JPWO2016002834A1 - 活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、インクジェットインクのピニング性及びレベリング性を維持しながら画像光沢度を制御して、良好な画像を形成することができる活性光線硬化型インクジェットインクを提供することを課題とする。本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、特定のゲル化剤と、多価エステル化合物と、光重合性化合物とを含むインクジェットインクである。ゲル化剤の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1〜10質量%である。多価エステル化合物は、ペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、及びジペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む。

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法に関する。
活性光線硬化型インクジェットインクが用いられるインクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つとして、紫外線硬化型インクジェットインクの液滴を記録媒体に着弾させた後、紫外線を照射して硬化させて画像を形成する紫外線硬化型インクジェット方式がある。紫外線硬化型インクジェット記録方式は、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
インクジェット記録方式による印刷、中でも高速印刷に関する、画像の品質保証若しくは品質向上、又は高速印刷適性に関する技術は様々に存在する。
例えば、特許文献1では、放射線硬化型インクにて基材への印刷を行うための方法であって、(1)支持体上に基材を用意するステップと、(2)動作温度のインクジェット印刷ヘッドを用意するステップと、(3)インクジェット印刷ヘッドから基材へと、硬化型インクの滴を噴射するステップと、(4)インクと基材との間の相互作用を制御するステップと、(5)基材上に受け取られたインクを、放射線を基材に向かって導くことによって硬化させるステップとを含み、前記制御は、担体組成物と担体組成物を可逆にゲル化させることができる物質とを含むインクを適用することによってもたらされ、この物質は、インクジェット印刷ヘッドの動作温度において担体組成物へと溶解可能であるとともに、基材へと受け取られたときに、インクの滴が基材との適切な相互作用をもたらすべく基材上へと十分に広がるように、インクをゲル化することを特徴とする、方法が開示されている。特許文献1によれば、ゲル化剤を加えた放射線硬化型インクにより、記録媒体、例えば普通紙等に着弾する際に瞬時に相変化をさせて液滴の混合を防ぎ、高速印字であっても画像を形成することが可能である。
また、例えば、特許文献2では、室温で固体のインク組成物を加熱により液化させた上で、何らかの噴射エネルギを付与することによりインク液滴を記録媒体上に噴射させ、記録ドットを形成するステルス型インク組成物の記録方法において、前記ステルス型インク組成物は可視光域に顕著な吸収を示すことなく紫外光線を照射した場合には可視光を発光するものであり、かつその記録速度は前記記録媒体の進行方向に関して10ips以上で、ドット形成後に何らの後処理も行わないことを特徴とするステルス型インク組成物の記録方法が開示されている。特許文献2によれば、多様な記録媒体を使用して多数の印刷物を短時間に処理するために高速度で印刷することが可能である。
さらに、例えば、特許文献3では、非晶質化合物;および結晶性化合物を含む相変化インクであって;ここでこの相変化インクが、15秒未満の合計結晶化時間で結晶化できる、インクが開示されている。特許文献3のインクは、インク組成物中の非晶質材料の量の割合を調節することにより、インク組成物の結晶化速度を調節し、高速なインクジェット印刷に好適に用いることができる。
特開2007−63553号公報 特開2000−191965号公報 特開2013−227572号公報
上記のように、活性光線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェット記録方式は高速印刷にも対応することができる。また、インクのピニング性及びレベリング性を保証するために、活性光線硬化型インクジェットインクにゲル化剤、特には結晶性ゲル化剤を添加することがある。インクのピニング性及びレベリング性が良好だと、インクが広がりすぎず、またインクが均一に広がるため、印刷した画像の濃度ムラが抑制される。さらには、インクのピニング性及びレベリング性が良好だと、インクの硬化性も良好になるため、インク表面のべたつきも抑制される。
しかしながら、印刷の用途によって求められる画像の光沢は異なっており、光沢を制御して、単純にゲル化剤を加えたのみのインクを用いた画像とは異なる光沢の画像を得たいという期待が存在する。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、インクジェットインクのピニング性及びレベリング性を維持して濃度ムラや表面べたつきを抑制しながら、画像光沢度を制御することができる活性光線硬化型インクジェットインク、及びそのような活性光線硬化型インクジェットインクを用いる画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ゲル化剤、特には結晶性ゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットに、分岐構造を有するエステル価が2以上である少なくとも1種類の化合物を含む多価エステル化合物を加えることにより、驚くべきことにゲル化剤を含有する従来のインクを用いた画像とは異なる画像光沢度の画像を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の第(1)項〜第(4)項の活性光線硬化型インクジェットインクに関する。
(1)ゲル化剤と、多価エステル化合物と、光重合性化合物とを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、
該ゲル化剤が、下記の一般式(G1)で表される化合物、下記の一般式(G2)で表される化合物、下記の一般式(G3)で表される化合物及び下記の一般式(G4)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含み、
該ゲル化剤の含有量が、該活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1〜10質量%であり、
該多価エステル化合物が、ペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、及びジペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む、
活性光線硬化型インクジェットインク。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G3):R5−COOH
一般式(G4):R6−OH
(該一般式(G1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数9以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、該一般式(G2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数11以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、該一般式(G3)中、R5は、炭素数19以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、該一般式(G4)中、R6は、炭素数14以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。)
(2)前記ゲル化剤が、前記一般式(G1)で表される化合物及び前記一般式(G2)で表される化合物からなる群から選択される2種類以上の化合物を含み、
前記一般式(G1)中の前記R1及び前記R2はそれぞれ独立に、炭素数11以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、前記一般式(G2)中の前記R3及び前記R4はそれぞれ独立に、炭素数13以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、
