JP2023066362A - 塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビスフェノールA等の法規制物質を含有する原材料を使用することなく、耐食性及び加工性に優れ、特にキャップ用途に適用可能な滑性にも優れる塗料組成物を提供すること。【解決手段】ガラス転移温度が65~101℃の範囲であるポリエステル樹脂(A1)、ガラス転移温度が25~60℃の範囲であるポリエステル樹脂(A2)、レゾール型フェノール樹脂(B)、酸触媒(C)及び融点51℃未満のワックス(D1)及び融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)を含む潤滑性付与剤(D)を含有し、上記融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)として、ポリオレフィンワックス(D2a)を含有し、上記各成分を所定の比率で含有する塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物に関する。
缶内面用の塗料としては、耐食性等の塗膜性能及び塗装作業性等の観点から、エポキシ系、ポリ塩化ビニル系、及びポリエステル系等の様々な塗料組成物が使用されてきた。
特に、ビスフェノールA等を含む原料を用いて製造されたエポキシ樹脂を基体樹脂として含有する塗料組成物が広く一般的に使用されてきた。
しかしながら、環境への影響の観点からビスフェノールA(BPA)を含有する原料(残留レベルのBPAを含有し得る原材料も含む)を使用しない缶内面用の塗料組成物が望まれ、例えば、特許文献1には、ポリエステル-アクリル樹脂系の熱硬化性塗料、特許文献2には、ポリエステル樹脂とフェノール樹脂を含有する塗料が開示され、また、特許文献3には、特定のガラス転移温度を有する2種類のポリエステル樹脂の混合物に、架橋剤、及び硬化触媒を含有する塗料が開示されている。
これらの塗料から得られる塗膜は、耐食性、加工性等の缶内面用途として求められる塗膜性能には優れているもののキャップ内面用途に適用すると塗膜の滑性が充分ではなく、キャップを開栓する際の力(開栓トルク)が高いという不具合があった。
特開2000-290585号公報 特開2001-131470号公報 特開2013-249376号公報
本発明が解決しようとする課題は、ビスフェノールA等の法規制物質を含有する原材料を使用することなく、耐食性及び加工性に優れ、特にキャップ用途に適用可能な滑性にも優れる塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のガラス転移温度を有する2種類のポリエステル樹脂、レゾール型フェノール樹脂、硬化触媒、及び特定の2種類の潤滑性付与剤を含有する塗料組成物によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の実施形態を包含する。
1.ガラス転移温度が65~101℃の範囲であるポリエステル樹脂(A1)、ガラス転移温度が25~60℃の範囲であるポリエステル樹脂(A2)、レゾール型フェノール樹脂(B)、酸触媒(C)及び、融点51℃未満のワックス(D1)及び融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)を含む潤滑性付与剤(D)を含有し、上記融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)として、ポリオレフィンワックス(D2a)を含有する塗料組成物であって、
ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量として、ポリエステル樹脂(A1)を30~70質量%、ポリエステル樹脂(A2)を30~70質量%、レゾール型フェノール樹脂(B)を1~50質量%、酸触媒(C)を0.1~5.0質量%、潤滑性付与剤(D)を5.0~20質量%含有する塗料組成物。
2.レゾール型フェノール樹脂(B)として、m-クレゾール50~90質量%及びp-クレゾールを10~50質量%を含有するフェノール成分を出発原料とするレゾール型フェノール樹脂(B1)を含有する上記項1に記載の塗料組成物。
3.融点51℃未満のワックス(D1)がグリセリントリエステル、ラノリンワックス、又はパーム油のうちの少なくとも1種であることを特徴とする上記項1又は2に記載の塗料組成物。
4.ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量としてアミノ樹脂(E)を0.1~10質量%含有する上記項1~3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
5.上記項1~4のいずれか一項に記載の塗料組成物の硬化塗膜を有するキャップ。
6.上記項1~4のいずれか一項に記載の塗料組成物の硬化塗膜を有するキャップを有する塗装金属缶、を提供するものである。
本発明の塗料組成物によれば、ビスフェノールA等の法規制物質を含有する原材料を使用することなく、耐食性及び加工性に優れ、特にキャップ用途に適用可能な滑性にも優れる塗料組成物を提供することができる。
