JP2012040760A - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色材、光硬化性モノマー、光開始剤、及び、ゲル化剤を0.1質量%以上10質量%未満含有する活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体上に吐出するインクジェット記録方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度が102mPa・s以上105mPa・s未満であり、かつ該活性光線硬化型インクジェットインクのゲル化温度と記録媒体の表面温度の差を5〜15℃に制御することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし
Description
以下、本発明で使用される活性光線硬化型インクのインク組成物について順次説明する。
本発明でいうゲル化とは、ラメラ構造、非共有結合や水素結合により形成される高分子網目、物理的な凝集状態によって形成される高分子網目、微粒子の凝集構造などの相互作用、析出した微結晶の相互作用などにより、物質が独立した運動を失って集合した構造を指しており、急激な粘度上昇や弾性増加を伴って固化した、または半固化した、または増粘した状態のことを指す。
本発明のインクにおいては、ゲル化剤、色材と共に、活性光線で硬化する活性光線硬化型組成物を含有することを特徴とする。
光カチオン重合性モノマーとしては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
次いで、ラジカル重合性化合物について説明する。
次いで、本発明のインクについて、上記項目を除いた各構成要素について説明する。
本発明のインクにおいては、インクを構成する色材としては、染料あるいは顔料を制限なく用いることができるが、インク成分に対し良好な分散安定性を有し、かつ耐候性に優れた顔料を用いることが好ましい。顔料としては、特に限定されるわけではないが、本発明には、例えば、カラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、
緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、
黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26などが目的に応じて使用できる。
MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)。
MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)。
MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)。
MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等である。
本発明のインクにおいて、活性光線として紫外線等を用いる場合には、少なくとも1種の光重合開始剤を含有することが好ましい。だたし、活性光線として電子線を用いる場合には、多くの場合、光重合開始剤を必要としない。
本発明に係る活性光線硬化型インクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。
本発明のインクによる画像形成に用いることのできる記録媒体としては、特に制限はなく、コピー等で使用されている普通紙、アート紙等の紙製の基材、通常の非コート紙、基紙の両面を樹脂等で被覆したコート紙、各種貼合紙、合成紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONYフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。また、金属類やガラス類にも適用可能である。
次いで、本発明のインクジェット画像形成方法について説明する。
本発明のインクジェット画像形成方法は、活性光線硬化型インクを、インクジェット記録ヘッド内で該活性光線硬化型インクのゲル化温度Tgelの10℃以上、40℃未満の温度範囲で加熱することが好ましい。記録ヘッド内のインクの温度を10℃以上にすることで、記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化することなく良好な射出性が得られる。また、記録ヘッド内のインクの温度を40℃未満とすることで、記録ヘッドに対する負荷を小さくでき、特にピエゾ素子を用いた記録ヘッドの性能低下を引き起こしにくい。また、記録ヘッド内の温度において、インクの粘度は3mPa・s以上、20mPa・s未満であることが吐出安定性の観点から好ましい。
本発明では記録媒体の温度を本発明に係る範囲に調温することを特徴とする。調温の範囲としては、ゲル化剤によるインクのゲル化温度Tgelと記録媒体の表面温度Tsの差を5〜15℃に制御することであり、より好ましくは5〜10℃である。記録媒体の調温手段としては、例えば、記録媒体を固定する搬送台、もしくは固定用のドラムに予め冷却装置および加熱装置を取り付けて、記録媒体を裏面から調温する方法や、冷風や温風を記録媒体に吹き付けて調温する方法や、冷媒やヒーターを装置上の記録媒体固定位置の上面に取り付けて、非接触で調温する方式や、IRレーザーなどを照射して調温する方式や、インクジェット記録前に予め記録媒体を調温しておく方式などが挙げられるが、面内温度差を均一にし、且つ温度変化に対する堅牢性を高める必要性がある事から、記録媒体を裏面から調温する方式が好ましい。調温方法としては、例えばペルチェ素子を取り付ける方式や、ヒーターを取り付ける方式や、冷媒・冷却水を循環させる方式などが好ましく用いられる。
本発明では、記録媒体上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜25μmであることが好ましい。尚、ここで「総インク膜厚」とは記録媒体に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
また本発明では、記録ヘッドの各ノズルより吐出する液滴量を記録画像に合わせて適宜変化させることが可能であるが、高精細画像を形成する場合は1pl〜10plの範囲であることが好ましい。
本発明のインクジェット画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、画像が形成されてから10秒以内に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜5秒であり、更に好ましくは0.01秒〜2秒である。
活性光線として電子線を用いる場合の照射方法としては、例えば、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などがあるが、処理能力の観点からカーテンビーム方式が好ましい。
活性光線として紫外線を用いる場合、その紫外線照射光源としては、例えば、蛍光管(低圧水銀ランプ、殺菌灯)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDなどが挙げられるが、硬化性の観点から高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDなどの照度100mW/cm2以上の高照度なUV光を発光可能な光源が好ましい。中でも消費電力の少ないLEDが好ましいが、この限りでない。
次いで、本発明のインクジェット画像形成方法で用いることのできるインクジェット記録装置について、紫外線照射方式の装置を一例として説明する。
〈カチオン重合型インクの調製〉
(顔料分散液1の調製)
以下の組成で顔料を分散した。
重合性化合物:OXT221(オキセタン221、東亞合成社製) 70部
室温まで冷却した後、これに下記マゼンタ顔料1を21部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して顔料分散液1を作製した。
(インク番号1の調製)
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却して、インク番号1を調製した。
重合性化合物:セロキサイド2021P(脂環式エポキシ、ダイセル化学社製)
10.0部
光重合開始剤:CPI−100P(トリアリルスルホニウム塩のプロピレンカーボネート50%溶液、サンアプロ社製 5.0部
増感剤:DEA(ジエトキシアントラセン、川崎化成工業社製) 2.0部
界面活性剤:X22−4272(信越化学工業社製) 0.05部
顔料分散液1 19.0部
(インク番号2の調製)
上記インク番号1の調製において、ゲル化剤としてパラフィンワックスを5.0部添加し、OXT221の添加量を40.9部に変更し、インク調製時の加熱温度を100℃に変更した以外は同様にして、インク2を調製した。
上記インク1の調製において、各化合物の種類および添加量を表1に記載のように変更し、インク調製時の加熱温度を110℃に変更した以外は同様にして、インク番号3〜11を調製した。
OXT221:オキセタン化合物(ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル、東亞合成社製)
セロキサイド2021P:脂環式エポキシ化合物(3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ダイセル化学社製)
(光重合開始剤)
CPI100P:トリアリルスルホニウム塩のプロピレンカーボネート50%溶液、サンアプロ社製
SP152:アデカオプトマーSP152、旭電化社製
(増感剤)
DEA:ジエトキシアントラセン、川崎化成工業社製
(界面活性剤)
X22−4272:両末端ポリエーテル変性シリコン、信越化学工業社製
(ゲル化剤)
パラフィン:パラフィンワックス mp68〜70℃、和光純薬工業社製
マイクロクリスタリン:Hi−mic2045、日本精蝋社製
ジステアリルケトン:カオーワックスT1、花王社製
高級アルコール:ベヘニルアルコール80R、高級アルコール工業社製
ビスアミド:ITOWAX J−700、伊藤製油社製
LGBA:N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド(GP−1、味の素社製)
直鎖アルコール: UNILIN425、 Baker Hughes社製
(インク物性の測定)
上記方法にて調製したインク番号2〜10のインクについて、以下の方法でゲル化温度、粘度を測定した。
〈ラジカル重合型インクの調製〉
(顔料分散液2の調製)
以下の組成で顔料を分散した。
重合性化合物:APG−200(トリプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学社製) 70部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバ・ジャパン社製) 0.02部
室温まで冷却した後、これに下記マゼンタ顔料1を21部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して顔料分散液2を作製した。
(インク番号11の調製)
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却して、インク番号11を調製した。
