JP2013215923A - 活性光線硬化型インクジェットインク、及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ゲル化剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及び非重合性樹脂を含有し、温度によりゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、前記記録媒体上に着弾した液滴に、LED光源から光を照射し、前記インク液滴を硬化させる工程と、を有する画像形成方法とする。このとき、前記非重合性樹脂を、分子内に極性官能基を一つ以上有するポリエステル樹脂、または分子内に極性官能基を一つ以上有するケトン樹脂とする。
【選択図】なし
Description
[1]ゲル化剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及び非重合性樹脂を含有し、温度によりゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、前記記録媒体上に着弾した液滴に、LED光源から光を照射し、前記液滴を硬化させる工程と、を有し、前記ゲル化剤が、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含む化合物を含み、前記光重合性化合物が、分子量が280〜1500、かつClogP値が4.0〜7.0の範囲内である(メタ)アクリレート化合物を含み、前記非重合性樹脂が、分子内に極性官能基を一つ以上有するポリエステル樹脂、または分子内に極性官能基を一つ以上有するケトン樹脂を含み、前記インク全量に対して、前記ゲル化剤を0.5〜10.0質量%、前記(メタ)アクリレート化合物を10〜40質量%、前記非重合性樹脂を2.0〜15.0質量%含み、前記光は、370〜410nmにピーク照度0.5〜10.0W/cm2を有する、画像形成方法。
(1)分子内に(−C(CH3)H−CH2−O−)で表される構造を、3〜14個有する、三官能以上の(メタ)アクリレート化合物
(2)分子内に環状構造を持つ二官能以上の(メタ)アクリレート化合物
[3]前記ゲル化剤が、下記一般式(G1)及び(G2)で表される化合物うちの少なくとも一種の化合物である、[1]または[2]に記載の画像形成方法。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を含む炭化水素基を表す。)
[5]前記ポリエステル樹脂または前記ケトン樹脂が、−OH基及び−COOH基を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の画像形成方法。
[6]前記ポリエステル樹脂または前記ケトン樹脂の数平均分子量が1000〜5000であり、酸価または塩基価が10〜350mgKOH/gである、[1]〜[5]のいずれかに記載の画像形成方法。
[7]前記活性光線硬化型インクジェットインクが前記記録媒体に着弾する時の前記記録媒体の温度を、前記活性光線硬化型インクジェットインクのゾルゲル相転移温度の−10℃〜−20℃の範囲とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の画像形成方法。
[8]前記インク液滴を硬化させる工程で照射する前記光は、370〜410nmにピーク照度0.5〜5W/cm2を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の画像形成方法。
[9]前記記録媒体が、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートからなる、[1]〜[8]のいずれかに記載の画像形成方法。
[10]ゲル化剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及び非重合性樹脂を含有し、温度によりゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットであって、前記ゲル化剤が、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含む化合物を含み、前記光重合性化合物が、分子量が280〜1500、かつClogP値が4.0〜7.0の範囲内である(メタ)アクリレート化合物を含み、前記非重合性樹脂が、分子内に極性官能基を一つ以上有するポリエステル樹脂、または分子内に極性官能基を一つ以上有するケトン樹脂を含み、前記インク全量に対して、前記ゲル化剤を0.5〜10.0質量%、前記(メタ)アクリレート化合物を10〜40質量%、前記非重合性樹脂を2.0〜15.0質量%含む、活性光線硬化型インクジェットインク。
本発明の画像形成方法で塗布する活性光線硬化型インクジェットインクには、光重合性化合物と、ゲル化剤と、光重合開始剤と、非重合性樹脂とが含まれ、必要に応じて、その他の添加剤等が含まれてもよい。
活性光線硬化型インクジェットには、光重合性化合物が含まれる。光重合性化合物は、活性光線の照射により架橋又は重合する化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線である。光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であり、好ましくはラジカル重合性化合物である。
ソフトウェアパッケージ2:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072(分子量471、ClogP4.90、Cognis社製)、
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートMiramer M360(分子量471、ClogP4.90、Miwon社製)
