JP2003000283A - 発現ベクターの構築方法及びそれを介した天然型外来ポリペプチドの製造方法 - Google Patents
発現ベクターの構築方法及びそれを介した天然型外来ポリペプチドの製造方法Info
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Abstract
可能にする微生物宿主−発現ベクター系、およびそれを
使用したポリペプチドの製造法を提供すること。 【解決手段】 バチルス属由来のプロモーター領域を含
有するDNA配列の3’末端に、バチルス属細菌の細胞壁
蛋白質(CWP)の一つであるMWPのシグナルペプチド配列
と、MWPのN末端からの1個以上のアミノ酸残基からなる
配列と、化学的または酵素的切断に使用される単一もし
くは複数のアミノ酸残基からなる配列と、および外来ポ
リペプチド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連結して
含む融合蛋白質をコードするDNA配列を連結して組み込
むことを特徴とする、発現ベクターの構築方法、このベ
クターを含むバチルス属細菌、ならびにこの細菌の培養
による有用ポリペプチドの製造方法。
Description
をコードするDNA、その発現を介する、医薬、研究分野
およびその他の産業で使用し得る生物学的活性を有する
有用ポリペプチドの製造への該DNAの使用に関する。
活性物質、診断用酵素、産業用酵素、研究用酵素などポ
リペプチドと称される物質はかつては生物体から抽出す
るのが定法であったが、低価格で純粋な物質を大量に取
得するのが困難であった。近年、遺伝子組換え技術によ
り微生物、動物、植物などの各種の生物からの細胞を使
用して純度の高い遺伝子組換え蛋白質またはポリペプチ
ドが低価格で大量に生産できるようになった。しかしな
がら、低価格で大量生産という意味では必ずしも完成の
域に到達しているとは言えず、更なる技術開発が行われ
ている。また、開発された大量生産系が遺伝子組換え技
術による全ての蛋白質またはポリペプチドの生産を可能
にしているわけではなく、個々の蛋白質に応じた生産系
が開発されているのが現状である。
を用いた遺伝子組換え蛋白質の発現系では、同微生物の
細胞壁蛋白質(CWP)のシグナルペプチドの直後に外来
蛋白質を融合させて発現させると、外来蛋白質はCWPシ
グナルペプチドから切り離されて天然型と同一のものが
培地中に分泌生産される(特許第2082727号、特開昭62
−201583号公報、Yamagata, H.ら, J. Bacteriol. 169,
1239−1245 (1987)、鵜高重三、日本農芸化学会誌61,
669-676 (1987)、Takao, M. ら, Appl. Microbiol. Bio
technol.30, 75-80 (1989)、Yamagata, H.ら , Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 86, 3589-3593 (1989))。この発
現系を用いてヒト上皮細胞増殖因子を発現させると、そ
の発現量が他の発現系に比べて10〜100倍であること、
発現された蛋白質は培地中に元の活性を保持した状態で
分泌されるために分離精製が容易であること、しばしば
大腸菌の発現系でみられるように不活性な蛋白質から活
性を有する蛋白質への変換のための煩雑な操作を必要と
しないことのために、遺伝子組換え蛋白質の大量生産系
として注目された。
蛋白質CWPのシグナルペプチドに連結されたあらゆる蛋
白質がヒト上皮細胞増殖因子(EGF)と同様に大量に発
現されなかったし、またシグナルペプチドから切断され
て培地中に分泌されなかった。これを解決する1つの手
段として、宮内ら(日本農芸化学大会要旨集67, 372,19
93)は、CWPの1つであるMWPのシグナルペプチドとヒラ
メ成長ホルモン蛋白質の間にMWP蛋白質のN末端のアミノ
酸17個(9および12個ではうまくいかない)を挿入し
た融合蛋白質をコードする遺伝子を作り、これをバチル
ス属細菌で発現することによって融合蛋白質を得たが、
しかし、このようにして得られた蛋白質はN末端にいく
つかのアミノ酸が付加された非天然型蛋白質として産生
された。しかも、宮内らの報告では、発現はMWPのN末端
のアミノ酸の数による影響を受けることが示唆される。
または酵素的切断部位を挿入して天然型と同一のアミノ
酸組成のポリペプチドを取得しようとする記載および示
唆はなく、このような切断自体、宮内らが報告したヒラ
メ成長ホルモンでは化学的または酵素的切断を受け易い
配列を含むため実際困難である。このような背景の中、
遺伝子組み換え蛋白質の高発現系の一つであるバチルス
属細菌の発現系で外来ポリペプチドの発現分泌を可能に
し、かつ、天然型と同一のポリペプチドを生産させる技
術の開発は産業上極めて有益である。
リペプチド配列を含む融合蛋白質をコードするDNAを含
有するバチルス属発現系であって、融合蛋白質を高度に
発現・分泌し、該融合蛋白質を選択的に切断して天然型
構造をもつ該ポリペプチドを与える上記発現系を提供す
ることである。
る。 (1) バチルス属由来のプロモーター領域を含有する
DNA配列の3’末端に、バチルス属細菌の細胞壁蛋白質
(CWP)の一つであるMWPのシグナルペプチド配列と、MW
PのN末端からの1個以上のアミノ酸残基からなる配列
と、化学的または酵素的切断に使用される単一もしくは
複数のアミノ酸残基からなる配列と、および外来ポリペ
プチド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連結して含む
融合蛋白質をコードするDNA配列を連結して組み込むこ
とを特徴とする、発現ベクターの構築方法。
(CWP)の一つであるMWPのシグナルペプチド配列と、MW
PのN末端からの1個以上のアミノ酸残基からなる配列
と、切断の結果成熟型ポリペプチドの産生に導くための
化学的または酵素的切断に使用される単一もしくは複数
のアミノ酸残基からなる配列と、外来ポリペプチド配列
とをこの順序で互いに直鎖状に連結して含む融合蛋白質
をコードするDNA配列を、バチルス属由来のプロモータ
ー領域を含有するDNA配列の3’末端に結合させてなるD
NAを含むベクターでバチルス属細菌を形質転換すること
を含む、天然型外来ペプチドを産生し得る形質転換され
たバチルス属細菌の作製方法。
有利な融合蛋白質をコードするDNA配列の決定方法であ
って、(a) バチルス属細菌の細胞壁蛋白質(CWP)
の一つであるMWPのシグナルペプチド配列と、MWPのN末
端からの1〜50から選択される数のアミノ酸残基から
なる配列と、切断の結果成熟型ポリペプチドの産生に導
くための化学的または酵素的切断に使用される単一もし
くは複数のアミノ酸残基からなる配列と、外来ポリペプ
チド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連結して含む融
合蛋白質をコードするDNA配列を、バチルス属由来のプ
ロモーター領域を含有するDNA配列の3’末端に結合さ
せてなるDNAを含むベクターでバチルス属細菌を形質転
換し、(b)該細菌を培地に培養して融合蛋白質を菌体
外に蓄積せしめ、(c)分泌された該融合蛋白質の発現
を検出し、そして(d)発現が認められた融合蛋白質を
コードするDNAを天然型外来ポリペプチドの発現に有利
な融合蛋白質をコードするDNA配列として決定する、こ
とを含む、上記方法。 (4) 天然型外来ポリペプチドの製造方法であって、
(a)上記(3)に記載の方法によって決定されたDNA
配列を含むベクターでバチルス属細菌を形質転換し、
(b)該細菌を培地に培養して融合蛋白質を菌体外に蓄
積せしめ、(c)該融合蛋白質から該ポリペプチドを化
学的または酵素的に切り出し、そして(d)該ポリペプ
チドを回収する、ことを含む、上記方法。
おいて、本発明は、バチルス属細菌の細胞壁蛋白質(CW
P)のN末端の1個以上のアミノ酸残基からなる配列と、
化学的または酵素的切断に使用される単一もしくは複数
のアミノ酸残基からなる配列と、および外来ポリペプチ
ド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連結して含む融合
蛋白質をコードするDNA配列を、バチルス属由来のプロ
モーター領域を含有するDNA配列の3' 末端に結合させ
てなるDNAを提供する。
の)N末端からの1個以上のアミノ酸残基」とは、1番目
として番号付けされる(細胞壁蛋白質の)N末端アミノ
酸からの1個以上のアミノ酸からなる配列を意味し、た
とえば3アミノ酸残基からなる配列は細胞壁蛋白質の1
番目から3番目までのアミノ酸配列を指す。融合蛋白質
は、そのN末端にバチルスCWPシグナルペプチド配列をさ
らに含むことができる。また、分離精製用のタグとして
使用される複数のアミノ酸残基からなる配列、および/
または、リンカーとして使用される複数のアミノ酸残基
からなる配列を含むこともできる。
菌はバチルス・ブレビスである。化学的切断に使用され
る単一のアミノ酸残基としてメチオニンを例示すること
ができるが、この場合、化学的切断反応においてたとえ
ば臭化シアンを用いて最も高い特異性が達成され得るよ
うに、融合蛋白質は追加のメチオニン残基を含んでいて
はいけない。一方、酵素的切断に使用されるアミノ酸残
基からなる配列は、TEVプロテアーゼ、V8プロテアーゼ
などのプロテアーゼで切断可能な配列を含むことができ
る。
合蛋白質は、CWPの一つであるMWP蛋白質のN末端からの1
個以上のアミノ酸残基からなる配列と、分離精製用タグ
としての6個のヒスチジン残基からなる配列と、リンカ
ーとしてのアミノ酸配列GlySerProValProSerGly(配列
番号1)と、目的ポリペプチドを化学的に切り出すのに
必要とされるメチオニン残基と、およびアミノ酸配列中
にメチオニンを含まないポリペプチド配列とをこの順序
で互いに直鎖状に連結したものからなる。この例では、
融合蛋白質はそのN末端にMWPシグナルペプチド配列を含
んでもよい。また、ポリペプチドの具体例はヒトプロイ
ンスリンである。さらに、MWP蛋白質のN末端からの1個
以上のアミノ酸残基からなる配列は、好ましくは6,7,
8,10,11,12,13,14,15,17,20または50個のアミ
ノ酸を含むことができる。
合蛋白質は、CWP蛋白質の一つであるMWP蛋白質のN末端
からの10または20個のアミノ酸残基からなる配列と、分
離精製用タグとしての6個のヒスチジン残基からなる配
列と、リンカーとしてのヒト上皮細胞増殖因子配列と、
目的ポリペプチドをTEVプロテアーゼにより切り出すた
めに必要とされるアミノ酸配列AspTyrAspIleProThrThrG
luAsnLeuTyrPheGln(配列番号2)と、アミノ酸配列中
にTEVプロテアーゼ認識配列を含まずかつN末端がグリシ
ンかセリンであるポリペプチド配列とをこの順序で互い
に直鎖状に連結したものからなる。
末端にMWPシグナルペプチド配列を含んでもよい。ポリ
ペプチドとしてヒトソマトスタチン28が例示され得る。
本発明の第3の好適実施態様において、融合蛋白質は、C
WP蛋白質の一つであるMWP蛋白質のN末端からの20個のア
ミノ酸残基からなる配列と、分離精製用タグとしての6
個のヒスチジン残基からなる配列と、リンカーとしての
アミノ酸配列GlySerProValProSerGly(配列番号
1)と、目的ポリペプチドをV8プロテアーゼにより切り
出すために必要とされるアミノ酸配列PheLeuGluと、お
よびアミノ酸配列中にグルタミン酸を含まないポリペプ
チド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連結されたもの
からなる。
そのN末端にMWPシグナルペプチド配列を含むことができ
る。また、ヒトグルカゴンがポリペプチドとして有用で
ある。本発明はまた、別の態様において、バチルス属細
菌のCWPシグナルペプチド配列と、酵素的切断に使用さ
れる複数のアミノ酸残基からなる配列と、および外来ポ
リペプチド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連結して
含む融合蛋白質をコードするDNA配列を、バチルス属由
来のプロモーター領域を含有するDNA配列の3' 末端
に結合させてなるDNAを提供する。この発明において、
シグナルペプチド配列の直後に、CWP蛋白質のN末端か
らの1個以上アミノ酸残基からなる配列を存在させるこ
とも可能である。好適なバチルス属細菌として、バチル
ス・ブレビスが例示できる。
使用される複数のアミノ酸残基からなる配列は、プロテ
アーゼにより切断可能である配列を含む。本発明の別の
実施態様において、融合蛋白質は、CWPの一つであるMWP
のシグナルペプチド配列と、目的ポリペプチドをTEVプ
ロテアーゼにより切り出すために必要とされるアミノ酸
配列AspTyrAspIleProThrThrGluAsnLeuTyrPheGln(配列
番号2)と、およびアミノ酸配列中にTEVプロテアーゼ
認識配列を含まないポリペプチド配列とをこの順序で互
いに直鎖状に連結したものからなる。この例では、シグ
ナルペプチド配列の直後に、MWP蛋白質のN末端からの
1個以上のアミノ酸残基からなる配列を存在させること
も可能である。ポリペプチドとして、N末端にGlyまた
はSerをもつ変異型ヒト成長ホルモンを例示できる。
各々を含むベクターを提供する。該ベクターにおいて
は、目的の融合蛋白質をコードするDNAの転写系を作動
可能とするように、該DNAは少なくともプロモーター配
列を含む調節配列の制御下に置かれる。本発明はさらに
また、上記ベクターで形質転換されたバチルス属に属す
る細菌を提供する。好適な細菌はバチルス・ブレビスで
ある。本発明は、他の態様において、上記定義の細菌を
培地に培養し、外来ポリペプチド配列を含む融合蛋白質
を菌体外に蓄積せしめ、該培地から該融合蛋白質を取り
出し、該取り出された融合蛋白質から該ポリペプチドを
切り出し、該ポリペプチドを回収することを含む、組換
えポリペプチドの製造方法を提供する。
をバチルス属細菌で発現させて得られる融合蛋白質を化
学的または酵素的に処理することによって、所望の天然
型一次構造を有するポリペプチドを得ることができる。
以上のアミノ酸残基としては、以下のものに限定されな
いが、たとえばバチルス・ブレビス株、47−5Q(FER
M P-7224、FERM BP-1664:特開昭60−58074号公報、特開
昭62−201589号公報)、HPD31(FERM BP-1087:特開平4
−278091号公報)等に由来のものを用いることができ
る。たとえば、以下に例示する配列を用いることができ
る(括弧内は引用した文献である): MWPmp10: AlaGluGluAlaAlaThrThrThrAlaPro(配列番号
3;J.Bacteriol.,169:1239-1245,1987) OWPmp10: AlaProLysAspGlyIleTyrIleGlyGly (配列番号
4;J.Bacteriol.,170:176-186,1988) HWPmp10: AlaGluAspThrThrThrAlaProLysMet (配列番号
5;J.Bacteriol.,172:1312-1320,1990) N末端からのアミノ酸の残基数は、通常1個以上、好まし
くは 6個以上、より好ましくは6、7、8、10、1
1、12、13、14、15、17、20、50個であ
る。
ノ酸残基としては、化学的切断の例として、たとえば、
メチオニンのC末端側を選択的に切断する例(J.Biol.Ch
em.,237:1856-1860,1962)やトリプトファンのC末端側
で選択的に切断する例(Methods in Enzymol.,91:318-3
24,1983)を挙げることができる。また、酵素的切断の
ための酵素例として、たとえば、V8プロテアーゼ、TEV
プロテアーゼに加えてファクターXa、トロンビン、エン
テロキナーゼ等を挙げることができ、これらによって融
合部位を選択的に切断することができる。このような化
学的あるいは酵素的切断に使用されるアミノ酸配列を目
的のポリペプチドのN末端側に配置することによって、
その後の化学的または酵素的切断操作によって所望の一
次構造をもつ目的のポリペプチドに導くことができる。
記の化学的または酵素的切断操作の影響をまったく受け
ないものであれば生物の起源を問わずいずれの蛋白質で
もよい。具体的には、化学的切断法特に臭化シアンによ
る化学的切断法が用いられる場合、目的の外来ポリペプ
