JPH06329375A - かごドア駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高層建物における昇降路を昇降す
るエレベータの乗りごのドアを開閉するかごドア駆動装
置に係り、構成部品を低減して装置全体を軽量化し、駆
動ベルトの弛みによる滑りを解消して動力の伝達効率の
向上を図るものである。 【構成】 本発明は、エレベータにおける乗りかご１の
開閉ドア５、６において、上記乗りかごにリニアモータ
２０の一次コイル２３を設け、この一次コイルにリニア
モータ２０の二次導体を兼ねたリアクションロッド２５
を軸方向へ往復摺動可能に嵌装し、このリアクションロ
ッド２５の両端部に無端伝動ロープ１０を上記開閉ドア
を開閉可能に連結して設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高層建物における昇降
路を昇降するエレベータの乗りごのドアを開閉するかご
ドア駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】既に提案されているこの種のエレベータ
の乗りごのドアを開閉するかごドア駆動装置は、図６に
示されるように構成されている。

【０００３】即ち、図６において、高層建物における昇
降路を昇降するエレベータの乗りご１の正面には、ガイ
ドレール２及び敷居３が上下に平行して設けられてお
り、このガイドレール２及び敷居３には、各ガイドロー
ラ４ａ、４ｂを有する各開閉ドア５、６が開閉可能に設
けられている。又、上記ガイドレール２より上の上記乗
りかご１には、主プーリ７を備えた主動輪８が回転自在
に軸装されており、この主動輪８の反対側の乗りかご１
には、従動輪９が軸装されている。さらに、上記主動輪
８と上記従動輪９とは、無端伝動ロープ１０が巻装して
連結されており、上記一方の開閉ドア５の上部には、長
連結部材１１が立設されている。さらに又、この長連結
部材１１の上部は上記無端伝動ロープ１０の上側ロープ
１０ａに連結されており、上記他方の開閉ドア６の上部
には、短連結部材１２が立設されており、この短連結部
材１２の上部は上記無端伝動ロープ１０の下側ロープ１
０ｂに連結されている。又、上記乗りかご１の天板に
は、駆動モータ１３が設置されており、この駆動モータ
１３の出力軸１４は上記主プーリ７に駆動ベルト１５で
連結されている。

【０００４】従って、上述したかごドア駆動装置は、上
記開閉ドア５、６を開くとき、上記乗りかご１が所望の
階床に到着すると、制御装置（図示されず）からの信号
に基づき上記駆動モータ１３が駆動するから、この駆動
モータ１３の出力軸１４が駆動ベルト１５を介して主プ
ーリ７を回転し、これと一体の主動輪８を示矢方向へ回
転するので、この主動輪８に巻装された上記無端伝動ロ
ープ１０を動かすから、この無端伝動ロープ１０に連結
された各連結部材１１、１２を介して上記開閉ドア５、
６をガイドレール２及び敷居３に沿って開く。

【０００５】又一方、上述したかごドア駆動装置は、上
記開閉ドア５、６を閉じるとき、制御装置からの信号に
基づき上記駆動モータ１３が逆回転するから、上記開閉
ドア５、６はガイドレール２及び敷居３に沿って閉じ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たかごドア駆動装置は、長期に亘って使用すると、駆動
ベルト１５に弛みを生じて主プーリ７が滑りを生じ、こ
れに起因して、動力の伝達効率が低下するばかりでな
く、上記開閉ドア５、６を正確に開閉することが困難に
なると共に、常に、駆動ベルト１５の張力を維持するメ
ンテナンスが必要になり、しかも、上記乗りかご１に設
置された駆動モータ１３がオーバーヘッド寸法になるか
ら、装置全体が大きくなり、乗りかご自体のバランスに
も問題を生じるおそれがある。

【０００７】本発明は、上述した問題を解決するため
に、構成部品を低減して組立調整を簡素化にすると共に
装置全体を軽量化し、駆動ベルトの弛みによる滑りを解
消して動力の伝達効率の向上を図るかごドア駆動装置を
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、エレベータに
おける乗りかごの開閉ドアにおいて、上記乗りかごにリ
ニアモータの一次コイルを設け、この一次コイルにリニ
アモータの二次導体を兼ねたリアクションロッドを軸方
向へ往復摺動可能に嵌装し、このリアクションロッドの
両端部に無端伝動ロープを上記開閉ドアを開閉可能に連
結して設けたものである。