等が含まれる。
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量304、ClogP4.69)、
トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP(分子量332、ClogP5.12)
等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクには、活性光線に対して不活性な樹脂;すなわち、活性光線の照射により、架橋または重合する基(光重合性基)を有さない、非重合性の樹脂が含まれる。本発明の画像形成方法用の活性光線硬化型インクジェットインクには、非重合性樹脂として、少なくとも分子内に極性官能基を少なくとも一つ有するポリエステル樹脂またはケトン樹脂が含まれる。活性光線硬化型インクジェットインクに、このようなポリエステル樹脂またはケトン樹脂が含まれると、極性官能基によって、インクが記録媒体に着弾後、ゲル化剤が析出しやすい。一方で、ポリエステル樹脂またはケトン樹脂の比較的弱い極性の部位(エステル部位やケトン部位)は、ゲル化剤と親和性を有する。つまり、ゾル状のインクにおいて、ゲル化剤が均一に混和されやすくなる。
さらに、ポリエステル樹脂またはケトン樹脂の極性官能基が、記録媒体表面の官能基と結合することで、インクの硬化膜と記録媒体との密着性が高まる。
ウレタン基を有するケトン樹脂の具体例には、degussa社製のケトン樹脂(TEGO VARIPLUS PZZ−1201)等が含まれる。
(i)2官能以上の多価アルコール、及び2官能以上の多価カルボン酸の直接エステル化反応
(ii)2官能以上のポリエステル、及び2官能以上の多価アルコールのエステル交換反応
(iii)2官能以上の多価アルコール、及び酸無水物のエステル化反応
(iv)1分子中に水酸基とカルボキシル基をそれぞれ1つ以上有するヒドロキシカルボン酸の直接エステル化反応
(v)極性官能基が環に結合した環状ラクトンの開環重合
ケトン樹脂の酸価及び塩基価は、ケトン化合物に反応させる化合物量や、化合物の種類等で調整する。
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、インクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する。そのようなゲル化剤は、少なくとも1)ゲル化温度よりも高い温度で、光重合性化合物や非重合性樹脂に溶解すること、2)ゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化すること、が必要である。
脂肪族ケトン化合物;
脂肪族エステル化合物;
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;
キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;
ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;
モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;
硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;
モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;
ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;
12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;
12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);
N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;
N,N'-エチレンビスステアリルアミド、N,N'-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N'-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;
ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミン;
ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);
ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);
ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);
ダイマー酸;
ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);
ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;
パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);
ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;
ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);
1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;
特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報および特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤;
