JPH05155746A - 口腔用組成物 - Google Patents
口腔用組成物Info
- Publication number
- JPH05155746A JPH05155746A JP32030091A JP32030091A JPH05155746A JP H05155746 A JPH05155746 A JP H05155746A JP 32030091 A JP32030091 A JP 32030091A JP 32030091 A JP32030091 A JP 32030091A JP H05155746 A JPH05155746 A JP H05155746A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 象牙質知覚過敏抑制、および歯根面および象
牙質う蝕抑制に優れた効果を有する口腔用組成物の提
供。 【構成】 水溶性アルミニウム化合物、フッ化物および
水溶性カルシウム化合物を含有する口腔用組成物であっ
て、フッ素濃度が１００〜２０００ppmであり、フッ素
とアルミニウムとカルシウムの配合比率がモル比でＦ：
Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：０.１〜２であることを特
徴とする口腔用組成物。
牙質う蝕抑制に優れた効果を有する口腔用組成物の提
供。 【構成】 水溶性アルミニウム化合物、フッ化物および
水溶性カルシウム化合物を含有する口腔用組成物であっ
て、フッ素濃度が１００〜２０００ppmであり、フッ素
とアルミニウムとカルシウムの配合比率がモル比でＦ：
Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：０.１〜２であることを特
徴とする口腔用組成物。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は象牙質知覚過敏症の予防
および治療、および根面う蝕の予防および治療に優れた
効果を示すことを特徴とする口腔用組成物に関する。
および治療、および根面う蝕の予防および治療に優れた
効果を示すことを特徴とする口腔用組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術および課題】象牙質知覚過敏症とは、う蝕
や歯の咬耗、摩耗および歯肉の退縮などの原因により歯
のエナメル質またはセメント質が消失し、象牙質が露出
するため、外来的な刺激に対して過敏となる症状をい
い、刺激によって引き起こされる痛みは日常の食生活に
かなりの支障をきたすものである。このため、従来より
象牙質知覚過敏症の予防および治療に関しては数多くの
提案がなされている。例えば、象牙質知覚過敏症に有効
な薬剤として、ホルムアルデヒド、フッ化物、塩化亜
鉛、硝酸銀、硝酸カリウム、くえん酸塩、ストロンチウ
ム塩（歯医学誌：３，１１６−１４９，１９８４、Ｊ.
Ｐeriodontol.：１０，３５１−３６３，１９８３）、
乳酸アルミニウム等（特開昭６１−３６２１２、特開昭
６１−１５５３１２）が提案されている。また、硝酸カ
リウムとフッ素、酢酸ストロンチウムとフッ素等（特開
平３−７２１５）の組み合わせによる口腔組成物も開示
されている。しかしながら、これら薬剤は十分に有効な
象牙質知覚過敏抑制効果を有しない。さらには象牙質の
露出によって、歯根面う蝕の発生頻度が高くなるため、
その予防および治療方法が期待されており、う蝕予防に
効果の高い薬剤としては、以前よりフッ化物が提案さ
れ、またフッ素の効果を促進するものとしては、水溶性
カルシウムが提案されている（Ｃaries Ｒes.：１８,４
１６−４２０,１９８４、ＣariesＲes.：１９,１２２−
１２５,１９８５）。しかし、本発明のごとく、十分な
象牙質知覚過敏抑制効果を発揮すると同時に、歯根面う
蝕を予防し、治療する口腔用組成物については何ら提案
されていない。
や歯の咬耗、摩耗および歯肉の退縮などの原因により歯
のエナメル質またはセメント質が消失し、象牙質が露出
するため、外来的な刺激に対して過敏となる症状をい
い、刺激によって引き起こされる痛みは日常の食生活に
かなりの支障をきたすものである。このため、従来より
象牙質知覚過敏症の予防および治療に関しては数多くの
提案がなされている。例えば、象牙質知覚過敏症に有効
な薬剤として、ホルムアルデヒド、フッ化物、塩化亜
鉛、硝酸銀、硝酸カリウム、くえん酸塩、ストロンチウ
ム塩（歯医学誌：３，１１６−１４９，１９８４、Ｊ.