前記ゲル化剤の含有量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1〜5質量%である、第(1)項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(3)前記多価エステル化合物の含有量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.01〜5質量%である、第(1)項又は第(2)項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(4)前記ゲル化剤が、前記一般式(G2)で表される2種類以上の化合物を含み、
前記一般式(G2)中の前記R3及び前記R4はそれぞれ独立に、炭素数15以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、
前記多価エステル化合物の含有量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.01〜3質量%である、第(1)項から第(3)項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
また、本発明は以下の第(5)項の画像形成方法に関する。
(5)第(1)項から第(4)項のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する工程と、記録媒体に射出された該活性光線硬化型インクジェットインクに活性光線を照射して、該活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させる工程と、を含む、画像形成方法。
本発明によれば、インクジェットインクのピニング性及びレベリング性を維持しながら、画像光沢度を制御することができる活性光線硬化型インクジェットインクが提供される。
図1Aは、本発明による活性光線硬化型インクジェットインクが用いられるインクジェット記録装置の1つの態様である、ライン記録方式のインクジェット記録装置10の要部の構成の一例を示す、側面図である。 図1Bは、本発明による活性光線硬化型インクジェットインクが用いられるインクジェット記録装置の1つの態様である、ライン記録方式のインクジェット記録装置10の要部の構成の一例を示す、上面図である。 図2は、本発明による活性光線硬化型インクジェットインクが用いられる、シリアル記録方式のインクジェット記録装置20の要部の構成の一例を示す上面図である。
本発明について、以下に詳細に説明をする。
1.活性光線硬化型インクジェットインク
本発明による活性光線硬化型インクジェットインク(以下、単に、インクジェットインク又はインクと称する場合がある。)は、ゲル化剤と、多価エステル化合物と、光重合性化合物と、を含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、ゲル化剤が、下記の一般式(G1)で表される化合物、下記の一般式(G2)で表される化合物、下記の一般式(G3)で表される化合物及び下記の一般式(G4)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含み、ゲル化剤の含有量が、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1〜10質量%であり、多価エステル化合物が、ペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、及びジペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む、活性光線硬化型インクジェットインクである。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G3):R5−COOH
一般式(G4):R6−OH
一般式(G1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数9以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、一般式(G2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数11以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、一般式(G3)中、R5は、炭素数19以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、一般式(G4)中、R6は、炭素数14以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクはゲル化剤を含有するため、ゲル化剤を含有する従来のインクジェットインクと同等のピニング性及びレベリング性を維持することができる。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクはゲル化剤の他に、多価エステル化合物を含有するため、画像の光沢度を制御して、従来のインクジェットインクよりも画像光沢度の低い画像を形成することができる。従来のインクジェットインクに含有されるゲル化剤は、板状の面構造を有する配列の揃ったきれいな結晶構造をとるため、硬化したインクの表面は平滑になり、反射率が大きく、光沢度の高い画像が形成される。一方で本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる分岐構造を有する多価エステル化合物は、板状の面構造を有さない、不定型な形状の結晶となる。そのため、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクでは、分岐構造を有する多価エステル化合物の結晶によって表面に凹凸が形成されて、光沢度の低い画像を形成することができる。
[ゲル化剤]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、下記の一般式(G1)で表される化合物、下記の一般式(G2)で表される化合物、下記の一般式(G3)で表される化合物及び下記の一般式(G4)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G3):R5−COOH
一般式(G4):R6−OH
一般式(G1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数9以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、一般式(G2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数11以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、一般式(G3)中、R5は、炭素数19以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、一般式(G4)中、R6は、炭素数14以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、本発明による活性光線硬化型インクジェットインクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する。ゲル化剤は、ゲル化温度よりも高い温度で、光重合性化合物に溶解できるとよく、ゲル化温度以下の温度で、本発明による活性光線硬化型インクジェットインク中で結晶化できるとよい。ゲル化剤がインクジェットインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、空間に光重合性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に光重合性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物を保持することができ、活性光線硬化型インクジェットインクの液滴をピニングすることができる。それにより、液滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。