JP4759149B2 - 歯科用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定量の親水性重合性単量体、疎水性重合性単量体、特定量の金属フッ化物、重合開始剤及びフィラーからなる歯科用組成物である。より詳しくは、歯質に、直接、あるいは、酸エッチング剤やプライマー等を施した後に、その表面をコーティングしてコンポジットレジン等の充填材料を接着するための歯科用接着剤に関する。本発明の歯科用組成物は、口腔内でフッ素イオンを徐々に放出して歯質の強化による齲蝕の予防作用を有し、かつ、歯牙に対して優れた接着性を示す。
【0002】
【従来の技術】
歯科医療において、フッ素イオンが歯質に作用して歯質を強化することは既に良く知られており、歯質の齲蝕予防および/又は抑制を目的として、歯質をフッ素イオンで処置することがある。また、最近では、歯科用接着剤にフッ素イオンを放出することができるフッ化物を予め添加しておき、それから溶出するフッ素イオンにより窩洞歯質壁をフッ素化し、歯質を強化して二次齲蝕の防止を図る歯科用接着剤が一部に上市されている。
【0003】
このような目的に使用されるフッ化物としては、フルオロアルミノシリケートガラス等に代表されるフッ素含有ガラス、フッ化ナトリウム等に代表される金属フッ化物が知られている。フッ素含有ガラスは、フッ素イオンを徐々に放出する特徴があり、機械的強度の著しい劣化は生じにくいものの、フッ素イオン放出量が少ないため、齲蝕予防を期待できるほどには歯質を十分に強化できない問題点がある。
【0004】
一方、金属フッ化物は、フッ素イオンの放出量は高いものの、短期間でフッ素イオンが放出してしまい、長期間に渡って歯質にフッ素イオンを供給させることが困難である。また、理由は明らかではないが、短期間で多量のフッ素イオンが象牙質と接着剤との接着部に供給されると、優れた接着性、特に接着耐久性を得ることが困難となる。
【0005】
金属フッ化物を配合した接着剤の具体例としては、例えば、特開昭62−201806号公報、特開平2−115108号公報及び特開平2−258602号公報に記載された接着剤が挙げられる。これらの公報に記載された接着剤は、いずれも歯科用組成物にフッ化ナトリウム等の金属フッ化物を配合することにより、組成物を硬化させた後にフッ素イオンが放出され、歯質を強化し、齲蝕予防効果を発揮する。しかし、いずれの公報の実施例でも、組成物はいずれも親水性重合性単量体が配合されておらず、エナメル質に対する接着剤としては有用ではあるが、水分を多く含む象牙質に対しては、接着力は極めて低い。すなわち、該組成物は、象牙質とコンポジットレジンやコンポマー等の充填材料とを接着させるためのボンディング材として使用するには必ずしも満足なものではない。
【0006】
また、特開平5−85912号公報には、親水性重合性単量体を1重量%〜50重量%、金属フッ化物を0.1〜20重量%を含有する矯正用歯科用接着剤が開示されているが、該公報に記載されているように、歯列矯正治療においては、矯正用ブラケットを取り除く(デボンディング)必要がある。つまり、矯正用接着剤は、ブラケットを装着する時には高い接着強度を必要とするが、デボンディングの時には接着剤が歯面に残存していると、接着剤を削除すると同時に歯質を削ってしまう可能性が高いことから、接着耐久性に優れた接着剤は好ましくない。
【0007】
該公報に開示された技術は、親水性重合性単量体を組成物中に多く含有させることによって、フッ素イオンの放出量を促すとともに、硬化物の吸水によって、経時的な強度低下を引き起こさせ、ブラケットおよび接着剤の除去を容易にした有用な技術である。しかし、該公報の実施例に記載されている接着剤は、水を殆ど含まないエナメル質に対しては確かに適度な接着耐久性を有するので、矯正用接着剤としては有用であるが、水を多く含む象牙質に接着すると、多量のフッ素イオンが短期間に放出され、接着強度、特に接着耐久性が著しく低下するので、充填修復用の接着剤としては不適当である。
【0008】
更に、特開平11−209213号公報には、金属フッ化物の表面をポリシロキサンで被覆したフッ化物を接着剤に配合すれば、接着剤からフッ素イオンを放出しながらも、十分な接着性能が得られることが記載されている。しかし、フッ素イオンを放出する歯科用接着剤としては、歯質、特に象牙質に対する接着性が必ずしも十分でなく、更なる接着力の改善が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、歯質を強化し得るフッ素イオンを多量に放出することなく徐々に放出させ、かつ歯質、特に象牙質に対して優れた接着性、特に接着耐久性を得ることのできる歯科用組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、硬化した組成物からのフッ素イオン放出量および放出速度を調整することができれば、上記目的を達成できると考え、組成物中の親水性重合性単量体および金属フッ化物の配合量について鋭意検討した結果、これらを特定量の範囲で配合した場合に、予想以上に歯質の耐酸性を向上させ、かつ特に象牙質に対して優れた接着耐久性が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち本発明は、(a)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルクロライド、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドおよびポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9以上のもの)からなる群より選ばれる少なくとも1種の親水性重合性単量体、(b)25℃における水に対する溶解度が5重量%よりも小さい疎水性重合性単量体、(c)金属フッ化物、(d)重合開始剤及び(e)フィラーからなる組成物であって、該親水性重合性単量体(a)の配合量が組成物全体に対して20重量%〜40重量%であり、かつ該金属フッ化物(c)の配合量が組成物全体に対して0.1重量%〜1重量%であることを特徴とする歯科用組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される親水性重合性単量体は、優れた接着性を得るために必要であるばかりでなく、重合硬化後に金属フッ化物から放出されるフッ素イオンの放出速度をコントロールするために必要である。