JP2001048898A - 正確に連結したジスルフィド結合を有するポリペプチドの取得方法 - Google Patents

正確に連結したジスルフィド結合を有するポリペプチドの取得方法

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JP2001048898A
JP2001048898A JP11227591A JP22759199A JP2001048898A JP 2001048898 A JP2001048898 A JP 2001048898A JP 11227591 A JP11227591 A JP 11227591A JP 22759199 A JP22759199 A JP 22759199A JP 2001048898 A JP2001048898 A JP 2001048898A
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polypeptide
proinsulin
dna
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Masaaki Kondo
雅昭 近藤
Masahiko Higashikuni
眞彦 東久邇
Seiji Sato
静治 佐藤
Toshiyuki Kudo
季之 工藤
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Itoham Foods Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確に連結したシステイン結合を有するポリ
ペプチドの取得方法の開発。 【解決手段】 不正なジスルフィド結合を有するポリペ
プチド、またはジスルフィド結合を形成していないポリ
ペプチドに、チオレドキシンなどのジスルフィド結合酸
化還元酵素および/または酸化還元剤、あるいは-SHフ
リーラジカルを生成するメルカプタンを添加し、有機溶
媒およびカオトロピック助剤を含有する溶液に対して透
析を行ないながらアルカリ条件下の溶液中で反応させる
ことにより、公知の方法では得られなかった、正確に連
結したシステイン結合を有するポリペプチドを取得す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本来あるべきジス
ルフィド結合ができていないためにその機能を発揮する
ことができない不正なジスルフィド結合を有するポリペ
プチド、またはジスルフィド結合ができていないポリペ
プチド(還元型ポリペプチド)を、適正に連結したジス
ルフィド結合を有するポリペプチドに効率よく変換する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生命現象を担っている酵素やホルモンな
どの生理活性物質はアミノ酸が複数個連結したポリペプ
チド(あるいは、蛋白質)であり、アミノ酸の種類や数
によってつくりだされる複雑な高次構造がそれらの生物
活性を生み出している。細胞内で合成されたポリペプチ
ドは、最初アミノ酸が直鎖状に連結した状態であるが、
細胞質内あるいは小胞体からゴルジ体へと輸送される過
程で正確に折りたたまれて(フォールディング)しかる
べき高次構造をとるようになる。アミノ酸としてシステ
インを含むポリペプチドは、しばしば2個のシステイン
残基間で分子内または分子間のジスルフィド結合をつく
っており、これは高次構造ならびに生物活性を保つため
に必須の構造となっている。こうしたポリペプチドの形
態はおもに分泌蛋白質や細胞表層蛋白質にみられ、例え
ばリボヌクレアーゼ(RNase)、リゾチーム、インスリ
ン、免疫グロブリンなどが知られている。
【0003】一方、近年の遺伝子組み換え技術の著しい
進歩に伴い、生体内には微量にしか存在しない生理活性
ポリペプチドを微生物や動物細胞を用いて大量に生産す
ることが可能になってきた。ところが、このようにして
生産された組み換え蛋白質は必ずしも生物活性を有して
いるとは限らない。その原因として、大腸菌でみられる
封入体形成のように、発現された蛋白質が変性状態にあ
ること、ジスルフィド結合が必要とされる蛋白質にジス
ルフィド結合が形成されていないこと、あるいは、ジス
ルフィド結合ができていても正確なジスルフィド結合が
形成されていないことなどが挙げられる。このような状
態から生物活性を有する蛋白質を得るためには、可溶
化、リフォールディングによる再生作業が必要になって
くる。
【0004】蛋白質の高次構造形成の担い手の一つであ
るジスルフィド結合は2個のシステイン残基の単純な酸
化還元反応であり、適当な酸化還元条件下で非酵素的に
いずれの方向へも反応を進めることが出来る。古典的に
は、RNase (Anfinsen, B. C., Science, 20, 223-230,
1973) の再生実験において、試験管の中で他の蛋白質因
子の助けを借りることなくRNaseのジスルフィド結合が
形成されることが示された。しかしながら、その効率は
悪く、かつ正確なジスルフィド結合が起こる割合は確率
的要素を含んでいた。
【0005】その後、試験管内でより効率的でかつ正確
なジスルフィド結合を形成させる方法が開発された。そ
れらの事例として、カオトロピック助剤存在下でメルカ
プタンを利用する方法(特開平6-228191号)、ジスルフ
ィド結合酸化還元酵素のプロテインジスルフィドイソメ
ラーゼ(PDI)(Wang C.-C. and Tsou C.-L., Bioche
m., 25, 5336-5340, 1986; Tang J.-G., er al., Bioch
em. J., 255, 451-455,1988; Lyles M. M. and Gilber
t H. F., Bionchem., 30, 613-619, 1991)や、チオレ
ドキシンを用いた方法(Pigiet V. P. and Schuster B.
J., Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 83, 7643-7647, 198
6)、メルカプタンとしてグルタチオンを用いた方法
(新生化学実験口座1タンパク質VI 合成および発現,
日本生化学会編, pp186-187)などが報告されてきた。
【0006】しかし、上記のいずれの方法も全ての蛋白
質のジスルフィド結合形成に有効ではなく、蛋白質の種
類によってケースバイケースの方法を開発する必要があ
るのが現状である。実際我々は、分子間で不正なジスル
フィド結合を形成して高分子化した遺伝子組み換えプロ
インスリン多量体を一度変性させた後、これまでの方法
を用いてジスルフィド結合を形成したプロインスリン単
量体の取得を試みたが、有効ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不正なジスルフィド結合を形成したポリペプチド、
またはジスルフィド結合を形成していないポリペプチド
から、従来の方法に比べてさらに効率的に正確に連結さ
れたジスルフィド結合を有するポリペプチドを取得する
方法を提供することにより、ジスルフィド結合をもつ遺
伝子組み換え蛋白質の生産効率を高めることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本出願人は、まず、不正
なジスルフィド結合を形成した遺伝子組み換えポリペプ
チドとしてバチルス属菌で発現されたヒトプロインスリ
ン多量体を材料とし、また、これを変性条件下におくこ
とによりジスルフィド結合を形成していないポリペプチ
ドを作製した。そして、試験管内で正確に連結されたジ
スルフィド結合を有するプロインスリンが効率よく形成
されるように働く有効因子、有効条件の探索を行った。
正確にジスルフィド結合が形成されたプロインスリンの
定性定量は、HPLCにより測定した。
【0009】すなわち、本発明は、以下のものを提供す
る。 (1) 不正なジスルフィド結合を有するポリペプチ
ド、またはジスルフィド結合ができていないポリペプチ
ドを、カオトロピック作用のある物質および有機溶媒を
含有する溶液に対して透析を行ないながら、アルカリ性
条件下においてジスルフィド結合酸化還元酵素および/
または酸化還元剤と反応させることを特徴とする、正確
に連結したジスルフィド結合を有するポリペプチドの取
得方法。 (2) 不正なジスルフィド結合を有するポリペプチ
ド、またはジスルフィド結合ができていないポリペプチ
ドを、カオトロピック作用のある物質および有機溶媒を
含有する溶液に対して透析を行ないながら、アルカリ性
条件下において-SHフリーラジカルを発生するメルカプ
タンと反応させることを特徴とする、正確に連結された
ジスルフィド結合を有するポリペプチドの取得方法。 (3) ジスルフィド結合酸化還元酵素および/または
酸化還元剤がチオレドキシンである(1)記載の方法。 (4) -SHフリーラジカルを発生するメルカプタンが
システインである(2)記載の方法。 (5) カオトロピック作用のある物質が尿素である
(1)または(2)に記載の方法。 (6) 有機溶媒がメタノールである(1)または
(2)に記載の方法。 (7) トリス緩衝液によってアルカリ性条件とする
(1)または(2)に記載の方法。 (8) 不正なジスルフィド結合を有するポリペプチ
ド、またはジスルフィド結合ができていないポリペプチ
ドがヒトプロインスリンである(1)〜(7)のいずれ
かに記載の方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によって、不正なジスルフ
ィド結合を形成したポリペプチド、またはジスルフィド
結合を形成していないポリペプチドから、従来の方法に
比べてより効率的に正確に連結されたジスルフィド結合
を有するポリペプチドを取得することができる。
【0011】本発明に使用し得るポリペプチドとして
は、前述のようにリボヌクレアーゼ(RNase)、リゾチ
ーム、インスリン、免疫グロブリンなど、分子内または
分子間のジスルフィド結合を有するものが挙げられ、本
発明の実施においては特に限定されない。以下の本発明
の実施態様では、一例としてヒトプロインスリンを用い
た。
【0012】ヒトプロインスリンは86個のアミノ酸から
構成されており、30個のアミノ酸からなるインスリンの
B鎖、35個のアミノ酸からなるCペプチド、21個のアミ
ノ酸からなるインスリンのA鎖がこの順序で直鎖状に連
結したポリペプチドである。そして、A鎖とB鎖との間
に2ヶ所(A7-B7、A20-B19)、A鎖内に1ヶ所(A6-A1
1)ジスルフィド結合をもつ。これらのジスルフィド結
合の部位が違ったり、あるいは隣の分子との間で分子間
結合ができたりすると、後にCペプチドが除かれてイン
スリンへ変換したときにインスリンとしての生物活性を
有さないものとなる。
【0013】不正なジスルフィド結合を形成したポリペ
プチド、またはジスルフィド結合を形成していないポリ
ペプチドは、天然に存在する当該ポリペプチドを、カオ
トロピック作用のある物質(例えば、グアニジン塩酸塩
や尿素など)とメルカプタン(例えば、ジチオトレイト
ールや2−メルカプトエタノールなど)で処理してから
ジスルフィド結合が形成できる環境下(例えば、空気酸
化など)にポリペプチドを高濃度に存在させることによ
り作製することができる。あるいは、当該ポリペプチド
を微生物や真核生物の遺伝子組み換え蛋白質発現系(Ma
niatis, T.ら、Molecular Cloning 2nd ed., A Labora
tory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (198
9))で発現させることにより生成される。
【0014】本発明の実施態様においては、ヒトプロイ
ンスリンを含む融合蛋白質を、宿主としてバチルス属菌
のバチルス・ブレビス47(FERM P-7224:特開昭60-5807
4号公報、特開昭62-201589号公報)、プロモーターとし
て同上菌のMWP膜蛋白質のプロモーター(特公平-58950
号公報、特公平7-108224号公報)、ベクターとして図1
に示すpNU211R2L5(特開平7-170984号公報)を用いた発
現系で培地中に発現分泌されたものを使用した。
【0015】試験管内で、不正なジスルフィド結合を形
成したポリペプチド、またはジスルフィド結合を形成し
ていないポリペプチドから、正確に連結されたジスルフ
ィド結合を有するポリペプチドを取得する方法として、
本発明者らは、従来知られている方法に有機溶媒を添加
し、かつアルカリ性条件とすると共に、カオトロピック
作用のある物質および有機溶媒を含有する溶液に対して
透析を行いながら反応させることにより、正確に連結さ
れたジスルフィド結合を有するポリペプチドの形成効率
が従来の方法に比べて一層高まることを見出した。即
ち、不正なジスルフィド結合を形成したポリペプチド、
またはジスルフィド結合を形成していないポリペプチド
に、アルカリ性条件下において、ジスルフィド結合酸化
還元酵素および/または酸化還元剤(あるいは、-SHフ
リーラジカルを発生するメルカプタン)、カオトロピッ
ク作用のある物質、および有機溶媒が共存する環境を、
透析によって徐々に提供することにより、正確に連結さ
