JP6257385B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6257385B2
JP6257385B2 JP2014044493A JP2014044493A JP6257385B2 JP 6257385 B2 JP6257385 B2 JP 6257385B2 JP 2014044493 A JP2014044493 A JP 2014044493A JP 2014044493 A JP2014044493 A JP 2014044493A JP 6257385 B2 JP6257385 B2 JP 6257385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
parts
resin
acid
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014044493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015168760A (ja
Inventor
真典 下山
真典 下山
天木 慎悟
慎悟 天木
日高 貴弘
貴弘 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2014044493A priority Critical patent/JP6257385B2/ja
Publication of JP2015168760A publication Critical patent/JP2015168760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6257385B2 publication Critical patent/JP6257385B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、加工性、硬化性、耐レトルト性、耐食性、密着性、耐傷付性、フレーバー性、衛生性に優れ、さらに缶内面塗料として使用した場合に缶内容物による腐食に対する高温での耐食性にも優れた塗膜を形成できる塗料組成物、特に缶被覆用に適した塗料組成物、この塗料組成物を塗装した塗装金属板、及びこの塗料組成物の塗膜を表面に形成した塗装金属缶に関する。
従来、金属缶素材としては、アルミニウム、ブリキ、ティンフリースチール等の金属が用いられている。これらの金属は、その腐食を防止するために、通常、缶の内外面に密着性および耐食性に優れたエポキシ/フェノール樹脂系、エポキシ/アミノ樹脂系の塗料が多く用いられている。
しかしながら、近年、環境ホルモンとして疑いのもたれているビスフェノールAの溶出量の問題から、ビスフェノールAを含有しない塗料系が求められている。このような缶用塗料として、加工性を必要とする缶内外面、蓋内外面、キャップ内外面用塗料としては、ポリエステル−アクリル樹脂系の熱硬化性塗料(例えば、特許文献1参照)ポリエステル樹脂とフェノール樹脂を含有する塗料(例えば、特許文献2参照)、ビニル−アミノ樹脂、ビニルオルガノゾル等の樹脂系の塗料が使用されている。これらの塗料から得られる塗膜は、加工性と硬度とのバランスに優れ、密着性も良好であるが、缶内面に使用するには、耐レトルト性、フレーバー性(内容物の風味保持性)、衛生性などが不十分であるという問題を有している。
また、特定のガラス転移温度を有する2種類のポリエステル樹脂の混合物に、架橋剤、硬化触媒を含有する塗料が、耐経時脆化性、加工性、耐食性、耐レトルト性に優れる塗膜を形成できることが特許文献3に記載されている。しかしながら、この塗料を、缶胴や缶蓋の内面塗料として使用して形成した塗膜は、高温貯蔵での腐食液に対する耐食性が充分ではないといった問題があった。
特開2000−290585号公報 特開2001−131470号公報 特開2013−249376号公報
本発明の目的は、加工性、硬化性、耐レトルト性、耐食性、密着性、耐傷付性、フレーバー性、衛生性に優れ、さらに缶内面塗料として使用した場合に缶内容物による腐食に対する高温での耐食性にも優れた塗膜を形成できる塗料組成物、特に缶被覆用に適した塗料組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、上記塗料組成物を塗装した塗装金属板を提供すること、及び上記塗料組成物の塗膜を表面に形成した塗装金属缶を提供することである。
そこで本発明者らは、上記課題を解決できる塗料組成物を得るべく鋭意研究の結果、特定のガラス転移温度を有する2種のポリエステル樹脂の特定割合の混合物と、特定のレゾール型フェノール樹脂架橋剤の所定量と、アミノ樹脂硬化剤の所定量とを含有する塗料組成物によって上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ガラス転移温度が45〜100℃の範囲であるポリエステル樹脂、(B)ガラス転移温度が25℃を超え、且つ40℃未満の範囲であるポリエステル樹脂、(C)フェノール成分として3官能以上のフェノール化合物を50質量%以上含有するフェノール成分を出発原料とし、かつベンゼン核1核当りアルコキシメチル基を平均して0.5個以上有するレゾール型フェノール樹脂架橋剤、及びアミノ樹脂硬化剤を含有する塗料組成物であって、該ポリエステル樹脂(A)と該ポリエステル樹脂(B)との配合割合が、〔(A)/(B)〕の固形分質量比で95/5〜50/50であり、該ポリエステル樹脂(A)と該ポリエステル樹脂(B)との固形分合計100質量部に対し、該レゾール型フェノール樹脂(C)量が1〜60質量部、上記アミノ樹脂硬化剤の量が0.2〜5質量部の範囲内であることを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記塗料組成物が塗装、硬化されてなることを特徴とする塗装金属板を提供するものである。
さらに、本発明は、上記塗料組成物による硬化塗膜が缶表面の少なくとも一部に形成されてなることを特徴とする塗装金属缶を提供するものである。
