JP6750636B2 - 活性光線硬化型インクジェットインクおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインクおよびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインクおよびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式による画像形成方法は、インクタンクから流路を通して供給されたインクを吐出用記録ヘッドから吐出して画像を形成する方法である。インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種画像の形成に用いられている。インクジェット記録方式に用いられるインクの一つに、活性光線硬化型インクジェットインクがある。活性光線硬化型インクジェットインクは、色材のほかに光重合性化合物を含むため、紫外線等の活性光線を照射して光重合性化合物が重合することによって、インク成分を硬化させることができる。活性光線硬化型インクジェットインクを用いて画像を形成すると、溶剤系インク組成物と比べて、吐出したインクを固定化させやすく、にじみの少ない画像を種々の記録媒体に形成することができる。
紫外線硬化型インクジェットインクのピニング性を高めるために、例えば、ゲル化剤を含有させた紫外線硬化型インクジェットインクが開発されている。このようなインクを用いる記録方法においては、記録媒体にインクを着弾させてインク滴をゲル化させることで、色混じりやドット合一を防ぎ、より高品質な画像を形成するための技術が検討されている。
例えば、ゲル化剤に加えて、結晶性物質と結晶化遅延剤を含むホットメルトインク組成物が知られている(特許文献1)。この発明においては、結晶性物質は記録媒体上で硬化したインクの強度を高めるものの、画質に影響することもあるため、結晶化遅延剤の添加によって結晶化速度を低下させ、画質を向上させている。このホットメルトインク組成物に用いる結晶化遅延剤は、ゲル化剤の結晶化を抑制するための物質ではない。
国際公開第2014/016129号
ゲル化剤を含んだ従来の活性光線硬化型インクジェットインクを用いて印字すると、基材(記録媒体)温度の変動によって、画質が変化してしまうという問題があった。基材温度が高温、低温側に変動しても、画質の変化が起こらないようにするためには、ゲル化剤の量を増やす必要があるが、ゲル化剤の量が増えると、良好な画質を得ることが出来る温度が高くなってしまい、装置負荷、エネルギー消費が大きくなってしまうことや温度制御が難しくなってしまうことが問題であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な画質が得られる中心温度が適度な範囲にあり、基材温度が高温、低温側に変動しても画質が良好な印刷物を得ることができる活性光線硬化型インクジェットインクを提供することをその目的とするものである。
上記課題に鑑み、本発明の第一は、活性光線硬化型インクジェットインクに係る。
[1]活性光線硬化性化合物およびゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記ゲル化剤は、炭素原子数は15以上26以下のアルキル基を少なくとも1つ含有し、前記活性光線硬化型インクジェットインクは、結晶造核剤を含有し、前記結晶造核剤は、(ポリ)グリセリン骨格と前記(ポリ)グリセリン骨格に結合した炭素原子数が15以上のアルキル基とを有する(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル化合物Aを含有し、前記(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル化合物Aの含有量は、前記ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上80質量%以下であることを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク。
[2]前記ゲル化剤が有するアルキル基の炭素原子数と、前記化合物Aが有するアルキル基の炭素原子数との差が2以下であることを特徴とする、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[3]前記ゲル化剤は、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して、1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
本発明の第2は、以下に示すインクジェット記録方法に関する。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程と、前記記録媒体に吐出された前記インクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする、インクジェット記録方法。
本発明によれば、活性光線硬化型インクジェットインクに結晶造核剤を添加することで、良好な画質が得られる中心温度が適度な範囲にあり、基材温度が高温、低温側に変動しても画質が良好な印刷物を得ることができる活性光線硬化型インクジェットインクが提供される。
発明者の鋭意検討の結果、基材温度が高くなると、基材と加熱されたゲル化剤含有の活性光線硬化型インクジェットインクとの温度差が小さくなるため、基材温度が低いときと比べて、ゲル化剤含有の活性光線硬化型インクジェットインクがゆっくり冷え、ゲル化剤の結晶化からの結晶成長がおこりやすくなることが分かった。さらに、ゲル化剤の結晶化には、結晶核生成過程と結晶核成長過程が存在し、結晶核成長過程は、ゆっくり冷えると支配的になり、結晶核生成過程は、基材とゲル化剤含有の活性光線硬化型インクジェットインクとの温度差が大きく、速く冷えると支配的になることが分かった。そのため、ゲル化剤含有の活性光線硬化型インクジェットインクがゆっくり冷え、ゲル化剤の結晶化がおこると、結晶核成長過程が支配的になり、ゲル化剤の結晶が粗大化するという現象が生じた。ゲル化剤の結晶の粗大化により、画質に悪影響が生じることが分かった。
結晶核形成に必要なエネルギー障壁を乗り越えて生成した結晶核は、結晶成長過程に入る。それは融液中(または溶液中)に存在するゲル化剤が結晶表面に衝突し、結晶に取り込まれる過程である。この過程において、溶液や融液中に結晶造核剤が存在する場合は、ゲル化剤の結晶の成長面に結晶造核剤が吸着し、ゲル化剤の結晶の成長を阻害し、結晶核成長と比較し、相対的に結晶核生成を促進するため、ゲル化剤の結晶の粗大化を阻害することができ、基材温度によらず安定した画質での印字を達成することが可能となったと考えられる。
1.活性光線硬化型インクジェットインク
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、活性光線硬化性化合物、ゲル化剤および結晶造核剤を含む。
[活性光線硬化性化合物]
