JP7073402B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、口腔用組成物に関する。
口腔内において、歯の象牙質は、通常、エナメル質によって保護されている。しかし、歯周病の発症に伴って歯肉が退縮すると、それまで歯肉に覆われていた歯根部が口腔内で露出する。歯根部では、象牙質がエナメル質に覆われない状態で存在している。この象牙質は、無数の細管構造を保有するとともに、コラーゲンを主とする有機質層を多く含有するためミネラル密度が50%程度と低く、ミネラル密度が97%程度のエナメル質と比較して、物理的、化学的に脆弱である。そのため、口腔内で露出した歯根部には、う蝕が発生しやすい。ここで、「う蝕」とは、口腔内の細菌が糖質を代謝して産生する酸がエナメル質や象牙質を脱灰(ミネラル成分の溶出)することによる歯の実質欠損をいう。う蝕の中でも、歯根部で発生する象牙質う蝕は、「根面う蝕」と呼称されている。
根面う蝕の発症機序は、以下のとおりである。まず、口腔内に露出した象牙質表面にプラークが付着し、プラーク中の細菌によって糖の代謝がおこり、酸が産生される。続いて、産生した酸により象牙質の結晶層が脱灰し、象牙質の内側に存在していたコラーゲン層が露出する。そして、露出したコラーゲン層は、物理的・化学的に破壊されていく。この結果、歯根面は実質的に欠損となる。他方、コラーゲン層が残存するとそれが再石灰化の足場となり、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンに由来する結晶がコラーゲン中に沈着する可能性が指摘されている。
従って、根面う蝕の予防には露出コラーゲン層の分解抑制が有効であると言える。
現在、高齢化社会に向かいつつあり、歯周病の発症に伴って、根面う蝕が増加の傾向にある。したがって、現在、効果の高い根面う蝕予防技術の確立が求められている。
ここで、う蝕予防技術としては、リン酸カルシウムセメントとフッ化物を併用する技術(特許文献1)、金属フッ化物を配合した接着剤技術(特許文献2)などのフッ化物徐放技術や、水溶性カルシウム塩、それ以外の2価金属、水溶性リン酸塩、及び水溶性フッ化物の併用技術(特許文献3)などのフッ化物滞留技術が知られている。
特許文献4には、ピロリドンカルボン酸等のラクタム化合物単独またはこれを含む特定の組み合わせがコラーゲン分解抑制効果を有することが記載されている。
特開平5-23386号公報 特開2001-322908号公報 特表平10-511104号公報 国際公開第2013/047826号
しかしながら、上述した特許文献1~3に開示されているようなフッ化物を用いる技術は、エナメルう蝕に対しては一定の効果を発揮する可能性があるが、フッ化物では、根面う蝕の露出コラーゲンを保護することができないため、コラーゲンの分解を抑制することはできない。そのため、これらの技術が象牙質う蝕に対する効果を発揮することは期待できない。
特許文献4には、ピロリドンカルボン酸又はその塩単独またはこれを含む特定の組み合わせがコラーゲン分解抑制効果を発揮することが示されているのであって、ピロリドンカルボン酸又はその塩を他の化合物と組み合わせる動機づけを提供していない。
本発明の課題は、象牙質の内側にあるコラーゲン層が露出しているときにその分解を効率よく抑制することができる口腔用組成物及びその用途を提供することである。
本発明者らは、(A)成分:グリセロリン酸及び/又はその塩並びに(B)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその無機塩基塩を併用することにより、上記の課題を解決して、露出コラーゲン層の分解を効率よく抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の〔1〕~〔8〕を提供する。
〔1〕(A)成分:グリセロリン酸及び/又はその塩と、(B)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその無機塩基塩とを含有する口腔用組成物。
〔2〕前記口腔用組成物における前記(A)成分の含有量が0.005~1質量%である、〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕前記口腔用組成物における前記(B)成分の含有量が0.1~20質量%である、〔1〕又は〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕前記(A)成分の質量の前記(B)成分の質量に対する比(A/B)の値が0.001~6である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔5〕さらに、クエン酸及びその塩、並びに、リン酸及びその塩の群より選ばれる1種以上を含有する、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔6〕液体である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔7〕液体歯磨き又は洗口剤である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔8〕口腔用コラーゲン分解抑制用である、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
