JP2013129619A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリセロリン酸及びその塩の刺激感が緩和され、苦味がなくサッパリとした使用感を有すると共に、歯面がツルツルしたと感じることができる高いコーティング実感を与え、歯垢付着抑制実感付与効果に優れた口腔用組成物を提供する。
【解決手段】(A)グリセロリン酸又はその塩、(B)塩化セチルピリジニウム、及び(C)塩化ベンゼトニウムを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。更に、(D)バニラアブソリュート、バニリン、エチルバニリン及びナツメグ油から選ばれる1種以上の成分を含有する上記口腔用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリセロリン酸及びその塩の刺激感が緩和され、苦味がなくサッパリとした使用感を有すると共に、歯面がツルツルしたと感じることができる高いコーティング実感を与え、歯垢付着抑制実感付与効果に優れた、特に液体製剤として好適な口腔用組成物に関する。
グリセロリン酸及びその塩は、口腔バイオフィルムの抑制に有効であることが特許文献1(特開2005−47855号公報)に提案されている。中でも、グリセロリン酸カルシウムは、歯垢中のカルシウム及びリン酸濃度を高めて再石灰化を促進したり、歯垢のpHの著しい低下を阻止し、ミュータンス菌の代謝を阻害すると考えられている。
しかしながら、グリセロリン酸及びその塩は、刺激感、渋味・異味を有しており、このためグリセロリン酸又はその塩を配合した口腔用組成物、特に洗口剤等の液体口腔用組成物は、後味が悪く、使用感が損なわれるという問題があった。
グリセロリン酸及びその塩の渋味・異味の改善に関しては、特許文献2(特開2009−149560号公報)に、グリセロリン酸カルシウムとモノフルオロリン酸ナトリウムにラフィノース及び/又はメリビオースを配合することで、グリセロリン酸カルシウムとモノフルオロリン酸ナトリウムに由来する渋味や苦味が抑制されることが提案されているが、刺激感の緩和に関しては示されていない。
また、グリセロリン酸カルシウムにラクトン及びアルギン酸プロピレングリコールを配合することにより、渋味、苦味や刺激味を低減する技術が特許文献3(特開2010−215568号公報)提案されている。しかし、この技術は、アルギン酸プロピレングリコールのべたつきが出てしまうという問題があり、使用感に改善の余地があった。また、使用できる香味の種類が限定されるという課題があった。
一方、歯周病やう蝕を予防するためにプラーク抑制を目的として殺菌剤を配合した口腔用組成物が広く用いられている。これらの殺菌剤の中で塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性殺菌剤は、口腔細菌の殺菌効果,プラーク抑制効果,歯肉炎改善効果を有することから広く使用されている。
しかしながら、カチオン性殺菌剤には苦味や刺激があり、その効果と嗜好性との両立が難しかった。更に、殺菌効果向上のため複数の殺菌剤を組み合わせると嗜好性が低下するという問題があった。
また、殺菌剤を配合し歯垢形成を抑制する口腔用組成物では、使用者にその効果を十分に実感させることが、持続的使用、効果発現の面でも望ましいが、特に液体口腔用組成物でその効果を満足に実感させることは難しく、使用実感向上が課題となっていた。
使用実感に関しては、殺菌剤の有効性をコーティング感などとして実感させることが検討されてきた(特許文献4;特開2009−46449号公報)。
また、これまでにカチオン性殺菌剤の歯牙表面への吸着効果向上が検討されてきた(特許文献5;特開2011−140454号公報)が、この技術はコーティング実感としては弱く、ほとんど感じられない場合があった。
なお、カチオン性ポリマー及びカチオン性殺菌剤を液体口腔用組成物に配合すると、使用後に口腔粘膜等への独特の強いゴワゴワ感が残留することが知られている(特許文献6;特開2001−139442号公報)。このようなゴワゴワ感は使用者にとって望ましくなく、ゴワゴワ感を与えず使用実感を向上することが求められた。
特開2005−47855号公報 特開2009−149560号公報 特開2010−215568号公報 特開2009−46449号公報 特開2011−140454号公報 特開2001−139442号公報 特開平05−931号公報 特開2004−18431号公報
従って、グリセロリン酸又はその塩を配合した口腔用組成物においては、グリセロリン酸又はその塩の刺激感の緩和、使用感の改善が課題となっていた。更に、使用者が歯牙への歯垢付着が抑制されたと実感できる使用実感の向上が課題であった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、グリセロリン酸及びその塩の刺激感が緩和され、苦味がなくサッパリとした使用感を有すると共に、歯面がツルツルしたと感じることができる高いコーティング実感を与え、歯垢付着抑制実感付与効果に優れた口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)グリセロリン酸又はその塩、(B)塩化セチルピリジニウム、及び(C)塩化ベンゼトニウムを配合することにより、グリセロリン酸及びその塩の刺激感が緩和され、苦味がなくサッパリとした使用感を与えると共に、歯面がツルツルしたと感じることができる高いコーティング実感を与え、歯牙への歯垢付着抑制実感付与効果に優れた口腔用組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明においては、成分(A)、(B)、(C)はそれぞれ苦味や異味、刺激感などがあるが、これら成分を組み合わせて配合することによって、特に液体口腔用組成物において、意外にもサッパリとした使用感が得られ、またこの場合、成分(B)、(C)は苦味があるものの、(A)グリセロリン酸又はその塩と成分(B)、(C)の三者の併用によってかかる苦味がなくなり、これにより苦味のなさ、サッパリ感に優れ、良好な使用感を与えることができる。