JP5923053B2 - 転写ベルト、転写ベルトユニットおよび画像形成装置 - Google Patents
転写ベルト、転写ベルトユニットおよび画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5923053B2 JP5923053B2 JP2013070356A JP2013070356A JP5923053B2 JP 5923053 B2 JP5923053 B2 JP 5923053B2 JP 2013070356 A JP2013070356 A JP 2013070356A JP 2013070356 A JP2013070356 A JP 2013070356A JP 5923053 B2 JP5923053 B2 JP 5923053B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transfer belt
- toner
- image
- outer peripheral
- transfer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
Description
しかしながら、従来の技術においては、転写ベルトの表面の押込みヤング率E_ITが小さな転写ベルトを使用すると、転写ベルトの表面特性が耐刷経時で変化してしまい、長期間にわたって良好な画像を提供することが困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、耐刷を重ねても転写ベルトの表面特性の変化を抑制し、長期間にわたって良好な画像を提供することを目的とする。
図1において、画像形成装置100は、像担持体としての感光ドラム1と、感光ドラム1の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ロール2と、感光ドラム1上に静電潜像を形成する露光手段としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド3と、感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像する現像手段としての現像ユニット4と、感光ドラム1上に形成された現像剤像としてのトナー像が転写される中間転写体としての転写ベルト5と、感光ドラム1のトナー像を転写ベルト5へ転写する1次転写ロール6と、転写ベルト5から記録媒体上へトナー像を転写する2次転写部材7と、記録媒体上に転写されたトナー像を定着させる定着ユニット8と、転写ベルト5に残存する現像剤としてのトナーをクリーニングするクリーニング部材9とを備えている。
次に、転写ベルト5の製造方法について説明する。
転写ベルト5の製造方法は、特に限定されるものではないが、本実施例では、以下に示す工程を経て転写ベルト5を作製した。
転写ベルト5の厚さとしての膜厚は、成型型に流し込む樹脂の量で調整されるが、一般的に、その膜厚は60〜200μmであり、駆動時に転写ベルト5の端部にかかる応力と柔軟性を考慮して150μm以下としている。本実施例では、膜厚が100μmの転写ベルト5を使用した。
また、導電化剤として使用されるカーボンブラックは、ファーネスとブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が挙げられ、これらは単独使用することもでき、または複数種類のカーボンブラックを併用しても良い。
このようにして成型された転写ベルト5の体積抵抗率pvは、106以上、1014Ω・cm以下であることが好ましく、特に109以上、1012Ω・cm以下であることが好ましい。
また、イオン導電を用いた場合、導電剤を大量に添加する必要があるため、高温高湿環境下において導電剤が表面へブリードし、転写ベルトに当接する部材、特に感光ドラムを汚染してしまう。
なお、上述した転写ベルトは、単一の樹脂層から形成されているが、樹脂層を基層として順次、外周側に積層された構造を有する転写ベルトであっても、最外周面の表面特性が本実施例に示される形態であれば良い。
トナーを構成する組成としては、スチレン−アクリル共重合体を主構成成分とし、パラフィンワックスを内包し、帯電調整のため適宜シリカ等の樹脂表面に外添剤を付与し、平均粒径7.0μmで真球度0.95のものを使用した。これは、転写効率の向上、定着の離型剤レス、およびドット再現性や解像度に優れた現像を行うことにより、画像のシャープネス、高画像品位を得ることができるようにするために選択したものである。
図2において、クリーニング部材9は、ブレード9aと、支持部材9bとにより構成されている。ブレード9aは、ゴム硬度がJIS K 6253 A 65〜100°の範囲にある弾性材料が好適であり、本実施例では、JIS K 6253 A 83°の板厚が1.5mmのウレタンを使用し、支持部材9bによって固定した。