本発明によれば、露出コラーゲン層の分解を顕著に抑制して、象牙質う蝕の内側にあるコラーゲン層の分解を効率よく抑制することができる口腔用組成物及びその用途を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、各成分の含有量は、組成物を調製する際の各成分の仕込み量を基準とする値である。
[1.口腔用組成物]
本発明の口腔用組成物は、(A)成分及び(B)成分を含有する。さらに、本発明の口腔用組成物は、任意成分を含んでいてもよい。
<(A)成分>
成分(A)はグリセロリン酸および/またはその塩である。
グリセロリン酸は、α-グリセロリン酸と、β-グリセロリン酸とがあるが、α-グリセロリン酸が好ましい。
グリセロリン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)、銅塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩が挙げられる。これらの塩の中でも、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩がより好ましく、カルシウム塩が更に好ましい。
成分(A)は、グリセロリン酸単独またはグリセロリン酸の塩単独であってもよいし、グリセロリン酸およびグリセロリン酸の塩の組み合わせ、もしくは、2種類以上のグリセロリン酸の塩の組み合わせであってもよい。
グリセロリン酸および/またはその塩は市販品であってもよい。α-グリセロリン酸カルシウムの市販品としては例えば、岩城製薬株式会社製「グリセロリン酸Ca(商品名)」などが挙げられる。
本発明の口腔用組成物における(A)成分の含有量は特に制限されないが、口腔用組成物全量に対し通常0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上である。これにより、象牙質の内側にあるコラーゲン層が露出しているときにその分解を効率よく抑制することができる(コラーゲン分解抑制効果)。上限は通常1質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下である。これにより、使用感を優れたものとすることができ、(A)成分由来の刺激感及び異味を抑制することができる。好ましい実施形態において(A)成分の含有量は、通常0.005~1質量%、好ましくは0.01~0.5質量%である。
<(B)成分>
(B)成分は、ピロリドンカルボン酸及び/又はその無機塩基塩である。ピロリドンカルボン酸は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0007073402000001
ピロリドンカルボン酸及びその無機塩基塩の製法は特に限定されない。斯かる製法としては例えば、海藻、サトウキビ等の生物から、又は小麦粉等の加工品から抽出されたグルタミン酸を脱水してピロリドンカルボン酸を得て、これに金属イオン(例えばナトリウムイオン)を結合させる方法が挙げられ、これにより、ピロリドンカルボン酸金属塩を製造できる。
ピロリドンカルボン酸の無機塩基塩としては、例えば、1~3価の金属の無機塩基塩が挙げられる。1~3価の金属の無機塩基塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;銅塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩が挙げられ、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)が好ましい。ピロリドンカルボン酸のナトリウム塩(PCAソーダ)は、良好な安定性(例えば、酸化安定性)を有すること、及び、皮膚角質層の水分保持物質であるNMF(天然保湿因子)の構成要素であり安全性も高いことから、より好ましい。
(B)成分はピロリドンカルボン酸及びその無機塩基塩からなる群より選ばれる1種単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は特に制限されないが、口腔用組成物全量に対し通常0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。これにより、コラーゲン分解抑制効果を奏することができる。上限は通常20質量%以下であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。これにより、使用感を優れたものとすることができる。また、(B)成分由来の異味を抑制することができる。好ましい実施形態において(B)成分の含有量は、通常0.1~20質量%、好ましくは0.1~15質量%、より好ましくは0.3~10質量%、さらに好ましくは、0.5~5質量%である。
<A/B>
本発明の口腔用組成物において、(B)成分の質量に対する(A)成分の質量の比(A/B)の値は、通常、0.001以上、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上である。これにより、コラーゲン分解抑制効果をより効率的に奏することができる。上限は通常6以下であり、好ましくは5以下であり、より好ましくは2以下であり、特に好ましくは1以下である。これにより、使用感を優れたものとすることができる。特には、異味を抑制することができる。好ましい実施形態においてA/Bの値は、通常0.001~6、好ましくは0.001~5、より好ましくは、0.005~2、特に好ましくは0.01~1である。
