JP2013528913A - 再充電可能な電池のための多成分電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】容量減衰が抑制された、長寿命の再充電可能な電池用カソードを提供すること。
【解決手段】本発明のカソードは、再充電可能な電池における使用のための硫黄カソードである。このカソードは、(a)電気活性な硫黄含有材料;(b)電気伝導性充填剤、および(c)非電気活性な構成成分を含む。この非電気活性な構成成分は多孔質であり、以下の1つ以上を有する:(i)ポリスルフィドアニオンの吸収を許容する孔寸法、または(ii)ポリスルフィド吸着のための活性部位。ここで、この吸収および/または吸着は可逆性である。
【選択図】図5

Description

本発明は、一般に、再充電可能な電池、より詳細には再充電可能なリチウム−硫黄電池の分野に関する。特に、本発明は、硫黄複合体カソードおよびそれらの再充電可能な電池における用途に関する。
エネルギー貯蔵システムについて差し迫った環境必要性に対処するために、安全で、低コストであり、高いエネルギー密度および長寿命の再充電可能な電池が強く求められている。貯蔵デバイスのために最も見込みのある選択肢の1つは、リチウム−硫黄(Li−S)セルである。Li−S電池は、非常に高い理論エネルギー密度を示し、多くの場合インターカレーション電極に基づく従来のLiイオン電池よりも5倍大きい。こうした利点にも拘わらず、Li−S電池の広範な実施は、主に硫黄正極(「カソード」)に起因する種々の課題によって妨げられ続けている。
Li−S電池の主要な問題は、主に拡散と、それに続く一連の中間反応種であるポリスルフィドアニオン(S 2−)の、カソードから電解質への溶解による、硫黄カソードの迅速な容量減衰である。この溶解により、負極(「アノード」)およびカソードの両方において活物質損失を導く。ポリスルフィドアニオンはさらに、レドックスシャトルとして作用し、これが結果としてクーロン効率を低下させる、すなわち対応する放電容量よりも充電容量が大幅に大きくなる。
ポリスルフィドアニオンの拡散問題に対処するために、当該技術分野においていくつかの手法が提案されている。1つの手法は、硫黄をポリマー性分子に繋ぐことである。こうした手法は、米国特許第4,833,048号明細書;同第5,162,175号明細書;同第5,460,905号明細書;同第5,462,566号明細書;同第5,516,598号明細書;同第5,529,860号明細書;同第5,601,947号明細書;同第5,690,702号明細書;同第6,117,590号明細書;同第6,174,621号明細書;同第6,201,100号明細書;同第6,309,778号明細書;および同第6,482,334号明細書に調査され、開示されている。1つの手法は、カソードに多孔質の電気伝導剤を添加することである。こうした手法は、米国特許第6,194,099号明細書;同第6,210,831号明細書;同第6,406,814号明細書;同第6,652,440号明細書;同第6,878,488号明細書;および同第7,250,233号明細書に調査され、開示されている。米国特許出願番号2009/0311604には、電池サイクルの前に、多孔質炭素に硫黄活物質をカプセル化することが記載されていた。1つの手法は、ポリスルフィド拡散を遅延させるためのポリマー結合剤を使用することである。こうした手法は、米国特許第6,110,619号明細書;同第6,312,853号明細書;同第6,566,006号明細書;および同第7,303,837号明細書に調査され、開示されている。1つの手法は、ポリスルフィドイオンが拡散するのをブロックするための物理的障壁を使用することである。こうした手法は、米国特許第7,066,971号明細書に調査され、開示されている。1つの手法は、ポリスルフィド拡散を遅延させるためにセパレータを使用することである。こうした手法は、米国特許第6,153,337号明細書;同第6,183,901号明細書;同第6,194,098号明細書;同第6,277,514号明細書;同第6,306,545号明細書;同第6,410,182号明細書;および同第6,423,444号明細書に調査され、開示されている。1つの手法は、ポリスルフィド拡散を遅延させるためにカソード集電体を使用することである。こうした手法は、米国特許第6,403,263号明細書に調査され、開示されている。1つの手法は、電解質に添加剤を使用することである。こうした手法は、米国特許第5,538,812号明細書;同第6,344,293号明細書;同第7,019,494号明細書;同第7,354,680号明細書;および同第7,553,590号明細書に調査され、開示されている。
物理的障壁は、長期間のサイクルにおいてポリスルフィドの溶解問題を完全には解決できない。速い応答性の硫黄電池では、電解質/Liの硫黄電極へのおよび硫黄電極からの簡易な輸送が必要とされ、最終的には一部の可溶性ポリスルフィドイオンが、多孔質炭素チャンバから拡散し、これがシャトル現象を開始する。ポリスルフィドイオンが一旦カソードから電解質に拡散すると、それらのアノードとの反応により活物質の損失を生じる。
上記のように、種々の手法が以前から提案されているにも拘わらず、ポリスルフィドイオンがカソードから電解質に拡散するのを防止または阻害するための解決策が必要とされ続けている。
本発明の1つの態様は、再充電可能な電池に使用するための硫黄カソードに関し、このカソードは:
(a)電気活性な硫黄含有材料;
(b)電気伝導性充填剤、および
(c)非電気活性な構成成分;
を含み、ここでこの非電気活性な構成成分が多孔質であり、以下の1つ以上を有し:
i)ポリスルフィドアニオンの吸収を許容する孔寸法、および
ii)ポリスルフィド吸着のための活性部位;
ここで、この吸収および/または吸着が可逆性である。
1つの実施形態においては、上記カソードはさらに結合剤を含む。
