JP2003246006A - 缶用塗装金属板 - Google Patents

缶用塗装金属板

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JP2003246006A
JP2003246006A JP2002050120A JP2002050120A JP2003246006A JP 2003246006 A JP2003246006 A JP 2003246006A JP 2002050120 A JP2002050120 A JP 2002050120A JP 2002050120 A JP2002050120 A JP 2002050120A JP 2003246006 A JP2003246006 A JP 2003246006A
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polyester resin
resin
metal plate
coated metal
crystalline polyester
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JP2002050120A
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English (en)
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Ryotaro Hayashi
良太郎 林
Takashi Inomata
敬司 猪股
Hideki Masuda
秀樹 増田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用
いた皮膜に匹敵する香味収着性を持ち、且つ厳しい加工
にも耐える缶用塗装鋼板を提供すること。 【解決手段】 金属板の少なくとも一方の面に、ポリエ
ステル樹脂組成物(a)とレゾール型フェノール樹脂及
び/又はアミノ樹脂(b)よりなる下塗り塗料組成物
(A)を塗装して得られる下塗り皮膜が形成され、該下
塗り皮膜の上にガラス転移温度が60〜120℃のポリ
エステル樹脂(c)とレゾール型フェノール樹脂及び/
又はアミノ樹脂(d)ならびに潤滑性付与剤(e)より
なる上塗り塗料組成物(B)を塗装して得られる上塗り
皮膜が形成されてなることを特徴とする塗装金属板であ
って、該ポリエステル樹脂組成物(a)がガラス転移温
度−15〜50℃の非結晶性ポリエステル樹脂(a1)
又は該非結晶性ポリエステル樹脂(a1)と結晶性ポリ
エステル樹脂(a2)とを有機溶剤中に分散して得られ
るポリエステル樹脂分散液である缶用塗装金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板の成形して
缶の内面となる側に2層の塗膜が被覆された、加工性に
優れ且つ香味収着性に問題のない缶用塗装金属板に関す
るものであり、該塗装金属板を成形加工してなる缶に関
するものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、缶内面被覆用樹脂
として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有するも
のが多く用いられてきた。しかしながら、近年、外因性
内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)の一つとしてビス
フェノールAが挙げられたことにより、塗膜からビスフ
ェノールAが溶出しない塗料の開発が強く望まれるよう
になってきた。
【0003】また、工程短縮などのコストダウン目的
に、成形した缶を塗装する従来の方法から、あらかじめ
塗装がほどこされた塗装金属板を缶の形に成形加工する
方法へ缶の製造方法が変わりつつあり、絞りしごき加工
(DI加工、draw and ironing)に耐える加工性のよ
い被膜が要求されるようになった。
【0004】このような要求から、加工性が良くビスフ
ェノールAを用いない樹脂としてポリエステル樹脂が注
目され検討が進められてきたが、缶内面用被膜に要求さ
れる、硬度、密着性、防食性、香味収着性、風味保持性
などの厳しい塗膜性能を満足させることは容易ではな
く、PET樹脂に代表されるような高結晶性ポリエステ
ル樹脂が使われるようになってきた。
【0005】結晶性ポリエステル樹脂を利用する方法と
しては、ポリエステルフィルムを使用することが検討さ
れており、例えば、2軸延伸した熱可塑性フィルムを直
接、あるいは接着剤を介して、金属板に熱ラミネートす
る方法(例えば、特開昭56−10451号公報、特開
昭57−65463号公報等)、熱可塑性樹脂をフィル
ム状に加工してから金属板上にラミネートする方法に替
わり、樹脂を熱溶融させ、金属板上に直接押出しラミネ
ートする方法(例えば、特開昭51−17988号公
報)などが開示されており一部実用化されているが、結
晶性ポリエステル樹脂は有機溶剤にほとんど溶解しない
ため塗料としての利用はあまりなされていない。
【0006】しかしながら、ポリエステルフィルムを利
用するためには新たな設備投資を必要とし、かつ作業性
も劣ることから、塗装による解決を強く要望されてい
る。
【0007】本発明の目的は、従来のビスフェノールA
型エポキシ樹脂を用いた皮膜に匹敵する香味収着性を持
ち、且つ厳しい加工にも耐える缶用塗装金属板を提供す
ることであり、該塗装金属板を成形加工して得られる缶
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を行った結果、金属板上に、特
