以下、本発明に係るエレベータのドア開閉装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。尚、本実施形態で登場する構成のうち、図16及び図17に示す従来技術と同じあるいは相当する構成については、同じ符号を付すものとする。
まず、本実施形態に係るエレベータの概要について、図1〜図3を参照しつつ説明する。本実施形態に係るエレベータは、かご6の出入口7が端から開く、いわゆるサイドオープンタイプのエレベータである。即ち、本実施形態に係るエレベータは、一対のかごドア8,8が同じ方向に移動し、但し、一方のかごドア8が他方のかごドア8よりも多く移動する構造となっている。一方のかごドア8は、移動量が多い、即ち、移動速度が速い、ということで、一般的に“ファーストドア”と呼ばれている。他方のかごドア8は、移動量が少ない、即ち、移動速度が遅い、ということで、一般的に“スロードア”と呼ばれている。以下、便宜上、ファーストドアに係る構成には、符号の後に“f”を付し、スロードアに係る構成には、符号の後に“s”を付するものとする。
かごドア8fは、ドアハンガ12fに取り付けられた一対のローラ13f,13fがドアレール11f上に載置されることで、ドアハンガ12fを介してドアレール11fに吊り下げられている。また、かごドア8sは、ドアハンガ12sに取り付けられた一対のローラ13s,13sがドアレール11s上に載置されることで、ドアハンガ12sを介してドアレール11sに吊り下げられている。ドアレール11sは、上部フレーム10の正面に直接取り付けられている。一方、ドアレール11fは、ブラケット14を介して上部フレーム10の正面に取り付けられている。従って、上部フレーム10の正面には、まずドアレール11sが配置され、その次に、ドアレール11fが配置されている。そのため、かごドア8fは、かごドア8sよりも正面側にオフセットした位置に配置される。従って、かごドア8f,8sが開くと、かごドア8fがかごドア8sを覆うようにして両者が重なる。
かごドア8fは、センターオープンタイプと同様、ドアハンガ12f及び該ドアハンガ12fに取り付けられた連結具37を介してドア開閉装置の駆動ベルト36に連結されている。一方、かごドア8sは、減速機構を介してかごドア8fに連結されている。
減速機構は、かご6の出入口7の間口方向に沿って延びるアーム15であって、かごドア8sのドアハンガ12sに取り付けられたアーム15と、該アーム15の一端側及び他端側に取り付けられた一対の減速プーリ16,16と、該一対の減速プーリ16,16間に巻き掛けられた無端ワイヤからなる減速ワイヤ17と、該減速ワイヤ17の一部を上部フレーム10に固定すべく、上部フレーム10の正面に取り付けられたブラケット18とを備える。そして、かごドア8fは、ドアハンガ12f及び該ドアハンガ12fに取り付けられた連結具38を介して減速機構の減速ワイヤ17に連結されている。
従って、駆動モータ30により駆動ベルト36が循環すると、ドアハンガ12fを介してかごドア8fがドアレール11fに沿って移動し、この際、減速ワイヤ17が循環し、これに伴い、アーム15及びドアハンガ12sを介してかごドア8sがドアレール11sに沿って且つかごドア8fの半分の速度で移動して、かごドア8f,8sが開閉される。
尚、いずれのかごドア8f,8sも、その下端にガイドシュー19が設けられている。該ガイドシュー19は、かご敷居(かご床面)20に形成された溝に嵌り込み、かごドア8f,8sの開閉に伴って、溝内をスライドするようになっている。
ここで、本実施形態に係るドア開閉装置は、上部フレーム10の正面の一端側に配置された駆動モータ30と、該駆動モータ30の駆動軸に取り付けられた駆動プーリ33と、上部フレーム10の正面の他端側に取り付けられた従動プーリ34と、駆動プーリ33及び従動プーリ34間に巻き掛けられた無端ベルトからなる駆動ベルト36とを備える。
駆動モータ30は、図4に示す如く、ブラケット39を介して上部フレーム10の正面に取り付けられている。そのため、駆動モータ30が上部フレーム10の上面に取り付けられている上記従来のドア開閉装置に比べて、かご6全体の高さ寸法を小さくできる。
また、駆動モータ30は、ハウジングが略円形に形成され、その駆動軸に駆動プーリ33が直結された、いわゆるダイレクトドライブである。従って、上記従来のドア開閉装置におけるモータプーリ31、減速プーリ32及び減速ベルト35の各構成を無くすことができ、メンテナンス性を向上するとともに、部品点数を削減して工数低減やコスト低減を図ることができる。
図4、図5(a)及び図5(b)に示す如く、上部フレーム10は、かご6の出入口7の間口方向(図17の左右方向)に沿って延びる第1垂直部10aと、第1垂直部10aから曲折されて延びる水平部10bと、水平部10bから曲折されて延びる第2垂直部10cとを備える。第1垂直部10aは、板状であり、上部フレーム10に取り付けられた駆動モータ30の駆動軸に対向するように設けられる。水平部10bは、板状であり、その基端が第1垂直部10aの先端に(直交するように)接続される。第2垂直部10cも板状であり、その基端が水平部10bの先端に(直交するように)接続される。
ブラケット39は、平板状で平面視長方形に形成されている。ブラケット39の一端部側は、水平部10bに固定され、他端部側には、駆動モータ30が取り付けられる。ブラケット39には、一端部側に係止手段としての溝部51が形成され、他端部側と中間部に適宜貫通孔48,49が形成されている。他端部側の貫通孔48にボルト31を通して、ボルト31が駆動モータ30の取り付け面30aに設けられるねじ孔に螺合されることで、駆動モータ30がブラケット39に取り付けられる。また、ブラケット39の裏面53bは、貫通孔49と水平部10bに設けられる貫通孔50とを一致させた状態で、水平部10bの表面54a上に載置される。そして、ブラケット39の中間部に設けられる貫通孔49及び水平部10bに設けられる貫通孔50に固定部材としてのボルト43を通し、ボルト43の軸部43bに固定部材としてのナット44を締めることで、ブラケット39は、固定部材43,44によって水平部10bの表面54aに取り付けられる。尚、本実施形態においては、ブラケット39の他端部側に円形状に複数の貫通孔48が形成され、ブラケット39の中間部にブラケット39の幅方向に所定間隔で、2つの貫通孔49,49が形成されている。2つの貫通孔49,49を利用して、固定部材43,44でブラケット39と上部フレーム10とが固定される。
ここで、固定部材43,44による固定を解除したときに、上部フレーム10から駆動モータ30が下方に脱落することを防止すべく、ブラケット39を上部フレーム10に係止させる係止手段がさらに設けられる。本実施形態において、係止手段は、ブラケット39に形成される所定幅及び所定長さを有する前述の溝部51と、溝部51に対応して上部フレーム10に形成される孔部52と、溝部51及び孔部52に挿通されるボルト45と、ボルト45に螺合されるナット46とを備える。
溝部51は、ブラケット39の一端部に部分的に開放状に構成される。具体的には、溝部51は、ブラケット39の長手方向に沿って長尺状に設けられ、一端部51aで閉塞されて、他端部51bで開放されている。すなわち、溝部51は、ブラケット39の長手方向に延びる平面視凹状に形成され、ブラケット39の中間部に設けられる一端部51aで閉塞され、ブラケット39の一端部側端縁47に設けられる他端部51bで開放されている。そして、溝部51は、ブラケット39の一端部に所定間隔をおいて2つ設けられ、それぞれの溝部51でボルト45の軸部45bを挿通可能に構成されている。
孔部52は、貫通孔50と第2垂直部10cとの間に設けられる。孔部52は、ブラケット39と上部フレーム10の水平部10bとが重ねられることで、上下方向で溝部51の位置に一致する。
ボルト45は、溝部51の幅よりも小さく、かつ孔部52よりも小さい径を有する軸部45bと、軸部45bの一端部に形成されるとともに溝部51の幅よりも大きく、かつ孔部52よりも大きな頭部45aとを備える。ブラケット39を上部フレーム10に取り付けるには、ブラケット39の裏面53bと上部フレーム10の表面54aとが重ねられる。そして、ブラケット39の貫通孔49と、上部フレーム10の貫通孔50とが一致している状態で、軸部45bは、ブラケット39の上方から、溝部51及び孔部52に挿通される。軸部45bが溝部51及び孔部52に挿通されると、頭部45aは、ブラケット39の表面53aを係止する。この状態で、ナット46がボルト45の軸部45bに螺合されて、締結されることで、ブラケット39が上部フレーム10の水平部10bに係止される。
そして、駆動モータ30が上部フレーム10から取り外されるときには、まず、固定部材43,44による固定が解除される。より詳しくは、固定部材としてのナット44が緩められて、ボルト43から取り外され、ボルト43がブラケット39の中間部に設けられる貫通孔49から取り外されることで、固定部材43,44による固定が解除される。この状態で、ブラケット39が、係止手段としてのボルト45とナット46とにより、上部フレーム10の水平部10bに係止されているので、ブラケット39は、係止手段により上部フレーム10に係止される。従って、ブラケット39は、上部フレーム10から脱落しない。すなわち、駆動モータ30は、固定部材43,44による上部フレーム10へのブラケット39の固定が解除された場合であっても、上部フレーム10から脱落しない。
その後、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すべく、係止手段としてのナット46が緩められる。この状態においても、駆動モータ30にかかる重力によって、ブラケット39の他端部が下方に移動し若干傾斜するが、ブラケット39の溝部51に沿う表面53aが、ボルト45の頭部45aにより係止される。また、ナット46が、上部フレーム10の水平部10bの裏面54bを係止する。従って、駆動モータ30は、上部フレーム10から脱落しない。
駆動モータ30が上部フレーム10の第1垂直部10aから離れる方向に移動させられると、ブラケット39も駆動モータ30の移動に合わせて移動させられる。そして、溝部51に対して、ボルト45の頭部45aは、相対的にブラケット39の一端部側に移動する。そして、駆動モータ30が上部フレーム10の第1垂直部10aから十分に離れる方向に移動させられると、ボルト45の軸部45bは、溝部51の他端部51bを通って溝部51から取り外される。これにより、係止手段による上部フレーム10へのブラケット39の係止が解除され、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すことができる。
