JP2006123459A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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JP2006123459A JP2004317982A JP2004317982A JP2006123459A JP 2006123459 A JP2006123459 A JP 2006123459A JP 2004317982 A JP2004317982 A JP 2004317982A JP 2004317982 A JP2004317982 A JP 2004317982A JP 2006123459 A JP2006123459 A JP 2006123459A
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悦男 飛田
Yoshinori Negishi
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Abstract

【課題】 インクジェット記録における記録画像に十分な耐光性を付与するインクジェット記録材料を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤(A)、及び下記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物と少なくとも1種の他の重合性モノマーとを共重合させて得られるポリマーからなる耐光性付与剤(B)を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
【化1】

【化2】

【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録における記録画像に耐光性を付与するインクジェット記録材料に関し、詳しくは、特定のトリアジン系紫外線吸収剤及び特定の耐光性付与剤を含有するインクジェット記録材料に関する。また、本発明は、該インクジェット記録材料を用いたインクジェット記録用紙及びインクジェット記録インクに関する。
インクジェット記録方式は、ノズルから高速で射出したインク液滴を被記録材料に付着させて記録する方式であり、フルカラー化が容易であることや記録騒音が低い等の特徴を有する。この方式では、インクジェットノズルに目詰まりを生じないこと、鮮やかな色調を有すること等の条件が要求されるので、使用するインクには、耐光性に優れた顔料ではなく、顔料に比して耐光性に劣る染料を選択することしかできないのが現状である。インク染料は、インク吸収性に富むように工夫された上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工したインクジェット記録用紙と共に用いられるが、インクジェット記録用紙に記録された記録画像は、耐光性が十分でなく、特に光により変色及び退色が生じるという問題点がある。
記録画像の耐光性を改良する目的で、インクジェット記録用紙に各種耐光性材料を使用する方法が報告されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、紫外線吸収剤や光安定剤の使用が報告されており、特許文献3及び特許文献4には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有させることが開示されており、特許文献5には、重合性ヒンダードアミンと他の重合性モノマーとを共重合させて得られるポリマーからなる耐候性付与剤を含有させることが記載されているが、これらの方法によっても、記録後の記録部の耐光性に関する性能は十分ではなかった。
特開2000−108500号公報 特開2000−280611号公報 特開2000−141874号公報 特開2002−96555号公報 特開2002−211110号公報
従って、本発明の目的は、インクジェット記録における記録画像に十分な耐光性を付与するインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するトリアジン系紫外線吸収剤及び特定の構造を有する耐光性付与剤を含有するインクジェット記録材料が、上記課題を解決し得ることを見い出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤(A)、及び下記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物と少なくとも1種の他の重合性モノマーとを共重合させて得られるポリマーからなる耐光性付与剤(B)を含有することを特徴とするインクジェット記録材料を提供するものである。
また、本発明は、上記インクジェット記録材料を含有する塗工剤によりインク受理層が形成されていることを特徴とするインクジェット記録用紙、及び上記インクジェット記録材料を含有することを特徴とするインクジェット記録用インクを提供するものである。
本発明によれば、インクジェット記録における記録画像に十分な耐光性を与えるインクジェット記録材料を提供できる。
以下、本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料に用いられる上記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤(A)において、R1で表される炭素原子数1〜17のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(パルミチル)、へプタデシル、シクロペンチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、4−シクロペンチルブチル、5−シクロペンチルペンチル、シクロヘキシル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、4−シクロヘキシルブチル、5−シクロヘキシルペンチル、8−シクロヘキシルオクチル、10−シクロヘキシルデシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロヘキシル、ビシクロヘプチル、ビシクロオクチル、2−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,4−ジメチルシクロヘキシル、2,5−ジメチルシクロヘキシル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、3,4−ジメチルシクロヘキシル、4,5−ジメチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−イソプロピルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−第三ブチルシクロヘキシル、4−ヘキシルシクロオクチル、4−シクロヘキシルデシル、(4−メチルシクロヘキシル)メチル、2−(4−エチルシクロヘキシル)エチル、3−(4−イソプロピルシクロヘキシル)プロピル等が挙げられ、これらの中でも、炭素原子数1〜10のものが好ましい。
上記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤の具体例としては、以下の化合物No.1〜No.9の化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により何ら制限を受けるものではない。
上記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤は、その製造方法に特に制限されることなく、周知一般の方法により製造されたものを用いることができる。該製造方法としては、例えば、アルコール成分としての2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンと、該当する一価カルボン酸のエステル誘導性化合物(一価カルボン酸、一価カルボン酸ハライド又は一価カルボン酸エステル)とのエステル化反応又はエステル交換反応による方法が挙げられ、これらの反応は、逐次反応でもよく、一括反応でもよい。
上記耐光性付与剤(B)を構成する上記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物において、R4で表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、イソオクチル基が特に好ましい。
また、上記一般式(II)において、Xで表される基は、オキシル基又はモノイソシアネート化合物から誘導される−OY基である。該オキシル基とは、安定化されたラジカルO・のことであり、一般的なヒンダードアミン基を構成する基である水素基、アルキル基及びアルコキシ基と比較して、優れた耐光性付与能力を耐光性付与剤に与えるものである。また、該−OY基は、オキシル基の前駆体であり、加熱等により容易にオキシル基に変換される。Xが−OY基の場合も、上記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物は、耐光性付与効果を有しているので、オキシル基に変換しないで用いてもよい。
上記−OY基のYを導入するモノイソシアネート化合物としては、例えば、メチルスルホニルイソシアネート、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート等の脂肪族イソシアネート類、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、3,4−ジクロロフェニルイソシアネート、m−ニトロフェニルイソシアネート、トルエンスルホニルイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、シクロヘキシルイソシアネート等の脂環族イソシアネート類等が挙げられる。
また、上記モノイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4及び/又は(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類等のジイソシアネート化合物の一方のイソシアネート基を、イソシアネート官能性基を一つ有する化合物で封止したものも挙げられる。
上記のイソシアネート官能性基としては、水酸基、アミノ基あるいはカルボキシル基等のイソシアネート基と反応する基が挙げられ、水酸基を有する化合物としてはアルコール類、フェノール類等が挙げられ、またアミノ基を有する化合物としては脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられ、さらにカルボキシル基を有する化合物としては脂肪族有機酸、芳香族有機酸等が挙げられる。
これらのモノイソシアネート化合物のなかでも、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネート、脂環族イソシアネートが、低コストであり、除去が容易であるので好ましく、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネートがより好ましい。
上記一般式(II)におけるXがオキシル基である重合性ヒンダードアミン化合物は、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと(2−アルキル)アクリル酸とのエステル化反応により得ることができ、Xが−OY基である重合性ヒンダードアミン化合物は、Xがオキシル基のもののオキシル基を還元により1−ヒドロキシ基に変換した後、モノイソシアネート化合物と反応させることで得ることができる。