チドの一次構造(またはアミノ酸組成)中にメチオニン
残基が含まれてはいけない。そのようなポリペプチドの
例として、ヒトプロインスリン、ヒト血小板由来成長因
子A鎖(PDGF-A)、ヒトセクレチン等を挙げることがで
きるが、これらに限定されない。また、酵素的切断法と
して特にTEVプロテアーゼが用いられる場合、天然型と
同一のポリペプチドを得るためには、外来ポリペプチド
のN末端側がGlyかSerである必要がある。そのような外
来ポリペプチドとして、ヒトソマトスタチン28、ヒト
血小板由来成長因子A鎖(PDGF-A)、ヒト神経成長因子
(NGF)等を例示することができる。但し、N末端にGly
やSerが付加されても蛋白質の機能に影響を及ぼさない
場合は他の蛋白質も用いることができる。また、V8プロ
テアーゼが用いられる場合、外来ポリペプチドにGluを
含んではいけない。そのようなポリペプチドの例とし
て、ヒトグルカゴン、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチ
ド、ヒトカルシトニン等を挙げることができる。
蛋白質のN末端にバチルス属CWPシグナルペプチド、特に
MWPシグナルペプチド、をコードするヌクレオチドを含
むことができる。本発明のDNAはさらに、分離精製用の
タグとして使用される複数のアミノ酸をコードするヌク
レオチド配列および/またはリンカーと呼ばれる複数の
アミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列をさらに含
むことができる。
組換え法による発現で得られる融合蛋白質の単離を容易
にするためのペプチドを意味する。タグとしては、タグ
とタグに結合可能な物質との間の結合が可逆的であるも
のが好ましく使用できる。タグの例として、たとえば、
グルタチオンに親和性があるグルタチオンS−トランス
フェラーゼ、アミロースに親和性があるマルトース結合
プロテイン、メタルに親和性があるヒスチジンが複数連
結したもの、抗原または抗体を挙げることができる。本
発明の好適実施態様によれば、そのようなタグは HisHi
sHisHisHisHis(配列番号61)[すなわち、(Hi
s)6]である。
機能ドメインの間に存在しており、それぞれのドメイン
の機能に影響を及ぼすことなくドメインを連結する働き
がある。本発明では、分離・精製用のタグと外来ポリペ
プチドとの間に配置されているが、それらは分離・精製
用のタグが挿入された融合蛋白質の発現分泌を導くのに
役立っている。そのようなリンカーとしては、一般には
Ala,Gly,Pro,Ser,Valが適当数、適当な組み合わせで並
列されたものを用いることができる。好適実施態様によ
れば、そのようなリンカーはGlySerProValProSerGly
(配列番号1)である。したがって、分離・精製用のタ
グを挿入しない場合は、そのようなリンカーは必須では
ない。一方、外来ポリペプチドのソマトスタチン28の
融合蛋白質の例のように、EGFのような特殊なリンカー
が外来ポリペプチドの発現分泌に必須になってくる場合
もある。
である MWP蛋白質のN末端から1個以上、好ましくは6〜
50(但し、9は除く)個、特に6,7,8,10,11,12,13,
14,15,17,20または50個のアミノ酸残基からなる配列
(以下、MWPmp6、MWPmp7、MWPmp8、MWPmp10、などと称
する)と、分離精製用タグとしての6個のヒスチジン残
基からなる配列[本明細書中(His)6と表示する]と、
リンカーとしての7個のアミノ酸残基からなる配列GlyS
erProValProSerGly(配列番号1)と、目的ポリペプチ
ドを化学的に切り出すのに必要とされるメチオニン残基
と、アミノ酸配列中にメチオニンを含まないポリペプチ
ド配列とがこの順序で互いに直鎖状に連結された融合蛋
白質をコードするDNA配列を、バチルス属由来のプロモ
ーター領域を含有するDNA配列の3' 末端に結合してな
るDNAを提供する。この場合のポリぺプチドの例はヒト
プロインスリンである。また、分離精製用タグおよびリ
ンカーは必ずしも必要でない。融合蛋白質はさらに、そ
のN末端にMWPシグナルペプチド配列を含むことができ
る。
白質の一つであるMWP蛋白質のN末端からの1個以上、好
ましくは6〜50(但し、9は除く)個、特に10または20個
のアミノ酸残基からなる配列と、分離精製用タグとして
6個のヒスチジン残基からなる配列と、リンカーとして
のヒト上皮細胞増殖因子配列と、目的ポリペプチドをTE
Vプロテアーゼにより切り出すために必要とされるアミ
ノ酸配列AspTyrAspIleProThrThrGluAsnLeuTyrPheGln
(配列番号2)と、およびアミノ酸配列中にTEVプロテ
アーゼ認識配列を含まずかつN末端がグリシンかセリン
であるポリペプチド配列とがこの順序で互いに直鎖状に
連結された融合蛋白質をコードするDNA配列を、バチル
ス属由来のプロモーター領域を含有するDNA配列の3'
末端に結合させてなるDNAを提供する。この場合のポリ
ぺプチドの例はヒトソマトスタチン28である。融合蛋白
質はさらに、そのN末端にMWPシグナルペプチド配列を含
むことができる。
CWP蛋白質の一つであるMWP蛋白質のN末端からの1個以
上、好ましくは6〜50(但し、9は除く)個、特に20個の
アミノ酸残基からなる配列と、分離精製用タグとしての
6個のヒスチジン残基からなる配列と、リンカーとして
のアミノ酸配列GlySerProValProSerGlyと、目的ポリペ
プチドをV8プロテアーゼにより切り出すために必要とさ
れるアミノ酸配列PheLeuGluと、アミノ酸配列中にグル
タミン酸を含まないポリペプチド配列とがこの順序で互
いに直鎖状に連結された融合蛋白質をコードするDNA配
列を、バチルス属由来のプロモーター領域を含有するDN
A配列の3' 末端に結合させてなるDNAを提供する。ポリ
ぺプチドの例はヒトグルカゴンである。融合蛋白質はさ
らに、そのN末端にMWPシグナルペプチドを含むことがで
きる。
ス属細菌のCWPシグナルペプチド配列と、酵素的切断に
使用される複数のアミノ酸残基からなる配列と、および
外来ポリペプチド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連
結して含む融合蛋白質をコードするDNAを、バチルス属
由来のプロモーター領域を含有するDNAの3' 末端に
結合させてなるDNAを提供する。シグナルペプチド配列
の直後に、CWP蛋白質のN末端からの1個以上のアミノ
酸残基からなる配列が存在してもよい。また酵素的切断
のための配列は、ファクターXa、トロンビン、エンテロ
キナーゼ、V8プロテアーゼまたはTEVプロテアーゼなど
のプロテアーゼに感受性であり得る。
は、CWPの一つであるMWPのシグナルペプチド配列と、目
的ポリペプチドをTEVプロテアーゼにより切り出すため
に必要とされるアミノ酸配列AspTyrAspIleProThrThrGlu
AsnLeuTyrPheGln(配列番号2)と、およびアミノ酸配
列中にTEVプロテアーゼ認識配列を含まないポリペプチ
ド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連結したものから
なる。
に、MWP蛋白質のN末端からの1個以上のアミノ酸残基
からなる配列が存在していてもよい。もしMWP蛋白質のN
末端からの1個以上のアミノ酸残基からなる配列が融合
蛋白質の中に含まれる場合には、その配列は好ましく
は、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,20
または30個のアミノ酸を含むことができる。ポリペプチ
ドの例は、N末端にGlyまたはSerをもつ変異型ヒト成長
ホルモンである。
ードするヌクレオチド配列はバチルス属由来のプロモー
ター領域を含有するヌクレオチド配列の3’末端に結合
される。使用し得るプロモーターとしては、バチルス・
ブレビス47−5Q株由来のMWPプロモーター(特公平1−58
950号公報、特公平7−108224号公報)、バチルス・ブレ
ビスHPD31株由来のHWPプロモーター(特開平4−278091号
公報、特開平6−133782号公報)等を挙げることができる
が、これらに限定されない。
み合わせて作製することができる。たとえば、構成要素
の各DNA配列を化学的合成法またはクローニング法によ
って個々に調製し、これら構成要素をリガーゼを用いて
順次連結し、PCR増幅法を組み合わせて目的のDNAを作製
することができる。具体的には実施例を参照することに
よってその詳細が理解されるが、個々の技術として、Ma
niatis、T.ら、Molecular Cloning 2nd ed., A Labora
tory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (198
9)、Innis, M.A.ら, PCR Protocols, A guide to metho
ds and applications, Academic Press (1990)、等に記
載の一般的技術が使用可能である。
常のDNAクローニング法を使用して得ることができる。
たとえば、外来蛋白質を精製し、その蛋白質に特徴的な
アミノ酸配列を部分的に決定し、決定された配列に基づ
いてプローブを合成するか、または精製蛋白質に対する
抗体を調製して、これらプローブまたは抗体を用いて目
的のcDNAを含有するcDNAライブラリーをスクリーニン
グして目的のポリペプチドをコードするDNAを得ること
ができる。短鎖DNAは、市販のDNAシンセサイザーを用い
てたとえばホスホアミダイト化学により合成することが
できる。DNAはさらに必要により一般的なポリメラーゼ
連鎖反応(PCR)によって増幅することができ、この場
合、DNAの変性、プライマーとのアニーリング、および
伸長反応を1サイクルとして20サイクル以上繰り返
す。
ベクターを提供する。使用可能なベクターは、本発明の
DNAを組み込むことのできる適当な挿入部位すなわち制
限酵素部位を有していること、該DNAをバチルス属宿主
細胞内で発現可能であること、さらに該宿主細胞内で自
律的に複製可能であること、等の性質を少なくとも有し
ている必要がある。ベクターは複製開始点、ターミネー
ター配列、リボソーム結合部位等を適宜含むことがで
き、さらに薬剤耐性遺伝子、栄養要求性を相補する遺伝
子等の選択マーカーを含んでもよい。好ましくは、本発
明のベクターはプラスミドである。ベクターは、以下の
ものに限定されないが、たとえば、pNU200、 pHY500(P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,86:3589−3593,1989)、pHY4831
(J.Bacteriol.,169:1239-1245,1987)、pNU100(Appl.Mi
crobiol.Biotechnol.,30:75-80,1989) 、pNU211(J.Bio
chem.,112:488-491,1992)、pNU211R2L5(特開平7−1709
84号公報)、pHY700(特開平4−278091号公報)、pHT21
0(特開平6−133782号公報)、pHT110R2L5(Appl.Microb
iol.Biotechnol.,42:358-363,1994)が使用可能である。
本発明の具体例では、図5、図18に示すような構築法
で発現ベクター(pNU-PINS-1、pNU-PINS-2、pNU-ST
N、pNU-GCNおよびpNU-G〜GH)を作製することができ
る。
で形質転換されたバチルス属細菌を提供する。宿主とし
てのバチルス属細菌としては、以下のものに限定されな
いが、たとえばバチルス・ブレビス株、47−5Q(FER
M P-7224、FERM BP-1664:特開昭60−58074号公報、特
開昭62−201589号公報)、47K(特開平2−257876号公
報)、31 OK(特開平6−296485号公報)およびHPD31(F
ERM BP-1087;特開平4−278091号公報)等を挙げること
ができる。発現ベクターpNU-PINS-1、pNU-PINS-2、p
NU-STNおよびpNU-GCNをそれぞれバチルス・ブレビス4
7−5Q株に移入して得られた組換え細菌は、平成10
年3月30日付で通産省工業技術院生命工学工業技術研究
所(茨城県つくば市東一丁目1の3)に、ブダペスト条
約下にそれぞれ受託番号FERM BP−6311、FERM BP−631
2、FERM BP−6313、FERM BP−6314で国際寄託された。
コンピテントなバチルス属細菌に移入し、発現可能な条
件下適切な培地にて該細菌を培養して目的の組換え融合
ポリペプチドを菌体外または菌体内、好ましくは菌体外
に産生し、常法によりポリペプチドを回収し精製する。
移入方法としては、エレクトロポレーション(Methods
in Enzymol.,217:23−33,1993)などを例示すること
ができる。また、融合ポリペプチドの精製は、たとえば
ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラ
フィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性相互
作用クロマトグラフィー、電気泳動、等電点電気泳動、
等の方法を適切に組合わせて実施することができる。
学的または酵素的切断処理にかけて、天然型の一次構造
をもつ目的のポリペプチドを得ることができる。切断処
理については前述の方法、即ち、メチオニンやトリプト
ファンのC末端側を化学的に切断する方法、また、ファ
クターXa、トロンビン、エンテロキナーゼ、V8プロテア
ーゼ、TEVプロテアーゼ等による酵素的切断を用いるこ
とができる。
に形質転換されたバチルス属細菌を培地に培養し、菌体
外に外来ポリペプチド配列を含む融合蛋白質を蓄積せし
め、採取された融合蛋白質を切断し、外来ポリペプチド
を得ることを含む、組換えポリペプチドの製造方法を提
供する。本発明の方法によって製造される組換えポリペ
プチドは、医薬用、診断用、研究用、等に有用である。
るが、これら実施例により本発明が限定されるものでは
ない。
あたっては、化学合成した順方向および逆方向オリゴヌ
クレオチドのアニーリング、並びにPCR(polymerase ch
ainreaction)で増幅したDNA断片をDNAリガーゼを用い
たライゲーション反応で連結する手法をとった。本文
中、MWPspはMWP蛋白質のシグナルペプチドを意味し、MW
Pmp1, 2, 3, ・・・はMWP成熟蛋白質のN末端から順に
数えたアミノ酸の数が1、2、3、・・・個であること
を意味する。
を組み込んだベクター(pPINS-1)の構築 (1)DNA断片MWPsp-MWPmp10の取得 a.鋳型DNA バチルス・ブレビス(47-5Q株)より公知の方法(Molec
ular Cloning 2nd ed., A Laboratory Manual, Cold
Spring Harbor Laboratoryf(1989))により抽出したゲ
ノムDNA 840 ng
(配列番号6) 逆方向プライマー: 5' - TGGAGCTGTAGTAGTTGCTGCTTCTTC
TGC - 3'(配列番号7) Yamagata, H.ら(J. Bacteriol.,169, 1239-1245, 198
7)とTsuboi, A.ら(J.Bacteriol.,170, 935-945, 198
8)により決定されたMWP蛋白質の塩基配列をもとに有機
化学合成し、最終濃度0.1 μMとなるように加えた。 c. Taq DNA polymerase 市販の製品(GIBCO BRL社製)5U加えた。 d.その他 Tris-HCl(最終濃度20 mM、pH 8)、MgCl2(最終濃度
2.5 mM)、dNTPs(dATP, dGTP, dCTP, dTTP がそれぞ
れ最終濃50μM)を加えた。
ブに入れて公知の方法(Innis, M. A.ら、PCR Protocol
s, A guide to methods and applications、Academic P
ress、(1990))でPCR反応(変性温度:94℃ - 1 min、
アニール温度:55℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ -
1 minを1サイクルとして30回繰り返す)を行った。PCR
反応終了後、反応液をフェノールで濃縮してから0.8%の