また、成分(A)、(B)、(C)の併用により、いずれかを欠く場合には得られない歯面がツルツルしたと感じることができるコーティング実感が発現し、高い歯垢付着抑制実感付与効果を与えることができる。
更に、成分(A)、(B)及び(C)の併用系に、(D)バニラアブソリュート、バニリン、エチルバニリン、ナツメグ油から選ばれる1種又は2種以上の成分を配合すると、更に苦味がマスキングされ、上記使用感をより増強できる。
なお、カチオン性殺菌剤の苦味のためにサッカリン等の甘味剤を増量することは一般的に行われている。また、ステビア系甘味剤を併用することで、苦味・刺激を改善し嗜好性を向上することが提案されている(特許文献7;特開平05−931号公報)。しかし、いずれの提案も甘味剤の甘味のために製剤のサッパリ感が低下し、苦味の改善とサッパリ感とを同時に確保することは難しく、嗜好性に改善の余地があった。
また、香料成分によってマスキングする方法が提案されている(特許文献8;特開2004−18431号公報)が、香料成分自身に刺激があったり、マスキングのために配合した香料成分が製剤の清涼感やサッパリ感を低減させてしまう場合があった。
このように従来の技術では、殺菌剤の苦味がなくサッパリとした使用感を付与することは難しかったが、これに対して、本発明では、成分(A)、(B)及び(C)の三者併用により、苦味がなくサッパリとした使用感を与え、かつ使用実感も向上し、格別の作用効果を与えるものである。
従って、本発明は、下記の口腔用組成物を提供する。
〔1〕(A)グリセロリン酸又はその塩、(B)塩化セチルピリジニウム、及び(C)塩化ベンゼトニウムを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
〔2〕更に、(D)バニラアブソリュート、バニリン、エチルバニリン及びナツメグ油から選ばれる1種以上の成分を含有する〔1〕の口腔用組成物。
本発明によれば、グリセロリン酸及びその塩の刺激感が緩和され、苦味がなくサッパリとした嗜好性の良い使用感を有すると共に、歯牙のコーティング実感が高く、歯垢付着抑制実感付与効果に優れた、特に液体製剤として好適な口腔用組成物を提供できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用組成物は、(A)グリセロリン酸又はその塩、(B)塩化セチルピリジニウム、及び(C)塩化ベンゼトニウムを含有してなることを特徴とする。
成分(A)のグリセロリン酸又はその塩としては、グリセロリン酸、グリセロリン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を配合できる。中でも、コーティング実感、苦味の改善効果、刺激緩和の点からグリセロリン酸カルシウムが好ましい。
グリセロリン酸塩は、天然物由来のものも、合成品も使用でき、例えば岩城製薬株式会社製の商品名「グリセロリン酸カルシウム」などの市販品を使用することもできる。
成分(A)の配合量は、組成全体の0.005〜1%(質量%、以下同様。)が好ましく、より好ましくは0.01〜0.2%である。0.005%未満では成分(B)、(C)と併用してもコーティング実感、苦味の改善効果が十分に得られない場合がある。1%を超えると成分(A)自身の渋味・異味が強くなって使用感に劣る場合がある。
成分(B)の塩化セチルピリジニウムは、特にコーティング実感付与効果の発現に重要である。塩化セチルピリジニウムは、市販のものを使用できる。
成分(B)の配合量は、組成全体の0.01〜0.1%が好ましく、より好ましくは0.02〜0.08%である。0.01%未満では、成分(A)、(C)と併用してもコーティング実感が満足に発揮されない場合がある。0.1%を超えると、成分(B)自身の苦味が強くなって苦味を改善できない場合がある。
成分(C)の塩化ベンゼトニウムは、コーティング実感付与効果、サッパリ感付与効果の発現に重要である。塩化ベンゼトニウムは、市販のものを使用できる。
成分(C)の配合量は、組成全体の0.005〜0.1%が好ましく、より好ましくは0.008〜0.05%である。0.005%未満では、サッパリ感が得られない場合がある。また、成分(A)、(B)と併用してもコーティング実感が満足に発現しない場合がある。0.1%を超えると、成分(C)自身の渋味・苦味・異味が生じ、使用感を改善できない場合がある。
本発明では、成分(A)に成分(B)、(C)を併用して配合することが、本発明の効果発現に重要であり、とりわけ、成分(A)と成分(B)、(C)とを適切比率で配合することがより好ましい。この場合、(A)/((B)+(C))が質量比として0.1〜20、特に0.1〜6であることが好適である。比率が0.1未満ではコーティング実感が満足に発現しない場合がある。20を超えると、成分(A)の渋味・異味等が強くなって使用感に劣る場合がある。