かかる親水性重合性単量体としては、25℃における水に対する溶解度が5重量%以上、より好ましくは10重量%以上を示すものが好適に使用される。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルクロライド、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドおよびポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9以上のもの)からなる群より選ばれる少なくとも1種の親水性重合性単量体が用いられる。なお、本発明においては(メタ)アクリルをもってメタクリルとアクリルの両方を包括的に表現する。
【0013】
これらの親水性重合性単量体の配合量は、あまり少ないとフッ素イオンの放出速度が遅くなり、十分に歯質を強化させることができず、更に接着性能も低下し、また、あまり多いと短時間で多量のフッ素イオンが放出して、接着性、特に接着耐久性が低下することがあるので、歯科用組成物全体に対して20重量%〜40重量%の範囲、より好ましくは25重量%〜35重量%の範囲で配合され、使用される。
【0014】
本発明に使用される疎水性重合性単量体は、優れた接着性、硬化性、機械的強度及び塗布性を向上させるために必要である。かかる疎水性重合性単量体としては、25℃における水に対する溶解度が5重量%よりも小さく、より好ましくは1重量%以下を示すものである。かかる疎水性重合性単量体としては、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等のエステル類及び(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体等が挙げられる。中でも(メタ)アクリル酸エステルが好適に用いられる。
【0015】
(メタ)アクリル酸エステルの例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、11−メタクリロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−((メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル−1,2−ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】
これらの疎水性重合性単量体は1種類または複数種類の組み合わせで用いられる。これらの疎水性重合性単量体の配合量は、あまり多くても、またあまり少なくても象牙質に対する接着強度が低下することがあるので、本発明の歯科用組成物全体に対して、通常、30〜80重量%、好ましくは40〜70重量%の範囲で使用される。
【0017】
本発明に使用される金属フッ化物としては、水に溶解し、フッ素イオンを放出し得る金属フッ化物であれば使用可能である。具体的には、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化アルミニウム、フッ化マンガン(II)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、フッ化コバルト(II)、フッ化銅(II)、フッ化銅(III)、フッ化亜鉛、フッ化アンチモン、フッ化鉛(II)、フッ化銀(I)、フッ化カドミウム、フッ化スズ(II)、フッ化スズ(IV)、フッ化ジアミン銀、モノフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロチタン酸カリウム、ヘキサフルオロスズ(IV)、ヘキサフルオロジルコニウム酸カリウム等を挙げることができる。中でもフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムが好適に使用される。更に金属フッ化物は1μm以下の微粒子のものが好適に使用される。これらの微粒子の金属フッ化物の製造方法としては、一般に蒸留水や極性有機溶剤に溶解あるいは均一に分散させた後に、例えば、凍結乾燥機などを使用して溶剤を冷却凝固させ、更に溶剤を昇華させることによって得ることができる。
【0018】
これらの金属フッ化物は1種類または複数種類の組み合わせで用いられる。これらの金属フッ化物の配合量は、本発明の歯科用組成物全体に対して、0.1重量%〜1重量%の範囲で配合する必要があり、好ましくは0.15重量%〜0.7重量%の範囲、更に好ましくは0.2重量〜0.5重量%の範囲で使用される。0.1重量%よりも少ない場合には、フッ素イオンの放出速度が極めて遅くなり、十分に歯質を強化させることができない。1重量%よりも多い場合には、短時間で多量のフッ素イオンが放出して、接着性、特に接着耐久性が低下する。
【0019】
これらの金属フッ化物は、種々の重合性単量体、シランカップリング剤にて予め表面を被覆して使用するのが好ましい。これらの表面を被覆処理したフッ化物中の金属フッ化物の量は、前述したように、組成物全体に対して、0.1重量%〜1重量%の範囲で配合される。また、これらの表面を被覆処理したフッ化物は、平均粒径1〜30μmのものが好適に使用される。
【0020】
