JP2017165964A - 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置と像形成方法、硬化物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置と像形成方法、硬化物 Download PDF

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香織 宮原
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Abstract

【課題】特にインサート成型時に良好な柔軟性を発揮するとともに、インサート成型後の耐スクラッチ性、耐水性にも優れ、かつ長期間の高温暴露での黄変を起こしにくい活性エネルギー線硬化型組成物の提供。【解決手段】(1)少なくとも、重合性化合物、重合開始剤、及び1種類又は2種類以上の非重合性樹脂を含有し、前記重合性化合物として多官能(メタ)アクリレートモノマーを含む活性エネルギー線硬化型組成物。(2)前記非重合性樹脂として非重合性のシリコーン樹脂を含む(1)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、該組成物からなる活性エネルギー線硬化型インク、該組成物が収容された組成物収容容器、該組成物を用いた2次元又は3次元の像形成装置と像形成方法、及び該組成物を硬化させた硬化物に関する。
特に樹脂成型品の表面を加飾する方法の一つとして、予め加飾された樹脂フィルムを成型型内に配置し、成型型内に合成樹脂をインサートすることにより、加飾された樹脂フィルムと合成樹脂成型体とを一体化する方法(インサート成型)に適した活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク等に関する。
樹脂成型品の表面加飾方法としてインサート成型が知られている。またインサート成型に用いる樹脂フィルムの加飾に活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いることも提案されている(特許文献1、2など)。活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いて加飾した樹脂フィルムをインサート成型に用いた場合、予備腑形時やインサート成型加工時に加飾層が延伸に耐えきれずにひび割れるなどの問題があるため、延伸性に優れるインクが求められている。
従来の延伸性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは、高温暴露での黄変が指摘されているが、改善に至っていない。特に反応性が高いという理由でアミノアセトフェノン系光重合開始剤が検討されているが、構造中に窒素を含むため、高温暴露時に解離して着色物質を形成しやすく黄変の原因となりやすい。
特許文献3では、紫外線硬化型インクジェットクリアインクにおいて、特定のモノマーと重合開始剤を用いることにより、柔軟性と耐熱黄変性を向上させている。しかし、色材を含まない系であるため、反応性に特別優れていない重合開始剤を選定できるほか、産業用インクジェットインクにおいて求められる耐スクラッチ性について明記されていない。更には、暴露環境が105℃であり、成型時にかかる温度に対しては充分でない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、特にインサート成型時に良好な柔軟性を発揮するとともに、インサート成型後の耐スクラッチ性、耐水性にも優れ、かつ長期間の高温暴露での黄変を起こしにくい活性エネルギー線硬化型組成物の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明により解決される。
1) 少なくとも、重合性化合物、重合開始剤、及び1種類又は2種類以上の非重合性樹脂を含有し、前記重合性化合物として多官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
本発明によると、特にインサート成型時に良好な柔軟性を発揮するとともに、インサート成型後の耐スクラッチ性、耐水性にも優れ、かつ長期間の高温暴露での黄変を起こしにくい活性エネルギー線硬化型組成物を提供できる。
本発明における像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明における別の像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明における更に別の像形成装置の一例を示す概略図である。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、その実施の態様には次の2)〜14)も含まれるので、これらについても併せて説明する。なお、本発明を実施する際に用いるシステム全般については、公知のものを適宜採用できる。
2)前記非重合性樹脂として非重合性のシリコーン樹脂を含むことを特徴とする1)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
3) 前記非重合性のシリコーン樹脂がシルセスキオキサン化合物であることを特徴とする2)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
4) 前記シルセスキオキサン化合物の重量平均分子量が300〜5000であることを特徴とする3)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
5) 前記シルセスキオキサン化合物の構造がランダム型又はかご型であることを特徴とする3)又は4)に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
6) 前記非重合性のシリコーン樹脂を含む場合において、それ以外の非重合性樹脂のガラス転移点Tgが80℃以上であることを特徴とする2)〜5)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
7) 前記非重合性のシリコーン樹脂を含む場合において、それ以外の非重合性樹脂が変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする2)〜5)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
8) 1)〜7)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物からなる活性エネルギー線硬化型インク。
9) インクジェット記録方式により被記録媒体の表面に吐出することができる8)に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
10) 1)〜7)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された組成物収容容器。
11) 1)〜7)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された収容部と、活性エネルギー線の照射手段とを備えた、2次元又は3次元の像形成装置。
12) 前記活性エネルギー線の照射手段がLED照射である11)に記載の2次元又は3次元の像形成装置。
13) 1)〜7)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を有する、2次元又は3次元の像形成方法。
14) 1)〜7)のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物(以下、組成物ということもある)は、少なくとも、重合性化合物、重合開始剤、及び1種類又は2種類以上の非重合性樹脂を含有し、前記重合性化合物として多官能(メタ)アクリレートモノマーを含む。更に、必要に応じて、色材、重合促進剤、有機溶媒、その他の成分を含んでも良い。
