WO2017163776A1 - インクジェットインクおよび画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ゲル化剤、紫外線吸収剤および光重合性化合物を含有する活性光線硬化型のインクジェットインクである。前記紫外線吸収剤の分子量は300以上1000以下であり、前記紫外線吸収剤の含有量は前記ゲル化剤の全質量に対して5質量%以上60質量%以下である。本発明のインクによれば、ゲル化剤および紫外線吸収剤を含有するインクジェットインクであっても、耐候性を十分に高めることができ、かつ、紫外線吸収剤を含有させることによるインクのピニング性の低下およびゲル化温度の保存安定性の低下を抑制することができる。

Description

インクジェットインクおよび画像形成方法
 本発明は、インクジェットインクおよび画像形成方法に関する。
 インクジェット画像形成方法は、インクジェット用の画像形成装置に取り付けられた吐出ヘッドのノズルからインクの液滴を吐出して記録媒体に着弾させることによって画像を構成するドットを形成していくことにより、画像を形成する方法である。インクジェット画像形成方法は、記録媒体のうち、色を付したい部分にのみインクを着弾させるため、高精細な画像を簡易かつ安価に形成できる。
 インクジェット画像形成方法は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェットインクの一つとして、活性光線を照射されることで硬化する光重合性化合物を含有するインク(以下、単に「活性光線硬化型インク」ともいう。)が知られている。活性光線硬化型インクは、吸水性が低い記録媒体においても、高い密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
 また、インクジェットインクにおいて、形成された画像を構成する成分が紫外線によって分割または変性することによって画像の濃度や色彩が経時的に変化することを抑制する(以下、画像濃度または色彩の経時的な変化を抑制する作用を単に「耐候性」ともいう。)ため、紫外線吸収剤をインクに含有させる技術が知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2)。
 また、インクジェットインクにおいて、インクにゲル化剤を含有させて、温度変化により可逆的にインクをゾルゲル相転移させる技術も知られている。ゲル化剤を含有するインクを用いた画像形成方法では、加温してゾル化させたインクの液滴をインクジェットヘッドのノズルから出射する。記録媒体に着弾したインクの液滴は、温度が低下してゲル化剤が結晶化することにより、ゲル状態へと相転移する。このゲル化したインクの液滴に活性光線を照射して、液滴を硬化させることで、画像を構成するドットが形成される。ゲル化剤を含有するインクを用いれば、記録媒体に着弾した後のインクの液滴の濡れ広がりを制御し、近隣の液滴との合一を防ぐことが可能となるため、より高精細な画像を形成することが可能となる(たとえば、特許文献3および特許文献4)。
特開2005-178331号公報 特開2006-123459号公報 特開2006-193745号公報 特開2010-17710号公報
 上記したように、紫外線吸収剤は、形成された画像の耐候性を高めることができる。しかし、本発明者らの知見によると、ゲル化剤を含有するインクでは、紫外線吸収剤によっても耐候性が期待したほど向上しにくいことがあった。また、ゲル化剤を含有するインクに紫外線吸収剤をさらに含有させると、記録媒体に着弾したインクがゲル化しにくい(ピニングしにくい)ために高精細な画像を形成しにくかったり、ゲル化温度の保存安定性が低下(保存によりゲル化温度が変化してしまうこと)しやすかったりすることがあった。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ゲル化剤および紫外線吸収剤を含有するインクジェットインクであって、耐候性を十分に高めることができ、かつ、紫外線吸収剤を含有させることによるインクのピニング性の低下およびゲル化温度の保存安定性の低下を抑制することができるインクジェットインク、およびそのようなインクジェットインクを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
 本発明の上記目的は、以下のインクジェットインクおよび画像形成方法によって達成される。
 [1]ゲル化剤、紫外線吸収剤および光重合性化合物を含有する活性光線硬化型のインクジェットインクであって、前記紫外線吸収剤の分子量は300以上1000以下であり、前記紫外線吸収剤の含有量は前記ゲル化剤の全質量に対して5質量%以上60質量%以下である、インクジェットインク。
 [2]前記紫外線吸収剤の含有量は、前記ゲル化剤の全質量に対して20質量%以上40質量%以下である、[1]に記載のインクジェットインク。
 [3]前記紫外線吸収剤の分子量は、500以上800以下である、[1]または[2]に記載のインクジェットインク。
 [4]前記紫外線吸収剤は、ヒドロキシフェニルトリアジン系の化合物である、[1]~[3]のいずれかに記載のインクジェットインク。
 [5]光安定化剤をさらに含有する、[1]~[4]のいずれかに記載のインクジェットインク。
 [6][1]~[5]のいずれかに記載のインクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、前記記録媒体に着弾した前記液滴に活性光線を照射する工程と、を含む、画像形成方法。
 本発明によれば、ゲル化剤および紫外線吸収剤を含有するインクジェットインクであって、耐候性を十分に高めることができ、かつ、紫外線吸収剤を含有させることによるインクのピニング性の低下および保存安定性の低下を抑制することができるインクジェットインク、およびそのようなインクジェットインクを用いた画像形成方法が提供される。
 本発明者らの新たな知見によると、ゲル化剤を含有するインクに分子量が小さい紫外線吸収剤を含有させると、出射時の加熱によって紫外線吸収剤が揮発しやすい。出射時に紫外線吸収剤が揮発すると、形成された画像には十分な量の紫外線吸収剤が含まれないため、耐候性が期待したほど向上しにくい。この加熱による揮発は、インクが含有する分子量が小さい成分に等しく生じうるが、紫外線吸収剤のように含有量が少ない成分では、揮発による含有量の減少の影響は特に大きいと思われる。また、分子量が小さい化合物は、インクが硬化してなる硬化膜の表面からブリードアウトし、画像の品質を低下させることがある。
 これに対し、紫外線吸収剤の分子量を300以上とすることで、出射時にインクを加熱しても、紫外線吸収剤が揮発しにくくなり、形成された画像の耐候性を十分に高め、かつ、ブリードアウトを生じにくくすることができると考えられる。上記分子量の上限は、インクの出射性を顕著に低減させず、かつ、紫外線吸収剤が容易に入手可能な範囲で設定することができ、たとえば、1000以下とすることができる。また、紫外線吸収剤の分子量が1000以下だと、インクの粘度が高くなりすぎず、インクの出射安定性を低下させにくい。さらには、紫外線吸収剤の分子量が1000以下だと、紫外線吸収剤の溶解性が低すぎないため、インクの保存中に紫外線吸収剤が析出しにくい。
 一方で、本発明者らのさらに新たな知見によると、上記分子量を有する紫外線吸収剤は、記録媒体に着弾したインクの液滴中で、インクをピニングしにくくする。これは、上記分子量を有する紫外線吸収剤は、結晶化しつつあるゲル化剤の結晶面に付着しやすい性質を有し、この性質によってゲル化剤の結晶化を阻害しやすいためと考えられる。また、上記分子量を有する紫外線吸収剤は、ゲル化剤との相互作用により、インクのゲル化温度を変化させてしまい、同一条件で画像形成をした場合に、良好なピニング性が得られないことが分かった。この紫外線吸収剤とゲル化剤との相互作用によるピニング性の低下は、インクの保存中に特に進行しやすいため、保存したインクでは、インクのゲル化温度が変化しやすく、かつ、ピニング性が低下しやすいと考えられる。
 これに対し、本発明者らは、分子量を有する紫外線吸収剤の含有量を、上記ゲル化剤の全質量に対して5質量%以上60質量%以下とすることで、紫外線吸収剤によって耐候性を十分に高めつつ、上記ピニング性の低下およびゲル化温度の保存安定性の低下を十分に抑制できることを見出し、もって本発明を完成させた。
 1.インクジェットインク
 本発明のインクジェットインク(以下、単に「インクジェットインク」ともいう。)は、ゲル化剤、紫外線吸収剤および光重合性化合物を含有し、活性光線の照射により硬化する、活性光線硬化型インクである。上記紫外線吸収剤の分子量は300以上1000以下であり、上記インクジェットインクにおける上記紫外線吸収剤の含有量は、上記ゲル化剤の全質量に対して5質量%以上60質量%以下である。上記インクジェットインクは、光安定化剤をさらに含有してもよい。