【０００９】

【作用】本発明は、上記乗りかごが所望の階床に到着し
て上記開閉ドアを開くとき、制御装置からの信号に基づ
きリニアモータを駆動し、このリニアモータの二次導作
を兼ねたリアクションロッドに連結している上記無端伝
動ロープを動かすと共に長連結部材で上記一方の開閉ド
アを開くと同時に、上記無端伝動ロープに連結された短
連結部材を介して上記他方の開閉ドアを開き、他方、上
記各開閉ドアを閉じるとき、制御装置からの信号に基づ
き上記リニアモータを逆転して上記各開閉ドアをガイド
レール及び敷居に沿って閉じるようにし、構成部品を低
減して組立調整を簡素化にすると共に装置全体を軽量化
し、駆動ベルトの弛みによる滑りを解消して動力の伝達
効率の向上を図るものである。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図示のー実施例について説明
する。なお、本発明は、上述した具体例と同一構成部材
には、同じ符号を付して説明する。

【００１１】図１乃至図３において、符号１は、高層建
物における昇降路を昇降するエレベータの乗りごであっ
て、この乗りご１の正面には、ガイドレール２及び敷居
３が上下に平行して設けられており、このガイドレール
２及び敷居３には、各ガイドローラ４ａ、４ｂを有する
各開閉ドア５、６が開閉可能に設けられている。又、上
記ガイドレール２より上の上記乗りかご１には、主動輪
８が回転自在に軸装されており、この主動輪８の反対側
の乗りかご１には、従動輪９が軸装されている。さら
に、上記主動輪８と上記従動輪９とは、無端伝動ロープ
１０が巻装して連結されており、上記開閉ドア５の上部
には、長連結部材１１が立設されている。さらに又、こ
の長連結部材１１の上部は上記無端伝動ロープ１０の上
側ロープ１０ａに連結されており、上記開閉ドア６の上
部には、短連結部材１２が立設されており、この短連結
部材１２の上部は上記無端伝動ロープ１０の下側ロープ
１０ｂに連結されている。

【００１２】他方、図２に拡大して示されるように、上
側ロープ１０ａの位置する上記乗りかご１には、リニア
モータ２０が水平に設けられており、このリニアモータ
２０はケース本体２１にリング状をなす複数の箱型コア
２２を列設し、この各箱型コア２２にリングコイルによ
る各一次コイル２３を配設し、上記ケース本体２１の両
端部に一対の軸受２４を付設し、この両軸受２４にリニ
アモータ２０の二次導体を兼ねたリアクションロッド２
５を軸方向へ往復摺動可能に嵌装して構成したものであ
る。又、上記リアクションロッド２５の一端部は上記長
連結部材１１の上部の上側ロープ１０ａに連結されてお
り、上記リアクションロッド２５の他端部は上記無端伝
動ロープ１０の上側ロープ１０ａに連結されている。即
ち、上記リアクションロッド２５の両端部は実質的に上
記無端伝動ロープ１０の両端部にそれぞれ連結されてい
る。

【００１３】従って、上記リニアモータ２０へ通電され
ると、上記二次導作を兼ねたリアクションロッド２５は
軸方向へ摺動して上記無端伝動ロープ１０を左方又は右
方へ動かすようにしている。

【００１４】又一方、図１に示されるように、上記リア
クションロッド２５より上の上記乗りかご１には、閉位
置検出センサ２６ａが上記開閉ドア６の閉位置を検出す
るように付設されており、この閉位置検出センサ２６ａ
の反対側の上記乗りかご１には、開位置検出センサ２６
ｂが上記開閉ドア６の開位置を検出するように付設され
ている。さらに又、上記乗りかご１には、例えば、低速
駆動制御装置のような制御装置２７が上記リニアモータ
２０へ給電する電力を制御するように接続されており、
この制御装置２７は、通常、周波数可変のインバータが
内蔵されており、この制御装置２７は上記リニアモータ
２０を可変駆動するようにしている。又、この制御装置
２７は上記閉位置検出センサ２６ａや開位置検出センサ
２６ｂにリード線を介して接続されており、上記制御装
置２７は操作パネル（図示されず）からの信号に基づ
き、上記リニアモータ２０の上記リアクションロッド２
５を正方向（左方向）へ摺動したり、逆方向（右方向）
へ摺動している。