本発明に係る上記耐光性付与剤(B)は、上記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物と、少なくとも1種の他の重合性モノマーとを共重合させて得られるポリマーからなる。上記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物と共重合可能な他の重合性モノマーとしては、末端に少なくとも1つの二重結合を有するものが好ましい。その具体例としては、α−エチレン、プロピレン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン類、酢酸ビニル、酢酸アリル等の脂肪酸のエチレン性不飽和エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、2−アルキルプロペン酸等の不飽和カルボン酸類及びその塩、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アルコキシポリエチレングリコールアクリレート、アクリロイルモルホリン等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アルコキシポリエチレングリコールメタクリレート、メタクリロイルモルホリン等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、ジアルキルアクリルアミド等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、ジアルキルメタクリルアミド等のメタクリルアミド類、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール等のモノエチレン性不飽和化合物、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の多エチレン性不飽和化合物、フタル酸ジアリル等のアリル化合物、2−(2' −ヒドロキシ−5' −メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−5' −アクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性を有する官能基を含むモノマー、ジアルキルジアリルアンモニウム塩、(メタ)アクリル酸4級アンモニウム、(メタ)アクリル酸アミド4級アミノエステル、(メタ)アクリル酸アミド4級アンモニウム、ビニルベンジルアルキルアンモニウム等の4級窒素原子を有する重合性モノマー及びその塩、ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルトルエンスルホン酸ナトリウム等のビニルベンゼンスルホン酸の塩等を挙げることができる。但し、これらのモノマーは、使用される条件に応じて適宜選択して使用する。
上記の好ましい重合性モノマーの中でも、下記一般式(A)〜(I)のいずれかで表されるものが、インクジェット記録画像に影響を与えることなく、優れた耐光性付与効果を有するのでより好ましい。
上記一般式(A)〜(I)において、R5 、R6 及びR'で表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、上記R1 と同様のものが挙げられる。R7 又はR9 で表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチルが挙げられる。R8 で表される炭素原子数1〜4のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、メチルエチレン、ジメチルエチレン、プロピレン、メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレンが挙げられる。An-で表されるアニオンとしては、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リンアニオン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン;ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオン、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニオン等の有機リン酸系アニオン等が挙げられる。Cat+ で表されるカチオンとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等の1属元素イオン、4級アンモニウムカチオン等が挙げられる。
また、上記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物と共重合可能な他の重合性モノマー中に、酸性基又は塩基性基が含まれている場合、これらは中和処理されていてもよい。中和処理は、モノマーの段階で行ってもよく、重合後に行ってもよい。
上記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物と、少なくとも1種の他の重合性モノマーとを共重合させる方法としては、従来公知の種々の重合方法、例えば、溶液重合、乳化重合、逆相乳化重合、懸濁重合、塊状重合、沈殿重合等を採用することができる。これらの重合の開始方法としては、ラジカル重合法、熱重合法、カチオン重合法、アニオン重合法、光又は放射線を照射する方法等が挙げられる。本発明に係るポリマーである上記耐光性付与剤(B)の場合は、イオン性基の有無に拘わらず重合が可能であるので、ラジカル重合法が好ましい。
本発明のインクジェット記録材料に含まれる上記耐光性付与剤(B)において、その分子量は、特に制限されることはなく、使用に適するように適宜選択することができるが、数平均分子量が700より小さいと揮散して耐光性効果の持続性が損なわれる場合があり、25000を超えると溶解性や分散性が悪化して作業性に問題を生じる場合があるので、700〜25000が好ましく、1000〜20000がより好ましい。
また、上記耐光性付与剤(B)において、光安定性を付与する基である下記式(III)で表されるヒンダードアミン基の含有量は、特に制限されることなく任意の値を選択できるが、耐光性付与剤(B)において10質量%より少ないと充分な耐光性が発揮されない場合があり、75質量%より多いと着色して記録画像の色調に影響を及ぼす場合があるので、10〜75質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。
本発明のインクジェット記録材料において、上記トリアジン系紫外線吸収剤(A)と上記耐光性付与剤(B)との使用比(前者:後者、質量基準)は、1:0.1〜100、特に1:1〜10であることが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録材料には、必要に応じて、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、上記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、リン系、フェノール系又は硫黄系の酸化防止剤等の添加剤を併用することができる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、下記[化14]で表される化合物等が挙げられる。