 1-1.ゲル化剤
 ゲル化剤は、記録媒体に着弾したインクの液滴をゲル化して仮固定(ピニング)することができる化合物であればよい。記録媒体に着弾したインクがゲル化してピニングされると、インクの濡れ広がりが抑えられて隣り合うドットが同一しにくくなるため、より高精細な画像を形成することができる。また、インクがゲル状態になると、インク液滴中への環境中の酸素の入り込みが抑えられて酸素による硬化阻害が生じにくくなるため、高精細な画像をより高速で形成することができる。ゲル化剤は、インクジェットインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
 ゲル化剤の含有量は、インクの全質量に対して1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。ゲル化剤の含有量を1.0質量%以上とすることで、インクのピニング性を十分に高め、より高精細な画像を形成することができる。ゲル化剤の含有量を10.0質量%以下とすることで、形成した画像の表面にゲル化剤が析出しにくくなり、画像の光沢を他のインクによる画像の光沢により近づけることができ、かつ、インクジェットヘッドからのインク射出性をより高めることができる。上記観点からは、インクジェットインク中のゲル化剤の含有量は、1.0質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、1.2質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましい。
 また、以下の観点から、ゲル化剤は、インクのゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化することが好ましい。ゲル化温度とは、加熱によりゾル化または液体化したインクを冷却していったときに、インクがゾルからゲルに相転移し、インクの粘度が急変する温度をいう。具体的には、ゾル化または液体化したインクを、レオメータ(たとえば、Physica社製、MCR300)で粘度を測定しながら冷却していき、粘度が急激に上昇した温度を、そのインクのゲル化温度とすることができる。
 ゲル化剤がインク中で結晶化すると、板状に結晶化したゲル化剤によって形成された三次元空間に光重合性化合物が内包される構造が形成されることがある(このような構造を、以下「カードハウス構造」という。)。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物が前記空間内に保持されるため、インク液滴がより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性がより高まる。インクのピニング性が高まると、記録媒体に着弾したインク液滴同士が合一しにくくなり、より高精細な画像を形成することができる。
 カードハウス構造を形成させやすくする観点からは、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。これに対して、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
 結晶化によるカードハウス構造の形成に好適なゲル化剤の例には、ケトンワックス、エステルワックス、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、硬化ヒマシ油、変性ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、ヒドロキシステアリン酸、N-置換脂肪酸アミドおよび特殊脂肪酸アミドを含む脂肪酸アミド、高級アミン、ショ糖脂肪酸のエステル、合成ワックス、ジベンジリデンソルビトール、ダイマー酸ならびにダイマージオールが含まれる。
 上記ケトンワックスの例には、ジリグノセリルケトン、ジベヘニルケトン、ジステアリルケトン、ジエイコシルケトン、ジパルミチルケトン、ジラウリルケトン、ジミリスチルケトン、ミリスチルパルミチルケトンおよびパルミチルステアリルケトンが含まれる。
 上記エステルワックスの例には、ベヘニン酸ベヘニル、イコサン酸イコシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸パルミチル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、セロチン酸ミリシル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸オレイル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン脂肪酸エステルが含まれる。
 上記エステルワックスの市販品の例には、EMALEXシリーズ、日本エマルジョン社製(「EMALEX」は同社の登録商標)、リケマールシリーズおよびポエムシリーズ、理研ビタミン社製(「リケマール」および「ポエム」はいずれも同社の登録商標)が含まれる。
 上記石油系ワックスの例には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスおよびペトロラクタムを含む石油系ワックスが含まれる。
 上記植物系ワックスの例には、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウおよびホホバエステルが含まれる。
 上記動物系ワックスの例には、ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウが含まれる。
 上記鉱物系ワックスの例には、モンタンワックスおよび水素化ワックスが含まれる。
 上記変性ワックスの例には、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、12-ヒドロキシステアリン酸誘導体およびポリエチレンワックス誘導体が含まれる。
 上記高級脂肪酸の例には、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸,ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸が含まれる。
 上記高級アルコールの例には、ステアリルアルコールおよびベヘニルアルコールが含まれる。
 上記ヒドロキシステアリン酸の例には、12-ヒドロキシステアリン酸が含まれる。
 上記脂肪酸アミドの例には、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミドおよび12-ヒドロキシステアリン酸アミドが含まれる。
 上記脂肪酸アミドの市販品の例には、ニッカアマイドシリーズ、日本化成社製(「ニッカアマイド」は同社の登録商標)、ITOWAXシリーズ、伊藤製油社製、およびFATTYAMIDシリーズ、花王社製が含まれる。
 上記N-置換脂肪酸アミドの例には、N-ステアリルステアリン酸アミドおよびN-オレイルパルミチン酸アミドが含まれる。
 上記特殊脂肪酸アミドの例には、N,N’-エチレンビスステアリルアミド、N,N’-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミドおよびN,N’-キシリレンビスステアリルアミドが含まれる。
 上記高級アミンの例には、ドデシルアミン、テトラデシルアミンおよびオクタデシルアミンが含まれる。
 上記ショ糖脂肪酸のエステルの例には、ショ糖ステアリン酸およびショ糖パルミチン酸が含まれる。
 上記ショ糖脂肪酸のエステルの市販品の例には、リョートーシュガーエステルシリーズ、三菱化学フーズ社製(「リョートー」は同社の登録商標)が含まれる。
 上記合成ワックスの例には、ポリエチレンワックスおよびα-オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックスが含まれる。
 上記合成ワックスの市販品の例には、UNILINシリーズ、Baker-Petrolite社製(「UNILIN」は同社の登録商標)が含まれる。
 上記ジベンジリデンソルビトールの例には、1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトールが含まれる。
 上記ジベンジリデンソルビトールの市販品の例には、ゲルオールD、新日本理化株式会社製(「ゲルオール」は同社の登録商標)が含まれる。
 上記ダイマージオールの市販品の例には、PRIPORシリーズ、CRODA社製(「PRIPOR」は同社の登録商標)が含まれる。
 これらのゲル化剤のうち、よりピニング性を高める観点からは、ケトンワックス、エステルワックス、高級脂肪酸、高級アルコールおよび脂肪酸アミドが好ましく、上記観点からは、下記一般式(G1)で表されるケトンワックスおよび下記一般式(G2)で表されるエステルワックスがさらに好ましい。下記一般式(G1)で表されるケトンワックスおよび下記一般式(G2)で表されるエステルワックスは、インクジェットインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。また、下記一般式(G1)で表されるケトンワックスおよび下記一般式(G2)で表されるエステルワックスは、インクジェットインク中に、いずれか一方のみが含まれていてもよいし、双方が含まれていてもよい。
 一般式(G1):R1-CO-R2
 一般式(G1)において、R1およびR2は、いずれも炭素数が9以上25以下である直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基である。
 一般式(G2):R3-COO-R4
 一般式(G2)において、R3およびR4は、いずれも炭素数が9以上25以下である直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基である。
 上記一般式(G1)で表されるケトンワックスまたは上記一般式(G2)で表されるエステルワックスは、直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基の炭素数が9以上であるため、ゲル化剤の結晶性がより高まり、かつ、上記カードハウス構造においてより十分な空間が生じる。そのため、光重合性化合物が上記空間内に十分に内包されやすくなり、インクのピニング性がより高くなる。また、直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基の炭素数が25以下であるため、インクのゾルか温度が過度に高まらないため、インクを出射するときにインクを過度に加熱する必要がない。上記観点からは、R1およびR2は炭素原子数11以上23未満の直鎖状の炭化水素基であることが特に好ましい。
 また、インクのゲル化温度を高くして、着弾後により急速にインクをゲル化させる観点からは、R1もしくはR2のいずれか、またはR3もしくはR4のいずれかが飽和している炭素原子数11以上23未満の炭化水素基であることが好ましい。上記観点からは、R1およびR2の双方、またはR3およびR4の双方が飽和している炭素原子数11以上23未満の炭化水素基であることがより好ましい。
 上記一般式(G1)で表されるケトンワックスの例には、ジリグノセリルケトン(炭素数:23-24)、ジベヘニルケトン(炭素数:21-22)、ジステアリルケトン(炭素数:17-18)、ジエイコシルケトン(炭素数:19-20)、ジパルミチルケトン(炭素数:15-16)、ジミリスチルケトン(炭素数:13-14)、ジラウリルケトン(炭素数:11-12)、ラウリルミリスチルケトン(炭素数:11-14)、ラウリルパルミチルケトン(11-16)、ミリスチルパルミチルケトン(13-16)、ミリスチルステアリルケトン(13-18)、ミリスチルベヘニルケトン(13-22)、パルミチルステアリルケトン(15-18)、バルミチルベヘニルケトン(15-22)およびステアリルベヘニルケトン(17-22)が含まれる。なお、上記括弧内の炭素数は、カルボニル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。
 一般式(G1)で表されるケトンワックスの市販品の例には、18-Pentatriacontanon、Alfa Aeser社製、Hentriacontan-16-on、Alfa Aeser社製およびカオーワックスT1、花王社製が含まれる。
 一般式(G2)で表される脂肪酸またはエステルワックスの例には、ベヘニン酸ベヘニル(炭素数:21-22)、イコサン酸イコシル(炭素数:19-20)、ステアリン酸ステアリル(炭素数:17-18)、ステアリン酸パルミチル(炭素数:17-16)、ステアリン酸ラウリル(炭素数:17-12)、パルミチン酸セチル(炭素数:15-16)、パルミチン酸ステアリル(炭素数:15-18)、ミリスチン酸ミリスチル(炭素数:13-14)、ミリスチン酸セチル(炭素数:13-16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(炭素数:13-20)、オレイン酸ステアリル(炭素数:17-18)、エルカ酸ステアリル(炭素数:21-18)、リノール酸ステアリル(炭素数:17-18)、オレイン酸ベヘニル(炭素数:18-22)およびリノール酸アラキジル(炭素数:17-20)が含まれる。なお、上記括弧内の炭素数は、エステル基で分断される2つの炭化水素基それぞれの炭素数を表す。
 一般式(G2)で表されるエステルワックスの市販品の例には、ユニスターM-2222SLおよびスパームアセチ、日油社製(「ユニスター」は同社の登録商標)、エキセパールSSおよびエキセパールMY-M、花王社製(「エキセパール」は同社の登録商標)、EMALEX CC-18およびEMALEX CC-10、日本エマルジョン社製ならびにアムレプスPC、高級アルコール工業社製(「アムレプス」は同社の登録商標)が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してインクに含有させてもよい。
 1-2.紫外線吸収剤
 紫外線吸収剤は、紫外線領域、特には波長が280nm以上400nm以下の領域、に極大吸収波長を有する有機化合物とすることができる。紫外線吸収剤は、インクジェットインク中に1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。なお、酸化チタンなどの無機系の紫外線吸収剤は、硬化したインクの透明性を低下させるため、画像の発色性を十分に高めることができないと考えられる。
 紫外線吸収剤の分子量は、300以上1000以下である。分子量が300以上である紫外線吸収剤は、出射時にインクを加熱しても揮発しにくく、形成された画像の耐候性を十分に高めることができると考えられる。分子量が1000以下である紫外線吸収剤は、インクの出射性を顕著に低減させず、かつ、容易に入手可能である。インクのピニング性やゲル化温度の保存安定性を維持しつつ、耐候性を十分に付与できる観点からは、紫外線吸収剤の分子量は500以上800以下であることが好ましい。紫外線吸収剤の分子量は、構造から容易に推定することができる。
 紫外線吸収剤の含有量は、前記ゲル化剤の全質量に対して5質量%以上60質量%以下である。紫外線吸収剤の含有量がゲル化剤の全質量に対して5質量%以上であると、形成された画像の耐候性を十分に高めることができる。紫外線吸収剤の含有量がゲル化剤の全質量に対して60質量%以下であると、おそらくは記録媒体に着弾したインクの液滴中で結晶化しつつあるゲル化剤の結晶面に紫外線吸収剤がさほど付着しないため、ピニング性の低下を抑制することができる。また、紫外線吸収剤の含有量がゲル化剤の全質量に対して60質量%以下であると、インク保存中の紫外線吸収材とゲル化剤との相互作用による、インクのピニング性の低下およびゲル化温度の保存安定性の低下を十分に抑制できる。耐候性を十分に高めつつ、紫外線吸収剤を含有させることによるインクのピニング性の低下およびゲル化温度の保存安定性の低下をより抑制する観点からは、紫外線吸収剤の含有量は、ゲル化剤の全質量に対して20質量%以上40質量%以下であることが好ましい。上記観点からは、紫外線吸収剤の分子量が500以上800以下であり、かつ、紫外線吸収剤の含有量がゲル化剤の全質量に対して20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
  また、インクジェットインクの全質量に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.05質量%以上6.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上1.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.3質量%以上0.8質量%以下であることが好ましい。
 上記紫外線吸収剤の例には、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸エステル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、シアノアクリレート化合物などの紫外線吸収剤が含まれる。
 ベンゾフェノン化合物である紫外線吸収剤の例には、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジロキシ-ベンゾフェノン、および1,4-ビス(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)-ブタンなどが含まれる。
 ベンゾフェノン化合物である紫外線吸収剤の市販品の例には、住友化学株式会社製、Sumisorb 130(「Sumisorb」は同社の登録商標)、株式会社ADEKA製、アデカスタブ 1413(「アデカスタブ」は同社の登録商標)、ならびにシプロ化成株式会社製、SEESORB 101S、SEESORB 102、SEESORB 103、SEESORB 105、SEESORB 151(「SEESORB」は同社の登録商標)などが含まれる。
 ベンゾトリアゾール化合物である紫外線吸収剤の例には、2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-t-ブチル-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジーt-ペンチル-2-ヒドロキシフェニル-2-ベンゾトリアゾール、2-(2-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(3,4,5,6-テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチロキシフェニル)-2-ベンゾトリアゾール、および2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)-2-ベンゾトリアゾールなどが含まれる。
 ベンゾトリアゾール化合物である紫外線吸収剤の市販品の例には、住友化学株式会社製、Sumisorb 250、Sumisorb 300、Sumisorb 340、およびSumisorb 350、BASF社製、TINUVIN 99-2、TINUVIN 234、TINUVIN 320、TINUVIN 326、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 384、TINUVIN 384-2、TINUVIN 900、TINUVIN 928、およびTINUVIN 1130(「TINUVIN」は同社の登録商標)、株式会社ADEKA製、アデカスタブ LA-29、アデカスタブ LA-31、アデカスタブ LA-31RG、アデカスタブ LA-31G、アデカスタブ LA-36、アデカスタブ LA-36RG、ならびにシプロ化成株式会社製、SEESORB 703、SEESORB 704、SEESORB 706、SEESORB 707、およびSEESORB 709などが含まれる。
 サリチル酸エステル化合物である紫外線吸収剤の例には、2-4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートなどが含まれる。
 サリチル酸エステル化合物である紫外線吸収剤の市販品の例には、住友化学株式会社製、Sumisorb 400、およびシプロ化成株式会社製、SEESORB 712などが含まれる。
 ヒドロキシフェニルトリアジン化合物である紫外線吸収剤の例には、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-エトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、および2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジンなどが含まれる。
 ヒドロキシフェニルトリアジン化合物である紫外線吸収剤の市販品の例には、BASF社製、TINUVIN 400、TINUVIN 405、TINUVIN 460、TINUVIN 477、TINUVIN 479、TINUVIN 777、およびTINUVIN 1577ED、ならびに株式会社ADEKA製、アデカスタブ LA-F70などが含まれる。
 シアノアクリレート化合物である紫外線吸収剤の例には、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシルなどが含まれる。
 シアノアクリレート化合物である紫外線吸収剤の市販品の例には、シプロ化成株式会社製、SEESORB 502などが含まれる。
 これらのうち、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物は、紫外線領域(280~400nm)のうち、特にエネルギーが強い短波長側(280~320nm)の紫外線をより多く吸収するため、形成された画像の耐候性をより高くすることができる。また、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物はベンゾトリアゾール化合物などに比べ、LED波長領域の吸収が少ないため、硬化阻害を起こしにくい。ヒドロキシフェニルトリアジン化合物の中でも、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン(TINUVIN 479)は、特に吸光係数が大きく、少量でもより高い耐候性が得られるため好ましい。
 なお、吸収波長の異なる紫外線吸収剤を併用すると、それぞれの添加量を抑えながら、より高い耐候性が得られるため好ましい。
 1-3.光重合性化合物
 光重合性化合物は、活性光線の照射によって重合または架橋反応を生じて重合または架橋し、インクを硬化させる作用を有する化合物であればよい。光重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が含まれる。光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。光重合性化合物は、インクジェットインク中に1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
 光重合性化合物の含有量は、たとえば、インクジェットインクの全質量に対して1質量%以上97質量%以下とすることができる。
 ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基またはメタアクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
 (メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸、およびt-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどを含む単官能のアクリレート、ならびに、
 トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、およびトリシクロデカンジメタノールジアクリレートなどを含む2官能のアクリレート、ならびにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートなどの3官能以上のアクリレートを含む多官能のアクリレートなどが含まれる。
 (メタ)アクリレートは、感光性などの観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートなどが好ましい。
 (メタ)アクリレートは、変性物であってもよい。変性物である(メタ)アクリレートの例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどを含むエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどを含むカプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ならびにカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを含むカプロラクタム変性(メタ)アクリレートなどが含まれる。
 (メタ)アクリレートは、重合性オリゴマーであってもよい。重合性オリゴマーである(メタ)アクリレートの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマーなどが含まれる。
 カチオン重合性化合物は、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、およびオキセタン化合物などでありうる。カチオン重合性化合物は、インクジェットインク中に、1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
 1-4.光安定化剤
 光安定化剤は、ラジカルを捕捉する作用を有する有機化合物とすることができる。光安定化剤は、インクジェットインク中に1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
 光安定化剤は、形成された画像への光の照射または加熱によって生成するラジカルを捕捉するため、形成される画像の耐候性をより高め、光のみならず、熱による画像の濃度または色彩の経時的な変化も、抑制することができる。また、光安定化剤は、本発明において紫外線吸収剤の量を少なくすることにより生じうる耐候性の低下を抑制する。そのため、インクジェットインクが光安定化剤をさらに含有すると、ピニング性、ゲル化温度の保存安定性および耐候性をいずれも高めることが可能となる。
 上記光安定化剤の例には、ヒンダードアミン系の化合物(HALS)、ヒンダードフェノール系の化合物、ヒンダードアミド系の化合物およびTEMPOなどの光安定化剤が含まれる。これらの光安定化剤は、ラジカルを捕捉した後、再び捕捉前の元の形態に戻るというラジカル捕捉機構をもつため、繰り返しラジカルを捕捉することが可能となり、耐候性をより高めることが可能となる。
 ヒンダードアミン系の化合物である光安定化剤の例には、ビス(1-オクチロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、N,N′-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン-2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ]-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物、およびポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]ヘキサメチルなどが含まれる。
 ヒンダードアミン系の化合物である光安定化剤の市販品の例には、BASF社製、TINUVIN 123、TINUVIN 152、TINUVIN 622、TINUVIN 770、CHIMASSORB 119、およびCHIMASSORB 944(「CHIMASSORB」は同社の登録商標)などが含まれる。
 ヒンダードフェノール系の化合物である光安定化剤の例には、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-O-クレゾール、およびイソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが含まれる。
 ヒンダードフェノール系の化合物である光安定化剤の市販品の例には、BASF社製、IRGANOX 245、IRGANOX 259、IRGANOX 565、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1098、IRGANOX 1222、IRGANOX 1330、IRGANOX 1520、およびIRGANOX 1135(「IRGANOX」は同社の登録商標)などが含まれる。
 ヒンダードアミン系の化合物であり、かつヒンダードフェノール系の化合物でもある光安定化剤の例には、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートなどが含まれる。
 ヒンダードアミン系の化合物であり、かつヒンダードフェノール系の化合物でもある光安定化剤の市販品の例には、BASF社製、TINUVIN 144などが含まれる。
 光安定化剤の含有量は、インクジェットインクの全質量に対して0.02質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
 1-5.その他の成分
 インクジェットインクは、上述した成分以外にも、所望の耐候性、ピニング性およびゲル化温度の保存安定性を得ることができる範囲において、分子量が300未満の紫外線吸収剤、光重合開始剤、色材、分散剤、光増感剤、重合禁止剤および界面活性剤などを含むその他の成分をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、それぞれ、特定ゲルインク中に1種のみが含まれていてもよく、2種類以上が含まれていてもよい。
 分子量が300未満の紫外線吸収剤の例には、ベンゾフェノン化合物である2,4-ジヒドロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2,2′,4,4′-テトラヒドロキシ-ベンゾフェノン、および2,2′-ジヒドロキシ-4,4′-ジメトキシ-ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール化合物である2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、サリチル酸エステル化合物であるサリチル酸フェニルおよびサリチル酸-4-t-ブチルフェニル、ならびにシアノアクリレート化合物であるエチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレートなどが含まれる。
 分子量が300未満の紫外線吸収剤の市販品の例には、ベンゾトリアゾール系化合物である住友化学株式会社製、Sumisorb 200、BASF社製、TINUVIN PS、株式会社ADEKA製、アデカスタブ LA-32、およびシプロ化成株式会社製、SEESORB 701、ベンゾフェノン系化合物であるシプロ化成株式会社製、SEESORB 100、SEESORB 101、SEESORB 106、SEESORB 107、サリチル酸エステル化合物であるシプロ化成株式会社製、SEESORB 201、およびSEESORB 202、ならびにシアノアクリレート化合物であるシプロ化成株式会社製、SEESORB 501などが含まれる。
 光重合開始剤は、前記光重合性化合物がラジカル重合性の官能基を有する化合物であるときは、光ラジカル開始剤を含み、前記光重合性化合物がカチオン重合性の官能基を有する化合物であるときは、光酸発生剤を含む。光重合開始剤は、本発明のインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。光重合開始剤は、光ラジカル開始剤と光酸発生剤の両方の組み合わせであってもよい。
 光ラジカル開始剤には、開裂型ラジカル開始剤および水素引き抜き型ラジカル開始剤が含まれる。
 開裂型ラジカル開始剤の例には、アセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン系の開始剤、アシルホスフィンオキシド系の開始剤、ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステルが含まれる。
 水素引き抜き型ラジカル開始剤の例には、ベンゾフェノン系の開始剤、チオキサントン系の開始剤、アミノベンゾフェノン系の開始剤、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノンおよびカンファーキノンが含まれる。
 光酸発生剤の例には、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187~192ページに記載の化合物が含まれる。
 光重合開始剤の含有量は、インクが十分に硬化できる範囲であればよく、たとえば、本発明のインクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下とすることができる。
 色材には、染料および顔料が含まれる。耐候性の良好な画像を得る観点からは、色材は顔料であることが好ましい。顔料は、形成すべき画像の色彩などに応じて、たとえば、黄(イエロー)顔料、赤またはマゼンタ顔料、青またはシアン顔料および黒顔料から選択することができる。
 分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテートが含まれる。
 分散剤の含有量は、たとえば、顔料の全質量に対して20質量%以上70質量%以下とすることができる。
 重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシムおよびシクロヘキサノンオキシムが含まれる。
 界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類および脂肪酸塩類などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類などのノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類および第四級アンモニウム塩類などのカチオン性界面活性剤、ならびにシリコーン系やフッ素系の界面活性剤が含まれる。
 シリコーン系の界面活性剤の市販品の例には、信越化学工業株式会社製、KF-351A、KF-352A、KF-642およびX-22-4272、ビッグケミー社製、BYK 307、BYK 345、BYK 347およびBYK 348(「BYK」は同社の登録商標)、ならびにモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4452などが含まれる。
 1-6.物性