重合性化合物:SR494(4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SARTOMER社製) 15.0部
重合性化合物:SR499(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製) 20.0部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバ・ジャパン社製) 0.1部
光重合開始剤:TPO(フォスフィンオキサイド、DAROCURE TPO、チバ・ジャパン社製) 6.0部
開始剤助剤:ITX(イソプロピルチオキサントン、Speedcure ITX、Lambson社製) 1.0部
開始剤助剤:EDB(アミン助剤、Speedcure EDB、Lambson社製) 1.0部
界面活性剤:KF−352(ポリエーテル変性シリコン、信越化学工業社製)
0.05部
顔料分散液2 19.0部
(インク番号12〜16の調製)
上記インク番号11の調製において、各化合物の種類および添加量を表2に記載のように変更し、インク調製時の加熱温度を100℃に変更した以外は同様にして、インク番号12〜16を調製した。
A−400:ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、新中村化学社製
SR494:4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SARTOMER社製
SR499:6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製
(重合禁止剤)
Irgastab UV10:チバ・ジャパン社製
(光重合開始剤)
TPO:フォスフィンオキサイド(DAROCURE TPO、チバ・ジャパン社製)
(開始剤助剤)
ITX:イソプロピルチオキサントン(Speedcure ITX、Lambson社製)
EDB:アミン助剤(Speedcure EDB、Lambson社製)
(ゲル化剤)
ベヘン酸グリセリル:ポエムB−100、理研ビタミン社製
ベヘニン酸:ルナックBA、花王社製
ステアリン酸アミド:FATTY AMID T、花王社製
グリセリンモノステアレート:リケマールVT−50、理研ビタミン社製
ベヘニルエーテル(5E.O.):ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(EMALEX BHA−5、日本エマルジョン社製)
(インク物性の測定)
上記方法にて調製したインク番号12〜16のインクについて、実施例1に記載の方法と同様の方法で、ゲル化温度を測定した。得られた結果を表2に示す。
〈画像評価〉
(インクジェット画像の形成)
図1に示したピエゾ型インクジェット記録ヘッドを備えたラインヘッド方式のインクジェット記録装置のMのヘッドキャリッジを使用して、マゼンタ単色の画像評価を行った。インクジェット記録ヘッドに、実施例1、2に記載のインク1〜16を装填し、印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、印刷用コート紙B(OKトップコートマット 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、PET貼合紙(スペシャリティ1621 五條製紙社製)、及びポリエチレンテレフタレート製フィルム(白ペット マルウ接着社製)に、文字、ベタ画像、自然画を印字して、それぞれ画像番号1〜55を得た。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、記録ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクから記録ヘッド部分まで断熱して、実施例1、2で求めたインクのゲル化温度+30℃に加温した。また、ピエゾヘッドもヒーターを内蔵させ、記録ヘッド内のインク温度を表3、4に記載の温度に加熱した。ピエゾヘッドはノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)で、各々1滴の液滴量が2.5plとなる条件で、液滴速度約6m/secで出射させて、1440dpi×1440dpiの記録解像度で印字した。記録速度は400mm/sで記録した。また各記録媒体は、温度制御装置5の温度を調温することで表3、4に記載の温度に調温した。画像が形成された後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(浜松ホトニクス社製385nm、記録媒体とランプの距離2mm、最大出力3800mW/cm2(浜松ホトニクス社製 紫外線積算光量計:C9536−02で測定))により紫外線を照射してインクを硬化した。また、上記の画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記作成した画像1〜55について、以下の方法に従って、文字品質、濃度ムラ、光沢均質感、耐擦過性、および出射安定性の評価を行った。
上記方法により、印刷用コート紙A、コート紙Bに対して各有色インクでMS明朝体の3ポイント、5ポイントの「優」という文字を印刷した。得られた文字を目視で観察し、下記の基準で評価を行った。
△:3ポイント文字では細部が潰れているが、5ポイント文字では潰れなく再現出来ている
×:5ポイント文字でも細部が潰れている
(濃度ムラの評価)
上記方法により、印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、印刷用コート紙B(OKトップコートマット 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、PET貼合紙(スペシャリティ1621 五條製紙社製)、及びポリエチレンテレフタレート製フィルム(白ペット マルウ接着社製)に印字した5cm×5cmのベタ画像を目視評価し、下記の評価基準に従って濃度ムラの評価を行った。
