JP6733659B2 - 共晶を形成する二種のワックスを含む活性光線硬化型インクジェットインクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

共晶を形成する二種のワックスを含む活性光線硬化型インクジェットインクおよびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、共晶を形成する二種のワックスを含む活性光線硬化型インクジェットインクおよびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式による画像形成方法は、インクタンクから流路を通して供給されたインクを吐出用記録ヘッドから吐出して画像を形成する方法である。インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種画像の形成に用いられている。インクジェット記録方式に用いられるインクの一つに、活性光線硬化型インクジェットインクがある。活性光線硬化型インクジェットインクは、色材のほかに光重合性化合物を含むため、紫外線等の活性光線を照射して光重合性化合物が重合することによって、インク成分を硬化させることができる。活性光線硬化型インクジェットインクを用いて画像を形成すると、溶剤系インク組成物と比べて、吐出したインクを固定化させやすく、にじみの少ない画像を種々の記録媒体に形成できる。
紫外線硬化型インクジェットインクのピニング性を高めるために、例えば、ワックス等のゲル化剤を含有させた紫外線硬化型インクジェットインクが開発されている。このようなインクを用いる記録方法においては、記録媒体にインクを着弾させると同時にインク滴をゲル化させることで、色混じりやドット合一を防ぎ、より高品質な画像を形成するための技術が検討されている。
例えば、ゲル化剤としてケトンワックスとエステルワックスとを組み合わせて使用するインクジェット用インクが知られている(特許文献1)。この発明においては、数種のワックスの併用によってピニング性と射出性を両立しているが、インクは通常の印刷温度で使用することを目的としたものであって、基材温度の低い条件で印刷することを想定したものではない。
また、一種のゲル化剤を含むインクジェットインクに加熱手段と加圧手段を施すことで、高品質の画像を形成する方法も知られている(特許文献2)。この方法における基材温度は、インクのゲル化温度よりも5℃〜15℃低い温度であり、実施例で使用する温度も38℃〜72℃と幅広く、比較的高温である。よって、この文献に開示されているインクは、低い基材温度での印刷を目的としたインクではない。
国際公開第2012/132406号 国際公開第2013/118500号
近年、消費エネルギーの低減や基材種の拡大などを目的として、低い基材温度で印刷する技術が着目されている。しかしながら、ゲル化剤としてワックスを含んだ従来の活性光線硬化型インクジェットインクを用いて低温で印字すると、着弾後のインク中における結晶化したワックスの析出速度が速くなりすぎるために、インクドットの形成する凹凸が大きくなってしまうという問題があった。このワックス結晶の析出速度を低下させるためには、ゲル化温度を低下させる必要があるが、ゲル化温度の低いワックスは、インクの硬化後に印刷物表面に析出して結晶化するため、印刷表面に粉を吹いたようなブルーミングと呼ばれる現象が発生する。よって従来の活性光線硬化型インクジェットインクを用いて低温で印刷すると、高品質の画像を得ることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低い基材温度で印刷した際にも、文字品質と画質が高く、ブルーミングの発生が抑制された印刷物を得ることができる活性光線硬化型インクジェットインクを提供することをその目的とするものである。
上記課題に鑑み、本発明の第一は、共晶を形成する二種のワックスを含有する活性光線硬化型インクジェットインクに係る。
[1]活性光線硬化性化合物、光重合開始剤、ワックスAおよびワックスBを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、ワックスAとワックスBは共に直鎖部分を含むアルキル鎖を少なくとも1つ有し、全てのアルキル鎖において直鎖部分の炭素原子数は15以上であり、ワックスAは、前記活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内にあり、ワックスBは、ワックスAと共に共晶を形成することを特徴とする、活性光線硬化型インクジェットインク。
[2]ワックスBの前記活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内であることを特徴とする、[1]に記載のインクジェットインク。
[3]ワックスAとワックスBの合計量が、インクの全量に対して、0.5質量%以上、10質量%以下であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4]ワックスA:ワックスBの質量比が、2:8〜8:2の範囲内であることを特徴とする、[3]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[5]ワックスAとワックスBの組み合わせが、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、エチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせ、ステアリン酸ベヘニルと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせ、およびエチレングリコールジステアレートと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせのいずれか一種であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[6]前記ワックスAとワックスBとの組み合わせが、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、またはエチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせであることを特徴とする、[5]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
本発明の第2は、以下に示すインクジェット記録方法に関する。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する行程と、
前記記録媒体に射出された前記インクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程と、を含み、前記記録媒体の温度が、25℃〜40℃の範囲内であることを特徴とする、インクジェット記録方法。
本発明によれば、共晶を形成する二種のワックスをゲル化剤として使用することで、基材温度が15℃〜40℃という低い印字温度で印字しても、ブルーミングの発生を抑制し、画質と文字品質の高い印刷を達成する活性光線硬化型インクジェットインクが提供される。
