JP3406244B2 - 新規な融合蛋白質からの組み換えインスリンの製造方法 - Google Patents

新規な融合蛋白質からの組み換えインスリンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子組み換えイ
ンスリンを製造するための新規な融合蛋白質をコードす
るDNA、より具体的には、その発現を介して得られた
融合蛋白質からのトロンビンとカルボキシペプチダーゼ
Bによるインスリン製造への該DNAの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】インスリンは食物を摂取したときに膵臓
のランゲルハンス島のB細胞から分泌され、糖、アミノ
酸、脂肪酸の貯蔵あるいは利用、そして血糖値の恒常性
を保つうえで最も重要なホルモンである。血糖、即ち血
液中のグルコースは生体にとって不可欠なエネルギー源
であるが、血糖値の恒常性が保たれないと、生体に重篤
な症状を来す。血糖値が高くなると、尿糖が出現してグ
ルコースの喪失を招く。いわゆる糖尿病となる。この状
態が長期にわたって継続すると、生体の各組織に合併症
を引き起こす。一方、血糖値の低下はエネルギー源を断
つことになるため、生命の危険をもたらす。血糖値は、
血糖値を上げる方向に働く因子(グルカゴン、成長ホル
モン、コルチゾール、カテコールアミン)と血糖値を低
下させる因子によって恒常性が保たれている。インスリ
ンは血糖値を低下させる唯一のホルモンである。従っ
て、何らかの原因でインスリンの分泌機能が低下してイ
ンスリンが十分に供給できなくなると、インスリン依存
性糖尿病(IDDM)となる。このような患者の治療には、
インスリンは欠かせない医薬品である。
【0003】ヒトのインスリンは、21個のアミノ酸から
なるA鎖と、30個のアミノ酸からなるB鎖からなるポリ
ペプチドで、A鎖内に1個、A鎖とB鎖との間に2個の
ジスルフィド結合をもつ。インスリンは、膵臓ランゲル
ハンス島のB細胞で、24個のアミノ酸からなるシグナル
ペプチド(SP)、B鎖(B)、31個のアミノ酸からなる
Cペプチド(C)、A鎖(A)がこの順序で直鎖状に並
んだプレプロインスリン(SP−B−C−A))として最
初に細胞内のリボゾームで生合成される。プレプロイン
スリンは小胞体に入り込む時に、シグナルペプチドが切
り離されてプロインスリン(B−C−A)となる。プロ
インスリンは小胞体内で、ジスルフィド結合が生じて立
体構造をとるようになる。その後、プロホルモン変換酵
素のPC1/3によってB−C結合が切断され、PC2によって
C−A結合が切断される。最後に、PC1/3の切断時にB
鎖のC末に残ったCペプチドのN末の2個の塩基性アミ
ノ酸がカルボキシペプチダーゼHにより切り取られてイ
ンスリンができあがる。
【0004】治療用インスリン生産法の開発の歴史は、
ウシやブタなどの動物の膵臓からの抽出品から始まっ
た。しかしながら、ヒトインスリンに比べてウシ(A鎖
に2カ所、B鎖に1カ所)やブタ(B鎖に1カ所)のイ
ンスリンにはアミノ酸組成に違いがあり、治療に用いる
とアレルギーなどの副作用を避けられなかった。その
後、ブタのインスリンからトリプシンを用いたペプチド
転位反応法を利用してヒトインスリンを半合成する方法
が開発されたが、遺伝子組み換え技術により作り出され
た遺伝子組み換えインスリンが安価な生産コストと効率
性の良さから主流となった。
【0005】遺伝子組み換えインスリンの製法はいくつ
かの方法が開発された。まず、EliLilly社は大腸菌を用
いてA鎖とB鎖を別々に発現させ、in vitroで混合して
ジスルフィド結合をつくりA鎖とB鎖を連結させる方法
(特公昭63-18960号公報)をとったが生産効率はよくな
かった。その後、同社は、プロインスリンを発現させ、
in vitroでジスルフィド結合をつくってからトリプシン
とカルボキシペプチダーゼBでCペプチドを切り出して
インスリンを作るという方法(特公平1-48278号公報、
特許第2634176号公報)へ切り替えた。
【0006】Novo Nordisk社は、B鎖とA鎖を塩基性の
アミノ酸2個で連結したミニプロインスリンを酵母で発
現させ、in vitroでトリプシン処理を行いインスリンを
得るという方法を開発した(特公平7-121226号公報、特
公 平8-8871号公報、特許第2553326号公報)。この方
法はミニプロインスリンが発現分泌される過程でジスル
フィド結合が形成されるというメリットを有していた。
さらに、培地中に分泌されるために分離精製が容易であ
った。
【0007】遺伝子組み換えインスリンの新規な製造法
の開発はその後も積極的に進められた。ヘキスト社は、
新規インスリン誘導体、あるいは、プレプロインスリン
を大腸菌で発現させ、in vitroでジスルフィド結合を形
成させ、リジルエンドペプチダーゼ、あるいは、クロス
トリパインとカルボキシペプチダーゼBで処理してイン
スリンを得る方法を開発した(特開平2-195896号公報、
特開平2-225498号公報、特開平2-233698号公報、特開平
3-169895号公報、特開平4-258296号公報、特開平6-2281
91号公報、特開平7-265092号公報)。最近では、BIO-TE
CHNOLOGY GENERAL CORP.が、大腸菌でスーパオキシドデ
ィスムターゼ(SOD)にプロインスリンを連結した融合
蛋白質を発現させることにより、発現効率とin vitroで
のジスルフィド結合形成効率を高めた。インスリンへの
変換は、トリプシンとカルボキシペプチダーゼBで行わ
れた(WO 96/20724)。このように遺伝子組み換えインス
リンの製法は複数のアプローチがあり、発現効率、ジス
ルフィド結合の形成効率、インスリンへの変換法の点
で、更なる改良が行われている。
【0008】遺伝子組み換え蛋白質を生産する宿主とし
ては、微生物、動物、植物など広範囲にわたっている。
この中でも、とりわけ微生物は扱い易くて工業的生産に
向いていることから最もよく利用されており、大腸菌、
酵母がよく知られた宿主である。近年枯草菌属のバチル
ス・ブレビス(Bacillus brevis)を用いた遺伝子組み
換え蛋白質の発現系も知られている(特許第2082727
号、特開昭62−201583号公報、Yamagata, H.ら, J. Bac
teriol. 169: 1239−1245 (1987)、鵜高重三、日本農
芸化学会誌61, 669-676 (1987)、Takao, M. ら, Appl.
