JP4314332B1 - 高発現分泌インスリン前駆体を含む融合タンパク質、それをコードするdnaおよびインスリンの製造方法 - Google Patents

高発現分泌インスリン前駆体を含む融合タンパク質、それをコードするdnaおよびインスリンの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、遺伝子組み換えインスリンを製造するための高発現分泌インスリン前駆体を含む融合タンパク質をコードするDNA、および該DNAを用いたインスリンの製造方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、遺伝子組み換えインスリンを製造するための高発現分泌インスリン前駆体を含む融合タンパク質をコードするDNA、および該DNAを用いたインスリンの製造方法に関する。
インスリンは生体内の血糖値を低下させる唯一のホルモンである。何らかの原因でインスリンの分泌機能が低下すると、インスリン依存性糖尿病(IDDM)に至る可能性がある。インスリンは、インスリン分泌機能低下を有する患者の治療に必須の医薬である。
ヒトのインスリンは、21個のアミノ酸からなるA鎖と、30個のアミノ酸からなるB鎖とからなるポリペプチドであり、A鎖内に1個、A鎖とB鎖との間に2個のジスルフィド結合を有する。インスリンはまず、膵臓ランゲルハンス島のB細胞で、24個のアミノ酸からなるシグナルペプチド(SP)、B鎖(B)、31個のアミノ酸からなるCペプチド(C)、A鎖(A)がこの順序で直列に並んだプレプロインスリン(SP−B−C−A)として、細胞内のリボソームで合成される。プレプロインスリンは、小胞体内に入る際にシグナルペプチドが切り離されて、プロインスリン(B−C−A)となる。小胞体内でプロインスリンの鎖内にジスルフィド結合が生じて、プロインスリンが立体構造をとるようになる。その後、プロホルモン変換酵素であるPC1/3によってB−C結合が切断され、PC2によってC−A結合が切断される。最後に、PC1/3の切断時にB鎖のC末端に残った2個の塩基性アミノ酸がカルボキシペプチダーゼHにより切り取られて、機能的なインスリンとなる。
治療用インスリンは、当初はウシやブタなどの動物膵臓からの抽出品であったが、現在では、ほとんどが遺伝子組み換えインスリンである。
遺伝子組み換えインスリンは、従来から、プロインスリンをコードするDNAを含むベクターで微生物を形質転換してプロインスリンを発現させ、ジスルフィド結合を形成させ、そしてインスリンへの変換操作を行うことにより生成されている。そのような製造方法はこれまでにいくつか開発されている。例えば、Eli Lilly社は大腸菌を用いてプロインスリンを発現させ、in vitroでジスルフィド結合を形成させ、トリプシンとカルボキシペプチダーゼBでCペプチドを切り出してインスリンを製造する方法(特許文献1および2)を開発している。
また、Novo Nordisk社は、B鎖とA鎖とを塩基性のアミノ酸2個で連結したミニプロインスリンを酵母で発現させ、in vitroでトリプシン処理を行うことにより、インスリンを製造する方法(特許文献3〜5)を開発している。この方法は、既にジスルフィド結合が形成されたインスリン前駆体が発現分泌されるためにin vitroでジスルフィド形成の操作を必要としないという点で優れている。さらに、インスリン前駆体が培地中に分泌されるために、分離精製が容易である。
遺伝子組み換えインスリンの新規な製造方法の開発はその後も積極的に進められ、ヘキスト社(特許文献6〜12)やBIO−TECHNOLOGY GENERAL CORP.(特許文献13)が大腸菌を用いた新規な製造方法を開発している。
このように、遺伝子組み換えインスリンの製造方法に関しては複数のアプローチがあるが、発現効率、ジスルフィド結合の形成効率、インスリンへの変換方法の点で、さらなる改良が行われている。
遺伝子組み換えタンパク質を生産する宿主としては、操作の容易性および工業的生産に向いていることから、とりわけ微生物が最もよく利用されている。特に、大腸菌および酵母はよく知られた宿主である。近年開発されたブレビバチルス属のブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis)を用いた遺伝子組み換えタンパク質の発現系は、機能的な状態ではジスルフィド結合を有するポリペプチド(ヒト上皮細胞増殖因子)が、培地中に活性を有する状態で、即ちジスルフィド結合が形成された状態で大量に分泌発現されることから、遺伝子組み換えタンパク質の大量生産系として注目されている(特許文献14および15、非特許文献1〜4)。
インスリン前駆体の発現がブレビバチルス・ブレビスの遺伝子発現系において試みられ、プロインスリン(特許文献16)および変異型プロインスリン(特許文献17)の発現分泌法が開発された。これにより、ブレビバチルス・ブレビスを宿主とした遺伝子組換えインスリンの生産の可能性が示された。
その後、この発現系を用いたインスリン生産の工業化を可能にするために、プロテインジスルフィドイソメラーゼの共発現により発現量を増やすための工夫がなされている(特許文献18)。
特公平1−48278号公報 特許第2634176号公報 特公平7−121226号公報 特公平8−8871号公報 特許第2553326号公報 特開平2−195896号公報 特開平2−225498号公報 特開平2−233698号公報 特開平3−169895号公報 特開平4−258296号公報 特開平6−228191号公報 特開平7−265092号公報 国際公開第96/20724号パンフレット 特許第2082727号公報 特開昭62−201583号公報 特許第3313083号公報 特許第3406244号公報 国際公開第01/068884号パンフレット Yamagata, H.ら, J. Bacteriol. 169, 1239−1245 (1987) 鵜高重三、日本農芸化学会誌61, 669-676 (1987) Takao, M. ら, Appl. Microbiol. Biotechnol.30, 75-80 (1989) Yamagata, H.ら , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 3589-3593 (1989)
本発明は、組み換えインスリンの工業的生産を可能にするために、特にバチルス属またはブレビバチルス属細菌を用いた遺伝子発現系でさらなる高発現分泌を可能にする、最適なインスリン前駆体の配列を提供することを目的とする。
そこで、本出願人は、試行錯誤を重ね、インスリン前駆体を含む融合タンパク質において、バチルス属またはブレビバチルス属細菌の細胞壁タンパク質(CWP)のN末端から5、6、7または12個のアミノ酸残基からなる配列(リーダーペプチド)の挿入、リーダーペプチドとインスリンB鎖との間のリンカーペプチドの挿入、インスリンB鎖(C末端Thrの除去)とA鎖との融合体の使用、インスリンB鎖とA鎖との間へのリンカーペプチドの挿入などにより、バチルス属またはブレビバチルス属の発現系でインスリン前駆体の高発現分泌を可能にし、本発明を完成するに至った。さらに、その前駆体からインスリンが高収量で製造できることを確認した。
すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)バチルス属またはブレビバチルス属細菌の細胞壁タンパク質(CWP)の1つであるMWP由来のシグナルペプチド、バチルス属またはブレビバチルス属細菌のCWP由来の5〜7もしくは12アミノ酸からなるリーダーペプチド、以下の一般式:
(Asp、LeuまたはGly)(Gly、Asn、SerまたはLeu)(Asp、SerまたはPro)(ArgもしくはAlaまたはなし)Arg(配列番号51または52)
により示されるアミノ酸配列を有するリンカーペプチド、およびインスリン前駆体のアミノ酸配列がこの順序で連結された融合タンパク質をコードするDNA。
(2)上記リンカーペプチドが配列番号1〜6のいずれか1つにより示されるアミノ酸配列を有する、上記(1)に記載のDNA。
(3)上記リーダーペプチドがMWP由来のものである、上記(1)または(2)に記載のDNA。
(4)前記インスリン前駆体が配列番号8または9により示されるアミノ酸配列を有する、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のDNA。
(5)前記融合タンパク質が、配列番号10〜18のいずれか1つにより示されるアミノ酸配列を有する、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のDNA。
ここで、配列番号10〜18のアミノ酸配列は、以下の式の構造を有する。
式:
MWPsp−MWPmp5−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号10)
MWPsp−MWPmp6−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号11)
MWPsp−MWPmp6−LeuAsnSerAlaArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号12)
MWPsp−MWPmp6−GlySerProArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号13)
MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号14)