これに対して、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、インク中で光重合性化合物と相溶しやすく、カードハウス構造を形成しやすい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、上記の一般式(G1)で表される化合物、上記の一般式(G2)で表される化合物、上記の一般式(G3)で表される化合物及び上記の一般式(G4)で表される化合物からなる群から選択される2種類以上の化合物を含んでもよく、2種類以上の化合物を含むことでインクのピニング性及びレベリング性が良化し、濃度ムラや表面べたつきが抑えられる。特に、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤が、一般式(G1)で表される化合物及び前記一般式(G2)で表される化合物からなる群から選択される2種類以上の化合物を含むことが好ましい。また、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤が、一般式(G2)で表される2種類以上の化合物を含むことが好ましい。一般式(G1)又は一般式(G2)で表される化合物は、極性基であるエステル基又はケトン基をはさんで非極性の炭化水素基が両側に配置されている。これらの化合物の結晶は、溶媒中でエステル基またはケトン基を中心に集まりやすく、その際に面構造を有する配列の揃ったきれいな結晶構造をとることによりカードハウス構造を形成しやすい。そのため、ピニング性及びレベリング性が良好となり、形成した画像の濃度ムラや表面べたつきが抑制されると考えられる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの液滴をインクジェット記録装置から安定に吐出するためには、ゾル状のインク(高温時)において、光重合性化合物とゲル化剤との相溶性が良好であることが必要である。さらに、高速印刷時においても安定に液滴同士の合一を抑制するには、インクジェットインクの液滴が記録媒体に着弾後、速やかにゲル化剤が結晶化し、強固なカードハウス構造を形成することが好ましい。
上記の一般式(G1)において、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数9以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。R1及びR2に含まれる直鎖部分の炭素数は11以上であることが好ましい。R1及びR2に含まれる直鎖部分の炭素原子数が9以上であると、十分な結晶性を有するためゲル化剤として良好に機能し、かつ、前述のカードハウス構造において、光重合性化合物を内包するための十分な空間を形成することができる。一方、ゲル化剤の融点を適当に抑え、インク中へのゲル化剤の溶解性を高めるため、R1及びR2に含まれる直鎖部分の炭素原子数は25未満であることが好ましい。
上記一般式(G1)で表される化合物の例には、ジリグノセリルケトン(C23−C23)、ジベヘニルケトン(C21−C21、融点88℃)、ジステアリルケトン(C17−C17、融点84℃)、ジエイコシルケトン(C19−C19)、ジパルミチルケトン(C16−C16、融点80℃)、ジミリスチルケトン(C13−C13)、ジラウリルケトン(C11−C11、融点68℃)、ラウリルミリスチルケトン(C11−C13)、ラウリルパルミチルケトン(C11−C15)、ミリスチルパルミチルケトン(C13−C15)、ミリスチルステアリルケトン(C13−C17)、ミリスチルベヘニルケトン(C13−C21)、パルミチルステアリルケトン(C15−C17)、バルミチルベヘニルケトン(C15−C21)、ステアリルベヘニルケトン(C17−C21)等が含まれる。なお、括弧内の炭素数は、(R1の炭素数)−(R2の炭素数)を表す。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、10-Nonadecanone(東京化成工業社製)、12−Tricosanone(東京化成工業社製)、16−Hentriacontanone(東京化成工業社製)、18−Pentatriacontanon(Alfa Aeser社製)、Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。
一般式(G2)において、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数11以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。R3及びR4に含まれる直鎖部分の炭素数は13以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。R3及びR4に含まれる直鎖部分の炭素原子数が11以上であると、十分な結晶性を有するためゲル化剤として良好に機能し、かつ、前述のカードハウス構造において、光重合性化合物を内包するための十分な空間を形成することができる。一方、ゲル化剤の融点を適当に抑え、インク中へのゲル化剤の溶解性を高めるため、R1及びR2に含まれる直鎖部分の炭素原子数は26未満であることが好ましい。
一般式(G2)で表される化合物の例には、ベヘニン酸ベヘニル(C21−C22、融点70℃)、イコサン酸イコシル(C19−C20)、ステアリン酸ベヘニル(C17−C22、融点70℃)、ステアリン酸ステアリル(C17−C18、融点60℃)、ステアリン酸パルミチル(C17−C16)、ステアリン酸ラウリル(C17−C12)、パルミチン酸セチル(C15−C16、融点54℃)、パルミチン酸ステアリル(C15−C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13−C14、融点43℃)、ミリスチン酸セチル(C13−C16、融点50℃)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13−C20)、オレイン酸ステアリル(C17−C18)、エルカ酸ステアリル(C21−C18)、リノール酸ステアリル(C17−C18)、オレイン酸ベヘニル(C18−C22)、セロチン酸ミリシル(C25−C16)、モンタン酸ステアリル(C27−C18)、モンタン酸ベヘニル(C27−C22)、リノール酸アラキジル(C17−C20)、トリアコンタン酸パルミチル(C29−C16)、リグノセリン酸リグノセリル(C23−C24)等が含まれる。なお、括弧内の炭素数は、(R3の炭素数)−(R4の炭素数)を表す。
一般式(G2)で表される化合物の市販品の例には、ユニスターM−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製、融点60℃)、EMALEXCC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパールMY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。
上記の一般式(G3)において、R5は、炭素数19以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。R5に含まれる直鎖部分の炭素数は21以上であることが好ましい。R5に含まれる直鎖部分の炭素原子数が19以上であると、十分な結晶性を有するためゲル化剤として良好に機能し、かつ、前述のカードハウス構造において、光重合性化合物を内包するための十分な空間を形成することができる。一方、ゲル化剤の融点を適当に抑え、インク中へのゲル化剤の溶解性を高めるため、R5に含まれる直鎖部分の炭素原子数は31未満であることが好ましい。
上記一般式(G3)で表される化合物の例には、ベヘン酸(C21)、アラキジン酸(C19)等が含まれる。なお、括弧内の炭素数は、(R5の炭素数)を表す。
一般式(G3)で表される化合物の市販品の例には、ルナックBA(日油製)、Arachidic acid (和光純薬工業、試薬)等が含まれる。
上記の一般式(G4)において、R6は、炭素数14以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。R6に含まれる直鎖部分の炭素数は16以上であることが好ましく、18以上であることがより好ましい。R5に含まれる直鎖部分の炭素原子数が14以上であると、十分な結晶性を有するためゲル化剤として良好に機能し、かつ、前述のカードハウス構造において、光重合性化合物を内包するための十分な空間を形成することができる。一方、ゲル化剤の融点を適当に抑え、インク中へのゲル化剤の溶解性を高めるため、R6に含まれる直鎖部分の炭素原子数は34未満であることが好ましい。