れたジスルフィド結合を有するポリペプチドの形成効率
を向上させることができた。
【0016】アルカリ性条件は緩衝作用のある物質を適
当な割合で混合することにより作製でき、その領域はpH
8-12であるが、好ましくはpH10-12である。緩衝作用の
ある物質としてはリン酸、トリス(Tris-(hydroxymethy
l)aminomethane)、ほう酸、グリシンなどがあるが、好
適にはトリスである。また、それらのイオン強度は5mM
- 500 mM 、好ましくは100 mMである。
【0017】ジスルフィド結合酸化還元酵素および/ま
たは酸化還元剤は、ポリペプチドのシステイン残基のジ
スルフィド結合の形成(酸化)ならびに開裂(還元)に
関与するものであり、例えばチオレドキシン(Vincent,
P. P. and Barrbara, J. S., Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 83, 7643-7647, 1986)、グルタチオン(新生化
学実験講座1タンパク質VI 合成および発現, 日本生化
学会編, pp186-187)、プロテインジスルフィドイソメ
ラーゼ(PDI)(Michelle M. L. and Hiram F. G., Bio
chemistry, 30, 613-619, 1991)、DsbA(曾根道夫, 伊
藤維昭, 蛋白質核酸酵素, 43, 1-10, 1998)、DsbC(曾
根道夫, 伊藤維昭, 蛋白質核酸酵素, 43,1-10, 1998)
などが挙げられ、これらを含む生物から抽出するか、あ
るいは、市販のものを用いることができる。ジスルフィ
ド結合酸化還元酵素および/または酸化還元剤は、不正
なジスルフィド結合を形成したポリペプチドに対しては
還元型と酸化型を併用することが好ましく、またジスル
フィド結合を形成していないポリペプチドに対しては酸
化型の使用が好ましい。本発明においては、還元型は1
〜100μM、好ましくは10μM、酸化型は10〜1000μM、好
ましくは100μMの濃度で用いる。ジスルフィド結合酸化
還元酵素および/または酸化還元剤は、好適にはチオレ
ドキシンである。還元型のチオレドキシンは、例えば適
当な還元剤による処理(50 mM トリス緩衝液(pH 8)、10
mM DTT溶液にて室温10分処理後、限外濾過法によりDTT
を除く)により取得することができる。
【0018】-SHフリーラジカルを生成するメルカプタ
ンは水溶性で少なくとも一つの-SH基を含む化合物を意
味し、例えばジチオトレイトール、ジチオエリスリトー
ル、2-メルカプトエタノール、システイン、メチルチオ
グリコトール、3-メルカプト-1、2-プロパンジオールお
よび3-メルカプトプロピオン酸を挙げることができ、特
に限定されるものではないが、好適にはシステインであ
る。本発明において使用されるメルカプタンは、0.1-30
mg/ml 、好ましくは3 mg/ml の濃度で用いる。
【0019】カオトロピック作用のある物質は水性溶液
中で水素結合を切断する化合物であり、例えば硫酸アン
モニウム、グアニジン塩酸塩、エチレンカーボネート、
チオシアネート、ジメチルスルホキシド、および尿素な
どが挙げられ、特に限定されるものではないが、好適に
は尿素である。カオトロピック作用のある物質は、本発
明の方法において0.8 - 3 M、好ましくは2.4 Mの濃度で
用いる。
【0020】有機溶媒としてはメタノール、エタノー
ル、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、特に限定する
ものではないが、メタノールが好ましい。本発明におい
て、有機溶媒は、10 - 30 %、好ましくは20%の濃度で用
いる。本発明において、上記以外の条件としては以下の
通りである。不正なジスルフィド結合を形成したポリペ
プチド、またはジスルフィド結合を形成していないポリ
ペプチドの濃度を0.05 〜 0.3 mg / ml、好ましくは0.
1 〜 0.2 mg / mlとすること、温度は0〜 50℃、好ま
しくは4 〜 25℃にすること、反応時間は1〜 8時
間、好ましくは1〜 4時間とすることが挙げられる。
【0021】正確に連結されたジスルフィド結合を有す
るポリペプチドの同定は、正確に連結されたジスルフィ
ド結合を有するポリペプチド標準品と比較しながら、様
々な分析学的な手法、例えば電気泳動、クロマトグラフ
ィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用い
て行われる。また、ペプチドマッピングにより直接にジ
スルフィド結合部位を決めることもできる。本発明の実
施態様においては、HPLC法を採用した。
【0022】このような方法により、不正なジスルフィ
ド結合を形成したポリペプチド、またはジスルフィド結
合を形成していないポリペプチドから、正確に連結され
たジスルフィド結合を有するポリペプチドを従来の方法
に比べてより効率よく取得することが可能である。従っ
て、この方法は、遺伝子組み換え技術により大量生産さ
れた生理活性ポリペプチドで、適正なジスルフィド結合
が形成されていないために生理活性がないものを、正確
なジスルフィド結合を形成させることによって活性を有
するポリペプチドに変換するのに有用な方法である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により、本発明について具体的
に説明するが、これら実施例により本発明が限定される
ものではない。 (実施例1) 不正なジスルフィド結合を有する、ある
いはジスルフィド結合を有しないヒトプロインスリンの
調製 不正なジスルフィド結合を有するヒトプロインスリン
は、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis) の発現系
(Methods in Enzymol., 217: 23-33, 1993)を利用し
て作製した。具体的には、本発明者らが先に出願した特
願平11-89488号に記載のように、ヒトプロインスリンを
含む融合蛋白質を以下のようにして構築し、それを発現
ベクターに組み込み同菌の47-5Q株(FERM P-7224、FERM
BP-1664:特開昭60-58074号公報、特開昭62-201589号公
報参照)に導入して発現させた。
【0024】融合蛋白質を作製するにあたっては、化学
合成した順方向ならびに逆方向オリゴヌクレオチドのア
ニーリングとPCR反応で増幅したDNA断片をDNA リガーゼ
を用いたライゲーション反応で連結する手法をとった。
MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linker-Met-Proinsulinをコード
するDNAは以下の手順に従って作製した。なお、MWPspは
バチルス属細菌の細胞壁蛋白質(CWP)の一つであるMWP
蛋白質のシグナルペプチドを、MWPmpは同蛋白質の成熟
蛋白質を意味する。
【0025】1. 融合蛋白質MWPsp-MWPmp10-(His)6-Link
er-Met-プロインスリンを組み込んだベクターの構築 (1)DNA断片MWPsp-MWPmp10の取得 a. 鋳型DNA バチルス・ブレビス(47-5Q株)より公知の方法(Molec
ular Cloning 2nd ed.,A Laboratory Manual, Cold Spr