Microbiol. Biotechnol.30: 75-80 (1989)、Yamagata,
H.ら , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 3589-3593
(1989))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、既存
の遺伝子組み換えインスリンの生産系と同等以上の効率
的でかつ生産量の高い発現系および生産方法を見出すこ
とである。即ち、インスリンへの新規な変換法、インス
リンの活性に必要なジスルフィド結合ができる環境、生
産量の高い発現系を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一の態様にお
いて、蛋白質の発現分泌のための1個以上のアミノ酸残
基からなるリーダーペプチド配列(Y)、酵素的もしく
は化学的切断に使用されるアミノ酸配列(X1)、イン
スリンのB鎖のアミノ酸配列(B-chain)、酵素的切断
に使用されるアミノ酸配列(X2)、1個以上のアミノ
酸残基からなるリンカー配列(Linker)、酵素的切断に
使用されるアミノ酸配列(X3)、インスリンのA鎖の
アミノ酸配列(A-chain)がこの順序で連結された下記
式I: [Y]−[X1]−[B-chain]−[X2]−[Linker]−[X3]−[A-chain] ( 式I) の融合蛋白質をコードするDNAを提供する。
【0011】本発明は、別の態様において、インスリン
のB鎖のアミノ酸配列(B-chain)、酵素的切断に使用
されるアミノ酸配列(X2)、1個以上のアミノ酸残基
からなるリンカー配列(Linker)、酵素的切断に使用さ
れるアミノ酸配列(X3)、インスリンのA鎖のアミノ
酸配列(A-chain)がこの順序で連結された下記式II: [B-chain]−[X2]−[Linker]−[X3]−[A-chain] (式II) の融合蛋白質をコードするDNAを提供する。
【0012】本発明の実施態様において、融合蛋白質の
酵素的切断に使用されるアミノ酸配列X1、X2または
X3は、トロンビンによって切断可能な配列である。た
とえばトロンビンによって切断可能なアミノ酸配列は、
X1=GlySerLeuGlnProArg(配列番号1)、X2=ArgGly
HisArgPro(配列番号2)、およびX3=ProArgである。
【0013】本発明の別の実施態様において、リンカー
のアミノ酸配列は、GluAlaGluAspLeuGlnValGlyGlnValGl
uLeuGlyGlyGlyProGlyAlaGlySerLeuGlnProLeuAlaLeuGluG
lySerLeuGln(配列番号3)である。
【0014】本発明のさらに別の実施態様において、リ
ーダーペプチドは、バチルス属細菌の細胞壁蛋白質(C
WP)の一つであるMWP(middle wall protein)蛋
白質のN末端から9個のアミノ酸残基からなるものであ
る。この場合、DNAの5’末端に、CWPのシグナル
ペプチドが連結されていてもよい。本発明のDNAの具
体例は、後述の実施例に記載されるように、配列表の配
列番号21に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配
列を有するDNAである。さらに具体的には、該DNA
は配列表の配列番号20に示される塩基配列を有する。
【0015】本発明は、別の態様において、上記に定義
したDNAの5’末端に、原核生物もしくは真核生物で
の遺伝子組み換え蛋白質発現に必要なプロモーター領域
を含有するDNA配列が連結されているDNAを提供す
る。本発明の実施態様において、プロモーター領域を含
有するDNA配列はバチルス属細菌由来、好ましくはバ
チルス属細菌のCWP由来である。
【0016】本発明は、さらに別の態様において、本発
明の上記DNAを含むベクターを提供する。本発明はま
た、上記ベクターで形質転換された宿主細胞を提供す
る。宿主細胞の好ましい例はバチルス属細菌、たとえば
バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)である。
【0017】本発明は、さらに別の態様において、上記
の宿主細胞または細菌を培地中に培養し、目的のDNA
を発現してそのDNAによってコードされる融合蛋白質
を回収した後、該融合蛋白質を酵素的切断処理してイン
スリンを回収することを含む、インスリンの製造方法を
提供する。ここで該DNAの具体例は、配列表の配列番
号21に示される塩基配列を有するDNAであり、また
該融合蛋白質の具体例は、配列番号22に示されるアミ
ノ酸配列を有する蛋白質である。上記方法において、発
現された融合蛋白質は、宿主細胞または細菌から、ある
いは培養して得られた培地から分離精製される。本発明
の実施態様において、酵素的切断処理はトロンビンとカ
ルボキシペプチダーゼBで行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のDNAは、上記式Iまた
は式IIで表される構造を有する。すなわち、式IのDN
Aは、蛋白質の発現分泌のための1個以上のアミノ酸残
基からなるリーダーペプチド配列(Y)、酵素的もしく
は化学的切断に使用されるアミノ酸配列(X1)、イン
スリンのB鎖のアミノ酸配列(B-chain)、酵素的切断
に使用されるアミノ酸配列(X2)、1個以上のアミノ
酸残基からなるリンカー配列(Linker)、酵素的切断に
使用されるアミノ酸配列(X3)、インスリンのA鎖の
アミノ酸配列(A-chain)がこの順序で連結されてい
る。また式IIのDNAは、インスリンのB鎖のアミノ酸
配列(B-chain)、酵素的切断に使用されるアミノ酸配
列(X2)、1個以上のアミノ酸残基からなるリンカー
配列(Linker)、酵素的切断に使用されるアミノ酸配列
(X3)、インスリンのA鎖のアミノ酸配列(A-chai
n)がこの順序で連結されている。リーダーペプチド配
列の存在によって発現産物は宿主細胞の外に分泌され、
一方そのような配列がない場合には発現産物は宿主細胞
内に滞留する。
【0019】後述の実施例においては、トロンビンとカ
ルボキシペプチダーゼBによるインスリンへの変換法を
完成させるために、トロンビンによる切断部位をインス
リンのB鎖とリンカーペプチド、およびリンカーとA鎖
の間に配置した新規な変異型プロインスリンをデザイン
した。次に、この変異型プロインスリンをジスルフィド
結合ができる環境を提供しかつバチルス・ブレビスでの
発現を可能にするために、変異型プロインスリンのN末
にバチルス・ブレビスの細胞壁蛋白質のN末の9個のア
ミノ酸をリーダーペプチドとして連結し、さらにその直
後に、リーダーペプチドから変異型プロインスリンの切
断を可能にする第3のトロンビン切断部位を連結させて
得られる人工融合蛋白質、すなわち、リーダーペプチ
ド、トロンビン切断部位、インスリンB鎖、トロンビン
切断部位、リンカーペプチド、トロンビン切断部位、イ
ンスリンA鎖がこの順序で直鎖状に連結した人工融合蛋
白質をデザインした。まず対応する融合蛋白質をコード
するDNAを作製し適切な発現ベクターに挿入した後、
適切な宿主細胞中に導入し、DNAの発現のために宿主
を培養して融合蛋白質を得、この融合蛋白質を次にトロ
ンビンとカルボキシペプチダーゼBで酵素的に切断処理
することによって天然型の所望の一次構造と生物活性を
有するインスリンを得ることができた。
【0020】以下に本発明をさらに詳細に説明する。蛋
白質の発現に必要とされる1個以上のアミノ酸残基から
なるリーダーペプチド(Y)としては、大腸菌のMBP(M
aina, C.V. et al., Gene 74:365-373, 1988)、GST(S
mith, D.B. et al., Gene 67:31-40, 1988)、TRX(LaV
allie, E.R.et al., Bio/Technology 11:187-193, 199
3)、DsbA(Collins-Racie, L.A. etal., BIO/TECHNOLO
GY 13:982-987, 1995)、LamB(Benson, S.A. et al.,
Cell32:1325-1335, 1983)や酵母のα factor (Brake,
A.J. Yeast Genetic Engineering, p269-280, 1989)
が知られている。特に、大腸菌でペリプラズム内に、あ
るいは、酵母で培地中に目的蛋白質を分泌させる場合に
要求されることが多い。本発明の実施態様によれば、好
適なリーダーペプチドはバチルス属細菌のCWP蛋白質のN
末端のアミノ酸残基9個である。CWP蛋白質としては、
以下のものに限定されないが、たとえばバチルス・ブレ
ビス株、47(FERM P-7224:特開昭60−58074号公報、
特開昭62−201589号公報)、HPD31(FERM BP-1087:特開
平4−278091号公報)等に由来のものを用いることがで
きる。具体的には、以下に例示する配列を用いることが
できる(括弧内には引用文献も記載した。):
【0021】MWPmp9: AlaGluGluAlaAlaThrThrThrAla
(配列番号4;J.Bacteriol.,169:1239-1245,1989) OWPmp9: AlaProLysAspGlyIleTyrIleGly(配列番号5;J.
Bacteriol.,170:176-186,1988) HWPmp9: AlaGluAspThrThrThrAlaProLys(配列番号6;J.