また、クリーニング部材9の形態としては、図2に示したように、転写ベルト5の面が、従動ローラ12に支持されて曲面となった部分にブレード9aを当接させる形態のものに限られるものでなく、水平な転写ベルト5の面に対してブレード9aを当接させる形態としても良い。
本実施例では、転写ベルトの表面特性として、押込みヤング率E_ITと臨界表面張力γcに着目した。
まず、転写ベルトの外周面の押込みヤング率E_ITは、東陽テクニカ社製 G200を使用し、Berkovich(TB13289)測定端子を用いて測定した。すなわち、ISO 14577−1に準拠して測定し、1.0mNで押し込んだときの押込みヤング率E_ITを求めた。
本実施例では、1次転写ロールによる1次転写工程における中抜け・かぶりの評価および転写ベルト表面の耐久性の評価は、図1に示す画像形成装置100を使用して実施した。なお、本評価においては、図1に示す1次転写ロール6に印加する1次転写電圧は2.9kV、1次転写ロール6の転写ベルト5に対する1次押圧力は15.2Nであり、2次転写部材7に印加する2次転写電圧は2.0kV、2次転写部材7の転写ベルト5に対する2次押圧力は90Nの条件とし、試験を行った。
1次転写工程で転写ベルト5の表面に赤文字(マゼンタ+イエロー)を形成させた後に、その赤文字が記録媒体に転写される前に、瞬断させてベルトユニット13を取り出し、転写ベルト5の表面に形成されたトナー像およびその周囲を実体顕微鏡(倍率 100倍)で観察し、中抜けとかぶりの状態を撮影した。
また、かぶりとは、図4に示すように、本来画像が存在しない領域にトナーが付着する現象のことである。
なお、本評価試験は、NN環境下(25℃50%RH)で行い、転写ベルト5の表面に形成する画像(文字)は9ポイントの大きさの「T」(Times New Roman)を選択した。画像に文字「T」を採用した理由は、「T」には縦および横の細線が含まれているためである。
評価部分の面積とは、中抜けしなかった場合の「T」の総面積
かぶり率(%)=単位面積中のかぶりトナーの面積比率
(100倍視野中のかぶりトナーの面積比率)
なお、転写ベルト5の表面の耐久性の評価は、以下に示す転写ベルト5についてのみ耐刷試験を行い、実施した。
評価対象:初期状態において、中抜け率≦5%であり、かぶり率≦0.1%の転写ベルト5
◎:耐刷150K枚で、中抜け率≦5%、かぶり率≦0.1%、クリーニング不良なし
○:耐刷100K枚で、中抜け率≦5%、かぶり率≦0.1%、クリーニング不良なし
●:耐刷試験実施前(初期)で、中抜け率≦5%、かぶり率≦0.1%
■:中抜け率≦5%、かぶり率>0.1%
▲:中抜け率>5%、かぶり率≦0.1%
とした。なお、「●」は、耐刷50K枚以内にクリーニング不良が発生したことを示している。
画像の中抜け現象は、感光ドラム1上のトナー像を転写ベルト5上へ1次転写する際に発生し、次のような理由で発生することが知られている。
感光ドラム1のトナー像が感光ドラム1と転写ベルト5との間に挟まれた際に、トナー像が圧縮され、トナーが密集する文字(細線)の中央付近では、文字の輪郭部に比べて応力が集中する。このため、過度の圧力が加わったトナー粒子は塑性変形することで、トナー粒子間および感光ドラム1との付着力が増大するため、感光ドラム1にトナーが残存し、転写ベルト5上に転写され難くなる。
通常、摩擦によって負帯電したトナーが感光ドラム1に現像され転写ベルト5を介して紙面へ転写される。このとき、一部のトナーが摩擦によって負に帯電せず、逆帯電(ここでは、正帯電)することがある。このようなトナーは、静電潜像が形成されていない感光ドラム1にも容易に付着してしまい、感光ドラム1を介して転写ベルト5へも付着してしまう。
この埋没した成分は、クリーニング部材9では除去できないため、耐刷を続けることにより徐々に堆積され、転写ベルト5の表面を覆ってしまう。この現象が発生すると、2つの欠陥を引き起こしてしまう。
2つ目は、トナー成分が転写ベルト5上に堆積することで、堆積物に覆われた転写ベルト5の表面は、同一成分を有するトナーとの親和性が大きくなるため、かぶりトナーが容易に付着してしまう。
これは、転写ベルト5の外周面に対する押込みヤング率E_ITを3.6GPa以上にすることで、繰返し印刷を行ってもトナー成分が埋没・堆積し難くなるためである。
さらに、転写ベルト5の外周面に対する押込みヤング率E_ITが6.0GPa以上の場合、繰返し印刷によるトナー成分等の埋没が起こり難いとともに、接触部材との摺動キズも発生し難いため、従来技術と比較して、およそ3倍以上の耐久性を有することが分かった。