等が含まれる。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G1)及び(G2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を有する炭化水素基を表す。R1〜R4は、分岐部分を有していてもよい。
活性光線硬化型インクジェットインクには、光重合開始剤がさらに含まれる。
光重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクには、色材がさらに含まれる。色材は、染料または顔料でありうる。インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料がより好ましい。
KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製);
Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製);
Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、
Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製);
Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);
カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)などが挙げられる。
活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて他の成分がさらに含まれていてもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、およびワックス類等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述のようにゲル化剤を含むため、温度により可逆的にゾルゲル相転移する。ゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクは、高温(例えば80℃程度)では液体(ゾル)であるため、インクジェット記録ヘッドからゾル状態で吐出することができる。高温下で活性光線硬化型インクジェットインクを吐出すると、インク液滴(ドット)が記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うドット同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述の光重合性化合物、ゲル化剤、非重合性樹脂、及び色材を、加熱下、混合して得られる。好ましくは、一部の光重合性化合物に色材(特に顔料)を分散させた顔料分散剤を用意し、顔料分散材と、他のインク成分と混合する。得られたインクは、所定のフィルターで濾過することが好ましい。
本発明の画像形成方法は、少なくとも以下の2工程を含む。
(1)活性光線硬化型インクジェットインクを、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程
(2)前記記録媒体上に着弾した液滴にLED光源からの光を照射して前記インク液滴を硬化させる工程
活性光線硬化型インクジェットインクは、上述したインクジェットインクであればよい。
インクジェット記録ヘッド部でインク液滴を射出する。インク液滴の射出性を高めるためには、インクジェット記録ヘッド内のインクジェットインクの温度を、インクのゲル化温度より10〜30℃高い温度に設定することが好ましい。インクジェット記録ヘッド内のインク温度が、ゲル化温度+10℃未満であると、インクジェット記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インク液滴の射出性が低下しやすい。一方、インクジェット記録ヘッド内のインクの温度が、ゲル化温度+30℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
記録媒体に着弾したインク液滴にLED光源から光を照射することで、インク液滴に含有される光重合性化合物を架橋又は重合させてインク液滴を硬化させる。
本発明の画像形成方法は、活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものと、がある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)が好ましい。
ステアリン酸ステアリル(エキセパールSS、花王社製)、(ユニスター M−9676、日油社製)、(EMALEX CC−18、日本エマルジョン社製)、(アムレプスSS、高級アルコール工業社製)
ジステアリルケトン(カオーワックスT1、花王社製)、(18−Pentatriacontanone、試薬(Arfa Aeser)社製)
ベヘニン酸ベヘニル(ユニスター M−2222SL、日油社製)
ジパルミチルケトン(Hentriacontan−16−on、試薬(Arfa Aeser)社製)
ジラウリルケトン(12−tricosanone、試薬(Arfa Aeser)社製)
パルミチン酸セチル(アムレプスPC、高級アルコール工業社製)
ベヘニン酸(ルナックBA、花王社製)
・ClogP値が4.0〜7.0の範囲内にある(メタ)アクリレート化合物
Photomer 4072(コグニス社製):3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、分子量471、ClogP値4.90
Miramer M360(Miwon社製):トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、分子量471、ClogP値4.90
