JP2006124497A - 缶塗料用樹脂組成物及びこれを用いた塗装金属板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐オーバーベーク性、耐デント性、耐酸性に優れ、さらに塗料添加剤なしで処方したり、ワックスなどの潤滑剤を配合した場合においても、ピンホールのない良好な塗装性を有する缶塗料用樹脂組成物。
【解決手段】 ポリカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸が70〜100モル%、その他のポリカルボン酸成分が0〜30モル%であり、ポリアルコール成分として、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群のうち少なくとも1種類以上を含み、これら2から4種のポリアルコールの合計が40〜100モル%、その他のポリアルコール0〜60モル%であり、かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)を含むことを特徴とする缶塗料用樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸が70〜100モル%、その他のポリカルボン酸成分が0〜30モル%であり、ポリアルコール成分として、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群のうち少なくとも1種類以上を含み、これら2から4種のポリアルコールの合計が40〜100モル%、その他のポリアルコール0〜60モル%であり、かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)を含むことを特徴とする缶塗料用樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は飽和共重合ポリエステル樹脂を有効成分とする缶塗料用樹脂組成物であり、更に詳しくは加工性に優れたポリエステル樹脂と該ポリエステル樹脂を硬化し得るレゾール型フェノール樹脂等からなり、食品、および飲料用金属缶等の内面に塗装され、硬化性、加工性、オーバーベーク性、耐レトルト性、耐内容物(酸、塩など)性、耐デント性、抽出性、深絞り加工性に優れ、さらには、消泡剤やレベリング剤などの塗料添加剤を使用しなかったり、ワックスなどの潤滑剤を添加した場合においてもピンホールの少ない良好な塗装性が得られる缶(缶胴、缶蓋、シーム補修を含む)塗料用樹脂組成物、及びこれを塗布・硬化した塗装金属板に関する。
缶塗料の中で特に缶内面用塗料は内容物の風味やフレーバーを損なわないこと、および多種多様の食物による缶材質の腐食を防止することを目的として使用されるものであり、まず毒性のないこと、加熱殺菌(レトルト)処理に耐えること、次いで成形時の加工性に優れること(加工性、深絞り加工性)、食塩や酸性を示す内容物を加熱殺菌処理したときの耐ブリスター性と耐白化性(耐酸性)、内容物に含まれる酸や硫黄化合物(硫化黒変)での腐食防止、製缶時の過度の焼付による加工性の劣化の無いこと(耐オーバーベーク性)、レトルト後の耐衝撃性(耐デント性)などが要求される。
また、缶内面塗料は、内容物の風味やフレーバーを損なわないために、近年、消泡剤、レベリング剤などの塗料添加剤を無くすか、極力減らす方向になっている。さらに、イージーオープンの缶蓋加工や絞り加工性を付与したり、ライン走行中の擦り傷を低減するために、ワックスなどの潤滑剤が添加される。しかし、添加剤を無くしたり、潤滑剤の添加により、ピンホールなどの塗膜欠陥が問題となっており改善が要望されている。
さらに、特に近年では外因子内分泌撹乱物質(以下、環境ホルモン)を含むビスフェノール型エポキシ樹脂等の物質も使用が避けられつつある。
缶内面用塗料樹脂としてはポリ塩化ビニル系樹脂、及びエポキシ−フェノール系樹脂が現在多く使用されているが、これらは次のような重大な問題を指摘されているのが現状である。
まず、ポリ塩化ビニル系樹脂は、缶をリサイクルや廃棄する際に焼却処理するとポリ塩化ビニル系樹脂から塩素系ガス等が発生するので、環境汚染につながる可能性がある。さらにポリ塩化ビニル系樹脂は缶材質である金属との接着性が不十分でありエポキシ樹脂で処理した上にコーティングする必要があるなどコーティング行程が複雑である。
次にエポキシ−フェノール系樹脂では焼き付け温度が高く、焼付け時に発泡等の外観不良を起し易い。また、先に述べたようにエポキシ樹脂中に含まれるビスフェノール−Aが環境ホルモンとして作用する可能性も指摘されており、これに代わる内面コート剤の開発が望まれている。また、缶外面塗料においても前述した内面塗料と同様に要求される加工性や耐レトルト性に加え、環境ホルモン対策も必要となりつつある。
更にはDI(Draw & Ironing)加工やDRD(Draw &Redraw)加工によって得られる2ピース缶をプレコート化するためには硬度、潤滑性、塗膜の伸度(展延性)、レトルト処理後の密着性が必要とされるが、前述した性能、要求に加えこれらの加工を満足する塗膜を得ることの出来る塗料組成物は得られていない。
かかる問題点を解決するために、塗装、焼付けが容易で、硬化性、加工性、金属との密着性、耐レトルト性に優れ、焼却時に有毒、腐食ガスを発生せず、塗膜中にビスフェノール−Aなどの環境ホルモンを含有しないポリエステル系樹脂の製缶用内用コーティング剤への適応が試みられているが、これらに加え耐内容物性、抽出性、耐オーバーベーク性、耐デント性、DI加工、DRD加工性に優れ、さらには、消泡剤やレベリング剤などの塗料添加剤を使用しない場合や、ワックスなどの潤滑剤を添加した場合においてもピンホールの無い良好な塗装性の得られる缶内面用に好適な塗料樹脂及び塗料樹脂組成物は得られていない。
つまり特許文献1、2のような飽和ポリエステル樹脂単独での缶内面塗料樹脂は沸水または蒸気のみにおいての加熱処理(耐レトルト性)に対して耐ブリスター及び耐白化性に優れるが、いまだ性能不十分で塗膜の表面状態劣化や光沢の低下などを起こしたり、内容物を想定しての食塩水及び酸性雰囲気中でのレトルト処理(耐内容物性)においてはブリスターや白化を生じたりして、外観不良を起こす。
特許文献3、4、5においてはポリエステル樹脂にビスフェノール−A型やフェノールノボラック型のエポキシ樹脂を配合、ブレンド、或いはアミノ樹脂を併用することで耐レトルト性、耐内容物性の優れた塗膜の提供を提案しているが、このものは耐オーバーベーク性、耐デント性が不足している。また一部エポキシ樹脂には環境ホルモンとされるビスフェノール−Aが含まれる。
また、特許文献6、7ではプロピレングリコールを主とした成分の飽和ポリエステル樹脂とアルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂からなる塗料組成物を缶内面用コーティング剤に適用することで加工性と耐レトルト性の優れた塗膜の提供を提案している。しかし、これらは缶内面塗料に必要な耐オーバーベーク性、耐デント性を十分に満足できない。更には特許文献7ではDI、DRD缶への適応の記載があるが、塗膜の強度、加工後の耐レトルト性、密着性については満足できない点があった。
また、特許文献8にはポリエステル樹脂と3官能フェノール化合物を主成分として得られるレゾール型フェノール樹脂からなる缶用塗料組成物の提案がある。これはフェノール樹脂からもたらされる塗膜の耐レトルト性、耐酸性などの性能は優れるものの、基本的に硬化性に劣るため、耐デント性やDI缶、DRD缶などへの適用は困難な場合がある。また、ポリエステル樹脂とフェノール樹脂との相容性が不足しており、塗膜の白化や塗料の貯蔵安定性に問題がある。さらに、この塗料組成物は衛生性やフレーバー性を向上する目的で塗料添加剤なしで処方され、さらには絞り加工性などの向上などを目的としてワックスなどの潤滑剤を使用しているが、塗装時にハジキが生じやすく、ピンホールが発生しやすい問題がある。
特許文献9では、特定のポリアルコールを共重合したポリエステル樹脂と硬化剤としてゲル化時間の長いレゾール型フェノール樹脂を組み合わせた缶用塗料用樹脂を提案している。この塗料用樹脂は、フェノール樹脂との反応性が良好で、塗膜物性も比較的良好であるが、内容物によっては、耐レトルト性などが必ずしも充分ではない。さらに、上記特許と同様に、近年、衛生性やフレーバー性を向上する目的で塗料添加剤なしで処方される場合や、さらには絞り加工性などの向上を目的としてワックスなどの潤滑性付与剤を使用する場合が多く、塗装時にピンホールが発生しやすい問題がある。
本発明者はこれらの問題点のうち、特に上記した従来技術では検討されていなかった耐オーバーベーク性、耐デント性、耐酸性について鋭意検討し、更には塗料添加剤なしで処方したり、ワックスなどの潤滑剤を配合したりした場合においても、ピンホールのない良好な塗装性を得るべく、検討を進めた結果、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールを必須とする特定のグリコールを有するポリエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂で硬化することでこれらの諸問題を解決できる塗膜を得ることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、ポリカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸が70〜100モル%、その他のポリカルボン酸成分が0〜30モル%であり、ポリアルコール成分として、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールを必須成分として含み、さらに2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群のうち少なくとも1種類以上を含み、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計が40〜100モル%、その他のポリアルコール0〜60モル%であり、かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)を含むことを特徴とする缶塗料用樹脂組成物に関する。
また、上記缶塗料用樹脂組成物を塗布、硬化させたことを特徴とする塗装金属板に関する。
食品や飲料缶内面に塗装される塗料はその性質から毒性がなく、廃棄、リサイクル時にも汚染物質の排出もなく、製缶の加工、レトルト処理の蒸気、熱、内容物の塩、酸に耐えるものでなければならない。また近年はエポキシ−フェノール系塗料など外因子内分泌撹乱物質(環境ホルモン)とされるビスフェノール化合物を含む塗料の代替化も望まれている。本発明の缶内面用塗料樹脂組成物は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと特定のグリコールを含むポリエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂からなり、上記した汚染物質等の含有、排出がなく、環境ホルモンを含まず、硬化性、加工性、耐レトルト性、耐内容物性を満足し、更には、塗料添加剤を配合しない場合や潤滑剤を配合した場合においてもピンホールの発生が少なく塗装性に優れるため、特に食品缶、及び飲料缶胴、缶蓋の内面やシーム用補修塗料に好適である。
本発明に使用するポリエステル樹脂(A)に使用する芳香族ジカルボン酸成分は70〜100モル%であり、その他のポリカルボン酸は0〜20モル%である。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等があり、これらの中から1種、または2種以上を選択し使用できる。芳香族ジカルボン酸の量が70モル%未満だと塗膜の強度が低下する傾向にあり、加工性、深絞り加工性、耐デント性が低下することがある。更に、芳香族ジカルボン酸のうちテレフタル酸とイソフタル酸を合計80モル%以上とすることで、塗膜の強度、可撓性が向上するためより加工性、耐デント性、深絞り加工性が向上し、好ましい。その他のポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、テルペン−マレイン酸付加体などの不飽和ジカルボン酸などを挙げることができ、これらの中から1種又はそれ以上を使用できる。衛生面で好ましいのはアジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸である。
本発明に使用される(A)ポリエステル樹脂のポリアルコール成分において、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールを必須成分として使用する必要がある。2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールを使用することにより、驚くべきことに塗膜のフロー性が改善され、消泡剤やレベリング剤などの塗料添加剤なしの処方で、さらにはワックスなどの潤滑剤を配合した塗料系においても良好な塗装性が得られ、ハジキなどによるピンホールの発生が大幅に改善される。さらには、耐加水分解性にも優れ、耐レトルト性や耐内容物性が向上する。
さらに、本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)においては、ポリアルコール成分として、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1、4−シクロヘキサンジメタノールからなる群のうち少なくとも1種類以上のグリコールを前記2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと併用して使用する必要がある。2−メチル−1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールは、これらを使用することにより、レゾール型フェノール樹脂(B)との硬化性が著しく改善されるため、缶塗料として特に重要な物性である加工性、耐レトルト性、耐デント性が改善される。1,4−シクロヘキサンジメタノールは、特に加工性と耐ブロッキング性のバランスが良好となる。また、レゾール型フェノール樹脂との硬化性も改善される。