定のポリエステル樹脂と架橋剤を組み合わせて得られる
加工性に優れた皮膜を形成し、該皮膜上にガラス転移温
度の高いポリエステル樹脂と架橋剤とを組み合わせて得
られる硬質の皮膜を形成することにより上記目的を達成
できることを見出し本発明を完成するに至った。。
【0009】かくして本発明は、金属板の少なくとも一
方の面に、ポリエステル樹脂組成物(a)とレゾール型
フェノール樹脂及び/又はアミノ樹脂(b)よりなる下
塗り塗料組成物(A)を塗装して得られる下塗り皮膜が
形成され、該下塗り皮膜の上にガラス転移温度が60〜
120℃のポリエステル樹脂(c)とレゾール型フェノ
ール樹脂及び/又はアミノ樹脂(d)ならびに潤滑性付
与剤(e)よりなる上塗り塗料組成物(B)を塗装して
得られる上塗り皮膜が形成されてなることを特徴とする
塗装金属板であって、該ポリエステル樹脂組成物(a)
がガラス転移温度−35〜40℃の非結晶性ポリエステ
ル樹脂(a1)又は該非結晶性ポリエステル樹脂(a
1)と結晶性ポリエステル樹脂(a2)とを有機溶剤中
に分散して得られるポリエステル樹脂分散液である缶用
塗装金属板が提供される。
【0010】また、本発明は、上記塗装金属板を成形加
工して得られる缶が提供される。
【0011】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の塗装金属板は、金属板の
上にまず下塗り塗料組成物(A)が塗装される。
【0013】下塗り塗料組成物(A) 下塗り塗料組成物(A)はポリエステル樹脂組成物
(a)とレゾール型フェノール樹脂及び/又はアミノ樹
脂(b)よりなり、該ポリエステル樹脂組成物(a)は
ガラス転移温度−35〜40℃の非結晶性ポリエステル
樹脂(a1)又は該非結晶性ポリエステル樹脂(a1)
と結晶性ポリエステル樹脂(a2)とを有機溶剤中に分
散して得られるポリエステル樹脂分散液である。
【0014】ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価
アルコール成分とのエステル化物からなるものである。
【0015】多塩基酸成分としては、例えば無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル
酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボ
ン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの
酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必
要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息
香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシク
ロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの
3価以上の多塩基酸などが併用される。
【0016】多価アルコール成分としては、例えばエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ブチルエチル
プロパンジオールなどの二価アルコールが主に用いら
れ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
などの3価以上の多価アルコールを併用することができ
る。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以
上を混合して使用することができる。両成分のエステル
化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によっ
て行うことができる。
【0017】ここで非結晶性ポリエステル樹脂とは、示
査走査型熱量計による測定において明確な融点がなく、
常温で有機溶剤に溶解するポリエステル樹脂をいう。
【0018】ポリエステル樹脂の結晶性は、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂(PET)など一部を除いてそれ
ほど高くはないが、素材との密着性、加工性などの点か
らはポリエチレンテレフタレート系の非結晶性ポリエス
テル樹脂であることが好ましい。ポリエチレンテレフタ
レート系樹脂の結晶性は、酸成分であるテレフタル酸を
イソフタル酸など他の酸成分に一部置き換えていくこと
により、また、多価アルコールであるエチレングリコー
ルをジエチレングリコールなど他のアルコール成分に一
部置き換えていくことにより低下又はなくすことができ
る。
【0019】非結晶性ポリエステル樹脂(a1)のガラ
ス転移温度(Tg)は−15〜50℃、特に−10〜3
5℃の範囲内であることが得られる皮膜の加工性などの
点から好適であり、また、水酸基価は1〜15mgKO
H/g、特に3〜8mgKOH/gの範囲内が、数平均
分子量は15,000〜50,000、特に20,00
0〜40,000の範囲内が得られる皮膜の硬度と加工
性のバランスの点から好適である。
【0020】非結晶性ポリエステル樹脂(a1)の市販
品としては、例えばUE−3223、UE−3500
(以上、ユニチカ社製)、GK−330(東洋紡績社
製)などが挙げられる。
【0021】上記非結晶性ポリエステル樹脂(a1)は
単独で用いることができるが、結晶性ポリエステル樹脂
(a2)と併用することにより、素材との密着性、加工
性が向上するため、加工の厳しい用途、耐腐食性の厳し
く要求される用途などには併用することが望ましい。し
