JP2013506078A - 水中圧縮流体エネルギ貯蔵システム - Google Patents

水中圧縮流体エネルギ貯蔵システム Download PDF

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Abstract

圧縮流体貯蔵システムは、第1の運転モード時に流体を圧縮し、第2の運転モード時に流体の膨張を可能にするように構築された双方向コンプレッサ/膨張機(C/E)ユニットと、水域の下の海底に配置された流体貯蔵システムと、C/Eユニットと流体貯蔵システムとの間に配置され、C/Eユニットと流体貯蔵システムとの間で流体を移動させるように構成されたパイプシステムとを含む。
【選択図】図4

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年9月23日出願の米国特許出願第12/889,013号、2009年9月23日出願の米国仮特許出願第61/245,279号、2010年3月1日出願の米国仮特許出願第61/309,415号、2010年7月14日出願の米国仮特許出願第61/364,364号、および2010年7月14日出願の米国仮特許出願61/364,368号に対する優先権を主張するものであり、これらの特許の開示は本明細書に援用される。
本発明の実施形態は、概略的には、圧縮流体エネルギ貯蔵に関し、より詳細には、水中貯蔵装置に圧縮流体を貯蔵し、水中貯蔵装置からエネルギを抽出する方法および装置に関する。圧縮された流体が空気である実施形態では、かかる発明は、圧縮空気エネルギ貯蔵(CAES)システムとして公知のエネルギ貯蔵システムのクラスに属するが、本明細書では、任意の圧縮流体エネルギ貯蔵システムを一般的に指すものとしてCAESを使用する。
再生可能なエネルギ(RE)源は、次第に少なくなる再生不可能なエネルギ源と高い炭素放出との時代の従来の動力源に対する代替物となる。しかし、多くの形態の再生可能エネルギは、需要がビークのときに入手できないことから、RE源が十分に利用されないことも多い。例えば、RE源は、所望しないピーク外の時間中に最も入手可能性が高くなり得、あるいは人口密集地または電力が最も必要とされる場所から離れた領域に配置されており、ピークの時間中に他のすべてのピークにある動力源とともに配電網を共有しなければならないことがあり得る。
RE源には、例として、水力、地熱、海洋温度差発電(OTEC)があり得る。水力は、例えば、貯水池と組み合わせた場合に、変化する電力負荷に合わせて、または負荷に追従して流量を増減できる1つのRE源である。地熱およびOTECも良好なベースロードRE源であるが、それらの使用に当たって所在地の可変性が限定されがちである。当然のことながら、海洋温度差発電機は、海洋の温度躍層にまたがって従来から利用されているが、それに加えて、表面水と深層水との間に温度差がある淡水域に適用することもできる。RE源には、例として、ソーラ、風、波、および潮もあり得る。しかし、これらの動力源には、電力を供給できるのが間欠的であるという傾向がある。したがって、これらの動力源が配電網によるエネルギ供給に実質的に寄与するには、エネルギ貯蔵が望ましい。
例えば、風力エネルギは、kWh当たりのコストに関してコスト効率を高くし得るが、エネルギが必要なときにエネルギを発生させないことがある。風力エネルギでは、主に、配電網の需要に応じて送電できないだけでなく、風力レベルに応じて制御不能に変動するその電力出力のタイミングに起因して、適度な配電網浸透レベルであっても障害に直面する。コスト効率の高い貯蔵が利用できない限り、この問題は、あらゆる種類のより多くのRE源が配電網に加えられるとともに悪化する。エネルギの需要と供給とを調整するエネルギ貯蔵を行わない場合、再生可能エネルギの割合が20%を超えると、多くの場合、配電網は安定性を失う。
配電網用のコスト効率の高い貯蔵が、電力供給の初期から求められてきたが、まだ利用できていない。1日全体を通した、および季節間の電力需要の変動により、一部の期間だけ利用される発電資産を有することが必要となり、これは、最大容量未満で使用される資産の資本費、運転費、および保守費を上昇させ得る。さらに一部の発電資産は、出力を絞るか、または停止させることが困難であり、短期間で最大出力に戻すことが困難である。エネルギ貯蔵は、電力の需要と供給に、より良好に合わせるための一時保管領域を提供することができ、動力源がより高い適応力で、ひいてはより高い効率で機能するのを可能にする。
大規模なエネルギシステムに対して、いくつかの先行貯蔵技術のコストパラメータを考慮してもよく、各技術はそれ自体の原価作用因を有する。例えば、揚水式発電は、何十年にもわたって使用されており、他の配電網エネルギ貯蔵のアイデアを評価する基準とされることが多い。揚水式発電は、エネルギ容量の観点から効率的であり、貯蔵されるエネルギの収集時に燃料を全く消費しないが、限定された所在地にしか配置することができず、単位電力当たりの資本費が高い。通常、かなりの高低差および2つの貯水池が必要とされる。また、北アメリカにおける実現可能な現場のほとんどはすでに開発されたと考えられ、コストに関係なく、揚水発電がエネルギ貯蔵容量を大きく増やすのに寄与できるとは思えない。揚水発電はまた、発電コスト($/kW)の点でかなり高価であるが、それでもなお、単位エネルギ当たりのコスト($/kWh)がかなり安価であるために、利用できる場合は幅広く使用されている。
CAESは、公知のエネルギ貯蔵技術の多くの欠点を解決する魅力的なエネルギ貯蔵技術である。CAESの従来の手法は、個別設計したガスタービン発電装置を使用するものであり、コンプレッサを駆動し、地下の洞窟または帯水層に圧縮空気を貯蔵する。エネルギは、圧縮空気をコンプレッサの下流のタービンシステムに射出することで収集され、圧縮空気は、天然ガスを燃料とする燃焼空気と混合されるか、またはそれによって加熱され、膨張してタービンを通過する。適度な容積の空洞または帯水層を利用するために、システムは高圧で動作する。そのため、貯蔵および取り出しプロセス時に一定容積および可変圧力で動作するシステムとなり、そのような広範な圧力にわたって動作することが必要となるため、結果として、コンプレッサおよびタービンシステムに余分なコストがかかる。地下のCAESは地理的な制約を受ける。洞窟は、動力源、負荷地点、または配電網送電線の近くにないかもしれない。対照的に、工業化世界において90%を超える電気負荷が、水中CAESが実用的であるのに十分な水深の近くにある。水中CAESでは、地下CAESが受ける地理的制約の多くが取り除かれる。
また、流体の効率的な圧縮および膨張のための重要な因子は、圧縮中に発生する熱と、膨張中に必要とされる熱とに対処することである。従来のCAESは、天然ガスの燃焼を使用して(多くの場合、ガスタービン排気ガスからの熱を吸収することで)空気を再加熱し、圧縮の熱を周囲環境に放散する。そのようなシステムは、断熱運転を可能にするために、熱貯蔵装置を含むことができる。そのようなシステムはまた、圧縮および膨張段階用の個別の装置を有することが多く、したがって、資本経費がより高くなり、さらには天然ガスの使用により、運転コストがより高くなり、複雑さが増す。その結果として、購入したピーク外電力を利用して空気貯蔵器に畜圧すると、発電装置は、ピーク需要期間中に電力を生成できるが、設備が増え、燃料費がより高くなる。
したがって、外部燃料を必要とすることなく、従来の動力源との競合力がある、より効率的かつコスト効率の高い様式で、圧縮流体エネルギ貯蔵システムにエネルギを貯蔵および回生する装置および方法を設計することが望ましい。
本発明の一態様によれば、圧縮流体貯蔵システムは、第1の運転モード時に流体を圧縮し、第2の運転モード時に流体の膨張を可能にするように構築された双方向コンプレッサ/膨張機(C/E)ユニットと、水域の下の海底に配置された流体貯蔵システムと、C/Eユニットと流体貯蔵システムとの間に配置され、C/Eユニットと流体貯蔵システムとの間で流体を移動させるように構成されたパイプシステムとを含む。
本発明の別の態様によれば、圧縮流体貯蔵システムを使用する方法は、圧力変換装置のシャフトに第1の回転方向で回転力を加えて、第1の流れ方向で圧力変換装置を通る流体を圧縮することと、水域の水面の下に配置された流体貯蔵システムに圧縮流体を貯蔵することと、圧縮流体を第2の流れ方向で流体貯蔵システムから圧力変換装置に通して、第2の回転方向でシャフトに回転力を加えることとを含み、第2の流れ方向は第1の流れ方向と反対である。