Bacteriol.,172:1312-1320,1990)
【0022】N末端からのアミノ酸の残基数は、当該融
合蛋白質が発現されれば、必ずしも9個である必要はな
い。例えばバチルス属細菌のCWP蛋白質のN末端から
1個〜50個のアミノ酸残基からなる配列を有するもの
が使用できる。リーダーペプチドは、当該融合蛋白質の
インスリンB鎖以降の融合蛋白質、即ち、B-chain−X
2−Linker−X3−A-chainがそれぞれの発現系のプロ
モーター領域を含むDNAの3'末端に連結されて発現が可
能となれば、必ずしも必要ではない。しかしCWP由来
のリーダーペプチド配列を含む場合、その配列の5’末
端にCWP(特にMWP)シグナルペプチド配列を含む
のが好ましい。MWPの配列に関する情報は、Yamagat
a, H.ら, J. Bacteriol., 169:1239-1245, 1987またはT
suboi, A.ら,J. Bacteriol., 170:935-945, 1988に記載
されており参照可能である。シグナルペプチドは一般に
発現、翻訳された蛋白質を膜に導き、蛋白質を細胞外に
分泌させるのに役立つ。分泌された蛋白質は非分泌型の
蛋白質と比べて単離、精製が容易であるので有利であ
る。
【0023】上記融合蛋白質中、X1の酵素的切断の例
としては、インスリンのB鎖およびA鎖にその酵素の切
断部位を含まないものであり、ファクターXa、トロンビ
ン、エンテロキナーゼが挙げられる。あるいは、インス
リンのB鎖のN末にGlyやSerが1個ついてもインスリン
の活性に影響を及ぼさないのであれば、TEVプロテアー
ゼが挙げられる。また、化学的切断の例としては、メチ
オニンのC末端側を選択的に切断する例(J.Biol.Chem.,
237:1856-1860,1962)やトリプトファンのC末端側で選
択的に切断する例(Methods in Enzymol.,91:318-324,1
983)を挙げることができる。好適実施態様によれば、
X1〜X3まで一挙に切断が可能であることから、その
ような酵素はトロンビンであり、それらのアミノ酸配列
は、X1=GlySerLeuGlnProArg(配列番号1)、X2=Ar
gGlyHisArgPro(配列番号2)、X3=ProArg である
が、トロンビンで目的とする部位が切断ができればこれ
らの配列に限定されない。例えば、X1,X3の場合、
Ser=Val, Glu, Phe, Asp, Pro, Ileu, Gly, Lys, Arg,
Ala, Gln, Asn, Leu、 Leu=Arg, Val, Phe, Asp, Gly,
Leu, His, Ileu, Met, Thr, Lys、Gln=Gln, Phe, Tyr,
Gly, Ileu, Asn, Ala,Arg, Thr, Ser, Leu, Val, Cys、
Pro=Ala, Val、Arg=Lys(Chang, J-Y, Eur. J. Bioche
m., 151:217-224, 1985, Kawabata, S. et al., Eur.
J. Biochem., 172:17-25,1988)、X2の場合、Arg=Ly
s、Gly=Thr, Ileu, His, Ser, Ala, Phe,Val Asn, Asp,
Leu, Pro、His=Pro, Trp, Cys, Gln, Thr, Ser, Val,
Leu, Ala,Phe, Gly、Arg=Val, Pro, Glu, Asn, Asp, Se
r, Met, Lys, Ala, Gln, Gly, Trp, Thr、 Pro=Val, T
hr, Leu, Ser, Asp, Gly, Tyr, Ileu, Asn, Arg, His,
Glu(Chang, J-Y, Eur. J. Biochem., 151:217-224, 19
85)であっても切断できることが予想される。
【0024】1個以上のアミノ酸残基からなるLinkerは
一般には蛋白質のなかで機能ドメインの間に存在してお
り、それぞれのドメインの機能に影響を及ぼすことなく
ドメインを連結する働きがある。本発明では、インスリ
ンのB鎖とA鎖との間にそれぞれ酵素的切断を介して配
置されているが、B鎖とA鎖間のジスルフィド結合や当
該融合蛋白質の発現を容易にするのに役立っている。そ
のような機能を満たすならば、1個以上のアミノ酸でよ
くアミノ酸の種類は問わない。好適実施態様によれば、
そのようなLinkerはプロインスリンのCペプチドを構成
するのが望ましく、本発明の実施態様によれば、下記の
配列:GluAlaGluAspLeuGlnValGlyGlnValGluLeuGlyGlyGl
yProGlyAlaGlySerLeuGlnProLeuAlaLeuGluGlySerLeuGln
(配列番号3)からなる。
【0025】本発明において、融合蛋白質をコードする
DNAはそれぞれの発現系のプローモーター領域を含む
DNAの3'末端に連結されて発現されるが、そのよう
なプロモーターとしては、バクテリオファージのλpLプ
ロモーター、 T7プロモーター、大腸菌のtrp-lacプロ
モーター(Maniatis、T.ら、Molecular Cloning 2nde
d., A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Labora
tory (1989))、酵母のPRBIプロモーター(BIO/TECHNOL
OGY 9:183-187, 1991)、GAPDHプロモーター(BIO/TECH
NOLOGY 12:381-384, 1994)、ウイルスのLTRプロモータ
ー、SV40プロモーター(Maniatis、T.ら、Molecular Cl
oning 2nd ed., A Laboratory Manual,Cold Spring Ha
rbor Laboratory (1989))等が挙げられる。本発明の実
施態様によれば、当該融合蛋白質はバチルス属由来のプ
ロモーター領域を含有するDNA配列の3'末端に結合
される、使用し得るプロモーターとしては、バチルス・
ブレビス47由来のMWPプロモーター(特公平1−58950
号公報、特公平7−108224号公報)、バチルス・ブレビス
HPD31由来のHWPプロモーター(特開平4−278091
号公報、特開平6−133782号公報)等を挙げることができ
るが、これらに限定されない。
【0026】本発明のDNAは、当業界で公知の技術を
組み合わせて作製することができる。たとえば、構成要
素の各DNA配列を化学的合成法またはクローニング法
によって個々に調製し、これら構成要素をリガーゼを用
いて順次連結し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅
法を組み合わせて目的のDNAを作製することができ
る。具体的には実施例を参照することによってその詳細
が理解されるが、個々の技術として、Maniatis、T.ら、
Molecular Cloning 2nd ed., A Laboratory Manual, C
old Spring Harbor Laboratory (1989)、Innis, M.A.