本発明では、更に、成分(D)としてバニラアブソリュート、バニリン、エチルバニリン、ナツメグ油から選ばれる成分を配合することが、使用感向上により好適である。成分(D)を配合すると、更に苦味がマスキングされ、また、成分(A)の刺激感、渋味・異味がマスキングされ、使用感をより向上できる。
バニリン、エチルバニリンは、例えば豊玉香料社製の商品名「ワニリン」、曽田香料社製の商品名「エチルワニリン」などの市販品を使用することができる。
バニラアブソリュートは、例えば下記方法でバニラビーンズを溶媒抽出することで得ることができる。市販品を使用することもできる。
バニラビーンズを有機溶剤(ベンゼン、アセトン、ヘキサン、石油エーテル等)で抽出し、溶剤を留去(減圧)してバニラオレオレジンを得る。これを溶剤(エタノール)で抽出、冷却し、不溶解物を濾過したあと溶剤を留去(減圧)し、バニラアブソリュートを得ることができる。これを、エタノール、ホホバオイル、中鎖脂肪酸エステル等の溶剤で希釈したものを使用することもできる。
市販品としては、例えば、曽田香料社製の商品名「バニラアブソリュート(50%エタノール希釈品)」を使用することができる。
ナツメグ油は、ナツメグ(Nutmeg,ニクズク科,学名:Myristica fragrans Houtt.)の種子の水蒸気蒸留により得ることができる。また、市販品を使用することもできる。例えば、ヴェ・マン・フィス香料社製の商品名「ナツメグオイル」を使用することができる。
成分(D)は、上記化合物の1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。特にバニラアブソリュート単独、又は効果発現の点でバニラアブソリュートとバニリン、エチルバニリン、ナツメグ油から選ばれる1種又は2種以上との併用が好ましい。2種以上併用する場合は、特にバニラアブソリュートとナツメグ油との併用が好ましい。
成分(D)を配合する場合、その配合量は組成全体の0.0000001〜0.004%が好ましく、より好ましくは0.0000004〜0.00075%である。0.0000001%未満では、刺激感の緩和、使用感改善効果が満足に発揮されない場合がある。0.004%を超えると、そのもの自身の香味特長で使用感が損なわれる場合がある。
なお、成分(D)/成分(A)は、効果発現の点で、質量比として0.0000002〜0.6が好ましく、より好ましくは0.000004〜0.3、更に好ましくは0.000008〜0.05である。
本発明組成物は、特に配合成分が可溶化した液体口腔用組成物として好適に調製される。なお、本発明組成物は、歯磨剤のようなペースト状製剤においても有効であるが、このような製剤に比べて、洗口剤や液体歯磨剤のような液体製剤では特に苦味が強く発現するが、本発明によればかかる液体製剤で苦味を抑制しサッパリとした使用感を得ることができる。具体的には、原液のまま使用するタイプの洗口剤、口中清涼剤、濃縮タイプで使用時に希釈して用いる洗口剤、更には歯ブラシでブラッシングして使用する液体歯磨剤などとして調製、適用することができ、特に洗口剤として好適である。なお、本発明組成物は、歯ブラシでブラッシングしない方がより強くコーティング実感を与えることから、ブラッシングなしで使用できる洗口剤として好適である。
本発明組成物には、上記成分に加えて、必要に応じてその他の公知成分を、本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。液体口腔用組成物には、具体的に湿潤剤、界面活性剤、溶剤、更に必要により甘味剤、着色剤、香料、有効成分等が配合される。なお、液体口腔用組成物には、研磨剤などの可溶化しない固形成分は通常配合されないが、本発明組成物においては、コーティング実感発現の点から研磨剤は含まないことが好ましい。
湿潤剤としては、例えばソルビトール、マルチット、ラクチット等の糖アルコール、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。これら湿潤剤の配合量は、組成全体の2〜20%が好ましい。
界面活性剤としては、公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合できるが、特にノニオン性界面活性剤を配合することがより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノセチル酸ヘキサグリセリル、脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、特にエチレンオキサイドの平均付加モル数が60〜100モルのポリオキシエチレン硬化ひまし油、アルキル基の炭素数が16(セチル)〜18(ステアリル)でエチレンオキサイドの平均付加モル数が20〜40モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸の炭素数が12(ラウリン酸)〜18(ステアリン酸)、特に12〜14(ミリスチン酸)のデカグリセリンモノ脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好適である。中でも、歯面への歯垢の付着抑制力を十分に発揮させる点、及び外観安定性(オリのなさ)の点で、ポリオキシエチレン硬化ひまし油が好ましく、とりわけ、エチレンオキサイドの平均付加モル数が60〜100モルのものが好ましい。エチレンオキサイドの平均付加モル数が60モル未満では、特に液体製剤で、50℃保存品においてオリが発生し、外観安定性(オリのなさ)を損ねる場合がある。100モルを超えるものは一般には市販されていない。