本発明のさらに別の態様によれば、圧縮流体貯蔵システムは、動力源と、シャフトを介して動力源に接続され、圧縮モードで流体を加圧し、膨張モードで流体を膨張させる複数の圧縮/膨張(C/E)段を含む、流体を圧縮することも膨張させることも可能な一体型コンプレッサ/膨張機(C/E)装置と、一体型C/E装置の複数の圧縮/膨張段に接続され、水域の下に配置された流体バッグと、一体型C/E装置が圧縮モードにあるときに、加圧流体を一体型C/E装置から流体バッグに送るように構成され、一体型C/E装置が膨張モードにあるときに、圧縮流体を流体バッグから一体型C/E装置に送るように構成された圧力流体搬送システムと、動力が動力源から入手可能な場合に、一体型C/E装置を圧縮モードにし、流体を加圧し、加圧流体を一体型C/E装置の複数のC/E段から流体バッグに移動させ、動力を流体バッグから引き出すことが選択として望ましい場合、一体型C/E装置を膨張モードにし、加圧流体を流体バッグから一体型C/E装置の複数の圧縮/膨張段に移動させ、加圧流体を膨張させるように構成された制御ユニットとを含む。
他の様々な特徴および利点が、下記の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
図面は、本発明を実施するために現時点で考えられる1つの好ましい実施形態を示している。
図1は、本発明の実施形態の実施形態の一般的な機能を示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態による、図1に示した機能を有するシステムを示す概略図である。 図3は、本発明の実施形態による、海に配置されたシステムの基本構成要素を示す概略図である。 図4は、本発明の実施形態による、陸に配置されたシステムの基本構成要素を示す概略図である。 図5は、断熱運転と等温運転との間の違いを示す概略図である。 図6は、回転式Wankelコンプレッサ/膨張機(C/E)を示している。 図7は、本発明の実施形態によるクラッチおよび熱交換器を有するシステムを示している。
本発明の実施形態は、海洋、海、湖、貯水池、湾、港、入り江、川、または他の任意の人工もしくは天然水域の水底に圧縮流体貯蔵容器を配置または設置することを含む。本明細書において、「海」とは任意のかかる水域を指し、「海底」とは海の底を指す。本明細書において、「流体」とは、空気、CO2などの圧縮可能な任意のガスまたは液体、さらには超臨界流体を指す。本明細書において、「堆積物」(例えば、「海底堆積物」)とは、海の底または海底からの海洋物質を指し、例として、砂利、砂、沈泥、粘土、マッド、海底に積もった有機または他の材料があり得る。
本システムの開示された実施形態では、圧縮流体は、水域の中(または「下」とも称される)のバッグに貯蔵される。周囲の水の静水圧は、コンプレッサを介してバッグに加圧充填される圧縮流体に対する主要な抑制パラメータになる。従来の「揚水発電」の貯蔵では、水はかなり高い地理的高度を通って揚水される。対照的に、本開示のシステムの実施形態では、水域の水準は、基本的に、下方に流体を補給する機構によって高められる。その技術は、海洋、または陸上の湖もしくは貯水池に同等にうまく適合する。本開示のシステムは、多くの場合、(水深に基づいて)従来のCAESよりも低い圧力比で動作し、これらの低い圧力比と、大きなヒートシンクとして水を使用することとにより、いくつかの実施形態で説明するように、膨張段階の直前か、または膨張段階中に化石燃料で流体を再加熱する必要がなくなる。また、本システムは、ほぼ一定の貯蔵圧力で動作し、より単純でより効率的なコンプレッサ/膨張機(C/E)構造を可能にする。
ここで図1を参照すると、本開示のシステムの実施形態の一般的な機能が示されている。システム10は、本発明の実施形態において、例として、風力、(例えば、「ソルターカム式波力発電装置」による)波力、流力、潮力、またはソーラパワーなどの再生可能なエネルギ源から取り込むことができる入力動力12を含む。別の実施形態では、入力動力12は配電網から取り込んでもよい。再生可能エネルギ(RE)源の場合、そのような動力源は間欠動力を供給することがある。配電網の場合、システム10は配電網に接続することができて、深夜または早朝時間中などのピーク外の時間中に電力を引き込むことができ、圧縮流体エネルギとして貯蔵することができ、次いで、システム10から引き出されたエネルギを額面以上(すなわち、電気エネルギの裁定取引)で売ることができるピークの時間中に回生できるか、または安価なベースロード電力を貯蔵することでピーキング能力が得られるように、石炭などのベースロード発電システムを増強するために回生できる方式で制御することができる。別の使用方法として、石炭などの従来の動力源の代わりに、概ね静的なモードで低コスト電力を供給するベース電源としてシステム10を使用し、負荷が変動し、システム10からの供給量を超えたときに一時的な電力を供給するピーク電力システムとして従来の動力源(例えば、天然ガス、ディーゼルなど)を使用し、こうして平均電力コストを削減する方法がある。
また、システム10は上記の動力源に限定されるのではなくて、間欠的に利用できる動力源、または低コストの、もしくはピーク外の時間中に引き出すことができ、電気負荷のピーク時または発電所の供給停止時間中などの望ましい期間中に売ることができる動力源を含む任意の動力源に適用することができる。さらに、システム10は、単一の入力動力12に限定されるのではなくて、システム10に接続することができる複数の動力源を含んでもよい。言い換えると、組み合わせた複数の動力源を入力動力12として単一のシステム内に含むことができる。入力動力12は、流体吸入口16からの流体を圧縮するために、機械力14に連結されている。
流体圧縮18は、回転方向に応じて流体を圧縮することも膨張させることもできる、Wankelタイプのコンプレッサ/膨張機(C/E)などの装置から得てもよい。ただし、本発明はそのように限定されるものではなく、本発明の実施形態に応じて、流体を圧縮するのに機械力を使用する任意のコンプレッサを実装することができ、本発明の実施形態に応じて、機械エネルギを発生させるために流体を減圧する任意の膨張機を実装することができる。本発明の実施形態では、C/Eは、0.2MW〜3MWの電力を発生させることができるが、本発明はそのように限定されるものではなく、0.0001MW程度の低い電力、および5MW以上の高い電力を含むことがあり得るシステム要求に見合った任意の範囲の電力を発生させることができる。したがって、流体圧縮18は、機械力14が流体入力16を使用した結果として起こる。流体圧縮18は、1つまたは複数のサイクルで行うことができ、当技術分野で公知のように、ポンプおよび熱交換器を介して段間で冷却を行うことができる。冷却は、圧縮流体と冷却用流体との間の直接接触を通じて行うこともできる。流体圧縮18からの流体は、流体入力22を介して圧縮流体貯蔵器20に送られる。また、圧縮流体貯蔵器20は、バラストとして堆積物を使用して、湖、(自然の、または人工の)貯水池、または海などの水域内で、かつ流体を圧縮し、後で膨張させるために貯蔵することができる水深で安定することができるバッグ、または他の共形流体格納装置とすることができる。したがって、流体塊が、流体の量に応じて、かつ水域内の水深に応じてほぼ等圧で貯蔵される。
流体貯蔵バッグまたはチューブは50℃と見積もることができる。本発明の実施形態による1つのコンプレッサ構造では、圧縮熱は回収および貯蔵され、膨張機から流体ホースに入る流体の予測される出口温度は、水温よりも約5.5℃だけ高い。周囲水だけを使用して圧縮段を冷却し、最終段後に熱交換器がない場合、流体ホースに入る流体の温度は周囲温度を30℃超えることがある、言い換えると、海面温度が15℃の場合に45℃を超えることがある。何らかの理由でチューブ温度限界を超える場合、温度アラームによりコンプレッサを停止することができる。1つまたは複数の温度センサをCAESシステムの流体貯蔵チューブの長手方向に配置することができ、それにより、流体貯蔵チューブの温度を観測することができる。例えば、温度アラームは、温度限界に達したか、または超えたことをシステムオペレータに知らせることができる。さらに、システムコンプレッサに対するアラームシャットダウンにより、コンプレッサは、影響を受ける流体チューブに圧縮流体を供給するのを止めて、流体貯蔵チューブ、または影響を受ける流体貯蔵チューブに接続された流体ホースの損傷を軽減するか、または防止することができる。バッグは、可変容積構造により一定の圧力を受け、したがって、バッグ内でのさらなる加熱は起こらない。
