JP6733659B2 - 共晶を形成する二種のワックスを含む活性光線硬化型インクジェットインクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
[1]活性光線硬化性化合物、光重合開始剤、ワックスAおよびワックスBを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、ワックスAとワックスBは共に直鎖部分を含むアルキル鎖を少なくとも1つ有し、全てのアルキル鎖において直鎖部分の炭素原子数は15以上であり、ワックスAは、前記活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内にあり、ワックスBは、ワックスAと共に共晶を形成することを特徴とする、活性光線硬化型インクジェットインク。
[2]ワックスBの前記活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内であることを特徴とする、[1]に記載のインクジェットインク。
[3]ワックスAとワックスBの合計量が、インクの全量に対して、0.5質量%以上、10質量%以下であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4]ワックスA:ワックスBの質量比が、2:8〜8:2の範囲内であることを特徴とする、[3]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[5]ワックスAとワックスBの組み合わせが、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、エチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせ、ステアリン酸ベヘニルと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせ、およびエチレングリコールジステアレートと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせのいずれか一種であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[6]前記ワックスAとワックスBとの組み合わせが、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、またはエチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせであることを特徴とする、[5]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する行程と、
前記記録媒体に射出された前記インクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程と、を含み、前記記録媒体の温度が、25℃〜40℃の範囲内であることを特徴とする、インクジェット記録方法。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、活性光線硬化性化合物と、光重合開始剤と、共晶を形成する二種のワックスとを含む。
活性光線硬化性化合物は、活性光線により架橋または重合する光重合性化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線および電子線である。活性光線硬化性化合物は、ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物であり、好ましくはラジカル重合性化合物である。
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる光重合開始剤には、ラジカル系の光重合開始剤とカチオン系の光重合開始剤があり、ラジカル系の光重合開始剤には、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、ワックスAとワックスBの二種類のワックスを含んでいる。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるワックスは、少なくとも1つのアルキル鎖を有するワックスである。一般的にワックスは1〜4のアルキル鎖を有するものであり、本発明においては、ワックスの有するアルキル鎖の全てにおいて、直鎖部分の炭素原子数が15以上でなければならない。この条件が満たされない場合、ワックスの溶解度は本発明に使用するには高くなりすぎる。そのため、得られるインクは、低温印刷時にブルーミングを発生し、文字品質も低下する。アルキル鎖の直鎖部分の炭素原子数は、好ましくは15〜25、より好ましくは16〜22である。直鎖部分の炭素原子数が25を超えると溶解度が低くなりすぎる(ゲル化温度が高くなりすぎる)ため、印字した際のスジ感が大きくなる。
一般式(G1): R1−CO−R2
一般式(G2): R3−COO−R4
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて色材をさらに含んでもよい。色材は、染料または顔料でありうるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学株式会社製);
Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素株式会社製);
Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ株式会社製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ株式会社製);
Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント社製);
カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等でもよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、およびゴム系樹脂等が含まれる。
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも以下の2工程を含む。
(1)本発明の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する行程と、
(2)記録媒体に射出されたインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる工程。
工程(1)では、インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体上に着弾させる。使用するインクは、上述した活性光線硬化型インクジェットインクであればよい。
工程(2)では、記録媒体に射出されたインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる。この工程により、インクジェットインクに含まれる活性光線硬化性化合物を光硬化させる。
以下の各添加剤を順次混合、分散して、マゼンタ顔料を21質量%含有するマゼンタ顔料分散液1を調製した。
活性光線硬化性化合物:トリプロピレングリコールジアクリレート 70部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバジャパン社製) 0.02部
(インク1の調製)
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して30分攪拌した後、得られた溶液を、80℃の加熱下で#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却して、インク1とした。
活性光線硬化性化合物:SR49(4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SARTOMER社製) 17.0部
活性光線硬化性化合物:SR499(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製) 17.9部
ワックス:ステアリン酸ステアリル 1.5部
ワックス:エチレングリコールジステアレート 1.5部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製) 0.1部
光重合開始剤:TPO(フォスフィンオキサイド、DAROCURE TPO、チバスペシャリティケミカル社製) 6.0部
光重合開始剤助剤:ITX(イソプロピルチオキサントン、Speedcure ITX、Lambson社製) 2.0部
光重合開始剤助剤:EDB(アミン助剤、Speedcure EDB、Lambson社製) 3.0部
顔料分散液1 19.0部
上記インク1の調製において、ワックスの種類と添加量を、表2または表3に記載の様に変更した以外は同様にして、インク2〜16を調製した。なお、ワックスの合計添加量が6.0部となる場合には、活性光線硬化性化合物であるA−400の添加量を、29.0部に変更した。
上記インク1の調製において、ワックスの種類と添加量を、表4に記載の様に変更した以外は同様にして、インク17〜24を調製した。なお、ワックスの合計添加量が6.0部となる場合には、活性光線硬化性化合物であるA−400の添加量を、29.0部に変更した。