尚、これらのヒンダードアミン系光安定剤を使用する場合、それらの合計使用量は、上記耐光性付与剤(B)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下とする。
上記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類等が挙げられる。
尚、上記トリアジン系紫外線吸収剤(A)以外のこれらの紫外線吸収剤を使用する場合、それらの合計使用量は、上記トリアジン系紫外線吸収剤(A)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下とする。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、 トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスフィト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス (4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
また、本発明のインクジェット記録材料において、上記トリアジン系紫外線吸収剤(A)及び上記耐光性付与剤(B)は、必要に応じて用いられる上記添加剤と共に、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル等の溶媒に溶解させて、又は水で希釈して用いられる。
本発明のインクジェット記録材料の使用方法は、記録画像に対して耐光性を与え得る方法であれば特に制限を受けず、インクジェット記録用インクに用いてもよく、インクジェット記録が施される紙材、布材、樹脂材、木材等の被記録基材に用いてもよく、記録された画像に後からスプレー等により塗布してもよい。例えば、本発明のインクジェット記録材料をインクジェット記録用紙に用いる場合は、インク受理層を形成する塗工剤に添加して用いることができ、また、溶液とした本発明のインクジェット記録材料を、インクジェット記録が施される紙材に噴霧して用いることもできる。
本発明のインクジェット記録材料の組成は、インクジェット記録材料の使用形態等によって適宜選択することができ、上記溶媒又は水と混合して用いる場合は、好ましくは、溶媒又は水100質量部に対し、上記トリアジン系紫外線吸収剤(A)0.01〜10質量部、上記耐光性付与剤(B)0.1〜10質量部とする。
また、本発明のインクジェット記録材料において、上記トリアジン系紫外線吸収剤(A)及び上記耐光性付与剤(B)の含有量は、両者の合計で、インクジェット記録用インクとして用いる場合には、インク組成物中0.001〜1質量%、水で希釈して水溶液としインクジェット記録用紙の上記塗工剤として用いる場合には、水溶液中0.001〜2質量%、溶液として紙等の上記被記録基材に噴霧して用いる場合には、溶液中0.001〜3質量%、溶液とし記録された画像に後からスプレー等により塗布する場合には、溶液中0.001〜1質量%とすることが好ましい。
以下に、本発明のインクジェット記録用紙について説明する。
本発明のインクジェット記録用紙は、本発明のインクジェット記録材料を含有する塗工剤によりインク受理層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明のインクジェット記録用紙において、インク受理層を形成する上記塗工剤には、透明樹脂である酢酸ビニル、アクリル酸エステル、エチレン、塩化ビニルその他のビニルモノマーからなるホモポリマー又はコポリマー、ポリウレタン、セルロース誘導体、フェノール樹脂、ビニロン、ポリエステル、ポリアミド等のポリマー等を用いることができ、これらのポリマーは、エマルジョンあるいは分散液の形で用いられる。
上記塗工剤は、上記透明樹脂に、本発明のインクジェット記録材料及び必要に応じて後述の各種添加剤を添加した後、水を加えて固形分含量を好ましくは5〜30質量%に調整することにより得ることができる。
上記塗工剤において、本発明のインクジェット記録材料は、上記透明樹脂100質量部に対して、上記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤(A)が0.01〜10質量部、特に0.1〜5質量部、上記耐光性付与剤(B)が0.1〜10質量部、特に1〜5質量部となるように含有させるのが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録用紙のインク受理層を形成する上記塗工剤には、サイズ剤、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、流動性改良剤、離型剤、着色染料、着色顔料、染料定着剤、造核剤、難燃剤、金属石けん、加工助剤、充填剤、滑剤等の周知一般の各種添加剤等を適宜併用することができる。
尚、これらの添加剤の使用量は、添加剤の種類等に応じて適宜選択することができるが、好ましくは上記透明樹脂100質量部に対して添加剤の合計(但し、充填剤を除く)で10質量部以下とする。
本発明のインクジェット記録用紙において、上記塗工剤は、常法により基材上に塗工されてインク受理層を形成する。該基材としては、普通紙、上質紙、写真用紙、マット紙、光沢紙、はがき用紙等、インクジェット記録用紙の基材として用い得る紙であれば特に制限なく使用することができる。
次に、本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明のインクジェット記録材料を含有することを特徴とするものである。