ら, PCR Protocols,A guide to methods and applicati
ons, Academic Press (1990)、等に記載の一般的技術が
使用可能である。
【0027】インスリンのB鎖、Cペプチド、A鎖を含
むヒトプロインスリンをコードするDNAは、市販のヒト
膵臓のmRNAより市販のcDNA1st-strand合成キット
(ファルマシア社製)等を用いて取得することができ
る。さらに、既知のDNA配列に基づいて、市販のDN
Aシンセサイザーを用いてプライマーとなる短鎖DNA
を合成できれば、一般的なPCRによってB鎖、Cペプ
チド、A鎖などをコードする所望のDNA断片を増幅す
ることができる。この場合、DNAの変性(たとえば9
4℃、30秒〜1分)、プライマーとのアニーリング
(たとえば約45〜60℃、30秒〜1分)、および伸
長反応(たとえば72℃、30秒以上)を1サイクルと
して20サイクル以上繰り返す。
【0028】本発明はさらに、本発明の上記DNAを含む
ベクターを提供する。使用可能なベクターは、本発明の
DNAを組み込むことのできる適当な挿入部位すなわち制
限酵素部位を有していること、該DNAを宿主細胞内で発
現可能であること、さらに該宿主細胞内で自律的に複製
可能であること、等の性質を少なくとも有している必要
がある。ベクターは一般にプロモーターを含むが、プロ
モーターは目的のDNAの上流に作動可能に連結され
る。ベクターは複製開始点、ターミネーター配列を含む
ことができ、さらに薬剤耐性遺伝子、栄養要求性を相補
する遺伝子等の選択マーカーを含んでもよい。好ましく
は、本発明のベクターはバチルス属細菌で複製可能なプ
ラスミドである。以下のものに限定されないが、たとえ
ば、pNU200、 pHY500(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:358
9−3593,1989)、pHY4831(J.Bacteriol.,169:1239-1245,
1987)、pNU100(Appl.Microbiol.Biotechnol.,30:75-8
0,1989)、pNU211(J.Biochem.,112:488-491,1992)、pN
U211R2L5(特開平7−170984号公報)、pHY700(特開平4−
278091号公報)、pHT210(特開平6−133782号公報)、
pHT110R2L5(Appl.Microbiol.Biotechnol.,42:358-363,1
994)が使用可能である。本発明の具体例では、図3に示
すような構築法で発現ベクターpNU-mPINSを作製するこ
とができる。
【0029】本発明はさらにまた、上記定義のベクター
で形質転換された宿主細胞を提供する。宿主細胞は原核
(たとえば細菌類)または真核細胞(たとえば菌類、酵
母、動物細胞、植物細胞)のいずれでもよいが、好まし
くはバチルス属細菌である。宿主としてのバチルス属細
菌としては、以下のものに限定されないが、たとえばバ
チルス・ブレビス株、47(FERM P-7224:特開昭60−5
8074号公報、特開昭62−201589号公報)、47K(特開
平2−257876号公報)、31 OK(特開平6−296485号公
報)およびHPD31(FERM BP-1087;特開平4−278091号公
報)等を挙げることができる。発現ベクターpNU-mPINS
をバチルス・ブレビス47−5Q株に移入して得られた
組換え細菌は、平成11年4月20日付で工業技術院生命
工学工業技術研究所(茨城県つくば市東一丁目1の3)
にブダペスト条約下に国際寄託され、受託番号FERM BP
−6706が与えられた。
【0030】上記のようにして得られた発現ベクターは
コンピテントな宿主細胞、好ましくはバチルス属細菌に
移入し、発現可能な条件下適切な培地にて該細菌を培養
して目的の組換え融合ポリペプチドを菌体外または菌体
内、好ましくは菌体外に産生し、常法によりポリペプチ
ドを回収し精製する。移入方法としては、エレクトロポ
レーション(Methods in Enzymol.,217:23−33,199
3)などの慣用方法を使用することができる。また、融
合ポリペプチドの精製は、たとえば溶媒抽出、限外濾
過、硫安分画、HPLC、ゲルろ過クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロ
マトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、
電気泳動、等電点電気泳動、等の方法を組合わせて実施
することができる。
【0031】上記で得られた融合ポリペプチドは、次い
で、その酵素的切断を可能とするプロテアーゼおよび/
またはペプチダーゼ、後述の具体例ではトロンビンとカ
ルボキシペプチダーゼB、で処理することによりインス
リンを得ることができる。図1に示されるように、適当
な条件下でまずトロンビンでリーダーペプチド(Y)と
B−chainとの間、B−chainとLinkerとの間、Linkerと
A−chainとの間が切断される。トロンビンによる好まし
い特異的切断条件は、pH7.5〜8.5(トリス緩衝液が望ま
しい)、温度3〜6℃、より好ましくは4℃、基質:酵
素=5:1〜125:1(モル比)、より好ましくは25:
1、時間1〜24時間である。次に、カルボキシペプチ
ダーゼBでB−chainのC末に残ったArgが切り離されて
インスリンとなる(図1参照)。酵素の量は融合蛋白質
の切断を起こし得る任意の量である。
【0032】本発明により、上記のように形質転換され
たバチルス属細菌を培地に培養し、菌体外にインスリン
配列を含む融合蛋白質を蓄積せしめ、採取された融合蛋
白質を切断し、インスリンを得ることができる。このよ
うにして得られた組換えインスリンは天然型のインスリ
ンと全く同一のアミノ酸組成、ジスルフィド結合、生物
活性を有しており、インスリン依存型糖尿病の治療用医
薬品として有用である。
【0033】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これら実施例により本発明が限定されるものでは
ない。融合蛋白質をコードするDNAを作製するにあた
っては、PCR反応で増幅したDNA断片をDNAリガ
ーゼを用いたライゲーション反応で連結する手法をとっ
た。本明細書中、MWPspはMWP蛋白質のシグナル
ペプチドを意味し、MWPmp9はMWP成熟蛋白質の
N末からのアミノ酸の数が9個であることを意味する。
【0034】実施例1MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Linker-PR-Achain
融合DNAを組み込んだベクター(pmPINS)の構築 (1)DNA断片MWPsp-MWPmp9の取得 a.鋳型DNA バチルス・ブレビス(47-5Q株)より公知の方法(Molec
ular Cloning 2nd ed., A Laboratory Manual, Cold
Spring Harbor Laboratory(1989))により抽出したゲノ
ムDNA 840 ng
【0035】b.プライマー 順方向プライマー: 5' - GTCGTTAACAGTGTATTGCT - 3'
(配列番号7) 逆方向プライマー: 5' - AGCTGTAGTAGTTGCTGC - 3'(配
列番号8) Yamagata, H.ら(J. Bacteriol.,169, 1239-1245, 198
7)とTsuboi, A.ら(J.Bacteriol.,170, 935-945, 198
8)により決定されたMWP蛋白質の塩基配列をもとに化学
合成し、最終濃度0.1 μMとなるように加えた。 c. Taq DNA polymerase 市販の製品(GIBCO BRL社製)5U加えた。
【0036】d.その他 Tris-HCl(最終濃度20 mM、pH 8)、MgCl2(最終濃度
2.5 mM)、dNTPs(dATP, dGTP, dCTP, dTTP がそれぞ
れ最終濃度50μM)を加えた。a〜dを反応液量100μlと
して0.5mlチューブに入れて公知の方法(Innis, M. A.
