JP2013231964A - 電子写真用中間転写体及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真用中間転写体及び電子写真装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013231964A
JP2013231964A JP2013079898A JP2013079898A JP2013231964A JP 2013231964 A JP2013231964 A JP 2013231964A JP 2013079898 A JP2013079898 A JP 2013079898A JP 2013079898 A JP2013079898 A JP 2013079898A JP 2013231964 A JP2013231964 A JP 2013231964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate transfer
transfer member
surface layer
structural unit
domain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013079898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013231964A5 (ja
JP6112946B2 (ja
Inventor
Rieko Sakamoto
理恵子 坂本
Kenji Onuma
健次 大沼
Koichi Sato
公一 佐藤
Kimihiro Yoshimura
公博 吉村
Naoto Kameyama
直人 亀山
Yasushi Shimizu
康史 清水
Akira Watanabe
顕 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2013079898A priority Critical patent/JP6112946B2/ja
Publication of JP2013231964A publication Critical patent/JP2013231964A/ja
Publication of JP2013231964A5 publication Critical patent/JP2013231964A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6112946B2 publication Critical patent/JP6112946B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/14Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base
    • G03G15/16Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer
    • G03G15/1605Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer using at least one intermediate support
    • G03G15/162Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer using at least one intermediate support details of the the intermediate support, e.g. chemical composition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】 繰り返し画像を転写し続けても、その転写特性を維持させることができ、長期に亘って良好な画像を得ることができる電子写真用中間転写体の提供。
【解決手段】 基層と表面層とを有し、該表面層は、その厚み方向の断面において、マトリックス−ドメイン構造を示し、該マトリックスは結着樹脂であり、該ドメインはパーフルオロポリエーテルを含み、該電子写真用中間転写体の表面の超微小硬度計によって測定される微小硬度が50MPa以上である電子写真用中間転写体。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機及びプリンタの如き電子写真方式の画像形成装置において使用できる電子写真用中間転写体、及び、該電子写真用中間転写体を用いた電子写真装置に関する。
複写機やプリンタの電子写真方式の画像形成装置(以下、「電子写真装置」ともいう)において、高画質なカラー画像を得ることができる電子写真装置が上市されている。かかる電子写真装置において、紙の如き記録媒体にカラー画像を形成させる方法の一つとして以下の方法がある。まず、トナー画像を各色ごとに現像したのち中間転写体に順次転写し、中間転写体上にカラーのトナー画像を形成する。次に、中間転写体上に形成されたカラーのトナー画像を記録媒体に一括再転写することで、カラーのトナー画像が形成された記録媒体を得ることができる。
ここで用いられる中間転写体としてはポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂の如き熱硬化性樹脂中に、カーボンブラックを分散させてベルトとしたものが知られている。このような中間転写体は、樹脂ワニスまたは樹脂前駆体であるポリアミド酸ワニスにカーボンブラックを分散させた分散液を塗膜化し、焼成することにより得られる。
これに対し、最近では熱可塑性樹脂中にカーボンブラックを分散させた樹脂組成物を溶融押出し成形により製造された中間転写体の検討が進められている。熱可塑性樹脂を用いた中間転写体は、溶融押出し成形が可能である為、成形の容易性、環境負荷の低減や低コストという面において、上述した熱硬化性樹脂を用いた中間転写体と比較して優位性がある。
そうした中で、高速及び高耐久性が求められる電子写真装置においては、熱可塑性樹脂を用いた中間転写体そのものでは転写特性が十分でない場合があった。そこで、中間転写体の表面に種々の加工を施すことで転写特性を向上させる取り組みが行われている。特許文献1及び2では、中間転写体の表面への現像剤の付着力を減少させるために、表面に撥水性及び撥油性を有するフッ素化合物をコーティングすることで転写効率を高めた中間転写体が提案されてきている。
しかしながら、フッ素化合物を表面にコーティングした中間転写体は、長期間に亘って、繰り返し電子写真画像の形成に供した場合、中間転写体から記録媒体へのトナーの転写効率が徐々に低下していくことがあった。また、それに伴って、記録媒体へ転写された画像の画質も徐々に低下することがあった。そのため、長期に亘って使用した場合であってもトナーの転写効率が維持できる中間転写体の開発が求められていた。
特開2009−192901号公報 特開2007−316622号公報
本発明の目的は、繰り返し画像を転写し続けても、その転写特性を維持させることができ、長期に亘って良好な画像を得ることができる電子写真用中間転写体を提供することである。また、本発明の目的は、繰り返し画像を転写し続けても、その転写特性を維持させることができ、長期に亘って良好な画像を得ることができる電子写真装置を提供することである。
本発明は、基層と表面層とを有する電子写真用中間転写体であって、該表面層は、その厚み方向の断面において、マトリックス−ドメイン構造を示し、該マトリックスは結着樹脂を含み、該ドメインはパーフルオロポリエーテルを含み、該電子写真用中間転写体の表面の超微小硬度計によって測定される微小硬度が50MPa以上であることを特徴とする電子写真用中間転写体に関する。
さらに本発明は、該電子写真用中間転写体を有することを特徴とする電子写真装置に関する。
本発明の電子写真用中間転写体を用いることによって、繰り返し画像を転写し続けても、その転写特性を維持させることができ、長期に亘って良好な画像を得ることが可能である。また、本発明の電子写真装置を用いることによって、繰り返し画像を転写し続けても、その転写特性を維持させることができ、長期に亘って良好な画像を得ることが可能である。
本発明の電子写真装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る中間転写体の厚み方向の概略断面図である。
以下、本発明に係る電子写真用中間転写体(以下、中間転写体とも称する。)について詳しく説明する。
本発明者らが行った画像出力試験の結果によると、上記特許文献1に記載されたような中間転写体は、印刷初期の画質は良好であった。しかしながら、引き続き印刷を継続して行った場合、中間転写体の転写特性が徐々に低下し、フッ素化合物をコーティングしていない中間転写体を用いた場合と同等のレベルまで画質が低下することがあった。
この現象は、中間転写体の表面にコーティングされた撥水性及び撥油性を有するフッ素化合物が、転写プロセスが繰り返されることによって劣化するために生じているためであると考えられる。
そして、この劣化は、下記(i)及び(ii)に因るものと考えられる。
(i)転写時の高電圧の印加によって生じた放電による中間転写体表面の化学的劣化;
(ii)クリーニングなどによる表面層のキズなどによる中間転写体表面の物理的劣化。
かかる考察は、下記の実験事実に基づくものである。
まず、第1に、長期の使用における中間転写体の転写特性の低下が粉砕系のトナーを用いた際に多く見られる現象であったため、トナー表面に露出するワックスが中間転写体に付着することによって中間転写体の表面特性が変化するとも思われた。しかしながら、繰り返し画像を出力したのち、中間転写体の表面のワックスを溶剤で入念に拭き取っても画質の低下は回復しなかった。
第2に、X線光電子分光法(XPS)で中間転写体の表面を測定すると、中間転写体の表面にフッ素化合物によってコーティングした直後では、中間転写体の表面にフッ素原子が10乃至30原子%存在していた。しかしながら、千枚以上の印刷後では、中間転写体の表面にフッ素原子が数原子%以下しか存在していなかった。
第3に、中間転写体の表面のヘキサデカンとの接触角を測定すると、中間転写体の表面にフッ素化合物によるコートを施した直後では、40°以上あった。しかしながら、数千枚以上の繰り返し画像出力を行った後では、20°以下となった。