アガロースゲルにアプライして通常条件下で電気泳動を
行い、ミリポア社のウルトラフリーC3Hでアガロースゲ
ルからPCR産物、即ち、DNA断片MWPsp-MWPmp10を回収し
た。回収したPCR産物はフェノール処理後、エタノール
沈殿して真空乾燥し、適量の蒸留水に溶かして、平滑末
端反応を宝酒造社のDNA blunting kitを使用し、方法は
取り扱い説明書に準じて行った。
y Manual, Cold Spring Harbor Laboratoryf(1989))に
従って(His)6をコードする順方向オリゴヌクレオチド5'
- CATCATCATCATCATCAC - 3'(配列番号8)、逆方向オ
リゴヌクレオチド5'- GTGATGATGATGATGATG - 3'(配列
番号9)を化学合成し、リン酸化反応をニッポンジーン
社のT4 polynucleotide kinaseを使用し、方法は取り扱
い説明書に準じて行った後、10 mM Tris-HCl (pH 8), 5
mM MgCl2溶液中で95℃5 min処理し、37℃15 minでア
ニールさせた。アニールした二重鎖DNA断片(His)6をフ
ェノール処理後、エタノール沈殿して真空乾燥して適量
の蒸留水に溶かした。
rGly(配列番号1)をコードする順方向オリゴヌクレオ
チド5'- GGTTCTCCAGTACCTTCTGGA - 3'(配列番号5
3)、逆方向オリゴヌクレオチド5'- TCCAGAAGGTACTGGA
GAACC - 3'(配列番号10)を化学合成し、(2)の方
法に従ってアニーリングを行い二重鎖DNA断片Linkerを
得た。
した DNA断片Proinsulinを取得した。 ・鋳型DNAとして、ヒトプロインスリンDNAを組み込んだ
プラスミドベクター10ngを用いた。ヒトプロインスリン
DNAを組み込んだプラスミドベクターの取得は次のよう
にして行った。市販のヒト膵臓mRNA(CLONTECH社製)よ
りファルマシア社の1st strand cDNA synthesis kitを
用い、取り扱い説明書に従ってヒト膵臓cDNAを合成し
た。このcDNAを鋳型として、Bell, G. I.ら(Nature, 2
82, 525-527, (1979))により決定されたヒトプロイン
スリン遺伝子の塩基配列をもとに合成された順方向プラ
イマー5'-ATGGCCCTGTGGATGCGCC-3'(配列番号11)、
逆方向プライマー5'-CTAGTTGCAGTAGTTCTCC-3'(配列番
号12)を用いてPCR反応(条件:94℃ - 1 min, 60℃
- 1 min, 72℃ - 1minを1サイクルとして35サイクル繰
り返す)を行い、得られたPCR産物、即ち、ヒトプロイ
ンスリンDNAをpGEM-Tベクター(Promega社製)にクロー
ニングした。
- TTTGTGAACCAACACCTG - 3'(配列番号13)、逆方向
プライマー5'-CTAGTTGCAGTAGTTCTCC-3'(配列番号1
2)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:53℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
したDNA断片Met-Proinsulinを取得し、さらにリン酸化
反応(ニッポンジーン社のT4 polynucleotidekinaseを
使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン
酸化したDNA断片Met-Proinsulinを得た。 ・鋳型DNAとして、(4)より得られたProinsulin PCR
産物10 ngを用いた。 ・順方向プライマーとして、5' - ATGTTTGTGAACCAACACC
TG - 3'(配列番号54)を用いた。
得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
した融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6を取得した。 ・鋳型DNAとして、(1)で得られたDNA断片MWPsp-MWPm
p10と(2)で得られたDNA断片(His)6を適量ずつ混ぜて
宝酒造社のDNA ligation kitで16℃、30分反応させたも
のを用いた。 ・逆方向プライマーとして、5' - GTGATGATGATGATGATG
- 3'(配列番号9)を用いた。 ・PCRの反応条件(変性温度:94℃ - 1 min、アニール
温度:45℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ -30 secを
1サイクルとして25回繰り返す)とした。
otide kinaseを用いて取り扱い説明書に従ってPCR産物
のリン酸化を行った。リン酸化したPCR産物は、宝酒造
社のDNA ligation kitを用いて制限酵素Hinc IIでカッ
トしたベクター(STRATAGENE社製、Blue Script SKー)
に組み込み、公知の方法(Molecular Cloning 2nd ed.,
A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory
(1989))に従って大腸菌DH5αを形質転換させ、形質転
換体からベクターであるプラスミドDNAを精製した。ベ
クターの塩基配列決定用順方向プライマー(M13 forwar
d primer)、あるいは逆方向プライマー(M13 reverse
preimer)を用いて塩基配列を決定してMWPsp-MWPmp10-
(His)6融合DNAができていることを確認した。次に、MWP
sp-MWPmp10-(His)6を組み込んだベクターを鋳型DNAと
し、順方向プライマー5' - GTCGTTAACAGTGTATTGCT - 3'
(配列番号6)と逆方向プライマー5'- GTGATGATGATGAT
GATG -3'(配列番号9)を用いて上記と同様な方法で第
2回目のPCR反応を行い、平滑末端化した融合DNA、MWPs
p-MWPmp10-(His)6を取得した。
NAの取得 以下の点以外は(6)と同様な手順に従って平滑末端化
した融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linkerを取得し
た。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、(6)で得られた
融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6と(3)で得られたDNA
断片Linkerを適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA ligation k
itで16℃、30分反応させたものを使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして5'- TCC
AGAAGGTACTGGAGAACC -3'(配列番号10)を使用した。
Proinsulin融合DNAを組み込んだベクターの取得 以下の点以外は(6)と同様な手順に従って融合体MWPs
p-MWPmp10-(His)6-Linker-Met-Proinsulinが組み込まれ
たベクター(pPINS-1)を取得した。
(7)で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-Link
er と(5)で得られたDNA断片Met-Proisulinを適量ずつ
混ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16℃、30分反応さ
せたものを使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'-CT
AGTTGCAGTAGTTCTCC-3'(配列番号12)を使用した。
0-(His)6-Linker-Met-Proinsulin融合DNAを組み込んだ
ベクターの構築 (1)DNA断片MWPsp-MWPmp6, 8, 9, 11, 12, 15, 40, 5
0, 100の取得 以下の点以外は実施例1の(1)と同様な手順に従って
平滑末端化した DNA断片MWPsp-MWPmp6, 8, 9, 11, 12,
15, 40, 50, 100を取得した。
それぞれ用いた。 MWPmp6 : 5'-AGTTGCTGCTTCTTCTGC-3'(配列番号14) MWPmp8 : 5'-TGTAGTAGTTGCTGCTTC-3'(配列番号15) MWPmp9 : 5'-AGCTGTAGTAGTTGCTGC-3'(配列番号16) MWPmp11 : 5'-TTTTGGAGCTGTAGTAGT-3'(配列番号17) MWPmp12 : 5'-CATTTTTGGAGCTGTAGT-3'(配列番号18) MWPmp15 : 5'-ATCAGCGTCCATTTTTGG-3'(配列番号19) MWPmp40 : 5'-GTCTACACCGTATTCGCCGT-3'(配列番号2
0) MWPmp50 : 5'-AGTAGCGAACTCTGCACGAG-3'(配列番号2
1) MWPmp100: 5'-AGATTTGTCCGGGAAACCTT-3'(配列番号2
2) ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:45℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 1 min
を1サイクルとして30回繰り返す)とした。
linの取得 以下の点以外は実施例1の(1)と同様な手順に従って
平滑末端化したDNA断片(His)6-Linker-Met-Proinsulin
を取得し、さらにリン酸化反応(ニッポンジーン社のT4
polynucleotide kinaseを使用し、方法は取り扱い説明
書に準じた)を行い、リン酸化したDNA断片(His)6-Link
er-Met-Proinsulinを得た。 ・鋳型DNAとして、実施例1の(8)で取得したMWPsp-M
WPmp10-(His)6-Linker-Met-Proinsulin融合DNAを組み込
んだベクター、pPINS-1 10ngを用いた。 ・プライマーとして、以下のものを用いた。 順方向プライマー:5'-CATCATCATCATCATCAC-3'(配列番
号8) 逆方向プライマー:5'-CTAGTTGCAGTAGTTCTC-3'(配列番
号23) ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:47℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
15-, 40-, 50-, 100-(His)6-Linker-Met-Proinsulin融
合DNAを組み込んだベクターの取得 以下の点以外は実施例1の(8)と同様な手順に従って
MWPsp-MWPmp6-, 8-, 9-, 11-, 12-, 15-, 40-, 50-, 10
0-(His)6-Linker-Met-Proinsulinの融合DNAが組み込ま
れたベクターを取得した。
(1)で得られたDNA断片MWPsp-MWPmp6〜 100と、上記
(2)で得られたDNA断片(His)6-Linker-Met-Proinsuli
nを適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16℃3
0分反応させたものを使用した。
クター(pPINS-2)の構築 以下の点以外は実施例1の(8)と同様な手順に従って
MWPsp-MWPmp10-Met-Proinsulinの融合DNAが組み込まれ
たベクター(pPINS-2)を取得した。 ・第1回目のPCR反応の鋳型DNAとして、実施例1の
(1)で得られたDNA断片MWPsp-MWPmp10と実施例1の
(5)で得られたDNA断片Met-Proisulinを適量ずつ混ぜ
て宝酒造社のDNA ligation kitで16℃、30分反応させた
ものを使用した。
-, 12-, 13-, 14-, 15-,17-, 20-, 50 -Met-Proinsulin
融合DNAを組み込んだベクターの構築 (1)DNA断片MWPsp-MWPmp1, 2, 3, 4, 5, 7, 13, 14,
17, 20 の取得 以下の点以外は実施例1の(1)と同様な手順に従って
平滑末端化した DNA断片MWPsp-MWPmp1, 2, 3, 4, 5, 7,
13, 14, 17, 20 を取得した。
それぞれ用いた。 MWPmp1 : 5'-TGCTGCGAAAGCCATTGG-3'(配列番号24) MWPmp2 : 5'-TTCTGCTGCGAAAGCCAT-3'(配列番号25) MWPmp3 : 5'-TTCTTCTGCTGCGAAAGC-3'(配列番号26) MWPmp4 : 5'-TGCTTCTTCTGCTGCGAA-3'(配列番号27) MWPmp5 : 5'-TGCTGCTTCTTCTGCTGC-3'(配列番号28) MWPmp7 : 5'-AGTAGTTGCTGCTTCTTC-3'(配列番号29) MWPmp13 : 5'-GTCCATTTTTGGAGCTGT-3'(配列番号30) MWPmp14 : 5'-AGCGTCCATTTTTGGAGC-3'(配列番号31) MWPmp17 : 5'-TTCCATATCAGCGTCCAT-3'(配列番号32) MWPmp20 : 5'-TACGGTTTTTTCCATATCAGC-3'(配列番号3
3) ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:45℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 1 min
を1サイクルとして30回繰り返す)とした。
-, 7-, 8-, 9-, 11-, 12-, 13-, 14-,15-, 17-, 20-, 5
0-Met-Proinsulin融合DNAを組み込んだベクターの取得 以下の点以外は実施例1の(8)と同様な手順に従って
MWPsp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8-, 9-, 11
-, 12-, 13-, 14-, 15-, 17-, 20-, 50-Met-Proinsulin
の融合DNAが組み込まれたベクターを取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、実施例2の
(1)、および上記(1)で得られたDNA断片MWPsp-MWP
mp1〜−MWPmp50と、実施例1の(5)で得られたDNA断
片Met-Proinsulinを適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA liga
tion kitで16℃、30分反応させたものを使用した。
従って平滑末端化したDNA断片MWPspを取得した。 ・PCR反応の逆方向プライマーとして、5' - TGCGAAAGCC
ATTGGAGCAAC - 3'(配列番号34)を用いた。
んだベクターの取得 以下の点以外は実施例1の(8)と同様な手順に従って
MWPsp-Proinsulin融合DNAが組み込まれたベクターを取
得した。 ・第1回目のPCR反応の鋳型DNAとして、上記(1)で得
られたDNA断片MWPspと実施例1の(4)で得られた平滑
末端化DNA断片Proisulinをリン酸化したもの適量ずつ混
ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16℃、30分反応させ
たものを使用した。
V-Somatostatin 28, MWPsp-MWPmp10-(His)6-TEV-Somato
statin 28, MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGF-TEV-Somatostat
in 28(pSTN)の各融合DNAを組み込んだベクターの構築 (1)DNA断片Somatostatin 28の取得 以下の点以外は実施例1の(1)と同様な手順に従って
平滑末端化したDNA断片Somatostatin 28を取得し、さら
にリン酸化反応(ニッポンジーン社のT4 polynucleotid