ら、PCR Protocols, A guide to methods and applicat
ions、Academic Press、(1990))でPCR反応(変性温
度:94℃ - 1 min、アニール温度:50℃ - 1 min、DNA
鎖伸長温度:72℃ - 1 minを1サイクルとして30回繰り
返す)を行った。PCR反応終了後、反応液をフェノール
で濃縮してから0.8%のアガロースゲルにアプライして通
常条件下で電気泳動を行い、ミリポア社のウルトラフリ
ーC3HでアガロースゲルからPCR産物、即ち、DNA断片MWP
sp-MWPmp9を回収した。回収したPCR産物はフェノール抽
出後、エタノール沈殿して真空乾燥し、適量の蒸留水に
溶かして、平滑末端反応を宝酒造社のDNA blunting kit
を使用し、方法は取り扱い説明書に準じて行った。
【0037】(2) DNA断片プロインスリンの取得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
した DNA断片プロインスリンを取得した。 ・鋳型DNAとして、ヒトプレプロインスリンDNAを組み込
んだプラスミドベクター10ngを用いた。ヒトプレプロイ
ンスリンDNAを組み込んだプラスミドベクターの取得は
次のようにして行った。市販のヒト膵臓mRNA(CLONTECH
社製)よりファルマシア社の1st strand cDNA synthesi
s kitを用い、取り扱い説明書に従ってヒト膵臓cDNAを
合成した。このcDNAを鋳型として、Bell, G. I.ら(Nat
ure, 282: 525-527, (1979))により決定されたヒトプ
レプロインスリン遺伝子の塩基配列をもとに合成された
順方向プライマー、5'-ATGGCCCTGTGGATGCGCC-3'(配列
番号9)、逆方向プライマー、5'-CTAGTTGCAGTAGTTCTCC
-3'(配列番号10)を用いてPCR反応(条件:94℃ - 1
min, 60℃ - 1 min, 72℃ - 1minを1サイクルとして3
5サイクル繰り返す)を行い、得られたPCR産物、即ち、
ヒトプレプロインスリンDNAをpGEM-Tベクター(Promega
社製)にクローニングした。
【0038】・プライマーとして、順方向プライマー、
5' - TTTGTGAACCAACACCTG - 3'(配列番号11)、逆方
向プライマー、5'-CTAGTTGCAGTAGTTCTCC-3'(配列番号
10)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:47℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
【0039】(3)DNA断片GSLQPR-Bchain-Rの取得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
したDNA断片GSLQPR-Bchain-Rを取得し、さらにリン酸化
反応(ニッポンジーン社のT4 polynucleotidekinaseを
使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン
酸化したDNA断片GSLQPR-Bchain-Rを得た。・鋳型DNAと
して、(2)より得られたプロインスリンPCR産物10 n
gを用いた。
【0040】・プライマーとして、順方向プライマー、
5' - GGTTCCTTGCAACCTCGTTTTGTGAACCAACACCTG - 3'(配
列番号12)、逆方向プライマー、5'- GCGGGTCTTGGGTG
TGTA- 3'(配列番号13)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:47℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
【0041】(4)DNA断片Linkerの取得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
したDNA断片Linkerを取得した。 ・鋳型DNAとして、(2)より得られたプロインスリンP
CR産物10 ngを用いた。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - GAGGCAG
AGGACCTGCAG - 3'(配列番号14)、逆方向プライマ
ー、5 '- CTGCAGGGACCCCTCCAG - 3'(配列番号15)を
用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:55℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
【0042】(5)DNA断片GHRP-Linkerの取得 以下の点以外は(4)と同様な手順に従って平滑末端化
したDNA断片GHRP-Linkerを取得し、さらにリン酸化反応
(ニッポンジーン社のT4 polynucleotide kinaseを使用
し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン酸化
したDNA断片GHRP-Linkerを得た。
【0043】・鋳型DNAとして、(4)より得られたDNA
断片Linker PCR産物10 ngを用いた。 ・順方向プライマーとして、5' - GGTCACCGTCCAGAGGCAG
AGGACCTGCAGGTGGGG -3'(配列番号16)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:55℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
【0044】(6)DNA断片Achainの取得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
したDNA断片Achainを取得した。 ・鋳型DNAとして、(2)より得られたプロインスリンP
CR産物10 ngを用いた。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - GGCATTG
TGGAACAATGCTGT - 3'(配列番号17)、逆方向プライ
マー、5'- CTAGTTGCAGTAGTTCTCCAGCTGGTA - 3'(配列番
号18)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:55℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
【0045】(7)DNA断片PR-Achainの取得 以下の点以外は(6)と同様な手順に従って平滑末端化
したDNA断片PR-Achainを取得し、さらにリン酸化反応
(ニッポンジーン社のT4 polynucleotide kinaseを使用
し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン酸化
したDNA断片PR-Achainを得た。
【0046】・鋳型DNAとして、(6)より得られたDNA
断片AchainPCR産物10 ngを用いた。 ・順方向プライマーとして、5' - CCACGTGGCATTGTGGAAC
AATGCTGT - 3'(配列番19)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:55℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
【0047】(8)MWPsp- MWPmp9-GSLQPR-Bchain-R融
合DNAの取得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
した融合DNA、MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-Rを取得し
た。 ・鋳型DNAとして、(1)で得られたDNA断片MWPsp-MWPm
p9と(3)で得られたDNA断片GSLQPR-Bchain-Rを適量ず
つ混ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16℃、30分反応
させたものを用いた。 ・逆方向プライマーとして、5' - GCGGGTCTTGGGTGTGTA
- 3'(配列番号13)を用いた。 ・PCRの反応条件を
(変性温度:94℃ - 1 min、アニール温度:47℃ - 1 m
in、DNA鎖伸長温度:72℃ -30 secを1サイクルとして2
5回繰り返す)とした。
【0048】その後、ニッポンジーン社のT4 polynucle
otide kinaseを用いて取り扱い説明書に従ってPCR産物
のリン酸化を行った。リン酸化したPCR産物は、宝酒造
社のDNA ligation kitを用いて制限酵素Hinc IIでカッ
トしベクター(STRATAGENE社製、Blue Script SKー)に
組み込み、公知の方法(Molecular Cloning 2nd ed., A
Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory(1
989))に従って大腸菌DH5αを形質転換させ、形質転換
体からベクターであるプラスミドDNAを精製した。ベク
ターの塩基配列決定用順方向プライマー(M13 forward
primer)、あるいは逆方向プライマー(M13 reverse pr
imer)を用いて塩基配列を決定してMWPsp-MWPmp9-GSLQP
R-Bchain-R融合DNAができていることを確認した。次
に、MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-Rを組み込んだベクタ
ーを鋳型DNAとし、順方向プライマー、5' - GTCGTTAACA
GTGTATTGCT - 3'(配列番号7)と逆方向プライマー、
5'- GCGGGTCTTGGGTGTGTA - 3'(配列番号13)を用い
て上記と同様な方法で第2回目のPCR反応を行い、平滑
末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-Rを
取得した。
【0049】(9)MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP
-Linker融合DNAの取得 以下の点以外は(8)と同様な手順に従って平滑末端化
した融合DNA、MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Link
erを取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、(8)で得られた
融合DNA、MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-Rと(5)で得
られたDNA断片GHRP-Linkerを適量ずつ混ぜて宝酒造社の
DNA ligation kitで16℃、30分反応させたものを使用し
た。 ・逆方向プライマーとして5'- CTGCAGGGACCCCTCCAG -
3'(配列番号15)を使用した。
【0050】(10)MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP
-Linker-PR-Achain融合DNAを組み込んだベクターの取得 以下の点以外は(8)と同様な手順に従って融合体MWPs
p-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Linker-PR-Achainが組
み込まれたベクター(pmPINS)を取得した。
【0051】・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、
(9)で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchai
n-RGHRP-Linkerと(7)で得られたDNA断片PR-Achainを
適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16℃、30
分反応させたものを使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'- C
TAGTTGCAGTAGTTCTCCAGCTGGTA - 3'(配列番号18)を
使用した。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:50℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 1 min
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
【0052】実施例2融合DNAの発現分泌 (1)融合体のアミノ酸、および塩基配列 実施例1で得られた融合体のアミノ酸、および塩基配列
を図2に示した。
【0053】(2)融合体の発現分泌 実施例1で得られた融合DNAによってコードされる融合
蛋白質の発現を行った。融合DNAを発現ベクターに組み
込む様式を図3に示した。具体的には、上記の融合DNA
を組み込んだベクターpmPINSを制限酵素ApaL IとHind I
IIで処理して0.8%アガロース電気泳動を行い、融合DNA
を含むDNA断片を切り出した。切り出した融合DNAと、Ap
aL IとHind IIIでカットしたバチルス・ブレビス用発現
ベクターpNU211R2L5(特開平7-170984号公報)を適量
ずつ混ぜ、宝酒造社のDNA ligation kitで16℃30分反応
させることにより融合DNAを発現ベクターに組み込ん
だ。以上のようにして、融合DNAを組み込んだ発現ベク
ター、pNU-mPINSを取得した。これらの発現ベクターで
バチルス・ブレビスの47-5株(FERM BP-1664)を公知の
方法(Methods in Enzymol.,217: 23−33, 1993)に
従って形質転換してT2寒天培地[ポリペプトン(1
%)、肉エキス(0.5 %)、酵母エキス(0.2 %)、ウラ
シル(0.1 mg/ml)、グルコース(1 %)、エリスロマイ
シン(10μg/ml)、寒天(1.5 %)、pH 7]に播いて、
形質転換体を取得した。
【0054】形質転換体はT2培地(T2寒天培地から寒天
を除いたもの)で37℃1日培養してから公知の方法(Mo
lecular Cloning 2nd ed., A Laboratory Manual, Cold
Spring Harbor Laboratory(1989))でプラスミドDNAを
精製し、ApaL IとHind IIIで処理して融合DNAが組み込
まれているのを確認した。融合DNAが組み込まれている
ことが確認できた形質転換体については、組み込まれた
融合DNAでコードされる融合蛋白質の発現分泌を試み
た。即ち、T2培地で37℃で1日培養した菌懸濁液を1/10
00容の割合で培地[ポリペプトン(3 %)、酵母エキス
(0.4%)、グルコース(3 %)、MgSO4・7H2O(0.01
%)、MnSO4・4H2O(0.001 %)、エリスロマイシン(10
μg/ml)、pH 8]に添加して30℃で4日間振とう培養し
た。
【0055】培養後、培地を15,000 rpm、2分遠心して
培養上清を得て、公知の方法(Laemmli, U. K., Natur
e, 227, 680-685, (1970))で電気泳動による蛋白質の
解析を行った。即ち、培養上清の18μlにバッファ1[1
25 mM Tris-HCl (pH 6.8), 20%glycerol, 4% SDS, 10%
2-mercaptoethanol]を2μl加えて5分間煮沸し、バッ
ファ2[250 mM Tris-HCl (pH 6.5), 50% glycerol, 0.