本発明のインクジェット記録用インクは、水に、着色染料、及び該着色染料を分散させるための分散剤と共に、本発明のインクジェット記録材料を含有させたものであり、その他の添加剤として、展色剤、緩衝剤、金属キレート化剤、殺生物剤等も含有させることができる。上記着色染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等が挙げられる。上記分散剤としては、各種天然樹脂、各種合成樹脂、セルロース誘導体、ワックス、界面活性剤等が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用インクにおいては、水100質量部に対して、着色染料0.1〜10質量部及び分散剤0.1〜10質量部と共に、本発明のインクジェット記録材料分散剤を、上記トリアジン系紫外線吸収剤(A)が0.01〜10質量部、特に0.1〜5質量部、上記耐光性付与剤(B)が0.1〜10質量部、特に1〜5質量部となるように含有させるのが好ましい。尚、上記のその他の添加剤を使用する場合には、それらの合計含有量は、好ましくは水100質量部に対して10質量部以下とする。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[合成例]
窒素置換した反応用フラスコに、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール200g、メチルメタクリレート465g及びIPソルベント1620の400mlを仕込み、80℃でオルトチタン酸イソプロピル3gを滴下し、生成するメタノールと過剰分のメチルメタクリレートとを共沸留去しながら、80〜120℃で10時間反応させた。室温まで冷却後、反応系にトルエン500ml及び水500mlを加え撹拌して、生成した酸化チタンを濾別し、水相を廃棄して得られた有機相を2回水洗した後、脱溶媒して融点79℃の中間体の結晶209gを得た。窒素置換した反応用フラスコに、この中間体200g及びN,N'−ジメチルアセトアミド600gを仕込み、アスコルビン酸ナトリウム99gを溶解した25%水溶液を滴下し、1時間撹拌した。4℃以下で脱気した水を2000g加えて析出させた固相を濾取し、冷水洗浄した後、70℃で真空乾燥し、融点85℃の結晶を得た。
窒素置換した反応用フラスコに、上記で得た結晶195g及びトルエン800mlを仕込み、フェニルイソシアネート115gを滴下し、25℃で1時間撹拌した。生成した沈殿を濾別し、これをメタノールで再結晶して結晶260gを得た。
この結晶について各種分析を行い、該結晶はN−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレートであることを確認した。分析結果を以下に示す。
(分析結果)
融点:181℃
IR(cm-1):3256(−NH)、1709(COOR)、1597(ビニル)
1H−NMR:(1.2〜2.3、m、19H)(5.0〜5.4、m、1H)、(5.6〜6.1、m、2H)(7.0〜7.5、m、5H)(8.7、br、1H)
[製造例1]ポリマー1の合成
窒素置換した反応用フラスコに、N−ブチルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート30.0g、アクリル酸13.2g、ジメチルホルムアミド175g及び2,2'−アゾビスイソブチルニトリル1.35gを仕込み、80℃で4時間撹拌した後、反応液をヘキサン900mlに撹拌しながら滴下して析出させた固相を取り出し、37.2gのポリマー1を得た。
[製造例2]ポリマー2の合成
上記で得られたポリマー1の27.0gをジメチルホルムアミド100gに溶解し、120℃で10時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液を酢酸エチル500mlに滴下して析出させた固相を取り出し、20.1gのポリマー2を得た。
[製造例3]ポリマー3の合成
上記で得られたポリマー2の11.0gを水に溶かした水溶液に、炭酸ナトリウム2.2gを加え反応させた後、水を留去して得られた固相を取り出し、11.3gのポリマー3を得た。
[製造例4]ポリマー4の合成
窒素置換した反応用フラスコに、N−ブチルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート10.0g、アクリルアミド2.1g、エチルメチルケトン50g及び2,2'−アゾビスイソブチルニトリル0.2gを仕込み、80℃で8時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液をヘキサン500mlに滴下して析出させた固相を取り出し、9.9gのポリマー4を得た。
[製造例5]ポリマー5の合成
上記で得られたポリマー4の7.3gをイソブチルメチルケトン50gに溶解させて、空気中120℃で10時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液をヘキサン300mlに滴下して析出させた固相を取り出し、5.8gのポリマー5を得た。
[製造例6]ポリマー6の合成
窒素置換した反応用フラスコに、N−ブチルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート10.0g、4−ビニルピリジン3.1g、エチルメチルケトン70g及び2,2'−アゾビスイソブチルニトリル0.2gを仕込み、80℃で8時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液をヘキサン300mlに滴下して析出させた固相を取り出し、11.2gのポリマー6を得た。
[製造例7]ポリマー7の合成
窒素置換した反応フラスコに、上記で得られたポリマー6の6.2g、ジメチルホルムアミド50g及び1−ブロモプロパン3.0gを仕込み、50℃で6時間撹拌した後、系内を空気で置換して120℃で10時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液をヘキサン300mlに滴下して析出させた固相を取り出し、6.0gのポリマー7を得た。
[製造例8]ポリマー8の合成
窒素置換した反応フラスコに、N−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート25.0g、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート13.1g、エチルメチルケトン75g及び2,2'−アゾビスイソブチルニトリル0.46gを仕込み、80℃で8時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液をヘキサン300mlに滴下し析出させた固相を取り出し、イソブチルメチルケトンに溶解させ、空気中120℃で10時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液を酢酸ヘキサン300mlに滴下して析出させた固相を取り出し、24.6gのポリマー8を得た。