Ｐeriodontol.：１０，３５１−３６３，１９８３）、
乳酸アルミニウム等（特開昭６１−３６２１２、特開昭
６１−１５５３１２）が提案されている。また、硝酸カ
リウムとフッ素、酢酸ストロンチウムとフッ素等（特開
平３−７２１５）の組み合わせによる口腔組成物も開示
されている。しかしながら、これら薬剤は十分に有効な
象牙質知覚過敏抑制効果を有しない。さらには象牙質の
露出によって、歯根面う蝕の発生頻度が高くなるため、
その予防および治療方法が期待されており、う蝕予防に
効果の高い薬剤としては、以前よりフッ化物が提案さ
れ、またフッ素の効果を促進するものとしては、水溶性
カルシウムが提案されている（Ｃaries Ｒes.：１８,４
１６−４２０,１９８４、ＣariesＲes.：１９,１２２−
１２５,１９８５）。しかし、本発明のごとく、十分な
象牙質知覚過敏抑制効果を発揮すると同時に、歯根面う
蝕を予防し、治療する口腔用組成物については何ら提案
されていない。
【０００３】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、象
牙質知覚過敏症の予防および治療効果が高く、かつ歯根
面う蝕の予防および治療に優れた口腔用組成物を得るべ
く鋭意研究した結果、ある種の薬剤を、一定濃度かつ一
定配合比で組み合わせることによって、象牙質知覚過敏
抑制および根面う蝕予防に相乗的な効果を示す口腔用組
成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
牙質知覚過敏症の予防および治療効果が高く、かつ歯根
面う蝕の予防および治療に優れた口腔用組成物を得るべ
く鋭意研究した結果、ある種の薬剤を、一定濃度かつ一
定配合比で組み合わせることによって、象牙質知覚過敏
抑制および根面う蝕予防に相乗的な効果を示す口腔用組
成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【０００４】すなわち、本発明は水溶性アルミニウム化
合物、フッ化物および水溶性カルシウム化合物を含有す
る口腔用組成物であって、フッ素濃度が１００〜２００
０ppmであり、フッ素とアルミニウムとカルシウムの配
合比率がモル比でＦ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：０.
１〜２であり、pＨが５〜１０であることを特徴とする
口腔用組成物を提供するものである。
合物、フッ化物および水溶性カルシウム化合物を含有す
る口腔用組成物であって、フッ素濃度が１００〜２００
０ppmであり、フッ素とアルミニウムとカルシウムの配
合比率がモル比でＦ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：０.
１〜２であり、pＨが５〜１０であることを特徴とする
口腔用組成物を提供するものである。
【０００５】本発明に用いる水溶性アルミニウム化合物
は、水溶性であれば特に限定されないが、乳酸アルミニ
ウム、グルコン酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、
クエン酸アルミニウム等のカルボン酸化合物および塩化
アルミニウム、アルミニウムアラントイン等を用いるこ
とができる。一般に、乳酸アルミニウム、アルミニウム
アラントイン等が好ましい。
は、水溶性であれば特に限定されないが、乳酸アルミニ
ウム、グルコン酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、
クエン酸アルミニウム等のカルボン酸化合物および塩化
アルミニウム、アルミニウムアラントイン等を用いるこ
とができる。一般に、乳酸アルミニウム、アルミニウム
アラントイン等が好ましい。
【０００６】フッ化物としては、モノフルオルリン酸
塩、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化珪素ナトリ
ウム、フッ化アンモニウム等を用いてもよく、好ましく
は、モノフルオルリン酸塩、フッ化ナトリウムである。
フッ化物は、フッ素濃度が１００〜２０００ppmとなる
ように組成物中に配合する。１００ppmでは、所望の効
果が得られず、２０００ppm以上では、安全性が問題と
なるからである。一般に、８００〜１６００ppmが好ま
しい。
塩、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、フッ化珪素ナトリ
ウム、フッ化アンモニウム等を用いてもよく、好ましく
は、モノフルオルリン酸塩、フッ化ナトリウムである。
フッ化物は、フッ素濃度が１００〜２０００ppmとなる