かしながら結晶性ポリエステル樹脂は通常塗料に使用さ
れる有機溶剤にはほとんど溶解せず、結晶性ポリエステ
ル樹脂(a2)、非結晶性ポリエステル樹脂(a1)及
び必要に応じて下記式(1)に示すリン酸系化合物を分
散助剤として加え、有機溶剤中に分散して得られるポリ
エステル樹脂分散液を使用することが適している。
【0022】
【化2】
【0023】R、R及びRはそれぞれ同一又は異
なって炭素数6以上、好ましくは炭素数8以上の脂肪族
炭化水素又は炭素数6以上の芳香族炭化水素を表し、m
及びnは1以上の整数であって且つm+nが6以上の整
数である。
【0024】上記リン酸系化合物としては、例えば2−
エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2−
エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチ
ル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリク
レジルホスフェートなどが挙げられる。
【0025】リン酸系化合物の配合量としては、非結晶
性ポリエステル樹脂(a1)と結晶性ポリエステル樹脂
(a2)との合計固形分量100重量部に基いて0.1
〜20重量部、好ましくは1〜15重量部の範囲内が得
られるポリエステル樹脂分散液の貯蔵安定性の観点から
適している。
【0026】結晶性ポリエステル樹脂(a2)は、上記
非結晶性ポリエステル樹脂(a1)の説明に挙げたポリ
エステル樹脂原料である多塩基酸成分と多価アルコール
成分を使用することができるが、原料の内、酸成分とし
てテレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸を主に使用し、多価アルコール成分としてはエチレ
ングリコール及び/又は1,4−ブタンジオールを主に
使用することにより得ることができるが、特にテレフタ
ル酸とエチレングリコールを主に用いたポリエチレンテ
レフタレート系樹脂が好適である。
【0027】本発明で使用する結晶性ポリエステル樹脂
は、融点が190℃〜260℃、好ましくは200℃〜
255℃の範囲内が適している。結晶性ポリエステル樹
脂の融点が低いと皮膜の収着性及びバリア性が低下し、
融点が高過ぎると造膜性が低下する。
【0028】なお、結晶性ポリエステル樹脂の融点の測
定は示査走査型熱量計(島津製作所)を用いて行った。
【0029】また、結晶性ポリエステル樹脂(a2)は
ガラス転移温度が20℃以上、特に55〜120℃の範
囲内であることが、香味収着性の点から好ましく、ま
た、水酸基価は1〜15mgKOH/g、特に3〜8m
gKOH/gの範囲内が、数平均分子量は15,000
〜50,000、特に20,000〜40,000の範
囲内が得られる皮膜の硬度と加工性のバランスの点から
好適である。
【0030】結晶性ポリエステル樹脂の市販品として
は、例えばIFG8L、TG7N10、PBT720
(以上、カネボウ合繊社製)、KF−511(三菱レイ
ヨン社製)などが挙げられる。
【0031】非結晶性ポリエステル樹脂(a1)と結晶
性ポリエステル樹脂(a2)との配合比率は、重量比で
(a1)/(a2)=95/5〜5/95、特に60/
40〜10/90の範囲内が、ポリエステル樹脂分散液
から得られる皮膜の耐レトルト性、耐腐食性などの点か
ら好ましい。
【0032】ポリエステル樹脂分散液は、結晶性ポリエ
ステル樹脂(a2)、非結晶性ポリエステル樹脂(a
1)及び必要に応じてリン酸系化合物を有機溶剤中に加
熱、溶解させた後、得られる溶液を冷却していくことで
ポリエステル樹脂が結晶化し、析出することにより得る
ことができる。
【0033】また、必要に応じて添加されるリン酸系化
合物は、冷却後に添加しても貯蔵安定性に効果は見られ
るが、冷却中又は冷却前に添加する方がポリエステル樹
脂分散液の安定性におよぼす効果は大きく、特に冷却前
に添加することが好ましい。
【0034】ポリエステル樹脂分散液の製造に用いられ
る有機溶剤は上記非結晶性ポリエステル樹脂(a2)を
溶解できるものであれば使用することができるが、有機
溶剤中の50重量%以上は、沸点が150℃〜220℃
の水酸基を含有しない有機溶剤であることがポリエステ
ル樹脂分散液の製造安定性の面から好ましく、例えばN
−メチル−2−ピロリドン、イソホロン、シクロヘキサ
ノン等のケトン系溶剤、DBE(デュポン社製、アジピ
ン酸ジメチル、グルタール酸ジメチル、コハク酸ジメチ
ルの混合溶剤)等のエステル系溶剤などが挙げられる。
【0035】下塗り塗料組成物(A)は上記非結晶性ポ
リエステル樹脂(a1)又はポリエステル樹脂分散液に
架橋剤であるレゾール型フェノール樹脂及び/又はアミ
ノ樹脂(b)が添加されたものである。
【0036】上記レゾール型フェノール樹脂としては、
フェノール成分とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存
在下で加熱して縮合反応させてメチロール基を導入して
得られるメチロール化フェノール樹脂のメチロール基の
一部をアルコールでアルキルエーテル化してなるもので
ある。
【0037】レゾール型フェノール樹脂架橋剤の製造に
おいては、出発原料である上記フェノール成分として、
2官能性フェノール化合物、3官能性フェノール化合
物、4官能性以上のフェノール化合物などを使用するこ
とができる。
【0038】レゾール型フェノール樹脂架橋剤の製造に
用いられる2官能性フェノール化合物としては、o−ク
レゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、
