JP2013144753A - 塗料組成物およびそれを用いた缶蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、BPA由来の構成成分を全く含有せず、高速塗装において良好な塗装性を有し、耐蒸気殺菌性(「耐レトルト性」ともいう)、加工性、耐腐食性に優れる塗膜を形成し得る塗料組成物の提供を目的とする。
【解決手段】ポリエステル樹脂(A)、有機溶剤(B)およびフェノール樹脂(C)を含み、有機溶剤(B)のSP値(SPb)とポリエステル樹脂(A)のSP値(SPa)が、(SPb−SPa)=−0.40〜0.60(cal/cm31/2であり、ポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(C)との重量比が、(A)/(C)=95/5〜75/25であることを特徴とする塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属用の塗料組成物に関する。
従来からビスフェノールA(以下「BPA」とも表記する)とエピクロルヒドリンとを原料として合成されるBPA型エポキシ樹脂は、耐蒸気殺菌性、加工性、密着性に優れた塗膜を形成する機能を有することから、従来、缶内外面被覆用塗料に好適に用いられている。
しかし、近年、BPAは生物の内分泌撹乱作用があるとの研究結果が報告され、環境省が公表した「内分泌撹乱作用を有すると疑われる化学物質」のリスト67物質の中に挙げられた。これを受けて、缶内面塗膜から内容物へのBPAの溶出が大きく問題視されるようになってきた。このような背景から、BPA由来の原料を全く用いない缶内面被覆用水性塗料が望まれている。
缶用塗料を用いた塗膜を有する缶は、内容物の種類によっては、煮沸より過酷な蒸気殺菌処理を施される場合がある。しかし、塗膜の耐性が不十分であると、前記処理によって塗膜が白化したり、ブリスター(点状剥離)を生じたりする。
さらに、炭酸を含む飲料を充填する飲料缶は、5℃程度の低温で内容物が充填され蓋が取り付けられた後室温まで戻される。この過程で炭酸が揮発し缶内部の圧力が高くなるので、缶の蓋部分は内部からの圧力により外側へ膨らむ。この後も雰囲気温度の変化により炭酸の充填物からの揮発、充填物への溶解が繰り返され、蓋は凹凸状の変化を繰り返す。これにより蓋は内容物が充填された状態で変形を受けることなり、変形部の腐食が発生しやすい。そこで、この様な圧力による変形を考慮した種々の加工が蓋部分には施される。この種々の加工は、蓋材上の両面に塗膜を設けた後に行われるため、塗料組成物には種々の加工において塗膜欠陥を生じないような高い加工性、内容物充填後に蓋が凹凸状の変化を繰り返しても腐食が発生しないような高い耐食性が要求される。
缶蓋は、通常、金属板コイルに塗料を連続塗装し、焼付(乾燥と塗膜形成)をおこなう、いわゆるコイルコーティングにより製造している。従来、工程合理化の観点から、塗装ラインの高速化が図られて来ており、これに対応するため、塗装方式としては、例えばリバースコート方式などを使用する場合がある。またさらに、ラインの高速化に伴って、焼付工程においては、従来に比して高温かつ短時間での焼付がおこなわれるようになった。
一般にコイルコーティングのような、連続塗装/焼付けラインにおいては、ライン速度の増加に伴い、焼付オーブンの増設等をおこなわない限りは、オーブン中に滞在する時間は短くなることとなり、塗料を焼付けるための熱量が不足傾向となってしまう。これを補うため、焼付温度自体を高く設定することよって対処しているのが現状である。
このような、焼付条件の変遷は、従来の工程においては何ら問題とされることがなかった塗料の塗装性にも影響を及ぼし、ラインの高速化および焼付条件の高温かつ短時間化による、塗装欠陥発生の問題が顕在化するようになった。
なお、塗装欠陥とは、塗料の塗装時に、塗装面にムラやハジキが生じたり、塗膜の焼付け時に、表面に発泡の痕跡が残ったままの状態で硬化する(いわゆる「ワキ」)ことが原因となって、硬化塗膜の表面状態に欠陥が生じ、均一な硬化塗膜が得られない不具合のことをいう。このような塗装欠陥は、塗料に使用する溶剤種の選択が適切でない場合に生じることが多い。
上記したように、缶蓋等の被覆に用いられる缶用塗料においては、BPA由来の成分を含有することなく、硬化塗膜の物性に優れるとともに、コイルコーティングにおいて常用されているリバースコート方式のロールコーター塗装における良好な塗装性を有する塗料組成物の提供が課題とされていた。
特許文献1には、エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂を反応させてなるアクリル変性エポキシ樹脂が中和され水性媒体中に分散されてなる水性被覆組成物が開示されている。この組成物は、Tベンド折り曲げ加工性、加工部の耐食性、耐膜残り性、耐レトルト白化性、フレーバー性、衛生性及び接着性に優れた塗膜を形成できると記載されている。
また、特許文献2には、アクリル樹脂変性エポキシ樹脂とレゾール型フェノール樹脂とアクリル系樹脂とを水性媒体中に分散してなる水性塗料組成物が開示されている。
この組成物は、折り曲げ加工性、耐水白化性、フレーバー性に優れる塗膜を形成できると記載されている。
特開2007−291221号公報 特開2007−284541号公報
しかし、特許文献1および2の塗料組成物は、その原料としてBPA型エポキシ樹脂が用いられており、BPA由来の構成成分を全く用いないという、昨今の要請に答えるものではない。さらに、良好な塗膜表面を得にくい問題があった。
本発明は、BPA由来の構成成分を全く含有せず、良好な塗装性および塗膜表面を有し、耐蒸気殺菌性(「耐レトルト性」ともいう)、加工性、並びに耐腐食性に優れる塗膜を形成し得る塗料組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、ポリエステル樹脂、および当該樹脂とのSP値に関する特定の条件を満たす有機溶剤、さらにフェノール樹脂を含んでなる塗料組成物により上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリエステル樹脂(A)、有機溶剤(B)およびフェノール樹脂(C)を含んでなり、
有機溶剤(B)のSP値(SPb)とポリエステル樹脂(A)のSP値(SPa)が、(SPb−SPa)=−0.40〜0.60(cal/cm31/2であり、
ポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(C)との重量比が、(A)/(C)=95/5〜75/25であることを特徴とする塗料組成物に関する。
また、本発明は、有機溶剤(B)が、芳香族炭化水素、脂肪族1価アルコール、脂肪族二塩基酸ジメチルエステル、および環状ケトンからなる群より選択する1種以上を含み、
芳香族炭化水素の分子量が92〜246、脂肪族1価アルコールの分子量が60〜190、脂肪族二塩基酸ジメチルエステルの分子量が146〜174、環状ケトンの分子量が70〜112、であることを特徴とする上記の塗料組成物に関する。なお、前記分子量は式量である。
また、本発明は、脂肪族1価アルコールが、分子中にエーテル結合を1個有する化合物(a)、分子中にエーテル結合を2個有する化合物(b)、および炭素数3〜8のアルキルアルコール(c)を含む、上記の塗料組成物に関する。
また、本発明は、有機溶剤(B)の合計100重量%中、芳香族炭化水素が25〜85重量%、脂肪族1価アルコールが9〜45重量%、脂肪族二塩基酸ジメチルエステルが3〜35重量%、および環状ケトンが1〜20重量%である、上記の塗料組成物に関する。