(A)共晶を形成するステアリン酸ステアリル(SS)とエチレングリコールジステアレート(EGDS)の状態図。(B)共晶を形成しないステアリン酸ステアリルとステアリン酸ベヘニル(SB)の状態図。
1.活性光線硬化型インクジェットインク
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、活性光線硬化性化合物と、光重合開始剤と、共晶を形成する二種のワックスとを含む。
[活性光線硬化性化合物]
活性光線硬化性化合物は、活性光線により架橋または重合する光重合性化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線および電子線である。活性光線硬化性化合物は、ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物であり、好ましくはラジカル重合性化合物である。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などが含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。(メタ)アクリレートは、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマーなどであってよい。
(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
(メタ)アクリレートは、感光性などの観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
(メタ)アクリレートは、変性物であってもよい。変性物の例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート;およびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート等が含まれる。
本発明においては、活性光線硬化性化合物の少なくとも一部をエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとすることが好ましい。エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは感光性が高く、インクが低温下でゲル化する際に、カードハウス構造(後述)を形成しやすいからである。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494;新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G;大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP;Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072;新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCPおよびトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP等が含まれる。
(メタ)アクリレートは、重合性オリゴマーであってもよく、そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
カチオン重合性化合物は、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、およびオキセタン化合物等でありうる。カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、または脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましい。
芳香族エポキシドは、多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。反応させる多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセンまたはシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましい。
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物であり、その例には、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報、特開2005−255821号公報に記載のオキセタン化合物等が含まれる。なかでも、特開2005−255821号公報の段落番号0089に記載の一般式(1)で表される化合物、同号公報の段落番号0092に記載の一般式(2)で表される化合物、段落番号0107の一般式(7)で表される化合物、段落番号0109の一般式(8)で表される化合物、段落番号0116の一般式(9)で表される化合物等が挙げられる。特開2005−255821号公報に記載された一般式(1)、(2)、(7)〜(9)を以下に示す。
Figure 0006733659
活性光線硬化型インクジェットインクにおける活性光線硬化性化合物の含有量は、1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。
[光重合開始剤]
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる光重合開始剤には、ラジカル系の光重合開始剤とカチオン系の光重合開始剤があり、ラジカル系の光重合開始剤には、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が含まれる。
カチオン系の光重合開始剤としては、光酸発生剤が挙げられる。光酸発生剤としては、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合開始剤の含有量は、活性光線や活性光線硬化性化合物の種類などにもよるが、0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などをさらに含んでもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N−ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
[ワックス]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、ワックスAとワックスBの二種類のワックスを含んでいる。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるワックスは、少なくとも1つのアルキル鎖を有するワックスである。一般的にワックスは1〜4のアルキル鎖を有するものであり、本発明においては、ワックスの有するアルキル鎖の全てにおいて、直鎖部分の炭素原子数が15以上でなければならない。この条件が満たされない場合、ワックスの溶解度は本発明に使用するには高くなりすぎる。そのため、得られるインクは、低温印刷時にブルーミングを発生し、文字品質も低下する。アルキル鎖の直鎖部分の炭素原子数は、好ましくは15〜25、より好ましくは16〜22である。直鎖部分の炭素原子数が25を超えると溶解度が低くなりすぎる(ゲル化温度が高くなりすぎる)ため、印字した際のスジ感が大きくなる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに用いるワックスの例には、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、脂肪族ケトン、脂肪酸アミドなどが含まれ、好ましくは、脂肪酸エステルもしくは脂肪族ケトンである。
