JP2015174334A - ゾルゲル相転移型インクジェットインクを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体、高精細であって、かつ、広色域であるカラー画像を記録することができるインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが、ゲル化剤及び色材を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有して、温度によりゾルゲル相転移をし、複数のインクジェットインクのうち、第1のインクを記録媒体110上に着弾させてから1秒以内に、第2のインクを該第1のインク上に着弾させて、第1のインクと第2のインクとを積層させる積層工程を含み、積層工程において、第1のインク上に形成された第2のインクのドット面積が、第1のインク上に着弾させた第2のインクの液滴量と同一の液滴量で記録媒体110上に形成された第2のインクのドット面積の、80%以上120%以下とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ゾルゲル相転移型インクジェットインクを用いたインクジェット記録方法に関する。また、本発明は、ゾルゲル相転移型インクジェットインクを用いたインクジェット記録方法を用いたインクジェット記録装置に関する。
従来、紫外線や電子線などの活性エネルギー線により硬化する活性光線硬化型組成物は、プラスチック、紙、木工および無機質等の塗料、接着剤、印刷インキ、印刷回路基板および電気絶縁関係等の種々の用途に実用化されている。また、重合性組成物を使用したインクジェット用インクシステムとしては、紫外線で硬化する紫外線硬化型インクジェットインクがあるが、この紫外線硬化型インクを用いたインクジェット方式は、インク吸収性のない記録媒体において高い耐擦過性と密着性が確保できる点で、近年注目されつつある。
例えば特許文献1〜3において、ゲル化剤と硬化性モノマーとを含有するインクジェットインクを用いて画像を形成する方法が開示され、低温でゲル化させることが出来る物質を含有するインクを用いて、高温でヘッドより吐出させ、基材に着弾後冷却させてインクをゲル化させ、その後光硬化させる方法が提案されている。また、特許文献4においては低温でチキソトロピックなゲルを形成するインクで、同様な提案がなされている。
さらに、特許文献5では、ゲル化剤含有インクジェットインクを用いて記録媒体上に画像を形成する方法において、記録媒体の表面温度を制御することで光沢感の良好な画像を得る技術が提案され、特許文献6では、水系のインクジェットインクを用いて、インク組成物を凝集させる成分を含有した処理液を付与した記録媒体上に、多次色画像を形成する場合の色域の狭小化を抑制する方法が開示されている。
米国特許出願公開第2007/0123601号明細書 米国特許出願公開第2009/0234041号明細書 特開2010−115791号公報 特表2009−510184号公報 特開2012−40760号公報 特開2013−180423号公報
しかしながら、これら紫外線硬化型インクジェットインクを用いたインクジェットシステムによる画像形成方法では、ライン記録ヘッドを用いたシングルパス記録方式や、少数パスの高速シリアル方式といった高速記録の際に、隣り合うドット同士の合一を抑制できず、画質が劣る問題があった。また、カラー画像を記録する場合には、色間で色混じりが発生し、画質が低下する問題があった。これらの問題を解決する方法として、インク中にゲル化剤を含有し、温度により固液相転移する特徴を持つ活性光線硬化型インクを用いて、インク滴が着弾すると同時にインク滴を固化させることで、インク滴同士の合一を防止して画質劣化を防ぐことが必要である。
色相の異なる複数のインクジェットインクを用いてカラー画像を形成しようとしたときに、温度によるインク粘度の変化に対して、特にインクの吐出量が多い高濃度画像領域では、色間でのドット形成への違いに配慮する必要があるが、特許文献1〜5に記載の画像形成方法においては、複数色用いる場合の画像形成方法についての記載はされていない。また、特許文献6に記載の画像形成方法では、ゲル化剤を含有したインクジェットインクのように、インクそのものが固化する画像形成方法では色域の極小化を抑制することができない。
上記の事情に鑑みて、本発明は記録媒体、特には、非吸収性記録媒体及び微吸収性記録媒体において、高精細であって、かつ、広色域であるカラー画像を記録することができるインクジェット記録方法を提供することを目的とし、さらに、高光沢であって、かつ、色変動が少ないカラー画像を記録することができるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。また、本発明は、高精細であって、かつ、広色域であり、さらに、高光沢であって、かつ、色変動が少ないカラー画像を記録することができるインクジェット記録方法を用いたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、記録媒体上に色相の異なるゲル化剤を含有した複数色のインクジェットインクを順次積層させてカラー画像を記録する際、記録媒体上に先に着弾されるインクの硬さを特定の範囲に調整することで、後に、記録媒体上に着弾されるインクのドット面積の変動を抑制し、高精細であって、かつ、広色域であり、さらに、高光沢であって、かつ、色変動が少ないカラー画像を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するための具体的な手段は、以下の第(1)項〜第(9)項である。
(1)色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクを0.5〜15pLの液滴量で記録媒体に順次付与して、該記録媒体にカラー画像を記録するインクジェット記録方法であって、該複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが、ゲル化剤及び色材を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有して、温度によりゾルゲル相転移をし、
該複数のインクジェットインクのうち、第1のインクを記録媒体上に着弾させてから1秒以内に、第2のインクを該第1のインク上に着弾させて、該第1のインクと該第2のインクとを積層させる積層工程を含み、該積層工程において、該第1のインク上に形成された該第2のインクのドット面積が、該第1のインク上に着弾させた該第2のインクの液滴量と同一の液滴量で該記録媒体上に形成された該第2のインクのドット面積の、80%以上120%以下であることを特徴とする、インクジェット記録方法。
(2)前記記録媒体の表面温度を、前記第1のインクの、下記で定義されるゲル化温度(Tgel)の-5〜-15℃に制御し、さらに、前記第1のインクの、下記で定義される複素粘性率の平均値が50〜500Pa・sであって、かつ、前記第1のインクの、以下で定義される粘弾性曲線の線形近似の傾きが、絶対値で5〜50であることを特徴とする、第(1)項に記載のインクジェット記録方法。(ゲル化温度(Tgel)は、降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/s、降温速度0.1℃/sで温度変化させて得られる粘弾性曲線において、複素粘性率が1Paとなる温度を表す。複素粘性率の平均値は、ゲル化温度(Tgel)から−5〜−15℃の温度範囲における複素粘性率の値の平均を表す。粘弾性曲線の線形近似の傾きは、ゲル化温度(Tgel)から−5〜−15℃の温度範囲における、降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/s、降温速度0.1℃/sで温度変化させて得られる粘弾性曲線の線形近似の傾きを表す。)
(3)前記複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが装填された複数のインクジェットヘッドのうち、少なくとも1つのインクジェットヘッド内に存在するインクジェットインクの粘度を3mPa・s以上、20mPa・s未満にして、該インクジェットインクを前記記録媒体に吐出することを特徴とする、第(1)項又は第(2)項に記載のインクジェット記録方法。
(4)前記複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが光重合性化合物及び光重合開始剤を更に含み、前記積層工程で積層された前記第1のインクと前記第2のインクとに活性光線を照射して、前記第1のインクと前記第2のインクとを硬化させる工程を更に含むことを特徴とする、第(1)項〜第(3)項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(5)前記積層工程で前記第1のインクと前記第2のインクとが積層されてから、0.01〜5.0秒以内に前記活性光線を前記第1のインクと第2のインクとに照射することを特徴とする、第(4)項に記載のインクジェット記録方法。
(6)前記積層工程において、前記記録媒体の搬送速度が300mm/sec〜1500mm/secであることを特徴とする、第(1)項〜第(5)項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(7)前記複数のインクジェットインクが、イエローインク、シアンインク、マゼンタインク、及びブラックインクの群から選ばれる少なくとも2種のインクから構成されるインクセットであることを特徴とする、第(1)項〜第(6)項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(8)前記複数のインクジェットインクが、マゼンタインクと、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクの群から選ばれる少なくとも1種のインクとから構成されるインクセットであり、該マゼンタインクの色材が、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202の混晶顔料であることを特徴とする、第(1)項〜第(6)項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(9)第(1)項〜第(8)項のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法を用いることを特徴とする、インクジェット記録装置。
本発明によれば、記録媒体、特には、非吸収性記録媒体及び微吸収性記録媒体において、高精細であって、かつ、広色域であるカラー画像を記録するインクジェット記録方法が提供される。さらに、本発明によれば、高光沢であって、かつ、色変動が少ないカラー画像を記録するインクジェット記録方法が提供される。また、本発明によれば、高精細であって、かつ、広色域であり、さらに、高光沢であって、かつ、色変動が少ないカラー画像を記録することができるインクジェット記録方法を用いたインクジェット記録装置が提供される。
図1は、本発明によるインクジェット記録装置の好ましい態様であるライン記録方式のインクジェット記録装置10の要部の構成の一例を示す、側面図である。 図2は、本発明によるインクジェット記録装置の好ましい態様であるライン記録方式のインクジェット記録装置10の要部の構成の一例を示す、上面図である。 図3は、実施例1で用いられたマゼンタインク(M1)と比較例3で用いられたマゼンタインク(M6)の複素粘性率(Pa・S)と温度(℃)との関係を示す図である。
本発明について、以下に詳細に説明をする。
(1)インクジェット記録方法
本発明によるインクジェット記録方法は、色相の異なる複数のインクジェットインク(以下、インクジェットインクを単にインクと称する場合がある。)のそれぞれのインクを0.5〜15pLの液滴量で記録媒体に順次付与して、記録媒体にカラー画像を記録するインクジェット記録方法であって、複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが、ゲル化剤及び色材を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有して、温度によりゾルゲル相転移をし、複数のインクジェットインクのうち、第1のインク(以下、第1のインクジェットインクと称する場合がある。)を記録媒体上に着弾させてから1秒以内に、第2のインク(以下、第2のインクジェットインクと称する場合がある。)を第1のインク上に着弾させて、第1のインクと第2のインクとを積層させる積層工程を含み、積層工程において、第1のインク上に形成された第2のインクのドット面積が、第1のインク上に着弾させた第2のインクの液滴量と同一の液滴量で記録媒体上に形成された第2のインクのドット面積の、80%以上120%以下であることを特徴とする、インクジェット記録方法である。本発明によるインクジェット記録方法を使用することによって、高精細であって、かつ、広色域であり、さらには、高光沢であって、かつ、色変動が少ないカラー画像を記録することができる。ここで、第1のインクとは、記録媒体に1色目として、着弾されて印字されるインクを意味し、第2のインクとは、2色目として、着弾されて、第1のインク上に積層されるインクを意味する。そして、積層とは、例えば、第2のインクが第1のインクに積層させる場合は、第1のインクと、第2のインクとが少なくとも接触して、第1のインク上に第2のインクが存在することをいう。なお、本発明において、第3のインクジェットインク(以下、第3のインクと称する場合がある。)が、3色目として、着弾されて印字されて、第1のインク上及び/又は第2のインク上に積層されてもよい。さらに、第4以降のインクジェットインクが、4色目以降として、着弾されて印字されて、第1〜3のインクジェットインクの1つ以上のインクジェットインクに積層されてもよい。
本発明によるインクジェット記録方法は、色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクを0.5〜15pLの液滴量で記録媒体に順次付与して、該記録媒体にカラー画像を記録するインクジェット記録方法である。本発明によるインクジェット記録方法は、第1のインクジェットインクを記録媒体上に着弾させてから1秒以内に、第2のインクジェットインクを第1のインクジェットインク上に着弾させて、第1のインクと第2のインクとを積層させる積層工程を含み、積層工程において、第1のインクジェットインク上に形成された第2のインクジェットインクのドット面積が、第1のインクジェットインク上に着弾させた第2のインクジェットインクの液滴量と同一の液滴量で記録媒体上に形成された第2のインクジェットインクのドット面積の、80%以上120%以下であることを特徴とする。
第1のインクジェットインク上に形成された第2のインクジェットインクのドット面積と、第1のインクジェットインク上に着弾させた第2のインクジェットインクの液滴量と同一の液滴量で記録媒体上に形成された第2のインクジェットインクのドット面積との関係式は以下のようになる。
Di/Db=0.8〜1.2
Db:記録媒体上に形成された第2のインクジェットインクのドット面積
Di:第1のインクジェットインク上に形成された第2のインクジェットインクのドット面積
第1のインク及び第2のインクは色相が異なるインクであり、第1のインク及び第2のインクのそれぞれは、1種のみには限定されず、互いに色相が異なる2種以上のインクであってもよく、複数のインクを積層したときに下層にくるインクを第1のインクとし、上層にくるインクを第2のインクとする。本発明において、色相の異なるn種のインクである場合には、n次色の画像が形成される(nは2以上の整数)。インク液滴の吐出性を高めるためには、インクジェット記録ヘッド内のインクジェットインクの温度を、インクのゲル化温度より10〜30℃高い温度に設定することが好ましい。インクジェット記録ヘッド内のインク温度が、ゲル化温度+10℃未満であると、インクジェット記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インク液滴の吐出性が低下しやすい。一方、インクジェット記録ヘッド内のインクの温度が、ゲル化温度+30℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、ヘッド、インクジェット記録ヘッドに接続したインク流路、またはインク流路に接続したインクタンク等で加熱する。インクジェット記録ヘッドの各ノズルから吐出されるインク成分が劣化することがある。
色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクは、インクジェット記録ヘッドの各ノズルから吐出されるインク1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5〜15pLであることが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.5〜5.0pLであることがより好ましい。このような液滴量で高精細な画像を形成するには、着弾後のインクが合一しない、つまり、インクが十分にゾルゲル相転移する必要がある。本発明におけるインクは、ゾルゲル相転移が速やかに行われため、このような液滴量でも高精細な画像を安定して形成できる。
また、好適に光重合性化合物を含有した活性光線硬化型インクジェットインクの場合、液滴が小さいほど、酸素の影響が大きくなり、硬化感度の低下がより顕著に起こるが、本発明のインクにおいては速やかにゲル化するため、液滴中に酸素が入り込みにくくなるため、このような液滴量でも充分な硬化感度が得られる。
本発明によるインクジェット記録方法において、記録媒体上での第1のインクと2色目以降のインクの着弾間隔は1秒以下であり、これにより画像形成の高速化が図られる。着弾間隔が短いほど、2色目以降のドット形状の制御が難しくなり、色再現性の劣化や色変動が起きやすくなるため、本発明の効果が顕著に奏される。
本発明によるインクジェット記録方法を使用することによって、イエローインク(Y)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、及びブラックインク(K)の1次色の群から選ばれる少なくとも2種のインクを組み合わせて使用して、2次色以上の色を再現する際に、ハイライト部からシャドウ部まで想定通りの発色性が得られ、さらに、広い色域が得られる。特には、液滴サイズが小さいほど、同一面積に対して、打ち込まれるドットの数が多くなるため、色相の異なる複数のインクジェットインクを重ねてカラー画像を形成する場合、上層(例えば、第2のインクジェットインク)に着弾されて、印字されるドットが所望の面積にならないと色再現性に与える影響が大きくなる。詳細には、色相の異なる複数のインクジェットインクを積層させて積層する工程を含むインクジェット記録方法において、第2のインクジェットインクのドットの面積に関して、本発明では第1のインク上に着弾して形成されるドットの面積が、同一の液滴量を、記録媒体上に直接、印字して形成されるドットの面積の80%以上120%以下となる。
第1のインク上での2色目以降に着弾されるドットの面積が、80%以上の場合、ある程度濡れ拡がっていることを示し、120%以下の場合、過度の濡れ拡がりが抑制されていることを示しており、即ち、想定通りの発色性を有し、広い色域を有している。第1のインク上での2色目以降に印字されるドットの面積が、80%より小さいと、2色目以降の発色性が損なわれ、色域が狭くなってしまう。一方、120%より大きくなると、下層にあるインクの発色性を抑制し、色域が狭くなってしまう。本発明においては、第1のインク上での2色目以降に印字されるドットの面積は80%以上120%以下であり、90%以上110%であることが好ましい。本発明における、ドット面積は印刷物として完成した時点でのドット面積のことを意味し、インクが溶剤や活性光線硬化性組成物等の化合物を含有している場合には、乾燥や硬化処理など印刷物として完成させるための必要な処理を行い、インクが下層のインク上又は記録媒体に定着した状態での面積のことを意味する。このような面積は、キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−500を用いて測定することができる。
本発明において、第1のインク上に、第2以降のインクが2色目以降として着弾されて印字されて、形成されるドットの面積を決める因子として、2色目以降のインク(以下、上層のインクと称する場合がある。)が着弾されて印字されるときの第1のインク(「下層のインク」ともいう)の硬さが挙げられる。本発明でおけるインクは、ゲル化剤と色材を含有しており、温度により可逆的にゾルゲル相転移することを特徴とする。本発明でいうゾルゲル相転移とは、高温では流動性を持つ溶液状態であるが、ゲル化温度以下に冷却することで液全体がゲル化し流動性を失った状態に変化し、逆に低温で流動性を失った状態であるが、ゾル化温度以上に加熱することで、流動性を持つ液体状態に戻る現象を指す。本発明でいうゲル化とは、ラメラ構造、非共有結合や水素結合により形成される高分子網目、物理的な凝集状態によって形成される高分子網目、微粒子の凝集構造などの相互作用、析出した微結晶の相互作用などにより、物質が独立した運動を失って集合した構造を指しており、急激な粘度上昇や弾性増加を伴って固化した、または半固化した、または増粘した状態の事を指し、ゾル化とは前記ゲル化により形成された相互作用が解消されて、流動性を持つ液体状態に変化した状態の事を指す。本発明でいう、ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却していく際に、ゲル化して流動性が低下する際の温度を指す。
温度によりゾルゲル相転移するインクジェットインクは、高温では液体状態であるため、インクジェット記録ヘッドによる吐出が可能となる。この高温状態のインクを用いて記録すると、インクの液滴が記録媒体に着弾した後、温度差により自然冷却されることで速やかにインクが固化し、結果として隣り合うドット同士の合一を防いで画質劣化を防止できる。しかし、インク滴の固化力が強い場合には、ドット同士が孤立することで画像部に凹凸が生じ、極端な光沢低下や不自然なキラキラ感といった、光沢不均質感を招く場合がある。ここで、記録媒体の表面温度をインクのゲル化温度(Tgel)を好ましく−5から−15℃に制御することで、インク滴同士の合一を防止して画質劣化を防ぐことができ、さらに高く自然な光沢感が得られる。
同一ヘッドの複数のノズルから同一の色相のインクジェットインクが吐出される場合、記録媒体にインクの液滴が着弾した後、隣り合うインク滴が着弾する前にインクが固化すると、光沢低下や画像部の不自然なキラキラ感が発生する。一方で隣り合うインク滴が着弾して合一した後時間を経てから固化すると、液寄りが発生し、極端な画質劣化につながる。
複数の異なるヘッドから吐出された、色相の異なる複数のインクを重ねて印字する場合、先に印字されたインク(第1のインク)の表面状態により、2色目以降のドット形状が制御される。すなわち、第1のインクの固化が弱い場合、表面のタック感が強くなるため2色目以降のドットの拡がりが抑制されたり、表面が柔軟なため2色目以降のドットの沈み込みが起こり、発色性が損なわれてしまう。また、第1のインクの固化が強い場合、ピニングが強いためインク層表面の凹凸が大きくなり、2色目以降のドット形状が歪になったり、きれいに濡れ拡がらないことで、光沢低下が起こったり、発色性が損なわれてしまう。
第1のインクのゲル化温度(Tgel)の−5から−15℃における複素粘性率を50〜500Pa・sの好ましい範囲にすることで、2色目以降のドットの濡れ拡がりを制御して、より広い色域、及びより高い光沢を得られる。
ここで、ゲル化温度Tgel、複素粘性率は各種レオメータ(例えばコーンプレートを使用したストレス制御型レオメータ、PhysicaMCRシリーズ、Anton Paar社製)を用いて、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することで得られる。ゲル化温度は昇温/降温速度により変化する性質があるため、本発明においては下記のように定義する。
本発明で用いられるインクジェットインクのゲル化温度(Tgel)及び複素粘性率は、降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/sで動的粘弾性の温度変化を測定した際に得られる値であり、ゲル化温度Tgelは降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/sで動的粘弾性の温度変化を測定した際に、複素粘性率が1Pa・s以上となる温度である。本発明におけるゲル化温度(Tgel)の−5から−15℃における複素粘性率とは、この温度範囲における複素粘性率の平均値である。
また、この粘弾性曲線における上記温度範囲での温度と複素粘性率から近似される線形近似曲線の傾きが、絶対値で5〜50の好ましい範囲にすることで、温度変動による色変動がより小さくなる。
すなわち、インク着弾時の温度における粘弾性曲線の傾きが小さい(絶対値で50以下)と、着弾時の基材温度に対するインクの粘度変動が少ないため、2色目以降のドット形状のバラつきが小さくなり、色変動も安定する。一方、傾きが大きい(絶対値で50超)と、着弾時の温度に対する粘度変動が大きいため、2色目以降のドット形状のバラつきが大きくなり、色変動が大きくなる。第1のインクの複素粘性率は、記録媒体の表面温度、ゲル化剤の構造、ゲル化剤の添加量に依存する。すなわち、第1のインクのゲル化温度(Tgel)の−5から−15℃における複素粘性率が50〜500Pa・sで、かつ、線形近似曲線の傾きが、絶対値で5〜50であるインクジェットインクを用いることで、より広い色域、より高い光沢性、及び基材温度による色変動のより良好なロバスト性が得られる。
その理由としては、以下のように推測している。第1のインクのゲル化温度(Tgel)の−5から−15℃における粘度が50Pa・s未満のインクでは、前記温度範囲でのゲル化時の固化が強くないため、2色目以降のドットがやや広がらず、色域がやや狭くなってしまう。また、500Pa・sより高いインクでは、ゲル化後の固化がやや強いため、表面凹凸がやや大きく、2色目以降のドットの形状を制御することが容易ではなく、光沢がやや低下してしまう。また、本発明のインクは、ゲル化後に適度な粘性を持った粘性ゲルとなるため、2次色以上のドットを組み合わせた場合でも、ドットの固化力をより適切に調整する事が可能になり、より広い色域および自然な光沢感を持った画質が得られる。また、本発明におけるインクジェットインクがラジカル重合性化合物を含有した、活性光線型インクジェットインクの場合、上記温度範囲におけるインクの複素粘性率が50Pa・s未満では、硬化時に酸素の影響を受けやすくなり硬化感度がやや下がる傾向がある。
本発明によるインクジェット記録方法は、複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが装填された、色相が異なる複数のインクジェットヘッドのうち、少なくとも1つのインクジェットヘッド内に存在するインクジェットインクの粘度を3mPa・s以上、20mPa・s未満にして、インクジェットインクを記録媒体に吐出することが好ましく、少なくとも1つのインクジェットヘッド内に存在するインクジェットインクの粘度を5mPa・s以上、15mPa・s未満にして、インクジェットインクを記録媒体に吐出することがより好ましい。
本発明によるインクジェット記録方法に用いられる、色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが光重合性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましく、本発明によるインクジェット記録方法に含まれる積層工程で積層された第1のインクと第2のインクとに活性光線を照射して、第1のインクと第2のインクとを硬化させる工程を更に含むことが好ましい。
記録媒体に着弾して積層された、色相の異なる複数のインクジェットインクにLED光源から光を照射することで、インクに含有される光重合性化合物を架橋又は重合させて各インクを硬化させることができる。記録媒体に付着したインクに照射する光は、LED光源からの紫外線であることが好ましい。具体例には、Phoseon Technology社製 395nm、水冷LED等が含まれる。一般的な紫外線の光源として、メタルハライドランプが挙げられるが、LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインクの液滴が溶ける;すなわち、インク液滴の硬化膜表面に硬化不良が生じることを抑制できる。LED光源は、360〜410nmの紫外線を画像表面におけるピーク照度が0.5〜10W/cm2となるように設置され、1〜5W/cm2となるように設置することがより好ましい。画像に照射される光量は、500mJ/cm2未満となるようにする。輻射熱がインク液滴に照射されることを抑制するためである。
積層工程で第1のインクと第2のインクとが積層されてから、第1のインクと第2のインクとに活性光線を照射するまでの時間は、本発明の効果を奏すれば任意の時間でよいが、0.01秒〜5.0秒であることが好ましく、「0.1秒〜2秒」であることがより好ましい。
(2)色相の異なる複数のインクジェットインク
本発明によるインクジェット記録方法に用いられる、色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクは、ゲル化剤及び色材を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有して、温度によりゾルゲル相転移をする。以下に、ゲル化剤及び色材について、詳細に説明をする。
[ゲル化剤]
本発明におけるゲル化とは、ラメラ構造、非共有結合や水素結合により形成される高分子網目、物理的な凝集状態によって形成される高分子網目、微粒子の凝集構造などの相互作用、析出した微結晶の相互作用などにより、物質が独立した運動を失って集合した構造を指しており、急激な粘度上昇や弾性増加を伴って固化した、または半固化した、または増粘した状態の事を指す。
一般に、ゲルには、加熱により流動性のある溶液(ゾルと呼ばれる場合もある)となり、冷却すると元のゲルに戻る熱可逆性ゲルと、一旦ゲル化してしまえば加熱しても、ふたたび溶液には戻らない熱不可逆性ゲルがある。本発明に係るオイルゲル化剤によって形成されるゲルは、ヘッド内の目詰まり防止の観点からは、熱可逆性ゲルであることが好ましい。
本発明で用いられる色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクにおいては、インクのゲル化温度(相転移温度)が、40℃以上、100℃未満であることが好ましく、より好ましくは45℃以上、70℃以下である。夏場環境での気温を考慮すると、インクの相転移温度が40℃以上であれば、記録ヘッドインク液滴を吐出する際に、印字環境温度に影響されることなく安定した出射性を得ることができ、また100℃未満であれば、インクジェット記録装置を過度の高温に加熱する必要がなく、インクジェット記録装置のヘッドやインク供給系の部材への負荷を低減することができる。
本発明のおけるゲル化温度とは、流動性のある溶液状態から急激に粘度が変化してゲル状態になる温度のことを言い、ゲル転移温度、ゲル溶解温度、相転移温度、ゾル−ゲル相転移温度、ゲル化点と称される用語と同義である。本発明において、インクのゲル化温度の測定方法は、例えば、各種レオメータ(例えばコーンプレートを使用したストレス制御型レオメータ、PhysicaMCRシリーズ、Anton Paar社製)を用いて、ゾル状態にある高温のインクを低剪断速度で温度変化をさせながら得られる粘度曲線、動的粘弾性の温度変化を測定することで得られる粘弾性曲線から求めることができる。なお、インクのゲル化温度は使用するゲル化剤の種類、ゲル化剤の添加量、活性光線硬化型モノマーの種類を変えることで適宜調製することが可能である。
本発明で用いられる色相の異なる複数のインクジェットインクにおいては、第1のインクのゲル化温度(Tgel)の−5から−15℃における複素粘性率が50〜500Pa・sで、かつ線形近似曲線の傾きが、絶対値で5〜30であることが好ましい。第1のインクのゲル化温度(Tgel)の−5から−15℃における複素粘性率が50Pa・s以上であれば、2色目以降のドットを所望の形状に保持することができ良好な発色性が得られ、500Pa・s以下であれば、良好なレベリング性が得られ、スジのない高い光沢が得られる。なお、インクの粘度は使用するゲル化剤の種類、ゲル化剤の添加量、活性光線硬化型モノマーの種類を変えることで適宜調製することが可能である。本発明でいう複素粘性率とは、コーンプレートを使用したストレス制御型レオメータ、PhysicaMCRシリーズ、Anton Paar社製)を用いて、降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/sで測定されたものである。
インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、インクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する。ゲル化剤は、ゲル化温度よりも高い温度で、光重合性化合物や非重合性樹脂に溶解できるとよく、ゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化できるとよい。ゲル化剤がインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、前記空間に光重合性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に光重合性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物を保持することができ、インク液滴をピニングすることができる。それにより、液滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。これに対して、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
インクの液滴をインクジェット記録装置から安定に吐出するためには、ゾル状のインク(高温時)において、光重合性化合物とゲル化剤との相溶性が良好であることが必要である。さらに、高速印刷時においても安定に液滴同士の合一を抑制するには、インク液滴が記録媒体に着弾後、速やかにゲル化剤が結晶化し、強固なカードハウス構造を形成することが好ましい。
このようなゲル化剤の例には、
脂肪族ケトン化合物;
脂肪族エステル化合物;
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;
キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;
ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;
モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;
硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;
モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;
ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;
12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;
12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);
N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;
N,N'-エチレンビスステアリルアミド、N,N'-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N'-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;
ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミン;
ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);
ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);
ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);
ダイマー酸;
ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);
ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;
パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);
ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;
ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);
1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;
特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報および特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤;
等が含まれる。
インクには、ゲル化剤として、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含む化合物が含まれることが好ましい。ゲル化剤が、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含むことで、前述の「カードハウス構造」が形成されやすい。ゲル化剤の構造中には、分岐鎖を有していてもよい。
炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含むゲル化剤の具体例には、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を有する、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸アミド等が含まれる。ただし、アルキル鎖の末端に−OH、−COOH等の極性基を有するゲル化剤は、ゾル状のインク中での安定性が悪く、析出したり、相分離したりすることがある。また、インクの硬化膜から、ゲル化剤が時間の経過とともに徐々にブリードアウトすることがある。そこで、ゲル化剤は、脂肪族ケトン化合物もしくは脂肪族エステル化合物であることが好ましい。つまり、下記一般式(G1)及び(G2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G1)及び(G2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を有する炭化水素基を表す。R1〜R4は、分岐部分を有していてもよい。
一般式(G1)において、R1及びR2で表される炭化水素基は、それぞれ独立に、炭素原子数が12以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基であることが好ましい。R1及びR2で表される脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12未満であると、十分な結晶性を有しないためゲル化剤として機能しないだけでなく、前述のカードハウス構造において、光重合性化合物を内包するための十分な空間を形成できないおそれがある。一方、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が25を超えると、融点が高くなりすぎるため、インクの吐出温度を高くしなければ、インク中に溶解しなくなるおそれがある。
上記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン化合物の例には、ジリグノセリルケトン(C24−C24)、ジベヘニルケトン(C22−C22、融点88℃)、ジステアリルケトン(C18−C18、融点84℃)、ジエイコシルケトン(C20−C20)、ジパルミチルケトン(C16−C16、融点80℃)、ジミリスチルケトン(C14−C14)、ジラウリルケトン(C12−C12、融点68℃)、ラウリルミリスチルケトン(C12−C14)、ラウリルパルミチルケトン(C12−C16)、ミリスチルパルミチルケトン(C14−C16)、ミリスチルステアリルケトン(C14−C18)、ミリスチルベヘニルケトン(C14−C22)、パルミチルステアリルケトン(C16−C18)、バルミチルベヘニルケトン(C16−C22)、ステアリルベヘニルケトン(C18−C22)等が含まれる。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18−Pentatriacontanon(AlfaAeser社製)、Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。
インクに含まれる脂肪族ケトン化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
一般式(G2)おいて、R3及びR4で表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素原子数12以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基であることが好ましい。R3及びR4で表される脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12以上26以下であると、一般式(G1)で表される化合物と同様に、ゲル化剤に必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成でき、融点も高くなりすぎない。
式(2)で表される脂肪族エステル化合物の例には、ベヘニン酸ベヘニル(C21−C22、融点70℃)、イコサン酸イコシル(C19−C20)、ステアリン酸ステアリル(C17−C18、融点60℃)、ステアリン酸パルミチル(C17−C16)、ステアリン酸ラウリル(C17−C12)、パルミチン酸セチル(C15−C16、融点54℃)、パルミチン酸ステアリル(C15−C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13−C
14、融点43℃)、ミリスチン酸セチル(C13−C16、融点50℃)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13−C20)、オレイン酸ステアリル(C17−C18)、エルカ酸ステアリル(C21−C18)、リノール酸ステアリル(C17−C18)、オレイン酸ベヘニル(C18−C22)、セロチン酸ミリシル(C25−C16)、モンタン酸ステアリル(C27−C18)、モンタン酸ベヘニル(C27−C22)、リノール酸
アラキジル(C17−C20)、トリアコンタン酸パルミチル(C29−C16)等が含まれる。
式(2)で表される脂肪族エステル化合物の市販品の例には、ユニスターM−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製、融点60℃)、EMALEXCC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパールMY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。
インクに含まれる脂肪族エステル化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
インクに含まれるゲル化剤の総量は、インク全質量に対して0.5〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは1〜7質量%であり、特に好ましくは1〜4質量%である。0.5質量%未満であると、インク液滴をゲル化(温度によるゾルゲル相転移)させることができない。一方、ゲル化剤の量が10質量%を超えると、ゲル化剤がインクに十分に溶解せず、インクの液滴の吐出性が低下する。
[色材]
本発明によるインクジェット記録方法で用いられる、色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクは、各種公知の染料と顔料から選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましく、顔料を含有することが更に好ましい。
色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクに含まれうる顔料を、以下に列挙するがこれらの顔料に限定されることはない。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,81,83,87,93,95,97,98,109,114,120,128,129,138,150,151,154,155,180,185,213
C.I.Pigment Red 5,7,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202
C.I.Pigment Violet 19,23
C.I.Pigment Blue 1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60
C.I.Pigment Green 7,36
C.I.Pigment White 6,18,21
C.I.Pigment Black 7
また、本発明で用いられるマゼンタインクのマゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料を用いることが好ましく、特にC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122若しくは202からなる混晶顔料であることが好ましく、さらにはC.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料であることがより好ましい。
C.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料を用いるので、C.I.ピグメントバイオレット19単独に比べ、色再現域が広く、画像濃度の高い2次色においても、高濃度、高色彩を得ることができる。
顔料の体積平均粒子径は0.08〜0.5μmであることが好ましく、顔料の粒径は0.3〜10μmであり、好ましくは0.3〜3μmである。顔料の粒径を調整することによって、インクジェット記録ヘッドのノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
一方、色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクに含まれうる染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
顔料又は染料の含有量は、光硬化型インクジェットインクに対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。顔料又は染料の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が十分ではなく、多すぎるとインクの粘度が高くなり、射出性が低下するからである。また、インクジェットインクは、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを含有していてもよい。分散剤及び分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。
顔料は、インクジェットインク中に分散していなければならない。そのため、インクジェットインクは、顔料分散液を調製し、更に顔料分散液と他のインク成分とを混合することで得ることが好ましい。
顔料分散液の調製は、分散媒体に顔料を分散して得る。顔料の分散は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いて行えばよい。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。
顔料分散液の分散媒体は、溶剤又は重合性化合物でありうるが;本発明におけるインクジェットインクは、記録媒体に着弾した直後にゲル化することが好ましいので、無溶剤であることが好ましい。また、溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じるので、無溶剤インクであることが好ましい。よって、顔料分散液の分散媒体は、溶剤ではなく重合性化合物、なかでも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
本発明によるインクジェット記録方法で用いられる、色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクには、光重合性化合物及び光重合開始剤が好適に含まれて、形成される画像の耐久性、耐擦性および記録媒体との密着性を向上させることができる。
[光重合性化合物]
光重合性化合物は、活性光線を照射されることにより架橋又は重合する化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線である。光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であり得る。好ましくはラジカル重合性化合物である。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。インク中にラジカル重合性化合物が一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマーなどであってよい。ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかをいい、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかをいう。
(メタ)アクリレート化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコー(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
なかでも、感光性などの観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、変性物であってもよく、その例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物;およびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート化合物等が含まれる。なかでも、感光性が高く、低温下でゲル化する際に、後述のカードハウス構造が形成しやすい等の観点から、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物が好ましい。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561(分子量358)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454(分子量429)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499(分子量560)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494(分子量528);新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400(分子量508)、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600(分子量742)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G(分子量536)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G(分子量770);大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP(分子量302);Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072(分子量471);新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N(分子量310)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量304)およびトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP(分子量332)等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、重合性オリゴマーであってもよい。そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
光重合性化合物の含有量は、インク全質量に対して1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。光重合性化合物の量が少な過ぎると、色材を十分に分散させることができず、インクジェット記録装置からのインクの吐出性が低下する。一方、光重合性化合物の量が過剰であると、相対的にゲル化剤や光重合開始剤の量が少なくなり、ゾルゲル相転移が十分に行われない可能性や、硬化が不十分となる可能性がある。
[光重合開始剤]
光重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、トリアリルホスホニウム塩等が含まれる。
光重合開始剤が、アシルホスフィンオキシドやアシルホスフォナートであると、感度が良好となる。具体的には、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド等が好ましい。
色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクに含まれる光重合開始剤の含有量は、インク硬化時に照射する光や光重合性化合物の種類などにもよるが、インク全質量に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。
色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクには、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などがさらに含まれていてもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。インクに、これらの化合物が、一種のみ含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
[その他の成分]
色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクは、必要に応じて他の成分を更に含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン等の塩基性有機化合物等が含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂等が含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、及びワックス類等が含まれる。
(色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクの調製方法)
色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクに含まれるゲル化剤及び色材、並びに好適に含まれる光重合性化合物及び光重合開始剤を、加熱下、混合して得られる。例えば、一部の光重合性化合物に色材(特に顔料)を分散させた顔料分散液を用意し、顔料分散液と、他のインク成分と混合する。得られたインクは、所定のフィルターで濾過することが好ましい。色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクの吐出性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの、80℃における粘度が3〜20mPa・sであることが好ましい。
[記録媒体]
本発明によるインクジェット記録方法で用いられる記録媒体は、紙であってもよいし、樹脂フィルムであってもよい。紙の例には、印刷用コート紙、印刷用コート紙Bなどが含まれる。また、樹脂フィルムの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルムや塩化ビニルフィルムなどが含まれる。
記録媒体の表面温度は、第1のインクのゲル化温度(Tgel)の-5〜-15℃に制御されていることが好ましい。記録媒体の温度が低すぎると、インク液滴が過剰に迅速にゲル化してピニングしてしまうため、インク液滴のレベリングが十分に生じず、画像光沢が低下することがある。一方で、記録媒体の温度が高すぎると、インク液滴がゲル化しにくくなり、インク液滴の隣り合うドット同士が混じりあい、細線や階調の再現性が悪くなる。記録媒体の表面温度を本発明における温度範囲に調整することで、本発明のインクを用いることで、同じヘッドから吐出される隣り合うドット同士および異なるヘッドから吐出される色相の異なるインクが積層される場合でも、インクが混じり合わず良好な発色性と適度なレベリングと、細線再現可能な適切なピニングとが実現される。
記録媒体の調温手段としては、例えば、記録媒体を固定する搬送台、もしくは固定用のドラムに予め冷却装置および加熱装置を取り付けて、記録媒体を裏面から調温する方法や、冷風や温風を記録媒体に吹き付けて調温する方法や、冷媒やヒーターを装置上の記録媒体固定位置の上面に取り付けて、非接触で調温する方式や、IRレーザーなどを照射して調温する方式や、インクジェット記録前に予め記録媒体を調温しておく方式などが挙げられるが、面内温度差を均一にし、且つ温度変化に対する堅牢性を高める必要性がある事から、記録媒体を裏面から調温する方式が好ましい。調温方法としては、例えばペルチェ素子を取り付ける方式や、ヒーターを取り付ける方式や、冷媒・冷却水を循環させる方式などが好ましく用いられる。
本発明によるインクジェット記録方法は、積層工程において、記録媒体の搬送速度が300mm/sec〜1500mm/secであることが好ましい。搬送速度が速いほど(例えば、700mm/sec以上)画像形成速度が速まり生産性が向上するので好ましい。
[インクセット]
本発明によるインクジェット記録方法で用いられる、複数のインクジェットインクが、イエローインク、シアンインク、マゼンタインク、及びブラックインクの群から選ばれる少なくとも2種のインクから構成されるインクセットであることが好ましい。
また、本発明によるインクジェット記録方法で用いられる、複数のインクジェットインクが、マゼンタインクと、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクの群から選ばれる少なくとも1種のインクとから構成されるインクセットであることが更に好ましく、マゼンタインクの色材が、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202の混晶顔料であることが更に好ましい。
(3)インクジェット記録装置
本発明によるインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録方法を用いることを特徴とする、インクジェット記録装置である。
本発明によるインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録方法を用いることができれば、光硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置であることが好ましい。光硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものとがあり、求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)がより好ましい。
以下、本発明によるインクジェット記録装置の好ましい態様であるライン記録方式のインクジェット記録装置の1例を図を用いて説明をする。
図1は、本発明によるインクジェット記録装置の好ましい態様であるライン記録方式のインクジェット記録装置10の要部の構成の一例を示す、側面図である。図2は、本発明によるインクジェット記録装置の好ましい態様であるライン記録方式のインクジェット記録装置10の要部の構成の一例を示す、上面図である。図1及び図2に示されるように、インクジェット記録装置10は、複数のインクジェット記録ヘッド121〜124(イエローインク用、マゼンタインク用、シアンインク用及びブラックインク用、以下同じ。)を収容するヘッドキャリッジ131〜134(イエローインク用、マゼンタインク用、シアンインク用及びブラックインク用、以下同じ。)と、ヘッドキャリッジ131〜134のそれぞれに接続したインク流路141〜144(イエローインク用、マゼンタインク用、シアンインク用及びブラックインク用、以下同じ。)と、インク流路141〜144を通じて供給するインクを貯留するインクタンク151〜154と、記録媒体110の全幅を覆い、かつヘッドキャリッジ131〜134の(記録媒体の搬送方向)下流側に配置された光照射部160と、記録媒体110の下面に配置された温度制御部170と、を有する。
ヘッドキャリッジ131〜134は、記録媒体110の全幅を覆うように固定配置されており、各色毎に設けられた複数のインクジェット記録ヘッド121〜124を収容する。インクジェット記録ヘッド121〜124にはインクが供給されるようになっている。たとえば、インクジェット記録装置10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジ等から、直接又は不図示のインク供給手段によりインクが供給されるようになっていてもよい。
インクジェット記録ヘッド121〜124は、各色ごとに、記録媒体110の搬送方向に複数配置される。記録媒体110の搬送方向に配置されるインクジェット記録ヘッド121〜124の数は、インクジェット記録ヘッド121〜124のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。例えば、液滴量2pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド121〜124を用いて1440dpiの解像度の画像を形成する場合には、記録媒体110の搬送方向に対して4つのインクジェット記録ヘッド121〜124をずらして配置すればよい。また、液滴量6pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド121〜124を用いて720×720dpiの解像度の画像を形成する場合には、2つのインクジェット記録ヘッド121〜124をずらして配置すればよい。dpiとは、2.54cm当たりのインク液滴(ドット)の数を表す。
インクタンク151〜154は、ヘッドキャリッジ131〜134に、インク流路30を介して接続されている。インク流路141〜144は、インクタンク151〜154中のインクをヘッドキャリッジ131〜134に供給する経路である。インク液滴を安定して吐出するため、インクタンク151〜154、インク流路141〜144、ヘッドキャリッジ131〜134及びインクジェット記録ヘッド121〜124のインクを所定の温度に加熱して、ゲル状態を維持する。
光照射部160は、記録媒体110の全幅を覆い、かつ記録媒体の搬送方向についてヘッドキャリッジ131〜134の下流側に配置されている。光照射部160は、インクジェット記録ヘッド121〜124により吐出されて、記録媒体に着弾した液滴に光を照射し、液滴を硬化させる。
温度制御部170は、記録媒体110の下面に配置されており、記録媒体110を所定の温度に維持する。温度制御部170は、例えば各種ヒータ等でありうる。
以下、ライン記録方式のインクジェット記録装置10を用いたインクジェット記録方法を説明する。記録媒体110を、インクジェット記録装置10のヘッドキャリッジ131〜134と温度制御部170との間に搬送する。一方で、記録媒体110を、温度制御部170により所定の温度に調整する。次いで、ヘッドキャリッジ131〜134のインクジェット記録ヘッド121〜124から高温のインクの液滴を吐出して、記録媒体110上に付着(着弾)させる。そして、光照射部160により、記録媒体110上に付着したインクの液滴に光を照射して硬化させる。
硬化後の総インク液滴膜厚は、2〜25μmであることが好ましい。「総インクの液滴膜厚」とは、記録媒体に描画されたインクの液滴膜厚の最大値を意味し、単色でも、前出のn次色(1次色、2次色、3次色等)で形成される画像でも、総インク膜厚の意味するところは同様である。
以下に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。
<インクジェットインクの調製>
以下の成分を用いて、各実施例および比較例のインクを調製した。
[顔料分散液の調製]
以下の手順で各顔料分散体を調製した。分散剤と分散媒をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解し、室温まで冷却した後、これに顔料を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓した。これをペイントシェーカーにて、所望の粒径になるまで分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
(イエロー顔料分散体)
分散剤1:EFKA7701(BASF社製) 5.6質量部
分散剤2:Solsperse22000(日本ルーブリゾール社製) 0.4質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV−10含有) 80.6質量部
顔料:PY185(BASF社製、パリオトールイエローD1155) 13.4質量部
(マゼンタ顔料分散体)
分散剤:JET−9151(BYK社製) 11質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV−10含有) 69質量部
顔料:PV19/PR202(BASF製、D4500J) 20質量部
(シアン顔料分散体)
分散剤:JET−9151(BYK社製) 7質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV−10含有) 70質量部
顔料:PB15:4(大日精化製、クロモファインブルー6332JC) 23質量部
(ブラック顔料分散体)
分散剤:JET−9151(BYK社製) 7質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV−10含有) 70質量部
顔料:PB7(三菱化学社製、MA−7) 23質量部
[光重合性化合物]
APG−200(新中村化学社製 トリプロピレングリコールジアクリレート)
A−600(新中村化学社製 ポリエチレングリコール#600ジアクリレート)
SR499(サートマー社製 6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)
M360(ミオン社製 3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)
[硬化性オリゴマー]
Etercure6361-100(Eternal Chemical社製 ハイパーブランチポリエステルアクリレート)
CN2270(サートマー社製 脂肪族ポリエステルアクリレート)
[光重合開始剤]
TPO(BASF社製)
819(BASF社製)
ITX(LAMBSON社製)
[ゲル化剤]
カオーワックスT1(花王株式会社製 ジステアリルケトン)
ユニスターM−2222SL(日油株式会社製 ベヘニル酸ベヘニル)
[界面活性剤]
TSF−4452(東芝シリコーン社製)
下記の表1に記載されたインクの組成にしたがって各成分と前記顔料分散液を各質量部混合して、80℃に加熱して攪拌した。得られた溶液を加熱下において、ADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行った。そして、後述の評価基準に従って、画像について評価を行った。
<ゲル化温度、複素粘性率及び線形近似曲線の絶対値の傾きの測定>
ーンプレートを使用したストレス制御型レオメータ(PhysicaMCRシリーズ、Anton Paar社製)を用いて、下記表1に記載されたそれぞれのインク(Y1〜Y2、M1〜M6、C1〜C2及びBk1〜Bk2)の、降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/sにおける動的粘弾性の温度変化を測定した。ゲル化温度Tgelは、降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/sで動的粘弾性の温度変化を測定した際に、複素粘性率が1Pa・s以上となる温度として得られ、また、複素粘性率は、ゲル化温度(Tgel)の−5から−15℃の温度範囲における複素粘性率の値の平均値として得られた。線形近似曲線の絶対値の傾きについては、それぞれのインク(Y1〜Y2、M1〜M6、C1〜C2及びBk1〜Bk2)のゲル化温度(Tgel)の−5から−15℃の温度範囲における粘断性曲線の線形近似から得られた。図3は、マゼンタインク(M1)とマゼンタインク(M6)の複素粘性率(Pa・S)と温度(℃)との関係を示す粘断性曲線の図である。図3から明らかなように、マゼンタインク(M1)については、ゲル化温度(Tgel)は57℃を示し、線形近似曲線の絶対値の傾きは7.2を示し、マゼンタインク(M6)については、ゲル化温度(Tgel)は54℃を示し、線形近似曲線の絶対値の傾きは−1.5を示した。また、それぞれのインク(Y1〜Y2、M1〜M6、C1〜C2及びBk1〜Bk2)のゲル化温度、複素粘性率及び線形近似曲線の傾きの得られた結果については表1に示した。
Figure 2015174334
<インクジェット画像の形成>
調製したY,M,C,Kのインク組成物を、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に装填した。この装置を用いて、菊半サイズのコート紙(OKトップコート、王子製紙社製)に、画像記録を行った。なお、記録媒体の搬送速度は、1000mm/secで行った。
インク供給系は、インクタンク、インク流路、インクジェット記録ヘッド直前のサブインクタンク、金属フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなる。インクタンクからヘッド部分までインクを90℃に加温する。ピエゾヘッドにもヒーターを内蔵させ、記録ヘッド内のインク温度を90℃に加熱した。ピエゾヘッドは、ノズル径22μmで、ノズル解像度600dpiのヘッドを千鳥に配置して1200dpiのノズル列を形成した。このインクジェット装置を用いて、Y→M→C→Kの順番で、液滴量が3.5plと8.0plの2サイズのドットになるように電圧を印加し、記録媒体上に1200×1200dpiで、M100%+K80%のドット率の2次色のパッチおよびYMCKBGR3Cの階調チャートと、ISO12642−2(1617色)のチャートを基材温度の表面温度を42℃、48℃、52℃に設定し、それぞれカラー画像を形成した。(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。)この場合、Yを第1のインクとすると、M,C,Kが第2のインクとなる。同様に、Mを第1のインクとすると、C,Kが第2のインクとなり、Cを第1のインクとすると、Kが第2のインクとなる。それぞれの第1のインクに対する、第2のインクの着弾タイミングを下記の表2に示した。
Figure 2015174334
印字後、1秒以内にPhoseon Technology社製LEDランプ(395nm、8W/cm2、water cooled unit)を照射してインク層を硬化した。LEDランプの管面から記録媒体までの距離を50mmとした(搬送方向の照射幅100mm)。記録媒体は搬送台に吸着させて搬送した。この時吸着台の温度を調節し、インク液滴着弾時、及びUV露光中の記録媒体表面の温度を一定とした。
<形成画像の評価>
形成した画像を、以下の方法で評価した。
(ドット面積比の評価)
第1インクをMとし、第2インクをKとして、M100%+K80%の2次色のパッチおよびKの階調チャートから、2次色のパッチ中の8.0plのKのドット面積と、階調チャート中の8.0plのKのドット面積を測定し、面積比を算出し、下記基準に従って評価した。