本発明はこのような考察を経た結果としてなされたものである。
図2は、本発明に係る中間転写体200の厚み方向の断面の概略説明図である。図2に示したように、本発明に係る中間転写体は、基層201と表面層203とを有する。そして、表面層203は、その厚み方向において、マトリックス203−1中にドメイン203−3が存在してなるマトリックス−ドメイン構造を有している。ここで、マトリックス203−1は結着樹脂を含み、ドメイン203−3は、パーフルオロポリエーテルを含んでいる。
更に、トナー像が担持される、表面層203の表面、すなわち、中間転写体200の表面において超微小硬度計によって測定される微小硬度が50MPa以上である。
このような構成を有する中間転写体によれば、繰り返しの画像形成によっても優れた転写特性が継続し、高品位な電子写真画像を長期に亘って安定して形成することができる。本発明に係る中間転写体による上記の効果は、(1)電子写真用中間転写体の表面の微小硬度、及び(2)厚み方向にマトリックス−ドメイン構造を有する表面層の作用によるものと本発明者らは考えている。
<微小硬度>
本発明に係る中間転写体は、その表面において超微小硬度計によって測定される微小硬度が50MPa以上である。中間転写体の転写特性は、その表面に対するトナーの付着力に影響される。トナーの中間転写体の表面への付着力は、中間転写体の表面とトナーとの接触面積が大きいほど大きくなる。
そして、中間転写体の表面において超微小硬度計によって測定される微小硬度が50MPa以上である場合、電子写真用中間転写体の表面とトナーとの接触面積を小さくすることができる。その結果として、電子写真用中間転写体の表面へのトナーの付着力を抑制することができ、転写特性が良好となる。また、この中間転写体の表面の微小硬度は80MPa以上、特には、100MPa以上であることが好ましい。
<マトリックス−ドメイン構造>
次に、パーフルオロポリエーテル(以下、PFPEとも称する)は表面自由エネルギーが非常に小さい。そのため、中間転写体の表面層に含有させることで、表面層の表面へのトナーの付着性を低減させることができる材料である。ところで、PFPEはこの表面自由エネルギーが非常に小さいという特性のために、空気との界面、すなわち、表面層の最表面側に移行しやすい。すなわち、PFPEは、表面層の表面側に偏在しやすい。
このような特性を有するPFPEを、本発明においては、表面層を構成するマトリックス樹脂中に、ドメインとしてPFPEを存在させることにより、PFPEを表面層の厚み方向にランダムに分布させている。
これは、PFPEが該表面層の最表面だけでなく、該表面層全体に存在する形態であることを示すと同時に、ドメインを形成する多量のPFPEが存在する形態であることを示している。これにより、画像出力を繰り返し行って、中間転写体の表面層が種々の化学的・物理的劣化を受け、表面のPFPEが消失しても、表面層の内部に存在しているPFPEのドメインが表面層の表面に露出する。このことにより、表面層の表面に常にPFPEを存在させることができる。そのため、本発明に係る中間転写体は、良好な転写特性を維持させることができるものと考えられる。
このことは、本発明に係る中間転写体は、多数枚の画像出力に供した後においても、X線光電子分光法(XPS)による表面解析の結果、PFPE由来のピークが初期状態のときと同程度の値で検出されているという実験結果によっても裏付けられる。
また、前述した通り、本発明に係る中間転写体の表面層は、厚み方向においてマトリックス−ドメイン構造を有しているため、PFPEを含むドメインが表面層の厚み方向に、すなわち、表面層の基層側から最表面側に至るまでランダムに分布している。
かかる構成を有する表面層においては、表面層の最表面側に位置するドメインは、その一部が表面に露出しているか、又は、画像形成の最も初期の段階で露出する。その結果、表面層の表面にも、PFPEを含むドメインが、マトリックス内に点在する状態が形成されることとなる。このように、トナーに対する付着性の異なる領域を有する表面には、トナーが固着しにくく、良好な転写特性を維持させるために好ましい形態である。
さらに、本発明に係る表面層を形成する際に使用する成分、例えばマトリックスに含まれる結着樹脂、PFPE、溶剤、分散剤等の種類や組み合わせにより、表面層の最表面に露出したPFPEドメインの一部に空隙が存在する構造となる場合がある。このような空隙の存在によって最表面に凹形状が島状に点在する形態では、クリーニングブレードや紙等の摺擦による物理的作用で最表面が削れやすくなる。その結果、凹形状のPFPEドメインからのPFPEの供給が促進されること及び最表面が削れやすくなることで厚み方向に存在するPFPEドメインが最表面に出現しやすくなることによりPFPEの作用が効果的に発現することになる。また、凹形状により最表面とトナーとの接触面積が小さくなることからトナーの表面層への付着力が小さくなる。このような主に3つの作用で、該表面層の最表面に露出したPFPEドメインの一部に空隙が存在する構造は、良好な転写特性を維持する構造として好ましい形態といえる。ここで記載した形状による効果は、ナノインプリントやラップ処理等の物理的表面加工により最表面の形状を制御することでも発現可能である。
また、同じフッ素化合物であるポリテトラフルオロエチレン粒子を単に中間転写体の表面層中に分散しても本発明と同様の効果は得られないことがわかっている。このこともPFPEの作用により効果が発現していると考えられる理由となっている。
更に、ドメインは実質的にはPFPEからなるものであることが好ましいが、本発明の効果の発現する範囲で、ドメイン中にPFPEに加えて、PFPE以外の化学種が存在しても良く、また他の特性を調整する目的でPFPEに相溶する添加剤を加えても良い。さらに、ドメイン内が完全にPFPEで満たされておらず、空隙が存在する場合でも本発明の効果を発現することができる。
本発明のPFPEを含むドメインは結着樹脂を含むマトリクスとは相分離をしている。しかしながら、一般的に相分離をしている場合でも、マトリックスとドメインの成分組成は厳密なものではない。明確に界面を有する相分離したマトリックスとドメインであっても、其々の相にはお互いに別の相の成分が微量含有されていてもよい。また、学術的に界面には中間的な組成が10nm前後のごく狭小な幅で存在するということも言われている。本発明においては、中間転写体を切り出し、中間転写体の表面層の厚み方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察することによってマトリックス−ドメイン構造の有無を把握することができる。
SEMにより観測されたドメインの平均長径は30nm以上3000nm以下であることが好ましく、より好ましくは100nm以上1000nm以下である。ドメインの平均長径が30nm以上3000nm以下であることによって、ドメインが一定以上の大きさを有していることを示し、これにより中間転写体のトナーに対する付着性をより低減させることが可能である。
また、中間転写体の表面層の厚み方向における断面の15μmの単位面積におけるドメインの面積の割合が、マトリックスの面積に対して1面積%以上50面積%以下であることが好ましく、より好ましくは3面積%以上30面積%以下である。ドメインの面積の割合が、マトリックスの面積に対して1面積%以上50面積%以下であることによって、電子写真用中間転写体の表面層においてドメインが一定以上の割合を有していることとなる。これにより中間転写体のトナーに対する付着性をより低減させることが可能である。
一方、厚み方向の断面でマトリックス−ドメイン構造が観察される本発明の表面層は、先に説明したように最表面にPFPEを含む領域が島状に点在する状態を形成しやすい。このため、表面層の最表面をSEMにより観察すると、PFPEを含む領域が島状に点在する状態が観察される場合が多い。かかる場合、表面で観察されるドメインの大きさや表面に占めるドメインの割合は、断面で観測されるドメインと同様に、ドメインの平均長径が30〜3000nm、ドメインの面積の割合が、マトリックスの面積に対して1〜50面積%であることが好ましい。
なお、ドメインがPFPEを含むことについては、エネルギー分散型X線分析(EDX)、TOF−SIMS及びオージェ分光法の如き元素分析方法により検知することにより同定することができる。例えば、本発明の中間転写体においてドメインをEDXで元素分析したところ、フッ素元素を検知し、ドメインがPFPEを含むドメインであることを同定した。また、TOF−SIMSにより、ドメインからPFPE由来のフルオロカーボンエーテル構造のフラグメントを観測することもできた。
また、本発明の電子写真用中間転写体は、ベルト、ローラあるいはその他類似の形態で使用することが可能である。
以下に電子写真用中間転写体の構成について、ベルト形状のものを例に挙げて説明する。
<基層>
本発明の電子写真用中間転写体における基層は、樹脂に導電剤を含有させた半導電性のフィルムであることが好ましい。ここで樹脂は熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれの樹脂を使用することも可能である。しかし、高強度かつ高耐久性の点から、該基層は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド又はポリエステルを含むことが好ましい。中でも、ポリイミド、ポリアミドイミド又はポリエーテルエーテルケトンが特に好ましい。樹脂は単一の樹脂であっても、複数の樹脂をブレンド又はアロイされた混合体であってもよく、目的とされる機械的強度などの特性に応じて最適に選択される。導電剤としては、電子伝導性物質又はイオン電導性物質を用いることが可能である。電子導電性物質としてはカーボンブラック、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン又は導電性高分子が使用可能である。イオン導電性物質としては、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、カチオン性又はアニオン性のイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、もしくは、オキシアルキレン繰り返しユニットを持つオリゴマー又はポリマーが使用可能である。
