JPH10307485A - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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JPH10307485A
JPH10307485A JP9115838A JP11583897A JPH10307485A JP H10307485 A JPH10307485 A JP H10307485A JP 9115838 A JP9115838 A JP 9115838A JP 11583897 A JP11583897 A JP 11583897A JP H10307485 A JPH10307485 A JP H10307485A
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JP
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toner
fine particles
image
young
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Pending
Application number
JP9115838A
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English (en)
Inventor
Tadashi Ogasawara
正 小笠原
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー像を中間転写体から記録媒体へ転
写する際の効率を改善し、回収・廃棄するトナーを無く
し、クリーニング装置を不要として装置を簡素化するこ
と、さらに転写時に発生しやすいブラー等の画像乱れを
防止して良好な画像を出力しうる中間転写体を備えた画
像記録装置を提供する。 【解決手段】 像担持体上にトナー画像を形成し、該ト
ナー画像を中間転写体に転写した後、該中間転写体に転
写したトナー像を記録媒体に転写する画像記録装置にお
いて、該中間転写体の最表面層に微粒子が付着してお
り、該最表面層を構成する材料のヤング率が、トナーの
バインダ樹脂のヤング率より低く、且つ、微粒子のヤン
グ率より低く、好ましくは1×10-1〜1×103 MP
aの範囲であるラテックスであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体上にトナ
ー画像を形成し、このトナー画像を中間転写体に転写し
た後、中間転写体から記録媒体に転写する中間転写型画
像記録装置に係り、具体的には電子写真記録、静電記
録、イオノグラフィ、マグネトグラフィ等を利用する画
像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体ドラム等の像担持体上に形成され
たトナー像を、中間転写体を介して用紙等の記録媒体に
転写する画像記録装置は知られている。このような中間
転写体を使用する画像記録装置は、特にカラー画像を形
成するタイプで使われており、例えば、像担持体上に形
成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(Bk)の4色のトナー画像を、順次
中間転写体に転写して重ね合わせ、中間転写体上で重ね
合わされたY,M,C,Bkのトナー画像を、中間転写
体から記録媒体へ一括転写した後、定着することにより
カラー画像を得る。このように、中間転写体を使用する
ことにより、感光体ドラムから記録媒体に直接転写する
場合と比較して、記録媒体の特性の違いによる転写不良
など、記録媒体に関する種々の問題を改善できるなどの
長所があり、このことが、カラー画像を形成する際に中
間転写体を使用する大きな理由になっている。もちろ
ん、カラー画像に限らず、白黒画像に対しても、記録媒
体に関連する問題を改善する目的で中間転写体は使用さ
れており、その他、カラー画像及び白黒画像共に、トナ
ーの転写性やトナー画像の画質を改善する目的などで、
中間転写体は広く利用されている。
【0003】一方、最近、地球環境保全の観点から、エ
コロジー対応のために、クリーナが不要で廃トナーの生
じないクリーナレスの画像記録装置が提案されている。
例えば、特開昭59−133573号公報において、ク
リーニング装置を用いることなく、トナー像を転写した
後、背景部に残留するトナーを現像ロールに転移させる
ことにより、現像装置によって回収する旨が記載されて
いる。その実用化例として、平成元年7月に開催された
電子写真学会主催の「Japan Hardcopy’89」におい
て、「現像同時クリーニング方式」という概念のクリー
ナレスレーザプリンタを開発したとの報告がなされてい
る。
【0004】しかし、このような、現像同時クリーニン
グ方式では、転写時等に混入した紙粉等も現像装置に回
収されてしまい、画像欠陥の原因となることがある。
【0005】このような現像同時クリーニング方式にお
ける紙粉混入の技術的課題を解決するために、中間転写
体を使用した画像記録装置が、特開平5−210294
公報等に記載されている。特開平5−210294公報
では、中間転写体を設けることにより、感光体ドラムが
直接記録用紙と接触することがないので、感光体ドラム
に紙粉が付着することがなくなり、現像器に紙粉が入ら
ず、画像欠陥が防止できる旨の記載がある。しかし、本
方式においては、中間転写体の転写効率は改善されては
おらず、中間転写体上に未転写トナーが残るため、中間
転写体のクリーナが必要となり、クリーナが不要で廃ト
ナーの生じないクリーナレスの画像記録装置という本来
の技術コンセプトを逸脱してしまっている。
【0006】また、中間転写体を使用した画像記録装置
において、中間転写体のクリーナを使用しない方式が、
特開平8−314231公報等に記載されている。例え
ば、特開平8−314231では、中間転写体上の残留
トナーを、逆極性の電圧を印加した転写ローラ等に転移
させて除去するとしている。しかし、転写ローラに転移
したトナーを除去するために、クリーナを設けなければ
ならず、本質的にクリーナが不要で廃トナーの生じない
クリーナレスの画像記録装置ではない。
【0007】このように、中間転写体を使用した画像記