2,5−キシレノールなどの2官能性フェノールなどを
挙げることができ、3官能性フェノール化合物として
は、フェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノー
ル、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールな
どが挙げられ、4官能性フェノール化合物としては、ビ
スフェノールA、ビスフェノールFなどを挙げることが
できる。これらのフェノール化合物は1種で、又は2種
以上混合して使用することができる。
【0039】レゾール型フェノール樹脂の製造に用いら
れるホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド又はトリオキサンなどが挙げら
れ、1種で、又は2種以上混合して使用することができ
る。
【0040】メチロール化フェノール樹脂のメチロール
基の一部をアルキルエーテル化するのに用いられるアル
コールとしては、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜
4個の1価アルコールを好適に使用することができる。
好適な1価アルコールとしてはメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ルなどを挙げることができる。
【0041】上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿
素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログア
ナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミ
ノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロー
ル化アミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホ
ルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、ベンツアルデヒド等がある。また、このメチロー
ル化アミノ樹脂のメチロール基をアルコールによってエ
ーテル化したものも使用でき、エーテル化に用いられる
アルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、
2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが
挙げられる。
【0042】これらのうち、アミノ樹脂としては、メチ
ロール基がメチルエーテル化又はメチルエーテルとブチ
ルエーテルとの混合エーテル化された低分子量アルコキ
シメラミン樹脂が好ましい。
【0043】レゾール型フェノール樹脂及び/又はアミ
ノ樹脂(b)の配合量は、ポリエステル樹脂組成物
(a)の固形分量100重量部に基いて0.5〜20重
量部、好ましくは3〜10重量部の範囲内が硬化性と加
工性とのバランスの観点から適している。
【0044】上記下塗り塗料組成物(A)には硬化反応
を促進するため酸触媒を必要に応じて添加することがで
きる。例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベン
ゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノ
ニルナフタレンジスルホン酸、燐酸などの酸触媒又はこ
れらの酸のアミン中和物などを具体例として挙げること
ができる。なかでも上記スルホン酸化合物又はスルホン
酸化合物のアミン中和物が好適である。
【0045】酸触媒の配合量は、得られる塗膜の物性な
どの点から、酸量(例えば、スルホン酸化合物のアミン
中和物の場合は、この中和物からアミンを除去した残り
のスルホン酸化合物量)としてポリエステル樹脂組成物
(a)の固形分量100重量部に基いて0.1〜5重量
部、好ましくは0.5〜2重量部の範囲内が適してい
る。
【0046】下塗り塗料組成物(A)には上記以外に他
の有機樹脂、架橋剤、添加剤(消泡剤、レベリング剤、
凝集防止剤など)、顔料(有機顔料、無機顔料、光輝性
顔料、体質顔料、防錆顔料など)、有機溶剤など必要に
応じて添加することができる。
【0047】他の有機樹脂としては、特にエポキシ樹脂
を添加することで硬度、密着性、耐レトルト性などが向
上するが、中でもノボラック型エポキシ樹脂が環境ホル
モンの疑いをもたれているビスフェノールAを含有して
いないため好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂として
は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基
を有するフェノールグリオキザール型エポキシ樹脂など
の各種のノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができ
る。なかでも塗膜性能のバランスを取り易いフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂が好適である。
【0048】有機溶剤としては、各成分を溶解ないし分
散できるものが使用でき、具体的には、例えば、トルエ
ン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系
溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢
酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノー
ル、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤などを
挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上
を混合して使用することができる。
【0049】本発明の塗装金属板は、上記下塗り塗料組
成物(A)が塗装された後、上塗り塗料(B)が塗装さ
れる。
【0050】上塗り塗料組成物(B) 本発明の上塗り塗料組成物(B)にはガラス転移温度が
60〜120℃、好ましくは65℃〜100℃のポリエ
ステル樹脂(c)とレゾール型フェノール樹脂及び/又
はアミノ樹脂(d)ならびに潤滑性付与剤(e)が含有
される。
【0051】ポリエステル樹脂(c)の原料としては上
記非結晶性ポリエステル樹脂(a1)の説明に挙げたポ
リエステル樹脂原料である多塩基酸成分と多価アルコー
ル成分を使用することができ、従来の製造方法に従って
合成することができる。
【0052】ポリエステル樹脂(c)の市販品として
は、例えばUE−3600、(ユニチカ社製)、GK−
880、GK−640(以上、東洋紡績社製)などが挙
げられる。
【0053】ポリエステル樹脂(c)に架橋剤としてレ
ゾール型フェノール樹脂及び/又はアミノ樹脂(d)が
配合されるが、レゾール型フェノール樹脂及び/又はア
ミノ樹脂(d)は上記下塗り塗料組成物(A)の説明に
あるレゾール型フェノール樹脂及び/又はアミノ樹脂
(b)で挙げたものを使用することができる。
【0054】下塗り塗料組成物(A)と上塗り塗料組成
物(B)で使用される架橋剤は同じであっても異なって
いてもよい。
【0055】レゾール型フェノール樹脂及び/又はアミ
ノ樹脂(d)の配合量は、ポリエステル樹脂(c)の固
形分量100重量部に基いて0.5〜20重量部、好ま
しくは3〜10重量部の範囲内が硬化性と加工性とのバ
ランスの観点から適している。
【0056】上塗り塗料組成物(B)にはさらに、塗膜
表面に滑性を付与する目的で潤滑性付与剤(e)が添加
される。
【0057】上塗り塗料組成物(B)を塗装された金属
板は、次いで缶状に絞りしごき加工されるが、特にライ
ンでは高速かつ連続的に高速かつ連続的に生産されるた
め、装置が60℃近くまで発熱して皮膜が軟化し、すべ
り性が低下して成形加工時に傷がつきやすくなり、内容
物を充填した時の耐腐食性が悪くなってしまうため、塗
料組成物(B)から得られる塗膜は高温での厳しい絞り
しごき加工に耐えることが必要である。
【0058】そのため、塗料組成物(B)から得られる
塗膜が60℃という高温で、動摩擦係数が0.03〜
0.25、特に0.04〜0.15の範囲内になるよう
に潤滑性付与剤(e)の種類及び量を選定することが、
絞りしごき加工の点から好ましい。
【0059】上記潤滑性付与剤(e)としては、90℃
において液状となるワックスが適しており、例えば、ポ
リオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸
エステルワックス、ラノリン系ワックス、モンタンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバろう
などを挙げることができる。
【0060】潤滑性付与剤(e)の添加量としては、ポ
リエステル樹脂(c)とレゾール型フェノール樹脂及び
/又はアミノ樹脂(d)の合計固形分量100重量部に
基いて0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部
の範囲内が加工性の点から適している。
【0061】また、上塗り塗料組成物(B)には硬化反
応を促進するため酸触媒を必要に応じて添加することが
できる。例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジ
ノニルナフタレンジスルホン酸、燐酸などの酸触媒又は
これらの酸のアミン中和物などを具体例として挙げるこ
とができる。なかでも上記スルホン酸化合物又はスルホ
ン酸化合物のアミン中和物が好適である。
【0062】酸触媒の配合量は、得られる塗膜の物性な
どの点から、酸量(例えば、スルホン酸化合物のアミン
中和物の場合は、この中和物からアミンを除去した残り
のスルホン酸化合物量)としてポリエステル樹脂(c)
の固形分量100重量部に基いて0.1〜5重量部、好
ましくは0.5〜2重量部の範囲内が適している。
【0063】上塗り塗料組成物(B)には上記以外に他
の有機樹脂、架橋剤、添加剤(消泡剤、レベリング剤、
凝集防止剤など)、顔料(有機顔料、無機顔料、光輝性
顔料、体質顔料、防錆顔料など)、有機溶剤など必要に
応じて添加することができる。
【0064】他の有機樹脂としては、特にエポキシ樹脂
を添加することで硬度、密着性、耐レトルト性などが向
上するが、中でもノボラック型エポキシ樹脂が環境ホル
モンの疑いをもたれているビスフェノールAを含有して
いないため好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂として
は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基
を有するフェノールグリオキザール型エポキシ樹脂など
の各種のノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができ
る。なかでも塗膜性能のバランスを取り易いフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂が好適である。