上記インク1の調製において、ワックスの種類と添加量を、表5に記載の様に変更した以外は同様にして、インク25〜32を調製した。なお、ワックスの合計添加量が6.0部となる場合には、活性光線硬化性化合物であるA−400の添加量を、29.0部に変更した。
上記インク1の調製において、表6に記載の様に一種類のワックスのみを使用して、インク17〜24を調製した。なお、ワックスの合計添加量が6.0部となる場合には、活性光線硬化性化合物であるA−400の添加量を、29.0部に変更した。
(共晶点)
(1)試料の作成: 二種のワックスを電子天秤にて所定の比率になるように秤量し、ステンレス製のポットに投入した。ポット内の混合物をホットスターラ―にて100℃に加熱しながら15分撹拌した。その後、室温にてワックスを冷却し、得られた固形物を試料とした。
(2)融点の測定: 得られた試料3.0mgをDSCにて120℃から30℃まで5℃/minの速度で降温分析した。ベースラインと析出ピークの立ち上がり部分の交点を融点として定義した。
(3)状態図の作成: 上記工程(1)および(2)を、二種のワックスの組成比を変えて行い、各組成における融点を測定した。横軸にゲル化剤の組成を、縦軸に温度を取り、工程(1)と(2)で得られた組成ごとの融点をプロットし、状態図とした。(なお、組成によっては融点が2つ見られるものもあったが、その場合は、液相線のみをプロットした。)このような状態図において、融点が極小となる点が存在する場合には、二種のワックスは共晶を形成するものとし、融点が極小となる組成を共晶点とした(図1の(A)を参照)。一方、状態図において、ゲル化温度が組成に従って変化する場合には、二種のワックスは共晶を形成していない(図1の(B)を参照)。
(1)インクの調製に用いたのと同じ、ワックス以外の下記の添加剤(活性光線硬化性化合物、重合禁止剤、光重合開始剤および光重合開始剤助剤)を順次混合し、80℃に加熱して30分攪拌して溶液を得た。
活性光線硬化性化合物:A−400(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、新中村工業社製) 32.0部
活性光線硬化性化合物:SR49(4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SARTOMER社製) 17.0部
活性光線硬化性化合物:SR499(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製) 17.9部
活性光線硬化性化合物:SR306H(トリプロピレングリコールジアクリレート、SARTOMER社製) 22.0部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製) 0.1部
光重合開始剤:TPO(フォスフィンオキサイド、DAROCURE TPO、チバスペシャリティケミカル社製) 6.0部
光重合開始剤助剤:ITX(イソプロピルチオキサントン、Speedcure ITX、Lambson社製) 2.0部
光重合開始剤助剤:EDB(アミン助剤、Speedcure EDB、Lambson社製) 3.0部
(2)得られた溶液にワックスを添加し、測定用サンプルを用意した。なお、ワックスの添加量は0.1〜5.0%の範囲内の量で用いた。完全にワックスが溶解するまでDSCで昇温し、ワックスが完全に溶けたらサンプルを冷却し、固相が析出してきた温度を測定する。ワックスの添加量(溶解度)に対して析出温度をプロットして溶解度曲線を作製し、この曲線から、飽和溶解度が0.4%となる温度を読み取った。
それぞれのインクのゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めた。具体的には、それぞれのインクを100℃に加熱し、せん断速度11.7(/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得て、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度をゲル化温度とした。
作製したインク1〜46を使用し、ライン型インクジェット記録装置で単色画像を形成した。インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製)の温度を35℃に調節し、記録媒体に、抜き文字、5cm×5cmのベタ画像を印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製、395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。
吐出用記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。吐出条件は、1滴の液滴量が2.5plとなる条件で、液滴速度約6m/sで出射させて、1440dpi×1440dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。dpiとは、2.54cm当たりのドット数である。
上記の条件で印刷した5×5cmのベタ画像を、40℃の環境下で1ヶ月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
○:画像表面に析出物が認められない。
△:画像表面に薄らとした析出物が存在しており、目視で確認できる。
×:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で明らかに確認できる。
前述の画像形成方法により、記録媒体上に、漢字「口、四、日、回、因、困、固、国、目、図、國」の抜き文字を印字した。抜き文字は、解像度1400dpi×1440dpi、3ポイントおよび5ポイントのMS明朝体とした。印字した文字画像を目視観察した。文字品質は、以下の基準に基づいて評価した。
○:3ポイントの抜き文字全てが、細部まで明瞭に記録されている。
△:3ポイントの抜き文字は一部しか判読できないが、5ポイントの抜き文字全てが判読可能である。
×:5ポイントの抜き文字の中にも判読できないものがある。
上記の条件で印刷した5×5cmのベタ画像について、光沢のばらつきおよび粒状性硬化膜の発生を目視で確認した。
◎:光沢が均一であり、粒状性が低かった。
○:光沢がやや不均一であったが、粒状性は低かった。
△:光沢が不均一であったが、粒状性は低かった。
×:光沢が不均一であり、粒状性も高かった。
Claims (7)
- 活性光線硬化性化合物、光重合開始剤、ワックスAおよびワックスBを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、ワックスAとワックスBは共に直鎖部分を含むアルキル鎖を少なくとも1つ有し、全てのアルキル鎖において直鎖部分の炭素原子数は15以上であり、ワックスAは、前記活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内にあり、ワックスBは、ワックスAと共に共晶を形成することを特徴とする、活性光線硬化型インクジェットインク。
- ワックスBの前記活性光線硬化性化合物に対する飽和溶解度が0.4%となる温度が40〜50℃の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- ワックスAとワックスBの合計量が、インクの全量に対して、0.5質量%以上、10質量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- ワックスA:ワックスBの質量比が、2:8〜8:2の範囲内であることを特徴とする、請求項3に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- ワックスAとワックスBの組み合わせが、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、エチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせ、ステアリン酸ベヘニルと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせ、およびエチレングリコールジステアレートと18−ペンタトリアコンタノンの組み合わせのいずれか一種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- 前記ワックスAとワックスBとの組み合わせが、ステアリン酸ステアリルとエチレングリコールジステアレートの組み合わせ、またはエチレングリコールジステアレートとステアリン酸ベヘニルの組み合わせであることを特徴とする、請求項5に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する行程と、
前記記録媒体に射出された前記インクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程と、を含み、前記記録媒体の温度が、25℃〜40℃の範囲内であることを特徴とする、インクジェット記録方法。
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