 インクジェットヘッドからの射出性をより高める観点からは、インクジェットインクの80℃における粘度は3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。また、着弾して常温に降温した際にインクを十分にゲル化させる観点からは、インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
 インクジェットインクのゲル化温度は、40℃以上70℃以下であることが好ましい。インクのゲル化温度が40℃以上であると、記録媒体に着弾後、インクが速やかにゲル化するため、ピニング性がより高くなる。インクのゲル化温度が70℃以下であると、インク温度が通常80℃程度であるインクジェットヘッドからのインクジェットインクの射出時にインクがゲル化しにくいため、より安定してインクを射出することができる。
 インクジェットインクの80℃における粘度、25℃における粘度およびゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。本発明においては、これらの粘度およびゲル化温度は、以下の方法によって得られた値である。インクジェットインクを100℃に加熱し、ストレス制御型レオメータPhysica社製、MCR301(コーンプレートの直径:75mm、コーン角:1.0°)、Anton Paar社製によって粘度を測定しながら、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃までインクを冷却して、粘度の温度変化曲線を得る。80℃における粘度および25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求める。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求める。
 インクジェットヘッドからの射出性をより高める観点からは、顔料粒子の平均粒子径は0.08μm以上0.5μm以下であり、最大粒子径は0.3μm以上10μm以下であることが好ましい。本発明における顔料粒子の平均粒子径とは、データサイザーナノZSP、Malvern社製を使用して動的光散乱法によって求めた値である。なお、色材を含むインクは濃度が高く、この測定機器では光が透過しないので、インクを200倍で希釈してから測定する。測定温度は常温(25℃)とする。
 1-7.インクの調製
 上記インクジェットインクは、たとえば、前述のゲル化剤、紫外線吸収剤および光重合性化合物と、任意の各成分とを、加熱下において混合することにより得ることができる。得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。顔料および分散剤を含有するインクジェットインクを調製するときは、顔料および分散剤が溶媒中に分散された顔料分散体をあらかじめ調製しておき、これに残りの成分を添加して加熱しながら混合してもよい。
 顔料および散剤の分散は、たとえば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカーにより行うことができる。
 2.画像形成方法
 本発明の画像形成方法は、前述したインクジェットインクを用いる以外は、インクジェットインクをインクジェットヘッドから吐出して記録媒体に着弾させ、その後硬化させる、公知の画像形成方法と同様に行い得る。
 たとえば、本発明の画像形成方法は、前記インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから射出して記録媒体に着弾させる第1の工程、および前記記録媒体に着弾した前記液滴に活性光線を照射する第2の工程、を含む。
 2-1.第1の工程
 第1の工程では、インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体の、形成すべき画像に応じた位置に着弾させる。
 インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型などの電気-機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型などの電気-熱変換方式などのいずれでもよい。
 インクジェットインクの液滴は、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際のインクの温度は、35℃以上100℃以下であるが好ましく、吐出安定性をより高めるためには、35℃以上80℃以下であることがより好ましい。特には、インクの粘度が7mPa・s以上15mPa・s以下、より好ましくは8mPa・s以上13mPa・s以下となるようなインク温度において出射を行うことが好ましい。
 インクジェットインクは、吐出用記録ヘッドからのインクの射出性を高めるために、吐出用記録ヘッドに充填されたときのインクの温度が、当該インクの(ゲル化温度+10)℃~(ゲル化温度+30)℃に設定されることが好ましい。吐出用記録ヘッド内のインクの温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、吐出用記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの射出性が低下しやすい。一方、吐出用記録ヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
 インクを所定の温度に加熱する方法は特に制限されない。たとえば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプおよびヘッド直前の前室インクタンクなどのインク供給系、フィルター付き配管ならびにピエゾヘッドなどの少なくともいずれかを、パネルヒーター、リボンヒーターおよび保温水などによって所定の温度に加熱することができる。
 吐出される際のインクの液滴量は、記録速度および画質の面から、2pL以上20pL以下であることが好ましい。
 2-2.第2の工程
 第2の工程では、第2の工程で着弾させたインクジェットインクに活性エネルギー線を照射して、これらのインクが硬化してなる画像を形成する。活性エネルギー線は、インク着弾後0.001秒以上1.0秒以下の間に照射されることが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.001秒以上0.5秒以下の間に照射されることがより好ましい。
 インクに照射する活性エネルギー線は、たとえば、電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線などから選択することができるが、これらのうち紫外線を照射することが好ましい。紫外線は、たとえば、395nm、水冷LED、Phoseon Technology社製 によって照射することができる。LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインクが溶けることによる、インクの硬化不良の発生を抑制することができる。
 LED光源は、370nm以上410nm以下の波長を有する紫外線の画像表面におけるピーク照度が0.5W/cm以上10W/cm以下となるように設置され、1W/cm以上5W/cm以下となるように設置することがより好ましい。輻射熱がインクに照射されることを抑制する観点からは、画像に照射される光量は1000mJ/cm未満であることが好ましい。
 また、光を照射するときに、インク周辺の酸素濃度を下げることで、光重合開始剤の量がより少ないインクも十分に硬化させることができる。そのため、光重合開始剤の残渣などがブリードアウトすることにより、画像の品質の低下を抑制することができる。酸素濃度を下げる手段としては、例えば窒素ガスによる気体置換等が挙げられる。上記観点からは、光を照射するときのインク周辺の酸素濃度は、0.1体積%以上10.0体積%以下であることが好ましく、酸素濃度は0.5体積%以上8.0体積%以下であることがより好ましく、0.5体積%以上6.0体積%以下であることがさらに好ましい。なお、インク周辺の酸素濃度を下げることで、より少ない光量でもインクを十分に硬化させることができる。
 また、活性エネルギー線の照射を2段階に分け、まずインクが着弾した後0.001秒以上2.0秒以下の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射してインクを仮硬化させ、全印字終了後にさらに活性エネルギー線を照射してインクを本硬化させてもよい。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、インク硬化の際に起こる記録材料の収縮がより生じにくくなる。
 本発明の画像形成方法では、記録媒体上に着弾したインクに活性エネルギー線を照射して硬化した後の総インク膜厚を、2μm以上20μm以下であるようにすると、記録媒体のカールおよび皺の発生ならびに記録媒体の質感変化などをより効率的に防ぐことができる。なお、「総インク膜厚」とは、記録媒体上に塗布または印字されたすべてのインクの膜厚の合計値、またはインクの着弾量が多い吐見込まれる複数の地点で測定した前記膜厚の平均値を意味する。