【0065】有機溶剤としては、各成分を溶解ないし分
散できるものが使用でき、具体的には、例えば、トルエ
ン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系
溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢
酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノー
ル、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤などを
挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上
を混合して使用することができる。
【0066】塗装金属板の製造方法 上記塗料組成物は、平板状の金属板にロールコーター、
カーテンフローコーター等の公知の塗装方法によって塗
装し、焼き付けることによって缶内面用として適した塗
膜を形成することができる。
【0067】塗装方式には、金属板に下塗り塗料組成物
(A)を塗装した後焼き付け、該下塗り皮膜の上に上塗
り塗料組成物(B)を塗装して焼付ける2C2B方式
と、金属板に下塗り塗料組成物(A)を塗装し、必要に
応じて溶剤を飛ばす程度の乾燥をした後、未架橋下塗り
皮膜の上に上塗り塗料組成物(B)を塗装して焼付ける
2C1B方式とがあるが、コストの点から2C1B方式
が好ましい。該2C1B方式の場合は、上塗り塗料組成
物(B)はカーテンフローコーター、ダイコーターなど
未架橋下塗り皮膜に塗装部が接しない塗装方法を用いる
ことが好ましい。
【0068】塗布量としては、乾燥塗布量で下塗り皮膜
60〜160mg/100cm、好ましくは80〜1
40mg/100cm、上塗り皮膜30〜100mg
/100cm、好ましくは40〜60mg/100c
の範囲内が加工性と香味収着性のバランスの点から
適している。
【0069】下塗り、上塗りともに塗膜の焼付け条件
は、通常、金属板の最高到達温度が、約190〜300
℃の温度となる条件で約15秒〜約30分間程度であ
り、2C1B方式で焼付ける場合も同条件で行うことが
できる。
【0070】上記金属板としては、例えば無処理鋼板、
錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、リ
ン酸塩処理鋼板、クロム酸塩処理鋼板、無処理アルミニ
ウム板、クロム酸塩処理アルミニウム板などの金属板を
挙げることができる。
【0071】本発明の塗装金属板は、飲料缶、食缶、雑
缶、5ガロン缶などの缶用途やキャップなどの金属蓋用
途に好適に使用され、特にDI缶(絞りしごき缶)等の
深絞り用途においてその効果が発揮される。
【0072】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」
はいずれも重量基準によるものとする。
【0073】下塗り塗料の製造 製造例1 攪拌機を有する容器にUE3223(ユニチカ社製、非
結晶性ポリエステル樹脂、Tg[ガラス転移温度]1℃、
Mn[数平均分子量]21,000、OHV[水酸基価]4
mgKOH/g)27部、バルカム29−101(BT
L SPECIALTY RESINS社製、キシレノ
ール/ホルムアルデヒド型フェノール樹脂、固形分10
0%)3部、NACURE5925(キング・インダス
トリイズ社製、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中
和溶液、有効成分25%)0.6部及びシクロヘキサノ
ン70部を配合し、樹脂が溶解するまでよく攪拌混合し
て固形分30%の下塗り塗料a−1を得た。
【0074】製造例2〜7 製造例1と同様にして、表1に示す配合にて固形分30
%の各下塗り塗料a−2〜a−7を作成した。
【0075】製造例8 結晶性ポリエステル樹脂KF511(三菱レイヨン社
製、結晶性ポリエステル樹脂、Tg60℃、Tc[昇温
結晶開始温度]156℃、Tm[融点]214℃)6部及
びDBE(デュポン社製、アジピン酸ジメチル、グルタ
ール酸ジメチル、コハク酸ジメチルの混合溶剤)24部
を冷却管をつけた窒素ガス置換した4つ口フラスコに仕
込み、攪拌翼により攪拌しながらマントルヒーターで約
200℃まで加温しKF511を完全に溶解した。次に
加熱を止め、シクロヘキサノン31部とソルベッソ10
0(エクソンモービル社製、芳香族系炭化水素溶剤)1
5部を滴下しながら160℃まで冷却した後、非結晶性
ポリエステル樹脂UE3223を24部及び2−エチル
ヘキシルジフェニルホスフェートを5部仕込み、冷却開
始温度160℃から冷却終了温度55℃まで3℃/分の
速度で冷却した後、バルカム29−101を1.5部及
びNACURE5925を0.6部仕込んで攪拌、溶解
し、固形分約34%の下塗り塗料a−8を得た。
【0076】製造例9 製造例8において結晶性ポリエステル樹脂をKF511
からTG7N10(カネボウ合繊社製、結晶性ポリエス
テル樹脂、Tg79℃、Tc190℃、Tm230℃)
に変更し、DBE24部をDBE12部及びN−メチル
−2−ピロリドン12部に変更する以外は製造例8と同
様にして固形分約34%の下塗り塗料a−9を得た。
【0077】製造例10 製造例8において結晶性ポリエステル樹脂をKF511
からPBT720(カネボウ合繊社製、結晶性ポリエス
テル樹脂、Tg30℃、Tc50℃、Tm225℃)に
変更する以外は製造例8と同様にして固形分約34%の
下塗り塗料a−10を得た。