ように組成物中に配合する。１００ppmでは、所望の効
果が得られず、２０００ppm以上では、安全性が問題と
なるからである。一般に、８００〜１６００ppmが好ま
しい。
【０００７】水溶性カルシウム化合物としては、水溶性
アルミニウム化合物と同様、水溶性であれば特に限定さ
れないが、塩化カルシウム、くえん酸カルシウム、グリ
セロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化
カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム等を用
いることができ、一般に、乳酸カルシウム、塩化カルシ
ウムであることが好ましい。水溶性カルシウム化合物は
カルシウム濃度が１００〜２０００ppmとなるように配
合する。特に、４００〜１２００ppmが好ましい。
アルミニウム化合物と同様、水溶性であれば特に限定さ
れないが、塩化カルシウム、くえん酸カルシウム、グリ
セロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化
カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム等を用
いることができ、一般に、乳酸カルシウム、塩化カルシ
ウムであることが好ましい。水溶性カルシウム化合物は
カルシウム濃度が１００〜２０００ppmとなるように配
合する。特に、４００〜１２００ppmが好ましい。
【０００８】本発明の口腔用組成物には、かかるフッ化
物と水溶性アルミニウム化合物と水溶性カルシウム化合
物を、フッ素、アルミニウムおよびカルシウムのモル比
に換算して、Ｆ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：０.１〜
２の配合比率にて配合する。特に好ましくは、かかる配
合比率が、Ｆ：Ａｌ：Ｃa＝１：１〜２：０.１〜０.５
である。このように、フッ素、アルミニウムおよびカル
シウムの比率を調整することにより、象牙質知覚過敏症
および根面う蝕に対する所望の効果が得られる。
物と水溶性アルミニウム化合物と水溶性カルシウム化合
物を、フッ素、アルミニウムおよびカルシウムのモル比
に換算して、Ｆ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：０.１〜
２の配合比率にて配合する。特に好ましくは、かかる配
合比率が、Ｆ：Ａｌ：Ｃa＝１：１〜２：０.１〜０.５
である。このように、フッ素、アルミニウムおよびカル
シウムの比率を調整することにより、象牙質知覚過敏症
および根面う蝕に対する所望の効果が得られる。
【０００９】本発明の口腔用組成物のpＨは、pＨ５〜１
０であり、５〜８であることが好ましい。pＨが５以下
であると、使用感が悪く、pＨが１０以上であると刺激
があるからである。
０であり、５〜８であることが好ましい。pＨが５以下
であると、使用感が悪く、pＨが１０以上であると刺激
があるからである。
【００１０】本発明の口腔用組成物は、常法により製造
することができ、歯磨（例えば、練歯磨、潤製歯磨、液
状歯磨、マウスウォッシュ等）、ペースト状組成物（例
えば、口腔用パスタ、歯肉マッサージクリーム等）、液
状口腔清涼剤等の形態にすることができる。さらに前記
の成分に加え、組成物の形態に応じて通常の有効基材を
用いてもよい。例えば、界面活性剤、香料、甘味剤、粘
結剤等を配合することができる。
することができ、歯磨（例えば、練歯磨、潤製歯磨、液
状歯磨、マウスウォッシュ等）、ペースト状組成物（例
えば、口腔用パスタ、歯肉マッサージクリーム等）、液
状口腔清涼剤等の形態にすることができる。さらに前記
の成分に加え、組成物の形態に応じて通常の有効基材を
用いてもよい。例えば、界面活性剤、香料、甘味剤、粘
結剤等を配合することができる。
【００１１】
【実施例】次に実験例および実施例を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明する。実験例においては、本発明の口腔
用組成物の有する象牙質知覚過敏抑制作用、歯根面およ
び象牙質う蝕抑制作用および使用感を評価した。 実験例１（象牙質知覚過敏抑制作用の評価） 歯の表層が急速に失われた場合、すなわち、エナメル質
やセメント質が急速に損耗して下在の象牙質面が露出し
た場合に、象牙質の知覚過敏が生じるといわれている。
象牙質には象牙細管とよばれる無数の細い空管があり、
象牙質が露出するとその象牙細管を通して物理化学的刺
激が歯髄に直達しやすくなり、一過性の疼痛用症状を生
じるといわれている。従って、露出した象牙細管を閉塞
することは知覚過敏を予防および治療するために重要な
ことである。そこで、Ｐashleyらの方法（Ｊ.Ｄent.Ｒe
s．５７，１８７−１９３，１９８７）を用いて、各種
薬剤による象牙細管の狭窄および閉塞の程度を評価し
た。
らに詳しく説明する。実験例においては、本発明の口腔
用組成物の有する象牙質知覚過敏抑制作用、歯根面およ
び象牙質う蝕抑制作用および使用感を評価した。 実験例１（象牙質知覚過敏抑制作用の評価） 歯の表層が急速に失われた場合、すなわち、エナメル質
やセメント質が急速に損耗して下在の象牙質面が露出し
た場合に、象牙質の知覚過敏が生じるといわれている。
象牙質には象牙細管とよばれる無数の細い空管があり、
象牙質が露出するとその象牙細管を通して物理化学的刺
激が歯髄に直達しやすくなり、一過性の疼痛用症状を生
じるといわれている。従って、露出した象牙細管を閉塞
することは知覚過敏を予防および治療するために重要な
ことである。そこで、Ｐashleyらの方法（Ｊ.Ｄent.Ｒe
s．５７，１８７−１９３，１９８７）を用いて、各種
薬剤による象牙細管の狭窄および閉塞の程度を評価し
た。
【００１２】方法 牛の歯根からブロックを切出し、研磨を行って薄切片を
作製し試料とした。試料を固定し、表１に示した薬剤
に、室温で１５分間浸漬処理し、処理前後で生理食塩水
を流し、試料を通過する単位時間当たりの生理食塩水量
を測定した。ただし、薬剤のpＨは全て６.５に調整し
た。
作製し試料とした。試料を固定し、表１に示した薬剤
に、室温で１５分間浸漬処理し、処理前後で生理食塩水
を流し、試料を通過する単位時間当たりの生理食塩水量
を測定した。ただし、薬剤のpＨは全て６.５に調整し
た。
【数１】
【００１３】
【表１】 薬剤名 アルミニウム量(％) フッ素量（ppm） 減少率（％） 乳酸アルミニウム ０.０２ ５００ ５３ ０.１ ０ ５０ ０.１ ５０ ５１ ０.１ ５００ ７５ ０.１ １０００ ９５ ０.２ １０００ ９２ グルコン酸アルミニウム ０.１ ０ ４３ ０.１ ５００ ７０ ０.１ １０００ ９０ ０.１５ ５００ ８２ ０.２ １０００ ８５ 酒石酸アルミニウム ０.１ ０ ３１ ０.１ ５００ ７８ ０.１ １０００ ９０ ０.２ １０００ ８８ くえん酸アルミニウム ０.０３ １０００ ７０ ０.１ ０ ４０ ０.１ ５００ ７８ ０.１ １０００ ９２ ０.２ １０００ ９０
【００１４】
【表２】 薬剤名 Ｃa量（ppm） Ａl量（％） Ｆ量（ppm） 減少率（％) 乳酸カルシウム １００ ０.１ ５００ ３２ ５００ ０.１ ５００ ８９ グルコン酸 ５００ ０ ５００ ４３ カルシウム ５００ ０.１ ５００ ８９ 塩酸カルシウム １０００ ０.２ １００ ３６ １０００ ０.２ １０００ ９８ グリセロリン酸 １０００ ０.０５ ５００ ５２ カルシウム １０００ ０.１ ５００ ８８ くえん酸カルシウム １０００ ０.１ ０ ３１ １０００ ０.１ １０００ ９０
【００１５】上記結果により、水溶性アルミニウム単独
の場合に比べて、フッ化物を併用した場合に効果の向上
がみられ、水溶性カルシウムを併用するとさらにその効
果は向上し、特にモル比でＦ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜
３：０.１〜２の配合比率であって、フッ化物濃度が１
００〜２０００ppmの範囲内にある時に著しい効果が認
められた。
の場合に比べて、フッ化物を併用した場合に効果の向上
がみられ、水溶性カルシウムを併用するとさらにその効
果は向上し、特にモル比でＦ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜
３：０.１〜２の配合比率であって、フッ化物濃度が１
００〜２０００ppmの範囲内にある時に著しい効果が認
められた。
【００１６】実験例２（根面および象牙質う蝕抑制作用
の評価） 象牙質はエナメル質より軟らかくかつ耐酸性が低くう蝕
しやすいことが知られている。そのため知覚過敏をおこ
す露出した象牙質ではう蝕が発生しやすい事が指摘され
ている。また近年、う蝕抑制効果は歯牙を用いたin vit
roによる再石灰化評価方法をもってその効果が評価でき
ることが認められている。
の評価） 象牙質はエナメル質より軟らかくかつ耐酸性が低くう蝕
しやすいことが知られている。そのため知覚過敏をおこ
す露出した象牙質ではう蝕が発生しやすい事が指摘され
ている。また近年、う蝕抑制効果は歯牙を用いたin vit
roによる再石灰化評価方法をもってその効果が評価でき
ることが認められている。