録装置は一般によく知られているが、中間転写体を使用
した画像記録装置において、エコロジー対応のために、
中間転写体のクリーナが本質的に不要で廃トナーの生じ
ない画像記録装置は、未だ知られていないのが現状であ
る。
【0008】さらに、前記カラー画像形成プロセスのよ
うな、Y,M,C,Bkのトナー画像を重ね合わせてカ
ラー画像を形成する方式において、2種類以上のトナー
画像を重ね合わせることにより、画像のエッジ部でトナ
ーが飛散する、いわゆる「ブラー」が発生するという問
題がある。ブラーは種々の原因で発生するが、主として
転写ニップ部の出口側で発生しやすく、記録媒体が剥離
する時に、ギャップの増大に伴う記録媒体の電位上昇で
放電を起こし、トナーの再帯電が画像構造の再配列を誘
起して発生する。ブラーは画像エッジ部のシャープ性を
低減し、画質を著しく悪くする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、中間転
写体を使用する画像記録装置において、トナー像を中間
転写体から記録媒体へ転写する際の効率を改善し、回収
・廃棄するトナーを無くすこと、またはこれに加えてク
リーニング装置を不要として装置を簡素化すること、さ
らに転写時に発生しやすいブラー等の画像乱れを防止し
て良好な画像を出力しうる中間転写体を備えた画像記録
装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る画像記録装置は、像担持体上にトナー
画像を形成し、該トナー画像を中間転写体に転写した
後、該中間転写体に転写したトナー画像を記録媒体に転
写する画像記録装置において、前記中間転写体の最表面
層に微粒子が付着しており、前記最表面層を構成する材
料のヤング率が、前記トナーのバインダ樹脂のヤング率
より低く、且つ、前記微粒子のヤング率より低いこと、
を特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】このような手段を用いることによ
る本発明の作用について以下に説明する。
【0012】一般にトナーは中間転写体と静電的な力で
付着しているが、その他にファンデルワールス力等の非
静電的な付着力も作用している。そして、この非静電的
な付着力が、100%に近い転写効率を実現する妨げに
なっている。そこで、中間転写体表面層の最表面に微粒
子を配置して、該微粒子の上に重ねてトナー像を転写す
ることにより、トナー粒子と中間転写体との間に空隙が
ある状態、またはトナーと中間転写体との接触面積が小
さい状態とすることができ、上記非静電的な力が低減さ
れる。したがって、転写時に電界が作用するとトナー粒
子は容易に転移し、100%に近い効率で転写を行うこ
とが可能となる。
【0013】この際、中間転写体の最表面の特性に関
し、そのヤング率が微粒子のヤング率より低い材料で構
成することにより、微粒子の付着性が増大し、上記微粒
子の転写性向上効果を確実に作用させることができる。
【0014】上記のように、微粒子はトナーと中間転写
体との間に介在して付着力を低減し、転写効率を向上さ
せる。このとき重要なのは、中間転写体の最表面に微粒
子が安定に付着していること、言い換えれば、中間転写
体の最表面を構成する材料が微粒子に対する付着性を有
していることである。検討の結果、中間転写体の最表面
の特性に関し、ヤング率が微粒子のヤング率より低い
と、微粒子の付着性が良好であることを見い出した。微
粒子と中間転写体とは、主としてファンデルワールス力
で付着しており、中間転写体表面の材料として、ヤング
率が微粒子のヤング率より低い材料を使用すると、接触
面積を増すことができるのでファンデルワールス力が増
大し、このことが微粒子の付着性に良好に作用している
と考えられる。
【0015】また、同時に、中間転写体表面層を構成す
る材料のヤング率をトナーのバインダ樹脂のヤング率よ
り低い材料とすることにより、転写時に発生しやすいブ
ラー等の画像乱れを防止できることも見い出した。
【0016】図1は、感光体ドラム1から中間転写体5
へトナー像を転写する際の、転写ニップ部を示す概略断
面図である。図1では、1色目のトナー像が転写された
後、2色目のトナー像を転写するときの状態を表してい
る。また、図1において破線で囲った部分の拡大図(模
式図)を図2に示す。図2中、14bは中間転写体5に
既に転写されているトナー、15bはその上に重ね合わ
せて転写するトナー、16は中間転写体に付着している
微粒子を示す。中間転写体表面のヤング率が、トナーの
バインダ樹脂のヤング率より低いと、図2に示すよう
に、転写ニップでの圧力が矢印17方向に働き、中間転
写体表面の微小変形が起こる。このとき、中間転写体と
直接接触する最下層のトナーは、横にずれる動きが規制
されることになる。また同時に、転写ニップ圧により、
トナー層内の空隙は減少するが、このとき2色目のトナ
ー層は、トナー層内部のトナー同士の摩擦力と、動きが
規制された最下層のトナーの働きにより、横方向への動
き(図2の矢印18)が抑えられたまま、上下方向にパ
ッキングされた状態になる。このため、中間転写体の保
持する電荷によって、トナー層の最上層まで、より強く
静電的な拘束力が働くようになる。したがって、転写ニ
ップの出口部を通過する際にも強い静電的な拘束力が働
いているので、ブラーの発生が抑制され、図1に示すよ
うなエッジ部の乱れの無いトナー像14c及び15cと
なる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)以下、図面を用いながら本発明の実施例に
ついて詳細に説明する。
【0018】図3は、本発明が適用された中間転写型画
像記録装置の一実施例を示す概略構成図である。
【0019】この中間転写型画像記録装置は、カラー画
像を形成するタイプで、表面に感光体層を有するドラム
状の像担持体1と、この像担持体1を一様に帯電する帯
電器2と、一様に帯電された像担持体1に像光を照射し
て静電潜像を形成する像書き込み装置3と、それぞれ、
ブラック(4a)、イエロー(4b)、マゼンタ(4
c)、シアン(4d)、の4色の現像剤を収容した4台
の現像装置4と、上記像担持体1接触し、周回可能に張
架された無端ベルト状の中間転写体5と、上記像担持体
1上に形成されたトナー像を上記中間転写体5へ転写す