<重合性化合物>
(単官能モノマー)
本発明の組成物は更に重合性化合物として他の単官能モノマーを含有していてもよい。
その例としては、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボロニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシエチルアクリレ−ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクチル/デシルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノアクリレート、N−ビニルホルムアミド、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらのモノマーは必要に応じて二種以上を組み合わせて用いても良い。
(多官能(メタ)アクリレートモノマー)
本発明の組成物は、単官能モノマーに加えて、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることもできる。
その例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシ化−1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの多官能(メタ)アクリレートモノマーは必要に応じて二種以上を組み合わせて用いても良い。
多官能(メタ)アクリレートモノマーの配合量は重合性化合物全体の0.01〜6.0質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5.0質量%である。この範囲であれば、延伸性と十分な硬度を兼ね備えた硬化物を得ることができる。
(オリゴマー)
本発明の組成物は、単官能モノマーに加えて、エチレン性不飽和二重結合を有するオリゴマーを用いることもできる。その例としては、芳香族ウレタンオリゴマー、脂肪族ウレタンオリゴマー、エポキシアクリレートリゴマー、ポリエステルアクリレートリゴマー、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、その他の特殊オリゴマーが挙げられる。
その市販品としては、日本化学合成社製のUV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3010B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3700B、UV−6640B、UV−8630B、UV−7000B、UV−7610B、UV−1700B、UV−7630B、UV−6300B、UV−6640B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UT−5449、UT−5454、サートマー社製のCN902、CN902J75、CN929、CN940、CN944、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN964、CN965、CN965A80、CN966、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN968、CN969、CN970、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN971J75、CN972、CN973、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977、CN977C70、CN978、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN984、CN985、CN985B88、CN986、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9013、CN9018、CN9019、CN9024、CN9025、CN9026、CN9028、CN9029、CN9030、CN9060、CN9165、CN9167、CN9178、CN9290、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893、ダイセル・サイテック社製のEBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、KRM8200、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701等が挙げられ、これらを併用することも可能である。
また、合成により得たオリゴマーを単独で又は併用することも可能である。
前記オリゴマーの中で、エチレン性不飽和結合を2つ以上有するオリゴマーの配合量は重合性化合物全体の0.01〜6.0質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5.0質量%である。この範囲であれば延伸性と十分な硬度を兼ね備えた硬化物を得ることができる。
<非重合性のシリコーン樹脂>
本発明に用いる非重合性のシリコーン樹脂とは、重合性のエチレン性不飽和二重結合を持たず、かつシロキサン結合(−Si−O−Si−)を主鎖に持ち、側鎖に有機官能基がつながった構造を持つ樹脂のことである。
その例としては、小西化学工業社製のSR−21、SR−23、SR−20、SR−13、SR−33、日信化学工業社製のR−170、R−170S、FE−230N、FE−502、R−170BX、RU−911等が挙げられる。
これらの中でも特にランダム型又はかご型構造を有するSRシリーズ(シルセスキオキサン化合物)が好ましく、特にSR−23が好ましい。
また、本発明で用いる非重合性のシリコーン樹脂の重量平均分子量は200〜7000が好ましく、より好ましくは300〜5000である。重量平均分子量が200以上であれば、得られる硬化膜の硬度及び耐水性が不充分になることはない。また、重量平均分子量が7000以下であれば、他の成分との相溶性、インク保存性及び粘度増加にも問題はない。
非重合性のシリコーン樹脂の含有量は、組成物全量に対し、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは2〜10質量%である。含有量が0.1質量%以上であれば十分な硬化物の硬度が得られるし、20質量%以下であれば、十分な硬化物の耐熱性が得られる上に、硬化物の延伸性が低下することもない。
<非重合性のシリコーン樹脂以外の非重合性樹脂>
本発明で用いる非重合性のシリコーン樹脂以外の非重合性樹脂とは、前記非重合性のシリコーン樹脂以外の重合性のエチレン性不飽和二重結合を持たない樹脂のことである。その例としては、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、PVC系樹脂、ケトン系樹脂、エポキシ系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、フェノキシ系樹脂、ジアリル系樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。