貯蔵されたエネルギをシステム10から引き出すのが望ましい場合、流体出力24を介して圧縮流体貯蔵器20から圧縮流体を引き出すことができ、流体膨張26が起こる。当技術分野で公知のように、流体膨張26により利用可能なエネルギが得られ、利用可能なエネルギは、例えば、機械装置に送ることができ、機械装置は、発電30用の機械力28を抽出することができ、発電30は、配電網、または電力を送電するのが望ましい他の装置に送ることができる。排出流体32は、一般標準の圧力または周囲圧力で環境に放出される。本発明の実施形態では、機械力28は、例として、Wankelタイプの膨張機から発生させることができる。さらに、説明するように、流体圧縮18用の機械力14と流体膨張26から得られる機械力28とは、同じ装置(すなわち、圧縮/膨張装置または「C/E」装置)によるか、またはシステム10内の異なる、もしくは分離した装置を介したものとすることができる。
原則的には、C/Eは、等温運転、断熱運転、またはそれらの組み合わせで使用することができる。別の例では、別個の熱交換器を使用せず、熱貯蔵器を使用しないC/Eを実装することができる。当技術分野で公知のように、流体が圧縮されると流体は熱くなり、流体が膨張すると流体は冷える。したがって、本発明の実施形態は、流体圧縮18からの流体を冷却する強制対流冷却34と、流体膨張26からの流体を加熱する強制対流加熱36とを含む。流体貯蔵は、概ね周囲の温度および圧力で(すなわち、説明したように水域内の深部で)行われるため、流体圧縮18用の冷却34も流体膨張26後の加熱36もシステム10を囲む大量の流体(すなわち、湖水または海水)を使用して行うことができる。したがって、システム10は、一部の実施形態において、圧縮段階中に流体を周囲の近くまで冷却し、膨張段階中に流体を周囲の近くまで加熱する概ね等温の様式で動作することができる。他の実施形態では、システム10は、圧縮からのエネルギが制御された熱伝達プロセスを経て熱貯蔵タンクに貯蔵され、さらに、膨張後に流体を加熱するエネルギが、貯蔵タンクに貯蔵されたエネルギから引き出される、周囲の環境との熱交換が比較的少ない概ね断熱の様式で動作することができる。そのような方式では、システムには、圧縮流体の顕熱を調整、または回収する方法が含まれる。もっとも、当技術分野ではよく知られているように、どちらの場合も、ポンプおよび熱交換器を使用して、システム内の所望の位置で冷却することができる。
さらに別の実施形態では、流体圧縮18からのエネルギがそれ自体貯蔵されるのではなくて、水面温度と深部の温度との間の自然の温度差を利用して、水がシステム10に選択的に引き込まれる。そのような実施形態では、流体圧縮18中に深部(すなわち、水面よりも十分に下の部分)から得られた比較的冷たい水を使用して冷却34を行うことができ、流体膨張26中に水面に近い部分から得られた比較的温かい水を使用して加熱36を行うことができる。この様式でこの温度差を利用することは、実際上、エネルギ貯蔵サイクルに熱エンジンサイクルを加えることであり、したがって、水域からの熱エネルギ入力により、保存されたエネルギよりも多くのエネルギが抽出されると考えられる。
システム10は、システム10の構成要素に制御可能に接続できるコントローラまたはコンピュータ38を含む。
ここで図2を参照すると、複数の、図1のシステム10などのシステムを本発明の実施形態に従って配置することができる。さらなる図を参照して下記にさらに詳細に説明するように、各システム10は、一体の、または双方向のコンプレッサ/膨張機(C/E)ユニットを含むことができ、コンプレッサ/膨張機ユニットは、水域の水面よりも十分に下に配置された流体貯蔵チューブアセンブリに接続されている。各C/Eは、エネルギ源および発電機に接続されている。エネルギ源は、風力もしくは波力などの再生可能資源とするか、またはエネルギを配電網もしくは太陽電池アレイなどの再生可能資源から引き出すモータとして動作する発電機自体から得ることができる。
したがって、図2は、図1、ならびに次の図およびイラストに示すようなシステム10を複数有する全システム50を示している。各システム10は、動力入力54を有するように構成され、さらに、発電機56(またはモータ/発電機)に連結されたC/E52を含む。各発電機56は、それぞれの電力出力58を有するように構成されている。一実施形態では、各電力出力58は、負荷または電力系統に個別に接続されるが、示したような別の実施形態では、2つ以上の発電機56からの複数の電力出力58を統合して、統合した電力出力60を負荷または電力系統に出力することができる。
各C/E52は、流体貯蔵チューブアセンブリ62に接続され、流体貯蔵チューブアセンブリ62は、さらに説明するように、深部に配置され、それぞれのC/E52から圧縮流体を受け取るように構成されている。本発明の実施形態によれば、各C/E52は、チューブまたはパイプ64を介して複数の流体所蔵チューブアセンブリ62に接続することができる。したがって、単一のC/E52は、多数の流体貯蔵アセンブリ62に接続することができ、例として、搬送管の数量と、流体貯蔵チューブアセンブリ62が配置される地形とによって限定されることがある。全システム50の動作は、コンピュータまたはコントローラ66によって制御することができ、当業者には、各システム10が、全体にわたって分布する制御弁、圧力センサ、温度センサなどを含むことができると分かるであろう。コントローラ66は、動力が動力源から入手できる場合に、流体を加圧し、加圧流体をC/E52、すなわち加圧段から流体貯蔵チューブアセンブリ62に進ませ、動力が流体貯蔵チューブアセンブリ62から引き出されるのが選択として望ましい場合に、加圧流体を流体貯蔵チューブアセンブリ62からC/E52、すなわち膨張段に進ませ、加圧流体を膨張させるように構成されている。
したがって、全システム50は、複数のシステム10を有するモジュールの方式で配置することができる(図2にはシステム10が2つだけ示されている)。結果的に、このモジュール方式により、システムの一部が作動を停止し、一方、システムの残りの部分は運転を続けるのを可能にすることで、システムの障害許容力と、現場において最小限の全システム中断時間でユニットを交換する能力とが付与される。モジュール方式はまた、別のシステムが異なるモードで同時に動作する(すなわち、一方のシステムがエネルギを収集/貯蔵し、他方が動力を発生させる)のを可能にする。したがって、図2に示すように、複数のCEが連動してモジュール式を可能にする。また、例えば、個々の流体貯蔵チューブアセンブリ62をそのそれぞれのC/E52から切り離す、または分離することができる方式で各システム10を制御することができる。結果として、運転中に、個々のシステム10または個々の特定のシステム10の構成要素を、障害解決、修理、または定期保守のために運転から外すことができる。したがって、点検のために全システム50を停止する必要がないことから、モジュール方式によって点検が容易になり、全体的な信頼性が高まる。
さらに、全システム50がモジュール方式であるため、運転中に、さらなるシステム10を全システム50に漸次追加するか、またはさらなる貯蔵器を各システム10に追加することができる。したがって、電力需要は長い間に変わる(すなわち、所与の配電領域での人口増加または人口減少)ため、図2に示すものと同じモジュールの方式で、長期にわたり、システム要求の変化に合わせて動力および/または貯蔵容量を追加したり、あるいは取り除いたりすることができる。したがって、モジュールシステムは拡張可能であり、全システムの中断時間および運転に及ぼす影響を最小限にして、他のシステムを構築し、稼働させることができる。
さらに、全システム50のシステム10は、互いから切り離した方式で同時に運転することができる。例えば、一連のシステム10の一部では、システム10の1つが強い風を受けることがあり、したがって、圧縮モードで運転されて、そのそれぞれの流体貯蔵チューブアセンブリ62にエネルギを貯蔵することができる。一方、それと同時に、システム10の別の1つが風をほとんど受けないか、または全く受けない領域に存在することがあり、したがって、膨張モードで運転されて、そのそれぞれの流体貯蔵チューブアセンブリ62からエネルギを引き出すことができる。