1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は添加剤である。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は伝導性充填剤においてインサイチュで形成される。
1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、0.1cm/gより大きい単位孔体積を有する。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は1Å〜100μmの範囲の平均孔サイズを有する。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、1.0S/cm未満の電気伝導率を有する。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分の伝導率は、0.1S/cm未満である。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、10m/gより大きい表面積を有する。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、1nm〜100μmの範囲の粒径を示す。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、1%〜50%の範囲でカソードにおける重量%を占める。
1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、上記カソードにおける他の構成成分と微細に混合されている。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、上記カソードの他の構成成分の混合物とは別個の層として分散されている。
1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、ゼオライト、超分子金属有機フレームワーク、炭素水和物、セルロース、バイオマス、キトサン、非金属性金属酸化物、金属硫酸塩、非金属性金属窒化物、窒化炭素、金属硝酸塩、非金属性金属リン化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、非金属性金属炭化物、金属ホウ化物、金属ホウ酸塩、金属臭化物、金属臭素酸塩、金属塩化物、金属塩素酸塩、金属フッ化物、金属ヨウ化物、非金属性金属ヒ化物、金属水酸化物、分子金属有機−配位子錯体および非伝導ポリマーからなる群から選択される1つ以上の材料を含む。1つの実施形態においては、上記非電気活性な構成成分は、水滴に対して90°未満の接触角を有する。
1つの実施形態においては、上記電気活性な硫黄含有材料は、元素状硫黄または硫黄含有化合物を含む。
1つの実施形態においては、上記電気伝導性充填剤は、伝導性炭素、グラファイト、活性炭、金属粉末、電気伝導性ポリマー、ポリマーテザー炭素、伝導金属酸化物、伝導リン化物および伝導硫化物から選択される1つ以上の材料を含む。
本発明の別の態様は、以下を含む再充電可能な電池に関する:
a.アノード、
b.セパレータ、
c.非水性電解質、および
d.以下を含む硫黄含有カソード:
(a)電気活性な硫黄含有材料;
(b)電気伝導性充填剤および
(c)非電気活性な構成成分;
ここで、この非電気活性な構成成分が多孔質であり、以下の1つ以上を有する:
i)ポリスルフィドアニオンの吸収を許容する孔寸法、および
ii)ポリスルフィド吸着のための活性部位;
ここで、この吸収および/または吸着が可逆性である。
1つの実施形態においては、上記アノードは、ナトリウム、リチウムまたはマグネシウムを含む。1つの実施形態においては、上記アノードはリチウムを含む。
添加剤としてモレキュラーシーブを用いるカソードのサイクル寿命特徴を示す。 添加剤のメソ多孔質シリカであるSBA−15のモルホロジーを示す。 (a)は、SCMの吸収および脱着等温線、および12.5nmを中心とする孔構造を示す孔径分布を示す(差し込み図); (b)は、SCMの高解像度SEM画像を示す; (c)は、均質な孔径を現すSCMの暗視野STEM画像を示す; (d)は、孔構造への硫黄吸入の効果を示す、SCM/Sの高解像度SEM画像および暗視野STEM画像を示す; (e)は、孔構造への硫黄吸入の効果を示す、SCM/Sの高解像度SEM画像および暗視野STEM画像を示す; (f)は、元素状硫黄、炭素充填剤SCM、およびSBA−15添加剤を含む複合体カソードのモルホロジーを示す。 SBA−15添加剤を有するセルおよび有していないセルの第1のサイクルの第1の定電流放電−充電プロファイルを示す。 添加剤としてメソ多孔質シリカを有するカソード(円)およびメソ多孔質シリカを有していないカソード(三角形)のサイクル寿命特徴の比較を示す。 異なるセル電圧においてSBA−15を添加したSCM/S電極のSEM結果を示し、(a)は最初に2.15Vに放電された場合の画像であり、(b)は最初に1.5Vに放電された場合の画像であり、対応するEDX結果は、それぞれの画像の左の下隅の長方形で標識された領域に示される。 SCM/Sカソード(黒点の曲線);SBA−15を添加したSCM/Sカソード(白点の曲線)から電解質に硫黄が溶解したパーセンテージを示す。 ポリスルフィドアニオンについてのSCM/S電極におけるSBA−15ロッドの吸収効果を示す概略図を示す。 添加剤を有していないカソードのサイクル寿命特徴を示す。 SCM炭素のSEM画像を示す。
本明細書に使用される場合、電流生成セルは、電流を生じる電気化学セルを指し、電池、より詳細には再充電可能な電池を含む。
本発明の1つの実施形態において、電流生成セルまたは再充電可能な電池に使用するための固体電極が提供される。より詳細には、固体電極は、伝導性充填剤を含有する硫黄カソードである。再充電可能な電池における硫黄電極の電気化学的反応中、ポリスルフィドイオンは、中間電圧にて形成される。これらのポリスルフィドイオンは、通常、大部分の有機またはイオン性液体電解質中に可溶性である。