具体的には、オレフィン系樹脂として、ノバテックPP(日本ポリプロ社製)、ノバテックLL(日本ポリエチレン社製)、アクリル系樹脂として、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、エスレックP(積水化学社製)、Elvacite 4026、Elvacite 2028(Lucite International,Inc)等、ポリエステル系樹脂として、エリーテル(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡社製)等、ポリウレタン系樹脂として、バイロンUR(東洋紡社製)、NT−ハイラミック(大日精化社製)、クリスボン(大日本インキ化学工業社製)、ニッポラン(日本ポリウレタン社製)等、PVC系樹脂として、SOLBIN(日信化学工業社製)、ビニブラン(日信化学工業社製)、サランラテックス(旭化成ケミカルズ社製)、スミエリート(住友化学社製)、セキスイPVC(積水化学社製)、UCAR(ダウケミカル社製)等、ケトン系樹脂として、ハイラック(日立化成社製)、SK(デグザ社製)等、エポキシ系樹脂として、EPPN−201(日本化薬社製)、HP−7200(DIC社製)、ニトロセルロース系樹脂として、HIG、LIG、SL、VX(旭化成社製)、工業用ニトロセルロースRS、SS(ダイセル化学社製)、フェノキシ系樹脂として、YP−50、YP−50S(新日鉄住金化学社製)、ジアリル系樹脂として、ダイセル社製のDAP−A、DAP−K、ISO DAP等が挙げられる。
これらの中でもガラス転移点Tgが80℃以上のものが好ましい。
樹脂の含有量は、組成物全量に対し、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。0.1質量%以上であれば十分な硬化物の硬度と耐水性が得られる。また、15質量%以下であればインク保存安定性及び粘度増加にも問題がない。
また合成により得られた非重合性樹脂を用いても良く、前記市販品と併用してもよい。非重合性樹脂を合成する場合、原料として重合性のエチレン性不飽和二重結合を持つ材料を用いても良い。
更に、塗膜物性としてポリオレフィンへの密着性を付与するため、オレフィン系樹脂としては変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、変性モノマーとしては(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが好ましい。変性モノマーを用いてグラフト反応させ変性ポリオレフィン樹脂を得る方法は公知であり、例えばポリオレフィン樹脂をトルエン等の溶剤に加熱溶解させ、変性モノマーを添加する溶液法や、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等を用いて溶融させたポリオレフィン樹脂とともに変性モノマーを添加する溶融法等が挙げられる。変性モノマーの添加方法は、逐次添加でも一括添加でも良い。
前記オレフィン系樹脂とは、オレフィン系モノマーのラジカル重合やイオン重合等で得られるオレフィン系単独重合体又は共重合体;優位量のオレフィン系モノマーと劣化量のビニル系モノマーとの共重合体;オレフィン系モノマーとジエン系モノマーとの共重合体等を主成分とするものである。
オレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、超々低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレンと炭素数5〜12のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びその水素添加物等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、溶剤への溶解性を考慮すると、低結晶性又は非晶性ポリオレフィンが好ましい。その具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びその水素添加物が挙げられる。また、環境への影響を考慮すると、塩素原子を含むポリオレフィン樹脂、即ち塩素化ポリオレフィンを含有しないことが好ましい。
変性モノマーである(メタ)アクリル酸エステルモノマーの例としては、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル、アタクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類;フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸類;N−フェニルマレイミド,N−シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイミド類;カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の窒素含有モノマー;アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン等のモノ又はポリアルキルスチレン等の芳香族ビニル化合物;メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロオクチル、メタクリル酸−4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸シクロペンタジエニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジフェニルメチル、メタクリル酸トリフェニルメチル等の脂環式炭化水素エステル基を有するメタクリル酸エステルモノマー;メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−t−アミル、メタクリル酸ジプロピルメチル、メタクリル酸トリプロピルメチル、メタクリル酸ジイソプロピルメチル、メタクリル酸トリイソプロピルメチル、メタクリル酸ジブチルメチル、メタクリル酸トリブチルメチル、メタクリル酸ジイソブチルメチル、メタクリル酸トリイソブチルメチル、メタクリル酸ジ−t−ブチルメチル、メタクリル酸トリ−t−ブチルメチル等の鎖状エステル基を有するメタクリル酸エステルモノマー;アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸シクロオクチル、アクリル酸−4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸シクロペンタジエニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジフェニルメチル、アクリル酸トリフェニルメチル等の脂環式炭化水素エステル基を有するアクリル酸エステルモノマー;アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−t−アミル、アクリル酸ジプロピルメチル、アクリル酸トリプロピルメチル、アクリル酸ジイソプロピルメチル、アクリル酸トリイソプロピルメチル、アクリル酸ジブチルメチル、アクリル酸トリブチルメチル、アクリル酸ジイソブチルメチル、アクリル酸トリイソブチルメチル、アクリル酸ジ−t−ブチルメチル、アクリル酸トリ−t−ブチルメチル等の鎖状エステル基を有するアクリル酸エステルモノマー等が挙げられる。
中でも入手の容易さとポリオレフィン系基材に対する密着性の観点から、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類が好ましく、特にメタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸メチル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸グリシジル等が好ましい。また、耐熱性や基材密着性の観点から、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロオクチル、メタクリル酸−4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸シクロペンタジエニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジフェニルメチル、メタクリル酸トリフェニルメチル等の脂環式炭化水素エステル基を有するメタクリル酸エステルモノマー;アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸シクロオクチル、アクリル酸−4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸シクロペンタジエニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジフェニルメチル、アクリル酸トリフェニルメチル等の脂環式炭化水素エステル基を有するアクリル酸エステルモノマー;メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−t−アミル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−t−アミル等が好ましい。