以上、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、固定部材43,44によるブラケット39の固定が解除されたとしても、ブラケット39が係止手段により上部フレーム10に係止されているので、駆動モータ30が上部フレーム10から脱落することがない。また、係止手段としてのボルト45とナット46とを緩めた状態で、駆動モータ30を上部フレーム10から離れる方向に移動させるだけで、駆動モータ30を上部フレーム10から容易に取り外すことができる。従って、作業員の作業性が良く、安全に駆動モータ30を取り外すことができる。
次に、本発明に係るエレベータのドア開閉装置の第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。尚、本実施形態で登場する構成のうち、図16及び図17に示す従来技術と同じあるいは相当する構成については、同じ符号を付すものとする。また、本実施形態におけるブラケット39及び係止手段以外の構成は、第1の実施形態における構成と同じであるので、本実施形態における説明を省略する。
本実施形態におけるブラケット39は、ブラケット39の上部フレーム10に固定される側の端部が延伸され、さらに、端部が曲折されて延出されている点で第1の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態では、ブラケット39は、駆動モータ30及び固定部材43,44が取り付けられる基部39aと、基部39aから曲折されて延出される延出部39bとを備えている。
基部39aは、平板状の平面視長方形状であり、水平部10bの先端を越える位置まで延伸されている。延出部39bは、平板状であり、その基端が基部39aの先端に(直交するように)接続される。また、延出部39bの先端が、下方に向かって延出されている。これにより、ブラケット39は、側面視L字形状に形成されている。
延出部39bは、ブラケット39を上部フレーム10に固定する際の位置合わせに利用される。すなわち、ブラケット39が上部フレーム10に載置された後、延出部39bの側面53cが上部フレーム10の第2垂直部10cの側面54cに当接させられることで、上部フレーム10の正面に対する駆動モータ30の位置が合わせられる。また、延出部39bが第2垂直部10cに当接させられることで、固定部材43,44を挿通するブラケット39の貫通孔49と、上部フレーム10の貫通孔50との位置が合わせられる。これにより、ブラケット39を上部フレーム10に固定する際の作業性を良くすることができる。
また、本実施形態におけるブラケット39は、図7(a)に示すように、第1の実施形態におけるブラケット39の溝部51に代えて、ブラケット39の一端側に設けられる第1孔部55と、第1孔部55に一体に形成される第2孔部56とを備える。
第1孔部55は、基部39aにおいて、固定部材としてのボルト43が挿通される貫通孔49よりも延出部39b側に設けられる。また、第1孔部55は、基部39aの長手方向に沿って長尺状に形成される。第1孔部55は、ボルト45の軸部45bよりも大きく、かつボルト45の頭部45aよりも小さな幅Wを有する。第1孔部55は、基部39aの一端部55aで閉塞され、他端側55bで開放されている。第1孔部55は、基部39aの幅方向に所定間隔で2つ設けられる。そして、第1孔部55の他端部55bが第2孔部56に繋がることで、第1孔部55は、第2孔部56と一体に形成される。
第2孔部56は、平面視略円形状に形成され、基部39aの幅方向に所定間隔で2つ設けられる。第2孔部56は、第1孔部55の幅Wよりも大きく、かつボルト45の頭部45aよりも大きな径を有する。そして、第2孔部56は、第1孔部55の他端側55bに繋がることで、第2孔部56は、第1孔部55と一体に形成される。
ここで、本実施形態における係止手段は、ブラケット39に形成される第1孔部55及び第2孔部56と、水平部10bに設けられる孔部52と、第1孔部55及び孔部52に挿通されるボルト45と、ボルト45に螺合されるナット46とで構成される。
係止手段としてのボルト45は、第1孔部55の幅よりも小さく、且つ孔部52よりも小さい径を有する軸部45bと、軸部45bの一端部に形成されるとともに孔部52の径よりも大きな径を有する頭部45aとを備える。ブラケット39を上部フレーム10に取り付けるには、ブラケット39の裏面53bと上部フレーム10の表面54aとが重ねられる。そして、ブラケット39の貫通孔49と、上部フレーム10の貫通孔50とが一致している状態で、軸部45bは、ブラケット39の上方から、第1孔部55及び孔部52に挿通される。軸部45bが第1孔部55及び孔部52に挿通されると、頭部45aは、ブラケット39の表面53aを係止する。この状態で、ナット46がボルト45の軸部45bに螺合されて、締結されることで、ブラケット39が上部フレーム10の水平部10bに係止される。
そして、駆動モータ30が上部フレーム10から取り外されるときには、第1の実施形態と同様に、固定部材43,44による固定が解除される。この状態で、ブラケット39の基部39aが、係止手段としてのボルト45とナット46により、上部フレーム10の水平部10bに係止されているので、ブラケット39は、係止手段により上部フレーム10に係止される。従って、ブラケット39は、上部フレーム10から脱落しない。すなわち、駆動モータ30は、固定部材43,44による上部フレーム10へのブラケット39の固定が解除された場合であっても、上部フレーム10から脱落しない。