以上のことから、画像の中抜け現象およびかぶり現象の発生を抑制し、長期にわたって転写ベルト5の転写性能とクリーニング性能を付与するためには、転写ベルト5の外周面の臨界表面張力γcを20mN/m以上、45mN/m以下、かつ転写ベルト5の外周面に対する押込みヤング率E_ITを3.6GPa以上、より好ましくは6.0GPa以上、10GPa以下にすることが必要であることが分かった。
本実施例では、第1の実施例と同様な手法を用いて中抜けの評価および耐久性の評価を行った。すなわち、図1に示す1次転写工程で転写ベルト5の表面に赤文字(マゼンタ+イエロー)を形成させた後に、その赤文字が記録媒体に転写される前に、瞬断させてベルトユニット13を取り出し、転写ベルト5の表面に形成されたトナー像を実体顕微鏡(倍率 100倍)で観察し、中抜け率を算出した。
◎:中抜け率が3%以下
○:中抜け率が3%より大きく、5%以下
また、耐刷試験におけるその他(中抜け以外)の不具合については、以下に示す基準で判定を行った。
○:150K枚の耐刷において耐久性に問題なし
×:耐刷中に転写ベルトが座屈し、転写ベルトが破断
本実施例の評価結果を表3に示し、図1を参照しながら説明する。
なお、膜厚が60μmの転写ベルト5を使用した場合、転写ベルト5の破断が発生してしまった。
第1の実施例では、転写ベルト5の膜厚を100μmとしているのに対し、本実施例では、転写ベルト5の膜厚を100μmより薄くしているため、上述した理由により、第1の実施例より中抜けの発生が抑制される。
なお、第1の実施例および第2の実施例では、本発明を転写ベルトに適用した例で説明したが、それに限られることなく、中間転写ドラム等の中間転写体に適用しても良い。
2 帯電ロール
3 LEDヘッド
4 現像ユニット
5 転写ベルト
6 1次転写ロール
7 2次転写部材
8 定着ユニット
9 クリーニング部材
9a ブレード
9b 支持部材
10 駆動ローラ
11、12 従動ローラ
13 転写ユニット
100 画像形成装置
Claims (4)
- 像担持体上に形成された現像剤像が転写される転写ベルトにおいて、
前記転写ベルトは、外周面に対する押込みヤング率が3.6GPa以上であり、外周面の臨界表面張力が20mN/m以上、45mN/m以下であり、
前記転写ベルトは、単一の樹脂層で形成され、
前記樹脂層の厚さが、70μm以上、90μm以下であることを特徴とする転写ベルト。 - 請求項1に記載の転写ベルトにおいて、
前記転写ベルトは、外周面に対する押込みヤング率が6.0GPa以上、10GPa以下であることを特徴とする転写ベルト。 - 請求項1または請求項2に記載の転写ベルトを備えたことを特徴とする転写ベルトユニット。
- 請求項3に記載の転写ベルトユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013070356A JP5923053B2 (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | 転写ベルト、転写ベルトユニットおよび画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013070356A JP5923053B2 (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | 転写ベルト、転写ベルトユニットおよび画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014194459A JP2014194459A (ja) | 2014-10-09 |
JP5923053B2 true JP5923053B2 (ja) | 2016-05-24 |
Family
ID=51839763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013070356A Active JP5923053B2 (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | 転写ベルト、転写ベルトユニットおよび画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5923053B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5486217B2 (ja) * | 2008-06-02 | 2014-05-07 | セイコーエプソン株式会社 | 多層ベルト |
JP2010008667A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Oki Data Corp | ベルトユニット及び画像形成装置 |
JP2012185267A (ja) * | 2011-03-04 | 2012-09-27 | Oki Data Corp | ベルト装置、転写ユニットおよび画像形成装置 |