<剤形>
口腔用組成物は、その剤形は限定されないが、口腔内の露出コラーゲン層に接触する可能性を高める観点から、常温常圧(例えば、25℃及び101.325kPa)で液体であることが好ましい。液体口腔用組成物は、洗口剤(例えば、含嗽剤、洗口液)、液体歯磨き、口中清涼剤等の液剤として調製、適用することができる。液剤は、濃縮タイプであってもよい。口腔用組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品のいずれでもよい。
<任意成分>
本発明の口腔用組成物には、上記成分に加え、必要に応じて、任意成分を配合してもよい。任意成分は、口腔用組成物の用途、剤型によって適宜選択可能である。例えば、口腔用組成物が液体である場合、任意成分としては、界面活性剤、粘稠剤、甘味剤、防腐剤、香料、薬用成分、増粘剤、(A)成分以外の湿潤剤、pH調整剤、緩衝剤及び溶剤が挙げられる。また、口腔用組成物が液体以外の剤形である場合、先に例示した任意成分以外の成分として、例えば粘結剤、研磨材が挙げられる。任意成分の含有量は特に限定されず、本発明の効果を損なわない範囲で、通常の口腔用組成物に使用される量に設定することができる。
界面活性剤としては例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、N-アシルアミノ酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、N-アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩が挙げられる。
N-アシルアミノ酸塩としては例えば、飽和または不飽和炭化水素基(例えば、炭素原子数が8~18、好ましくは12~16;直鎖及び分岐鎖のいずれでもよい)を有する、アシルアミノ酸、アシルタウリン及びこれらの塩が挙げられ、詳しくは例えば、ラウロイルメチルタウリン塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン塩、ミリストイルメチルタウリン塩などのメチルタウリン塩;ラウロイルメチルアラニン塩などのメチルアラニン塩;ラウロイルグルタミン酸塩、ミリストイルグルタミン酸塩などのグルタミン酸塩が挙げられる。
α-オレフィンスルホン酸塩としては例えば、α-オレフィンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。α-オレフィンスルホン酸が有するアルキル基の炭素原子数は、例えば10~16である。α-オレフィンスルホン酸塩としては、テトラデセンスルホン酸塩が好ましく、テトラデセンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
アルキル硫酸塩としては例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムが挙げられる。アルキル硫酸塩が有するアルキル基の炭素原子数は、12~14が好ましい。
そのほかのアニオン界面活性剤としては例えば、N-ラウロイルサルコシンナトリウム、N-ミリストイルサルコシンナトリウム等のアシルサルコシンナトリウム;N-メチル-N-アシルアラニンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウロイルスルホ酢酸ナトリウム、N-パルミトイルグルタルミン酸ナトリウム等が挙げられる。発泡性及び/又は耐硬水性が良好なアニオン界面活性剤としては例えば、アシルサルコシンナトリウム(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム)、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられ、これらが好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。具体例としては、アルキル鎖の炭素鎖長(炭素原子数)が14~18、エチレンオキサイド平均付加モル数が15~30のポリオキシエチレンアルキルエーテル;エチレンオキサイド平均付加モル数が5~100、好ましくは50~100、より好ましくは60~100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキル鎖の炭素鎖長(炭素原子数)が12~14のアルキロールアミド;脂肪酸の炭素原子数が12~18のソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸の炭素原子数が16~18で、エチレンオキサイド平均付加モル数が10~40のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては例えば、4級アンモニウム化合物が挙げられる。4級アンモニウム化合物としては例えば、アルキルアンモニウム化合物、アルキルベンジルアンモニウム化合物等が挙げられる。アルキルアンモニウム化合物としては例えば、塩化セチルピリジニウムが挙げられ、アルキルベンジルアンモニウム化合物としては例えば、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムが挙げられる。