上記一般式(G4)で表される化合物の例には、ミリスチルアルコール(C14)、パルミチルアルコール(C16)ステアリルアルコール(C18)、ベヘニルアルコール(C22)等が含まれる。なお、括弧内の炭素数は、(R6の炭素数)を表す。
一般式(G4)で表される化合物の市販品の例には、カルコール4098(花王製)、セタノールH(高級アルコール工業製)、カルコール8098(花王製)、ベヘニルアルコール80R(高級アルコール工業製)等が含まれる。
ゲル化剤の含有量は、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1〜10質量%であり、1〜5質量%であることが好ましく、1〜3質量%であることがより好ましい。特に、この好ましい態様である、ゲル化剤の含有量が1〜5質量%である場合に、一般式(G1)で表される化合物(R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数11以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。)及び一般式(G2)で表される化合物(R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数13以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。)からなる群から選択される2種類以上の化合物を含むゲル化剤を用いると、出射安定性が向上し、かつ、濃度ムラやべたつきを抑えることができることを本発明者は新たに見出した。
[多価エステル化合物]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる多価エステル化合物は、ペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、及びジペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含み、2種類以上の化合物を含んでもよい。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる多価エステル化合物は、分岐構造を有するエステル価が2以上の化合物である。
ペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、及びジペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物は、以下の一般式(1)〜(11)で表される化合物であることが好ましいが、本発明の目的を達成し、本発明の効果を奏すれば、これらの一般式(1)〜(11)で表される化合物に限定されるものではない。
Figure 2016002834
Figure 2016002834
Figure 2016002834
一般式(1)〜(11)中のR〜R39は、それぞれ独立に、炭素数9以上の直鎖状のアルキル基を表し、炭素数14以上の直鎖状のアルキル基を表すことが好ましく、炭素数16以上の直鎖状のアルキル基を表すことがより好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる多価エステル化合物は、一般式(1)〜(11)で表される化合物から選択される1種類の化合物を含んでもよく、2種類以上の化合物を含んでもよい。
一般式(1)〜(11)で表される化合物の具体例としては、ペンタエリスリトールトリミリスチン酸エステル(C13、一般式3)、ペンタエリスリトールジステアリン酸エステル(C17、一般式2)、ペンタエリスリトールテトラパルミチン酸エステル(C15、一般式3)、ジペンタエリスリトールテトラリグノセリン酸エステル(C23、一般式6または7)、ジペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル(C21、一般式6または7)、ペンタエリスリトールテトラアラキジン酸エステル(C19、一般式1)、ジペンタエリスリトールヘキサステアリン酸エステル(C17、一般式4)、ジペンタエリスリトールペンタパルミチン酸エステル(C15、一般式5)ジペンタエリスリトールトリベヘン酸エステル(C21、一般式8または9)、ジペンタエリスリトールジミリスチン酸エステル(C13、一般式10または11)等が挙げられる。またこれに限らず、脂肪酸の種類を複数混合しエステル化を行ってもよい。なお、括弧内の炭素数は、R〜R39の炭素数を表す。
多価エステル化合物の含有量は、本発明の目的を達成し、本発明の効果を奏すれば任意の量でよいが、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上1質量%以下であることが更に好ましい。多価エステル化合物を0.01質量%以上含有することで、不定型な形状の結晶に由来する凹凸が硬化したインクの表面に形成され、画像の光沢度を低くすることができる。また、多価エステル化合物の含有量を10質量%以上とすると、多価エステル化合物の結晶に由来する硬化したインクの表面のべたつきが多くなり、その結果、画像の光沢度が逆に高くなってしまう。多価エステル化合物の含有量を5質量%以下とすると、硬化したインクの表面のべたつきをさらに抑えて、光沢度をより低くすることができる。多価エステル化合物の含有量を3質量%以下とすると、硬化したインクの表面のべたつきをさらに抑えて、光沢度もさらに低くすることができる。また、このより好ましい態様である、多価エステル化合物の含有量が0.01〜3質量%である場合に、一般式(G2)で表される2種類以上の化合物(R3及び前記R4はそれぞれ独立に、炭素数15以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。)を含むゲル化剤が、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに好適に用いられることを本発明者は新たに見出した。
[光重合性化合物]
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物を含む。光重合性化合物は、活性光線を照射されることにより架橋又は重合する化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線である。光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であり得る。好ましくはラジカル重合性化合物である。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。インク中にラジカル重合性化合物が一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマーなどであってよい。ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかをいい、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかをいう。
(メタ)アクリレート化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコー(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