その後、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すべく、係止手段としてのナット46が緩められる。この状態においても、駆動モータ30にかかる重力によって、ブラケット39の他端部が下方に移動し若干傾斜するが、ブラケット39の第1孔部55に沿う表面53aが、ボルト45の頭部45aにより係止される。また、ナット46が、上部フレーム10の水平部10bの裏面54bを係止する。従って、駆動モータ30は、上部フレーム10から脱落しない。
駆動モータ30が上部フレーム10の第1垂直部10aに近づく方向に移動させられると、ブラケット39も駆動モータ30の移動に合わせて移動させられる。そして、第1孔部55に対して、ボルト45の頭部45aは、相対的に第2孔部56側に移動する。そして、そして、さらにブラケット39が第1垂直部10aに近づく方向に移動させられることで、ボルト45の頭部45aが第2孔部56に重なる。第2孔部56の径がボルト45の頭部45aの径よりも大きいことから、この状態でブラケット39が上方に移動させられると、ブラケット39が上部フレーム10から取り外される。このように、ブラケット39は、係止手段による上部フレーム10への係止から解除され、駆動モータ30を取り外すことができる。尚、駆動モータ30が上部フレーム10の第1垂直部10aに近づく方向に移動させられることで、駆動モータ30の駆動軸が上部フレーム10に接触し得る。そこで、上部フレーム10の第1垂直部10a及び水平部10bに、上方開放状の開口部を形成しておいてもよい。
以上、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、固定部材43,44によるブラケット39の固定が解除されたとしても、ブラケット39が、係止手段により上部フレーム10に係止されているので、駆動モータ30が上部フレーム10から脱落することがない。また、係止手段としてのボルト45とナット46を緩めた状態で、駆動モータ30を上部フレーム10に近づく方向に移動させるとともに、係止手段としての第2孔部56を介してボルト45の頭部45aからブラケット39を取り外すべく、上方に移動させるだけで、駆動モータ30を上部フレーム10から容易に取り外すことができる。従って、作業員の作業性が良く、安全に駆動モータ30を取り外すことができる。また、第2垂直部10cの側面54cに延出部39bの側面53cが当接させられることで、駆動モータ30の位置合わせをすることができる。これにより、上部フレーム10への駆動モータ30の取り付け作業における作業性を良くするとともに、上部フレーム10の正面に対する駆動モータ30の位置の精度を上げることができる。
次に、本発明に係るエレベータのドア開閉装置の第3の実施形態について図8及び9を参照して説明する。尚、本実施形態で登場する構成のうち、図16及び図17に示す従来技術と同じあるいは想到する構成については、同じ符号を付すものとする。また、本実施形態におけるブラケット39以外の構成は、第2の実施形態における構成と同じであるので、本実施形態における説明を省略する。
本実施形態におけるブラケット39は、延出部39bの先端がさらに曲折されて延出されている点で第2の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態において、ブラケット39は、駆動モータ30が取り付けられる基部39aと、基部39aから曲折されて延出される第1延出部39bと、第1延出部39bから曲折されて延出される第2延出部39cとを備えている。尚、基部39a及び第1延出部39bは、第2の実施形態における基部39a及び延出部39bと同一であるので、ここでの説明を省略する。
第2延出部39cは、平板状であり、その基端が第1延出部39bの先端に(直交するように)接続される。また、その先端が、基部39aに平行であり、基部39aへ折り返す方向に向かって延出されている。これによりブラケット39は、側面視コ字状に形成されている。
第2延出部39cは、第2の実施形態における係止手段に加えて、さらなる係止手段として利用される。すなわち、本実施形態における係止手段は、第2の実施形態における係止手段である第1係止手段と、第2延出部39cを含む第2係止手段とで構成される。第1係止手段は、第2の実施形態における係止手段と同一であるので、ここでの説明を省略する。第2係止手段は、第1延出部39bから延出される第2延出部39cと、第2延出部39cを係止する第2垂直部10cの端部54dとで構成される。
第2延出部39cは、固定部材43,44が取り外され、ナット46が緩められたときに第2係止手段として作用する。この状態において、駆動モータ30にかかる重力によって、ブラケット39の他端部が下方に移動し若干傾斜するが、第2延出部39cは、基部39aに対向する面53dで、第2係止手段としての端部54dに当接する。これにより、第2延出部39cは、第2係止部としての端部54dに係止される。従って、駆動モータ30は、上部フレーム10から脱落しない。
以上、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、固定部材43,44によるブラケット39の固定が解除されたとしても、第2係止手段により上部フレーム10に係止されているので、駆動モータ30が上部フレーム10から脱落することがない。また、係止手段としてのボルト45とナット46を緩めた状態で、駆動モータ30を上部フレーム10に近づく方向に移動させるとともに、第1係止手段としての第2孔部56を介してボルト45の頭部45aからブラケット39を取り外すべく、上方に移動させるだけで、駆動モータ30を上部フレーム10から容易に取り外すことができる。従って、作業員の作業性が良く、安全に駆動モータ30を取り外すことができる。
次に、本発明に係るエレベータのドア開閉装置の第4の実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。尚、本実施形態で登場する構成のうち、図16及び図17に示す従来技術と同じあるいは相当する構成については、同じ符号を付すものとする。また、本実施形態におけるブラケット39、係止手段、及び上部フレーム10以外の構成は、第1の実施形態における構成と同じであるので、本実施形態における説明を省略する。
本実施形態における駆動モータ30は、第1〜第3の実施形態における駆動モータ30とは異なる位置に設けられている。駆動モータ30は、上部フレーム10の水平部10bの下方側に位置するように取り付けられる。駆動モータ30の駆動軸及び駆動プーリ33の位置は、第1〜第3の実施形態における駆動軸及び駆動プーリ33の位置に一致せられる。従って、上部フレーム10の第1垂直部10aには、少なくとも駆動軸及び駆動プーリ33が上部フレーム10の第1垂直部10aを越えて、上部フレーム10の正面側に配置されるように、所定幅の開口部62が設けられる。換言すると、上部フレーム10の第1垂直部10bには、駆動モータ30が上部フレーム10を貫通して配置されるように、駆動モータ30(のハウジング)よりも大きな所定幅の開口部62が設けられる。開口部62は、駆動モータ30を上方に移動させることによって、駆動モータ30が取り外されるように、上方開放状に構成される。
ブラケット39は、開口部62内に配置されて駆動モータ30が取り付けられる基部39aと、基部39aから所定方向に延出される延出部39bとを備える。換言すると、ブラケット39は、開口部62内に配置されて駆動モータ30が取り付けられる基部39aと、基部39aの端部が曲折されて延出される延出部39bとを備える。基部39aは、平板状で平面視長方形に形成され、所定の位置に駆動モータ30を取り付けるための貫通孔48を有する。そして、この貫通孔48にボルト31が挿通されて、駆動モータ30の取り付け面30aに設けられるねじ孔に螺合されることで、駆動モータ30がブラケット39の基部39aに取り付けられる。基部39aは、上部フレーム10にブラケット39を取り付けた状態で下方に向けられる。
延出部39bは、平板状であり、その基端が基部39aの先端に(直交するように)接続される。また、その先端が、上方フレーム10の水平部10bに平行で、従動プーリ34の方向に向かって延出されている。これにより、ブラケット39は、側面視L字形状に形成されている。
図11に示すように、延出部39bには、第1の実施形態におけるブラケット39と同様に、貫通孔49と、溝部51とが形成されている。ここで、貫通孔49は、第1の実施形態における貫通孔49と同一であるので、本実施形態における説明を省略する。
溝部51は、延出部39bの延出方向Xに沿って長尺状に設けられ、一端部51aで閉塞されて、他端部51bで開放されている。すなわち、溝部51は、延出部39bの延出方向に延びる平面視凹状に形成され、延出部39bの中間部に設けられる一端部51aで閉塞され、延出部39bの先端側端縁47に設けられる他端部51bで開放されている。従って、溝部51は、部分的に開放状に構成される。そして、溝部51は、ブラケット39の一端部に所定間隔をおいて2つ設けられ、それぞれの溝部51でボルト45の軸部45bを挿通可能に構成されている。
ブラケット39を上部フレーム10に取り付けるために、延出部39bの裏面53cは、貫通孔49と水平部10bに設けられる貫通孔50を一致させた状態で、水平部10bの表面54aに載置される。そして、貫通孔49,50に固定部材としてのボルト43を通し、ボルト43の軸部43bに固定部材としてのナットを締めて、締結することで、ブラケット39は、固定部材43,44によって水平部10bの表面54aに取り付けられる。そして、本実施形態における係止手段は、前述の溝部51と、溝部51に対応して上部フレーム10に形成される孔部52と、溝部51及び孔部52に挿通されるボルト45と、ボルト45に螺合されるナット46とを備える。
駆動モータ30が上部フレーム10から取り外されるときには、第1の実施形態と同様に、固定部材43,44による固定が解除される。この状態で、ブラケット39の延出部39bが、係止手段としてのボルト45とナット46とにより、上部フレーム10の水平部10bに係止されているので、ブラケット39は、係止手段により上部フレーム10に係止される。従って、ブラケット39は、上部フレーム10から脱落しない。すなわち、駆動モータ30は、固定部材43,44によるブラケット39の上部フレーム10への固定が解除された場合であっても、上部フレーム10から脱落しない。
その後、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すべく、係止手段としてのナット46が緩められる。この状態においても、駆動モータ30にかかる重力によって、ブラケット39の基部39aの他端側が下方に移動し若干傾斜するが、ブラケット39の溝部51に沿う表面53aが、ボルト45の頭部45aにより係止される。また、ナット46が上部フレーム10の水平部10bの裏面54bを係止する。従って、駆動モータ30は、上部フレーム10から脱落しない。