2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールの好ましい含有量の上限は、全ポリアルコール成分を100モル%としたときに、30モル%以下、より好ましくは20モル%以下である。下限は5モル%以上が好ましく、より好ましくは10モル%以上である。2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールの含有量が30モル%を超えると、レゾール型フェノール樹脂との反応性が悪化したり、耐フレーバー性が悪化する傾向にある。5モル%未満では、塗装作業性が低下し、ピンホールが発生しやすくなる傾向にある。
2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと前記2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計量は、全ポリアルコール成分中40〜100モル%である。40モル%未満では、レゾール型フェノール樹脂(B)との反応性が低下したり、缶塗料として特に重要な物性である加工性、耐レトルト性、耐デント性が低下する傾向にある。
その他のグリコールとしては、以下のものが挙げられ、全ポリアルコール成分中60モル%未満で使用できる。好ましいのは側鎖を有するグリコールであり、例えばプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、4−プロピル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。
側鎖のないアルキレングリコールとしては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール等が挙げられる。ポリアルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。脂環族グリコールとしては、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカングリコール類、水添加ビスフェノール類などが挙げられる。これらの中から1種、又はそれ以上を選び使用できる。このうち衛生上好ましいものはエチレングリコール、ジエチレングリコールなどを挙げることができる。
本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は5,000〜100,000であり、好ましくは8,000〜50,000、より好ましくは10,000〜30,000である。数平均分子量が5,000未満であると塗膜が脆くなり、加工性や耐レトルト性に劣ったりし、100,000を越えると塗装作業性が低下する場合がある。また、好ましいガラス転移温度(Tg)は10〜90℃、より好ましくは20〜70℃、更に好ましくは30〜60℃である。ガラス転移温度が10℃未満であると耐レトルト性が劣る傾向にあり、耐ブロッキング性も問題になる可能性がある。特にフレーバー性を必要とする内容物には30℃以上のTgが望ましい。Tgが90℃を超えると加工性や塗装作業性が低下したりする場合がある。なお、ここで言う数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものであり、ガラス転移温度(Tg)とは示差熱分析(DSC)によって測定したものである。
本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)はポリカルボン酸成分、ポリアルコール成分に3官能以上のポリカルボン酸または/およびポリアルコールを加工性の低下しない範囲で使用する事が特に好ましい。3価以上のポリカルボン酸成分としては、例えばトリメリト酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などが挙げられ、3官能以上のポリアルコールとしてはグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、マンニトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、α−メチルグルコシドなどが挙げられる。衛生上好ましくはトリメリト酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンである。これら3官能以上のポリカルボン酸、及びポリアルコール成分は全酸成分または全ポリアルコール成分に対して0.1〜3モル%の範囲で使用する事が好ましく、これらの3官能成分が3モル%を越えるとポリエステル樹脂の可撓性が失われ、加工性が低下したりする。
本発明に使用されるポリエステル樹脂(A)は任意の方法で末端基をカルボキシル基に変換してもよい。カルボキシル基にする目的としては架橋剤との硬化促進、缶用金属材料との密着性改良等が挙げられる。これらを目的とする場合、好ましい酸価の範囲は40〜200eq/106gである。200eq/106gを超えると耐レトルト性が低下したり、酸付加成分が内容物へ溶出したりする可能性がある。末端基をカルボキシル基に変換する方法としては重縮合後期に多価カルボン酸無水物を添加する解重合方法、重縮合完了後に多価カルボン酸無水物を付加する方法、プレポリマー(オリゴマー)の段階でこれを高酸価とし、次いでこれを重縮合し、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂を得る方法などがあるが、操作の容易さ、目標とする酸価を得易いことから重縮合完了後に多価カルボン酸無水物を付加する方法が好ましい。
このような酸付加反応に用いられる多価カルボン酸無水物としては無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、無水ヘキサヒドロフタル酸などが挙げられる。好ましくは無水トリメリト酸である。
本発明の缶塗料用樹脂組成物はレゾール型フェノール樹脂との相溶性が良好で、反応性が良好であるので、硬化剤としてレゾール型フェノール樹脂(B)を使用できる。硬化剤にレゾール型フェノール樹脂を使用することにより、従来のポリエステル樹脂とアルキルエーテル化アミノ樹脂の組み合わせでは得られなかった缶塗料として特に重要な物性である加工性、耐レトルト性、耐デント性が飛躍的に向上する。
レゾール型フェノール樹脂(B)は、ポリエステル樹脂との相溶性、硬化性の面より150℃に熱した金属プレートに滴下した後、ゲル(メチルエチルケトンに不溶化)に到達するまでの時間は30秒以上であることが好ましく、より好ましくは100秒以上、更に好ましくは150秒以上である。ゲル到達時間が30秒未満だと、レゾール型フェノール樹脂同士の自己縮合反応が早くなるため、ポリエステル樹脂との硬化、架橋反応が進まず、硬化性の低下、相分離による塗膜の濁りの原因となる傾向にある。ゲル到達時間が30秒以上では著しく硬化性の向上と相分離の抑制がより良好となる。従って、ゲル到達時間が30秒以下になると塗膜に濁りが生じたり、硬化性が得られないために加工性、耐デント性が低下する傾向にある。
レゾール型フェノール樹脂(B)が不溶化するまでの時間が30秒以上であるか否かはは次のような手順で決定することが出来る。すなわち、150℃に熱したアルミニウム金属板(#5052、70mm×150mm×0.3mm)にレゾール型フェノール樹脂溶液濃度(固形分濃度50重量%)を5ml滴下し、硬化後の厚みが5μmになるようにワイヤーバーで素早く塗り広げる。30秒経過後金属板を流水に浸け冷却する。このフェノール樹脂が塗工されたアルミニウム金属板にメチルエチルケトン(MEK)を含浸させた幅1cm×長さ3cm、厚さ1cmのフェルトを当て、これに荷重0.5kgをかけながら幅方向に50回往復させる。その後、フェルトを往復させた部分の塗膜状態を目視で観察し、下地のアルミニウム金属板の露出していない場合に不溶化したと判断する。
本発明の缶塗料用組成物に使用するレゾール型フェノール樹脂(B)はフェノール化合物をホルマリン類にてメチロール化した後、その一部、または全部をアルコール類にてアルコキシメチル化したものである。該フェノール樹脂の原料となるフェノール化合物としては、例えばフェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F等の3官能以上のフェノール化合物、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール等の2官能のフェノール化合物がある。ポリエステル樹脂との硬化性を得るには3官能以上のフェノール樹脂が好ましく、更に環境ホルモンとしてビスフェノール型化合物が指摘されているためより好ましくはフェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールである。原料のフェノール化合物中に前記した3官能フェノール化合物が1種または2種以上、合わせて70重量%以上含まれることが望ましい。
前記したフェノール化合物をメチロール化の際に使用されるホルマリン類としてはホルマリン、パラホルムアルデヒドまたはトリオキサンなどが挙げられ、これらから1種、または2種以上を使用することができる。得られたメチロール基は芳香環1核当たり1.0個以上であることが望ましい。メチロール化した後、このメチロール基をアルコキシメチル化する。好ましくはメチロール基の50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。フェノール樹脂をアルコキシメチル化することでポリエステル樹脂(A)との相容性、硬化性が高くなる。50%未満だとポリエステル樹脂(A)との相容性が低くなり、塗膜に濁りが生じたり、硬化性が得られなかったりする。アルコキシメチル化する際に使用されるアルコールとしては炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜4個の1価アルコールであり、好適な1価アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどを挙げることができ、より好ましくはn−ブタノールである。また、アルコキシメチル化する際にはリン酸などの触媒を使用しても良い。
本発明において、レゾール型フェノール樹脂(B)以外に使用できる任意の架橋剤としてはアミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂等が挙げられるが、衛生面よりアミノ樹脂が特に好ましい。これらの架橋剤は塗膜の性能を低下させない程度に配合し使用できる。
上記のアミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド、などのアミノ成分と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドなどのアルデヒド成分との反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。このメチロール化アミノ樹脂のメチロール基を炭素原子数1〜6のアルコールによってエーテル化したものも上記アミノ樹脂に含まれる。これらの内、単独或いは併用して使用できる。衛生上、メラミン、ベンゾグアナミンを使用したアミノ樹脂が好ましく、更に好ましくは耐レトルト性、抽出性に優れるベンゾグアナミンを使用したアミノ樹脂である。
ベンゾグアナミンを使用したアミノ樹脂としては、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂のメチロール基を一部又は全部を、メチルアルコールによってエーテル化したメチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチルアルコールによってブチルエーテル化したブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、或いはメチルアルコールとブチルアルコールとの両者によってエーテル化したメチルエーテル、ブチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。上記、ブチルアルコールとしてはイソブチルアルコール、n−ブチルアルコールが好ましい。
メラミンを使用したアミノ樹脂としては、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基を一部又は全部を、メチルアルコールによってエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルアルコールによってブチルエーテル化したブチルエーテル化メラミン樹脂、或いはメチルアルコールとブチルアルコールとの両者によってエーテル化したメチルエーテル、ブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂が好ましい。
本発明の缶塗料用樹脂組成物に酸触媒(D)を併用することが好ましい。酸触媒としては例えば硫酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、樟脳スルホン酸、リン酸及びこれらをアミンブロック(アミンを添加し一部中和している)したもの等が挙げられ、これらの中から1種、又は2種以上を併用することができるが、樹脂との相容性、衛生性の面からドデシルベンゼンスルホン酸、及びこの中和物が好ましい。
本発明の缶塗料用樹脂組成物はこれに使用するポリエステル樹脂(A)、レゾール型フェノール樹脂(B)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A)100重量部に対してレゾール型フェノール樹脂(B)が5〜40重量部の範囲にあることが好ましい。ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し、レゾール型フェノール樹脂(B)の重量比が40重量部を超えると加工性が劣ることがあり、5重量部未満だと硬化性、耐レトルト性、耐デント性が低下することがある。好ましくはポリエステル樹脂(A)100重量部に対し10〜30重量部である。また、酸触媒(D)はポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、0.05〜5重量部であることが好ましい。酸触媒(D)量が0.05重量部未満だと硬化性が不十分になり加工性、耐レトルト性が劣ることがあり、5重量部を超えると酸による架橋部分の解裂が促進され加工性や硬化性、耐レトルト性、耐デント性などが低下することがある。より好ましくはポリエステル樹脂(A)100重量部に対し0.1〜3重量部である。