 2-3.記録媒体
 本発明の画像形成方法に用いる記録媒体は、前記インクセットで画像が形成されればよく、たとえば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレートなどのプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材)、金属類およびガラスなどの非吸収性の無機記録媒体、ならびに吸収性の紙類(たとえば、印刷用コート紙および印刷用コート紙B)とすることができる。
 以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
 1.インクの調製
  以下の成分を用いて、インクを調製した。
 [光重合性化合物]
 NPGDA: プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(SR9003:サートマー社製)
 HDDA: 1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(A-HD-N:新中村化学工業株式会社製)
 TPGTA: エチレンオキサイド変性トリプロピレングリコールジアクリレート(SR306H:サートマー社製)
 TMPTA: エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499:サートマー社製)
 PEGDA: ポリエチレングリコールジアクリレート(SR210A:サートマー社製)
 UA oligomer: ウレタンアクリレートオリゴマー(ETERCURE6147:ETERNAL CHEMICAL社製)
 PEA oligomer: ポリエステルアクリレートオリゴマー(CN2273:サートマー社製)
 [ゲル化剤]
 T1:ジステアリルケトン(花王株式会社製、カオーワックスT1)
 WEP-3: ベヘニン酸ベヘニル(日油株式会社製、ニッサンエレクトールWEP-3)
 [紫外線吸収剤]
 表1に記載の化合物
 [光重合開始剤]
 819: BASF社製、IRGACURE 819(「IRGACURE」は同社の登録商標)
 369: BASF社製、IRGACURE 369
 7010: LAMBSON社製、Speedcure 7010(「Speedcure」は同社の登録商標)
 [重合禁止剤]
 UV10: BASF社製、IRGASTAB UV10(「IRGASTAB」は同社の登録商標)
 [界面活性剤]
 TSF4452: シリコーン系の界面活性剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4452)
 [光安定化剤]
 Tinuvin 123: ヒンダードアミン系の光安定化剤(BASF社製、Tinuvin 123)
 [安定化剤]
  FA4431:BASF社製、Dispex Ultra FA4431(「Dispex」は同社の登録商標)
 [顔料]
 PY185: イエロー顔料(BASF社製、パリオトールイエローD1155)
 [分散剤]
 EFKA7701: BASF社製、EFKA7701
 Solsperse22000: BASF社製、Solsperse22000
 インクの調製に用いた紫外線吸収剤の種類および分子量を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 1-1.顔料分散液の調製
 以下に示す3種の化合物を、ステンレスビーカーに入れた。これを65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して、分散剤を溶解させた。なお、顔料分散液の調製に用いたNPGDAは、0.2質量%のUV-10を含有していた。
 分散剤:     EFKA7701        5.6質量部
 分散剤:     Solsperse22000  0.4質量部
 光重合性化合物: NPGDA          80.6質量部
 得られた溶液を室温まで冷却した後、これに下記の顔料を20質量部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓した。これをペイントシェーカーにて5時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散体を得た。
 顔料:      PY185          20.0質量部
 1-2.インクの調製
 上記顔料分散液に、以下の成分を以下の割合となるように添加して80℃で攪拌して、インク溶解液を得た。インク溶解液をADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過して、インク1~インク18を得た。このとき、紫外線吸収剤としては、それぞれのインクに対して表2および表3に記載の化合物を、ゲル化剤の全質量に対する紫外線吸収剤の量が表2および表3に記載された割合になるように調整して、インクに含有させた。また、TMPTAの量を調整して、全体の合計が100質量部とした。
 (インク1~インク18の処方)
 顔料分散液:                15.0質量部
 光重合性化合物: NPGDA        10.0質量部
 光重合性化合物: HDDA         20.0質量部
 光重合性化合物: TMPTA            残部
 光重合性化合物: UA Oligomer  10.0質量部
 ゲル化剤:    T1            1.5質量部
 ゲル化剤:    WEP-3         0.8質量部
 光重合開始剤:  819           3.0質量部
 光重合開始剤:  369           3.0質量部
 光重合開始剤:  7010          1.0質量部
 重合禁止剤:   UV-10         0.15質量部
 界面活性剤:   TSF-4452      0.02質量部
 光安定化剤:   Tinuvin 123   0.1質量部
 安定化剤:    FA4431        1.0質量部 
 紫外線吸収剤:  表2を参照
 同様に、以下の成分を以下の割合となるように添加して、ゲル化剤の含有量がインク1~インク18とは異なるインク19~インク23を得た。また、TMPTAの量を調整して、全体の合計が100質量部とした。
 (インク19~インク23の処方)
 顔料分散液:                15.0質量部
 光重合性化合物: TPGTA        10.0質量部
 光重合性化合物: PEGDA        20.0質量部
 光重合性化合物: TMPTA            残部
 光重合性化合物: PEA Oligomer 20.0質量部
 ゲル化剤:    T1            1.0質量部
 ゲル化剤:    WEP-3         0.8質量部
 光重合開始剤:  819           3.0質量部
 重合禁止剤:   UV-10         0.15質量部 
 界面活性剤:   TSF-4452      0.02質量部
 光安定化剤:   Tinuvin 123   0.1質量部
 紫外線吸収剤:  表3を参照
 なお、インク23は光安定化剤を添加せずにインクを調製した。
 2.評価
 2-1.揮発性
 直径48mmのステンレス容器にそれぞれのインクを10g入れ、100℃で4時間加温した。加温前後の質量変化量を測定して、単位表面積・単位時間あたりの揮発量に換算し、以下の基準で揮発性を評価した。
 ○:揮発量は0.8mg/cm・h以下だった
 △:揮発量は0.8mg/cm・h~1.2mg/cm・hだった
 ×:揮発量は1.6mg/cm・h以上だった
 2-2.ゲル化温度の保存安定性
 それぞれのインクを、未露光状態で暗室に100℃で2週間保存し、保存前のゲル化温度(Tgelrt)と保存後のゲル化温度(Tgel100℃2W)を、それぞれのインクのゲル化温度(Tgel)(℃)をストレス制御型レオメータ(Anton Paar社製、PhysicaMCRシリーズ、コーンプレート75mm径、コーン角1.0°)で測定した。(Tgelrt)から(Tgel100℃2W)を減算して得られた値の絶対値に基づいて、以下の基準で、紫外線吸収剤がゲル化温度の保存安定性に与える影響を評価した。
 ここで、ゲル化温度は、加熱してゾル化したインクを降温速度0.1℃/sで温度変化させたときの、歪み5%、角周波数10radian/sで得られる粘弾性曲線において、複素粘性率が1Pa以上となる温度を表す。
 ◎:(Tgelrt)-(Tgel100℃2W)の絶対値は0.3℃以下だった