更に、これらの中でも特に、エステル基にシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、シクロペンタジエニル基等を有する脂環式炭化水素エステル基含有モノマーや、t−ブチル基を有するモノマーが好ましい。
具体的には、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−4−t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−4−t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸−t−ブチル等が好ましい。
これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを、オレフィン系樹脂の存在下、ラジカル重合する際にはラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、通常、有機過酸化物又はアゾ化合物を用いる。有機過酸化物の具体例としては、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、及びジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。また、アゾ化合物の具体例としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等が挙げられる。これらの中でも、オレフィン系樹脂にグラフト点を発生させるため、有機過酸化物が好ましい。
これらのラジカル重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
前記変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、三井デュポンポリケミカル社製ニュクレルシリーズ(商品名)、三洋化成社製ユーメックスシリーズ(商品名)、エクソン化学社製エクセラーシリーズ(商品名)、ユニロイヤル社製ポリドンシリーズ(商品名)、三井化学社製アドマーシリーズ(商品名)などの市販品を用いても良い。
変性ポリオレフィン樹脂の含有量は、組成物全量に対し、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは2〜10質量%である。含有量が0.1質量%以上であれば、ポリオレフィン基材への十分な密着性が得られるし、20質量%以下であれば、十分な耐熱性が得られる。
<ポリオレフィン基材>
ポリオレフィン基材の材質は特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体、ポリプロピレンのホモポリマー、ランダム共重合体、ブロック共重合体等のオレフィン系樹脂などが挙げられる。 これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレン基材、ポリプロピレン基材が好ましい。
<界面活性剤>
本発明の組成物には必要に応じて界面活性剤を加えてもよい。
界面活性剤の種類は目的に応じて適宜選択することができるが、シリコーン界面活性剤が好ましい。その例としては、変性シリコーンを主成分とした共栄社化学製のポリフローATF―2、グラノール100、グラノール115、グラノール400、グラノール410、グラノール435、グラノール440、グラノール450、グラノールB−1484、ポリフローKL−250、ポリフローKL−260、ポリフローKL−270、ポリフローKL−280、ビックケミー・ジャパン社製のBYK−300、BYK−302、 BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−3500、BYK−3510、及びBYK−3570が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の含有量は、組成物全量に対し0.2質量%未満が好ましい。
<活性エネルギー線硬化型組成物の表面張力>
本発明の組成物の25℃における表面張力は、20〜39mN/mが好ましく、より好ましくは、20〜35mN/mである。表面張力が前記範囲であると、優れた吐出安定性が得られる。
<硬化物、及び成形加工品>
本発明の硬化物は、例えば本発明の組成物を、被記録媒体にインクジェット印刷方式で印刷して塗膜を形成し、該塗膜を光重合により硬化させて形成された画像を含む。
本発明の組成物を使用し、像形成装置を用いて得られた画像に対して紫外線を照射することにより、被記録媒体上の塗膜は速やかに硬化して硬化物が得られる。
前記硬化物を被記録媒体と一緒に加熱して延伸加工すると成形加工品が得られる。ここで、延伸加工とは、加熱しながら引っ張って延伸すること、又は何かの形に成形することを言う。形成加工品としては、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなどの表面を加飾後に成形が必要なものが挙げられる。
<活性エネルギー線>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は重合開始剤を含有する。重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
<色材>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく特に限定されないが、組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<有機溶媒>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。その他成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に更に重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sがより好ましく、6〜12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34′×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
更に、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、又は容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
<像の形成方法、形成装置>
本発明の像の形成方法は、少なくとも、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。更に、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた材料は次のとおりである。また、表1の実施例及び比較例の各欄に、これらの材料の種類及び配合量(質量部)を示す。
(単官能モノマー)
・イソボルニルアクリレート:IBXA(大阪有機工業社製)
・テトラヒドロフルフリルアクリレート:THFA(大阪有機工業社製)
・環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート:CTFA(大阪有機工業社製)
・フェノキシエチルアクリレート:PEA(大阪有機工業社製)