ゾルゲル相転移型のインクにおけるワックスは、少なくとも1)ゲル化温度よりも高い温度で、活性光線硬化性化合物に溶解すること、2)ゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化すること、が必要である。
ワックスがインク中で結晶化するときに、ワックスの結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、前記空間に活性光線硬化性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に活性光線硬化性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の活性光線硬化性化合物を保持することができ、インク液滴をピニングすることができる。それにより、液滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している活性光線硬化性化合物とワックスとが相溶していることが好ましい。これに対して、インク中で溶解している活性光線硬化性化合物とワックスとが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
ワックスとしての脂肪族ジケトンは、例えば下記一般式(G1)で表される化合物である。
一般式(G1): R1−CO−R2
式(G1)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素原子数15以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基でありうる。飽和または不飽和脂肪族炭化水素基は、分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基でありうるが、高い結晶性を得るためには、好ましくは直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(直鎖アルキレン基)である。
脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が15未満であると、ワックスの溶解度が高くなり、十分な結晶性を有しないため、ワックスがゲル化剤として機能しない。一方、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が25を超えると、融点が高くなりすぎるため、インクの射出温度を高くしなければ、ワックスがインク中に溶解しなくなる。脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が15以上25以下であると、ゲル化剤として必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成することができ、融点も高くなりすぎることはない。R1およびR2の脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数は16以上22未満であることが好ましい。そのため、R1およびR2は、炭素原子数16以上22未満の直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(直鎖アルキレン基)であることが特に好ましい。
炭素原子数15以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基の例には、ドコサニル基(C22)、イコサニル基(C20)、オクタデカニル基(C18)、ヘプタデカニル基(C17)、ヘキサデカニル基(C16)、ペンタデカニル基(C15)等が含まれる。
ワックスとしての脂肪酸エステルは、例えば下記一般式(G2)で表される化合物である。
一般式(G2): R3−COO−R4
式(G2)において、R3およびR4は、それぞれ独立して、炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基でありうるが、好ましくは飽和脂肪族炭化水素基(アルキレン基)である。また、飽和脂肪族炭化水素基は、分岐状または直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基でありうるが、一定以上の結晶性を得るためには、好ましくは直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(直鎖アルキレン基)である。
R3とR4の脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が15以上26以下であると、式(1)で表される化合物と同様に、ゲル化剤として必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成でき、融点も高くなりすぎない。式(G2)で表される化合物の結晶性を一定以上にするためには、R3の脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が16以上22未満であり、かつR4の脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が16以上22未満であることが好ましい。そのため、R3は炭素原子数16以上22未満の直鎖アルキレン基であり、かつR4は炭素原子数16以上22未満の直鎖アルキレン基であることが特に好ましい。
炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基の例には、前述の式(G1)における炭素原子数15以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基と同様のものが含まれる。