本発明の1つの態様は、電極内に溶解したポリスルフィドイオンを保持する方法に関する。特定の態様において、ポリスルフィドイオンは、電極の構成成分によって収着される。本明細書で使用される場合、「収着された」または「収着」という用語は、吸収および/または吸着などによって吸い上げ、保持されることを意味するために使用され、弱い結合によって可逆性の様式で保持されることを含む場合がある。本発明の別の態様において、ポリスルフィドイオンは、伝導性構成成分によって吸収および/または吸着される。さらなる実施形態において、吸収および/または吸着は可逆性である。
本発明のさらなる実施形態において、ポリスルフィドイオンの収着および電子のポリスルフィドイオンへの伝導は、電極中の異なる構成成分によって行われる。例えば、これらの機能は、それぞれ絶縁(または非電気活性な)構成成分および電気伝導性充填剤によって行われ得る。
本発明のさらなる実施形態は、以下を含む電流生成セルにおいて使用するための硫黄カソードを提供し:
(a)電気活性な硫黄含有材料;
(b)電気伝導性充填剤、および
(c)非電気活性な構成成分;
ここで、非電気活性な構成成分は多孔質であり、以下の1つ以上を有し:
i)ポリスルフィドアニオンの吸収を許容する孔寸法、および
ii)ポリスルフィド吸着のための活性部位;
ここで、この吸収および/または吸着は可逆性である。
特に上述のカソードは、Li−S電流生成セルに使用するのに好適である。
(a)電気活性な硫黄含有材料
本発明の1つの実施形態において、電気活性な硫黄含有材料は、元素状硫黄または硫黄含有化合物を含む。さらなる実施形態において、硫黄含有化合物は、放電または充電時にポリスルフィドイオンを放出する化合物である。なおさらなる実施形態において、硫黄含有化合物は、リチウム−硫黄化合物、例えばLiSである。
(b)電気伝導性充填剤
固体電極に使用するための電気伝導性充填剤材料は当該技術分野において既知である。こうした材料の例としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、メソ多孔質炭素、活性炭、ポリマー装飾された炭素、酸素基が表面に豊富な炭素、グラファイトビーズ、金属粉末、伝導酸化物粉末、伝導金属硫化物粉末、伝導金属リン化物粉末、および伝導ポリマーを挙げることができるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、電気伝導性充填剤は、炭素/硫黄ナノ複合体である。炭素/硫黄ナノ複合体の1つの例は、硫黄吸入されたメソ多孔質炭素、例えばCMK−3/Sである。シリカコロイド状モノリス(SCM)は、別のタイプのメソ多孔質炭素であり、市販のシリカコロイドから調製でき、例えばLUDOX(登録商標)HS−40の40重量%(Sigma Aldrichから市販)である。
SCMは、1100m/gのブルーナウアー−エメット−テラー(BET)比表面積を示し、バレット−ジョイナー−ハレンダ(BJH)方法によって決定される場合に12.5nmを中央とする狭い孔径分布を示す(図3(a))。この炭素は、破面の代表的な高解像度走査電子顕微鏡(SEM)画像に示されるように(図3(b))、2.3cm/gの非常に高い比孔体積を示す。孔(直径約12nm)は、厳密な長距離秩序を有さずに分布し、非常に良く相互接続されている。多孔質構造はまた、暗視野走査透過電子顕微鏡(STEM)画像(図3(c))において観察できる。
硫黄電極のための炭素フレームワークとしてSCMを使用することにより、炭素モノリスの粉砕力および所要時間を変動させることによって、粒径の制御が可能になる。図10は、不規則モルホロジーおよび約10μmの平均粒径を示すSCMのサンプルのSEM画像を示す。SCM/S電極は、より小さい炭素粒径を有する対応物よりも高いタップ密度を示す。ミクロンサイズにしたSCM/S構造はなおも、それらの微細な多孔質構造に起因して、ナノ寸法の利益を保持する。図3(d)に示されるように、SCMの表面モルホロジーは、硫黄含浸のための溶融拡散プロセスの後に変更される。対応するSTEM画像は、硫黄充填後の大幅に低い多孔性を示し、これはSCM/S複合体の孔体積測定によって確認され、2.3から0.31cm/gへの低下が明らかになる。SCM/Sの粒径はさらに、電極調製に関して利益を有する。粒径の小さい電極材料が開発されているが、ナノ粒子の優れた性能は、結合剤の過剰使用の必要性、低下したタップ密度、および潜在的な安全性の懸念を代償に成り立ち得ることが示されている。SCM/Sの大きな粒径は、電極の調製に必要なポリマー結合剤の量を、ナノ粒子を含む電極材料については20〜28重量%である典型的な含有量に比べて、5重量%(下記参照)まで低下させることを意味する。故に、複合体は、バルクサイズにした電極材料の利点を示すが、内部ナノ構造を有している。
なおさらなる実施形態において、炭素モノリスは、自立型電極としてキャストできる。
(c)非電気活性な構成成分
電極にてポリスルフィドイオンを保持するための非電気活性な構成成分を提供することが、本発明のさらなる態様である。非電気活性な構成成分はまた、絶縁構成成分と称される場合もある。これらの構成成分は、伝導電子に対して不活性である。さらなる実施形態において、「非電気活性な」という用語は、この構成成分が1.0シーメンス/cm(S/cm)未満の電気伝導率を有することを意味する。さらなる実施形態において、この構成成分は、0.1S/cm未満の電気伝導率を有する。
本発明の1つの実施形態において、非電気活性な構成成分は添加剤である。さらなる実施形態において、非電気活性な構成成分は、充填剤を介するインサイチュ形成の結果としてカソードの微量構成成分として存在し、別個に添加されるのではない。