かかる被覆処理した金属フッ化物の中でも、特に金属フッ化物の表面をポリシロキサンにより被覆して得られるポリシロキサン被覆処理金属フッ化物を使用すると、接着耐久性がより優れるので好適に使用される。なお、本発明で用いる「ポリシロキサン」は、−Si−O−結合が網状に連鎖した分子構造を有するケイ素化合物を意味し、ケイ素原子の一結合手が酸素原子の代わりに有機基と結合したオルガノポリシロキサンをも包含する。ポリシロキサンとしては、シラノール基を有するシラン化合物を生成するシラン化合物を脱水縮合した化合物が好ましく用いられ、更に詳しく説明すると、該ポリシロキサンは、加水分解、あるいは部分加水分解することによって、得られるシラノール化合物のシラノール基を分子間で脱水縮合することにより得られるものである。金属フッ化物の表面をポリシロキサンで被覆するには、例えば特開平11−209213号公報に記載されているように、シラン化合物を加水分解して、更に脱水縮合して高分子化する方法が利用できる。
【0021】
本発明に使用される重合開始剤は、歯科用組成物を強固に硬化させるために必要であり、公知の光重合開始剤及び/または化学重合開始剤を使用することができる。光重合開始剤としては、例えば、α−ジケトン類、ケタール類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキサイド類、クマリン類、ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体等が挙げられる。
【0022】
α−ジケトン類の例としては、カンファーキノン、ベンジル、2,3−ペンタンジオンなどが挙げられる。ケタール類の例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。チオキサントン類の例としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド類の例としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、トリス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド及び特公平3−57916号公報に開示されている水溶性のアシルホスフィンオキサイド化合物などが挙げられる。
【0023】
クマリン類としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−チェノイルクマリン等の特開平10−245525号公報に記載されている化合物が挙げられる。ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の特開平10−245525号公報に記載されている化合物が挙げられる。また、紫外線照射による光重合を行う場合は、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が好適である。これらの光重合開始剤は、1種または複数種の組み合わせで用いられる。これらの光重合開始剤の配合量は、本発明の歯科用組成物全体に対して、通常0.01重量%〜10重量%の範囲、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用される。
【0024】
これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいが、より光硬化性を促進させる目的として、還元剤と併用して用いるのが一般的である。かかる還元剤としては、主として第3級アミン類、アルデヒド類、チオール基を有する化合物などが挙げられる。第3級アミンの例としては、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−N−メチルアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、 N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン等が挙げられる。
【0025】
アルデヒド類の例としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。チオール基を有する化合物の例としては、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チオ安息香酸等。これらの還元剤は、1種または複数種類の組み合わせで用いられる。これらの還元剤の配合量は、本発明の歯科用組成物に対して、通常、0.01重量%〜10重量%の範囲、より好ましくは0.05重量%〜7重量%の範囲、さらに好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲で使用される。
【0026】
化学重合開始剤としては、例えば、酸化剤と還元剤よりなるレドックス系の重合開始剤が好適に用いられる。酸化剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類などの有機過酸化物も配合することが可能であり、具体的には、ジアシルパーオキサイド類としてはベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0027】
パーオキシエステル類としては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。ジアルキルパーオキサイド類としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0028】
パーオキシケタール類としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン等が挙げられる。ケトンパーオキサイド類としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド等が挙げられる。ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド等が挙げられる。
【0029】
還元剤としては、芳香族第3級アミン、脂肪族第3級アミン及びスルフィン酸またはその塩などが好ましく使用される。芳香族第3級アミンとしては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−i−プロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、 N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジイソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジブチルアニリン、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(2−メタクリロイルオキシ)エチル等が挙げられる。
【0030】
脂肪族第3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート等が挙げられる。
【0031】
スルフィン酸またはその塩としては、例えば、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、トルエンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸カリウム、トルエンスルフィン酸カルシウム、トルエンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられる。これらの酸化剤及び還元剤は、1種または複数種類の組み合わせで用いられる。また、これらの化学重合開始剤の配合量は、本発明の歯科用組成物に対して通常0.01重量%〜10重量%の範囲、より好ましくは0.05〜7重量%の範囲、さらに好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用される。
【0032】
本発明に使用されるフィラーは、金属フッ化物の沈降を抑制するために必要であり、また、組成物の塗布性、流動性、機械的強度等を調整するためにも配合する必要がある。かかるフィラーとしては、無機系フィラーあるいは有機系フィラー及びこれらの複合体が用いられる。無機系フィラーとしては、シリカあるいはカオリン、クレー、雲母、マイカなどのシリカを基材とする鉱物、シリカを基材とし、Al2O3、B2O3、TiO2、ZrO2、BaO、La2O3、SrO2、CaO、P2O5等を含有するセラミックスやガラスの類、特にランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ソーダガラス、リチウムボロシリケートガラス、亜鉛ガラス、フルオロアルミナムボロシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、バイオガラス等が挙げられる。さらには結晶石英、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、酸化チタン、酸化イットリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等も好適に用いられる。
【0033】
有機物のフィラーとしては、ポリメチルメタクリレート、多官能メタクリレートの重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の有機樹脂が挙げられる。また、これらの有機系フィラーに無機系フィラーを分散させたり、無機系フィラーを種々の有機樹脂でコーティングした無機/有機複合フィラー等も挙げられる。
【0034】
これらのフィラーは、前述したように、金属フッ化物の沈降の抑制や組成物の塗布性、流動性、機械的強度等を調整するためにシランカップリング剤等の公知の表面処理剤で予め表面処理してから用いてもよい。かかる表面処理剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0035】
これらのフィラーは、単独または複数種類を組み合わせて配合され、本発明の歯科用組成物全体に対して、通常、1〜40重量%の範囲、好ましくは5〜30重量%の範囲が好適である。また、フィラーの平均粒径は、通常0.001〜50μmの範囲のものが使用されるが、金属フッ化物の沈降を抑える効果を発現させるには1μm以下の超微粒子フィラーを配合させるとよい。中でもアエロジル等のコロイダルシリカが好ましく使用され、組成物の粘度は30℃、10rpmの条件で0.1〜2.0Pa・sに調整するとよい。
【0036】
本発明の歯科用組成物においては、酸性基含有重合性単量体を更に配合させることによって、歯質に対する接着性をより向上させるだけでなく、フッ素イオンの放出速度を制御しやすくすることができる。かかる酸性基含有重合性単量体としては、例えば、リン酸残基、ピロリン酸残基、カルボン酸残基またはスルホン酸残基等の酸性基を少なくとも一つ以上有し、かつ、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチレン基等の重合可能な不飽和基を有する重合性単量体を挙げることができ、該化合物の具体例として、以下のものが挙げられる。
【0037】
リン酸基含有重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、7−(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンホスフェート、16−(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート、ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル 2’−ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチル フェニルホスホネート等。特開平3−294286号公報に記載されている(5−メタクリロキシ)ペンチル−3−ホスホノプロピオネート、(6−メタクリロキシ)ヘキシル−3−ホスホノプロピオネート、(10−メタクリロキシ)デシル−3−ホスホノプロピオネート、(6−メタクリロキシ)ヘキシル−3−ホスホノアセテート、(10−メタクリロキシ)デシル−3−ホスホノアセテート等。特開昭62−281885号公報に記載されている2−メタクリロイルオキシエチル(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピル(4−メトキシフェニル)ハイドロジェンホスフェート等。更には、特開昭52−113089号公報、特開昭53−67740号公報、特開昭53−69494号公報、特開昭53−144939号公報、特開昭58−128393号公報、特開昭58−192891号公報に例示されているリン酸基含有重合性単量体等が挙げられる。更には、これらの酸塩化物、アルカリ金属塩、およびアンモニウム塩が挙げられる。
【0038】
ピロリン酸基含有重合性単量体としては、例えば、ピロリン酸ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、ピロリン酸ジ〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕、ピロリン酸ジ〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕、ピロリン酸ジ〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕、ピロリン酸ジ〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕等が挙げられる。更には、これらの酸塩化物、アルカリ金属塩、およびアンモニウム塩が挙げられる。
【0039】
カルボン酸基含有重合性単量体としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシオクチルオキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルオキシカルボニルフタル酸、およびこれらの酸無水物、5−(メタ)アクリロイルアミノペンチルカルボン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ヘキサンジカルボン酸、8−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−オクタンジカルボン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−デカンジカルボン酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。更には、これらの酸塩化物、アルカリ金属塩、およびアンモニウム塩が挙げられる。
【0040】
スルホン酸基含有重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。中でも、リン酸基含有重合性単量体を使用した場合、歯質に対する接着性が非常に優れるので好適に使用される。更に10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート等の2価のリン酸基含有重合性単量体を使用するとフッ素イオン放出速度をより制御しやすくできるので好適に使用される。
【0041】
これらの酸性基含有重合性単量体は1種類または複数種類の組み合わせで用いられる。これらの酸性基含有重合性単量体の配合量は、あまり多いと接着性能が低下することがあるので、本発明の歯科用組成物全体に対して通常、0.1重量〜30重量%の範囲、より好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲、更に好ましくは1〜10重量%の範囲で使用するのが望ましい。
【0042】
本発明の歯科用組成物においては、更にカルシウムイオン放出性物質を配合させることによって、歯質の耐酸性層の形成を促進させることができる。かかるカルシウムイオン放出物質としては、例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、第一リン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リン酸4カルシウム、リン酸8カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フッ化カルシウム等の無機化合物が好適である。また、これらの無機化合物を組成中に含有するガラス類等も好適である。これらのカルシウムイオン放出性物質は1種類または複数種類の組み合わせで用いられる。
【0043】
これらのカルシウムイオン放出性物質の配合量は、無機化合物を配合する場合とガラスとしてを配合する場合とでは最適な配合量が異なり、無機化合物の場合は、組成物全体に対して、通常、0.01重量〜10重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲、更に好ましくは0.5〜3重量%の範囲で使用するのが望ましい。0.01重量%より少ない場合では、歯質の強化の促進効果が認められない場合があり、10重量%よりも多い場合には、機械的強度や歯質接着性の低下が生じる場合がある。
【0044】
ガラスとして配合する場合には、組成物全体に対して通常、0.1重量〜30重量%の範囲、より好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲、更に好ましくは1〜10重量%の範囲で使用するのが望ましい。0.1重量%より少ないと、歯質の強化の促進効果が認められないことがあり、30重量%よりも多いと、機械的強度や歯質接着性の低下が生じることがある。なお、これらのカルシウムイオン放出性物質は、先述のフィラーとして使用される。
【0045】
更に、塗布性の向上あるいは重合開始剤への溶解性を補助する目的で、水、揮発性の有機溶剤およびこれらの混合液を配合することができる。かかる揮発性有機溶剤としては、通常、常圧の沸点が150℃以下、より好ましくは、100℃以下の揮発性有機溶剤が使用され、例えば、エタノール、メタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケンン類、酢酸エチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル化合物、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ヘプタン、ヘキサン、トルエン等の炭化水素化合物類及びクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素化合物等が好適に使用される。中でも、エタノール、アセトン等の水溶性の揮発性溶剤が好適に使用される。これらの水及び/又は揮発性有機溶剤の配合量は、本発明の組成物全体に対して、通常、30重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で使用するのが望ましい。また、本発明の歯科用組成物に配合されたこれらの水及び/又は揮発性溶剤は、接着性を損なわないように、組成物を歯質に塗布した後、歯科用のエアーシリンジ等にて蒸散させることが望ましい。
【0046】
更に、本発明の歯科用組成物には、所望に応じて、重合禁止剤、着色剤、蛍光剤、紫外線吸収剤などを添加してもよい。また、抗菌性を付与する目的で、セチルピリジニウムクロライド、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド等のカチオン性の抗菌性化合物を配合してもよい。
【0047】
また、本発明の歯科用組成物は、歯質等の硬質組織のみならず、金属、陶材、コンポジット硬化物などの歯冠修復材料に対しても使用することができ、更に、市販の歯科用金属プライマー、陶材接着用のプライマー、次塩素酸塩等の歯面清掃剤等と組み合わせて使用してもよい。以下に、本発明の好ましい実施の形態を説明するが、本発明は以下の態様に限定されるものではない。なお、略称・略号については次の通りである。
【0048】
親水性重合性単量体:
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
9G:ポリエチレングリコールジメタクリレート(オキシエチレン基の数は9)
【0049】
疎水性重合性単量体:
Bis−GMA:ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート
UDMA:[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート
HD:ヘキサンジオールジメタクリレート
【0050】
金属フッ化物(1μm以下の微粒子):
NaF:フッ化ナトリウム
KF:フッ化カリウム
PFNa:モノフルオロリン酸ナトリウム
【0051】
重合開始剤、還元剤:
CQ:カンファーキノン
TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
DEPT:N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
DMAB:4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン
【0052】
酸性基含有重合性単量体:
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
【0053】
重合禁止剤、その他:
BHT:t−ブチルヒドロキシトルエン
MDPB:12−メタクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド
【0054】
【実施例】
実施例1
MDP(15重量部)、HEMA(40重量部)、蒸留水(40重量部)、MDPB(5重量部)、TMDPO(0.5重量部)、DEPT(3.4重量部)、BHT(0.1重量部)からなるプライマーAを調製した。続いて、表1に示すように、HEMA、Bis−GMA、HD、NaF、CQ、TMDPO、DMAB、超微粒子シリカからなるボンディング材を調製した。このプライマーAおよびボンディング材を用いて、後述の接着試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表1に併記した。また、後述の歯質強化確認試験方法に従って、歯質の耐酸性の効果を評価し、評価結果を表1に併記した。
【0055】
【表1】
【0056】
接着力試験方法:
ウシの前歯を#1000シリコン・カーバイド紙〔日本研紙(株)製〕で平滑に湿潤研磨した後、エナメル質表面または象牙質表面を露出させ、その表面の水を歯科用エアーシリンジで吹き飛ばした。露出したエナメル質表面または象牙質表面に直径3mmの穴を開けた厚さ約150ミクロンの粘着テープを貼り、穴の部分にプライマーAを筆で塗布し、そのまま30秒間放置した後、エアーシリンジでプライマーAの流動性が無くなる程度まで乾燥させた。
【0057】
その上に、ボンディング材を筆で約100ミクロンの厚さに塗布し、歯科用光照射器「ライテルII」〔群馬牛尾電気(株)製、商品名〕にて20秒間光照射を行い、硬化させた。さらに、その上に市販の光重合型歯科用コンポジットレジン「クリアフィルAP−X」〔(株)クラレ製、商品名〕をのせ、エバール〔登録商標、(株)クラレ製、商品名〕からなるフィルムをかぶせた後、スライドガラスを上から押しつけ、かかる状態で上記光照射器にて40秒間光照射を行い、硬化させた。
【0058】
この硬化面に対して、市販の歯科用レジンセメント「パナビア21」〔(株)クラレ製、商品名〕を用いてステンレス棒を接着し、30分間後に試験片を37℃の水中に24時間浸漬させた後、更に4℃の冷水中と60℃の温水中に各1分間ずつ浸漬する熱サイクルを4000回負荷させた後に接着強度を測定した。接着強度の測定には、万能試験機(インストロン製)を用い、クロス・ヘッドスピード2mm/minの条件で引張接着強度を測定した。各接着強度の測定値は、8個の試験片の測定値の平均値で示した。
【0059】
歯質強化確認試験方法:
人の大臼歯を#80シリコン・カーバイド紙〔日本研紙(株)製〕で歯冠部を湿潤研磨して削除し、更に#1000シリコン・カーバイド紙にて平滑に湿潤研磨して象牙質表面を露出させた後、表面の水を歯科用エアーシリンジで吹き飛ばした。露出した象牙質表面にプライマーAを筆で塗布し、そのまま30秒間放置した後、エアーシリンジでプライマーAの流動性が無くなる程度まで乾燥させた。
【0060】
その上に、ボンディング材を筆で約100ミクロンの厚さに塗布し、歯科用光照射器「ライテルII」〔群馬牛尾電気(株)製、商品名〕にて20秒間光照射を行い、硬化させた。さらに、その上に市販の光重合型歯科用コンポジットレジン「クリアフィルAP−X」〔(株)クラレ製、商品名〕を築盛して、かかる状態で上記光照射器にて40秒間光照射を行い、硬化させた。
【0061】
その後、作製した試料を蒸留水の入った容器に入れ、37℃の恒温器の中で6ヶ月間保管した。6ヶ月間水中に浸漬した試料は、歯質とボンディング材との接合部が現れるように低速ダイヤモンドカッターを用いて割断した。割断面は更に#1500シリコン・カーバイド紙にて湿潤研磨した後、割断面が上になるようにクエン酸バッファー(pH5.6)に浸漬させた。その後、37℃の恒温器の中で24時間保管して、歯質(割断面)を脱灰させ、その脱灰の程度を走査電子顕微鏡にて観察し、後述のスコアにて評価した。
【0062】
−:ボンディング材直下の象牙質も脱灰され、象牙質の耐酸性は観察されなかった。
+:ボンディング材直下から下の方向に1μm以上〜5μm未満の範囲で、象牙質に耐酸性の層が観察された。
++:ボンディング材直下から下の方向に5μm以上の範囲で、象牙質に耐酸性の層が観察された。
【0063】
実施例2〜7、比較例1〜3
表1に示すように、HEMA、Bis−GMA、UDMA、HD、NaF、CQ、TMDPO、DMAB、超微粒子シリカ及びMDP等からなる組成物において、NaFの配合量の異なるボンディング材をそれぞれ調製した。これらのボンディング材及び実施例1に使用したプライマーAを用いて、実施例1と同様の接着試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表1に併記した。また、実施例1の歯質強化確認試験方法に従って、歯質の耐酸性の効果を評価し、評価結果を表1に併記した。
【0064】
表1から明らかなように、NaFが0.1重量%〜1重量%の範囲で配合されたボンディング材を使用した場合、歯質に対する接着性に優れ、更に歯質に耐酸性の層が形成され、歯質が強化されていた(実施例1〜7)。中でも、特にNaFが0.15重量%〜0.7重量%の範囲で配合されたボンディング材を使用した場合、歯質接着性、歯質の耐酸性の双方が、より優れていた(実施例1、実施例3〜6)。これに対してNaFが配合されていないボンディング材を使用した場合、接着性は優れていたが、歯質は全く強化されていなかった(比較例1)。また、NaFを5重量%配合したボンディング材を使用した場合、歯質は強化されていたが、歯質に対する接着性、特に象牙質に対する接着性が非常に劣っていた(比較例2、比較例3)。
【0065】
実施例8〜14、比較例4〜6
表2に示すように、HEMA、Bis−GMA、HD、NaF、CQ、TMDPO、DMAB、超微粒子シリカ及びMDP等からなる組成物において、HEMAの配合量の異なるボンディング材をそれぞれ調製した。これらのボンディング材及び実施例1に使用したプライマーAを用いて、実施例1と同様の接着試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表2に併記した。また、実施例2の歯質強化確認試験方法に従って歯質の耐酸性の効果を評価し、評価結果を表2に併記した。
【0066】
【表2】
【0067】
表2から明らかなように、HEMAが20重量%〜40重量%の範囲で配合されたボンディング材を使用した場合、歯質に対する接着性に優れ、更に歯質には耐酸性の層が形成され、歯質が強化されていた(実施例8〜14)。中でも、特にHEMAが25重量%〜35重量%の範囲で配合されたボンディング材を使用した場合、歯質接着性、歯質の耐酸性の双方が、より優れていた(実施例10〜12)。これに対して、HEMAを10重量%配合したボンディング材を使用した場合、接着性は低下し、更に歯質は強化されていなかった(比較例4、比較例5)。また、HEMAを50重量%配合したボンディング材を使用した場合、歯質は強化されていたが、歯質に対する接着性、特に象牙質に対する接着性が非常に劣っていた(比較例6)。
【0068】
実施例15〜22、比較例7、8
表3に示すように、親水性重合性単量体、疎水性重合性単量体、金属フッ化物、重合開始剤、超微粒子シリカ及びMDP等からなるボンディング材をそれぞれ調製した。これらのボンディング材及び実施例1に使用したプライマーAを用いて、実施例1と同様の接着試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表3に併記した。また、実施例1の歯質強化確認試験方法に従って歯質の耐酸性の効果を評価し、評価結果を表3に併記した。なお、MC−NaFとは、1μm以下の微粒子のNaFの表面をポリシロキサンで被覆したものであり、MC−NaF中のNaF含有量が50重量%であるものを使用した。
【0069】
MC−NaFの製造方法
ビニルトリエトキシシラン100gを4mN塩酸40mlに加え、系が均一になるまで室温で撹拌した。この水溶液に1μm以下の微粒子のNaFを55g、エタノール40g及び3−アミノプロピルトリエトキシシラン5gを加え、24時間撹拌後、減圧蒸留により揮発成分を除き、更に120℃の加熱処理を1時間行い、粉砕後することによって平均粒径10μmのMC−NaFを110gを得た。
【0070】
【表3】
【0071】