MWPsp−MWPmp7−AspLeuAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号15)
MWPsp−MWPmp7−AspAsnAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号16)
MWPsp−MWPmp12−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号17)
MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArg−Bchain−ArgAspGlyAspArg−Achain(配列番号18)
[式中、MWPspはMWPシグナルペプチド、MWPmpはMWP由来リーダーペプチド、BchainはインスリンB鎖、Bchain(desThr)はC末端のThrを欠いたインスリンB鎖、AchainはインスリンA鎖である。]
(6)配列番号19〜27のいずれか1つにより示される塩基配列を有する、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のDNA。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のDNAを含むベクター。
(8)前記DNAが、細菌由来のプロモーター配列の下流に機能的に連結されている、上記(7)に記載のベクター。
(9)上記プロモーターがバチルス属またはブレビバチルス属細菌由来である、上記(8)に記載のベクター。
(10)プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)をコードするDNAをさらに含む、上記(7)〜(9)のいずれか1つに記載のベクター。
(11)上記(7)〜(10)のいずれか1つに記載のベクターを含む宿主細胞。
(12)前記宿主細胞がバチルス属またはブレビバチルス属細菌である、上記(11)に記載の宿主細胞。
(13)前記細菌がブレビバチルス・ブレビスである、上記(12)に記載の宿主細胞。
(14)上記(11)〜(13)のいずれか1つに記載の宿主細胞を培養するステップ、宿主細胞から所望の融合タンパク質を発現させるステップ、発現されたポリペプチドを細胞または培地中から回収するステップを含む、インスリンの製造方法。
(15)回収されたポリペプチドを酵素的に処理するステップをさらに含む、上記(14)に記載の方法。
(16)前記酵素処理がトリプシンによる処理である、上記(15)に記載の方法。
(17)前記ポリペプチドを培地から回収する、上記(14)〜(16)のいずれか1つに記載の方法。
(18)配列番号10〜18のいずれか1つにより示されるアミノ酸配列を有する融合タンパク質。
定義
本明細書中で用いる「バチルス属またはブレビバチルス属細菌」との用語は、グラム陽性桿菌であるバチルス属またはブレビバチルス属に分類されるいかなる細菌をも指す。そのようなものとしてはブレビバチルス・ブレビス、バチルス・サブティリス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・ポリミキサなどが挙げられ、好ましくはブレビバチルス・ブレビスである。
本明細書中で用いる「MWP」との用語は、三層からなる細胞壁を有する細菌の細胞壁タンパク質(CWP)に含まれる中央壁タンパク質(middle wall protein)を指す。
本明細書中で用いる「インスリン前駆体」との用語は、適切な処理(例えば酵素処理)により機能的なインスリンへと変換し得る、少なくともB鎖またはC末端のThrを欠いたB鎖およびA鎖を含むポリペプチドを指す。
本発明により、新規な融合タンパク質を用いることによって、従来のバチルス属でのインスリン前駆体の発現事例よりも1.5〜3倍高い発現分泌量での組み換えインスリンの製造を可能にした。該組み換えインスリン前駆体は、インスリンへの変換が可能であり、かつ発現分泌に際してインスリンの生物活性に必須であるジスルフィド結合が正確に形成される。
MWPsp−MWPmp5−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainの塩基配列(配列番号19)を示す。 MWPsp−MWPmp5−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainのアミノ酸配列(配列番号10)を示す。 WPsp−MWPmp6−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainの塩基配列(配列番号20)を示す。 WPsp−MWPmp6−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainのアミノ酸配列(配列番号11)を示す。 MWPsp−MWPmp6−LeuAsnSerAlaArg−Bchain(desThr)−Achainの塩基配列(配列番号21)を示す。 MWPsp−MWPmp6−LeuAsnSerAlaArg−Bchain(desThr)−Achainのアミノ酸配列(配列番号12)を示す。 MWPsp−MWPmp6−GlySerProArg−Bchain(desThr)−Achainの塩基配列(配列番号22)を示す。 MWPsp−MWPmp6−GlySerProArg−Bchain(desThr)−Achainのアミノ酸配列(配列番号13)を示す。 MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainの塩基配列(配列番号23)を示す。 MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainのアミノ酸配列(配列番号14)を示す。 MWPsp−MWPmp7−AspLeuAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainの塩基配列(配列番号24)を示す。 MWPsp−MWPmp7−AspLeuAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号15)のアミノ酸配列を示す。 MWPsp−MWPmp7−AspAsnAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainの塩基配列(配列番号25)を示す。 MWPsp−MWPmp7−AspAsnAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainのアミノ酸配列(配列番号16)を示す。 MWPsp−MWPmp12−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainの塩基配列(配列番号26)を示す。 MWPsp−MWPmp12−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainのアミノ酸配列(配列番号17)を示す。 MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArg−Bchain−ArgAspGlyAspArg−Achainの塩基配列(配列番号27)を示す。 MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArg−Bchain−ArgAspGlyAspArg−Achainのアミノ酸配列(配列番号18)を示す。 融合DNAをバチルス・ブレビスの発現ベクター(pNU211R2L5)に組み込む方法の概略図を示す。 融合タンパク質の発現量を示す。 Des−Thrインスリンのペプチドマッピングを示すHPLC溶出パターンである。 成熟インスリンのHPLC溶出パターンを示す。
本発明によって、上記融合タンパク質(以下、場合により「ミニプロインスリン」または「MINIPINS」と記す。)をコードするDNAをバチルス属またはブレビバチルス属細菌で発現させることにより、インスリン前駆体が培地中に高量分泌される。そして、これを分離精製して、トリプシンによる切断、およびBchain(desThr)を用いた場合にはThr付加を行うことにより、天然型の所望の構造を有するインスリンを得ることができる。
インスリン前駆体を高発現分泌させるための第一の条件は、上記融合タンパク質において、分泌に必須なシグナルペプチドとインスリン前駆体との間に特定のアミノ酸配列からなるリーダーペプチドとリンカーペプチドを配置することである。
本発明の実施態様によれば、インスリン前駆体の高発現分泌に好適なリーダーペプチドはバチルス属またはブレビバチルス属細菌の細胞壁タンパク質(CWP)のN末端のアミノ酸残基5、6、7または12個である。CWPとしては、以下のものに限定されないが、たとえばブレビバチルス・ブレビス株、47(FERM P−7224:特開昭60−58074号公報、特許文献15)、HPD31(FERM BP−1087:特開平4−278091号公報)等に由来のものを用いることができる。リーダーペプチドとしては、具体的には、以下に例示する配列を用いることができる(該当する配列を引用した文献を括弧内に示す):
MWPmp12:AlaGluGluAlaAlaThrThrThrAlaProLysMet(配列番号28;Biotechnol. Genet. Eng. Rev., 7: 278-311, 1989)
OWPmp12:AlaProLysAspGlyIleTyrIleGlyGlyAsnIle(配列番号29;J.Bacteriol., 170: 935-945, 1988)