e kinaseを使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を
行い、リン酸化したDNA断片Somatostatin 28を得た。
Natl. Acad. Sci. U.S.A.,79, 4575-4579, 1982)によ
り決定された塩基配列をもとに有機合成したヒトソマト
スタチン28一本鎖DNA: 5'−TCTGCTAACTCAAACCCGGCTATG
GCACCCCGAGAACGCAAAGCTGGCTGCAAGAATTTCTTCTGGAAGACTTT
CACATCCTGTTAG−3'(配列番号55)を10 ng用いた。 ・プライマーとして、以下のものを用いた。 順方向プライマー:5'-TCTGCTAACTCAAACCCG-3'(配列番
号35) 逆方向プライマー:5'-CTAACAGGATGTGAAAGTCTT-3'(配
列番号36) ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:50℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 10 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
平滑末端化したDNA断片EGFを取得し、さらにリン酸化反
応(ニッポンジーン社のT4 polynucleotide kinaseを使
用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン酸
化したDNA断片EGFを得た。
c Acids Res., 14, 8427-8446, 1986)により決定され
たヒト上皮細胞増殖因子の塩基配列をもとに有機合成し
たヒト上皮細胞増殖因子(EGF)一本鎖DNA:5'−AACTCT
GACTCCGAATGCCCGCTGTCTCACGACGGTTATTGCCTGCATGATGGTGT
TTGTATGTATATCGAAGCTCTGGACAAATATGCTTGCAACTGTGTTGTTG
GTTACATCGGTGAGCGTTGCCAGTATCGCGACCTGAAATGGTGGGAACTG
CGT−3'(配列番号56)を10 ng用いた。 ・プライマーとして、以下のものを用いた。 順方向プライマー:5'-AACTCTGACTCCGAATGC-3'(配列番
号37) 逆方向プライマー:5'-ACGCAGTTCCCACCATTT-3'(配列番
号38) ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:50℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 15 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
識されるアミノ酸配列をコードする順方向オリゴヌクレ
オチド5'-GACTATGATATCCCGACCACTGAAAACCTGTACTTCCAA -
3'(配列番号57)、逆方向オリゴヌクレオチド、5'-
TTGGAAGTACAGGTTTTCAGTGGTCGGGATATCATAGTC - 3'(配
列番号58)を化学合成し、実施例1の(2)の方法に
従ってアニーリングを行い二重鎖DNA断片TEVを得た。
の取得 以下の点以外は実施例1の(6)と同様な手順に従って
平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-EGFを
取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、実施例1の(6)
で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6と上記
(2)で得られたDNA断片EGFを適量ずつ混ぜて宝酒造社
のDNA ligation kitで16℃、30分反応させたものを使用
した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'- A
CGCAGTTCCCACCATTT- 3'(配列番号38)を使用した。
の取得 以下の点以外は実施例1の(6)と同様な手順に従って
平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-TEVを
取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、実施例1の(6)
で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6と上記
(3)で得られたDNA断片TEVを適量ずつ混ぜて宝酒造社
のDNA ligation kitで16℃、30分反応させたものを使用
した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'- T
TGGAAGTACAGGTTTTC- 3'(配列番号39)を使用した。
DNAの取得 以下の点以外は実施例1の(6)と同様な手順に従って
平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-EGF-TE
Vを取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、上記(4)で得ら
れた融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-EGFと上記(3)
で得られたDNA断片TEVを適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA
ligation kitで16℃、30分反応さたものを使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'-TT
GGAAGTACAGGTTTTC- 3'(配列番号39)を使用した。
得 以下の点以外は実施例1の(6)と同様な手順に従って
平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp20-(His)6を取得
した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、実施例4の(1)
で得られたDNA断片、MWPsp-MWPmp20と実施例1の(2)
で得られたDNA断片(His)6を適量ずつ混ぜて宝酒造社のD
NA ligation kitで16℃、30分反応させたものを使用し
た。
の取得 以下の点以外は実施例1の(6)と同様な手順に従って
平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGFを
取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、上記(7)で得ら
れた融合DNA、MWPsp-MWPmp20-(His)6と上記(2)で得
られたDNA断片EGFを適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA liga
tion kitで16℃、30分反応させたものを使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'- A
CGCAGTTCCCACCATTT- 3'(配列番号38)を使用した。
DNAの取得 以下の点以外は実施例1の(6)と同様な手順に従って
平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGF-TE
Vを取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、上記(8)で得ら
れた融合DNA、MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGFと上記(3)
で得られたDNA断片TEVを適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA
ligation kitで16℃、30分反応させたものを使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'- T
TGGAAGTACAGGTTTTC- 3'(配列番号39)を使用した。
Pmp10-(His)6-EGF-TEV-Somatostatin28, MWPsp-MWPmp10
-(His)6-TEV-Somatostatin 28, MWPsp-MWPmp20-(His)6-
EGF-TEV-Somatostatin 28融合DNAを組み込んだベクター
の取得 以下の点以外は全く実施例1の(8)と同様な手順に従
って各融合DNA、MWPsp-Somatostatin 28, MWPsp-MWPmp1
0-(His)6-EGF-TEV-Somatostatin 28, MWPsp-MWPmp10-(H
is)6-TEV-Somatostatin 28,MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGF-
TEV-Somatostatin 28が組み込まれたベクターを取得し
た。 ・第1回目のPCR反応の鋳型DNAとして、MWPsp-Somatost
atin 28については、実施例5の(1)で得られたDNA断
片MWPspと上記(1)で得られたDNA断片Somatostatin 2
8とを、またMWPsp-MWPmp10-(His)6-EGF-TEV-Somatostat
in 28, MWPsp-MWPmp10-(His)6-TEV-Somatostatin28,MWP
sp-MWPmp20-(His)6-EGF-TEV-Somatostatin 28について
は、DNA断片Somatostatin 28と、上記(5)、(6)、
(9)で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(His)6-TEV,
MWPsp-MWPmp10-(His)6-EGF-TEV,MWPsp-MWPmp20-(His)6
-EGF-TEVとを、それぞれ適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNAl
igation kitで16℃、30分反応させて得られたものを使
用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'-CT
AACAGGATGTGAAAGTCTT-3'(配列番号36)を使用した。
cagon, MWPsp-MWPmp20-(His)6-Linker-V8-Glucagon(pG
CN), MWPsp-MWPmp30-(His)6-Linker-V8-Glucagon融合D
NAを組み込んだベクターの構築 (1)DNA断片Glucagonの取得 以下の点以外は実施例1の(1)と同様な手順に従って
平滑末端化したDNA断片Glucagonを取得し、さらにリン
酸化反応(ニッポンジーン社のT4 polynucleotide kina
seを使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、
リン酸化したDNA断片Glucagonを得た。
Biol. Chem., 263, 13475-13478, 1988)により決定さ
れたヒトグルカゴンの塩基配列をもとに有機合成したヒ
トグルカゴン一本鎖DNA: 5'- CACAGCCAAGGTACTTTCACAT
CCGACTACTCTAAATATCTGGATTCCCGTCGCGCTCAAGATTTCGTTCAA
TGGCTGATGAACACT-3'(配列番号59)を10 ng用いた。
た。 順方向プライマー:5'-CACAGCCAAGGTACTTTC-3'(配列番
号40) 逆方向プライマー:5'-TTAAGTGTTCATCAGCCATTG-3'(配
列番号41) ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:50℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 10 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
平滑末端化したDNA断片V8-Glucagonを取得し、さらにリ
ン酸化反応(ニッポンジーン社のT4 polynucleotide ki
naseを使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行
い、リン酸化したDNA断片V8-Glucagonを得た。 ・鋳型DNAとして、上記(1)で得られたヒトグルカゴ
ンDNA、10 ngを用いた。 ・プライマーとして、以下のものを用いた。 順方向プライマー:5'-TTCCTGGAACACAGCCAA-3'(配列番
号42) 逆方向プライマー:5'-TTAAGTGTTCATCAGCCATTG-3'(配
列番号41) ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:50℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 10 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
平滑末端化した DNA断片MWPsp-MWPmp30を取得した。 ・逆方向プライマーとして、5'-TGCTACCAGGCCAAGAGCTT-
3'(配列番号43)を用いた。
得 以下の点以外は実施例1の(6)と同様な手順に従って
平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp30-(His)6を取得
した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、上記(3)で得ら
れた融合DNA、MWPsp-MWPmp30と実施例1の(2)で得ら
れたDNA断片(His)6を適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA lig
ation kitで16℃30分反応させたものを使用した。
融合DNAの取得 以下の点以外は実施例1の(6)と同様な手順に従って
平滑末端化した融合DNA、MWPsp-MWPmp20-, 30-(His)6-L
inkerを取得した。 ・第1回目PCR反応の鋳型DNAとして、実施例1の(3)
で得られたDNA断片Linkerに対して、実施例6の(7)
で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp20-(His)6、上記
(4)で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp30-(His)6をそ
れぞれ適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16
℃、30分反応させたものを使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5'- T
CCAGAAGGTACTGGAGAACC- 3'(配列番号10)を使用し
た。
20-, 30-(His)6-Linker-V8-Glucagon融合DNAを組み込ん
だベクターの取得 以下の点以外は全く実施例1の(8)と同様な手順に従
って融合DNA、MWPsp-Glucagon、 MWPsp-MWPmp10-, 20-,
30-(His)6-Linker-V8-Glucagonが組み込まれたベクタ
ーを取得した。 ・第1回目のPCR反応の鋳型DNAとして、MWPsp-Glucagon
については、実施例5の(1)で得られたDNA断片MWPsp
と上記(1)で得られたDNA断片Glucagon、MWPsp-MWPmp
10-, 20-, 30-(His)6-Linker-V8-Glucagonについては、
上記(2)で得られたDNA断片V8-Glucagonに対して、実
施例1の(7)で得られた融合DNA、MWPsp-MWPmp10-(Hi
s)6-Linker、上記(5)で得られた融合DNA、MWPsp-MWP
mp20-, 30-(His)6-Linkerをそれぞれ適量ずつ混ぜて宝
酒造社のDNA ligation kitで16℃、30分反応させたもの