駆動モータ30が従動プーリ34から離れる方向に移動させられると、ブラケット39も駆動モータ30の移動に合わせて移動させられる。そして、溝部51に対して、ボルト45の頭部45aは、相対的に延出部39bの先端側に移動する。そして、駆動モータ30が駆動プーリ34から十分に離れる方向に移動させられると、ボルト45の軸部45bは、溝部51の他端部51bを通って取り外される。これにより、係止手段による上部フレーム10へのブラケット39の係止が解除され、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すことができる。
以上、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、第1の実施形態と同様に、固定部材43,44による固定が解除されたとしても、ブラケット39が係止手段により上部フレーム10に係止されているので、駆動モータ30が上部フレーム10から脱落することがない。また、係止手段としてのボルト45とナット46とを緩めた状態で、駆動モータ30を従動プーリ34から離れる方向に移動させるだけで、駆動モータ30を上部フレーム10から容易に取り外すことができる。従って、作業員の作業性が良く、安全に駆動モータ30を取り外すことができる。
次に、本発明に係るエレベータのドア開閉装置の第5の実施形態について、図12を参照して説明する。尚、本実施形態で登場する構成のうち、図16及び図17に示す従来技術と同じあるいは相当する構成については、同じ符号を付すものとする。また、本実施形態におけるブラケット39以外の構成は、第4の実施形態における構成と同じであるので、本実施形態における説明を省略する。
本実施形態におけるブラケット39では、第4の実施形態に比べて、溝部51の一端部51aから他端部51bに向かう方向及び貫通孔49の位置が異なっている。本実施形態において、貫通孔49は、延出部39bの延出方向Xに所定間隔で2つ設けられる。
すなわち、溝部51は、延出部39bが基部39aから延出する所定の延出方向に交差する方向に沿って形成される。より具体的には、溝部51は、延出部39bが基部39aから延出する所定の延出する方向に直交する方向を含め、ほぼ直交する方向に沿って形成される。図12(a)に示すように、溝部51は、延出部39bの幅方向Y端部に部分的に開放状に構成される。具体的には、溝部51は、延出部39bの幅方向Yに沿って長尺状に設けられ、一端部51aで閉塞されて、他端部51bで開放されている。すなわち、溝部51は、延出部39bの幅方向Yに延びる平面視凹状に形成され、延出部39bの中間部に設けられる一端部51aで閉塞され、延出部39bの幅方向端縁47に設けられる他端部51bで開放されている。そして、溝部51は、延出部39bの幅方向Yに所定間隔をおいて2つ設けられ、それぞれの溝部51でボルト45の軸部45bを挿通可能に構成されている。本実施形態において、ブラケット39が上部フレーム10に取り付けられると、一端部51a及び他端部51bのそれぞれは、乗場3側及びかご6側に位置する。
駆動モータ30が上部フレーム10から取り外されるときには、第4の実施形態と同様に、固定部材43,44による固定が解除される。この状態で、ブラケット39の延出部39bが係止手段としてのボルト45及びナット46により、上部フレーム10の水平部10bに係止されているので、ブラケット39は、係止手段により上部フレーム10に係止される。従って、ブラケット39は、上部フレーム10から脱落しない。すなわち、駆動モータ30は、固定部材43,44によるブラケット39の上部フレーム10への固定が解除された場合であっても、上部フレーム10から脱落しない。
その後、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すべく、係止手段としてのナット46が緩められる。この状態においても、駆動モータ30にかかる重力によって、ブラケット39の基部39aが下方に移動し若干傾斜するが、ブラケット39の溝部51に沿う表面53aが、ボルト45の頭部45aにより係止される。また、ナット46が上部フレーム10の水平部10bの裏面54bを係止する。従って、駆動モータ30は、上部フレーム10から脱落しない。
駆動モータ30が溝部51の他端側51b方向(すなわち、乗場3方向)に移動させられると、ブラケット39も駆動モータ30の移動に合わせて移動させられる。そして、溝部51に対して、ボルト45の頭部45aは、相対的に溝部51の開口部51b側に移動する。そして、駆動モータ30が溝部51の他端側51b方向に十分に移動させられると、ボルト45の軸部45bは、溝部51の他端部51bを通って取り外される。これにより、係止手段による上部フレーム10へのブラケット39の係止が解除され、駆動モータ30をブラケット39から取り外すことができる。
以上、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、第4の実施形態と同様に、固定部材43,44による固定が解除されたとしても、ブラケット39が係止手段により上部フレーム10に係止されているので、駆動モータ30が上部フレーム10から脱落することがない。また、係止手段としてのボルト45とナット46とを緩めた状態で、駆動モータ30を乗場3側へ移動させるだけで、駆動モータ30を上部フレーム10から容易に取り外すことができる。従って、作業員の作業性が良く、安全に駆動モータ30を取り外すことができる。
また、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、駆動モータ30の取り外しにおいて、一旦、駆動モータ30が乗場3側へ移動する。そして、駆動モータ30が開口部62から上部フレーム10の上方向に取り外されるので、駆動モータ30と開口部62の縁部との接触を抑えることができる。従って、第4の実施形態に係るドア開閉装置に対してさらに作業性を良くすることができる。