NKエステルDOD−N(新中村化学社製):1,10−デカンジオールジメタクリレート、分子量310、ClogP値5.75
NKエステルA−DCP(新中村化学社製):トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、 分子量304、ClogP値4.69
NKエステルA−400(新中村化学社製):ポリエチレングリコールジアクリレート
CD561(Sartomer社製):アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート
SR499(Sartomer社製):6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
SR494(Sartomer社製):4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート
TEGO AddBond LTH (EVONIK社製、水酸基とカルボキシル基含有ポリエステル樹脂、酸価16mgKOH/g、塩基価25mgKOH/g、数平均分子量2000〜3000)
TEGO AddBond LTW (EVONIK社製、水酸基とカルボキシル基含有ポリエステル樹脂、60%キシレン溶液、酸価25mgKOH/g、塩基価30mgKOH/g、数平均分子量2000〜3000)
TEGO VariPlus 3350UV (EVONIK社製、水酸基とカルボキシル基含有ポリエステル樹脂、50%トリプロピレングリコールジアクリレート、酸価18mgKOH/g、塩基価16mgKOH/g、数平均分子量2000〜3000)
TEGO VARIPLUS SK (degussa社製、水酸基含有ケトン樹脂、酸価3mgKOH/g未満、塩基価325mgKOH/g、数平均分子量1000〜1500)
TEGO VARIPLUS AP (degussa社製、ケトン樹脂、酸価・塩基価3mgKOH/g未満、数平均分子量1000〜1500)
KF−352(信越化学社製)
DAROCURE TPO(BASF社製)
ITX(DKSHジャパン社製)
KayacureEPA(日本化薬社製)
以下の手順で調製した顔料分散液を用いた。以下の2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解した。
PB824(味の素ファインテクノ社製) 9質量部
トリプロピレングリコールジアクリレート (APG−200、新中村化学社製) 71質量部
下記表1の組成(質量比)に従い、各成分を混合し、これを80℃に加熱して攪拌した。得られた溶液の温度を保持したまま、ADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過し、活性光線硬化型インクジェットインクを調製した。この活性光線硬化型インクジェットインクのインクを下記のように評価した。
・ゲル化剤溶解安定性
活性光線硬化型インクジェットインクを100℃の恒温槽内に4時間静置した。静置後のインクについて、ゲル化剤の溶解状態を目視で確認し、下記の基準に基づき評価した。結果を表1に示す。
○:分離、析出なし
×:油玉が表面に集まっている(層分離している)
活性光線硬化型インクジェットインクを100℃に加熱し、そのときの臭気を、下記の基準に基づき評価した。結果を表1に示す。
○:臭いが殆どなし
△:かすかに刺激臭有り
×:強い刺激臭有り
ゾルゲル相転移温度は、Physica社製粘弾性測定装置 MCR300、シェアレート11(1/s)にて測定した。結果を表1に示す。
活性光線硬化型インクジェットインクを、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に装填した。この装置から、600mm巾、厚さ40μmの未処理PET及び未処理PPに、それぞれ印字直前にコロナ処理を行いながら画像を500m連続して記録した。
・画質(白ヌケ)
PPフィルムに形成した画像について、10m目と500m目印刷時のベタ画像部の白ヌケ(ドットの合一による未印字部分)を目視で確認した。下記の基準で評価した。
○:白ヌケ無し
△:1,2箇所白ヌケがあるが、実用上問題ないレベル
×:白ヌケ多数発生
PETフィルムに形成した画像について、10m目と500m目印刷時の3pt明朝文字の品質を目視評価した。
○:文字が再現されている
△:文字の一部に潰れが見られる
×:文字が潰れている
PETフィルムに形成した10m目のベタ画像を、25℃・60%RHの環境下に24時間放置した。その後、JIS−K−5400に準じて表面の鉛筆硬度を測定した。下記基準に基づき、評価した。
○:鉛筆硬度2H以上
△:B,F,H
×:2B以下
PETフィルムに形成した10m目のベタ画像部を、25℃60%RHの環境下に24時間放置した。その後、これを二つ折りにし、下記の基準に基づき評価した。
○:画像膜が割れた
×:折りの部分で画像膜が割れた
PPフィルムに出力した10m目のベタ画像部に、3M社製セロハンテープを密着させ、剥がした。このときの、PPフィルムと画像との密着性を、下記の基準に基づき評価した。
○:画像膜の剥がれ無し
×:画像膜が剥がれる
実施例2〜4、及び比較例3〜6については、下記表1に記載の組成に従い、各成分を調製した以外は、実施例1と同様にインクを調製した。
また、比較例1では、活性光線硬化型インクジェットインクを、Xerox社製Phaser 860用 インクとした。
これらの活性光線硬化型インクジェットインクで、実施例1と同様に画像を形成し、形成画像を評価した。結果を表1に示す。
一方、ClogP値が4.0〜7.0の範囲内である(メタ)アクリレート化合物の量が過剰である場合(比較例5及び6)、インク硬化物の折り曲げ耐性が低く、鉛筆硬度評価も悪かった。これは、インクの硬化性が不十分であったためと推察される。