ポリオキシエチレン硬化ひまし油としては、下記のような市販品を使用できる。
・日光ケミカルズ社製のNIKKOL HCO系
・日本エマルジョン社製のエマレックスHC系
・日油社製のユニオックスHC系
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、下記のような市販品を使用できる。
・日光ケミカルズ社製のエマレックス100系
・エマレックス600系
デカグリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、下記のような市販品を使用できる。
・日光ケミカルズ社製のNIKKOL Decagln系
・三菱化学フーズ社製のリョートー(登録商標)ポリグリエステルDシリーズ
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型両性界面活性剤、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。
これら界面活性剤の配合量は、組成全体の0.05〜2%であることが好ましい。
甘味剤としては、キシリトール、マルチトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、アスパルテーム等を配合することができる。
着色料として、青色1号、緑色3号、黄色4号、赤色105号など、安全性の高い水溶性色素を添加することができる。
香料としては、例えばペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、ラベンダー油、パラクレス油等の天然精油、及びl−メントール、l−カルボン、オレンジオイル、アネトール、1,8−シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、オイゲノール、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール等の上記天然精油中に含まれる香料成分、また、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンツアルデヒド、フラネオール、マルトール、エチルマルトール、ガンマ/デルタデカラクトン、ガンマ/デルタウンデカラクトン、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール−l−メンチルカーボネート等の香料成分、更には、いくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなる、アップル、バナナ、ストロベリー、ブルーベリー、メロン、ピーチ、パイナップル、グレープ、マスカット、ワイン、チェリー、スカッシュ、コーヒー、ブランデー、ヨーグルト等の調合フレーバーの1種又は2種以上を、発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。添加量は、通常、組成中0.00001〜3%である。
有効成分としては、例えばイソプロピルメチルセルロース等の殺菌剤、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アラントイン、アズレン、塩化リゾチーム、アスコルビン酸等のビタミンC類、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン塩類、グリチルレチン酸類、ヒドロコレステロール、クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物抽出物、グルコン酸銅、カロペプタイド、ポリリン酸ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物、ポリビニルピロリドン、歯石防止剤、歯垢防止剤、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等を添加することができる。なお、これらの有効成分の添加量は、本発明効果を妨げない範囲で、有効量とすることができる。
溶剤としては、通常水が用いられ、水の含有量は組成全体の60%以上が好ましい。また、必要によりエタノール等の低級一価アルコールを添加してもよいが、添加する場合は10%以下が好ましい。なお、エタノールは刺激の点から含まないことが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の液体口腔用組成物(洗口剤)を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表1〜3に示す。
なお、使用原料の詳細は下記の通りである。
・塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製)
・塩化ベンゼトニウム(ハイアミン1622:ロンザジャパン社製)
・塩化ベンザルコニウム(日油社製)
・グリセロリン酸カルシウム(岩城製薬社製)
・バニリン(豊玉香料社製)
・エチルバニリン(曽田香料社製)
・バニラアブソリュート50%希釈品(バニラアブソリュート(50%エタノール希釈品)、曽田香料社製)
・ナツメグ油(ヴェ・マン・フィス香料社製)
・ポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油(日光ケミカルズ社製)
・プロピレングリコール(旭硝子社製)