次に、本発明に係るエレベータのドア開閉装置の第6の実施形態について、図13(a)及び図13(b)を参照して説明する。尚、本実施形態で登場する構成のうち、図16及び図17に示す従来技術と同じあるいは相当する構成については、同じ符号を付すものとする。また、本実施形態におけるブラケット39及び開口部62以外の構成は、第4の実施形態における構成と同じであるので、本実施形態における説明を省略する。
開口部62は、駆動モータ30を上方に移動させることによって、上部フレーム10から駆動モータ30を取り外し可能なように、上方開放状に構成される。従って、開口部62の幅W1は、駆動モータ30のハウジングの幅W2よりも長くなっている。
ブラケット39は、平板状で平面視長方形に形成され、所定の位置に駆動モータ30を取り付けるための複数の貫通孔48を有する。そして、この貫通孔48にボルト31が挿通されて、駆動モータ30の取り付け面30aに設けられるねじ孔に螺合されることで、駆動モータ30がブラケット39の長手方向中央部に取り付けられる。そして、ブラケット39は、開口部62の幅よりも長く形成されている。従って、駆動モータ30が上部フレーム10に取り付けられる際には、駆動モータ30が開口部62内に配置されるとともに、ブラケット39の両端部の裏面53bが、上部フレーム10の水平部10bの表面54aに載置される。
ブラケット39の両端部には、それぞれ固定部材としてのボルト43を挿通する貫通孔49が設けられる。そして、この貫通孔49と、上部フレーム10の水平部10bにも設けられる貫通孔50にボルト43が挿通され、ボルト43の軸部43bがナット44で締められることで、駆動モータ30は、上部フレーム10に固定される。
ここで、本実施形態における係止手段は、ブラケット39の両端部の裏面53bと、上部フレーム10の水平部10bの表面54aのうち、ブラケット39の両端部が当接される当接部54eとで構成される。当接部54eは、本実施形態において、面状に形成されて、当接面54eとして構成される。尚、本実施形態においては、第1〜第5の実施形態のように、係止手段としてのボルト45及びナット46を利用しない。
駆動モータ30が上部フレーム10から取り外されるときには、第1の実施形態と同様に、固定部材43,44による固定が解除される。この状態で、係止手段としてのブラケット39の裏面53bは、同じく係止手段としての上部フレーム10の当接面54e上に載置されている状態で係止される。そのため、ブラケット39は上部フレーム10から脱落しない。すなわち、駆動モータ30は上部フレーム10から脱落しない。
その後、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すべく、駆動モータ30が上方に移動させられると、ブラケット39も駆動モータ30の移動にあわせて移動させられる。そして、ブラケット39の裏面53bが上部フレーム10の当接面53eから離脱する。これにより、係止手段による上部フレーム10へのブラケット39の係止が解除され、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すことができる。
以上、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、第1の実施形態と同様に、固定部材43,44による固定が解除されたとしても、ブラケット39が係止手段により上部フレーム10に係止されているので、駆動モータ30が上部フレーム10から脱落することがない。また、駆動モータ30を上部フレーム10の水平部10bから上方に移動させるだけで、駆動モータ30を上部フレーム10から容易に取り外すことができる。従って、作業員の作業性が良く、安全に駆動モータ30を取り外すことができる。また、係止手段としてボルト45及びナット46を用いる必要がないので、部品点数を少なくして部品コストを削減できるとともに、作業効率を高めることができる。
次に、本発明に係るエレベータのドア開閉装置の第7の実施形態について、図14及び図15(a)〜(c)を参照して説明する。尚、本実施形態で登場する構成のうち、図16及び図17に示す従来技術と同じあるいは相当する構成については、同じ符号を付すものとする。また、本実施形態におけるブラケット39及び支持部材63以外の構成は、第2の実施形態における構成と同じであるので、本実施形態における説明を省略する。
本実施形態における上部フレーム10には、ブラケット39を支持するための支持部材63が取り付けられる。支持部材63は、上部フレーム10に固定される支持部材63の基部63aと、支持部材63の基部63aから曲折されて延出される支持部材63の延出部63bとを備える。支持部材63の基部63aは、平板状であり平面視長方形に形成される。基部63aには、ボルト58及びナット59を利用して上部フレーム10の水平部10bの表面54aに固定するための複数の貫通孔60が適宜設けられている。そこで、これらの貫通孔60にボルト58を通して、上部フレーム10の水平部10bにも設けられている貫通孔61にボルト58の軸部58bをさらに通し、軸部58bにナット59を螺合することで、支持部材63は、上部フレーム10の水平部10bの表面54aに取り付けられる。