したがって、全システム50は、複数の運転モードを可能にする自由度の高い方式で運転することができ、さらに、全システム50を停止する必要なしに、保守、修理、および作業のために全システムの一部を一時的に停止するか、または永続的に運用から外すことを可能にするようにモジュールの方式で構成することができる。
さらに、全システム50の構成および動作は、決して所与の例に限定されるものではない。例えば、風力エネルギの代わりに、システム10は、さらなる例として、波エネルギ源または水流源に接続することができる。システム10は、それぞれ複数のC/E52を使用してもよく、C/E52が、それらの間で流体貯蔵器を共有するように構成されてもよい。したがって、一例では、一方のシステム10の1つのC/E70を他方のシステムの流体貯蔵チューブアセンブリ72と別々に接続するように補助搬送管68を配置および構成することができる。そのような方式では、例えば、1つのC/E70の修理または保守中に、流体貯蔵チューブアセンブリ72の貯蔵容量を使用することができる。さらに、搬送管68に例が示されるように、経路の変更により、モジュール性と、システムの障害許容力と、動力容量の漸次拡張性と、C/Eユニットの現場交換性と、一方のC/Eを圧縮モードで、他方のC/Eを膨張モードで運転できることとを含むさらなる利点を得るための複数のC/E52、70の協同使用が可能になる。これらの利点により、グレースフルデグラデーションと、システム全体の単一障害点がないことと、動力要求および貯蔵要求が大きくなったときに容量を追加する適応性とを備えたシステムが得られる。経路の変更はまた、原動機(例として、風力発電機、(例えば、「ソルターカム式波力発電装置」を介する)波力発電機、流力発電機、潮力発電機、および海洋温度差発電機など)からの動力が、流体を圧縮する第1のC/Eを通過し、任意選択で貯蔵され、膨張モードで第2のC/Eを通過し、配電網用の電力を発生させる貫流運転モードを可能にする。そのような実施形態は、システムの立ち上げおよび立ち下げ時間をなくし、遅延することなく、要求に応じてすぐにでも動力を取り込み、動力を送出する待機運転モードを可能にする。
ここで図3を参照すると、海に配置されたシステム10の基本構成要素が示されている。システム10の構成要素は、水面に近いプラットフォーム98に配置することができる。したがって、図3は、海100および海底102を示している。海100には、海洋、湖、またはダムを設けた川などにある貯水池が含まれ、この実施形態およびすべての実施形態では、海100は、いかなる特定の水域にも限定されない。システム10は、標準的な深さ106に配置された可撓性の流体バッグまたは流体バッグアセンブリ104と、発電機110に連結された単方向または双方向流体圧力変換装置、またはコンプレッサ/膨張機(C/E)108と、熱伝達システム(図1を参照して説明したポンプおよび熱交換器は図示されていない)とを含む。C/E108は、複数の膨張および圧縮段を含むことができ、熱交換器一式(図示せず)は、圧縮段間または膨張段間で流体をそれぞれ冷却または再加熱することができる。加圧流体を搬送するチューブが循環水中に浸されるか、またはより一般的には、フィン付きチューブの内部を流れる加圧流体が、内部のフィン付きチューブ熱交換器を通り過ぎる。システム10は、実質的に、ほぼ等温または断熱モードで動作するように構成することができる。
図3のシステム10は、それらに限定されるものではないが、制御システム、コンピュータ、およびシステム10の構成要素を機械的に連結する1つまたは複数のクラッチなどの他の装置を含むことができると当業者には分かるであろう。バッグ104はバラストを積まれているため、膨張したときも水面に浮かぶことはない。
流体ホースまたはパイプ、あるいは加圧流体搬送システム112は、海100の水面で、または水面近くで流体貯蔵バッグアセンブリ104をC/E108に接続する。C/E108は、一実施形態では、風力タービンが使用するのと同じ発電機である発電機110にクラッチを用いて連結される(図4を参照のこと)。発電機110は、エネルギを貯蔵するときに、コンプレッサモードのC/E108を駆動するモータとして良好に機能することができる、すなわち、風が吹いている場合に、発電機110に風力を導入することができる。したがって、例えば、配電網のピーク需要期間中など、システムからの最大電力が望まれる場合、貯蔵した流体がC/E108を通って膨張し、発電機110へのトルクが増大する。実施形態では、発電機110はA/C(交流)発電機であり、他の実施形態では、発電機110はDC(直流)発電機である。
送電線間の変換ステーションにコストがかかるために、DC送電が陸上での送電に使用されることは多くない。しかし、DC送電線の効率は、特に塩水中で、A/C線よりも高くすることができる。DC送電の他の利点として、より明瞭な電力流れ解析と、DC線によって接続された、独立した配電網セクション間を同期させる必要がないこととがある。送電線の静電容量に起因して、送電線が水中に延びる場合にDC送電のさらなる利益を得ることができる。したがって、今日、多くのDC送電システムが存在している。
C/E108は、流体を圧縮することも膨張させることもできる。一実施形態では、C/E108は、仕事が入力された場合に流体を圧縮し、仕事を取り出すために流体を膨張させることができる単一の構成要素である。そのような実施形態では、単一の流体ホースまたはパイプ12が流体貯蔵チューブアセンブリ104とC/E108との間に配置され、流体は、流体ホースまたはパイプ112を使用して流体貯蔵チューブアセンブリ104に送り込まれ、これから引き出される。したがって、動力がC/E108に入力される(114)と、C/E108は流体を圧縮するように動作し、流体ホースまたはパイプ112を介して圧縮流体を流体貯蔵チューブアセンブリ104に送り、その中にエネルギを貯蔵する。動力114は、風、波動、潮汐運動などの再生可能資源を介して供給されてよく、または、例えば、配電網からエネルギを引き出すことができるモータとして運転される発電機110を介して供給されてもよい。また、C/E108は、圧縮および貯蔵されたエネルギを流体ホースまたはパイプ112を介して流体貯蔵チューブアセンブリ104から引き出すことで逆回りに動作することができる。したがって、その運動を反転させることで、C/E108は、動作または回転の方向に基づいて、流体を二者択一的に圧縮するか、または膨張させることができる。一実施形態では、発電機110は電力を供給することに留意されたい。あるいは、発電機110を使用することなく、膨張機から直接機械力を利用することができる。
一方、別の実施形態では、C/E108の圧縮機能と膨張機能とは分離される。この実施形態では、膨張機116は、流体ホースまたはパイプ112を介して流体貯蔵チューブアセンブリ104に接続され、コンプレッサ118は、同じ流体ホース112、または、それに代えて、別の流体ホース、パイプ、もしくはパイプシステム120を介して流体貯蔵チューブアセンブリ104に接続される。したがって、この実施形態では、動力は、例えば、圧縮流体を流体貯蔵チューブアセンブリ104に間欠的に供給できる再生可能エネルギ源から、別の流体ホースまたはパイプ120を介して、コンプレッサ118に入力する(114)ことができる。この実施形態では、エネルギは、流体貯蔵チューブアセンブリ104から流体ホースまたはパイプ112を介して膨張機116に同時に引き出すことができる。したがって、動力の貯蔵および引出しを同時に行うシステムの柔軟性をもたらすが、この実施形態は、分離したコンプレッサ118および膨張機116(さらなるコンプレッサおよび膨張機は図示せず)を有するだけの費用をかけてそのようにする。
ここで図4を参照すると、陸上に配置されたシステム10の基本構成要素が示されている。図3のシステム10とほぼ同様に、図4のシステム10は、配電網、1つまたは複数の再生可能エネルギシステム、またはその両方から動力を受け取ることができる。このシステムはまた、C/E装置で圧縮されたエネルギを水中の等圧流体貯蔵バッグまたはチューブアセンブリに貯蔵し、やはりC/E装置を介して流体貯蔵チューブアセンブリからエネルギを抽出することができる。システムは、等温または断熱モードで動作するように構成可能である。