ing Harbor Laboratory(1989))により抽出したゲノムD
NA 840 ng b. プライマー 順方向プライマー: 5' - GTCGTTAACAGTGTATTGCT - 3'
(配列番号1) 逆方向プライマー: 5' - TGGAGCTGTAGTAGTTGCTGCTTCTTC
TGC - 3'(配列番号2) Yamagata, H. ら(J. Bacteriol., 169, 1239-1245, 19
87)とTsuboi, A. ら(J. Bacteriol., 170, 935-945,
1988)により決定されたMWP蛋白質の塩基配列をもとに
有機化学合成し、最終濃度0.1 μMとなるように加え
た。 c. Taq DNA polymerase 市販の製品(GIBCO BRL 社製)5U加えた。 d. その他 Tris-HCl(最終濃度20 mM、pH 8)、MgCl2(最終濃度
2.5 mM)、dNTPs(dATP, dGTP, dCTP, dTTPがそれぞれ
最終濃度50μM) 上記a〜dを反応液量100μlとして0.5mlチューブに入れ
て公知の方法(Innis,M. A.ら、PCR Protocols, A guid
e to methods and applications、Academic Press、(19
90))でPCR反応(変性:94℃ - 1分、アニール:55℃
- 1分、DNA鎖伸長:72℃ - 1分を1サイクルとして25
回繰り返す)を行った。PCR反応終了後、反応液をフェ
ノールで濃縮してから0.8%のアガロースゲルにアプライ
して通常条件下で電気泳動を行い、ミリポア社のウルト
ラフリーC3HでアガロースゲルからPCR産物、即ち、DNA
断片MWPsp-MWPmp10を回収した。回収したPCR産物はフェ
ノール抽出後、エタノール沈殿して真空乾燥し、適量の
蒸留水に溶かして、平滑末端反応(宝酒造社のDNA blun
ting kitを使用し、方法は取扱説明書に準じた)を行っ
た。
【0026】(2)DNA断片(His)6の取得 遺伝暗号表(Molecular Cloning 2nd ed., A Laborator
y Manual, Cold Spring Harbor Laboratory(1989))に
従って(His)6をコードする順方向オリゴヌクレオチド5'
- CATCATCATCATCATCAC - 3'(配列番号3)、逆方向オ
リゴヌクレオチド5'- GTGATGATGATGATGATG - 3'(配列
番号4)を化学合成し、リン酸化反応(ニッポンジーン
社のT4 ポリヌクレオチドキナーゼを使用し、方法は取
扱説明書に準じた)の後、10 mM Tris-HCl (pH 8)、5 m
M MgCl2溶液中で95℃で35分間処理し、37℃で15分間
アニールさせた。アニールした二重鎖DNA断片(His)6
フェノール抽出後、エタノール沈殿して真空乾燥して適
量の蒸留水に溶かした。
【0027】(3)DNA断片Linkerの取得 遺伝暗号表(前述)に従ってLinker(Gly-Ser-Pro-Val-
Pro-Ser-Gly;配列番号5)をコードする順方向オリゴ
ヌクレオチド、5'- GGTTCTCCAGTACCTTCTGGA -3'(配列
番号6)、逆方向オリゴヌクレオチド、5'- TCCAGAAGGT
ACTGGAGAACC -3'(配列番号7)を化学合成し、(2)
の方法に従ってアニーリングを行い二重鎖DNA断片Linke
rを得た。
【0028】(4) DNA断片プロインスリンの取得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
した DNA断片プロインスリンを取得した。 ・鋳型DNAとして、ヒトプロインスリンDNAを組み込んだ
プラスミドベクター10ngを用いた。ヒトプロインスリン
DNAを組み込んだプラスミドベクターの取得は次のよう
にして行った。市販のヒト膵臓mRNA(CLONTECH社製)よ
りファルマシア社の1st strand cDNA synthesis kitを
用い、取扱説明書に従ってヒト膵臓cDNAを合成した。こ
のcDNAを鋳型として、Bell, G. I.ら(Nature, 282, 52
5-527, (1979))により決定されたヒトプロインスリン
遺伝子の塩基配列をもとに合成された順方向プライマー
(5'-ATGGCCCTGTGGATGCGCC-3';配列番号8)、逆方向
プライマー(5'-CTAGTTGCAGTAGTTCTCC-3';配列番号
9)を用いてPCR反応(条件:94℃ - 1分、60℃ - 1
分、72℃ - 1分を1サイクルとして35サイクル繰り返
す)-行い、得られたPCR産物、即ち、ヒトプロインスリ
ンDNAをpGEM-Tベクター(Promega社製)にクローニング
した。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - TTTGTGA
ACCAACACCTG - 3'(配列番号10)、逆方向プライマ
ー、5'-CTAGTTGCAGTAGTTCTCC-3'(配列番号9)を用い
た。 ・PCRの反応条件を(変性:94℃ - 1 分、アニール:53
℃ - 1 分、DNA鎖伸長:72℃ - 30秒を1サイクルとし
て25回繰り返す)とした。
【0029】(5)DNA断片Met-プロインスリンの取得 以下の点以外は(4)と同様な手順に従って平滑末端化
したDNA断片Met-プロインスリンを取得し、さらにリン
酸化反応(ニッポンジーン社のT4ポリヌクレオチドキナ
ーゼを使用し、方法は取扱説明書に準じた)を行い、リ
ン酸化したDNA断片Met-プロインスリンを得た。 ・ 鋳型DNAとして、(4)より得られたプロインスリン
PCR産物10 ngを用いた。 ・順方向プライマーとして、5' - ATGTTTGTGAACCAACACC
TG - 3'(配列番号11)を用いた。
【0030】(6)MWPsp- MWPmp10-(His)6融合DNAの取
得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
した融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6を取得した。 ・鋳型DNAとして、(1)で得られたDNA断片MWPsp-MWPm
p10と(2)で得られたDNA断片(His)6を適量ずつ混ぜて
宝酒造社のDNA ligation kitで16℃、30分間反応させた
ものを用いた。 ・逆方向プライマーとして、5' - GTGATGATGATGATGATG
- 3'(配列番号4)を用いた。 ・PCRの反応条件は(変性:94℃ - 1分、アニール:45
℃ - 1分、DNA鎖伸長:72℃ - 30秒を1サイクルとして
25回繰り返す)とした。
【0031】その後、ニッポンジーン社のT4ポリヌクレ
オチドキナーゼを用いて取扱説明書に従ってPCR産物の
リン酸化を行った。リン酸化したPCR産物は、宝酒造社
のDNAligation kitを用いて制限酵素Hinc IIでカットし
たベクター(STRATAGENE社製、Blue Script SK−)に組
み込み、公知の方法(Molecular Cloning 2nd ed., ALa
boratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory(198
9))に従って大腸菌DH5αを形質転換させ、形質転換体
からベクターであるプラスミドDNAを精製した。ベクタ
ーの塩基配列決定用順方向プライマー(M13 forward pr
imer)、あるいは逆方向プライマー(M13 reverse prim
er)を用いて塩基配列を決定してMWPsp-MWPmp10-(His)6
融合DNAができていることを確認した。次に、MWPsp-MWP
mp10-(His)6を組み込んだベクターを鋳型DNAとし、順方
向プライマー(5' - GTCGTTAACAGTGTATTGCT - 3';配列
番号1)と逆方向プライマー(5'- GTGATGATGATGATGATG
-3';配列番号4)を用いて上記と同様な方法で第2回
目のPCR反応を行い、平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MW
Pmp10-(His)6を取得した。
【0032】(7)MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linker融合D
NAの取得 以下の点以外は(6)と同様な手順に従って平滑末端化
した融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linkerを取得し
た。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、(6)で得られた
融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6と(3)で得られたDNA
断片Linkerを適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA ligation k
itで16℃、30分間反応させたものを 使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'- T
CCAGAAGGTACTGGAGAACC- 3'(配列番号7)を使用した。
【0033】(8)MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linker-Met-
プロインスリン融合DNAを組み込んだベクターの取得 以下の点以外は(6)と同様な手順に従ってMWPsp-MWP1
0-(His)6-Linker-Met-プロインスリンの融合体が組み込
まれたベクターを取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、(7)で得られた
融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linkerと(5)で得ら
れたDNA断片Met-プロインスリンを適量ずつ混ぜて宝酒
造社のDNA ligation kitで16℃で30分間反応させたもの
を使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'-CT
AGTTGCAGTAGTTCTCC-3'(配列番号9)を使用した。
【0034】2. プロインスリンの取得 上記(8)で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-
Linker-Met-プロインスリン(ヌクレオチド配列を配列
番号12に、アミノ酸配列を配列番号13に示す)を組
み込んだベクター(pPINS-1)を制限酵素ApaL IとHind
IIIで処理して0.8%アガロース電気泳動を行い、融合DNA
を含むDNA断片を切り出した。切り出した融合DNAと、Ap
aL IとHind IIIで切断したバチルス・ブレビス用発現ベ
クターpNU211R2L5(特開平5-304962号公報、図1参照)
を適量ずつ混ぜ、宝酒造社のDNAligation kitで16℃、3
0分間反応させることにより融合DNAを発現ベクターに組
み込んだ。以上のようにして、融合DNAを組み込んだ発
現ベクター、pNU-PINS-1を取得した(図1)。この発現
ベクターでバチルス・ブレビスの47-5Q株(FERMP-722
4、FERM BP-1664 :特開昭60-58074号公報、特開昭62-20
1589号公報参照)を公知の方法(Methods in Enzymol.,
217, 23, (1993))に従って形質転換してT2寒天培地
[ポリペプトン(1 %)、肉エキス(0.5 %)、酵母エキ
ス(0.2 %)、ウラシル(0.1 mg/ml)、グルコース(1
%)、エリスロマイシン(10 μg/ml)、寒天(1.5
%)、pH 7]に播いて、形質転換体を取得した。尚、発
現ベクターpNU-PINS-1をバチルス・ブレビスの47-5Q下
部に移入して得られた形質転換体は、工業技術院生命工
学工業技術研究所(茨城県つくば市東一丁目1の3)
に、ブダペスト条約下に受託番号FERM BP-6311として国
際寄託されている。
【0035】形質転換体はT2培地(T2寒天培地から寒天
を除いたもの)で37℃、1日培養してから公知の方法
(Molecular Cloning 2nd ed., A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Laboratory(1989))でプラスミドD
NAを精製し、ApaL IとHind IIIで処理して融合DNAが組
み込まれているのを確認した。融合DNAが組み込まれて
いることが確認できた形質転換体については、組み込ま
れた融合DNAでコードされる融合蛋白質の発現分泌を試
みた。即ち、T2培地で37℃で1日培養した菌懸濁液を1/
1000容の割合で5YC培地[ポリペプトン(3 %)、酵母エ
キス(0.2 %)、グルコース(3 %)、CaCl2・2H2O(0.0
1 %)、MgSO4・7H2O(0.01 %)、FeSO4・7H 2O(0.001
%)、MnSO4・4H2O(0.001 %)、ZnSO4・7H2O(0.0001
%)、グリシン(0.3 %)、エリスロマイシン(10 μg/m
l)、pH 7]に添加して30℃で4日間振とう培養した。
【0036】培養後、培地を20,000 rpm、20分間遠心し
て得られた培養上清を飽和硫安30%として塩析した。20,
000rpm、20分間の遠心の後、ペレットを適量の2 mMリン
酸ナトリウム緩衝液(pH 7)に溶かして同緩衝液に透析
した。透析後、溶液の緩衝液を20 mMリン酸ナトリウム
(pH 7)、150 mM NaClとして、ファルマシア社のキレ
ートカラムにアプライして300 mMイミダゾールを含む同
緩衝液で溶出することにより、他の夾雑蛋白質より融合
蛋白質のみを分離精製した。分離した融合蛋白質は上記
と同様に再度硫安による塩析、遠心による塩析物の回収
を行い、ペレットの塩析物は2 mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH 7)に溶かして同緩衝液に透析した。
【0037】次に、ぎ酸を最終濃度70%となるように添
加し、さらに臭化シアンを蛋白質のグラム重量相当する
分を加えて室温で一晩放置することにより、プロインス
リンを融合蛋白質から化学的に切断した。その後、2 mM