なかでも、感光性などの観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、変性物であってもよく、その例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物;およびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート化合物等が含まれる。なかでも、感光性が高く、低温下でゲル化する際に、後述のカードハウス構造が形成しやすい等の観点から、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物が好ましい。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561(分子量358)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454(分子量429)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499(分子量560)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494(分子量528);新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400(分子量508)、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600(分子量742)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G(分子量536)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G(分子量770);大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP(分子量302);Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072(分子量471);新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N(分子量310)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量304)およびトリシクロデカンジメタノールジメタクリレートNKエステルDCP(分子量332)等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、重合性オリゴマーであってもよい。そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
光重合性化合物の含有量は、インク全質量に対して1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。光重合性化合物の量が少な過ぎると、色材を十分に分散させることができず、インクジェット記録装置からのインクの吐出性が低下する。一方、光重合性化合物の量が過剰であると、相対的にゲル化剤や光重合開始剤の量が少なくなり、ゾルゲル相転移が十分に行われない可能性や、硬化が不十分となる可能性がある。
[光重合開始剤]
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合開始剤を更に含んでもよい。具体的には、活性光線が電子線である場合は、通常、光重合開始剤は含まれなくてもよいが、活性光線が紫外線である場合は、光重合開始剤が含まれることが好ましい。光重合開始剤は、前記光重合性化合物がラジカル重合性化合物であるときはラジカル重合開始剤であり、前記光重合性化合物がカリオン重合性化合物であるときは光酸発生剤である。ラジカル重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。
分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が含まれる。
光酸発生剤の例には、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合開始剤の含有量は、活性光線や光重合性化合物の種類などにもよるが、0.01質量%〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましい。
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などをさらに含んでもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
[色材]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて色材をさらに含んでもよい。色材は、染料または顔料でありうるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36等が含まれる。青またはシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60等が含まれる。緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193等が含まれる。黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製);
KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製);
Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製);
Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、
Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製);
Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);
カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)などが挙げられる。
顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の体積平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、分散剤、および分散媒体の選定、分散条件、およびろ過条件等によって、調整される。
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、顔料の分散性を高めるために、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて分散助剤をさらに含んでもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。
分散剤および分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体をさらに含んでもよい。分散媒体として溶剤をインクに含ませてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、前述のような光重合性化合物(特に粘度の低いモノマー)を分散媒体として用いることが好ましい。
染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOT Red−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧社製)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
顔料または染料の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクに対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。顔料または染料の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が十分ではなく、多すぎるとインクの粘度が高くなり、射出性が低下するからである。
[その他の成分]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、およびワックス類等が含まれる。
[活性光線硬化型インクジェットインクの調製方法]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤、多価エステル化合物及び光重合性化合物、並びに好適に含まれる色材及び光重合開始剤を、加熱下、混合して得られる。例えば、一部の光重合性化合物に色材(特に顔料)を分散させた顔料分散液を用意し、顔料分散液と、他のインク成分と混合する。得られたインクは、所定のフィルターで濾過することが好ましい。本発明による活性光線硬化型インクジェットインクの吐出性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの、80℃における粘度が3〜20mPa・sであることが好ましい。
2.画像形成方法
画像形成方法は、1)本発明の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する工程と、2)記録媒体に射出されたインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする。
1)射出工程においては、吐出用記録ヘッドに収納されたインクジェットインクを、ノズルを通して記録媒体に向けて液滴として吐出すればよい。