また、本発明は、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が10〜85℃である、上記の塗料組成物に関する。
また、本発明は、フェノール樹脂がm−クレゾール系である、上記の塗料組成物に関する。
さらに、本発明は、上記の塗料組成物により缶蓋用部材の一方の面が被覆されてなる缶蓋に関する。
さらにまた、本発明は、上記の缶蓋と缶胴部材とを具備する被覆缶であって、前記缶蓋の被覆面が缶の内側に位置することを特徴とする被覆缶に関する。
本発明により、BPA由来の構成成分を全く含有せず、良好な塗装性を有し、耐蒸気殺菌性、加工性、耐腐食性に優れる塗膜を形成し得る塗料組成物を提供することができた。
本発明の塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)、有機溶剤(B)およびフェノール樹脂(C)を含んでなり、有機溶剤(B)とポリエステル樹脂(A)とのSP値の差が特定の範囲にあり、かつ、ポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(C)を特定の比率で含むことが好ましい。
本発明においてポリエステル樹脂(A)は、塗料組成物を構成する主たる不揮発成分であり、硬化塗膜の形成を担う成分である。焼付によって、後記するフェノール樹脂(C)と反応して架橋構造を形成し、金属への密着性、表面硬度、加工性、耐蒸気殺菌性、耐腐食性などに優れる、強靭な硬化塗膜を形成する。
ポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸、またはジカルボン酸エステルとアルコール類との縮合、またはエステル交換により得られるエステル結合を有する共重合体である。また、ポリエステル樹脂(A)は、通常ジカルボン酸類とアルコール類を仕込み、温度を上げ、攪拌溶融させながら反応させ、終点として酸価または溶解性から定め、製造できる。
前記ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などが好ましい。また、前記アルコール類としては、例えば2個の水酸基を有する炭素数2〜10の脂肪族ジオールや2個の水酸基を有する炭素数6〜12の脂環式ジオール、2個の水酸基及びエーテル結合を含有するジオール、および3個以上の水酸基を有する化合物が好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその無水物などが挙げられる。また、重合性二重結合を有するジカルボン酸としては、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのα、β−不飽和ジカルボン酸類、その他、2,5−ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。
炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、など、炭素数6〜12の脂環式ジオールとしては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
また、エーテル結合を含有するジオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレンググリコールなど、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
反応の終点は、通常、酸価により判断するが、塗料の経時安定性の観点から、酸価はなるべく低い方がよいとされる。また、酸価は、硬化塗膜の物性に対して影響を及ぼす可能性もある。
ポリエステル樹脂(A)の水酸基は、フェノール樹脂(C)と反応する架橋点になる。この水酸基は1級水酸基が好ましく、2級および3級水酸基はできる限り少ないことが好ましい。2級および3級水酸基は、フェノール樹脂(C)との反応性が乏しいため、焼付け工程後にも未反応で残存することで、塗膜の物性が低下する恐れがある。
ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は10〜85℃であることが好ましい。より好ましくは40〜70℃である。
ガラス転移温度が上記範囲にあると、耐レトルト性および加工性の共に優れた硬化塗膜を形成することが容易である。10℃未満の場合、レトルト処理において塗膜が白化しやすくなることがあり、一方、85℃を超えると、硬化塗膜が脆くなりやすく、加工性が劣る場合がある。
なお、本発明におけるガラス転移温度は、動的粘弾性測定(DMS)によって得られ、具体的には、セイコー電子工業社製「DMS210」を使用して得られた測定値である。
ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、10000〜30000であることが好ましい。より好ましくは15000〜25000である。数平均分子量が上記範囲にあると、溶剤への溶解性をより向上でき、かつ、耐レトルト性および加工性の共に優れた硬化塗膜を形成することが容易である。10000未満の場合、耐レトルト性が不十分となることがあり、一方、30000を超えると、溶剤への溶解性が乏しくなりやすく、また、硬化塗膜が脆くなって加工性が劣る場合がある。
なお、本発明における数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)による標準ポリスチレン換算の値である。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)として好ましく使用できる市販品としては、例えば、東洋紡社製 バイロン103、バイロン200、バイロン270、バイロン600、バイロンGK250、バイロンGK330、バイロンGK360、バイロンGK640、バイロンGK880;
また、ユニチカ社製 エリテールUE3201、エリテールUE3210、エリテール3215、エリテールUE3216、エリテールUE3240、エリテールUE3250、エリテールUE9800;
また、Dynamit Nobel社製 ダイナポールL205、ダイナポールL206、ダイナポールL208、ダイナポールL411、ダイナポールL460、ダイナポール600;
また、SKケミカル社製 スカイボンES100、スカイボンES120、スカイボンES240、スカイボンES250、スカイボンES300、スカイボンES350、スカイボンES410、スカイボンES500、スカイボンES660、スカイボンES900、スカイボンES901、スカイボンES955;
等を挙げることができる。
本発明において、有機溶剤(B)は、塗膜の構成成分であるポリエステル樹脂(A)およびフェノール樹脂(C)を溶解し、適正な不揮発分濃度に調整することにより、塗装に適した流動性を付与する機能を担う。
しかしながら本発明においては、有機溶剤(B)は単にその機能を担うのみならず、高速塗装での良好な塗装性の付与という点において、その選択は極めて重要である。
本発明においては、有機溶剤(B)のSP値(SPb)とポリエステル樹脂(A)のSP値(SPa)が、(SPb−SPa)=−0.40〜0.60(cal/cm31/2であることが重要である。
有機溶剤(B)のSP値(SPb)とポリエステル樹脂(A)のSP値(SPa)との差(SPb−SPa)が上記範囲にあると、有機溶剤(B)に対するポリエステル樹脂(A)の溶解性が良好であるのみならず、リバースコート方式に代表される塗装方式で優れた塗装性が得られ、さらに塗膜欠陥が生じにくい均一な硬化塗膜を得ることができるのである。
