混合物中に存在するSH基1モル当たり約2モルである方法。 7.請求項2に記載の方法であって、前記インキュベーションの時間が約5時 間である方法。 8.請求項3に記載の方法であって、前記インキュベーションの時間が約5時 間である方法。 9.請求項1に記載の方法であって:前記工程(b)は更に、 (i) pHを約8.8〜9.0に調節することと; (ii)前記ハイブリッドポリペプチドを、16〜37℃で約30分〜約16時 間だけ、トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBで開裂することと; を具備する方法。 10.請求項1に記載の方法であって、前記工程(c)は更に、DEAE−セ ファロースクロマトグラフィーおよびRP−HPLCによる精製を具備している 方法。 11.請求項1に記載の方法であって、前記工程(c)は更に、限外濾過およ びCM−セファロースクロマトグラフィーを具備している方法。 12.請求項1に記載の方法であって、前記工程(c)は更に、DEAE−セ ファロースクロマトグラフィーおよびフェニル−セファロースクロマトグラフィ ーによる精製を具備する方法。 13.請求項1に記載の方法であって、前記プロインスリンハイブリッドポリ ペプチドは、ATCC受付番号第69361号の下に寄託されたプラスミドpD BAST−LATによって発現される方法。 14.請求項1に記載の方法であって、前記プロインスリンハイブリッドポリ ペプチドは、ATCC受付番号第69363号の下に寄託されたプラスミドpλ BAST−LATによって発現される方法。 15.請求項1に記載の方法であって、前記プロインスリンハイブリッドポリ ペプチドは、ATCC受付番号第69362号の下に寄託されたプラスミドpB AST−Rによって発現される方法。 16.請求項1に記載の方法であって、工程(a)の前記ハイブリッドポリペ プチドは、該ハイブリッドポリペプチドをコードするDNAを含むバクテリア細 胞を、該DNAがその発現を指令するように処理することによって得られる方法 。 17.請求項16に記載の方法であって、前記ハイブリッドポリペプチドが前 記細胞から回収される方法。 18.請求項16に記載の方法であって、前記の処理には、グルコース、グリ セロールまたはガラクトースの存在下での発酵が含まれる方法。 19.請求項17に記載の方法であって、前記の回収工程は、 (i) 前記バクテリア細胞の細胞壁またはその断片をを破壊して細胞 溶解物を製造することと、 (ii)該溶解物から遠心によって細胞内沈殿物を単離することと、 (iii)この沈殿物を可溶化することと、 を具備する方法。 20.プロインスリンおよび該プロインスリンのN末端に結合したリーダーペ プチドとを含有するポリペプチドであって、該ポリペプチドは折り畳まれ、且つ 正しいジスルフィド結合を含んでいるポリペプチド。 21.請求項20に記載のポリペプチドであって、前記リーダーペプチドが、 CuZnSODのN末端から誘導されるポリペプチド。 22.請求項21に記載のポリペプチドであって、前記のリーダーペプチドは 62アミノ酸を含んでおり、その前にはアミノ酸Metが先行しており、その後 にはArg残基が続いているポリペプチド。 23.請求項20に記載のポリペプチドであって、前記プロインスリンは、単 一のArg残基によってインスリンA鎖に共有結合されたインスリンB鎖を含ん でいるポリペプチド。 24.請求項20に記載のポリペプチドであって、前記プロインスリンは、ジ ペプチドLys−ArgによってインスリンA鎖に共有結合されたインスリンB 鎖を含んでいるポリペプチド。 25.請求項20に記載のポリペプチドであって、前記リーダーペプチドのシ ステイン残基がセリン残基で置換されているポリペプチド。
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