5% BPB]を4μl加えて市販の15/25%SDSポリアクリル
アミドゲル(第一化学社)にアプライして電気泳動(泳
動バッファ:100 mM Tris, 100 mM Tricine, 0.1% SD
S)を行った。電気泳動後クマジ染色して発現分泌の有
無を調べた。図4に示されるように、融合体を含んだpN
U-mPINSで形質転換された菌の培地には融合蛋白質に相
当するバンド(矢印)が検出された(レーン3)が、融
合体を含んでいないベクターのみの培地には認められな
かった(レーン2)。
【0056】実施例3インスリンへの変換 (1)融合蛋白質、MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Linke
r-PR-Achainの分離精製 pNU-mPINSで形質転換された菌を37℃で1日培養し、そ
の菌懸濁液50μlを50 mlの培地[ポリペプトン(3
%)、酵母エキス(0.4%)、グルコース(3 %)、MgSO4
・7H2O(0.01 %)、MnSO4・4H2O(0.001 %)、エリスロ
マイシン(10μg/ml)、pH 8]に添加して500 mlの三角
フラスコ(計6本)に入れて30℃で4日間振とう培養し
た。培地を9,000 rpm 、20分遠心して得られた上清を4
℃で20 mM Na-PO4, 150 mM, pH 8のバッファに透析し
た。その後、10,000 rpm、20分遠心し、得られた上清を
ファルマシア社のNi -キレートカラム(5 x 10 cm)に
アプライして、上記のバッファに60 mMイミダゾールを
加えて目的の融合蛋白質を溶出した。その溶出画分にED
TA、ベンズアミジンをそれぞれ1 mMとなるように加え、
4℃で保温した。さらに、尿素(最終濃度1M)、シス
テイン(最終濃度1 mg/ml)を加え、1NのNaOHでpHを1
0.8に調整して同温度で1時間撹拌した。その後、20mM
Tris, 1 mM EDTA, pH 8.0に対して透析し、尿素(最終
濃度1M)、2-プロパノール(最終濃度20% )を加えて
からファルマシア社のQ-Sepharose XLカラム(1.6 x 10
cm)にアプライした。バッファ(20 mM Tris,1 mM EDT
A, 1 M Urea,20% 2-propanol, pH 8)で充分に平衡化し
てから、同バッファに1 M NaClを含む溶液でグラジエン
トをかけて溶出した。図5にその溶出パターンを示し
た。160 mM - 200 mM NaClで溶出された画分(矢印)を
集めて1N HClでpH3に調整し、分画分子量3,000の限
外ろ過器で濃縮してからサイプレス社のVydac214TP54
(C4カラム、4.6 × 250 mm)にアプライしてHPLCによ
る精製を行った。25%アセトニトリル、0.1%TFA溶液で平
衡化させてから、33%アセトニトリル、0.1%TFA溶液でグ
ラジエントをかけて溶出した。図6にその溶出パターン
を示した。30 - 31%アセトニトリルで溶出された画分
(矢印)を遠心濃縮して乾固したものを以下の切断実験
に供した。
【0057】(2)インスリンへの変換と精製 上記(1)で乾固して得られた融合蛋白質、MWPmp9-GSL
QPR-Bchain-RGHRP-Linker-PR-Achainを適量の0.1%TFAに
溶かしてから0.1 Mトリス緩衝液(pH 8)を加えて20 nm
ol / mlとした。4℃に冷却してから、基質:酵素=25:
1(モル比)のトロンビン溶液(250 μ mol / ml )を
加えて9時間後に10%TFAをpH2となるように適量加えて
反応を停止した。トロンビンは局方トロンビン(伊藤ハ
ム社製)をMacro Prep CM (Bio Rad社製)とLysine Se
pharose 4B (ファルマシア社製)にて再精製したもの
を用いた。
【0058】トロンビンで切断されたB鎖のC末にArg
をもつインスリン - ArgをHPLCによる逆相クロマトグラ
フィーで精製するために、上記のトロンビン処理後の反
応停止液をCica-MERCK社のMightysil RP4(20 x 250 m
m)にアプライし、25%アセトニトリル、0.1%TFA溶液で
平衡化させてから、35%アセトニトリル、0.1%TFA溶液で
グラジエントをかけて溶出した。 30-31%アセトニトリ
ルで溶出された画分を遠心濃縮して乾固したものを以下
の実験に供した。
【0059】乾固して得られたインスリン−Argを適量
の0.1%TFAに溶かしてから0.1 Mトリス緩衝液(pH 8)を
加えて1 mg / mlとした。基質:酵素=500:1(モル比)
のカルボキシペプチダーゼB溶液(Sigma社、4.7 mg /
ml )を加えて25℃で12時間処理し、10%TFAをpH2とな
るように適量加えて反応を停止した。反応停止液から、
インスリンを精製するために上記のインスリン−Argを
精製するのと同様にHPLCによる逆相クロマトグラフィー
を行った。
【0060】(3)インスリンのアミノ酸分析 まず、総アミノ酸を分析した。上記(2)で得られたイ
ンスリン約2 nmoleに200 μlの6N HClと20μlの5 %フェ
ノールを加えて脱気封管してから110℃で24時間加水分
解した。その後、乾固して0.01N HCl 100μlに溶かして
0.2 μmフィルターでろ過し、その50μlを日立アミノ酸
分析装置L - 8500型(日立製作所製)で分析した。
【0061】次に、システイン酸の分析を行った。上記
(2)で得られたインスリン約2 nmoleをギ酸:メタノ
ール(5:1)混液40μlに溶かして-20℃に冷却した。
これに、-20℃に冷却した99%ギ酸:30%過酸化水素水(1
9:1)混液を400 μl加えて、-20℃で4時間反応させ
た。反応後、蒸留水を3 ml加えて凍結乾燥した。これを
上記と同様に加水分解してから分析した。総アミノ酸分
析とシステイン酸分析のValの分析値を比較して、シス
テイン酸の分析値を総アミノ酸のシステインの分析とし
て換算した。表1に示されるように、インスリンのアミ
ノ酸比は天然のインスリンのアミノ酸組成の理論値とほ
ぼ一致した。
【0062】
【表1】
【0063】(4)インスリンのペプチドマッピング 上記(2)で得られたインスリン(以下、ITOHAM insul
inと記す)と、市販のインスリンのノボノルディスクフ
ァーマ社のノボリン40(以下、Novolinと記す)を5 nmo
leずつ0.1 M 炭酸水素アンモニウム、2 mM EDTA溶液(p
H 7.8)50μlに溶かし、V8プロテアーゼ(和光純薬社
製、2 μg / ml)水溶液1.35μlを加えて25℃で24時間
反応させた後、1% TFAを加えてpH 2として反応を停止し
た。次に、反応停止液をVydac218TP54(4.6 × 250 m
m、C18カラム)にアプライし、5%アセトニトリル、0.1%
TFA溶液で平衡化させてから、35%アセトニトリル、0.1%
TFA溶液でグラジエントをかけて溶出した。図7に、そ
の溶出パターンを示した。ITOHAM insulinとNovolinは
同様なパターンを示した。即ち、両インスリンのジスル
フィド結合様式は同等であると結論された。
【0064】実施例4インスリンの生物活性 Novolin 1.2 mlをWakocil-II 5C18 AR Prep (和光純薬
社製、20 x 250 mm)を用いて実施例3の(2)と同様
な方法でインスリン画分を得た。実施例3の(2)で得
られたITOHAM insulinとNovolinのインスリン画分をVyd
ac218TP54(4.6x 250 mm、C18 カラム)にて分析し、イ
ンスリンの主ピーク面積から計算して同量になるように
分取して乾固した。図8に示されるように、Novolinに
は多量体とみられる副ピークがあり、Novolinの副ピー
クのレベル(総ピーク面積)は、ITOHAM insulinの1.23
倍であった。
【0065】このようにして得られたITOHAM insulin、
Novolinをそれぞれ0.1%BSA、0.9%NaCl、0.1%フェノール
溶液に1unit / mlとなるように調整(26 units / mgと
して計算)し、日本白色種ウサギ(Kbs:JW、2.0 〜 2.5
kg )の背部皮下に0.5 ml投与した。投与時から経時的
に耳介静脈から採血し、血液0.45 mlに0.05 mlの解糖阻
止剤混合液(NaF; 12.5 mg / ml、heparin-Na; 125 uni
ts / ml、 EDTA-2Na;48 mg / ml)を加えて十分に混合
してから、5℃で3,000 rpm、15 min遠心して得られた
上清を試料血漿とした。血漿中のグルコース濃度は生化
学自動分析装置(CIBA-CORNING社製、Express PLUS)を
用い、インスリン濃度はEIAキット(和光純薬社製、GLA
ZYME Insulin-EIA TEST)を用いて測定した。図9に、
血漿中グルコース濃度の経時変化を、図10に血漿中イン
スリン濃度の経時変化を示した。ITOHAM insulin、Novo
linともに、投与後の血漿中のグルコース濃度は低下
し、インスリンの血糖低下作用が確認された。また、血
漿中のインスリン濃度は、似たような推移を示した。No
volinのグルコース濃度がITOHAM insulinに較べて若干
低く、また、インスリン濃度が若干高く出たのは、HPLC
による分析で指摘されていた副ピーク分が加算されたた
めであると考えられた。
【0066】
【発明の効果】本発明により、インスリンへの変換が可
能である新規な融合蛋白質をバチルス属の発現系におい
て、高発現分泌を可能にし、かつ、得られた融合蛋白質
をトロンビンとカルボキシペプチダーゼB処理すること
により天然型と同じアミノ酸組成と生物活性を有するイ
ンスリンの取得を可能とした。