本発明は、ガラス転移温度が65~101℃の範囲であるポリエステル樹脂(A1)、ガラス転移温度が25~60℃の範囲であるポリエステル樹脂(A2)、レゾール型フェノール樹脂(B)、酸触媒(C)、及び、融点51℃未満のワックス(D1)及び融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)を含む潤滑性付与剤(D)を含有し、上記融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)として、ポリオレフィンワックス(D2a)を含有する塗料組成物(以下、略して、本塗料、と称することもある。)に関する。
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
<塗料組成物>
ポリエステル樹脂(A1)
本塗料において、(A1)成分であるポリエステル樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂であり、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂等のいずれであってもよい。なかでもオイルフリーポリエステル樹脂を好適に使用することができる。オイルフリーポリエステル樹脂とは、脂肪酸を含まないポリエステル樹脂を指す。
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、主に多塩基酸と多価アルコールとのエステル化物である。
多塩基酸としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸等から選ばれる1種以上の二塩基酸が主として使用され、二塩基酸の代わりに又は二塩基酸に加えて、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸等の3価以上の多塩基酸を使用することもできる。これらの多塩基酸成分は単独で、あるいは2種以上を使用することができる。
必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p-t-ブチル安息香酸等の一塩基酸を多塩基酸と併用することもできる。
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル2-ブチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ジメチロ-ルシクロヘキサン等の二価アルコールが主として使用され、二価アルコールの代わりに又は二価アルコールに加えて、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールを使用することもできる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。多塩基酸と多価アルコールの両成分のエステル化反応は、公知の方法によって行うことができる。
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、上記エステル化反応において、多塩基酸のかわりに多塩基酸の低級アルキルエステル(例えばメチルエステル、エチルエステル等)を用い、エステル交換反応を行うことによっても得ることができる。多塩基酸の低級アルキルエステルと多価アルコールの両成分のエステル交換反応は、公知の方法によって行うことができる。
上記オイルフリーポリエステル樹脂において、二塩基酸のうち、芳香族ジカルボン酸の占める割合が80~100モル%、且つそのうち、テレフタル酸の占める割合が40~100モル%であることが塗膜の強靭性の点から好ましい。
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸を公知の方法で反応させて得られる樹脂であって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸等を挙げることができる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポリエステル樹脂の製造の際の、酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物と公知の方法で反応させて得られる樹脂である。
ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際の各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポリイソシアネート化合物と公知の方法で反応させて得られる樹脂である。ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用するポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6-トリイソシアナトトルエン等を挙げることができる。
本発明において、ポリエステル樹脂(A1)は、ガラス転移温度(以下、「Tg点」と略称することがある)が65~101℃であり、特に70~90℃の範囲内であることが好ましい。Tg点が65~101℃の範囲であるポリエステル樹脂(A1)は、本発明の塗料組成物の耐食性と加工性の両立を可能にする。
また、ポリエステル樹脂(A1)の数平均分子量は3,000~100,000の範囲内であることが好ましく、特に8,000~50,000の範囲内であることがより好ましく、10,000~30,000の範囲内であることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂(A1)の水酸基価は0.5~40mgKOH/gであることが好ましく、3~20mgKOH/gであることが好ましい。ポリエステル樹脂(A1)の酸価は20mgKOH/g以下であることが好ましく、10mgKOH/g以下であることがより好ましく5mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂(A1)の取扱い易さ、得られる塗膜の加工性、硬度等の点からこれらの範囲が好適である。