本発明の1つの実施形態において、この構成成分は、収着剤および/またはポリスルフィドイオンを結合するための活性部位を有する試薬である。さらなる実施形態において、構成成分は、ポリスルフィドイオンを吸収できる吸収剤材料である。さらなる実施形態において、吸収は可逆性である。さらなる実施形態において、この材料は、ポリスルフィドイオンを吸着できる活性部位を有する。なおさらなる実施形態において、吸着は可逆性である。本発明のさらなる実施形態において、構成成分は多孔質である。本発明のさらなる実施形態において、孔は、ポリスルフィド(polysufide)イオンを吸収するのに好適な寸法を有する。なおさらなる実施形態において、構成成分の比孔体積は大きい。なおさらなる実施形態において、構成成分は、0.1cm/gより大きい単位孔体積を有する。さらなる実施形態において、この構成成分は、ある程度のポリスルフィドイオンの吸収容量を示す。さらなる実施形態において、この構成成分は、10m/gより大きい表面積を有する。さらなる実施形態において、この非電気活性な構成成分は、1Åから100μmの範囲の平均孔サイズを有する。なおさらなる実施形態において、構成成分は、1nm〜100μmの範囲の平均粒径を有する。
なおさらなる実施形態において、添加剤は、90°未満の水滴に対する接触角を有する。水滴に対する接触角の測定は、構成成分の濡れ性の指標を与える。濡れ性は、構成成分の親水性を規定する。
さらなる実施形態において、非電気活性な構成成分は、電気化学反応中、カソードの集電体として作用しない。これは、ポリスルフィドイオンの還元または酸化が、構成成分の孔内で生じるのを防止する。電解質またはさらにはアノード上に広範囲に拡散する代わりに、カソード構造中に溶解するポリスルフィドイオンは、電池の操作中、カソードの非電気活性な構成成分の孔に維持される。
非電気活性な構成成分は、構成成分の孔に固体の活物質が形成されないという事実により、長期間の様式で可逆的に使用できる。構成成分は、電気伝導性充填剤と近接混合される添加剤の形態であってもよい。あるいは、構成成分は、伝導性充填剤の反応、または伝導性充填剤との反応の結果として直接組み込まれてもよい。非電気活性な構成成分および伝導性材料は、インサイチュ形成の結果として、または充填剤と添加剤との混合によって密接に関連する場合、ポリスルフィドイオンは、電気化学反応の必要性を満たすために容易にアクセス可能である。さらにこのことにより、電気伝導性充填剤とポリスルフィドイオンとの間の電子移動により、固体電極物質を形成する電気化学反応に必要とされるイオンを効率良く放出することができる。炭素充填剤表面においては、固体スルフィドの凝集はほとんど形成されないことを見出した。
本発明のさらなる態様において、ポリスルフィドイオンは、電気化学セルの充電の中間段階において非電気活性な構成成分によって収着される。完全な放電または充電段階において、ポリスルフィド(polusufide)イオンは、添加剤から脱着される。そのため、非電気活性な構成成分は、電気化学セルが充電または放電の中間段階にある場合よりも、セルが完全に放電または完全に充電される場合には、活物質の含有量が少ない。
非電気活性な構成成分は、ポリスルフィドイオンの吸収において高度に可逆性の様式で作用する。ポリスルフィドアニオンの可逆性の吸収および脱着は、構成成分の絶縁特性によって促進される。
1つの実施形態において、非電気活性な構成成分は、添加剤であり、ゼオライト、超分子金属有機フレームワーク、炭素水和物、セルロース、バイオマス、キトサン、非金属性金属酸化物、金属硫酸塩、非金属性金属窒化物、窒化炭素、金属硝酸塩、非金属性金属リン化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、非金属性金属炭化物、金属ホウ化物、金属ホウ酸塩、金属臭化物、金属臭素酸塩、金属塩化物、金属塩素酸塩、金属フッ化物、金属ヨウ化物、非金属性金属ヒ化物、金属水酸化物、分子金属有機−配位子錯体および非伝導ポリマーから選択される。
さらなる実施形態において、添加剤は、ポリスルフィドイオンを可逆的に吸収および吸着するのに好適な孔寸法を有するメソ多孔質シリカまたは遷移金属シリカまたは絶縁遷移金属酸化物である。具体例としては、添加剤は、ゼオライトβ、モレキュラーシーブ13X(Sigma−Aldrich)、(MCM)−41(Sigma−Aldrich)または(SBA)−15である。
なおさらなる実施形態において、非電気活性な構成成分は、電気伝導性充填剤の調製中、インサイチュで形成される多孔質シリカである。例えば、電気伝導性充填剤は、炭素質材料でシリカ材料を充填し、それを炭化し、次いでシリカを除去して、多孔質伝導性炭素構造(硫黄を吸入する)を残すことにより調製される伝導性炭素であってもよい。炭素構造を調製する際に使用された小画分の多孔質シリカ材料は、保持され、インサイチュで非電気活性な構成成分として作用してもよい。
結合化合物
電極はさらに、結合化合物を含んでいてもよい。好適な結合化合物または結合剤は、当業者に既知であり、それらとしては、熱可塑性樹脂およびゴム状ポリマー、例えばデンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロライド、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどを挙げることができる。リチウムに対して反応性の官能基を有する化合物、例えば多糖類を用いる場合、イソシアネート基を有する化合物の添加によって官能基を不活性化することが好ましい。本発明の1つの実施形態において、結合剤は、組成物の総重量に基づいて、0.5〜50重量%、好ましくは3〜30重量%の量で使用されてもよい。
他の添加剤
さらなる実施形態において、カソードは、伝導性炭素のような他の添加剤を含んでいてもよい。
本発明のさらなる態様において、以下を含む再充電可能な電池が提供される:
a.アノード、
b.セパレータ、
c.非水性電解質および