HWPmp12:AlaGluAspThrThrThrAlaProLysMetAspAla(配列番号30;J.Bacteriol., 172: 1312-1320, 1990)。
N末端からのアミノ酸の残基数は、当該融合タンパク質が高発現される限り限定されないが、好適には5、6、7または12個である。他の例は、8、10または11個である(特許文献16)。
インスリン前駆体のB鎖、もしくはC末端のThrを欠いたB鎖(B鎖(desThr))の直前および任意にB鎖とA鎖との間に配置されるリンカーペプチドは、2つの機能を有する。1つは、インスリン前駆体からインスリンへの変換時にトリプシンで切断される部位としての機能である。もう1つは、インスリン前駆体を高発現分泌させることである。トリプシンで切断される部位は塩基性アミノ酸のArgまたはLysである。したがって、好ましくはB鎖もしくはB鎖(desThr)直前のリンカーペプチドのC末端、B鎖とA鎖との間のリンカーペプチドのN末端とC末端には、Argが1個または2個含まれる。あるいは、C末端からThrを欠いたB鎖が直接A鎖と連結されている状態では、B鎖のC末端から2番目のLysが切断部位となる。
1個以上のアミノ酸残基からなるリンカーペプチドは、一般的にはタンパク質の中で機能ドメインの間に存在しており、それぞれのドメインの機能に影響を及ぼすことなくドメインを連結する。本発明では、リンカーペプチドは、リーダーペプチドとB鎖またはB鎖(desThr)との間、および任意にB鎖とA鎖との間にそれぞれトリプシン切断部位を介して配置され、かつB鎖とA鎖との間および/またはA鎖内のジスルフィド結合、トリプシンの切断、ならびに当該融合タンパク質の発現を容易にするのに役立っている。そのような機能を満たす限り、リンカーペプチドは1個以上のアミノ酸でよく、特定のアミノ酸配列である必要はない。好適には、そのようなリンカーペプチドは、(i)リーダーペプチドとB鎖との間に位置するものとしては、一般式:(Asp、LeuまたはGly)(Gly、Asn、SerまたはLeu)(Asp、SerまたはPro)(ArgもしくはAlaまたはなし)Arg(配列番号51または52)により示されるアミノ酸配列、より好適には、AspGlyAspArgArg(配列番号1)、LeuAsnSerAlaArg(配列番号2)、GlySerProArg(配列番号3)、AspLeuAspArgArg(配列番号4)、AspAsnAspArgArg(配列番号5)、AspGlyAspArg(配列番号6)であり、(ii)B鎖とA鎖の間に位置するものでは、ArgAspGlyAspArg(配列番号7)である。また、好適には、B鎖とA鎖との間のリンカーペプチドは、B鎖(desThr)の場合には存在しなくともよい。
本発明のDNAは、当業界で公知の技術を組み合わせて作製することができる。たとえば、構成要素の各DNA配列を化学的合成法またはクローニング法によって個々に調製し、これら構成要素をリガーゼを用いて順次連結し、PCR増幅法を組み合わせて目的のDNAを作製することができる。具体的には実施例を参照することによってその詳細が理解されるが、個々の技術として、Maniatis, T.ら、Molecular Cloning 第2版, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1989)、Innis, M.A.ら, PCR Protocols, A guide to methods and applications, Academic Press (1990)等に記載の一般的技術が使用可能である。
インスリンのB鎖、Cペプチド、A鎖を含むヒトプロインスリンをコードするDNAは、市販のヒト膵臓のmRNAから、市販のcDNAファーストストランド合成キット等を用いて取得することができる。さらに、既知のDNA配列(GenBank登録番号:NM_000207)に基づいて、市販のDNA合成機を用いてプライマーとなる短鎖DNAを合成できれば、一般的なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってB鎖、A鎖などをコードする所望のDNA断片を増幅することができる。この場合、好ましくは、DNAの変性(94℃、30秒〜2分)、プライマーとのアニーリング(55℃、30秒〜1分)、および伸長反応(72℃、30秒〜1分)を1サイクルとして20サイクル以上繰り返す。
本発明はさらに、本発明の上記DNAを含むベクターを提供する。使用可能なベクターは、本発明のDNAを組み込むことのできる適当な挿入部位(すなわち制限酵素部位)を有していること、該DNAを宿主細胞内で発現可能であること、さらに該宿主細胞内で自律的に複製可能であること、等の性質を少なくとも有している必要がある。ベクターは、プロモーター、複製開始点、ターミネーター配列を含むことができ、さらに薬剤耐性遺伝子、栄養要求性を相補する遺伝子等の選択マーカーを含んでもよい。本発明の実施態様によれば、当該融合タンパク質をコードするDNAはバチルス属またはブレビバチルス属由来のプロモーター領域を含有するDNA配列の3’末端に機能的に連結される。本発明において「機能的に連結される」とは、それぞれの機能的塩基配列(プロモーター等)がその機能を発揮し得るように連結されていることを意味する。使用し得るプロモーターとしては、解糖系プロモーター、組織特異的プロモーター、ウイルスプロモーター、誘導性プロモーターなどが挙げられる。プロモーターは、好ましくはブレビバチルス・ブレビス47由来のMWPプロモーター(特公平1−58950号公報、特公平7−108224号公報)、ブレビバチルス・ブレビスHPD31由来のHWPプロモーター(特開平4−278091号公報、特開平6−133782号公報)等であるが、これらに限定されない。選択マーカーの例としては、例えば、アンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子等の薬剤耐性遺伝子が挙げられる。
本発明のベクターとしては、適合性の原核細胞または真核細胞、例えば細菌細胞、菌類細胞、酵母細胞、昆虫細胞、植物および動物細胞などの宿主細胞中に維持され、そこから目的のタンパク質が発現されることが可能ないずれかのDNAベクターが挙げられる。好ましくは、本発明のベクターはバチルス属またはブレビバチルス属細菌で複製可能なプラスミドである。以下のものに限定されないが、たとえば、pNU200、pHY500(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86: 3589−3593, 1989)、pHY4831(J. Bacteriol., 169: 1239-1245, 1987)、pNU100(Appl. Microbiol. Biotechnol., 30: 75-80, 1989)、pNU211(J. Biochem., 112: 488-491, 1992)、pNU211R2L5(特開平7−170984号公報)、pHY700(特開平4−278091号公報)、pHT210(特開平6−133782号公報)、pHT110R2L5(Appl. Microbiol. Biotechnol., 42: 358-363, 1994)が使用可能である。本発明の具体例では、図19に示すような構築法で発現ベクターpNU−MINIPINS〜hPDI*を作製することができる。
本発明は、上記DNAに加えて、プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)をコードするDNAをさらに含むベクターを提供する。上記で具体例として挙げた発現ベクターpNU−MINIPINS〜hPDI*は、PDI遺伝子を担持しているため、そのようなベクターの構築に有用である。そのようなベクターからは、PDI遺伝子と目的の融合タンパク質とが共発現される。
PDIを所望のタンパク質と共発現させることの利点は、以下のとおりである。例えば哺乳動物由来の機能的ポリペプチドを細菌発現系で発現させようとする場合、細菌発現系では、当該ポリペプチドが機能的なフォールディングを有するために必要なジスルフィド結合が正確に形成されないことが多くある。そのような、細菌発現系では正確にジスルフィド結合が形成されないか、または形成されにくいポリペプチドの発現に際して、PDIを共発現させることにより、目的とするポリペプチドとPDIとが共存する環境が構築され、それにより、正確なジスルフィド結合を有し、したがって所望の機能を有するポリペプチドの生産効率を高めることができる。
そのような試みについては国際公開第WO01/068884号に詳細に記載されている。
本発明において、PDIをコードするDNAとしては、ヒトをはじめとする哺乳動物、昆虫、酵母などの真核生物由来のものを使用することができる。哺乳動物由来のPDI遺伝子の塩基配列は、例えばヒト(NM_000918)、マウス(NM_011032)、ラット(NM_012998)のものがデータベースに登録されている。また、酵母由来PDIは、例えば、WO98/035049などに記載されている。
上記のようなPDIの共発現系を用いるための好適な宿主は、バチルス属またはブレビバチルス属の細菌であり、最も好ましい宿主はブレビバチルス・ブレビスである。