活性光線硬化性化合物は、活性光線により架橋または重合する光重合性化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線および電子線である。活性光線硬化性化合物は、ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物であり、好ましくはラジカル重合性化合物である。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などが含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマーなどであってよい。
(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
(メタ)アクリレートは、感光性などの観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
(メタ)アクリレートは、変性物であってもよい。変性物の例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート;およびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート等が含まれる。
本発明においては、活性光線硬化性化合物の少なくとも一部をエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとすることが好ましい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494;新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G;大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP;Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072;新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCPおよびトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP等が含まれる。
(メタ)アクリレートは、重合性オリゴマーであってもよく、そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
カチオン重合性化合物は、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、およびオキセタン化合物等でありうる。カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、または脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましい。
芳香族エポキシドは、多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。反応させる多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセンまたはシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましい。
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物であり、その例には、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報、特開2005−255821号公報に記載のオキセタン化合物等が含まれる。なかでも、特開2005−255821号公報の段落番号0089に記載の一般式(1)で表される化合物、段落番号0092に記載の一般式(2)で表される化合物、段落番号0107の一般式(7)で表される化合物、段落番号0109の一般式(8)で表される化合物、段落番号0116の一般式(9)で表される化合物等が挙げられる。特開2005−255821号公報に記載された一般式(1)、(2)、(7)〜(9)を以下に示す。
Figure 0006750636
活性光線硬化型インクジェットインクにおける活性光線硬化性化合物の含有量は、1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。
[ゲル化剤]
活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤を含有する。本発明においてゲル化剤とは、「常温で固体、加熱すると液体となる有機物であり、活性光線硬化型インクジェットインクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する化合物」と定義される。
活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤として炭素原子数が15以上26以下のアルキル基を少なくとも1つ含有する化合物を含有する。ゲル化剤が、炭素原子数が15以上26以下のアルキル基を含むことで、後述する結晶造核剤との相互作用が良好となり、ゲル化剤の結晶の粗大化が抑制され、基材温度が変化しても画質が良好となる。ゲル化剤のアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。
より具体的には、炭素原子数が15未満であると、ゲル化剤の結晶化がおこりづらく、後述する結晶造核剤との相互作用もしづらくなるため、ゲル化剤の結晶の粗大化が抑制されづらく、26を超えると融点が高くなりすぎるため、インクの吐出温度を高くしなければ、ゲル化剤がインク中に溶解しなくなる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに用いるゲル化剤の例には、炭素原子数が15以上26以下のアルキル基を少なくとも1つ含有する高級脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、脂肪族ケトン、脂肪酸アミドなどが含まれ、脂肪酸エステルまたは脂肪族ケトンであることがより好ましい。
ゲル化剤がインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、前記空間に活性光線硬化性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に活性光線硬化性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の活性光線硬化性化合物を保持することができ、インク液滴をピニングすることができる。
ゲル化剤としての脂肪族ケトンは、例えば下記一般式(G1)で表される化合物である。
一般式(G1): R1−CO−R2
式(G1)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含むアルキル基である。分岐状または直鎖状のアルキル基でありうる。
炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含むアルキル基の例には、ドコサニル基(C22)、イコサニル基(C20)、オクタデカニル基(C18)、ヘプタデカニル基(C17)、ヘキサデカニル基(C16)、ペンタデカニル基(C15)等が含まれる。
ゲル化剤としての脂肪酸エステルは、例えば下記一般式(G2)で表される化合物である。
一般式(G2): R3−COO−R4
式(G2)において、R3およびR4は、それぞれ独立して、炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含むアルキル基である。分岐状または直鎖状のアルキル基でありうる。
R3とR4のアルキル基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が15以上26以下であると、一般式(G1)で表されるゲル化剤と同様に、ゲル化剤として必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成でき、融点も高くなりすぎない。
ゲル化剤の好ましい具体例には、18−ペンタトリアコンタノン(ステアロン)、16−ペントリアコンタノン等の脂肪族ケトン化合物(例えば花王株式会社製 カオーワックスT1等);パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の脂肪族モノエステル化合物(例えばユニスタ−M−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製、融点60℃)、EMALEX CC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパール MY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等);1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王株式会社製 FATTYAMIDシリーズ等);N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド;N,N’−エチレンビスステアリルアミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N’−キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;オクタデシルアミンなどの高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸エステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス;重合性ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);等が含まれる。これらの中でも、18−ペンタトリアコンタノン(ステアロン)、ベヘン酸ベヘニル、およびステアリン酸ステアリルが好ましい。
これらのゲル化剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、中心温度(ベタ部の埋まる温度と液滴が合一する温度の中間温度)制御の観点から、活性光線硬化型インクジェットインク全質量に対して、1.0質量%以上10質量%以下が好ましく、2.0質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましい。
[結晶造核剤]
本発明における結晶造核剤は、(ポリ)グリセリン骨格と前記(ポリ)グリセリン骨格に結合した炭素原子数が15以上のアルキル基とを有する(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル化合物Aを含有する。結晶造核剤に含まれる炭素原子数が15以上のアルキル基を有する(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル化合物Aは、ゲル化剤の有する炭素鎖と相互作用する。また、(ポリ)グリセリン骨格の嵩高さにより、立体障害が生じるため、ゲル化剤同士が凝集することによる結晶成長を抑制し、結晶核生成を促進するものと考えられる。(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル化合物Aのアルキル基の炭素数が15未満であるとゲル化剤との相互作用がおきづらくなるため、ゲル化剤の結晶の粗大化が抑制され難く、基材温度ロバストが不良となってしまう。(ポリ)グリセリン骨格を有さないと、炭素原子数が15以上のアルキル基を有していても、基材温度ロバストが不良となってしまう。(ポリ)グリセリン骨格に結合した炭素原子数は、特に限定されないが、吐出安定性の観点から、40以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましい。
(ポリ)グリセリンとは、グリセリン又はポリグリセリンのことを示し、ポリグリセリンとは、複数のグリセリンが重合した構造をもつものであり、グリセリンが二つ結合したポリグリセリンはジグリセリン、三つ結合したものはトリグリセリン、十つ結合したものはデカグリセリンとも呼ばれる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる結晶造核剤は、前述のゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上80質量%以下である。1.0質量%未満であると、結晶核生成効果が十分に得られず、基材温度ロバストが不良となってしまう。80質量%を超えると結晶核生成が過剰になり、中心温度(ベタ部の埋まる温度と液滴が合一する温度の中間温度)が好ましい範囲から外れてしまい、基材温度制御が困難となる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる結晶造核剤は、前述のゲル化剤の全質量に対して、基材温度ロバストと中心温度(ベタ部の埋まる温度と液滴が合一する温度の中間温度)の観点から10質量%以上40質量%以下が好ましい。
結晶造核剤の有するアルキル基は、炭素原子数15以上の直鎖部分を含むものであり、ドコサニル基(C22)、イコサニル基(C20)、オクタデカニル基(C18)、ヘプタデカニル基(C17)、ヘキサデカニル基(C16)、ペンタデカニル基(C15)等が例示できる。
本発明で使用する結晶造核剤の具体例としては、テトラグリセリントリステアレート、ヘキサグリセリントリステアレート、デカグリセリントリステアレート、デカグリセリントリステアレートヘプタベヘネート等が挙げられる。
本発明の結晶造核剤は、中心温度(ベタ部の埋まる温度と液滴が合一する温度の中間温度)制御の観点から、ゲル化剤でないことが好ましい。