両性界面活性剤としては例えば、アルキルアミドベタイン型両性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型両性界面活性剤;N-脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤が挙げられる。
粘稠剤としては、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、アルコール(例えば、エタノール、変性エタノール)、糖アルコール還元でんぷん糖化物が挙げられる。口腔用組成物が粘稠剤を含有する場合の含有量は、口腔用組成物全量に対し通常、0.3~50質量%である。
甘味剤としては、例えば、キシリトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジンヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p-メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチン、マルチトール、アスパルテーム、エリスリトール等が挙げられる。甘味料は、香料を兼ねていてもよい。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸エチル等のパラオキシ安息香酸エステル;安息香酸ナトリウム;ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類;エチレンジアミン四酢酸塩;塩化ベンザルコニウムが挙げられる。
香料は特に限定されないが、例えば、天然香料、合成香料(単品香料)、調合香料(油脂香料(油性香料)、粉末香料など)が挙げられる。香料としては例えば、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、カルダモン油、コリアンダー油、マジョラム油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油、ハッカ油等の天然精油;トウガラシ抽出物、ジンジャー抽出物、ペッパー抽出物、サンショウ抽出物等のエクストラクト;レモン、ストロベリー等のフルーツ系のエッセンス;l-メントール、カルボン(l-カルボン)、シンナミックアルデヒド、p-メトキシシンナミックアルデヒド、メチルサリシレート、オイゲノール、アネトール、リナロール、リナロールオキサイド、リモネン、オシメン、1,8-シネオール、n-デシルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、シトロネロール、ワニリン、α-テルピネオール、サリチル酸メチル、チモール、メントン、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール、エチルアセテート、エチルブチレート、エチル-2-メチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、リナリルアセテート、アリルヘキサノエート、ヘキサナール、ヘキセナール、シス-3-ヘキセナール、トランス-2-ヘキセナール、デカナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、フェニルエチルグリシデート、ベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、バニリルブチルエーテル、フラネオール、マルトール、エチルマルトール、ガンマ/デルタデカラクトン、ガンマ/デルタウンデカラクトン、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、N-[(エトキシカルボニル)メチル]-p-メンタン-3-カルボキサミド、N-p-ベンゼンアセトニトリルメンタンカルボキサミド、N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)-3-p-メンタンカルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール-l-メンチルカーボネート、メチルヘプチンカーボネート、メンソフラン、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、メンチルグリセリルエーテル、スピラントール、メンチルサクシネート、イソプレゴール、エチルシクロペンテノロン、4,5-ジメチル-3-ヒドロキシ-2(5H)-フラノン、シクロテン、2-メチルブチリックアシッド、アセチックアシッド、プロピオニックアシッド、オクタノール、メチルシンナメート、ヨノン、エチル-β-メチルチオプロピオネート、シス-6-ノネノール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、メチルジャスモネート;ローズマリー油、セージ油、シソ油、レモン油、オレンジ油、ライム油、マンダリン油、グレープフルーツ油、アニス油、カシア油、ローレル油、キャラウェイ油、バジル油、マスチック油、ネロリ油(オレンジフラワー油)、レモングラス油、ジャスミン油、ローズ油、イリス油等の香料素材;アップル、バナナ、ストロベリー、ブルーベリー、メロン、ピーチ、パイナップル、グレープ、マスカット、ワイン、チェリー、スカッシュ、コーヒー、ブランデー、ヨーグルト、バニラ等の調合フレーバーから選択される一種以上が好適である。