本明細書において、樹脂Tg点、ワックス融点は、示差走査熱量計を用いた示差熱分析(DSC)により測定されるものであり、また数平均分子量は、下記分子量測定方法によりゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定されたものである。
(分子量測定方法)
数平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー株式会社製、「HLC8120GPC」)で測定した保持時間(保持容量)を、ポリスチレンの数平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G-4000HXL」、「TSKgel G-3000HXL」、「TSKgel G-2500HXL」、「TSKgel G-2000XL」(いずれも東ソー株式会社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
ポリエステル樹脂(A2)
本発明の塗料組成物に用いるポリエステル樹脂(A2)は、ガラス転移温度(Tg)が25~60℃の範囲であり、特に30~55℃の範囲であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂(A2)の数平均分子量は3,000~100,000の範囲であることが好ましく、8,000~50,000の範囲であることがより好ましく、10,000~30,000であることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂(A2)の水酸基価は0.5~40mgKOH/gであることが好ましく、3~20mgKOH/gであることがより好ましく、ポリエステル樹脂(A2)の酸価は20mgKOH/g以下であることが好ましく、10mgKOH/g以下であることよりが好ましく、5mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
ポリエステル樹脂(A2)は、Tg点が上記範囲にあることが重要であり、65℃より大きい場合、十分な加工性が得られなくなる場合がある。また、25℃より小さい場合、耐食性および耐レトルト性が低下するとともに、本塗料をキャップ用塗料として使用した場合に、キャップ開栓性が不十分になる場合がある。
数平均分子量が上記範囲にあることが加工性の面から好適であり、水酸基価及び酸価が上記範囲にあることが硬化性、塗膜の耐水性等の観点から好適である。
ポリエステル樹脂(A2)としては、種々の多塩基酸等の酸成分及び多価アルコール等のアルコール成分からなるポリエステル樹脂を使用することができ、酸成分及びアルコール成分としては、ポリエステル樹脂(A1)について例示した多塩基酸等の酸成分及び多価アルコール等のアルコール成分を使用することができる。
レゾール型フェノール樹脂(B)
本塗料における(B)成分であるレゾール型フェノール樹脂は、上記ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)と架橋反応して硬化させるために架橋剤として配合されるものである。
レゾール型フェノール樹脂はフェノール成分とホルムアルデヒド成分とをアルカリ触媒下で縮合反応させることにより得られる樹脂である。
フェノール成分としては、o-クレゾール、p-クレゾール、p-tert-ブチルフェノール、p-エチルフェノール、2,3-キシレノール、2,5-キシレノール等の2官能性フェノール;
m-クレゾール、フェノール、m-エチルフェノール、3,5-キシレノール、m-メトキシフェノール等の3官能性フェノール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等の4官能性フェノール等を挙げることができ、これらは1種で、又は2種以上併用して使用することができる。
上記のうちビスフェノールAは、環境等に対する法規制の観点から、本塗料においては使用するのは好ましくない。
ホルムアルデヒド成分としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はトリオキサン等を挙げることができ、これらは1種で、又は2種以上を併用して使用することができる。
本発明におけるレゾール型フェノール樹脂(B)としては、m-クレゾール50~90質量%及びp-クレゾールを10~50質量%を含有するフェノール成分とホルムアルデヒド成分とを反応触媒の存在下で加熱して縮合反応させてメチロール基を導入して得られるメチロール化フェノール樹脂を得、メチロール化フェノール樹脂のメチロール基の一部をアルコールでアルキルエーテル化して得られるレゾール型フェノール樹脂(B)を好適に使用することができる。
レゾール型フェノール樹脂(B)は反応性に優れ、かつ架橋した塗膜は加工性に優れる。このレゾール型フェノール樹脂(B)と、上記ポリエステル樹脂(A1)と、上記ポリエステル樹脂(A2)とを所定量組合せた塗料組成物とすることにより特に高加工部における耐食性にも優れた塗膜を得ることができる。
レゾール型フェノール樹脂(B)の製造においては、出発原料であるフェノール成分として、m-クレゾール及びp-クレゾールに加えて、前記したフェノール成分を併用することもできる。
レゾール型フェノール樹脂(B)の製造には、m-クレゾールを含む3官能以上のフェノールを50~90質量%含有し、かつp-クレゾールを含む2官能性フェノールを10~50質量%含有するフェノール成分を用いることが特に好ましい。
メチロール化フェノール樹脂のメチロール基の一部をアルキルエーテル化するのに使用されるアルコールとしては、炭素原子数1~8個、好ましくは炭素原子数1~4個の1価アルコールを好適に使用することができる。好適な1価アルコールとしてはメタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール等を挙げることができる。
レゾール型フェノール樹脂(B)は、ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)との反応性等の点から、ベンゼン核1核当り平均してアルコキシメチル基の個数が、アルコキシメチル基とメチロール基との合計個数に基づいて70%以上であることが好適であり、さらにベンゼン核1核当りアルコキシメチル基を平均して0.5個以上有することが好ましく、0.6~3.0個有することがより好ましい。
酸触媒(C)
酸触媒(C)は、本塗料の硬化反応を促進するものであり、具体的には、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸化合物;燐酸等の酸触媒又はこれらの酸のアミン中和物等を挙げることができる。なかでも上記スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物を好適に使用することができる。
潤滑性付与剤(D)
潤滑性付与剤は、得られる塗膜の潤滑性を向上させる目的で配合されるものであり、本塗料においては、融点51℃未満のワックス(D1)及び融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)を潤滑性付与剤の必須成分として含有する。
両者を併用することにより、ポリエステル系BPA(ビスフェノールA)フリー塗料において、キャップ内面用途に適用可能な十分な滑性を有する塗膜を得ることが可能となった。
本塗料において、(D)成分は潤滑性付与剤としての作用を奏するものである。この(D)成分は、成分の一部が硬化時に硬化塗膜表層に移行することにより、表層に潤滑層を形成することによって良好な滑性を発現させ、キャップを開栓する際の力(開栓トルク)を低下させる効果を奏する。
融点51℃未満のワックス(D1)としては動植物油、脂肪酸エステルワックスが挙げられ、具体的にはグリセリントリエステル等を用いることができる。融点51℃未満のワックス(D1)としては、グリセリントリエステル、ラノリンワックス、又はパーム油のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
グリセリントリエステルは、グリセリンと、有機酸又は無機酸のオキソ酸とのトリエステルであり、特に脂肪酸グリセリントリエステル(D1a)を好適に使用することができる。
脂肪酸とグリセリンとから得られるエステルには、3種(モノエステル、ジエステル、トリエステル)があるが、脂肪酸グリセリントリエステル(D1a)はグリセリンの3つのOH基がすべて脂肪酸との縮合反応によりエステル化した化合物であり、優れた潤滑性付与効果を有する。
(D1a)成分のエステルを構成する脂肪酸としては、高級脂肪酸が好ましく、炭素数6~32、好ましくは8~28、特に好ましくは12~24の高級脂肪酸が好ましい。
具体的には、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸や、オレイン酸、リノレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。
これらのうち、特に、オレイン酸を特に好適に使用することができる。これらの脂肪酸は単独で用いても、或いは2種類以上を併用して用いてもよい。
(D1a)成分のエステルを構成するアルコールはグリセリンであり、本発明においては、エステルがグリセリン骨格を有することにより、特に優れた潤滑性を有する。
融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)としてはポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びカルナウバワックス等が挙げられ、本発明において、優れた潤滑性の点で、ポリオレフィンワックス(D2a)は必須成分である。ポリオレフィンワックス(D2a)は、一般に低分子量(分子量5000程度以下)ポリオレフィンであり、ポリエチレン、ポリ4フッ化エチレン、ポリプロピレン等を代表的なものとして挙げることができる。また、これらを酸化して分子中にカルボキシル基を導入したもの、無水マレイン酸や無水フタル酸等の酸無水物、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のビニル系モノマを共重合したポリエチレン、ポリプロピレン系ワックス等も挙げることができる。
(D)成分としては、融点150℃以上のワックス(D3)も必要に応じて(D1)成分及び(D2)成分と併用することができる。
上記ワックス(D3)としては、例えば、フッ素系ワックス、高密度ポリオレフィンワックス等を挙げることができる。