本発明はさらにまた、上記定義のベクターで形質転換された、例えば細菌細胞、菌類細胞、酵母細胞、昆虫細胞、植物および動物細胞などの宿主細胞を提供する。好ましくは該宿主細胞はバチルス属またはブレビバチルス属細菌である。宿主としてのバチルス属またはブレビバチルス属細菌としては、以下のものに限定されないが、たとえばブレビバチルス・ブレビス株、47(FERM P−7224:特開昭60−58074号公報、特許文献15)、47K(特開平2−257876号公報)、31−OK(特開平6−296485号公報)およびHPD31(FERM BP−1087;特開平4−278091号公報)等を挙げることができる。
上記のようにして得られた発現ベクターを、コンピテントな宿主細胞に導入し、発現可能な条件下で適切な培地中にて該細胞を培養して、目的の組換えポリペプチドを細胞外または細胞内、好ましくは細胞外に産生させる。続いて常法によりポリペプチドを回収し精製する。
ベクターの導入方法としては、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション(Methods in Enzymol., 217: 23-33, 1993)、スフェロプラスト融合法、プロトプラスト融合法、マイクロインジェクション、アグロバクテリウム法、パーティクルガン法等を例示することができる。
発現ベクターを有する前記細胞の培養については、当業者は細胞の種類に応じて公知の適切な培地および培養条件を選択しうる。例えば、宿主細胞がバチルス属またはブレビバチルス属細菌の場合、宿主細胞の培養は、T2培地中で37℃にて1日間培養し、その後、T2培地中の菌懸濁液の一部をM−5YC培地に移し、該培地を30℃にて4日間振とう培養することを含む。
細胞外からのポリペプチドの回収は、例えば、細胞を培養した培地から行うことができる。細胞内からのポリペプチドの回収は、例えば、遠心分離により細胞を回収し、該細胞を破壊して該ポリペプチドを回収することにより行うことができる。
また、得られたポリペプチドの精製は、たとえばゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、電気泳動、等電点電気泳動等の方法を単独で、または組合わせて実施することができる。
上記で得られたポリペプチドは、次いで、トリプシン処理によりdesThr−インスリンとし、さらにtert−ブチル−Thr存在下でのトリプシン処理を施すことによりインスリンを得ることができる。従って、本発明はさらに、上記のように形質転換されたバチルス属またはブレビバチルス属細菌を培地に培養し、菌体外にインスリン配列を含むポリペプチドを蓄積させ、回収されたポリペプチドをトリプシン処理し、インスリンを得ることを含む、インスリンの製造方法を提供する。
このようにして得られた組換えインスリンは天然型のインスリンと全く同一のジスルフィド結合、HPLC溶出パターンを有しており、インスリン依存型糖尿病の治療用医薬品として有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
融合タンパク質をコードするDNAを作製するにあたっては、PCR反応(polymerase chain reaction)で増幅したDNA断片をDNAリガーゼを用いたライゲーション反応で連結する手法を採用した。本文中、MWPspはMWPタンパク質のシグナルペプチドを意味し、MWPmpはMWP成熟タンパク質のN末端ペプチドを意味し、後に続く数字はN末端からのアミノ酸の数を表す。
実施例I
1.各種DNA断片の取得
(1)DNA断片MWPsp−MWPmp5の取得
a.鋳型DNA
ブレビバチルス・ブレビス(47−5Q株)から、公知の方法(Molecular Cloning 第2版, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory(1989))により抽出したゲノムDNA(840ng)
b.プライマー
順方向プライマー:5’−ACACGCGCTTGCAGGATTCG−3’(配列番号31)
逆方向プライマー:5’−TGCTGCTTCTTCTGCTGC−3’(配列番号32)
プライマーは、Yamagata, H.ら(J. Bacteriol.,169, 1239-1245, 1987)およびTsuboi, A.ら(J. Bacteriol.,170, 935-945, 1988)により決定されたMWPタンパク質の塩基配列をもとに有機化学合成し、最終濃度0.1μmol/Lとなるように加えた。
c.Taq DNAポリメラーゼ
市販の製品(GIBCO BRL社製)を、反応あたり5U加えた。
d.その他
Tris−HCl(最終濃度20mmol/L、pH8)、MgCl(最終濃度2.5mmol/L)、dNTPs(dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP;それぞれ最終濃度50μmol/L)を加えた。
a〜dを反応液量100μLとして0.5mLチューブに入れ、公知の方法(Innis, M. A.ら、PCR Protocols, A guide to methods and applications、Academic Press、(1990))でPCR反応(変性:94℃、1分間;アニーリング:50℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、1分間を1サイクルとして30サイクル)を行った。PCR反応終了後、反応液をフェノールで濃縮してから0.8%のアガロースゲルにアプライして通常条件下で電気泳動を行い、ミリポア社のウルトラフリーC3HでアガロースゲルからPCR産物、即ち、DNA断片MWPsp−MWPmp5を回収した。回収したPCR産物はフェノール抽出後、エタノール沈殿して真空乾燥し、適量の蒸留水に溶かした。DNAブランティングキット(宝酒造)を使用して、取り扱い説明書に準じて平滑末端化反応を行った。
(2)DNA断片MWPsp−MWPmp6の取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片MWPsp−MWPmp6を取得した。
・逆方向プライマー、5’−AGTTGCTGCTTCTTCTGC−3’(配列番号33)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:50℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(3)DNA断片MWPsp−MWPmp7の取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化したDNA断片MWPsp−MWPmp7を取得した。
・逆方向プライマー、5’−AGTAGTTGCTGCTTCTTC−3’(配列番号34)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性温度:94℃、1分間;アニーリング:50℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(4)DNA断片MWPsp−MWPmp12の取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片MWPsp−MWPmp12を取得した。
・逆方向プライマー、5’−CATTTTTGGAGCTGTAGT−3’(配列番号35)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性温度:94℃、1分間;アニーリング:50℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(5)DNA断片プロインスリンの取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片プロインスリンを取得した。
・鋳型DNAとして、ヒトプレプロインスリンDNAを組み込んだプラスミドベクター10ngを用いた。ヒトプレプロインスリンDNAを組み込んだプラスミドベクターの取得は次のようにして行った。市販のヒト膵臓mRNA(CLONTECH社製)から、ファーストストランドcDNA合成キット(ファルマシア社)を用い、取り扱い説明書に従ってヒト膵臓cDNAを合成した。このcDNAを鋳型として、Bell, G. I.ら(Nature, 282, 525-527, (1979))により決定されたヒトプレプロインスリン遺伝子の塩基配列をもとに合成された順方向プライマー、5’−ATGGCCCTGTGGATGCGCC−3’(配列番号36)および逆方向プライマー、5’−CTAGTTGCAGTAGTTCTCC−3’(配列番号37)を用いてPCR反応(条件:94℃、1分間;60℃、1分間;72℃、1分間を1サイクルとして35サイクル繰り返す)を行い、得られたPCR産物、即ち、ヒトプレプロインスリンDNAをpGEM−Tベクター(Promega社製)にクローニングした。
・プライマーとして、順方向プライマー、5’−TTTGTGAACCAACACCTG−3’(配列番号38)、逆方向プライマー、5’−CTAGTTGCAGTAGTTCTCC−3’(配列番号37)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:47℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(6)DNA断片DGDR−Bchain−Rの取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片DGDR−Bchain−Rを取得した。
・鋳型DNAとして、(5)より得られたプロインスリンPCR産物10ngを用いた。