る転写ローラ6と、無端ベルト状の中間転写体の張力を
調整するテンションローラ7と、ペーパーガイド13に
沿って搬送ローラ12により搬送されてくる記録用紙1
1に中間転写体5上のトナー像を転写する第2の転写ロ
ーラ9と、転写ローラ9に対向して設けられているバッ
クアップローラ8と、記録用紙11上のトナー像を定着
する定着装置10とを有している。
【0020】上記帯電器2は、電極ワイヤに高電圧を印
加し、像担持体1との間でコロナ放電を発生させて、該
像担持体1の表面を一様に帯電するものである。
【0021】上記像書き込み装置3は、像担持体の回転
方向と垂直に発光素子(LD)のレーザ光を繰り返し走
査し、この発光素子が画像信号に基づいてON/OFF
することによって回転駆動される像担持体1に像露光を
行うようになっている。
【0022】上記4台の現像装置4a,4b,4c,4
dは、回転駆動される1台の基部4eに支持されてお
り、順次像担持体と近接・対向するようになっており、
各色に対応する潜像にトナーを転移して可視像(トナー
像)を形成する。
【0023】また、上記中間転写体5は、ポリイミド樹
脂中にカーボンブラックを分散させ、厚さ80μmの無
端状ベルトにしたものを基材として、その上に表面層と
してフッ素ラテックス(フッ素樹脂微粒子分散品、ダイ
キン工業社製:GLS−213)を20μmコーティン
グして焼成したものである。基材であるポリイミド樹脂
の体積抵抗率は109 〜1010Ωcmで、フッ素ラテッ
クスの表面層をコーティング後の中間転写体の体積抵抗
率は1012〜1013Ωcmであった。また、フッ素ラテ
ックスの表面層のヤング率は、1.6×102 MPaで
あった。
【0024】なお、ヤング率の測定方法は、ISO R
1184に準拠し、幅15mm、長さ150mmの短冊
型試験片を作成し、オートグラフ引張試験機により、引
張速度1.0mm/min、チャック間距離100mm
の条件で測定した。試験片は、表面が離型性の高いフッ
素樹脂でコーティングされたローラの上に、上記コート
層と同一条件でフッ素ラテックスの塗膜を作成し、ロー
ラ表面から剥がして作成した。なお、ローラ表面は上記
のように離型性の高いフッ素樹脂でコーティングされて
いるので、フッ素ラテックスの塗膜(最表面層試験片)
は容易に剥がすことができる。
【0025】本発明で用いられる中間転写体は、少なく
とも最表面層を構成する材料のヤング率が、トナーのバ
インダ樹脂のヤング率より低く、かつ、中間転写体に付
着させる微粒子のヤング率より低ければ、上記以外の材
料・構成のものでも構わない。具体的には、例えば、ト
ナーのバインダ樹脂としてポリエステルを使用すると、
ヤング率は4〜8×103 MPaの範囲であり、微粒子
としてシリカを使用すると、ヤング率は7×104 MP
aであるから、4×103 MPaより低いヤング率を使
用すればよい。中間転写体が上記のように基材と表面層
(最表面層)の2層構成の場合、例えば、上記以外の基
材としてはポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合
体(PTFE)等の樹脂の一種またはこれらの混合物か
らなるもの、もしくはニッケル、アルミニウム、銅、ス
テンレス等の金属などが使用できる。また、その表面層
としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム等のゴム、エラストマー類
及びその発泡体、ラテックスなど、さらに、ポリエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアセタール等の比較的
低ヤング率の樹脂などが使用できる。
【0026】なお、中間転写体の構成は、最表面層のヤ
ング率がトナーのバインダ樹脂のヤング率より低く、か
つ、中間転写体に付着させる微粒子のヤング率より低け
れば、上記のような2層構成に限らず、強度が十分あれ
ば単層(表面層のみからなる中間転写体)でもよく、基
材上に複数の層が形成されてなる3層以上の構成とする
こともできる。また、上記実施例1の態様であるベルト
状の中間転写体以外の形状、例えばローラ状やドラム状
の中間転写体でも構わない。
【0027】最表面層の厚みも、また、上記の構成によ
って異なり、例えば、単層で構成されるものは、耐久性
の観点からも十分な強度を維持する厚みを要するが、基
材上に形成された表面層であれば、トナーの受容、転写
に十分な厚みがあればよく、一般的には、10〜50μ
m程度である。
【0028】次に中間転写体及び所望により像担持体に
も付着させる微粒子について説明する。
【0029】図3に示す中間転写型画像記録装置で用い
られる微粒子は、例えば次のようなものである。
【0030】平均粒径12nmのシリカに、疎水化処理
剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いて
表面処理したもので、中間転写体の最表面層にゆるい凝
集をした状態で存在しており、比較的容易に分散しうる
ものである。なお、この微粒子は、後述するトナー表面
に外添させる微粒子と同一のものを用いることができ
る。本実施例で像担持体に付着させる微粒子として特に
シリカを用いた理由は、従来よりシリカはトナーの外添
剤(転写助剤)として使用されており信頼性が高いこと
と、外添剤として併用すれば、トナーから遊離したもの
が像担持体へ供給され、より微粒子の効果を安定に維持
できることなどが挙げられる。本実施例でも、上記の目
的で外添剤と併用している。
【0031】本発明に係る中間転写体の表面に適用し得
る微粒子としては、転写性が良好で、比較的ヤング率の
高い材料からなることが好ましく、上記シリカの他に、
酸化チタン、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸カ
ルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バ
リウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸
化クロム、ベンガラ等の無機微粉末や、ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粉末を用い