塗料組成物
本発明の塗料組成物は、前述したポリエステル樹脂(A1)、ポリエステル樹脂(A2)、レゾール型フェノール樹脂(B)、酸触媒(C)、及び潤滑性付与剤(D)を下記配合割合にて含有するものである。
ポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(A2)との配合割合は、ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量として、ポリエステル樹脂(A1)が30~70質量%、好ましくは35~65質量%、特に好ましくは40~60質量%、ポリエステル樹脂(A2)が30~70質量%、好ましくは35~65質量%、特に好ましくは40~60質量%である。
ポリエステル樹脂(A2)の上記配合割合が30質量%未満となるとキャップ加工性が低下する場合があり、また70質量%を超えると、塗膜の硬度が低下する場合がある。
レゾール型フェノール樹脂(B)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量として、1~50質量%、好ましくは2~40質量%、特に好ましくは2~25質量%の範囲内である。上記範囲内にあることが、得られる塗膜の硬化性、加工性、耐水性等の観点から好適である。
酸触媒(C)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量として、0.1~5.0質量%、好ましくは0.2~3.0質量%の範囲内である。上記範囲内にあることが、得られる塗膜の硬化性、物性等の観点から好適である。
なお、酸触媒(C)の量において、酸触媒(C)が酸以外の化合物の部分(例えば、スルホン酸化合物のアミン中和物の場合等のアミン)も含有する場合は、酸以外の化合物の部分は除くものとする。
潤滑性付与剤(D)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量として、5.0~20質量%、好ましくは7.0~18質量%、特に好ましくは8.0~16質量%の範囲内である。上記範囲内にあることが、滑性、加工性、耐食性等の観点から好適である。
また、潤滑性付与剤成分(D)の固形分総量のうち、融点51℃未満のワックス(D1)の固形分量は好ましくは20~80質量%、特に好ましくは25~60質量%、さらに特に好ましくは30~40質量%であり、融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)の固形分量は好ましくは20~80質量%、特に好ましくは30~75質量%、さらに特に好ましくは40~70質量%である。
融点51℃未満のワックス(D1)の上記配合割合が20質量%以上であるとキャップ開栓性が良好であり、また80質量%以下であると、塗膜硬度の点で好適である。
本発明の塗料組成物には、上記ポリエステル樹脂(A1)、ポリエステル樹脂(A2)、レゾール型フェノール樹脂(B)、酸触媒(C)及び潤滑性付与剤(D)に加えて、さらに、溶剤、塗膜改質用樹脂(アミノ樹脂(E)等)、顔料、凝集防止剤、消泡剤、レベリング剤等の塗料用添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。
上記溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、n-ヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘキシルアルコールの如きアルキルアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールの如きグリコールエーテル類;又はメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートの如きグリコールエーテルエステル類;ジオキサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール等を挙げることができ、これらは1種類を使用してもよいし、または2種類以上を併用することもできる。
上記塗膜改質用樹脂としては、例えば、アミノ樹脂(E)、エチレン-重合性不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン-重合性カルボン不飽和酸共重合体アイオノマー等を挙げることができる。
上記アミノ樹脂(E)は、塗料組成物の硬化性向上、得られる塗膜の硬度向上、密着性の向上等を目的に配合されるものである。
アミノ樹脂(E)は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド及びベンズアルデヒド等のアルデヒドと、尿素、メラミン及びベンゾグアナミン等のアミノ又はアミド基含有物質との縮合生成物であり、アルコールによってアルキルエーテル化されていてもよい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール及びエトキシエタノール等の一価アルコールを挙げることができる。
アミノ樹脂(E)の具体例としては、ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。
アミノ樹脂(E)を配合する場合、その配合量は、ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量として、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.2~5質量%の範囲内である。