上記基層については、体積抵抗率は1.0×10Ω・cm以上1.0×1012Ω・cm以下であることが好ましい。また、表面抵抗率は1.0×10Ω/□以上1.0×1014Ω/□以下であることが好ましい。基層の体積抵抗率を上記の範囲に設定することによって、連続駆動時のチャージアップや転写バイアス不足による画像不良を更に低減することができる。また、基層の表面抵抗率を上記の範囲に設定することによって、転写材Sが中間転写ベルトから離れる際の剥離放電やトナー飛散による画像不良を更に低減することができる。
また、基層上に表面層を形成した後の電子写真用中間転写体の電気抵抗についても同程度の値を示すことが好ましい。このため、電子写真用中間転写体の表面層も半導電性であることが好ましい。すなわち、電子写真用中間転写体の体積抵抗率は1.0×10Ω・cm以上1.0×1012Ω・cm以下であることが好ましい。また、電子写真用中間転写体の表面抵抗率は1.0×10Ω/□以上1.0×1014Ω/□以下であることが好ましい。電子写真用中間転写体の体積抵抗率や表面抵抗率を調整するために、表面層中に導電剤を含むことが好ましい。表面層中に含有される導電剤としては、上記基層に用いることができる導電剤と同じのものを使用することが出来る。
<表面層>
次に、表面層に関して説明する。
<マトリックス>
表面層のマトリックスに含まれる結着樹脂としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、並びに、それらの混合樹脂を用いることができる。
結着樹脂はPFPEを分散させたり、基層との密着性を確保したり、機械的強度の特性を確保したりするために用いられる。
上記の結着樹脂の中でも特に、メタクリル樹脂またはアクリル樹脂(以下、メタクリル樹脂及びアクリル樹脂を総称してアクリル系樹脂と呼ぶ)が好ましく用いられる。本発明に係る中間転写体の表面層を構成するパーフルオロポリエーテルを含むドメインを良好に分散させることが可能であるためである。
本発明に係る表面層は、具体的には例えば以下の方法によって形成することができる。すなわち、アクリル系樹脂を形成するための重合性モノマー、溶媒、パーフルオロポリエーテル及び分散剤を湿式分散装置で均一分散し、その分散液を基層上にバーコートまたはスプレイコートの如き塗布方法でコートして、分散液の塗膜を形成する。次いで、溶媒を乾燥させて、塗膜から溶媒を除去したのち、その塗膜を熱硬化、電子線硬化またはUV硬化の如き硬化方法で重合して最終的な表面層を形成する。
このとき重合を行うために、イルガキュア(商品名、チバガイギー社製)の如き重合開始剤を適宜使用してもよい。また、その他、上述した導電剤、酸化防止剤、レベリング剤、架橋剤及び難燃剤の如き公知の添加剤を適宜配合して使用してもよい。また固体フィラーを混合することは強度補強など必要特性に応じて適宜行ってもよい。結着樹脂の含有量は、表面層の全固形分の質量に対して20.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30.0質量%以上90.0質量%以下である。
表面層の膜厚については成膜条件(例えば固形分濃度、成膜速度など)を調整することにより適宜所望の膜厚を形成することが可能である。表面層の膜厚は、実機耐久条件での摩耗及び損耗を考慮すると1μm以上であることが好ましく、ベルトを張架したときの耐屈曲性を考慮すると20μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下である。
以下に、具体的なアクリル樹脂を形成するための重合性モノマーの例をあげるが、塗料として上市されているものを用いることも可能である。
(i)ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、エチレングリコ―ルジアクリレート及びビスフェノールAジアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のアクリレート、及び、(ii)ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、アルキルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコ―ルジメタクリレート及びビスフェノールAジメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のメタクリレートが使用可能である。すなわち、上記アクリレート及び上記メタクリレートのいずれかの重合性モノマーを重合して得られた繰り返し構造単位を有する重合体であることが好ましい。付着力を低減するという点から結着樹脂は硬いことが好ましいことは上述のとおりであり、このためアクリル系樹脂についても2官能以上の架橋性モノマーを多く使用し、高硬度とすることが好ましい。具体的には、重合性モノマーの平均アクリル官能数が2以上であることが好ましく、より好ましくは3以上であり、更に好ましくは4以上である。このような高架橋性で高硬度の樹脂は一般的に熱硬化性となり易く、その点で本発明においては熱硬化性樹脂は典型的に好ましく用いられる樹脂である。
<マトリックス中の結着樹脂の物性>
次に、マトリックス中に含まれる結着樹脂の物性について説明する。
マトリクスに含まれる結着樹脂としては、固体であることが好ましく、該結着樹脂のガラス転移温度が使用温度域以上、実質的には40℃以上であることが好ましく、より好ましくは50℃以上である。
この結着樹脂単体の微小硬度は250MPa以上であることが好ましく、塑性変形硬さは40kg/mm以上であることが好ましく、最大押し込み変形量は0.3μm以下であることが好ましく、ヤング率は5.0GPa以上であることが好ましい。なお、上記の超微小硬度計による物性値の測定条件については後述する。
また、電子写真用中間転写体中間転写体の表面層は、テーバー摩耗試験(JIS−K−7204・荷重4.9N、回転数100)による質量減少が4.0mg以下であることが好ましい。テーバー摩耗試験は、また、マトリックス中に含まれる結着樹脂単体では4.5mg以下であることが好ましい。
<ドメイン>
本発明において、ドメインを構成するパーフルオロポリエーテル(PFPE)は、パーフルオロアルキレンエーテルを繰り返し単位として有するオリゴマー又はポリマーのことである。
パーフルオロアルキレンエーテルの繰り返し単位としては、パーフルオロメチレンエーテル、パーフルオロエチレンエーテル、及び、パーフルオロプロピレンエーテルの繰り返し単位が挙げられる。具体的には、ダイキン工業のデムナム(商品名)、デュポン社のクライトックス(商品名)、ソルベイソレクシス社のフォンブリン(商品名)が挙げられる。その中でも、パーフルオロポリエーテルが下記式(a)で示される繰り返し構造単位1及び下記式(b)で示される繰り返し構造単位2の少なくとも一方を有していることが好ましい。


また、PFPEの中では、電子写真用の中間転写体の表面層の結着樹脂と結合または結合に近い状態を形成することができる反応性官能基を有しているものが好ましい。これは結着樹脂との相互作用によって、該表面層に含まれるPFPEの表面への移動が抑えられ、結果として中間転写体の表面層中にPFPEを有するドメインがより形成されやすくなる。
反応性官能基としてはアクリル基、メタクリル基、オキシシラニル基が挙げられる。
このような好ましい反応性官能基を有するPFPEとしては、ソルベイソレクシス社のアクリル基またはメタクリル基含有のFluorolink MD500、MD700、5101X、5113X、AD1700、ダイキン工業社オプツールDACやシランカップリング剤であるFluorolink S10がある。その中でも、下記式(1)で示される構造を有する、又は、下記式(2)で示される構造を有するPFPEが、特に好適に用いられる。
式(1)中、Aは該繰り返し構造単位1及び該繰り返し構造単位2の少なくとも一方である。また、該繰り返し構造単位1の繰り返し数p及び該繰り返し構造単位2の繰り返し数qは、各々独立に0≦p≦50、0≦q≦50であり、且つ、p+q≧1である。さらに、該繰り返し構造単位1及び該繰り返し構造単位2の両方を有する場合、該繰り返し構造単位1と該繰り返し構造単位2とは、ブロック共重合体構造を形成していてもランダム共重合体構造を形成していてもよい。
式(2)中、Bは該繰り返し構造単位1及び該繰り返し構造単位2の少なくとも一方である。また、該繰り返し構造単位1の繰り返し数r及び該繰り返し構造単位2の繰り返し数sはそれぞれ独立で0≦r≦50、0≦s≦50であり、且つ、r+s≧1である。さらに、該繰り返し構造単位1及び該繰り返し構造単位2の両方を有する場合、該繰り返し構造単位1と該繰り返し構造単位2とは、ブロック共重合体構造を形成していてもランダム共重合体構造を形成していてもよい。
PFPEの数平均分子量は100以上20,000以下であることが好ましく、より好ましくは380以上20,000以下である。
また、必ずしも中間転写体の表面層中に固定化されているPFPEと固定化されていないPFPEとを有する系である必要はないが、通常、固定化されているPFPEと固定化されていないPFPEが共存していることが多い。このような系において必要となるPFPEの含有量は、中間転写体の表面の表面自由エネルギーを下げるために十分なPFPEの量と中間転写体の表面層の内部にPFPEドメインを保持するのに十分なPFPEの量を合わせたものと考えられる。
また、PFPEドメインは、繰り返しの画像出力により、表面層が種々の化学的及び/又は物理的な劣化を受けた場合でも、PFPEが表面層に存在し続け、表面層の表面が良好な転写特性を発揮し続けるに十分な量が表面層中に含有されていることが好ましい。本発明者らの検討によれば、表面層中におけるPFPEの含有量としては、表面への現像剤等の付着の抑制効果を長期に亘って安定して有効に発現させる上で、表面層の全固形分の質量に対して5.0質量%以上70.0質量%以下が好ましい。特には、10.0質量%以上60.0質量%以下、更には、20.0質量%以上50.0質量%以下が好ましい。