薬用成分として例えば以下の成分が挙げられる:フッ化物(例えば、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ)等のう蝕予防剤;クロロヘキシジン、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム等の第4級アンモニウム化合物;グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等のビスグアニド化合物;塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール等の、殺菌又は抗菌剤;縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;トラネキサム酸、グリチルリチン2カリウム塩、ε-アミノカプロン酸、オウバクエキス等の抗炎症剤;ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤;アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ビタミンC、塩化リゾチーム、グリチルレチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム等の収斂剤若しくはビタミン類;塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等の知覚過敏抑制剤;銅化合物;並びに植物抽出物。薬用成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
口腔用組成物が薬用成分を含有する場合それぞれの含有量は、薬剤学的に許容できる範囲で適宜設定すればよい。
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。増粘剤を配合する場合の含有量は、口腔用組成物の全量に対して、通常、0.01~10質量%である。
湿潤剤としては、例えば、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール等の糖アルコール;グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
pH調整剤、緩衝剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタミン酸、リン酸、炭酸、及びそれらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、リボ核酸及びその塩類、並びに、乳酸、塩酸、酢酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。中でも、クエン酸及びその塩、並びに、リン酸及びその塩よりなる群から選ばれる1種以上を用いることにより口腔用組成物の25℃におけるpHを5~8.5の領域で安定的に維持することができる。これにより、歯のエナメル質の脱灰を抑制することができる。クエン酸の塩としては、クエン酸ナトリウムを挙げることができる。リン酸の塩としては、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムを挙げることができる。pH調整剤、緩衝剤は、液体の口腔用組成物が目的のpHとなる量で用いられる。
口腔用組成物が液体である場合又は口腔用組成物を液状にした場合、そのpH(25℃)は、通常4.5~9であり、5~8.5であることが好ましく、例えば6~8又は6~7.5である。これにより、歯のエナメル質の脱灰を抑制でき、有効性及び安定性を保持することができる。pHは、液体の口腔用組成物を調製した直後に東亜電波工業社製のpHメーター(型番Hm-30S)を用い、25℃、3分後に測定することができる。pH調整の必要に応じて、口腔用組成物はpH調整剤を含有してもよい。口腔用組成物がpH調整剤を含有する場合、その含有量は、必要に応じて(例えば本発明の効果を損なわない範囲で)適宜決定すればよい。
口腔用組成物は、液体である場合溶剤を含むことが好ましい。溶剤としては例えば、水、アルコール(例えば、エタノール等の低級一価アルコール)、プロピレングリコールが挙げられる。溶剤は、好ましくは混合溶剤であり、より好ましくは、溶剤全量を100質量%とした場合に、エタノール:0~30%、水70~95%及びプロピレングリコール0~10%の混合溶剤である。プロピレングリコールは粘稠剤としても機能する。液体の口腔用組成物が水を含む場合、水の含有量は、液体の口腔用組成物の全量に対し通常60質量%以上である。液体の口腔用組成物が低級一価アルコールを含む場合、その含有量は、液体の口腔用組成物の全量に対し通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。
本発明の口腔用組成物の使用方法は特に規定されない。洗口剤及び口中清涼剤の場合例えば、口に適量を含んで10~30秒間、特に20秒間程度、口をすすぐ方法が挙げられる。なお、液体歯磨きの場合、洗口後は通常歯をブラッシングする。
<用途>
本発明の口腔用組成物は、コラーゲン分解抑制用途において有用である。コラーゲンは特に限定されないが、口腔内のコラーゲンは通常I型コラーゲンを含むコラーゲンである。象牙質う蝕において象牙質のコラーゲン層が露出しコラゲナーゼにより分解されると、歯の根元が実質的に欠損する。口腔用組成物を歯に適用することにより、コラーゲン分解を抑制又は改善できることから、象牙質う蝕を予防することができる。