その詳細な機構は不明ではあるが、(SPb−SPa)が上記範囲にある場合、有機溶剤に対するポリエステル樹脂の溶解性が特に良好となり、ひいては両者の相互作用が強くなると考えられる。そのため、溶液としては極めて安定した状態にあることに加え、塗装されて焼付けられる際には、溶剤は瞬時に樹脂成分から離脱するのではなく、適度な速度をもって塗膜中から蒸発するため、均一な塗膜が得られるのではないかと推察される。
有機溶剤に対する、樹脂の溶解性が十分でない場合、塗料の安定性が劣り、塗装工程において分離が生じ、析出物の発生やブツの発生につながり、さらに、塗膜の焼付け時においては溶剤が急激に樹脂成分から離脱することに起因して、ムラの発生や発泡跡の残存(ワキ)の発生に至るものと考えられる。
本発明におけるSP値は、溶解度パラメーターとも称されるものであり、有機溶剤(B)のSP値は、Fedorsの算出法[「Polymer Engineering and Science」、第14巻、第2号(1974)、148〜154ページ]を参照し、モル蒸発エネルギーおよびモル体積にもとづいて算出される値である。
混合溶剤系の場合のSP値は、系を構成する個々の有機溶剤のSP値に、それぞれの構成比(モル分率)を乗じ、それらを合算した値とする。
なお、本発明において、ポリエステル樹脂(A)のSP値の決定は以下のようにおこなう。
すなわち、任意の異なるSP値を有する数種類の有機溶剤を用意し、そのそれぞれに、ポリエステル樹脂を不揮発分濃度21.5重量%で、室温(25℃)の条件下で溶解させる。
ポリエステル樹脂と有機溶剤とのSP値が一致もしくは近似している場合には、当該溶剤中に溶解し、かけ離れている場合には溶解しない。
溶解が認められた有機溶剤のSP値の近傍において、さらにSP値の幅を細かく刻んで同様の試験を繰り返し、樹脂が溶解し得るSP値の上限値および下限値を判断し、それらの平均値をもって、ポリエステル樹脂のSP値とする。
すなわち、樹脂が溶解し得る有機溶剤のSP値の最大値(SPmax)と最小値(SPmin)の平均値を、ポリエステル樹脂(A)のSP値と定義する。
本発明においては、有機溶剤(B)が、芳香族炭化水素、脂肪族1価アルコール、脂肪族二塩基酸ジメチルエステル、および環状ケトンからなる群より選択する1種以上を含むことが好ましい。これらの溶剤の分子量(式量)は、芳香族炭化水素の分子量が92〜246、脂肪族1価アルコールの分子量が60〜190、脂肪族二塩基酸ジメチルエステルの分子量が146〜174、環状ケトンの分子量が70〜112であることが好ましい。
有機溶剤(B)がこのような構成である場合、得られる塗料組成物の塗装性がより良好となる。
本発明において好ましく用いられる芳香族炭化水素としては、例えば、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、2,6−ジメチルナフタレン、p−シメン、スチレン、テトラリン、α−ピネン、β−ピネン、ドデシルベンゼン、トルエン、メシテレンなどの他、スワゾール1000、スワゾール1500(以上、丸善石油化学社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150(以上、エクソンモービル社製)等が挙げられる。
本発明において、脂肪族1価アルコールとは、分子中に芳香環を有さず、水酸基を1個有する化合物のことをいう。
これらの中でも、分子中にエーテル結合を1個有する化合物(a)、分子中にエーテル結合を2個有する化合物(b)、および炭素数3〜8のアルキルアルコール(c)を含むことが好ましい。
分子中にエーテル結合を1個有する化合物(a)としては、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル・エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。
分子中にエーテル結合を2個有する化合物(b)としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。
炭素数3〜8のアルキルアルコール(c)としては、n−アミルアルコール、s−アミルアルコール、t−アミルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、n−オクタノール、ネオペンチルアルコール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、1−プロパノール、n−ヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−ヘプタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール等を挙げることができる。
また、有機溶剤(B)を構成する脂肪族二塩基酸ジメチルエステルとしては、コハク酸ジメチルエステル、グルタル酸ジメチルエステル、アジピン酸ジメチルエステル、さらにはFlexisolv DBE esters(商品名)、Flexisolv DBE−2 esters(商品名)、Flexisolv DBE−3 esters(商品名)Flexisolv DBE−4 esters(商品名)、Flexisolv DBE−5 esters(商品名)、Flexisolv DBE−6 esters(商品名、以上、インビスタ社製)等を挙げることができる。
さらに、環状ケトンとしては、シクロブタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロプロパノン等を挙げることができる。
なお、溶剤を複数使用する場合、有機溶剤(B)の合計100重量%中、芳香族炭化水素が25〜85重量%、脂肪族1価アルコールが9〜45重量%、脂肪族二塩基酸ジメチルエステルが3〜35重量%、および環状ケトンが1〜20重量%であることが好ましい。
各溶剤種の割合が上記範囲にある場合、ポリエステル樹脂の溶解性および塗料の塗装性が格別に良好となる。
本発明におけるフェノール樹脂(C)は、塗膜の焼付時にポリエステル樹脂(A)を架橋させるための硬化剤として機能するものであり、硬化塗膜を形成する1つの成分である。
フェノール樹脂(C)は、フェノール類と、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類との付加縮合反応によって得られる樹脂である。
フェノール樹脂(C)を得るためのフェノール類としては、例えば、o−クレゾール、p−パラクレゾール、p−フェニルフェノール、p−ノニルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、フェノール、m−m−クレゾール、3,5−キシレノール、レゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールE、ビスフェノールH、ビスフェノールS、カテコール、ハイドロキノン等を挙げることができる。
フェノール類は、フェノール性の水酸基に対して、オルト位とパラ位とが反応部位となる。従って、o−クレゾール、p−クレゾール、p−フェニルフェノール、p−ノニルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール等は、1分子中に反応部位が2箇所あるため、当量数が2のフェノール類であり、官能基が2となる。又、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、レゾルシノール等は1分子中に反応部位が3箇所あるため、当量数が3のフェノール類であり官能基が3となる。又、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールE、ビスフェノールH、ビスフェノールS等のビスフェノール類や、カテコール、ハイドロキノン等は1分子中に反応部位が4箇所あるため、当量数が4のフェノール類であり、官能基が4となる。
本発明では、これらフェノール類のうち、硬化性、反応性を考慮すると、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等が好ましく、m−クレゾールがより好ましい。当量数が4以上のフェノール類を用いた場合、高分子量体が生成する可能性が大きく、そのフェノール樹脂を缶被覆用の塗料に用いた場合、塗料用の汎用的な溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗料組成物として応用する際にフェノール樹脂が析出し易くなる。その結果、塗膜にブツを生じ易くなる。フェノールモノマーとして3官能性フェノール以外のフェノールモノマー、例えば、1官能の2,4−キシレノール、2,6−キシレノール;2官能のp−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、o−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、p−ノニルフェノール等のフェノールモノマーも使用することができるが、これらを使用した場合、官能基濃度が低くなり、望ましい反応性及び架橋間分子量(架橋密度)を確保することが困難となる場合がある。又、フェノールモノマーとしてビスフェノールA及びビスフェノールFのような4官能のフェノールモノマーを用いると、フェノール樹脂の自己縮合性が高くなり過ぎることから好ましくない。更に、フェノール樹脂の自己縮合物は一般に硬く脆い特性を有しており、塗膜の加工性を劣化させる傾向がある。尚、本発明においては、BPAフリーの観点からビスフェノールAは使用できない。
また、ポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(C)との重量比は、(A)/(C)=95/5〜75/25であることが重要である。好ましくは、(A)/(C)=90/10〜85/15の範囲である。
両者の重量比が上記範囲にあると、硬化性、接着性等の塗膜物性を幅広く満たすことができる。上記比率よりもポリエステル樹脂が過剰になると、塗膜の硬化性が低下し、硬化不良を引き起こして基材との密着性が不良になるなどの不具合を生じる。一方、上記比率よりもフェノール樹脂が過剰になると、塗膜の硬化が過度となり、加工性が低下するなどの不具合を生じる。
ポリエステル樹脂(A)、有機溶剤(B)、およびフェノール樹脂(C)を混合することにより、本発明の塗料組成物を得ることができる。
上記混合にあたっては、ディスパーなどの従来公知の攪拌手段によることができるが、ポリエステル樹脂(A)やフェノール樹脂(C)については、あらかじめ任意の有機溶剤に溶解しておき、混合に供してもよい。
塗料組成物の粘度は、通常15〜35秒(#4フォードカップ/25℃)であり、不揮発分濃度は15〜30重量%である。
本発明の塗料組成物には、必要に応じて、製缶工程における塗膜の傷付きを防止する目的で、ワックス等の滑剤を添加することもできる。
ワックスとしては、カルナバワックス、ラノリンワックス、パーム油、キャンデリラワックス、ライスワックス等の動植物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、ポリオレフィンワックス、テフロン(登録商標)ワックス等の合成ワックス等が好適に用いられる。
その他必要に応じて、硬化触媒や、レベリング剤などの添加剤を用いることができる。
本発明の塗料組成物は、下記缶のみならず、一般の金属素材ないし金属製品等にも広く用いることもできるが、飲料や食品を収容する缶の内外面被覆用塗料として好適に用いられ、特に缶内面被覆用、とりわけ蓋用部材内面被覆用に好適である。
缶の素材としては、アルミニウム、錫メッキ鋼板、クロム処理鋼板、ニッケル処理鋼板等が用いられ、これらの素材はジルコニウム処理や燐酸処理等の表面処理を施される場合がある。
本発明の塗料組成物の塗装方法としては、エアースプレー、エアレススプレー、静電スプレー等のスプレー塗装や、ロールコーター塗装、浸漬塗装、電着塗装等によることができる。
とりわけ、コイルコーティングにおいて常用されているリバースコート方式のロールコーター塗装によった場合にも、優れた塗装性を発揮し、塗装欠陥が生じにくい硬化塗膜を得ることができる。
本発明の塗料組成物は、塗装した後、揮発成分が揮発しただけでも皮膜を形成出来るが、優れた耐蒸気殺菌性や加工性、密着性を得るためには焼付け工程を加えた方が良い。焼付けの条件としては、缶蓋製造のコイルコーティングにおける一般的な焼付け条件が好ましく、200℃〜300℃の温度で10秒〜2分間焼付けることが望ましく、20〜40秒間焼付けることがより望ましい。
本発明の塗料組成物により缶蓋用部材の一方の面を被覆することによって缶蓋を得ることができ、さらに、前記缶蓋を、被覆面が内側になるように缶胴部材に接合することにより、被覆缶を得ることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表すものとする。
[実施例1]
東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK360(数平均分子量16000、ガラス転移温度55℃ SP値9.30(cal/cm31/2)を193.5部、溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2、247.7部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、302.1部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、46.7部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、27.3部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、120.6部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、ポリエステル樹脂/フェノール樹脂比率を90/10に、不揮発分濃度21.5%に調整した塗料組成物を得た。
なお、上記「DBE」は、インビスタ社製のFlexisolv DBE esters(商品名)を表し、コハク酸ジメチルエステル:21%、グルタル酸ジメチルエステル:59%、およびアジピン酸ジメチルエステル:20%からなる混合物であり、その分子量は、当該3つの化合物の重量平均分子量である。
また、上記「BDG」は、日本乳化剤社製のブチルジグリコール(商品名)の略称であり、ジエチレングリコールモノブチルエーテルに相当する。
[実施例2]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、179.7部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、241.2部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、114.6部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、125.9部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、61.0部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、57.2部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例3]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、179.7部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、241.2部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、160.0部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、80.5部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、61.0部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、57.2部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例4]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、202.3部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、279.5部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、114.7部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、80.5部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、27.3部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、75.3部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例5]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、193.4部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、243.1部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、160.0部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、80.5部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、27.3部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、75.3部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例6]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、213.7部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、302.1部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、92.0部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、57.8部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、27.3部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、86.7部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例7]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、225.1部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、336.3部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、69.3部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、27.3部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、86.4部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例8]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、40.0部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、622.8部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、30.0部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、25.8部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、31.0部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、30.0部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例9]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、225.1部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、436.3部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、19.3部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、27.3部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、36.4部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例10]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、130.0部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、382.8部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、30.0部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、125.8部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、31.0部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、80.0部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例11]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、180.0部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、228.6部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、160.0部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、120.0部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、61.0部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、30.0部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例12]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、30.0部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2、652.8部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2、30.0部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2、25.8部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2、31.0部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2、10.0部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、それ以外は実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例13]
バイロンGK360に代えて、SKケミカル社製ポリエステル樹脂スカイボンES−500(数平均分子量26000、ガラス転移温度10℃、SP値9.67(cal/cm31/2を193.5部用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例14]
バイロンGK360に代えて、東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK330(数平均分子量17000、ガラス転移温度16℃、SP値9.03(cal/cm31/2を193.5部用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例15]
バイロンGK360に代えて、東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK880(数平均分子量18000、ガラス転移温度84℃、SP値9.74(cal/cm31/2を193.5部用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例16]
バイロンGK360に代えて、SKケミカル社製ポリエステル樹脂スカイボンES−660(数平均分子量18000、ガラス転移温度71℃、SP値9.45(cal/cm31/2を193.5部用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例17]
バイロンGK360に代えて、SKケミカル社製ポリエステル樹脂スカイボンES−900(数平均分子量8000、ガラス転移温度22℃、SP値9.67(cal/cm31/2を193.5部用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[実施例18]
東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK360(数平均分子量16000、ガラス転移温度55℃、SP値9.30(cal/cm31/2)を199.9部、溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、250.9部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、305.3部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2)、46.7部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2)、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、20.9部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2)、120.6部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)64.5部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、ポリエステル樹脂/フェノール樹脂比率を93/7に、不揮発分濃度21.5%に調整した塗料組成物を得た。
[実施例19]
東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK360(数平均分子量16000、ガラス転移温度55℃、SP値9.30(cal/cm31/2)を172.0部、溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、236.9部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、291.3部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2)、46.7部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2)、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、48.6部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2)、120.6部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)86.0部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、ポリエステル樹脂/フェノール樹脂比率を80/20に、不揮発分濃度21.5%に調整した塗料組成物を得た。
[実施例20]