また、中間転写体の表面層中にPFPEをドメインとしてより安定して形成させるために分散剤を用いてもよい。分散剤としては、パーフロオロアルキル鎖と炭化水素に親和性のある部位を持つ化合物、つまりは親フッ素と嫌フッ素の両親媒性を持つ化合物で、界面活性剤、両親媒性ブロックコポリマー及び両親媒性グラフトコポリマーが好ましく用いられる。その中でも、(i)フルオロアルキル基を有するビニルモノマーと、アクリレートまたはメタクリレートとを共重合させて得られるブロック共重合体、または、(ii)フルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートと、ポリメチルメタクリレートを側鎖に有するメタクリレートマクロモノマーとを共重合させて得られる櫛型グラフト共重合体であることが好ましい。上記(i)のブロック共重合体としては、日本油脂(株)製の「モディパーF200」、「モディパーF210」、「モディパーF2020」、「モディパーF600」、「モディパーFT−600」(何れも商品名)がある。また、上記(ii)の櫛型グラフト共重合体としては、フッ素系グラフトポリマーとしては、東亜合成(株)製の「アロンGF−150」、「アロンGF−300」、「アロンGF−400」(いずれも商品名)がある。
分散剤の含有量は、表面層の全固形分の質量に対して1.0質量%以上70.0質量%以下が好ましく、より好ましくは5.0質量%以上60.0質量%以下である。
ドメインの分散状態は、前記した製法例では、アクリル系樹脂の如き結着樹脂を形成するための重合性モノマー、溶媒、パーフルオロポリエーテル及び分散剤を湿式分散装置で均一分散した時点で、ドメインの分散状態が前駆状態として形成される。このような分散液を基層上にバーコート、スプレイコート、リングコートの如き被覆方法でコートし、溶媒を乾燥させて除去した後、熱硬化、電子線硬化またはUV硬化の如き硬化方法によって硬化させる。その結果、基層上にマトリックス−ドメイン構造を有する表面層を形成することができる。
また、中間転写体の表面の微小硬度を測定するために用いた超微小硬度計は、塑性変形硬さ、最大押し込み量、ヤング率も計測できる。本発明の中間転写体の塑性変形硬さは15kg/mm以上であることが好ましく、最大押し込み変形量は0.4μm以下であることが好ましく、ヤング率は2.0GPa以上であることが好ましい。これらの測定は通常、薄膜厚みの数%から20%までの変形で測定することが好ましい。
<中間転写体の製造方法>
以下に本発明の中間転写体の具体的な製造方法について説明する。なお、本発明は、以下の製造方法に制限されるわけではない。
中間転写体の基層は、以下の方法によって作製することが可能である。
例えば、ポリイミドの如き熱硬化性樹脂の場合、導電剤であるカーボンブラックを、熱硬化性樹脂の前駆体又は可溶性の熱硬化性樹脂、溶剤とともにワニスとして分散し、このワニスを遠心成型装置の成形型にコーティングする。次いで、コーティングされた膜の焼成工程を経て半導電性フィルムを形成する。この基層となる半導電性フィルムの膜厚みは、30μm以上150μm以下であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂を用いた場合、導電剤であるカーボンブラックと熱可塑性樹脂、必要に応じてさらに添加剤を混合し、2軸の混練装置などで溶融混練して半導電性の樹脂組成物を作製する。次にこの樹脂組成物を溶融押出しによりシート、フィルムまたはシームレスベルトの形状に押出す押出方法により半導電性フィルムを得ることが出来る。シームレスベルトは円筒ダイスから押し出しベルトとする方法でも、押出しにより成形したシートをつなぎ合わせてシームレス化してもよい。また、この成形方法の他に、熱プレスまたは射出成型を使用して成型することもできる。この基層となる半導電性フィルムの膜厚みは、30μm以上150μm以下であることが好ましい。
また、中間転写体の機械的強度及び耐久強度を強化する目的で、結晶化処理を施すことが好ましい。結晶化処理としては、例えば用いる樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度でアニーリング処理することであり、これにより用いた樹脂の結晶化を促進することが出来る。このようにして得られた中間転写体は、機械的強度及び耐久強度に優れるだけでなく、耐磨耗性、耐薬品性、摺動性、強靭性及び難燃性の面においても優れたものを作製することが可能である。
なお、本発明の中間転写体はJIS K 7113による引張り試験を行うことで優れた機械的強度を有していることを確認することが出来る。具体的には、中間転写体の引張り弾性率は、1.5GPa以上であることが好ましく、より好ましくは2.0GPa以上、更に好ましくは2.5GPa以上である。また、中間転写体の引張り破断伸びは10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。また屈曲疲労試験としてはJIS P 8115が知られているが、これにおいても優れた特性を確認することが出来る。
<表面層の形成方法>
本発明に係る表面層は、以下の方法によって作製することが可能である。
すなわち、該表面層は、
(1)パーフルオロポリエーテル、結着樹脂を形成するための重合性モノマー、分散剤及び重合開始剤を混合して混合物を得る混合工程、
(2)該混合物を基層上に塗布する塗布工程、及び
(3)該混合物に紫外線を照射して該重合性モノマーを重合させる重合工程、を経て形成することができる。
まず、混合工程(1)では、パーフルオロポリエーテル、結着樹脂を形成するための重合性モノマー、分散剤及び重合開始剤を撹拌型ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーで混合して、混合物を得る。この時、混合物に溶媒、UV硬化剤、導電剤及び添加剤を更に添加してもよい。ここで、溶媒としては、MEK、MIBK、エチレングリコールを用いることができる。また、UV硬化剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤を用いることができる。また、添加剤としては、導電剤、フィラー粒子、着色剤、レベリング剤を用いることができる。
次に、塗布工程(2)では、得られた混合物を基層上にバーコートもしくはスプレイコートによって塗布する。また、塗布した後、60〜90℃で乾燥し溶媒を留去する。
次に、重合工程(3)では、基層上に塗布された混合物にUV照射装置によって紫外線を照射して混合物中の重合性モノマーを重合させる。このような工程を経ることによって本発明の中間転写体を得ることができる。また、ベルト体へのコート方法としてリングコート法も使用できる。
<電子写真装置>
次に、図1を参照して、本発明の中間転写体を用いた電子写真装置の一例を説明する。図1の電子写真装置100は、電子写真方式のカラー画像形成装置(カラーレーザープリンタ)である。画像形成装置100には、中間転写体である中間転写ベルト7の平面部に沿って、その移動方向に順に、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分の画像形成部である画像形成ユニットPy、Pm、Pc、Pkが配設されている。
各画像形成ユニットの基本的な構成は同一であるので、画像形成ユニットの詳細については、イエロー画像形成ユニットPyについてのみ説明する。
イエロー画像形成ユニットPyは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称する)1Yを有する。感光ドラム1Yは、アルミシリンダを基体として、その上に電荷発生層電荷輸送層及び表面保護層を順に積層して形成したものである。
また、イエロー画像形成ユニットPyは、帯電手段としての帯電ローラ2Yを備えている。帯電ローラ2Yに帯電バイアスを印加することで、感光ドラム1Yの表面は一様に帯電される。
感光ドラム1Yの上方には、画像露光手段としてのレーザー露光装置3Yが配設されている。レーザー露光装置3Yは、一様に帯電された感光ドラム1Yの表面を画像情報に応じて走査露光して、イエロー色成分の静電潜像をその表面に形成する。
感光ドラム1Yに形成された静電潜像は、現像手段としての現像器4Yによって現像剤であるところのトナーによって現像される。つまり、現像器4Yは、現像剤担持体としての現像ローラ4Ya、現像剤量規制部材としての規制ブレード4Ybを備えており、又現像剤としてイエロートナーを収容している。イエロートナーが供給された現像ローラ4Yaは、現像部において感光ドラム1Yと軽圧接されており、感光ドラム1Yと順方向に速度差を持って回転される。現像ローラ4Yaによって現像部に搬送されたイエロートナーは、現像ローラ4Yaに現像バイアスを印加することで、感光ドラム1Yに形成された静電潜像に付着する。これにより、感光ドラム1Yに可視像(イエロートナー像)が形成される。
中間転写体であるところの中間転写ベルト7は、駆動ローラ71、テンションローラ72、従動ローラ73に張架されており、感光ドラム1Yと接触して図中矢印の方向に移動(回転駆動)される。そして、1次転写部Tyに到達したイエロートナー像は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1Yに対向して圧接されている1次転写部材としての1次転写ローラ5Yによって、中間転写ベルト7上に転写される。
同様に、以上の作像動作を、中間転写ベルト7の移動に伴ってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各ユニットPy、Pm、Pc、Pkにおいて行い、中間転写ベルト7上にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像を積層する。4色のトナー層は中間転写ベルト7の移動に従って搬送され、2次転写部T’において、2次転写手段としての2次転写ローラ8により、所定のタイミングで搬送されてくる転写材S上に一括転写される。このような2次転写においては通常十分な転写率を確保するために数kVの転写電圧を印加するが、その際に転写ニップ近傍において放電が発生することがある。なお、この放電が転写部材の化学劣化の一因となっている。
転写材Sは、転写材収納部であるカセット12に収納されている。そして、ピックアップローラ13によって転写材は、機内に供給され、搬送ローラ対14、レジストローラ対15によって中間転写ベルト7に転写された4色のトナー像と同期をとられて2次転写部T’まで搬送される。