本発明の活性光線硬化性化合物においては、ゲル化剤の有するアルキル基の少なくとも1つにおける直鎖部分の炭素原子数と、結晶造核剤の有するアルキル基の直鎖部分の炭素原子数の少なくとも一つとの差が2以下であること、即ち、アルキル基の直鎖部分の長さが類似していることが好ましい。ゲル化剤と結晶造核剤のアルキル基の炭素原子数の差が2以下であると、結晶造核剤とゲル化剤の相互作用がより高まり、ゲル化剤の結晶核生成が促進されるため、特に基材温度ロバストが良好となる。
[光開始剤]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて光開始剤を含んでもよい。光開始剤には、ラジカル系の光開始剤とカチオン系の光開始剤があり、ラジカル系の光開始剤には、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の光開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が含まれる。
カチオン系の光開始剤としては、光酸発生剤が挙げられる。光酸発生剤としては、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光開始剤の含有量は、活性光線や活性光線硬化性化合物の種類などにもよるが、活性光線硬化型インクジェット全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
[光開始剤助剤および重合禁止剤]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて光開始剤助剤や重合禁止剤などをさらに含んでもよい。光開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N−ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
[色材]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて色材をさらに含んでもよい。色材は、染料または顔料でありうるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36等が含まれる。青またはシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60等が含まれる。緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193等が含まれる。黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業社製);
KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学社製);
Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素社製);
Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ社製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ社製);
Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント社製);
カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学社製)などが挙げられる。
顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、分散剤、および分散媒体の選定、分散条件、およびろ過条件等によって、調整される。
活性光線硬化型インクジェットインクは、顔料の分散性を高めるために、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて分散助剤をさらに含んでもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。
分散剤および分散助剤の合計量は、顔料に対して1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体をさらに含んでもよい。分散媒体として溶剤をインクに含ませてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、前述のような活性光線硬化性化合物(特に粘度の低いモノマー)を分散媒体として用いることが好ましい。
染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧社製)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
顔料または染料の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインク全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
[その他の成分]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、およびゴム系樹脂等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述の活性光線硬化性化合物と、ゲル化剤と、結晶造核剤と、任意の各成分とを、加熱下において混合することにより得ることができる。得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。
2.インクジェット記録方法
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも以下の2工程を含む。
(1)本発明の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程
(2)記録媒体に吐出されたインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる工程
[工程(1)について]
工程(1)では、インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体上に着弾させる。使用するインクは、前述した活性光線硬化型インクジェットインクであればよい。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドの例は、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型を含む電気−機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型を含む電気−熱変換方式等が含まれる。
インクジェットインクの液滴は、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際のインクジェットインクの温度は、35℃以上100℃以下であるが好ましく、吐出安定性をより高める観点からは、35℃以上80℃以下であることがより好ましい。吐出安定性をさらに高める観点からは、インクジェットインクの粘度が7mPa・s以上15mPa・s以下、より好ましくは8mPa・s以上13mPa・s以下となるようなインク温度において出射を行うことが好ましい。