(多官能(メタ)アクリレートモノマー)
・アクリル酸−2−〔5−エチル−5−(アクリロイルオキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル〕−2,2−ジメチルエチル(日本化薬社製)
・トリシクロ〔5.2.1.0(2,6)〕デカンジメタノールジアクリレート
(日本化薬社製)
・トリプロピレングリコールジアクリレート(大阪有機工業社製)

(オリゴマー)
・脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:CN963(サートマー社製)
・脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:CN964(サートマー社製)
(非重合性のシリコーン樹脂)
・SR−23(Mw1000、小西化学工業社製)
・SR−20(Mw6000、小西化学工業社製)
・SR−21(Mw3000、小西化学工業社製)
・R−170S(日信化学工業社製)
・シルセスキオキサン化合物A(重量平均分子量:4300)
還流冷却管、温度計、滴下ロート2本、撹拌機及びガス吹き込み口を備えたフラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート20部、2−メルカプトプロピオン酸0.7部、アゾビスイソブチロニトリル0.1部、酢酸ブチル50部を仕込み、一方の滴下ロート(滴下ロートAとする)に2−エチルヘキシルアクリレート80部、もう一方の滴下ロート(滴下ロートBとする)に2−メルカプトプロピオン酸3部、アゾビスイソブチロニトリル0.4部、酢酸ブチル10部の混合液を入れた。窒素ガスを導入した後、反応液を加熱昇温して70℃に保ち、滴下ロートA及びBの材料を、各々4時間かけて連続的に滴下した。次いで4時間70℃に保った後、90℃に昇温して2時間反応させ、アクリルポリマーを得た。更に、PSS−Vinyl−Heptaisobutyl substituted(シグマアルドリッチジャパン社製)を120部添加して10時間反応させた。次いで大量のメタノールで再沈殿精製を行い、シルセスキオキサン化合物Aを得た。
(その他の非重合性樹脂)
・ロジンエステル(パインクリスタル KE−100、荒川化学社製) Tg:105℃
・ジアリルイソフタレートプレポリマー(ISO DAP、ダイソー社製)
Tg:210℃
・ジアリルフタレートプレポリマー(DAP A、ダイソー社製) Tg:145℃
・共重合ポリエステル樹脂(エリーテルUE3320、ユニチカ社製) Tg:40℃
・変性ポリオレフィン樹脂A
冷却管、温度計、滴下ロート及び撹拌機を備えたフラスコに、トルエン2000部と、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体(デグサ・ヒュルスジャパン製、VESTOPLAST792)100部とを加え、内温85℃でプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体を溶解させた。次いで、メタクリル酸メチル30部とメタクリル酸シクロヘキシル13部との混合物を30分かけて滴下した後、内温85℃で7時間保持して重合反応させた。反応物を室温に冷却した後、大量のメタノール中に投入して精製し、重量平均分子量が120000の変性プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体を得た。尚、ガラス転移点Tgは173℃であった。