ワックスの好ましい具体例には、18−ペンタトリアコンタノン(ステアロン)、16−ヘントリアコンタノン等の脂肪族ケトン化合物(例えば花王社製 カオーワックスT1等);パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の脂肪族モノエステル化合物(例えばユニスタ−M−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製)、EMALEX CC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパール MY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等);1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ゲルオールD 新日本理化株式会社より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12−ヒドロキシステアリン酸誘導体;ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド;N,N'−エチレンビスステアリルアミド、N,N'−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N'−キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;オクタデシルアミンなどの高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸エステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス;重合性ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等)等が含まれる。
本発明においては、炭素数15以上の直鎖部分を含むアルキル鎖を有するこれらワックスの中から、共晶を形成する二種を組み合わせて使用する。共晶とは、二種の成分を含む混合溶液を冷却した際に、二種の結晶が同時に析出する現象である。共晶を形成する混合物の融点は、各成分単独の融点よりも低い。
共晶を形成するワックスの組み合わせは、DSC(示差走査熱量測定)によって求めることができる。具体的には、二種のワックスを種々の比率で加熱混合した後に冷却して試料を作製し、この試料の融点をDSCで測定する。横軸にワックス混合物の組成を、縦軸に温度を取り、組成ごとの融点をプロットして状態図を作製する。一例として、ステアリン酸ステアリル(SS)とエチレングリコールジステアレート(EGDS)の共晶を示す状態図を図1(A)に示した、ステアリン酸ステアリルの融点は約59℃、エチレングリコールジステアレートの融点は約74℃であるが、エチレングリコールジステアレートが30%(ステアリン酸ステアリルが70%)の組成で融点が約57℃の極小となった。この融点が極小となる組成が共晶点である。一方、共晶を形成しないステアリン酸ステアリルとステアリン酸ベヘニル(SB)の組み合わせの状態図(図1(B))においては、ゲル化温度は組成に従って変化し、融点が極小となる点は見られない。
尚、本発明のインクは、ワックスAとワックスBに加えて、他のワックスを含有してもかまわない。よって、複数種のワックス成分を含有する木ロウなどをワックスA(またはワックスB)として使用することも可能である。このような混合物をワックスとして使用する場合には、混合物を一種のワックスと仮定して疑二元系状態図を作製し、ワックスの析出挙動を求め、添加量などを決定すればよい。
共晶を形成する二種のワックスの1つであるワックスAは、使用する活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内のワックスである。2つ目のワックスであるワックスBの飽和溶解度については特に限定はないが、ワックスAと同様に、飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内であることが好ましい。飽和溶解度とは、溶媒に対する物質の溶解が平衡状態に達した時の溶解度であり、温度によって変化するものである。活性光線硬化性化合物に対するワックスの飽和溶解度が0.4%となる温度は、溶解度曲線から求めることができる。具体的には、種々の添加量のワックスを活性光線硬化性化合物に溶解したサンプルを用意し、完全にワックスが溶解するまで昇温する。ワックスが完全に溶けたらサンプルを冷却し、固相が析出してきた温度をワックスの添加量(溶解度)に対してプロットし、溶解度曲線を作製する。この曲線から、飽和溶解度が0.4%となる温度を読み取ることができる。
ワックスの飽和溶解度が0.4%となる温度が40℃未満の場合、溶解度が高すぎるためブルーミングが発生し、50℃を超えると、ゲル化温度が高くなりすぎるため、25〜40℃で印字した際の光沢違和感が大きくなってしまう。一方、上記の飽和溶解度に関する条件を満たす二種のワックスを使用すると、インク中でそれぞれのワックスが結晶析出する温度が近いため、共晶の形成によってゲル化温度を下げる効果が得られやすいため好ましい。
インクの製造に使用する活性光線硬化性化合物によっても、ワックスの飽和溶解度が0.4%となる温度は変化するが、飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内にあるワックスの具体例としては、ステアリン酸ステアリル(41.8℃)、エチレングリコールジステアレート(40.1℃)、ステアリン酸ベヘニル(49.8℃)等が挙げられる。尚、括弧内に示した、飽和溶解度が0.4%となる温度は、本明細書の実施例においてインクの調製に用いたのと同じ添加剤(活性光線硬化性化合物、重合禁止剤、光重合開始剤および光重合開始剤助剤)の混合溶液を溶媒として用いて測定した値である。
本発明において使用可能な、共晶を形成する二種のワックスの組み合わせの一例としては、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、エチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせ、ステアリン酸ベヘニルと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせ、およびエチレングリコールジステアレートと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせが挙げられ、これらの中でも、二種のワックスが共に飽和溶解度の条件を満たしているステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、およびエチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるワックスAとワックスBの合計量は、0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。ワックス含有量が0.5質量%未満であると、画像の文字品質が低下し、ワックス含有量が10質量%を超えると、光沢のばらつきや粒状性硬化膜の発生といった画質の低下や、ブルーミングの発生が見られる。
本発明におけるワックスAとワックスBは、これらの合計量が上記範囲内にあり、且つ、共晶によるインクのゲル化温度の低下が発揮される限り、その量比に特に限定はない。言い換えれば、ワックスAとワックスBの比率は溶解度が極小となる共晶点である必要はなく、二種のワックスの併用によるゲル化温度の低下が認められる限り、本発明の効果を達成することができる。ワックスAとワックスBは、例えば、ワックスA:ワックスBの質量比が2:8〜8:2の範囲内で使用することができる。
[色材]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて色材をさらに含んでもよい。色材は、染料または顔料でありうるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36等が含まれる。青またはシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60等が含まれる。緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193等が含まれる。黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業株式会社製);
KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学株式会社製);
Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素株式会社製);
Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ株式会社製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ株式会社製);
Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント社製);
カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、分散剤、および分散媒体の選定、分散条件、およびろ過条件等に応じて調整される。
活性光線硬化型インクジェットインクは、顔料の分散性を高めるために、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて分散助剤をさらに含んでもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。
分散剤および分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体をさらに含んでもよい。分散媒体として溶剤をインクに含ませてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、前述のような活性光線硬化性化合物(特に粘度の低いモノマー)を分散媒体として用いることが好ましい。
染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧社製)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
顔料または染料の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクに対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。顔料または染料の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が十分ではなく、多すぎるとインクの粘度が高くなり、射出性が低下するからである。
[その他の成分]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等でもよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、およびゴム系樹脂等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述の活性光線硬化性化合物と、光重合開始剤と、二種のワックスと、任意の各成分とを、加熱下において混合することにより得ることができる。得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。
上述した特定の成分を有する本発明のインクジェットインクのゲル化温度は、従来のインクよりも低く、好ましくは40〜60℃、より好ましくは45〜50℃である。このようにゲル化温度を低くすることによって、低温印刷が可能となる。
2.インクジェット記録方法
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも以下の2工程を含む。
(1)本発明の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する行程と、
(2)記録媒体に射出されたインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる工程。
<工程(1)について>
工程(1)では、インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体上に着弾させる。使用するインクは、上述した活性光線硬化型インクジェットインクであればよい。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドの例は、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型を含む電気−機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型を含む電気−熱変換方式等が含まれる。
インクジェットインクの液滴は、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際のインクジェットインクの温度は、35℃以上100℃以下が好ましく、吐出安定性をより高める観点からは、35℃以上80℃以下であることがより好ましい。吐出安定性をさらに高める観点からは、インクジェットインクの粘度が7mPa・s以上15mPa・s以下、より好ましくは8mPa・s以上13mPa・s以下となるようなインク温度において出射を行うことが好ましい。
インクジェットインクを所定の温度に加熱する方法の例には、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプおよびヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管ならびにピエゾヘッド等の少なくともいずれかを、パネルヒーター、リボンヒーターおよび保温水等のうちいずれかによって所定の温度に加熱する方法が含まれる。
記録速度を速くし、かつ、画質を高める観点から、吐出される際のインクジェットインクの液滴量は2pL以上20pL以下であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録媒体は、従来、各種の用途で使用されている印刷紙や広汎な合成樹脂が全て対象となる。具体的には、コピー等で使用されている普通紙、オフセット印刷で使用されている上質紙、コート紙、アート紙等の紙製の基材、基紙の両面を樹脂等で被覆したコート紙、各種貼合紙、合成紙、薄段ボールなど、軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムが挙げられる。各種プラスチックフィルムの例には、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONYフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等が含まれる。この他にも金属類、ガラスなども記録媒体として用いてもよい。