上記エチレン-重合性不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン-重合性カルボン不飽和酸共重合体アイオノマーは、塗膜の可撓性を改良すること等を目的に配合することができる。
上記顔料としては、塗料分野において公知の着色顔料(例えば、酸化チタン)、体質顔料等を使用することができる。
本発明の塗料組成物は、種々の基材に適用することができ、例えばアルミニウム板、鋼板、ブリキ板等の無処理の又は表面処理をした金属板、及びこれらの金属板にエポキシ系、ビニル系等のプライマーを塗装した金属板等、ならびにこれらの金属板を缶等に加工したものを挙げることができる。
本発明の塗料組成物が塗装される缶の形態は、蓋部と、底部と一体化した胴体部との2つの部位で構成される2ピース缶や、蓋部と底部と胴体部の3つの部位からなる3ピース缶、ボトル缶等を挙げることができ、上記各部位に本発明の塗料組成物を塗装することができる。
本発明の塗料組成物から得られる塗膜は、ビスフェノールA等の法規制物質を含有せず、耐食性及び加工性に優れているため、飲料缶等の缶内面の塗装に好適に使用することができる。また、本発明の塗料組成物から得られる塗膜は、特に滑性にも優れることから、キャップ部を有する缶体(ボトル缶等)のキャップ部内面の塗装に特に好適に使用することができる。
本発明の塗料組成物を基材に塗装する方法としては、公知の各種の方法、例えばロールコータ塗装、スプレー塗装、浸漬塗装や電着塗装等を適用することができる。なかでもロールコータ塗装もしくはスプレー塗装が好ましく、特にロールコータ塗装が好ましい。
塗布量は用途によって適宜選定すればよいが、硬化塗膜重量で通常10~200mg/100cm程度、特に20~150mg/100cm程度が好ましい。塗装塗膜の乾燥条件としては、通常、素材到達最高温度が120~300℃となる条件で10秒間~30分間、特に200~280℃で15秒間~10分間の範囲内であることが好ましい。
本発明の塗料組成物が塗装されたキャップは、常法により、本発明の塗料組成物が塗装された金属板を、打ち抜き加工等により円形とした後、絞り加工やプレス加工等によって、所望のキャップの形状に成型加工する方法等により製造することができる。
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明する。ここで「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。なお、以下の製造例、実施例及び比較例における原材料の質量部は、原材料の固形分(又は有効成分と記すことがある)の質量部を表す。
ポリエステル樹脂(A1)の製造
製造例1
ユニチカ株式会社製のポリエステル樹脂「ユニチカ エリーテルUE-9900」(数平均分子量15,000、水酸基価8mgKOH/g、酸価2mgKOH/g、Tg点101℃)をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50の混合溶剤にて希釈して固形分30%のポリエステル樹脂(A1-1)溶液を得た。
製造例2
テレフタル酸2660部、トリメリット酸15.5部、プロピレングリコール2450部、1,4-シクロヘキサンジメタノール350部、チタンテトラブトキシド1.8部を10Lオートクレーブに仕込み、3.5Kg/cm・Gの窒素加圧下で3時間かけて235℃まで徐々に昇温し、エステル化を行った。次いで、1時間かけて10mmHgまで減圧重合を行うと共に温度を250℃まで昇温し、さらにこのまま1mmHg以下で90分間後期重合を行ない、数平均分子量15,000、水酸基価4mgKOH/g、酸価1mgKOH/g、Tg点89℃のポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%のポリエステル樹脂(A1-2)溶液を得た。
製造例3
ユニチカ株式会社製のポリエステル樹脂「ユニチカ エリエーテルUE-9200」(数平均分子量15,000、水酸基価6mgKOH/g、酸価1mgKOH/g、Tg点65℃)をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50の混合溶剤にて希釈して固形分30%のポリエステル樹脂(A1-3)溶液を得た。
製造例4
EVONIK Industries製のポリエステル樹脂「Dynapol L912」(数平均分子量15,000、水酸基価5mgKOH/g、酸価3mgKOH/g、Tg点105℃)をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50の混合溶剤にて希釈して固形分30%のポリエステル樹脂(A1-4)溶液を得た。
ポリエステル樹脂(A2)の製造
製造例5
テレフタル酸49.8部、イソフタル酸49.8部、ヘキサヒドロテレフタル酸34.4部、アジピン酸28.3部、ネオペンチルグリコール99.8部、トリメチロールプロパン6.8部及び重縮合触媒を仕込み、加熱、撹拌して生成する水を除去しながらエステル化反応を行い、数平均分子量24,000、水酸基価10mgKOH/g、酸価0.5mgKOH/g、Tg点60℃の樹脂を得た。得られた樹脂をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(質量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%のポリエステル樹脂(A2-1)溶液を得た。
製造例6
東洋紡績株式会社製のポリエステル樹脂「バイロン103」(数平均分子量22,000、水酸基価5mgKOH/g、酸価2mgKOH/g以下、Tg点45℃)をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(質量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%のポリエステル樹脂(A2-2)溶液を得た。
製造例7
撹拌機、温度計、充填カラム、水凝縮器、トラップ及び窒素導入口が適当に備えられた四口フラスコ中に、127部の2-メチル-1,3-プロパンジオール、22.3部のエチレングリコール、262.5部のテレフタル酸及び0.45グラムのスズ酸ブチル触媒を装填した。充填カラムの上の頭部温度を100℃未満に連続的に維持しながら、220℃に加熱した。水凝縮物を除去しながら反応を進め、液状内容物が清澄になった後、180℃に冷却した後、69.3部のダイマー脂肪酸及び69.3部のイソフタル酸を添加した。次いで、この内容物を220℃に加熱し、水凝縮物を捕集し、25部のシクロヘキサノン及び50部の芳香族石油系溶剤「スワゾール1500」(丸善石油化学株式会社製)を添加し、そして温度を234℃に加熱した。次いで、この反応物を冷却し、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(質量比)の混合溶剤にて希釈して固形分30%のポリエステル樹脂(A2-3)溶液を得た。得られた樹脂固形分は、数平均分子量9,500、水酸基価7mgKOH/g、酸価2mgKOH/g、Tg点27℃を有していた。
製造例8
ユニチカ株式会社製のポリエステル樹脂「ユニチカ エリエーテルUE-9100」(数平均分子量30,000、水酸基価2mgKOH/g、酸価2mgKOH/g以下、Tg点18℃)をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50の混合溶剤にて希釈して固形分30%のポリエステル樹脂(A2-4)溶液を得た。
なお、製造例4のポリエステル樹脂(A1-4)及び製造例8のポリエステル樹脂(A2-4)は比較例用である。
レゾール型フェノール樹脂(B)の製造
製造例9
m-クレゾール70部、p-クレゾール30部、37%ホルムアルデヒド水溶液180部及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。ついでn-ブタノール100部とリン酸3部を加え、110~120℃で2時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別し、固形分約50%のレゾール型フェノール樹脂(B1)溶液を得た。得られた樹脂は、数平均分子量800で、ベンゼン核1核当り、平均メチロール基数が0.5個、平均ブトキシメチル数が0.9個であった。
製造例10~11
製造例9において、m-クレゾール70部とp-クレゾール30部とを使用するかわりに、後記表1に示すフェノール成分を100部使用する以外は製造例9と同様に行い、固形分約50%の各レゾール型フェノール樹脂溶液(B2)~(B3)を得た。
Figure 2023066362000001
実施例1
製造例2で得たポリエステル樹脂(A1-2)溶液167部(固形分量50部)、製造例6で得たポリエステル樹脂(A2-2)溶液167部(固形分量50部)に、製造例9で得たフェノール樹脂(B1)溶液40部(固形分量20部)及びグリセリントリエステル(融点0℃以下)4部、ポリオレフィンワックス(融点140℃)7部及び「ネイキュア5225」(*1)1.2部(ドデシルベンゼンスルホン酸量として0.3部)を混合、溶解させ、ついでメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50(重量比)の混合溶剤を加えて固形分30%の塗料組成物を得た。
(*1)ネイキュア5225:米国、キング インダストリイズ社製、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和溶液、ドデシルベンゼンスルホン酸含有量は25%。
実施例2~21及び比較例1~15
後記表2に示す配合とする以外は実施例1と同様に行い、固形分30%の各塗料組成物を得た。表2における(*2)及び(*3)は、下記のとおりである。
(*2)ネイキュア2500:米国、キング インダストリイズ社製、商品名、p-トルエンスルホン酸のアミン中和溶液、p-トルエンスルホン酸含有量は25%。
(*3)メラミン樹脂:三井サイテック株式会社製、商品名「サイメル303」、メチルエーテル化メラミン樹脂。
なお、表2における各成分の配合量は、固形分量である。但し、ネイキュア5225、ネイキュア2500の配合量はそれぞれ、ドデシルベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸の量である。
また、表2の各潤滑性付与剤(D)の融点は表3のとおりである。
試験塗板の作成
上記実施例及び比較例で得た各塗料組成物を、厚さ0.27mmの#5182アルミニウム板に乾燥塗膜重量が80~90mg/100cmとなるようにロールコート塗装し、コンベア搬送式の熱風乾燥炉内を通過させて焼付け、各試験塗板を得た。焼付け条件は、素材到達最高温度(PMT)が255℃、乾燥炉内通過時間が20秒間の条件とした。得られた試験塗板について下記の試験方法に従い各種試験を行った。試験結果を併せて後記表2に示す。表2には示していないが、実施例で得た塗料組成物を塗装した試験塗板はいずれも良好なフレーバー性、衛生性を有していた。