水面からバッグまでの流体流路が剛性であるべきか、または可撓性であるべきかの重要な因子は、水面ユニットが浮動しているか、または海底に固定されているかである。より深い水深では、多くのRE収集方式は、浮動および錨留めベースを使用する。そのため、風または波の方向が変わった場合、ベースの位置は、係留索が新たな方向で張った状態になるまで移動する。
剛性流体パイプは、沖合海事産業で一般的に使用される直径を有する単なる鋼製パイプとすることができるため、通常あまり高価でない。深い、または長いパイプにするために現場継手(現場継手は製造場ではなく現場で連結される)が必要とされるため、展開技術が若干必要とされることがある。可撓性ホースは、より容易に岸で完全に組み立てられ、より容易に配置されるが、より複雑で費用のかかる構造を必要とする。そのようなホースは、一実施形態において、圧力負荷を担持する、金属またはガラス繊維のような高強度材料からなる編組の被覆を備えた流体シールを形成する比較的可撓性のライナを有する。2.5MWのC/Eユニット(海上風力タービンと同様の容量)用のこれらのホースの直径は、一実施形態では、100mの深度にあるバッグに対して直径を約28cm(11インチ)とすることができ、110万パスカル(165PSI)の動作圧力を有する。海上プラットフォームは、浮動する係留プラットフォームと、底部堆積物への「剛性」連結体(例えば、ドリルシャフト)とに対応するため、可撓性ホースは、厳密には、そのような係留プラットフォームに必要とされない。パイプの全長にわたる偏向歪みは、パイプの構造上の性能の限界内にうまく収まることができる。また、内部流体と外部圧力との間の圧力差は、深度とともに変わることに留意されたい。パイプ/ホースの底部付近では圧力差は小さく、これが、薄いプラスチックバッグが海底で加圧流体を保持できる理由であり、可撓性の全く補強されていないホースをバッグの近くで使用でき、剛性の単純なパイプを上側部分で使用できる複合型の、または組み合わせの問題解決策を示唆している。
図4は、圧縮流体の移送用および貯蔵用以外の構成要素が陸地122に配置されたシステム10を示している。したがって、このシステムでは、海上での設定および運転に関連するコストをなくすことで資本費を削減することができる。しかし、100フィートまたはさらに深い水中での運転が望ましい場合に、運転場所がより限定されることがある。したがって、そのような望ましい深さに達するために、より長い距離にわたって加圧流体を搬送することが必要であり得る。さらに、多くの場合、環境上、美観上、および他の理由からRE動力システムを人口集中地域から十分に離れて配置することが望ましい。さらに、風力などの再生可能エネルギは通常、陸の形状物および他の風障害物から距離を置いた位置ではるかに大きな動力を供給する。そういうものとして、図4は、本発明の実施形態による、陸上で動作するように構成されたシステム10を示している。図4のシステム10は、上記した図1〜3の要素を組み込むことができる。一実施形態では、双方向C/E108は、流体ホースまたはパイプ112を通して流体を貯蔵器まで進ませる圧縮段階中に第1の回転方向126に動作して、第1の流れ方向で流体を圧縮するように構成されたシャフト124を含む。この実施形態では、C/E108のシャフト124は、貯蔵器からの流体を膨張させ、その流体を第2の流れ方向132でC/E108に通すことで、第1の回転方向126と反対の第2の回転方向130で動作することができる。クラッチ134は、この実施形態では、シャフト124を発電機110に連結して、発電機110による貯蔵器からのエネルギの抽出を可能にし、動力が、発電機110以外の動力源によってC/E108に入力される場合に、発電機110を切り離す。また、図4を参照すると、双方向運転が示されているが、当然ながら、本明細書に開示したすべてのシステムは、単方向にも良好に構成することができる。
図5は、断熱運転と等温運転との間の違いを示している。等温運転は通常、圧縮中にC/Eが冷却液に浸されるか、あるいはポンプ/熱交換器を介して冷却され、膨張ステップ中に熱貯蔵器によって温められる運転(図1に示す流体圧縮18および流体膨張26など)を指し、一方、断熱運転は通常、貯蔵されたエネルギを有し、周囲環境との熱伝達が比較的少ないシステムを指し、流体圧縮18からのエネルギを熱貯蔵システムに貯蔵することができる。圧縮および膨張の両方が可能な任意のC/Eは、等温の形態、断熱の形態、または複数の段の間に中間冷却を有する断熱の形態で運転することができると当業者には分かるであろう。そのような実施形態では、流体の貯蔵所(すなわち、湖または海洋など)を使用して冷却する、または温めることが可能であり、あるいは圧縮の熱からのエネルギを貯蔵することができ、膨張時にC/Eを加熱するのに後で使用するためにエネルギを貯蔵することができる。さらに、C/Eは、拡張等温運転モードで運転することができる。水域の水面が1つの温度にあり、一方、水域の底部が別の温度にあることは一般的である。冷たい方の水源を使用して圧縮し、温かい方の水源を使用して膨張させることが可能である。このように、熱エネルギが水域から抽出され、貯蔵装置の効率を改善する。原理的に、水域からシステムに送られた、場合によってはシステム損失を上回る熱エネルギによって熱エネルギが補給されるので、原動機によって入力されたエネルギよりも大きいエネルギを貯蔵装置から抽出することが可能である。
通常、等温運転は、システムが配置されるところか、またはその近くにある大きな貯水池を利用する。したがって、圧縮/膨張段間でコンプレッサ/膨張機に水を供給するようにポンプ136を配置することができる。一方、別の実施形態では、ポンプ136を介してコンプレッサ/膨張機に接続され、圧縮後に段間でエネルギを抽出し、膨張後に段間でエネルギを補給するように構成された熱貯蔵タンク138を含むことで、断熱運転を行うことができる。当技術分野で公知のように、大型の冷却タンクは、熱の階層化が冷却タンク内で起こる、すなわち、高温水を熱貯蔵タンク138の上部から出し入れでき、低温水を熱貯蔵タンク138の底部から出し入れできるように運転することができる。したがって、一例では、圧縮中に低温水をタンクの(比較的低温の)底部部分から汲み出し、(比較的高温の)上部に戻すことができる。逆に、膨張中に、高温水をタンクの(比較的高温の)上部部分から汲み出し、(比較低温の)底部に戻すことができる。したがって、両方の運転モードにおいて熱貯蔵タンクの安定した階層化が達成され、本質的に水の熱拡散率は低いので、安定状態のもとで水部分の温度差が維持される。
一実施形態では、また上記のように、熱貯蔵タンクの代わりに、深海の深さから低温導入管または熱交換器搬送管140を介して比較的低温の水を抽出し、水面近くから中温導入管または熱交換器搬送管142を介して比較的中温の水を抽出することで、断熱運転の効果をある程度得ることができる。さらに、当技術分野ではよく知られているように、熱貯蔵タンク138はプラットフォームに配置することができ、水面の上に配置するか、水自体に浸すか、海底または湖底に設置するか、あるいは(特に、地上にあるシステムにおいて)陸に配置することができる。さらに、熱貯蔵タンク138が浸水される実施形態では、一実施形態によれば、藻類および他の海洋生物が熱貯蔵タンク138の表面に住みつくのを促進して、熱貯蔵タンク138の断熱能力を高めることができる。
さらに、図2の統合した電力出力60などの電力出力は、DC送電またはAC送電によることができると当業者には分かるであろう。したがって、一実施形態では、出力電力は、高いA/C電圧に昇圧されて負荷または配電網に送られ、一方、別の実施形態では、DC電圧が負荷または配電網に送られる。当技術分野でよく知られているように、A/Cは通常、DCと比較して、送電コストは比較的高いが、資本経費が安い。
したがって、開示した発明の実施形態には、圧縮による発熱が低いことによる、従来のCAESなどの他のREシステムに勝る向上した効率、ほぼ等圧のまたは定圧の運転、小さい温度差および圧力差、ならびに比較的低速回転のエンジン構造の使用が盛り込まれる。本発明の実施形態はまた、燃料コストをなくし、CAES技術の資本費を削減することで、配電網に送られるエネルギの平均コストを削減する。