JP5880543B2 (ja) * | 2011-03-24 | 2016-03-09 | コニカミノルタ株式会社 | 中間転写ベルトの製造方法 |
JP2013044878A (ja) * | 2011-08-23 | 2013-03-04 | Oki Data Corp | 回転体、転写ユニット、および画像形成装置 |
JP5921114B2 (ja) * | 2011-08-23 | 2016-05-24 | 株式会社沖データ | 中間転写ベルト、転写ユニット、及び画像形成装置 |
-
2013
- 2013-03-28 JP JP2013070356A patent/JP5923053B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014194459A (ja) | 2014-10-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3248455B2 (ja) | 画像形成装置と同装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法 | |
JP6112946B2 (ja) | 電子写真用中間転写体とその製造方法、および電子写真装置 | |
JP5439993B2 (ja) | 定着部材及びその製造方法、並びに定着装置及び画像形成装置 | |
JPH11258832A (ja) | 転写フィルム部品 | |
JP2010224229A (ja) | 管状体、管状体支持装置、画像定着装置、画像形成装置、及び管状体の製造方法 | |
JP5866778B2 (ja) | 円筒状成形体の製造方法 | |
US9046826B2 (en) | Belt unit, transfer unit and image formation apparatus | |
JP5636818B2 (ja) | 画像形成装置用の無端ベルト及び画像形成装置 | |
JP6134255B2 (ja) | ベルト、転写ベルト、転写ベルトユニットおよび画像形成装置 | |
JP2012068344A (ja) | 画像形成装置用の無端ベルト及び画像形成装置 | |
JP2008262051A (ja) | 導電性ロール、クリーニングロール、クリーニングユニット、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP2012203133A (ja) | 中間転写体及びその製造方法、中間転写体ユニット、並びに、画像形成装置 | |
JP6259144B2 (ja) | 転写ベルトユニットおよび画像形成装置 | |
JP5923053B2 (ja) | 転写ベルト、転写ベルトユニットおよび画像形成装置 | |
JP2008116838A (ja) | ポリイミド樹脂製無端ベルト及びそれを備えた画像形成装置、並びにポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法 | |
JP2010262158A (ja) | 画像形成装置 | |
JP5007354B2 (ja) | ベルト及び画像形成装置 | |
JP2019200318A (ja) | ベルト、無端ベルト、中間転写ベルト、及び画像形成装置 | |
JP2001242725A (ja) | 中間転写体及び画像形成装置 | |
JP6264039B2 (ja) | 導電性シートの製造方法 | |
JP5157330B2 (ja) | 成形用芯体、シームレス管状物の製造方法 | |
JP5428304B2 (ja) | 中間転写体、及び画像形成装置 | |
JP2015055740A (ja) | 導電性樹脂ベルトおよびその製造方法、並びに該導電性樹脂ベルトを用いた中間転写ベルトおよび画像形成装置 | |
JP2013195464A (ja) | 管状体、管状体ユニット、中間転写体、及び画像形成装置 | |
JP2013174757A (ja) | 転写ベルト、転写ユニット、及び画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151027 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160405 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160415 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5923053 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |