JP5611697B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料缶、食缶等の缶胴及び蓋の缶用塗料に使用される塗料用樹脂組成物に関する。
従来、飲料缶、食缶等の缶胴及び蓋の内面側には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用した塗料が多く使用されているが、ビスフェノールAはエストロゲン作用や胎児、乳幼児の脳に影響を与える可能性があるとの報告がなされている。
上述したビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用した樹脂組成物は、優れた加工性、耐レトルト性及び耐食性等を有している為に広く利用されている。上記の理由からビスフェノールAを原料として使用していない塗料が市場から要望されているが、缶用途として満足する性能が得られないのが実情である。
ビスフェノールAフリーの樹脂組成物の例として、特許文献1には、分岐型熱可塑性ポリエステル樹脂に多価酸無水物化合物及び又は酸無水物基を含有するポリマーを反応した変性樹脂/ノボラックフェノール樹脂/エポキシ樹脂を配合してなる缶用塗料組成物において、耐食性、加工性が向上しているとの記載がある。しかし、これでは加工性、耐食性、耐衝撃性及び内容物保持性がまだ十分でない。
特許文献2には、数平均分子量が1,000〜20,000の範囲内にあり、酸価が5〜170mgKOH/gの範囲内にあるカルボキシ含有ポリエステル樹脂/ノボラック型エポキシ樹脂/硬化触媒/フェノール樹脂からなる塗料組成物が提案され、加工性、硬化性が良好で風味保持性に優れ、ビスフェノールAが溶出することのない塗膜を形成できるとの記載があるが、耐食性、耐衝撃性及び内容物保持性がまだ十分でない。
特許文献3には、フェノール性水酸基を有し、且つ該水酸基に対しオルト位及びパラ位の少なくとも1箇所が水酸基である芳香環を有するポリエステル樹脂/フェノール性水酸基を有さない線状飽和共重合ポリエステル樹脂/及びフェノール樹脂を含有する樹脂組成物が提案され、確かに硬化性と耐レトルト性は向上しているが、耐食性や耐衝撃性及び内容物保持性が不足する。
特許文献4には、数平均分子量が5,000〜100,000の範囲内にあり、特定のポリカルボン酸成分とポリアルコール成分を有するポリエステル樹脂/レゾール型フェノール樹脂を有する樹脂組成物が提案され、確かに硬化性や加工性は優れるものではあるが、耐食性、耐衝撃性及び耐レトルト白化性及び内容物保持性がまだ十分でない。
特開2001−40278号公報 特開2001−72922号公報 特開2005−126635号公報 特開2006−124497号公報
本発明の課題は、特に飲料缶、食缶等の缶胴及び蓋の塗料に使用され、塗膜の加工性、耐レトルト性及び衛生性に優れることに加えて、特に耐食性、耐衝撃性及び内容物保持性に優れ、且つ、ビスフェノールAを原料として含有しない樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、ポリエステル樹脂(A)、フェノール樹脂(B)及び酸化亜鉛(C)を硬化反応させ、塗膜の加工性、耐レトルト性及び衛生性に優れることに加えて、特に耐食性、耐衝撃性に優れた性能を有する食缶、飲料缶の缶胴又は蓋の缶用塗料に用いられる樹脂組成物を見い出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ポリエステル樹脂(A)、フェノール化合物とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で合成して得られるフェノール樹脂(B)、酸化亜鉛(C)を含有する樹脂組成物であって、前記ポリエステル樹脂(A)と前記フェノール樹脂(B)の配合比率(質量)が、60:40〜95:5であることを特徴とする樹脂組成物を提供することにある。
本発明の樹脂組成物は、特に飲料缶・食品缶等の缶胴又は蓋の特に内面側の塗料として用いられ、ビスフェノールAを含有せず、加工性、耐レトルト性、衛生性、特に耐食性、耐衝撃性及び内容物保持性に優れた被膜を形成することが出来る。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)、フェノール樹脂(B)及び酸化亜鉛(C)を含有することを特徴とする樹脂組成物に関する。以下、本発明の組成物について更に詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物に使用するポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量が3,000〜100,000、ガラス転移温度が0℃〜100℃であることが好ましい。尚、数平均分子量は、GPCのポリスチレン換算による数平均分子量である。
ポリエステル樹脂(A)は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とをエステル化反応させたものであればよい。多塩基酸成分としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの1種以上の二塩基酸及び、これらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて、安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのニ価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、又は2種以上を混合して使用することが出来る。
本発明の樹脂組成物に用いるポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量が3,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは6,000〜30,000である。ガラス転移温度は、0℃〜100℃であることが好ましく、より好ましくは、10〜90℃であり、更に好ましくは30〜60℃である。数平均分子量が3,000より低いと加工性が悪くなり、100,000より高いと塗料化時の粘度が高くなり適切な塗装ができなくなる。また、ガラス転移温度が0℃より低いと水蒸気、酸素等のバリアー性が劣るために塗膜の耐食性が劣り、またブロッキング性も劣るようになる。ガラス転移温度が100℃より高いと、塗膜が硬くなり加工性が悪くなる。
市販品としては、例えば、東洋紡績(株)社製のバイロン300、同500、同560、同600、同630、同650、同670、バイロンGK130、同140、同150、同190、同330、同590、同680、同780、同810、同890、同200、同226、同240、同245、同270、同280、同290、同296、同660、同885、バイロンGK250、同360、同640、同880、ユニチカ(株)社製エリーテルUE−3220、同3500、同3210、同3215、同3216、同3620、同3240、同3250、同3300、同UE−3200、同9200、同3201、同3203、同3350、同3370、同3380、同3600、同3980、同3660、同3690、同9600、同9800、東亞合成(株)社製アロンメルトPES−310、同318、同334、同316、同360などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物に用いるポリエステル樹脂(A)のうち、ジフェノール酸を必須としたポリエステル樹脂(A−1)は、フェノール樹脂との硬化性が優れるようになり、結果として特に耐レトルト白化性が優れるようになる。ポリエステル樹脂(A−1)中のジフェノール酸の導入量としては、0.1〜10質量%が好ましい。0.1質量%より低いと硬化性、耐レトルト白化性の向上効果が得られず、また10質量%を超えると硬化が進み過ぎ、加工性が劣るようになる。
本発明の樹脂組成物に用いるフェノール樹脂(B)として特に代表的なもののみを例示するに止めれば、石炭酸、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールの如き3官能のフェノール化合物もしくはp−クレゾール、o−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、m−メトキシフェノールの如き、各種の2官能性のフェノールと、ホルムアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で合成したものである。これらのフェノール化合物は1種で又は2種以上を混合して使用することができる。又、フェノール樹脂に含有されるメチロール基の一部ないしは全部を、炭素数が1〜12なるアルコール類によってエーテル化した形のものを使用することもできる。
本発明の樹脂組成物に使用する酸化亜鉛(C)は、硫黄系化合物を有する内容物に対する耐食性や内容物(風味)保持性を向上させる機能を有する。硫黄系化合物を有する内容物とは、例えばワインの酸化防止を目的として添加される亜硫酸系化合物や、蟹、サケ、コーン及びアスパラなどが挙げられる。これらの内容物からは硫黄系のガスが発生し、これが内容物の風味を悪化させたり、金属に対して高腐食性物質であるために容器が腐食するなどの悪影響を及ぼす。酸化亜鉛(C)は、硫黄系ガスのキャッチャー剤として機能しガスを塗膜に吸着させる。結果として酸化亜鉛(C)があると硫黄系化合物を有する特定の化合物に対して優れた耐食性と内容物保持性を発揮することが可能となる。
本発明の樹脂組成物に使用することの出来る金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(D)は、ポリエステル樹脂(A)、フェノール樹脂(B)及びビスフェノールA骨格をもたないエポキシ樹脂(E)と硬化反応を起こす。各々の樹脂の官能基と金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(D)の間で、架橋反応が進行する。塗膜中の架橋構造に金属が組み込まれることで、被膜の強度が向上し、結果として耐衝撃性や耐食性が飛躍的に向上する機能を付与するものである。また、金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(D)は、従来公知の有機化合物のみ、例えばポリエステル/フェノール、ポリエステル/フェノール/エポキシ、ポリエステル/メラミン系の樹脂組成物と比較して低温硬化性、高温短時間での硬化性に特に優れているなどの特徴がある。この特徴を利用することにより、従来公知の有機化合物のみでは困難であった焼付け温度の低温化、短時間化が可能となり、エネルギーコストの削減や、二酸化炭素の排出抑制にも繋がる。金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(D)としては、例えばジルコニウム、アルミニウム、チタン、スズなどのアルコキシド金属化合物、アセト酢酸が金属に配位した金属キレート化合物などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物に使用するビスフェノールAを有さないエポキシ樹脂(E)は、主に、塗膜の密着性を向上させるものであり、特にノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、DIC(株)社製のエピクロンN−665、同670、同673、同680、同690、同695、同730、同740、同770、同865、同870、旭化成エポキシ(株)社製のECN−1273、同ECN−1299などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物のポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(B)の配合比率(質量)は、60:40〜95:5であることが好ましく、より好ましくは70:30〜85:15である。ポリエステル樹脂(A)の比率が60より低いと塗膜の伸びが不足する為に加工性が悪化し、95より高いと硬化性が不足し、耐レトルト白化性が劣るようになる。酸化亜鉛(C)の配合比は全固形分中で、0.1〜70質量%を含有することが好ましく、より好ましくは1〜45質量%である。金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(D)の配合比率は、全固形分中で0.01〜10質量%を含有することが好ましい。金属アルコキシド系化合物及び又は金属キレート系化合物(D)の含有量が、0.01質量%よりも低いと期待する耐衝撃性、耐食性の効果が得られず、10質量%を超えると塗膜が硬くなり加工性が劣るのに加え、塗料が増粘又はゲル化するなどの不具合が生じる。ビスフェノールAを有さないエポキシ樹脂(E)の配合比は全固形分中で、0.1〜30質量%含有することが好ましい。ビスフェノールAを有さないエポキシ樹脂(E)の比率が0.1質量%より低いと塗膜の密着性が劣るようになり、30質量%を超えると耐レトルト白化性が劣るようになる。
本発明の樹脂組成物には、更に硬化触媒(F)を含有する事ができる。硬化触媒(F)としては、特に代表的なものを例示するに留めれば、リン酸等の無機酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸及びこれらをアミン等でブロックしたものを使用することができる。硬化触媒(F)の配合比は全固形分中に0.01〜5%含有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物に使用することの出来る有機顔料及び又は無機顔料(G)としては、例えば、クロム酸塩(黄鉛、クロムバーミリオン)フエロシアン化物(紺青)、硫化物(カドミウムエロー、カドミウムレッド)、酸化物(酸化チタン、ベンガラ、鉄黒)、硫酸塩(硫酸バリウム、硫酸鉛)、珪酸塩(群青、珪酸カルシウム)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)燐酸塩(コバルトバイオレット)金属粉末(アルミニウム粉末、ブロンズ)炭素(カーボンブラック)の如き無機顔料、アゾ系(ベンジジンイエロー、ハンザエロー、バルカンオレンジ、パーマネントレッドF5R、カーミン6B、レーキレッドC、クロモフタールレッド、クロモフタールエロー)、フタロシアニリン系(フタロシアニンブルー、フタロシアニリングリーン)、建染染料系(インダスレンブルー、チオインジゴボルドー)染付レーキ系(エオシンレーキ、キノリンエロー、ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ)、キナクドリン系(シンカシアレッド、シンカシアバイオレット)ジオキジシン系(PVファストバイオレットBL)等如き有機顔料を挙げることができ、これらを単独あるいは混合して用いてよい。これらの顔料は、塗膜を着色し意匠性を付与することを可能とし、求められるデザインに対し、任意の有機顔料、無機顔料を添加することができる。
かかる有機顔料及び又は無機顔料(G)の配合比率は、全固形分中で対して、0.1から70質量部%を含有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、特に缶用塗料に好ましく使用できる。更に、アルミニウム、錫メッキ鋼板、あるいは、前処理した金属、更には、スチールの如き、各種の金属素材への被覆用、木材やフィルムの如き他の素材や加工品への被覆剤として用いてもよい。以下、特に缶用塗料としての使用について述べる。
本発明の樹脂組成物を用いた塗料に使用し得る溶剤としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を使用した缶用塗料には、従来公知の滑剤、消泡剤、レベリング剤、滑剤、顔料等を添加することが可能である。また、硬化補助剤として、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、イソシアネート樹脂等の他の硬化剤を併用しても良く、これらはフィルムの乾燥条件、ラミネート条件により適切なものを併用することが可能である。
本発明の樹脂組成物を使用した缶用塗料は、エアースプレー、エアレススプレーまたは静電スプレーの如き、各種のスプレー塗装、浸漬塗装、ロールコーター塗装、グラビアコーターならびに電着塗装等公知の手段により、鋼板、缶用アルミニウム板等の金属基材やPETペットフィルム等の塗料として塗装することが出来る。塗布量は、乾燥塗膜厚では、0.1〜20μm程度が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、缶用塗料として使用する場合には、100〜280℃、1秒〜30分間なる範囲内で焼付けされることが好ましく、この範囲であると性能良好な硬化塗膜を形成することが出来る。
以下、本発明を実施例にて具体的に説明する。例中「部」及び「%」は、「質量部」、「質量%」を各々表わす。
実施合成例1(ジフェノール酸を必須の成分としたポリエステル樹脂(A−1−1)の合成)
酸成分として、テレフタル酸50質量部、イソフタル酸112質量部、ジフェノール酸、4.9質量部、多価アルコール成分として2−エチル−2−ブチル−1,3−ブタンジオール50質量部、1,4−ブタンジオール99質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール48質量部、チタンテトラブトキシド0.07質量部を2Lフラスコに仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、水を留出させエステル化を行った。所定量の水を留出させた後、30分かけて10mmHgまで減圧重合行うとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で50分間後期重合を行った。ついで減圧重合を止めて、窒素気流下で220℃まで冷却し、無水トリメリット酸1.9質量部を添加し、220℃で30分攪拌しカルボキシ基変性(後付加)を行った後、樹脂を取り出し数平均分子量22,000、酸価5(mgKOH/g)、ガラス転移温度30℃のポリエステル樹脂(A−1−1)を得た。この後、100℃以下まで冷却し、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50の混合溶液で希釈し、不揮発分40%のポリエステル樹脂(A−1−1)溶液を得た。
表1、2に示した割合(表中の数字は固形分質量比率を示す)で下記の原料を配合・攪拌し、実施例1−8、比較例1−6の塗料を不揮発分が25%となるように作製した。尚、酸化亜鉛(C)を使用した場合には、三本ロールにて練肉処理を行い、顔料の分散処理を施した。
(1)ポリエステル樹脂(A−1−1)ジフェノール酸を必須の成分としたポリエステル樹脂
数平均分子量22,000、酸価5(mgKOH/g)、ガラス転移温度30℃、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50混合溶液の40%溶解品。
(2)ポリエステル樹脂(A−1−2)=バイロンGK−360、東洋紡績(株)製
数平均分子量16,000、酸価5(mgKOH/g)、ガラス転移温度56℃、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50混合溶液の40%溶解品。
(3)フェノール樹脂(B−1)=TD2495、DIC製
パラクレゾール型フェノール樹脂、50%ノルマルブタノール溶液
(4)酸化亜鉛(C−1)=MZ−300、テイカ(株)製
平均1次粒径35nm、100%固形品
(5)金属アルコキシド化合物(D−1)=ZA−65、マツモトファインケミカル(株)製
ジルコニウムブトキシド
(6)金属キレート化合物(D−2)=ZC−150、マツモトファインケミカル(株)製
ジルコニウムアセチルアセトンキレート
(7)金属キレート化合物(D−3)=ALCH−TR、川研ファインケミカル(株)製
アルミニウムトリスエチルアセテート

(8)エポキシ樹脂(E−1)=エピクロンN−660、DIC(株)製
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、50%メチルエチルケトン溶液