本発明のインクジェット記録方法では、記録媒体上に着弾したインク液滴を硬化させるが、この際の記録媒体の温度(基材温度)は25℃〜40℃の範囲内とする。本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェットインクは、ゲル化剤として共晶を形成する二種のワックスを含むインクである。本発明のインクにおいては、共晶を形成する二種のワックス併用によってインクのゲル化温度を低下させているため、記録媒体の温度を、例えば40℃を超える高温に加熱しなくとも、高画質の印字が可能となる。
本発明においては、記録媒体の温度を25℃〜40℃、好ましくは25℃〜35℃の範囲内に設定する。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクを用いると、記録媒体を従来のような高温(例えば、70℃)に加熱する必要がないため、一般的なコート紙よりも厚い薄段ボールなどの厚紙を印刷する際にも、加温のためのエネルギー消費を抑えることができる。さらに基材を所望の温度まで昇温するための時間も短くなるため、生産性が向上する。また、高温では変形しやすい耐熱性の弱い記録媒体等にも印字可能であることから、記録媒体として使用可能な適応基材種も拡大される。
記録媒体は、その温度が25℃〜40℃の範囲内である限り、必ずしも加熱する必要はない。記録媒体を加熱する場合には、接触式で記録媒体を加熱する各種ヒーター、加熱ローラーなどであってよいし、非接触式で記録媒体の表面または裏面を加熱するランプ等であってもよい。接触式で記録媒体を加熱する加熱手段は、通常、記録媒体の裏面に配置される。
<工程(2)について>
工程(2)では、記録媒体に射出されたインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる。この工程により、インクジェットインクに含まれる活性光線硬化性化合物を光硬化させる。
照射される活性光線の例には、紫外線、近紫外線、自然光(フィルターカット品含む)などが含まれるが、紫外線が好ましい。紫外線の照射光源の例には、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり;帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましく;超寿命で安価ということから、LEDが特に好ましい。
しかしながら、一般的にLEDは単一波長光源であり、高圧水銀灯のような複数の輝線スペクトルを有する光源より照度が低くなりやすい。ラジカル重合で硬化させる場合、照度が低いとラジカルが酸素と結合して失活する割合が増える。そのため、照射時間を延長して積算光量を同じにしても、硬化しにくくなる。従って、インクジェットインクは低照度、低積算光量で硬化できることが求められている。
LEDは瞬時に点灯が可能であり、寿命が長く、輻射熱が少なく、光量制御が容易であり、発光波長幅(半値幅)が極めて狭く、消費電力量が少ないなどの利点がある。照射光源の波長は280〜420nmであることが好ましく、350〜410nmであることがより好ましい。前記波長は光紫外域の中では長波長であり、安全性が高い。
記録媒体に着弾したインクジェットインクの液滴に照射される積算光量は、10〜500mJ/cmの範囲内にあることが好ましい。この範囲内であれば、省エネ、省スペース、コストなどの観点から有利である。
活性光線照射源からの光は、記録媒体に対して、照度を8W/cm以下とすることが好ましく、2W/cm以下とすることがより好ましい。8W/cmより高い照度の光は、発熱量が大きいため、耐熱性の弱い記録媒体が変形しやすい。また、漏れ光が多くなりヘッドノズル面上でインクが硬化してしまうなどの問題が生じうる。さらに、高い照度の光は、消費エネルギーが高く、光源スペースが大きく、コストが上昇する。
活性光線の照射方法は特に限定されず、例えば下記の方法で行うことができる。ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査し、インク着弾から一定時間後に照射を行う。さらに、駆動を伴わない別の光源からも光を照射して硬化を完了させる(特開昭60−132767号公報を参照)。あるいは、光ファイバーを用いて光照射してもよいし、コリメートされた光源からの紫外線をヘッドユニット側面に設けた鏡面にて反射させ、記録部へ光照射してもよい(米国特許第6,145,979号明細書を参照)。
また、活性光線の照射を2段階に分けてもよい。第1の照射は、記録媒体Pにインク液滴が着弾後から0.001〜1.0秒の間に行われることが好ましい。第2の照射は、第1の照射後に行われればよい。つまり、第2の照射は、第1の照射よりも記録媒体の搬送方向下流側で行われればよい。第1の照射による記録媒体単位面積あたりの積算光量(D1)は、第2の照射による記録媒体単位面積あたりの積算光量(D2)より小さいことが好ましい。つまり、D1<D2であることが好ましい。活性光線の照射を2段階に分けることで、画像の硬度が高まり、滲みの少ない画像を形成できる。
本発明のインクジェット記録方法では、記録媒体上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が0.1〜5μmであることが好ましい。「総インク膜厚」とは、記録媒体に描画されたインクの膜厚の最大値を意味する。単色であっても、2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)であっても、それらの総インク膜厚が0.1〜5μmであることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。
<顔料分散液1の調製>
以下の各添加剤を順次混合、分散して、マゼンタ顔料を21質量%含有するマゼンタ顔料分散液1を調製した。
以下の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて加熱、攪拌して溶解した。
顔料分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製) 9部
活性光線硬化性化合物:トリプロピレングリコールジアクリレート 70部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバジャパン社製) 0.02部
次いで、上記溶液を室温まで冷却した後、この溶液に下記マゼンタ顔料21部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液1を得た。
マゼンタ顔料:Pigment Red 122(大日精化製、クロモファインレッド6112JC)
<インクの調製>
(インク1の調製)
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して30分攪拌した後、得られた溶液を、80℃の加熱下で#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却して、インク1とした。
活性光線硬化性化合物:A−400(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、新中村工業社製) 32.0部
活性光線硬化性化合物:SR49(4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SARTOMER社製) 17.0部
活性光線硬化性化合物:SR499(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製) 17.9部
ワックス:ステアリン酸ステアリル 1.5部
ワックス:エチレングリコールジステアレート 1.5部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製) 0.1部
光重合開始剤:TPO(フォスフィンオキサイド、DAROCURE TPO、チバスペシャリティケミカル社製) 6.0部
光重合開始剤助剤:ITX(イソプロピルチオキサントン、Speedcure ITX、Lambson社製) 2.0部
光重合開始剤助剤:EDB(アミン助剤、Speedcure EDB、Lambson社製) 3.0部
顔料分散液1 19.0部
(インク2〜16の調製)
上記インク1の調製において、ワックスの種類と添加量を、表2または表3に記載の様に変更した以外は同様にして、インク2〜16を調製した。なお、ワックスの合計添加量が6.0部となる場合には、活性光線硬化性化合物であるA−400の添加量を、29.0部に変更した。
(インク17〜24の調製)
上記インク1の調製において、ワックスの種類と添加量を、表4に記載の様に変更した以外は同様にして、インク17〜24を調製した。なお、ワックスの合計添加量が6.0部となる場合には、活性光線硬化性化合物であるA−400の添加量を、29.0部に変更した。
(インク25〜32の調製)
上記インク1の調製において、ワックスの種類と添加量を、表5に記載の様に変更した以外は同様にして、インク25〜32を調製した。なお、ワックスの合計添加量が6.0部となる場合には、活性光線硬化性化合物であるA−400の添加量を、29.0部に変更した。
(インク33〜46の調製)
上記インク1の調製において、表6に記載の様に一種類のワックスのみを使用して、インク17〜24を調製した。なお、ワックスの合計添加量が6.0部となる場合には、活性光線硬化性化合物であるA−400の添加量を、29.0部に変更した。
インク1〜46の調製に使用したワックスの詳細は、表1に記載した通りである。
Figure 0006733659
<ワックスの評価>
(共晶点)
(1)試料の作成: 二種のワックスを電子天秤にて所定の比率になるように秤量し、ステンレス製のポットに投入した。ポット内の混合物をホットスターラ―にて100℃に加熱しながら15分撹拌した。その後、室温にてワックスを冷却し、得られた固形物を試料とした。
(2)融点の測定: 得られた試料3.0mgをDSCにて120℃から30℃まで5℃/minの速度で降温分析した。ベースラインと析出ピークの立ち上がり部分の交点を融点として定義した。
(3)状態図の作成: 上記工程(1)および(2)を、二種のワックスの組成比を変えて行い、各組成における融点を測定した。横軸にゲル化剤の組成を、縦軸に温度を取り、工程(1)と(2)で得られた組成ごとの融点をプロットし、状態図とした。(なお、組成によっては融点が2つ見られるものもあったが、その場合は、液相線のみをプロットした。)このような状態図において、融点が極小となる点が存在する場合には、二種のワックスは共晶を形成するものとし、融点が極小となる組成を共晶点とした(図1の(A)を参照)。一方、状態図において、ゲル化温度が組成に従って変化する場合には、二種のワックスは共晶を形成していない(図1の(B)を参照)。
(飽和溶解度)
(1)インクの調製に用いたのと同じ、ワックス以外の下記の添加剤(活性光線硬化性化合物、重合禁止剤、光重合開始剤および光重合開始剤助剤)を順次混合し、80℃に加熱して30分攪拌して溶液を得た。
活性光線硬化性化合物:A−400(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、新中村工業社製) 32.0部
活性光線硬化性化合物:SR49(4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SARTOMER社製) 17.0部
活性光線硬化性化合物:SR499(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製) 17.9部
活性光線硬化性化合物:SR306H(トリプロピレングリコールジアクリレート、SARTOMER社製) 22.0部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製) 0.1部
光重合開始剤:TPO(フォスフィンオキサイド、DAROCURE TPO、チバスペシャリティケミカル社製) 6.0部
光重合開始剤助剤:ITX(イソプロピルチオキサントン、Speedcure ITX、Lambson社製) 2.0部
光重合開始剤助剤:EDB(アミン助剤、Speedcure EDB、Lambson社製) 3.0部
(2)得られた溶液にワックスを添加し、測定用サンプルを用意した。なお、ワックスの添加量は0.1〜5.0%の範囲内の量で用いた。完全にワックスが溶解するまでDSCで昇温し、ワックスが完全に溶けたらサンプルを冷却し、固相が析出してきた温度を測定する。ワックスの添加量(溶解度)に対して析出温度をプロットして溶解度曲線を作製し、この曲線から、飽和溶解度が0.4%となる温度を読み取った。
(ゲル化温度の測定)
それぞれのインクのゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めた。具体的には、それぞれのインクを100℃に加熱し、せん断速度11.7(/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得て、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度をゲル化温度とした。
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いた。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とした。
<画像形成方法>
作製したインク1〜46を使用し、ライン型インクジェット記録装置で単色画像を形成した。インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体(OKトップコート 米坪量128g/m 王子製紙社製)の温度を35℃に調節し、記録媒体に、抜き文字、5cm×5cmのベタ画像を印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製、395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。
吐出用記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。吐出条件は、1滴の液滴量が2.5plとなる条件で、液滴速度約6m/sで出射させて、1440dpi×1440dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。dpiとは、2.54cm当たりのドット数である。
(ブルーミング)
上記の条件で印刷した5×5cmのベタ画像を、40℃の環境下で1ヶ月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