・変性ポリオレフィン樹脂B
メタクリル酸メチル30部とメタクリル酸シクロヘキシル13部との混合物を、メタクリル酸−n−ブチル20部とアクリル酸−4−t−ブチルシクロヘキシル10部との混合物に変えた点以外は、前記変性ポリオレフィン樹脂Aの場合と同様にして、重量平均分子量が100000の変性プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体を得た。なお、ガラス転移点Tgは155℃であった。
(重合開始剤)
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819、BASF社製)
・2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE TPO、BASF社製)
・2,4−ジエチルチオキサントン(KAYACURE−DETX、大同化成社製)

(重合禁止剤)
・4−メトキシフェノール:メトキノン(精工化学社製)
(界面活性剤)
・ポリエーテル変性のポリジメチルシロキサン界面活性剤:BYK3510(ビックケミー社製)

(色材)
・シアン顔料
三陽色素社製フタロシアニンブルーに対して、日本ルーブリゾール社製の高分子分散剤S32000を3:1の質量比で含む状態として配合量を示した。

(ポリオレフィン材料)
密着性評価用の基材として以下のものを用いて評価した。
・ポリプロピレン:PP(日本ポリプロ社製ノバテックPP)
・ポリエチレン :PE(日本ポリエチレン社製ノバテックHD)
[実施例1]
表1の実施例1の欄に示す材料を、順次攪拌しつつ混合した後、更に3時間攪拌して、本発明の組成物からなるインクを作製した。次いで、小林製作所製の巻線No.#6のワイヤーバーを用い、得られたインクを下記の基材に塗布して、厚み約10μmのベタ状の塗膜を得た。次いで、フュージョンシステムズジャパン社製UV照射機LH6を用いて、UV−A領域(波長350nm以上400nm以下)に相当する波長域において積算光量1000mJ/cmの活性エネルギー線照射を行い、塗膜を硬化させて硬化物を得た。
基材:ポリカーボネートフィルム(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ユーピロン100FE2000マスキング、厚み100μm)
[実施例2〜19、比較例1〜2]
表1の実施例2〜19及び比較例1〜2の各欄に示す材料に変えた点以外は、実施例1と同様にして各インクを作製し、塗布、硬化を行って硬化物を得た。
実施例1〜19及び比較例1〜2で得られた各インクについて、以下のようにして特性(硬化性、硬度、延伸性、耐水密着性、保存安定性、密着性)を評価した。結果を表1に示す。
<硬化性>
得られた各硬化物の表面を、綿棒を用いて触診し、次の基準で評価した。
[評価基準]
◎:塗膜表面に傷がつかない。
○:塗膜表面に傷はつかず、僅かなべとつき感があるが、実用上問題ないレベル。
△:塗膜表面に僅かに傷がつき、べとつき感がある。
×:塗膜表面に傷がつき、硬化膜の一部が手に転写される。
<硬度>
得られた各硬化物について、鉛筆硬度試験方法〔JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)〕に準じて硬度を調べ、次の基準で評価した。
[評価基準]
◎:硬度がHB以上
○:B
△:2B
×:3B以下
<延伸性>
得られた各硬化物について下記の装置及び条件で引張試験を行い、下記式により180℃における破断伸び率を求め、下記の基準で評価した。
・引張試験機;オートグラフ AGS−5kNX(島津製作所製)
・引張速度;20mm/min
・温度;180℃
・サンプル;JIS K6251 ダンベル状(6号)