図15に示すように、支持部材63の延出部63bも平板状で平面視長方形に形成される。延出部63bは、その基端が支持部材63の基部63aの先端に(直交するように)接続される。また、支持部材63の延出部63bの先端が、上方に向かって延出されている。これにより、支持部材63は、側面視L字形状に形成されている。そして、支持部材63の延出部63bには、部分的に開放される溝部51が形成されている。
溝部51は、支持部材63の延出部63bの延出方向に沿って長尺状に設けられ、一端部51aで閉塞されて、他端部51bで開放されている。すなわち、溝部51は、支持部材63の延出部63bの延出方向に延びる平面視凹状に形成され、支持部材63の延出部63bの中間部に設けられる一端部51aで閉塞され、延出部63bの先端側端縁47に設けられる他端部51bで開放されている。従って、溝部51は、部分的に開放状に構成される。そして、溝部51は、支持部材63の延出部63bの先端側端部に所定間隔をおいて2つ設けられ、それぞれの溝部51でボルト45の軸部45bを挿通可能に構成されている。
本実施形態におけるブラケット39は、駆動モータ30が取り付けられるブラケット39の基部39aとブラケット39の基部39aから曲折されて延出されるブラケット39の延出部39bとを備える。ブラケット39の基部39aは、平板状であり、駆動モータ30を取り付けるための複数の貫通孔48が適宜設けられている。そこで、これらの貫通孔48にボルト31を通して、駆動モータ30のブラケット39への取り付け面30aに形成されるねじ孔に螺合されることで、駆動モータ30はブラケット39の基部39aに取り付けられる。
ブラケット39の延出部39bも平板状であり、その基端がブラケット39の基部39aの先端に(直交するように)接続される。また、ブラケット39の延出部39bの先端が、上方に向かって延出されている。これにより、ブラケット39は、側面視L字形状に形成されている。そして、ブラケット39の延出部39bには、支持部材63の延出部63bに形成される溝部51に対応して形成される孔部64が設けられている。ここで、ボルト43は、溝部51の幅よりも小さく、かつ孔部64よりも小さな径を有する軸部43bと、軸部43bの一端部に形成されるとともに溝部51の幅よりも大きく、かつ孔部64よりも大きな頭部43aとを備える。そこで、ブラケット39の延出部39bの側面53cと支持部材63の延出部63bの側面57dとが重ね合わされた後、孔部64と溝部51とにボルト43の軸部43bを挿通して、軸部43bにナット44を螺合し、締結することで、ブラケット39が固定部材43,44により支持部材63に固定される。すなわち、駆動モータ30が上部フレーム10に固定される。
本実施形態において、係止手段は、固定部材でもあるボルト43及びナット44と、支持部材63の延出部63bに形成される溝部51の一端部51aと、ブラケット39の延出部39bに形成される孔部64とで構成される。駆動モータ30を上部フレーム10から取り外す際には、ボルト43に取り付けられたナット44を緩めることで、固定部材43,44による固定が解除される。ここで、ナット44は、ボルト43から脱落しない程度に緩められる。すると、駆動モータ30及びブラケット39の重さにより、ブラケット39は、固定位置から下方に移動する。そして、固定部材としてのボルト43の軸部43bが、支持部材63の延出部63bに形成される溝部51の一端部51aに当接する。この状態において、ボルト43及びナット44は、支持部材63の延出部63bに形成されている溝部51の一端部51aと、ブラケット39の延出部39bに形成されている孔部64とを係止する。そのため、ブラケット39は支持部材63から脱落しない。すなわち、駆動モータ30は、上部フレーム10から脱落しない。
その後、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すべく、駆動モータ30が上方に持ち上げられると、ブラケット39も駆動モータ30の移動に合わせて移動させられる。そして、溝部51に対して、ボルト43の軸部43bは、相対的に溝部51の他端部51b側に移動する。そして、駆動モータ30が上方に十分に移動させられると、ボルト43の軸部43bは、溝部51の他端部51bを通って取り外される。これにより、係止手段による支持部材63へのブラケット39の係止が解除され、駆動モータ30を上部フレーム10から取り外すことができる。
以上、本実施形態に係るドア開閉装置によれば、固定部材43,44が緩められて、固定が解除されたとしても、ブラケット39が係止手段により上部フレーム10に係止されているので、駆動モータ30が上部フレーム10から脱落することがない。また、固定部材としてのボルト43とナット44とを緩めた状態で、駆動モータ30を上部フレーム10から上方向に移動させるだけで、駆動モータ30を上部フレーム10から容易に取り外すことができる。従って、作業員の作業性が良く、安全に駆動モータ30を取り外すことができる。
尚、本発明に係るエレベータのドア開閉装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、固定手段43,44としてボルト43及びナット44で説明し、係止手段としてもボルト45及びナット46を用いる場合で説明したが、上部フレーム10の貫通孔50,51をねじ孔にすることで、ボルト43,45をねじ締めする構成にしてもよい。これにより、上部フレーム10の貫通孔50,51の周囲にナット44,46の寸法に合わせたスペースを確保できない場合であっても、上部フレーム10とブラケット39とを固定及び係止することができる。