を使用した。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして5'-TTAA
GTGTTCATCAGCCATTG-3'(配列番号41)を使用した。
下のものの塩基配列およびアミノ酸配列を配列番号48
〜51、62〜65および図1〜4に示した。 MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linker-Met-Proisulin(配列番号
48、62) MWPsp-MWPmp10-Met-Proinsulin(配列番号49、63) MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGF-TEV-Somatostatin 28(配列
番号50、64) MWPsp-MWPmp20-(His)6-Linker-V8-Glucagon(配列番号5
1、65)
される融合蛋白質の発現を行った。代表例として上記の
4種の融合DNAを発現ベクターに組み込む様式を図5に
示した。即ち、上記の融合DNAを組み込んだベクター(p
PINS-1,-2, pSTN, pGCN)を制限酵素ApaL IとHind III
(融合DNAが塩基配列決定用M13プライマーに対して順方
向に挿入されている場合)、あるいは、ApaL IとKpn I
(M13プライマーに対して逆方向に挿入されている場
合)で処理して0.8%アガロース電気泳動を行い、それぞ
れの融合DNAを含むDNA断片を切り出した。切り出した融
合DNAと、ApaL IとHind III(逆方向に挿入されていた
融合DNAの場合はKpn I)でカットしたバチルス・ブレビ
ス用発現ベクターpNU211R2L5(特開平5−304962号公
報、特開平7-170984号公報)を適量ずつ混ぜ、宝酒造
社のDNA ligation kitで16℃30分反応させることにより
融合DNAを発現ベクターに組み込んだ。以上のようにし
て、それぞれの融合DNAを組み込んだ発現ベクター、pNU
-PINS-1,-2, pNU-STN, pNU-GCNを取得した。これらの発
現ベクターでバチルス・ブレビスの47-5Q株(FERM BP-1
664)を公知の方法(Methods in Enzymol.,217: 23−3
3, 1993)に従って形質転換してT2寒天培地[ポリペプ
トン(1 %)、肉エキス(0.5 %)、酵母エキス(0.2
%)、ウラシル(0.1 mg/ml)、グルコース(1 %)、エ
リスロマイシン(10μg/ml)、寒天(1.5 %)、pH 7]
に播いて、形質転換体を取得した。
を除いたもの)で37℃1日培養してから公知の方法(Mo
lecular Cloning 2nd ed., A Laboratory Manual, Cold
Spring Harbor Laboratory(1989))でプラスミドDNAを
精製し、ApaL IとHind III(あるいは、Kpn I)で処理
してそれぞれの融合DNAが組み込まれているのを確認し
た。融合DNAが組み込まれていることが確認できた形質
転換体については、組み込まれた融合DNAでコードされ
る融合蛋白質の発現分泌を試験した。即ち、T2培地で37
℃で1日培養した菌懸濁液を1/1000容の割合で5YC培地
[ポリペプトン(3%)、酵母エキス(0.2 %)、グルコ
ース(3 %)、CaCl2・2H2O(0.01 %)、MgSO4・7H2O
(0.01 %)、FeSO4・7H2O(0.001 %)、MnSO4・4H2O
(0.001 %)、ZnSO 4・7H2O(0.0001 %)、グリシン(0.
3 %)、エリスロマイシン(10μg/ml)、pH7]に添加し
て30℃で4日間振とう培養した。
培養上清を得て、公知の方法(Laemmli, U. K., Natur
e, 227, 680-685, (1970))で電気泳動による蛋白質の
解析を行った。即ち、培養上清の18μlにバッファ1[1
25 mM Tris-HCl (pH 6.8), 20%glycerol, 4% SDS, 10%
2-mercaptoethanol]を2μl加えて5分間煮沸し、バッ
ファ2[250 mM Tris-HCl (pH 6.5), 50% glycerol, 0.
5% BPB]を4μl加えて市販の15/25%SDSポリアクリル
アミドゲル(第一化学社)にアプライして電気泳動(泳
動バッファ:100 mM Tris, 100 mM Tricine, 0.1% SD
S)を行った。電気泳動後クマジ染色して発現分泌の有
無を調べた。
ち、MWPsp-MWPmp6-, 8-, 9-, 10-, 11-, 12-, 15-, 40
-, 50-, 100-(His)6-Linker-Met-Proinsulinの発現分泌
の結果を図6に示した。レーン5のMWPsp-MWPmp9-(His)
6-Linker-Met-Proinsulinを除き、すべての融合体で発
現分泌が認められた。MWPsp-Proinsulin, MWPsp-MWPmp1
-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8-, 9-, 10-, 11-, 12-,
13-, 14-, 15-, 17-, 20-, 50-Met-Proinsulinの発現分
泌の結果を図7に示した。レーン3のMWPsp-Proinsuli
n, レーン12のMWPsp-MWPmp9-Met-Proinsulinを除き、す
べての融合体で発現分泌が認められた。特に、MWPsp-MW
Pmp6-, 7-, 8-, 10-, 11-, 12-, 15-, 17-, 20-, 50-Me
t-Proinsulinではより高い発現分泌が認められた。外来
ポリペプチドのソマトスタチン28のうち、MWPsp-Somato
statin 28, MWPsp-MWPmp10-(His)6-EGF-TEV-Somatostat
in 28, MWPsp-MWPmp10-(His)6-TEV-Somatostatin 28, M
WPsp-MWPmp20-(His)6-EGF-TEV-Somatostatin 28の発現
分泌の結果を図8に示した。MWPsp-Somatostatin 28, M
WPsp-MWPmp10-(His)6-TEV-Somatostatin 28では、発現
分泌が認められなかったが、 MWPsp-MWPmp10-(His)6-EG
F-TEV-Somatostatin 28,MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGF-TEV
-Somatostatin 28では、発現分泌が認められた。特に、
MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGF-TEV-Somatostatin 28はより
高い発現分泌であった。外来ポリペプチドのグルカゴン
うち、MWPsp-Glucagon, MWPsp-MWPmp10-, 20-, 30-(Hi
s)6-Linker-V8-Glucagonの発現分泌の結果を図9に示し
た。MWPsp-MWPmp20-(His)6-Linker-V8-Glucagonにおい
てのみ発現分泌が認められた。
eに対する抗体を用いて免疫学的に行った。培地を15,00
0 rpm、2分遠心して得られた培養上清1μlを上記と同
様に電気泳動したのち、公知の方法(Towbin, H.ら、7
6, 4350-4354, (1979))で電気的にニトロセルロースメ
ンブレンにブロットした。次に、メンブレンをバッファ
3[20 mM Tris-HCl (pH 7.4), 150 mM NaCl, 0.1% Twe
en 20]に溶かした5%スキムミルク溶液に1時間浸して
から、バッファ3で2000倍希釈したウサギ抗C-peptide
抗体(LINCO RESEARCH社製)に30分間振とうしながら浸
した。その後、バッファ3で10分間振とうしながら3回
洗浄し、バッファ3で2000倍希釈したペルオキシダーゼ
標識抗ウサギIgG抗体(E-Y Laboratories社製)に30分
間振とうしながら浸した。浸せき終了後、バッファ3で
10分間振とうしながら3回洗浄し、アマシャム社のECL
検出キットを用いてプロインスリンの存在を調べた。方
法はキットの取り扱い説明書に従った。図10、11に示さ
れるように、MWPsp-MWPmp6-, 8-, 9-, 10-, 11-, 12-,
15-, 40-, 50-, 100-(His)6-Linker-Met-Proinsulinで
は、融合DNAが入っていないpNU211R2L5とMWPsp-MWPmp9-
(His)6-Linker-Met-Proinsulinを除いて、すべての融合
体に、一方、MWPsp-Proinsulin,MWPsp-MWPmp1-, 2-, 3
-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8-, 9-, 10-, 11-, 12-, 13-, 14
-,15-, 17-, 20-, 50-Met-Proinsulinでは、pNU211R2L
5、MWPsp-Proinsulin、MWPsp-MWPmp9-Met-Proinsulinを
除いてすべての融合体にプロインスリンの存在を示すシ
グナルが検出できた。
nを組み込んだ発現ベクターを含む形質転換体を培養し
て得られた培地を20,000 rpm、15分遠心し、その培養上
清に30% 飽和となるように硫安を加えた。さらに、20,0
00rpm、20分の遠心の後、ペレットを適量の2 mMリン酸
ナトリウムバッファ(pH 7)に溶かして同バッファに透
析した。透析後、溶液のバッファを20 mMリン酸ナトリ
ウム(pH7)、150 mM NaClとして、ファルマシア社のキ
レートカラムにアプライして300mMイミダゾール含む同
バッファで溶出することにより、他の夾雑蛋白質より融
合蛋白質のみを分離精製した。分離した融合蛋白質は上
記と同様に再度硫安による塩析、遠心による塩析物の回
収を行い、ペレットの塩析物は2 mMリン酸ナトリウムバ
ッファ(pH 7)に溶かして同バッファに透析した。
加し、さらに臭化シアンを蛋白質のグラム当量に相当す
る分を加えて室温で一晩放置することにより、プロイン
スリンを融合蛋白質から化学的に切断した。その後、2
mMリン酸ナトリウムバッファ(pH 7)に透析してから、
再度キレートカラムにアプライして60 mMのイミダゾー
ルを含むバッファでプロインスリンを溶出した。図12に
は、キレートカラムで分離精製した切断前の融合蛋白質
MWPmp10-(His)6-Linker-Met-Proinsulinおよび臭化シア
ンにより切断されたプロインスリンを15/25%ポリアクリ
ルアミドゲルで電気泳動し、クマジ染色したものを示し
た。また、図13には、電気泳動した蛋白質をニトロセル
ロース膜にブロッティングして、抗C-peptide抗体を用
いてプロインスリンを同定したものを示した。融合蛋白
質から切断されたプロインスリンの存在が認められた。
28を組み込んだ発現ベクターを含む形質転換体を培養
して得られた培地を20,000 rpm、15分遠心し、その培養
上清に50% 飽和となるように硫安を加えた。さらに、2
0,000rpm、20分の遠心の後、ペレットを適量の2 mMリン
酸ナトリウムバッファ(pH 7)に溶かして同バッファに
透析した。透析後、溶液のバッファを20 mMリン酸ナト
リウム(pH 7)、150 mM NaClに換えて、ファルマシア
社のキレートカラムにアプライして300 mMイミダゾール
含む同バッファで溶出することにより、他の夾雑蛋白質
より融合蛋白質MWPmp20-(His)6-EGF-TEV-Somatostatin
28のみを分離精製した。精製した融合蛋白質(104, 52,
26μg)をTEVプロテアーゼ(GIBCO BRL社、10U)で処
理(方法は製品に添付されたプロトコールに従った)し
てソマトスタチン28を融合蛋白質から切り出した。図14
に、電気泳動終了後ニトロセルロース膜にブロッティン
グしたTEVプロテアーゼ処理前後の蛋白質について、ウ
サギ抗ソマトスタチン抗体(MEDAC社製、2000倍希
釈)、ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗体(E-Y Lab
oratories社製、2000倍希釈)を用いて検出した結果を
示した。TEVプロテアーゼにより、融合蛋白質からソマ
トスタチン28が切り出されることが示された。
組み込んだ発現ベクターを含む形質転換体を培養して得
られた培地を20,000 rpm、15分遠心し、その培養上清に
50% 飽和となるように硫安を加えた。さらに、20,000rp
m、20分の遠心の後、ペレットを適量の2 mMリン酸ナト
リウムバッファ(pH 7)に溶かして同バッファに透析し
た。透析後、溶液のバッファを20 mMリン酸ナトリウム
(pH 7)、150 mM NaClに換えて、ファルマシア社のキ
レートカラムにアプライして300 mMイミダゾール含む同
バッファで溶出することにより、他の夾雑蛋白質より融
合蛋白質MWPmp20-(His)6-Linker-V8-Glucagonのみを分
離精製した。精製した融合蛋白質(90, 45, 22.5μg)
を0.1 M炭酸アンモニウム中でV8プロテアーゼ(和光純
薬社、2μg)で処理してグルカゴンを融合蛋白質から切
り出した。図15に、電気泳動終了後ニトロセルロース膜
にブロッティングしたV8プロテアーゼ処理前後の蛋白質
について、ウサギ抗グルカゴン抗体(SANBIO社製、2000
倍希釈)、ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗体(E-Y
Laboratories社製、2000倍希釈)を用いて検出した結
果を示した。V8プロテアーゼにより、融合蛋白質からグ
ルカゴンが切り出されることが示された。
切断されたプロインスリンの同定をアミノ酸分析により
確認した。アミノ酸分析は、融合蛋白質の臭化シアン処
理後、キレートカラムで分離精製されたプロインスリン
を6N-HCl(0.1%フェノール含有)中で110℃、20時間加
水分解した後に、日立アミノ酸分析装置L- 8500型(日
立製作所製)を、用いて行った。表1に示されるよう
に、融合蛋白質から切断されたプロインスリンのアミノ
酸比は天然のプロインスリンのアミノ酸組成の理論値と
ほぼ一致した。
例にとり、培地中に分泌された融合蛋白質MWPmp10-(Hi
s)6-Linker-Met-Proinsulinの生産量をウエスタンブロ
ッティング法により推定した。15,000rpmで2分遠心し
て得られた培地上清1μlとプロインスリン(Sigma社)
1μgについて、3nの希釈系列をつくり電気泳動したの
ち、ニトロセルロース膜にブロッティングして抗Cペプ
チド抗体で検出されたシグナルの強度を比較した。図16
に示されるように、培地上清1/3(すなわち、3倍希釈)
のシグナル強度はプロインスリンの0.03〜 0.1μg間の
シグナル強度に匹敵すると考えられた。従って、MWPmp1
0-(His)6-Linker-Met-Proinsulinの生産量は、100〜300
mg/lの間に存在すると推定された。
ター(pG〜GH)の構築 (1)DNA断片MWPsp-MWPmp20の取得 平滑末端化DNA断片MWPsp-MWPmp20を実施例4の(1)に
記載されるものと同じ方法で作製したが、但しPCR反応
は、変性温度:94℃ - 1 min、アニール温度:53℃ - 1
min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 1 minを1サイクルとし
て30回繰り返すことによって行った。
ry Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1989))
に従ってTEVプロテアーゼにより認識されるアミノ酸配
列(AspTyrAspIleProThrThrGluAsnLeuTyrPheGln(配列
番号2))をコードする順方向オリゴヌクレオチド5' -
GACTATGATATCCCGACCACTGAAAACCTGTACTTCCAA - 3'(配
列番号57)、逆方向オリゴヌクレオチド、5' - TTGGA
AGTACAGGTTTTCAGTGGTCGGGATATCATAGTC - 3'(配列番号
58)を化学合成し、リン酸化反応(ニッポンジーン社
のT4 polynucleotide kinaseを使用し、方法は取り扱い