○:画像表面に析出物が認められない。
△:画像表面に薄らとした析出物が存在しており、目視で確認できる。
×:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で明らかに確認できる。
(文字品質)
前述の画像形成方法により、記録媒体上に、漢字「口、四、日、回、因、困、固、国、目、図、國」の抜き文字を印字した。抜き文字は、解像度1400dpi×1440dpi、3ポイントおよび5ポイントのMS明朝体とした。印字した文字画像を目視観察した。文字品質は、以下の基準に基づいて評価した。
○:3ポイントの抜き文字全てが、細部まで明瞭に記録されている。
△:3ポイントの抜き文字は一部しか判読できないが、5ポイントの抜き文字全てが判読可能である。
×:5ポイントの抜き文字の中にも判読できないものがある。
(画質)
上記の条件で印刷した5×5cmのベタ画像について、光沢のばらつきおよび粒状性硬化膜の発生を目視で確認した。
◎:光沢が均一であり、粒状性が低かった。
○:光沢がやや不均一であったが、粒状性は低かった。
△:光沢が不均一であったが、粒状性は低かった。
×:光沢が不均一であり、粒状性も高かった。
それぞれの実施条件および評価結果を表2〜表6に示す。
Figure 0006733659
Figure 0006733659
Figure 0006733659
Figure 0006733659
Figure 0006733659
表2と表3の評価結果から明らかなように、本発明のインクジェットインクであるインク1〜16を用いて印刷すると、記録媒体の温度が35℃という低温であっても、画質も文字品質も高い印刷が可能であり、ブルーミングも抑制することができた。特に使用する二種のワックスが共に飽和溶解度の要件を満たす(飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内である)場合には、ワックス使用量にもよるが、特に画質の優れた印刷が可能となった。
一方、表4の評価結果から明らかなように、共晶を形成しないワックスを使用したインクは、印刷したベタ画像の光沢が不均一であり、粒状性も高かった。
また、表5の評価結果から明らかなように、使用するワックスの有するアルキル基の直鎖炭素数が15以上であり、且つ共晶を形成する組み合わせであっても、二種のワックスの両方が飽和溶解度の要件(即ち、飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内)を満たしていない場合には、印刷したベタ画像の光沢が不均一であり、粒状性も高かった(インク25〜28)。一方、共晶を形成する組み合わせではあるが、アルキル基の直鎖炭素数が15未満であり、且つ飽和溶解度の要件も満たしていない場合には、ゲル化温度が非常に低い30℃以下となり、ブルーミングの発生も目視で明らかに確認できるほど多量になった(インク29〜32)。
さらにワックス一種のみを使用したインクについても評価した。ワックスが一種類のみのインクの場合、アルキル基の直鎖炭素数および飽和溶解度の要件の両方が満たされていても、高画質の印刷は不可能であった(インク33〜37とインク40〜44)。また、アルキル基の直鎖炭素数と飽和溶解度の要件の両方が満たされていないワックスの場合、例えインク38のようにゲル化温度が適正な範囲内(40〜60℃)であっても、画質の低下やブルーミングの発生が著しく、低温印刷用のインクとして問題があった。さらに上記のようなゲル化剤を用いたインクの場合、ゲル化剤の量が増えることによって文字品質の向上は見られたものの、3ポイントの抜き文字は一部しか判読できず、詳細な文字の印刷には適していなかった(インク45と46)。
本出願は、2015年3月13日出願の特願2015−050968に基づく優先権を主張する。当該出願の特許請求の範囲、明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明のインクジェットインクは低い基材温度で印刷した際にも、印刷物におけるブルーミングの発生を抑制し、画質と文字品質の高い印刷を達成することができるため、エネルギー消費量の削減に有効である。さらに本発明のインクは、耐熱性の弱い記録媒体等にも印字可能であることから、その使用は、記録媒体として使用可能な基材種の拡大にもつながる。

Claims (7)

  1. 活性光線硬化性化合物、光重合開始剤、ワックスAおよびワックスBを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、ワックスAとワックスBは共に直鎖部分を含むアルキル鎖を少なくとも1つ有し、全てのアルキル鎖において直鎖部分の炭素原子数は15以上であり、ワックスAは、前記活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内にあり、ワックスBは、ワックスAと共に共晶を形成することを特徴とする、活性光線硬化型インクジェットインク。
  2. ワックスBの前記活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. ワックスAとワックスBの合計量が、インクの全量に対して、0.5質量%以上、10質量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. ワックスA:ワックスBの質量比が、2:8〜8:2の範囲内であることを特徴とする、請求項3に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  5. ワックスAとワックスBの組み合わせが、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、エチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせ、ステアリン酸ベヘニルと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせ、およびエチレングリコールジステアレートと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせのいずれか一種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  6. 前記ワックスAとワックスBとの組み合わせが、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、またはエチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせであることを特徴とする、請求項5に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する行程と、
    前記記録媒体に射出された前記インクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程と、を含み、前記記録媒体の温度が、25℃〜40℃の範囲内であることを特徴とする、インクジェット記録方法。
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