転写材Sに転写されたトナー像は、定着器9によって定着されて、例えばフルカラーの画像となる。定着器9は、加熱手段を備えた定着ローラ91と加圧ローラ92とを有し、転写材S上の未定着トナー像を加熱、加圧することで定着する。
その後、転写材Sは搬送ローラ対16、排出ローラ対17などによって機外に排出される。
中間転写ベルト7のクリーニング手段としてのクリーニングブレード11が、中間転写ベルト7の駆動方向の2次転写部T’の下流に配設されており、2次転写部T’において転写材Sに転写されずに中間転写ベルト7に残った転写残トナーを除去する。
以上説明したように感光体から中間転写ベルト、中間転写ベルトから被記録媒体へトナー画像の電気的転写プロセスが繰り返し行われる。また、多数の転写材へ記録を繰り返すことで電気的転写プロセスが更に繰り返し行われることになる。
本発明者らによる画像出力試験によれば、中間転写ベルト7の移動に伴ってマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各ユニットPm、Pc、Pkにおいて行い、中間転写ベルト7上にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像を積層する。4色のトナー層は中間転写ベルト7の移動に従って搬送され、2次転写部T’において、2次転写手段としての2次転写ローラ8により、所定のタイミングで搬送されてくる転写材S上に一括転写される。ここで、例えば上記特許文献1で記載されているように表面層に付着性の低いフッ素系の撥水、撥油コーティングを施した中間転写ベルトを用いることで転写時の画質劣化を改善することができる。
(A)本発明の中間転写体に関する物性の測定方法について説明する。
<体積抵抗率及び表面抵抗率の測定>
中間転写体の体積抵抗率及び表面抵抗率は、抵抗率計(三菱化学(株)製 ハイレスタUP(MCP−HT450))で測定した。表面電極としては、リング状プローブ(商品名:URS(中心電極の直径:0.59cm;外側電極の内径:1.1cm;外側電極の外径:1.78cm);三菱化学(株)製)を用いた。
なお、体積抵抗率は、レジテーブルUFL(三菱化学(株)製)の金属面側に測定サンプルを載せて、リング状プローブの中心電極とレジテーブルUFLの金属面との間に100Vを印加し、10秒後の値を測定値とした。
また、表面抵抗率は、レジテーブルUFL(三菱化学(株)製)のポリアミド面側に測定サンプルを載せて、リング状プローブの中心電極と外側電極との間に100Vを印加し、10秒後の値を測定値とした。
<微小硬度の測定>
中間転写体の表面の微小硬度は、超微小硬度計(エリオニクス(株)製、商品名:ENT−1100)を用いて測定した。このとき、超微小硬度計では、稜角115°のダイヤモンド製三角圧子を使用し、50mgの荷重で微小硬度を測定した。
<摩耗量の測定>
中間転写体の摩耗量は、JIS−K−7204に基づいたテーバー摩耗試験で測定を行った。測定装置としては、ロータリーアブレージョンテスタ((株)東洋精機製作所製)で摩耗輪CS−17を使用して、荷重4.9N、回転速度60rpm、回転数100回転のときに削れることにより生じる質量減少量を摩耗量として測定した。
<ドメインの平均長径>
ドメインの平均長径に関しては、中間転写体の表面層の断面を走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製 S−4800)を用いて観察した。まず、サンプルとして、ミクロトーム(ライカマイクロシステムズ社製、商品名:EM UC7)によって中間転写体の表面層の断面を切り出したものを用いた。このとき、該断面を20000倍に拡大した時の15μmの単位面積に最低1個以上のドメインが確認できる断面SEM画像を用いた。ドメインが10個以下の場合は視野内のすべてのドメインの長径を測定した。また、ドメインが10個超の場合はランダムに10個のドメインを選択し、ドメインの長径を測定した。同様の作業を、視野を変更した該断面のSEMによる観察を10回繰り返し、10枚の該断面のSEM画像において測定されたそれぞれのドメインの長径の平均値を本発明におけるドメインの平均長径とした。
<ドメインの面積>
ドメインの面積に関しては、サンプルとしてはドメインの平均長径の測定に用いたものと同様のものを用い、中間転写体の表面層の断面を走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製 S−4800)を用いて観察した。このとき、該断面を20000倍に拡大した時の15μmの単位面積における該ドメインの面積の割合を測定した。同様の作業を、視野を変更した該断面のSEMによる観察を10回繰り返し、10枚の該断面のSEM画像において測定されたそれぞれのドメインの面積の割合の平均値を本発明におけるドメインの面積の割合とした。
(B)電子写真装置(商品名:iRC2620、キヤノン社製)に装着されているポリイミド製の中間転写ベルトを基層として用い、この基層の表面に以下に示す方法で表面層を形成して実施例及び比較例に係る中間転写体を作製した。
なお、下記の実施例1〜13及び比較例1〜5で用いた中間転写ベルト1〜18の物性(体積抵抗率、表面抵抗率、微小硬度、摩耗量、ドメインの平均長径及びドメインの面積)を表1に示し、実施例1〜13及び比較例1〜5の画像評価の結果を表2に示した。
また、実施例1〜13の中間転写ベルト1〜13では、表面層の厚み方向の断面において、マトリックス−ドメイン構造を示していること、該マトリックスが結着樹脂を含み、該ドメインがパーフルオロポリエーテルを含んでいることが確認できた。
(実施例1)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.0質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 17.0質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 5.0質量部
メチルエチルケトン 43.0質量部
エチレングリコール 15.0質量部
アンチモンドープ酸化錫微粒子(石原産業社製、商品名:SN−100P)
4.0質量部
光重合開始剤(チバガイギー社製、商品名:イルガキュア184)
2.0質量部
分散剤(東亜合成社製、商品名:GF−300:固形分濃度25%)
20.0質量部
上記式(1)で示される構造を有するPFPE(商品名:MD500、ソルベイソレクシス社製;数平均分子量=1700)
7.0質量部
これらの材料を撹拌式ホモジナイザー(アズワン社製)で混合分散したのち、さらに分散装置ナノマイザー(吉田機械興業社製)により分散を行い、上記材料の混合分散液を得た。この混合分散液を、上記電子写真装置に装着されているポリイミド製中間転写ベルトの表面にコートし、70℃で3分間の乾燥したのち、500mJ/cmの紫外線を照射することで、表面層の膜厚が4μmの中間転写ベルト1を得た。得られた中間転写ベルト1の物性を表1に示す。
<画像評価>
この中間転写体である中間転写ベルト1を、上記電子写真装置に装着されているポリイミド製中間転写ベルトの代わりに取り付け、記録媒体の全面に青色のベタ画像を印刷することによって画像評価を行った。
画像評価は印刷開始直後、3千枚印刷後、及び、3万枚印刷後に得られた記録媒体上に形成された画像を以下の基準に基づき目視にて評価した。このとき、記録媒体である紙はゼロック社普通紙4024を使用した。この画像評価の結果を表2に示した。
A:画像に全くムラが見られない。
B:画像にムラがほとんどない。
C:画像にムラがいくつか見られる。
D:画像に青色でない部分があるが、白抜けしている部分(トナーが転写されていない部分)は見られない。
E:画像に白抜けしている部分(トナーが転写されていない部分)がある。
(実施例2)
実施例1において、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いず、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加量を20.0質量部に変更し、ペンタエリスリトールトリアクリレートの添加量を10.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト2を得た。得られた中間転写ベルト2の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、分散剤の添加量を6.0質量部、PFPEの添加量を2.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト3を得た。得られた中間転写ベルト3の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、分散剤の添加量を14.0質量部、PFPEの添加量を2.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト4を得た。得られた中間転写ベルト4の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1において、分散剤の添加量を12.0質量部、PFPEの添加量を4.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト5を得た。得られた中間転写ベルト5の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1において、分散剤の添加量を28.0質量部、PFPEの添加量を4.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト6を得た。得られた中間転写ベルト6の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1において、分散剤の添加量を40.0質量部、PFPEを上記式(2)で示される構造を有するPFPE(商品名:MD700、ソルベイソレクシス社製;数平均分子量=1500)に変えるとともに、当該PFPEの添加量を12.5質量部とした。