説明書に準じた)を行った後、10 mM Tris-HCl (pH8)、
5 mM MgCl2溶液中で95℃、5min処理し、37℃、15 minで
アニールさせた。アニールした二重鎖DNA断片TEVをフェ
ノール処理後、エタノール沈澱して真空乾燥して適量の
蒸留水に溶かした。
得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
した DNA断片GHを取得した。 ・鋳型DNAとして、DNA断片GHを組み込んだプラスミドベ
クターを用いた。GHを組み込んだプラスミドベクターの
取得は次のようにして行った。市販のヒト脳下垂体mRNA
(CLONTECH社製)よりファルマシア社の1st strand cDN
A synthesis kitを用い、取り扱い説明書に従ってヒト
脳下垂体cDNAを合成した。このcDNAを鋳型として、Rosk
am, W.G.ら(Nucleic Acids Res., 7, 305-320, 1979)
およびMartial, J. A.ら(Science, 205, 602-607, 19
79)により決定されたヒト成長ホルモン遺伝子の塩基配
列をもとに合成された順方向プライマー5' - ATGGCTACA
GGCTCCCGGAC - 3'(配列番号44)、逆方向プライマー
5' - CTAGAAGCCACAGCTGCCCT - 3'(配列番号45)を用
いてPCR反応(条件:94℃ - 1 min, 55℃ - 1 min,72℃
- 1minを1サイクルとして35サイクル繰り返す)を行
い、得られたPCR産物、即ち、ヒト成長ホルモンDNAをpG
EM-Tベクター(Promega社製)にクローニングした。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - TTCCCAA
CCATTCCCTTATC - 3'(配列番号46)、逆方向プライマ
ー、5' - CTAGAAGCCACAGCTGCCCT - 3'(配列番号45)
を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:55℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
ヒト成長ホルモン(G〜GH)の取得 以下の点以外は(1)と同様な手順に従って平滑末端化
したDNA断片G〜GHを取得し、さらにリン酸化反応(ニ
ッポンジーン社のT4 polynucleotide kinaseを使用し、
方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、リン酸化した
DNA断片G〜GHを得た。 ・鋳型DNAとして、(3)より得られたGHのPCR産物10 n
gを用いた。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - GGTTTCC
CAACCATTCCCTTATC - 3'(配列番号47)、逆方向プラ
イマー、5' - CTAGAAGCCACAGCTGCCCT - 3'(配列番号4
5)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:55℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
した融合MWPsp- MWPmp20-TEVを取得した。 ・第1回目のPCR反応の鋳型DNAとして、(1)で得られ
たDNA断片MWPsp-MWPmp20と(2)で得られたDNA断片TEV
を適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16℃30
分反応させたものを用いた。 ・第1回目のPCR反応の逆方向プライマーとして、5' -
TTGGAAGTACAGGTTTTC -3'(配列番号39)を用いた。 ・第1回目のPCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 mi
n、アニール温度:45℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃
- 30 secを1サイクルとして25回繰り返す)とした。
otide kinaseを用い、取り扱い説明書に従ってPCR産物
のリン酸化を行った。リン酸化したPCR産物は、宝酒造
社のDNA ligation kitを用いて制限酵素Hinc IIでカッ
トしたベクター(STRATAGENE社製、Blue Script SKー)
に組み込み、公知の方法(Molecular Cloning 2nd ed.,
A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory
f(1989))に従って大腸菌DH5αを形質転換させ、形質転
換体からベクターであるプラスミドDNAを精製した。ベ
クターの塩基配列決定用順方向プライマー(M13 forwar
d primer)、あるいは逆方向プライマー(M13 reverse
primer)を用いて塩基配列を決定してMWPsp- MWPmp20-T
EV融合DNAができていることを確認した。次に、MWPsp-
MWPmp20-TEVを組み込んだベクターを鋳型DNAとし、順方
向プライマー5' - GTCGTTAACAGTGTATTGCT - 3'(配列番
号6)と逆方向プライマー5'- TTGGAAGTACAGGTTTTC- 3'
(配列番号39)を用いて上記と同様な条件で第2回目
のPCR反応を行い、平滑末端化した融合DNA、MWPsp- MWP
mp20-TEVを取得した。
組み込んだベクターの取得 以下の点以外は(5)と同様な手順に従って融合DNA、M
WPsp-MWPmp20-TEV-G〜GHが組み込まれたベクター(pG〜
GH)を取得した。 ・鋳型DNAとして、(5)で得られた融合DNA、MWPsp-MW
Pmp20-TEVと(4)で得られたDNA断片、G〜GHを適量ず
つ混ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16℃30分反応さ
せたものを使用した。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - GTCGTTA
ACAGTGTATTGCT - 3'(配列番号6)、逆方向プライマ
ー、5'- CTAGAAGCCACAGCTGCCCT - 3'(配列番号45)
を使用した。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:53℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 1 min
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
平滑末端化した DNA断片MWPspを取得した。 ・プライマーとして、逆方向プライマー、 5' - TGCGA
AAGCCATTGGAGCAAC - 3'(配列番号34)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:53℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして30回繰り返す)とした。
ターの取得 以下の点以外は実施例9の(5)と同様な手順に従って
融合DNA、MWPsp-GHが組み込まれたベクターを取得し
た。 ・鋳型DNAとして、(1)で得られたDNA断片MWPspと実
施例9の(3)で得られたDNA断片GHを適量ずつ混ぜて
宝酒造社のDNA ligation kitで16℃30分反応させたもの
を使用した。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - GTCGTTA
ACAGTGTATTGCT - 3'(配列番号6)、逆方向プライマ
ー、5'- CTAGAAGCCACAGCTGCCCT - 3'(配列番号45)
を使用した。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:53℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 1 min
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
-, 11-, 12,- 14-, 30-TEV-G〜GHを組み込んだベクター
の構築 (1)DNA断片MWPsp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7
-, 8-, 9-, 10-, 11-, 12,- 14-, 30の取得 以下の点以外は実施例9の(1)と同様な手順に従って
平滑末端化した DNA断片MWPsp-MWPmp1〜-MWPmp30を取得
した。
それぞれ用いた。 MWPmp1 : 5'-TGCTGCGAAAGCCATTGG-3'(配列番号24) MWPmp2 : 5'-TTCTGCTGCGAAAGCCAT-3'(配列番号25) MWPmp3 : 5'-TTCTTCTGCTGCGAAAGC-3'(配列番号26) MWPmp4 : 5'-TGCTTCTTCTGCTGCGAA-3'(配列番号27) MWPmp5 : 5'-TGCTGCTTCTTCTGCTGC-3'(配列番号28) MWPmp6 : 5'-AGTTGCTGCTTCTTCTGC-3'(配列番号14) MWPmp7 : 5'-AGTAGTTGCTGCTTCTTC-3'(配列番号29) MWPmp8 : 5'-TGTAGTAGTTGCTGCTTC-3'(配列番号15) MWPmp9 : 5'-AGCTGTAGTAGTTGCTGC-3'(配列番号16) MWPmp10 : 5'-TGGAGCTGTAGTAGTTGCTGCTTCTTCTGC-3'(配
列番号7) MWPmp11 : 5'-TTTTGGAGCTGTAGTAGT-3'(配列番号17) MWPmp12 : 5'-CATTTTTGGAGCTGTAGT-3'(配列番号18) MWPmp14: 5'-AGCGTCCATTTTTGGAGC-3'(配列番号31) MWPmp30 : 5'-TGCTACCAGGCCAAGAGCTT-3'(配列番号4
3) ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:53℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして30回繰り返す)とした。
平滑末端化したDNA断片TEV-G〜GHを取得し、さらにリン
酸化反応(ニッポンジーン社のT4 polynucleotide kina
seを使用し、方法は取り扱い説明書に準じた)を行い、
リン酸化したDNA断片TEV-G〜GHを得た。 ・鋳型DNAとして、実施例9の(6)より得られたMWPsp
-MWPmp20-TEV-G〜GH融合DNAを組み込んだベクターpG〜G
H、10 ngを用いた。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - GACTATG
ATATCCCGACCACT - 3'(配列番号60)、逆方向プライ
マー、5' - CTAGAAGCCACAGCTGCCCT - 3'(配列番号4
5)を用いた。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:55℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 30 sec
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
-, 7-, 8-, 9-, 10-, 11-, 12,- 14-,30-TEV-G〜GHを組
み込んだベクターの取得 以下の点以外は実施例9の(5)と同様な手順に従って
融合DNA、MWPsp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8
-, 9-, 10-, 11-, 12,- 14-, 30-TEV-G〜GHが組み込ま
れたベクターを取得した。 ・鋳型DNAとして、(1)で得られたDNA断片MWPsp-MWPm
p1-, 2-, 3-, 4-, 5-,6-, 7-, 8-, 9-, 10-, 11-, 12,-
14-, 30と、(2)で得られたDNA断片TEV-G〜GHをそれ
ぞれ適量ずつ混ぜて宝酒造社のDNA ligation kitで16℃
30分反応させたものを使用した。 ・プライマーとして、順方向プライマー、5' - GTCGTTA
ACAGTGTATTGCT - 3'(配列番号6)、逆方向プライマ
ー、5'- CTAGAAGCCACAGCTGCCCT - 3'(配列番号45)
を使用した。 ・PCRの反応条件を(変性温度:94℃ - 1 min、アニー
ル温度:53℃ - 1 min、DNA鎖伸長温度:72℃ - 1 min
を1サイクルとして25回繰り返す)とした。
塩基配列およびアミノ酸配列を配列番号52、66およ
び図17に示した。 MWPsp-MWPmp20-TEV-G〜GH(配列番号52、66)
ドされる融合蛋白質の発現を行った。代表例として、MW
Psp-MWPmp20-TEV-G〜GHを発現ベクターに組み込む様式
を図18に示した。即ち、実施例9〜11で得られた融
合DNAを組み込んだベクターを制限酵素ApaL IとHind II
I(融合DNAが塩基配列決定用M13プライマーに対して順
方向に挿入されている場合)、あるいは、ApaL IとKpn
I(M13プライマーに対して逆方向に挿入されている場
合)で処理して0.8%アガロース電気泳動を行い、それぞ
れの融合DNAを含むDNA断片を切り出した。切り出したDN
A断片と、ApaL IとHind III(逆方向に挿入されていた
融合DNAの場合はKpn I)でカットしたバチルス・ブレビ
ス用発現ベクターpNU211R2L5(特開平5-304962号公報)
を適量ずつ混ぜ、宝酒造社のDNA ligation kitで16℃30
分反応させることにより融合DNAを発現ベクターに組み
込んだ。得られた発現ベクターでバチルス・ブレビスの
47-5Q株(FERM P-7224、FERM BP-1664 :特開昭60-58074
号公報、特開昭62-201589号公報参照)を公知の方法(M
ethods in Enzymol., 217, 23, (1993))に従って形質
転換してT2寒天培地(T2寒天培地:ポリペプトン(1
%)、肉エキス(0.5 %)、酵母エキス(0.2 %)、ウラ
シル(0.1 mg/ml)、グルコース(1 %)、エリスロマイ
シン(10μg/ml)、寒天(1.5 %)、pH 7)に播いて、
形質転換体を取得した。
を除いたもの)で37℃1日間培養してから公知の方法
(Molecular Cloning 2nd ed., A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Laboratoryf(1989))でプラスミド
DNAを精製し、ApaL IとHind III(あるいは、Kpn I)で
処理してそれぞれの融合DNAが組み込まれているのを確
認した。融合DNAが組み込まれていることが確認できた
形質転換体については、組み込まれた融合DNAでコード
される融合蛋白質の発現分泌を試みた。即ち、T2培地で
37℃で1日培養した菌懸濁液を1/1000容の割合で培地
(ポリペプトン(3%)、酵母エキス(0.4 %)、グルコ
ース(3 %)、MgSO4・7H2O(0.01 %)、MnSO4・4H2O
(0.001 %)、エリスロマイシン(10μg/ml)、pH8)
に添加して30℃で4日間、試験管(2 ml / 20 ml試験
管)あるいは三角フラスコ(50 ml / 500ml三角フラス
コ)で振とう培養した。
培養上清を得て、公知の方法(Laemmli, U. K., Natur
e, 227, 680-685, (1970))で電気泳動による蛋白質の
解析を行った。即ち、培養上清の18μlにバッファ1(1
25 mM Tris-HCl (pH 6.8), 20%glycerol, 4% SDS, 10%
2-mercaptoethanol)を2μl加えて5分間煮沸し、バッ
ファ2(250 mM Tris-HCl (pH 6.5), 50% glycerol, 0.