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7)に透析してから、再度
キレートカラムにアプライして60 mMのイミダゾールを
含む緩衝液でプロインスリンを溶出した。以上のように
して、配列番号14のアミノ酸配列を有する遺伝子組み換
えプロインスリンを製造した。
【0038】キレートカラムで溶出されたプロインスリ
ンをSepherdex 75pg Hiload 26/60(ファルマシア)に
アプライしてゲル濾過を行い、得られた高分子画分を公
知の方法(Laemmli U. K., Nature, 227, 680-685, 197
0)で電気泳動した結果を図2に示した。この結果から、
本サンプルが不正な分子間のジスルフィド結合により多
量体を形成していることが推測され、この高分子画分を
不正な分子間ジスルフィド結合をしたプロインスリンと
した。
【0039】(実施例2)多量体形成プロインスリンの
再構成 実施例1より得られた不正なジスルフィド結合をしてい
るヒトプロインスリン0.2mgをpH10で1mM EDTA
を含んだ100mMトリス緩衝液に溶解後、10μM還元型チ
オレドキシンおよび100μMチオレドキシンを添加し1m
L反応溶液とした。さらに、透析チューブ(Spectra/Po
r membrane MWCO: 3500, Spectrum)を用いて100mLの
pH8.5で2.4M尿素、20%メタノールを含んだ20mMトリ
ス緩衝液に対して25℃で透析を行った。透析開始後1、
4、8、24時間後、それぞれのサンプルを回収し、高圧液
体クロマトグラフィーカラム(HPLC)により正確にシス
テイン結合が連結したプロインスリンを分離し、その量
を算出した。具体的には、Symmetry300 C18 4.6 x 250
(5 μm)(Waters)を使用し、30-38%のアセトニトリル
で溶出した。正確にシステイン結合が連結したプロイン
スリンは、34%〜35%アセトニトリルで溶出した。
【0040】一方、対照として、B(プロインスリン0.
2mg、10μM還元型チオレドキシン、100μMチオレドキシ
ン、1mM EDTA、を含んだpH7.4の100mMトリス緩衝液1m
L。反応温度は25℃)とC(プロインスリン0.2mg、シス
テイン1mg、0.5M尿素を含んだpH10.8の100mMトリス緩衝
液1mL。反応温度は4℃)の実験を行った。図3に示すよ
うに、本発明の方法は、従来の方法であるB、Cに比べ
て、不正なジスルフィド結合をしているプロインスリン
の再構成に非常に有効であった。
【0041】<HPLCの条件> カラム:Symmetry300 C18 4.6 x 250 (5μm)(Waters) 勾 配:緩衝剤A:0.1%トリフルオロ酢酸(TFA) 緩衝剤B:アセトニトリル中0.1%TFA 温 度:35℃ 総ランニング時間:33分 前記勾配は相当するランニング時間後の次の緩衝剤B量
によって特徴づけられる:0分30%、5分30%、30分38
%、32分38%、33分90%。 流 速:1mL/分 検 出:220nm プロインスリンの保持時間:19分
【0042】(実施例3)pH条件の検討 実施例2と同様の方法において、反応液中(透析チュー
ブ内)のpHによる影響を調べた。反応温度は25℃で、24
時間反応させた。結果を図4に示すように、この実験よ
り、透析チューブ内はアルカリ性条件が好ましく、pHは
9以上、好ましくは10以上、最適には10であることが示
された。
【0043】(実施例4) 透析の効果 カオトロピック作用のある物質および有機溶媒を含有す
る溶液に対して透析を行ないながら反応させた場合と透
析を用いないで反応させた場合の再構成の効率を比較検
討した。透析の方法は実施例2と同様の方法によって行
った。すなわち、実施例1より得られた不正なジスルフ
ィド結合をしているヒトプロインスリン0.2mgをpH10
で1mM EDTAを含んだ100mMトリス緩衝液に溶解
後、10μM還元型チオレドキシンおよび100μMチオレド
キシンを添加し1mL反応溶液とした。さらに、透析チ
ューブ(Spectra/Por membrane MWCO: 3500, Spectru
m)を用いて100mLのpH8.5で2.4M尿素、20%メタノー
ルを含んだ20mMトリス緩衝液に対して25℃で透析を行
った。透析開始後1、4、8、24時間後、それぞれのサン
プルを回収し、高圧液体クロマトグラフィーカラム(HP
LC)により正確にシステイン結合が連結したプロインス
リンを分離し、その量を算出した(図5A)。
【0044】一方、実施例1で得られた不正なジスルフ
ィド結合をしているヒトプロインスリン0.2mgを次の3
種類の溶液にそれぞれ溶解した。B:10μM還元型チオ
レドキシン、100μMチオレドキシン、0.8M尿素、20%
メタノール、20mMトリス緩衝液、pH10.8の溶液1mL。
C:10μM還元型チオレドキシン、100μMチオレドキシ
ン、0.8M尿素、20%メタノール、20mMトリス緩衝液、p
H8.5の溶液1mL。D:10μM還元型チオレドキシン、10
0μMチオレドキシン、50mMトリス緩衝液、0.5mMEDTA、p
H10.8の溶液1mL。反応温度は25℃で行った。反応開始
後1、4、8、24時間後、それぞれのサンプルを回収し、H
PLCで分析した。その結果、図5に示すように、透析を
用いない場合においても、メタノールと尿素の存在下
(B、C)では、非存在下(D)と比較して正確に連結
したジスルフィド結合を有するヒトプロインスリンが多
く得られること、また反応溶液がよりアルカリ側である
pH10.8の場合(B)がpH8.5の場合(C)より効率が高
いことが示され、特にメタノールと尿素の存在によって
再構成時間が大幅に短縮した。しかし、最も効率のよい
条件(図5B)下であっても、透析を用いて再構成した
場合(図5A)と比較すると再構成の効率は約20%低
いものであった。更に、透析を行うことによって、短時
間(再構成開始後約1時間)で再構成の効率が最大に達
することが明らかになった。
【0045】(実施例5) 透析外液中の尿素とメタノ
ールの効果 実施例2と同様の方法で調製した反応溶液(不正なジス
ルフィド結合をしているヒトプロインスリン0.2mgをp
H10で1mM EDTAを含んだ100mMトリス緩衝液に溶
解後、10μM還元型チオレドキシンおよび100μMチオレ
ドキシンを添加した1mL反応溶液)を、次の4種類の溶
液に対して透析を行った。A:100mLのpH8.5の20mM
トリス緩衝液、B:100mLのpH8.5で20%メタノールを
含んだ20mMトリス緩衝液、C:100mLのpH8.5で0.8
M尿素を含んだ20mMトリス緩衝液、D:100mLのpH
8.5で0.8M尿素、20%メタノールを含んだ20mMトリス
緩衝液。反応温度は25℃で行った。反応開始後1、4、8
時間後、それぞれのサンプルを回収し、HPLCで分析し
た。図6に示されるように、透析外液中に尿素とメタノ
ールが存在することにより、不正なジスルフィド結合を
したヒトプロインスリンの再構成率が顕著に高まった。
【0046】(実施例6)還元型プロインスリンのチオ
レドキシンを用いた再構成 実施例1により得られた多量体形成ヒトプロインスリン
5 mgを含んだ溶液を凍結乾燥後、1 mlの還元反応液(0.