d.以下を含む硫黄含有カソード:
(a)電気活性な硫黄含有材料;
(b)電気伝導性充填剤および
(c)非電気活性な構成成分;
ここで、非電気活性な構成成分は多孔質であり、以下の1つ以上を有し:
i)ポリスルフィドアニオンの吸収を許容する孔寸法、および
ii)ポリスルフィド吸着のための活性部位;
ここで、この吸収および/または吸着が可逆性である。
再充電可能な電池のための種々のアノードが、当該技術分野において記載されており、当業者に既知である。ナトリウム、リチウムおよびマグネシウムはすべて、再充電可能な電池セルのためのアノードとして使用するために考慮される。好適なアノード材料の例としては、金属性リチウム;イオン伝導性膜または他のコーティングで保護されたリチウム金属;リチウム合金、例えばリチウム−アルミニウム合金またはリチウム−スズ合金;ケイ素含有アノードまたはケイ素リチウム含有アノード;リチウムインターカレート炭素;リチウムインターカレートグラファイト;ナトリウム、ナトリウム合金、マグネシウムおよびマグネシウム合金が挙げられる。アノードはさらに、電気伝導性充填剤材料(上記で定義される)および/または結合剤(上記で定義される)を含んでいてもよい。
本発明の1つの実施形態において、非水性電解質は、液体、固体またはゲルであってもよい。1つの実施形態において、電解質は液体である。さらなる実施形態において、非水性電解質は、少なくとも1つの有機溶媒および溶媒中に可溶性の少なくとも1つの塩を含む溶液である。
好適な有機溶媒としては、非プロトン性溶媒、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、メチルホルメート、メチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジオノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、および1,3−プロパンスルホネートが挙げられる。これらの溶媒は、個々にまたは2つ以上の組み合わせのいずれかで使用されてもよい。特定の実施形態において、溶媒は極性有機溶媒である。
上述の溶媒中に可溶性の好適なリチウム塩としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、低級脂肪族リチウムカルボキシレート、LiAlC1、LiC1、LiBr、LiI、クロロボロンリチウム、およびリチウムテトラフェニルボレートが挙げられる。これらのリチウム塩は、個々にまたはこれらの2つ以上の組み合わせのいずれかで使用されてもよい。
他の好適な塩およびまたはイオン性液体は、当業者に知られており、非水性電解質に含まれていてもよい。
特に、プロピレンカーボネートまたはエチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンおよび/またはジエチルカーボネートとの混合溶媒中の、LiCFSO、LiC1O、LiBFおよび/またはLiPFの溶液は、好ましい電解液である。電池に使用されるべき電解液の量は、広い範囲にわたって変動させることができ、当業者に既知である。
支持電解質の濃度は、電解液1リットルあたり、好ましくは0.2〜3モルである。
電解液に加えて、無機または有機固体電解質も使用され得る。好適な無機固体電解質の例としては、窒化リチウム、リチウムハライド、およびリチウムオキシ酸塩が挙げられる。それらのうち、LiN、LiI、LiNI、LiN−LiI−LiOH、LiSiO、LiSiO−LiL−LiOH、xLiPO−(1−x)LiSiO、LiSiS、およびリンスルフィド化合物が挙げられる。好適な有機固体電解質の例としては、ポリエチレンオキシド誘導体またはエチレンオキシド含有ポリマー、ポリプロピレンオキシド誘導体またはプロピレンオキシド含有ポリマー、イオン化基を含有するポリマー、イオン化基を含有するポリマー混合物と上述の非プロトン性電解液との混合物、およびリン酸エステルポリマーが挙げられる。ポリアクリロニトリルおよび電解液の組み合わせならびに有機固体電解質および無機固体電解質の組み合わせも、本発明に使用されてもよい。
本発明の1つの実施形態において、セパレータは、アノードとカソードとの間の障壁である。セパレータは、一般に多孔質材料であることが当該技術分野において既知であり、これがアノードおよびカソードを互いに分離し、または絶縁する。種々のセパレータが開発され使用されており、当業者には既知である。多孔質層またはセパレータとして使用できる材料の例としては、ポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレン、グラスファイバーフィルタ紙およびセラミック材料などが挙げられる。セパレータ材料は、電流生成セルの製作におけるアノードおよびカソードで挟まれる多孔質自立型フィルムとして供給されてもよい。あるいは、多孔質層は、電極の1つに直接適用できる。
本発明の他の特徴は、本発明の例示を目的として与えられ、本発明を限定することを意図しない例示的な実施形態の以下の説明の過程で明らかになる。
以下の実施例はリチウム硫黄電流生成セルを記載するが、硫黄カソードはまた、ナトリウム硫黄およびマグネシウム硫黄セルのような他の電流生成セルに使用されてもよいことが理解される。
(実施例)
特定の実施例において、SCM/SおよびSBA−15を含む電極を調製した。ポリスルフィドリザーバの機能は、図8に概念的に例示される。SBA−15プレートレット(10重量%)をSCM/S(90重量%)内に均質に組み込むために、固体を、超音波処理によって良く分散し、混合した。シリカプレートレットは、混合プロセスによって凝集された粒子内に組み込まれる;それらはまた、図3(f)におけるSEM画像に示されるように表面において視覚可能である。それらの特徴的な形状は、硫黄リザーバ概念(下記参照)を立証するエネルギー分散型X線分光法(EDX)試験にとって重要であるものを容易に同定できるようにする。SBA−15添加剤を有する電極材料または有していない電極材料両方の電気伝導率は、同一で約6S/cmであり、シリカは、全体の濃度が低いために作用していないことを示している。