実施例5〜7、及び比較例7〜9については、下記表2に記載の組成に従い、各成分を調製した以外は、実施例1と同様にインクを調製した。これらの活性光線硬化型インクジェットインクで、実施例1と同様に画像を形成し、形成画像を評価した。結果を表2に示す。
実施例8〜12、並びに比較例10及び11については、下記表3に記載の組成に従い、各成分を調製した以外は、実施例1と同様にインクを調製した。これらの活性光線硬化型インクジェットインクで、実施例1と同様に画像を形成し、形成画像を評価した。結果を表3に示す。
実施例13〜15、及び比較例12については、下記表4に記載の組成に従い、各成分を調製した以外は、実施例1と同様にインクを調製した。つまり、実施例13〜15、及び比較例12については、全て同じ組成とした。これらの活性光線硬化型インクジェットインクで、下記表4に示す条件で画像を形成し、形成画像を評価した。結果を表4に示す。
これに対し、ゾルゲルゾルゲル相転移温度−9℃である場合(実施例14)と、10m目及び500m目のいずれにおいても、文字品質が多少低下した。これは、インク着弾時に、ゲル化が不十分となったためと推察される。一方、ゾルゲルゾルゲル相転移温度−27℃である場合(実施例15)には、白抜けがなく、文字品質も高かった。
12 記録媒体
14、24 インクジェット記録ヘッド
16、26 ヘッドキャリッジ
18、28 光照射部
19 温度制御部
27 ガイド部
Claims (10)
- ゲル化剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及び非重合性樹脂を含有し、温度によりゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、
前記記録媒体上に着弾した液滴に、LED光源から光を照射し、前記液滴を硬化させる工程と、を有し、
前記ゲル化剤が、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含む化合物を含み、
前記光重合性化合物が、分子量が280〜1500、かつClogP値が4.0〜7.0の範囲内である(メタ)アクリレート化合物を含み、
前記非重合性樹脂が、分子内に極性官能基を一つ以上有するポリエステル樹脂、または分子内に極性官能基を一つ以上有するケトン樹脂を含み、
前記インク全量に対して、前記ゲル化剤を0.5〜10.0質量%、前記(メタ)アクリレート化合物を10〜40質量%、前記非重合性樹脂を2.0〜15.0質量%含み、
前記光は、370〜410nmにピーク照度0.5〜10.0W/cm2を有する、画像形成方法。 - 前記(メタ)アクリレート化合物が、下記(1)及び(2)のうちの少なくとも一種の(メタ)アクリレート化合物である、請求項1に記載の画像形成方法。
(1)分子内に(−C(CH3)H−CH2−O−)で表される構造を、3〜14個有する、三官能以上の(メタ)アクリレート化合物
(2)分子内に環状構造を持つ二官能以上の(メタ)アクリレート化合物 - 前記ゲル化剤が、下記一般式(G1)及び(G2)で表される化合物うちの少なくとも一種の化合物である、請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を含む炭化水素基を表す。) - 前記ポリエステル樹脂、または前記ケトン樹脂が有する極性官能基が、−OH基、−COOH基、−NH2基、−NO2基、−CN基から選ばれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記ポリエステル樹脂または前記ケトン樹脂が、−OH基及び−COOH基を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記ポリエステル樹脂または前記ケトン樹脂の数平均分子量が1000〜5000であり、酸価または塩基価が10〜350mgKOH/gである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記活性光線硬化型インクジェットインクが前記記録媒体に着弾する時の前記記録媒体の温度を、前記活性光線硬化型インクジェットインクのゾルゲル相転移温度の−10℃〜−20℃の範囲とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記インク液滴を硬化させる工程で照射する前記光は、370〜410nmにピーク照度0.5〜5W/cm2を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体が、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートからなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成方法。
- ゲル化剤、光重合性化合物、光重合開始剤、及び非重合性樹脂を含有し、温度によりゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットであって、
前記ゲル化剤が、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含む化合物を含み、
前記光重合性化合物が、分子量が280〜1500、かつClogP値が4.0〜7.0の範囲内である(メタ)アクリレート化合物を含み、
前記非重合性樹脂が、分子内に極性官能基を一つ以上有するポリエステル樹脂、または分子内に極性官能基を一つ以上有するケトン樹脂を含み、
前記インク全量に対して、前記ゲル化剤を0.5〜10.0質量%、前記(メタ)アクリレート化合物を10〜40質量%、前記非重合性樹脂を2.0〜15.0質量%含む、活性光線硬化型インクジェットインク。
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