本発明の口腔用組成物の摂取対象者は、特に限定されない。コラーゲンの分解に起因する症状(例えば、象牙質う蝕の進行、歯周組織のトラブル(歯肉退縮、歯槽骨吸収等))が既に発症しており改善したいと考えている対象者、これらの症状は発症していないが予防したいと考えている対象者などが挙げられる。
[2.口腔用組成物の製造法]
本発明の口腔用組成物は、上述した成分を混合することにより製造することができる。成分を混合する順序は特に制限されないが均一となるように混合することが好ましい。製造に際し、分散媒として溶剤を用いてもよい。液体の口腔用組成物を製造する場合、クエン酸を用いることにより液体の口腔用組成物の25℃におけるpHを5~7の領域で安定的に維持することが好ましい。これに代えて又はクエン酸と併用して、リン酸を用いることにより液体の口腔用組成物の25℃におけるpHを6~8の領域で安定的に維持することも好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、「%」は別途明示のない限り、「質量%」を意味する。表1及び表2に示す各成分の配合量は、純分換算した値(AI)である。また、水の量(バランス)には、各成分の持込水分量が含まれている。
[実施例1~14及び比較例1~3]
表1及び表2に示す組成(表1及び表2中の各成分の含有量の単位:質量%)にしたがって、すべての成分を均一に混合することにより実施例1~14及び比較例1~3の洗口液を調製した。具体的には、精製水中に原料を順次加えて攪拌し、スリーワンモーター(BL1200、HEIDON社製)を用い均一に溶解して洗口液を調製した。調製された洗口液のpH(25℃)は6.2であった。
各成分の詳細を以下に記す。
<(A)成分>
グリセロリン酸カルシウム:α-グリセロリン酸カルシウム(岩城製薬社製「グリセロリン酸Ca(商品名)」)
<(B)成分>
ピロリドンカルボン酸ナトリウム:味の素社製「Ajidew(登録商標) N-50」
<任意成分>
(界面活性剤)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:日光ケミカルズ社製「ポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油」(エチレンオキサイドの付加モル数:60)
(粘稠剤)プロピレングリコール(旭硝子社製)
(粘稠剤)グリセリン(阪本薬品工業社製、純度85%)
(甘味剤)キシリトール(ロケット・フルーレ社製)
(pH調整剤)クエン酸(扶桑化学社製)
(pH調整剤)クエン酸ナトリウム(扶桑化学社製)
(pH調整剤)リン酸一水素ナトリウム(太平化学産業社製)
(pH調整剤)リン酸二水素ナトリウム(太平化学産業社製)
(pH調整剤)水酸化ナトリウム(関東化学社製)
(甘味剤)サッカリンナトリウム(大東化学社製)
(香料)表3及び表4~10に示す香料組成物A~P(ライオン社製、高純度品の混合物)
(溶剤)水:市販の精製水(医薬部外品原料規格2006に適合)
表1及び表2の各洗口液について、下記方法及び基準によりコラーゲン分解抑制効果及び使用感を評価した。結果は表1及び表2に併記した。
<コラーゲン分解抑制効果の評価方法>
(1)根面う蝕サンプルの作製方法
牛歯根の表面を脱灰ウィンドウ用に約2mmの幅で研磨してセメント質を除去した後、マイクロカッターにより厚さ250μmの切片を切り出した。セメント質除去部分の内、約1.5mm×250μmを脱灰ウィンドウとすべく、それ以外の部分をマニキュアで被覆した。マニキュアを室温で乾燥後、0.1mol/Lの酢酸水溶液(pH4.5(25℃))中に6時間浸漬して脱灰ウィンドウにコラーゲンを露出させることにより、根面う蝕サンプルを調製した。
(2)コラーゲン分解抑制試験の実験手順
上記(1)で得た根面う蝕サンプルを、表1及び表2に示す実施例および比較例の洗口液に5分間、室温で浸漬し(洗口液処置)、蒸留水で洗浄後、37℃のコラゲナーゼ含有人工唾液(CaCl2:2.2mmol/L、KH2PO4:2.2mmol/L、酢酸:0.1mol/L、及び、クロストリジウム ヒストリチクム(Clostridium histolyticum)由来のコラゲナーゼ(Type 1A,Sigma社製)の混合物;1.0単位/mL、pH6.5(25℃))に浸漬した。この洗口液処置を朝、昼、夜と3回/日実施し、それ以外の時間はコラゲナーゼ含有人工唾液に浸漬し、合計4日間繰り返した。また、同時並行して、実施例・比較例の洗口液で処置をすることに代えて精製水で処置をしたコントロール群についても同様に実験を行った。
(3)コラーゲン分解抑制率の算出及び象牙質う蝕予防効果の評価
実験終了後、根面う蝕サンプルを顕微鏡観察し、露出コラーゲンの分解深さを1サンプル当たり3箇所測定し平均化した。すなわち、測定はn=3で実施し、平均値を算出した。ここで、「分解深さ」とは、根面う蝕サンプルにおける脱灰ウィンドウ形成時の表面高さを基準にした侵食の深さをいう。
続いて、下記の式により象牙質コラーゲン分解抑制率(%)を算出し、算出した象牙質コラーゲン分解抑制率を用いて以下に示す基準に則り4段階で評価した。これらの結果を表1及び表2に示す。
[式]
象牙質コラーゲン分解抑制率(%)=
{(コントロール群の分解深さ-実施例群・比較例群の分解深さ)/(コントロール群の分解深さ)}×100
(評価基準)
A:コラーゲン分解抑制率が80%以上
B:コラーゲン分解抑制率が70%以上80%未満
