JPH096022A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH096022A
JPH096022A JP14758495A JP14758495A JPH096022A JP H096022 A JPH096022 A JP H096022A JP 14758495 A JP14758495 A JP 14758495A JP 14758495 A JP14758495 A JP 14758495A JP H096022 A JPH096022 A JP H096022A
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bis
hydroxyphenyl
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Noriyoshi Ogawa
典慶 小川
Jun Tajima
純 田島
Toshiaki Takada
聡明 高田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 帯電特性や耐摩耗性を向上させた電子写真感
光体を提供する。 【構成】 導電性基体上に、感光層を有する電子写真感
光体において、感光層のバインダー樹脂として、下記一
般式(A)または一般式(A)および下記一般式(B)
で表される構造単位を有し、一般式(A)の構造単位が
全構成単位中5〜100mol%であり、かつ極限粘度が0.30
〜2.0dl/gであるポリカーボネートからなる樹脂を含有
する。 (式中、R〜Rは水素原子、フッ素、または炭素数
1〜5のアルキル基、炭素数7〜17のアラルキル基な
どであり、Yは下記に示される基などを示す。 ここにR、R10は水素、炭素数1〜5のアルキル
基、アルコキシ基などを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関す
る。更に詳しくは、特定のポリカーボネートをバインダ
ー樹脂として使用した電子写真感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、電子写真技術は、その高速性、高
画質である事等により、複写機、レーザープリンター、
ファクシミリ等に広く応用されている。この電子写真技
術における電子写真感光体としては、従来は、セレン、
セレン/テルル合金、セレン/砒素合金、硫化カドミウ
ム等の無機系光導電性物質が主に用いられてきた。しか
し、毒性、安全性、価格、生産性、等の点から、最近で
は、有機系光導電性物質を使用した電子写真感光体が開
発されている。
【0003】有機系光導電性物質が低分子物質の場合、
バインダー樹脂と混合して塗膜を形成することが通常行
われている。バインダー樹脂としてはポリメチルメタク
リレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重
合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエス
テル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂等の各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性
樹脂が用いられてきている。これら種々の樹脂のうち、
ポリカーボネート樹脂が比較的優れた特性を有している
ことから広く利用されており、バインダー樹脂として各
種のポリカーボネート樹脂を用いる事が報告されてい
る。例えば特開昭60−172044にはビスフェノー
ルZから誘導されるポリカーボネート樹脂が、特開昭6
3−170647にはビスフェノールAから誘導される
ポリカーボネート樹脂が、特開昭63−148263に
はジメチルビスフェノールAから誘導されるポリカーボ
ネート樹脂が、特開平4−44048にはビスフェノー
ルAPから誘導されるポリカーボネート樹脂が、それぞ
れバインダー樹脂として使用する事が開示されている。
また、インダン構造を有する特定のポリカーボネートは
耐熱性や耐加水分解性にに優れていることが特開昭52
−123490に開示されている。
【0004】これらの公知の有機系光導電性物質(OP
C)と各種バインダー樹脂とを使用する電子写真感光体
(OPC感光体)においては、感度等の点では無機系光
導電性物質を使用した電子写真感光体に匹敵するものが
得られている。これらOPC感光体は、キャスト製膜法
により容易に薄膜とすることが可能であって大量生産に
向いており、価格も比較的安価である。OPC感光体は
このように優れた面がある反面、残留電位上昇などの帯
電特性問題や耐摩耗性などの問題があり、改善が要求さ
れていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、OPC感
光体における上記したような問題点を解決すべく鋭意検
討を重ねた結果、特定ポリカーボネート樹脂をバインダ
ーとして用いた電子写真感光体は、耐摩耗性と良帯電特
性とを兼ね備えた良質の電子写真感光体となることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、導電性基体上に感光
層を有する電子写真感光体において、該感光層のバイン
ダー樹脂として、下記一般式(A)または、一般式
(A)および下記一般式(B)で表される構造単位を有
し、一般式(A)の構造単位が全構成単位中5〜100mol
%で、かつ極限粘度が0.30〜2.0dl/g であるポリカーボ
ネートからなる樹脂を含有する電子写真感光体に関す
る。
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 〜R4 は水素原子、フッ素、
塩素、臭素原子、またはそれぞれ置換基を有してもよい
炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール
基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、これ
らの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5の
アルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアル
コキシ基、フッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原
子またはジメチルポリシロキシ基である。)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素、またはそれぞれ置換基を有
してもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜1
2のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数
1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基
であり、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭
素数1〜5のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数
1〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素か
ら選ばれるハロゲンまたはジメチルポリシロキシ基を示
す。Yは下記に示される基を示す。
【0011】
【化6】
【0012】ここにR9 、R10はそれぞれ、水素、各々
置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、アル
コキシ基又は炭素数6〜12アリール基を表すか、R9
及びR 10が結合して、炭素環または複素環を形成する基
を表し、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭
素数1〜5のアルキル基またはアルケニル基、炭素数1
〜5のアルコキシ基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
から選ばれるハロゲンである。a は0〜20の整数、b
およびc は1〜100の整数を表す。)
【0013】本発明の電子写真感光体は導電性支持体上
に単一層の光導電層を有するものでも、機能分離した積
層型のものでも良い。最近は、露光により電荷を発生す
る電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層との二層か
らなる積層型の電子写真感光体が主流となっている。
又、必要に応じて下引き層、保護層、接着層等を設けて
も良い。
【0014】本発明の導電性支持体とは、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、ニッケル等の金属材料や、又、表面
にアルミニウム、パラジウム、酸化スズ、酸化インジウ
ム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、フェノ
ール樹脂、紙等が使用される。
【0015】本発明の電荷発生層は公知の方法により、
導電性支持体上に形成される。電荷発生物質としては、
例えば、アゾキシベンゼン系、ジスアゾ系、トリスアゾ
系、ベンズイミダゾール系、多環式キノリン系、インジ
ゴイド系、キナクリドン系、フタロシアニン系、ペリレ
ン系、メチン系等の有機顔料が使用できる。これらの電
荷発生物質は、その微粒子をポリビニルブチラール樹
脂、ポリビニルホルマール樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、各種セ
ルロース等のバインダー樹脂に分散させた形で使用され
る。
【0016】本発明の電荷輸送層は、電荷発生層上に公
知の方法により、本発明のポリカーボネート樹脂をバイ
ンダー樹脂として、電荷輸送物質を分散させる事により
形成される。電荷輸送物質としては、例えば、ポリテト
ラシアノエチレン;2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン等のフルオレノン系化合物;ジニトロアントラ
セン等のニトロ化合物;無水コハク酸;無水マレイン
酸;ジブロモ無水マレイン酸;トリフェニルメタン系化
合物;2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系
化合物;9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラ
セン等のスチリル系化合物;ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール等のカルバゾール系化合物;1−フェニル−3−
(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾ
リン系化合物;4,4’,4”−トリス(N,N−ジフ
ェニルアミノ)トリフェニルアミン等のアミン誘導体;
1、1ービス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエン等の共役不飽和化合
物;4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合
物;インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソ
オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジア
ゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系
化合物、ピラゾリン系化合物、トリアゾール系化合物等
の含窒素環式化合物;縮合多環式化合物等が挙げられ
る。上記電荷輸送物質は単独で使用しても、複数種併用
しても良い。
【0017】本発明のポリカーボネートは、ビスフェノ
ールAと炭酸エステル形成化合物からポリカーボネート
を製造する際に用いられている公知の方法、例えば二価
フェノールとホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あ
るいは二価フェノールとビスアリールカーボネートとの
エステル交換反応(エステル交換法)などの方法を採用
することができる。
【0018】ホスゲン法とエステル交換法では、一般式
(A)構造を誘導するインダン構造含有二価フェノール
の反応性を考慮した場合、ホスゲン法の方が好ましい。
また、期待される物性を有するには、一般式(A)の構
造単位が全構成単位中5〜100mol%が好ましく、さらに
は溶媒溶解性を考慮すると20〜100mol% がより好まし
い。
【0019】本発明中にのポリカーボネートの製造に使
用される一般式(B)を誘導する二価フェノールとして
は、具体的にはビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エー
テル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ−ル
A;BPA )、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ ;BPZ )、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ク
ロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)フルオレン、4,4' − [1,4−
フェニレンビス(1−メチルエチリデン)] ビスフェノ
ール、4,4’− [1,4−フェニレンビス(1−メチ
ルエチリデン)] ビス(2−メチルフェノール)、4,
4’− [1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)] ビスフェノール、α, ω- ビス[2−(p−ヒド
ロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、ま
たはα, ω- ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プ
ロピル]ポリジメチルシロキサンなどが例示され、これ
らは、2種類以上併用して用いてもよい。
【0020】これらの中でも特に2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1- フェニルエタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルファイド、α, ω- ビス[2
−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシ
ロキサン、またはα, ω- ビス[3−(o−ヒドロキシ
フェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンから選ば
れることが好ましい。
【0021】一方、炭酸エステル形成性化合物として
は、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−
p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボ
ネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフ
チルカーボネートなどのビスアリルカーボネートが挙げ
られる。これらの化合物は2種類以上併用して使用する
ことも可能である。
【0022】前記一般式(A)で表される構造単位を誘
導するインダン含有二価フェノールは、具体的には、下
記に示される化合物が例示される。
【0023】
【化7】
【0024】上記二価フェノールを2種類以上併用して
使用することも可能である。また特に、1,1,3−ト
リメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダン
−5−オール、または1,1,3、4,6−ペンタメチ
ル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−インダン−5−オールが反応性の面から好まし
い。
【0025】ホスゲン法においては、通常酸結合剤およ
び溶媒の存在下において、前記二価フェノールとホスゲ
ンを反応させる。酸結合剤としては、例えばピリジン
や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒としては、例
えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、キ
シレンなどが用いられる。
【0026】さらに、縮重合反応を促進するために、ト
リエチルアミンのような第三級アミンまたは第四級アン
モニウム塩などの触媒が使用される。また重合度を調節
には、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p-クミ
ルフェノール、長鎖アルキル置換フェノール等の一官能
性化合物が分子量調節剤として使用し得る。また、所望
に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの
酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノー
ルなど分岐化剤を小量添加してもよい。反応は通常0〜
150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするのが適当
である。反応時間は反応温度によって左右されるが、通
常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間であ
る。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持する
ことが望ましい。
【0027】一方、エステル交換法においては、前記二
価フェノールとビスアリールカーボネートとを混合し、
減圧下で高温において反応させる。反応は通常150〜
350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度に
おいて行われ、また減圧度は最終で好ましくは1mmHg以
下にして、エステル交換反応により生成した該ビスアリ
ールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留
去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左
右されるが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素や
アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好まし
く。また、所望に応じ、酸化防止剤や分岐化剤を添加し
て反応を行ってもよい。
【0028】これらの反応で合成されたポリカーボネー
トは、湿式成形で容易に膜成形可能である。湿式成形で
成形された電子写真感光体が十分な膜強度を得るために
は極限粘度が0.30〜2.0dl/g であることが好ましく、さ
らに成膜性を重視した場合、0.3 〜1.5dl/g であること
が好ましい。
【0029】電荷発生層及び電荷輸送層は、上記の電荷
発生物質、又は、電荷輸送物質を、それぞれバインダー
樹脂と、適当な溶媒に溶解させ、その溶液を浸漬塗布法
やスプレー法等により塗布し、乾燥させる事により形成
できる。この溶媒としては、ハロゲン系有機溶媒と非ハ
ロゲン系溶媒の2種類に大別できるが、一般的には可燃
性が低いハロゲン系溶媒が多用されるが、近年は特に安
全性や環境保全の観点から、非ハロゲン系溶媒が使用さ
れる割合が大きくなってきている。本発明で用いられる
ポリカーボネートは多くの非ハロゲン系溶媒に対する溶
解性も良好である。
【0030】非ハロゲン系溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジ
エチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸
エチル、エチルセロソルブ等のエステル系溶媒、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系
溶媒、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジエチルホルムアミド等が挙げられる。またハロ
ゲン系溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素、塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロロ
ベンゼン等が挙げられ、これらの溶媒は非ハロゲン、ハ
ロゲンを問わず単独で使用しても良く、又は、2種以上
を併用し混合用溶媒として使用しても良い。
【0031】電荷発生物質とバインダー樹脂の混合比
は、10:1〜1:20の範囲内が好ましい。この電荷
発生層の厚さは、0.01〜20μm、好ましくは0.
1〜2μmが好適である。
【0032】電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合比
は、10:1〜1:10の範囲内が好ましい。この電荷
輸送層の厚さは、2〜100μm、好ましくは5〜30
μmが好適である。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって具体的に説
明する。
【0034】合成例1 水酸化ナトリウム500gを水6lに溶解し、15℃に
保ちながら、、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(以下「BPZ」と記す)536
g、 1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−インダン−5−オール(以下「ID1」と
記す)536g、ハイドロサルファイト1g、を溶解し
た。これにメチレンクロライド5lを加えて攪拌しつ
つ、p−t−ブチルフェノール(以下「PTBP」と記
す)17gを加え、ついでホスゲン480gを60分で
吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、激しく攪拌して
反応液を乳化させ、乳化後、1gのトリエチルアミンを
加え約1時間攪拌を続け重合させた。重合液を水相と有
機相に分離し、有機相を硫酸で中和した後、洗液のPH
が中性となるまで水洗を繰り返した後、イソプロパノー
ルを35l加えて、重合物を沈澱させた。沈澱物を濾過
し、その後乾燥する事により粉末状のポリカーボネート
を得た(以下「P−1」と記す)。このポリカーボネー
トの極限粘度は0.49dl/g(20℃,ジクロロメタン
溶液)である。
【0035】合成例2 BPZのかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)プロパン(以下「BPC」と記す)
512gに変更した以外は、合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−
2」と記す)の極限粘度は0.47dl/gである。
【0036】合成例3 BPZのかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(以下「BPA」と記す)456gに変
更した以外は、合成例1と同様に行った。得られた粉末
状のポリカーボネート樹脂(以下「P−3」と記す)の
極限粘度は0.50dl/gである。
【0037】合成例4 BPZを857g、ID1の代わりに1,1,3,4,
6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−インダン−5−オール(以下「ID
2」)を259gに変更した以外は合成例1と同様に行
った。得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下
「P−4」と記す)の極限粘度は0.43dl/gである。
【0038】合成例5 BPZを用いず、ID1のみ1072g用いた以外は合
成例1と同様に行った。 得られた粉末状のポリカーボ
ネート樹脂(以下「P−5」と記す)の極限粘度は0.