ることができる。環境安定性を考慮するとこれら微粒子
は吸湿性が少ないことが望ましく、酸化チタン、アルミ
ナ、シリカ等の吸湿性を有する無機微粉末の場合は、疎
水化処理を施したものが用いられる。これら無機微粉末
の疎水化処理は、上記ヘキサメチルジシラザンの他に、
例えば、ジメチルジクロロシラン、デシルシラン、ジア
ルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シ
ラン、アルキルトリハロゲン化シラン等のシランカップ
リング剤やジメチルシリコンオイル等の疎水化処理剤と
上記微粉末とを高温度下で反応させて行うことができ
る。
【0032】これら微粒子の中で、像担持体に使用する
にあたって、画質上、特に遮光効果によるネガゴースト
の発生の問題を考慮する必要があるならば、平均粒径が
露光源(たとえばLEDで660nm程度、半導体レー
ザで780nm程度)の半波長以下の微粒子である必要
があり、画質上まったく問題がないレベルとするために
は、平均粒径が100nm以下の微粒子であることが好
ましい。また、微粒子に透明性を付与すれば、より好ま
しい。その場合、有機微粉末では透明性に優れたポリア
クリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリ
レートの等のアクリル系の微粉末が望ましい。また、無
機微粉末ではシリカが遮光効果の低い点で望ましい。ま
た、これら微粒子が、使用されるうちに像担持体上にフ
ィルム状となって付着してしまうような材料、例えば、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等は、当
然トナーに対してもフィルミングを起こしやすくトナー
に対する付着力も強くなる。したがって、このようなフ
ィルミングを起こしやすい材料の微粉末は望ましくな
い。
【0033】透明性及び遮光防止効果の観点から、最表
面層に付着される微粒子の平均粒径は5〜100nm程
度、さらに10〜30nm程度であることが好ましい。
【0034】なお、図3に示す像担持体1及び中間転写
体5には、上記微粒子が予め付着させてある。その付着
状態については、後で詳細に述べる。
【0035】これら微粒子のヤング率については、必ず
しも直接測定する必要はなく、微粒子材料自体のヤング
率の文献値を適用することもできる。
【0036】また、像担持体上における微粒子の付着状
態であるが、分散状態で存在していても、ある程度凝集
された状態で存在していてもよく、また、一種類の微粒
子が存在していても、複数種類の微粒子が同時に存在し
ていてもよい。トナーと像担持体の間に微粒子が介在す
ることでトナーと像担持体との間の付着力を下げること
ができればよい。
【0037】上記転写ローラ6は、金属製の芯金にウレ
タン発泡体の層を形成したもので、ウレタン発泡層の体
積抵抗は、106 〜107 Ωcmに調製してある。
【0038】また、転写ローラ9は、金属製の芯金にス
キン層を有するシリコーン発泡体の層を形成し、さらに
そのスキン層の上にコート層として、PTFEを成膜し
たものである。コート層の厚みは10μmで、コート層
を含む層全体の体積抵抗率は106 〜107 Ωcmに調
製してある。
【0039】このような中間転写型画像記録装置の主要
部材のデータ及び設定は次の通りである。
【0040】 感光体: OPC(φ84) ROS: LD走査光学系 プロセス速度: 160mm/s 現像バイアス: VDC=−500V VAC=1.5kVP-P (6kHz) 転写条件: BTR転写(1次転写:20μA(定電流)、 2次転写:1kV(定電圧)) 次に上記現像装置4a、4b、4c、4dで用いられる
現像剤について説明する。 <トナー>トナーは、例えば次のようにして作成したも
のを用いることができる。
【0041】ポリエステル(数平均分子量:4300、
重量平均分子量:9800、Tg=58°C)94重量
%、シアニンブルー4938(大日精化社製)6重量%
を混練粉砕し、平均粒径7μmの着色粒子を得る。この
着色粒子に対し、平均粒径12nmのシリカをヘキサメ
チルジシラザン(HMDS)で疎水化処理した微粒子を
トナー表面積に対する被覆率40%の割合で外添してシ
アントナーとする。このトナーの帯電極性は負極性であ
り、平均粒径はコールターカウンタ(コールター社製)
で測定した値である。
【0042】なお、被覆率f(%)は、トナーの平均粒
径をdt(m)、シリカ微粒子の平均粒径をda
(m)、トナーの比重をρt、シリカ微粒子の比重をρ
a、シリカ微粒子重量を Wa(kg)、トナー重量を
Wt(kg)とすると、次式で与えられる。
【0043】
【数1】
【0044】上記例のトナーの比重は1.0、シリカ微
粒子の比重は2.2である。一般に、トナー粒子の粒径
は画質に大きな影響を与え、粒径が大きくなるほど画像
は粗くなる。平均粒径が20μm程度のトナーでも実用
上の問題はないが、細線の解像力を高くするためには、
平均粒径が10μm以下のトナーを用いるのが望まし
い。しかしながら、トナー径が小さくなるとトナーとキ
ャリアの間に作用する物理的付着力が支配的となり現像
性が低下する。また、トナー径が小さくなるとトナーの
凝集も起こりやすく取扱いの問題が生じる。このような
観点から本発明で用いるトナーは、平均粒径5μm以
上、10μm以下のものが望ましい。
【0045】トナー用の主バインダ樹脂としては、上記
例で使用されているポリエステル樹脂の他に、以下のも
のを使用することができる。例えば、ポリスチレン、ス
チレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタヂエン共
重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢
酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリ
ウレタン樹脂等があり、必要に応じて単体、または、複
数のバインダ樹脂を混合して用いられる。
【0046】ヒートロール定着時にロールとの離型性を
高めトナーオフセットを防止する意味から、エチレン、
プロピレン等のオレフィン系単独または共重合体、カル
ナバワックス等のワックス成分を加えてもよい。この
際、ワックス成分の添加量としてはトナーに対して0.