・プライマーとして、順方向プライマー、5’−GACGGTGATCGCTTTGTGAACCAACACCTG−3’(配列番号39)および逆方向プライマー、5’−GCGGGTCTTGGGTGTGTAGAA−3’(配列番号40)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:52℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(7)DNA断片DGDRR−Bchain(desThr)の取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片DGDRR−Bchain(desThr)を取得し、さらにリン酸化反応(T4ポリヌクレオチドキナーゼ(ニッポンジーン)を使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン酸化したDNA断片DGDRR−Bchain(desThr)を得た。
・鋳型DNAとして、(5)より得られたプロインスリンPCR産物10ngを用いた。
・プライマーとして、順方向プライマー、5’−GACGGTGATCGTCGCTTTGTGAACCAACAC−3’(配列番号41)および逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性温度:94℃、1分間;アニーリング:52℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(8)DNA断片DLDRR−Bchain(desThr)の取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片DLDRR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、(5)より得られたプロインスリンPCR産物10ngを用いた。
・プライマーとして、順方向プライマー、5’−GACTTGGATCGTCGCTTTGTGAACCAACACCTG−3’(配列番号43)および逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:52℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(9)DNA断片DNDRR−Bchain(desThr)の取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片DNDRR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、(5)より得られたプロインスリンPCR産物10ngを用いた。
・プライマーとして、順方向プライマー、5’−GACAATGATCGTCGCTTTGTGAACCAACACCTG−3’(配列番号44)および逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性温度:94℃、1分間;アニーリング:52℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(10)DNA断片LNSAR−Bchain(desThr)の取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片LNSAR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、(5)より得られたプロインスリンPCR産物10ngを用いた。
・プライマーとして、順方向プライマー、5’−CTGAACAGCGCTCGCTTTGTGAACCAACACCTG−3’(配列番号45)および逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:52℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(11)DNA断片GSPR−Bchain(desThr)の取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片GSPR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、(5)より得られたプロインスリンPCR産物10ngを用いた。
・プライマーとして、順方向プライマー、5’−GGTTCTCCTCGCTTTGTGAACCAACACCTG−3’(配列番号46)および逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3(配列番号42)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:52℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(12)DNA断片Achainの取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片Achainを取得し、さらにリン酸化反応(T4ポリヌクレオチドキナーゼ(ニッポンジーン社製)を使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン酸化したDNA断片Achainを得た。
・鋳型DNAとして、(5)より得られたプロインスリンPCR産物10ngを用いた。
・プライマーとして、順方向プライマー、5’−GGCATTGTGGAACAATGCTGT−3’(配列番号47)および逆方向プライマー、5’−CTAGTTGCAGTAGTTCTCCAGCTGGTA−3’(配列番号48)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:55℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
(13)DNA断片DGDR−Achainの取得
以下の点以外は(1)と同様な手順に従って、平滑末端化したDNA断片DGDR−Achainを取得し、さらにリン酸化反応(T4ポリヌクレオチドキナーゼ(ニッポンジーン社製)を使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン酸化したDNA断片DGDR−Achainを得た。
・鋳型DNAとして、(12)より得られたDNA断片AchainのPCR産物10ngを用いた。
・順方向プライマー、5’−GATGGCGACCGTGGCATTGTGGAACAATGCTGT−3’(配列番号49)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:55℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
2.MWPsp−MWPmp5、6、7または12と各種BchainのDNA断片との融合DNAの取得
(1)MWPsp−MWPmp7−DGDR−Bchain−R融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp7−DGDR−Bchain−Rを取得した。
・鋳型DNAとして、1の(3)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp7と1の(6)で得られたDNA断片DGDR−Bchain−Rを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用い、16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−GCGGGTCTTGGGTGTGTAGAA−3’(配列番号40)を用いた。
次に、平滑末端化されたPCR産物のリン酸化反応(T4ポリヌクレオチドキナーゼ(ニッポンジーン社製)を使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行った。生成物をHincII切断したBlueScriptプラスミドベクター(Stratagene)に組み込んでからDNA塩基配列を決定して、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(2)MWPsp−MWPmp5−DGDRR−Bchain(desThr)融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp5−DGDRR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、1の(1)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp5と1の(7)で得られたDNA断片DGDRR−Bchain(desThr)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(3)MWPsp−MWPmp6−DGDRR−Bchain(desThr)融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp6−DGDRR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、1の(2)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp6と1の(7)で得られたDNA断片DGDRR−Bchain(desThr)