SCM/S電極の電気化学的測定を、SBA−15の組み込みの影響を調査するために行った。図4は、C/5(334mA/gまたは0.4mA/cm)の電流率にて記録される定電流放電/充電プロファイルを示す。SBA−15を有するセルの初期放電容量は960mA・h/gであり、ここで質量(g)は慣習に従う活性な硫黄構成成分を指す。これは、SBA−15を有していないセルによって示される920mA・h/gの容量よりも大きい。両方のセルは、第1のサイクルにおいてある程度の不可逆性の容量を示し、SBA−15添加剤の場合は小さいが、わずかに高い分極が観察される。全体として、硫黄電極におけるSBA−15の存在により、全体の電気化学性能が顕著に改善する。図5に示されるように、SBA−15を用いない場合はセルは、ポリスルフィドシャトル機構の結果として、容量減衰および充電と放電容量との増大した差異の両方を被る。SCM炭素の大きな孔径は、CMK−3よりも顕著に多くのポリスルフィド溶解を許容することが予想される。
図5(円)に例示されるように、SBA−15を添加する場合、セルはある程度の初期容量減衰(約30%)を経験するが、10番目のサイクル以降は、これはほとんど完全に抑えられる。650mA・h/gを大きく上回る放電容量が、40サイクルを超えても着実に維持される。
エネルギー分散型X線分光法(EDX)を、電気化学的に生じたポリスルフィドアニオンがSBA−15プレートレットに吸収され、必要な場合、すなわち放電の終了付近において脱着されるかどうかを調査するために使用した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)は、このEDX試験および電解質中の硫黄濃度の分析のための1MのLiPFを含有する電解質溶媒として使用した。LiPFの濃度はサイクル全体を通して、硫黄電極においてSBA−15粒子内で一定の値であるはずなので、リンのシグナルは、S/P比の決定により内部参照として作用する。ポリスルフィドアニオンについてのSBA−15添加剤の吸収容量を決定するために、電極材料を、C/5(334mA/gまたは0.4mA/cm)の電流率にて40番目のサイクルにて2.15Vに放電されたセルから抽出した(Arで満たされたグローブボックス中)。この電位において、元素状硫黄は、可溶性ポリスルフィド種、すなわちS 2−・2Liに完全に転化される。カソードを、SEMおよびEDXによって調査した。図6(a)に示されるように、SBA−15粒子から回収されたEDXシグナルは、20スポットから平均して3.4の非常に高い硫黄/リン(S/P)原子比を示す。そのため、電解質中のポリスルフィドアニオン濃度は、図8(b)に模式的に示されるように、カソード層にSBA−15が存在することにより相当低いことが予想され得る。これが、電解質中でのレドックスシャトルを大いに遅らせ、従って両方の電極にて活物質の損失を防止する。
吸収されたポリスルフィドが必要に応じて脱着できるかどうかを決定するために、電極材料を、40番目の放電の終わりに1.5Vまで放電された別のセルから得た。図6(b)に示されるように、SBA−15において0.2という大幅に低い平均S/P比が、測定された(30スポット)。2.15Vおよび1.5VにおけるS/P比を比較することによって、SBA−15粒子において約94%の硫黄質量が脱着され、40番目のサイクル中であっても電気化学反応に関与することが見積もられる。カソード表面においてガラス状のスルフィド凝集相は観察されなかった(図6)。SBA−15ポリスルフィドナノリザーバが、バルク内に含有されていることに加えて、SCM/S粒子の表面にも残っているという事実に起因して、ポリスルフィドイオンは、表面にて還元されて凝集体を形成する代わりに、SCMの孔内に戻って容易に拡散できる。そのため、図8(b)に模式的に示されるように、ポリスルフィドはほどんど、SBA−15の添加により、電解質中に拡散しない。ポリスルフィドアニオンの可逆性の吸収および脱着はまた、シリカの絶縁特性によっても促進される。吸収剤が電気伝導性である場合、スルフィド凝集は、吸収剤の表面にて素早く生じると考えられる。
硫黄電解質濃度を、こうした大きい孔の炭素質電極においてSBA−15添加剤を有するセルおよび有しないセル中で測定した。図7に示されるように、前者の場合に23%未満の硫黄が30番目のサイクルにおいて電解質中に見出され、後者の場合に54%の硫黄が見出される。この結果は、電気化学的結果を裏付ける。
実施例A:
実施例Aにおいて、0.1gのゼオライトであるモレキュラーシーブ13X(Sigma−Aldrich)、0.2gのケッチェンブラック、0.6gの元素状硫黄(Sigma−Aldrich)および0.1gのポリビニリデンフルオライド(PVDF)を混合し、アセトン中で粉砕した。カソード材料を、炭素コーティングされたアルミニウム集電体(Intelicoat)上にスラリーキャストした。電解質は、エチルメチルスルホン中の1.2MのLiPF溶液で構成される。リチウム金属箔を、対電極として使用した。電極の電気化学的測定を、Arbin Systemにおいて行った。図1は、硫黄カソードのサイクル性能におけるゼオライトの安定化効果を示す。セルは、334mA/gまたは約C/3の電流率にてサイクルさせた(完全な掃引は約3時間以内で完了した)。クーロン効率は、最初の15サイクルにおいて95%を超え続けた。これは、こうしたゼオライト添加剤の有効性を証明する。
実施例B:
メソ多孔質シリカであるSBA−15を添加剤として使用し、10nmを超える平均孔径を有するSCMと呼ばれるメソ多孔質炭素を、電気伝導性充填剤として使用した。
