JP2013230632A - インク供給ユニット - Google Patents

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JP2013230632A JP2012104339A JP2012104339A JP2013230632A JP 2013230632 A JP2013230632 A JP 2013230632A JP 2012104339 A JP2012104339 A JP 2012104339A JP 2012104339 A JP2012104339 A JP 2012104339A JP 2013230632 A JP2013230632 A JP 2013230632A
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Shohei Uchikado
祥平 内門
Kosuke Matsui
康祐 松井
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Abstract

【課題】加圧によるインクの供給を良好に行うことができるインク供給ユニットを実現する。
【解決手段】インクジェット記録装置1は、インクを貯留するインクタンク6と、インクタンク6を収納する収納部7とを備えたインク供給ユニット5を有し、インクタンク6のタンク蓋602はヒンジ部603を介して収納部7に接続されているとともに、そのインクタンク6はタンク本体601にタンク蓋602を螺合することで密封構造をとることができるので、インクタンク6の内部を加圧することによって、インクタンク6内に貯留しているインクを記録ヘッド51に向けて良好に供給することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、インク供給ユニットに係り、特に記録媒体上にインクを吐出する記録ヘッドに向けてインクを供給するインク供給ユニットに関する。
インクジェット記録装置は、インクを貯留するインクタンクからインクジェットヘッド(記録ヘッド)にインクを供給し、その供給されたインクをインクジェットヘッドから記録媒体へ吐出することで、所望の画像を形成する。
このようなインクジェット記録装置において、常温では高粘度であるインクを用いるにあたって、サブタンクに貯留しているインクをヒーターによって加熱して、粘度を低下させたインクをインクジェットヘッドに供給する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、タンクケースに回動可能に軸支されて、インクタンクのインク注入口を覆う位置に配されるカバー部材を備えた装置において、インクタンクにインクを補充する際には、インク注入口を露出させる位置にカバー部材を移動させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2009−179045号公報 特開2012−51328号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、インクタンク(インクボトル)からサブタンクへのインクの供給に関しては、インクタンク内のインク液面とサブタンク内のインク液面の水頭圧差によってインクを流すようになっているため、高粘度のインクが流れ難いことがある。その対策として、ポンプを用いて加圧を行うことでインクを流すようにするとの技術開示はあるが、加圧による送液を行うことに適したインクタンクの技術は開示されていない。
また、上記特許文献2の場合、タンクケースに軸支されたカバー部材とは別体の密封栓がインク注入口に設けられているため、インク注入口を開蓋した際に密封栓を紛失してしまうおそれがあった。
本発明の目的は、加圧によるインクの供給を良好に行うことができるインク供給ユニットを提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
インクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクを収納する収納部とを備え、前記インクタンクの内部を加圧することで、前記インクタンク内に貯留されているインクを記録ヘッドに向けて供給するインク供給ユニットであって、
前記インクタンクは、
インクを内部に収容するタンク本体と、
前記タンク本体に螺合するタンク蓋と、
前記タンク蓋と前記収納部を連結するように、一端を前記タンク蓋に接合し、他端を前記収納部に接合しているヒンジ部と、を有し、
前記タンク蓋は、
前記ヒンジ部の一端が接合されている蓋中央部と、
前記蓋中央部に回転可能に支持されて、前記タンク本体に着脱される蓋本体と、
を有していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインク供給ユニットにおいて、
前記蓋本体には、当該蓋本体を回転させる操作を行うための取手部が設けられており、
前記取手部は、前記蓋本体の回転軸に沿う向きと、前記回転軸に直交する向きに切り替え可能であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインク供給ユニットにおいて、
前記タンク本体内に収容された前記インクの基準面は、前記インクが前記記録ヘッドに向けて供給されるにつれて、前記タンク蓋から離間する方向に移動するようになっており、
前記蓋中央部の内面には、前記インクの基準面との距離に応じて、前記タンク本体内のインク残量を検知するセンサーが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、インクタンクに貯留されたインクを加圧によって良好に供給することができる。
本発明のインクジェット記録装置の内部構成を示す模式図である。 画像形成部の内部構成を示す模式図である。 画像形成ドラムの概略構成を示す斜視図である。 図3の画像形成ドラムの概略構成を示す断面図であり、図5におけるIV−IV切断面から見た断面図である。 図3の画像形成ドラムの概略構成を示す断面図であり、図4のV−V切断面から見た断面図である。 加熱ローラーの概略構成を示す断面図である。 インク供給ユニットの構成を示す斜視図である。 インク供給ユニットにおけるインクタンクのタンク蓋を1つ開蓋した状態を示す正面図である。 インク供給ユニットに収納されるインクタンクを示す斜視図である。 インク供給ユニットに収納されるインクタンクを示す斜視図である。 取手部の向きの切り替えに関する説明図であり、蓋本体の回転軸に直交する向き(a)と、蓋本体の回転軸に沿う向き(b)とを示している。 インクタンクに装填されるインクカートリッジを示す斜視図である。 インクタンク内を加圧してインクを送り出す状態を示す説明図である。 インクジェット記録装置の制御系を示すブロック図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
(全体構成)
図1は本発明の第一の実施形態である画像形成装置としてのインクジェット記録装置の内部構成を示す模式図である。図1に示すように本実施形態のインクジェット記録装置1は、画像形成部2と、画像形成部2に対して給紙を行う給紙部3と、画像形成部2で画像形成された記録媒体Pを集積する集積部4と、画像形成部2の記録ヘッド51に向けてインクを供給するインク供給ユニット5と、備えている。
(給紙部)
給紙部3は、記録媒体Pを格納する給紙トレイ31と、給紙トレイ31から画像形成部2まで記録媒体Pを搬送する給紙用搬送部32と、給紙トレイ31内の記録媒体Pを給紙用搬送部32に供給する供給部33とを備えている。給紙用搬送部32は、一対の給紙用搬送ローラー321,322を備えており、これら給紙用搬送ローラー321,322に給紙用搬送ベルト323が掛け渡されている。給紙用搬送ベルト323は、給紙トレイ31から供給部33によって供給された記録媒体Pを載せて、画像形成部2まで搬送する。
(集積部)
集積部4は、画像形成された記録媒体Pを格納する格納トレイ41と、画像形成部2から格納トレイ41まで記録媒体Pを搬送する集積用搬送部42とを備えている。集積用搬送部42には、複数の集積用搬送チェーンスプロケット421,422,423が設けられている。これら複数の集積用搬送チェーンスプロケット421〜423のうち、1つの集積用搬送チェーンスプロケット421は画像形成部2内に配置されており、残りの集積用搬送チェーンスプロケット422,423は集積部4内に配置されている。画像形成部2で画像が形成された記録媒体Pは、集積用爪部425によって集積用搬送ベルト424上に保持された状態で搬送され、格納トレイ41上にくると集積用爪部425の保持が解除されて、格納トレイ41内に格納される。
(画像形成部)
図2は、画像形成部2の内部構成を示す模式図である。図2に示すように、画像形成部2には、記録媒体Pに画像を形成するため、当該記録媒体Pを表面で保持する画像形成ドラム21と、給紙部3から搬送された記録媒体Pを画像形成ドラム21に受け渡す記録媒体供給手段としての受け渡しドラム22とを備えている。
受け渡しドラム22には、その外周面で記録媒体Pを保持するため、記録媒体Pの一端部を挟持する複数の爪部221と、記録媒体Pを外周面に吸着する吸着部(図視省略)とを備えている。吸着部は、静電吸着あるいは吸引によって記録媒体Pを受け渡しドラム22の外周面に吸着するようになっている。そして、受け渡しドラム22は、その一部の外周が画像形成ドラム21に近接しており、この近接部分で記録媒体Pを画像形成ドラム21に受け渡すようになっている。
図3は、画像形成ドラム21の概略構成を示す斜視図である。図4は、画像形成ドラム21の概略構成を示す断面図であり、図5におけるIV−IV切断面から見た断面図である。図5は、画像形成ドラム21の概略構成を示す断面図であり、図4のV−V切断面から見た断面図である。画像形成ドラム21は、本発明に係るインクジェット用画像形成ドラムであり、図3〜図5に示すように、画像形成ドラム21には、内部が中空の筒状の本体部215と、本体部215とは別体で、本体部215の両端部を支持する一対の支持部216,217とが設けられている。
本体部215の周囲には、当該本体部215の外周面で記録媒体Pを保持するため、記録媒体Pの一端部を挟持する複数の爪部211が設けられている。爪部211は、本体部215の外周面に形成された凹部213内に、軸方向に沿って複数収容されている。爪部211の先端部214は、画像形成ドラム21の外周面から接離自在となっており、この爪部211の先端部214と画像形成ドラム21の外周面とによって、記録媒体Pの先端部を挟持することで、画像形成ドラム21の外周面上に記録媒体Pを保持している。
また、本体部215の周囲には、当該本体部215の外周面に記録媒体Pを密着させるための複数の吸引孔212が形成されている。
一対の支持部216,217は、本体部215の全周にわたって密着している。この一対の支持部216,217のうち、一方の支持部216には、本体部215の中空部2219の内部と連通する連通口241が形成されている。この連通口241には、例えば図示しない吸引ポンプが接続されていて、この吸引ポンプにより、画像形成ドラム21の中空部219が負圧となる。中空部219が負圧になると、吸引孔212を介して、本体部215の外周面上に記録媒体Pが吸着される。
また、吸着部212の複数の吸引孔は、ブルーノイズ特性を持ったパターンで配置されているので、画像形成後の記録媒体Pに吸引孔の跡が残ってしまったとしてもその不規則なパターンにより視覚的に認識しにくくすることが可能である。また、記録媒体Pの画像形成領域から外れた領域にのみ吸引孔が設けられているので、画像形成領域に吸引孔の跡が残ってしまうことを防止できる。
また、この画像形成部2では、温度に応じてゲル状から液状に相変化を生じるインク(詳細は後述)を使用しており、画像形成時に記録媒体Pを加熱することで温度を調節してインクドットの平滑性や光沢の制御を行っている。従って、画像形成ドラム21は加熱されることを前提としており、このため、当該画像形成ドラム21の外周面は断熱層の上に蓄熱層が形成された多層構造となっている。
また、画像形成部2には、図2に示すように、画像形成ドラム21の周囲において、複数の記録ヘッド51、UVランプ52、ドラム温度センサー91、加熱ローラー71、72、冷却ファン53が配置されている。
記録ヘッド51は、ライン式の記録ヘッドであり、画像形成ドラム21に周方向に沿って複数配列されている。各記録ヘッド51は、画像形成ドラム21の全長にわたって延在している。本実施形態に係るインクジェット記録装置1では、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色のインクを吐出できるよう、合計で4個の記録ヘッド51が設けられているが、その数は必要な色彩の数に応じて増減させても良い。また、記録ヘッド51の近傍に、インクタンク6から送液されたインクを一時的に貯留するサブタンクを備えるようにしてもよい。
記録ヘッド51で吐出されるインクは、温度によってゲル状又は固体状と、液状とに相変化し、40℃以上、100℃未満に相転移点を有するインクである。これら複数の記録ヘッド51で吐出されるインクは、搬送方向Yの上流側で吐出されるインクの方が、搬送方向Yの下流側で吐出されるインクよりも、相転移温度が高く設定されている。具体的に、上流側から順に、第一記録ヘッド51A、第二記録ヘッド51B、第三記録ヘッド51C、第四記録ヘッド51Dとし、第一記録ヘッド51Aから吐出されるインクの相転移温度をP1、第二記録ヘッド51Bから吐出されるインクの相転移温度をP2、第三記録ヘッド51Cから吐出されるインクの相転移温度をP3、第四記録ヘッド51Dから吐出されるインクの相転移温度をP4とすると、P1>P2>P3>P4という関係になる。
なお、インクの相転移温度の調整は、インクに添加されるゲル化剤の種類、ゲル化剤の添加量、活性光線硬化型モノマーの種類を変えることで可能である。この調整によって、上述したように、搬送方向Yの上流側で吐出されるインクの方が、搬送方向Yの下流側で吐出されるインクよりも相転移温度が高く設定されている。具体的には、複数の記録ヘッド51のうち、搬送方向Yに沿って隣接する一対の記録ヘッド5で吐出されるインクの相転移温度差が0.5℃以上、10℃以下の範囲内、好ましくは1℃以上、5℃以下の範囲内に収まるように、各記録ヘッド51で吐出されるインクの相転移温度を調整している。なお、インクの詳細については、後述する。
図2に示すように、複数の記録ヘッド51における記録媒体Pの搬送方向Yの直下流には、例えば紫外線等のエネルギー線を照射するエネルギー線照射手段としてのUV(紫外線)ランプ52が配置されている。UVランプ52は、画像形成ドラム21の全長にわたって延在していて、画像形成ドラム21上の記録媒体Pに対してエネルギー線を照射するようになっている。
エネルギー線として紫外線を用いる場合、その紫外線照射光源としては、例えば、蛍光管(低圧水銀ランプ、殺菌灯)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDなどが挙げられるが、硬化性の観点から高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDなどの照度100mW/cm以上の高照度なUV光を発光可能な光源が好ましい。中でも消費電力の少ないLEDが好ましいが、この限りでない。
UVランプ52の搬送方向Yの直下流には、前述した集積用搬送部42の集積用搬送ローラー421が配置されている。そして、集積用搬送ローラー421は、その一部の外周が集積用搬送ベルト424を介して画像形成ドラム21に近接しており、この近接部分で画像形成ドラム21から記録媒体Pを集積用搬送ベルト424に受け渡すようになっている。
さらに、集積用搬送ローラー421の直下流には、画像形成ドラム21の外周面を送風により冷却する冷却ファン53が設けられている。
そして、冷却ファン53の直下流には、第二の加熱部の加熱ローラー72が設けられ、さらにその直下流には、画像形成ドラム21の表面温度を測定するドラム温度検出手段としてのドラム温度センサー91が配置されている。このドラム温度センサー91は、熱電対やサーミスタなどの接触型の温度検出素子を使用しても良いが、サーモパイルのような非接触式の温度検出素子がより好ましい。
画像形成ドラム21上に保持された記録ヘッド51による記録前の記録媒体Pを加熱する第一の加熱部の加熱ローラー71(加熱体)は、受け渡しドラム22の搬送方向Yの直下流、つまり受け渡しドラム22と記録ヘッド51との間に配置されている。加熱ローラー71は、その一部が画像形成ドラム21の外周面に当接していて、画像形成時においては記録媒体Pが画像形成ドラム21との間に介在する。このとき、加熱ローラー71は、記録媒体Pを画像形成ドラム21の外周面に押し当てて密着させる。
図6は、加熱ローラー71の概略構成を示す断面図である。この図6に示すように、加熱ローラー71は、例えばアルミニウム等の金属からなる中空パイプ711と、中空パイプ711の全周を覆う例えばシリコンゴム等の弾性層712と、中空パイプ711に内蔵されて、中空パイプ711及び弾性層712を加熱するハロゲンヒータ等の加熱源713とを備えている。
弾性層712は、熱伝導性の優れた材質であることが望ましい。さらに、弾性層712の表面は、滑り性のよい材質(例えばPFAチューブ等)を被膜しておき、耐久性を高めておくことも可能である。
このインクジェット記録装置1では、第一の加熱部の加熱ローラー71の温度を検出する加熱部温度センサー92を加熱ローラー71に併設している。かかる加熱部温度センサー92は、ドラム温度センサー91と同様に、熱電対やサーミスタなどの接触型の温度検出素子を使用しても良いが、サーモパイルのような非接触式の温度検出素子がより好ましい。
また、画像形成ドラム21の周囲において、集積用搬送ローラー421の下流側であって受け渡しドラム22よりも上流側(より厳密には冷却ファン53とドラム温度センサー91との間)に設けられた第二の加熱部の加熱ローラー72(加熱体)は、第一の加熱部の加熱ローラー71と同一の構造を備えている。
(インク供給ユニット)
図7は、インク供給ユニット5の構成を示す斜視図である。図8は、インク供給ユニット5におけるインクタンク6のタンク蓋602を1つ開蓋した状態を示す正面図である。図9、図10は、インク供給ユニット5に収納されるインクタンク6を示す斜視図である。
図7〜図10に示すように、インク供給ユニット5は、インクを貯留するインクタンク6と、複数のインクタンク6を収納する収納部7等を備えている。
このインク供給ユニット5は、インクタンク6の内部を加圧することで、インクタンク6内に貯留されているインクを画像形成部2の記録ヘッド51に向けて供給するようになっている。
収納部7は、例えば上下左右前後の6面にフレームが組み付けられてなるインクタンクラックであり、その前面に配されている前面板77にインクタンク6が取り付けられている。この収納部7には、4個のインクタンク6が2列2段の配置で収納されている。本実施形態に係るインクジェット記録装置1では、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色のインクを各記録ヘッド51に供給できるよう、合計で4個のインクタンク6が収納されているが、その数は必要な色彩の数やインク量に応じて増減させても良い。
インクタンク6は、インクを内部に収容する円筒状のタンク本体601と、タンク本体601の開口部に螺合するタンク蓋602と、タンク蓋602と収納部7を連結するように、一端603aをタンク蓋602に接合し、他端603bを収納部7の前面板77に接合しているヒンジ部603と、を有している。
このインクタンク6は、タンク本体601にタンク蓋602を螺合することで密封構造をとることができ、その内部を加圧することに耐え得る強度を有している。
ヒンジ部603は、収納部7に固定された他端603bに軸支されている一端603a側を回動させるようにして、ヒンジ部603に接合されているタンク蓋602をタンク本体601に螺合する位置と、タンク蓋602をタンク本体601から離間させる位置に移動させることを可能にしている。
タンク本体601は、後述するインクカートリッジ8を内部に収容することで、そのインクカートリッジ8に充填されているインクをインクタンク6内に貯留することを可能にしている。
このタンク本体601の周面には、インクタンク6内を加圧するために空気を注入するエアー注入口601aが設けられており、このエアー注入口601aに加圧ポンプ60が繋がれている。
また、タンク本体601の後面には、インクタンク6内のインクを画像形成部2の記録ヘッド51に向けて供給するためのインク流路管78が繋がれている。
タンク蓋602は、ヒンジ部603の一端603aが接合されている蓋中央部602aと、蓋中央部602aに回転可能に支持されていてタンク本体601に着脱される蓋本体602bとを有している。
蓋中央部602aと蓋本体602bの間には、ブッシュやベアリングなどの軸受部材が設けられており、ヒンジ部603に接合されている蓋中央部602aに対し、蓋本体602bは回転自在に連結されている。タンク蓋602がこのような構成をとることで、ヒンジ部603を介して収納部7に取り付けられたタンク蓋602の蓋本体602bを回転させて、タンク蓋602をタンク本体601に螺合させて取り付けたり、取り外したりすることが可能になっている。換言すれば、タンク蓋602を開閉する際に蓋本体602bが回転されても、ヒンジ部603を介して収納部7に固定された蓋中央部602aは止まった状態を維持することが可能になっている。
また、タンク蓋602の蓋中央部602aの内面には、インクタンク6内のインクの残量を検知する残量検知センサーSが設けられている。
このタンク蓋602の蓋本体602bには、蓋本体602bを回転させる操作を行うための取手部9が設けられている。
取手部9は、図11に示すように、蓋本体602bの回転軸に沿う向き(図11(b))と、蓋本体602bの回転軸に直交する向き(図11(a))とに切り替え可能になっている。
なお、図9に示すインクタンク6(のタンク蓋602)における取手部9は、蓋本体602bの回転軸に沿う向きに切り替えられた配置であり、隣接するインクタンク6のタンク蓋602の開閉の妨げにならないように、取手部9をコンパクトに収納した状態を示している。また、図10に示すインクタンク6(のタンク蓋602)における取手部9は、蓋本体602bの回転軸に直交する向きに切り替えられた配置であり、作業者が取手部9を握って蓋本体602bを回転させ易くした状態を示している。
この取手部9は、タンク蓋602(蓋本体602b)の径方向に延在する向きに固定されている軸部9aと、軸部9aにバネ部材(図示省略)を介して軸支されている握部9bとを有している。
そして、図11(a)に示す取手部9の握部9bを軸部9aの軸方向に引き出して折り曲げるように回動させることで、図11(b)に示す配置に切り替えることができる。また、図11(b)に示す取手部9の握部9bを軸部9aの軸方向に沿わせるように回動させることで、図11(a)に示す配置に切り替えることができる。
インクタンク6の内部に収容するインクカートリッジ8は、図12に示すように、カートリッジ本体8aと、カートリッジ蓋8bと、カートリッジ取手8cとを備えている。
カートリッジ本体8aは、円筒状の部材であり、その内部にインクが充填されている。
カートリッジ蓋8bは、カートリッジ本体8aの内面に摺接する円盤状の部材であり、カートリッジ本体8a内に充填されたインクを覆うとともに、カートリッジ本体8a内のインク量に応じて移動可能に配されている。
カートリッジ取手8cは、インクカートリッジ8をインクタンク6のタンク本体601に着脱する際に掴む取手であり、カートリッジ本体8aの開口端に取り付けられている。
このインクカートリッジ8をインクタンク6(タンク本体601)内部の所定位置に装填することで、図13に示すように、カートリッジ本体8aの後面に形成される小孔とインク流路管78とが繋がるようになっている。
そして、タンク本体601にタンク蓋602が螺着されて閉蓋されたインクタンク6内にエアー注入口601aから加圧ポンプ60によって空気を送り込み、インクタンク6の内部を加圧することで、その空気圧によってカートリッジ蓋8bをカートリッジ本体8aの後面に向けて押し込むことができ、インクカートリッジ8内のインクをインク流路管78を通じて記録ヘッド51へ供給することができる。
ここで、インクタンク6(インクカートリッジ8)内のインクが記録ヘッド51に向けて供給されるにつれて、カートリッジ蓋8bはタンク蓋602から離間する方向に移動するので、カートリッジ蓋8bの位置をタンク本体601内に収容されたインクの基準面とすれば、タンク蓋602とカートリッジ蓋8bとの間の距離に応じて、タンク本体601内のインク残量を検知することが可能になる。
残量検知センサーSは、タンク蓋602の蓋中央部602aの内面に設けられている測距センサーであって、インクタンク6内のインク基準面であるカートリッジ蓋8bとの間の距離を測定し、タンク蓋602とカートリッジ蓋8bとの間の距離に応じて、タンク本体601内のインク残量を検知することができる。
特に、残量検知センサーSは、タンク蓋602を開閉する際に蓋本体602bが回転されても止まった状態を維持できる蓋中央部602aに設けられているので、残量検知センサーSは安定した姿勢を維持することができ、カートリッジ蓋8bの位置を正確に測定してインク残量の検知を行うことができる。
なお、残量検知センサーSが検知したインク残量は、タンク蓋602または収納部7の前面板77に表示するようにすることで、タンク蓋602を開蓋することなく、インクタンク6内のインクの残量を確認することが可能になる。
このように、タンク本体601にタンク蓋602を螺合することで密封構造をとることができるインクタンク6は、その内部を加圧することによって、インクタンク6内に貯留しているインクを記録ヘッド51に向けて良好に供給することができる。
また、インクタンク6にインクを補充するように、タンク本体601にインクカートリッジ8を装填する際、開蓋したタンク蓋602はヒンジ部603によって保持されているので、インクの補充後、速やかにタンク蓋602をタンク本体601に螺着することができ、インク補充作業を効率よく行うことができる。
また、タンク蓋602(蓋本体602b)を回転させる操作を行う取手部9は、作業者が取手部9を握って蓋本体602bを回転させ易い向きと、隣接するインクタンク6のタンク蓋602の開閉の妨げにならない向きに切り替えることができるので、タンク蓋602の開蓋・閉蓋を作業性よく行うことができる。
(インクジェット記録装置の主制御構成)
図14はインクジェット記録装置1の主制御構成を示すブロック図である。図14に示すように、インクジェット記録装置1の制御手段10には、受け渡しドラム22を回転させる受け渡しモーター62と、画像形成ドラム21を回転させるドラム回転モーター61と、給紙部3の各駆動部を駆動させる給紙モーター63と、集積部4の各駆動源を駆動させる排紙モーター64と、記録ヘッド51を駆動させるヘッド駆動回路65と、ドラム温度センサー91と、第一の加熱部の加熱ローラー71と、加熱部温度センサー92と、加熱ローラー72と、吸着部212と、UVランプ52と、冷却ファン53と、残量検知センサーSと、加圧ポンプ60と、形成画像の光沢の度合いをオペレーターが設定入力するための光沢調整ボタン68と、記録媒体厚さ入力部81と、記録媒体種類入力部82とが電気的に接続されている。
そして、制御手段10は、インクジェット記録装置1の各構成要素を制御するためのプログラムを記憶するROMと、プログラムを実行するCPUと、プログラム実行の際の作業領域となるRAM等から構成されている。
また、制御手段10には、上位装置としてのホストコンピューターからインターフェイス回路66を介して入力された形成画像データーを記憶する画像メモリー回路67が併設されている。制御手段10のCPUは、画像メモリー回路67に格納された画像のデーターやプログラムに基づいて演算を行い、この演算結果に基づいて各構成要素に制御信号を送信する。
また、上記制御手段10は、加熱ローラー71の加熱制御を行う加熱制御手段として機能する。
記録媒体厚さ入力部81は、オペレーターが画像形成を行う記録媒体Pの厚さを入力するものであり、記録媒体種類入力部82は、オペレーターが画像形成を行う記録媒体Pの種類を入力するものである。
制御手段10は、記録媒体Pの厚さと種類に応じて加熱制御を実施する。具体的には、記録媒体Pの種類と厚さの二つのパラメータにより加熱ローラー71の設定温度T4,T5を定めたテーブルデーターを制御手段10が記憶しており、これらの入力により設定温度T4,T5を決定する処理を行う。
加熱ローラー71は、記録媒体Pを早く所望の温度範囲まで昇温させるために設けたものであり、T4,T5は加熱ローラー71の熱伝導性や記録媒体Pとの接触時間等により決定される。
下表に記録媒体Pの種類と厚さの二つのパラメータにより各設定温度T4,T5を定めたテーブルデーターの一例を示す。なお、表の温度はすべて摂氏で表記している。また、表に記載のT1は画像形成時における画像形成ドラム21の目標温度帯域を示す画像形成ドラム設定温度の範囲の下限値、T2は画像形成ドラム設定温度の範囲の中間値、T3は画像形成ドラム21の設定温度の範囲の上限値である。
Figure 2013230632
(インク)
本発明で使用するインクはエネルギー線(活性光線、例えば紫外線)が照射されることで硬化する活性光線硬化型インクである。この活性光線硬化型インクは、ゲル化剤を1質量%以上10質量%未満含有しており、温度により可逆的にゾルゲル相転移することを特徴とする。本発明でいうゾルゲル相転移とは、高温では流動性を持つ溶液状態であるが、ゲル化温度以下に冷却することで液全体がゲル化し流動性を失った状態に変化し、逆に低温で流動性を失った状態であるが、ゾル化温度以上に加熱することで、流動性を持つ液体状態に戻る現象を指す。
本発明でいうゲル化とは、ラメラ構造、非共有結合や水素結合により形成される高分子網目、物理的な凝集状態によって形成される高分子網目、微粒子の凝集構造などの相互作用、析出した微結晶の相互作用などにより、物質が独立した運動を失って集合した構造を指しており、急激な粘度上昇や弾性増加を伴って固化した、または半固化した、または増粘した状態のことを指す。また、ゾル化とは前記ゲル化により形成された相互作用が解消されて、流動性を持つ液体状態に変化した状態の事を指す。また本発明でいうゾル化温度とは、ゲル化したインクを加温していく際に、ゾル化により流動性が発現する温度であり、ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却していく際に、ゲル化して流動性が低下する際の温度を指す。
前記ゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクは、高温では液体状態であるため、インクジェット記録ヘッドによる吐出が可能となる。この高温状態の活性光線硬化型インクを用いて記録すると、インク滴が記録媒体に着弾した後、温度差により自然冷却されることで速やかにインクが固化し、結果として隣り合うドット同士の合一を防いで画質劣化を防止できる。しかし、インク滴の固化力が強い場合には、ドット同士が孤立することで画像部に凹凸が生じ、極端な光沢低下や不自然なキラキラ感といった、光沢不均質感を招く場合があった。発明者らが鋭意検討した結果、インク滴の固化力、インクのゲル化温度、および記録媒体の温度を以下の範囲にすることで、インク滴同士の合一を防止して画質劣化を防ぐことができ、さらに最も自然な光沢感が得られることを見出した。すなわち、ゲル化剤を0.1質量%以上10質量%未満含有したインクの25℃における粘度が10mPa・s以上10mPa・s未満であるインクを用い、かつ該ゲル化剤によるインクのゲル化温度(Tgel)と記録媒体の表面温度(Ts)の差を5℃以上15℃以下に制御して印字することで、インク液滴合一の防止による高画質と自然な光沢感の両立が可能となる。なおこの場合、媒体の調温範囲は42℃以上、48℃以下に相当する。
この理由について発明者らは次のように考えている。記録媒体にインク滴が着弾した後、隣り合うインク滴が着弾する前にインクが固化すると、光沢低下や画像部の不自然なキラキラ感が発生する。一方で隣り合うインク滴が着弾して合一した後時間を経てから固化すると、液滴同士が寄り合うため極端な画質劣化につながる。発明者らが鋭意検討した結果、インクの着弾時の粘度を制御することで液の合一が防止でき、かつ隣り合うインク滴が適度にレベリングして自然な光沢感を得られることが分かった。
また、ゲル化剤を0.1質量%以上10質量%未満含有したインクの25℃における粘度が10mPa・s以上10mPa・s未満であるインクを用いることで、上記基材温度範囲における粘度制御が可能となり画質と自然な光沢が両立できる。その理由としては、以下のように推測している。25℃における粘度が10mPa・s未満のインクでは、液の合一を防止するには粘度が不十分であり、上記温度範囲では画質が劣化してしまう。また、25℃における粘度が10mPa・s以上のインクでは、ゲル化後の粘度が高く、かつ冷却過程で大きく粘度が増加する傾向があり、上記温度範囲では適度にレベリングさせる粘度に制御することが困難となり、光沢低下を生じてしまう。また、本発明のインクは、ゲル化後に適度な粘性を持った粘性ゲルとなるため、ドットの固化力をより適切に抑える事が可能になり、結果としてより自然な光沢感を持った画質が得られるものと考えている。
なお本発明における光沢均質感とは、絶対的な光沢値、例えば60度正反射光沢値などを指すものではなく、画像上の微視的な光沢差に起因する不自然なキラキラ感や不必要な光沢低下、スジ状の光沢ムラといった、画像の一部において光沢が不均質になった状態が見られず、画像全面、特にベタ印字部の光沢が均質になった状態を指す。
本発明に記載の活性光線硬化型インクを用いて、インクのゲル化温度(Tgel)と記録媒体の表面温度(Ts)の差を5℃以上、15℃以下に調温することで、画質劣化がなく、文字などの細線の尖鋭性に優れ、自然な光沢感を持った画像を形成することが可能となるが、記録媒体の温度を5℃以上、10℃以下の範囲に調温することでより優れた画像を形成することが可能となる。
以下、本発明で使用される活性光線硬化型インクのインク組成物について順次説明する。
(ゲル化剤)
本発明でいうゲル化とは、ラメラ構造、非共有結合や水素結合により形成される高分子網目、物理的な凝集状態によって形成される高分子網目、微粒子の凝集構造などの相互作用、析出した微結晶の相互作用などにより、物質が独立した運動を失って集合した構造を指しており、急激な粘度上昇や弾性増加を伴って固化した、または半固化した、または増粘した状態のことを指す。
一般に、ゲルには、加熱により流動性のある溶液(ゾルと呼ばれる場合もある)となり、冷却すると元のゲルに戻る熱可逆性ゲルと、一旦ゲル化してしまえば加熱しても、ふたたび溶液には戻らない熱不可逆性ゲルがある。本発明に係るオイルゲル化剤によって形成されるゲルは、ヘッド内の目詰まり防止の観点からは、熱可逆性ゲルであることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクにおいては、インクのゲル化温度(相転移温度)が、40℃以上、100℃未満であることが好ましく、より好ましくは45℃以上、70℃以下である。夏場環境での気温を考慮すると、インクの相転移温度が40℃以上であれば、記録ヘッドからインク液滴を吐出する際に、印字環境温度に影響されることなく安定した出射性を得ることができ、また90℃未満であれば、インクジェット記録装置を過度の高温に加熱する必要がなく、インクジェット記録装置のヘッドやインク供給系の部材への負荷を低減することができる。
本発明でいうゲル化温度とは、流動性のある溶液状態から急激に粘度が変化してゲル状態になる温度のことを言い、ゲル転移温度、ゲル溶解温度、相転移温度、ゾル−ゲル相転移温度、ゲル化点と称される用語と同義である。
本発明において、インクのゲル化温度の測定方法は、例えば、各種レオメータ(例えばコーンプレートを使用したストレス制御型レオメータ、PhysicaMCRシリーズ、Anton Paar社製)を用いて、ゾル状態にある高温のインクを低剪断速度で温度変化をさせながら得られる粘度曲線、動的粘弾性の温度変化を測定することで得られる粘弾性曲線から求めることができる。また、ガラス管に封じ込めた小鉄片を膨張計の中にいれ、温度変化に対してインク液中を自然落下しなくなった時点を相転移点とする方法(J.Polym.Sci.,21,57(1956))、インク上にアルミニウム製シリンダーを置き、ゲル温度を変化させた時に、アルミニウム製シリンダーが自然落下する温度を、ゲル化温度として測定する方法(日本レオロジー学会誌 Vol.17,86(1989))が挙げられる。また、簡便な方法としては、ヒートプレート上にゲル状の試験片を置き、ヒートプレートを加熱していき、試験片の形状が崩れる温度を測定し、これをゲル化温度として求めることができる。なお、使用するゲル化剤の種類、ゲル化剤の添加量、活性光線硬化型モノマーの種類を変えることで、インクのゲル化温度(相転移温度)は調整可能である。
本発明のインクにおいては、インクの25℃における粘度が10mPa・s以上10mPa・s未満であることが好ましく、より好ましくは10mPa・s以上10mPa・s未満である。インク粘度が10mPa・s以上であれば、ドットの合一による画質の劣化を防止でき、10mPa・s未満であれば、インク着弾時の記録媒体の表面温度を制御することで、適度にレベリングさせることで均質な光沢が得られる。なお、インクの粘度は使用するゲル化剤の種類、ゲル化剤の添加量、活性光線硬化型モノマーの種類を変えることで適宜調製することが可能である。本発明でいう粘度とは、コーンプレートを使用したストレス制御型レオメータ、PhysicaMCRシリーズ、Anton Paar社製)を用いて、剪断速度11.7s−1で測定されたものである。
本発明に係るインクで用いられるゲル化剤は、高分子化合物であっても、低分子化合物であってもよいが、インクジェット射出性の観点から低分子化合物が好ましい。
以下に、本発明に係るインクで用いることのできるゲル化剤の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物にのみ限定されるものではない。
本発明で好ましく用いられる高分子化合物の具体例としては、ステアリン酸イヌリンなどの脂肪酸イヌリンや、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリンなどの脂肪酸デキストリン(レオパールシリーズとして千葉製粉より入手可能)や、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、ベヘン酸エイコサン二酸ポリグリセリル(ノムコートシリーズとして日清オイリオより入手可能)などが挙げられる。
本発明で好ましく用いられる低分子化合物の具体例としては、例えば特開2005−126507号や特開2005−255821号や特開2010−111790号の各公報に記載の低分子オイルゲル化剤や、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドなどのアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能)や、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)などのジベンジリデンソルビトール類や、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油系ワックスや、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、ホホバエステルなどの植物系ワックスや、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウなどの動物系ワックスや、モンタンワックス、水素化ワックスなどの鉱物系ワックスや、硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体や、モンタンワックス誘導体,パラフィンワックス誘導体,マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体などの変性ワックスや、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エルカ酸などの高級脂肪酸や、ステアリルアルコ−ル、ベヘニルアルコ−ルなどの高級アルコ−ルや、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシステアリン酸や、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体や、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノ−ル酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド(例えば、ニッカアマイドシリーズ 日本化成社製や、ITOWAXシリーズ 伊藤製油社製や、FATTYAMIDシリーズ 花王社製)や、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミドなどのN−置換脂肪酸アミドや、N,N´−エチレンビスステアリルアミド、N,N′−エチレンビス12−ヒドロキシステアリルアミド、N,N′−キシリレンビスステアリルアミドなどの特殊脂肪酸アミドや、ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミンや、ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコ−ル脂肪酸エステル、エチレングリコ−ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル化合物(例えばEMALLEXシリーズ 日本エマルジョン社製や、リケマールシリーズ 理研ビタミン社製や、ポエムシリーズ 理研ビタミン社製)や、ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸などのショ糖脂肪酸エステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製)や、ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックスなどの合成ワックスや、重合性ワックス(UNILINシリーズ Baker−Petrolite社製)や、ダイマー酸、ダイマージオール(PRIPORシリーズ CRODA社製)などが挙げられる。また、上記のゲル化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本発明のインクは、ゲル化剤を含有することにより、インクジェット記録ヘッドより吐出された後、記録媒体上に着弾すると直ちにゲル状態となり、ドット同士の混じり合い・ドットの合一が抑制され高速印字時の高画質形成が可能となり、その後、活性光線の照射により硬化することにより記録媒体上に定着され強固な画像膜を形成する。ゲル化剤の含有量としては、1質量%以上、10質量%未満が好ましく、2質量%以上、7質量%未満がより好ましい。1質量%以上とすることで、ゲル形成が十分にされてドットの合一による画質の劣化を抑制でき、かつゲル形成によるインク液滴の増粘によって光ラジカル硬化系で用いた場合には酸素阻害による光硬化性低減することができ、また、10質量%未満とすることで、活性光線照射後の未硬化成分による硬化膜の劣化、インクジェット射出性の劣化を低減できる。
(活性光線硬化型組成物)
本発明のインクにおいては、ゲル化剤、色材と共に、活性光線で硬化する活性光線硬化型組成物を含有することを特徴とする。
本発明に用いられる活性光線硬化型組成物(以下、光重合性化合物ともいう)について説明する。
本発明でいう活性光線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している紫外線または電子線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
本発明において、活性光線の照射により架橋または重合する光重合性化合物としては、特に制限なく用いることができるが、中でも光カチオン重合性化合物または光ラジカル重合性化合物を用いることが好ましい。
(カチオン重合性化合物)
光カチオン重合性モノマーとしては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
本発明においては、インク硬化の際の記録媒体の収縮を抑える目的で、光重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することが好ましい。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することにより得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明でいうオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物において、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、インク組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になること、またインク組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなることがある。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
本発明で好ましく用いることのできるオキセタン環を有する化合物としては、特開2005−255821号公報の段落番号(0089)に記載されている、一般式(1)で表される化合物、同じく同号公報の段落番号(0092)に記載されている、一般式(2)、段落番号(0107)の一般式(7)、段落番号(0109)の一般式(8)、段落番号(0166)の一般式(9)等で表される化合物を挙げることができる。
具体的には、同号公報の段落番号(0104)〜(0119)に記載されている例示化合物1〜6及び段落番号(0121)に記載されている化合物を挙げることができる。
(ラジカル重合性化合物)
次いで、ラジカル重合性化合物について説明する。
光ラジカル重合性モノマーとしては、各種公知のラジカル重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料と、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号公報、特開平8−324137公報等に公開されている。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
本発明のラジカル重合性化合物としては、公知のあらゆる(メタ)アクリレートモノマー及び/またはオリゴマーを用いることができる。本発明でいう「および/または」は、モノマーであっても、オリゴマーであっても良く、更に両方を含んでも良いことを意味する。また、以下に述べる事項に関しても同様である。
(メタ)アクリレート基を有する化合物としては、例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可撓性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三官能以上の多官能モノマーが挙げられる。この他、重合性のオリゴマー類も、モノマー同様に配合可能である。重合性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が挙げられる。更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(185年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79ページ、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマーオリゴマー及びポリマーを用いることができる。
なお、感作性、皮膚刺激性、眼刺激性、変異原性、毒性などの観点から、上記モノマーの中でも、特に、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ラクトン変性可とう性アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
更に、これらの中でも、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが特に好ましい。
本発明においては、重合性化合物としてビニルエーテルモノマー及び又はオリゴマーと(メタ)アクリレートモノマー及び又はオリゴマーを併用しても構わない。ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。ビニルエーテルオリゴマーを用いる場合は、分子量が300〜1000で、エステル基を分子内に2〜3個持つ2官能のビニルエーテル化合物が好ましく、例えばALDRICH社のVEctomerシリーズとして入手可能な化合物、VEctomer4010、VEctomer4020、VEctomer4040、VEctomer4060、VEctomer5015などが好ましく挙げられるが、この限りではない。
また本発明においては、重合性化合物として各種ビニルエーテル化合物とマレイミド化合物を併用して用いることも可能である。マレイミド化合物としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N,N′−メチレンビスマレイミド、ポリプロピレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、テトラエチレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエチル)カーボネート、N,N′−(4,4′−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N′−2,4−トリレンビスマレイミド、あるいは、また特開平11−124403号公報に開示されているマレイミドカルボン酸と種々のポリオール類とのエステル化合物である多官能マレイミド化合物などが挙げられるが、この限りではない。
上記カチオン重合性化合物及びラジカル重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
(インクの各構成要素)
次いで、本発明のインクについて、上記項目を除いた各構成要素について説明する。
(色材)
本発明のインクにおいては、インクを構成する色材としては、染料あるいは顔料を制限なく用いることができるが、インク成分に対し良好な分散安定性を有し、かつ耐候性に優れた顔料を用いることが好ましい。顔料としては、特に限定されるわけではないが、本発明には、例えば、カラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤或いはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、
緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、
黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26などが目的に応じて使用できる。
具体的に商品名を示すと、例えば、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレットRE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製)、KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製)、Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製)、Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製)、Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製)、カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)などが挙げられる。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。
また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。更には、下記のものが挙げられる。
顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」;共栄化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」;楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」等が挙げられる。
更には、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)」、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」;ゼネカ社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13240、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000、32000」;日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」等が挙げられる。
これらの顔料分散剤は、インク中に0.1〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明のインクでは、印字後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、記録ヘッドのノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
また、本発明のインクにおいては、従来公知の染料、好ましくは油溶性染料を必要に応じて用いることができる。本発明で用いることのできる油溶性染料として、以下にその具体例を挙げるが、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。
(マゼンタ染料)
MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)。
(シアン染料)
MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)。
(イエロー染料)
MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)。
(ブラック染料)
MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等である。
顔料あるいは油溶性染料の添加量は0.1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは0.4〜10質量%である。0.1質量%以上であれば、良好な画像品質を得ることができ、20質量%以下であれば、インク出射における適正なインク粘度を得ることができる。又、色の調整等で2種類以上の着色剤を適時混合して使用できる。
(光重合開始剤)
本発明のインクにおいて、活性光線として紫外線等を用いる場合には、少なくとも1種の光重合開始剤を含有することが好ましい。だたし、活性光線として電子線を用いる場合には、多くの場合、光重合開始剤を必要としない。
光重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型の2種に大別できる。
分子内結合開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンの如きアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル、などが挙げられる。
一方、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンの如きチオキサントン系;ミヒラ−ケトン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、などが挙げられる。
光重合開始剤を使用する場合の配合量は、活性光線硬化型組成物の0.01〜10質量%の範囲が好ましい。
また、ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、特公昭61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び特開昭61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、特公昭44−6413号、特公昭44−6413号及び特公昭47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同第2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、特公昭37−13109号、特公昭38−18015号、特公昭45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307頁(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、ヨーロッパ特許第126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の金属アレン錯体、特許第2711491号及び特許第2803454号明細書に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.01から10質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
また、本発明のインクにおいては、光重合開始剤として、光酸発生剤も用いることができる。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例としては、特開2005−255821号公報の段落番号(0132)に記載されている化合物を挙げることができる。
第2に挙げられる、スルホン酸を発生するスルホン化物の具体的な化合物としては、特開2005−255821号公報の段落番号(0136)に記載されている化合物を挙げることができる。
第2に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、その具体的な化合物としては、特開2005−255821号公報の段落番号(0138)に記載されている化合物を挙げることができる。
第3に、特開2005−255821号公報の段落番号(0140)に記載されている鉄アレン錯体を挙げることができる。
(その他の添加剤)
本発明に係る活性光線硬化型インクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。
以下、本実施形態で用いられるインクの具体例を列挙する。
なお、以下のインク組成物において用いられる顔料分散体は、ソルスパーズ32000(ルーブリゾール社製)5部と、HD−N(1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート:新中村化学社製)80部とをステンレスビーカーに入れ加熱撹拌溶解し、これを室温まで冷却した後、カーボンブラック(#56:三菱化学社製)15部を加えて、0.5mmのジルコニアビーズとともにガラスビンに入れ密栓し、ペイントシェーカーにて10時間分散処理してから、ジルコニアビーズを除去したものである。
Figure 2013230632
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Figure 2013230632
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以上のように、このインクジェット記録装置1は、画像形成ドラム21上の記録媒体Pに記録ヘッド51によって画像を直接的に形成することができるので、画像形成ドラムから記録媒体Pへ画像を転写する方式の画像形成装置に比べて、高画質の画像形成を行うことができる。
また、本発明に係るインクジェット記録装置1は、インクを貯留するインクタンク6と、インクタンク6を収納する収納部7とを備えたインク供給ユニット5を有しており、インクタンク6は、タンク本体601にタンク蓋602を螺合することで密封構造をとることができるので、そのインクタンク6内部を加圧することによって、インクタンク6内に貯留しているインクを記録ヘッド51に向けて良好に供給することができる。
特に、インクタンク6にインクを補充する際(タンク本体601にインクカートリッジ8を装填する際)に開蓋したタンク蓋602は、ヒンジ部603によって接合された収納部7に保持されているので、インクの補充後、速やかにタンク蓋602をタンク本体601に螺着することができ、インク補充作業を効率よく行うことができる。
また、タンク蓋602(蓋本体602b)を回転させる操作を行う取手部9は、作業者が取手部9を握って蓋本体602bを回転させ易い向きと、隣接するインクタンク6のタンク蓋602の取手部9とぶつからない向きに切り替えることができるので、タンク蓋602を開蓋・閉蓋する操作を好適に行うことができる。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 インクジェット記録装置
2 画像形成部
3 給紙部
4 集積部
5 インク供給ユニット
6 インクタンク
601 タンク本体
601a エアー注入口
60 加圧ポンプ
602 タンク蓋
602a 蓋中央部
602b 蓋本体
603 ヒンジ部
603a 一端
603b 他端
7 収納部
8 インクカートリッジ
8a カートリッジ本体
8b カートリッジ蓋
8c カートリッジ取手
9 取手部
21 画像形成ドラム
51 記録ヘッド
52 UVランプ
P 記録媒体
S 残量検知センサー

Claims (3)

  1. インクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクを収納する収納部とを備え、前記インクタンクの内部を加圧することで、前記インクタンク内に貯留されているインクを記録ヘッドに向けて供給するインク供給ユニットであって、
    前記インクタンクは、
    インクを内部に収容するタンク本体と、
    前記タンク本体に螺合するタンク蓋と、
    前記タンク蓋と前記収納部を連結するように、一端を前記タンク蓋に接合し、他端を前記収納部に接合しているヒンジ部と、を有し、
    前記タンク蓋は、
    前記ヒンジ部の一端が接合されている蓋中央部と、
    前記蓋中央部に回転可能に支持されて、前記タンク本体に着脱される蓋本体と、
    を有していることを特徴とするインク供給ユニット。
  2. 前記蓋本体には、当該蓋本体を回転させる操作を行うための取手部が設けられており、
    前記取手部は、前記蓋本体の回転軸に沿う向きと、前記回転軸に直交する向きに切り替え可能であることを特徴とする請求項1に記載のインク供給ユニット。
  3. 前記タンク本体内に収容された前記インクの基準面は、前記インクが前記記録ヘッドに向けて供給されるにつれて、前記タンク蓋から離間する方向に移動するようになっており、
    前記蓋中央部の内面には、前記インクの基準面との距離に応じて、前記タンク本体内のインク残量を検知するセンサーが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク供給ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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