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(4)WPsp−MWPmp7−DGDRR−Bchain(desThr)融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp7−DGDRR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、1の(3)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp7と1の(7)で得られたDNA断片DGDRR−Bchain(desThr)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(5)MWPsp−MWPmp12−DGDRR−Bchain(desThr)融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp12−DGDRR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、1の(4)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp12と1の(7)で得られたDNA断片DGDRR−Bchain(desThr)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(6)MWPsp−MWPmp6−LNSAR−Bchain(desThr)融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp6−LNSAR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、1の(2)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp6と1の(10)で得られたDNA断片LNSAR−Bchain(desThr)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(7)MWPsp−MWPmp6−GSPR−Bchain(desThr)融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp6−GSPR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、1の(2)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp6と1の(11)で得られたDNA断片GSPR−Bchain(desThr)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(8)MWPsp−MWPmp7−DLDRR−Bchain(desThr)融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp7−DLDRR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、1の(3)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp7と1の(8)で得られたDNA断片DLDRR−Bchain(desThr)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(9)MWPsp−MWPmp7−DNDRR−Bchain(desThr)融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp7−DNDRR−Bchain(desThr)を取得した。
・鋳型DNAとして、1の(3)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp7と1の(9)で得られたDNA断片DNDRR−Bchain(desThr)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマー、5’−CTTGGGTGTGTAGAAGAA−3’(配列番号42)を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
3.MWPsp−MWPmp5、6、7または12と各種BchainのDNA断片、各種AchainのDNA断片との融合DNA(MINIPINS)の取得
(1)MWPsp−MWPmp7−DGDR−Bchain−RDGDR−Achain融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp7−DGDR−Bchain−RDGDR−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(1)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp7−DGDR−Bchain−Rと1の(13)で得られたDNA断片DGDR−Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(2)MWPsp−MWPmp5−DGDRR−Bchain(desThr)−Achain融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp5−DGDRR−Bchain(desThr)−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(2)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp5−DGDRR−Bchain(desThr)と1の(12)で得られたDNA断片Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(3)MWPsp−MWPmp6−DGDRR−Bchain(desThr)−Achain融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp6−DGDRR−Bchain(desThr)−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(3)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp6−DGDRR−Bchain(desThr)と1の(12)で得られたDNA断片Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(4)MWPsp−MWPmp7−DGDRR−Bchain(desThr)−Achain
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp7−DGDRR−Bchain(desThr)−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(4)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp7−DGDRR−Bchain(desThr)と1の(12)で得られたDNA断片Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(5)MWPsp−MWPmp12−DGDRR−Bchain(desThr)−Achain融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp12−DGDRR−Bchain(desThr)−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(5)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp12−DGDRR−Bchain(desThr)と1の(12)で得られたDNA断片Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(6)MWPsp−MWPmp6−LNSAR−Bchain(desThr)−Achain融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp6−LNSAR−Bchain(desThr)−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(6)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp6−LNSAR−Bchain(desThr)と1の(12)で得られたDNA断片Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(7)MWPsp−MWPmp6−GSPR−Bchain(desThr)−Achain融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp6−GSPR−Bchain(desThr)−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(7)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp6−GSPR−Bchain(desThr)と1の(12)で得られたDNA断片Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(8)MWPsp−MWPmp7−DLDRR−Bchain(desThr)−Achain融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp7−DLDRR−Bchain(desThr)−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(8)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp7−DLDRR−Bchain(desThr)と1の(12)で得られたDNA断片Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