5% BPB)を4μl加えて市販の15/25%SDSポリアクリル
アミドゲル(第一化学社製)にアプライして電気泳動
(泳動バッファ:100 mM Tris, 100 mM Tricine, 0.1%
SDS)を行った。電気泳動後クマジ染色して発現分泌の
有無を調べた。
チド配列の直後に連結させたMWPsp-GH、TEVプロテアー
ゼ認識配列と変異型ヒト成長ホルモンG〜GHとの融合
体、TEV-G〜GHをMWPシグナルペプチド配列の直後(M
WPsp-TEV-G〜GH)、あるいは、MWP蛋白質のN末端か
らの1個以上のアミノ酸残基からなる配列の後に連結さ
せたもの(MWPsp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8
-, 9-, 10-, 11-, 12,- 14-, 20-, 30-TEV-G〜GH)
の発現分泌の結果を図19に示した。MWPsp-GHの電気泳
動像は、外来ポリペプチド遺伝子が全く組み込まれてい
ないpNU211R2L5と同様であり、成長ホルモンに相当する
明確なバンドは認められなかった。一方、MWPsp-TEV-G
〜GHおよびMWPsp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-,
8-, 9-,10-, 11-, 12,- 14-, 20-, 30-TEV-G〜GHで
は、全てにおいてそれぞれの融合蛋白質(矢印)の発現
分泌が認められた。特に、MWPmp1以降に連結された融合
体(MWPsp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8-, 9-,
10-, 11-, 12,- 14-, 20-, 30-TEV-G〜GH)の発現
量はMWPsp-TEV-G〜GHより多かった。
ヒト成長ホルモン、G〜GHの同定 ヒト成長ホルモン、変異型ヒト成長ホルモンの同定は、
ヒト成長ホルモンに対する抗体を用いて免疫学的に行っ
た(ウエスタンブロッティング法)。(2)で得られた
それぞれの形質転換体を培養して得られた培地を1.5000
rpm、2分遠心、その培養上清1μlを(2)と同様に電
気泳動したのち、公知の方法(Towbin,H.ら、76, 4350-
4354, (1979))で電気的にニトロセルロースメンブレン
にブロットした。次に、メンブレンをバッファ3(20 m
M Tris-HCl (pH 7.4), 150 mMNaCl, 0.1% Tween 20)に
溶かした5%スキムミルク溶液に15 min浸してから、バッ
ファ3で2000倍希釈したウサギ抗ヒト成長ホルモン抗体
(Biostride, Inc.社製)に30分間振とうしながら浸し
た。その後、バッファ3で10分間振とうしながら3回洗
浄し、バッファ3で2000倍希釈したペルオキシダーゼ標
識抗ウサギIgG抗体(E-Y Laboratories社製)に30分間
振とうしながら浸した。浸せき終了後、バッファ3で10
分間振とうしながら3回洗浄し、アマシャム社のECL検
出キットを用いてGHおよびG〜GHの存在を調べた。方
法はキットの取り扱い説明書に従った。図20に示され
るように、外来ポリペプチド遺伝子が全く組み込まれて
いないpNU211R2L5を除いた全ての融合体、即ち、MWPsp-
GH、MWPsp-TEV-G〜GH、MWPsp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-,
5-, 6-, 7-, 8-, 9-, 10-, 11-, 12,- 14-, 20-,30-TE
V-G〜GHにシグナルが検出された。ヒト成長ホルモン
配列をMWPシグナルペプチド配列の直後に連結させたMWP
sp-GHにおいては、SDS-PAGE後のクマジ染色でヒト成長
ホルモンに相当するバンドが検出されなかったが、ウエ
スタンブロッティング法ではシグナルが検出された。ウ
エスタンブロッティング法はクマジ染色に比べて検出感
度が優れている点を考慮すると、ヒト成長ホルモンはMW
Pシグナルペプチドの直後に連結されて発現分泌はする
が発現量は少ないことを示している。
現ベクターを含む形質転換体を1晩培養して得られた培
養懸濁液1/1000容を(2)の発現に用いたものと同じ培
地を50 ml含んだ500 mlの三角フラスコ(10本)に加え
て30℃、4日間振とう培養した。得られた培地を4℃で
10,000 rpm、20 min遠心し、その培養上清にEDTA(最終
濃度5mM )を加え、さらに飽和硫安60%として塩析し
た。10,000rpm、20 minの遠心の後、ペレットを適量の
トリスー塩酸バッファ(20 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA, p
H 8)に溶かし、Sephadex G-25(ファルマシア社製)に
アプライしてバッファ交換を行った。次に、バッファA
( 20 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA, 1 M Urea, 20% propan
ol, pH 8)で平衡化させた陰イオン交換樹脂(ファルマ
シア社製、QXL)にアプライして樹脂に吸着させ、バッ
ファAに1 M NaClを含んだバッファBでグラジェントを
かけて溶出した。220〜300 mM NaCl付近で溶出された抗
ヒト成長ホルモン抗体陽性の画分をバッファC(0.1% T
FA, 10% アセトニトリル)で置換しながらウルトラフリ
ー(ミリポア社製、UFV2BCC40)で濃縮した。次に、フ
ァルマシア社製のRPCカラムにアプライして逆相クロマ
トグラフィーを行った。バッファD(0.1% TFA, 60% ア
セトニトリル)でグラジェントをかけながら溶出したと
ころ、目的の融合蛋白質、MWPmp20-TEV-G〜GHは45〜
50%のアセトニトリルで溶出された。得られた融合蛋白
質は、 2 mM Tris -HCl (pH8)に透析してからTEVプロ
テアーゼ処理実験に用いた。融合蛋白質5 μgをTEVプロ
テアーゼ(GIBCO BRL社、5U)で処理(方法は製品に添
付されたプロトコールに従った)して変異型ヒト成長ホ
ルモンG〜GHを切り出した。図21に切断の様子のSD
S-PAGE像、図22にウエスタンブロッティング像を示し
た。SDS-PAGE、ウエスタンブロッティングはそれぞれ
(2)、(3)と同様な方法で行った。陽性対象として
アプライした市販のヒト成長ホルモンと同じ位置(矢
印)に、N末端に余分なGlyをもつ変異型ヒト成長ホル
モンG〜GHが切り出されてくることが示された。
してhNGF、mLIF、bSCF、hPDGF-Bを上記実施例と同
様の手法で発現を試みたが、MWPのN末端からのアミノ酸
残基数を10、40および100個としたときには全く分泌は
認められなかった。このことは、MWPのN末端からの1個
以上のアミノ酸残基との融合により分泌が可能になるか
否かは外来ポリペプチドの種類に依存する可能性を示し
ている。
いて、外来ポリペプチドを新規な融合形態で高発現分泌
を可能にし、かつ選択的な化学的または酵素的切断によ
る天然型構造をもつポリペプチドの製造を可能にした。
示す。 配列番号2: TEVにより目的ポリペプチドを切り出すの
に必要とされる配列を示す。 配列番号8:(His)6をコードする順方向オリゴヌクレ
オチドを示す。 配列番号9:(His)6をコードする逆方向オリゴヌクレ
オチドを示す。 配列番号10: Gly Ser Pro Val Pro Ser Glyなるリン
カーをコードする逆方向オリゴヌクレオチドを示す。
CR増幅用の順方向プライマーを示す。 配列番号14: MWPsp-MWPmp6 DNAのPCR増幅用の逆方向
プライマーを示す。 配列番号15: MWPsp-MWPmp8 DNAのPCR増幅用の逆方
向プライマーを示す。 配列番号16: MWPsp-MWPmp9 DNAのPCR増幅用の逆方
向プライマーを示す。 配列番号17: MWPsp-MWPmp11 DNAのPCR増幅用の逆
方向プライマーを示す。
R増幅用の逆方向プライマーを示す。 配列番号19: MWPsp-MWPmp15 DNAのPCR増幅用の逆
方向プライマーを示す。 配列番号20: MWPsp-MWPmp40 DNAのPCR増幅用の逆
方向プライマーを示す。 配列番号21: MWPsp-MWPmp50 DNAのPCR増幅用の逆
方向プライマーを示す。 配列番号22: MWPsp-MWPmp100 DNAのPCR増幅用の逆方
向プライマーを示す。 配列番号23: (His)6-Linker-Met-Proinsulin DNAのP
CR増幅用の逆方向プライマーを示す。
増幅用の逆方向プライマーを示す。 配列番号25: MWPsp-MWPmp2 DNAのPCR増幅用の逆方
向プライマーを示す。 配列番号26: MWPsp-MWPmp3 DNAのPCR増幅用の逆方
向プライマーを示す。 配列番号27: MWPsp-MWPmp4 DNAのPCR増幅用の逆方
向プライマーを示す。 配列番号28: MWPsp-MWPmp5 DNAのPCR増幅用の逆方
向プライマーを示す。 配列番号29: MWPsp-MWPmp7 DNAのPCR増幅用の逆方
向プライマーを示す。 配列番号30: MWPsp-MWPmp13 DNAのPCR増幅用の逆
方向プライマーを示す。
R増幅用の逆方向プライマーを示す。 配列番号32: MWPsp-MWPmp17 DNAのPCR増幅用の逆
方向プライマーを示す。 配列番号33: MWPsp-MWPmp20 DNAのPCR増幅用の逆
方向プライマーを示す。 配列番号34: MWPsp DNAのPCR増幅用の逆方向プライ
マーを示す。 配列番号39: MWPsp-MWPmp10-(His)6-TEV DNAのPCR増
幅用の逆方向プライマーを示す。 配列番号41:ヒトグルカゴンDNAのPCR増幅用の逆方向
プライマーを示す。 配列番号42: V8-グルカゴンDNAのPCR増幅用の順方向
プライマーを示す。
増幅用の逆方向プライマーを示す。 配列番号46:ヒト成長ホルモンDNAのPCR増幅用の順方
向プライマーを示す。 配列番号47: N末端にGlyをもつ変異体ヒト成長ホル
モン(G-GH)DNAのPCR増幅用の順方向プライマーを示
す。 配列番号48: MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linker-Proinsu
linをコードする塩基配列を示す。 配列番号49: MWPsp-MWPmp10-Met-Proinsulinをコー
ドする塩基配列を示す。
F-TEV-Somatostatin 28をコードする塩基配列を示す。 配列番号51: MWPsp-MWPmp20-(His)6-Linker-V8-Gluc
agonをコードする塩基配列を示す。 配列番号52: MWPsp-MWPmp20-TEV-G〜GHをコードする
塩基配列を示す。 配列番号53: Gly Ser Val Pro Ser Glyなるリンカー
をコードする順方向オリゴヌクレオチドを示す。 配列番号54: Met-Proinsulin DNAのPCR増幅用の順方
向オリゴヌクレオチドを示す。
認識されるアミノ酸配列をコードする順方向オリゴヌク
レオチドを示す。 配列番号58: TEVプロテアーゼによって認識されるア
ミノ酸配列をコードする逆方向オリゴヌクレオチドを示
す。 配列番号60: TEV-G〜GH DNAのPCR増幅用の順方向プ
ライマーを示す。 配列番号61:融合蛋白質の分離/精製用タグを示す。 配列番号62: MWPsp-MWPmp10-(His)6-Linker-Proinsu
linのアミノ酸配列を示す。
sulinのアミノ酸配列を示す。 配列番号64: MWPsp-MWPmp20-(His)6-EGF-TEV-Somato
statin 28のアミノ酸配列を示す。 配列番号65: MWPsp-MWPmp20-(His)6-Linker-V8-Gluc
agonのアミノ酸配列を示す。 配列番号66: MWPsp-MWPmp20-TEV-G〜GHのアミノ酸配
列を示す。
nsulinのアミノ酸配列およびそれをコードするヌクレオ
チド配列。
酸配列およびそれをコードするヌクレオチド配列。
tatin 28のアミノ酸配列およびそれをコードするヌクレ
オチド配列。
gonのアミノ酸配列およびそれをコードするヌクレオチ
ド配列。
(pNU211R2L5)に組み込む概略図。
s-タグを含むプロインスリンの培地の電気泳動写真。こ
こで、サンプルはマーカーペプチド(レーン1)、陰性
対照(外来タンパクを含まないプラスミドpNU211R2L5だ
けの形質転換体:レーン2)、形質転換体MWPsp-MWPmp6
-(レーン3), 8-(レーン4), 9-(レーン5), 10-
(レーン6), 11-(レーン7), 12-(レーン8), 15
-(レーン9),40-(レーン10), 50-(レーン11), 10
0-(レーン12)-(His)6-Linker-Met-Proinsulinであ
る。
s-タグを含まないプロインスリンの培地の電気泳動写
真。ここで、サンプルはマーカーペプチド(レーン
1)、陰性対照(プラスミドpNU211R2L5だけの形質転換
体:レーン2)、形質転換体MWPsp-Proisulin(レーン
3)、形質転換体MWPsp-MWPmp1-(レーン4), 2-(レ
ーン5), 3-(レーン6), 4-(レーン7), 5-(レー
ン8), 6-(レーン9),7-(レーン10), 8-(レーン1
1), 9-(レーン12), 10-(レーン13), 11-(レーン1
4), 12-(レーン15), 13-(レーン16), 14-(レーン
17), 15-(レーン18), 17-(レーン19), 20-(レー
ン20), 50(レーン21)-Met-Proinsulinである。