【0067】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> ITOHAM FOODS INC. <120> Process for preparing recombinant insulin from a new fusion protei n <130> P99-0202 <140> <141> <160> 21 <170> Windows 95 <210> 1 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is an amino acid sequence capable of cleaving by thromb in. <400> 1 Gly Ser Leu Gln Pro Arg 1 5 <210> 2 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is an amino acid sequence capable of cleaving by thromb in. <400> 2 Arg Gly His Arg Pro 1 5 <210> 3 <211> 31 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 3 Glu Ala Glu Asp Leu Gln Val Gly Gln Val Glu Leu Gly Gly Gly Pro 1 5 10 15 Gly Ala Gly Ser Leu Gln Pro Leu Ala Leu Glu Gly Ser Leu Gln 20 25 30 <210> 4 <211> 9 <212> PRT <213> Bacillus brevis <300> <303> J. Bacteriol. <304> 169 <306> 1239-1245 <307> 1989 <400> 4 Ala Glu Glu Ala Ala Thr Thr Thr Ala 1 5 <210> 5 <211> 9 <212> PRT <213> Bacillus brevis <300> <303> J. Bacteriol. <304> 170 <306> 176-186 <307> 1988 <400> 5 Ala Pro Lys Asp Gly Ile Tyr Ile Gly 1 5 <210> 6 <211> 9 <212> PRT <213> Bacillus brevis <300> <303> J. Bacteriol. <304> 172 <306> 1312-1320 <307> 1990 <400> 6 Ala Glu Asp Thr Thr Thr Ala Pro Lys 1 5 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Bacillus brevis <300> <301> H. Yamagata et al. <303> J. Bacteriol. <304> 169 <306> 1239-1245 <307> 1987 <400> 7 gtcgttaaca gtgtattgct 20 <210> 8 <211> 18 <212> DNA <213> Bacillus brevis <300> <301> A. Tsuboi et al. <303> J. Bacteriol. <304> 170 <306> 935-945 <307> 1988 <400> 8 agctgtagta gttgctgc 18 <210> 9 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <300> <301> G.I. Bell et al. <303> Nature <304> 282 <306> 525-527 <307> 1979 <400> 9 atggccctgt ggatgcgcc 19 <210> 10 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <300> <301> G.I. Bell et al. <303> Nature <304> 282 <306> 525-527 <307> 1979 <400> 10 ctagttgcag tagttctcc 19 <210> 11 <211> 18 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 11 tttgtgaacc aacacctg 18 <210> 12 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a forward primer for PCR to amplify a DNA fragment c oding for GSLQPR-B chain-R. <400> 12 ggttccttgc aacctcgttt tgtgaaccaa cacctg 36 <210> 13 <211> 18 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 13 gcgggtcttg ggtgtgta 14 <210> 14 <211> 18 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 14 gaggcagagg acctgcag 18 <210> 15 <211> 18 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 15 ctgcagggac ccctccag 18 <210> 16 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a forward primer for PCR to amplify a DNA fragment c oding for GHRP-Linker. <400> 16 ggtcaccgtc cagaggcaga ggacctgcag gtgggg 36 <210> 17 <211> 21 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 17 ggcattgtgg aacaatgctg t 21 <210> 18 <211> 27 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 18 ctagttgcag tagttctcca gctggta 27 <210> 19 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a forward primer for PCR to amplify a DNA fragment c oding for PR-A chain. <400> 19 ccacgtggca ttgtggaaca atgctgt 27 <210> 20 <211> 372 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a nucleotide sequence of DNA coding for MWPsp-MWPmp9 -GSLQPR-B chain-RGHRP-Linker-PR-A chain. <400> 20 gtcgttaaca gtgtattggc tagtgcactc gcacttactg ttgctccaat ggctttcgca 60 gcagaagaag cagcaactac tacagctggg tccctgcagc cacgttttgt gaaccaacac 120 ctgtgcggct cacacctggt ggaagctctc tacctagtgt gcggggaaag aggcttcttc 180 tacacaccca agacccgcgg tcaccgtcca gaggcagagg acctgcaggt ggggcaggtg 240 gagctgggcg ggggccctgg tgcaggcagc ctgcagccct tggccctgga ggggtccctg 300 cagccacgtg gcattgtgga acaatgctgt accagcatct gctccctcta ccagctggag 360 aactactgca ac 372 <210> 21 <211> 124 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is an amino acid sequence of MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-B chai n-RGHRP-Linker-PR-A chain. <400> 21 Val Val Asn Ser Val Leu Ala Ser Ala Leu Ala Leu Thr Val Ala Pro 1 5 10 15 Met Ala Phe Ala Ala Glu Glu Ala Ala Thr Thr Thr Ala Gly Ser Leu 20 25 30 Gln Pro Arg Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu 35 40 45 Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys 50 55 60 Thr Arg Gly His Arg Pro Glu Ala Glu Asp Leu Gln Val Gly Gln Val 65 70 75 80 Glu Leu Gly Gly Gly Pro Gly Ala Gly Ser Leu Gln Pro Leu Ala Leu 85 90 95 Glu Gly Ser Leu Gln Pro Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser 100 105 110 Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn 115 120
【0068】
【配列表フリーテキスト】配列番号1:トロンビンによ