容積式機械は通常、タービンよりも低回転数で動作し、公差制限がより少なくなり、したがって、製造コストがより安くなる。通常、容積式機械は、放出パイプに押し込まれる一定量の流体を捕捉する。容積式機械はまた、大きさが効率的に縮小されて、モジュール式とすることができ、タービンと比較した場合に高い適応性とすることができる機械を可能にする。したがって、タービンは、空力的圧縮および膨張を行うのに高い接線速度で動作する必要があるために高価になる傾向があるが、容積式機械に対しては資本費を削減することができる。高いタービン回転数により、特に、圧縮時に高い温度で動作する場合に、大きな応力が生じ、潤滑問題が起こることもある。高い回転数のタービンはまた、通常、圧縮と膨張とで最適なタービンブレード形状が異なるために、高圧流体から仕事を取り出すのに反対方向に効率的に動作することができない。
したがって、資本費を削減する一般的な手法は、第1の運転サイクル中で(例えば、貯蔵中で)第1の方向に回転される場合に圧縮モードで使用でき、第2の運転サイクル中で(例えば、エネルギ抽出中で)第1の方向と反対の第2の方向に回転される場合に膨張モードで使用でき、ともに費用がかからない機械を使用することである。ただし、一部の容積式機械では、シャフトの回転方向を変える必要なしに流れ方向を逆転できる。圧縮および膨張の両方で多くの段を使用することで効率を高くすることができ、周囲温度水を使用して温度変化を最小限に保つことができる。容積式機械は、動的コンプレッサまたはタービンと対照的に、両方の機能(圧縮および膨張)を良好に行うように設計することができる。
通常の内燃機関またはレシプロ式流体コンプレッサは、圧縮および膨張機能の両方を効率的に提供することができる。そのような機械は通常、段当たり約4〜約12の圧縮比を有し、これは、機械を単純にし、数段だけでかなり高い圧力比を可能にする。しかし、これらの比較的高い圧力比は、圧縮流体の高温エネルギが取り込まれ、効率的に貯蔵され、再使用されることがない場合、C/E用途では効率的でないことがある。この問題は、段間の冷却器を使用して軽減することができる。流体温度がプロセスを通じて大きく変化しない場合、コンプレッサの入力エネルギが最小になり、エネルギの回生が最大になる。効率的な機械は、圧縮段間で流体を冷却し、反対に、膨張段間で流体を加熱する。したがって、段当たりの圧力変化がより小さい場合、温度変化を最小限に保つのがより容易になり、一定温度の熱源/ヒートシンクを使用し、かつ/または流体および熱貯蔵容器の消失顕熱を低減した場合に効率が向上する。全体的なシステム設計は、多数の小圧力比圧縮から恩恵を受けることができるので、1つの対策は、Wankel機関と同様なコアを有するが、各連続するロータに対して異なる容積比を有し、場合によっては、インペラの回転ごとに複数の圧縮領域を有する回転式コンプレッサを使用することである。圧縮サイクルごと、および圧縮段ごとに適度に圧縮された流体は、海水冷却式(または加熱式)熱交換器に送ることができる。次いで、流体は、別のポートを通ってコンプレッサの別の部分に送ることができる。
したがって、一実施形態によれば、複数の段が、双方向に動作するように構成されたC/Eの回転部分内の共通シャフトまたは複数のローブを共有する。基本構造は、ロータと空洞壁との隙間を調整することで、特有の深度および貯蔵圧力に特化した様々な圧力比に調整することができる。したがって、システムはそれぞれ、特有の深度および貯蔵圧力で設置することができるので、C/Eの適応性のある構造により、熱力学的効率を最大にしながら、開発コストを節約することができる。そのようなものとして、図6を参照すると、回転式のWankel型C/E200は、中心シャフト202および偏心して取り付けられたロータを有する。回転式のWankel型C/E200は、楕円形の空洞206を含み、偏心して取り付けられたロータ204は、空洞206内に配置されている。3つの空洞207、208、209が、偏心して取り付けられたロータ204と外側ハウジング210との間で形成されている。当技術分野でよく知られているように、ポート(図示せず)をハウジング210の領域に接続することができる。これらのポートの大きさおよび位置と、目標とする出力圧力により、これらの適度な圧力比段構造に対する、結果として得られる圧力比が決まる。
一部の駆動系構造は、モータ/発電機と本発明の実施形態によるC/Eとの間のクラッチから恩恵を受けることができる。クラッチにより、システムにどのくらいの動力を加えることができるかに関してある程度の自由度が付与される。C/Eを選択的に連結および連結解除するために、風力タービンまたは他のRE動力源などの、システムを駆動する機械力をクラッチを介してC/Eに連結することができる。したがって、図7を参照して、上記したシステム10とほとんど同じシステム300は、風力タービンまたは説明したような他のRE装置などの原動機またはRE動力源302を含むことができる。システム300は、クラッチ303を介してRE動力源302に連結された発電機/モータ304と、発電機/モータ304をC/E308に連結するクラッチ306と、熱交換器/ポンプ統合体310と、C/E308に接続され、上記の可撓性流体バッグまたは流体バッグアセンブリ104などの流体貯蔵装置に取り付けられるように構成された流体流路(図示せず)とを含む。また、熱交換器/ポンプ統合体310をC/E308に接続する単一の流路312が示されているが、当然のことながら、本発明によれば、複数の流路312を含むことができて、冷却液が多段C/Eの段間領域に進むのを可能にする。したがって、システム300は、発電機/モータ304に連結されたRE動力源302を示しており、クラッチ306がC/E308を発電機/モータ304に繋げた場合、一実施形態によれば、熱交換器/ポンプ統合体310の熱交換器に接続された圧縮流体流路を含むC/E308に動力を良好に伝えることができる。そのような態様では、RE動力源302は、発電機/モータ304に電気を発生させることができると同時に、C/E308に圧縮流体を発生させることもできる。別の運転モードでは、C/E308は、発電機/モータ304に動力を加えて、RE動力源302の動力を補うために、膨張モードで運転することもできる。必要なら、現在の目的が将来のためにエネルギを貯蔵することであるか、貯蔵したエネルギを放出することであるか、またはそれらのいずれでもないかに応じて、クラッチ306により、C/E308を発電機/モータ304から切り離すことが可能になる。RE源302はまた、通常、電力を発生させない、または引き出さないような回転数で発電機を回転させることもできて、ほとんどのエネルギがCEに導入され、CEは、後で使用するために流体を圧縮する。別の選択肢(図示せず)は、RE源302と発電機/モータ304との間にクラッチを置いて、CEおよび発電機/モータが302による動作から独立して動作するのを可能にすることである。さらに別の選択肢は、圧縮時にそのような交流機/発電機の磁界コイルの励磁を切って、電動機動力源302からのエネルギのほとんどすべてがクラッチ306を通ってC/E308に至るのを可能にすることである。当業者には、磁界励磁した交流機が、この場合に発電機の形態をなすと分かるであろう。
本発明の実施形態は、地下のCAESよりも広範な潜在的用途を有する。本発明の実施形態は、ほぼすべての主要な沿岸人口密集地に近接する沖合に配置することができ、さらに、内陸の人口密集地に近接している湖および貯水池に配置することもできる。CAESシステムは通常、適切な地形の用地を含むが、そのような用地は、多くの主要な需要地の近くでは得られないことが多い。送電線の混雑および容量制限があるために、エネルギ貯蔵施設を需要地から遠く離れて配置することは実行不可能である。したがって、地下のCAESは配電網規模のエネルギ貯蔵のニーズに対して普遍的な問題解決策を提供する可能性がない。
本発明の実施形態は、それらに限定するものではないが、従来の風力、波および海底タービンなどの水運動システム、ならびに海洋温度差発電(OTEC)システムを含む既存の海洋REシステムを用いた構造および運転を含む。ただし、本発明の実施形態はさらに、既存のREシステムを利用しない、遠く離れて海洋環境に配置できる独立型貯蔵システムを含む。