試験方法
塗膜外観:試験塗板の外観を肉眼で観察した。
良:塗面にハジキ、へこみ、曇り、濁り等の塗面異常の認められないものを良好とした。
不良:塗面にハジキ、へこみ、曇り、濁り等の塗面異常が発生した場合は不良とした。
加工性:試験用塗装板を圧延方向に5cm、圧延方向に対して垂直方向に4cm切断した後、2つの短辺の中線よりも一方の短辺に近い箇所で、5cm×4cmに切断した試験用塗装板を短辺と平行に2つ折りにした。試験用塗装板は、2つ折りしたうちの面積が大きい方が上に、面積が小さい方が下になるように配置した。20℃の室内にて、この試験用塗装板の試験片の折曲げ部の間に、厚さ0.26mmのアルミニウム板を2枚挟み、特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試験器にセットした。50cmの高さから接触面が平らな重さ1kgの鉄のおもりを落下させて、前記折曲げ部に衝撃を与えた後、折曲げ先端部に印加電圧6.5Vで6秒間通電し、前記折曲げ先端部の20mm幅の電流値(mA)を測定し、下記の基準で評価した。 塗膜の加工性が乏しい場合、折り曲げ加工部の塗膜がひび割れて、下地の金属板が露出して導電性が高まるため、電流値が高くなる。
Sは、10mA未満である
Aは、10mA以上で、かつ20mA未満
Bは、20mA以上で、かつ40mA未満
Cは、40mA以上である
動摩擦係数:試験板に、鋼球3点より下面で支持された1kgの質量の直方体のブロックを載せて、ブロックの一端を150cm/分の速度で引っ張り、動摩擦係数(μ値)を求めた。動摩擦係数(μ値)が小さいほど、滑性は良好である。
Sは、μ値が0.06未満
Aは、μ値が0.06以上で、かつ0.1未満
Bは、μ値が0.1以上で、かつ0.15未満
Cは、μ値が0.15以上
耐傷付き性:バウデン摩擦試験機(神鋼造機株式会社製、曽田式付着滑り試験機)を用い、摩擦部直径3/16インチ鋼球、荷重4kg、摩擦速度7往復/分の条件で摩擦試験を行い、塗膜に傷が発生するまでの摩擦回数を測定した。下記の基準によって評価した。
S:摩擦回数150回でも傷が発生しない、
A:摩擦回数50回以上~150回未満で傷が発生、
B:摩擦回数10回以上~50回未満で傷が発生、
C:摩擦回数10回未満で傷が発生。
耐レトルト性:試験塗板を水に浸漬し、オートクレーブ中、125℃で30分間処理した塗膜の白化や膨れの状態を下記基準により評価した。
S:全く白化、膨れが認められない、
A:若干の白化又は膨れが認められるが、実用上問題がない、
B:白化又は膨れがかなり認められる、
C:著しく白化又は膨れが認められる。
Figure 2023066362000002
Figure 2023066362000003
Figure 2023066362000004
Figure 2023066362000005
Figure 2023066362000006
耐食性及び加工性に優れ、さらには滑性にも優れるキャップを有する塗装缶を提供することができ、ビスフェノールA等法規制対象物質を含有しない塗料組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. ガラス転移温度が65~101℃の範囲であるポリエステル樹脂(A1)、ガラス転移温度が25~60℃の範囲であるポリエステル樹脂(A2)、レゾール型フェノール樹脂(B)、酸触媒(C)、及び、融点51℃未満のワックス(D1)及び融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)を含む潤滑性付与剤(D)を含有し、上記融点51℃以上、かつ150℃未満のワックス(D2)として、ポリオレフィンワックス(D2a)を含有する塗料組成物であって、
    ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量として、ポリエステル樹脂(A1)を30~70質量%、ポリエステル樹脂(A2)を30~70質量%、レゾール型フェノール樹脂(B)を1~50質量%、酸触媒(C)を0.1~5.0質量%、潤滑性付与剤(D)を5.0~20質量%含有する塗料組成物。
  2. レゾール型フェノール樹脂(B)として、m-クレゾール50~90質量%及びp-クレゾールを10~50質量%を含有するフェノール成分を出発原料とするレゾール型フェノール樹脂(B1)を含有する請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 融点51℃未満のワックス(D1)がグリセリントリエステル、ラノリンワックス、又はパーム油のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(A2)の固形分総量に対して、固形分量としてアミノ樹脂(E)を0.1~10質量%含有する請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の塗料組成物の硬化塗膜を有するキャップ。
  6. 請求項1~4のいずれか一項に記載の塗料組成物の硬化塗膜を有するキャップを有する塗装金属缶。
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