2)硬化工程においては、記録媒体に着弾したインクに光を照射する。照射される光は、光重合性化合物の種類によって適宜選択すればよく、紫外線や電子線などでありうる。
記録媒体は、紙であってもよいし、樹脂フィルムであってもよい。紙の例には、印刷用コート紙、印刷用コート紙Bなどが含まれる。また、樹脂フィルムの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルムや塩化ビニルフィルムなどが含まれる。
3.インクジェット記録装置
本発明の活性光線硬化型インクジェットが用いられる、活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置について説明する。活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものと、がある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)が好ましい。
図1Aおよび図1Bは、ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。このうち、図1Aは側面図であり、図1Bは上面図である。図1Aおよび図1Bに示されるように、インクジェット記録装置10は、複数の吐出用記録ヘッド14を収容するヘッドキャリッジ16と、記録媒体12の全幅を覆い、かつヘッドキャリッジ16の(記録媒体の搬送方向)下流側に配置された活性光線照射部18と、記録媒体12の下面に配置された温度制御部19と、を有する。
ヘッドキャリッジ16は、記録媒体12の全幅を覆うように固定配置されており、各色毎に設けられた複数の吐出用記録ヘッド14を収容する。吐出用記録ヘッド14にはインクが供給されるようになっている。たとえば、インクジェット記録装置10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジなどから、直接または不図示のインク供給手段によりインクが供給されるようになっていてもよい。
吐出用記録ヘッド14は、各色ごとに、記録媒体12の搬送方向に複数配置される。記録媒体12の搬送方向に配置される吐出用記録ヘッド14の数は、吐出用記録ヘッド14のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。例えば、液滴量2pl、ノズル密度360dpiの吐出用記録ヘッド14を用いて1440dpiの解像度の画像を形成する場合には、記録媒体12の搬送方向に対して4つの吐出用記録ヘッド14をずらして配置すればよい。また、液滴量6pl、ノズル密度360dpiの吐出用記録ヘッド14を用いて720×720dpiの解像度の画像を形成する場合には、2つの吐出用記録ヘッド14をずらして配置すればよい。dpiとは、2.54cm当たりのインク滴(ドット)の数を表す。
活性光線照射部18は、記録媒体12の全幅を覆い、かつ記録媒体の搬送方向についてヘッドキャリッジ16の下流側に配置されている。活性光線照射部18は、吐出用記録ヘッド14により吐出されて、記録媒体に着弾した液滴に活性光線を照射し、液滴を硬化させる。
活性光線が紫外線である場合、活性光線照射部18(紫外線照射手段)の例には、蛍光管(低圧水銀ランプ、殺菌灯)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Pa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が含まれる。硬化性の観点から、照度100mW/cm以上の紫外線を照射する紫外線照射手段;具体的には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が好ましく、消費電力の少ない点から、LEDがより好ましい。具体的には、Phoseon Technology社製 395nm、水冷LEDを用いることができる。
活性光線が電子線である場合、活性光線照射部18(電子線照射手段)の例には、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等の電子線照射手段が含まれるが、処理能力の観点から、カーテンビーム方式の電子線照射手段が好ましい。電子線照射手段の例には、日新ハイボルテージ(株)製の「キュアトロンEBC−200−20−30」、AIT(株)製の「Min−EB」等が含まれる。
温度制御部19は、記録媒体12の下面に配置されており、記録媒体12を所定の温度に維持する。温度制御部19は、例えば各種ヒータ等でありうる。
以下、ライン記録方式のインクジェット記録装置10を用いた画像形成方法を説明する。記録媒体12を、インクジェット記録装置10のヘッドキャリッジ16と温度制御部19との間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19により所定の温度に調整する。次いで、ヘッドキャリッジ16のインク吐出用記録ヘッド14から高温のインクを吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。そして、活性光線照射部18により、記録媒体12上に付着したインク滴に活性光線を照射して硬化させる。
インク吐出用記録ヘッド14からインクを吐出する際の、吐出用記録ヘッド14内のインクの温度は、インクの射出性を高めるためには、当該インクのゲル化温度よりも10〜30℃高い温度に設定されることが好ましい。吐出用記録ヘッド14内のインク温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、吐出用記録ヘッド14内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの射出性が低下しやすい。一方、吐出用記録ヘッド14内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インク吐出用記録ヘッド14の各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、高解像度の画像を形成するためには、1pl〜10plであることが好ましく、0.5〜4.0plであることがより好ましい。
活性光線の照射は、隣り合うインク滴同士が合一するのを抑制するために、インク滴が記録媒体上に付着した後10秒以内、好ましくは0.001秒〜5秒以内、より好ましくは0.01秒〜2秒以内に行うことが好ましい。活性光線の照射は、ヘッドキャリッジ16に収容された全てのインク吐出用記録ヘッド14からインクを吐出した後に行われることが好ましい。
活性光線が電子線である場合、電子線照射の加速電圧は、十分な硬化を行うためには、30〜250kVとすることが好ましく、30〜100kVとすることがより好ましい。加速電圧が100〜250kVである場合、電子線照射量は30〜100kGyであることが好ましく、30〜60kGyであることがより好ましい。
硬化後の総インク膜厚は、2〜25μmであることが好ましい。「総インク膜厚」とは、記録媒体に描画されたインク膜厚の最大値である。
図2は、シリアル記録方式のインクジェット記録装置20の要部の構成の一例を示す上面図である。図2に示されるように、インクジェット記録装置20は、記録媒体の全幅を覆うように固定配置されたヘッドキャリッジ16の代わりに、記録媒体の全幅よりも狭い幅であり、かつ複数のインク吐出用記録ヘッド24を収容するヘッドキャリッジ26と、ヘッドキャリッジ26を記録媒体12の幅方向に可動させるためのガイド部27と、を有する以外は図1Aおよび図1Bと同様に構成されうる。
シリアル記録方式のインクジェット記録装置20では、ヘッドキャリッジ26がガイド部27に沿って記録媒体12の幅方向に移動しながら、ヘッドキャリッジ26に収容された吐出用記録ヘッド24からインクを吐出する。ヘッドキャリッジ26が記録媒体12の幅方向に移動しきった後(パス毎に)、記録媒体12を搬送方向に送る。これらの操作以外は、前述のライン記録方式のインクジェット記録装置10とほぼ同様にして画像を記録する。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これらの記載によって本発明の範囲は限定して解釈されない。
[活性光線硬化型インクジェットインクの製造]
以下の成分(ゲル化剤(ワックス)、光重合性化合物、重合禁止剤、光重合開始剤、顔料分散液)を用いて、活性光線硬化型インクジェットインクを調製した。
[ゲル化剤(ワックス)]
(一般式(G1)で表される化合物)
10−ノナデカノン (10−Nonadecanone、東京化成工業)