【0078】製造例11 製造例8において結晶性ポリエステル樹脂をKF511
からGM400(東洋紡績社製、結晶性ポリエステル樹
脂、Tg19℃、Tm143℃)に変更する以外は製造
例8と同様にして固形分約34%の下塗り塗料a−11
を得た。
【0079】
【表1】
【0080】表1における各註(*1)〜(*7)の原
料は、各々下記の内容のものである。 (*1)UE3500:ユニチカ社製、非結晶性ポリエ
ステル樹脂、Tg35℃、Mn25,000、OHV4
mgKOH/g。 (*2)UE3400:ユニチカ社製、非結晶性ポリエ
ステル樹脂、Tg−20℃、Mn25,000、OHV
3.5mgKOH/g。 (*3)UE3660:ユニチカ社製、非結晶性ポリエ
ステル樹脂、Tg60℃、Mn20,000、OHV4
mgKOH/g。 (*4)GK190:東洋紡績社製、非結晶性ポリエス
テル樹脂、Tg11℃、Mn13,000、OHV8m
gKOH/g。 (*5)UE3300:ユニチカ社製、非結晶性ポリエ
ステル樹脂、Tg45℃、Mn8,000、OHV18
mgKOH/g。 (*6)サイメル303:三井サイテック社製、メチル
化メラミン樹脂、固形分100%。 (*7)ECN1273:旭化成エポキシ社製、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂。
【0081】上塗り塗料の製造 製造例12〜15 攪拌機を有する容器に後記表2に示す配合表に従って各
原料を仕込み、樹脂が溶解するまでよく攪拌、混合して
固形分30%の各上塗り塗料b−1〜b−4を得た。
【0082】
【表2】
【0083】表2における各註(*8)〜(*10)の
原料は、各々下記の内容のものである。 (*8)GK880:東洋紡績社製、非結晶性ポリエス
テル樹脂、Tg84℃、Mn16,000、OHV4。 (*9)HI−DISPER F−10PC:ギフセラ
ック製造所社製、カルナバワックス、NV=10%、軟
化点=81〜86℃。 (*10)ACポリエチレン316A:アライドケミカ
ル社製、酸価ポリエチレンワックス、軟化点136〜1
40℃。
【0084】外面用塗料の製造 製造例16 攪拌機を有する容器に下記配合に従って各原料を仕込
み、樹脂が溶解するまでよく攪拌、混合して固形分30
%の外面用塗料c−1を得た。 シクロヘキサノン 59.5部 ソルベッソ1000 10.0部 GK880 25.5部 サイメル303 3.0部 ECN1273 1.5部 25%NACURE5925 0.6部 HI−DISPER F−10PC 0.6部塗装板の作成 実施例1〜8及び比較例1〜11 アルミニウム板(板厚0.30mmのアルミニウム合金
3004)の一方に、製造例16の外面用塗料c−1を
膜厚50mg/100cmとなるように塗装し、この
裏面、缶の内面となる側に表3に示す組み合わせにて上
記製造例の下塗り塗料を表3に示す乾燥塗布量となるよ
うに塗装した後、アルミニウム板温度が270℃に25
秒で達する条件で焼付け、さらに、該下塗り塗膜の上に
表3で示す乾燥塗布量となるように、上記製造例の上塗
り塗料を塗装し、アルミニウム板温度が270℃に25
秒で達する条件で焼付け各塗装板を得た。
【0085】上記実施例及び比較例で得られた各塗装板
の缶の内面となる側について動摩擦係数及び鉛筆硬度を
下記試験方法に基いて測定した。結果を後記表3に示
す。
【0086】鉛筆硬度:試験塗板を60℃に温度制御し
たヒートパネル上に置き、JISK 5400 8.
4.2に規定する鉛筆引っかき試験を行い、塗膜の破壊
による評価を行なった。
【0087】動摩擦係数:試験塗板の温度を60℃に保
ち、MOBILITY/LUBRICITY TEST
ER MODEL9505AER(ALTEK社製)を
用いて、引っ張り速度100mm/分の条件にて動摩擦
係数を測定した。動摩擦係数が小さいほど滑性は良好で
ある。
【0088】耐腐食性及び香味収着性評価用2ピース缶
の作成 各試験塗板を、ブランク打ち抜き、カッピング、D&I
マシンによる絞りしごき(アイアニング)加工、トリミ
ングを施し、缶高さ125mm、外径65mmの缶を成
形した。さらに、フランジングマシンにより、アルミ蓋
を巻き締められるようにフランジ加工を行い、最終的に
2ピース缶を作成した。
【0089】なお、比較例11については、先に上記の
形状の缶に成形した未塗装缶にスプレーにて缶内面用塗
料SJ−6839−009(関西ペイント社製、塩化ビ
ニル系2ピース缶内面用塗料)を乾燥塗布量140mg
/350mlサイズ2ピース缶となるようにエアレスス
プレー塗装した後、SJ−6839−009の標準的焼
付け条件である190℃を3分保持する条件で焼付け
し、内面塗装2ピース缶を得た。
【0090】得られた各2ピース缶について耐腐食性及
び香味収着性の試験を行い、下記基準で評価した。
【0091】耐腐食性:上記2ピース缶に10%パイン
ジュースを98℃でホットパック充填した後アルミ蓋の
巻き締めを行ない、37℃で6ケ月間保存した後開缶
し、内面の腐食の状態を観察し、以下の基準により評価
した。 ○:腐食が認められない。 △:腐食が少し認められる。 ×:腐食が著しい。
【0092】香味収着性;脱イオン水中にd−リモネン
溶液30mg/lをS−1170(三菱化学社製ショ糖
脂肪酸エステル)1g/lで分散したリモネン分散液を
作成し、該リモネン分散液350gを2ピース缶に充填
して蓋を巻き締めた後、35℃で2週間貯蔵した。貯蔵
後、塗膜に収着したd−リモネンを、ジエチルエーテル
で20℃で1週間かけて抽出し、ガスクロマトグラフィ
ーによりd−リモネン収着量(μg/缶)を測定した。
【0093】
【表3】