・グリセリン(85%、阪本薬品工業社製)
・キシリトール(ロケット・フルーレ社製)
・クエン酸(扶桑化学社製)
・クエン酸ナトリウム(扶桑化学社製)
・サッカリンナトリウム(大東化学社製)
香料組成は後述の表4〜10に示した通りである。なお、香料組成物A中にバニラアブソリュート、バニリン、エチルバニリン、ナツメグ油は含まれない。
(1)苦味のなさ
サンプル(液体口腔用組成物)約10mlを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の苦味のなさについて下記の5段階で評価し、10名の平均点を下記の判定基準に従い、☆、◎、○、△、×で示した。
苦味のなさの評価基準:
5点:苦味が全くなかった。
4点:苦味がなかった。
3点:苦味がほとんどなかった。
2点:苦味がややあった。
1点:苦味がかなりあった。
苦味のなさの判定基準:
☆:平均点4.0点以上5.0点以下
◎:平均点3.5点以上4.0点未満
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
(2)コーティング実感
サンプル(液体口腔用組成物)約10mlを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の歯面のコーティング実感について下記の4段階で評価し、10名の平均点を下記の判定基準に従い、◎、○、△、×で示した。なお、ここで、コーティング実感とは、歯を噛み合わせた時に歯面がコーティングされて滑るようにツルツルしていると感じることができる実感である。
コーティング実感の評価基準:
4点:コーティング実感がかなりあった。
3点:コーティング実感がややあった。
2点:コーティング実感がほとんどなかった。
1点:コーティング実感がなかった。
コーティング実感の判定基準:
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
(3)サッパリ感
サンプル(液体口腔用組成物)約10mlを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の口中がサッパリした感じについて下記の4段階で評価し、10名の平均点を下記の判定基準に従い、◎、○、△、×で示した。ここで、サッパリ感とは、口中にベタツキなどがなく、汚れが残っていないと感じることができる実感である。
サッパリ感の評価基準:
4点:サッパリ感がかなりあった。
3点:サッパリ感がややあった。
2点:サッパリ感がほとんどなかった。
1点:サッパリ感がなかった。
サッパリ感の判定基準:
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
また、表2の液体口腔用組成物については、下記方法で刺激感、使用感を評価した。
(4)刺激感のなさ
サンプル(液体口腔用組成物)約10mlを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の口中の刺激感について下記の4段階で評価し、10名の平均点を下記の判定基準に従い、◎、○、△、×で示した。
刺激感の評価基準:
4点:刺激感がなかった。
3点:刺激感がほとんどなかった。
2点:刺激感がややあった。
1点:刺激感がかなりあった。
刺激感の判定基準:
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
(5)使用感(渋味・異味のなさ)
サンプル(液体口腔用組成物)約10mlを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の口中の刺激感について下記の4段階で評価し、10名の平均点を下記の判定基準に従い、◎、○、△、×で示した。
使用感の評価基準:
4点:渋味・異味がなかった。
3点:渋味・異味がほとんどなかった。
2点:渋味・異味がややあった。
1点:渋味・異味があった。
使用感の判定基準:
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
Figure 2013129619
Figure 2013129619
*;( )内の数値はバニラアブソリュート純品の%を示す。
Figure 2013129619
**;(A)/((B)+塩化ベンザルコニウム)の比率
Figure 2013129619
Figure 2013129619
注;表中、部はいずれも質量部である(以下同様。)。
Figure 2013129619
Figure 2013129619
Figure 2013129619
Figure 2013129619
Figure 2013129619

Claims (4)

  1. (A)グリセロリン酸又はその塩、(B)塩化セチルピリジニウム、及び(C)塩化ベンゼトニウムを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
  2. 成分(A)が、グリセロリン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1記載の口腔用組成物。
  3. 更に、(D)バニラアブソリュート、バニリン、エチルバニリン及びナツメグ油から選ばれる1種以上の成分を含有する請求項1又は2記載の口腔用組成物。
  4. 液体である請求項1、2又は3記載の口腔用組成物。
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