【００１７】この再石灰化評価法とは、牛歯のエナメル
質または象牙質切片に酸（虫歯）と薬剤（歯磨剤等）の
処理を行い、処理により生じる歯牙のミネラル量の増減
（増加を再石灰化、減少を脱灰と呼ぶ）を測定すること
により評価する方法である。その方法を用いて根面およ
び象牙質う蝕抑制効果の評価を行った。
質または象牙質切片に酸（虫歯）と薬剤（歯磨剤等）の
処理を行い、処理により生じる歯牙のミネラル量の増減
（増加を再石灰化、減少を脱灰と呼ぶ）を測定すること
により評価する方法である。その方法を用いて根面およ
び象牙質う蝕抑制効果の評価を行った。
【００１８】方法 牛歯の歯根部象牙質をブロック状に切出し、アクリル樹
脂で包埋したのち歯牙の表層面を研磨した。研磨の後、
研磨表層を０.１Ｍ乳酸（pＨ４.５）をもちいて４８時
間処理することにより人工的に脱灰層を作成した。脱灰
したブロックの表層の半分を水不溶性高分子溶液を用い
て被覆し下記に示した薬液（１日２回）および人工唾液
への浸漬を交互に１０日間行った。歯牙ブロックを厚み
１００μｍに切削研磨後、Ｘ線撮影したフィルムを画像
処理することにより、次式に基づき再石灰化量を算出し
た（Ｊ.Ｍ.Ｔen Ｃate，Ｊ.Ｄent Ｒes.：６９，６１４
−６１９，１９９０；Ｊ.Ｒ.Ｍellberg，Ｊ.Ｄent.Ｒe
s.：６５,９５９−９６２，１９８６）。
脂で包埋したのち歯牙の表層面を研磨した。研磨の後、
研磨表層を０.１Ｍ乳酸（pＨ４.５）をもちいて４８時
間処理することにより人工的に脱灰層を作成した。脱灰
したブロックの表層の半分を水不溶性高分子溶液を用い
て被覆し下記に示した薬液（１日２回）および人工唾液
への浸漬を交互に１０日間行った。歯牙ブロックを厚み
１００μｍに切削研磨後、Ｘ線撮影したフィルムを画像
処理することにより、次式に基づき再石灰化量を算出し
た（Ｊ.Ｍ.Ｔen Ｃate，Ｊ.Ｄent Ｒes.：６９，６１４
−６１９，１９９０；Ｊ.Ｒ.Ｍellberg，Ｊ.Ｄent.Ｒe
s.：６５,９５９−９６２，１９８６）。
【数２】
【００１９】
【表３】 薬 液 （ｗ／ｗ％） 乳酸アルミニウム ＭＦＰ 乳酸カルシウム 再石灰化量（％） ０ ０ ０ ３ ０ ０.３５ ０ ２０ ０ ０ ０.７５ ８ ０ ０.７ ０.７５ ６０ １ ０ ０ ４ １ ０.３５ ０ ３２ １ ０ ０.７５ ２２ １ ０.７ ０.７５ ８４ １ ０.７ １.５ ７９
【００２０】上記結果により、乳酸アルミニウムおよび
乳酸カルシウムのみでは、う蝕に対する抑制効果がほと
んどないのに対して、本発明の水溶性アルミニウム化合
物とフッ化物と水溶性カルシウム化合物の薬液では強力
なう蝕抑制効果が得られることがわかった。
乳酸カルシウムのみでは、う蝕に対する抑制効果がほと
んどないのに対して、本発明の水溶性アルミニウム化合
物とフッ化物と水溶性カルシウム化合物の薬液では強力
なう蝕抑制効果が得られることがわかった。
【００２１】実験例３（使用感の評価） 表４に示す処方の練歯磨を調製し、その使用感を専門パ
ネラー１５名により官能評価した。 評価基準 ○：使用感に問題なし △：使用感に少し問題あり ×：使用感に問題あり
ネラー１５名により官能評価した。 評価基準 ○：使用感に問題なし △：使用感に少し問題あり ×：使用感に問題あり
【００２２】
【表４】 原料名 配合量(％) Ａ Ｂ Ｃ Ｄ Ｅ Ｆ Ｇ Ｈ シリカ 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 カルボキシメチル 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 セルロースナトリウム ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 サッカリンナトリウム 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 乳酸アルミニウム 1.0 1.0 1.0 5.0 1.0 1.0 3.0 2.0 モノフルオルリン酸 0.7 0.7 0.7 0.7 2.5 0.7 0.7 1.5 ナトリウム 乳酸カルシウム 0.8 0.8 1.2 1.0 1.0 3.0 1.5 0.8 グリセリン 20.0 20.0 20.0 20.0 35.0 − 5.0 − ソルビトール 20.0 20.0 20.0 10.0 − 40.0 5.0 20.0 香料 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 水 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 部残 pＨ 4.5 6.5 8.0 6.5 6.5 6.5 6.5 6.5 使用感 × ○ ○ × × × △ ○