インクジェットインクを所定の温度に加熱する方法の例には、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプおよびヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管ならびにピエゾヘッド等の少なくともいずれかを、パネルヒーター、リボンヒーターおよび保温水等のうちいずれかによって所定の温度に加熱する方法が含まれる。
記録速度を速くし、かつ、画質を高める観点から、吐出される際のインクジェットインクの液滴量は2pL以上20pL以下であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録媒体は、従来、各種の用途で使用されている印刷紙や広汎な合成樹脂が全て対象となる。具体的には、コピー等で使用されている普通紙、オフセット印刷で使用されている上質紙、コート紙、アート紙等の紙製の基材、基紙の両面を樹脂等で被覆したコート紙、各種貼合紙、合成紙、薄段ボールなど;軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムが挙げられる。各種プラスチックフィルムの例には、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONYフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等が含まれる。この他にも金属類、ガラスなども記録媒体として用いてもよい。
[工程(2)について]
工程(2)では、記録媒体に吐出されたインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる。この工程により、インクジェットインクに含まれる活性光線硬化性化合物を光硬化させる。
照射される活性光線の例には、紫外線、近紫外線、自然光(フィルターカット品含む)などが含まれるが、紫外線が好ましい。紫外線の照射光源の例には、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり;帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましく;超寿命で安価ということから、LEDが特に好ましい。
しかしながら、一般的にLEDは単一波長光源であり高圧水銀灯のような複数の輝線スペクトルを有する光源より照度が低くなりやすい。ラジカル重合で硬化させる場合、照度が低いとラジカルが酸素と結合して失活する割合が増える。そのため、照射時間を延長して積算光量を同じにしても、硬化しにくくなる。従って、インクジェットインクは低照度、低積算光量で硬化できることが求められている。
LEDは瞬時に点灯が可能であり、寿命が長く、輻射熱が少なく、光量制御が容易であり、発光波長幅(半値幅)が極めて狭く、消費電力量が少ないなどの利点がある。照射光源の波長は280nm以上420nm以下であることが好ましく、350nm以上410nm以下であることがより好ましい。
記録媒体に着弾したインクジェットインクの液滴に照射される積算光量は、10mJ/cm以上500mJ/cm以下の範囲内にあることが好ましい。この範囲内であれば、省エネ、省スペース、コストなどの観点から有利である。
活性光線照射源からの光は、記録媒体に対して、照度を8W/cm以下とすることが好ましく、2W/cm以下とすることがより好ましい。8W/cmより高い照度の光は、発熱量が大きいため、耐熱性の弱い記録媒体が変形しやすい。また、漏れ光が多くなりヘッドノズル面上でインクが硬化してしまうなどの問題が生じうる。さらに、高い照度の光は、消費エネルギーが高く、光源スペースが大きく、コストが上昇する。
活性光線の照射方法は特に限定されず、例えば下記の方法で行うことができる。ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査し、インク着弾から一定時間後に照射を行う。さらに、駆動を伴わない別の光源からも光を照射して硬化を完了させる(特開昭60−132767号公報を参照)。あるいは、光ファイバーを用いて光照射してもよいし、コリメートされた光源からの紫外線をヘッドユニット側面に設けた鏡面にて反射させ、記録部へ光照射してもよい(米国特許第6,145,979号明細書を参照)。
また、活性光線の照射を2段階に分けてもよい。第1の照射は、記録媒体Pにインク液滴が着弾後から0.001〜1.0秒の間に行われることが好ましい。第2の照射は、第1の照射後に行われればよい;つまり、第2の照射は第1の照射よりも記録媒体の搬送方向下流側で行われればよい。第1の照射による記録媒体単位面積あたりの積算光量(D1)は、第2の照射による記録媒体単位面積あたりの積算光量(D2)より小さいことが好ましい。つまり、D1<D2であることが好ましい。活性光線の照射を2段階に分けることで、画像の硬度が高まり、滲みの少ない画像を形成できる。
本発明のインクジェット記録方法では、記録媒体上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。「総インク膜厚」とは、記録媒体に描画されたインクの膜厚の最大値を意味する。単色であっても、2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)であっても、それらの総インク膜厚が0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
[顔料分散液1の調製]
以下の各添加剤を順次混合、分散して、マゼンタ顔料を21質量%含有するマゼンタ顔料分散液1を調製した。
以下の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて加熱、攪拌して溶解した。
顔料分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製) 9部
活性光線硬化性化合物:トリプロピレングリコールジアクリレート 70部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバジャパン社製) 0.02部
次いで、上記溶液を室温まで冷却した後、この溶液に下記マゼンタ顔料を21部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液1を作製した。
マゼンタ顔料:Pigment Red 122(大日精化工業社製、クロモファインレッド6112JC)
[インクの調製]
(インク1の調製)
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して30分間攪拌した後、得られた溶液を、80℃の加熱下で#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却して、インク1を調製した。