さらに、REシステムの悪影響を低減するか、またはなくすために、一実施形態では、バッグは底生ゾーンに配置される。通常、底生ゾーンは、海洋または湖などの水域の、底生生物と呼ばれる生物が住む生態学的領域である。底生生物は通常、水域の底部または水底と緊密な関係で暮らし、底生生物の多くは永続的に底部に付着する。底生領域は海岸線で始まり、大陸棚の表面に沿って下方に延びる。大陸棚の縁部、通常では約200メートルの水深で、深海の海底に向かって深く延びる大陸斜面として周知の深い斜面が始まる。したがって、本発明の実施形態によれば、底生ゾーンであるが、海洋生物が受ける影響が最小限である、光合成が顕著な深さより下にシステムを配置するのが望ましい。構築材料は通常非毒性である。海底のわずかな部分を貯蔵に割り当てて、より広い領域にわたって大量の貯蔵容量を提供し、それと同時に、海底の大部分を底生生物のための生息地として残すことができる。
本開示の方法および装置は、コンピュータ制御によって、システムが圧縮流体を水中の貯蔵装置に貯蔵し、水中の貯蔵装置からエネルギを抽出することを可能にする。
当業者には、本発明の実施形態が、コンピュータプログラムを格納したコンピュータまたはコンピュータ可読記憶媒体に接続され、それらによって制御され得ると分かるであろう。記憶装置はコンピュータ可読記憶媒体を含み、この記憶媒体は、電子要素、ハードウェア要素、および/またはコンピュータソフトウェアコンポーネントの1つまたは複数などの複数の構成要素を含む。これらの構成要素は、通常、シーケンスの1つまたは複数の実装形態(implementation)あるいは実施形態の1つまたは複数の部分を実行するためのソフトウェア、ファームウェア、および/またはアセンブリ言語などの命令を格納する1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。これらのコンピュータ可読記憶媒体は、通常、非一時的および/または有形である。そのようなコンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータおよび/または記憶装置の記録可能なデータ記憶媒体がある。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気式、電気式、光学式、生体的、および/または原子的データ記憶媒体の1つまたは複数を使用することができる。さらに、そのような媒体は、例えば、フロッピディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスクドライブ、および/または電子メモリの形態をとることができる。上記していない他の形態の非一時的および/または有形のコンピュータ可読記憶媒体を本発明の実施形態で使用することもできる。
そのような構成要素のいくつかは、システムの実装時に組み合わせるか、または分割することができる。さらに、そのような構成要素は、当業者によく知られているように、多数のプログラミング言語の任意のもので書かれた、またはそれを実装された、一組のおよび/または一連のコンピュータ命令を含むことができる。さらに、搬送波などの他の形態のコンピュータ可読媒体を使用して、一連の命令を表すコンピュータデータ信号を具現化することができ、一連の命令は、1つまたは複数のコンピュータによって実行される場合に、1つまたは複数のコンピュータにシーケンスの1つまたは複数の実装形態または実施形態の1つまたは複数の部分を実行させる。
本発明の一実施形態によれば、圧縮流体貯蔵システムは、第1の運転モード時に流体を圧縮し、第2の運転モード時に流体の膨張を可能にするように構築された双方向コンプレッサ/膨張機(C/E)ユニットと、水域の下の海底に配置された流体貯蔵システムと、C/Eユニットと流体貯蔵システムとの間に配置され、C/Eユニットと流体貯蔵システムとの間で流体を移動させるように構成されたパイプシステムとを含む。
本発明の別の実施形態によれば、圧縮流体貯蔵システムを使用する方法は、圧力変換装置のシャフトに第1の回転方向で回転力を加えて、第1の流れ方向で圧力変換装置を通る流体を圧縮することと、水域の水面の下に配置された流体貯蔵システムに圧縮流体を貯蔵することと、圧縮流体を第2の流れ方向で流体貯蔵システムから圧力変換装置に通して、第2の回転方向でシャフトに回転力を加えることとを含み、第2の流れ方向は第1の流れ方向と反対である。
本発明のさらに別の実施形態によれば、圧縮流体貯蔵システムは、動力源と、シャフトを介して動力源に接続され、圧縮モードで流体を加圧し、膨張モードで流体を膨張させる複数の圧縮/膨張(C/E)段を含む、流体を圧縮することも膨張させることも可能な一体型コンプレッサ/膨張機(C/E)装置と、一体型C/E装置の複数の圧縮/膨張段に接続され、水域の下に配置された流体バッグと、一体型C/E装置が圧縮モードにあるときに、加圧流体を一体型C/E装置から流体バッグに送るように構成され、一体型C/E装置が膨張モードにあるときに、圧縮流体を流体バッグから一体型C/E装置に送るように構成された圧力流体搬送システムと、動力が動力源から入手可能な場合に、一体型C/E装置を圧縮モードにし、流体を加圧し、加圧流体を一体型C/E装置の複数のC/E段から流体バッグに移動させ、動力を流体バッグから引き出すことが選択として望ましい場合、一体型C/E装置を膨張モードにし、加圧流体を流体バッグから一体型C/E装置の複数の圧縮/膨張段に移動させ、加圧流体を膨張させるように構成された制御ユニットとを含む。
本明細書は、最良のモードを含めて、例を使用して本発明を開示し、さらに、任意の装置またはシステムを作製および使用することと、任意の統合した方法を行うこととを含めて、すべての当業者が本発明を実施することを可能にする。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例が、特許請求の範囲の文字的言語と異なることのない構造要素を有する場合に、または特許請求の範囲の文字的言語と実質なく相違する等価の構造要素を含む場合に、そのような他の例は請求項の範囲内であるものとする。

Claims (35)

  1. 圧縮流体貯蔵システムであって、
    第1の運転モード時に流体を圧縮し、第2の運転モード時に流体の膨張を可能にするように構築された双方向コンプレッサ/膨張機(C/E)ユニットと、
    水域の下の海底に配置された流体貯蔵システムと、
    前記C/Eユニットと前記流体貯蔵システムとの間に配置され、前記C/Eユニットと前記流体貯蔵システムとの間で流体を移動させるように構成されたパイプシステムと、
    を含むことを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1および第2の運転モードは、前記C/Eユニットのシャフトの回転が同じ回転方向であることを特徴とするシステム。
  3. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1の運転モードは、前記C/Eユニットのシャフトの回転が第1の回転方向であり、前記第2の運転モードは、前記C/Eユニットの前記シャフトの回転が、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向であることを特徴とするシステム。
  4. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記C/Eユニットは、前記海底に取り付けられたプラットフォームに配置されることを特徴とするシステム。
  5. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記流体貯蔵システムは、前記パイプシステムを介して加圧流体を受け入れるように構成された1つまたは複数の可撓性バックを含み、前記可撓性バッグを周囲の水に抗して加圧することを特徴とするシステム。
  6. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記C/Eユニットは、前記第1の運転モード時に第1の回転方向に回転し、前記第2の運転モード時に第2の回転方向に回転するように構成された回転要素を含むことを特徴とするシステム。
  7. 請求項6に記載のシステムにおいて、前記パイプシステムは、剛性パイプ、可撓性ホース、およびそれらの組み合わせのうちの1つを含むことを特徴とするシステム。