◎:面積比が90%以上、110%以下である。
○:面積比が80%以上、120%以下である。
△:面積比が70〜80%未満である。
×:面積比が60%未満である。
(ドット面積比の評価結果)
下記表3から明らかなように、実施例3及び4は、ドット面積比が90%以上、110%以下の「◎」であり、非常に良好な結果が得られ、また、実施例1及び2は、ドット面積比が80%以上、120%以下の「○」であり、良好な結果が得られた。一方、比較1〜4については、比較例1及び4は「○」の良好な結果が得られたものの、比較例2及び3は、ドット面積比が60%未満の「×」であり、結果が不良であった。
(色変動の評価)
基材温度が42℃と52℃でのM100%+K80%の2次色パッチを、分光光度計(X-rite製i1 iO Pro)および測色ツール(X-rite製MesurementToolおよびProfileMaker)を用いてL*a*b*測色し、下記式を用いて、42℃と52℃の場合のパッチの色の差(ΔE)を算出し、下記基準に従って評価した。
ΔE=SQRT((ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)
◎:ΔE=2以下
○:ΔE=2〜4
△:ΔE=4〜6
×:ΔE=6以上
(色変動の評価結果)
下記表3から明らかなように、実施例1〜4は、色変動がΔE=2以下の「◎」であり、非常に良好な結果が得られ、一方、比較1〜4については、比較例1は、「△」の結果が得られ、また、比較例4は、「○」の結果が得られたものの、比較例2及び3は、色変動がΔE=6以上の「×」であり、結果が不良であった。
(光沢感(光沢値)の評価)
下記表3に示される、インクを用いて、JIS K 5600で規定される方法にて、Blue(M→C)および3C(Y→M→C)の60度光沢値を測定した。
○:基材表面温度が48℃における、ベタ部の表面光沢値が30以上で、高い光沢を有し、スジ感もなく、良好な画像である。
△:基材表面温度が48℃における、ベタ部の表面光沢値が20〜30以下で、やや光沢感は低下するが、インパクトがある。
×:基材表面温度が48℃における、ベタ部の表面光沢値が20以下で光沢が低く、インパクトにかける。
(光沢感(光沢値)の評価結果)
下記表3から明らかなように、実施例1〜4は、光沢感が良好な「○」の結果が得られ、一方、比較1〜4については、比較例2及び3は「○」の良好な結果が得られたものの、比較例1及び4は、「×」の結果であり、光沢感が不良であった。
(光沢変動の評価)
基材温度が42℃と52℃での、Blueおよび3Cの60度光沢変動値を測定した。
○:基材表面温度が42℃から52℃での、ベタ部の表面光沢変動値が10以内である。
△:基材表面温度が42℃から52℃での、ベタ部の表面光沢変動値が10〜15である。
×:基材表面温度が42℃から52℃での、ベタ部の表面光沢変動値が15以上ある。
(光沢変動の評価結果)
下記表3から明らかなように、実施例1〜4は、光沢変動が良好な「○」の結果が得られ、一方、比較1〜4については、比較例2及び3は「△」の結果が得られたものの、比較例1及び4は、「×」の結果であり、光沢変動が不良であった。
(擦過性の評価)
5cm×5cmのベタ画像に、「JIS規格 K5701−1 6.2.3 耐摩擦性試験」に記載の方法に則り、適切な大きさに切り取った記録媒体を画像上に設置し、荷重をかけて擦り合わせた。その後、画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:100回以上擦っても、画像の変化がまったく認められない
△:100回擦った段階で画像濃度の低下が認められるが、実用上許容範囲にある
×:50回未満の擦りで、明らかな画像濃度低下が認められ、実用に耐えない品質である
(擦過性の評価結果)
下記表3から明らかなように、実施例1及び3〜4は、擦過性が良好な「○」の結果が得られ、実施例2は、「△」の結果が得られた。一方、比較1〜4については、比較例1及び4は「○」の良好な結果が得られたものの、比較例2及び3は、「×」の結果であり、擦過性が不良であった。
(色域の評価)
下記表3中の実施例1(インクセット1)を用いて出力されたISO12642−2(1617色)のチャートを用いて、商業オフセット印刷に関する標準色を定めたジャパンカラー2011に対する色差を求めた。
(色域の評価結果)
いずれの基材温度においても、ジャパンカラー2011を包含する広い色域を再現することができた。
実施例1〜4のインクジェット記録方法を用いて、高精細、広色域、高光沢及び色変動が少ないカラー画像を記録することができるインクジェット記録装置を得ることができる。
Figure 2015174334
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体、特には、非吸収性記録媒体及び微吸収性記録媒体へのカラー画像形成に好適である。
10 インクジェット記録装置
110 記録媒体
121 イエローインク用のインクジェット記録ヘッド
122 マゼンタインク用のインクジェット記録ヘッド
123 シアンインク用のインクジェット記録ヘッド
124 ブラックインク用のインクジェット記録ヘッド
131 イエローインク用のヘッドキャリッジ
132 マゼンタインク用のヘッドキャリッジ
133 シアンインク用のヘッドキャリッジ
134 ブラックインク用のヘッドキャリッジ
141 イエローインク用のインク流路
142 マゼンタインク用のインク流路
143 シアンインク用のインク流路
144 ブラックインク用のインク流路
151 イエローインク用のインクタンク
152 マゼンタインク用のインクタンク
153 シアンインク用のインクタンク
154 ブラックインク用のインクタンク
160 光照射部
170 温度制御部

Claims (9)

  1. 色相の異なる複数のインクジェットインクのそれぞれのインクを0.5〜15pLの液滴量で記録媒体に順次付与して、該記録媒体にカラー画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    該複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが、ゲル化剤及び色材を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有して、温度によりゾルゲル相転移をし、
    該複数のインクジェットインクのうち、第1のインクを記録媒体上に着弾させてから1秒以内に、第2のインクを該第1のインク上に着弾させて、該第1のインクと該第2のインクとを積層させる積層工程を含み、
    該積層工程において、該第1のインク上に形成された該第2のインクのドット面積が、該第1のインク上に着弾させた該第2のインクの液滴量と同一の液滴量で該記録媒体上に形成された該第2のインクのドット面積の、80%以上120%以下であることを特徴とする、インクジェット記録方法。
  2. 前記記録媒体の表面温度を、前記第1のインクの、下記で定義されるゲル化温度(Tgel)の-5〜-15℃に制御し、さらに、
    前記第1のインクの、下記で定義される複素粘性率の平均値が50〜500Pa・sであって、かつ、前記第1のインクの、以下で定義される粘弾性曲線の線形近似の傾きが、絶対値で5〜50であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
    (ゲル化温度(Tgel)は、降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/s、降温速度0.1℃/sで温度変化させて得られる粘弾性曲線において、複素粘性率が1Paとなる温度を表す。複素粘性率の平均値は、ゲル化温度(Tgel)から−5〜−15℃の温度範囲における複素粘性率の値の平均を表す。粘弾性曲線の線形近似の傾きは、ゲル化温度(Tgel)から−5〜−15℃の温度範囲における、降温速度0.1℃/s、歪み5%、角周波数10radian/s、降温速度0.1℃/sで温度変化させて得られる粘弾性曲線の線形近似の傾きを表す。)
  3. 前記複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが装填された複数のインクジェットヘッドのうち、少なくとも1つのインクジェットヘッド内に存在するインクジェットインクの粘度を3mPa・s以上、20mPa・s未満にして、該インクジェットインクを前記記録媒体に吐出することを特徴とする、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記複数のインクジェットインクのそれぞれのインクが光重合性化合物及び光重合開始剤を更に含み、
    前記積層工程で積層された前記第1のインクと前記第2のインクとに活性光線を照射して、前記第1のインクと第2のインクとを硬化させる工程を更に含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記積層工程で前記第1のインクと第2のインクとが積層されてから、0.01〜5.0秒以内に前記活性光線を前記第1のインクと第2のインクとに照射することを特徴とする、請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記積層工程において、前記記録媒体の搬送速度が300mm/sec〜1500mm/secであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記複数のインクジェットインクが、イエローインク、シアンインク、マゼンタインク、及びブラックインクの群から選ばれる少なくとも2種のインクから構成されるインクセットであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記複数のインクジェットインクが、マゼンタインクと、イエローインク、シアンインク、及びブラックインクの群から選ばれる少なくとも1種のインクとから構成されるインクセットであり、
    該マゼンタインクの色材が、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202の混晶顔料であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法を用いることを特徴とする、インクジェット記録装置。
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