また、本発明の缶塗料用樹脂組成物には潤滑剤(C)を配合することが好ましい。その際の配合量はポリエステル樹脂(A)100重量部に対し0.1〜10重量部含有することが好ましい。これは製缶時の塗膜の傷付きを抑制したり、成形加工時の塗膜の滑りを向上させる効果がある。特にDI加工、DRD加工時に効果がある。潤滑剤(C)が0.1重量部未満だと深絞り成型加工時に塗膜の傷付きが激しくなり基材の腐食が著しくなり、10重量部を超えると硬化性、塗膜の機械的強度が低下したりして加工性が満足しない可能性がある。より好ましくは0.3〜5重量部の範囲内である。本発明の缶塗料用樹脂組成物を用いると、潤滑剤が存在してもはじくことなく、ピンホールの少ない良好な塗膜が得られる。
本発明に使用する潤滑剤(C)は、例えばポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチレンなどのポリオレフィンワックス、ラノリン系ワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバろう、及びシリコン系化合物等を挙げることができる。潤滑剤は1種、または2種以上を混合し使用できる。
本発明の缶塗料用樹脂組成物には用途に合わせた酸化チタン、シリカなどの無機顔料、リン酸およびそのエステル化物、有機スズ化合物等の硬化触媒、表面平滑剤、消泡剤、分散剤、潤滑剤等の公知の添加剤を配合することができる。
本発明の缶塗料用樹脂組成物は有機溶剤に溶解された状態で塗料化することが好ましい。塗料化に使用する有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、芳香族系炭化水素化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等から溶解性、蒸発速度等を考慮して1種、または2種以上を選択し使用される。
本発明の缶塗料用樹脂組成物には塗膜の可撓性、密着性付与などの改質を目的としたその他の樹脂を使用できる。その他の樹脂としてはエチレン−重合性不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−重合性カルボン酸共重合体アイオノマーを挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を配合することにより効果的の塗膜の可撓性、密着性を付与できる。
本発明の缶塗料用樹脂組成物は飲料缶、食品用缶、その蓋、キャップ等に用いることができる金属板であればいずれへも、その内外面に塗装し使用でき、例えばブリキ板、ティンフリースティール、アルミ等を挙げることができる。これらの金属板にはあらかじめリン酸処理、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、その他の防錆処理剤などの防食、塗膜の密着性向上を目的とした表面処理を施したものを使用しても良い。
本発明の缶塗料用樹脂組成物は、例えばロールコーター塗装、スプレー塗装などの塗装方法によって塗装され、本発明の塗装金属板を得ることができる。塗装膜厚は特に限定されるものではないが、乾燥膜厚で3〜18μm、更には3〜10μmの範囲であることが好ましい。塗膜の焼付条件は通常、100〜300℃の範囲で5秒〜30分の程度であり、更には150〜250℃の範囲で、1〜15分の程度であることが好ましい。
以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。実施例において単に部とあるものは重量部を示す。各測定項目は以下の方法に従った。
(1)ポリエステル樹脂の組成、及びフェノール樹脂のメチロール基とアルコキシメチル基の定量
重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
(2)ポリエステル樹脂とフェノール樹脂の数平均分子量の測定
テトラヒドロフランを溶離液としたウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150cを用いて、カラム温度35℃、流量1ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただしカラムは昭和電工(株)shodex KF−802、804、806を用いた。
テトラヒドロフランを溶離液としたウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150cを用いて、カラム温度35℃、流量1ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただしカラムは昭和電工(株)shodex KF−802、804、806を用いた。
(3)ポリエステル樹脂の還元粘度測定
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25cm3に溶かし、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25cm3に溶かし、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
(4)ガラス転移温度の測定
サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、150℃まで、昇温速度10℃/分にて測定した。ガラス転移温度は、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、150℃まで、昇温速度10℃/分にて測定した。ガラス転移温度は、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
(5)酸価の測定
ポリエステル0.2gを20cm3のクロロホルムに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、樹脂106g当たりの当量(eq/106g)を求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
ポリエステル0.2gを20cm3のクロロホルムに溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、樹脂106g当たりの当量(eq/106g)を求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
(6)フェノール樹脂のゲル化時間
150℃の熱したアルミニウム金属板(#5052、70mm×150mm×0.3mm)にレゾール型フェノール樹脂溶液濃度(固形分濃度50重量%)を5ml滴下し、硬化後の厚みが5μmになるようにワイヤーバーで素早く塗り広げた。一定時間後アルミニウム金属板を流水に浸け冷却した。このフェノール樹脂が塗工されたアルミニウム金属板にメチルエチルケトン(MEK)を含浸させた幅1cm×長さ3cm、厚さ1cmのフェルトを当て、これに荷重0.5kgをかけながら幅方向に50回往復させた。その後、フェルトを往復させた部分の塗膜状態を目視で観察した。この操作の時間を変えて行い、下地のアルミニウム金属板の露出していないサンプルを不溶化したと判断した。
150℃の熱したアルミニウム金属板(#5052、70mm×150mm×0.3mm)にレゾール型フェノール樹脂溶液濃度(固形分濃度50重量%)を5ml滴下し、硬化後の厚みが5μmになるようにワイヤーバーで素早く塗り広げた。一定時間後アルミニウム金属板を流水に浸け冷却した。このフェノール樹脂が塗工されたアルミニウム金属板にメチルエチルケトン(MEK)を含浸させた幅1cm×長さ3cm、厚さ1cmのフェルトを当て、これに荷重0.5kgをかけながら幅方向に50回往復させた。その後、フェルトを往復させた部分の塗膜状態を目視で観察した。この操作の時間を変えて行い、下地のアルミニウム金属板の露出していないサンプルを不溶化したと判断した。
(7)テストピースの作成
塗料組成物をアルミニウム金属板(#5052、200mm×300mm×0.3mm)に硬化後の膜厚が4〜8μmになるようにロールコーターで塗装し、硬化焼き付けを行い、これを試験片とした。ロールコーターは、熊谷理機工業(株)製の小型ロールコーターを使用し、焼付条件としては210℃×5分間で評価を行った。
塗料組成物をアルミニウム金属板(#5052、200mm×300mm×0.3mm)に硬化後の膜厚が4〜8μmになるようにロールコーターで塗装し、硬化焼き付けを行い、これを試験片とした。ロールコーターは、熊谷理機工業(株)製の小型ロールコーターを使用し、焼付条件としては210℃×5分間で評価を行った。
(8)硬化性
(7)で作成したテストピースの塗装面にMEK/トルエン=1/1溶剤を浸したフェルトを当て、これに荷重0.5kgをかけながら50回往復させた。その後、フェルトを往復させた部分の塗膜状態を目視で観察し、以下のように判定した。
◎:良好(塗膜が溶剤に溶けた形跡無し)
○:わずかに溶剤に溶けている
△:溶剤に溶けているが塗膜は残っている。
×:塗膜が溶剤に溶け、素地に達している。
(7)で作成したテストピースの塗装面にMEK/トルエン=1/1溶剤を浸したフェルトを当て、これに荷重0.5kgをかけながら50回往復させた。その後、フェルトを往復させた部分の塗膜状態を目視で観察し、以下のように判定した。
◎:良好(塗膜が溶剤に溶けた形跡無し)
○:わずかに溶剤に溶けている
△:溶剤に溶けているが塗膜は残っている。
×:塗膜が溶剤に溶け、素地に達している。
(9)加工性
(7)で作成したテストピースに、そのテストピースの作成に用いたアルミニウム金属板を1枚挟み180度方向に曲げた。この加工部を1%NaCl水溶液に浸漬したスポンジに接触させ5.5Vの電圧をかけたときの通電値により評価した。通電値が小さい方(1.5mA以下)が良好である。
(7)で作成したテストピースに、そのテストピースの作成に用いたアルミニウム金属板を1枚挟み180度方向に曲げた。この加工部を1%NaCl水溶液に浸漬したスポンジに接触させ5.5Vの電圧をかけたときの通電値により評価した。通電値が小さい方(1.5mA以下)が良好である。
(10)オーバーベーク性
(7)で作成したテストピースを、再度210℃×10分の熱処理を行い、これを(9)と同じ方法で加工性を評価した。
(7)で作成したテストピースを、再度210℃×10分の熱処理を行い、これを(9)と同じ方法で加工性を評価した。
(11)耐レトルト性
(7)で作成したテストピースを立ててステンレスカップに入れ、これにイオン交換水をテストピースの半分の高さまで注いだ。これを圧力釜の中に設置し、125℃×30分のレトルト処理を行なった。処理後の評価は水中部分と蒸気部分とで行い、それぞれ白化の度合いを目視で以下のように判定した。
◎:良好
○:わずかに白化はあるがブリスターは無し
△:若干白化、または若干のブリスターあり
×:著しい白化、または著しいブリスターあり
(7)で作成したテストピースを立ててステンレスカップに入れ、これにイオン交換水をテストピースの半分の高さまで注いだ。これを圧力釜の中に設置し、125℃×30分のレトルト処理を行なった。処理後の評価は水中部分と蒸気部分とで行い、それぞれ白化の度合いを目視で以下のように判定した。
◎:良好
○:わずかに白化はあるがブリスターは無し
△:若干白化、または若干のブリスターあり
×:著しい白化、または著しいブリスターあり
(12)耐内容物性
(7)で作成したテストピースを食塩3wt%、及び乳酸3wt%を含む水溶液に浸し、(11)と同様の条件にて125℃×30分処理した後、塗膜の白化、ブリスターの状態を目視で判定した。
◎:良好
○:わずかに白化はあるがブリスターは無し
△:若干白化、または若干のブリスターあり
×:著しい白化、または著しいブリスターあり
(7)で作成したテストピースを食塩3wt%、及び乳酸3wt%を含む水溶液に浸し、(11)と同様の条件にて125℃×30分処理した後、塗膜の白化、ブリスターの状態を目視で判定した。
◎:良好
○:わずかに白化はあるがブリスターは無し
△:若干白化、または若干のブリスターあり
×:著しい白化、または著しいブリスターあり
(13)耐デント性
(12)に示した耐内容物試験を行った試験片の塗装面を下にし、デュポン衝撃試験機を用い、その裏面より1/2インチ×1kg×5cm高さの条件で衝撃を加えた。次いでその凸部分を1%NaCl水溶液に浸漬したスポンジに接触させ5.5Vの電圧をかけたときの通電値により評価した。通電値が小さい方(1.5mA以下)が良好である。
(12)に示した耐内容物試験を行った試験片の塗装面を下にし、デュポン衝撃試験機を用い、その裏面より1/2インチ×1kg×5cm高さの条件で衝撃を加えた。次いでその凸部分を1%NaCl水溶液に浸漬したスポンジに接触させ5.5Vの電圧をかけたときの通電値により評価した。通電値が小さい方(1.5mA以下)が良好である。
(14)抽出性
(11)に示したレトルト試験後の抽出液を過マンガンカリウムによる滴定により、塗膜からの有機物の抽出量を定量した。数値の少ない方が良好である。
(11)に示したレトルト試験後の抽出液を過マンガンカリウムによる滴定により、塗膜からの有機物の抽出量を定量した。数値の少ない方が良好である。
(15)深絞り加工性
(7)で作成したテストピースの塗装面が外側になるよう深絞り加工機を使用して、L/D(直径/深さ)=1/1の成形加工を行った。この試験片の加工側面部の塗膜剥離状態を目視観察し、判定した。
◎:良好
○:塗膜にわずかにスリ傷がある。
△:塗膜に若干の剥離が認められる。
×:塗膜に激しい剥離、損傷が認められる。
(7)で作成したテストピースの塗装面が外側になるよう深絞り加工機を使用して、L/D(直径/深さ)=1/1の成形加工を行った。この試験片の加工側面部の塗膜剥離状態を目視観察し、判定した。
◎:良好
○:塗膜にわずかにスリ傷がある。
△:塗膜に若干の剥離が認められる。
×:塗膜に激しい剥離、損傷が認められる。
(16)塗装作業性(ピンホールの評価)
アルミ板は硫酸銅に触れると反応して変色する。この特性を生かして以下のとおり、ピンホールを評価した。すなわち、200cm×300cmのサイズの試験片を5%硫酸銅水溶液に5分浸漬し、試験片の変色部分の個数で評価した。30枚について評価し、ピンホールの1平方メートルあたりの平均個数で評価した。
◎:なし
○:1〜2個
△:3〜5個
×:6個以上
アルミ板は硫酸銅に触れると反応して変色する。この特性を生かして以下のとおり、ピンホールを評価した。すなわち、200cm×300cmのサイズの試験片を5%硫酸銅水溶液に5分浸漬し、試験片の変色部分の個数で評価した。30枚について評価し、ピンホールの1平方メートルあたりの平均個数で評価した。
◎:なし
○:1〜2個
△:3〜5個
×:6個以上
ポリエステル樹脂(a)の合成例