SBA−15は、よく開発されたメソ多孔質シリカであり、これは大きな表面積、大きな孔体積、二連結多孔質構造、および高度に親水性の表面特性を示す。SBA−15のモルホロジーは、走査電子顕微鏡(SEM)画像に示される(図2)。
SCMの調製は次の通りである:
シリカコロイド(LUDOX(登録商標)HS−40、40重量%、Sigma−Aldrich)5gを、ペトリ皿にて乾燥させ、半透明のシリカモノリステンプレート(2g)を形成させ、これを炭素前駆体の重合のための触媒として80mgのシュウ酸(97%Fluka)を含有するイソプロピルアルコール溶液(5ml)で10分間含浸した。後にイソプロピルアルコールは、85℃にてオーブン中で蒸発させた。その後にシュウ酸を充填したシリカモノリスを、レスコルシノール(98%、Sigma−Aldrich)2gおよびクロトンアルデヒド(98%、Sigma−Aldrich)1.7gの混合物中に1時間含浸した。浸漬されたシリカモノリスにろ過を適用し、過剰部分の前駆体を除去した。次いで混合物を、以下の条件下、空気中にて一連の熱処理を通して重合に供した:60℃で30分間、120℃で10時間、200℃で5時間。得られたポリマーをアルゴン雰囲気中900℃で炭化した。シリカ/炭素複合体モノリスを、シリカテンプレートをHF(15%)エッチングによって除去する前に粉末に粉砕した。
実施例Bにおいて、0.1gのSBA−15、0.2gのSCM炭素、0.65gの元素状硫黄および0.05gのPVDFを混合し、アセトン中で粉砕した。カソード材料を、炭素コーティングされたアルミニウム集電体上にスラリーキャストした。SBA−15添加剤を有する電極材料および有していない両方の電極材料についての電気伝導率は、同じ約6S/cmであり、これはおそらく電極材料におけるSBA−15ロッドの均質性によるものである。図3では、SCM/Sのより大きな粒子の表面上にSBA−15ロッドの結合が実証されている。
図4は、334mA/gまたは約C/3の電流率にて記録された第1の定電流放電/充電プロファイルを示す。実線は、SBA−15添加剤を有してないセルからのものである。破線は、SBA−15添加剤を有するセルからのものである。SBA−15を有するセルの第1の放電容量は、960mA・hg−1であり、SBA−15を有していないセルによって示される920mA・hg−1より大きい。
図5に示されるように、セルは最初の10サイクルにおいて、ある程度の容量減衰を生じるが、10番目のサイクル以降はSBA−15を添加することにより容量減衰はほとんど見られない。650mAh・g−1を超える放電容量が40サイクル後に維持される。重要なことには、クーロン効率は、30サイクルの間、ほぼ100%維持され、これはセル中にポリスルフィドシャトルがないことを示す。エネルギー分散型X線スペクトル(EDX)を使用して、電気化学的に発生したポリスルフィドアニオンが、SBA−15ロッドによって吸収され、必要に応じて、すなわち放電の終了付近で脱着されるかどうかを調査した。テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)を、このEDX試験および電解質中の硫黄濃度分析のためのセル中において電解質溶媒(1MのLiPFを含有する)として使用した。LiPFの濃度は、サイクル全体を通して、電極中のすべてのSBA−15粒子内で一定値である。故に、リンEDXシグナルを、SBA−15粒子に吸収される硫黄濃度を評価するための標準として使用した。
ポリスルフィドアニオンに対するSBA−15添加剤の吸着容量を決定するために、セルを、元素状の硫黄がほとんど、可溶性ポリスルフィド種、すなわちS 2−・2Liに転化されているその40番目のサイクルにおいて、C/2の電流率にて2.15Vに放電した。複合体カソードをSEMおよびEDXによって調査した。図6(a)に示されるように、四角で標識されるSBA−15ロッドから回収されたEDX結果は、高い硫黄/リン(S/P)原子比(平均3.4)を示す。一方で、吸収されたポリスルフィドが必要に応じて脱着され得るかどうかを知るために、相当低いS/P比(平均0.2)を、図6(b)に示されるように、1.5Vでの40番目の放電の終了時に電極中のSBA−15ロッドから得た。2.15Vと1.5VとのS/P比を比較することによって、SBA−15中の硫黄の94%が脱着され、40サイクル後であっても電気化学的反応に関与したことが明らかである。
おそらく薄いイオン層を形成することによって近傍のポリスルフィドアニオンを吸収し得る酸化物ナノ粒子よりも優位に、メソ多孔質シリカ粒子は、強い吸着を与えることができるだけでなく、拡散されたポリスルフィドアニオンのための収容空間も提供する。そのため、ポリスルフィドアニオンはほとんど、SBA−15の添加により電解質中に拡散しない。これは、ポリスルフィドシャトル、電極表面上のスルフィド堆積物の他の有害な効果およびカソードからの活物質の損失を大いに遅らせる。ポリスルフィドアニオンの可逆性の吸収および脱着は、シリカの絶縁特性によって促進される。吸収剤が電気伝導性である場合、スルフィド凝集は、吸収剤の表面において迅速に形成され得る。
SBA−15添加剤を有するセルおよび有していないセルについて電解質の硫黄濃度を測定した。図7に示されるように、前者の場合においては23%未満の硫黄が30番目のサイクルにおいて電解質中で見出され、後者の場合には54%の硫黄が見出される。この結果は、材料の電気化学的結果を裏付ける。
実施例C