1M Tris-acetate pH8.0, 2 M EDTA, 6M グアニジン塩
酸, 0.14M DTT)に溶解した。さらに反応容器中の空気
を窒素置換後、25℃で一晩処理した。その後、ゲルろ過
カラム(HiTrap Desalting, Sephadex G25superfine,
アマシャムファルマシアバイオテク社)を用いて0.1M
リン酸緩衝液(pH7.5)に置換、窒素封入後分注し凍結
保存した。このようにして調製した還元型プロインスリ
ンをジスルフィド結合をしていないプロインスリンと
し、以下の実験に用いた。
【0047】再構成は、調製した反応液(還元型プロイ
ンスリン0.2mg/ml, 0.1M Tris-HCl,pH10.8, 1mM EDTA,
チオレドキシン1mg/ml)1mlを100mlの透析外液(0.8M尿
素,20mM Tris-HCl, pH8.5, 20%メタノール)に対して一
晩、25℃で透析することにより行った。その間、透析外
液は、1-2回交換した。反応終了後、反応液を回収しHPL
Cで解析した。その結果、図7に示すように、還元型プ
ロインスリンが再構成され、正確に連結したプロインス
リンが得られたことが示された。
【0048】(実施例7)還元型プロインスリンのシス
テインを用いた再構成 実施例6と同様の方法で調製した還元型プロインスリン
を含んだ反応溶液(0.25mg/ml)1mlに3mgのシステイン
(L-システイン, 関東化学)を加え、pHを10.5に調整
後、透析外液(0.8M尿素, 20mM Tris-HCl, pH8.3, 20%
メタノール)に対して一晩、4℃で透析した。その間、
透析外液は、1-2回交換した。反応終了後、HPLCにより
解析した。その結果、図8に示すように、還元型プロイ
ンスリンがシステイン、尿素、メタノール存在下で再構
成され、正確に連結したプロインスリンが得られたこと
が示された。
【0049】
【発明の効果】本発明により、不正なジスルフィド結合
を形成したポリペプチド、またはジスルフィド結合を形
成していないポリペプチドから、正確に連結したジスル
フィド結合を有するポリペプチドを、従来の方法に比べ
て効率よく、かつ短時間に取得することが可能になっ
た。
【0050】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> ITOHAM FOODS INC. <120> A method of producing polypeptides having correctly bonded disulfi de bond <130> P99-0359 <160> <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Bacillus brevis <300> <303> J. Bacteriol. <304> 169 <306> 1239-1245 <307> 1987 <400> 1 gtcgttaaca gtgtattgct 20 <210> 2 <211> 30 <212> DNA <213> Bacillus brevis <300> <303> J. Bacteriol. <304> 170 <306> 935-945 <307> 1988 <400> 2 tggagctgta gtagttgctg cttcttctgc 30 <210> 3 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a forward oligonucleotide encoding (His)6. <400> 3 catcatcatc atcatcac 18 <210> 4 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a reverse oligonucleotide encoding (His)6. <400> 4 gtgatgatga tgatgatg 18 <210> 5 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a linker useful for expression and secretion of a fu sion protein. <400> 5 Gly Ser Pro Val Pro Ser Gly 1 5 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a forward oligonucleotide encoding the linker Gly Se r Pro Val Pro Ser Gly. <400> 6 ggttctccag taccttctgg a 21 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a reverse oligonucleotide encoding the linker Gly Se r Pro Val Pro Ser Gly. <400> 7 tccagaaggt actggagaac c 21 <210> 8 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <300> <303> Nature <304> 282 <306> 525-527 <307> 1979 <400> 8 atggccctgt ggatgcgcc 19 <210> 9 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <300> <303> Nature <304> 282 <306> 525-527 <307> 1979 <400> 9 ctagttgcag tagttctcc 19 <210> 10 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a forward primer for PCR amplification of human proi nsulin DNA. <400> 10 tttgtgaacc aacacctg 18 <210> 11 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a forward oligonucleotide for PCR amplification of M et-Proinsulin DNA. <400> 11 atgtttgtga accaacacct g 21 <210> 12 <211> 390 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is a nucleotide sequence encoding MWPsp-MWPmp10-(His)6- Linker-Met-Proinsulin. <400> 12 gtcgttaaca gtgtattggc tagtgcactc gcacttactg ttgctccaat ggctttcgca 60 gcagaagaag cagcaactac tacagctcca catcatcatc atcatcacgg ttctccagta 120 ccttctggaa tgtttgtgaa ccaacacctg tgcggctcac acctggtgga agctctctac 180 ctagtgtgcg gggaaagagg cttcttctac acacccaaga cccgccggga ggcagaggac 240 ctgcaggtgg ggcaggtgga gctgggcggg ggccctggtg caggcagcct gcagcccttg 300 gccctggagg ggtccctgca gaagcgtggc attgtggaac aatgctgtac cagcatctgc 360 tccctctacc agctggagaa ctactgcaac 390 <210> 13 <211> 130 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Designated is an amino acid sequence of MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linke r-Met-Proinsulin. <400> 13 Val Val Asn Ser Val Leu Ala Ser Ala Leu Ala Leu Thr Val Ala Pro 1 5 10 15 Met Ala Phe Ala Ala Glu Glu Ala Ala Thr Thr Thr Ala Pro His His 20 25 30 His His His His Gly Ser Pro