これら以外は、実施例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト7を得た。得られた中間転写ベルト7の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例7において、分散剤の添加量を20.0質量部、PFPEの添加量を7.0質量部に変更した以外は、実施例7と同様の方法で作製し、中間転写ベルト8を得た。得られた中間転写ベルト8の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例2において、分散剤の添加量を64.0質量部、PFPEの添加量を21.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト9を得た。得られた中間転写ベルト9の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例7において、分散剤の添加量を64.0質量部、PFPEの添加量を21.0質量部に変更した以外は、実施例7と同様の方法で作製し、中間転写ベルト10を得た。得られた中間転写ベルト10の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例7において、分散剤の添加量を102.0質量部、PFPEの添加量を25.5質量部に変更した以外は、実施例7と同様の方法で作製し、中間転写ベルト11を得た。得られた中間転写ベルト11の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例10において、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートを用いず、2−エチルヘキシルアクリレートを30.0質量部用いた以外は、実施例10と同様の方法で作製し、中間転写ベルト12を得た。得られた中間転写ベルト12の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例10において、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートを用いず、2−エチルヘキシルアクリレートを20.0質量部及びブチルアクリレートを10.0質量部用いた以外は、実施例10と同様の方法で作製し、中間転写ベルト13を得た。得られた中間転写ベルト13の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、分散剤を用いず、PFPEの添加量を0.3質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト14を得た。得られた中間転写ベルト14の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
なお、この中間転写ベルト14の厚み方向の断面をSEMで観察したところ、前記実施例の中間転写ベルトと異なり、マトリックス−ドメイン構造を確認することができなかった。そのため、中間転写ベルト14ではドメインの平均長径及びドメインの面積を測定することができなかった。
(比較例2)
比較例1において、PFPEの添加量を2.5質量部に変更した以外は、比較例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト15を得た。得られた中間転写ベルト15の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
なお、この中間転写ベルト15の厚み方向の断面をSEMで観察したところ、前記実施例の中間転写ベルトと異なり、マトリックス−ドメイン構造を確認することができなかった。
(比較例3)
比較例1において、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加量を19.0質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートの添加量を3.0質量部、分散剤の添加量を1.0質量部に変更し、PFPEを用いず、一次粒子平均径が0.3μmのテトラフルオロエチレン微粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業社製)を15.0質量部、シリコン系レベリング剤ポリフェニルメチルシロキサンを0.3質量部さらに添加し、表面層の膜厚を4μmから3μmに変更した。これら以外は、比較例1と同様の方法で作製し、中間転写ベルト16を得た。得られた中間転写ベルト16の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
なお、この中間転写ベルト16の厚み方向の断面をSEMで観察したところ、前記実施例の中間転写ベルトと異なり、マトリックス−ドメイン構造を確認することができなかった。
(比較例4)
実施例10において、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートを用いず、ブチルアクリレートを30.0質量部用いた。これら以外は、実施例10と同様の方法で作製し、中間転写ベルト17を得た。得られた中間転写ベルト17の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
なお、この中間転写ベルト17を用いてテーバー摩耗試験を行ったが、中間転写ベルト17の表面層がすべて削れてしまったため、摩耗量を測定することができなかった。
(比較例5)
実施例10において、PFPEを、PFPE(商品名:5113X、ソルベイソレクシス社製;数平均分子量=1000)に変えた。これ以外は、実施例10と同様の方法で作製し、中間転写ベルト18を得た。得られた中間転写ベルト18の物性を表1に示す。また、実施例1と同様の画像評価を行い、その評価結果を表2に示す。
なお、この中間転写ベルト18の厚み方向の断面をSEMで観察したところ、前記実施例の中間転写ベルトと異なり、マトリックス−ドメイン構造を確認することができなかった。
1Y、1M、1C、1K 感光ドラム
2Y、2M、2C、2K 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザー露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像器
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
7 中間転写ベルト
8 2次転写ローラ
9 定着器
S 転写材

Claims (12)

  1. 基層と表面層とを有する電子写真用中間転写体であって、
    該表面層は、その厚み方向において、マトリックス−ドメイン構造を有し、
    該マトリックスは結着樹脂を含み、
    該ドメインはパーフルオロポリエーテルを含み、
    該電子写真用中間転写体の表面の超微小硬度計によって測定される微小硬度が50MPa以上である、
    ことを特徴とする電子写真用中間転写体。
  2. 前記ドメインの平均長径が30nm以上3000nm以下である請求項1に記載の電子写真用中間転写体。
  3. 前記表面層の厚み方向の断面の15μmの単位面積における該ドメインの面積の割合が、該マトリックスの面積に対して1面積%以上50面積%以下である請求項1又は2に記載の電子写真用中間転写体。
  4. 前記表面層は、該パーフルオロポリエーテルを該マトリックス中に分散させるための分散剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写体。
  5. 前記パーフルオロポリエーテルが下記式(a)で示される繰り返し構造単位1、又は、下記式(b)で示される繰り返し構造単位2を有し、且つ、数平均分子量が100以上20,000以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写体:



  6. 前記パーフルオロポリエーテルが下記式(1)で示される構造及び下記式(2)で示される構造の少なくとも一方を有する請求項5に記載の電子写真用中間転写体:

    (式(1)中、Aは該繰り返し構造単位1及び該繰り返し構造単位2の少なくとも一方であり、該繰り返し構造単位1の繰り返し数p及び該繰り返し構造単位2の繰り返し数qはそれぞれ独立で0≦p≦50、0≦q≦50であり、且つ、p+q≧1である。)、

    (式(2)中、Bは該繰り返し構造単位1及び該繰り返し構造単位2の少なくとも一方であり、該繰り返し構造単位1の繰り返し数r及び該繰り返し構造単位2の繰り返し数sはそれぞれ独立で0≦r≦50、0≦s≦50であり、且つ、r+s≧1である。)。
  7. 前記表面層中における前記パーフルオロポリエーテルの含有量が、該表面層の全固形分の質量に対して5.0質量%以上70.0質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写体。
  8. 前記結着樹脂はアクリル系樹脂である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写体。
  9. 前記アクリル系樹脂は、
    (i)ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、エチレングリコ―ルジアクリレート及びビスフェノールAジアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のアクリレート、及び、
    (ii)ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、アルキルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコ―ルジメタクリレート及びビスフェノールAジメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のメタクリレート
    のいずれかの重合性モノマーを重合して得られた繰り返し構造単位を有する重合体である請求項8に記載の電子写真用中間転写体。
  10. 前記表面層は、