マトスタチンの培地の電気泳動写真。ここで、サンプル
はマーカーペプチド(レーン1)、形質転換体MWPsp-So
matostatin 28(レーン2), MWPsp-MWPmp10-(His)6-EG
F-TEV-Somatostatin 28(レーン3), MWPsp-MWPmp10-(H
is)6-TEV-Somatostatin 28(レーン4), MWPsp-MWPmp2
0-(His)6-EGF-TEV-Somatostatin 28(レーン5)であ
る。
ルカゴンの培地の電気泳動写真。ここで、サンプルはマ
ーカーペプチド(レーン1)、形質転換体MWPsp-Glucag
on(レーン2), MWPsp-MWPmp10-(レーン3), 20-
(レーン4), 30(レーン5)-(His)6-Linker-V8-Gluc
agonである。
His-タグを含むプロインスリンの培地の電気泳動/ウエ
スタンブロッティング写真。ここで、サンプルは陰性対
照(プラスミドpNU211R2L5だけによる形質転換体:レー
ン1)、形質転換体MWPsp-MWPmp6-(レーン2), 8-
(レーン3), 9-(レーン4), 10-(レーン5), 11-
(レーン6), 12-(レーン7), 15-(レーン8), 40
-(レーン9), 50-(レーン10), 100(レーン11)-(H
is)6-Linker-Met-Proinsulinである。
His-タグを含まないプロインスリンの培地の電気泳動/
ウエスタンブロッティング写真。ここで、サンプルは陰
性対照(プラスミドpNU211R2L5だけによる形質転換体:
レーン1)、形質転換体MWPsp-Proisulin(レーン
2)、形質転換体MWPsp-MWPmp1-(レーン3), 2-(レ
ーン4), 3-(レーン5), 4-(レーン6), 5-(レー
ン7), 6-(レーン8),7-(レーン9), 8-(レーン1
0), 9-(レーン11), 10-(レーン12), 11-(レーン1
3), 12-(レーン14), 13-(レーン15), 14-(レーン
16), 15-(レーン17), 17-(レーン18), 20-(レー
ン19), 50(レーン20)-Met-Proinsulinである。
inker-Met-Proinsulin、および臭化シアン処理によって
切断されたプロインスリンの電気泳動写真。ここで、サ
ンプルはレーン1:マーカーペプチド、レーン2:分離
精製された融合蛋白質MWPmp10-(His)6-Linker-Met-Proi
nsulin(30μg)、レーン3:臭化シアンにより切断さ
れたプロインスリン(30μg)、レーン4:プロインス
リン(Sigma社製、2μg)である。
inker-Met-Proinsulin、および臭化シアン処理によって
切断されたプロインスリンの電気泳動/ウエスタンブロ
ッティング写真。ここで、サンプルはレーン1:分離精
製された融合蛋白質MWPmp10-(His)6-Linker-Met-Proins
ulin(0.3 μg)、レーン2:臭化シアンにより切断さ
れたプロインスリン(0.3 μg)、レーン3:プロイン
スリン(Sigma社製、0.3 μg)である。
GF-TEV-Somatostatin 28、およびTEVプロテアーゼ処理
によって切断されたソマトスタチン28の電気泳動/ウエ
スタンブロッティング写真。ここで、サンプルは分離精
製された融合蛋白質MWPmp20-(His)6-EGF-TEV-Somatosta
tin 28(レーン1:104μg、レーン3:52μg、レーン
5:26μg)、それぞれをTEVプロテアーゼ処理したもの
(レーン2:104μgを処理、レーン4:52μgを処理、
レーン6:26μgを処理)、ソマトスタチン28(BACHEM
社製、レーン7:4.5μg、レーン8:1.5μg)である。
inker-V8-Glucagon、およびV8プロテアーゼ処理によっ
て切断されたグルカゴンの電気泳動/ウエスタンブロッ
ティング写真。ここで、サンプルは分離精製された融合
蛋白質MWPmp20-(His)6-Linker-V8-Glucagon(レーン
1:90μg、レーン3:45μg、レーン5:22.5μg)、
それぞれをV8プロテアーゼ処理したもの(レーン2:90
μgを処理、レーン4:45μgを処理、レーン6:22.5μ
gを処理)、グルカゴン(清水製薬社製、レーン7:1.5
μg)である。
融合蛋白質MWPmp10-(His)6-Linker-Met-Proinsulinの生
産量の推定。ここで、サンプルは形質転換体MWPmp10-(H
is)6-Linker-Met-Proinsulinの培養後の培地(レーン
1:1μl、レーン2:1/3μl、レーン3:1/32 μl、
レーン4:1/33 μl、レーン5:1/34 μl)、プロイン
スリン(Sigma社製、レーン6:1 μg、レーン7:0.3
μg、レーン8:0.1μg、レーン9:0.03μg、レーン1
0:0.01μg)である。
酸配列およびそれをコードするDNA。
ス・ブレビスの発現ベクター(pNU211R2L5)に組み込む
概略図。
ヒト成長ホルモンを含む培地の電気泳動写真。レーン
1:マーカー蛋白質、レーン2:陰性対照(プラスミド
pNU211R2L5のみによる形質転換体)、レーン3:MWPsp-
GH、レーン4:MWPsp-TEV-G〜GH、レーン5〜19:MW
Psp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8-, 9-, 10-,
11-, 12-, 14-, 20-, 30-TEV-G〜GH。
ヒト成長ホルモンを含む培地のウエスタンブロッティン
グの結果を示す写真。レーン1:陰性対照(プラスミド
pNU211R2L5のみによる形質転換体)、レーン2:MWPsp-
GH、レーン3:MWPsp-TEV-G〜GH、レーン4〜18:MW
Psp-MWPmp1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8-, 9-, 10-,
11-, 12-, 14-, 20-, 30-TEV-G〜GH。
GH、およびTEVプロテアーゼ処理により切り出された
変異型ヒト成長ホルモンG〜GHの電気泳動写真。レー
ン1:マーカー蛋白質、レーン2:分離精製された融合
蛋白質MWPmp20-TEV-G〜GH、レーン3:TEVプロテア
ーゼにより切り出された変異型ヒト成長ホルモンG〜G
H、レーン4:ヒト成長ホルモン(Biogenesis社製)各
5 μg。
GH、およびTEVプロテアーゼ処理により切り出された
変異型ヒト成長ホルモンG〜GHのウエスタンブロッテ
ィング写真。レーン1:分離精製された融合蛋白質MWPm
p20-TEV-G〜GH、レーン2:TEVプロテアーゼにより
切り出された変異型ヒト成長ホルモンG〜GH、レーン
3:ヒト成長ホルモン(Biogenesis社製)各0.1 μg。
Claims (4)
- 【請求項1】 バチルス属由来のプロモーター領域を含
有するDNA配列の3’末端に、バチルス属細菌の細胞壁
蛋白質(CWP)の一つであるMWPのシグナルペプチド配列
と、MWPのN末端からの1個以上のアミノ酸残基からなる
配列と、化学的または酵素的切断に使用される単一もし
くは複数のアミノ酸残基からなる配列と、および外来ポ
リペプチド配列とをこの順序で互いに直鎖状に連結して
含む融合蛋白質をコードするDNA配列を連結して組み込
むことを特徴とする、発現ベクターの構築方法。 - 【請求項2】 バチルス属細菌の細胞壁蛋白質(CWP)
の一つであるMWPのシグナルペプチド配列と、MWPのN末
端からの1個以上のアミノ酸残基からなる配列と、切断
の結果成熟型ポリペプチドの産生に導くための化学的ま
たは酵素的切断に使用される単一もしくは複数のアミノ
酸残基からなる配列と、外来ポリペプチド配列とをこの
順序で互いに直鎖状に連結して含む融合蛋白質をコード
するDNA配列を、バチルス属由来のプロモーター領域を
含有するDNA配列の3’末端に結合させてなるDNAを含む
ベクターでバチルス属細菌を形質転換することを含む、
天然型外来ペプチドを産生し得る形質転換されたバチル
ス属細菌の作製方法。 - 【請求項3】 天然型外来ポリペプチドの発現に有利な
融合蛋白質をコードするDNA配列の決定方法であって、
(a) バチルス属細菌の細胞壁蛋白質(CWP)の一つ
であるMWPのシグナルペプチド配列と、MWPのN末端から
の1〜50から選択される数のアミノ酸残基からなる配
列と、切断の結果成熟型ポリペプチドの産生に導くため
の化学的または酵素的切断に使用される単一もしくは複
数のアミノ酸残基からなる配列と、外来ポリペプチド配
列とをこの順序で互いに直鎖状に連結して含む融合蛋白
質をコードするDNA配列を、バチルス属由来のプロモー
ター領域を含有するDNA配列の3’末端に結合させてな
るDNAを含むベクターでバチルス属細菌を形質転換し、
(b)該細菌を培地に培養して融合蛋白質を菌体外に蓄
積せしめ、(c)分泌された該融合蛋白質の発現を検出
し、そして(d)発現が認められた融合蛋白質をコード
するDNAを天然型外来ポリペプチドの発現に有利な融合
蛋白質をコードするDNA配列として決定する、ことを含
む、上記方法。 - 【請求項4】 天然型外来ポリペプチドの製造方法であ
って、(a)請求項3に記載の方法によって決定された
DNA配列を含むベクターでバチルス属細菌を形質転換
し、(b)該細菌を培地に培養して融合蛋白質を菌体外
に蓄積せしめ、(c)該融合蛋白質から該ポリペプチド
を化学的または酵素的に切り出し、そして(d)該ポリ
ペプチドを回収する、ことを含む、上記方法。
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---|---|---|---|
JP2002108410A JP2003000283A (ja) | 1998-03-31 | 2002-04-10 | 発現ベクターの構築方法及びそれを介した天然型外来ポリペプチドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8733998 | 1998-03-31 | ||
JP10-87339 | 1998-03-31 | ||
JP2002108410A JP2003000283A (ja) | 1998-03-31 | 2002-04-10 | 発現ベクターの構築方法及びそれを介した天然型外来ポリペプチドの製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08948899A Division JP3313083B2 (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-30 | 新規な融合蛋白質をコ―ドするdnaおよびその発現を介する有用ポリペプチドの製造方法 |
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---|---|
JP2003000283A true JP2003000283A (ja) | 2003-01-07 |
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ID=26428632
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002108410A Pending JP2003000283A (ja) | 1998-03-31 | 2002-04-10 | 発現ベクターの構築方法及びそれを介した天然型外来ポリペプチドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003000283A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009011259A1 (ja) * | 2007-07-13 | 2009-01-22 | Japan Agency For Marine-Earth Science And Technology | 新規dna断片およびそれを含む組換えベクター、それらによって形質転換された形質転換体、ならびにそれらの利用 |
-
2002
- 2002-04-10 JP JP2002108410A patent/JP2003000283A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009011259A1 (ja) * | 2007-07-13 | 2009-01-22 | Japan Agency For Marine-Earth Science And Technology | 新規dna断片およびそれを含む組換えベクター、それらによって形質転換された形質転換体、ならびにそれらの利用 |
JP2009017841A (ja) * | 2007-07-13 | 2009-01-29 | Japan Agengy For Marine-Earth Science & Technology | 新規dna断片およびそれを含む組換えベクター、それらによって形質転換された形質転換体、ならびにそれらの利用 |
US8354248B2 (en) | 2007-07-13 | 2013-01-15 | Japan Agency For Marine-Earth Science And Technology | Promoter-encoding DNA fragment, recombinant vector, recombiant transformant, and uses thereof |
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