△:15cm離れた位置から観測すると、画像の一部において濃度ムラが認められるが、30cm離した位置からは、濃度ムラが認められない
×:30cm離した位置から観測して、画像に濃度ムラが認められる
(光沢均質感の評価)
上記方法により、印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、印刷用コート紙B(OKトップコートマット 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、PET貼合紙(スペシャリティ1621 五條製紙社製)、及びポリエチレンテレフタレート製フィルム(白ペット マルウ接着社製)に、2cm×2cmの面積でドット率を0%、10%、20%、30%、50%、70%、100%と変化させた濃度階調パッチを作成し、作成した画像の目視評価を行い、下記の評価基準に従って光沢均質感の評価を行った。なおドット率とは出力データのピクセル濃度の事を指す。
△:一部、キラキラ感やマット感が気になるが、実用上十分耐えうる品質である。
(耐擦過性の評価)
印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)に印刷した自然画を「JIS規格 K5701−1 6.2.3 耐摩擦性試験」に記載の方法に準じ、4cm2となる大きさに切り取った印刷用コート紙Aを画像上に設置し、500gの荷重をかけて擦り合わせた。その後、画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐擦過性を評価した。
△:30回擦った段階で画像濃度の低下が認められるが、実用上許容範囲にある
×:30回未満の擦りで、明らかな画像濃度低下が認められ、実用に耐えない品質である
(出射安定性の評価)
上記調製した各インクを搭載したインクジェット記録装置でノズルチェックパターンの印刷を行い、ノズル欠および出射曲がりの有無についてルーペで観察を行い、下記の基準に則り、出射安定性の評価を行った。
△:全ノズル中、1個以上5個未満のノズルでノズル欠、曲がりが認められた
×:5個以上のノズルでノズル欠、曲がりが認められた
以上により得られた評価結果を表3、表4に示す。
〈カラー画像の評価〉
(顔料分散液3〜6の調製)
以下の組成で顔料を分散した。
重合性化合物:APG−200(トリプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学社製) 70部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバ・ジャパン社製) 0.02部
室温まで冷却した後、これに下記顔料21部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
顔料分散液4(シアン):Pigment Blue 15:4(大日精化製、クロモファインブルー6332JC) 5時間
顔料分散液5(イエロー):Pigment Yellow 150(LANXESS社製、E4GN−GT CH20015) 8時間
顔料分散液6(マゼンタ):Pigment Red 122(大日精化製、クロモファインレッド6112JC)
(インク番号17の調製)
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却して、インク番号17を調製した。
重合性化合物:SR494(4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SARTOMER社製) 15.0部
重合性化合物:SR499(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製) 20.0部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバ・ジャパン社製) 0.1部
光重合開始剤:TPO(フォスフィンオキサイド、DAROCURE TPO、チバ・ジャパン社製) 6.0部
開始剤助剤:ITX(イソプロピルチオキサントン、Speedcure ITX、Lambson社製) 1.0部
開始剤助剤:EDB(アミン助剤、Speedcure EDB、Lambson社製) 1.0部
界面活性剤:KF−352(ポリエーテル変性シリコン、信越化学工業社製)
0.05部
顔料分散液3 19.0部
(インク番号18〜28の調製)
上記インク17の調製において、各化合物の種類および添加量を表5に記載のように変更し、インク調製時の加熱温度を100℃に変更した以外は同様にして、インク番号18〜28を調製した。その後、インク番号17〜20をインクセット(A)、インク番号21〜24をインクセット(B)、インク番号25〜28をインクセット(C)として、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの4色毎にインクセットを作製した。
上記方法にて調製したインク番号18〜28のインクについて、実施例1に記載の方法と同様の方法で、Tgelを測定した。得られた結果を表5に示す。