【００２３】上記結果より、フッ素濃度が１００〜２０
００ppmの範囲内で、Ｆ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：
０.１〜２であるときに、はじめて著しい収れん感と金
属味が抑えられ、使用感に優れた組成物が得られること
がわかった。
００ppmの範囲内で、Ｆ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：
０.１〜２であるときに、はじめて著しい収れん感と金
属味が抑えられ、使用感に優れた組成物が得られること
がわかった。
【００２４】次の実施例に具体的な組成物の組成を示
す。なお、「％」はいずれも重量％である。 実施例１ 練歯磨 成分 配合量（％） シリカ ２０.０ ソルビトール ３０.０ グリセリン ８.０ カルボキシメチルセルロースナトリウム １.６ サッカリンナトリウム ０.１ 香料 １.０ 乳酸アルミニウム １.０ ラウリル硫酸ナトリウム １.２ モノフルオロリン酸ナトリウム ０.７ 乳酸カルシウム ０.７ 水 １００％に調整 （pＨ６.５に調整）
す。なお、「％」はいずれも重量％である。 実施例１ 練歯磨 成分 配合量（％） シリカ ２０.０ ソルビトール ３０.０ グリセリン ８.０ カルボキシメチルセルロースナトリウム １.６ サッカリンナトリウム ０.１ 香料 １.０ 乳酸アルミニウム １.０ ラウリル硫酸ナトリウム １.２ モノフルオロリン酸ナトリウム ０.７ 乳酸カルシウム ０.７ 水 １００％に調整 （pＨ６.５に調整）
【００２５】実施例２ マウスウォッシュ 成分 配合量（％） エチルアルコール １５.０ グリセリン １０.０ アスコルビン酸 ０.０３ 乳酸アルミニウム １.５ サッカリンナトリウム ０.０５ ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 １.０ フッ化ナトリウム ０.２ 塩化カルシウム ０.３５ 香料 ０.３ 水 １００％に調整 （pＨ６.５に調整）
【００２６】実施例３ 練歯磨 成分 配合量（％） 第二リン酸カルシウム ４０.０ ソルビトール ３０.０ カルボキシメチルセルロースナトリウム １.５ サッカリンナトリウム ０.１ 香料 ０.９ Ｎ−ラウロイルサルコシンナトリウム ０.５ ショ糖脂肪酸エステル ０.５ 乳酸アルミニウム ２.０ フッ化ナトリウム ０.３ くえん酸カルシウム １.４ 水 １００％に調整 （pＨ８.０に調整）
【００２７】実施例４ 口腔用パスタ 成分 配合量（％） モノステアレート １０.０ グリセリン １５.０ ヒドロキシエチルセルロース ５.０ セチルアルコール ３.０ ソルビタンモノオレート ５.０ 香料 １.０ 乳酸アルミニウム １.５ モノフルオルリン酸ナトリウム １.５ グルコン酸カルシウム １.１ 水 １００％に調整 （pＨ５.５に調整）
【００２８】
【発明の効果】本発明によれば、象牙質知覚過敏抑制効
果と同時に歯根面および象牙質う蝕抑制においても優れ
た効果を有する口腔用組成物を得ることができる。
果と同時に歯根面および象牙質う蝕抑制においても優れ
た効果を有する口腔用組成物を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成４年３月４日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２５
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２５】実施例２ マウスウォッシュ 成分 配合量（％） エチルアルコール １５.０ グリセリン １０.０ アスコルビン酸 ０.０３ 乳酸アルミニウム １.５ サッカリンナトリウム ０.０５ ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（６０Ｅ.Ｏ.） １.０ フッ化ナトリウム ０.２ 塩化カルシウム ０.３５ 香料 ０.３ 水 １００％に調整 （pＨ６.５に調整）
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２７
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２７】実施例４ 口腔用パスタ 成分 配合量（％） グリセリルモノステアレート １０.０ グリセリン １５.０ ヒドロキシエチルセルロース ５.０ セチルアルコール ３.０ ソルビタンモノオレート ５.０ 香料 １.０ 乳酸アルミニウム １.５ モノフルオルリン酸ナトリウム １.５ グルコン酸カルシウム １.１ 水 １００％に調整 （pＨ５.５に調整）