上記製造例1〜8により得られた耐光性付与剤(ポリマー1〜8)について、数平均分子量測定、CHN分析による窒素含有量からのヒンダードアミン基(HALS)含量の算出、及びIR分析をそれぞれ行った。それらの結果を表1に記す。
[実施例1−1〜1−9及び比較例1−1〜1−10]
紫外線吸収剤(表2記載)0.2質量部及び上記製造例で得られた耐光性付与剤(表2記載)2.0質量部を、アセトン50質量部及びメタノール50質量部の混合溶媒に溶解し、塗布液を得た。但し、表1において、ポリマー3’、5’、7’及び8’は、N−ブチルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート又はN−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレートの代わりに、1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレートを用いて、上記製造例3,5,7及び8に準じて得たものであり、また、比較化合物No.1〜No.4は、下記[化15]に示す構造を持つ化合物である。
得られた塗布液を市販のインクジェット用紙にスプレーで塗布した後、自然乾燥させて評価用インクジェット記録用紙を作成した。得られた評価用インクジェット記録用紙をインクジェットプリンター(商品名:DeskJet850C、ヒューレットパッカード社製)にセットし、マゼンダ、イエロー、シアンをプリントした。得られた記録画像に、63℃の条件でキセノンランプにより紫外線を照射し、照射開始から2時間後及び8時間後における色差を測定した(耐光性試験)。尚、色差は、紫外線照射前のものを基準とし、JIS−K7105に準じて測定し、ハンターの色差式により求めた。結果を表2に示す。
[実施例2及び比較例2]
非晶性シリカ(商品名:Mizukasil P−78D、水澤化学工業社製)100質量部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−R−1130、クラレ社製)40質量部、紫外線吸収剤(表3記載)0.3質量部及び耐光性付与剤(表3記載)20質量部を混合し、水で希釈して固形分が10質量%になるように塗工剤を調製した。得られた塗工剤を、乾燥質量で7g/m2になるように普通紙にダイコーターで塗工して評価用インクジェット記録用紙を作成した。
得られた評価用インクジェット記録用紙を用い、マゼンダ及びシアンについて、上記実施例1と同様にして耐光性試験を行った。結果を表3に示す。
[実施例3及び比較例3]
カチオン系水性ポリウレタン100質量部に、ポリビニルアルコール100質量部、非晶性シリカ(Mizukasil P−78D)30質量部、紫外線吸収剤(表4記載)0.3質量部、及び耐光性付与剤(表4記載)15質量部を加え、水で希釈して固形分が10質量%になるように塗工剤を調製した。得られた塗工剤を、乾燥質量で10g/m2になるように普通紙にダイコーターで塗工して評価用インクジェット記録用紙を作成した。
尚、上記カチオン系水性ポリウレタンは、以下のようにして得られたものである、先ず、分子量1000のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート三量化物とから得られるノニオン性ジイソシアネート2.7モル、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート10.8モル、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸及びイソフタル酸とから得られる分子量1750のポリエステルポリール2.0モル並びにN−メチルジエタノールアミン7.0モルを仕込み、窒素気流下、N−ピロリドン溶媒中、90℃で2時間反応させてプレポリマー溶液を得た。次いで、得られたプレポリマー溶液を、N−メチルジエタノールアミンと同モルの酢酸で中和した後、この溶液を固形分30質量%となるように550ppmの消泡剤(フッ素系界面活性剤)水溶液に滴下してカチオン系水性ポリウレタンを得た。
得られた評価用インクジェット記録用紙を用い、上記実施例2と同様に、マゼンダ及びシアンについて耐光性試験を行った。結果を表4に示す。
表1から明らかなように、本発明に係る特定の紫外線吸収剤及び特定の耐光性付与剤を添加したもの(実施例1−1〜1−9)は、紫外線吸収剤及び耐光性付与剤を添加しないもの(比較例1−1)、本発明に係る特定の耐光性付与剤のみを添加したもの(比較例1−2)、本発明に係る特定の紫外線吸収剤のみを添加したもの(比較例1−3)、並びに比較化合物の紫外線吸収剤及び比較化合物の耐光性付与剤を添加したもの(比較例1−4〜1−10)に比べ、耐光性に優れ、インクジェット記録材料に用いるのに適当である。
また、表2及び3から明らかなように、本発明に係る特定の耐光性付与剤は、比較化合物の紫外線吸収剤と組み合わせて使用した場合(比較例2及び3)に比べ、本発明に係る特定の紫外線吸収剤と組み合わせて使用した場合(実施例2及び3)に、優れた耐光性を示す。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表されるトリアジン系紫外線吸収剤(A)、及び下記一般式(II)で表される重合性ヒンダードアミン化合物と少なくとも1種の他の重合性モノマーとを共重合させて得られるポリマーからなる耐光性付与剤(B)を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 請求項1記載のインクジェット記録材料を含有する塗工剤によりインク受理層が形成されていることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  3. 請求項1記載のインクジェット記録材料を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
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