テレフタル酸50部、イソフタル酸115部、無水トリメリト酸1.9部、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール50部、1,4−ブタンジオール99部、1,4−シクロヘキサンジメタノール48部、チタンテトラブトキシド0.07部を2Lフラスコに仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、水を留出させエステル化を行った。所定量の水を留出させた後、30分かけて10mmHgまで減圧重合を行うとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で50分間後期重合を行い、ポリエステル樹脂(a)を得た。組成と特性値は表1に示す。
テレフタル酸50部、イソフタル酸115部、無水トリメリト酸1.9部、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール50部、1,4−ブタンジオール99部、1,4−シクロヘキサンジメタノール48部、チタンテトラブトキシド0.07部を2Lフラスコに仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、水を留出させエステル化を行った。所定量の水を留出させた後、30分かけて10mmHgまで減圧重合を行うとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で50分間後期重合を行い、ポリエステル樹脂(a)を得た。組成と特性値は表1に示す。
ポリエステル樹脂(b)の合成
テレフタル酸50部、イソフタル酸115部、無水トリメリト酸1.9部、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール62部、1,4−ブタンジオール52部、2−メチル−1,3−プロパンジオール71部、チタンテトラブトキシド0.07部を2Lフラスコに仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、水を留出させエステル化を行った。所定量の水を留出させた後、30分かけて10mmHgまで減圧重合を行うとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で50分間後期重合を行った。ついで、減圧を止めて、窒素気流下で220℃まで冷却し、無水トリメリト酸1.9部を添加し、220℃で30分撹拌しカルボキシル基変性(後付加)を行った後、樹脂を取り出し、ポリエステル樹脂(b)を得た。組成と特性値は表1に示す。
テレフタル酸50部、イソフタル酸115部、無水トリメリト酸1.9部、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール62部、1,4−ブタンジオール52部、2−メチル−1,3−プロパンジオール71部、チタンテトラブトキシド0.07部を2Lフラスコに仕込み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、水を留出させエステル化を行った。所定量の水を留出させた後、30分かけて10mmHgまで減圧重合を行うとともに温度を250℃まで昇温し、更にこのまま1mmHg以下で50分間後期重合を行った。ついで、減圧を止めて、窒素気流下で220℃まで冷却し、無水トリメリト酸1.9部を添加し、220℃で30分撹拌しカルボキシル基変性(後付加)を行った後、樹脂を取り出し、ポリエステル樹脂(b)を得た。組成と特性値は表1に示す。
ポリエステル樹脂(c)、(d)の合成
以下、同様にしてポリエステル樹脂(c)、(d)を合成した。ポリエステル樹脂(d)においては、さらに、ジフェノール酸を共重合することにより、フェノール性の水酸基を導入したものである。結果を表1に示す。
以下、同様にしてポリエステル樹脂(c)、(d)を合成した。ポリエステル樹脂(d)においては、さらに、ジフェノール酸を共重合することにより、フェノール性の水酸基を導入したものである。結果を表1に示す。
比較ポリエステル樹脂(e)〜(h)の合成
ポリエステル樹脂(a)または(b)と同様にして、比較ポリエステル樹脂(e)〜(h)を合成した。結果を表2に示す。
ポリエステル樹脂(a)または(b)と同様にして、比較ポリエステル樹脂(e)〜(h)を合成した。結果を表2に示す。
これらの合成例および比較合成例のポリエステル樹脂をシクロヘキサノン/ソルベッソ150(エクソンケミカル(株)製)=50/50(重量比)の混合溶媒に溶解し、固形分40%の樹脂ワニスとした。これを用いて塗料組成物を調整した。
レゾール型フェノール樹脂(i)の合成
m−クレゾール100部、37%ホルマリン水溶液180部、及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下50℃で1時間脱水した。ついでn−ブタノール100部を加え、110〜120℃で4時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して、固形分約50%のm−クレゾール系のレゾール型フェノール樹脂架橋剤(i)を得た。得られたレゾール型フェノール樹脂の数平均分子量は750、ゲル化時間は350秒であった。
m−クレゾール100部、37%ホルマリン水溶液180部、及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下50℃で1時間脱水した。ついでn−ブタノール100部を加え、110〜120℃で4時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して、固形分約50%のm−クレゾール系のレゾール型フェノール樹脂架橋剤(i)を得た。得られたレゾール型フェノール樹脂の数平均分子量は750、ゲル化時間は350秒であった。
レゾール型フェノール樹脂(j)の合成
レゾール型フェノール樹脂(i)と同様に、m−クレゾールの代わりに3,5−キシレノールを用いて、数平均分子量650、ゲル化時間260秒のレゾール型フェノール樹脂(j)を得た。
レゾール型フェノール樹脂(i)と同様に、m−クレゾールの代わりに3,5−キシレノールを用いて、数平均分子量650、ゲル化時間260秒のレゾール型フェノール樹脂(j)を得た。
実施例 (1)
ポリエステル樹脂(a)85固形部、レゾール型フェノール樹脂(i)15固形部、酸触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.028部、潤滑剤としてのカルナウバろう1.0部を配合、溶解した後、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=1/1で塗装に適した粘度になるまで希釈し、塗料組成物を得た。これを前述した方法により塗布、焼付を行い塗装金属板のテストピースを得た。ポリエステル樹脂(a)が、レゾール型フェノール樹脂との相溶性、硬化性に優れているため、良好な塗膜物性を得ている。さらには、塗装作業性に優れ、ピンホールの無い塗膜が得られている。配合組成、並びにテストピースを評価した結果を表3に示す。