(9)硬化触媒(F−1)NACURE5925楠本化成(株)製
ドデシルベンゼンスルホン酸(触媒)、25%溶液
〔評価サンプルの調製〕
ブリキET−1板上に、前記各実施例1〜8及び比較例1〜6の缶用塗料を、乾燥膜厚が10μmとなるようにコーターにて塗装後、素材の最高到達温度180℃で10分間焼付け塗装板を得た。
〔評価項目〕
1−1.鉛筆硬度試験
試験塗装板をJIS−S−6006に規定された高級鉛筆を用いJIS−K−5400に準じて鉛筆硬度を測定した。
1−2.湯中鉛筆硬度試験
試験塗装板を80℃の湯中に浸漬し、30分後に湯中につけたまま、JIS−S−6006に規定された高級鉛筆を用いJIS−K−5400に準じて鉛筆硬度を測定した。
1−3.加工性試験
試験塗装板を直径約25mm×高さ約17mmのキャップ形状に打抜き加工してからネジ加工したものを、125℃/30分間のレトルト処理を行い、塗膜の割れと剥離の程度を下記基準により目視で判定した。○以上が実用レベル。
◎:割れ、剥離が全く無い。
○:若干割れ、剥離がある。
△:割れ、剥離がやや多い。
×:割れ、剥離が著しい。
1−4.耐水性試験
試験塗装板を125℃/30分間のレトルト処理した後、塗膜の白化の程度を目視で判定した。○以上が実用レベル。
◎:白化が全くない。
○:若干白化が認められる
△:白化がやや多い。
×:白化が著しい。
1−5.密着性試験
試験塗装板を直径約25mm×高さ約17mmのキャップ形状に打抜き加工してからネジ加工したサンプルを作成する。ネジ切部にセロハン粘着テープを貼り付け、これをはがした後の塗膜の剥離状態を目視で判定した。原型(処理前)と125℃/30分間のレトルト処理後で、塗膜の割れと剥離の程度を下記基準により目視で判定した。○以上が実用レベル。
◎:剥離が全く無い。
○:若干剥離がある。
△:剥離がやや多い。
×:剥離が著しい。
1−6.耐食性
試験塗装板を塩化ナトリウム3%、クエン酸3%水溶液に浸漬し、120℃、90分のレトルト処理を施し、塗膜の剥離状態を目視で判定した。
(評価方法)
○:剥離がない。
△:剥離が少しある。
×:剥離が多くある。
1−7.耐衝撃性
塗膜を外側にして塗板を2つ折にした試験片の間にブリキ板を3枚はさんで折り曲げ加工した後に、水道水中で120℃、90分のレトルト処理を施したものについて、折り曲げ先端部に6Vの電圧を3秒通電した際の加工部2cm幅の電流値(mA)を測定し、次に示す方法で評価した。○以上が実用レベル
◎:通電量が15mA未満である。
○:通電量が15mA以上30mA未満である。
△:通電量が30mA以上45mA未満である。
×:通電量が45mA以上である。
1−8.内容物保持性
試験サンプルに0.05%硫化ナトリウム水溶液で120℃、90分のレトルト処理を施し、試験サンプルに吸着した硫黄(S)の有無を蛍光X線で確認する
○:硫黄(S)の吸着がある。
×:硫黄(S)の吸着がない。
評価結果を表1、2に示す。表中の数字は、固形重量比率を表す。
Figure 0005611697











Figure 0005611697
本発明の樹脂組成物は、エストロゲン作用等の点で人体に悪影響を及ぼす可能性のあるビスフェノールAを含有せずして、加工性、塗膜硬度、耐水性及び硬化性が良好で更に耐食性、耐衝撃性及び内容物保持性に優れる各種缶用の塗料として広く活用できる。

Claims (8)

  1. ポリエステル樹脂(A)、フェノール化合物とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で合成して得られるフェノール樹脂(B)、酸化亜鉛(C)を含有する樹脂組成物であって、前記ポリエステル樹脂(A)と前記フェノール樹脂(B)の配合比率(質量)が、60:40〜95:5であり、酸化亜鉛(C)の配合比が全固形分中で1〜45質量%であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリエステル樹脂(A)が数平均分子量が3,000〜100,000であり、ガラス転移温度が0℃〜100℃である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂(A)が、ジフェノール酸を必須の成分とするポリエステル樹脂(A−1)である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 金属キレート化合物及び又は金属アルコキシド化合物(D)を含有する請求項1〜3の何れかに記載の樹脂組成物。
  5. ビスフェノールAを有さないエポキシ樹脂(E)を含有する請求項1〜4の何れかに記載の樹脂組成物。
  6. 硬化触媒(F)を含有する請求項1〜5の何れかに記載の樹脂組成物。
  7. 有機顔料及び又は無機顔料(G)を含有する請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか1つに記載の樹脂組成物に、有機溶剤が含有された塗料用樹脂組成物。
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