(9)MWPsp−MWPmp7−DNDRR−Bchain(desThr)−Achain融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、平滑末端化した融合DNA、MWPsp−MWPmp7−DNDRR−Bchain(desThr)−Achainを取得した。
・鋳型DNAとして、2の(9)で得られたDNA断片MWPsp−MWPmp7−DNDRR−Bchain(desThr)と1の(12)で得られたDNA断片Achainを適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。それぞれの融合体のアミノ酸配列とDNA塩基配列を図1〜18に示した。
4.上記3の融合DNAとMWPsp*−hPDI*との融合DNAの取得
以下の点以外は1の(1)と同様な手順に従って、下記融合DNAを組み込んだベクターを取得した。
・鋳型DNAとして、3の(1)〜(9)で得られた各DNA断片と、特許文献18に記載のものと同様のDNA断片MWPsp*−hPDI*を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させて得られた産物を用いた。
・逆方向プライマーとして、5’−TTACAGTTCATCTTTCACAGCTTTCTG−3’(配列番号50)を用いた。
・PCRの反応条件は、変性:94℃、1分間;アニーリング:55℃、1分間;DNA鎖伸長:72℃、2分30秒間を1サイクルとして25サイクルとした。
また、2の(1)と同様にして、適切な融合DNAが形成されていることを確認した。
このようにして、種々の融合DNAが組み込まれたpMINIPINS〜hPDI*得た。これらのベクターには、上記3で得られた融合DNA(MINIPINS)に加えて、PDIをコードするDNAも担持されている。上記DNA断片MWPsp*−hPDI*のMWPspの5’側には、SD(シャイン・ダルガノ)配列(リボソーム結合部位)が付加されている。これらのベクターpMINIPINS〜hPDI*からMINIPINSおよびPDIをそれぞれコードするDNAの融合物を切り出し、これを適当な発現ベクターに組み込み、さらに当該発現ベクターで宿主細胞を形質転換する。これらの発現ベクターを導入した宿主においては、該発現ベクター中の1つのプロモーターの下流に挿入された目的とする融合タンパク質とPDIとの融合DNAが、1つのmRNAとして転写されることが予想される。続いて融合タンパク質とPDIそれぞれの遺伝子の5’側に存在するSD配列の機能により、2種類の遺伝子がそれぞれ翻訳され、結果として該宿主での目的とする融合タンパク質とPDIとの共発現がもたらされる。
得られた融合DNA(MINIPINS)がコードする融合タンパク質の構造を、以下に挙げる:
001:MWPsp−MWPmp5−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号19)
002:MWPsp−MWPmp6−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号20)
003:MWPsp−MWPmp6−LeuAsnSerAlaArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号21)
004:MWPsp−MWPmp6−GlySerProArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号22)
005:MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号23)
006:MWPsp−MWPmp7−AspLeuAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号24)
007:MWPsp−MWPmp7−AspAsnAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号25)
008:MWPsp−MWPmp12−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achain(配列番号26)
009:MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArg−Bchain−ArgAspGlyAspArg−Achain(配列番号27)。
以下の実施例IIでは、これらNo.001〜009に加え、比較例として他の構造を有する種々の融合タンパク質についても発現実験を行った。それらの他の融合タンパク質をコードする融合DNAは、上記と同様の手順により作製した。それらの他の融合タンパク質の例を、以下に挙げる:
000:MWPmp9−GlySerLeuGlnProArg−Bchain−ArgGlyHisArgPro−Cpeptide−ProArg−Achain
010:MWPsp−MWPmp6−GluLeuLeuArg−Bchain(desThr)−Achain
011:MWPsp−MWPmp7−AspGlyAspArgArg−Bchain−ArgAspGlyAspArg−Achain
012:MWPsp−MWPmp0−Bchain(desThr)−Achain。
実施例II
融合DNAの発現分泌
1.融合タンパク質の発現量の測定
実施例Iで得られた融合DNAによってコードされる融合タンパク質の発現を行った。融合DNAを発現ベクターに組み込む様式を図19に示した。
即ち、上記の融合DNAを組み込んだベクターpMINIPINS〜hPDI*を制限酵素ApaLIおよびHindIIIで処理し、0.8%アガロース電気泳動を行い、続いてそれぞれの融合DNAを含むDNA断片をゲルから切り出した。切り出した融合DNAと、ApaLIとHindIIIで消化したブレビバチルス・ブレビス用発現ベクターpNU211R2L5(特開平7−170984号公報)を適量ずつ混合し、DNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃で30分間反応させることにより、融合DNAを発現ベクターに組み込んだ。以上のようにして、それぞれの融合DNAを組み込んだ発現ベクター、pNU−MINIPINS〜hPDI*を取得した。これらの発現ベクターでブレビバチルス・ブレビスの47−5株(FERM BP−1664)を公知の方法(Methods in Enzymol., 217: 23−33, 1993)に従って形質転換し、T2寒天培地[ポリペプトン(1%)、肉エキス(0.5%)、酵母エキス(0.2%)、ウラシル(0.1mg/mL)、グルコース(1%)、エリスロマイシン(10μg/mL)、寒天(1.5%)、pH7]上で平板培養し、形質転換体を取得した。
形質転換体をT2培地(組成は、寒天を含まないことを除いてT2寒天培地と同一)で37℃にて1日間培養してから、公知の方法(Molecular Cloning 第2版, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory(1989))を用いてプラスミドDNAを精製し、当該プラスミドDNAをApaLIおよびHindIIIで消化することにより目的の融合DNAが組み込まれていることを確認した。融合DNAの組み込みが確認された形質転換体については、組み込まれた融合DNAによりコードされる融合タンパク質の発現分泌を試みた。即ち、T2培地で37℃で1日培養した菌懸濁液50μLを50mLのM−5YC培地[ポリペプトン(2.05%)、酵母エキス(0.27%)、グルコース(3%)、MgSO・7HO(0.009%)、MnSO・4HO(0.0009%)、ウラシル(27μg/mL)、エリスロマイシン(10μg/mL)、pH8]に添加して500mLの三角フラスコで30℃にて4日間振とう培養した。
培養後、培地1mLを1.5mLのマイクロチューブに入れ、15,000rpmで20分間遠心分離した。得られた培養上清194μLに6μLの6N塩酸を加えてメンブレンフィルター(Millipore、pore size 0.22μm、Cat. No. SLGVR04NL)でろ過した。ろ液100μLをHPLCカラム(Waters、Symmetry300TMC18、5μm、4.6×250mm)でのHPLC(Waters LC-Module 1)に供し、それにより融合タンパク質の発現量を求めた。溶出並びに検出条件は、以下の通りである。
A液:0.1%TFA水溶液
B液:0.1%TFAを含むアセトニトリル
TIME(min) FLOW %A %B
INITIAL 0.8 72 28
5.00 0.8 72 28
30.00 0.8 64 36
32.00 0.8 64 36