って切断可能なアミノ酸配列を示す。
【0069】配列番号2:トロンビンによって切断可能
なアミノ酸配列を示す。
【0070】配列番号12:GSLQPR-B chain-Rをコード
するDNA断片を増幅するためのPCR用順方向プライ
マーを示す。
【0071】配列番号16:GHRP-Linkerをコードする
DNA断片を増幅するためのPCR用順方向プライマー
を示す。
【0072】配列番号19:PR-A chainをコードするD
NA断片を増幅するためのPCR用順方向プライマーを
示す。
【0073】配列番号20:MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-B ch
ain-RGHRP-Linker-PR-A chainをコードするDNAの塩
基配列を示す。
【0074】配列番号21:MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-B ch
ain-RGHRP-Linker-PR-A chainのアミノ酸配列を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】融合蛋白質、MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Lin
ker-PR-Achainからインスリンへの変換の模式図。
【図2】融合体MWPsp-MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Lin
ker-PR-Achainのアミノ酸配列およびそれをコードする
ヌクレオチド配列。
【図3】融合DNAをバチルス・ブレビスの発現ベクター
(pNU211R2L5)に組み込む概略図。
【図4】形質転換体の培養後の培地の電気泳動写真。こ
こで、サンプルはマーカーペプチド(レーン1)、陰性
対照(外来タンパクを含まないプラスミドpNU211R2L5だ
けの形質転換体:レーン2)、形質転換体MWPsp-MWPmp9
-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Linker-PR-Achain(レーン3)
である。
【図5】融合蛋白質MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Linke
r-PR-AchainのXLクロマトグラフィーによる分離精
製。
【図6】融合蛋白質MWPmp9-GSLQPR-Bchain-RGHRP-Linke
r-PR-AchainのHPLCによる分離精製。
【図7】ITOHAM insulin (本発明)、Novolinのペプチ
ドマッピング。
【図8】ITOHAM insulin (本発明)、NovolinのHPLCに
よる溶出パターン。
【図9】ITOHAM insulin (本発明)、Novolin投与後の
血漿中グルコース濃度の経時的変化。
【図10】ITOHAM insulin (本発明)、Novolin投与後の
血漿中インスリン濃度の経時的変化。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C12N 1/21 C12P 21/02 C12R 1:08) C12N 15/00 ZNAA (C12P 21/02 C12R 1:08) (72)発明者 近藤 雅昭 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2 番 伊藤ハム株式会社 中央研究所内 (72)発明者 工藤 季之 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2 番 伊藤ハム株式会社 中央研究所内 (72)発明者 渡辺 重明 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2 番 伊藤ハム株式会社 中央研究所内 (72)発明者 脇 能宏 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2 番 伊藤ハム株式会社 中央研究所内 (72)発明者 結城 寛孝 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2 番 伊藤ハム株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平6−253862(JP,A) 特開 昭62−201583(JP,A) 特開 昭63−87980(JP,A) 特開 平3−169895(JP,A) 米国特許4431740(US,A) 国際公開96/032489(WO,A1) 欧州特許出願公開704527(EP,A 1) 欧州特許出願公開600372(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 C07K 14/00 C07K 19/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バチルス属細菌の細胞壁蛋白質(CW
    P)の一つであるMWP蛋白質のN末端から9個のアミ
    ノ酸残基からなる蛋白質の発現分泌のためのリーダーペ
    プチド配列(Y)、トロンビンによって切断可能なアミ
    ノ配列(X1)、インスリンのB鎖のアミノ酸配列(B-
    chain)、N末がアルギニンまたはリシンであるトロン
    ビンによって切断可能なアミノ酸配列(X2)、1個以
    上のアミノ酸残基からなるリンカー配列(Linker)、ト
    ロンビンによって切断可能なアミノ酸配列(X3)、イ
    ンスリンのA鎖のアミノ酸配列(A-chain)がこの順序
    で連結され、X1、X2、及びX3以外の配列はトロン
    ビンによって切断されない下記式Iの融合蛋白質をコー
    ドするDNAであって、該DNAの5'末端に、CWP
    のシグナルペプチドが連結されていることを特徴とする
    DNA。 [Y]−[X1]−[B-chain]−[X2]−[Linker]−[X3]−[A-chain] (式I)
  2. 【請求項2】 トロンビンによって切断可能なアミノ酸
    配列が、 X1=GlySerLeuGlnProArg X2=ArgGlyHisArgPro、および X3=ProArg であることを特徴とする請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 リンカーのアミノ酸配列が、 G1uA1aG1uAspLeuGlnValGlyG1nValGluLeuGlyGlyGlyProGlyAlaGlySerLeuGlnProLeu AlaLeuGluGlySerLeuGln であることを特徴とする請求項1または2に記載のDN
    A。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号21に示されるアミノ
    酸配列を有するタンパク質をコードする塩基配列からな
    るDNA。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号20に示される塩基配
    列を有することを特徴とする請求項4記載のDNA。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のDNA
    の5'末端に、原核生物もしくは真核生物での遺伝子組
    み換え蛋白質発現に必要なプロモーター領域を含有する
    DNA配列が連結されているDNA。
  7. 【請求項7】 プロモーター領域を含有するDNA配列
    がバチルス属細菌由来であることを特徴とする請求項6
    記載のDNA。
  8. 【請求項8】 プロモーター領域を含有するDNA配列
    がバチルス属細菌のCWP由来であることを特徴とする
    請求項7記載のDNA。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載のDNA
    を含むベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のベクターで形質転換さ
    れた宿主細胞。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のベクターで形質転換さ
    れたバチルス属細菌。
  12. 【請求項12】 バチルス属細菌がバチルス・ブレビス
    であることを特徴とする請求項11記載の細菌。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれかに記載の
    宿主細胞または細菌を培地中に培養し、目的のDNAを
    発現してそのDNAによってコードされる融合蛋白質を
    回収した後、該融合蛋白質を酵素的切断処理してインス
    リンを回収することを含む、インスリンの製造方法。
  14. 【請求項14】 融合蛋白質が配列表の配列番号21に
    示されるアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項
    13記載の方法。
  15. 【請求項15】 発現された融合蛋白質を宿主細胞また
    は細菌から、あるいは培養して得られた培地から、分離
    精製することを特徴とする請求項13または14記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 酵素的切断処理がトロンビンとカルボ
    キシペプチダーゼBで行なわれることを特徴とする請求
    項13〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 配列表の配列番号21に示されるアミ
    ノ酸配列を有する融合蛋白質。
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