本発明の塗料組成物は、加工性、硬化性、耐レトルト性、耐食性、密着性、耐傷付性、フレーバー性、衛生性に優れ、さらに缶内面塗料として使用した場合に缶内容物による腐食に対する高温での耐食性にも優れた塗膜を形成でき、缶内面塗料として使用した場合に高温貯蔵での缶内容物による腐食に対する耐性に優れた塗膜を形成できる。
本発明の塗装金属板は、上記本発明塗料組成物による硬化塗膜を有するものであり、上記した優れた塗膜性能を有する。
本発明の塗装金属缶は、缶表面の少なくとも一部に上記本発明塗料組成物による硬化塗膜を有するものであり、この塗膜が形成された缶表面は、上記した優れた塗膜性能を有する。
以下、本発明の塗料組成物について、さらに詳細に説明する。
本発明の塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及びレゾール型フェノール樹脂(C)を含有する。
ポリエステル樹脂(A)
本発明組成物において、(A)成分であるポリエステル樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂であり、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂などのいずれであってもよい。なかでもオイルフリーポリエステル樹脂であることが好適である。
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、主に多塩基酸と多価アルコールとのエステル化物である。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。これらの多塩基酸成分は単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ジメチロ−ルシクロヘキサンなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化反応は、公知の方法によって行うことができる。
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、上記エステル化反応において、多塩基酸のかわりに多塩基酸の低級アルキルエステル(例えばメチルエステル、エチルエステルなど)を用い、エステル交換反応を行うことによっても得ることができる。両成分のエステル交換反応は、公知の方法によって行うことができる。
上記オイルフリーポリエステル樹脂において、二塩基酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸の占める割合が80〜100モル%、且つそのうち、テレフタル酸の占める割合が40〜100モル%であることが好ましい。
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸を公知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポリエステル樹脂の製造の際の、酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物と公知の方法で反応せしめたものである。ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際の各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポリイソシアネート化合物と公知の方法で反応せしめたものである。ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用するポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度(以下、「Tg点」と略称することがある)が45〜100℃であり、特に50〜90℃の範囲内であることが好ましい。
また、数平均分子量は3,000〜100,000、特に8,000〜5,0000、さらに特に10,000〜30,000であることが好ましく、水酸基価は0.5〜40mgKOH/g、特に3〜20mgKOH/gであることが好ましく、酸価が20mgKOH/g以下、好ましくは0.1〜10mgKOH/gであることが、ポリエステル樹脂の取扱い易さ、得られる塗膜の加工性、硬度、耐水性、耐沸騰水性などの点から好適である。
本発明明細書において、Tg点の測定は、示差走査熱量計を用いた示差熱分析(DSC)によるものであり、また数平均分子量は、下記分子量測定方法によりゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
(分子量測定方法)
数平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定した保持時間(保持容量)を、ポリスチレンの数平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000XL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
ポリエステル樹脂(B)
本発明の塗料組成物に用いるポリエステル樹脂(B)は、ガラス転移温度(Tg)が25℃を超え、且つ40℃未満の範囲であり、特に26〜35℃の範囲であることが好ましい。また、数平均分子量は3,000〜100,000、特に8,000〜5,0000、さらに特に10,000〜30,000であることが好ましく、水酸基価は0.5〜40mgKOH/g、特に3〜20mgKOH/gであることが好ましく、酸価は20mgKOH/g以下、好ましくは0.1〜10mgKOH/gであることの範囲にあることが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)は、Tg点が上記範囲にあることが重要であり、上記範囲より大きい場合、十分な加工性が得られなくなる虞がある。また、上記範囲より小さい場合、本発明塗料組成物を缶内面塗料として使用した場合に、例えば、70〜80℃の高温貯蔵での缶内容物による腐食に対する耐性が充分ではなく、また、耐食性、耐ブロッキング性、耐レトルト性が不十分となることがある。数平均分子量が上記範囲にあることが加工性、塗装性の面から好適であり、水酸基価及び酸価が上記範囲にあることが硬化性、塗膜の耐水性などの観点から好適である。
ポリエステル樹脂(B)としては、種々の多塩基酸などの酸成分及び多価アルコールなどのアルコール成分からなるポリエステル樹脂を用いることができ、酸成分及びアルコール成分としては、ポリエステル樹脂(A)について例示した多塩基酸などの酸成分及び多価アルコールなどのアルコール成分を用いることができる。
レゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)
本発明組成物における(C)成分であるレゾール型フェノール樹脂架橋剤は、上記ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)と架橋反応して硬化させるために配合されるものである。
本発明におけるフェノール樹脂架橋剤(C)は、フェノール成分とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で加熱して縮合反応させてメチロール基を導入して得られるメチロール化フェノール樹脂のメチロール基の一部をアルコールでアルキルエーテル化してなるレゾール型フェノール樹脂である。
レゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)の製造においては、出発原料である上記フェノール成分として、3官能以上のフェノール化合物を50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは100重量%含有するフェノール成分が用いられる。このフェノール樹脂架橋剤(C)は反応性に優れる。このフェノール樹脂架橋剤(C)と、ポリエステル樹脂(A)と、上記ポリエステル樹脂(B)とを所定量組合せた塗料組成物とすることにより特に高温における耐食性にも優れた塗膜を得ることができる。
レゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)の製造に用いられる3官能以上のフェノール化合物としては、フェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール等の3官能性フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF等の4官能性フェノール等が挙げられ、これらは1種で、又は2種以上混合して使用することができる。上記ビスフェノールAは、環境ホルモンの疑いがある観点から好ましくない場合がある。
上記出発原料であるフェノール成分として、上記3官能以上のフェノール化合物に加えて、フェノール成分中に50重量%以下の量含有してもよいフェノール化合物としては、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノールなどの2官能性フェノールなどを挙げることができる。
レゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)の製造に用いられるホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はトリオキサンなどが挙げられ、1種で、又は2種以上混合して使用することができる。
メチロール化フェノール樹脂のメチロール基の一部をアルキルエーテル化するのに用いられるアルコールとしては、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜4個の1価アルコールを好適に使用することができる。好適な1価アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどを挙げることができる。
レゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)は、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)との反応性などの点からベンゼン核1核当りアルコキシメチル基を平均して0.5個以上、好ましくは0.6〜3.0個有し、ベンゼン核1核当り平均してアルコキシメチル基とメチロール基との合計が0.6〜3.0個、好ましくは0.9〜2.2であることが好適である。
本発明塗料組成物
本発明塗料組成物は、前述したポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及びレゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)を下記配合割合にて含有するものである。
前記ポリエステル樹脂(A)と上記ポリエステル樹脂(B)との配合割合は、〔(A)/(B)〕の固形分質量比で95/5〜50/50であり、好ましくは90/10〜60/40である。ポリエステル樹脂(B)の上記配合割合が5未満となると塗膜の加工性が低下し、また50を超えると、缶内面塗料として使用した場合に高温貯蔵での缶内容物による腐食に対する耐性が劣り、また耐ブロッキング性が低下する虞があり、実用上問題となる場合がある。
本発明組成物におけるレゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)のポリエステル樹脂混合物100質量部に対し、1〜60質量部、好ましくは2〜20質量部の範囲内である。上記範囲内にあることが、得られる塗膜の硬化性、耐水性、塗膜硬度、可撓性などの点から好適である。
本発明塗料組成物には、上記ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)及びレゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)に加えて、さらに酸硬化触媒、潤滑性付与剤、溶剤、塗膜改質用樹脂(アミノ樹脂硬化剤);顔料;凝集防止剤、消泡剤、レベリング剤などの塗料用添加剤を適宜配合することができる。
上記酸硬化触媒は、本発明組成物の硬化反応を促進するものであり、例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、燐酸などの酸触媒又はこれらの酸のアミン中和物などを具体例として挙げることができる。なかでも上記スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適である。
酸硬化触媒を配合することによって本発明組成物から得られる塗膜の硬化性の向上に加えて鮮映性を向上させることもできる。酸硬化触媒の配合量は、得られる塗膜の物性などの点から、酸量(例えば、スルホン酸化合物のアミン中和物の場合は、この中和物からアミンを除去した残りのスルホン酸化合物量)としてポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との合計固形分量100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜2質量部の範囲内であることが好適である。
上記潤滑性付与剤は、得られる塗膜の潤滑性を向上させる目的で配合されるものであり、例えば、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチレンなどのポリオレフィンワックス、ラノリン系ワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びカルナウバろうなどを挙げることができる。潤滑性付与剤は、1種で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明組成物中に潤滑性付与剤を適当量配合することによって、該組成物から得られる塗膜表面に滑り性を付与することができ、塗面の摩擦抵抗が小さくなり、成型加工性が向上し加工後における耐食性も向上する。潤滑性付与剤の配合量は、塗膜の柔軟性、滑り性などに基づく成型加工性、耐食性などの点からポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との合計固形分量100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜3質量部の範囲内であることが好適である。
本発明組成物には、塗装性の観点などから、通常、溶剤が配合される。上記溶剤としては、上記成分(A)、(B)、(C)などの各成分を溶解ないし分散できるものが使用でき、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤などを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明組成物に配合できる上記塗膜改質用樹脂としては、例えば、アミノ樹脂硬化剤、エチレン−重合性不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン−重合性カルボン不飽和酸共重合体アイオノマーなどを挙げることができる。
上記アミノ樹脂硬化剤は、塗料組成物の硬化性向上、得られる塗膜の硬度向上、密着性の向上などを目的に配合されるものである。アミノ樹脂硬化剤は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド及びベンズアルデヒドのようなアルデヒドと、尿素、メラミン及びベンゾグアナミンのようなアミノ又はアミド基含有物質との縮合生成物であり、アルコールによってアルキルエーテル化されていてもよい。有用なアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール及びエトキシエタノールのような一価アルコールを包含する。アミノ樹脂硬化剤の例としては、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などを挙げることができる。
アミノ樹脂硬化剤を配合する場合、その配合量は、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との合計固形分量100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部の範囲内であることが好適である。
上記エチレン−重合性不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン−重合性カルボン不飽和酸共重合体アイオノマーは、塗膜の可撓性を改良することなどを目的に配合することができる。
本発明組成物に配合できる顔料としては、塗料分野において公知の着色顔料(例えば、チタン白)、体質顔料などを使用することができる。
本発明組成物は、例えば、金属板、金属缶、プラスチックス、ガラス板などの種々の被塗物に塗装することができる。
塗装金属板
本発明の塗装金属板は、本発明の塗料組成物を金属板に塗装することにより得られる。
上記金属板としては、例えば、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金メッキ鋼板、アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウム板、スズメッキ鋼板、ステンレス鋼板、銅板、銅メッキ鋼板、ティンフリースチール、ニッケルメッキ鋼板、極薄スズメッキ鋼板、クロム処理鋼板などが挙げられ、必要に応じて各種表面処理、プライマー塗装が施されたものが使用される。
塗装金属板を缶に加工して用いる場合、その金属板としては、飲料缶、缶詰用缶、蓋、キャップに用いることができる金属板であればいずれも使用することができ、例えばアルミニウム板、ティンフリースチール板、ブリキ板等を挙げることができる。
本発明の塗装金属板は、本発明の塗料組成物を、ロールコーター塗装、スプレー塗装などの公知の塗装方法によって金属板に塗装し、連続焼付け炉等の加熱手段によって焼き付けることにより得ることができる。焼付条件は特に制限されるものではないが、例えば、素材到達最高温度が、90℃〜300℃、好ましくは180℃〜260℃となる条件で5秒〜30分間、好ましくは8〜60秒間焼付けることが適している。
塗装金属板における塗膜厚は特に限定されるものではないが、乾燥膜厚で3〜18μm、更には3〜12μmの範囲であることが好ましい。乾燥膜厚は塗装金属板の用途により適宜決めることができる。
塗装金属缶
本発明の塗装金属缶は、金属缶の少なくとも缶胴もしくは缶蓋の内面及び/又は外面に本発明の塗料組成物による塗膜が形成されてなるものであり、本発明の塗料組成物は、特に密着性、フレーバー性、缶内面塗料として使用した場合に高温貯蔵での缶内容物による腐食に対する耐性等に優れているので、金属缶の少なくとも内面に本発明の塗料組成物による硬化塗膜が形成されていることが望ましい。
本発明の塗装金属缶は、前述した塗装金属板から金属缶を成形することもできるが、予め成形された金属容器に本発明の塗料組成物を塗装、硬化して硬化塗膜を形成することによって得ることもできる。
硬化塗膜を形成する金属容器としては、従来公知の金属缶を全て用いることができ、これに限定されないが、側面継ぎ目を有するスリーピース缶、ツーピース缶の例えば、缶胴等を挙げることができる。
上記缶蓋は、前述した本発明の塗装金属板から、従来公知の任意の製蓋法によって成形することができる。一般的には、ステイ・オン・タブタイプのイージーオープン缶蓋やフルオープンタイプのイージーオープン缶蓋として成形される。
以下、製造例、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」および「%」はいずれも質量基準によるものである。
ポリエステル樹脂(A)の製造
製造例1
テレフタル酸49.8部、イソフタル酸49.8部、ヘキサヒドロテレフタル酸34.4部、アジピン酸28.3部、ネオペンチルグリコール99.8部、トリメチロールプロパン6.8部及び重縮合触媒を仕込み、加熱、撹拌して生成する水を除去しながらエステル化反応を行い、数平均分子量24,000、水酸基価10mgKOH/g、酸価0.5mgKOH/g、Tg点60℃の樹脂を得た。得られた樹脂をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(質量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%の水酸基含有ポリエステル樹脂(A−1)溶液を得た。
製造例2
東洋紡績(株)製のポリエステル樹脂「バイロン103」(数平均分子量22,000、水酸基価5mgKOH/g、酸価2mgKOH/g以下、Tg点45℃)をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%の水酸基含有ポリエステル樹脂(A−2)溶液を得た。
製造例3
反応容器にジメチルテレフタレート320部、ジメチルイソフタレート80部、プロピレングリコール261部1,4−ブタンジオール104部、及び酢酸マグネシウム0.18部、テトラ−n−ブチルチタネート0.29部を加え徐々に昇温し、反応温度が220℃になるまで4時間反応を続けた。次いでトリフェニルフォスファイト0.14部を加えて反応温度を250℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後0.5mmHg以下の減圧下で4時間反応を行い、数平均分子量19,000、水酸基価3mgKOH/g、酸価2mgKOH/g、Tg点52℃の樹脂を得た。得られた樹脂をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(質量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%の水酸基含有ポリエステル樹脂(A−3)溶液を得た。
製造例4
テレフタル酸2660部、トリメリット酸15.5部、プロピレングリコール2450部、1,4−シクロヘキサンジメタノール350部、チタンテトラブトキシド1.8部を10Lオートクレーブに仕込み、3.5Kg/cm・Gの窒素加圧下で3時間かけて235℃まで徐々に昇温し、エステル化を行った。次いで、1時間かけて10mmHgまで減圧重合を行うと共に温度を250℃まで昇温し、さらにこのまま1mmHg以下で90分間後期重合を行ない、数平均分子量15,000、水酸基価4mgKOH/g、酸価1mgKOH/g、Tg点89℃のポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%の水酸基含有ポリエステル樹脂(A−4)溶液を得た。
ポリエステル樹脂(B)の製造
製造例5
撹拌機、温度計、充填カラム、水凝縮器、トラップ及び窒素導入口が適当に備えられた四口フラスコ中に、127部の2−メチル−1,3−プロパンジオール、22.3部のエチレングリコール、262.5部のテレフタル酸及び0.45部のスズ酸ブチル触媒を装填した。充填カラムの上の頭部温度を100℃未満に連続的に維持しながら、220℃に加熱した。水凝縮物を除去しながら反応を進め、液状内容物が清澄になった後、180℃に冷却した後、69.3部のダイマー脂肪酸及び69.3部のイソフタル酸を添加した。次いで、この内容物を220℃に加熱し、水凝縮物を捕集し、25部のシクロヘキサノン及び50部の芳香族石油系溶剤「スワゾール1500」(丸善石油化学(株)社製)を添加し、そして温度を234℃に加熱した。次いで、この反応物を冷却し、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%の水酸基含有ポリエステル樹脂(B−1)溶液を得た。得られた樹脂固形分は、数平均分子量9,450、水酸基価7mgKOH/g、酸価2mgKOH/g、Tg点27℃を有していた。
製造例6
テレフタル酸498部、イソフタル酸498部、アジピン酸292部、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸344部、ネオペンチルグリコール998部、トリメチロールプロパン66部、チタンテトラブトキシド0.18部を10Lオートクレーブに仕込み、3.5Kg/cm・Gの窒素加圧下で3時間かけて235℃まで徐々に昇温し、エステル化を行った。次いで、1時間かけて10mmHgまで減圧重合を行うと共に温度を250℃まで昇温し、さらにこのまま1mmHg以下で90分間後期重合を行ない、数平均分子量24,000、水酸基価3mgKOH/g、酸価1mgKOH/g、Tg点38℃のポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%の水酸基含有ポリエステル樹脂(B−2)溶液を得た。
製造例7
テレフタル酸106部、イソフタル酸225部、無水トリメリット酸4部、2−メチル−1,3−ブタンジオール143部、1,4−ブタンジオール86部、1,4−シクロヘキサンジメタノール92部、及び重縮合触媒チタンテトラブトキシド0.13部をフラスコ中に仕込み、加熱、撹拌して生成する水を除去しながらエステル化反応を行い、数平均分子量20,000、酸価19mgKOH/g、Tg点30℃の樹脂を得た。得られた樹脂をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(質量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%の水酸基含有ポリエステル樹脂(B−3)溶液を得た。
製造例8(比較用)
テレフタル酸55.6部、イソフタル酸80.5部、アジピン酸21.9部、エチレングリコール52.1部、1,3−ブチレングリコール13.5部、トリメチロールプロパン1.3部及び重縮合触媒を仕込み、加熱、撹拌して、生成する水を除去しながらエステル化反応を行い、数平均分子量3,700、水酸基価27mgKOH/g、酸価4mgKOH/g、Tg点22℃の樹脂を得た。得られた樹脂をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(質量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%の水酸基含有ポリエステル樹脂(BC−4)溶液を得た。
レゾール型フェノール樹脂架橋剤(C)の製造
製造例9
m−クレゾール100部、37%ホルムアルデヒド水溶液178部及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。ついでn−ブタノール100部とリン酸3部を加え、110〜120℃で2時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別し、固形分約50%のレゾール型フェノール樹脂架橋剤(C−1)溶液を得た。得られた樹脂は、数平均分子量900で、ベンゼン核1核当り、平均メチロール基数が0.3個で平均ブトキシメチル基数が1.2個であった。
製造例10〜13
製造例9において、m−クレゾール100部のかわりに後記表1に示すフェノール成分を100部使用する以外は製造例9と同様に行い、固形分約50%の各レゾール型フェノール樹脂架橋剤溶液を得た。製造例12及び13は、各々比較用の製造例である。
製造例14(比較用)
m−クレゾール100部、37%ホルムアルデヒド水溶液178部及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。ついで得られた溶液を濾過して水酸化ナトリウムを濾別し、固形分約50%のレゾール型フェノール樹脂架橋剤(CC−6)溶液を得た。得られた樹脂は、数平均分子量780で、ベンゼン核1核当り、平均メチロール基数が1.5個で平均アルコキシメチル基数が0個であった。
Figure 0006257385
表1におけるフェノール成分(出発原料)の表示は、それぞれ下記のフェノール化合物を意味する。
m−CS:メタクレゾール
p−CS:パラクレゾール
Xyl:3,5−キシレノール。
実施例1
製造例1で得たポリエステル樹脂(A−1)溶液233部(固形分量で70部)、製造例5で得たポリエステル樹脂(B−1)溶液100部(固形分量で30部)に、製造例5で得たフェノール樹脂(C−1)溶液60部(固形分量で30部)及びカルナウバワックス1.0部及び「ネイキュア5225」(*1)2.0部(ドデシルベンゼンスルホン酸量として0.5部)を混合、溶解させ、ついでメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の混合溶剤を加えて固形分30%の塗料組成物を得た。
(*1)ネイキュア5225:米国、キング インダストリイズ社製、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和溶液、ドデシルベンゼンスルホン酸含有量は25%。
実施例2〜18 及び比較例1〜11
後記表2に示す配合とする以外は実施例1と同様に行い、固形分30%の各塗料組成物を得た。表2における各成分の配合量は、固形分表示によるものとする。但し、ネイキュア5225の配合量はドデシルベンゼンスルホン酸の量にて表示する。
表2における(註)は、下記のとおりの意味を有する。
(*2)サイメル303:三井サイテック(株)製、メチルエーテル化メラミン樹脂。
(*3)スーパーベッカミンTD−126:DIC(株)製、ブチル化ベンゾグアナミン樹脂。
試験塗板の作成
上記実施例及び比較例で得た各塗料組成物を、厚さ0.27mmの#5182アルミニウム板に乾燥塗膜重量が80〜90mg/100cmとなるようにロールコート塗装し、コンベア搬送式の熱風乾燥炉内を通過させて焼付け、試験塗板を得た。焼付け条件は、素材到達最高温度(PMT)が255℃、乾燥炉内通過時間が20秒間の条件とした。得られた試験塗板について下記の試験方法に基いて各種試験を行った。試験結果を後記表2に示す。表2には示していないが、実施例で得た塗料組成物を塗装した試験塗板はいずれも良好なフレーバー性、衛生性を示した。
試験方法
塗膜外観:試験塗板の塗膜外観を肉眼で観察した。塗面にハジキ、凹み、曇り、濁りなどの塗面異常の認められないものを良好(○)とした。
硬化性:塗装面積100cmの試験塗板を100ccのメチルエチルケトン中にて60分間還流下で抽出処理を行い、抽出されなかった塗膜残分から下記基準にて評価した。
◎:塗膜残分が90%以上
○:塗膜残分が80%以上で90%未満
□:塗膜残分が70%以上で80%未満
△:塗膜残分が40%以上で70%未満
×:塗膜残分が40%未満
耐レトルト性:試験塗板を水に浸漬し、オートクレーブ中で125℃で30分間処理した塗膜の白化や膨れの状態を下記基準により評価した。
◎:全く白化、膨れが認められない、
○:膨れが認められず、ごくわずかに白化が認められる、
□:若干の白化又は膨れが認められるが、実用上問題がない、
△:白化又は膨れがかなり認められる、
×:著しく白化又は膨れが認められる。
加工性:特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試験器を用い、塗膜面が外側になるように下部を2つ折りにした試験塗板の折り曲げ部の間に厚さ0.27mmのアルミニウム板を2枚挟んで試験器に設置し、接触面が平らな厚さ1kgの鉄の錘を高さ50cmから落下させて折り曲げ部に衝撃を与えた後、折り曲げ先端部に6.5Vの電圧を6秒間通過させた際の、折り曲げ先端部2mm幅の電流値(mA)を測定し、下記基準にて評価した。
◎:電流値が0.5mA未満、
○:電流値が0.5mA以上で2.0mA未満、
□:電流値が2.0mA以上で5.0mA未満、
△:電流値が5.0mA以上で10mA未満、
×:電流値が10mA以上。
耐食性:デュポン衝撃試験器を用い、撃芯の尖端直径1/4インチ、錘荷重300g、落錘高さ25cmの条件で試験塗板の塗面に凸加工した試験塗板を、缶内容物擬似液である腐食液(クエン酸/食塩/水=3/3/94〔質量比〕)に浸漬し、腐食の程度を下記基準により目視で評価した。浸漬条件は、40℃で7日間と70℃で7日間との2水準とした。
◎:腐食なし
○:極僅かに腐食
□:僅かに腐食するが、実用上問題ない
△:かなり腐食
×:著しい腐食。
密着性:試験塗板の塗膜に、カッターで1mm×1mmの碁盤目を100個作成し、この試料片を水道水中で120℃−90分間のレトルト処理を施した。その後碁盤目部分に、セロハン粘着テープを貼ったのち、セロハン粘着テープを急速に剥離し、塗膜の剥離状態を観察し、下記基準によって評価した。
◎:塗膜剥離が全くなく、碁盤目塗膜のフチ欠けも認められない、
○:塗膜剥離が全くないが、碁盤目塗膜のフチ欠けが認められる、
□:塗膜の剥離が100個中、1〜2個認められる、
△:塗膜の剥離が100個中、3〜10個認められる、
×:塗膜の剥離が100個中、11個以上認められる。
耐傷付性:バウデン摩擦試験機(神鋼造機社製、曽田式付着滑り試験機)を用い、摩擦部3/16鋼球、荷重1kg、摩擦速度7往復/分の条件で摩擦試験を行い、塗膜にキズが発生するまでの摩擦回数を測定した。下記の基準によって評価した。
◎:摩擦回数200回でもキズが発生しない、
○:摩擦回数150回〜200回でキズが発生、
□:摩擦回数50回〜150回でキズが発生、
△:摩擦回数10回〜50回でキズが発生、
×:摩擦回数10回以下でキズが発生。
Figure 0006257385
Figure 0006257385

Claims (6)

  1. (A)ガラス転移温度が45〜100℃の範囲であるポリエステル樹脂、(B)ガラス転移温度が25℃を超え、且つ40℃未満の範囲であるポリエステル樹脂、(C)フェノール成分として3官能以上のフェノール化合物を50質量%以上含有するフェノール成分を出発原料とし、かつベンゼン核1核当りアルコキシメチル基を平均して0.5個以上有するレゾール型フェノール樹脂架橋剤、及びアミノ樹脂硬化剤を含有する塗料組成物であって、該ポリエステル樹脂(A)と該ポリエステル樹脂(B)との配合割合が、〔(A)/(B)〕の固形分質量比で95/5〜50/50であり、該ポリエステル樹脂(A)と該ポリエステル樹脂(B)との固形分合計100質量部に対し、該レゾール型フェノール樹脂(C)量が1〜60質量部、上記アミノ樹脂硬化剤の量が0.2〜5質量部の範囲内であることを特徴とする塗料組成物。
  2. ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が50〜90℃の範囲であり、ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度が26〜35℃の範囲である請求項1記載の塗料組成物。
  3. さらに、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との固形分合計100質量部に基づいて、酸硬化触媒を酸量として0.1〜5質量部含有する請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. さらに、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との固形分合計100質量部に基づいて、潤滑性付与剤を0.1〜5質量部含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料組成物が塗装、硬化されてなることを特徴とする塗装金属板。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の塗料組成物による硬化塗膜が缶表面の少なくとも一部に形成されてなることを特徴とする塗装金属缶。
JP2014044493A 2014-03-07 2014-03-07 塗料組成物 Active JP6257385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014044493A JP6257385B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014044493A JP6257385B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 塗料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015168760A JP2015168760A (ja) 2015-09-28
JP6257385B2 true JP6257385B2 (ja) 2018-01-10

Family

ID=54201801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014044493A Active JP6257385B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6257385B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101992034B1 (ko) * 2014-10-06 2019-06-21 도요세이칸 그룹 홀딩스 가부시키가이샤 유기 수지 피복 도장 금속판 및 이것으로 이루어지는 캔체 및 캔 뚜껑
JP5958726B1 (ja) * 2015-02-06 2016-08-02 東洋インキScホールディングス株式会社 塗料組成物および缶蓋
CN106433326A (zh) * 2016-10-21 2017-02-22 过冬 一种管道涂料
JP7151448B2 (ja) * 2018-01-16 2022-10-12 東洋インキScホールディングス株式会社 塗料組成物、塗装部材、および被覆缶
WO2020100776A1 (ja) * 2018-11-13 2020-05-22 東洋製罐グループホールディングス株式会社 塗料組成物及び該塗料組成物から成る塗膜を有する塗装金属基体
JP2023066362A (ja) * 2021-10-28 2023-05-15 関西ペイント株式会社 塗料組成物

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3872892B2 (ja) * 1998-05-06 2007-01-24 関西ペイント株式会社 塗料組成物
JP4310973B2 (ja) * 2001-07-06 2009-08-12 東洋紡績株式会社 水分散型樹脂組成物、これを含む水分散型塗料、その塗料を用いた塗膜、その塗膜を用いた金属板および缶
JP4165130B2 (ja) * 2002-06-24 2008-10-15 東洋インキ製造株式会社 塗料組成物
JP4906373B2 (ja) * 2006-03-14 2012-03-28 関西ペイント株式会社 缶用塗料組成物
TW200808922A (en) * 2006-06-16 2008-02-16 Kansai Paint Co Ltd Double-side coated steel plate for can
JP5766416B2 (ja) * 2010-07-28 2015-08-19 Dicグラフィックス株式会社 塗料用樹脂組成物
JP5671863B2 (ja) * 2010-07-28 2015-02-18 Jfeスチール株式会社 容器用樹脂被覆金属板
JP5605057B2 (ja) * 2010-07-28 2014-10-15 Jfeスチール株式会社 容器用樹脂被覆金属板
JP5772452B2 (ja) * 2011-09-28 2015-09-02 Jfeスチール株式会社 容器用樹脂被覆金属板
CN103826846B (zh) * 2011-09-28 2016-08-17 杰富意钢铁株式会社 容器用树脂被覆金属板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015168760A (ja) 2015-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6257385B2 (ja) 塗料組成物
JP5462318B2 (ja) 塗料組成物及びこの塗料組成物を塗布して成る塗装金属板、金属容器及び金属蓋
US7452938B2 (en) Aqueous resin composition, aqueous coating material containing the composition, coating provided by the material, and metal plate coated with the material
CN106164171B (zh) 包含源自环状碳酸酯的聚合物的聚酯涂料组合物
JP4091266B2 (ja) 絞りしごき加工性にすぐれた潤滑鋼板
JP4241653B2 (ja) 絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物及び外面被覆有底円筒状金属
JP2016145276A (ja) 塗料組成物および缶蓋
JP6242000B2 (ja) 塗料組成物及び金属缶
JP6188235B2 (ja) 塗料組成物及び塗装金属缶
JP3872892B2 (ja) 塗料組成物
JP4310973B2 (ja) 水分散型樹脂組成物、これを含む水分散型塗料、その塗料を用いた塗膜、その塗膜を用いた金属板および缶
JP6253553B2 (ja) 塗料組成物
WO2015147145A1 (ja) ポリエステル樹脂および缶用塗料
JP2006124497A (ja) 缶塗料用樹脂組成物及びこれを用いた塗装金属板
JP4596093B2 (ja) 缶用塗料樹脂組成物及びこれを塗布した缶用塗装金属板
JP5252794B2 (ja) 塗料組成物
JP2006137846A (ja) 絞り加工缶用上塗り外面塗料組成物及び外面被覆有底円筒状金属
JP4590684B2 (ja) 缶用塗料樹脂組成物及びこれを塗布した缶用塗装金属板
JP4582367B2 (ja) 缶用塗料樹脂組成物及びこれを塗布した缶用塗装金属板
JP2006143891A (ja) 水系缶塗料用樹脂組成物及びこれを塗布した塗装金属板
US9988552B2 (en) Phenolic modified polyesters and aqueous dispersions
JP2003246006A (ja) 缶用塗装金属板
JP2011012265A (ja) 缶用塗料樹脂組成物及びこれを塗布した缶用塗装金属板
JP7151448B2 (ja) 塗料組成物、塗装部材、および被覆缶
JP4392580B2 (ja) 水系樹脂組成物、これを含む水系塗料、その塗料を用いた塗膜、その塗料を用いた塗装金属板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6257385

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250