Claims (1)
- 【請求項１】 水溶性アルミニウム化合物、フッ化物お
よび水溶性カルシウム化合物を含有する口腔用組成物で
あって、フッ素濃度が１００〜２０００ppmであり、フ
ッ素とアルミニウムとカルシウムの配合比率がモル比で
Ｆ：Ａｌ：Ｃa＝１：０.３〜３：０.１〜２であること
を特徴とする口腔用組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32030091A JPH05155746A (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | 口腔用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32030091A JPH05155746A (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | 口腔用組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05155746A true JPH05155746A (ja) | 1993-06-22 |
Family
ID=18119961
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32030091A Withdrawn JPH05155746A (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | 口腔用組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05155746A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10231237A (ja) * | 1996-12-16 | 1998-09-02 | Earth Chem Corp Ltd | 液体口腔用組成物 |
| JP2007522155A (ja) * | 2004-02-13 | 2007-08-09 | テラピコン エス．アール．エル． | 口腔用医薬製剤 |
| WO2011074268A1 (ja) | 2009-12-16 | 2011-06-23 | 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 | 歯科用超音波薬剤導入システム及び歯科用超音波薬剤導入方法 |
| JP2011126840A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Lion Corp | 口腔用組成物 |
| WO2013047826A1 (ja) * | 2011-09-28 | 2013-04-04 | ライオン株式会社 | 口腔用組成物 |
| JP2013129619A (ja) * | 2011-12-21 | 2013-07-04 | Lion Corp | 口腔用組成物 |
-
1991
- 1991-12-04 JP JP32030091A patent/JPH05155746A/ja not_active Withdrawn
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| KR20140072055A (ko) | 2011-09-28 | 2014-06-12 | 라이온 가부시키가이샤 | 구강용 조성물 |
| KR20180102205A (ko) | 2011-09-28 | 2018-09-14 | 라이온 가부시키가이샤 | 구강용 조성물 |
| KR20180102204A (ko) | 2011-09-28 | 2018-09-14 | 라이온 가부시키가이샤 | 구강용 조성물 |
| KR20180102685A (ko) | 2011-09-28 | 2018-09-17 | 라이온 가부시키가이샤 | 구강용 조성물 |
| KR20180102686A (ko) | 2011-09-28 | 2018-09-17 | 라이온 가부시키가이샤 | 구강용 조성물 |
| JP2013129619A (ja) * | 2011-12-21 | 2013-07-04 | Lion Corp | 口腔用組成物 |
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