表3から明らかなように、NaFの代わりにKF、PFNa又はMC−NaFを0.5重量%配合したボンディング材を使用した場合でも、歯質に対する接着性に優れ、更に歯質には耐酸性の層が形成され、歯質が強化されていた(実施例15〜22)。また、親水性重合性単量体として9Gを配合したボンディング材を使用した場合でも、歯質に対する接着性に優れ、更に歯質には耐酸性の層が形成され、歯質が強化されていた(実施例21、実施例22)。これに対して、MC−NaFを5重量%を配合したボンディング材を使用した場合、歯質は強化されていたが、歯質に対する接着性、特に象牙質に対する接着性が非常に劣っていた(比較例7)、また、親水性重合性単量体を含有しないボンディング材を使用した場合、歯質は強化されず、かつ、歯質に対する接着性、特に象牙質に対する接着性は非常に劣っていた(比較例8)。
【0072】
実施例23〜28、比較例9〜12
フッ素イオン放出量の測定
ポリエステルフィルムの上にテフロン製の型を置き、型の中に実施例1、実施例2、実施例7、実施例9、実施例13、実施例20、比較例3、比較例5、比較例6または比較例8で調製したボンディング材を充填し、その上にポリエステルフィルムを被せて、ガラス版で圧接した後、α−ライト〔(株)モリタ東京製作所製、商品名〕にて3分間光照射して、直径1.5cm、厚さ1mmの円盤状の硬化物を作製した。これらの硬化物を37℃のリン酸緩衝液(pH7)4mlに浸漬し、円盤状硬化物からのフッ素イオン溶出量を定量した。定量はフッ素イオン電極(オリオンリサーチ社製)を用いて行った。放出されたフッ素イオン量の測定結果を図1に示した。なお、実施例23〜28、比較例9〜12に使用したそれぞれのボンディング材は表4に記載した。
【0073】
【表4】
【0074】
図1は硬化物から放出された累積フッ素イオン量を示すグラフであり、実施例23、実施例24、実施例25、実施例26、実施例27及び実施例28においては、短期間で多量のフッ素イオンを放出せず、かつ少なくとも浸漬30日間の累積フッ素イオン量は200μg/g以上であった。これらの実施例で使用したボンディング材を使用すると、前述したように優れた歯質接着性と歯質強化が確認された。これに対して、比較例9および比較例11では、短期間でフッ素イオンが多量に放出され、これらの比較例で使用したボンディング材を使用すると、前述したように、歯質接着性、特に象牙質に対する接着耐久性に劣っていた。また、比較例10および比較例12では、フッ素イオンの放出速度が極めて遅いために、これらの比較例で使用したボンディング材を使用すると、前述したように歯質を十分強化することができず、更に象牙質に対する接着性も明らかに劣っていた。
【0075】
実施例29
実施例1のボンディング材全体に対して、更に水酸化カルシウムを0.5重量%配合させたボンディング材を調製した。このボンディング材及び実施例1に使用したプライマーAを用いて、実施例1と同様の接着試験方法に従って接着強度を測定した結果、牛歯エナメル質に対して17.0MPa、牛歯象牙質に対して17.3MPaであり、実施例1のボンディング材を使用した場合と同様に、優れた接着強度を示した。また、実施例1の歯質強化確認試験方法(ただし、試料を蒸留水に浸漬させる期間を3ヶ月に短縮した)に従って、歯質の耐酸性の効果を評価した結果、耐酸性層は6μm程度(スコア:++)を示したのに対し、実施例1のボンディング材では同条件では約3μm程度(スコア:+)であり、水酸化カルシウムを配合することによって、歯質の強化スピードが促進されていた。
【0076】
実施例30
実施例17のボンディング材全体に対して、更に水酸化カルシウムを0.5重量%配合させたボンディング材を調製した。このボンディング材及び実施例1に使用したプライマーAを用いて、実施例1と同様の接着試験方法に従って接着強度を測定した結果、牛歯エナメル質に対して19.5MPa、牛歯象牙質に対して19.4MPaであり、実施例17のボンディング材を使用した場合と同様に、優れた接着強度を示した。また、実施例29の歯質強化確認試験方法に従って、歯質の耐酸性の効果を評価した結果、耐酸性層は10μm程度(スコア:++)を示したのに対し、実施例17のボンディング材では同条件では約4μm程度(スコア:+)であり、水酸化カルシウムを配合することによって、歯質の強化スピードが促進されていた。
【0077】
【発明の効果】
本発明の歯科用組成物は、歯質、特に象牙質に対して優れた接着性を示し、かつ歯質を強化し得るフッ素イオンを多量に放出することなく徐々に放出させることができるので齲蝕予防に非常に有用であり、歯科分野において、歯質と充填用コンポジットレジン等の充填材料との接着を目的とした歯科用接着剤として特に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化物から放出されるフッ素イオン量を示すグラフである。
Claims (5)
- (a)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルクロライド、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドおよびポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9以上のもの)からなる群より選ばれる少なくとも1種の親水性重合性単量体、(b)25℃における水に対する溶解度が5重量%よりも小さい疎水性重合性単量体、(c)金属フッ化物、(d)重合開始剤及び(e)フィラーからなる組成物であって、該親水性重合性単量体(a)の配合量が組成物全体に対して20重量%〜40重量%であり、かつ該金属フッ化物(c)の配合量が組成物全体に対して0.1重量%〜1重量%であることを特徴とする歯科用組成物。
- 請求項1に記載の歯科用組成物に、更に(f)酸性基含有重合性単量体を含有させた歯科用組成物。
- 該酸性基含有重合性単量体がリン酸基含有重合性単量体である請求項2記載の歯科用組成物。
- 請求項1〜3いずれかに記載の歯科用組成物において、該金属フッ化物の表面がポリシロキサンにて被覆処理された歯科用組成物。
- 請求項1〜4いずれかに記載の歯科用組成物において、更に(g)カルシウムイオン放出性物質を含有させた歯科用組成物。
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