5重量%以上、10重量%以下が望ましい。添加量がこ
れより少ないとワックス成分の効果が出ない。また、添
加量がこれより多いと熱によりトナーが変形しやすくな
り現像剤の帯電性が変化して安定した画像濃度が得られ
なくなる。
【0047】また、トナーの力学的強度を強くしたり、
ヒートロール定着時にトナーの凝集力を高めトナーオフ
セットを防止する意味から、重量平均分子量10000
0以上の高分子量ポリマーや、架橋ポリマーを含有させ
てもよい。これら、高分子量ポリマーや、架橋ポリマー
の含有量については、トナーに対して60重量%以下が
望ましい。含有量がこれより多いと定着時にトナーが良
好に溶融定着せず定着不良が問題となるからである。
【0048】トナーの着色剤については、黒色系として
はカーボンブラック、ニグロシン、黒鉛等が用いられ
る。
【0049】有彩色系としては、次のようなものを用い
ることができる。 (イエロー、または、オレンジ顔料)C.I.ピグメン
トオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.
I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエ
ロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.
I.ピグメントイエロー174 (マゼンタ、または、レッド顔料)C.I.ピグメント
レッド5、C.I.ピグメントレッド48:1、C.
I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレ
ッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.
I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッ
ド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.
ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド1
66、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグ
メントレッド178、C.I.ピグメントレッド222 (シアン、または、グリーン顔料)C.I.ピグメント
グリーン7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.
ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー
15:3、C.I.ピグメントブルー60 また、これらトナー着色剤の含有量は、トナーに対し
0.5重量%以上、20重量%以下であることが望まし
い。0.5重量%未満では発色性が十分でなく鮮明な画
質が得られなくなる。20重量%を越えるとトナー中で
の着色剤の分散不良による画質の濃度むらが生じる虞が
ある。 <キャリア>図3に示す現像装置4a、4b、4c、4
dで用いられるキャリアは、例えば次のようなものであ
る。
【0050】スチレン−アクリル共重合体(数平均分子
量:23000、重量平均分子量:98000、Tg=
78°C)30重量%、カーボンブラック(塩基性カー
ボンブラック:pH=8.5)3重量%、粒状マグネタ
イト(最大磁化80emu/g 、粒径0.5μm)67重量
%を混練、粉砕、分級して平均粒径を45μmとしたも
のである。このキャリアの帯電極性は正極性で、電気抵
抗値は1012Ωcmであり、比重は2.2である。なお、
平均粒径はマイクロトラック(日機装社製)で測定した
値である。
【0051】上記キャリアは磁性体微粉末をポリマーに
混合してなる、いわゆるポリマーキャリアであるが、
鉄、フェライト、マグネタイト等の金属粒子よりなる磁
性体粒子キャリアを用いることもできる。ポリマーキャ
リアは磁性体粒子キャリアに比べて一般に磁化が低いた
めに、柔らかく密度の高い磁気ブラシを形成することが
でき高画質画像を得ることができる。また、像担持体上
に付着した場合に、像担持体表面を傷つけるおそれも少
ないという利点がある。さらに、比重も小さいためにキ
ャリアの質量も小さく、現像装置内で現像剤がミキシン
グされる際にトナーに対するストレスが小さくなり、寿
命の長い現像剤を提供できるという長所がある。一方、
磁性体粒子キャリアはキャリアの比重が大きいためにキ
ャリアの質量も大きく、現像装置内で現像剤がミキシン
グされる際にトナーに対するストレスが大きくなるが、
現像剤の帯電の立ち上がりが早いという利点があり、要
求される性能によってキャリアを使い分ければよい。
【0052】キャリアの粒子径については、粒子径が小
さいほど磁気ブラシは密になる。平均粒径が60μm以
下になるとその効果が現れ始める。しかし、平均粒径が
35μm未満となるような粒子径が小さいキャリアにな
ると、キャリアの磁気的拘束力が弱まるために潜像担持
体上へのキャリア付着が発生する。これらのことから、
キャリア粒子径は平均粒径が35μm以上、60μm以
下が望ましい。 <現像剤>上記トナーとキャリアとを混合した現像剤と
しては、例えば、トナー濃度(TC:Toner Co
ncentration)は15重量%、現像剤中トナ
ー帯電量を20μC/gとしたものを用いることができ
る。ここでTCは次式で示される。
【0053】
【数2】
【0054】上記トナーとキャリアとを混合した現像剤