図1に示したラインヘッド方式のインクジェット記録装置を使用して、カラー画像を作製し、評価を行った。Y、M、C、Kのそれぞれの記録ヘッドにインクセット(A)〜(C)のインク各色を充填し、印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、印刷用コート紙B(OKトップコートマット 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、PET貼合紙(スペシャリティ1621 五條製紙社製)、及びポリエチレンテレフタレート製フィルム(白ペット マルウ接着社製)に、実施例3に記載の方法と同様にして自然画(財団法人・日本規格協会発行の高精細カラーデジタル標準画像データ「フルーツバスケット」)をA4サイズでプリントした。記録媒体の温度、記録ヘッドの温度はそれぞれ表6に記載の温度に調整し、画像番号56〜63を作成した。
上記作成した画像番号56〜63の画像について、以下の方法に従って、濃度ムラ、光沢均質感、耐擦過性、べたつき耐性の評価を行った。
上記方法により、印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、印刷用コート紙B(OKトップコートマット 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、PET貼合紙(スペシャリティ1621 五條製紙社製)、及びポリエチレンテレフタレート製フィルム(白ペット マルウ接着社製)に印字した5cm×5cmのベタ画像を目視評価し、下記の評価基準に従って濃度ムラの評価を行った。
△:15cm離れた位置から観測すると、画像の一部において濃度ムラが認められるが、30cm離した位置からは、濃度ムラが認められない
×:30cm離した位置から観測して、画像に濃度ムラが認められる
(光沢均質感の評価)
上記方法により、印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、印刷用コート紙B(OKトップコートマット 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)、PET貼合紙(スペシャリティ1621 五條製紙社製)、及びポリエチレンテレフタレート製フィルム(白ペット マルウ接着社製)に上記自然画を印刷し、作成した画像の目視評価を行い、下記の評価基準に従って光沢均質感の評価を行った。
△:画像一部でキラキラ感やマット感が気になるが、実用上十分耐えうる光沢感である
×:画像の大部分で、キラキラ感やマット感が顕著で光沢が不均質であり、全体的に著しい光沢低下が観察されて実用に耐えない品質である
(耐擦過性の評価)
印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)に印刷した上記自然画を、「JIS規格 K5701−1 6.2.3 耐摩擦性試験」に記載の方法に準じ、4cm2となる大きさに切り取った印刷用コート紙Aを画像上に設置し、500gの荷重をかけて擦り合わせた。その後、画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐擦過性を評価した。
△:30回擦った段階で画像濃度の低下が認められるが、実用上許容範囲にある
×:30回未満の擦りで、明らかな画像濃度低下が認められ、実用に耐えない品質である
(べたつき耐性の評価)
上記方法により、ポリエチレンテレフタレート製フィルム(白ペット マルウ接着社製)に印字した5cm×5cmのベタ画像の表面を指で触って硬化性を確認し、下記の評価基準に従ってべたつきの評価を行った。尚、照射条件は前記装置においてと同様、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(浜松ホトニクス社製385nm、記録媒体とランプの距離2mm、3800mW/cm2の照度で記録媒体を速度400mm/sで搬送して硬化させた。
△:形成した一部の色インクのベタ画像で僅かにべたつきが感じられる
×:形成した全色インクでべたつきが認められ、実用に耐えない品質である
以上により得られた評価結果を表6に示す。
2 ヘッドキャリッジ
3 記録媒体
4 紫外線照射装置
5 温度制御装置
6 ガイド
Claims (6)
- 色材、光硬化性モノマー、光開始剤、及び、ゲル化剤を0.1質量%以上10質量%未満含有する活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体上に吐出するインクジェット記録方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度が102mPa・s以上105mPa・s未満であり、かつ該活性光線硬化型インクジェットインクのゲル化温度と記録媒体の表面温度の差を5〜15℃に制御することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記ゲル化剤が脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミドであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ゲル化剤を含有するインクジェットインクのゲル化温度が40℃以上、90℃未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記活性光線硬化型インクジェットインクのインクジェット記録ヘッド内における粘度が3mPa・s以上、20mPa・s未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体の表面温度を30℃以上70℃未満に制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法であって、インクジェット記録方法がシングルパス記録方式であることを特徴とするインクジェット記録方法。
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