 ◎○:(Tgelrt)-(Tgel100℃2W)の絶対値は0.3℃より大きく0.6℃以下だった
 ○:(Tgelrt)-(Tgel100℃2W)の絶対値は0.6℃より大きく1.0℃以下だった
 △:(Tgelrt)-(Tgel100℃2W)の絶対値は1.0℃より大きく2.0℃以下だった
 ×:(Tgelrt)-(Tgel100℃2W)の絶対値は2.0℃より大きかった
 2-3.耐候性
 それぞれのインクを、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッドを有するドラム式のインクジェット記録装置に装填した。この装置を用いて、記録媒体(北越紀州製紙株式会社製、マリコート(坪量350g/m))をドラム上に吸着させて搬送させながら、連続で画像記録を行った。なお、記録媒体の搬送速度は、800mm/secとした。
 上記インクジェット記録装置のインク供給系は、インクの流通方向に、インクタンク、インク流路、インクジェット記録ヘッド直前のサブインクタンク、金属フィルター付き配管およびヒーターを内蔵したピエゾヘッドを含んでいた。インクタンクからヘッド部分までインクを90℃に加温してインクを流通させた。ピエゾヘッドでも上記ヒーターでインクを加温度し、記録ヘッド内のインク温度を90℃に再加熱した。ピエゾヘッドは、ノズル径22μmで、ノズル解像度600dpiのヘッドを千鳥に配置して1200dpiのノズル列を形成した。このインクジェット装置を用いて、液滴量が9.0plになるように電圧を印加し、記録媒体上に1200×1200dpiで、ベタ画像を印字した。ドラムの温度はヘッド手前の基材の表面温度が46℃になるように制御した。なお、dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
 印字後、1秒以内にLEDランプ(395nm、8W/cm、Phoseon Technology社製)を照射してインク層を硬化した。LEDランプの管面から記録媒体までの距離を50mmとした。インク20~インク23を用いて画像を形成したときは、印字された画像周辺の空気を窒素に置換して、酸素濃度を5体積%以下にしながら、LEDランプを照射した。なお、搬送方向の照射幅は100mmだった。
 このようにして形成した画像の、形成直後の反射濃度Dを、反射濃度計(コニカミノルタ社製 FD-7)を用いて測定した後、アトラス社製キセノンウェザーメーター(Ci4000)を用いてキセノン光(76000ルックス)を500時間照射した後、再度、画像濃度Dを測定し、下式に従ってキセノン光照射前後の画像濃度の差から濃度残存率を求め、下記の基準で耐候性を評価した。
 濃度残存率(%)=D/D×100  
 ◎:濃度残存率は90%より大きかった
 ◎○:濃度残存率は85%より大きく90%以下だった
 ○:濃度残存率は80%より大きく85%以下だった
 ○△:濃度残存率は75%より大きく80%以下だった
 △:濃度残存率は70%より大きく75%以下だった
 ×:濃度残存率は70%以下だった
 2-4.ピニング性
 上記2-3で形成したキセノン光を照射する前の画像について、各試料のベタ画像部に白抜け(ドット合一による未印字部分)があるかを目視で確認した。評価は下記の基準で行った。
 ◎:白抜けは無かった。
 ◎○:1箇所の白抜けがあるが、美感上の問題は感じられなかった
 ○:2箇所の白抜けがあるが、美感上の問題は感じられなかった
 △:3~8箇所の白抜けがあるが、画像を認識上での問題は感じられなかった
 ×:白抜けが多数発生して、画像を認識することが困難だった
 2-5.評価結果
 インク1~インク23に含有させた紫外線吸収剤の名称、インクの全質量に対する紫外線吸収剤の含有量、およびゲル化剤の全質量に対する割合、ならびにインク1~インク23の上記評価結果を、表2および表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 光重合性化合物、ゲル化剤、および分子量が300以上1000以下である紫外線吸収剤を含有し、紫外線吸収剤の含有量がゲル化剤の全質量に対して5質量%以上60質量%以下である、インク1~14、19~21および23は、紫外線吸収剤の揮発が生じにくく、かつ、紫外線吸収剤によるピニング性およびゲル化温度の保存安定性への影響も少なかった。
 特に、紫外線吸収剤の含有量がゲル化剤の全質量に対して20質量%以上40質量%以下であるインク1、6、8、10~13、19および20は、紫外線吸収剤によるピニング性およびゲル化温度の保存安定性への影響をより少なくすることができた(特に、インク1とインク2との比較、インク6とインク7との比較、インク13とインク14との比較、およびインク19とインク20との比較による)。
 また、紫外線吸収剤の分子量が500以上800以下であるインク1、2、10~12および19~21は、紫外線吸収剤による耐候性への影響がより少なかった(特に、インク1、10~12とインク6、8との比較、およびインク2とインク3~5、7および9との比較による)。
 また、紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン系の化合物であるインク1、2、6、7、10~14および19~21は、特に紫外線吸収剤の含有量が少ないとき(ゲル化剤の全質量に対して20質量%以上40質量%以下であるとき)でも、耐候性がよりよい画像を形成することができた(特に、インク1、6、10~13とインク8との比較による)。
 特に、紫外線吸収剤が2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン(TINUVIN 479)であるインク1、2、19~21は耐候性がより高い画像を形成することができた。この効果は、紫外線吸収剤の含有量が少ないときにも顕著だった(インク1、19および20)。
 また、光安定剤を含有するインク1~14および19~21は、耐候性がより高い画像を形成することができた。
 これに対し、紫外線吸収剤を含有しないインク15および22は、耐候性が高まりにくかった。
 また、紫外線吸収剤の分子量が300未満であるインク17は、紫外線吸収剤が揮発しやすく、そのために耐候性が低下する傾向が見られた。この傾向は、特に紫外線吸収剤の含有量が少ないインク16で顕著だった。
 また、分子量が300以上の紫外線吸収剤を含有させたものの、ゲル化剤の全質量に対する紫外線吸収剤の含有量が60質量%より多いインク16およびインク18は、ピニング性およびゲル化温度の保存安定性が低下する傾向が見られた。
 画像周辺の空気を窒素に置換して酸素濃度を下げながら画像を形成すると、光重合開始剤の量がより少ないインクでも、耐候性が高く白抜けが少ない画像を形成することができた(インク19~21、23)。
 本出願は、2016年3月24日出願の日本国出願番号2016-059711号に基づく優先権を主張する出願であり、当該出願の特許請求の範囲および明細書に記載された内容は本出願に援用される。
 本発明に係るインクジェットインクは、ゲル化剤に由来するピニング性によって高精細な画像を形成可能であり、かつ、形成された画像の耐候性を高めることができる。そのため、本発明は、ゲル化剤を含有するインクを用いてのインクジェット法による、屋外に設置される画像の形成などに好ましく用いることができ、インクジェット方法のさらなる普及に寄与すると考えられる。

Claims (6)

  1.  ゲル化剤、紫外線吸収剤および光重合性化合物を含有する活性光線硬化型のインクジェットインクであって、
     前記紫外線吸収剤の分子量は300以上1000以下であり、
     前記紫外線吸収剤の含有量は前記ゲル化剤の全質量に対して5質量%以上60質量%以下である、インクジェットインク。
  2.  前記紫外線吸収剤の含有量は、前記ゲル化剤の全質量に対して20質量%以上40質量%以下である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3.  前記紫外線吸収剤の分子量は、500以上800以下である、請求項1または2に記載のインクジェットインク。
  4.  前記紫外線吸収剤は、ヒドロキシフェニルトリアジン系の化合物である、請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  5.  光安定化剤をさらに含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6.  請求項1~5のいずれか1項に記載のインクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、
     前記記録媒体に着弾した前記液滴に活性光線を照射する工程と、
     を含む、画像形成方法。
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