としたときのトナーの電荷量は、高すぎるとトナーのキ
ャリアに対する付着力が高くなりすぎて、トナーが現像
されないといった現象が発生する。一方、電荷量が低す
ぎるとトナーのキャリアに対する付着力が弱くなり遊離
トナーによるトナークラウドが発生し、プリントにおけ
るカブリが問題となる。トナーを転移して良好な現像を
行うという観点からは、現像剤中のトナーの電荷量が絶
対値で5〜50μC/g、好ましくは、10〜40μC
/gの範囲にあることが望ましい。次に、上記のような
構成の中間転写型画像記録装置の動作について説明す
る。
【0055】ドラム状の像担持体1は回転駆動され、帯
電器2によって一様に帯電される。像書き込み装置との
対向位置では像光が照射されるが、使用している微粒子
は平均粒径が20nmと像光の波長780nmに比べて
十分小さいため照射を妨げることなく、像担持体の感光
体層の電荷は露光によって低減され、静電電位の差によ
る潜像が形成される。
【0056】この潜像は現像装置4との対向位置に移動
し、現像ロールから転移されるブラックトナーが微粒子
の上に重ねて付着され、潜像が可視化される。このよう
にして形成されたブラックトナー像は、転写ローラ6に
よって微粒子の付着している中間転写体5上に1次転写
される。このとき、トナーは微粒子を介して像担持体1
上に付着しており、ファンデルワールス力等の非静電的
な付着力が小さくなっているので、転写ローラ6による
電界で容易に離脱し、ほぼ100%の転写効率で転写さ
れる。
【0057】像担持体1においては、さらにイエロー、
マゼンタ、シアンの各色について、帯電器2による帯
電、像書き込み装置3による像光の照射、現像装置4に
よるトナー像の形成、転写ローラ6による中間転写体5
への転写の各工程が繰り返され、その結果、中間転写体
5上に4色のトナー像が重ね合わされたカラー画像が形
成される。さらに、このカラー画像は、第2の転写ロー
ラ9によって一括して記録用紙11に2次転写される。
このとき、上記1次転写と同様に、トナーは微粒子を介
して中間転写体5上に付着しており、ファンデルワール
ス力等の非静電的な付着力が小さくなっているので、転
写ローラ9による電界で容易に離脱し、ほぼ100%の
転写効率で転写される。そして最終的に、定着装置10
によって定着されて、カラーの記録画像が得られる。
【0058】上記のようにして、像担持体から中間転写
体へトナー像が1次転写された後、及び中間転写体から
記録用紙にトナー像が2次転写された後、それぞれ、像
担持体上及び中間転写体上には残留トナーが残らないの
で、この中間転写型画像記録装置ではクリーニング装置
は設ける必要はなく、良好なカラー画像を形成すること
ができる。
【0059】上記のような中間転写型画像記録装置の転
写性と転写画質を評価するため実施した実験について以
下に述べる。
【0060】この実験では、まず、中間転写体上の微粒
子付着状態を変化させて転写率を測定した。具体的には
5種類の異なる付着状態を作り、それぞれについて面積
率(像担持体の単位面積当たりに占める微粒子の投影面
積の割合)の測定と転写率の評価を実施した。この面積
率の測定には、ニレコ社製のLUZEX−を使用した。
また、微粒子の付与は次のような装置を使用して行っ
た。図4にその微粒子付与装置203の構成を示す。微
粒子を収容するハウジング234の開口部に回転ブラシ
231が設けられ、その後方には上記回転ブラシ231
に微粒子を供給するパドル232が設けられている。微
粒子はパドル232によって回転ブラシ231の毛先に
ふりかけられて付着し、回転ブラシ231と平行に支持
された棒状部材233と接触して過剰な微粒子が払い落
とされる。
【0061】微粒子を付与する際には、中間転写体5を
中間転写型画像記録装置から一旦取り出し、別途用意し
たオフライン微粒子付着機に上記微粒子付与装置203
と中間転写体5をセットし、微粒子付与を行った。具体
的な方法としては、まず、中間転写体5を一定速度で回
転させておき、回転ブラシ231の毛先が中間転写体5
の表面に接触しながら同方向に移動するように回転駆動
させる。その速度は中間転写体の搬送速度より毛先がや
や早く移動するように設定した。付着状態を変えるに
は、上記パドル232から回転ブラシ231への微粒子
供給量を制御した。
【0062】ただし、ここで注意しなくてはならないの
は、微粒子の付着量はある一定量以内では比較的容易に
制御できるが、ある一定量(飽和付着量と定義する)を
越えるとそれ以上は付着しにくくなることである。な
お、ここで言っている付着とは、埋まり込みや接着等に
よる固着とは異なり、微粒子が付着面に接触することに
より付着する現象(この場合、微粒子の粒径が数10n
mと小さいので、主としてファンデルワールス力で付着
する)のことで、回転する感光体ドラムとの接触で、容
易に剥がれない程度の付着力を有している状態のことを
意味する。この飽和付着量は材料により異なり、具体的
には表面材料のヤング率により異なることを見い出し
た。この点については、後で詳細に説明する。
【0063】したがって、ここで実施した実験は、飽和
付着量に満たない範囲で微粒子の付着状態を変えた実験
である。
【0064】また、転写率は下記の式より求めた。
【0065】
【数3】
【0066】図5に微粒子の面積率と転写率の関係を示
す。なお、面積率=0は微粒子を付着させなかった場合
を示す。この図に示されるように、面積率が増大するに
連れて転写率が高くなり、面積率が約10%で100%