C:コラーゲン分解抑制率が50%以上70%未満
D:コラーゲン分解抑制率が50%未満
<使用感(異味のなさおよび刺激感のなさ)の評価方法>
表1及び表2の各洗口液につき、5名の判定士が洗口後の香味(使用感)について判定した。判定に際し、まず、各判定士は、各洗口液10mLを口に含み、30秒間にわたって口腔内を循環させた後、吐出した。続いて、各判定士は、洗口液の使用感を、異味のなさの観点及び刺激感のなさの観点から以下の評点基準に則り4段階で評点した。異味や刺激のない洗口液の基準としては、(A)成分及び(B)成分を含まない洗口液、即ち比較例1の洗口液において(A)成分が配合されていないものを用いた。得られた評点の平均値を求め、下記評価基準に従って各洗口液の使用感を評価した。結果は表1及び表2に併記した。
(1)異味のなさ
(洗口後の異味のなさの評点基準)
4点:異味がなかった
3点:異味がほとんどなかった
2点:異味がややあった
1点:異味があった
(洗口後の異味のなさの評価基準)
A:平均点3.5点以上4.0点以下
B:平均点3.0点以上3.5点未満
C:平均点2.0点以上3.0点未満
D:平均点2.0点未満
(2)刺激感のなさ
(洗口後の刺激感のなさの評点基準)
4点:刺激がなかった
3点:刺激がほとんどなかった
2点:刺激がややあった
1点:刺激があった
(洗口後の刺激感のなさの評価基準)
A:平均点3.5点以上4.0点以下
B:平均点3.0点以上3.5点未満
C:平均点2.0点以上3.0点未満
D:平均点2.0点未満
Figure 0007073402000002
Figure 0007073402000003
[検討]
表1及び表2に示されるとおり、比較例1~3では、コラーゲン分解抑制効果の評価結果が「D」であるのに対し、実施例1~14では、コラーゲン分解抑制効果の評価結果が「A」又は「B」である。したがって、実施例1~14の洗口液は、(A)成分及び(B)成分を含むことにより、象牙質の内側に存在するコラーゲンの分解を効率よく抑制することができることが分かる。他方、比較例1~3の洗口液は、(A)成分及び(B)成分の一方を含みかつ他方を含まないため、実施例1~14の洗口液に比べてコラーゲン分解抑制効果に劣ると考えられる。また、(A)成分を含み、かつ、(B)成分を長鎖有機塩に替えた場合(比較例2)、実施例1~14の洗口液に比べてコラーゲン分解抑制効果に劣る。
また、表1及び表2に示されるとおり、比較例1~3では、使用感の評価結果に劣る場合があるのに対し、実施例1~14では、使用感の評価結果がすべて優れている。したがって、実施例1~14の洗口液は、(A)成分及び(B)成分を含むことにより、使用感を良好にすることができることが分かる。
また、実施例2、3、5、6、8、13、14において洗口剤中に0.2質量%の香料組成物Aを配合したことに代えて、表3及び表4~10(表3中の各成分の含有量の単位:質量%、表4~10中の各成分の組成を示す単位:質量部)に示す香料組成物B~Pを0.2質量%配合した洗口剤を製造し、同様の評価を行った。その結果、いずれの香料組成物が配合された洗口剤においても、香料組成物Aが0.2質量%配合された実施例2、3、5、6、8、13、14の場合と同様の評価結果を得た。
Figure 0007073402000004
Figure 0007073402000005
Figure 0007073402000006
Figure 0007073402000007
Figure 0007073402000008
Figure 0007073402000009
Figure 0007073402000010
Figure 0007073402000011

Claims (8)

  1. (A)成分:グリセロリン酸及び/又はその塩と、
    (B)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその無機塩基塩と
    を含有する口腔用組成物。
  2. 前記口腔用組成物における前記(A)成分の含有量が0.005~1質量%である、請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 前記口腔用組成物における前記(B)成分の含有量が0.1~20質量%である、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. 前記(A)成分の質量の前記(B)成分の質量に対する比(A/B)の値が0.001~6である、請求項1~3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  5. さらに、クエン酸及びその塩、並びに、リン酸及びその塩の群より選ばれる1種以上を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  6. 液体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  7. 液体歯磨き又は洗口剤である、請求項1~6のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  8. 口腔用コラーゲン分解抑制用である、請求項1~7のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
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