活性光線硬化性化合物:A−400(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、新中村工業社製) 31.8部
活性光線硬化性化合物:SR494(4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SARTOMER社製) 17.0部
活性光線硬化性化合物:SR499(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製) 17.9部
ゲル化剤:ステアロン 3.0部
結晶造核剤:テトラグリセリントリステアレート 0.20部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製) 0.1部
光開始剤:TPO(フォスフィンオキサイド、DAROCURE TPO、チバスペシャリティケミカル社製) 6.0部
光開始剤:ITX(イソプロピルチオキサントン、Speedcure ITX、Lambson社製) 2.0部
光開始剤助剤:EDB(アミン助剤、Speedcure EDB、Lambson社製) 3.0部
顔料分散液1 19.0部
(インク2〜16の調製)
上記インク1の調製において、ゲル化剤の種類と結晶造核剤の種類を、表2、表3、表4に記載の様に変更した以外は同様にして、インク2〜16を調製した。
(インク17〜19の調製)
上記インク1の調製において、結晶造核剤を活性光線硬化性化合物A−400に変更し、表5に記載の様に変更した以外は同様にして、インク17〜19を調製した。
(インク20〜26の調製)
上記インク1の調製において、ゲル化剤をジウンデシルケトンに変更し、結晶造核剤の種類を、表6に記載の様に変更した以外は同様にして、インク20〜26を調製した。
(インク27〜35の調製)
上記インク1の調製において、結晶造核剤とゲル化剤の種類を表7に記載の様に変更した以外は同様にして、インク27〜35を調製した。
(インク36〜38の調製)
上記インク1の調製において、結晶造核剤の種類をテトラグリセリンモノラウレートに変更し、表8に記載の様に変更した以外は同様にして、インク36〜38を調製した。
(インク39〜46の調製)
上記インク1の調製において結晶造核剤の添加量、結晶造核剤及びゲル化剤の種類を表9に記載の様に変更し、結晶造核剤の添加量の減少分を100質量部になるようにA−400で調整した以外は同様にして、インク39〜46を調製した。
(インク47〜54の調製)
上記インク1の調製において結晶造核剤の添加量、結晶造核剤及びゲル化剤の種類を表10に記載の様に変更し、結晶造核剤の添加量の減少分を100質量部になるようにA−400で調整した以外は同様にして、インク47〜54を調製した。
インク1〜54の調製に使用したゲル化剤および結晶造核剤の詳細は、表1に記載した通りである。
Figure 0006750636
[画像形成方法]
調整したインク1〜54を使用し、ライン型インクジェット記録装置で単色画像を形成した。インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体(OKトップコート 米坪量128g/m 王子製紙社製)の温度を35℃〜52℃の範囲で調節し、記録媒体に、抜き文字、5cm×5cmのベタ画像を印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製、395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。
吐出用記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。吐出条件は、1滴の液滴量が2.5plとなる条件で、液滴速度約6m/sで出射させて、1440dpi×1440dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
[評価]
(中心温度)
ベタ部が埋まる温度(ベタ画像目視で確認)と液滴の合一が開始する温度(4pt抜き文字を目視で確認)の中間の温度
◎:38℃以上43℃以下
○:43℃超え46℃以下または35℃以上38℃未満
×:46℃超え、または35℃未満
(基材温度のロバスト)
ベタが埋まる温度と液滴の合一が開始する温度の差で評価
◎:10℃以上
○:7℃以上10℃未満
△:4℃以上7℃未満
×:4℃未満
各インクの組成および評価結果を表2〜10に示す。表2〜10の各成分の数値は、質量%を示す。
Figure 0006750636
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本出願は、2016年1月20日出願の特願2016−009134号に基づく優先権を主張する。当該出願明細書に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。

Claims (4)

  1. 活性光線硬化性化合物およびゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、
    前記ゲル化剤は、炭素原子数が15以上26以下のアルキル基を少なくとも1つ含有し、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクは、結晶造核剤を含有し、
    前記結晶造核剤は、(ポリ)グリセリン骨格と前記(ポリ)グリセリン骨格に結合した炭素原子数が15以上のアルキル基とを有する(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル化合物Aを含有し、
    前記(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル化合物Aの含有量は、前記ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上80質量%以下であることを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記ゲル化剤が有するアルキル基の炭素原子数と、前記化合物Aが有するアルキル基の炭素原子数との差が2以下であることを特徴とする、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記ゲル化剤は、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して、1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程と、
    前記記録媒体に吐出された前記インクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする、インクジェット記録方法。
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