に近い転写率を達成することができる。一方、面積率の
比較的小さい場合、すなわち中間転写体の表面に付着し
ている微粒子の量が少なくなると、目標とする100%
に近い転写率が達成できなくなることがわかる。
【0067】なお、この傾向は、中間転写体の材料を変
えたときも同様であることを、別途実施した実験により
確認した。ただし、この際、記録用紙に与える転写電荷
量は一定になるように制御した。したがって、ほぼ10
0%の転写効率を実現するためには、微粒子の面積率と
しては、約10%以上が必要ということになる。
【0068】次に、中間転写体のヤング率と、微粒子の
面積率との関係について説明する。図6は、最表面のヤ
ング率が異なる材料に対して、微粒子を飽和付着させた
時の面積率を表している。図6中、横軸は中間転写体の
最表面のヤング率、縦軸は飽和付着時の微粒子の面積率
である。また、図6中の縦線は本実施例で使用した微粒
子であるシリカのヤング率を示す。図6より、約10%
以上の面積率を得るためには、中間転写体の最表面のヤ
ング率が、微粒子自体のヤング率より小さいことが必要
であることがわかる。
【0069】次に、中間転写体のヤング率と、ブラーの
発生率との関係について説明する。図7は、最表面のヤ
ング率が異なる材料に対して、ブラーの程度を評価した
結果を示している。図7中、横軸は中間転写体の最表面
のヤング率、縦軸はブラーの程度を示すブラーグレード
である。ブラーの程度は、ブラーグレードとして、予め
5段階に定量化されている限度見本と比較し、最も近い
ものをその画質サンプルのグレードとする方法により評
価した。なお、ブラーグレードは小さい値程、ブラーが
少ないことを示しており、グレード3以下であれば許容
できる範囲である。また、画質サンプルは、最もブラー
の発生しやすい4色重ね合わせの5ドットライン画像を
使用した。また、図7中の斜線領域は、本実施例で使用
したトナーのバインダ樹脂であるポリエステルのヤング
率を示している。図より、ブラーグレード3以下を達成
するためには、中間転写体の最表面のヤング率が、トナ
ーバインダ樹脂のヤング率より小さいことが必要である
ことがわかる。さらに、好ましくは、中間転写体の最表
面のヤング率が、1×103 MPa以下であると、確実
にブラーグレードを3以下にすることが可能である。
【0070】従って、先に中間転写体の最表面層を構成
する材料の説明中で述べた最表面層のヤング率がトナー
のバインダ樹脂のヤング率より低く、且つ、微粒子のヤ
ング率より低いという条件に加えて、ブラー防止特性及
び中間転写体の最表面の強度及び耐久性を考慮すれば、
最表面の好ましいヤング率は1×10-1〜1×103
Paの範囲である。
【0071】上記の実験結果からもわかるように、中間
転写体の最表面のヤング率が、トナーのバインダ樹脂の
ヤング率より低く、かつ、中間転写体に付着させる微粒
子のヤング率より低いと、転写性と画質を両立させるこ
とができる。本実施例では中間転写体の最表面に使用し
ているフッ素ラテックスのヤング率が1.6×102
Paであり、トナーのバインダ樹脂であるポリエステル
のヤング率4〜8×103 MPaより低く、かつ、中間
転写体に付着させる微粒子であるシリカのヤング率7×
104 MPaより低い。なお、本実施例において中間転
写体の最表面層に用いたフッ素ラテックスは、フッ素樹
脂を配合剤(フィラー)とし、フッ素ゴムラテックスを
マトリックスとした海島構造を有する複合材料である。
フッ素ラテックスが焼成して表面層被膜を形成する際
に、分散されたフッ素樹脂が結合して、層の表面に高密
度に集合した状態になる。焼成後、即ち表面層形成後
は、微視的に見ると、フッ素ゴムの中にフッ素樹脂が混
在する海島構造となる。このうち、フッ素樹脂部分は非
常に離型性が高く、トナーに対して高離型性を示す。し
たがって、何らかの理由で、中間転写体表面上に微粒子
の付着面積率が低下している部分が存在したとしても、
フッ素樹脂部分の高離型性により高転写性を発揮する。
一方、フッ素ゴム部分はヤング率が低く、本発明におけ
る最表面層の所望のヤング率を得る役割を担うと同時
に、微粒子に対して高付着性を発揮する。これは、一般
にゴムのようなエラストマーは、微粒子のような構造物
に対して粘着力を有しているためである。これは、例え
れば、自動車が砂の上を走ると、タイヤに砂が付着する
現象と同様である。なお、このような理由により、表面
層に適用される前記微粒子はフッ素ゴム部分に付着しや
すいが、同時にフッ素樹脂部分にもファンデルワールス
力等で付着する。以上のことから、本実施例のフッ素樹
脂フィラー分散フッ素ラテックスは、トナーに対する高
離型性と、微粒子に対する高付着性を併せ持った材料で
あり、100%近い転写効率を達成する目的に叶ってい
る。また、低ヤング率は、転写ブラーを防止する役割を
するので、本発明の中間転写体表面材料として好適であ
る。
【0072】実際に、図3に示す実施例1の中間転写型
画像記録装置において、20,000枚の画像記録を行
ったところ、100%近い転写効率で、ブラー等の転写
乱れのない画像を、安定して出力することができた。 (実施例2)図8は、本発明が適用された中間転写型記
録装置の他の実施例を示す概略構成図である。実施例1
と同様な構成要素については同様な符号を付して、ここ
ではその詳細な説明を省略する。
【0073】図8において、この間接転写型画像形成装
置は、実施例1とほぼ同様であるが、2次転写した後の
中間転写体5に、微粒子を均一に付与する微粒子付与装