12−トリコサノン (12−Tricosanone、東京化成工業)
ジステアリルケトン (カオーワックスT1、花王)
ジパルミチルケトン (16−Hentriacontanone、東京化成工業)
(一般式(G2)で表される化合物)
ステアリン酸ラウリル (Dodecyl Stearate、東京化成工業)
パルミチン酸セチル (アムレプスPC、高級アルコール工業)
ステアリン酸ステアリル (アムレプスSS、高級アルコール工業)
ステアリン酸ベヘニル (下記の方法により合成)
ベヘニン酸ベヘニル (ユニスターM−2222SL、日油)
リグノセリン酸リグノセリル (下記の方法により合成)
(一般式(G3)で表される化合物)
ベヘン酸 (ルナックBA、日油)
(一般式(G4)で表される化合物)
ミリスチルアルコール (カルコール4098、花王)
ステアリルアルコール (カルコール8098、花王)
(ステアリン酸ベヘニルの合成)
以下のように、ステアリン酸ベヘニルを合成した。
ベヘニルアルコール(カルコール220−80、花王)326.6gと、ステアリン酸(ルナックS−50V、花王)284.5gと、濃硫酸19.6gと、トルエン2Lとをフラスコに仕込み、80℃で4時間エステル化反応を行った。次にカラムクロマトグラフィーによりエステルを分離して、59.3gのステアリン酸ベヘニルを得た。
(リグノセリン酸リグノセリルの合成)
以下のように、リグノセリン酸リグノセリルを合成した。
リグノセリルアルコール(LignocerylAlcohol、東京化成工業)70.529gと、リグノセリン酸 (TetracosanoicAcid、東京化成工業)368.64gと、濃硫酸19.6gと、トルエン2Lとをフラスコに仕込み、80℃で4時間エステル化反応を行った。次にカラムクロマトグラフィーによりエステルを分離して、70.5gのリグノセリン酸リグノセリルを得た。
[多価エステル化合物]
ペンタエリスリトールトリミリスチン酸エステル (下記の方法により合成)
ペンタエリスリトールジステアリン酸エステル (ユニスターH−476D、日油)
ペンタエリスリトールテトラパルミチン酸エステル (下記の方法により合成)
ジペンタエリスリトールテトラリグノセリン酸エステル (下記の方法により合成)
(ペンタエリスリトールトリミリスチン酸エステルの合成)
以下のように、ペンタエリスリトールトリミリスチン酸エステルを合成した。
ペンタエリスリトール(Pentaerythritol、東京化成工業)136.2gと、ミリスチン酸(Myristic Acid 和光純薬工業社製)913.6gと、濃硫酸19.6gと、トルエン2Lとをフラスコに仕込み、80℃で4時間エステル化反応を行った。次にカラムクロマトグラフィーによりエステル価ごとの分離を行い、ペンタエリスリトールトリミリスチン酸エステル38gを得た。
(ペンタエリスリトールテトラパルミチン酸エステルの合成)
以下のように、ペンタエリスリトールテトラパルミチン酸エステルを合成した。
ペンタエリスリトール(Pentaerythritol、東京化成工業)136.2gとパルミチン酸(Palmitic Acid 和光純薬工業社製)1089.8gと、濃硫酸19.6gと、トルエン2Lとをフラスコに仕込み、80℃で4時間エステル化反応を行った。次にカラムクロマトグラフィーによりエステル価ごとの分離を行い、ペンタエリスリトールテトラパルミチン酸エステル27gを得た。
(ジペンタエリスリトールテトラリグノセリン酸エステルの合成)
以下のように、ジペンタエリスリトールテトラグリセノン酸エステルを合成した。
ジペンタエリスリトール(Dipentaerythritol、東京化成工業)254.3gと、リグノセリン酸(Tetracosanoic Acid、東京化成工業)1656.9gと、濃硫酸(19.6gと、トルエン2Lとをフラスコに仕込み、80℃で4時間エステル化反応を行った。次にカラムクロマトグラフィーによりエステル価ごとの分離を行い、ジペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル25gを得た。
[光重合性化合物]
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(A-400、新中村化学)
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494、SARTOMER)
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、SARTOMER)
[重合禁止剤]
Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル)
[光重合開始剤]
DAROCURE TPO(チバスペシャリティケミカル)
[顔料分散液]
(顔料分散液の調製)
下記の分散剤、光重合性化合物および重合禁止剤を、ステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却後、下記のマゼンタ顔料を21質量%加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、下記組成の顔料分散液を調製した。
(顔料分散液の組成)
分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製) 9質量%
光重合性化合物:APG−200(トリプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学社製) 70質量%
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバ・ジャパン社製) 0.02質量%
マゼンタ顔料:Pigment Red 122(大日精化製、クロモファインレッド6112JC) 21質量%
[インクの調製]
下記の表1、表2及び表3に示された組成に従って、各成分を混合して得た混合物を80℃に加熱して撹拌した。得られた溶液を加熱下において#3000の金属メッシュフィルタで濾過した後、冷却してインクを調製した。表1、表2及び表3において、各成分の配合量の単位は質量%である。
Figure 2016002834
Figure 2016002834
Figure 2016002834
[画像の形成方法]
各実施例および各比較例で得られた活性光線硬化型インクジェットインクで、ライン型インクジェット記録装置を用いて単色画像を形成した。インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体に、抜き文字、5cm×5cmのベタ画像、または濃度階調パッチを印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。吐出用記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。吐出条件は、1滴の液滴量が2.5plとなる条件で、液滴速度約6m/sで出射させて、1440dpi×1440dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。dpiとは、1インチ(2.54cm)当たりのドット数を表す。
[画像の評価]
(画像光沢度の評価)
上記方法によって、記録媒体である印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m 王子製紙社製)に形成した5cm×5cmのベタ画像の60℃光沢値を測定した。
0:画像の光沢度の低下が生じない(効果なし)
1:光沢低下が10以上生じた
2:光沢低下が20以上生じた
3:光沢低下が25以上生じた
4:光沢低下が30以上生じた
[出射安定性の評価]
上記調製した各インクを搭載したインクジェット記録装置で、インクジェットヘッドからインク出射を行い、ノズル欠および出射曲がりの有無について目視観察を行い、下記の基準に則り、出射安定性の評価を行った。
○:ノズル欠の発生が全く認められなかった
△:全ノズル512中、1〜4個のノズルでノズル欠が認められたが使用可能範囲
×:全ノズル512中、5個以上のノズルでノズル欠が認められた
(濃度ムラの評価)
上記方法によって、記録媒体である印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m 王子製紙社製)に印字した5cm×5cmのベタ画像を目視評価し、下記の評価基準に従って濃度ムラの評価を行った。
○:15cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
×:30cm離した位置から観測して、画像に濃度ムラが認められる