ポリエステル樹脂(a)85固形部、レゾール型フェノール樹脂(i)15固形部、酸触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.028部、潤滑剤としてのカルナウバろう1.0部を配合、溶解した後、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=1/1で塗装に適した粘度になるまで希釈し、塗料組成物を得た。これを前述した方法により塗布、焼付を行い塗装金属板のテストピースを得た。ポリエステル樹脂(a)が、レゾール型フェノール樹脂との相溶性、硬化性に優れているため、良好な塗膜物性を得ている。さらには、塗装作業性に優れ、ピンホールの無い塗膜が得られている。配合組成、並びにテストピースを評価した結果を表3に示す。
実施例(2)〜(4)
実施例(1)と同様にして本発明の塗料樹脂組成物を得た後、同じく前述した方法により塗布、焼付を行い塗装金属板のテストピースを得た。いずれの実施例も良好な塗膜物性を有し、さらには優れた塗装作業性を示す。実施例(4)では、ジフェノール酸共重合によりポリエステル樹脂にフェノール性水酸基を導入した例であるが、酸触媒を添加しなくてもレゾール型フェノール樹脂との硬化性が良好であり、衛生面のメリットおよび基材としての金属の腐食を低減するメリットがある。配合組成、並びにテストピースを評価した結果を表3に示す。
実施例(1)と同様にして本発明の塗料樹脂組成物を得た後、同じく前述した方法により塗布、焼付を行い塗装金属板のテストピースを得た。いずれの実施例も良好な塗膜物性を有し、さらには優れた塗装作業性を示す。実施例(4)では、ジフェノール酸共重合によりポリエステル樹脂にフェノール性水酸基を導入した例であるが、酸触媒を添加しなくてもレゾール型フェノール樹脂との硬化性が良好であり、衛生面のメリットおよび基材としての金属の腐食を低減するメリットがある。配合組成、並びにテストピースを評価した結果を表3に示す。
比較例 (1)〜(6)
実施例(1)と同様にして、塗料樹脂組成物を得た後、同じく前述した方法により塗布、焼付を行い比較例のテストピースを得た。配合組成、並びにテストピースを評価した結果を表4に示す。比較例(1)、(2)、(4)は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールをポリオール成分として含まない比較ポリエステルの例であるが、いずれも塗装作業性が悪い。比較例(2)では、潤滑材の配合量を減らした例であるが、塗装作業性は不十分である。比較例(3)は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールとその他のグリコールの組み合わせた比較ポリエステル樹脂を用いた場合であり、塗装作業性は良好であるが、レゾール型フェノール樹脂との硬化性に劣り、良好な塗膜物性が得られない。比較例(5)、(6)は、ポリエステル樹脂とアミノ樹脂を組み合わせた例であり、塗膜物性は比較的良好であるが、アミノ樹脂を使用しているため抽出性に劣り、飲料缶、食品缶などの内面塗料としては不適である。
実施例(1)と同様にして、塗料樹脂組成物を得た後、同じく前述した方法により塗布、焼付を行い比較例のテストピースを得た。配合組成、並びにテストピースを評価した結果を表4に示す。比較例(1)、(2)、(4)は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールをポリオール成分として含まない比較ポリエステルの例であるが、いずれも塗装作業性が悪い。比較例(2)では、潤滑材の配合量を減らした例であるが、塗装作業性は不十分である。比較例(3)は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールとその他のグリコールの組み合わせた比較ポリエステル樹脂を用いた場合であり、塗装作業性は良好であるが、レゾール型フェノール樹脂との硬化性に劣り、良好な塗膜物性が得られない。比較例(5)、(6)は、ポリエステル樹脂とアミノ樹脂を組み合わせた例であり、塗膜物性は比較的良好であるが、アミノ樹脂を使用しているため抽出性に劣り、飲料缶、食品缶などの内面塗料としては不適である。
表3より明らかなように、本発明の缶塗料用樹脂組成物を塗布した金属板はその硬化性、加工性、耐レトルト性、耐内容物(酸、塩)性、耐オーバーベーク性、耐酸加工性、抽出性、耐デント性、深絞り加工性に優れている。さらに、ピンホールの発生が非常に少なく、塗装性に優れていることが分かる。
食品や飲料缶内面に塗装される塗料はその性質から毒性がなく、廃棄、リサイクル時にも汚染物質の排出もなく、製缶の加工、レトルト処理の蒸気、熱、内容物の塩、酸に耐えるものでなければならない。また近年はエポキシ−フェノール系塗料など外因子内分泌撹乱物質(環境ホルモン)とされるビスフェノール化合物を含む塗料の代替化も望まれている。本発明の缶内面用塗料樹脂組成物は、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールと特定のグリコールを含むポリエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂からなり、上記した汚染物質等の含有、排出がなく、環境ホルモンを含まず、硬化性、加工性、耐レトルト性、耐内容物性を満足し、更には、塗料添加剤を配合しない場合や潤滑剤を配合した場合においてもピンホールの発生が少なく塗装性に優れるため、特に食品缶、及び飲料缶胴、缶蓋の内面やシーム用補修塗料に好適である。
Claims (6)
- ポリカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸が70〜100モル%、その他のポリカルボン酸成分が0〜30モル%であり、ポリアルコール成分として、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールを必須成分として含み、さらに2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群のうち少なくとも1種類以上を含み、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの合計が40〜100モル%、その他のポリアルコール0〜60モル%であり、かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)を含むことを特徴とする缶塗料用樹脂組成物。
- レゾール型フェノール樹脂(B)が、150℃の金属プレート上に滴下した後、メチルエチルケトンに不溶化するまでの時間が30秒以上要することを特徴とする請求項1に記載の缶塗料用樹脂組成物。
- レゾール型フェノール樹脂(B)のメチロ−ル基がブチルエーテル化されている請求項1又は2に記載の缶塗料用樹脂組成物。
- さらに潤滑剤(C)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の缶塗料用樹脂組成物。
- 缶内面塗料用として用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の缶塗料用樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の缶塗料用樹脂組成物を塗布、硬化させたことを特徴とする塗装金属板。
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