スミライトレジンPR−55317に代えて、住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55893A(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)43部を用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[比較例1]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、140.0部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、22.8部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2)、205.8部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2)、20.0部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、161.0部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2)、230.0部用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[比較例2]
溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、30.0部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、32.8部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2)、375.8部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2)、20.0部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、241.0部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2)、80.0部用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[比較例3]
溶剤として芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、268.6部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、31.0部、その他の溶剤として脂肪族ケトン系溶剤メチルイソブチルケトン(分子量100.0、SP値8.4(cal/cm31/2)、480.0部用いた以外は、実施例1と同様に行い塗料組成物を得た。
[比較例4]
東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK360(数平均分子量16000、ガラス転移温度55℃、SP値9.30(cal/cm31/2)を215.0.0部、溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、258.4部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、312.8部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2)、46.7部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2)、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、5.8部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2)、120.6部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、ポリエステル樹脂/フェノール樹脂比率を100/0に、不揮発分濃度21.5%に調整した塗料組成物を得た。
[比較例5]
東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK360(数平均分子量16000、ガラス転移温度55℃、SP値9.30(cal/cm31/2)を208.6部、溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、255.2部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、309.6部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2)、46.7部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2)、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、12.3部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2)、120.6部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)12.9部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、ポリエステル樹脂/フェノール樹脂比率を97/3に、不揮発分濃度21.5%に調整した塗料組成物を得た。
[比較例6]
東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK360(数平均分子量16000、ガラス転移温度55℃、SP値9.30(cal/cm31/2)を150.5部、溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、226.2部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、280.6部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2)、46.7部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2)、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、70.3部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2)、120.6部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し住友ベークライト社製メタクレゾール系フェノール樹脂スミライトレジンPR−55317(不揮発分濃度50%のn−ブタノール溶液)129.0部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、ポリエステル樹脂/フェノール樹脂比率を70/30に、不揮発分濃度21.5%に調整した塗料組成物を得た。
[比較例7]