置203を有している。この微粒子付与装置203は、
前記実施例1で、微粒子を付着させるのに用いたものと
同一であり、その動作は前述した通りである。
【0074】実施例2では、微粒子付与装置203によ
り、中間転写体の表面に微粒子を均一にかつ安定して付
着させることができるので、高い転写効率をより長期に
わたって維持することができる。 (実施例3)実施例1において、中間転写体の最表面に
付着させる微粒子を、粒子径が長軸で50〜100n
m、短軸で10〜30nmの紡錘形のの酸化チタンに、
疎水化処理剤としてデシルシランを用いて表面処理した
ものに換えた他は、実施例1と同様にして画像形成装置
を得た。これを用いて、実施例1の中間転写型画像記録
装置において行ったのと同様に、20,000枚の画像
記録を行ったところ、100%近い転写効率で、ブラー
等の転写乱れのない画像を、安定して出力することがで
きた。
【0075】以上説明した実施の形態は、いずれもカラ
ー画像記録方式で説明したが、白黒画像記録方式でも同
様の効果を得ることができる。また、上記実施の形態
は、いずれもカールソンプロセスに基づく電子写真記録
方式で説明したが、チャージレス方式、背面露光方式
等、記録紙に転写を行う間接記録方式であれば適用可能
である。さらに、中間転写体から他の中間転写体に転写
する場合にも適用できる。
【0076】また、本発明の画像形成装置は、いわゆる
静電記録方式やイオノグラフィ方式等、感光体の代わり
に誘電体を使用して静電潜像を書き込み、これを現像し
て転写する場合にも有効である。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る中間
転写型画像形成装置では、中間転写体の最表面のヤング
率が、トナーのバインダ樹脂のヤング率より低く、か
つ、中間転写体に付着させる微粒子のヤング率より低い
ので、微粒子の効果と相まって100%近い転写効率を
達成することができ、かつ、ブラー等の転写乱れのない
良好な画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 感光体ドラムから中間転写体へトナー像を転
写する際の転写ニップ部を示す概略断面図である。
【図2】 図1における転写ニップ部の部分拡大図(模
式図)である。
【図3】 実施例1の中間転写型画像記録装置の構成を
示す概略断面図である。
【図4】 中間転写型画像記録装置の中間転写体に微粒
子を適用するための微粒子付与装置の構成を示す概略断
面図である。
【図5】 微粒子の付着面積率とトナーの転写率の関係
を示すグラフである。
【図6】 最表面層材料のヤング率が異なる材料に対し
て、微粒子を飽和付着させた時の面積率を表すグラフで
ある。
【図7】 最表面層材料のヤング率が異なる材料に対し
て、ブラーの程度を評価した結果を示すグラフである。
【図8】 実施例2の中間転写型画像記録装置の構成を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 像担持体 2 帯電器 3 像書き込み装置 4 現像装置 5 中間転写体 6 転写ローラ 7 テンションローラ 8 バックアップローラ 9 第2の転写ローラ 10 定着装置 11 記録用紙 12 搬送ローラ 13 ペーパーガイド 14、15 トナー 16 微粒子 105 現像装置 203 微粒子付与装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上にトナー画像を形成し、該ト
    ナー画像を中間転写体に転写した後、該中間転写体に転
    写したトナー画像を記録媒体に転写する画像記録装置に
    おいて、 前記中間転写体の最表面層に微粒子が付着しており、 前記最表面層を構成する材料のヤング率が、前記トナー
    のバインダ樹脂のヤング率より低く、且つ、前記微粒子
    のヤング率より低いこと、を特徴とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】 前記中間転写体の最表面層を構成する材
    料のヤング率が1×103 MPa以下であることを特徴
    とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 【請求項3】 前記中間転写体の最表面層が少なくとも
    2種類以上の材料から構成されることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 【請求項4】 前記中間転写体の最表面層を構成する少
    なくとも2種類以上の材料が、海島構造を形成すること
    を特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
  5. 【請求項5】 前記中間転写体の最表面層を構成する少
    なくとも2種類以上の材料が、樹脂微粒子を分散してな
    るエラストマー材料であることを特徴とする請求項3に
    記載の画像記録装置。
  6. 【請求項6】 前記微粒子の平均粒径が5〜100nm
    であることを特徴とする請求項3に記載の画像記録装
    置。
  7. 【請求項7】 前記像担持体表面に、前記微粒子を付着
    させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記
    録装置。
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