33.00 0.8 10 90
TEMP: 35℃
SPRG: 30 mL/min
WAVE LENGTH: 220nm。
プロインスリン(Sigma、Cat. No. P-4672)を0.001Nの塩酸に溶かした溶液(1mg/mL)を同条件でHPLCにアプライして検量線を作成し、これに基づいて融合タンパク質の相対量を求めた。
図20には各融合タンパク質の相対発現量を示した。WO01/068884で開示された変異型プロインスリン配列を含む融合タンパク質、MWPmp9−GlySerLeuGlnProArg−Bchain−ArgGlyHisArgPro−Cpeptide−ProArg−Achain(No.000)の発現量(102.8mg/L)に比べて、上記001〜009の構造を有するインスリン配列を含む各種の融合タンパク質の発現量は1.5〜3倍高く、また、他の構造を有する融合タンパク質(No.010〜012)と比較して顕著に高かった。
実施例III
インスリンへの変換
(1)融合タンパク質、MWPmp6−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainの分離精製
pMINIPINSで形質転換された細菌を37℃で1日間培養し、その細菌懸濁液1.1mLを1.1Lの培地[ポリペプトン(3%)、酵母エキス(0.4%)、グルコース(3%)、MgSO・7HO(0.01%)、MnSO・4HO(0.001%)、エリスロマイシン(10μg/mL)、pH8]に添加してジャーファメンターで30℃、200rpm、1.1vvmエアレーションにて4日間培養した。培地を9,500rpmにて20分間遠心分離し、HClで得られた上清のpHを3に調整し、4℃で1時間静置した。再度、9,500rpmにて20分間遠心分離し、得られた上清を50mM酢酸で平衡化した陽イオン交換樹脂にアプライして、50mM酢酸ナトリウム(pH5.5)で融合タンパク質を溶出した。溶出後、NaOHでpHを7.5に調整した。その後、溶出液を、20mMTris−HCl(pH8)でバッファー交換をしつつ、濃縮した。
(2)融合タンパク質からインスリンへの転換
濃縮された融合タンパク質を、トリプシンを含有する50mMTris−HCl(pH8)中、12℃で一晩処理することによりdes−Thrインスリンに転換した(100mg融合タンパク質、2.4mg TPCKトリプシン/440mL溶液)。10%TFAを添加して反応を停止し、18%アセトニトリル/0.05%ギ酸で平衡化した樹脂(MCI GEL CHP2MGY、Mitsubishi Chemicals Japan)にアプライし、27%アセトニトリル/0.05%ギ酸でdes−Thrインスリンを溶出した。その後、エバポレーターで乾固した。
次に、des−Thrインスリンを反応液中(10mM des−Thrインスリン、0.8M Thr−OBut−HCl、50%DMF/エタノール<1:1>、20μMトリプシン、アンモニア水でpH6.1に調整)で15℃、8時間処理することにより、des−ThrインスリンにThrを付加してインスリンエステルとした。TFAにて反応を停止し、22.5%アセトニトリル/0.05%ギ酸で平衡化した樹脂(MCI GEL CHP55Y、Mitsubishi Chemicals Japan)にアプライし、29.3%アセトニトリル/0.05%ギ酸でインスリンエステルを溶出した。
最後に、溶出したインスリンエステルを乾固し、アニソール/TFA<1:9>で処理してインスリンを取得した。
(3)des−Thrインスリンのペプチドマッピング
市販のインスリン(Intergen)をカルボキシペプチダーゼA処理(25℃、1時間、0.2N NHHCO、pH8.4、カルボキシペプチダーゼA<0.3U/mgインスリン>)して、des−Thrインスリン(以下、STD des−Thr insulinと記す)を得た。上記(2)で得られたdes−Thrインスリン(以下、ITOHAM des−Thr insulinと記す)と、STD des−Thr insulinの各5nmoleを0.1M炭酸水素アンモニウム、2mM EDTA溶液(pH7.8)50μLに溶かし、V8プロテアーゼ(和光純薬社製、2μg/mL)水溶液1.35mLを加えて25℃で24時間反応させた。続いて1%TFAを加えてpH2とすることにより反応を停止した。次に、反応液をVydac218TP54(4.6×250mm、C18カラム)にアプライし、5%アセトニトリル、0.1%TFA溶液で平衡化させてから、35%アセトニトリル、0.1%TFA溶液までの勾配により溶出した。溶出パターンを図21に示す。ITOHAM des−Thr insulinとSTD des−Thr insulinは同様なパターンを示した。これにより、両者のdes−Thrインスリンのジスルフィド結合様式は同等であると結論された。
(4)インスリンのHPLC溶出パターン
上記(3)で得られたインスリン(以下、ITOHAM insulinと記す)と市販のインスリン(Intergen、以下STD insulinと記す)をYMCのCカラム(4.6×250mm)にアプライし、25−35%アセトニトリル/0.1%TFAで溶出した。図22に示されるように、両者とも同一の溶出パターンであった。
即ち、ブレビバチルス・ブレビスの発現系で高発現がみられた融合タンパク質の1つであるMWPmp6−AspGlyAspArgArg−Bchain(desThr)−Achainから、適正なジスルフィド結合を有するインスリンが形成されることが示された。
本発明により、糖尿病等の疾患の治療において用いることができる機能的なインスリンを工業的に許容される効率で得ることができる方法が実現される。
配列番号1〜7:リンカー
配列番号8、9:インスリン前駆体
配列番号10〜27:融合タンパク質
配列番号28〜30:リーダーペプチド
配列番号31〜50:プライマー
配列番号51、52:リンカー

Claims (18)

  1. バチルス属またはブレビバチルス属細菌の細胞壁タンパク質(CWP)の1つであるMWP由来のシグナルペプチド、バチルス属またはブレビバチルス属細菌のCWPのN末端から5〜7もしくは12アミノ酸からなるリーダーペプチド、以下の一般式:
    (Asp、LeuまたはGly)(Gly、Asn、SerまたはLeu)(Asp、SerまたはPro)(ArgもしくはAlaまたはなし)Arg(配列番号51または52)
    により示されるアミノ酸配列からなるリンカーペプチド、およびインスリン前駆体のアミノ酸配列がこの順序で連結された融合タンパク質をコードするDNA。
  2. 上記リンカーペプチドが配列番号1〜6のいずれか1つにより示されるアミノ酸配列からなる、請求項1に記載のDNA。
  3. 上記リーダーペプチドがMWP由来のものである、請求項1または2に記載のDNA。
  4. 前記インスリン前駆体が配列番号8または9により示されるアミノ酸配列を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNA。
  5. 前記融合タンパク質が、配列番号10〜18のいずれか1つにより示されるアミノ酸配列を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のDNA。
  6. 配列番号19〜27のいずれか1つにより示される塩基配列を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のDNA。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のDNAを含むベクター。
  8. 前記DNAが、細菌由来のプロモーター配列の下流に機能的に連結されている、請求項7に記載のベクター。
  9. 上記プロモーターがバチルス属またはブレビバチルス属細菌由来である、請求項8に記載のベクター。
  10. プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)をコードするDNAをさらに含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載のベクター。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載のベクターを含む宿主細胞。
  12. 前記宿主細胞がバチルス属またはブレビバチルス属細菌である、請求項11に記載の宿主細胞。
  13. 前記細菌がブレビバチルス・ブレビスである、請求項12に記載の宿主細胞。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の宿主細胞を培養するステップ、宿主細胞から所望の融合タンパク質を発現させるステップ、発現されたポリペプチドを細胞または培地中から回収するステップを含む、インスリンの製造方法。
  15. 回収されたポリペプチドを酵素的に処理するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記酵素処理がトリプシンによる処理である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ポリペプチドを培地から回収する、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 配列番号10〜18のいずれか1つにより示されるアミノ酸配列を有する融合タンパク質。
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