東洋紡社製ポリエステル樹脂バイロンGK360(数平均分子量16000、ガラス転移温度55℃、SP値9.30(cal/cm31/2)を193.5部、溶剤として脂肪族二塩基酸ジメチルエステル系溶剤DBE(分子量159、SP値9.8(cal/cm31/2)、258.8部、芳香族炭化水素系溶剤キシレン(分子量106、SP値8.8(cal/cm31/2)、312.4部、脂肪族1価アルコール系溶剤として、BDG(分子量162、SP値10.5(cal/cm31/2)、46.7部、ブチルセロソルブ(分子量118、SP値9.5(cal/cm31/2)、35.2部、n−ブタノール(分子量74、SP値11.4(cal/cm31/2)、5.8部、環状ケトン系溶剤シクロヘキサノン(分子量98、SP値9.9(cal/cm31/2)、120.6部をフラスコに仕込み、温度80℃にて溶解させ、その後50℃以下に冷却し日本サイテック社製ベンゾグアナミン系樹脂サイメル1123(不揮発分>98%)34.6部、硬化触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸を不揮発分100%に対し1%添加し、ポリエステル樹脂/ベンゾグアナミン樹脂比率を90/10に、不揮発分濃度21.5%に調整した塗料組成物を得た。
<塗装性評価>
リバースコーターを用い、塗装性を確認した。室温26℃で塗膜量120mg/dm2になるように、リバースコーターの条件を「周速比:バックアップロール/アプリケーションロール/ピックアップロール=1/1.27/0.3」として塗装しその塗膜状態を目視にて評価した。塗装は、バックアップロール上に貼付した、枚葉状のアルミニウム板を基材としておこなった。評価基準は下記のとおりである。
◎:均一な塗膜で良好。
○:均一な塗膜であるが微小なムラあり。実用域にある。
×:均一な塗膜が一部しかなくムラとすじ発生。実用不可。
××:全体的にすじ・ムラ発生。実用不可。
<折り曲げ加工性>
アルミニウム板上にバーコーターを用いて塗料組成物を塗装し、第1ゾーンの温度が286℃、第2ゾーンの温度が326℃である2連型のコンベアーオーブンを通過させて乾燥・硬化し、塗膜の膜厚が80mg/dm2である塗装板を作製した。
得られた塗装板を大きさ30mm×50mm(縦×横)に切断した。次に、塗膜を外側にして、横50mmが20mmと30mmの長さになるように手で予め折り曲げ、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.23mmのブリキ板を2枚はさんだ。次に、1kgの金属製6面直方体を高さ40cmから、その平坦面を折り曲げ部に落下させて完全に折り曲げた。次いで、試験片の折り曲げ先端部を濃度1%の食塩水中に浸漬させ、試験片の食塩水中に浸漬されていない金属部分と、食塩水との間を9.0Vで6秒間通電した時の電流値を測定した。塗膜の加工性(可撓性)が乏しい場合、折り曲げ加工部の塗膜がひび割れて、下地の金属板が露出して導電性が高まるため、高い電流値が得られる。評価基準を以下に示す。
◎:「20mA未満」
○:「20mA以上30mA未満」
△:「30mA以上40mA未満」
×:「40mA以上」
<低温折り曲げ加工性>
「折り曲げ加工性」の評価に用いたものと同様の塗装板を大きさ30mm×50mm(縦×横)に切断した。次に、水温4℃の水中に浸漬させ、1時間後、水中で塗膜を外側にして、横50mmが20mmと30mmの長さになるように手で折り曲げ後、次いで、試験片の折り曲げ先端部を濃度1%の食塩水中に浸漬させ、試験片の食塩水中に浸漬されていない金属部分と、食塩水との間を9.0Vで6秒間通電した時の電流値を測定した。塗膜の加工性(可撓性)が乏しい場合、折り曲げ加工部の塗膜がひび割れて、下地の金属板が露出して導電性が高まるため、高い電流値が得られる。評価基準を以下に示す。
◎:「20mA未満」
○:「20mA以上30mA未満」
△:「30mA以上40mA未満」
×:「40mA以上」
<開口性評価>
「折り曲げ加工性」の評価に用いたものと同様の塗装板を50mm×50mm(縦×横)にして、塗装面に飲料缶で一般的なステイオンタブ開口部の形状に型をプレス機で付け、その後同塗装板の無塗装面の側から、開口部の形状に沿ってアルミニウム板を引き剥がし、その開口部を顕微鏡を用い、目視判定した。
開口性が不良であると、塗膜が開口部の周辺部に残存しやすくなり、開口部内にはみ出す幅が大きくなる。開口性が良好であるとは、塗膜が開口部内にまったくはみ出さないか、あるいは、はみ出したとしても、そのはみ出し幅がごくわずかである状態をいう。
具体的な判定方法としては、はみ出ている塗膜の幅を測定し、下記評価基準にて評価した。
○:はみ出ている塗膜の最大幅が100μm以下。実用域にある。
△:はみ出ている塗膜の最大幅が100μmよりも大きく、200μm未満。実用域にある。
×:はみ出ている塗膜の最大幅が200μm以上。実用不可。
<耐レトルト性試験>
「折り曲げ加工性」の評価に用いたものと同様の塗装板を、レトルト釜に投入し125℃の水蒸気雰囲気下で30分間処理し、水蒸気に晒された後の塗膜外観の異常の有無を目視判定した。
○:「異常なし。」
△:「軽微な異常あるが実用域内。」
×:「異常有り(塗膜白濁及びブリスター発生)。実用不可。」
<耐熱水性試験>
「折り曲げ加工性」の評価に用いたものと同様の塗装板を、レトルト釜に投入し125℃の熱水中に30分間浸漬し、加圧熱水に晒された後の塗膜外観の異常の有無を目視判定した。
○:「異常なし。」
△:「軽微な異常あるが実用域内。」
×:「異常有り(塗膜白濁及びブリスター発生)。実用不可。」
表1〜表3に、各塗料組成物の溶剤組成(重量%にて表記)および物性評価結果を示す。
Figure 2013144753
Figure 2013144753
Figure 2013144753

Claims (8)

  1. ポリエステル樹脂(A)、有機溶剤(B)およびフェノール樹脂(C)を含み、
    有機溶剤(B)のSP値(SPb)とポリエステル樹脂(A)のSP値(SPa)が、(SPb−SPa)=−0.40〜0.60(cal/cm31/2であり、
    ポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(C)との重量比が、(A)/(C)=95/5〜75/25であることを特徴とする塗料組成物。
  2. 有機溶剤(B)が、芳香族炭化水素、脂肪族1価アルコール、脂肪族二塩基酸ジメチルエステル、および環状ケトンからなる群より選択する1種以上を含み、
    芳香族炭化水素の分子量が92〜246、脂肪族1価アルコールの分子量が60〜190、脂肪族二塩基酸ジメチルエステルの分子量が146〜174、環状ケトンの分子量が70〜112であることを特徴とする請求項1記載の塗料組成物。
  3. 脂肪族1価アルコールが、分子中にエーテル結合を1個有する化合物(a)、分子中にエーテル結合を2個有する化合物(b)、および炭素数3〜8のアルキルアルコール(c)を含む、請求項2記載の塗料組成物。
  4. 有機溶剤(B)の合計100重量%中、芳香族炭化水素が25〜85重量%、脂肪族1価アルコールが9〜45重量%、脂肪族二塩基酸ジメチルエステルが3〜35重量%、および環状ケトンが1〜20重量%である、請求項1ないし3いずれか記載の塗料組成物。
  5. ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が10〜85℃である、請求項1ないし4いずれか記載の塗料組成物。
  6. フェノール樹脂が、m−クレゾールとアルデヒドを反応してなるものである請求項1ないし5いずれか記載の塗料組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の塗料組成物により缶蓋用部材の一方の面が被覆されてなる缶蓋。
  8. 請求項7記載の缶蓋と缶胴部材とを具備する被覆缶であって、前記缶蓋の被覆面が缶の内側に位置することを特徴とする被覆缶。
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