破断伸び率=(引張試験後の長さ−引張試験前の長さ)/(引張試験前の長さ)
×100

[評価基準]
◎:500%以上
○:300%以上、500%未満
△:100%以上、300%未満
×:100%未満
<耐水密着性>
得られた各硬化物を40℃の温水に24時間漬けた後、取り出し、水分をエアーで除去し、室温で24時間静置した。次いで、JIS K5400の碁盤目試験(旧規格)に準じて密着性を調べ、下記の基準で評価した。
なお、密着性の数値は、100個にカットした碁盤目部分のうち剥がれが一箇所もない状態を100とするものであり、密着性が80とは、剥がれていない部分の面積が80%の状態を意味する。
[評価基準]
◎:密着性が100で、かつカットした線上にもほとんど剥れがない。
○:密着性が98以上、又はカットした線上に僅かに剥れが生じるが、実用上問題
がないレベル
△:密着性が50以上、98未満
×:密着性が50未満
<保存安定性>
得られた各インクを30mLのスクリュー管(褐色)に24g入れ、70℃の恒温槽に7日間保管した。保管後の粘度と保管前の粘度から、下記式により粘度変化率を算出し、下記の基準で評価した。
粘度変化率(%)=〔(保管後粘度−初期粘度)/初期粘度〕×100

[評価基準]
◎:粘度変化率が5%未満
○:粘度変化率が5%以上、8%未満
△:粘度変化率が8%以上、10%未満
×:粘度変化率が10%以上
<密着性試験(常温下)>
各インクを、ポリオレフィン材料上に、実施例1と同様の条件で吐出し硬化させて硬化物を得た。得られた各硬化物について、JIS K5400の碁盤目試験(旧規格)に準じて密着性を調べ、下記の基準で評価した。
なお、密着性の数値は、100個にカットした碁盤目部分のうち剥がれが一箇所もない状態を100とするものであり、密着性が80とは、剥がれていない部分の面積が80%の状態を意味する。

[評価基準]
◎:密着性が100で、かつカットした線上にもほとんど剥れがない。
○:密着性が98以上、又はカットした線上に僅かに剥れが生じるが、実用上問題
がないレベル
△:密着性が50以上、98未満
×:密着性が50未満

<密着性試験(高温高湿下)>
前記常温下の場合と同様にして作製した各硬化物について、60℃、相対湿度90%で1000時間の環境負荷試験を行った後、同様の条件及び基準で密着性を調べ評価した。
Figure 2017165964
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 活性エネルギー線硬化型組成物
6 硬化層
21 供給ロール
22 被記録媒体
23 印刷ユニット
23a、23b、23c、23d 各色印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 硬化用光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
38 上下方向に可動なステージ
39 像形成装置
A 可動方向
B 可動方向
特許第3493606号公報 特開2008−272946号公報 特開2015−67656号公報

Claims (14)

  1. 少なくとも、重合性化合物、重合開始剤、及び1種類又は2種類以上の非重合性樹脂を含有し、前記重合性化合物として多官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 前記非重合性樹脂として非重合性のシリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 前記非重合性のシリコーン樹脂がシルセスキオキサン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. 前記シルセスキオキサン化合物の重量平均分子量が300〜5000であることを特徴とする請求項3に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  5. 前記シルセスキオキサン化合物の構造がランダム型又はかご型であることを特徴とする請求項3又は4に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 前記非重合性のシリコーン樹脂を含む場合において、それ以外の非重合性樹脂のガラス転移点Tgが80℃以上であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  7. 前記非重合性のシリコーン樹脂を含む場合において、それ以外の非重合性樹脂が変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物からなる活性エネルギー線硬化型インク。
  9. インクジェット記録方式により被記録媒体の表面に吐出することができる請求項8に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された組成物収容容器。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物が収容された収容部と、活性エネルギー線の照射手段とを備えた、2次元又は3次元の像形成装置。
  12. 前記活性エネルギー線の照射手段がLED照射である請求項11に記載の2次元又は3次元の像形成装置。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を有する、2次元又は3次元の像形成方法。
  14. 請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
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