【００１５】以下、本発明の作用について説明する。

【００１６】従って、上記乗りかご１が所望の階床に到
着して上記各開閉ドア５、６を開くとき、上記制御装置
２７からの信号に基づき上記リニアモータ２０を駆動す
る。すると、このリニアモータ２０の上記二次導体を兼
ねたリアクションロッド２５を正方向へ摺動し、これに
連結している上記無端伝動ロープ１０を動かすと共に長
連結部材１１で上記一方の開閉ドア５をガイドレール２
及び敷居３に沿って開くと同時に、上記無端伝動ロープ
１０に連結された短連結部材１２を介して上記他方の開
閉ドア６をガイドレール２及び敷居３に沿って開くと共
に、上記開位置検出センサ２６ｂが上記リアクションロ
ッド２５の他端部を検出し、この検出信号を上記制御装
置２７へ送信する。すると、この制御装置２７からの信
号に基づき上記リニアモータ２０が停止する。

【００１７】他方、上記各開閉ドア５、６を閉じると
き、上記制御装置２７からの信号に基づき上記リニアア
モータ２０を逆転して上記各開閉ドア５、６をガイドレ
ール２及び敷居３に沿って閉じる共に、上記閉位置検出
センサ２６ａが上記リアクションロッド２５の一端部を
検出し、この検出信号を上記制御装置２７へ送信する。
すると、この制御装置２７からの信号に基づき上記リニ
アモータ２０が停止する。

【００１８】このように本発明は、開閉ドアの高速開閉
をできると共に、構成部品を低減して組立調整を簡素化
にすると共に装置全体を軽量化し、駆動ベルトの弛みに
よる滑りを解消して動力の伝達効率の向上を図ってい
る。

【００１９】次に、図４に示される本発明の他の実施例
は、上記リニアモータ２０のケース本体２１の外周や各
箱型コア２２に放熱フィン２９を放射状に設けて、これ
により上記リニアモータ２０の熱を効率よく放熱もので
ある。

【００２０】従って、この放熱フィン２９は上記リニア
モータ２０の給電量を増加して高速移動や保持力を向上
するのに有効である。

【００２１】又一方、図５に示される本発明の他の実施
例は、乗りかご１の開閉ドア６に重錘付リンク２８ａと
揺動リンク２８ｂとによる重錘リンク機構２８を閉扉習
性を付加するように設けたものである。

【００２２】従って、この重錘リンク機構２８は、上記
開閉ドア５、６が閉扉状態のとき、乗りかご１が昇降路
を昇降中に付き妄りに開閉しないようにし、万一、上記
リニアモータ２０の給電が停止しても、上記開閉ドア
５、６に対して閉扉習性を付加するものである。

【００２３】

【発明の効果】以上のべたように本発明によれば、上記
乗りかごにリニアモータの一次コイルを設け、この一次
コイルにリニアモータの二次導体を兼ねたリアクション
ロッドを軸方向へ往復摺動可能に嵌装し、このリアクシ
ョンロッドの両端部に無端伝動ロープを上記開閉ドアを
開閉可能に連結して設けあるので、乗りかごのオーバー
ヘッド寸法を小さくでき、構成部品を低減して組立調整
を簡素化にすることができるばかりでなく、開閉ドアま
高速開閉をすることができ、装置全体を軽量化できると
共に、駆動ベルトの弛みによる滑りを解消して動力の伝
達効率の向上を図ることができる等の優れた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のかごドア駆動装置の正面図。

【図２】本発明のかごドア駆動装置の要部を取出して示
す拡大断面図。

【図３】同上分解斜視図。

【図４】本発明の他の実施例を示す図。

【図５】本発明の他の実施例を示す図。

【図６】既に提案されているかごドア駆動装置の正面
図。

【符号の説明】

１ 乗りかご ５，６ 開閉ドア １０ 無端伝動ロープ １１ 長連結部材 １２ 短連結部材 ２０ リニアモータ ２３ 一次コイル ２５ リアクションロッド ２６ａ 閉位置検出センサ ２６ｂ 開位置検出センサ ２７ 制御装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータにおける乗りかごの開閉ドアに
   おいて、上記乗りかごに設けらけたリニアモータの一次
   コイルと、この一次コイルに軸方向へ往復摺動可能に嵌
   装されたリニアモータの二次導体を兼ねたリアクション
   ロッドと、このリアクションロッドの両端部に上記開閉
   ドアを開閉可能に連結して設けられた無端伝動ロープと
   を具備したことを特徴とするかごドア駆動装置。
2. 【請求項２】リニアモータの外周に冷却フィンを設けた
   ことを特徴とする請求項１記載のかごドア駆動装置。
3. 【請求項３】乗りかごに開閉ドアを重錘リンク機構で開
   閉ドアを閉じる方向へ付勢して設けたことを特徴とする
   請求項１記載のかごドア駆動装置。