【0094】
【発明の効果】本発明の缶用塗装鋼板は、缶の内面側と
なる部分に加工性のよい下塗り塗膜と、硬くて強靭な上
塗り塗膜の2層を有することにより、厳しい絞りしごき
加工に耐え、且つ従来のビスフェノールA型エポキシ樹
脂を用いた皮膜に匹敵する香味収着性を持つことから、
特にDI缶用塗装鋼板として有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 161/06 C09D 161/06 161/20 161/20 167/00 167/00 191/06 191/06 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB24Z BB92Z CA02 CA03 CA13 CA33 CA50 DA06 DB01 DC42 EA07 EA10 EB32 EB35 EB53 EB56 EC60 4F100 AB01A AB10A AB31A AH02C AJ11C AK34B AK34C AK35B AK35C AK41B AK41C AL05B AL05C BA03 BA07 BA10A BA10C CA19C GB16 GB23 JA04C JA05C JA11C JA12C JA13B JM01C YY00B YY00C 4J038 BA212 DA062 DA132 DD001 DD002 DD041 DD062 JC22 MA13 PB03 PC02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の少なくとも一方の面に、ポリエ
    ステル樹脂組成物(a)とレゾール型フェノール樹脂及
    び/又はアミノ樹脂(b)よりなる下塗り塗料組成物
    (A)を塗装して得られる下塗り皮膜が形成され、該下
    塗り皮膜の上にガラス転移温度が60〜120℃のポリ
    エステル樹脂(c)とレゾール型フェノール樹脂及び/
    又はアミノ樹脂(d)ならびに潤滑性付与剤(e)より
    なる上塗り塗料組成物(B)を塗装して得られる上塗り
    皮膜が形成されてなることを特徴とする塗装金属板であ
    って、該ポリエステル樹脂組成物(a)がガラス転移温
    度−15〜50℃の非結晶性ポリエステル樹脂(a1)
    又は該非結晶性ポリエステル樹脂(a1)と結晶性ポリ
    エステル樹脂(a2)とを有機溶剤中に分散して得られ
    るポリエステル樹脂分散液である缶用塗装金属板。
  2. 【請求項2】 結晶性ポリエステル樹脂(a2)の融点
    が190℃〜260℃の範囲内である請求項1に記載の
    缶用塗装金属板。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂分散液が、非結晶性ポ
    リエステル樹脂(a1)と結晶性ポリエステル樹脂(a
    2)との固形分重量比(a1)/(a2)=95/5〜
    5/95の範囲内で作成されたものである請求項1又は
    2に記載の缶用塗装金属板。
  4. 【請求項4】 ポリエステル樹脂分散液が、さらに下記
    式(1)に示すリン酸系化合物 【化1】 、R及びRはそれぞれ同一又は異なって炭素数
    6以上の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、又は−C
    2mOC2n+1を表し、m及びnは1以上の整数
    であって且つm+nが6以上の整数である。を非結晶性
    ポリエステル樹脂(a1)と結晶性ポリエステル樹脂
    (a2)との合計固形分量100重量部に基いて0.1
    〜20重量部の範囲内で含有するものである請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の缶用塗装金属板。
  5. 【請求項5】 下塗り塗料組成物(A)中のポリエステ
    ル樹脂組成物(a)とレゾール型フェノール樹脂及び/
    又はアミノ樹脂(b)との配合比率が固形分重量比で
    (a)/(b)=99/1〜70/30の範囲内である
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の缶用塗装金属板。
  6. 【請求項6】 潤滑性付与剤(e)が90℃において液
    状となるワックスである請求項1〜5のいずれか一項に
    記載の缶用塗装金属板。
  7. 【請求項7】 上塗り塗料組成物(B)中のポリエステ
    ル樹脂(c)とレゾール型フェノール樹脂及び/又はア
    ミノ樹脂(d)との配合比率が固形分重量比で(c)/
    (d)=95/5〜70/30の範囲内であり、潤滑性
    付与剤(e)の添加量がポリエステル樹脂(c)とレゾ
    ール型フェノール樹脂及び/又はアミノ樹脂(d)との
    合計固形分量100重量部に基いて0.5〜10重量部
    の範囲内である請求項1〜6のいずれか一項に記載の缶
    用塗装金属板。
  8. 【請求項8】 下塗り皮膜の乾燥皮膜重量が60〜16
    0mg/100cm及び上塗り塗膜の乾燥皮膜重量が
    30〜100mg/100cmの範囲内である請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の缶用塗装金属板。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の缶
    用塗装金属板を用いて成形加工してなる缶。
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