    (1)前記パーフルオロポリエーテル、前記結着樹脂を形成するための重合性モノマー、前記分散剤及び重合開始剤を混合して混合物を得る混合工程、
    (2)該混合物を該基層上に塗布する塗布工程、及び、
    (3)該混合物に紫外線を照射して該重合性モノマーを重合させる重合工程
    を経て形成されたものである請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写体。
  11. 前記基層はポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド又はポリエステルを含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子写真用中間転写体を有することを特徴とする電子写真装置。
JP2013079898A 2012-04-06 2013-04-05 電子写真用中間転写体とその製造方法、および電子写真装置 Active JP6112946B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013079898A JP6112946B2 (ja) 2012-04-06 2013-04-05 電子写真用中間転写体とその製造方法、および電子写真装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012087616 2012-04-06
JP2012087616 2012-04-06
JP2013079898A JP6112946B2 (ja) 2012-04-06 2013-04-05 電子写真用中間転写体とその製造方法、および電子写真装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013231964A true JP2013231964A (ja) 2013-11-14
JP2013231964A5 JP2013231964A5 (ja) 2016-05-26
JP6112946B2 JP6112946B2 (ja) 2017-04-12

Family

ID=49300656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013079898A Active JP6112946B2 (ja) 2012-04-06 2013-04-05 電子写真用中間転写体とその製造方法、および電子写真装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9720353B2 (ja)
JP (1) JP6112946B2 (ja)
DE (1) DE112013001907B4 (ja)
WO (1) WO2013151182A1 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015121671A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 キヤノン株式会社 画像形成方法
JP2015212810A (ja) * 2014-04-14 2015-11-26 キヤノン株式会社 電子写真用の転写部材及び電子写真画像形成装置
JP2016053708A (ja) * 2014-05-27 2016-04-14 キヤノン株式会社 電子写真用転写部材及び電子写真装置
JP2016081047A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 キヤノン株式会社 画像形成方法
JP2018132722A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 コニカミノルタ株式会社 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2019012265A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 キヤノン株式会社 電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置
JP2019045583A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 キヤノン株式会社 画像形成装置及び画像形成方法
JP2019056775A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 コニカミノルタ株式会社 中間転写体、中間転写体の製造方法及び画像形成装置
US10495992B2 (en) 2016-03-29 2019-12-03 Mitsubishi Chemical Corporation Electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor cartridge, image forming apparatus, and dispersant for fluororesin
US11487226B1 (en) 2021-05-18 2022-11-01 Fujifilm Business Innovation Corp. Image forming apparatus and intermediate transfer unit capable of maintaining a transfer performance of an intermediate transfer body
US11644770B2 (en) 2021-05-24 2023-05-09 Fujifilm Business Innovation Corp. Intermediate transfer body and image forming apparatus
US11669027B2 (en) 2021-09-03 2023-06-06 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic belt, method for producing the same, and electrophotographic image forming apparatus

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6327967B2 (ja) * 2013-06-25 2018-05-23 キヤノン株式会社 電子写真用中間転写体及び電子写真装置
JP6936732B2 (ja) * 2015-09-18 2021-09-22 グンゼ株式会社 画像形成装置用転写部材
CN108780292A (zh) 2016-04-18 2018-11-09 惠普印迪戈股份公司 液体电子照相印刷设备和中间转印件
JP6776742B2 (ja) * 2016-09-06 2020-10-28 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置及びクリーニング装置
US11740572B2 (en) 2021-04-22 2023-08-29 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic belt and electrophotographic image forming apparatus

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0990737A (ja) * 1995-09-27 1997-04-04 Tokai Rubber Ind Ltd ロール
JPH09138594A (ja) * 1995-10-23 1997-05-27 Oce Nederland Bv 結像媒体から受像物質へのトナー映像の転送装置
JPH10307485A (ja) * 1997-05-06 1998-11-17 Fuji Xerox Co Ltd 画像記録装置
JP2001066913A (ja) * 1999-07-09 2001-03-16 Oce Technol Bv 画像化媒体から最終受容材料へトナーを転写する中間媒体及び装置
JP2002174958A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Ricoh Co Ltd 中間転写ベルトの製造方法、中間転写ベルト、湿式画像形成方法及び湿式画像形成装置
JP2002202668A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Yuka Denshi Co Ltd エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP2004091468A (ja) * 2002-07-26 2004-03-25 Oce Technol Bv パーフルオロポリエーテル残基から構成される架橋可能化合物、及び、合成方法、並びに、これを利用した装置
JP2007212921A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Konica Minolta Business Technologies Inc 中間転写体、中間転写体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置
JP2009263600A (ja) * 2008-04-30 2009-11-12 Toppan Printing Co Ltd ハードコート層用組成物およびハードコートフィルム
JP2010017991A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5774775A (en) * 1995-03-31 1998-06-30 Ricoh Company, Ltd. Electrophotograhic image forming method using an intermediate image transfer element
JP4319553B2 (ja) * 2004-01-08 2009-08-26 株式会社リコー 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真装置、プロセスカートリッジ