(表面べたつきの評価)
上記方法によって形成したベタ画像の上にアセトンを染み込ませた不織布を重ね上から500gの重り(底面は直径1.5cmの円状))をのせ10往復同じ場所を擦った。その後重りと重ねた布を外し、不織布に付着したマゼンタ成分の濃度を測定した。
反射濃度測定計(Xrite社製Xrite938、測色条件:D50 ステータスT)により計測されたマゼンタ成分の濃度により評価を行った。評価が0のものは使用上問題があるが、評価が1〜5のものは、番号が小さいほど不織布へ付着したマゼンタ成分の濃度は高いが、使用上問題はない範囲である。
0:濃度0.35以上
1:濃度0.30以上0.35未満
2:濃度0.25以上0.30未満
3:濃度0.20以上0.25未満
4:濃度0.13以上0.20未満
5:濃度0.13未満
(結果及び考察)
実施例の活性光線硬化型インクジェットインクを用いた画像では、多価エステル化合物を含有しない比較例1のインクジェットインクを用いた画像よりも画像光沢度が低くなった。実施例8〜24の活性光線硬化型インクジェットインクを用いた画像では、ゲル化剤の含有量が5質量%よりも少なかったため、出射安定性が向上した。また、実施例8〜24の活性光線硬化型インクジェットインクを用いた画像では、一般式(G1)および一般式(G2)で表される化合物のうち2種類以上の化合物を含んでいたため、濃度ムラや表面べたつきが抑えられた。実施例11〜24の活性光線硬化型インクジェットインクを用いた画像では、多価エステル化合物の含有量が5質量%以下であったため、表面べたつきがさらに抑えられた。実施例14〜24の活性光線硬化型インクジェットインクを用いた画像では、一般式(G2)で表される化合物のうち2種類以上の化合物を含んでいたため、濃度ムラや表面べたつきがさらに抑えられた。また、実施例14〜24の活性光線硬化型インクジェットインクを用いた画像では、表面べたつきがさらに抑えられたため、画像光沢度がさらに低くなった。
一方、比較例については、比較例1の活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤のみ含有し、多価エステル化合物が含まれなかったため、光沢度低下の効果が見られなかった。比較例2の活性光線硬化型インクジェットインクは、多価エステル化合物のみ含有し、ゲル化剤を含んでいなかったため、インクが良好にゲル化せず、濃度ムラ及び表面べたつきの評価が不良であった。比較例3の活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤の量が多かったため、出射安定性が不良であり、そのため濃度ムラが発生した。比較例4の活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤の量が少なかったため、インクが十分にゲル化せず、画像光沢度、濃度ムラ、及び表面べたつきが不良であった。
光沢度低下の効果は、活性光線硬化型インクジェットインクに多価エステル化合物が含有されることによって奏されて、特に、多価エステル化合物の含有量が少量(例えば、0.1質量%〜5質量%)であると、光沢度低下のレベルが大きく良好であった。濃度ムラについては、ゲル化剤の含有量が1質量%未満であると、インクのピニング性の機能が発現せず濃度ムラおよび表面べたつきが起こった。出射安定性については、ゲル化剤の添加量が10質量%を超えると悪化する傾向があった。2種のゲル化剤を使用するとピニング性及びレベリング性は良化し、表面のべたつきおよび濃度ムラがなくなった。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、ピニング性及びレベリング性の画像品質を維持しながら画像光沢度を制御できるので、記録媒体へのインクジェット記録方式の画像形成に好適である。
本出願は、2014年7月2日出願の日本国出願番号2014−136719号に基づく優先権を主張する出願であり、当該出願の明細書および図面に記載された内容は本出願に援用される。
10、20 インクジェット記録装置
12 記録媒体
14、24 吐出用記録ヘッド
16、26 ヘッドキャリッジ
18、28 活性光線照射部
19 温度制御部
27 ガイド部

Claims (5)

  1. ゲル化剤と、多価エステル化合物と、光重合性化合物とを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、
    該ゲル化剤が、下記の一般式(G1)で表される化合物、下記の一般式(G2)で表される化合物、下記の一般式(G3)で表される化合物及び下記の一般式(G4)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含み、
    該ゲル化剤の含有量が、該活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1〜10質量%であり、
    該多価エステル化合物が、ペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、及びジペンタエリスリトール構造を有しエステル価が2以上である化合物、からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含む、
    活性光線硬化型インクジェットインク。
    一般式(G1):R1−CO−R2
    一般式(G2):R3−COO−R4
    一般式(G3):R5−COOH
    一般式(G4):R6−OH
    (該一般式(G1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素数9以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、該一般式(G2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数11以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、該一般式(G3)中、R5は、炭素数19以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、該一般式(G4)中、R6は、炭素数14以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表す。)
  2. 前記ゲル化剤が、前記一般式(G1)で表される化合物及び前記一般式(G2)で表される化合物からなる群から選択される2種類以上の化合物を含み、
    前記一般式(G1)中の前記R1及び前記R2はそれぞれ独立に、炭素数11以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、前記一般式(G2)中の前記R3及び前記R4はそれぞれ独立に、炭素数13以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、
    前記ゲル化剤の含有量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1〜5質量%である、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記多価エステル化合物の含有量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.01〜5質量%である、請求項1又は2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. 前記ゲル化剤が、前記一般式(G2)で表される2種類以上の化合物を含み、
    前記一般式(G2)中の前記R3及び前記R4はそれぞれ独立に、炭素数15以上の直鎖部分を含み、分岐部分を含んでもよい炭化水素基を表し、
    前記多価エステル化合物の含有量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.01〜3質量%である、請求項1から3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する工程と、記録媒体に射出された該活性光線硬化型インクジェットインクに活性光線を照射して、該活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させる工程と、を含む、画像形成方法。
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