  8. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記C/Eユニットは、前記流体貯蔵システムの海水面からの深さに対応する圧力と同じ圧力で動作するように構成されることを特徴とするシステム。
  9. 請求項1に記載のシステムにおいて、クラッチを介して前記C/Eユニットに連結される発電機を含み、前記発電機は、前記クラッチを介して前記C/Eユニットに連結された場合に配電網に電力を出力するように構成されることを特徴とするシステム。
  10. 請求項9に記載のシステムにおいて、クラッチを介して前記C/Eユニットに連結される動力源を含むことを特徴とするシステム。
  11. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記C/Eユニットに接続された熱交換器を含み、前記熱交換器は、運転時に前記水域から水を汲み上げるように構成されることを特徴とするシステム。
  12. 請求項11に記載のシステムにおいて、前記水域の水面付近および前記海底付近から選択的に水を汲み出すように構成された熱交換器用搬送管をさらに含むことを特徴とするシステム。
  13. 請求項12に記載のシステムにおいて、前記表面水は第1の温度であり、前記海底付近の水は、前記第1の温度と異なる第2の温度であり、温度の低い方の水が、前記第1の運転モードで前記熱交換器によって前記C/Eに対して使用され、温度の高い方が、前記第2の運転モードで前記熱交換器によって前記C/Eに対して使用されることを特徴とするシステム。
  14. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記C/Eユニットは、0.2MW〜3MWの動力を発生させることができることを特徴とするシステム。
  15. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記C/Eユニットは容積式ユニットとして動作することを特徴とするシステム。
  16. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記C/Eユニットに接続された動力入力装置を含み、前記動力入力装置は、風力発電機、ソルターカム式波力発電装置、流力発電機、および潮力発電機のうちの1つから動力を受け取るように構成されることを特徴とするシステム。
  17. 圧縮流体貯蔵システムを使用する方法であって、
    圧力変換装置のシャフトに第1の回転方向で回転力を加えて、第1の流れ方向で前記圧力変換装置を通る流体を圧縮するステップと、
    水域の水面の下に配置された流体貯蔵システムに前記圧縮流体を貯蔵するステップと、
    前記圧縮流体を第2の流れ方向で前記流体貯蔵システムから前記圧力変換装置に通して、第2の回転方向で前記シャフトに回転力を加えるステップと、
    を含む方法において、
    前記第2の流れ方向は、前記第1の流れ方向と反対であることを特徴とする方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、前記第1の回転方向および前記第2の回転方向は同じであることを特徴とする方法。
  19. 請求項17に記載の方法において、前記第2の回転方向は、前記第1の回転方向と反対であることを特徴とする方法。
  20. 請求項17に記載の方法において、前記圧縮流体を前記圧力変換装置内で膨張させることで、前記シャフトから動力を抽出することを特徴とする方法。
  21. 請求項17に記載の方法において、前記圧縮流体を前記流体貯蔵システムに搬送することには、前記圧縮流体を等圧流体貯蔵システムに搬送することが含まれることを特徴とする方法。
  22. 請求項17に記載の方法において、前記圧縮流体を搬送することには、剛性パイプ、可撓性パイプ、およびそれらの組み合わせのうちの1つを介して前記圧縮流体を搬送することが含まれることを特徴とする方法。
  23. 請求項17に記載の方法において、クラッチを介して前記シャフトを発電機に連結して、前記動力を前記発電機から電力として抽出することを特徴とする方法。
  24. 請求項17に記載の方法において、前記流体貯蔵システムを水域内の海底上で底生深度に配置することを特徴とする方法。
  25. 請求項17に記載の方法において、前記シャフトに加えられる前記動力を、風力発電機、ソルターカム式波力発電装置、波発電機、流力発電機、海洋温度差発電機、および潮力発電機のうちの1つによって発生させることを特徴とする方法。
  26. 圧縮流体貯蔵システムであって、
    動力源と、
    シャフトを介して前記動力源に連結され、圧縮モードで流体を加圧し、膨張モードで流体を膨張させる複数の圧縮/膨張(C/E)段を含む、流体を圧縮することも膨張させることも可能な一体型圧縮機/膨張機(C/E)装置と、
    前記一体型C/E装置の前記複数の圧縮/膨張段に接続され、水域の下に配置された流体バッグと、
    前記一体型C/E装置が前記圧縮モードにあるときに、加圧流体を前記一体型C/E装置から前記流体バッグに送るように構成され、前記一体型C/E装置が前記膨張モードにあるときに、前記圧縮流体を前記流体バッグから前記一体型C/E装置に送るように構成された圧力流体搬送システムと、
    制御ユニットであって、
    動力が前記動力源から入手可能な場合に、前記一体型C/E装置を前記圧縮モードにし、流体を加圧し、前記加圧流体を前記一体型C/E装置の前記複数のC/E段から前記流体バッグに移動させ、
    動力を前記流体バッグから引き出すことが選択として望ましい場合に、前記一体型C/E装置を前記膨張モードにし、前記加圧流体を前記流体バッグから前記一体型C/E装置の前記複数の圧縮/膨張段に移動させ、前記加圧流体を膨張させる、
    ように構成された制御ユニットと、
    を含むことを特徴とする圧縮流体貯蔵システム。
  27. 請求項26に記載のシステムにおいて、前記流体バッグ内に配置された堆積物バラストを含むことを特徴とするシステム。
  28. 請求項26に記載のシステムにおいて、前記一体型C/E装置は、0.2MW〜3MWの動力容量を有することを特徴とするシステム。
  29. 請求項26に記載のシステムにおいて、前記一体型C/E装置は、前記水域内の前記流体バッグの水深での水圧と周囲流体圧力とに合致する圧力比で動作するように構成されることを特徴とするシステム。
  30. 請求項26に記載のシステムにおいて、
    機械力を電力に変換する発電機と、
    前記一体型C/Eを前記発電機に連結するクラッチと、
    を含み、
    前記制御ユニットは、前記動力を前記流体バッグから引き出すことが望ましい場合に、前記クラッチを介して前記発電機を前記一体型C/E装置に連結するように構成されることを特徴とするシステム。
  31. 請求項26に記載のシステムにおいて、前記動力源は、風力発電機、ソルターカム式波力発電装置、波発電機、流力発電機、海洋温度差発電機、および潮力発電機のうちの1つであることを特徴とするシステム。
  32. 請求項26に記載のシステムにおいて、前記一体型C/E装置に接続され、前記水域から水を汲み出して、
    前記流体が加圧される場合に前記C/E装置を冷却し、
    前記加圧された流体が膨張するとともに前記C/E装置を温める、
    ように構成された熱交換器を含むことを特徴とするシステム。
  33. 請求項32に記載のシステムにおいて、前記熱交換器を前記C/Eユニットに接続し、前記水域の水面付近および前記海底付近から選択的に水を汲み出すように構成された熱交換器用搬送管をさらに含むことを特徴とするシステム。
  34. 請求項33に記載のシステムにおいて、前記表面水は第1の温度であり、前記海底付近の水は、前記第1の温度と異なる第2の温度であり、温度が低い方の水が、圧縮モードで前記C/E内の前記流体を冷却するのに使用され、温度の高い方が、膨張モードで前記C/E内の前記流体を加熱するのに使用されることを特徴とするシステム。
  35. 請求項26に記載のシステムにおいて、前記圧縮モードは1つの方向の回転を含み、前記膨張モードは他の方向の回転を含むことを特徴とするシステム。
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