JP5200413B2 (ja) 2006-04-28 2013-06-05 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 中間転写体と画像形成方法及び画像形成装置
JP5433956B2 (ja) 2008-02-15 2014-03-05 株式会社ブリヂストン 導電性エンドレスベルト
US8962133B2 (en) * 2011-12-12 2015-02-24 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic member, intermediate transfer member, image forming apparatus, and method for manufacturing electrophotographic member

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0990737A (ja) * 1995-09-27 1997-04-04 Tokai Rubber Ind Ltd ロール
JPH09138594A (ja) * 1995-10-23 1997-05-27 Oce Nederland Bv 結像媒体から受像物質へのトナー映像の転送装置
JPH10307485A (ja) * 1997-05-06 1998-11-17 Fuji Xerox Co Ltd 画像記録装置
JP2001066913A (ja) * 1999-07-09 2001-03-16 Oce Technol Bv 画像化媒体から最終受容材料へトナーを転写する中間媒体及び装置
JP2002174958A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Ricoh Co Ltd 中間転写ベルトの製造方法、中間転写ベルト、湿式画像形成方法及び湿式画像形成装置
JP2002202668A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Yuka Denshi Co Ltd エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP2004091468A (ja) * 2002-07-26 2004-03-25 Oce Technol Bv パーフルオロポリエーテル残基から構成される架橋可能化合物、及び、合成方法、並びに、これを利用した装置
JP2007212921A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Konica Minolta Business Technologies Inc 中間転写体、中間転写体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置
JP2009263600A (ja) * 2008-04-30 2009-11-12 Toppan Printing Co Ltd ハードコート層用組成物およびハードコートフィルム
JP2010017991A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015121671A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 キヤノン株式会社 画像形成方法
JP2015212810A (ja) * 2014-04-14 2015-11-26 キヤノン株式会社 電子写真用の転写部材及び電子写真画像形成装置
JP2016053708A (ja) * 2014-05-27 2016-04-14 キヤノン株式会社 電子写真用転写部材及び電子写真装置
JP2016081047A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 キヤノン株式会社 画像形成方法
US10495992B2 (en) 2016-03-29 2019-12-03 Mitsubishi Chemical Corporation Electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor cartridge, image forming apparatus, and dispersant for fluororesin
JP2018132722A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 コニカミノルタ株式会社 電子写真感光体及び画像形成装置
JP7091155B2 (ja) 2017-06-29 2022-06-27 キヤノン株式会社 電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置
JP2019012265A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 キヤノン株式会社 電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置
JP2019045583A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 キヤノン株式会社 画像形成装置及び画像形成方法
JP2019056775A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 コニカミノルタ株式会社 中間転写体、中間転写体の製造方法及び画像形成装置
US11487226B1 (en) 2021-05-18 2022-11-01 Fujifilm Business Innovation Corp. Image forming apparatus and intermediate transfer unit capable of maintaining a transfer performance of an intermediate transfer body
US11644770B2 (en) 2021-05-24 2023-05-09 Fujifilm Business Innovation Corp. Intermediate transfer body and image forming apparatus
US11669027B2 (en) 2021-09-03 2023-06-06 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic belt, method for producing the same, and electrophotographic image forming apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
DE112013001907B4 (de) 2020-03-12
JP6112946B2 (ja) 2017-04-12
DE112013001907T5 (de) 2014-12-24
US20150323888A1 (en) 2015-11-12
WO2013151182A1 (en) 2013-10-10
US9720353B2 (en) 2017-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6112946B2 (ja) 電子写真用中間転写体とその製造方法、および電子写真装置
JP6025541B2 (ja) 電子写真用部材、中間転写体、画像形成装置、及び、電子写真用部材の製造方法
JP6324228B2 (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP6410658B2 (ja) 電子写真用の転写部材及び電子写真画像形成装置
JP6327967B2 (ja) 電子写真用中間転写体及び電子写真装置
JP7091155B2 (ja) 電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置
JP7110016B2 (ja) 中間転写ベルト、中間転写ベルトの製造方法、及び画像形成装置
JP5866778B2 (ja) 円筒状成形体の製造方法
US11813883B2 (en) Electrophotographic member and electrophotographic image forming apparatus
US20160170333A1 (en) Electrophotographic member and electrophotographic image forming apparatus
JP6241270B2 (ja) 転写ベルトおよび画像形成装置
JP2018189882A (ja) 電子写真用ベルト及びその製造方法、並びに電子写真装置
JP2020122927A (ja) 電子写真用部材及び電子写真画像形成装置
US11669027B2 (en) Electrophotographic belt, method for producing the same, and electrophotographic image forming apparatus
JP5979298B2 (ja) 円筒状成形体、円筒状成形体ユニット、画像形成装置用部材、及び画像形成装置
JP5923053B2 (ja) 転写ベルト、転写ベルトユニットおよび画像形成装置
JP2019124766A (ja) 中間転写体の製造方法
JP2019158905A (ja) 定着部材および定着装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160401

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170314

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6112946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151