Val Pro Ser Gly Met Phe Val Asn Gln 35 40 45 His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly 50 55 60 Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Arg Glu Ala Glu Asp 65 70 75 80 Leu Gln Val Gly Gln Val Glu Leu Gly Gly Gly Pro Gly Ala Gly Ser 85 90 95 Leu Gln Pro Leu Ala Leu Glu Gly Ser Leu Gln Lys Arg Gly Ile Val 100 105 110 Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr 115 120 125 Cys Asn 130 <210> 14 <211> 86 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 14 Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr 1 5 10 15 Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr Arg Arg 20 25 30 Glu Ala Glu Asp Leu Gln Val Gly Gln Val Glu Leu Gly Gly Gly Pro 35 40 45 Gly Ala Gly Ser Leu Gln Pro Leu Ala Leu Glu Gly Ser Leu Gln Lys 50 55 60 Arg Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln 65 70 75 80 Leu Glu Asn Tyr Cys Asn 85
【0051】
【配列表フリーテキスト】配列番号3:(His)6をコー
ドする順方向オリゴヌクレオチドを示す。 配列番号4:(His)6をコードする逆方向オリゴヌクレ
オチドを示す。 配列番号5:融合蛋白の発現・分泌に有用なリンカーを
示す。 配列番号6:Gly-Ser-Pro-Val-Pro-Ser-Glyなるリンカ
ーをコードする順方向オリゴヌクレオチドを示す。 配列番号7:Gly-Ser-Pro-Val-Pro-Ser-Glyなるリンカ
ーをコードする逆方向オリゴヌクレオチドを示す。 配列番号10:ヒトプロインスリンDNAのPCR増幅用の順
方向プライマーを示す。 配列番号11:Met-プロインスリン DNAのPCR増幅用の
順方向オリゴヌクレオチドを示す。 配列番号12: MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linker-Met-プ
ロインスリンをコードする塩基配列を示す。 配列番号13: MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linker-Met-プ
ロインスリンのアミノ酸配列を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】融合DNAをバチルス・ブレビスの発現ベクターp
NU211R2L5に組み込む概略図を示す。
【図2】ゲル濾過カラムで分離精製した多量体形成ヒト
プロインスリンのSDSポリアクリルアミド電気泳動の結
果を示す。A:非還元型、B:還元型
【図3】変性プロインスリンの再構成による正確に連結
したシステイン結合を有するプロインスリン分子の形成
を経時的に示す。
【図4】正確に連結したジスルフィド結合を有するポリ
ペプチドの形成に対する反応液中のpHの影響を示す。
【図5】変性プロインスリンの再構成による正確に連結
したシステイン結合を有するプロインスリン分子の形成
を経時的に示す。A:尿素およびメタノールを含む溶液
に対して透析を行う系(pH 8.5)B:反応液中に尿素お
よびメタノールが含まれている系(透析せず、pH 10.
8)、C:反応液中に尿素およびメタノールが含まれて
いる系(透析せず、pH 8.5)、D:反応液中に尿素およ
びメタノールが含まれない系(透析せず、pH 10.8)。
【図6】透析による変性プロインスリンの再構成による
正確に連結したシステイン結合を有するプロインスリン
分子の形成を経時的に示す。A:透析外液中に尿素およ
びメタノールが含まれない系、B:透析外液中に尿素は
含まずメタノールを含む系(pH 8.5)、C:透析外液中
に尿素を含みメタノールを含まない系、D:透析外液中
に尿素およびメタノールが含まれている系。
【図7】還元型プロインスリンのチオレドキシンを用い
た再構成。反応開始前(A)と反応後(B)のHPLCのク
ロマトグラムを示す。カラム保持時間20分前後にみられ
るヒ゜ークが、正常に再構成したプロインスリンである。
【図8】還元型プロインスリンのシステインを用いた再
構成。反応開始前(A)と反応後(B)のHPLCのクロマ
トグラムを示す。カラム保持時間20分前後にみられるヒ゜
ークが、正常に再構成したプロインスリンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 静治 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2番 伊藤ハム株式会社中央研究所内 (72)発明者 工藤 季之 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2番 伊藤ハム株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4H045 AA20 BA10 BA21 BA32 FA70 FA74 GA06 GA10 GA15 GA22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不正なジスルフィド結合を有するポリペ
    プチド、またはジスルフィド結合ができていないポリペ
    プチドを、カオトロピック作用のある物質および有機溶
    媒を含有する溶液に対して透析を行いながら、アルカリ
    性条件下においてジスルフィド結合酸化還元酵素および
    /または酸化還元剤と反応させることを特徴とする、正
    確に連結したジスルフィド結合を有するポリペプチドの
    取得方法。
  2. 【請求項2】 不正なジスルフィド結合を有するポリペ
    プチド、またはジスルフィド結合ができていないポリペ
    プチドを、カオトロピック作用のある物質および有機溶
    媒を含有する溶液に対して透析を行いながら、アルカリ
    性条件下において-SHフリーラジカルを生成するメルカ
    プタンと反応させることを特徴とする、正確に連結した
    ジスルフィド結合を有するポリペプチドの取得方法。
  3. 【請求項3】 ジスルフィド結合酸化還元酵素および/
    または酸化還元剤がチオレドキシンである請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 -SHフリーラジカルを発生するメルカプ
    タンがシステインである請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 カオトロピック作用のある物質が尿素で
    ある請求項1または2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒がメタノールである請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 トリス緩衝液の存在下でアルカリ性条件
    とすることを特徴とする請求項1または2に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 不正なジスルフィド結合を有するポリペ
    プチド、またはジスルフィド結合ができていないポリペ
    プチドがヒトプロインスリンである請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011519369A (ja) * 2008-04-30 2011-07-07 ウォックハート リサーチ センター インシュリンの再折りたたみ方法
JP2015160825A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 学校法人東海大学 リラキシンの製造方法

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