53dl/gである。
【0039】合成例6 PTBPを5gに変更した以外は合成例1と同様に行っ
た。得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P
−6」と記す)の極限粘度は1.15dl/gである。
【0040】合成例7 PTBPを30gに変更した以外は合成例1と同様に行
った。得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下
「P−7」と記す)の極限粘度は0.31dl/gである。
【0041】合成例8 BPZの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)エー
テル(以下「DHPE」と記す)404gを用いた以外
は合成例1と同様に行った。得られた粉末状のポリカー
ボネート樹脂(以下「P−8」と記す)の極限粘度は
0.44dl/gである。
【0042】実施例1 アルミニウムを厚さ約50nm蒸着したポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に、τ型銅フタロシアニン10
部とフェノキシ樹脂5部、ポリビニルブチラール樹脂5
部、ジメトキシエタン100部とを混合し、サンドグラ
インドミルにて粉砕分散処理を行った塗布液を用いて塗
布し、乾燥し、厚さ約0.5μmの電荷発生層を設け
た。次に、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアル
デヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンを50部、合成
例−1により得られたポリカーボネート樹脂P−1を5
0部、テトラヒドロフランを350部、使用した塗布液
を作製し、上記電荷発生層上に塗布し、風乾後100
℃、8時間乾燥し、厚さ約20μmの電荷輸送層を設け
て、積層型電子写真感光体を作製した。この電子写真感
光体の評価を、株式会社川口電気製作所製EPA−81
00静電気帯電試験装置にて、帯電特性を調べた。また
耐摩耗性については、スガ試験機株式会社製テーバ摩耗
試験機を用いて削れ量を測定した。
【0043】実施例2〜8 P−1のポリカーボネートの代わりにP−2〜P−8の
ポリカーボネートを用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0044】比較例1〜2 P−1のポリカーボネートの代わりに市販のBPA型ポ
リカーボネート(三菱ガス化学(株) 製ユーピロンS-20
00)、BPZ型ポリカーボネート(三菱ガス化学 (株)
製ユーピロンPCZ)を用いた以外は実施例1と同様に
行った。
【0045】実施例および比較例の結果を表1に示し
た。 (以下空白)
【0046】
【表1】
【0047】なお、表1の記載は下記によった。 ID1 :1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−インダン−5−オール ID2 :1,1,3,4,6−ペンタメチル−3−(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−インダン−
5−オール BPZ :1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン BPC :2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン BPA :2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン DHPE:ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル
【0048】極限粘度:20℃、0.5%ジクロロメタ
ン溶液にて測定。
【0049】初期電位:DC帯電器にて50μA電流が流
入するよう調整したときの初期帯電量(-V)
【0050】残留電位:露光(除電10Lux )後、4秒後
の残留電位(-V)。
【0051】摩耗量 :荷重300g、CS-17 輪、トルエン
雰囲気、1000回往復運動後のテーバ摩耗試験を行っ
た際の摩耗量(mg)
【0052】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、インダン構
造を有するポリカーボネートをバインダー樹脂として使
用することにより、電子写真感光体の残留電位上昇を抑
え、耐摩耗性も向上する。そのため電子写真画像の安定
化や感光体寿命延長効果が期待される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に、感光層を有する電子写真
    感光体において、該感光層のバインダー樹脂として、下
    記一般式(A)または、一般式(A)および下記一般式
    (B)で表される構造単位を有し、一般式(A)の構造
    単位が全構成単位中5〜100mol%であり、かつ極限粘度
    が0.30〜2.0dl/g であるポリカーボネートからなる樹脂
    を含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1 〜R4 は水素原子、フッ素、塩素、臭素原
    子、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜
    5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数
    2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、
    炭素数7〜17のアラルキル基であり、これらの基の炭
    素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基
    あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、
    フッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子、または
    ジメチルポリシロキシ基である。) 【化2】 (式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、
    臭素、ヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、
    炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール
    基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアル
    コキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、これ
    らの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5の
    アルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアル
    コキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハ
    ロゲンまたはジメチルポリシロキシ基を示す。Yは下記
    に示される基を示す。 【化3】 ここにR9 、R10はそれぞれ、水素、各々置換基を有し
    てもよい炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基また
    は炭素数6〜12アリール基を表すか、R9 及びR10
    結合して、炭素環または複素環を形成する基を表し、こ
    れらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5
    のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のア
    ルコキシ基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ば
    れるハロゲンである。a は0〜20の整数、b およびc
    は1〜100の整数を表す。)
  2. 【請求項2】一般式(A)の構造単位が全構成単位中20
    〜100mol%である請求項1の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】一般式(A)の構造単位が、1,1,3−
    トリメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダ
    ン−5−オール、または1,1,3、4,6−ペンタメ
    チル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
    ル)−インダン−5−オールから誘導された請求項1の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】一般式(B)の構造単位が2,2-ビス(4−
    ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロ
    キシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒ
    ドロキシ−3-メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス
    (4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビ
    ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒ
    ドロキシフェニル)スルフィド、α, ω- ビス[2−
    (p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロ
    キサン、またはα, ω- ビス[3−(o−ヒドロキシフ
    ェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンよりなる群
    より誘導された請求項1の電子写真感光体。
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