この実施例において、非電気活性な構成成分を含有しないカソードを調製した。カソードの調製において、0.2gのSCM炭素、0.65gの元素状硫黄、および0.05gのPVDFを混合し、アセトン中で粉砕した。カソード材料を、炭素コーティングされたアルミニウム集電体上にスラリーキャストした。図4(実線)は、334mA/gまたは約C/3の電流率にて記録された第1の定電流放電/充電プロファイルを示す。SBA−15を有していないセルの第1の放電容量は、920mA・hg−1である。実施例BおよびCにおける両方のセルは、第1のサイクルにおいて不可逆性の容量を示し、SBA−15添加剤を有する場合は小さい。SBA−15を有するセルの分極が、おそらく低下した電子伝導率に起因して、SBA−15を有していないものよりもわずかに大きいことは注目すべきである;しかし、硫黄電極におけるSBA−15の存在が、電気化学的性能全体を改善することに役立つことは明らかである。SBA−15を有していない場合、実施例Cのセルは、図9に示されるように、迅速な容量減衰および充電と放電容量との増大した差異の両方を被る。それはおそらくSCM炭素の大きい孔サイズが原因であり、低い割合でのポリスルフィドの溶解を容易にし、ポリスルフィドシャトルを促進する。
本発明は特定の具体的な実施形態を参照して説明されたが、それらの種々の変更は、添付の特許請求の範囲に概要される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者には明らかである。本明細書に与えられるいかなる実施例も、本発明を例示するためだけに含まれ、いかなる方法によっても本発明を限定することを意図するものではない。本明細書に与えられるいかなる図面も、本発明の種々の態様を例示するためだけにあり、いかなる方法によっても本発明を縮小または限定することを意図するものではない。本明細書に引用されるすべての先行技術の開示は、それらの全体を参考として本明細書に組み込まれる。

Claims (20)

  1. 再充電可能な電池における使用のための硫黄カソードであって、このカソードが:
    (a)電気活性な硫黄含有材料;
    (b)電気伝導性充填剤、および
    (c)非電気活性な構成成分;
    を含み、この非電気活性な構成成分が多孔質であり、以下の1つ以上を有し:
    i)ポリスルフィドアニオンの吸収を許容する孔寸法、または
    ii)ポリスルフィド吸着のための活性部位;
    ここで、この吸収および/または吸着が可逆性である、カソード。
  2. さらに結合剤を含む、請求項1に記載のカソード。
  3. 前記非電気活性な構成成分が添加剤である、請求項1または2に記載のカソード。
  4. 前記非電気活性な構成成分が伝導性充填剤においてインサイチュで形成される、請求項1または2に記載のカソード。
  5. 前記非電気活性な構成成分が、0.1cm/gより大きい単位孔体積を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のカソード。
  6. 前記非電気活性な構成成分が1Å〜100μmの範囲の平均孔サイズを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のカソード。
  7. 前記非電気活性な構成成分が、1.0S/cm未満の電気伝導率を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のカソード。
  8. 前記非電気活性な構成成分の伝導率が、0.1S/cm未満である、請求項7に記載のカソード。
  9. 前記非電気活性な構成成分が、10m/gより大きい表面積を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のカソード。
  10. 前記非電気活性な構成成分が、1nm〜100μmの範囲の粒径を示す、請求項1から9のいずれか一項に記載のカソード。
  11. 前記非電気活性な構成成分が、1%〜50%の範囲でカソードにおける重量%を占める、請求項1から10のいずれか一項に記載のカソード。
  12. 前記非電気活性な構成成分が、前記カソードにおける他の構成成分と微細に混合されている、請求項3に記載のカソード。
  13. 前記非電気活性な構成成分が、前記カソードの他の構成成分の混合物とは別個の層として分散されている、請求項3に記載のカソード。
  14. 前記非電気活性な構成成分が、ゼオライト、超分子金属有機フレームワーク、炭素水和物、セルロース、バイオマス、キトサン、非金属性金属酸化物、金属硫酸塩、非金属性金属窒化物、窒化炭素、金属硝酸塩、非金属性金属リン化物、金属リン酸塩、金属炭酸塩、非金属性金属炭化物、金属ホウ化物、金属ホウ酸塩、金属臭化物、金属臭素酸塩、金属塩化物、金属塩素酸塩、金属フッ化物、金属ヨウ化物、非金属性金属ヒ化物、金属水酸化物、分子金属有機−配位子錯体および非伝導ポリマーからなる群から選択される1つ以上の材料を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のカソード。
  15. 前記非電気活性な構成成分が、水滴に対して90°未満の接触角を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のカソード。
  16. 前記電気活性な硫黄含有材料が、元素状硫黄または硫黄含有化合物を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のカソード。
  17. 前記電気伝導性充填剤が、伝導性炭素、グラファイト、活性炭、金属粉末、電気伝導性ポリマー、ポリマーテザー炭素、伝導金属酸化物、伝導リン化物および伝導硫化物から選択される1つ以上の材料を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のカソード。
  18. a.アノード、
    b.セパレータ、
    c.非水性電解質、および
    d.請求項1から17のいずれか一項に記載の硫黄含有カソード
    を含む再充電可能な電池。
  19. 前記アノードが、ナトリウム、リチウムまたはマグネシウムを含む、請求項18に記載の再充電可能な電池。
  20. 前記アノードがリチウムを含む、請求項19に記載の再充電可能な電池。
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